(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050079
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】広告枠統合管理装置、広告枠統合管理方法、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20240403BHJP
H04H 20/28 20080101ALI20240403BHJP
H04H 40/18 20080101ALI20240403BHJP
H04H 60/25 20080101ALI20240403BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
H04H20/28
H04H40/18
H04H60/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156680
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】上野 菜緒
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】各放送局の広告枠情報を統合管理することが可能な広告枠統合管理装置を提供する。
【解決手段】広告枠統合管理装置において、取得手段は、複数の放送局から、番組情報と前記番組に対応する広告枠情報とを取得する。統合手段は、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する。出力手段は、前記統合された結果を端末装置へ出力する。ここで、前記広告枠情報は、ネット枠とローカル枠とスポット枠との区分に関する情報を含む。また、前記統合手段は、前記広告枠情報を前記区分に分けた状態で、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の放送局から、番組情報と前記番組に対応する広告枠情報とを取得する取得手段と、
複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する統合手段と、
前記統合された結果を端末装置へ出力する出力手段と、
を備え、
前記広告枠情報は、ネット枠とローカル枠とスポット枠との区分に関する情報を含み、
前記統合手段は、前記広告枠情報を前記区分に分けた状態で、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する広告枠統合管理装置。
【請求項2】
前記統合手段は、番組に対応した広告枠と、前記放送局が前記区分ごとに設定した広告枠の時間とが合致するか否かを判定し、
前記出力手段は、前記判定の結果を出力する請求項1に記載の広告枠統合管理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記放送局から更新情報を取得し、
前記統合手段は、前記更新情報を基に前記統合の結果を更新する請求項1に記載の広告枠統合管理装置。
【請求項4】
前記更新情報は、広告枠の時間変更に関する情報を含み、
前記放送局は、同番組の前記広告枠の時間変更を複数の放送局について一括で行い、
前記統合手段は、前記複数の放送局の前記広告枠の時間変更に関する情報を基に前記統合の結果を更新する請求項3に記載の広告枠統合管理装置。
【請求項5】
ユーザからの検索条件を取得する検索条件取得手段と、
前記統合の結果を基に前記検索条件に合致する広告枠情報を検索する検索手段と、
を備え、
前記出力手段は、前記検索の結果を出力する請求項1に記載の広告枠統合管理装置。
【請求項6】
前記検索条件は、放送日、時間帯又は番組種別の少なくとも1つを含む請求項5に記載の広告枠統合管理装置。
【請求項7】
前記広告枠情報は、広告枠の販売状況に関する情報を含み、
前記統合手段は、前記広告枠に空きがあるか否かを判定し、
前記出力手段は、空きのある広告枠と空きのない広告枠とを異なる表示態様で端末装置へ出力する請求項1に記載の広告枠統合管理装置。
【請求項8】
複数の放送局から、番組情報と前記番組に対応する広告枠情報とを取得し、
複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合し、
前記統合された結果を端末装置へ出力し、
前記広告枠情報は、ネット枠とローカル枠とスポット枠との区分に関する情報を含み、
前記広告枠情報を前記区分に分けた状態で、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する広告枠統合管理方法。
【請求項9】
複数の放送局から、番組情報と前記番組に対応する広告枠情報とを取得し、
複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合し、
前記統合された結果を端末装置へ出力し、
前記広告枠情報は、ネット枠とローカル枠とスポット枠との区分に関する情報を含み、
前記広告枠情報を前記区分に分けた状態で、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広告枠の統合管理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送局は、自局の広告枠は自局内でのみ管理している。そのため、例えば、キー局とその系列局で放送される全国ネット番組などの場合、キー局が番組の編成や番組の時間を変更すると、系列局は、変更された情報をもとに自局の広告枠を変更する必要がある。このように、全国ネット番組の広告枠を変更する場合は、キー局と系列局の各局がそれぞれ対応することとなり、効率的ではない。また、将来、キー局とその系列全体で経営統合に向けた動きが出た場合、現在の仕組みでは広告枠の管理が困難である。特許文献1では、コマーシャル枠の情報を含む広告情報を管理するコマーシャル情報提供システムを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1によっても、各放送局の広告枠情報を一括して管理することができるとは限らない。
【0005】
本開示の1つの目的は、各放送局の広告枠情報を統合管理することが可能な広告枠統合管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本開示の一つの観点では、広告枠統合管理装置は、
複数の放送局から、番組情報と前記番組に対応する広告枠情報とを取得する取得手段と、
複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する統合手段と、
前記統合された結果を端末装置へ出力する出力手段と、
を備え、
前記広告枠情報は、ネット枠とローカル枠とスポット枠との区分に関する情報を含み、
前記統合手段は、前記広告枠情報を前記区分に分けた状態で、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する。
【0007】
本開示の他の観点では、広告枠統合管理方法は、
複数の放送局から、番組情報と前記番組に対応する広告枠情報とを取得し、
複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合し、
前記統合された結果を端末装置へ出力し、
前記広告枠情報は、ネット枠とローカル枠とスポット枠との区分に関する情報を含み、
前記広告枠情報を前記区分に分けた状態で、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する。
【0008】
本開示のさらに他の観点では、記録媒体は、
複数の放送局から、番組情報と前記番組に対応する広告枠情報とを取得し、
複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合し、
前記統合された結果を端末装置へ出力し、
前記広告枠情報は、ネット枠とローカル枠とスポット枠との区分に関する情報を含み、
前記広告枠情報を前記区分に分けた状態で、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、各放送局の広告枠情報を統合管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る広告枠統合管理システムの全体構成を示す。
【
図2】広告枠統合管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態の広告枠統合管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図13】広告枠統合管理装置による広告枠統合処理のフローチャートである。
【
図14】第2実施形態の広告枠統合管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図15】第2実施形態の広告枠統合管理装置による処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
[システム構成]
図1は、本開示に係る広告枠統合管理装置を適用した広告枠統合管理システムの全体構成を示す。広告枠統合管理システム1は、広告枠統合管理装置100と、放送局が使用する端末装置200と、広告会社が使用する端末装置300とを含む。広告枠統合管理装置100と、端末装置200と、端末装置300は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータにより構成される。また、広告枠統合管理装置100と端末装置200とは無線又は有線により通信可能であり、広告枠統合管理装置100と端末装置300とは無線又は有線により通信可能である。なお、
図1では、端末装置200が1台存在しているが、端末装置200は各放送局に存在しているものとする。端末装置300も同様に各広告会社に存在しているものとする。
【0012】
また、広告には、新聞広告や雑誌広告、テレビコマーシャルなどがあるが、本実施例の広告は、テレビコマーシャルを指すものとする。
【0013】
広告枠統合管理システム1の基本的な動作として、広告枠統合管理装置100は、各放送局の端末装置200から送信された広告枠情報を一元管理する。そして、広告枠統合管理装置100は、各放送局の端末装置200や各広告会社の端末装置300の要求に基づいて、一元管理している広告枠情報を送信する。具体的に、各放送局のシステム利用者(以下、「提供者」とも呼ぶ。)は、端末装置200を介して、テレビ番組に関する情報(以下、「番組情報」とも呼ぶ。)と、そのテレビ番組に対応する広告枠に関する情報(以下、「広告枠情報」とも呼ぶ。)と、を広告枠統合管理装置100へ送信する。
【0014】
番組情報は、番組名、番組種別(ニュース、バラエティなど)、番組の放送日時などを含む。また、広告枠情報は、広告枠の区分、広告枠の時間などを含む。「広告枠の区分」は、広告枠がどの区分に属するかを示すものである。本実施形態では、「広告枠の区分」は、広告の放送タイミングや広告の放送エリアなどに基づいて、ネットタイム枠、ローカルタイム枠、スポット枠に分けられている。ネットタイム枠およびローカルタイム枠は、特定の番組に含まれる広告枠である。広告主は、特定の番組のスポンサーになる(即ち、ネットタイム枠もしくはローカルタイム枠を購入する)ことで、その番組時間内に広告を放送することができる。なお、ネットタイム枠とローカルタイム枠とでは、広告の放送エリアが異なる。ネットタイム枠では、広告はキー局および全国の系列局で放送される。一方、ローカルタイム枠では、広告は各局の放送エリアでのみ放送される。スポット枠は、番組に関係なく、放送局が定める時間に挿入される広告枠である。スポット枠は、番組と番組の合間に放送されるSB(Station Break)と、番組時間内に放送されるPT(Participating commercial)と、を含む。広告主がスポット枠を購入すると、広告は放送局が定めた広告枠のどこかで放送されることとなる。
【0015】
広告枠統合管理装置100は、キー局およびその系列局の番組情報と広告枠情報とを統合する。そして、広告枠統合管理装置100は、端末装置200の要求に応じて、統合した結果(以下、「統合結果」とも呼ぶ。)を端末装置200へ送信する。これにより、各放送局の提供者は、自局および系列内の他局の広告枠情報を参照することができる。
【0016】
また、広告枠統合管理装置100は、端末装置300の要求に応じて、統合結果を端末装置300へ送信する。各広告会社のシステム利用者(以下、「購入者」とも呼ぶ。)は、統合結果から目的の広告枠を検索し、広告枠の購入依頼を広告枠統合管理装置100へ送信する。広告枠統合管理装置100は、購入者からの購入依頼を、その広告枠の提供者の端末装置200へ送信する。このように、放送局および広告会社は、広告枠統合管理装置100を介して、広告枠の売買を行うことができる。
【0017】
[ハードウェア構成]
図2は、広告枠統合管理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。広告枠統合管理装置100は、主に、通信部111と、プロセッサ112と、メモリ113と、記録媒体114と、データベース(DB)115と、を備える。
【0018】
通信部111は、外部装置との間でデータの送受信を行う。具体的に、通信部111は、端末装置200と、端末装置300との間で情報を送受信する。
【0019】
プロセッサ112は、CPU(Central Processing Unit)などのコンピュータであり、予め用意されたプログラムを実行することにより、広告枠統合管理装置100の全体を制御する。なお、プロセッサ112は、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、DSP(Demand-Side Platform)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などであってもよい。
【0020】
メモリ113は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。メモリ113は、プロセッサ112により実行される各種のプログラムを記憶する。また、メモリ113は、プロセッサ112による各種の処理の実行中に作業メモリとしても使用される。
【0021】
記録媒体114は、ディスク状記録媒体、半導体メモリなどの不揮発性で非一時的な記録媒体であり、広告枠統合管理装置100に対して着脱可能に構成される。記録媒体114は、プロセッサ112が実行する各種のプログラムを記録している。
【0022】
データベース(DB)115は、各放送局の番組情報や広告枠情報、統合結果などを記憶する。DB115は、広告枠統合管理装置100に接続又は内蔵されたハードディスクなどの外部記憶装置を含んでもよく、着脱自在なフラッシュメモリなどの記憶媒体を含んでもよい。なお、DB115を広告枠統合管理装置100に備える代わりに、外部のサーバなどにDB115を設け、通信により広告枠統合管理装置100へ各放送局の番組情報や広告枠情報、統合結果などを記憶するようにしてもよい。
【0023】
なお、広告枠統合管理装置100は、管理者などが指示や入力を行うためのキーボード、マウスなどの入力部、及び、液晶ディスプレイなどの表示部を備えていてもよい。
【0024】
[機能構成]
図3は、広告枠統合管理装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0025】
広告枠統合管理装置100は、機能的には、データ取得部31と、データ統合部32と、データ出力部33と、を含む。
【0026】
各放送局の端末装置200は、提供者が入力した番組情報および広告枠情報を、広告枠統合管理装置100へ送信する。広告枠統合管理装置100は、各放送局の端末装置200から受信した番組情報および広告枠情報をデータ取得部31へ入力する。データ取得部31は、番組情報および広告枠情報を、放送局の識別情報と関連付けてデータ統合部32へ出力する。
【0027】
データ統合部32は、データ取得部31から入力された各放送局の番組情報および広告枠情報のうち、同じ系列に属する複数の放送局の番組情報および広告枠情報を統合する。なお、詳細は後述するが、データ統合部23は、複数の放送局の番組情報および広告枠情報を、番組毎、かつ、広告枠区分毎、かつ、販売区分毎に統合する。データ統合部32は、統合結果をデータ出力部33へ出力する。
【0028】
図4は、データ統合部32による統合結果の一例である。統合結果40は、番組名41と、放送時間42と、広告枠区分43と、販売区分44と、放送局45と、を含む。番組名41は、番組の名前を示す。放送時間42は、番組の放送時間帯を示す。
図4では、放送時間帯の早い順に各放送局の番組情報および広告枠情報が示されている。
【0029】
広告枠区分43は、広告枠の区分および販売する広告枠の秒数を示す。販売区分44は、各放送局が販売する広告枠の区分を示す。例えば、ネット番組Aは、キー局が制作する全国ネット番組である。ネット番組Aの広告枠区分43の内容は、番組の制作局であるキー局が指定する。
図4では、キー局は、ネット番組Aの広告枠区分43について、ネットタイム枠とローカルタイム枠とを設け、販売する秒数をそれぞれ60秒、210秒と指定している。ここで、ネットタイム枠の販売はキー局が行うが、ローカルタイム枠の販売については、各系列局に委ねられている。そのため、各放送局は、ローカルタイム枠の一部をスポット枠(PT)に変更し、販売することができる。よって、ネット番組Aでは、広告枠区分43のローカルタイム枠が、販売区分44において更にローカルタイムとスポットタイムに分けられている。
【0030】
放送局45は、各放送局が販売する広告枠の秒数および販売状況を示す。各放送局の提供者は、自局で販売する広告枠の秒数を指定することができる。
図4では、「総秒数」は販売する広告枠の総秒数を示す。総秒数は、売却済みの広告枠の秒数と、空きのある広告枠の秒数の合計値でもある。「空き」は現時点で購入可能な広告枠の秒数を示す。例えば、ネット番組Aの販売区分44がローカルタイムの広告枠について、系列局1の広告枠の総秒数(総秒数)は90秒であり、そのうち、購入可能な秒数(空き)は15秒である。
【0031】
図3に戻り、データ出力部33は、データ統合部32から取得した統合結果から表示データを生成し、端末装置200または端末装置300へ送信する。
【0032】
なお、各放送局の提供者は、番組情報や広告枠情報の更新等を行う場合は、端末装置200を介して、更新情報を広告枠統合管理装置100へ送信する。そして、広告枠統合管理装置100は、端末装置200から受信した更新情報に基づいて、都度、統合結果を更新する。
【0033】
上記の構成において、データ取得部31は取得手段の一例であり、データ統合部32は統合手段の一例であり、データ出力部33は出力手段の一例である。
【0034】
[表示例]
(端末装置200)
図5は、端末装置200による表示例を示す。
図5の表示例では表示エリア50内に、統合結果40aと、期間指定51と、空き時間ボタン52と、時間変更ボタン53と、注意マーク54と、を含む。統合結果40aは、データ統合部32による統合結果である。期間指定51は、統合結果の表示対象となる期間を指定するためのプルダウンメニューである。例えば、提供者はプルダウンメニューにより閲覧したい広告枠情報の日付や期間を選択することができる。
【0035】
空き時間ボタン52は、空きのある広告枠を表示するためのボタンである。
図5では、提供者が空き時間ボタン52を押下すると、空きのある広告枠の背景色がグレーに変更される。このような表示により、提供者は、空きのある広告枠を一目で確認することができる。
【0036】
時間変更ボタン53は、広告枠の秒数を変更するためのボタンである。提供者が時間変更ボタン53を押下すると、
図6に例示する広告枠時間変更画面55が表示される。広告枠時間変更画面55は、変更内容指定欄56と、実行ボタン57と、を含む。変更内容指定欄56は、変更対象および変更内容を指定するためのエリアである。
図6では、変更内容指定欄56は、番組名と、販売区分と、変更内容と、放送局と、を含む。「番組名」については、提供者は変更対象の番組を指定することができる。「販売区分」については、提供者は変更対象の広告枠の区分を指定することができる。「変更内容」については、提供者は追加または削減したい秒数を指定することができる。例えば、広告枠の秒数を追加したい場合、提供者は加算にチェックを入れ、追加したい秒数を入力する。「放送局」については、提供者は変更内容を反映したい放送局を指定することができる。提供者は、変更内容指定欄56の入力が完了すると、実行ボタン57を押下する。これにより、提供者の入力した内容が統合結果に反映される。このように、提供者は、広告枠時間変更画面55を用いることにより、複数の放送局の広告枠の秒数を一括で変更することができる。例えば、キー局が自局および他のローカル局の広告枠の秒数を一括で変更したり、準キー局が自局および他のローカル局の広告枠の秒数を一括で変更することができる。なお、提供者は、広告枠の秒数を変更する場合、統合結果40a上の該当の箇所に直接秒数を入力するようにしてもよい。
【0037】
図5に戻り、注意マーク54は、広告枠の秒数が未調整の箇所を示す。注意マーク54は、広告枠区分43aの広告枠の秒数と、各放送局の広告枠の総秒数と、が合致しない場合に表示される。例えば、
図5の地域ネット番組Dでは、広告枠区分43aのローカルタイム枠の秒数は150秒であるが、系列局2が放送局45aで指定したローカルタイムの総秒数(15秒)とスポットの総秒数(120秒)の合計は135秒であり、秒数が合致しない。そこで、系列局2の提供者に対し広告枠の秒数の調整を促すため、秒数の調整が必要な箇所に注意マーク54が表示される。また、注意マーク54とともに、
図7に例示するポップアップ画面58を表示してもよい。ポップアップ画面58は、調整が必要な放送局名と、対象の番組名と、秒数の過不足と、閉じるボタンと、を含む。このような表示により、提供者は秒数の調整が必要な番組を容易に把握することができる。
【0038】
図8は、端末装置200による他の表示例を示す。この例では、複数の放送局で共通して放送される番組(以下、「共通番組」とも呼ぶ。)の広告枠情報が表示される。
図8の表示例では表示エリア60内に、共通番組情報61と、参照ボタン62と、カーソル63と、時間変更ボタン53aと、を含む。共通番組情報61は、共通番組の広告枠情報を表で示す。
図8では、共通番組情報61は、縦軸を時間、横軸を日付とし、共通番組とそのネットタイム枠の情報を表示している。
【0039】
参照ボタン62は、各放送局の広告枠の販売状況を参照するためのボタンである。提供者がマウス操作などにより、広告枠の販売状況を見たい番組にカーソル63を合わせ、参照ボタン62を押下すると、
図9に例示する広告枠販売状況参照画面64が表示される。広告枠販売状況参照画面64は、放送局選択欄65と、参照結果欄66と、を含む。放送局選択欄65は、放送局を指定するエリアであり、提供者は広告枠の販売状況を参照したい放送局を複数指定することができる。参照結果欄66は、放送局選択欄65で指定した放送局の広告枠の販売状況を示すエリアである。
図6では、放送局選択欄65において系列局1と系列局3が選択され、参照結果欄66に系列局1と系列局3の広告枠の販売状況が表示されている。
【0040】
時間変更ボタン53aは、広告枠の秒数を変更するためのボタンである。提供者が時間変更ボタン53aを押下すると、前述の
図6に例示する広告枠時間変更画面55が表示され、広告枠の秒数を変更することができる。なお、提供者は、ネットタイム枠の秒数を変更する場合は、共通番組情報61上の該当の箇所に直接秒数を入力するようにしてもよい。
【0041】
図5および
図8のように、各放送局の提供者は、用途に応じて画面の表示形式を変更することができる。
【0042】
(端末装置300)
図10は、端末装置300による表示例を示す。
図10の表示例では表示エリア70内に、統合結果40bと、期間指定71と、空き時間ボタン72と、検索ボタン73と、購入ボタン74と、を含む。統合結果40bと、期間指定71と、空き時間ボタン72は、
図5の例と同様である。
【0043】
検索ボタン73は、広告枠を検索するためのボタンである。購入者が検索ボタン73を押下すると、
図11に例示する広告枠検索画面75が表示される。広告枠検索画面75は、検索条件指定欄76と、実行ボタン77と、を含む。検索条件指定欄76は、広告枠の検索条件を指定するためのエリアである。
図11では、検索条件指定欄76は、放送日と、時間帯と、番組種別と、業種と、放送局と、を含む。「放送日」については、購入者は広告の放送日もしくは放送期間を指定することができる。「時間帯」については、購入者は広告を放送する時間帯を指定することができる。「番組種別」については、購入者はバラエティ番組、スポーツ番組、ニュース番組などの番組の種別を指定することができる。「業種」については、購入者は広告を出す企業の業種を指定することができる。「放送局」については、購入者は広告の放送エリアを指定することができる。また、購入者は、「空秒数がある枠のみ表示」にチェックを入れることで、空きのある広告枠情報のみを検索することができる。購入者が検索条件を指定し、実行ボタン77を押下すると、
図12に例示する検索結果画面が表示される。
図12の検索結果画面では、放送局ごとに空きのある広告枠情報を表示している。これにより、購入者は目的の広告枠情報を閲覧することができる。
【0044】
購入ボタン74は、広告枠の購入依頼を広告枠統合管理装置100へ送信するためのボタンである。例えば、購入者が統合結果40b上で購入したい広告枠を選択し、購入ボタン74を押下することで、購入画面に遷移するようにしてもよい。
【0045】
上記のような表示により、購入者は、目的の広告枠を容易に把握することができる。
【0046】
[広告枠統合処理]
図13は、第1実施形態による広告枠統合処理のフローチャートである。この処理は、
図2に示すプロセッサ112が予め用意されたプログラムを実行し、
図3に示す各要素として動作することにより実現される。
【0047】
まず、データ取得部31は、通信部111を通じて、複数の端末装置200から番組情報と広告枠情報を取得する(ステップS11)。次に、データ統合部32は、データ取得部31から番組情報と広告枠情報を取得し、キー局およびその系列局の番組情報と広告枠情報とを統合する(ステップS12)。データ出力部33は、データ統合部32から統合結果を取得する。そして、データ出力部33は、統合結果を基に表示データを生成し、端末装置200へ表示データを出力する(ステップS13)。提供者は、端末装置200を介して、統合結果を確認する。そして、提供者が統合結果の内容を更新した場合は(ステップS14:Yes)、処理はステップS12に戻り、データ統合部32は、統合結果の内容を更新する。一方、提供者が統合結果の内容を更新しない場合(ステップS14:No)、処理は終了する。
【0048】
<第2実施形態>
図14は、第2実施形態の広告枠統合管理装置の機能構成を示すブロック図である。広告枠統合管理装置80は、取得手段81と、統合手段82と、出力手段83と、を備える。
【0049】
図15は、第2実施形態の広告枠統合管理装置による処理のフローチャートである。取得手段81は、複数の放送局から、番組情報と前記番組に対応する広告枠情報とを取得する(ステップS81)。統合手段82は、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する(ステップS82)。出力手段83は、前記統合された結果を端末装置へ出力する(ステップS83)。ここで、前記広告枠情報は、ネット枠とローカル枠とスポット枠との区分に関する情報を含む。また、前記統合手段は、前記広告枠情報を前記区分に分けた状態で、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する。
【0050】
第2実施形態の広告枠統合管理装置によれば、各放送局の広告枠情報を統合管理することが可能となる。
【0051】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0052】
(付記1)
複数の放送局から、番組情報と前記番組に対応する広告枠情報とを取得する取得手段と、
複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する統合手段と、
前記統合された結果を端末装置へ出力する出力手段と、
を備え、
前記広告枠情報は、ネット枠とローカル枠とスポット枠との区分に関する情報を含み、
前記統合手段は、前記広告枠情報を前記区分に分けた状態で、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する広告枠統合管理装置。
【0053】
(付記2)
前記統合手段は、番組に対応した広告枠と、前記放送局が前記区分ごとに設定した広告枠の時間とが合致するか否かを判定し、
前記出力手段は、前記判定の結果を出力する付記1に記載の広告枠統合管理装置。
【0054】
(付記3)
前記取得手段は、前記放送局から更新情報を取得し、
前記統合手段は、前記更新情報を基に前記統合の結果を更新する付記1に記載の広告枠統合管理装置。
【0055】
(付記4)
前記更新情報は、広告枠の時間変更に関する情報を含み、
前記放送局は、同番組の前記広告枠の時間変更を複数の放送局について一括で行い、
前記統合手段は、前記複数の放送局の前記広告枠の時間変更に関する情報を基に前記統合の結果を更新する付記3に記載の広告枠統合管理装置。
【0056】
(付記5)
ユーザからの検索条件を取得する検索条件取得手段と、
前記統合の結果を基に前記検索条件に合致する広告枠情報を検索する検索手段と、
を備え、
前記出力手段は、前記検索の結果を出力する付記1に記載の広告枠統合管理装置。
【0057】
(付記6)
前記検索条件は、放送日、時間帯又は番組種別の少なくとも1つを含む付記5に記載の広告枠統合管理装置。
【0058】
(付記7)
前記広告枠情報は、広告枠の販売状況に関する情報を含み、
前記統合手段は、前記広告枠に空きがあるか否かを判定し、
前記出力手段は、空きのある広告枠と空きのない広告枠とを異なる表示態様で端末装置へ出力する付記1に記載の広告枠統合管理装置。
【0059】
(付記8)
複数の放送局から、番組情報と前記番組に対応する広告枠情報とを取得し、
複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合し、
前記統合された結果を端末装置へ出力し、
前記広告枠情報は、ネット枠とローカル枠とスポット枠との区分に関する情報を含み、
前記広告枠情報を前記区分に分けた状態で、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する広告枠統合管理方法。
【0060】
(付記9)
複数の放送局から、番組情報と前記番組に対応する広告枠情報とを取得し、
複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合し、
前記統合された結果を端末装置へ出力し、
前記広告枠情報は、ネット枠とローカル枠とスポット枠との区分に関する情報を含み、
前記広告枠情報を前記区分に分けた状態で、複数の前記番組情報と複数の前記広告枠情報とを統合する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【0061】
以上、実施形態及び実施例を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 広告枠統合管理システム1
31 データ取得部
32 データ統合部
33 データ出力部
40 統合結果
100 広告枠統合管理装置
200 端末装置(放送局)
300 端末装置(広告会社)