(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005010
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置及びブース
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20240110BHJP
【FI】
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104970
(22)【出願日】2022-06-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・ウェブサイトのアドレス https://www.itoki.jp/special/smart-campus-solution/floor 掲載日 令和4年3月28日 公開者 株式会社イトーキ
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】福島 浩介
(72)【発明者】
【氏名】秋山 恵
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 豊
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA25
5E555AA62
5E555BA02
5E555BA29
5E555BB02
5E555BB29
5E555BC04
5E555CA42
5E555CA46
5E555CB23
5E555DB41
5E555DC13
5E555DD06
5E555DD07
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】発話ユーザの位置がその時々に応じて変化する場合であっても、発話ユーザと情報表示部との距離を制御する情報処理装置及びブースを提供すること。
【解決手段】web会議形式及びweb会議形式と対面式とを併用する形式の対話により好適ブース1が備える情報処理装置は、所定空間における人物の立ち位置をセンシングする第1センサー(人感センサー21)から、立ち位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、位置情報に応じて、人物と他者との対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部(スクリーン22,ディスプレイ23,ホワイトボード24)を移動させる移動制御部と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定空間における人物の立ち位置をセンシングする第1センサーから、前記立ち位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部により取得された前記位置情報に応じて、前記人物と他者との対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部を移動させる移動制御部と、を備えている情報処理装置。
【請求項2】
前記情報表示部は、前記対話情報を映像として表示するスクリーン及びディスプレイの少なくとも何れかであり、
前記移動制御部は、前記位置情報により示される人物の立ち位置を前記所定空間の重心から見た側と反対側となる位置に、前記情報表示部を移動させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報表示部は、前記対話情報を記載して表示するためのボードであり、
前記移動制御部は、前記位置情報により示される人物の立ち位置を前記所定空間の重心から見た側と同じ側となる位置に、前記ボードを移動させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報表示部は、前記対話情報を表示するスクリーン及びディスプレイの少なくとも何れかと、前記対話情報を記載するためのボードと、であり、
前記移動制御部は、前記位置情報により示される人物の立ち位置を前記所定空間の重心から見た側と反対側となる位置に、前記スクリーン及びディスプレイの少なくとも何れかを移動させるとともに、前記スクリーン及びディスプレイの少なくとも何れかとは別の位置に、前記ボードを移動させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記第1センサーと、
前記情報表示部と、
前記所定空間を他の空間と仕切る仕切り部材と、を備える、ブース。
【請求項6】
前記仕切り部材の少なくとも一部が透明である、請求項5に記載のブース。
【請求項7】
さらに、前記情報表示部の移動を案内する案内部材を備えている、請求項5に記載のブース。
【請求項8】
さらに、吸音性を有する吸音部材を備えている、請求項5に記載のブース。
【請求項9】
請求項3または4に記載の情報処理装置と、
前記第1センサーと、
前記情報表示部としての前記ボードと、
前記ボードの位置をセンシングする第2センサーと、
前記第2センサーによりセンシングされる前記ボードの位置に追従して移動し、前記ボードを撮像するカメラと、を備えている、ブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが他のユーザと対話する場合に利用する情報処理装置、及び、そのような情報処理装置を備えたブースに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザ同士が対話する場合、対話において参照する資料を表示又は提示するために、情報を表示する情報表示部を用いる場合がある。なお、本願明細書において、複数のユーザ同士における対話は、複数の遠隔地にいる複数のユーザが電子通信回線を用いて実施するweb会議形式であってもよいし、複数のユーザが所定の空間に集まって実施する対面式であってもよいし、web会議形式と対面式とを併用であってもよい。
【0003】
対話において参照する資料の例としては、テキストや、静止画像や、動画像などが挙げられる。このような資料を表す情報を、以下では、対話情報と称する。また、情報表示部の例としては、プロジェクタが投影する対話情報を表示するスクリーンや、手書きされた内容をテキストやオブジェクトを電子化することができる電子黒板(あるいは電子ホワイトボード)などが挙げられる。
【0004】
特許文献1には、あらかじめ設けられたガイドレールに沿って自走可能な自走式の複合プロジェクタと、壁面の複数の領域に設けられた投影可能面とが記載されている。投影可能面とは、複合プロジェクタが投影する対話情報を表示する面である。その例としては、ボードや、スクリーンや、壁面などが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したような複数のユーザ同士による対話においては、情報表示部に表示される対話情報を用いながら発話する発話ユーザが、その位置を変化させる場合がある。発話ユーザが位置を変化させながら発話する例としては、発話ユーザが起立した状態で発話しており、その時々に応じて移動する場合である。
【0007】
また、対面式の対話において複数のユーザが参加している場合、発話ユーザが時間の経過と共に切り替わる状況が想定される。この場合、各ユーザが同じ空間にいるとはいえ、各ユーザの位置は、それぞれ異なっているため、発話ユーザの位置は、変化する。
【0008】
以上のように、発話ユーザの位置がその時々に応じて変化する場合、発話ユーザと情報表示部との距離もその時々に応じて変化する。また、一口に情報表示部といっても、情報表示部には複数の態様が考えられる。情報表示部の一態様としては、発話ユーザが対話のための準備した資料を表示する態様が挙げられる。このような態様の情報表示部としては、プロジェクタを投影するスクリーンや、液晶パネルなどを備えたディスプレイなどが挙げられる。これらの態様の情報表示部の場合、発話ユーザと情報表示部との距離が近くなりすぎてしまうと、情報表示部に発話ユーザが重なってしまい、他のユーザから情報表示部に表示されている内容が見えづらくなるという弊害が生じ得る。
【0009】
情報表示部の別の一態様としては、発話ユーザが対話の内容に応じてその場で表現するテキストやオブジェクトを電子化する態様が挙げられる。このような態様の情報表示部としては、電子黒板あるいは電子ホワイトボードが挙げられる。これらの態様の情報表示部の場合、発話ユーザと情報表示部との距離が遠くなりすぎてしまうと、発話ユーザが情報表示部に適切に書き込めないという弊害が生じ得る。
【0010】
本発明の一態様は、上述した課題に鑑みなされたものであり、その目的は、複数のユーザ同士が対話する場合に用いる情報処理装置であって、発話ユーザの位置がその時々に応じて変化する場合であっても、発話ユーザと情報表示部との距離を制御することができる情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、所定空間における人物の立ち位置をセンシングする第1センサーから、前記立ち位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部により取得された前記位置情報に応じて、前記人物と他者との対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部を移動させる移動制御部と、を備えている。
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るブースは、上述した第1の態様~第4の態様の何れか一態様に記載の情報処理装置と、前記第1センサーと、前記情報表示部と、前記所定空間を他の空間と仕切る仕切り部材と、を備えている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、複数のユーザ同士が対話する場合に用いる情報処理装置において、発話ユーザの位置がその時々に応じて変化する場合であっても、発話ユーザと情報表示部との距離を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るブースの構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1に図示したブースが備えている情報処理装置のブロック図である。
【
図4】
図1に図示したブースを含む複数のブースからなるブース群の斜視図である。
【
図5】
図1に図示したブースの変形例の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係るブース1と、ブース1に含まれる情報処理装置30とについて、
図1~
図3を参照して説明する。
図1は、ブース1の構成を示す斜視図である
図2は、情報処理装置30のブロック図である。
図3は、ブース1の平面図である。
図3の平面図は、後述すルーフベース11を省略した状態のブース1を天頂から見下ろすことによって得られる平面図である。
【0016】
〔ブースの概要〕
ブース1は、ユーザが他のユーザと対話する場合に利用することを想定して設計されている。本実施形態において用いる「対話」との表現は、2人のユーザによる対話であってもよいし、3人以上のユーザによる対話であってもよい。対話の例としては、講師と生徒というように立場が異なるユーザによる講義や、同僚同士というように立場が同じであるユーザによるミーティングなどが挙げられる。また、対話は、複数の遠隔地にいる複数のユーザが電子通信回線を用いて実施するweb会議形式であってもよいし、複数のユーザが所定の空間に集まって実施する対面式であってもよいし、web会議形式と対面式とを併用であってもよい。ブース1は、web会議形式、対面式、及び、web会議形式と対面式とを併用する形式の何れの対話においても適用することができる。ただし、ブース1は、web会議形式、及び、web会議形式と対面式とを併用する形式の対話により好適である。
【0017】
講師がブース1を用いてweb会議形式の講義を実施することによって、遠隔地にいる生徒は、自宅に居ながらにして質の高い講義を受ける機会を容易に得ることができる。このような効果は、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標4「質の高い教育をみんなに」等の達成にも貢献するものである。
【0018】
本実施形態では、講師がブース1を利用し、遠隔地にいる複数の生徒に対して講義を配信する態様を想定して、ブース1について説明する。すなわち、本実施形態において、ブース1は、web会議形式のインタラクティブな講義を配信するためのスタジオとして機能する。なお、
図1及び
図3においては、講師であるユーザUを図示している。
【0019】
〔ブースの構成〕
図1に示すように、ブース1は、ブース1を構成する構造物として、ルーフベース11、ウィンチ12、ワイヤー13、吊り壁14、フレーム15、ガイドレール161,162、パーティション17、フロアマット18、フロアベース19、テーブル26、及び折りたたみ椅子27を備えている。ルーフベース11が天井Rに固定されており、吊り壁14、フレーム15、及びパーティション17がウィンチ12及びワイヤー13を介してルーフベース11から吊り下げられており、フロアベース19がフロアFの上に載置されている。
【0020】
また、ブース1は、情報処理装置30を備えている。本実施形態において情報処理装置30の各機能ブロックは、
図1に図示するコンピュータCの制御部31(例えばプロセッサ)がプログラムを実行することにより実現されている。なお、情報処理装置30は、インタラクティブなweb会議を実現するweb会議実施部(
図2のブロック図には図示せず)を備えている。web会議実施部は、既存のweb会議プログラムを用いて実現可能なため、本実施形態ではその説明を省略する。
【0021】
また、ブース1は、情報処理装置30が利用する各情報を取得したり、上述した各構造物の移動を制御したり、各情報を表示したりするデバイスとして、人感センサー21、スクリーン22、ディスプレイ23、ホワイトボード24、及びカメラ25を備えている。
【0022】
<構造物>
(ルーフベース)
ルーフベース11は、天井Rに固定された円柱形の構造物である(
図1参照)。すなわち、ルーフベース11の底面の形状は、円形である。なお、ブース1の一態様において、ルーフベース11は、天井Rから離間していてもよい。その場合、ルーフベース11とフロアベース19との間に支持体を介在させればよい。支持体は、フロアベース19とルーフベース11との間隔を一定に保った状態でルーフベース11を支えるように構成されている。支持体は、柱状の部材であってもよいし、ブース1Aのパーティション17A(
図4参照)のように壁状の部材であってもよい。
【0023】
(ウィンチ、ワイヤー、及び吊り壁)
吊り壁14は、ワイヤー13を用いてウィンチ12から吊り下げられた状態で指示されている。ワイヤー13の下端は、吊り壁14に固定されている。また、ワイヤー13の上端は、ウィンチ12に固定されている。ウィンチ12は、ワイヤー13を巻き取ったり繰り出したりすることによって、吊り壁14が指示される高さを制御することができる。ウィンチ12の駆動は、電動及び手動の何れであってもよい。本実施形態においては、ウィンチ12は、電動により駆動される。
【0024】
吊り壁14は、円筒形の構造物である。吊り壁14の直径は、ルーフベース11の直径よりも大きい。吊り壁14は、ルーフベース11と同心円状に設けられており、ルーフベース11の側面に沿って鉛直方向Dに沿って移動可能である。
【0025】
吊り壁14の一部領域には、ブース1の予約状況を表示するステータスインジケーター141が設けられている。ブース1が予約済である場合、ステータスインジケーター141は、ブース1が予約済である旨と、予約されている時間帯とを表示する。ブース1が予約されていない場合、ステータスインジケーター141は、予約されていないことを表示する。この時、ステータスインジケーター141は、次の予約の開始時間を合わせて表示してもよい。なお、本実施形態において、ステータスインジケーター141の動作は、制御部31により制御されている。
【0026】
なお、本実施形態においては、ブース1のうち吊り壁14、フレーム15、ガイドレール161,162及び後述するパーティション17は、天井Rに固定されたルーフベース11から吊り下げるように構成されている。ただし、ブース1は、フロアFの上に載置されていてもよいし、フロアFからせり上がるように構成されていてもよい。また、ブース1は、フレーム15、ガイドレール161,162及びパーティション17の各々が天井R又はフロアFに固定されている構成であってもよい。
【0027】
(フレーム及びガイドレール)
フレーム15は、吊り壁14の下底面の輪郭に沿って設けられた円管状の構造物である。フレーム15には、ガイドレール161,162が固定されている。
【0028】
ガイドレール161,162の各々は、案内部材の一例であり、平面視において円形の軌道を有するレールである。ガイドレール162の直径は、ガイドレール161の直径よりも大きい。そのうえで、ガイドレール161,162の各々は、同心円状になるように、フレーム15に対して固定されている。したがって、ガイドレール161が内側に位置し、ガイドレール162が外側に位置する。
【0029】
ガイドレール161には、後述する支持柱221を介して、スクリーン22が、吊り下げられる形で取り付けられている。また、ガイドレール161には、カメラ25が取り付けられている。
【0030】
ガイドレール162には、後述する支持柱231を介して、ディスプレイ23が吊り下げられる形で取り付けられている。また、ガイドレール162には、後述する支持柱241を介して、ホワイトボード24が吊り下げられる形で取り付けられている。
【0031】
(パーティション)
パーティション17は、仕切り部材の一例である。パーティション17は、その内部空間SIと他の空間である外部空間とを仕切る。本実施形態において、パーティション17は、円筒形の壁である。以下においては、円筒形であるパーティション17と、パーティション17をフロアFに投影することによって得られる仮想隔壁と、により取り囲まれる空間を、ブース1の内部空間SIと規定する。内部空間SIは、所定空間の一例である。
【0032】
上述したようにパーティション17は、円筒形であるため、内部空間SIを天頂から平面視した場合における内部空間SIの形状は、円形である。ただし、内部空間SIの平面視における形状は、円形に限定されず、適宜定めることができる。パーティション17の内径は、設計時に想定する人数であって、内部空間SIに収容可能な人数に応じて、その大きさを適宜定めることができる。
【0033】
パーティション17の高さは、(1)吊り壁14の高さが最下位に位置する場合(ワイヤー13を完全に繰り出した場合)に、ルーフベース11の底面とフロアFとの中間にその下端が位置し、且つ、(2)吊り壁14の高さが最高位に位置する場合(ワイヤー13を完全に巻き取った場合)に、ルーフベース11の底面の近傍にその下端が位置するように、定められている。ただし、パーティション17の高さは、吊り壁14の高さが最下位に位置する場合に、ルーフベース11の底面からフロアFに到達するように定められていてもよい。この場合、パーティション17には、ユーザUが入退室するための扉が設けられていてもよいし、吊り壁14の高さを最高位にすることによって、パーティション17とフロアFとの隙間にユーザUが入退室するための隙間が生じる構成であってもよい。
【0034】
本実施形態においては、パーティション17の材料として、透明なアクリル樹脂を採用している。ただし、パーティション17は、不透明な材料により構成されていてもよいし、透明な材料と不透明な材料との組み合わせにより構成されていてもよい。すなわち、パーティション17の少なくとも一部は、透明であってもよい。また、パーティション17を構成するアクリル樹脂の表層には、外部からの制御に応じて透光性を変化させる可変光透過層が設けられていてもよい。この構成によれば、ユーザUの希望に応じて、パーティション17の透光性を調整することができる。なお、パーティション17の材料は、アクリル樹脂に代表される樹脂に限定されず、ガラスであってもよいし、金属であってもよいし、木材であってもよいし、紙や布などに代表される繊維からなるシートであってもよい。また、パーティション17は、これらの材料を組み合わせることによって構成されていてもよい。
【0035】
また、本実施形態においては、上述したように、ルーフベース11の底面とフロアとの間に空隙が形成されている。したがって、ユーザUは、この空隙をブース1の出入り口として利用することができる。ただし、パーティション17には、出入り口として機能する扉が設けられていてもよい。この扉の方式は、限定されず適宜選択することができる。扉の方式としては、引き戸や、開き戸や、折れ戸などが挙げられる。
【0036】
(フロアベース及びフロアマット)
フロアベース19は、ブース1が載置されているフロアFの上に設けられた台であって、内部空間SIに対応する領域に設けられた台である。フロアベース19が高さを有する台であることによって、ブース1が使用されていない状態(すなわち、吊り壁14の高さが最高位に位置する場合)であっても、ブース1の周囲にいる人々は、内部空間SIを明確に認識することができる。
【0037】
フロアマット18は、フロアベース19の上面を覆うように設けられたマットである。フロアマット18は、吸音性を有する材料により構成された吸音部材の一例である。このように、内部空間SIに対応する領域に吸音性を有するフロアマット18を設けることにより、フロアFに後付けで吸音性を持たせることができる。
【0038】
(テーブル及び折りたたみ椅子)
図3に図示するように、内部空間S
Iの中心P
Cを含む領域には、平面視において天板が円形であるテーブル26が設けられている。本実施形態において、内部空間S
Iを規定するパーティション17と、テーブル26とは、同心円状になるように設けられている。
【0039】
なお、内部空間SIの平面視における形状が円形ではない場合には、内部空間SIの中心PCを内部空間SIの重心に置き換えればよい。内部空間SIの平面視における形状が円形である場合には、内部空間SIの中心PCと重心とは一致する。
【0040】
また、
図1に示すように、テーブル26は、フロアベース19に固定されている。ただし、本発明の一態様において、テーブル26は、フロアベース19を貫通し、フロアFに対して直接固定されるように構成されていてもよいし、フロアベース19の上に単に載置されるように構成されていてもよい。
【0041】
なお、
図1に図示した状態において、テーブル26は、ユーザUが起立した状態で使用するテーブルとして描かれている。このようなテーブルは、スタンディングテーブルとして知られている。テーブル26は、天板261の高さ調整が可能な昇降式のテーブルであってもよい。ただし、本発明の一態様が備えている什器は、テーブル26のようなスタンディングテーブルに限定されず、例えば、上端面にユーザUが座ることができる椅子であってもよいし、椅子の機能とテーブルの機能とを併せ持つ椅子兼用テーブルであってもよい。椅子兼用テーブルは、物品を載置する場合には天板として機能し、ユーザUが座る場合には座面として機能する上端面を備えていればよく、それ以外の形状及び機能は限定されない。椅子の座面は、ユーザUが座る座面としてだけでなく、物品を載置可能な上端面としても機能する。椅子は、スツールのように背もたれが設けられていないことが好ましい。また、上端面は、物品を安定した状態で載置するために、平坦面であることが好ましく、水平な平坦面であることがより好ましい。これらの点については、テーブルと椅子とを兼ねる家具においても同じである。ブース1は、ユーザUの人数やユーザUの希望する使い方などに応じて柔軟で幅広い利用方法に対応可能である。テーブルの機能と椅子の機能とを併せ持つ家具のように、複数の家具の機能を併せ持つ家具は、ブース1に含まる什器として好適である。
【0042】
また、
図1に図示するように、テーブル26の外側面には、折りたたみ椅子27が設けられている。折りたたみ椅子27は、折りたたみ自在に構成されており、ユーザUの希望に応じて座面を展開したり折りたたんだりすることができる。また、折りたたみ椅子27は、その座面の位置を、円形であるテーブル26の天板の周方向に沿って移動可能なように構成されている。
【0043】
<デバイス>
(人感センサー)
人感センサー21は、第1センサーの一例である。本実施形態において、人感センサー21は、ルーフベース11の底面の中心に設けられている。なお、人感センサー21は、ルーフベース11の底面を覆う化粧パネルの内側に設けられている。
【0044】
人感センサー21は、内部空間SIに人物が存在するか否かを判定し、人物が存在する場合には、人物の立ち位置を示す位置情報を生成する。人感センサー21は、位置情報を制御部31の位置情報取得部311に供給する。人感センサー21を実現するための態様は、限定されず、市場に出回っている人感センサーの中からブース1に好適な人感センサーを適宜選択することができる。人感センサーには複数の方式があるが、人感センサー21の好適な方式としては、赤外線式及び可視光式が挙げられる。赤外線式は、人を検知するためのプローブ光として赤外線を用いる方式であり、可視光式は、人を検知するためのプローブ光として可視光を用いる方式である。人感センサー21として可視光式を採用する場合には、後述するカメラ25を人感センサー21として利用することもできる。
【0045】
(スクリーン)
スクリーン22は、
図1に図示を省略しているプロジェクタとともに用いられる。スクリーン22及びプロジェクタは、講師であるユーザUと、生徒である他のユーザとの対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部の一例である。プロジェクタは、ユーザUが講義に使用するプレゼンテーション資料をスクリーン22に投影する。このプレゼンテーション資料は、講義に先駆けてユーザUが準備したものであり、スクリーン22に投影されるとともに、遠隔地にいる生徒が利用している端末にも配信される。このプレゼンテーション資料は、対話情報の一例である。
【0046】
本実施形態において、スクリーン22は、天頂からブース1を平面視した場合に、円弧を描くように湾曲した可撓性を有するスクリーンである(
図3参照)。本実施形態においては、スクリーン22の中心角として140°を採用している。ただし、スクリーン22の中心角は、140°に限定されず、適宜定めることができる。
【0047】
スクリーン22は、支持柱221を介して、吊り下げられる形でガイドレール162に取り付けられている。支持柱221の端部のうち、ガイドレール162に取り付けられる側の端部には、モーターを備えた第1の移動機構(
図1には図示せず)が設けられている。第1の移動機構は、制御部31の移動制御部312により制御されており、支持柱221及びスクリーン22を、ガイドレール162に沿って移動させる。
【0048】
(ディスプレイ)
ディスプレイ23は、講師であるユーザUと、生徒である他のユーザとの対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部の一例である。本実施形態では、ディスプレイ23として液晶ディスプレイを採用している。ただし、ディスプレイ23として用いるディスプレイのパネルは、液晶パネルに限定されない。ディスプレイ23には、講義に参加している複数の生徒の映像をユーザUに対して表示するために用いられる。講義に参加している複数の生徒の映像は、対話情報の一例である。なお、講義に参加している複数の生徒の映像は、web会議実施部により提供される。
【0049】
本実施形態において、ディスプレイ23は、天頂からブース1を平面視した場合に、円弧を描くように湾曲したディスプレイ23である(
図3参照)。本実施形態においては、ディスプレイ23のディスプレイサイズとして、27インチを採用している。ただし、ディスプレイ23のディスプレイサイズは、適宜定めることができる。
【0050】
ディスプレイ23は、支持柱231を介して、吊り下げられる形でガイドレール161に取り付けられている。支持柱231の端部のうち、ガイドレール161に取り付けられる側の端部には、モーターを備えた第2の移動機構(
図1には図示せず)が設けられている。第2の移動機構は、制御部31の移動制御部312により制御されており、支持柱231及びディスプレイ23を、ガイドレール161に沿って移動させる。
【0051】
図1に示すように、ディスプレイ23は、照明232と、カメラ233とを備えている。照明232は、ユーザUを照らすための照明である。本実施形態において、照明232は、ディスプレイ23の液晶パネルを取り囲む領域に設けられた、環状のLEDアレイである。カメラ233は、講義をしているユーザUを撮像する撮像デバイスである。カメラ233により撮像された映像であって、ユーザUを含む映像は、対話情報の一例である。
【0052】
(ホワイトボード)
ホワイトボード24は、ユーザUと、他のユーザとの対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部の一例である。ユーザUは、講義において用いるテキストやオブジェクトなどを、マーカを用いてホワイトボード24に記入することができる。また、ユーザUは、あらかじめ用意したポスターをホワイトボード24に貼り付けることもできる。講義において用いるテキスト、オブジェクト、及びポスターは、対話情報の一例である。
【0053】
本実施形態において、ホワイトボード24は、天頂からブース1を平面視した場合に、円弧を描くように湾曲したホワイトボードである(
図3参照)。本実施形態においては、ホワイトボード24の中心角として140°を採用している。ただし、ホワイトボード24の中心角は、140°に限定されず、適宜定めることができる。
【0054】
ホワイトボード24は、支持柱241を介して、吊り下げられる形でガイドレール162に取り付けられている。支持柱241の端部のうち、ガイドレール162に取り付けられる側の端部には、モーターを備えた第3の移動機構(
図1には図示せず)が設けられている。第3の移動機構は、制御部31の移動制御部312により制御されており、支持柱241及びホワイトボード24を、ガイドレール162に沿って移動させる。
【0055】
また、ホワイトボード24は、ビーコン信号を発するビーコン242を更に備えている。
【0056】
(カメラ)
カメラ25は、ホワイトボード24及びユーザUの少なくとも一方を撮像する撮像デバイスである。カメラ25により撮像された映像であって、ホワイトボード24を含む映像は、対話情報の一例である。カメラ25は、撮像することによって、波長が可視光の帯域に含まれる光信号を電気信号に変換する撮像デバイスと、ビーコンセンサー251とを備えている。本実施形態では、撮像デバイスの説明を省略する。なお、ブース1においては、カメラ25の撮像デバイスを人感センサー21として用いることもできる。
【0057】
第2センサーの一例であるビーコンセンサー251は、ホワイトボード24のビーコン242が発するビーコン信号センシング(受信)することにより、ホワイトボード24の位置を特定する。
【0058】
カメラ25は、ガイドレール161に取り付けられている。カメラ25には、モーターを備えた第4の移動機構(
図1には図示せず)が設けられている。第4の移動機構は、後述する移動制御部312から供給される制御信号に基づいて、カメラ25を移動させる。第4の移動機構は、ビーコン信号をセンシングすることにより特定したホワイトボード24の位置に追従するように、且つ、ホワイトボード24の位置と対向する位置にカメラ25が位置するように、カメラ25を、ガイドレール161に沿って移動させる。このように、カメラ25がホワイトボード24の位置に追従して移動しながらホワイトボード24を撮像することによって、カメラ25は、ホワイトボード24の正面から撮像し続けることができる。
【0059】
また、カメラ25は、撮像デバイスが撮像した映像を示す電気信号を後述する制御部31に供給するように構成されていてもよい。制御部31に含まれ得る人検知部は、カメラ25から受け取った電気信号が示す映像のなかに人(本実施形態においてはユーザU)が含まれているか否かを判別する。人検知部が映像のなかにユーザUが含まれていると判別した場合、第4の機構は、上述した映像のなかに含まれているユーザUの位置に追従するように、且つ、ユーザUの位置と対向する位置にカメラ25が位置するように、カメラ25をガイドレール161に沿って移動させるように構成されていてもよい。
【0060】
このように、第4の移動機構は、(1)ホワイトボード24の位置に追従するように、又は、(2)映像のなかに含まれているユーザUの位置に追従するように、カメラ25をガイドレール161に沿って移動させることができる。この場合、移動制御部312は、(1)ホワイトボード24の位置に追従するようにカメラ25を移動させるか、(2)映像のなかに含まれているユーザUの位置に追従するようにカメラ25を移動させるかを切り替え可能に構成されていてもよい。
【0061】
(コンピュータ及びルーター)
折りたたみ椅子27の内部には、コンピュータC及びルーターRが収納されている。コンピュータCは、プログラムを実施することにより情報処理装置30の各部として機能するプロセッサを備えている。
【0062】
ルーターRは、コンピュータCをインターネット回線に接続するためのデバイスである。本実施形態では、ルーターRとして、コンピュータCとインターネット回線とを無線接続可能なルーターを採用している。ただし、ルーターRは、コンピュータCとインターネット回線とを有線接続するルーターであってもよい。
【0063】
〔制御部〕
図2に示すように、情報処理装置30が備えている制御部31は、位置情報取得部311と、移動制御部312とを備えている。また、情報処理装置30は、
図2への図示を省略しているweb会議実施部を更に備えている。本実施形態では、web会議実施部についての説明を省略する。
【0064】
位置情報取得部311は、内部空間SIにおけるユーザUの立ち位置をセンシングする人感センサー21から、ユーザUの立ち位置を示す位置情報を取得する。移動制御部312は、位置情報取得部311により取得された位置情報に応じて、講師であるユーザUと、徒である他のユーザとの対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部を移動させる。本実施形態において、ブース1は、上述したように、情報表示部としてスクリーン22、ディスプレイ23、及びホワイトボード24を備えている。また、スクリーン22、ディスプレイ23、及びホワイトボード24が表示する対話情報についても、上述した通りである。
【0065】
また、移動制御部312は、上述したように、カメラ25が備えている第4の移動機構を制御するように構成されていてもよい。
【0066】
移動制御部312は、ユーザUの立ち位置を中心PCから見た側と反対側となる位置に、スクリーン22及びディスプレイ23を移動させるとともに、スクリーン22及びディスプレイ23とは別の位置にホワイトボード24を移動させる。
【0067】
なお、「ユーザUの立ち位置を中心PCから見た側と反対側となる位置」について、スクリーン22を例にして説明する。「ユーザUの立ち位置を中心PCから見た側と反対側となるスクリーン22の位置」とは、スクリーン22と中心PCとが構成する扇形の範囲内にユーザUの立ち位置が含まれない位置である。そのうえで、好ましくは、スクリーン22と中心PCとが構成する扇形を含む180°の範囲内にユーザUの立ち位置が含まれない位置である。
【0068】
なお、ブース1は、情報表示部としてスクリーン22、ディスプレイ23、及びホワイトボード24の少なくとも何れかを備えている構成であってもよい。情報表示部としてスクリーン22又はディスプレイ23を備えている場合、移動制御部312は、ユーザUの立ち位置を中心PCから見た側と反対側となる位置に、スクリーン22又はディスプレイ23を移動させるように構成されていればよい。また、情報表示部としてスクリーン22及びディスプレイ23を備えている場合、移動制御部312は、ユーザUの立ち位置を中心PCから見た側と反対側となる位置に、スクリーン22及びディスプレイ23を移動させるように構成されていればよい。情報表示部としてホワイトボード24を備えている場合、移動制御部312は、ユーザUの立ち位置を中心PCから見た側と同じ側となる位置に、ホワイトボード24を移動させるように構成されていればよい。
【0069】
なお、「ユーザUの立ち位置を中心PCから見た側と同じ側となる位置」とは、ホワイトボード24と中心PCとが構成する扇形を含む180°の範囲内にユーザUの立ち位置が含まれている位置であることが好ましい。また、「ユーザUの立ち位置を中心PCから見た側と同じ側となる位置」とは、ホワイトボード24と中心PCとが構成する扇形の範囲内にユーザUの立ち位置が含まれている位置であってもよい。
【0070】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部31に含まれる位置情報取得部311及び移動制御部312)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0071】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0072】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0073】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0074】
〔第1の変形例〕
本発明の一態様であるブース群について、
図4を参照して説明する。
図4は、ブース群の斜視図である。ブース群は、ブース1を含む複数のブースにより構成されている。このブース群では、複数のブースの例として、ブース1,1A,1B,1Cを用いる。なお、
図4には、
図1と同様にフロアF及び天井Rを図示している。
【0075】
図4に図示したブース1は、
図1に図示したブース1と同一である。したがって、本変形例では、ブース1の説明を省略する。
【0076】
ブース1Aは、ブース1をベースにして、ブース1の一部を変形することによって得られる。すなわち、ブース1Aは、ブース1の第1の変形例である。ここでは、ブース1Aの構成のうちブース1と異なる構成について説明する。
【0077】
ブース1Aは、パーティション17Aを備えている。パーティション17Aは、ブース1が備えている17に対応する仕切り部材であり、円筒形の壁である。パーティション17Aは、パーティション17と比較して直径が大きい。ブース1Aは、内部空間SIに複数のユーザUを収容することを想定して設計されているためである。
【0078】
また、パーティション17Aは、円筒形である内部空間SIの側面を全て取り囲むようにその高さが定められている。そのうえで、パーティション17Aには、出入り口として機能する扉として引き戸が設けられている。この引き戸の開閉は、手動式であってもよいし、自動式であってもよい。
【0079】
また、ブース1Aは、テーブル26Aとスツール27Aとのセットを2セット備えている。テーブル26Aは、ブース1が備えているテーブル26に対応し、スツール27Aは、ブース1が備えている折りたたみ椅子27に対応する。テーブル26Aの天板には、タッチパネル式のキーボード及びマウスが設けられている。ブース1Aを利用するユーザUは、テーブル26Aを自信のパソコンに接続することによって、自信のパソコンのインターフェースとしてテーブル26Aのキーボード及びマウスを利用することができる。
【0080】
また、ブース1Aは、スクリーン22A及びディスプレイ23Aを備えている。スクリーン22A及びディスプレイ23Aの各々は、それぞれ、ブース1が備えているスクリーン22及びディスプレイ23に対応する。したがって、本変形例では、スクリーン22A及びディスプレイ23Aの説明を省略する。
【0081】
ブース1Bは、ブース1と同様に構成されたブースであり、ブース1Cは、ブース1Aと同様に構成されたブースである。したがって、本変形例では、ブース1B及びブース1Cの説明を省略する。
【0082】
このように、本発明の範疇には、本発明の一態様であるブースを複数備えたブース群も含まれる。ブース群を構成する各ブースの大きさは、異なっていてもよいし、同じであってもよい。各ブースの大きさは、設計時に適宜選択することができる。
【0083】
〔第2の変形例〕
ブース1の第2の変形例であるブース1Dについて、
図5を参照して説明する。
図5は、ブース1Dの斜視図である。なお、
図5においては、フロアFを図示し、天井Rの図示を省略している。
【0084】
ブース1Dは、内部空間S
Iの形状を規定するために、ブース1における壁の代わりにフレーム15Dを用いている。フレーム15Dは、
図5に示すように、上部フレーム151Dと、4本の支柱152Dとにより構成されている。上部フレーム151Dは、4本の直線状のパイプにより構成された枠体である。上部フレーム151Dの形状は、天頂からブース1Dを平面視した場合に、長方形である。
【0085】
4本の支柱152Dは、上部フレーム151DとフロアFとの間に介在し、上部フレーム151Dを支持する。各支柱152Dは、長方形である上部フレーム151Dの各角に接合されている。このように構成されたフレーム15Dは、直方体状の内部空間SIを規定する。
【0086】
このように、本発明の一態様において、ブースの形状(すなわち内部空間SIの形状)は、円筒形に限定されず、直方体であってもよいし、他の立体形状であってもよい。
【0087】
上部フレーム151Dを構成する4本のパイプのうちの1本には、直線状のガイドレール16Dが固定されている。ガイドレール16Dは、ブース1が備えているガイドレール161,162と同様に構成された案内部材であるが、形状がガイドレール161,162とは異なる。
【0088】
支持柱241Dは、ブース1の支持柱241に対応する。また、ホワイトボード24Dは、ブース1のホワイトボード24に対応する。
【0089】
支持柱241Dの端部のうち、ガイドレール16Dに取り付けられる側の端部には、モーターを備えた第3の移動機構(
図5には図示せず)が設けられている。第3の移動機構は、制御部31の移動制御部312により制御されており、支持柱241D及びホワイトボード24Dを、ガイドレール16Dに沿って移動させる。
【0090】
なお、本変形例において、ガイドレール16Dの形状は、天頂から平面視した場合に、直線状であり、1本のパイプに沿って設けられている。ただし、平面視におけるガイドレール16Dの形状は、これに限定されず、適宜定めることができる。ブース1のガイドレール161,162と同様に円形であってもよいし、楕円形であってもよいし、角丸長方形であってもよい。また、ガイドレール16Dが格子状に設けられていてもよい。
【0091】
また、ブース1Dは、ステータスインジケーター141Dを備えている。ステータスインジケーター141Dは、ブース1が備えているステータスインジケーター141に対応する。したがって、本変形例では、ステータスインジケーター141Dの説明を省略する。
【0092】
また、ブース1Dは、テーブル26D、椅子27D、及びディスプレイDを備えている。また、
図5に図示していないものの、ブース1Dは、ブース1が備えている情報処理装置30及びルーターRを備えている。本変形例では、これらの説明を省略する。
【0093】
〔まとめ〕
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、所定空間における人物の立ち位置をセンシングする第1センサーから、前記立ち位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部により取得された前記位置情報に応じて、前記人物と他者との対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部を移動させる移動制御部と、を備えている。
【0094】
上記の構成によれば、本情報処理装置は、所定空間における人物の位置情報に応じて、情報表示部を移動させることができる。したがって、本情報処理装置は、人物の位置がその時々に応じて変化する場合であっても、発話ユーザと情報表示部との距離を制御することができる。
【0095】
また、本発明の第2の態様に係る情報処理装置においては、上述した第1の態様に係る情報処理装置の構成に加えて、前記情報表示部は、前記対話情報を映像として表示するスクリーン又はディスプレイであり、前記移動制御部は、前記位置情報により示される人物の立ち位置を前記所定空間の重心から見た側と反対側となる位置に、前記情報表示部を移動させる、構成が採用されている。
【0096】
上記の構成によれば、位置情報により示される人物と、情報表示部との距離を遠ざけることができる。したがって、情報表示部としてスクリーン又はディスプレイを採用する場合において、情報表示部と前記人物とが重なることを防ぐことができるため、他の参加者から情報表示部に表示されている内容が見えづらくなることを防ぐことができる。
【0097】
また、本発明の第3の態様に係る情報処理装置においては、上述した第1の態様に係る情報処理装置の構成に加えて、前記情報表示部は、前記対話情報を記載して表示するためのボードであり、前記移動制御部は、前記位置情報により示される人物の立ち位置を前記所定空間の重心から見た側と同じ側となる位置に、前記ボードを移動させる、構成が採用されている。
【0098】
上記の構成によれば、位置情報により示される人物と、情報表示部との距離を近づけることができる。したがって、情報表示部としてボードを採用する場合において、情報表示部が前記人物の手が届かない範囲に配置される可能性を低減できるため、前記人物が情報表示部に適切に書き込めないという弊害を生じにくくすることができる。
【0099】
また、本発明の第4の態様に係る情報処理装置においては、上述した第1の態様に係る情報処理装置の構成に加えて、前記情報表示部は、前記対話情報を表示するスクリーン又はディスプレイと、前記対話情報を記載するためのボードと、であり、前記移動制御部は、前記位置情報により示される人物の立ち位置を前記所定空間の重心から見た側と反対側となる位置に、前記スクリーン又はディスプレイを移動させるとともに、前記スクリーンとは別の位置に、前記ボードを移動させる、構成が採用されている。
【0100】
上記の構成によれば、位置情報により示される人物と、情報表示部との距離を近づけることができる。したがって、情報表示部としてボードを採用する場合において、情報表示部が前記人物の手が届かない範囲に配置される可能性を低減できるため、前記人物が情報表示部に適切に書き込めないという弊害を生じにくくすることができる。
【0101】
上記の課題を解決するために、本発明の第5の態様に係るブースは、上述した第1の態様~第4の態様の何れか一態様に記載の情報処理装置と、前記第1センサーと、前記情報表示部と、前記所定空間を他の空間と仕切る仕切り部材と、を備える。
【0102】
このように構成された本ブースは、本発明の第1の態様に係る製造装置と同様の効果を奏する。
【0103】
また、本発明の第6の態様に係るブースにおいては、上述した第5の態様に係るブースの構成に加えて、前記仕切り部材の少なくとも一部が透明である、構成が採用されている。
【0104】
上記の構成によれば、ブースの外部からでもブースの内部の様子を知ることができる。
【0105】
また、本発明の第7の態様に係る情報処理装置においては、上述した第5の態様に係る情報処理装置の構成に加えて、さらに、前記情報表示部の移動を案内する案内部材を備えている、構成が採用されている。
【0106】
上記の構成によれば、情報表示部は、案内部材に沿って移動させればよいので、案内部材を備えていない場合と比較して、情報表示部の構成を簡略化することができる。
【0107】
また、本発明の第8の態様に係る情報処理装置においては、上述した第5の態様に係る情報処理装置の構成に加えて、さらに、吸音性を有する吸音部材を備えている、構成が採用されている。
【0108】
上記の構成によれば、ブースの内部からブースの外部へ漏れ出る音の音量を低減することができる。
【0109】
また、本発明の第9の態様に係るブースにおいては、上述した第3の態様又は第4の態様に係る情報処理装置と、前記第1センサーと、前記情報表示部としての前記ボードと、前記ボードの位置をセンシングする第2センサーと、前記第2センサーによりセンシングされる前記ボードの位置に追従して移動し、前記ボードを撮像するカメラと、を備えている、構成が採用されている。
【0110】
上記の構成によれば、少なくともweb会議形式で複数の人物が参加する対話を実施する場合に、ボードに表示されている対話情報の内容を、カメラを用いて撮像することができる。したがって、本ブースとは離れた遠隔地にも対話情報を配信することができる。
【符号の説明】
【0111】
SI 内部空間(所定空間)
PC 中心(所定空間の重心)
1 ブース
11 ルーフベース
12 ウィンチ
13 ワイヤー
14 吊り壁
141 ステータスインジケーター
15 フレーム
161,162 ガイドレール(案内部材)
17 パーティション(仕切り部材)
18 フロアマット(吸音部材)
19 フロアベース
21 人感センサー(第1センサー)
22 スクリーン(情報表示部の一例)
221 支持柱
23 ディスプレイ(情報表示部の一例)
231 支持柱
232 照明
233 カメラ(ユーザ撮影用、追従式)
24 ホワイトボード(情報表示部の一例)
241 支持柱
242 ビーコン
25 カメラ
251 ビーコンセンサー(第2センサー)
26 テーブル
27 折りたたみ椅子
R ルーター
C コンピュータ
30 情報処理装置
31 制御部
311 位置情報取得部
312 移動制御部