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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005011
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ブース
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
E04H1/12 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104971
(22)【出願日】2022-06-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・ウェブサイトのアドレス https://www.itoki.jp/special/smart-campus-solution/floor 掲載日 令和4年3月28日 公開者 株式会社イトーキ
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】福島 浩介
(72)【発明者】
【氏名】秋山 恵
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 豊
(57)【要約】      (修正有)
【課題】対話をする各ユーザ間に序列を感じさせずフランクなコミュニケーションを実現可能なブースを提供すること。
【解決手段】物品を載置可能な上端面である天板261を有する什器としてのテーブル26が設置されているブース1であって、天板261の周縁と、ブース1の壁面であるパーティション17との間に、天板261の周縁に沿ったユーザUの歩行を許容する空間が形成されているとともに、平面視で円形または楕円形であるブース。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を載置可能な上端面を有する什器が設置されているブースであって、
前記上端面の周縁と、前記ブースの壁面との間に、前記周縁に沿った人の歩行を許容する空間が形成されているとともに、平面視で円形又は楕円形である、ブース。
【請求項2】
前記壁面の少なくとも一部が透明である、請求項1に記載のブース。
【請求項3】
前記壁面に沿って、前記ブース内に存在する人物と他者との対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部が設けられている、請求項1に記載のブース。
【請求項4】
前記什器は、前記上端面として天板を有するテーブルである、請求項1~3の何れか1項に記載のブース。
【請求項5】
前記什器は、前記上端面に前記人が座ることができる椅子兼用テーブルである、請求項1~3の何れか1項に記載のブース。
【請求項6】
当該ブースの内部空間に対応する領域に設けられた台であるフロアベースを更に備え、
前記什器は、前記フロアベースに固定されている、請求項1~3の何れか1項に記載のブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが、他のユーザと対話をすることができるブースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスにおいては、ワーカーの生産性を高める観点や、ワーカーの健康増進の観点などから、ワーキングスタイルが多様化してきた。従来であれば、1日中、デスクに座りっぱなしというワーキングスタイルが定番であったのに対し、近年では、例えばスタンディングデスクが広く普及している。また、特許文献1には、ユーザであるワーカーが心身をリフレッシュするための動作を行うことができるフレーム式ブース状家具が記載されている。このフレーム式ブース状家具は、本願明細書におけるブースに対応する。以下では、単にブースと記載する。
【0003】
このブースをオフィスのフリースペースに設けておけば、ユーザは、容易に心身をリフレッシュすることができる。また、個々のデスクに座って仕事をしているだけでは対話をし得ない他のユーザ(例えば、部署が異なるユーザ)と、気軽に対話をする機会が生まれやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-025516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のブースの形状は、天頂から平面視した場合、四角形状である。形状が四角形状であることによって、オフィスに配置する場合におけるスペース効率を高めやすいというメリットが得られる。その一方、形状が四角形状であることによって、ブースの内部空間における等方性が低下する場合がある。内部空間における等方性が低下することによって、内部空間に複数のユーザが存在する場合に、各ユーザが序列を感じてしまう虞がある。
【0006】
本発明の一態様は、上述した課題に鑑みなされたものであり、その目的は、特許文献1に記載のブースと比較して、内部空間に複数のユーザが存在する場合に、対話をする各ユーザ間に序列を感じさせずフランクなコミュニケーションを実現するブースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るブースは、物品を載置可能な上端面を有する什器が設置されているブースである。本ブースにおいては、前記上端面の周縁と、前記ブースの壁面との間に、前記周縁に沿った人の歩行を許容する空間が形成されているとともに、平面視で円形又は楕円形である、構成が採用されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、特許文献1に記載のブースと比較して、内部空間に複数のユーザが存在する場合に、対話をする各ユーザ間に序列を感じさせずフランクなコミュニケーションを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るブースの構成を示す斜視図である。
図2図1に図示したブースが備えている情報処理装置のブロック図である。
図3図1に図示したブースの平面図である。
図4図1に図示したブースを含む複数のブースからなるブース群の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係るブース1と、ブース1に含まれる情報処理装置30とについて、図1図3を参照して説明する。図1は、ブース1の構成を示す斜視図である図2は、情報処理装置30のブロック図である。図3は、ブース1の平面図である。図3の平面図は、後述すルーフベース11を省略した状態のブース1を天頂から見下ろすことによって得られる平面図である。
【0011】
〔ブースの概要〕
ブース1は、ユーザが他のユーザと対話する場合に利用することを想定して設計されている。本実施形態において用いる「対話」との表現は、2人のユーザによる対話であってもよいし、3人以上のユーザによる対話であってもよい。対話の例としては、講師と生徒というように立場が異なるユーザによる講義や、同僚同士というように立場が同じであるユーザによるミーティングなどが挙げられる。また、対話は、複数の遠隔地にいる複数のユーザが電子通信回線を用いて実施するweb会議形式であってもよいし、複数のユーザが所定の空間に集まって実施する対面式であってもよいし、web会議形式と対面式とを併用であってもよい。ブース1は、web会議形式、対面式、及び、web会議形式と対面式とを併用する形式の何れの対話においても適用することができる。
【0012】
講師がブース1を用いてweb会議形式の講義を実施することによって、遠隔地にいる生徒は、自宅に居ながらにして質の高い講義を受ける機会を容易に得ることができる。このような効果は、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標4「質の高い教育をみんなに」等の達成にも貢献するものである。
【0013】
本実施形態では、講師がブース1を利用し、遠隔地にいる複数の生徒に対して講義を配信する態様を想定して、ブース1について説明する。すなわち、本実施形態において、ブース1は、web会議形式のインタラクティブな講義を配信するためのスタジオとして機能する。なお、図1及び図3においては、講師であるユーザUを図示している。
【0014】
〔ブースの構成〕
図1に示すように、ブース1は、ブース1を構成する構造物として、ルーフベース11、ウィンチ12、ワイヤー13、吊り壁14、フレーム15、ガイドレール161,162、パーティション17、フロアマット18、フロアベース19、テーブル26、及び折りたたみ椅子27を備えている。ルーフベース11が天井Rに固定されており、吊り壁14、フレーム15、及びパーティション17がウィンチ12及びワイヤー13を介してルーフベース11から吊り下げられており、フロアベース19がフロアFの上に載置されている。
【0015】
また、ブース1は、情報処理装置30を備えている。本実施形態において情報処理装置30の各機能ブロックは、図1に図示するコンピュータCの制御部31(例えばプロセッサ)がプログラムを実行することにより実現されている。なお、情報処理装置30は、インタラクティブなweb会議を実現するweb会議実施部(図2のブロック図には図示せず)を備えている。web会議実施部は、既存のweb会議プログラムを用いて実現可能なため、本実施形態ではその説明を省略する。
【0016】
また、ブース1は、情報処理装置30が利用する各情報を取得したり、上述した各構造物の移動を制御したり、各情報を表示したりするデバイスとして、人感センサー21、スクリーン22、ディスプレイ23、ホワイトボード24、及びカメラ25を備えている。
【0017】
<構造物>
(ルーフベース)
ルーフベース11は、天井Rに固定された円柱形の構造物である(図1参照)。すなわち、ルーフベース11の底面の形状は、円形である。なお、ブース1の一態様において、ルーフベース11は、天井Rから離間していてもよい。その場合、ルーフベース11とフロアベース19との間に支持体を介在させればよい。支持体は、フロアベース19とルーフベース11との間隔を一定に保った状態でルーフベース11を支えるように構成されている。支持体は、柱状の部材であってもよいし、ブース1Aのパーティション17A(図4参照)のように壁状の部材であってもよい。
【0018】
(ウィンチ、ワイヤー、及び吊り壁)
吊り壁14は、ワイヤー13を用いてウィンチ12から吊り下げられた状態で指示されている。ワイヤー13の下端は、吊り壁14に固定されている。また、ワイヤー13の上端は、ウィンチ12に固定されている。ウィンチ12は、ワイヤー13を巻き取ったり繰り出したりすることによって、吊り壁14が指示される高さを制御することができる。ウィンチ12の駆動は、電動及び手動の何れであってもよい。本実施形態においては、ウィンチ12は、電動により駆動される。
【0019】
吊り壁14は、円筒形の構造物である。吊り壁14の直径は、ルーフベース11の直径よりも大きい。吊り壁14は、ルーフベース11と同心円状に設けられており、ルーフベース11の側面に沿って鉛直方向Dに沿って移動可能である。
【0020】
吊り壁14の一部領域には、ブース1の予約状況を表示するステータスインジケーター141が設けられている。ブース1が予約済である場合、ステータスインジケーター141は、ブース1が予約済である旨と、予約されている時間帯とを表示する。ブース1が予約されていない場合、ステータスインジケーター141は、予約されていないことを表示する。この時、ステータスインジケーター141は、次の予約の開始時間を合わせて表示してもよい。なお、本実施形態において、ステータスインジケーター141の動作は、制御部31により制御されている。
【0021】
なお、本実施形態においては、ブース1のうち吊り壁14、フレーム15、ガイドレール161,162及び後述するパーティション17は、天井Rに固定されたルーフベース11から吊り下げるように構成されている。ただし、ブース1は、フロアFの上に載置されていてもよいし、フロアFからせり上がるように構成されていてもよい。また、ブース1は、フレーム15、ガイドレール161,162及びパーティション17の各々が天井R又はフロアFに固定されている構成であってもよい。
【0022】
(フレーム及びガイドレール)
フレーム15は、吊り壁14の下底面の輪郭に沿って設けられた円管状の構造物である。フレーム15には、ガイドレール161,162が固定されている。
【0023】
ガイドレール161,162の各々は、案内部材の一例であり、平面視において円形の軌道を有するレールである。ガイドレール162の直径は、ガイドレール161の直径よりも大きい。そのうえで、ガイドレール161,162の各々は、同心円状になるように、フレーム15に対して固定されている。したがって、ガイドレール161が内側に位置し、ガイドレール162が外側に位置する。
【0024】
ガイドレール161には、後述する支持柱221を介して、スクリーン22が、吊り下げられる形で取り付けられている。また、ガイドレール161には、カメラ25が取り付けられている。
【0025】
ガイドレール162には、後述する支持柱231を介して、ディスプレイ23が吊り下げられる形で取り付けられている。また、ガイドレール162には、後述する支持柱241を介して、ホワイトボード24が吊り下げられる形で取り付けられている。
【0026】
(パーティション)
パーティション17は、仕切り部材の一例であり、ブース1の壁面の一例でもある。パーティション17は、その内部空間Sと他の空間である外部空間とを仕切る。本実施形態において、パーティション17は、円筒形の壁である。以下においては、円筒形であるパーティション17と、パーティション17をフロアFに投影することによって得られる仮想隔壁と、により取り囲まれる空間を、ブース1の内部空間Sと規定する。内部空間Sは、所定空間の一例である。
【0027】
上述したようにパーティション17は、円筒形であるため、内部空間Sを天頂から平面視した場合における内部空間Sの形状は、円形である。内部空間Sを平面視した形状は、ブース1を平面視した形状と言い替えられる。そのため、ブース1を天頂から平面視た場合の形状は、円形である。ただし、内部空間Sの平面視における形状は、円形に限定されず、楕円形であってもよい。パーティション17の内径は、設計時に想定する人数であって、内部空間Sに収容可能な人数に応じて、その大きさを適宜定めることができる。
【0028】
パーティション17の高さは、(1)吊り壁14の高さが最下位に位置する場合(ワイヤー13を完全に繰り出した場合)に、ルーフベース11の底面とフロアFとの中間にその下端が位置し、且つ、(2)吊り壁14の高さが最高位に位置する場合(ワイヤー13を完全に巻き取った場合)に、ルーフベース11の底面の近傍にその下端が位置するように、定められている。ただし、パーティション17の高さは、吊り壁14の高さが最下位に位置する場合に、ルーフベース11の底面からフロアFに到達するように定められていてもよい。この場合、パーティション17には、ユーザUが入退室するための扉が設けられていてもよいし、吊り壁14の高さを最高位にすることによって、パーティション17とフロアFとの隙間にユーザUが入退室するための隙間が生じる構成であってもよい。
【0029】
本実施形態においては、パーティション17の材料として、透明なアクリル樹脂を採用している。ただし、パーティション17は、不透明な材料により構成されていてもよいし、透明な材料と不透明な材料との組み合わせにより構成されていてもよい。すなわち、パーティション17の少なくとも一部は、透明であってもよい。また、パーティション17を構成するアクリル樹脂の表層には、外部からの制御に応じて透光性を変化させる可変光透過層が設けられていてもよい。この構成によれば、ユーザUの希望に応じて、パーティション17の透光性を調整することができる。なお、パーティション17の材料は、アクリル樹脂に代表される樹脂に限定されず、ガラスであってもよいし、金属であってもよいし、木材であってもよいし、紙や布などに代表される繊維からなるシートであってもよい。また、パーティション17は、これらの材料を組み合わせることによって構成されていてもよい。
【0030】
また、本実施形態においては、上述したように、ルーフベース11の底面とフロアとの間に空隙が形成されている。したがって、ユーザUは、この空隙をブース1の出入り口として利用することができる。ただし、パーティション17には、出入り口として機能する扉が設けられていてもよい。この扉の方式は、限定されず適宜選択することができる。扉の方式としては、引き戸や、開き戸や、折れ戸などが挙げられる。
【0031】
また、本実施形態においては、パーティション17として円筒形の壁を採用している。ただし、パーティション17は、特許文献1の例えば図1に図示されたフレーム構造体のように、底部を構成する下フレームと、天部を構成する上フレームと、下フレームと上フレームとの間に介在する支持体とにより構成することもできる。フレーム構造体においては、2本の支持体と、下フレームの一部と、上フレームの一部とにより囲まれた領域を仮想的な壁面と見做すことができる。したがって、物理的な面状に延伸された壁を用いなくても、ブース1の内部空間Sを規定することができる。ブース1を平面視した場合の形状は、下フレーム及び上フレームを平面視した場合の形状により決まる。したがって、本実施形態においては、下フレーム及び上フレームを平面視した場合の形状として、円形又は楕円形を採用すればよい。
【0032】
(フロアベース及びフロアマット)
フロアベース19は、ブース1が載置されているフロアFの上に設けられた台であって、内部空間Sに対応する領域に設けられた台である。フロアベース19が高さを有する台であることによって、ブース1が使用されていない状態(すなわち、吊り壁14の高さが最高位に位置する場合)であっても、ブース1の周囲にいる人々は、内部空間Sを明確に認識することができる。
【0033】
フロアマット18は、フロアベース19の上面を覆うように設けられたマットである。フロアマット18は、吸音性を有する材料により構成されてた吸音部材の一例である。このように、内部空間Sに対応する領域に吸音性を有するフロアマット18を設けることにより、フロアFに後付けで吸音性を持たせることができる。
【0034】
(テーブル及び折りたたみ椅子)
図3に図示するように、内部空間Sの中心Pを含む領域には、平面視において天板261が円形であるテーブル26が設けられている。テーブル26は、物品を載置可能な上端面を有する什器の一例である。また、天板261は、什器の上端面の一例である。本実施形態において、内部空間Sを規定するパーティション17と、テーブル26の天板261とは、同心円状になるように設けられている。
【0035】
図1及び図3に示すように、天板261の周縁と、パーティション17との間には、ユーザUの歩行を許容する空間が形成されている。この空間は、平面視において円環状である。この円環状の空間を平面視した場合における空間の幅は、ユーザUが歩行可能な幅の範囲内で適宜定めることができる。
【0036】
なお、内部空間SIの平面視における形状が円形ではない場合(例えば楕円形である場合)には、内部空間Sの中心Pを内部空間Sの重心に置き換えればよい。内部空間SIの平面視における形状が円形である場合には、内部空間Sの中心Pと重心とは一致する。
【0037】
また、図1に示すように、テーブル26は、フロアベース19に固定されている。ただし、本発明の一態様において、テーブル26は、フロアベース19を貫通し、フロアFに対して直接固定されるように構成されていてもよいし、フロアベース19の上に単に載置されるように構成されていてもよい。
【0038】
なお、図1に図示した状態において、テーブル26は、ユーザUが起立した状態で使用するテーブルとして描かれている。このようなテーブルは、スタンディングテーブルとして知られている。テーブル26は、天板261の高さ調整が可能な昇降式のテーブルであってもよい。ただし、本発明の一態様が備えている什器は、テーブル26のようなスタンディングテーブルに限定されず、例えば、上端面にユーザUが座ることができる椅子であってもよいし、椅子の機能とテーブルの機能とを併せ持つ椅子兼用テーブルであってもよい。椅子兼用テーブルは、物品を載置する場合には天板として機能し、ユーザUが座る場合には座面として機能する上端面を備えていればよく、それ以外の形状及び機能は限定されない。椅子の座面は、ユーザUが座る座面としてだけでなく、物品を載置可能な上端面としても機能する。椅子は、スツールのように背もたれが設けられていないことが好ましい。また、上端面は、物品を安定した状態で載置するために、平坦面であることが好ましく、水平な平坦面であることがより好ましい。これらの点については、テーブルと椅子とを兼ねる家具においても同じである。ブース1は、ユーザUの人数やユーザUの希望する使い方などに応じて柔軟で幅広い利用方法に対応可能である。テーブルの機能と椅子の機能とを併せ持つ家具のように、複数の家具の機能を併せ持つ家具は、ブース1に含まる什器として好適である。
【0039】
また、図1に図示するように、テーブル26の外側面には、折りたたみ椅子27が設けられている。折りたたみ椅子27は、折りたたみ自在に構成されており、ユーザUの希望に応じて座面を展開したり折りたたんだりすることができる。また、折りたたみ椅子27は、その座面の位置を、円形であるテーブル26の天板の周方向に沿って移動可能なように構成されている。
【0040】
<デバイス>
(人感センサー)
人感センサー21は、第1センサーの一例である。本実施形態において、人感センサー21は、ルーフベース11の底面の中心に設けられている。なお、人感センサー21は、ルーフベース11の底面を覆う化粧パネルの内側に設けられている。
【0041】
人感センサー21は、内部空間Sに人物が存在するか否かを判定し、人物が存在する場合には、人物の立ち位置を示す位置情報を生成する。人感センサー21は、位置情報を制御部31の位置情報取得部311に供給する。人感センサー21を実現するための態様は、限定されず、市場に出回っている人感センサーの中からブース1に好適な人感センサーを適宜選択することができる。人感センサーには複数の方式があるが、人感センサー21の好適な方式としては、赤外線式及び可視光式が挙げられる。赤外線式は、人を検知するためのプローブ光として赤外線を用いる方式であり、可視光式は、人を検知するためのプローブ光として可視光を用いる方式である。人感センサー21として可視光式を採用する場合には、後述するカメラ25を人感センサー21として利用することもできる。
【0042】
(スクリーン)
スクリーン22は、図1に図示を省略しているプロジェクタとともに用いられる。スクリーン22及びプロジェクタは、講師であるユーザUと、生徒である他のユーザとの対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部の一例である。プロジェクタは、ユーザUが講義に使用するプレゼンテーション資料をスクリーン22に投影する。このプレゼンテーション資料は、講義に先駆けてユーザUが準備したものであり、スクリーン22に投影されるとともに、遠隔地にいる生徒が利用している端末にも配信される。このプレゼンテーション資料は、対話情報の一例である。
【0043】
本実施形態において、スクリーン22は、天頂からブース1を平面視した場合に、円弧を描くように湾曲した可撓性を有するスクリーンである(図3参照)。本実施形態においては、スクリーン22の中心角として140°を採用している。ただし、スクリーン22の中心角は、140°に限定されず、適宜定めることができる。
【0044】
スクリーン22は、支持柱221を介して、吊り下げられる形でガイドレール162に取り付けられている。支持柱221の端部のうち、ガイドレール162に取り付けられる側の端部には、モーターを備えた第1の移動機構(図1には図示せず)が設けられている。第1の移動機構は、制御部31の移動制御部312により制御されており、支持柱221及びスクリーン22を、ガイドレール162に沿って移動させる。
【0045】
(ディスプレイ)
ディスプレイ23は、講師であるユーザUと、生徒である他のユーザとの対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部の一例である。本実施形態では、ディスプレイ23として液晶ディスプレイを採用している。ただし、ディスプレイ23として用いるディスプレイのパネルは、液晶パネルに限定されない。ディスプレイ23には、講義に参加している複数の生徒の映像をユーザUに対して表示するために用いられる。講義に参加している複数の生徒の映像は、対話情報の一例である。なお、講義に参加している複数の生徒の映像は、web会議実施部により提供される。
【0046】
本実施形態において、ディスプレイ23は、天頂からブース1を平面視した場合に、円弧を描くように湾曲したディスプレイ23である(図3参照)。本実施形態においては、ディスプレイ23のディスプレイサイズとして、27インチを採用している。ただし、ディスプレイ23のディスプレイサイズは、適宜定めることができる。
【0047】
ディスプレイ23は、支持柱231を介して、吊り下げられる形でガイドレール161に取り付けられている。支持柱231の端部のうち、ガイドレール161に取り付けられる側の端部には、モーターを備えた第2の移動機構(図1には図示せず)が設けられている。第2の移動機構は、制御部31の移動制御部312により制御されており、支持柱231及びディスプレイ23を、ガイドレール161に沿って移動させる。
【0048】
図1に示すように、ディスプレイ23は、照明232と、カメラ233とを備えている。照明232は、ユーザUを照らすための照明である。本実施形態において、照明232は、ディスプレイ23の液晶パネルを取り囲む領域に設けられた、環状のLEDアレイである。カメラ233は、講義をしているユーザUを撮像する撮像デバイスである。カメラ233により撮像された映像であって、ユーザUを含む映像は、対話情報の一例である。
【0049】
(ホワイトボード)
ホワイトボード24は、ユーザUと、他のユーザとの対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部の一例である。ユーザUは、講義において用いるテキストやオブジェクトなどを、マーカを用いてホワイトボード24に記入することができる。また、ユーザUは、あらかじめ用意したポスターをホワイトボード24に貼り付けることもできる。講義において用いるテキスト、オブジェクト、及びポスターは、対話情報の一例である。
【0050】
本実施形態において、ホワイトボード24は、天頂からブース1を平面視した場合に、円弧を描くように湾曲したホワイトボードである(図3参照)。本実施形態においては、ホワイトボード24の中心角として140°を採用している。ただし、ホワイトボード24の中心角は、140°に限定されず、適宜定めることができる。
【0051】
ホワイトボード24は、支持柱241を介して、吊り下げられる形でガイドレール162に取り付けられている。支持柱241の端部のうち、ガイドレール162に取り付けられる側の端部には、モーターを備えた第3の移動機構(図1には図示せず)が設けられている。第3の移動機構は、制御部31の移動制御部312により制御されており、支持柱241及びホワイトボード24を、ガイドレール162に沿って移動させる。
【0052】
また、ホワイトボード24は、ビーコン信号を発するビーコン242を更に備えている。
【0053】
(カメラ)
カメラ25は、ホワイトボード24及びユーザUの少なくとも一方を撮像する撮像デバイスである。カメラ25により撮像された映像であって、ホワイトボード24を含む映像は、対話情報の一例である。カメラ25は、撮像することによって、波長が可視光の帯域に含まれる光信号を電気信号に変換する撮像デバイスと、ビーコンセンサー251とを備えている。本実施形態では、撮像デバイスの説明を省略する。なお、ブース1においては、カメラ25の撮像デバイスを人感センサー21として用いることもできる。
【0054】
第2センサーの一例であるビーコンセンサー251は、ホワイトボード24のビーコン242が発するビーコン信号センシング(受信)することにより、ホワイトボード24の位置を特定する。
【0055】
カメラ25は、ガイドレール161に取り付けられている。カメラ25には、モーターを備えた第4の移動機構(図1には図示せず)が設けられている。第4の移動機構は、後述する移動制御部312から供給される制御信号に基づいて、カメラ25を移動させる。第4の移動機構は、ビーコン信号をセンシングすることにより特定したホワイトボード24の位置に追従するように、且つ、ホワイトボード24の位置と対向する位置にカメラ25が位置するように、カメラ25を、ガイドレール161に沿って移動させる。
このように、カメラ25がホワイトボード24の位置に追従して移動しながらホワイトボード24を撮像することによって、カメラ25は、ホワイトボード24の正面から撮像し続けることができる。
【0056】
また、カメラ25は、撮像デバイスが撮像した映像を示す電気信号を後述する制御部31に供給するように構成されていてもよい。制御部31に含まれ得る人検知部は、カメラ25から受け取った電気信号が示す映像のなかに人(本実施形態においてはユーザU)が含まれているか否かを判別する。人検知部が映像のなかにユーザUが含まれていると判別した場合、第4の機構は、上述した映像のなかに含まれているユーザUの位置に追従するように、且つ、ユーザUの位置と対向する位置にカメラ25が位置するように、カメラ25をガイドレール161に沿って移動させるように構成されていてもよい。
【0057】
このように、第4の移動機構は、(1)ホワイトボード24の位置に追従するように、又は、(2)映像のなかに含まれているユーザUの位置に追従するように、カメラ25をガイドレール161に沿って移動させることができる。この場合、移動制御部312は、(1)ホワイトボード24の位置に追従するようにカメラ25を移動させるか、(2)映像のなかに含まれているユーザUの位置に追従するようにカメラ25を移動させるかを切り替え可能に構成されていてもよい。
【0058】
(コンピュータ及びルーター)
折りたたみ椅子27の内部には、コンピュータC及びルーターRが収納されている。コンピュータCは、プログラムを実施することにより情報処理装置30の各部として機能するプロセッサを備えている。
【0059】
ルーターRは、コンピュータCをインターネット回線に接続するためのデバイスである。本実施形態では、ルーターRとして、コンピュータCとインターネット回線とを無線接続可能なルーターを採用している。ただし、ルーターRは、コンピュータCとインターネット回線とを有線接続するルーターであってもよい。
【0060】
〔制御部〕
図2に示すように、情報処理装置30が備えている制御部31は、位置情報取得部311と、移動制御部312とを備えている。また、情報処理装置30は、図2への図示を省略しているweb会議実施部を更に備えている。本実施形態では、web会議実施部についての説明を省略する。
【0061】
位置情報取得部311は、内部空間SにおけるユーザUの立ち位置をセンシングする人感センサー21から、ユーザUの立ち位置を示す位置情報を取得する。移動制御部312は、位置情報取得部311により取得された位置情報に応じて、講師であるユーザUと、徒である他のユーザとの対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部を移動させる。本実施形態において、ブース1は、上述したように、情報表示部としてスクリーン22、ディスプレイ23、及びホワイトボード24を備えている。また、スクリーン22、ディスプレイ23、及びホワイトボード24が表示する対話情報についても、上述した通りである。
【0062】
また、移動制御部312は、上述したように、カメラ25が備えている第4の移動機構を制御するように構成されていてもよい。
【0063】
移動制御部312は、ユーザUの立ち位置を中心Pから見た側と反対側となる位置に、スクリーン22及びディスプレイ23を移動させるとともに、スクリーン22及びディスプレイ23とは別の位置にホワイトボード24を移動させる。
【0064】
なお、「ユーザUの立ち位置を中心Pから見た側と反対側となる位置」について、スクリーン22を例にして説明する。「ユーザUの立ち位置を中心Pから見た側と反対側となるスクリーン22の位置」とは、スクリーン22と中心Pとが構成する扇形の範囲内にユーザUの立ち位置が含まれない位置である。そのうえで、好ましくは、スクリーン22と中心Pとが構成する扇形を含む180°の範囲内にユーザUの立ち位置が含まれない位置である。
【0065】
なお、ブース1は、情報表示部としてスクリーン22、ディスプレイ23、及びホワイトボード24の少なくとも何れかを備えている構成であってもよい。情報表示部としてスクリーン22又はディスプレイ23を備えている場合、移動制御部312は、ユーザUの立ち位置を中心Pから見た側と反対側となる位置に、スクリーン22又はディスプレイ23を移動させるように構成されていればよい。また、情報表示部としてスクリーン22及びディスプレイ23を備えている場合、移動制御部312は、ユーザUの立ち位置を中心Pから見た側と反対側となる位置に、スクリーン22及びディスプレイ23を移動させるように構成されていればよい。情報表示部としてホワイトボード24を備えている場合、移動制御部312は、ユーザUの立ち位置を中心Pから見た側と同じ側となる位置に、ホワイトボード24を移動させるように構成されていればよい。
【0066】
なお、「ユーザUの立ち位置を中心Pから見た側と同じ側となる位置」とは、ホワイトボード24と中心Pとが構成する扇形を含む180°の範囲内にユーザUの立ち位置が含まれている位置であることが好ましい。また、「ユーザUの立ち位置を中心Pから見た側と同じ側となる位置」とは、ホワイトボード24と中心Pとが構成する扇形の範囲内にユーザUの立ち位置が含まれている位置であってもよい。
【0067】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部31に含まれる位置情報取得部311及び移動制御部312)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0068】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0069】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0070】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0071】
〔第1の変形例〕
本発明の一態様であるブース群について、図4を参照して説明する。図4は、ブース群の斜視図である。ブース群は、ブース1を含む複数のブースにより構成されている。このブース群では、複数のブースの例として、ブース1,1A,1B,1Cを用いる。なお、図4には、図1と同様にフロアF及び天井Rを図示している。
【0072】
図4に図示したブース1は、図1に図示したブース1と同一である。したがって、本変形例では、ブース1の説明を省略する。
【0073】
ブース1Aは、ブース1をベースにして、ブース1の一部を変形することによって得られる。すなわち、ブース1Aは、ブース1の第1の変形例である。ここでは、ブース1Aの構成のうちブース1と異なる構成について説明する。
【0074】
ブース1Aは、パーティション17Aを備えている。パーティション17Aは、ブース1が備えている17に対応する仕切り部材であり、円筒形の壁である。パーティション17Aは、パーティション17と比較して直径が大きい。ブース1Aは、内部空間Sに複数のユーザUを収容することを想定して設計されているためである。
【0075】
また、パーティション17Aは、円筒形である内部空間Sの側面を全て取り囲むようにその高さが定められている。そのうえで、パーティション17Aには、出入り口として機能する扉として引き戸が設けられている。この引き戸の開閉は、手動式であってもよいし、自動式であってもよい。
【0076】
また、ブース1Aは、テーブル26Aとスツール27Aとのセットを2セット備えている。テーブル26Aは、ブース1が備えているテーブル26に対応し、スツール27Aは、ブース1が備えている折りたたみ椅子27に対応する。テーブル26Aの天板には、タッチパネル式のキーボード及びマウスが設けられている。ブース1Aを利用するユーザUは、テーブル26Aを自信のパソコンに接続することによって、自信のパソコンのインターフェースとしてテーブル26Aのキーボード及びマウスを利用することができる。
【0077】
また、ブース1Aは、スクリーン22A及びディスプレイ23Aを備えている。スクリーン22A及びディスプレイ23Aの各々は、それぞれ、ブース1が備えているスクリーン22及びディスプレイ23に対応する。したがって、本変形例では、スクリーン22A及びディスプレイ23Aの説明を省略する。
【0078】
ブース1Bは、ブース1と同様に構成されたブースであり、ブース1Cは、ブース1Aと同様に構成されたブースである。したがって、本変形例では、ブース1B及びブース1Cの説明を省略する。
【0079】
このように、本発明の範疇には、本発明の一態様であるブースを複数備えたブース群も含まれる。ブース群を構成する各ブースの大きさは、異なっていてもよいし、同じであってもよい。各ブースの大きさは、設計時に適宜選択することができる。
【0080】
〔第2の変形例〕
図1に図示したブース1は、複数のユーザが所定の空間に集まって実施する対面式の対話に加えて、複数の遠隔地にいる複数のユーザが電子通信回線を用いて実施するweb会議形式の対話を想定している。そのため、ブース1は、ブース1を構成する構造物と、情報処理装置30と、情報処理装置30が利用するデバイスと、を備えている。構造物は、ルーフベース11、ウィンチ12、ワイヤー13、吊り壁14、フレーム15、ガイドレール161,162、パーティション17、フロアマット18、フロアベース19、テーブル26、及び折りたたみ椅子27である。デバイスは、人感センサー21、スクリーン22、ディスプレイ23、ホワイトボード24、及びカメラ25である。
【0081】
ただし、ブース1は、対面式の対話を想定し、web会議形式の対話を想定しない、簡易な構成を採用することもできる。この場合、ブース1は、上述した構造物を構成する各部材を備えていればよく、情報処理装置30を省略することができる。また、ブース1は、上述したデバイスのうち、人感センサー21、スクリーン22、ディスプレイ23、及びホワイトボード24のうち少なくとも何れかを備えていることが好ましい。人感センサー21、スクリーン22、ディスプレイ23、及びホワイトボード24は、情報表示部の一例である。
【0082】
また、ブースが対面式の対話を想定し、web会議形式の対話を想定しないブースである場合、ブース1は、ルーフベース11、ウィンチ12、ワイヤー13、吊り壁14、及びパーティション17の代わりに、特許文献1の図1に図示されているようなフレーム構造体を備えていてもよい。フレーム構造体においては、2本の支持体と、下フレームの一部と、上フレームの一部とにより囲まれた領域を仮想的な壁面と見做すことができる。すなわち、フレーム構造体は、物理的な面状に延伸された壁を用いることなく内部空間Sを規定することができる。したがって、この構成によれば、ブース1の内部空間Sをよりオープンな雰囲気にすることができる。
【0083】
〔まとめ〕
本発明の第1の態様に係るブースは、物品を載置可能な上端面を有する什器が設置されているブースである。本ブースにおいては、前記上端面の周縁と、前記ブースの壁面との間に、前記周縁に沿った人の歩行を許容する空間が形成されているとともに、平面視で円形又は楕円形である、構成が採用されている。
【0084】
上記の構成によれば、前記周縁に人が歩行可能な前記空間が形成されており、且つ、ブースが円形又は楕円形であることにより、ブースの内部空間における等方性を高めることができる。したがって、本ブースは、特許文献1に記載のブースと比較して、内部空間に複数のユーザが存在する場合に、対話をする各ユーザ間に序列を感じさせずフランクなコミュニケーションを実現するブースを提供することができる。
【0085】
また、本発明の第2の態様に係るブースにおいては、上述した第1の態様に係るブースの構成に加えて、前記壁面の少なくとも一部が透明である、構成が採用されている。
【0086】
上記の構成によれば、ブースの雰囲気をオープンな雰囲気にすることができるので、内部空間においてなされる対話をする人のマインドをオープンにしやすい。その結果、対話を活性化しやすい。また、上記の構成によれば、ブースの外部にいる人は、ブースの内部空間の様子を容易に確認することができる。したがって、人がブース内に入る場合に生じ得る心理的な障壁を低くすることができる。
【0087】
また、本発明の第3の態様に係るブースにおいては、上述した第2の態様に係るブースの構成に加えて、前記壁面に沿って、前記ブース内に存在する人物と他者との対話に用いられる対話情報を表示する情報表示部が設けられている、構成が採用されている。
【0088】
同一空間内にいる複数の人同士が対話を行う場合に、電子データを参照したい場合がある。電子データは、web上に存在する電子データであってもよいし、自分の携帯端末に格納されている電子データであってもよい。上記の構成によれば、前記壁面に沿って設けられた情報表示部に前記電子データを表示させた状態で対話委を行うことができるので、同じ電子データを複数の人で容易に共有することができる。
【0089】
また、本発明の第4の態様に係るブースにおいては、上述した第1の態様~第3の態様の何れか一態様に係るブースの構成に加えて、前記什器は、前記上端面として天板を有するテーブルである、構成が採用されている。
【0090】
本ブースが備えている什器の一例としては、テーブルが挙げられる。
【0091】
また、本発明の第5の態様に係るブースにおいては、上述した第1の態様~第3の態様の何れか一態様に係るブースの構成に加えて、前記什器は、前記上端面に前記人が座ることができる椅子兼用テーブルである、構成が採用されている。
【0092】
また、本ブースが備えている什器の一例としては、椅子兼用テーブルが挙げられる。本ブースは、ブースを同時に利用する人の人数や希望する使い方などに応じて、柔軟で幅広い利用方法が想定されるフレキシブルな空間を提供することができる。上記の構成によれば、当ブースを利用する人は、什器を椅子及びテーブルのいずれとしても利用することができる。すなわち、様々なスタイルで什器を利用することができる。椅子兼用テーブルのように複数の家具の機能を併せ持つ家具は、フレキシブルな空間を提供する本ブースの什器として好適である。
【0093】
また、本発明の第6の態様に係るブースにおいては、上述した第1の態様~第5の態様の何れか一態様に係るブースの構成に加えて、当該ブースの内部空間に対応する領域に設けられた台であるフロアベースを更に備えている。本ブースにおいては、前記什器は、前記フロアベースに固定されている、構成が採用されている。
【0094】
上記の構成によれば、什器をフロアベースに固定している。そのため、什器をフロアベース又はフロアに載置している場合と比較して、什器の安定性を高めることができる。また、上記の構成によれば、フロアベースに什器を固定することによって、フロア自体にアンカーを打つなどの工事を施すことなく什器を固定することができる。したがって、フロア自体に傷などを付けることなく什器の安定性を高めることができる。このように本ブースは、貸しスペースに代表されるテンポラリーなスペースにも好適に配置することができる。
【符号の説明】
【0095】
内部空間(所定空間)
中心(所定空間の重心)
1 ブース
11 ルーフベース
12 ウィンチ
13 ワイヤー
14 吊り壁
141 ステータスインジケーター
15 フレーム
161,162 ガイドレール(案内部材)
17 パーティション(仕切り部材)
18 フロアマット
19 フロアベース
21 人感センサー(第1センサー)
22 スクリーン(情報表示部の一例)
221 支持柱
23 ディスプレイ(情報表示部の一例)
231 支持柱
232 照明
233 カメラ(ユーザ撮影用、追従式)
24 ホワイトボード(情報表示部の一例)
241 支持柱
242 ビーコン
25 カメラ
251 ビーコンセンサー(第2センサー)
26 テーブル(什器の一例)
261 天板(什器の上端面の一例)
27 折りたたみ椅子
R ルーター
C コンピュータ
30 情報処理装置
31 制御部
311 位置情報取得部
312 移動制御部
図1
図2
図3
図4