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特開2024-50127人員管理装置、人員管理方法、及び、人員管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050127
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】人員管理装置、人員管理方法、及び、人員管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240403BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156778
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 晶浩
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】人員配置の適正化を図る。
【解決手段】総稼働予定時間算出部が、プロジェクトの人員に対して予定される自部門稼働予定時間と他部門稼働予定時間とを加算処理して総稼働予定時間を算出する。自部門総稼働予定時間算出部は、直接稼働予定時間と間接労働予定時間とを加算処理して自部門総稼働予定時間を算出する。有効人員予定数算出部は、総稼働予定時間に対する自部門総稼働予定時間の比率である有効人員予定数を算出する。総稼働実績時間算出部は、自部門稼働実績時間と他部門稼働実績時間とを加算処理して、人員の総稼働実績時間を算出する。自部門総稼働実績時間算出部は、直接稼働実績時間と間接労働実績時間とを加算処理して、自部門総稼働実績時間を算出する。有効人員実績数算出部は、総稼働実績時間に対する自部門総稼働実績時間の比率である有効人員実績数を算出する。出力制御部は、有効人員予定数及び有効人員実績数を出力制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクトの作業を行う人員に対して予定される稼働時間のうち、前記人員が所属する部門である自部門で稼働予定の自部門稼働予定時間と、前記人員の前記自部門以外の部門である他部門で稼働予定の他部門稼働予定時間とを加算処理することで、前記プロジェクトに対する前記人員の稼働時間として予定されている総稼働予定時間を算出する総稼働予定時間算出部と、
前記プロジェクトに対する前記人員の前記自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業に対して予定される直接稼働予定時間と、直接的に売上を発生する作業以外の間接的な作業に対して予定される間接労働予定時間とを加算処理することで、前記人員の自部門における稼働時間として予定されている自部門総稼働予定時間を算出する自部門総稼働予定時間算出部と、
前記総稼働予定時間に対する前記自部門総稼働予定時間の比率である有効人員予定数を算出する有効人員予定数算出部と、
前記プロジェクトに対する前記人員の実績となる稼働時間のうち、前記自部門での稼働実績となる自部門稼働実績時間と、前記他部門での稼働実績となる他部門稼働実績時間とを加算処理することで、前記プロジェクトに対する前記人員の総稼働実績時間を算出する総稼働実績時間算出部と、
前記プロジェクトに対する前記人員の前記自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業の直接稼働実績時間と、前記間接的な作業の間接労働実績時間とを加算処理することで、前記人員の自部門における自部門総稼働実績時間を算出する自部門総稼働実績時間算出部と、
前記総稼働実績時間に対する前記自部門総稼働実績時間の比率である有効人員実績数を算出する有効人員実績数算出部と、
前記有効人員予定数及び前記有効人員実績数を出力制御する出力制御部と、
を有する人員管理装置。
【請求項2】
各前記人員の前記有効人員予定数の平均値である有効人員予定平均数、及び、各前記人員の前記有効人員実績数の平均値である有効人員実績平均数を算出する有効人員平均数算出部を、さらに備え、
前記出力制御部は、前記有効人員予定数及び前記有効人員実績数と共に、前記有効人員予定平均数、及び、前記有効人員実績平均数を出力制御すること、
を特徴とする請求項1に記載の人員管理装置。
【請求項3】
過去の年度の有効人員実績数の傾向に基づいて予測設定された、今年度の基準となる有効人員基準数を記憶部から取得する取得部を、さらに備え、
前記出力制御部は、前記有効人員予定数、前記有効人員実績数、及び、前記有効人員予定平均数と共に、前記有効人員基準数を出力制御すること、
を特徴とする請求項2に記載の人員管理装置。
【請求項4】
各前記人員の所属部門毎に、前記自部門稼働予定時間及び前記他部門稼働予定時間を集計すると共に、前記自部門稼働実績時間及び前記他部門稼働実績時間を集計した部門単位集計データを生成する集計部を、さらに備え、
前記出力制御部は、前記部門単位集計データを出力制御すること、
を特徴とする請求項3に記載の人員管理装置。
【請求項5】
前記集計部は、オペレータの操作又は設定に基づいて、前記人員の所属部門以外の所属部門で担当されるプロジェクトに対する前記他部門稼働予定時間及び前記他部門稼働実績時間を含めて前記部門単位集計データを生成し、又は、前記他部門稼働予定時間及び前記他部門稼働実績時間を含めずに前記部門単位集計データを生成すること、
を特徴とする請求項4に記載の人員管理装置。
【請求項6】
前記集計部は、各前記人員が所属する部門グループ毎に、各人員の前記自部門稼働予定時間及び前記他部門稼働予定時間を集計すると共に、前記自部門稼働実績時間及び前記他部門稼働実績時間を集計した部門グループ単位集計データを生成し、
前記出力制御部は、前記部門グループ単位集計データを出力制御すること、
を特徴とする請求項4に記載の人員管理装置。
【請求項7】
前記集計部は、オペレータの操作又は設定に基づいて、前記人員が所属する部門グループ以外の部門グループで担当されるプロジェクトに対する前記他部門稼働予定時間及び前記他部門稼働実績時間を含めて前記部門グループ単位集計データを生成し、又は、前記他部門稼働予定時間及び前記他部門稼働実績時間を含めずに前記部門グループ単位集計データを生成すること、
を特徴とする請求項6に記載の人員管理装置。
【請求項8】
所属部門毎の人員数に前記有効人員基準数を乗算処理した値で、前記所属部門毎の営業利益額を除算処理することで算出した、各前記所属部門における基準有効人員一人当たりの営業利益と、前記所属部門毎の各人員の前記有効人員実績数の合計値で、前記所属部門毎の営業利益額を除算処理することで算出した、各前記所属部門における有効人員一人当たりの営業利益と、を含む部門損益照会データを生成する部門損益照会生成部を、さらに備え、
前記出力制御部は、前記部門損益照会データを出力制御すること、
を特徴とする請求項3に記載の人員管理装置。
【請求項9】
前記部門グループ毎の人員数に前記有効人員基準数を乗算処理した値で、前記部門グループ毎の営業利益額を除算処理することで算出した、各前記部門グループにおける基準有効人員一人当たりの営業利益と、前記部門グループ毎の各人員の前記有効人員実績数の合計値で、前記部門グループ毎の営業利益額を除算処理することで算出した、各前記部門グループにおける有効人員一人当たりの営業利益と、を含むグループ損益照会データを生成するグループ損益照会生成部を、さらに備え、
前記出力制御部は、前記グループ損益照会データを出力制御すること、
を特徴とする請求項6に記載の人員管理装置。
【請求項10】
総稼働予定時間算出部が、プロジェクトの作業を行う人員に対して予定される稼働時間のうち、前記人員が所属する部門である自部門で稼働予定の自部門稼働予定時間と、前記人員の前記自部門以外の部門である他部門で稼働予定の他部門稼働予定時間とを加算処理することで、前記プロジェクトに対する前記人員の稼働時間として予定されている総稼働予定時間を算出する総稼働予定時間算出ステップと、
自部門総稼働予定時間算出部が、前記プロジェクトに対する前記人員の前記自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業に対して予定される直接稼働予定時間と、直接的に売上を発生する作業以外の間接的な作業に対して予定される間接労働予定時間とを加算処理することで、前記人員の自部門における稼働時間として予定されている自部門総稼働予定時間を算出する自部門総稼働予定時間算出ステップと、
有効人員予定数算出部が、前記総稼働予定時間に対する前記自部門総稼働予定時間の比率である有効人員予定数を算出する有効人員予定数算出ステップと、
総稼働実績時間算出部が、前記プロジェクトに対する前記人員の実績となる稼働時間のうち、前記自部門での稼働実績となる自部門稼働実績時間と、前記他部門での稼働実績となる他部門稼働実績時間とを加算処理することで、前記プロジェクトに対する前記人員の総稼働実績時間を算出する総稼働実績時間算出ステップと、
自部門総稼働実績時間算出部が、前記プロジェクトに対する前記人員の前記自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業の直接稼働実績時間と、前記間接的な作業の間接労働実績時間とを加算処理することで、前記人員の自部門における自部門総稼働実績時間を算出する自部門総稼働実績時間算出ステップと、
有効人員実績数算出部が、前記総稼働実績時間に対する前記自部門総稼働実績時間の比率である有効人員実績数を算出する有効人員実績数算出ステップと、
出力制御部が、前記有効人員予定数及び前記有効人員実績数を出力制御する出力制御ステップと、
を有する人員管理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
プロジェクトの作業を行う人員に対して予定される稼働時間のうち、前記人員が所属する部門である自部門で稼働予定の自部門稼働予定時間と、前記人員の前記自部門以外の部門である他部門で稼働予定の他部門稼働予定時間とを加算処理することで、前記プロジェクトに対する前記人員の稼働時間として予定されている総稼働予定時間を算出する総稼働予定時間算出部と、
前記プロジェクトに対する前記人員の前記自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業に対して予定される直接稼働予定時間と、直接的に売上を発生する作業以外の間接的な作業に対して予定される間接労働予定時間とを加算処理することで、前記人員の自部門における稼働時間として予定されている自部門総稼働予定時間を算出する自部門総稼働予定時間算出部と、
前記総稼働予定時間に対する前記自部門総稼働予定時間の比率である有効人員予定数を算出する有効人員予定数算出部と、
前記プロジェクトに対する前記人員の実績となる稼働時間のうち、前記自部門での稼働実績となる自部門稼働実績時間と、前記他部門での稼働実績となる他部門稼働実績時間とを加算処理することで、前記プロジェクトに対する前記人員の総稼働実績時間を算出する総稼働実績時間算出部と、
前記プロジェクトに対する前記人員の前記自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業の直接稼働実績時間と、前記間接的な作業の間接労働実績時間とを加算処理することで、前記人員の自部門における自部門総稼働実績時間を算出する自部門総稼働実績時間算出部と、
前記総稼働実績時間に対する前記自部門総稼働実績時間の比率である有効人員実績数を算出する有効人員実績数算出部と、
前記有効人員予定数及び前記有効人員実績数を出力制御する出力制御部として機能させること、
を特徴とする人員管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人員管理装置、人員管理方法、及び、人員管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2020-190822号公報)に、監視領域内でおこなわれる作業の監視負担を軽減しつつ、作業の種類に応じた適切な人員を容易に選定することを可能とした人員配置支援システムが開示されている。
【0003】
この人員配置支援システムは、監視カメラと管理サーバとを備える。管理サーバは、中央処理部と記憶部とを有し、記憶部には、「特定他工事」の作業項目ごとに数値化した数値情報、監視者SWの「作業スキル」に応じて数値化された数値情報および監視カメラ10の撮像画像から「特定他工事」の作業項目を特定するための特定情報が記憶されている。中央処理部は、監視カメラの撮像画像から「特定他工事」の作業項目を特定すると、作業項目に対応する数値情報を総和して「作業総数値」を算出するとともに「作業総数値」と「作業スキル」に関する数値情報とに基づいて「特定他工事」に立ち会う監視者SWを決定する。これにより、監視領域内でおこなわれる作業の監視負担を軽減しつつ、作業の種類に応じた適切な人員を容易に選定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-190822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、今日において、各企業は人手不足の中、社内の人的リソースを有効活用しながら、市場変化のスピードに対応しつつ、各種サービスを提供する必要がある。しかし、今日における縦割りの組織管理、働き方だけではサービスの提供を円滑に行うことが困難である。このため、辞令の発令又は組織改革等を行わずに、組織を跨いでチームを組み、柔軟なメンバー構成の中で成果を上げる必要がある。
【0006】
すなわち、例えば、建設業又はIT(Information Technology)業で多くみられる受託案件型のサービス提供を行う企業では、案件の主管部門のメンバーだけでは対応困難な場合に、他の部門メンバーをアサインして業務を行うことが多々ある。これにより、案件の主管部門の人的リソースの過不足(足りているのか又は足りていないか)が認識困難となり、人員配置の適正化の障害となっていた。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、人員配置の適正化を可能とした人員管理装置、人員管理方法及び人員管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る人員管理装置は、プロジェクトの作業を行う人員に対して予定される稼働時間のうち、人員が所属する部門である自部門で稼働予定の自部門稼働予定時間と、人員の自部門以外の部門である他部門で稼働予定の他部門稼働予定時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する人員の稼働時間として予定されている総稼働予定時間を算出する総稼働予定時間算出部と、プロジェクトに対する人員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業に対して予定される直接稼働予定時間と、直接的に売上を発生する作業以外の間接的な作業に対して予定される間接労働予定時間とを加算処理することで、人員の自部門における稼働時間として予定されている自部門総稼働予定時間を算出する自部門総稼働予定時間算出部と、総稼働予定時間に対する自部門総稼働予定時間の比率である有効人員予定数を算出する有効人員予定数算出部と、プロジェクトに対する人員の実績となる稼働時間のうち、自部門での稼働実績となる自部門稼働実績時間と、他部門での稼働実績となる他部門稼働実績時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する人員の総稼働実績時間を算出する総稼働実績時間算出部と、プロジェクトに対する人員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業の直接稼働実績時間と、間接的な作業の間接労働実績時間とを加算処理することで、人員の自部門における自部門総稼働実績時間を算出する自部門総稼働実績時間算出部と、総稼働実績時間に対する自部門総稼働実績時間の比率である有効人員実績数を算出する有効人員実績数算出部と、有効人員予定数及び有効人員実績数を出力制御する出力制御部と、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る人員管理方法は、総稼働予定時間算出部が、プロジェクトの作業を行う人員に対して予定される稼働時間のうち、人員が所属する部門である自部門で稼働予定の自部門稼働予定時間と、人員の自部門以外の部門である他部門で稼働予定の他部門稼働予定時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する人員の稼働時間として予定されている総稼働予定時間を算出する総稼働予定時間算出ステップと、自部門総稼働予定時間算出部が、プロジェクトに対する人員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業に対して予定される直接稼働予定時間と、直接的に売上を発生する作業以外の間接的な作業に対して予定される間接労働予定時間とを加算処理することで、人員の自部門における稼働時間として予定されている自部門総稼働予定時間を算出する自部門総稼働予定時間算出ステップと、有効人員予定数算出部が、総稼働予定時間に対する自部門総稼働予定時間の比率である有効人員予定数を算出する有効人員予定数算出ステップと、総稼働実績時間算出部が、プロジェクトに対する人員の実績となる稼働時間のうち、自部門での稼働実績となる自部門稼働実績時間と、他部門での稼働実績となる他部門稼働実績時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する人員の総稼働実績時間を算出する総稼働実績時間算出ステップと、自部門総稼働実績時間算出部が、プロジェクトに対する人員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業の直接稼働実績時間と、間接的な作業の間接労働実績時間とを加算処理することで、人員の自部門における自部門総稼働実績時間を算出する自部門総稼働実績時間算出ステップと、有効人員実績数算出部が、総稼働実績時間に対する自部門総稼働実績時間の比率である有効人員実績数を算出する有効人員実績数算出ステップと、出力制御部が、有効人員予定数及び有効人員実績数を出力制御する出力制御ステップと、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る人員管理プログラムは、コンピュータを、プロジェクトの作業を行う人員に対して予定される稼働時間のうち、人員が所属する部門である自部門で稼働予定の自部門稼働予定時間と、人員の自部門以外の部門である他部門で稼働予定の他部門稼働予定時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する人員の稼働時間として予定されている総稼働予定時間を算出する総稼働予定時間算出部と、プロジェクトに対する人員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業に対して予定される直接稼働予定時間と、直接的に売上を発生する作業以外の間接的な作業に対して予定される間接労働予定時間とを加算処理することで、人員の自部門における稼働時間として予定されている自部門総稼働予定時間を算出する自部門総稼働予定時間算出部と、総稼働予定時間に対する自部門総稼働予定時間の比率である有効人員予定数を算出する有効人員予定数算出部と、プロジェクトに対する人員の実績となる稼働時間のうち、自部門での稼働実績となる自部門稼働実績時間と、他部門での稼働実績となる他部門稼働実績時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する人員の総稼働実績時間を算出する総稼働実績時間算出部と、プロジェクトに対する人員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業の直接稼働実績時間と、間接的な作業の間接労働実績時間とを加算処理することで、人員の自部門における自部門総稼働実績時間を算出する自部門総稼働実績時間算出部と、総稼働実績時間に対する自部門総稼働実績時間の比率である有効人員実績数を算出する有効人員実績数算出部と、有効人員予定数及び有効人員実績数を出力制御する出力制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、人員配置の適正化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態の人員管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、部署マスタの一例を示す図である。
図3図3は、部署グループマスタの一例を示す図である。
図4図4は、社員マスタの一例を示す図である。
図5図5は、基準マスタの一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態の人員管理装置におけるシステムフローチャートを示す図である。
図7図7は、実施の形態の人員管理装置における業務フローチャートを示す図である。
図8図8は、プロジェクトテーブルの一例を示す図である。
図9図9は、作業予定テーブルに各社員の作業予定が登録される様子を示す図である。
図10図10は、日報テーブルに各社員の作業実績が登録された様子を示す図である。
図11図11は、各社員の作業予定が登録された作業予定テーブルを示す図である。
図12図12は、各社員の作業実績が登録された日報テーブルを示す図である。
図13図13は、応援作業を含まない状態における、部門単位の予実集計動作を説明するための図である。
図14図14は、有効人員数に基づく部門単位の人員配置の適否の判断例を説明するための図である。
図15図15は、有効人員数に基づく部門単位の人員配置の適否の判断例を説明するための他の図である。
図16図16は、応援作業を含まない状態における、部門グループ単位の予実集計動作を説明するための図である。
図17図17は、有効人員数に基づく部門グループ単位の人員配置の適否の判断例を説明するための他の図である。
図18図18は、応援作業を含む状態における、部門単位の予実集計結果を示す図である。
図19図19は、部門単位における、所属メンバーと応援メンバーの有効人員数に基づく人員配置の適否の判断例を説明するための図である。
図20図20は、部門単位における、所属メンバーと応援メンバーの有効人員数に基づく人員配置の適否の判断例を説明するための他の図である。
図21図21は、売上テーブルの一例を示す図である。
図22図22は、部門単位の応援作業を含まない予実集計結果に基づいて各種営業利益等が登録された損益照会テーブルの一例を示す図である。
図23図23は、部門単位の応援作業を含む予実集計結果に基づいて各種営業利益等が登録された損益照会テーブルの一例を示す図である。
図24図24は、部門グループ単位の応援作業を含まない予実集計結果に基づいて各種営業利益等が登録された損益照会テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる人員管理装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、このような実施の形態に本発明が限定されるものではない。
【0014】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の人員管理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この図1に示す人員管理装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。
【0015】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網であるネットワークに接続される。
【0016】
入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。
【0017】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、後述する人員管理を可能とする人員管理プロジェクトが記憶されている。また、記憶部2には、人員管理に用いられる各種データが記憶された部署マスタ11、部署グループマスタ12、社員マスタ13及び基準マスタ14が設けられている。
【0018】
また、記憶部2には、人員管理に用いられる各種データが記憶されるプロジェクトテーブル15、作業予定テーブル16、日報テーブル17、作業予定日報集計テーブル18、売上テーブル19及び損益照会テーブル20が設けられている。
【0019】
部署マスタ11には、図2に示すように部門コード、部門名、及び、部門グループコード等の各種データが登録(記憶)される。この図2の例は、「施工管理1部」の部門コードが「S01」で、「施工管理2部」の部門コードが「S02」であり、この施工管理1部及び施工管理2部は、同じ「SS」の部門グループに属していることを示す例である。また、図2の例は、総務部の部門コードは「S90」であり、この総務部は、施工管理1部及び施工管理2部とは異なる「KK」の部門グループに属していることを示している。
【0020】
部署グループマスタ12には、図3に示すように部門グループコード及び部門グループ名等の各種データが登録(記憶)される。この図3の例は、上述の施工管理1部及び施工管理2部は、部門グループコードが「SS」で、部門グループ名が「施工管理本部」に属しており、上述の総務部は、部門グループコードが「KK」で、部門グループ名が「管理本部」に属していることを示している。
【0021】
社員マスタ13には、図4に示すように各社員の社員コード、社員名及び、各社員が所属する部門の部門コードが登録(記憶)される。この図4の例は、「田中」さんの社員コードは「SH01」であり、上述の施工管理1部(部門コード=S01)に所属していることを示している。また、この図4の例は、「吉田」さんの社員コードは「SH03」であり、上述の施工管理2部(部門コード=S02)に所属していることを示している。
【0022】
基準マスタ14には、図5に示すように年度別の基準有効人員数が登録(記憶)されている。有効人員数は、「(自部門の直接稼働時間(予定/実績)+自部門の間接稼働時間(予定/実績))/1か月の稼働時間(予定/実績)」の演算式で算出され、その部門の仕事として、有効的に作業できた人員数を示す。この有効人員数の部門毎の合計値を、実際の所属人数と比較することで、仕事又は人員配置の充足率として利用できる。
【0023】
基準マスタ14に登録される基準有効人員数は、過去の傾向等に基づいて決定される。図5の例は、2020年度の基準有効人員数が「0.85」であり、2021年度の基準有効人員数が「0.87」であり、1年毎に基準有効人員数の数値が上がってきているため、この傾向から2022年度の基準有効人員数は「0.9」に設定された例である。このような基準有効人員数は、いわゆる「参考値」となる。
【0024】
(人員管理装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている人員管理プログラムを実行することで、図1に示すように、総稼働予定時間算出部31、自部門総稼働予定時間率算出部32、有効人員予定数算出部33、総稼働実績時間算出部34として機能する。また、制御部3は、人員管理プロジェクトに基づいて、自部門総稼働実績時間算出部35、有効人員実績数算出部36、出力制御部37、有効人員平均数算出部38、取得部39、集計部40、部門損益照会生成部41、及び、グループ損益照会生成部42として機能する。
【0025】
総稼働予定時間算出部31は、プロジェクトの作業を行う人員に対して予定される稼働時間のうち、人員が所属する部門である自部門で稼働予定の自部門稼働予定時間と、人員の自部門以外の部門である他部門で稼働予定の他部門稼働予定時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する人員の稼働時間として予定されている総稼働予定時間を算出する。
【0026】
自部門総稼働予定時間算出部32は、プロジェクトに対する人員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業に対して予定される直接稼働予定時間と、直接的に売上を発生する作業以外の間接的な作業に対して予定される間接労働予定時間とを加算処理することで、人員の自部門における稼働時間として予定されている自部門総稼働予定時間を算出する。
【0027】
有効人員予定数算出部33は、総稼働予定時間に対する自部門総稼働予定時間の比率である有効人員予定数を算出する。
【0028】
総稼働実績時間算出部34は、プロジェクトに対する人員の実績となる稼働時間のうち、自部門での稼働実績となる自部門稼働実績時間と、他部門での稼働実績となる他部門稼働実績時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する人員の総稼働実績時間を算出する。
【0029】
自部門総稼働実績時間算出部35は、プロジェクトに対する人員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業の直接稼働実績時間と、間接的な作業の間接労働実績時間とを加算処理することで、人員の自部門における自部門総稼働実績時間を算出する。
【0030】
有効人員実績数算出部36は、総稼働実績時間に対する自部門総稼働実績時間の比率である有効人員実績数を算出する。
【0031】
出力制御部37は、有効人員予定数及び有効人員実績数を、表示部の一例である出力装置7に出力制御して表示する。この有効人員予定数及び有効人員実績数等に基づいて、プロジェクトに対する人員の過不足等が判断される。なお、この実施の形態の説明では、出力制御部37は、出力装置7を介して所定のデータの表示を行うこととして説明を行うが、出力制御部37は、出力装置7として設けられているスピーカ部を介して、有効人員予定数及び有効人員実績数等の音声を出力制御してもよい。
【0032】
有効人員平均数算出部38は、各人員の有効人員予定数の平均値である有効人員予定平均数、及び、各人員の有効人員実績数の平均値である有効人員実績平均数を算出する。この場合、出力制御部37は、有効人員予定数及び有効人員実績数と共に、有効人員予定平均数、及び、有効人員実績平均数を出力装置7に出力して表示する。
【0033】
取得部39は、過去の年度の有効人員実績数の傾向に基づいて予測設定された、今年度の基準となる有効人員基準数を記憶部2から取得する。この場合、出力制御部37は、有効人員予定数、有効人員実績数、及び、有効人員予定平均数と共に、有効人員基準数を出力装置7に出力して表示する。
【0034】
集計部40は、各人員の所属部門毎に、自部門稼働予定時間及び他部門稼働予定時間を集計すると共に、自部門稼働実績時間及び他部門稼働実績時間を集計した部門単位集計データを生成する。この場合、出力制御部37は、部門単位集計データを出力装置7に出力して表示する。
【0035】
また、集計部40は、オペレータの操作又は設定に基づいて、人員の所属部門以外の所属部門で担当されるプロジェクトに対する他部門稼働予定時間及び他部門稼働実績時間を含めて部門単位集計データを生成し、又は、他部門稼働予定時間及び他部門稼働実績時間を含めずに部門単位集計データを生成する。
【0036】
また、集計部40は、各人員が所属する部門グループ毎に、各人員の自部門稼働予定時間及び他部門稼働予定時間を集計すると共に、自部門稼働実績時間及び他部門稼働実績時間を集計した部門グループ単位集計データを生成する。この場合、出力制御部37は、部門グループ単位集計データを、出力装置7に出力して表示する。
【0037】
また、集計部40は、オペレータの操作又は設定に基づいて、人員が所属する部門グループ以外の部門グループで担当されるプロジェクトに対する他部門稼働予定時間及び他部門稼働実績時間を含めて部門グループ単位集計データを生成し、又は、他部門稼働予定時間及び他部門稼働実績時間を含めずに部門グループ単位集計データを生成する。
【0038】
部門損益照会生成部41は、所属部門毎の人員数に有効人員基準数を乗算処理した値で、所属部門毎の営業利益額を除算処理することで算出した、各所属部門における基準有効人員一人当たりの営業利益と、所属部門毎の各人員の有効人員実績数の合計値で、所属部門毎の営業利益額を除算処理することで算出した、各所属部門における有効人員一人当たりの営業利益と、を含む部門損益照会データを生成する。この場合、出力制御部37は、部門損益照会データを出力装置7に出力して表示する。
【0039】
グループ損益照会生成部42は、部門グループ毎の人員数に有効人員基準数を乗算処理した値で、部門グループ毎の営業利益額を除算処理することで算出した、各部門グループにおける基準有効人員一人当たりの営業利益と、部門グループ毎の各人員の有効人員実績数の合計値で、部門グループ毎の営業利益額を除算処理することで算出した、各部門グループにおける有効人員一人当たりの営業利益と、を含むグループ損益照会データを生成する。この場合、出力制御部37は、グループ損益照会データを出力装置7に出力して表示する。
【0040】
(用語の定義)
ここで、この実施の形態の説明で用いる用語を、下記のように定義する。
【0041】
作業予定→作業実施前に、作業予定入力で登録する予定されている作業内容。年月、プロジェクトNo、予定時間で構成。
作業結果→作業実施後に、日報入力で登録する作業結果内容。年月、プロジェクトNo、作業時間で構成。
作業時間→作業予定入力、日報入力で登録する自部門のプロジェクト毎の作業時間。
応援時間→作業予定入力、日報入力で登録する他部門のプロジェクト毎の作業時間。
【0042】
直接プロジェクト→引合又は受注プロジェクト等の、実際に売上又は費用が発生するプロジェクト。
間接プロジェクト→売上が発生せず、費用又は日報の関連付け先となる共通プロジェクト。
【0043】
有効人員数→「(自部門の直接稼働時間(予定/実績)+自部門の間接稼働時間(予定/実績))/1か月の稼働時間(予定/実績)」の演算式で算出される、その部門の仕事として、有効的に作業できた人員数。部門ごとの合計値を実際の所属人数と比較することで、仕事や人員配置の充足率として利用可能であり、過去の傾向などから基準となる有効人員数=0.9などが参考値として決まってくる。
【0044】
有効人員数(合計)→所属部門毎の有効人員数の合計数。
有効人員数(平均)→所属部門毎の有効人員数合計を所属人数で割った数。各部門の人員配置の充足度の指標となる。
有効人員数(基準)→過去の傾向等から求められた基準となる有効人員数。
【0045】
会社一人当たり営業利益額→会社全体で、営業利益額を会社人数で除算処理した額。例えば、「会社の営業利益額10000万円/会社の人数100人=100万円/一人あたり」となる。
【0046】
所属一人当たり営業利益額→所属部門毎に、営業利益額を所属人数で割った額。所属ベースでの営業利益算出の効率度の指標となる。例えば、「所属部門の営業利益額1000万円/所属部門の人数10人=100万円/一人あたり」となる。
【0047】
基準有効人員一人当たり営業利益額→所属部門毎に、所属人数に基準の有効人員を乗算処理した額で、営業利益額を除算処理した額。所属ベースでの営業利益算出の効率度の指標となる。例えば、「所属部門の営業利益額1000万円/(所属部門の人数10人×基準有効人員数0.9)=111万円/一人あたり」となる。なお、基準有効人員数0.9は、「9人」である。
【0048】
有効人員一人当たり営業利益額(所属の自部門作業のみ集計)→所属部門毎に、営業利益額を有効人員数(合計)で除算処理した額。実作業ベースでの営業利益算出の効率度の指標となる。なお、作業は所属の自部門のみで集計され、応援作業は、どの部門でも分子に含まれない。例えば、「所属部門の営業利益額1000万円/所属部門の有効人員数合計8人=125万円/一人あたり」となる。なお、他部門からの応援分は含まない。
【0049】
有効人員一人当たり営業利益額(応援作業を含めて集計)→部門毎に、営業利益額を有効人員数(合計)で除算処理した額。実作業ベースでの営業利益算出の効率度の指標となる(作業はどこかの部門に集計)。例えば、「部門の営業利益額1000万円/部門の有効人員数合計20人=50万円/一人あたり」となる(他部門からの応援分を含む)。
【0050】
(人員管理装置におけるシステムフローチャート)
次に、図6に、実施の形態の人員管理装置1のシステムフローチャートを示す。一例ではあるが、実施の形態の人員管理装置1では、下記のステップの処理で人員管理を行う。
【0051】
ステップS1→各社員の各プロジェクトに対する作業予定入力を行う。
ステップS2→各社員の作業実績の入力である日報入力を行う。
ステップS3→各社員のプロジェクトに対する作業予定及び作業実績の集計である予実集計を行う。
ステップS4→各社員が所属する部門毎の売上入力を行う。
ステップS5→部門毎の売上に対する有効人員一人あたりの営業利益額を算出して損益照会を行う。
【0052】
(人員管理装置における業務フローチャート)
図7は、図6のシステムフローチャートのステップS1の作業予定入力、ステップS2の日報入力、及び、ステップS3の予実集計の各処理に対応する業務を示す業務フローチャートである。
【0053】
この図7に示すように、ステップS1の作業予定入力の業務としては、
ステップS11→過去のプロジェクトに対する実績が集計され、
ステップS12→集計された過去の実績に基づいて、作業時間及び作業人員等の目標が設定され、
ステップS13→人員の組織変更が行われ、
ステップS14→ステップS12の目標に基づいて各社員の人員配置が行われる。
【0054】
また、ステップS12の目標に基づいて、
ステップS15→プロジェクトテーブル15に対して各プロジェクトを単渡欧する部門が割り当てられ(案件管理=プロジェクト入力)、
ステップS16→プロジェクトに対して人員が配置され(アサイン設定)、
ステップS17→作業予定テーブル16に作業予定の入力が行われる。
【0055】
また、ステップS2の日報入力の業務としては、
ステップS18→各社員により、割り当てられたプロジェクトの作業(業務)が実施され、
ステップS19→各社員により、実施された作業のプロジェクト名及び作業時間等の日報の入力が行われる。
【0056】
また、ステップS3の予実集計の業務としては、
ステップS20→各社員の作業予定及び作業実績が集計され、
ステップS21→集計された各社員の作業予定及び作業実績が分析され、
ステップS22→人員配置ミス等の原因調査が行われる。
【0057】
また、ステップS3の予実集計の業務としては、
ステップS23→ステップS20の予実集計結果に基づいて、他の部署に対する作業の応援依頼が行われ、
ステップS24→各人員の配置調整(アサイン調整)が行われ、
ステップS25→人員配置が検討され、
ステップS26→各部署の組織変更が検討される。
【0058】
(プロジェクト入力の詳細)
次に、ステップS15におけるプロジェクト入力の詳細を説明する。プロジェクトテーブル15には、図8に示すように、プロジェクトNo、プロジェクト名、部門コード、部門名、及び、直接・間接区分が入力される。この図8の例は、プロジェクトNoが「P001」の「〇〇設計作業」のプロジェクトの作業を行う部門として、部門コードが「S01」の「施工管理1部」が割り当てられた例である。この場合の直接・間接区分は「直接」であり、引合又は受注プロジェクト等、実際に売上又は費用が発生するプロジェクトであることを示している。
【0059】
同様に、この図8の例は、プロジェクトNoが「KP002」の「部内教育・事務作業」のプロジェクトの作業を行う部門として、部門コードが「S02」の「施工管理2部」が割り当てられた例である。この場合の直接・間接区分は「間接」であり、売上が発生せず、費用又は日報の関連付け先となる共通プロジェクトであることを示している。
【0060】
(作業予定入力の詳細)
次に、ステップS16及びステップS17における各社員の作業予定入力の詳細を説明する。作業予定テーブル16には、図9(a)~図9(d)に示すように、社員コード、社員名、部門コード、期間、プロジェクトNo、及び、作業の予定月の合計作業時間が入力される。
【0061】
図9(a)は、社員コードが「SH01」の「田中さん」の作業予定である。この図9(a)に示す例は、「2021年4月1日~2022年4月30日」の作業期間の「4月度」において、プロジェクトNoが「P001」のプロジェクトの作業を「60時間」、プロジェクトNoが「P002」のプロジェクトの作業を「40時間」、プロジェクトNoが「P003」のプロジェクトの作業を「30時間」、プロジェクトNoが「KP001」のプロジェクトの作業を「50時間」、及び、プロジェクトNoが「KP003」のプロジェクトの作業を「20時間」行うことが作業予定として入力された例である。
【0062】
同様に、図9(c)は、社員コードが「SH03」の「吉田さん」の作業予定である。この図9(c)に示す例は、「2021年4月1日~2022年4月30日」の作業期間の「4月度」において、プロジェクトNoが「P001」のプロジェクトの作業を「10時間」、プロジェクトNoが「P002」のプロジェクトの作業を「10時間」、プロジェクトNoが「P003」のプロジェクトの作業を「10時間」、プロジェクトNoが「KP002」のプロジェクトの作業を「10時間」、及び、プロジェクトNoが「KP003」のプロジェクトの作業を「10時間」行うことが作業予定として入力された例である。
【0063】
このように、作業予定の入力が行われることで、図10に例示するように、作業を行うプロジェクト及び作業時間を社員毎に確認可能な作業予定テーブル16が、記憶部2に形成されることとなる。
【0064】
(日報入力の詳細)
次に、ステップS19における各社員の日報入力の詳細を説明する。日報テーブル17には、図11(a)~図11(d)に示すように、社員コード、社員名、部門コード、期間、プロジェクトNo、及び、作業月における実際に行った作業の合計時間が入力される。
【0065】
図11(a)は、社員コードが「SH01」の「田中さん」の日報である。この図11(a)の例は、「2021年4月1日~2022年4月30日」の作業期間の「4月度」において、プロジェクトNoが「P001」のプロジェクトの作業が「80時間」、プロジェクトNoが「P002」のプロジェクトの作業が「80時間」、プロジェクトNoが「P003」のプロジェクトの作業が「50時間」、プロジェクトNoが「KP001」のプロジェクトの作業が「50時間」、及び、プロジェクトNoが「KP003」のプロジェクトの作業が「40時間」行われ、これらが日報として入力された例である。
【0066】
同様に、図11(c)は、社員コードが「SH03」の「吉田さん」の日報である。この図11(c)の例は、「2021年4月1日~2022年4月30日」の作業期間の「4月度」において、プロジェクトNoが「P001」のプロジェクトの作業が「10時間」、プロジェクトNoが「P002」のプロジェクトの作業が「10時間」、プロジェクトNoが「P003」のプロジェクトの作業が「60時間」、プロジェクトNoが「KP002」のプロジェクトの作業が「10時間」、及び、プロジェクトNoが「KP003」のプロジェクトの作業が「10時間」行われ、これらが日報として入力された例である。
【0067】
このように、日報の入力が行われることで、図12に例示するように、実際に作業が行われたプロジェクト及び実際の作業時間(実績)を社員毎に確認可能な日報テーブル17が、記憶部2に形成されることとなる。
【0068】
(予実集計の詳細)
次に、ステップS20における各社員の作業予定及び作業実績の集計である予実集計の詳細を説明する。この予実集計においては、図1に示す集計部40が、作業予定テーブル16から収集した各社員の作業予定、及び、日報テーブル17から収集した各社員の作業実績を、図13に示すように作業予定・日報集計テーブル18に一覧的に集計する。
【0069】
この集計形態としては、管理者等は、
「部門単位の集計(応援作業を含めない)」、
「部門単位の集計(応援作業を含める)」、
「部門グループ単位の集計(応援作業を含めない)」、及び、
「部門グループ単位の集計(応援作業を含める)」の中から、
所望の集計形態を選択可能となっている。
【0070】
(部門単位の集計(応援作業を含めない))
次に、集計部40は、作業予定テーブル16及び日報テーブル17から社員コード、社員名、所属部門コード、期間、プロジェクトNo、プロジェクト部門コード(PJ部門コード)、作業の予定時間、日報時間(実作業時間)等が集計し、作業予定・日報集計テーブル18を生成する。
【0071】
この図13において、所属部門コードとプロジェクト部門コードが同じコードである場合に、その社員が自部門のプロジェクトの作業を行ったことを意味する。例えば、社員コードが「SH01」の「田中さん」の所属部門コードは「S01」であり、この田中さんが作業した「P001」のプロジェクトNoのPJ部門コードは、「S01」である。この場合、所属部門コードとPJ部門コードが同じであるため、田中さんは自部門のプロジェクトの作業を行ったことを意味する。「部門単位の集計(応援作業を含めない)」の集計形態が選択された場合、集計部40は、このように所属部門コード及びPJ部門コードが同じコードとなっている予定時間及び日報時間を社員毎に収集し、出力制御部37が出力装置7に表示制御する。
【0072】
(部門単位の集計(応援作業を含めない)に基づく分析及び原因調査)
次に、ステップS21及びステップS22における、部門単位の集計(応援作業を含めない)の結果に基づく分析及び原因調査の説明をする。このステップS21及びステップS22では、図14及び図15に示すように、同じ部門に所属する社員毎に作業予定に対する有効人員数、及び、作業実績に対する有効人員数が算出され、算出された有効人員数に基づいて各部門に対する人員配置等に対する考察が行われる。図14の例は、「施工管理1部」に「田中さん」と「西さん」が所属している例である。また、図15の例は、「施工管理2部」に「吉田さん」と「鈴木さん」が所属している例である。
【0073】
具体的には、有効人員数の算出は、下記のように行われる。まず、総稼働予定時間算出部31が、プロジェクトの作業を行う社員に対して予定される稼働時間のうち、社員が所属する自部門で稼働予定の自部門稼働予定時間と、社員の自部門以外の部門である他部門で稼働予定の他部門稼働予定時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する社員の稼働時間として予定されている総稼働予定時間を算出する。
【0074】
図14の例では、社員の田中さんの総稼働予定時間は、「自部門の直接稼働時間100時間+自部門の間接稼働時間50時間+他部門の直接稼働時間30時間+他部門の間接稼働時間20時間=200時間」となる。
【0075】
次に、自部門総稼働予定時間算出部32が、プロジェクトに対する社員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業に対して予定される直接稼働予定時間と、直接的に売上を発生する作業以外の間接的な作業に対して予定される間接労働予定時間とを加算処理することで、社員の自部門における稼働時間として予定されている自部門総稼働予定時間を算出する。
【0076】
図14の例では、社員の田中さんの自部門総稼働予定時間は、「自部門の直接稼働時間100時間+自部門の間接稼働時間50時間=150時間」となる。
【0077】
次に、有効人員予定数算出部33は、総稼働予定時間に対する自部門総稼働予定時間の比率である有効人員予定数を算出する。社員の田中さんの例の場合、有効人員予定数は、「自部門総稼働予定時間150時間/総稼働予定時間200時間=0.75」となる。
【0078】
次に、総稼働実績時間算出部34は、プロジェクトに対する社員の実績となる稼働時間のうち、自部門での稼働実績となる自部門稼働実績時間と、他部門での稼働実績となる他部門稼働実績時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する社員の総稼働実績時間を算出する。
【0079】
図14の例では、社員の田中さんの総稼働実績時間は、「自部門の直接稼働時間160時間+自部門の間接稼働時間50時間+他部門の直接稼働時間50時間+他部門の間接稼働時間40時間=300時間」となる。
【0080】
次に、自部門総稼働実績時間算出部35は、プロジェクトに対する人員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業の直接稼働実績時間と、間接的な作業の間接労働実績時間とを加算処理することで、社員の自部門における自部門総稼働実績時間を算出する。
【0081】
図14の例では、社員の田中さんの自部門総稼働実績時間は、「自部門の直接稼働時間160時間+自部門の間接稼働時間50時間=210時間」となる。
【0082】
次に、有効人員実績数算出部36は、総稼働実績時間に対する自部門総稼働実績時間の比率である有効人員実績数を算出する。社員の田中さんの例の場合、有効人員実績数は、「自部門総稼働実績時間210時間/総稼働実績時間300時間=0.75」となる。
【0083】
このように、社員毎に有効人員予定数及び有効人員実績数が算出されると、制御部3は、図14に示すように同じ部署の各社員の作業予定に対応する有効人員予定数を加算処理して有効人員数(予定合計)を算出すると共に、各社員の作業実績に対応する有効人員実績数を加算処理して、作業実績に対応する有効人員数(実績合計)を算出する。
【0084】
図14の例の場合、「施工管理1部」に所属する田中さん及び西さんの作業予定に対応する有効人員予定数は、それぞれ「0.75」である。このため、制御部3は「0.75+0.75=1.5」の演算を行い、有効人員数(予定合計)を算出する。また、図14の例の場合、田中さん及び西さんの作業実績に対応する有効人員予定数がそれぞれ「0.70」、「0.35」であるため、制御部3は「0.70+0.35=1.05」の演算を行い、実績に対応する有効人員数(実績合計)を算出する。
【0085】
また、有効人員平均数算出部38は、各社員の有効人員予定数の平均値である有効人員予定平均数、及び、各社員の有効人員実績数の平均値である有効人員実績平均数を算出する。図14の例の場合、作業予定に対応する有効人員数の合計が「1.5」であるため、有効人員平均数算出部38は、「1.5/2人=0.75」の演算を行うことで、有効人員予定平均数を算出する。また、図14の例の場合、作業実績に対応する有効人員数の合計が「1.05」であるため、有効人員平均数算出部38は、「1.5/2人=0.53」の演算を行うことで、有効人員実績平均数を算出する。
【0086】
また、取得部39は、過去の年度の有効人員実績数の傾向に基づいて予測設定された、今年度の基準となる有効人員基準数を、図5に示した基準マスタ14から取得する。
【0087】
出力制御部37は、各社員の有効人員予定数及び有効人員実績数、同じ部署の各社員の有効人員予定数の合計、同じ部署の各社員の有効人員実績数の合計、有効人員予定平均数、有効人員実績平均数、及び、有効人員基準数を出力装置7に出力して表示する。
【0088】
管理者等は、各有効人員数等に基づいて、各部署に対する人員の過不足、各社員の配置の適否等を解析し、最適な人員数及び人員配置を考察する。例えば、図14の例の場合、有効人員数(合計)に基づいて、「予定より作業時間が増えたが、その分、自部門作業割合が減ったため、他部門での作業増加要因も探る必要がある」との解析及び考察を行うことができる。また、図14の例の場合、作業実績の有効人員実績平均数及び有効人員基準数に基づいて、「有効人員基準数が「0.9」に対して、作業結果となる有効人員実績平均数が「0.53」であり、大幅に低い有効人員数になっている。これは、どのような自部門以外の作業が発生したか、要因を探る必要がある。」との解析及び考察を行うことができる。
【0089】
また、図15に示すように「施工管理2部」に対しても、このような有効人員数(予定合計)、有効人員数(実績合計)、有効人員予定平均数及び有効人員実績平均数の算出、及び、有効人員基準数の取得が行われる。そして、図15に示す、例えば有効人員数(予定合計)及び有効人員数(実績合計)に基づいて、「予定時点で自部門作業が極端に少なかったため、部門長が他部門とのアサイン又は負荷調整等を行い、自部門作業を増やす調整を行う。」との解析及び対処を行うことができる。
【0090】
(部門グループ単位の集計(応援作業を含めない))
次に、集計部40は、作業予定テーブル16及び日報テーブル17から社員コード、社員名、所属部門コード、期間、プロジェクトNo、プロジェクト部門コード(PJ部門コード)、作業の予定時間、日報時間(実作業時間)等が集計し、図16に例示する作業予定・日報集計テーブル18を生成する。
【0091】
この図16において、所属部門コードとプロジェクト部門コードが同じコードである場合に、その社員が所属する部門グループと同じ部門グループのプロジェクトの作業を行ったことを意味する。例えば、社員コードが「SH01」の「田中さん」の所属部門コードは「SS」であり、この田中さんが作業した「P001」のプロジェクトNoのPJ部門コードも「SS」である。
【0092】
この場合、所属部門コードとPJ部門コードが同じであるため、田中さんは自分が所属する部門グループと同じ部門グループのプロジェクトの作業を行ったことを意味する。「部門グループ単位の集計(応援作業を含めない)」の集計形態が選択された場合、集計部40は、このように所属部門コード及びPJ部門コードが同じコードとなっている予定時間及び日報時間を社員毎に収集し、出力制御部37が出力装置7に表示制御する。
【0093】
(部門グループ単位の集計(応援作業を含めない)に基づく分析及び原因調査)
次に、ステップS21及びステップS22における、部門グループ単位の集計(応援作業を含めない)場合の分析及び原因調査の説明をする。このステップS21及びステップS22では、図17に示すように、同じ部門グループの社員毎に作業予定に対する有効人員数、及び、作業実績に対する有効人員数が算出され、算出された有効人員数に基づいて人員配置等に対する考察が行われる。
【0094】
具体的には、有効人員数の算出は、下記のように行われる。まず、総稼働予定時間算出部31が、プロジェクトの作業を行う社員に対して予定される稼働時間のうち、社員が所属する自部門で稼働予定の自部門稼働予定時間と、社員の自部門以外の部門である他部門で稼働予定の他部門稼働予定時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する社員の稼働時間として予定されている総稼働予定時間を算出する。
【0095】
図17の例では、社員の田中さんの総稼働予定時間は、「自部門の直接稼働時間130時間+自部門の間接稼働時間50時間+他部門の直接稼働時間0時間+他部門の間接稼働時間20時間=200時間」となる。また、図17の例では、社員の吉田さんの総稼働予定時間は、「自部門の直接稼働時間30時間+自部門の間接稼働時間10時間+他部門の直接稼働時間0時間+他部門の間接稼働時間10時間=50時間」となる。
【0096】
次に、自部門総稼働予定時間算出部32が、プロジェクトに対する社員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業に対して予定される直接稼働予定時間と、直接的に売上を発生する作業以外の間接的な作業に対して予定される間接労働予定時間とを加算処理することで、社員の自部門における稼働時間として予定されている自部門総稼働予定時間を算出する。
【0097】
図17の例では、社員の田中さんの自部門総稼働予定時間は、「自部門の直接稼働時間130時間+自部門の間接稼働時間50時間=180時間」となる。また、図17の例では、社員の吉田さんの自部門総稼働予定時間は、「自部門の直接稼働時間30時間+自部門の間接稼働時間10時間=40時間」となる。
【0098】
次に、有効人員予定数算出部33は、総稼働予定時間に対する自部門総稼働予定時間の比率である有効人員予定数を算出する。社員の田中さんの例の場合、有効人員予定数は、「自部門総稼働予定時間180時間/総稼働予定時間200時間=0.9」となる。また、社員の吉田さんの例の場合、有効人員予定数は、「自部門総稼働予定時間40時間/総稼働予定時間50時間=0.8」となる。
【0099】
次に、総稼働実績時間算出部34は、プロジェクトに対する社員の実績となる稼働時間のうち、自部門での稼働実績となる自部門稼働実績時間と、他部門での稼働実績となる他部門稼働実績時間とを加算処理することで、プロジェクトに対する社員の総稼働実績時間を算出する。
【0100】
図17の例では、社員の田中さんの総稼働実績時間は、「自部門の直接稼働時間210時間+自部門の間接稼働時間50時間+他部門の直接稼働時間0時間+他部門の間接稼働時間40時間=300時間」となる。また、社員の吉田さんの総稼働実績時間は、「自部門の直接稼働時間80時間+自部門の間接稼働時間10時間+他部門の直接稼働時間0時間+他部門の間接稼働時間10時間=100時間」となる。
【0101】
次に、自部門総稼働実績時間算出部35は、プロジェクトに対する人員の自部門での作業のうち、直接的に売上を発生する作業の直接稼働実績時間と、間接的な作業の間接労働実績時間とを加算処理することで、社員の自部門における自部門総稼働実績時間を算出する。
【0102】
図17の例では、社員の田中さんの自部門総稼働実績時間は、「自部門の直接稼働時間210時間+自部門の間接稼働時間50時間=260時間」となる。また、社員の吉田さんの自部門総稼働実績時間は、「自部門の直接稼働時間80時間+自部門の間接稼働時間10時間=90時間」となる。
【0103】
次に、有効人員実績数算出部36は、総稼働実績時間に対する自部門総稼働実績時間の比率である有効人員実績数を算出する。社員の田中さんの例の場合、有効人員実績数は、「自部門総稼働実績時間260時間/総稼働実績時間300時間=0.87」となる。また、社員の吉田さんの例の場合、有効人員実績数は、「自部門総稼働実績時間90時間/総稼働実績時間100時間=0.9」となる。
【0104】
このように、同じ部門グループの社員毎に有効人員予定数及び有効人員実績数が算出されると、制御部3は、図17に示すように同じ部門グループの各社員の作業予定に対応する有効人員予定数を加算処理して有効人員数(予定合計)を算出すると共に、同じ部門グループの各社員の作業実績に対応する有効人員実績数を加算処理して、作業実績に対応する有効人員数(実績合計)を算出する。
【0105】
図17の例の場合、「施工管理本部」に所属する田中さん、西さん、吉田さん及び鈴木さんの作業予定に対応する有効人員予定数は、それぞれ「0.9」、「0.9」、「0.8」及び「0.8」である。このため、制御部3は「0.9+0.9+0.8+0.8=3.4」の演算を行い、有効人員数(予定合計)を算出する。また、図17の例の場合、田中さん、西さん、吉田さん及び鈴木さんの作業実績に対応する有効人員予定数は、それぞれ「0.87」、「0.68」、「0.9」及び「0.9」であるため、制御部3は「0.87+0.68+0.9+0.9=3.35」の演算を行い、実績に対応する有効人員数(実績合計)を算出する。
【0106】
また、有効人員平均数算出部38は、同じ部門グループの各社員の有効人員予定数の平均値である有効人員予定平均数、及び、各社員の有効人員実績数の平均値である有効人員実績平均数を算出する。図17の例の場合、作業予定に対応する有効人員数の合計が「3.4」であるため、有効人員平均数算出部38は、「3.4/4人=0.85」の演算を行うことで、有効人員予定平均数を算出する。また、図17の例の場合、作業実績に対応する有効人員数の合計が「3.35」であるため、有効人員平均数算出部38は、「3.35/4人=0.53」の演算を行うことで、有効人員実績平均数を算出する。
【0107】
また、取得部39は、過去の年度の有効人員実績数の傾向に基づいて予測設定された、今年度の基準となる有効人員基準数を、図5に示した基準マスタ14から取得する。
【0108】
出力制御部37は、同じ部門グループの各社員の有効人員予定数及び有効人員実績数、同じ部署の各社員の有効人員予定数の合計、同じ部署の各社員の有効人員実績数の合計、有効人員予定平均数、有効人員実績平均数、及び、有効人員基準数を出力装置7に出力して表示する。
【0109】
管理者等は、各有効人員数等に基づいて、部門グループに対する人員の過不足、各社員の配置の適否等を解析し、最適な人員数及び人員配置を考察する。例えば、図17の例の場合、有効人員数(合計)に基づいて、「本部単位(部門グループ単位)で見ると、施工管理1部と施工管理2部は協業が多いため、その中で仕事が円滑に進むのであれば、人員配置変更の検討は不要である。
【0110】
一方で、もし、有効人員数合計が所属人数に比べて低ければ、他の本部作業との協業が多いことを意味するため、組織変更又は人員配置変更の検討が必要(実情と組織がアンマッチ)」との解析及び考察を行うことができる。また、図17の例の場合、作業実績の有効人員実績平均数及び有効人員基準数に基づいて、「本部単位(部門グループ単位)でみると、施工管理1部と施工管理2部は協業が多いため、社員一人あたりの作業実績の有効人員実績平均数が基準値に近い数値となっている。」との解析及び考察を行うことができる。
【0111】
(部門単位の集計(応援作業を含める))
次に、各社員は、自分の所属部門以外の部門のプロジェクトの作業(応援作業)を行うことがある。実施の形態の人員管理装置1は、業務オペレータ等の指定操作により、作業予定・日報集計テーブル18から、このような応援作業を含めたかたちで各社員の作業予定及び作業実績を集計可能となっている。
【0112】
応援作業を含めたかたちで、各社員の作業予定及び作業実績を集計する場合、例えば図18に例示する作業予定・日報集計テーブル18を参照し、所属部門コードとPJ部門コードが異なるレコードを、PJ部門コード側にその人の所属があったように別途標記、集計する。なお、図18において、所属部門コード及びPJ部門コードが同じコードである場合は、上述のように、その社員は自部門のプロジェクトの作業を行ったことを意味する。
【0113】
これに対して、例えば「施工管理2部」に所属する、社員コードが「SH02」で所属部門コードが「S02」の「吉田さん」が、「P002」のプロジェクトNoのプロジェクトの作業を行ったとする。この「P002」のプロジェクトNoのプロジェクトは、PJ部門コードが「S01」であり、田中さん及び西さんが所属する「施工管理1部」で作業されるプロジェクトである。このため、「吉田さん」は、所属部門コードが「S02」でPJ部門コードが「S01」となる他部門のプロジェクトの応援作業を行ったこととなる。図18に例示する作業予定・日報集計テーブル18に基づいて集計部40により行われた、応援作業を含めたかたちの集計結果は、出力制御部37により出力装置7に表示制御する。
【0114】
(部門単位の集計(応援作業を含める)に基づく分析及び原因調査)
次に、ステップS21及びステップS22における、部門単位の集計(応援作業を含める)の結果に基づく分析及び原因調査の説明をする。このステップS21及びステップS22では、図19及び図20に示すように、同じ部門に所属する社員毎に作業予定に対する有効人員数、及び、作業実績に対する有効人員数が算出され、算出された有効人員数に基づいて各部門に対する人員配置等に対する考察が行われる。
【0115】
図19の例は、「田中さん」と「西さん」が所属メンバーとして所属する「施工管理1部」のプロジェクトの作業を、「施工管理2部」に所属する「吉田さん」と「鈴木さん」が応援メンバーとして行った例である。図20の例は、「吉田さん」と「鈴木さん」が所属メンバーとして所属する「施工管理2部」のプロジェクトの作業を、「施工管理1部」に所属する「田中さん」と「西さん」が応援メンバーとして行った例である。
【0116】
この場合も上述と同様に、所属メンバー及び応援メンバーとなる社員毎に、総稼働予定時間に対する自部門総稼働予定時間の比率である有効人員予定数を算出する。所属メンバーの田中さんの場合、有効人員予定数は、「自部門総稼働実績時間150時間/総稼働実績時間200時間=0.75」となり、有効人員実績数は、「自部門総稼働実績時間210時間/総稼働実績時間300時間=0.70」となる。
【0117】
また、応援メンバーの吉田さんの場合、有効人員予定数は、「自部門総稼働実績時間20時間/総稼働実績時間50時間=0.4」となり、有効人員実績数は、「自部門総稼働実績時間20時間/総稼働実績時間100時間=0.2」となる。
【0118】
なお、「施工管理2部」の応援メンバーが「施工管理1部」のプロジェクトの作業を行ったことによる作業時間は、図19に示すように自部門の作業時間とされると共に、「施工管理2部」の応援メンバーが「施工管理2部(=自部門)」のプロジェクトの作業を行ったことによる作業時間は、他部門の作業時間とされる。
【0119】
そして、上述と同様に、所属メンバー及び応援メンバーの有効人員予定数及び有効人員実績数、所属メンバー及び応援メンバーの有効人員予定数の合計、所属メンバー及び応援メンバーの有効人員実績数の合計、所属メンバー及び応援メンバーの有効人員予定平均数、所属メンバー及び応援メンバーの有効人員実績平均数が算出され、また、有効人員基準数が取得され出力装置7に表示され、人員配置等に対する考察に供される。
【0120】
(損益照会動作)
次に、図6のシステムフローチャートのステップS5における損益照会動作を説明する。損益照会を行う場合、業務オペレータ等により、図21に示すように売上テーブル19に対して、各部門の売上日、売上金額及び営業利益額が登録(記憶)される。この図21の例の場合、田中さん及び西さんが所属する「S01」の所属部門コードの施工管理1部は、2022年4月30日付で、2000万円の売上及び1000万円の営業利益が登録された例である。また、図21の例は、吉田さん及び鈴木さんが所属する「S02」の所属部門コードの施工管理2部は、2022年4月30日付で、4000万円の売上及び1200万円の営業利益が登録された例である。
【0121】
このように売上テーブル19に売上金額及び営業利益額が登録されると、部門損益照会生成部41は、所属部門毎の社員数に、上述の有効人員基準数を乗算処理した値で、所属部門毎の営業利益額を除算処理することで、各所属部門における基準有効人員一人当たりの営業利益を算出する。また、部門損益照会生成部41は、所属部門毎の各社員の有効人員実績数の合計値で、所属部門毎の営業利益額を除算処理することで、各所属部門における有効人員一人当たりの営業利益を算出する。そして、部門損益照会生成部41は、算出した各所属部門における基準有効人員一人当たりの営業利益、及び、各所属部門における有効人員一人当たりの営業利益を含む部門損益照会データを生成し、損益照会テーブル20に登録(記憶)する。
【0122】
図22は、上述の部門単位の集計(応援作業を含めない)の結果、及び、上述の各有効人員数に基づいて算出され登録された部門損益照会データの一例を示す図である。この図22の例は、部門コードが「S01」の部門に対して、「0.9×2人=1.8」の有効人員基準数が算出され、「1.05(図14参照)」の有効人員実績数の合計が算出された例である。また、この図22の例は、「営業利益1000万円/2人=500万円」の所属一人当たりの営業利益額が算出され、「営業利益1000万円/有効人員基準値の合計値1.8=556万円」の基準有効人数一人当たりの営業利益額が算出された例である。また、この図22の例は、「営業利益1000万円/有効人員実績数の合計値1.05=952万円」の有効人数一人当たりの営業利益額が算出された例である。
【0123】
これに対して、図23は、上述の部門単位の集計(応援作業を含める)の結果、及び、上述の各有効人員数に基づいて算出され登録された部門損益照会データの一例を示す図である。この図23の例は、部門コードが「S02」の部門に対して、「0.9×2人=1.8」の有効人員基準数が算出され、「1.9」の有効人員実績数の合計が算出された例である。また、この図23の例は、「営業利益1200万円/2人=600万円」の所属一人当たりの営業利益額が算出され、「営業利益1200万円/有効人員基準値の合計値1.8=667万円」の基準有効人数一人当たりの営業利益額が算出された例である。また、この図23の例は、「営業利益1000万円/有効人員実績数の合計値1.9=632万円」の有効人数一人当たりの営業利益額が算出された例である。
【0124】
この図23に示す部門損益照会データにより、管理者等は、部門コードが「S02」の「施工管理2部」は、基準の有効人員と応援作業を加味した実績の有効人員数との間に大きな差がなく、順当な営業利益額であることを認識することができる。これに対して、部門コードが「S01」の「施工管理1部」は、図22に示した応援作業を含まない比較だけでは分からなかったが、図23に示すように応援作業を含めて解析すると、管理者等は、実績の有効人員数の割に営業利益額が高いということを認識することができる。
【0125】
次に、売上テーブル19に売上金額及び営業利益額が登録されると、グループ損益照会生成部42は、部門グループ毎の人員数に有効人員基準数を乗算処理した値で、部門グループ毎の営業利益額を除算処理することで、各部門グループにおける基準有効人員一人当たりの営業利益を算出する。また、グループ損益照会生成部42は、部門グループ毎の各人員の有効人員実績数の合計値で、部門グループ毎の営業利益額を除算処理することで、各部門グループにおける有効人員一人当たりの営業利益を算出する。そして、グループ損益照会生成部42は、各部門グループにおける基準有効人員一人当たりの営業利益、及び、有効人員一人当たりの営業利益を含むグループ損益照会データを生成し、損益照会テーブル20に登録(記憶)する。
【0126】
図24は、上述の部門グループ単位の集計(応援作業を含めない)の結果、及び、上述の各有効人員数に基づいて算出され登録されたグループ損益照会データの一例を示す図である。この図24の例は、部門グループコードが「SS」の部門に対して、「0.9×4人=3.6」の有効人員基準数が算出され、「3.35(図17参照)」の有効人員実績数の合計が算出された例である。また、この図24の例は、「営業利益(1000万円+1200万円)/4人=550万円」のグループ所属する一人当たりの営業利益額が算出され、「営業利益(1000万円+1200万円)/有効人員基準値の合計値3.6=611万円」の基準有効人数一人当たりの営業利益額が算出された例である。また、この図24の例は、「営業利益(1000万円+1200万円)/有効人員実績数の合計値3.35=657万円」の有効人数一人当たりの営業利益額が算出された例である。
【0127】
このような部門損益照会データ及びグループ損益照会データは、出力制御部37により、出力装置7に出力されて表示され、所属部門単位又は所属グループ単位における人員配置に対する成果(営業利益等)の解析等に供される。
【0128】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の人員管理装置1は、プロジェクト毎の主管部門と社員の所属部門から、プロジェクト毎の稼働時間を管理する日報入力結果を集計し、有効人員数という指標で、部門毎の人的リソースの過不足を認識可能としている。
【0129】
仕事の作業時間=日報入力結果の時間としては、売上に関連する自部門のプロジェクトの他、他部門のプロジェクトの応援作業もあり、また、売上にならない研修又は事務作業等の販管費扱いの作業もある。このため、実施の形態の人員管理装置1には、日報に関連付けされる各プロジェクトに対して、売上の有無(直接プロジェクト又は間接プロジェクト)、主管部門(売上又は費用の計上部門)等の情報を持たせている。このため、社員の所属部門との比較集計を可能とすることができる。
【0130】
従来は、人的リソースが過不足の判断は、人の感覚で行われることが多く、明確な数字で認識困難であった。しかし、実施の形態の人員管理装置1は、明確な有効人員数という指標で、人的リソースの過不足を判断可能とすることができる。このため、人員の配置が必要な部門、及び、配置する人員の数を明確に判断できる。
【0131】
また、有効人員数は、各社員が1人月の仕事を1人月の時間で作業すると仮定した場合の指標である。実施の形態の人員管理装置1は、この有効人員数を参考にしつつ、作業時間の予定と実績を比較しているため、社員毎又は部門毎の傾向も把握可能とすることができる。
【0132】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0133】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0134】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0135】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0136】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0137】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0138】
また、人員管理装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0139】
例えば、人員管理装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて人員管理装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0140】
また、この人員管理装置1の人員管理プログラムは、人員管理装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0141】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための人員管理プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0142】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した人員管理装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0143】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0144】
また、人員管理装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0145】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明は、例えばIT業、工事業等の、プロジェクト管理型の補助簿系ソリューション全般に用いて好適である。
【符号の説明】
【0147】
1 人員管理装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 部署マスタ
12 部署グループマスタ
13 社員マスタ
14 基準マスタ
15 プロジェクトテーブル
16 作業予定テーブル
17 日報テーブル
18 作用予定日報集計テーブル
19 売上テーブル
20 損益照会テーブル
31 総稼働予定時間算出部
32 自部門総稼働予定時間算出部
33 有効人員予定数算出部
34 総稼働実績時間算出部
35 自部門総稼働実績時間算出部
36 有効人員実績数算出部
37 出力制御部
38 有効人員平均数算出部
39 取得部
40 集計部
41 部門損益照会生成部
42 グループ損益照会生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24