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特開2024-50102照明システム、照明装置及び伝送モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050102
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】照明システム、照明装置及び伝送モジュール
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20240403BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20240403BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B47/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156731
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 靖弘
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273QA24
3K273RA16
3K273RA17
3K273SA04
3K273SA21
3K273SA37
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA41
3K273TA52
3K273TA62
3K273TA66
3K273TA71
3K273TA78
3K273UA02
3K273UA12
3K273UA14
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】センシング情報に基づいて複数の照明装置の照明制御の効率を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る照明システムは、第1照明装置と、第2照明装置と、照明制御ネットワークを介して第1照明装置及び第2照明装置の照明を制御可能な照明制御装置とを備える照明システムである。第1照明装置は、第1照明装置及び第2照明装置の照明領域を含む検出領域をセンシングし、検出領域を分割した相異なる複数の分割領域の状態情報を有するセンシング情報を検出するセンサモジュールと、照明制御ネットワークにおける複数の異なるアドレス情報が割り当てられ、センシング情報から取得した状態情報ごとに、相異なるアドレス情報を付与した照明の制御信号を照明制御装置に伝送する伝送モジュールと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1照明装置と、第2照明装置と、照明制御ネットワークを介して前記第1照明装置及び前記第2照明装置の照明を制御可能な照明制御装置とを備える照明システムであって、
前記第1照明装置は、
前記第1照明装置及び前記第2照明装置の照明領域を含む検出領域をセンシングし、前記検出領域を分割した相異なる複数の分割領域の状態情報を有するセンシング情報を検出するセンサモジュールと、
前記照明制御ネットワークにおける複数の異なるアドレス情報が割り当てられ、前記センシング情報から取得した前記状態情報ごとに、相異なる前記アドレス情報を付与した照明の制御信号を前記照明制御装置に伝送する伝送モジュールと、
を備え、
前記照明制御装置は、
前記第1照明装置からの複数の前記制御信号に基づいて、前記第1照明装置及び前記第2照明装置の照明を制御する制御部を備える
照明システム。
【請求項2】
複数の前記アドレス情報は、複数の前記分割領域に一対一に関連付けられており、
前記伝送モジュールは、前記分割領域に対応した前記状態情報及び前記アドレス情報を有する前記制御信号を前記照明制御装置に伝送する
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記センサモジュールは、前記検出領域を撮像するカメラを有する
請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
自機及び他の照明装置の照明領域を含む検出領域をセンシングし、前記検出領域を分割した相異なる複数の分割領域の状態情報を有するセンシング情報を検出するセンサモジュールと、
照明制御ネットワークにおける複数の異なるアドレス情報が割り当てられ、前記センシング情報から取得した前記状態情報ごとに、相異なる前記アドレス情報を付与した照明の制御信号を、前記自機及び前記他の照明装置の照明を制御可能な照明制御装置に伝送する伝送モジュールと、
を備える照明装置。
【請求項5】
第1照明装置及び第2照明装置の照明領域を含む検出領域をセンシングし、前記検出領域を分割した相異なる複数の分割領域の状態情報を有するセンシング情報を検出するセンサモジュールと電気的に接続される伝送モジュールであって、
照明制御ネットワークにおける複数の異なるアドレス情報が割り当てられ、前記センシング情報から取得した前記状態情報ごとに、相異なる前記アドレス情報を付与した照明の制御信号を、前記第1照明装置及び前記第2照明装置の照明を制御可能な照明制御装置に伝送する、伝送モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明システム、照明装置及び伝送モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等により撮像した画像を用いた処理を行われている。例えば、照明装置に設けられたカメラ等により撮像を行い、撮像した画像を用いて情報の管理を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-54541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術には改善の余地がある。例えば、従来技術では、センシングしたセンシング情報に基づいて複数の照明装置の照明制御を効率よく行う点でさらなる改善の余地がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、センシング情報に基づいて複数の照明装置の照明制御の効率を向上させることができる照明システム、照明装置及び伝送モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る照明システムは、第1照明装置と、第2照明装置と、照明制御ネットワークを介して前記第1照明装置及び前記第2照明装置の照明を制御可能な照明制御装置とを備える照明システムであって、前記第1照明装置は、前記第1照明装置及び前記第2照明装置の照明領域を含む検出領域をセンシングし、前記検出領域を分割した相異なる複数の分割領域の状態情報を有するセンシング情報を検出するセンサモジュールと、前記照明制御ネットワークにおける複数の異なるアドレス情報が割り当てられ、前記センシング情報から取得した前記状態情報ごとに、相異なる前記アドレス情報を付与した照明の制御信号を前記照明制御装置に伝送する伝送モジュールと、を備え、前記照明制御装置は、前記第1照明装置からの複数の前記制御信号に基づいて、前記第1照明装置及び前記第2照明装置の照明を制御する制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、センシング情報に基づいて複数の照明装置の照明制御の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る照明システムの構成例を示す図である。
図2図2は、図1に示す照明装置と検出領域との関係の一例を示す模式図である。
図3図3は、実施形態に係る照明制御装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、図3に示す設定情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る検出ユニットを有する照明装置の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、図5に示す照明装置の外観の一例を示す斜視図である。
図7図7は、図5に示す検出ユニットの一例を示すブロック図である。
図8図8は、図5に示す検出ユニットの制御信号の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る照明装置及び照明制御装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、図5に示す検出ユニットの他の一例を示すブロック図である。
図11図11は、図5に示す検出ユニットの他の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明システムを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する照明システムは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。例えば、以下の実施形態では、照明システムは、劇場や映画館等といった各種施設に設置されるものとするが、これらの施設以外にも、公民館等の公共機関やビルディング等、任意の施設に設置可能であるものとする。なお、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0010】
図1は、実施形態に係る照明システムの構成例を示す図である。図1に示す照明システム1000は、例えば、工場等のような比較的大きく、多くの人流が生じる施設に配置され、複数の照明装置100を個別に複雑に制御する際に好適である。
【0011】
以下の実施形態に係る照明システム1000は、照明制御装置10と、照明制御装置10が照明制御を行う複数(複数台)の照明装置100a~100dとを備える。照明装置100a~100dは、例えば、天井面に直付けされ、天井から床面を照射する照明装置である。照明システム1000は、照明装置100aが「第1照明装置」、照明装置100b~100dが「第2照明装置」となっている。以下の説明では、照明装置100a~100dは、特に区別しない場合、「照明装置100」と記載する。また、本実施形態では、照明システム1000は、4つの照明装置100a~100dを備える場合について説明するが、4つ以外の個数の照明装置100を備える構成としてもよい。
【0012】
照明装置100a~100dは、照明部110を備える。照明部110は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の光源を備え、光源によって設置された周囲環境を照らす。例えば、照明部110は、照明制御装置10によって照明が制御され、光を照射範囲に照射する。
【0013】
第1照明装置である照明装置100aは、センサモジュール210と伝送モジュール220とを有する検出ユニット200をさらに備える。換言すると、本実施形態では、照明装置100b~100dは、検出ユニット200を備えていない。センサモジュール210と伝送モジュール220との間の通信は、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)によって実現される。
【0014】
センサモジュール210は、照明装置100の照明制御に用いるセンシング情報600を取得する。本実施形態では、センサモジュール210は、カメラを備え、当該カメラが照明部110の照射範囲を含み、当該照射範囲よりも広い撮像範囲を撮像する。伝送モジュール220は、センサモジュール210のセンシング情報600またはセンシング情報600に基づく状態情報をネットワークに出力することで、センシング情報600、状態情報等を照明制御装置10に伝送する。センシング情報600は、例えば、検出範囲における人の在/不在、照度等の情報を含む。
【0015】
以下で説明するネットワークは、2重線で示したイーサネット(登録商標)等の通信ネットワーク2100および照明制御ネットワーク2200を含む。照明装置100aは、通信ネットワーク2100を介して、センサモジュール210のカメラが撮像した画像情報を照明制御装置10、クラウド5000等に提供可能な構成になっている。照明装置100aは、照明制御ネットワーク2200を介して、センシング情報600を照明制御装置10に伝送可能な構成になっている。
【0016】
本実施形態では、照明システム1000は、照明制御装置10と複数の照明装置100a~100dとの照明制御に関する通信を、照明制御ネットワーク2200を介して行う。照明制御に関する通信は、例えば、照明制御の応答性が要求される通信を有する。照明システム1000は、認識結果のデータ量が閾値以上である情報を、通信ネットワーク2100を介して行う。
【0017】
照明システム1000は、照明装置100aのカメラを用いたセンシングを行うことで、例えば人感センサや照度センサを用いる場合に比べ、設置環境の広いエリアで人や物体の動き、物体の判別が可能になる。また、照明システム1000は、物体の判別を行うことで、照明エリアの指定も可能になる。照明システム1000は、照明制御を一元管理するため、異なるメーカー間の照明装置100でも照明制御できるようなオープンプロトコル規格のDALI(Digital Addressable Lighting Interface)(登録商標)を利用する。
【0018】
しかし、DALIの通信線上では、人感センサや照度センサは、入力デバイスとして認識され、センサ1台で1つの出力しか伝送できない。このため、照度分布などを把握したい場合やきめ細やかな照明制御を行うために複数のセンサを用意する必要があり、カメラを用いたセンシングの長所が活かせない。本実施形態では、照明システム1000は、複数のセンサを用いることなく、センシング情報600に基づいて複数の照明装置100の照明制御の効率を向上させる。
【0019】
照明システム1000は、照明制御装置10と複数の照明装置100a~100dとが照明制御ネットワーク2200を介して通信可能に接続されている。また、照明システム1000は、照明装置100aのセンサモジュール210が検出した情報を、通信ネットワーク2100及びハブ4000を介してクラウド5000に提供可能な構成になっている。
【0020】
本実施形態では、照明制御装置10と複数の照明装置100との通信方式は、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)の通信規格を用いた通信方式を採用している。なお、上記した通信方式は、DALIに限定されるものではなく、制御アドレスを利用するその他の種類の通信規格や、事業者独自に開発された通信規格等を用いたものであってもよい。
【0021】
図2は、図1に示す照明装置100a~100dと検出領域3000との関係の一例を示す模式図である。図2は、X軸及びY軸を含むXY平面を示している。図2に示す照明装置100a~100dは、施設等の所定の空間を照らす照明装置である。照明装置100aは、検出ユニット200の検出中心から所定の半径の検出領域3000を検出可能になっている。本実施形態では、検出領域3000は、検出ユニット200の魚眼レンズのカメラで撮像可能な領域になっている。検出領域3000は、照明装置100c及び照明装置100dの照明領域を含む第1領域3100と、照明装置100a及び照明装置100bの照明領域を含む第2領域3200とに分割されている。第1領域3100は、検出領域3000を分割した一部の分割領域である。第2領域3200は、検出領域3000を分割した第1領域3100とは異なる分割領域である。なお、検出領域3000は、例えば、3個以上の任意の個数の分割領域に分割してもよい。
【0022】
図1に示す検出ユニット200は、検出領域3000における人の在/不在、照度等を検出する機能を有する。本実施形態では、検出ユニット200は、センサモジュール210がカメラを人感センサとして用いて、人感により人の在/不在、照度等を検出する構成になっている。例えば、カメラは、撮像範囲が複数の照明装置100の照射範囲すべてを少なくとも一部含むように配置される。カメラは、人工知能を有するカメラであり、自身が撮像した画像(以下、撮像画像)を解析して、複数の照明装置100の照明制御に用いる認識を行う。カメラは、所定の空間(の撮像画像)を第1領域3100と第2領域3200のエリアに分割し、エリア毎に照明制御に用いる認識を行う。各エリアは、各照明装置100の照射範囲をそれぞれ含むように設定される。
【0023】
例えば、カメラは、画像における各エリアにおける人の在/不在を認識する。具体的には、カメラは、エリア毎に人の数を認識する。より具体的には、カメラは、例えば、エリアに存在する人の数が、1人以上、5人以上、7人以上、10人以上および20人以上のいずれであるかを認識結果として生成する。
【0024】
また、カメラは、画像における各エリアにおける輝度を認識する。具体的には、カメラは、各エリアに含まれる複数の画素における輝度の統計値を輝度として認識する。統計値は、例えば、平均値や、中央値、最頻値等である。例えば、カメラは、輝度が、1ルクス以上、200ルクス以上および600ルクス以上のいずれであるかを認識結果として生成する。
【0025】
また、カメラは、各エリアにおける人の密集度を認識する。具体的には、カメラは、エリアの面積に対して人の領域が占める割合を密集度として認識する。また、カメラは、エリアにおいて認識した複数の人の間の距離の統計値を密集度として認識する。統計値は、例えば、平均値や、中央値、最頻値、最低値等である。例えば、カメラは、密集度が、正常(上記の割合が所定値未満、かつ、上記の距離の統計値が所定値以上)、近い(上記の距離の統計値が所定値未満)、密(上記の割合が所定値以上)のいずれであるかを認識結果として生成する。
【0026】
また、カメラは、エリアに存在する人の向きを認識する。例えば、カメラは、撮像画像を解析して人の骨格を検出し、骨格の向きに基づいて人の向きを認識する。また、カメラは、時系列で連続する複数の撮像画像から人の移動方向を解析し、移動方向に基づいて人の向きを認識する。例えば、カメラは、人の向きが、北、北東、東、東南、南、南西、西、西北のいずれであるかを認識結果として生成する。
【0027】
センサモジュール210は、検出した第1領域3100及び第2領域3200における人の在/不在、照度、領域情報、ファームウェア情報等を識別可能なセンシング情報600を伝送モジュール220に出力する。領域情報は、例えば、検出した領域(エリア)を示す情報を有する。ファームウェア情報は、例えば、モジュールのファームウェア更新に関する情報を有する。本実施形態では、センサモジュール210は、第1領域3100の状態情報及び第2領域3200の状態情報を含むセンシング情報600を伝送モジュール220に出力する。
【0028】
伝送モジュール220は、照明装置100の外部に、センシング情報600に基づく複数の状態情報を出力するために、UARTのシリル信号をDALI信号のプロトコルに合うように変換する。伝送モジュール220は、照明制御ネットワーク2200における複数のDALIアドレス(制御アドレス)が割り当てられている。伝送モジュール220は、第1領域3100の状態情報にアドレス情報AD1を割り当てる。伝送モジュール220は、第2領域3200の状態情報にアドレス情報AD2を割り当てる。伝送モジュール220は、アドレスを割り当てた状態情報をDALIの制御信号700に変換して照明制御ネットワーク2200に出力する。DALIの制御信号700は、DALIのプロトコルのアドレスとコマンド(データ)とを有する信号になっている。これにより、照明制御装置10は、1台の検出ユニット200で複数のDALIアドレスを認識することができる。そして、照明制御装置10は、DALIアドレスと検出ユニット200の検出領域3000とを関連付けることで、受信した制御信号700から検出領域300の状態情報を認識し、検出領域300の複数の照明装置100の照明を制御する。
【0029】
例えば、照明装置100aの検出ユニット200は、センサモジュール210によって検出領域3000をセンシングする。検出ユニット200は、第1領域3100における人の存在と照度を検出し、第2領域3200における人の不在と照度を検出すると、第1領域3100の検出結果を示す状態情報と第2領域3200の検出結果を示す状態情報を生成する。検出ユニット200は、センサモジュール210のセンシング情報600に基づく複数の状態情報を変換した制御信号700を照明制御ネットワーク2200に出力する。
【0030】
照明制御装置10は、照明装置100aの検出ユニット200の認識結果を取得し、認識結果に基づいて照明装置100a~100dの照明制御を行う。具体的には、照明制御装置10は、照明制御ネットワーク2200を介して照明装置100a~100dの照明制御を行う。
【0031】
具体的には、照明制御装置10は、照明装置100aから受信した検出領域3000の領域毎の認識結果に基づいて、各領域に対応する照明装置100a~100dの照明制御を行う。例えば、照明制御装置10は、各領域における人の在/不在により照明装置100a~100dの照射の点灯/消灯(オン/オフ)を切り替える。あるいは、照明制御装置10は、人が存在する場合には、照射強度を所定値まで上昇させ、人が不在の場合には、照射強度を所定値まで低下させる制御であってもよい。また、照明制御装置10は、各領域における輝度により照明装置100a~100dの照射強度を調整(調光)する。
【0032】
また、照明制御装置10は、密集度および人の向きにより、人の快適性を向上させる照明制御を行う。例えば、照明制御装置10は、特定のエリアで密集度が高くなった場合には、かかる特定のエリアとともに、周囲のエリアの照射強度を高くする。すなわち、密集度が高いエリアの輝度がより高まるように、周囲の領域の照明装置100a~100dの照射強度を高めて補助する。これにより、照明システム1000は、密集度が高い領域においても高い輝度を維持できる。
【0033】
また、照明制御装置10は、人が向いている方向に位置する検出領域3000における領域の照射強度を高くする。これにより、照明システム1000は、人が見ている方向のエリアの輝度を高めることができる。
【0034】
このように、照明装置100aは、照明制御に用いる認識を自身で行って照明制御ネットワーク2200に出力することで、出力先である照明制御装置10が照明制御を行う際に認識処理を行う必要が無くなる。言い換えれば、照明装置100aの検出ユニット200が照明制御装置10に代わって認識処理を担う。すなわち、照明システム1000は、認識処理および照明制御処理を照明装置100aおよび照明制御装置10に分散するため、照明制御装置10の処理負荷を軽減できるとともに、照明制御の応答性を向上できる。従って、実施形態に係る照明装置100aによれば、検出領域3000における複数の領域の認識結果を照明制御ネットワーク2200へ出力することで、照明制御を効率良く行うことができる。
【0035】
ハブ4000は、通信ネットワーク2100のケーブルが接続される集線装置である。ハブ4000は、照明装置100a、照明制御装置10およびクラウド5000それぞれに接続された通信ネットワーク2100の通信ケーブルが接続される。
【0036】
クラウド5000は、通信ネットワーク2100を介して照明装置100aの検出ユニット200から撮像画像や認識結果を取得して各種解析を行う解析サーバである。例えば、クラウド5000は、撮像画像や上記した認識結果に基づいて所定の空間における人流を分析する。クラウド5000は、分析結果を所定の空間の管理者の端末装置へ送信する。
【0037】
ここで、照明装置100aは、検出ユニット200の認識結果を照明制御装置10へ送信する場合、検出領域3000の分割された複数の領域ごとのセンシング情報600の状態情報を、制御信号700として照明制御ネットワーク2200に出力する。なお、照明装置100aは、通信ネットワーク2100を介して、複数の領域ごとの認識結果を示すセンシング情報600の状態情報を、照明制御装置10、クラウド5000等に送信してもよい。
【0038】
照明装置100aは、照明の点灯および消灯の切替に必要となる人の在/不在の認識結果、すなわち、照明制御の応答性が要求される認識結果については、出力するネットワークとして照明制御ネットワーク2200を用いる。これにより、DALI等の照明制御に適した照明制御ネットワーク2200を介して照明制御の応答性が要求される認識結果を出力することで、照明装置100a~100dの点灯/消灯といった照明制御の応答性を向上させることができる。
【0039】
また、照明装置100aは、照射強度の調整に必要となる輝度の認識結果、すなわち、照明装置100a~100dの調光に関わる認識結果については、出力するネットワークとして照明制御ネットワーク2200を用いる。これにより、照明システム1000は、DALI等の照明制御に適した照明制御ネットワーク2200を介して調光に関わる認識結果を出力することで、照明装置100a~100dの調光に関わる照明制御の応答性を向上させることができる。
【0040】
また、照明装置100aは、密集度や人の向きといったデータ量が閾値以上である認識結果については、出力するネットワークとして通信ネットワーク2100を用いる。密集度や人の向きといった認識結果は、人の在/不在を用いてさらに解析した結果であるため、人の在/不在の認識結果のデータ量に比べてデータ量が多くなる。このため、検出ユニット200は、データ量が多いに認識結果については、大量のデータを送信するのに適した通信ネットワーク2100を介して出力する。これにより、照明システム1000は、照明制御ネットワーク2200の通信渋滞を回避できる。
【0041】
次に、図3以降を参照して、上記した照明制御装置10及び照明装置100aについてより詳しく説明する。まず、図3を参照して照明制御装置10について説明する。
【0042】
図3は、実施形態に係る照明制御装置10の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、照明制御装置10は、操作部11と、表示部12と、通信部13と、制御部14と、記憶部15とを備える。
【0043】
操作部11は、利用者によって操作され、例えば、照明装置100a~100dに制御アドレスを設定(または再設定)する設定操作を受け付ける。また、操作部11は、例えば、制御アドレスの番号ごとに対応する操作ボタンを含んでもよい。そして、かかる操作ボタンの操作によって、操作ボタンに対応する照明装置100a~100dの点灯指示や消灯指示などの制御指示を受け付ける。そして、操作部11は、受け付けた操作や制御指示を示す信号を制御部14へ出力する。
【0044】
表示部12は、照明装置100a~100dに設定された制御アドレスに関する情報など各種の情報を表示することができる。例えば、表示部12は、照明装置100a~100dに現在設定されている制御アドレスの一覧や、設定されていない空きの制御アドレスの一覧などの情報を表示することができる。
【0045】
通信部13は、通信ネットワーク2100、照明制御ネットワーク2200等を介して照明装置100a~100d等との通信処理を行うためのネットワークデバイスである。通信部13は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0046】
制御部14は、設定部14aと、照明制御部14bとを備える。記憶部15は、設定情報151を記憶する。
【0047】
ここで、制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ(HDD)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0048】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部14の設定部14aおよび照明制御部14bとして機能する。
【0049】
また、制御部14の設定部14aおよび照明制御部14bの少なくともいずれか1つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0050】
また、記憶部15は、例えば、RAMやHDDに対応する。RAMやHDDは、各種プログラムの情報等を記憶することができる。なお、照明制御装置10は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0051】
ここで、記憶部15に記憶される設定情報151について説明する。設定情報151は、例えば、制御アドレスの照明装置20への設定状況に関する情報である。図4は、図3に示す設定情報151の一例を示す図である。
【0052】
図4に示す一例では、設定情報151は、「照明装置」、「制御アドレス」、「検出領域」、「検出アドレス」および「検出ユニット」といった項目を含む。
【0053】
「照明装置」の項目は、照明装置100a~100dを識別可能な情報が設定される。「制御アドレス」の項目は、照明装置100a~100dに対応した制御アドレスCA1~CA4等を示す情報が設定される。「検出領域」の項目は、照明装置100a~100dが設置された検出領域3000における第1領域3100または第2領域3200を示す情報が設定される。「検出アドレス」の項目は、照明装置100a~100dが設置された検出領域3000における第1領域3100または第2領域3200のアドレスを示す情報が設定される。「検出ユニット」の項目は、照明装置100a~100dのうち、検出ユニット200を備える場合に「あり」、検出ユニット200を備えない場合に「-」を示す情報が設定される。
【0054】
照明制御装置10は、照明制御ネットワーク2200を介して制御信号700を受信した場合、設定情報151と制御信号700の検出アドレスとに基づいて、制御信号700の状態情報が検出領域3000の第1領域3100または第2領域3200のいずれの情報であるかを特定する。例えば、照明制御装置10は、検出アドレスが「AD1」の制御信号を受信した場合、制御信号700の状態情報が第1領域3100の情報であると特定する。
【0055】
図3の説明に戻ると、制御部14の設定部14aは、照明装置100a~100d及び照明装置100aの伝送モジュール220に制御アドレスを設定する。例えば、設定部14aは、制御アドレスを付与する処理において、照明装置100a~100dに対してランダムに制御アドレスを付与して設定し、伝送モジュール220に対して複数の制御アドレスを付与して設定する。
【0056】
また、設定部14aは、設定した制御アドレスの番号を示す情報など、制御アドレスの照明装置100a~100d及び伝送モジュール220への設定状況に関する情報を記憶部15に設定情報151として記憶させてもよい。
【0057】
照明制御部14bは、例えば利用者の操作に従って、照明装置100a~100dを個別に制御できる。例えば、照明制御部14bは、利用者による操作部11の操作により、操作部11から照明装置100a~100dの点灯指示や消灯指示の制御指示を示す信号が入力されると、制御アドレスにより照明装置20に対して、制御指示に応じた第2制御信号を出力し、照明装置100a~100dの点灯状態を制御する。なお、第2制御信号は、DALIのプロトコルのアドレスとコマンドとを有する信号になっている。
【0058】
照明制御部14bは、通信部13を介して、照明制御ネットワーク2200から照明装置100aの制御信号を受信した場合、制御信号700が示すセンシング情報600の状態情報に基づいて、検出領域300の人の在/不在、照度等を認識する。照明制御部14bは、認識結果に基づいて、照明装置100a~100dの点灯指示や消灯指示等の制御指示を生成し、制御指示に応じた制御信号を出力する。これにより、照明制御部14bは、制御信号700に基づいて検出領域300の人の在/不在に適した照明制御を行うことができる。
【0059】
次に、図5乃至図8を参照して照明装置100aについて説明する。図5は、実施形態に係る検出ユニット200を有する照明装置100aの構成例を示すブロック図である。図6は、図5に示す照明装置100aの外観の一例を示す斜視図である。図7は、図5に示す検出ユニット200の一例を示すブロック図である。図8は、図5に示す検出ユニット200の制御信号の一例を示す図である。なお、図5に示す照明装置100aは、照明装置100b~100dとは検出ユニット200を有する点が構成で相違しており、それ以外の基本構成は概ね同一である。
【0060】
図5に示すように、照明装置100aは、交流電源8000に接続され、交流電源8000から駆動電力が供給される。
【0061】
照明装置100aは、照明部110と、制御部120と、記憶部130と、電源部140と、検出ユニット200とを備える。制御部120は、照明部110と記憶部130と電源部140と検出ユニット200とに電気的に接続されている。図6に示す一例では、照明装置100aは、天井直付けタイプの照明装置であり、いわゆるベースライトである。図6に示す例において、照明装置100aは、照明部110の近傍に配置され、照明部110の照明領域を撮像可能なように、検出ユニット200が検出箇所に組付けられる構成になっている。なお、照明装置100aは、ベースライトに限られず、シーリングライトやダウンライト、スポットライトなどであってもよい。
【0062】
図5に示すように、照明部110は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の光源を備え、電源部140からの電力によって周囲を照らす。照明部110は、制御部120によって点灯、消灯、調光等が制御される。例えば、照明部110は、検出ユニット200の検出領域3000を含む範囲を照射範囲として照射する。
【0063】
記憶部130は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0064】
記憶部130は、ネットワーク情報131等を記憶する。ネットワーク情報131は、照明装置100aが接続されるネットワークに関する情報である。ネットワーク情報131は、照明制御ネットワーク2200において、照明装置100aに割り当てられたアドレスを識別可能な情報を有する。ネットワーク情報131は、例えば、上述した設定情報151の「照明装置」、「制御アドレス」、「検出領域」および「検出アドレス」といった項目を含む(図4参照)。ネットワーク情報131は、少なくとも検出ユニット200の「検出領域」および「検出アドレス」の項目を含む構成としてもよい。
【0065】
制御部120は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPUやMPUなどによって、照明装置100a内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部120は、例えば、コントローラであり、ASICやFPGAなどの集積回路により実現される。
【0066】
電源部140は、交流電源8000から供給される駆動電力を交流から直流に変換して制御部120、照明部110、検出ユニット200等へ供給する。
【0067】
検出ユニット200は、上述したセンサモジュール210及び伝送モジュール220を有する。図6に示すように、検出ユニット200は、センサモジュール210及び伝送モジュール220をプレート状の筐体201に収容した状態で、照明装置100aに組付けられる。検出ユニット200は、筐体201が照明装置100aの内部に収容されてもよいし、照明装置100aの外部に設けられてもよい。
【0068】
図7に示すように、検出ユニット200のセンサモジュール210は、カメラ2211を有する。カメラ211は、魚眼レンズのカメラであり、検出領域3000を撮像可能なように、照明装置100aに組付けられている。なお、センサモジュール210は、例えば、人感センサ、照度センサ等の各種センサをさらに有する構成としてもよい。
【0069】
カメラ211は、人工知能を有した撮像部であり、撮像した画像に基づいて照明制御に用いる認識を行う。具体的には、カメラ211は、照明装置100a~100dの各照射範囲に対応した複数のエリアに画像を分割し、エリア毎に認識を行う。本実施形態では、カメラ211は、検出領域3000を分割した第1領域3100と第2領域3200に対して認識を行う。例えば、カメラ211は、上述したように、人の在/不在、輝度、密集度、人の向き等を認識する。
【0070】
センサモジュール210は、カメラ211で認識した認識結果に基づいて、画像のエリア毎の状態情報610を識別可能なセンシング情報600を生成し、当該センシング情報600を伝送モジュール220に出力する。センシング情報600は、例えば、第1領域3100の状態情報610と、第2領域3200の状態情報610とを有する。状態情報610は、人の在/不在、照度等の情報を含む。センサモジュール210は、内蔵する記憶装置の領域情報、ファームウェア情報等をセンシング情報600に設定する。
【0071】
伝送モジュール220は、取得部221-1及び取得部221-2と、伝送部222-1及び伝送部222-2とを備える。取得部221-1及び取得部221-2は、一方側がセンサモジュール210、他方側が伝送部222-1及び伝送部222-2にそれぞれ電気的に接続されている。
【0072】
取得部221-1は、センサモジュール210が出力したセンシング情報600から、第1領域3100の状態情報610を取得し、当該状態情報610を示すUARTのシリル信号を伝送部222に出力する。取得部221-2は、センサモジュール210が出力したセンシング情報600から、第2領域3200の状態情報610を取得し、当該状態情報610を示すUARTのシリル信号を伝送部222に出力する。
【0073】
伝送部222-1及び伝送部222-2は、照明装置100の外部に、センシング情報600に基づく複数の状態情報610を出力するために、UARTのシリル信号をDALI信号のプロトコルに合うように変換する。伝送部222-1及び伝送部222-2は、照明制御ネットワーク2200におけるアドレス情報AD1とアドレス情報AD2とが割り当てられている。
【0074】
図7に示す一例では、伝送部222-1及び伝送部222-2は、照明制御ネットワーク2200に接続された伝送線231及び伝送線232がそれぞれ接続されている。伝送部222-1は、制御アドレスのアドレス情報AD1に関する情報を、伝送線231を介して照明制御ネットワーク2200に出力する。伝送部222-2は、制御アドレスのアドレス情報AD2に関する情報を、伝送線232を介して照明制御ネットワーク2200に出力する。詳細には、伝送部222-1は、アドレス情報AD1と第1領域3100の状態情報610とを有する制御信号700を、伝送線231を介して照明制御ネットワーク2200に出力する。伝送部222-2は、アドレス情報AD2と第2領域3200の状態情報610とを有する制御信号700を、伝送線232を介して照明制御ネットワーク2200に出力する。
【0075】
なお、本実施形態では、照明装置100b~dの各々は、照明装置100aの照明部110と制御部120と記憶部130と電源部140とを備え、検出ユニット200を備えていない構成になっている。このため、照明装置100b~dは、照明装置100aと基本構成が同一であるため、構成に関する説明を省略する。
【0076】
次に、図8を参照して、検出ユニット200の動作の一例を説明する。図8に示すように、検出ユニット200は、センサモジュール210がカメラ211の認識結果から第1領域3100の状態情報610及び第2領域3200の状態情報610を含むセンシング情報600を生成する。検出ユニット200は、伝送モジュール220がセンシング情報600から第1領域3100の状態情報610を取得すると、アドレス情報AD1と第1領域3100の状態情報610とを有する制御信号700に変換する。検出ユニット200は、伝送モジュール220がセンシング情報600から第2領域3200の状態情報610を取得すると、アドレス情報AD2と第2領域3200の状態情報610とを有する制御信号700に変換する。検出ユニット200は、アドレス情報AD1の制御信号700を、伝送線231を介して照明制御ネットワーク2200に出力し、アドレス情報AD2の制御信号700を、伝送線232を介して照明制御ネットワーク2200に出力する。
【0077】
次に、照明システム1000の処理手順の一例を説明する。図9は、実施形態に係る照明装置100a及び照明制御装置10の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0078】
図9に示すように、照明装置100aは、センシング情報600の生成に応じて、センサモジュール210が検出領域3000のセンシング情報600を伝送モジュール220に出力する(ステップS101)。これにより、伝送モジュール220は、センシング情報600が入力される。なお、センサモジュール210は、所定のタイミングでセンシング情報600を生成することができる。所定のタイミングは、例えば、定期的、設定された時間毎等のタイミングを含む。
【0079】
照明装置100aは、伝送モジュール220がセンシング情報600から複数の分割領域の状態情報610を取得する(ステップS102)。例えば、照明装置100aは、センシング情報600から分割領域である第1領域3100及び第2領域3200の状態情報610を取得する。
【0080】
照明装置100aは、伝送モジュール220が状態情報610を、アドレスごとの制御信号700に変換して伝送する(ステップS103)。例えば、照明装置100aは、第1領域3100のアドレス情報AD1を付与した制御信号700と、第2領域3200のアドレス情報AD2を付与した制御信号700とを照明制御ネットワーク2200に出力することで、照明制御装置10に伝送する。
【0081】
また、照明制御装置10は、受信した複数の制御信号700に基づいて、複数の照明装置100の照明を制御する(ステップS201)。例えば、照明制御装置10は、制御信号700のアドレス情報AD1,AD2と設定情報151の検出アドレスとに基づいて、検出領域3000の分割領域を特定する。具体的には、制御信号700にアドレス情報AD1が付与されている場合、照明制御装置10は、分割領域が第1領域3100であると特定する。照明制御装置10は、制御信号700の状態情報610に基づいて、第1領域3100における人の在/不在、照度等を認識する。照明制御装置10は、認識結果に基づいて、第1領域3100に関連付けられた照明装置100c及び照明装置100dに対する照明制御処理を実行する。照明制御処理は、例えば、人の在/不在と照度とに基づいて照明装置100の点灯/消灯を制御する処理、輝度を調整する処理、制御対象の照明装置100に第2制御信号を伝送する処理等を含む。
【0082】
例えば、照明制御装置10が照明装置100a~100dの全てを点灯させている状態で、照明装置100aが第1領域3100に人が存在、第2領域3200に人が不在であることを検出しているとする。
【0083】
照明装置100a(伝送モジュール220)は、第1領域3100に人が存在することを示すアドレス情報AD1の制御信号700と、第2領域3200に人が存在していないことを示すアドレス情報AD2の制御信号700を照明制御装置10に伝送する。
【0084】
照明制御装置10は、照明装置100aから複数の制御信号700を受信し、複数の制御信号700の状態情報610から検出領域3000の第1領域3100に人が存在、第2領域3200に人が不在になったことを認識する。この場合、照明制御装置10は、第2領域3200に人が不在になっているので、第2領域3200の照明装置100a及び照明装置100bのそれぞれに対して消灯を指示する第2制御信号を伝送する。なお、第2制御信号は、照明装置100aまたは照明装置100bの制御アドレスと消灯のコマンドとを有する。
【0085】
照明装置100aは、照明部110が照明制御ネットワーク2200を介して第2制御信号を受信すると、照明部110を点灯状態から消灯状態に切り替える。また、照明装置100bは、照明部110が照明制御ネットワーク2200を介して第2制御信号を受信すると、照明部110を点灯状態から消灯状態に切り替える。
【0086】
また、照明制御装置10は、第1領域3100に人が存在しているので、第1領域3100の照明装置100c及び照明装置100dには制御信号を伝送しないことで、照明装置100c及び照明装置100dの点灯状態を継続させる。
【0087】
このように、照明システム1000は、照明制御装置10が照明装置100aから受信した複数の制御信号700に基づいて、複数の照明装置100a~100dの照明を制御することができる。これにより、照明システム1000は、照明制御装置10が1台の照明装置100aから制御信号700を受信するだけで、相異なる位置に設けられた複数の照明装置100の照明を制御することができる。その結果、照明システム1000は、センサモジュール210のセンシング情報600に基づいて複数の照明装置100の照明制御の効率を向上させることができる。
【0088】
照明システム1000は、照明制御ネットワーク2200における伝送モジュール220に複数のアドレスを割り当て、アドレスと分割領域を関連付けるだけで、複数の照明装置100の照明を個別に制御することができる。また、照明システム1000は、アドレスと人の在/不在の状態情報610を示す制御信号700を伝送するだけなので、照明制御ネットワーク2200を用いて複数の制御信号700を伝送することができる。照明システム1000は、照明制御できるようなオープンプロトコル規格のDALIを用いて実現できるため、制御システムの最適化を図ることができる。照明システム1000は、1台の照明装置100aを用意するだけで、複数台のセンサを用いる必要がないので、システム構成の簡単化を図ることができる。
【0089】
次に、上述した実施形態の他の実施形態について説明する。図10及び図11は、図5に示す検出ユニット200の他の一例を示すブロック図である。
【0090】
図10に示すように、検出ユニット200は、上述したセンサモジュール210及び伝送モジュール220を有する。伝送モジュール220は、取得部221と、伝送部222とを備える。すなわち、伝送モジュール220は、上述した取得部221-1及び取得部221-2を1つの取得部221で実現し、伝送部222-1及び伝送部222-2を1つの伝送部222で実現している。取得部221は、一方側がセンサモジュール210、他方側が伝送部222にそれぞれ電気的に接続されている。
【0091】
図10に示す一例では、検出ユニット200の伝送モジュール220は、伝送部222を単体にして、IIC(Inter-Integrated Circuit)の通信インターフェースのスレーブを複数用意し、複数のDALIアドレスを割り当てている。
【0092】
取得部221は、センサモジュール210が出力したセンシング情報600から第1領域3100の状態情報610を取得するとともに、第2領域3200の状態情報610を取得する。取得部221は、第1領域3100の状態情報610を示すUARTのシリル信号を伝送部222に出力し、第2領域3200の状態情報610を示すUARTのシリル信号を伝送部222に出力する。
【0093】
伝送部222は、照明装置100の外部に、センシング情報600に基づく複数の状態情報610を出力するために、UARTのシリル信号をDALI信号のプロトコルに合うように変換する。伝送部222は、照明制御ネットワーク2200における複数のアドレス情報AD1とアドレス情報AD2とが割り当てられている。図10に示す一例では、伝送部222は、照明制御ネットワーク2200に接続された伝送線231及び伝送線233が接続されている。伝送部222は、アドレス情報AD1と第1領域3100の状態情報610とを有する制御信号700を、伝送線231を介して照明制御ネットワーク2200に出力する。伝送部222は、アドレス情報AD2と第2領域3200の状態情報610とを有する制御信号700を、伝送線232を介して照明制御ネットワーク2200に出力する。
【0094】
また、図11に示すように、検出ユニット200は、上述したセンサモジュール210及び伝送モジュール220を有する。伝送モジュール220は、伝送部222-3を備える。すなわち、伝送モジュール220は、上述した取得部221等をなくし、伝送部222-3が取得部221の機能を実現する。
【0095】
図11に示す一例では、検出ユニット200の伝送モジュール220は、図10の構成と同様に、伝送部222-3に対して、IICの通信インターフェースのスレーブを複数用意し、複数のDALIアドレスを割り当てている。
【0096】
伝送部222-3は、センサモジュール210が出力したセンシング情報600から第1領域3100の状態情報610を取得するとともに、第2領域3200の状態情報610を取得する。伝送部222-3は、照明装置100の外部に、センシング情報600に基づく複数の状態情報610を出力するために、状態情報610をDALI信号のプロトコルに合うように変換する。伝送部222-3は、照明制御ネットワーク2200における複数のアドレス情報AD1とアドレス情報AD2とが割り当てられている。図11に示す一例では、伝送部222-3は、照明制御ネットワーク2200に接続された伝送線231及び伝送線233が接続されている。伝送部222-3は、アドレス情報AD1と第1領域3100の状態情報610とを有する制御信号700を、伝送線231を介して照明制御ネットワーク2200に出力する。伝送部222-3は、アドレス情報AD2と第2領域3200の状態情報610とを有する制御信号700を、伝送線232を介して照明制御ネットワーク2200に出力する。
【0097】
本実施形態では、照明システム1000は、第1照明装置である1台の照明装置100aを備える場合について説明したが、これに限定されない。例えば、照明システム1000は、検出領域3000の広さと照明領域との関係に応じて、複数の照明装置100aを備える構成としてもよい。
【0098】
本実施形態では、照明システム1000は、第1照明装置である照明装置100aを通信ネットワーク2100及び照明制御ネットワーク2200に接続する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、照明システム1000は、通信ネットワーク2100に接続せずに、照明制御ネットワーク2200のみに接続する構成としてもよい。
【0099】
本実施形態では、照明システム1000は、複数のアドレス情報と複数の分割領域とを一対一に関連付ける場合について説明したが、これに限定されない。例えば、アドレス情報と分割領域の個数が異なる場合、照明システム1000は、1つのアドレス情報と複数の分割領域を関連付ける構成としてもよい。また、1つの照明装置100と1つの分割領域とを一対一に対応付け、アドレス情報の個数が照明装置100の個数よりも少ない場合、照明システム1000は、1つのアドレス情報と複数の分割領域を関連付ける構成としてもよい。
【0100】
本実施形態では、検出ユニット200は、センサモジュール210と伝送モジュール220とを有する構成について説明したが、これに限定されない。例えば、センサモジュール210と伝送モジュール220とは、個別のユニットや装置として照明装置100に設ける構成としてもよい。すなわち、照明装置100aは、センサモジュール210及び伝送モジュール220の少なくとも一方を、装置本体の外部に設ける構成としてもよい。例えば、照明装置100aは、照明部110とセンサモジュール210を1つのユニットとし、伝送モジュール220を別のユニットとしてもよい。センサモジュール210と伝送モジュール220とは、有線または無線で通信可能な構成としてもよい。これにより、センサモジュール210と伝送モジュール220とは、設置場所に自由度を持たせることができる。
【0101】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
10 照明制御装置
11 操作部
12 表示部
13 通信部
14 制御部
15 記憶部
100 照明装置
110 照明部
120 制御部
130 記憶部
140 電源部
200 検出ユニット
210 センサモジュール
211 カメラ
220 伝送モジュール
221 取得部
222 伝送部
600 センシング情報
610 状態情報
700 制御信号
1000 照明システム
2100 通信ネットワーク
2200 照明制御ネットワーク
3000 検出領域
3100 第1領域
3200 第2領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11