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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005013
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01F 29/00 20060101AFI20240110BHJP
   A01F 12/40 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A01F29/00 Z
A01F12/40 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104975
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】田代 元
(72)【発明者】
【氏名】藤田 敏章
【テーマコード(参考)】
2B097
【Fターム(参考)】
2B097AA03
2B097CA05
2B097CC01
2B097CL30
2B097DH05
2B097FA09
2B097HA02
(57)【要約】
【課題】作業状況の違いに応じて排ワラの細断状態を変更できるようにすることが要望されていた。
【解決手段】脱穀装置4から排出される脱穀処理後の排ワラを細断する排ワラ細断装置8に、扱処理空間34の後端部から排出された排ワラを後下方に向けて流下案内する案内板60と、案内板60から上方に突出する状態で設けられた複数の固定刃61と、案内板60の上方に位置して横向き軸芯P6周りで回転して固定刃61との協働により排ワラを切断する複数の回転刃62と、が備えられ、案内板60が、回転刃62に接近する状態と回転刃62から離間する状態とにわたって接近離間方向に移動することにより、排ワラが流下案内される案内経路における回転刃62の外端回転軌跡Qとの間での間隔を変更可能に構成されている。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱胴と前記扱胴の下方に設けられた受網との間に扱処理空間が形成されている脱穀装置と、前記脱穀装置の後方に設けられて、前記脱穀装置から排出される脱穀処理後の排ワラを細断する排ワラ細断装置と、が備えられ、
前記排ワラ細断装置に、前記扱処理空間の後端部から排出された排ワラを後下方に向けて流下案内する案内板と、前記案内板から上方に突出する状態で設けられた複数の固定刃と、前記案内板の上方に位置して横向き軸芯周りで回転して前記固定刃との協働により排ワラを切断する複数の回転刃と、が備えられ、
前記案内板が、前記回転刃に接近する状態と前記回転刃から離間する状態とにわたって接近離間方向に移動することにより、排ワラが流下案内される案内経路における前記回転刃の外端回転軌跡との間での間隔を変更可能に構成されているコンバイン。
【請求項2】
前記案内板が、上部に設けられた横向き軸芯周りで揺動することにより、前記接近離間方向に移動するように構成されている請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記排ワラ細断装置の横側並びに上方を覆うケーシングが備えられ、
前記ケーシングの横外側に、前記案内板を前記回転刃に接近する状態と離間する状態とに切り換えるための手動操作具が備えられている請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記固定刃が、前記案内板からの上方突出量を変更可能なように上下位置調節可能に支持され、
前記固定刃は、最下降位置に位置調節された状態において、前記案内板が前記接近離間方向での移動ストロークの全範囲のいずれの位置であっても排ワラに対して切断作用しない請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記案内板は、前記扱処理空間側の端部が前記回転刃の回転軸芯の高さよりも高い位置にまで延ばされており、
前記扱処理空間の後端部から前記案内板の前記扱処理空間側の端部に向けて排ワラを案内する中継板が位置固定状態で備えられている請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記中継板と前記案内板とが隙間なく連なる状態で設けられている請求項5に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀装置と脱穀装置から排出される脱穀処理後の排ワラを細断する排ワラ細断装置とが備えられているコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
排ワラ細断装置は、脱穀装置から排出された排ワラを後下方に向けて流下案内する案内板と、案内板から上方に突出する複数の固定刃と、横向き軸芯周りで回転して固定刃との協働により排ワラを切断する複数の回転刃と、が備えられている。そして、従来では、案内板の姿勢は常に一定であり、案内板と回転刃の外端回転軌跡との間隔は一定に維持されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-000189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、例えば、作物の単位時間あたりの処理量が多くなった場合等において、排ワラ細断装置に対する排ワラの供給量が多すぎて案内板と回転刃との間で排ワラが滞留して細断処理が良好に行えなくなるおそれがある。又、排ワラを細かく細断処理せずに長い状態のままで使用するといった別の使用用途がある場合には対応できないので、使い勝手が良くないという不利な面もあった。
【0005】
そこで、作業状況の違いに応じて排ワラの細断状態を変更できるようにすることが要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンバインの特徴構成は、扱胴と前記扱胴の下方に設けられた受網との間に扱処理空間が形成されている脱穀装置と、前記脱穀装置の後方に設けられて、前記脱穀装置から排出される脱穀処理後の排ワラを細断する排ワラ細断装置と、が備えられ、前記排ワラ細断装置に、前記扱処理空間の後端部から排出された排ワラを後下方に向けて流下案内する案内板と、前記案内板から上方に突出する状態で設けられた複数の固定刃と、前記案内板の上方に位置して横向き軸芯周りで回転して前記固定刃との協働により排ワラを切断する複数の回転刃と、が備えられ、前記案内板が、前記回転刃に接近する状態と前記回転刃から離間する状態とにわたって接近離間方向に移動することにより、排ワラが流下案内される案内経路における前記回転刃の外端回転軌跡との間での間隔を変更可能に構成されている点にある。
【0007】
本発明によれば、案内板を回転刃に接近させて、案内経路における回転刃の外端回転軌跡との間での間隔を狭くすると、案内板により流下案内される排ワラが回転刃による切断作用を受けて細断処理が良好に行われる。一方、案内板を回転刃から離間させて、案内経路における回転刃の外端回転軌跡との間での間隔を広くすると、排出される排ワラの量が大きい場合には、排ワラ細断装置内で詰まりを起こすことを回避することができ、又、案内経路を流下案内される排ワラのうち多くのものが回転刃による切断作用を受け難い状態にすることにより、細断処理が行われない状態で排出させることも可能となる。
【0008】
従って、作業状況の違いに応じて排ワラの細断状態を変更できるようにすることが可能となった。
【0009】
本発明においては、前記案内板が、上部に設けられた横向き回動支点周りで揺動することにより、前記接近離間方向に移動するように構成されていると好適である。
【0010】
本構成によれば、案内板を横向き回動支点周りで揺動するように支持するという簡単な支持構造によって対応できる。又、横向き回動支点が上部に設けられるので、揺動させても案内板の上部が大きく位置変動することがなく、排ワラの受け渡しが乱れるおそれがない。
【0011】
本発明においては、前記排ワラ細断装置の横側並びに上方を覆うケーシングが備えられ、前記ケーシングの横外側に、前記案内板を前記回転刃に接近する状態と離間する状態とに切り換えるための手動操作具が備えられていると好適である。
【0012】
本構成によれば、ケーシングの外側から手動操作具を操作することができるので、ケーシングを外す等の煩わしい作業を必要とすることなく、案内板の状態の切り換え作業を行うことができる。
【0013】
本発明においては、前記固定刃が、前記案内板からの上方突出量を変更可能なように上下位置調節可能に支持され、前記固定刃は、最下降位置に位置調節された状態において、前記案内板が前記接近離間方向での移動ストロークの全範囲のいずれの位置であっても排ワラに対して切断作用しないと好適である。
【0014】
本構成によれば、固定刃を最下降位置に位置調節することにより固定刃が切断作用しない状態に設定することができる。このように設定すると、案内板の状態変化にかかわらず、排ワラを細かく細断処理せずに長い状態のままで排出させることができる。
【0015】
本発明においては、前記案内板は、前記扱処理空間側の端部が前記回転刃の回転軸芯の高さよりも高い位置にまで延ばされており、前記扱処理空間の後端部から前記案内板の前記扱処理空間側の端部に向けて排ワラを案内する中継板が位置固定状態で備えられていると好適である。
【0016】
本構成によれば、回転刃が回転することにより脱穀装置から送り出された排ワラに対して掻き込み作用する。このとき、例えば、案内板の端部が回転軸芯の高さよりも低い位置にあれば、排ワラが引っ掛かり良好な案内が行えないおそれがある。これ対して、上記構成では、案内板が回転軸芯の高さよりも高い位置にまで延びているので、排ワラが案内板と回転刃との間に良好に挟み込まれて、後下方に良好に案内することができる。しかも、中継板が設けられることで、排ワラを脱穀装置から案内することができる。
【0017】
本発明においては、前記中継板と前記案内板とが隙間なく連なる状態で設けられていると好適である。
【0018】
本構成によれば、中継板と案内板との間の隙間から排ワラが漏れ落ちたり、隙間に挟み込まれたりして滞留することを回避して、良好に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】コンバインの全体左側面図である。
図2】コンバインの全体平面図である。
図3】コンバインの全体右側面図である。
図4】脱穀装置の縦断側面図である。
図5】伝動構成を示す図である。
図6】脱穀用伝動構造を示す側面図である。
図7】脱穀用伝動構造を示す側面図である。
図8】唐箕の縦断正面図である。
図9】唐箕の側面図である。
図10】第一伝動状態における作業部用ベルト伝動機構を示す側面図である。
図11】第二伝動状態における作業部用ベルト伝動機構を示す側面図である。
図12】排ワラ用変速機構の側面図である。
図13】排ワラ細断装置の横断平面図である。
図14】案内板の支持状態を示す斜視図である。
図15】作用状態の排ワラ細断装置の縦断側面図である。
図16】非作用状態の排ワラ細断装置の縦断側面図である。
図17】脱穀カバーの取り付け状態を示す
図18図17のXVIIIーXVIII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るコンバインの実施形態について図面に基づいて説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0021】
〔全体構成〕
図1図3に、稲や麦などを収穫対象とする普通型コンバインが示されている。このコンバインは、機体フレーム1の下部に左右一対のクローラ走行装置2を装備した走行機体を備え、その走行機体の前部に、収穫対象の植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送部3が横軸芯P1周りで揺動昇降自在に連結されている。機体フレーム1上に、脱穀装置4、穀粒タンク5、穀粒排出装置6、運転部7、排ワラ細断装置8等が備えられている。
【0022】
脱穀装置4は刈取搬送部3からの刈取穀稈に対して脱穀処理を施すとともに、その脱穀処理で得られた脱穀処理物を選別するとともに選別処理物を装置外に搬送する。穀粒タンク5は脱穀装置4からの穀粒を貯留する。穀粒排出装置6は穀粒タンク5に貯留される穀粒を機外に排出する。運転部7は操縦者が搭乗して運転操作を行う。排ワラ細断装置8は脱穀装置4の後側に設けられ、脱穀装置4による脱穀処理後の排ワラの細断処理を行う。
【0023】
運転部7は機体前部右側に位置し、運転部7の後方に穀粒タンク5が位置している。脱穀装置4が左側に位置し、穀粒タンク5が右側に位置する状態で、脱穀装置4と穀粒タンク5とが左右方向に並ぶ状態で備えられている。そして、運転部7の下方側には、動力源としてのエンジン9が備えられ、エンジン9の動力が各部に伝達される。
【0024】
刈取搬送部3は、機体走行に伴って、植立穀稈を刈り取る刈取部10と、刈取部10にて刈り取られた刈取穀稈を機体後部側の脱穀装置4に向けて搬送するフィーダ11とを備えている。刈取搬送部3は、油圧シリンダ12が伸縮作動することで、横軸芯P1周りで昇降揺動自在に支持されている。
【0025】
刈取部10は、刈取対象となる植立穀稈と非刈取対象の植立穀稈とを分草する左右一対のデバイダ13と、収穫対象の植立穀稈を後方に向けて掻き込む回転リール14と、収穫対象の植立穀稈の株元側を切断して刈り取るバリカン形の刈刃15と、切断後の刈取穀稈を左右方向の中間側に横送りして寄せ集めて後方に向けて送り出すオーガ16とを備えている。
【0026】
〔穀粒タンク〕
図17及び図18に示すように、穀粒タンク5の内部には、底部に穀粒を排出させるための底スクリュー17が備えられている。底スクリュー17で送られた穀粒は穀粒排出装置6の縦搬送部6Aを通して外部に排出される。穀粒タンク5は、機体内部のメンテナンス作業を行うために、図2及び図18に示すように、縦搬送部6Aの駆動軸芯Y周りで横側方に向けて張り出すメンテナンス姿勢に切り換え可能に構成されている。
【0027】
図17に示すように、穀粒タンク5の底面は、貯留される穀粒を底スクリュー17に向けて流下案内するように、正面視で中央部が低くなるように傾斜状に構成されている。穀粒タンク5の右側には、傾斜状部分を外側から覆うように下部カバー18が備えられている。
【0028】
図3及び図18に示すように、下部カバー18は、機体前部側の前カバー部18Aと、機体後部側の後カバー部18Bと、穀粒タンク5を後方側から覆う背部カバー部18Cと、を有している。
【0029】
背部カバー部18Cは、右側部分18C1と左側部分18C2とを有している。右側部分18C1は、左端部が縦軸芯周りで揺動可能に支持され、穀粒タンク5がメンテナンス姿勢に切り換えるときは、予め揺動開放させる。又、左側部分18C2は左端部が縦軸芯周りで揺動開放可能に支持されている。
【0030】
前カバー部18Aは、前後方向に短く容易に取り外すことができる。後カバー部18Bは前後方向に長いので、取り外し作業が煩わしい場合がある。そこで、後カバー部18Bが穀粒タンク5に装着された状態で、メンテナンス姿勢に切り換えることができるよう構成されている。背部カバー部18Cは、右側部分18C1と左側部分18C2とを有している。右側部分18C1は、左端部が縦軸芯周りで揺動可能に支持され、穀粒タンク5がメンテナンス姿勢に切り換えるときは、予め揺動開放させる。又、左側部分18C2は左端部が縦軸芯周りで揺動開放可能に支持されている。
【0031】
後カバー部18Bは、前後中間部において下部の係止部19が穀粒タンク5から延設された係止具20に係止し、且つ、上部の弾性式ロック機構21が穀粒タンク5に備えられた係止具22に係止保持されて位置保持するように構成されている。又、後カバー部18Bの後端部においては、下部の係止部19が背部カバー部18Cの右側部分18C1に設けられた係止具20Aに係止し、後カバー部18Bの前端部においては、下部の係止部19が穀粒タンクの前壁部5Aに取り付けられた係止ピン20Bに係止するよう構成されている。
【0032】
係止ピン20Bは前後方向に長く形成されており、前カバー部18Aの下部に備えられた前後一対の係止部19が係止ピン20Bに係止するように構成されている。上部の弾性式ロック機構21が穀粒タンク5に備えられた係止具22に係止保持されて位置保持する点は後カバー部18Bと同じである。
【0033】
穀粒タンク5をメンテナンス姿勢に切り換えるときは、前カバー部18Aだけを取り外し、底スクリュー17に動力伝達するベルト伝動機構87における伝動ベルト87Aの巻回状態を解除する。そして、後カバー部18Bが装着されたまま穀粒タンク5をメンテナンス姿勢に切り換えることができる。
【0034】
〔脱穀装置〕
次に、脱穀装置4について説明する。
脱穀装置4は、図4に示すように、左右両側の側壁4A(図8,13参照)と天板23とにより囲まれた内部空間において、上部に脱穀部24が備えられ、その脱穀部24の下方に選別部25が備えられている。刈取穀稈が機体前部側に備えられたフィーダ11によって脱穀部24に搬送され、刈取穀稈に対して脱穀処理が行われる。選別部25においては、脱穀処理で得られた脱穀処理物に対して選別処理が行われる。
【0035】
脱穀部24内には、機体前後方向に沿う軸芯P2周りに回転駆動されて作物を脱穀処理する扱胴26が備えられている。図4に示すように、扱胴26は、前壁部27と後壁部28とわたって軸芯P2周りに回転自在に支持される扱胴軸29を備え、その扱胴軸29を中心に一体回転するように構成されている。
【0036】
扱胴26は、周方向に等間隔で分散配置した複数の支持杆30を備え、各支持杆30の軸芯方向に並ぶ複数箇所から外周側に突出するバー形の扱歯31を備えている。脱穀部24の天板23には、扱胴26の回転に伴って、処理物を扱胴26の回転軸芯方向に沿って後方側(図1の右側方)に向けて移送案内する送塵弁32が備えられている。
【0037】
扱胴26の外周部のうち下方側の半周部分に円弧状の受網33が備えられている。詳述はしないが、受網33は、円弧状の多数の横桟と横桟同士を連結する軸芯方向に沿う縦桟とを連結して、穀粒が通過するための通過孔が多数形成された周知構造の網状体にて構成されている。
【0038】
扱胴26と受網33との間には、機体前後方向視で円弧状に延びる扱処理空間34が形成され、この扱処理空間34にて扱胴26と受網33との協働により刈取穀稈に対する脱穀処理が行われる。扱胴26は、受網33よりも後側に長く構成されている。扱胴26が受網33よりも後側に延びる部分において、その下方側に排ワラを投入する排ワラ細断装置8の投入口が形成されている。
【0039】
図4に示すように、選別部25は、受網33から下方に漏下した処理物を移送しながら選別処理する揺動選別装置35と、揺動選別装置35から漏下した一番物としての穀粒を回収して装置外方に搬送する一番物回収部36と、揺動選別装置35から漏下した枝付き穀粒等の二番物を回収して装置外方に搬送する二番物回収部37と、揺動選別装置35に選別風を供給する唐箕38とを備えている。
【0040】
一番物回収部36は、回収した穀粒を一番物回収スクリュー36Aにより脱穀装置4の横側外方に搬送するように構成されている。そして、一番物回収部36にて回収された穀粒は、脱穀装置4の横側外方に搬送されたのち、揚穀装置39によって上方に搬送されて穀粒タンク5に貯留される。
【0041】
二番物回収部37は、回収した二番物を二番物回収スクリュー37Aにより脱穀装置4の横側外方に搬送するように構成されている。そして、二番物回収部37にて回収された二番物は、脱穀装置4の横側外方に搬送されたのち、二番物還元装置40(図5参照)により脱穀部24内に還元されて脱穀処理される。
【0042】
揺動選別装置35は、後部下方側に備えたクランク式の揺動駆動部41の作動で前後揺動する平面視で矩形枠状のシーブケース42を備え、そのシーブケース42内に、グレンパン43,44、粗選別用のチャフシーブ45、グレンシーブ46、精選別用のチャフシーブ47等を備えている。
【0043】
唐箕38は、図8及び図9に示すように、横軸芯P3周りで図9において反時計周りに回転する回転軸48と、回転軸48の外周部に一体回転可能に支持された一対の円板状の支持部材49と、一対の支持部材49に連結された複数の回転羽根50と、を備えている。脱穀装置4の左右の側壁4Aにおける唐箕38が備えられる箇所には、空気取り込み用の開口51が形成されている。唐箕38の回転に伴って、開口51を通して外気が取り入れられ、回転羽根50により生起された風が選別部25に供給される。
【0044】
開口51における通気用面積を変更して唐箕38による風量を調節する風量調節機構52が備えられている。風量調節機構52は、横軸芯P4周りで上下揺動可能に支持され、上下揺動に伴って開口51を横側方から覆い通気用面積を変化させる上下2枚の板体53と、上下の板体53を一体的に上下揺動操作可能な駆動機構54と、を備えている。
【0045】
上下の板体53は、それらの上下中間部の前部側に位置する横軸芯P4周りで上下揺動可能に支持されている。駆動機構54は、脱穀装置4の前側壁4Bの外側において横方向中間部に設けられ、上下の板体53に連動連結されたリンク機構55と、リンク機構55を操作する電動モータ56とを備えている。
【0046】
左右両側の板体53にわたって延びるとともに、リンク機構55の揺動操作に伴って横軸芯P5周りで揺動する操作アーム57と、操作アーム57の揺動に伴って、左右両側において上下の板体53を一体的に揺動する一対の連動リンク58が備えられている。上下の連動リンク58は、一端部が上下の各板体53に枢支連結され、他端部が共に操作アーム57に枢支連結されている。
【0047】
電動モータ56の駆動により、リンク機構55を連動操作して、操作アーム57が前方側に揺動すると、上下の連動リンク58が連動して前方に引き操作され、上下の板体53が互いに離れる方向に揺動する。その結果、開口面積が大となる、一方、操作アーム57が後方側に揺動すると、上下の板体53が互いに近づく方向に揺動して開口面積が小になる。このようにして開口面積を変更調節することができる。
【0048】
〔排ワラ細断装置〕
次に、排ワラ細断装置8について説明する。
排ワラ細断装置8は、脱穀装置4の後方に設けられて、脱穀装置4から排出される脱穀処理後の排ワラを細断する。
【0049】
図4図12図15に示すように、排ワラ細断装置8は、脱穀装置4の後端下部に連結した排ワラカバー59(ケーシングの一例)によって覆われている。排ワラカバー59によって覆われた内部空間に、脱穀装置4の扱処理空間34の後端部から排出された排ワラを後下方に向けて流下案内する案内板60と、案内板60から上方に突出する状態で設けられた複数の固定刃61と、案内板60の上方に位置して横向き軸芯P6周りで図15において反時計周りで回転して固定刃61との協働により排ワラを切断する複数の回転刃62と、が備えられている。排ワラカバー59は、切断用空間の上側及び後側を覆う上面部63と切断用空間の左右両側部を覆う左右一対の側壁部64とを備えて、箱形状に形成されている。
【0050】
案内板60は、扱処理空間34側の端部が回転刃62の軸芯P6の高さよりも高い位置にまで延ばされている。扱処理空間34の後端部から案内板60の扱処理空間34側の端部に向けて排ワラを案内する中継板65が位置固定状態で備えられている。中継板65と案内板60とが隙間なく連なる状態で設けられている。
【0051】
回転刃62は、横方向に延びる円筒状の回転体66の外周部に、横方向並びに周方向に間隔をあけて並び、且つ、放射状に突出する状態で設けられている。回転刃62は、回転体66の外周部に固定された取付部67にボルト連結されている。
【0052】
固定刃61は、横方向に間隔をあけて並ぶ状態で複数設けられ、案内板60の下方側に位置するフレーム部材68により支持されている。固定刃61は、案内板60に形成されたスリット69(図14参照)を通して上方に突出する状態で設けられている。固定刃61は、案内板60からの上方突出量を変更可能なように上下位置調節可能に支持されている。
【0053】
図13に示すように、フレーム部材68の左右両側部が脱穀装置4の側壁4Aに横向き支軸70の軸芯P7周りで揺動可能に支持されている。側壁4Aの横外方側に操作レバー71が備えられ、操作レバー71の基端部は横向き支軸70の軸芯周りで揺動可能に支持されている。操作レバー71の長手方向の途中部が、側壁4Aを挿通する状態で設けられた連結ボルト72によりフレーム部材68の左右両側部に連結されている。
【0054】
図12に示すように、連結ボルト72には横方向に長い棒状部材からなる締付け固定具73がねじ込み装着されている。連結ボルト72が挿通する挿通孔74は円弧状の長孔に形成されている。締付け固定具73を緩めて、操作レバー71を揺動操作すると、連結ボルト72が挿通孔74(長孔)に沿って移動してフレーム部材68を一体的に揺動させることができる。
【0055】
操作レバー71の握り部は操作し易いように側壁から離間するように横側外方に偏倚した状態となっている。締付け固定具73の他端側には手動操作用のハンドル75が備えられている。操作レバー71が邪魔にならないようにハンドル75が横外方に位置するように設けられている。
【0056】
操作レバー71を揺動操作させると、フレーム部材68が複数の固定刃61と共に、横向き支軸70の軸芯周りで上下揺動する。フレーム部材68を最も下方側に揺動させると、図16に示すように、案内板60よりも下方に引退して排ワラに対して切断作用しない状態となる。
【0057】
案内板60は、回転刃62に接近する状態(以下、通常使用状態という)と回転刃62から離間する状態(以下、非使用状態という)とにわたって接近離間方向に移動することにより、排ワラが流下案内される案内経路における回転刃62の外端回転軌跡Qとの間での間隔を変更可能に構成されている。具体的には、案内板60は、上部に設けられた横向き軸芯P8周りで揺動することにより、接近離間方向に移動するように構成されている。
【0058】
図14に示すように、案内板60は、左右方向両側部に連結用のブラケット76が備えられている。ブラケット76は、上部、中間部、及び、下部のそれぞれに備えられている。そのうち、上部に位置するブラケット76に対して、排ワラカバー59の横外側に位置する支点ピン77がブラケット76の挿通孔78に差し込み装着され、案内板60は、支点ピン77の軸芯P8周りで揺動可能に支持される。
【0059】
中間部に位置するブラケット76には、通常使用状態において、排ワラカバー59の横外側に位置する締付け固定具79が装着される。ブラケット76が締付け固定具79の締付により締結固定される。下部のブラケット76には、排ワラカバー59の横外側に位置する手動操作具としてのノブ付きボルト80が挿通孔78を挿通する状態で装着される。
【0060】
排ワラカバー59の横外側におけるノブ付きボルト80の近傍には、通常使用状態において、ノブ付きボルト80を受止め支持する受止め具81が備えられている。受止め具81は、ノブ付きボルト80を受止め係止する係止溝82が形成され、係止溝82とは異なる位置においてボルト83により締付固定されている。ボルト83は排ワラカバー59を挿通しており、受止め具81は、ボルト83を緩めると、ボルト83の軸芯周りで揺動可能である。
【0061】
案内板60が通常使用状態にあるときは、受止め具81によってノブ付きボルト80を受け止めた状態で受止め具81を固定する。又、ノブ付きボルト80を締め付けて固定し、中間部に位置するブラケット76に締付け固定具79が装着されて締付け固定する。受止め具81が手動操作具に対応する。
【0062】
案内板60を非使用状態に切り換えるときは、先ず、案内板60が下方に揺動可能なように、フレーム部材68を下方側に揺動させて退避しておく。その後、締付け固定具79を緩めて取り外し、ノブ付きボルト80を緩めるとともに、ボルト83を緩めて受止め具81に対するノブ付きボルト80の係止を解除する。そうすると、図16に示すように、案内板60が自重で下方に揺動して、回転刃62から離間する状態、すなわち、非使用状態に切り換わる。この状態で、ノブ付きボルトを締めると、位置固定することができる。
【0063】
図16に示すように、固定刃61は、最下降位置に位置調節された状態において、案内板60が最も下方側に姿勢変更しても案内板60から上方に突出することがない。従って、案内板60が接近離間方向での移動ストロークの全範囲のいずれの位置であっても、固定刃61は排ワラに対して切断作用しない状態となる。但し、固定刃61が上下中間位置に位置調節された状態であれば、通常使用状態において案内板60を接近離間方向に沿って位置変更調節することで、例えば、作物の性状や搬送量の違い等に応じて、案内板60と回転刃62の外端回転軌跡Qとの間での間隔を変更調節することが可能である。
【0064】
〔動力伝達構造について〕
次に、動力伝達構造について説明する。
図5に示すように、エンジン9の出力軸9aの動力がベルト伝達機構85を介して走行ミッション86に入力され、走行ミッション86から左右のクローラ走行装置2に出力される。
【0065】
エンジン9の出力軸9aの動力がベルト伝達機構87を介して穀粒タンク5の底スクリュー17に伝達され、底スクリュー17から穀粒排出装置6に伝達される。
【0066】
エンジン9の出力軸9aの動力がベルト伝達機構88を介してカウンター軸89に伝達されている。カウンター軸89は、選別部25における唐箕38の回転支軸を兼ねており、脱穀装置4の内部を貫通する状態で設けられ、且つ、左右方向一方側箇所としての右側箇所にエンジン9からの動力が伝達されるとともに左右方向他方側箇所としての左側箇所から動力を出力する。
【0067】
カウンター軸89から出力される動力を、脱穀装置4の一番物回収部36、二番物回収部37、及び、揺動選別装置35、に伝達する作業部用ベルト伝動機構90が備えられている。又、カウンター軸89から出力される動力を刈取部10に伝達する刈取部用伝動機構91が備えられている。従って、カウンター軸89から出力される動力は、作業部用ベルト伝動機構90と刈取部用伝動機構91とに分岐伝達されるように構成されている。
【0068】
刈取部用伝動機構91は、ベルト伝動機構92を介して刈取搬送部3に動力を伝達する。又、ギア式変速機構93、及び、第二刈取部用ベルト伝動機構94を介して、扱胴26にも伝達される。
【0069】
作業部用ベルト伝動機構90に、カウンター軸89から出力される動力を変速して一番物回収部36、二番物回収部37、及び、揺動選別装置35に伝達可能な作業部用変速機構95が備えられている。
【0070】
カウンター軸89から出力される動力を作業部用変速機構95に伝達する入力側伝動機構96と、作業部用変速機構95から変速後の動力を選別部に伝達する出力側伝動機構97と、が備えられている。入力側伝動機構96及び出力側伝動機構97は、作業部用変速機構95よりも脱穀装置4側に位置する状態で備えられている。
【0071】
入力側伝動機構96は、カウンター軸89に備えられたプーリ98と、駆動軸99に備えられたプーリ100と、それぞれのプーリに亘って巻回された入力側伝動ベルト101とを備えている。
【0072】
出力側伝動機構97は、作業部用変速機構95から変速後の動力を一番物回収部36及び二番物回収部37に伝達する第一出力側伝動機構102と、第一出力側伝動機構102からの動力を揺動駆動部41に伝達する第二出力側伝動機構103とを備えている。
【0073】
第一出力側伝動機構102は、従動軸104に備えられたプーリ105と、一番物回収スクリュー36Aの回転軸に備えられたプーリ106と、中継軸107に備えられたプーリ108と、二番物回収スクリュー37Aの回転軸に備えられたプーリ109と、それぞれのプーリに亘って巻回された出力側伝動ベルト110とを備えている。
【0074】
一番物回収部36に伝達された動力は揚穀装置39に伝達される。二番物回収部37に伝達された動力は二番物還元装置40に伝達される。第二出力側伝動機構103については後述する。
【0075】
〔作業部用変速機構〕
作業部用変速機構95について説明する。
図5、10、11に示すように、作業部用変速機構95は、側面視において、カウンター軸89及び選別部25よりも上方に位置する状態で、カウンター軸89から選別部25に亘って跨る状態で備えられている。
【0076】
作業部用変速機構95に、カウンター軸89から出力される動力が伝達される駆動軸99と、変速後の動力を選別部に出力する従動軸104と、駆動軸99に備えられた巻回径の異なる2個の駆動プーリ111、112と、従動軸104に備えられた巻回径の異なる2個の従動プーリ113、114と、駆動プーリ111、112と従動プーリ113、114とに亘って巻回される変速用伝動ベルト115と、が備えられている。作業部用変速機構95は、変速用伝動ベルト115を掛け替えることにより、カウンター軸89から出力される動力を変速するよう構成されている。
【0077】
すなわち、作業部用変速機構95は、変速用伝動ベルト115が大径の駆動プーリ111(いずれかの駆動プーリの一例)と小径の従動プーリ113(いずれかの従動プーリの一例)とに亘って巻回される第一伝動状態(図10参照)と、変速用伝動ベルト115が小径の駆動プーリ112(他方の駆動プーリの一例)と大径の従動プーリ114(他方の従動プーリの一例)とに亘って巻回される第二伝動状態(図11参照)と、に切り換え可能である。
【0078】
作業部用変速機構95は、第一伝動状態及び第二伝動状態のそれぞれにおいて、変速用伝動ベルト115の周長が同じになるように、駆動プーリ111,112及び従動プーリ113,114の巻回径が設定されている。その結果、図10に示す第一伝動状態と、図11に示す第二伝動状態とで、変速用伝動ベルト115の張り具合が略同じ状態となり、テンション輪体116の位置が略同じであり、ベルトテンション機構117として同じ構成のものを兼用することができる。
【0079】
〔第二出力側伝動機構〕
第二出力側伝動機構103に、駆動側回転軸としての中継軸107に備えられ且つ一連に連なる状態で設けられた巻回径の異なる2段のプーリ部118a,118bを有する駆動プーリ118と、従動側回転軸としての揺動操作軸119に備えられた従動プーリ120と、駆動プーリ118と従動プーリ120とに亘って巻回される第二出力伝動ベルト121と、が備えられている。そして、駆動プーリ118の姿勢を反転させることにより、駆動プーリ118のうちいずれかのプーリ部118aに第二出力伝動ベルト121が巻回される状態と、他のプーリ部118bに第二出力伝動ベルト121が巻回される状態とに切り換えて、動力を変速可能に構成されている。
【0080】
駆動プーリ118は、大径のプーリ部118aと小径のプーリ部118bとの間に第一出力側伝動機構102における中継用のプーリ108が備えられている。大径のプーリ部118aと、小径のプーリ部118bと、中継用のプーリ108とが一体的に形成されている。
【0081】
そして、駆動プーリ118の姿勢を左右反転させることにより、駆動プーリ118のうち小径のプーリ部118aに第二出力伝動ベルト121が巻回される低速状態(図10参照)と、大径のプーリ部118aに第二出力伝動ベルト121が巻回される高速状態(図11参照)とに切り換えて、動力を変速することができる。
【0082】
〔排ワラ用ベルト伝動機構〕
カウンター軸89から排ワラ細断装置8に動力を伝達する排ワラ用ベルト伝動機構125が備えられている。排ワラ用ベルト伝動機構125に、カウンター軸89に備えられた駆動プーリ126と、脱穀装置4の後部の横側に設けられた中継軸127と、中継軸127に備えられた中継プーリ128と、駆動プーリ126と中継プーリ128とに亘って巻回された伝動ベルト129と、中継軸127に伝達された動力を変速して排ワラ細断装置8に伝達する排ワラ用変速機構130と、が備えられている。
【0083】
排ワラ用変速機構130に、駆動軸としての中継軸127に備えられた巻回径の異なる2個の駆動プーリ131、132と、従動軸としての排ワラ細断装置8の回転軸8aに備えられた巻回径の異なる2個の従動プーリ133、134と、駆動プーリ131、132と従動プーリ133、134とに亘って巻回される変速用伝動ベルト135と、が備えられている。排ワラ用変速機構130は、変速用伝動ベルト135を掛け替えることにより、カウンター軸89から伝達される動力を変速するよう構成されている。
【0084】
すなわち、排ワラ用変速機構130は、作業部用変速機構95と同様に、変速用伝動ベルト135が大径の駆動プーリ131(いずれかの駆動プーリの一例)と小径の従動プーリ133(いずれかの従動プーリの一例)とに亘って巻回される第一伝動状態(図12、13、15参照)と、変速用伝動ベルト135が小径の駆動プーリ132(他方の駆動プーリの一例)と大径の従動プーリ134(他方の従動プーリの一例)とに亘って巻回される第二伝動状態(図16参照)とに、変速用伝動ベルト135を掛け替えることにより、カウンター軸89から出力される動力を変速することができる。
【0085】
案内板60が回転刃62に接近する通常使用状態においては、回転刃62が高速で回転する第一伝動状態に切り換えて使用される。一方、案内板60が回転刃62から離間する非使用状態においては、細断処理を行わないので、回転刃62が低速で回転する第二伝動状態に切り換える。
【0086】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0087】
案内板60が、平行移動することによって、排ワラが流下案内される案内経路における回転刃62の外端回転軌跡Qとの間での間隔を変更可能に構成されるものでもよい。
【0088】
案内板60を回転刃62に接近する状態と離間する状態とに切り換えるための手動操作具(受止め具)81が排ワラカバー59の内部に備えられるものでもよい。
【0089】
固定刃61が案内板60からの上方突出量が一定に維持される構成としてもよい。
【0090】
案内板60は扱処理空間側の端部が回転刃62の回転軸芯の高さよりも低い位置に設けられるものでもよい。
【0091】
中継板65と案内板60との間に間隔をあける構成でもよく、中継板65が設けられていない構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、普通型コンバインの他、自脱型コンバインにも適用できる。
【符号の説明】
【0093】
4 脱穀装置
8 排ワラ細断装置
26 扱胴
33 受網
34 扱処理空間
59 排ワラケース(ケーシング)
60 案内板
61 固定刃
62 回転刃
65 中継板
81 受止め具(手動操作具)
P6 横向き軸芯
P8 横向き軸芯
Q 外端回転軌跡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18