(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050156
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】マスクの製造方法、マスク、蒸着層の形成方法及び有機半導体素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/04 20060101AFI20240403BHJP
C23C 14/12 20060101ALI20240403BHJP
C23C 14/14 20060101ALI20240403BHJP
C23C 14/24 20060101ALI20240403BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20240403BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240403BHJP
【FI】
C23C14/04 A
C23C14/12
C23C14/14 G
C23C14/24 G
H05B33/10
H05B33/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156828
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】川崎 博司
(72)【発明者】
【氏名】小幡 勝也
(72)【発明者】
【氏名】相田 和彦
【テーマコード(参考)】
3K107
4K029
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC35
3K107CC45
3K107FF15
3K107GG04
3K107GG33
3K107GG54
4K029BA01
4K029BA62
4K029BB03
4K029CA01
4K029DB02
4K029DB06
4K029HA01
4K029HA02
4K029HA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】貫通孔の位置精度を向上させたマスクの製造方法を提供する。
【解決手段】マスクの製造方法は、複数の透光穴44を含むレーザ遮光層40と、レーザ遮光層40を覆う樹脂層30と、を含む積層体25を準備する積層体準備工程と、レーザ遮光層40に向けて積層体25にレーザ光Lを入射させることによって、樹脂層30に、レーザ遮光層40の複数の透光穴44に対応する複数の第1開口34を形成するレーザ加工工程と、を備える。
【選択図】
図16A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料又はセラミック材料で形成されたレーザ遮光層であって、第1面、前記第1面の反対側の面である第2面、及び、前記第1面から前記第2面に至る複数の透光穴を含むレーザ遮光層と、前記レーザ遮光層の前記第2面を覆う樹脂層と、を含む積層体を準備する積層体準備工程と、
前記レーザ遮光層の前記第1面に向けて前記積層体にレーザ光を入射させることによって、前記樹脂層に、前記レーザ遮光層の前記複数の透光穴に対応する複数の第1開口を形成するレーザ加工工程と、
を備える、マスクの製造方法。
【請求項2】
前記レーザ遮光層は、前記複数の透光穴を含む少なくとも1つの遮蔽部と、平面視において前記遮蔽部を囲む周囲部と、を含み、
前記マスクの製造方法は、前記レーザ遮光層の前記遮蔽部を除去する遮蔽部除去工程を備える、請求項1に記載のマスクの製造方法。
【請求項3】
前記樹脂層は、前記レーザ遮光層の前記第2面に対向する第3面と、前記第3面の反対側の面である第4面と、を含み、
前記マスクの製造方法は、前記樹脂層の前記第4面を覆う保護層を形成する保護層形成工程と、
前記保護層を除去する保護層除去工程と、
を備える、請求項1に記載のマスクの製造方法。
【請求項4】
前記レーザ遮光層の前記第1面に対向する第5面、及び前記第5面の反対側の面である第6面を有し、前記積層体を支持する支持層を準備する支持層準備工程と、
平面視において前記レーザ遮光層の前記複数の透光穴に重なる少なくとも1つの第2開口を前記支持層に形成する支持フレーム形成工程と、
を備える、請求項1に記載のマスクの製造方法。
【請求項5】
積層体準備工程は、
前記支持層上に前記レーザ遮光層を形成する工程と、
前記レーザ遮光層の前記第2面上に部分的に第1レジスト層を形成する工程と、
前記第1レジスト層の側から前記レーザ遮光層をエッチングすることによって前記レーザ遮光層に前記複数の透光穴を形成する工程と、
前記第1レジスト層を除去する工程と、
を含む、請求項4に記載のマスクの製造方法。
【請求項6】
前記支持層は、前記第6面を形成する第1層と、前記第1層と前記レーザ遮光層との間に位置する第2層と、を含み、
前記支持フレーム形成工程は、
前記支持層の前記第6面上に部分的に第2レジスト層を形成する工程と、
前記第2レジスト層の側から前記第1層をエッチングすることによって、前記第1層を部分的に除去する工程と、
を含む、請求項4に記載のマスクの製造方法。
【請求項7】
前記支持フレーム形成工程は、前記第1層を部分的に除去する工程の後に、前記第2層を部分的に除去する工程を含む、請求項6に記載のマスクの製造方法。
【請求項8】
前記支持層は、無機物を含む、請求項4に記載のマスクの製造方法。
【請求項9】
前記支持層は、金属材料を含む、請求項4に記載のマスクの製造方法。
【請求項10】
前記第1層は、非金属の無機物を含む、請求項6に記載のマスクの製造方法。
【請求項11】
前記第1層は、非金属の無機物を含み、
前記第2層は、金属材料を含む、請求項6に記載のマスクの製造方法。
【請求項12】
前記レーザ遮光層は、窒化チタン、ニッケル又は銅を含む、請求項1に記載のマスクの製造方法。
【請求項13】
前記レーザ遮光層は、真空成膜法またはめっき法により形成される、請求項1に記載のマスクの製造方法。
【請求項14】
第3面、及び前記第3面の反対側の面である第4面を含む樹脂層であって、前記第3面から前記第4面に至る複数の第1開口を含む少なくとも1つの樹脂マスク部と、平面視において前記樹脂マスク部を囲む樹脂周囲部と、を含む樹脂層と、
金属材料又はセラミック材料で形成されたレーザ遮光層であって、前記樹脂層の前記第3面に対向する第2面、及び前記第2面の反対側の面である第1面を含み、平面視において前記樹脂層の前記樹脂周囲部に重なる少なくとも1つの周囲部を含むレーザ遮光層と、
前記レーザ遮光層の前記第1面に対向する第5面、前記第5面の反対側の面である第6面、及び、前記第6面から前記第5面に至り、平面視において前記樹脂層の前記樹脂マスク部に重なる少なくとも1つの第2開口を含む支持フレームと、
を備え、
前記支持フレームは無機物を含む、マスク。
【請求項15】
前記支持フレームは、金属材料を含む、請求項14に記載のマスク。
【請求項16】
前記支持フレームは、前記第6面を形成する第1層と、前記第1層と前記レーザ遮光層との間に位置する第2層と、を含み、
前記第1層は非金属の無機物を含む、請求項14に記載のマスク。
【請求項17】
前記第2層は、金属材料を含む、請求項16に記載のマスク。
【請求項18】
前記レーザ遮光層は、窒化チタン、ニッケル又は銅を含む、請求項14に記載のマスク。
【請求項19】
前記樹脂層の各第1開口は、前記樹脂層の前記第3面から前記第4面に向かってテーパ状であり、
前記支持フレームの各第2開口は、前記支持フレームの前記第5面及び前記第6面の間で膨大する、請求項14に記載のマスク。
【請求項20】
前記レーザ遮光層は、平面視において前記支持フレームの前記第2開口に重なる遮蔽部を含み、
前記遮蔽部は、平面視において各々が前記樹脂層の前記複数の第1開口に重なる複数の透光穴を含む、請求項14に記載のマスク。
【請求項21】
請求項14に記載のマスクを用いて基板に複数の蒸着層を形成する工程を備えた、蒸着層の形成方法。
【請求項22】
請求項14に記載のマスクを用いて基板に複数の蒸着層を形成する工程を備えた、有機半導体素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、マスクの製造方法、マスク、蒸着層の形成方法及び有機半導体素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、ポリイミド等の樹脂で作製された樹脂フィルムに貫通孔を形成した蒸着マスクが知られている。蒸着マスクは、例えば有機EL表示装置を製造する際に、有機EL素子を構成する有機層や電極を基板上に形成するために用いられる。蒸着マスクの貫通孔の形成は、樹脂フィルムにレーザ加工用マスクを重ね、樹脂フィルムにレーザ加工用マスクを通じてレーザ光を照射することにより行う。蒸着マスクの広い範囲に亘って貫通孔を形成する場合、一回のレーザ光の照射で樹脂フィルムの全面にレーザ光を照射するためには、レーザ光の照射範囲を広げる必要があり、レーザ光のエネルギー密度が下がってしまう。このため、蒸着マスクの広い範囲に亘って貫通孔を形成する場合は、レーザ光の照射範囲を小さく維持したまま、樹脂フィルムにおけるレーザ光の照射位置を移動させながら、樹脂フィルムへのレーザ光の照射を複数回行う。樹脂フィルムにおけるレーザ光の照射位置の移動は、樹脂フィルムをステージに載せ、ステージ又はレーザ装置の照射ヘッドを移動させることにより行う。このとき、照射位置の移動に応じて、樹脂フィルムに対するレーザ加工用マスクの位置も移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高精細な、例えば画素数が3000ppi以上の表示装置を作製するための蒸着マスクを作製する場合、樹脂フィルムに対するレーザ加工用マスクの位置を、ナノメートルのオーダーで精度良く調整する必要がある。上述したように樹脂フィルムに対するレーザ加工用マスクの位置を移動させたり、樹脂フィルムにおけるレーザ光の照射位置を移動させると、レーザ加工用マスクを樹脂フィルムに対して精度良くアライメントした状態でレーザ光を照射することが困難になる。この結果、蒸着マスクの貫通孔の位置精度が低下する虞がある。このことは、蒸着マスクを用いて基板上に形成された有機層や電極の位置精度の低下に繋がる。
【0005】
このため、マスクの貫通孔の位置精度を向上させることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態によるマスクの製造方法は、金属材料又はセラミック材料で形成されたレーザ遮光層であって、第1面、前記第1面の反対側の面である第2面、及び、前記第1面から前記第2面に至る複数の透光穴を含むレーザ遮光層と、前記レーザ遮光層の前記第2面を覆う樹脂層と、を含む積層体を準備する積層体準備工程と、前記レーザ遮光層の前記第1面に向けて前記積層体にレーザ光を入射させることによって、前記樹脂層に、前記レーザ遮光層の前記複数の透光穴に対応する複数の第1開口を形成するレーザ加工工程と、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、マスクの貫通孔の位置精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態による有機デバイスの一例を示す断面図である。
【
図2】マスクを備えた蒸着装置の一例を示す図である。
【
図3】マスクの一例を示す平面図であって、マスクの一方の面を示す図である。
【
図4】
図3に示すマスクの他方の面を示す平面図である。
【
図5】
図3に示すマスクのV-V線に沿った断面を示す図である。
【
図6】
図5に示すマスクの一部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【
図7】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図8】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図9】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図10】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図11】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図12】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図13】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図14】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図15】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図16A】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図16B】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図16C】マスクの製造方法を説明するための図である。
【
図17】
図3に対応する図であって、マスクの変形例を示す図である。
【
図18】
図17に示すマスクのXVIII―XVIII線に沿った断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「基板」、「シート」、「フィルム」などの、ある構成の基礎となる物質を意味する用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
【0010】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待してもよい程度の範囲を含めて解釈する。
【0011】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。さらに、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。また、特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
【0012】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0013】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、本明細書の一実施形態は、矛盾の生じない範囲で、その他の実施形態と組み合わせられ得る。また、その他の実施形態同士も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられ得る。
【0014】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、製造方法などの方法に関して2つ以上のステップ又はプロセスを開示する場合に、開示されているステップ又はプロセスの間に、開示されていないその他のステップ又はプロセスが実施されてもよい。また、開示されているステップ又はプロセスの順序は、矛盾の生じない範囲で任意である。
【0015】
本明細書の一実施形態においては、マスクが、有機EL表示装置を製造する際に有機層又は電極を基板上に形成するために用いられる例について説明する。ただし、マスクの用途が特に限定されることはなく、種々の用途に用いられるマスクに対し、本実施形態を適用することができる。例えば、仮想現実いわゆるVRや拡張現実いわゆるARを表現するための画像や映像を表示又は投影するための装置の電極を形成するために、本実施形態のマスクを用いてもよい。また、液晶表示装置の電極などの、有機EL表示装置以外の表示装置の電極を形成するために、本実施形態のマスクを用いてもよい。また、圧力センサの電極などの、表示装置以外の有機デバイスの電極を形成するために、本実施形態のマスクを用いてもよい。
【0016】
本開示の第1の態様は、マスクの製造方法であって、
金属材料又はセラミック材料で形成されたレーザ遮光層であって、第1面、前記第1面の反対側の面である第2面、及び、前記第1面から前記第2面に至る複数の透光穴を含むレーザ遮光層と、前記レーザ遮光層の前記第2面を覆う樹脂層と、を含む積層体を準備する積層体準備工程と、
前記レーザ遮光層の前記第1面に向けて前記積層体にレーザ光を入射させることによって、前記樹脂層に、前記レーザ遮光層の前記複数の透光穴に対応する複数の第1開口を形成するレーザ加工工程と、
を備える、マスクの製造方法である。
【0017】
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様によるマスクの製造方法において、前記レーザ遮光層は、前記複数の透光穴を含む少なくとも1つの遮蔽部と、平面視において前記遮蔽部を囲む周囲部と、を含んでいてもよく、前記マスクの製造方法は、前記レーザ遮光層の前記遮蔽部を除去する遮蔽部除去工程を備えていてもよい。
【0018】
本開示の第3の態様は、上述した第1の態様又は第2の態様によるマスクの製造方法において、前記樹脂層は、前記レーザ遮光層の前記第2面に対向する第3面と、前記第3面の反対側の面である第4面と、を含んでいてもよく、前記マスクの製造方法は、前記樹脂層の前記第4面を覆う保護層を形成する保護層形成工程と、前記保護層を除去する保護層除去工程と、を備えていてもよい。
【0019】
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様~第3の態様のいずれか1つによるマスクの製造方法は、前記レーザ遮光層の前記第1面に対向する第5面、及び前記第5面の反対側の面である第6面を有し、前記積層体を支持する支持層を準備する支持層準備工程と、平面視において前記レーザ遮光層の前記複数の透光穴に重なる少なくとも1つの第2開口を前記支持層に形成する支持フレーム形成工程と、を備えていてもよい。
【0020】
本開示の第5の態様は、上述した第4の態様によるマスクの製造方法において、積層体準備工程は、前記支持層上に前記レーザ遮光層を形成する工程と、前記レーザ遮光層の前記第2面上に部分的に第1レジスト層を形成する工程と、前記第1レジスト層の側から前記レーザ遮光層をエッチングすることによって前記レーザ遮光層に前記複数の透光穴を形成する工程と、前記第1レジスト層を除去する工程と、を含んでいてもよい。
【0021】
本開示の第6の態様は、上述した第4の態様又は第5の態様によるマスクの製造方法において、前記支持層は、前記第6面を形成する第1層と、前記第1層と前記レーザ遮光層との間に位置する第2層と、を含んでいてもよく、前記支持フレーム形成工程は、前記支持層の前記第6面上に部分的に第2レジスト層を形成する工程と、前記第2レジスト層の側から前記第1層をエッチングすることによって、前記第1層を部分的に除去する工程と、を含んでいてもよい。
【0022】
本開示の第7の態様は、上述した第6の態様によるマスクの製造方法において、前記支持フレーム形成工程は、前記第1層を部分的に除去する工程の後に、前記第2層を部分的に除去する工程を含んでいてもよい。
【0023】
本開示の第8の態様は、上述した第4の態様~第7の態様のいずれか1つによるマスクの製造方法において、前記支持層は、無機物を含んでいてもよい。
【0024】
本開示の第9の態様は、上述した第4の態様~第8の態様のいずれか1つによるマスクの製造方法において、前記支持層は、金属材料を含んでいてもよい。
【0025】
本開示の第10の態様は、上述した第6の態様~第9の態様のいずれか1つによるマスクの製造方法において、前記第1層は、非金属の無機物を含んでいてもよい。
【0026】
本開示の第11の態様は、上述した第6の態様~第9の態様のいずれか1つによるマスクの製造方法において、前記第1層は、非金属の無機物を含んでいてもよく、前記第2層は、金属材料を含んでいてもよい。
【0027】
本開示の第12の態様は、上述した第1の態様~第11の態様のいずれか1つによるマスクの製造方法において、前記レーザ遮光層は、窒化チタン、ニッケル又は銅を含んでいてもよい。
【0028】
本開示の第13の態様は、上述した第1の態様~第12の態様のいずれか1つによるマスクの製造方法において、前記レーザ遮光層は、真空成膜法またはめっき法により形成されてもよい。
【0029】
本開示の第14の態様は、マスクであって、
第3面、及び前記第3面の反対側の面である第4面を含む樹脂層であって、前記第3面から前記第4面に至る複数の第1開口を含む少なくとも1つの樹脂マスク部と、平面視において前記樹脂マスク部を囲む樹脂周囲部と、を含む樹脂層と、
金属材料又はセラミック材料で形成されたレーザ遮光層であって、前記樹脂層の前記第3面に対向する第2面、及び前記第2面の反対側の面である第1面を含み、平面視において前記樹脂層の前記樹脂周囲部に重なる少なくとも1つの周囲部を含むレーザ遮光層と、
前記レーザ遮光層の前記第1面に対向する第5面、前記第5面の反対側の面である第6面、及び、前記第6面から前記第5面に至り、平面視において前記樹脂層の前記樹脂マスク部に重なる少なくとも1つの第2開口を含む支持フレームと、
を備え、
前記支持フレームは無機物を含む、マスクである。
【0030】
本開示の第15の態様は、上述した第14の態様によるマスクにおいて、前記支持フレームは、金属材料を含んでいてもよい。
【0031】
本開示の第16の態様は、上述した第14の態様又は第15の態様によるマスクにおいて、前記支持フレームは、前記第6面を形成する第1層と、前記第1層と前記レーザ遮光層との間に位置する第2層と、を含んでいてもよく、前記第1層は非金属の無機物を含んでいてもよい。
【0032】
本開示の第17の態様は、上述した第16の態様によるマスクにおいて、前記第2層は、金属材料を含んでいてもよい。
【0033】
本開示の第18の態様は、上述した第14の態様~第17の態様のいずれか1つによるマスクにおいて、前記レーザ遮光層は、窒化チタン、ニッケル又は銅を含んでいてもよい。
【0034】
本開示の第19の態様は、上述した第14の態様~第18の態様のいずれか1つによるマスクにおいて、前記樹脂層の各第1開口は、前記樹脂層の前記第3面から前記第4面に向かってテーパ状であってもよく、前記支持フレームの各第2開口は、前記支持フレームの前記第5面及び前記第6面の間で膨大してもよい。
【0035】
本開示の第20の態様は、上述した第14の態様~第19の態様のいずれか1つによるマスクにおいて、前記レーザ遮光層は、平面視において前記支持フレームの前記第2開口に重なる遮蔽部を含んでいてもよく、前記遮蔽部は、平面視において各々が前記樹脂層の前記複数の第1開口に重なる複数の透光穴を含んでいてもよい。
【0036】
本開示の第21の態様は、蒸着層の形成方法であって、
上述した第14の態様~第20の態様のいずれか1つによるマスクを用いて基板に複数の蒸着層を形成する工程を備えた、蒸着層の形成方法である。
【0037】
本開示の第22の態様は、有機半導体素子の製造方法であって、
上述した第14の態様~第20の態様のいずれか1つによるマスクを用いて基板に複数の蒸着層を形成する工程を備えた、有機半導体素子の製造方法である。
【0038】
本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されるものではない。
【0039】
まず、マスクを用いることにより形成される有機層を備える有機デバイス100について説明する。
図1は、有機デバイス100の一例を示す断面図である。
【0040】
有機デバイス100は、基板と、基板の面内方向に沿って並ぶ複数の素子115と、を含む。素子115は、例えば有機半導体素子である。素子115は、例えば画素に対応する。以下の説明において、基板などの基礎となる要素の面の法線方向に沿って見ることを、平面視とも称する。
【0041】
有機デバイス100は、基板110、複数の第1電極120、複数の有機層130、及び第2電極140を備えてもよい。基板110は、第1面111及び第2面112を含む。第2面112は、第1面111の反対側に位置する。
【0042】
複数の第1電極120は、第1面111上に位置してもよい。複数の有機層130は、第1電極120上に位置してもよい。第2電極140は、有機層130上に位置してもよい。第2電極140は、平面視において複数の第1電極120に重なるように広がっていてもよい。素子115は、第1電極120、有機層130及び第2電極140を含む積層構造体によって構成されている。素子115は、第1電極120と第2電極140との間に電圧が印加されることにより、又は、第1電極120と第2電極140との間に電流が流れることにより、何らかの機能を実現できる。
【0043】
図1に示すように、複数の有機層130は、複数の第1有機層130Aと、複数の第2有機層130Bと、を含んでもよい。図示はしないが、複数の有機層130は、複数の第3有機層を含んでいてもよい。第1有機層130A、第2有機層130B及び第3有機層は、例えば、赤色発光層、青色発光層及び緑色発光層である。第1有機層130A、第2有機層130B及び第3有機層に共通する構成を説明する場合には、「有機層130」という用語及び符号を用いる。
【0044】
図1に示すように、複数の第1電極120は、複数の第1A電極120Aと、複数の第1B電極120Bと、を含んでいてもよい。図示はしないが、複数の第1電極120は、複数の第1C電極を含んでいてもよい。第1A電極120Aは、平面視において第1有機層130Aに重なる。第1B電極120Bは、平面視において第2有機層130Bに重なる。第1C電極は、平面視において第3有機層に重なる。第1A電極120A、第1B電極120B及び第1C電極に共通する構成を説明する場合には、「第1電極120」という用語及び符号を用いる。
【0045】
1つの素子115は、少なくとも1つの第1サブ素子115Aと、少なくとも1つの第2サブ素子115Bと、を含んでもよい。図示はしないが、1つの素子115は、少なくとも1つの第3サブ素子を含んでいてもよい。第1サブ素子115Aは、第1A電極120A、第1有機層130A及び第2電極140を含む。第2サブ素子115Bは、第1B電極120B、第2有機層130B及び第2電極140を含む。第3サブ素子は、第1C電極、第3有機層及び第2電極140を含む。
【0046】
マスクを用いることにより形成される要素は、有機層130であってもよく、第2電極140であってもよい。マスクを用いることにより形成される要素のことを、蒸着層とも称する。
【0047】
有機デバイス100は、平面視において隣り合う2つの第1電極120の間に位置する絶縁層160を備えていてもよい。絶縁層160は、例えばポリイミドを含んでいる。絶縁層160は、平面視において第1電極120の端に重なっていてもよい。
【0048】
次に、有機層130などの蒸着層を蒸着法によって形成する方法について説明する。
図2は、蒸着装置10を示す図である。蒸着装置10は、基板110に蒸着材料を蒸着させる蒸着処理を実施する。
【0049】
図2に示すように、蒸着装置10は、その内部に、蒸着源6、ヒータ8、及びマスク20を備えてもよい。また、蒸着装置10は、蒸着装置10の内部を真空雰囲気にするための排気手段を更に備えていてもよい。蒸着源6は、例えばるつぼであり、有機材料、金属材料などの蒸着材料7を収容する。ヒータ8は、蒸着源6を加熱して、真空雰囲気の下で蒸着材料7を蒸発させる。マスク20は、るつぼ6と対向するよう配置されている。
【0050】
マスク20は、
図2に示すように、基板110の第1面111に対面するよう、蒸着装置10内に配置されている。マスク20は、基板110の第1面111に接していてもよい。マスク20には、その平面視において規則的に並ぶ複数の貫通孔21が形成されている。貫通孔21は、蒸着源6から飛来した蒸着材料7を通過させる。したがって、貫通孔21の形状及びパターンが、基板110の第1面111上に形成される蒸着材料7の層の形状及びパターンに反映される。例えば、マスク20を有機ELディスプレイにおける有機層の形成に用いる場合には、貫通孔21の形状及びパターンが、当該有機層の形状及びパターンに反映される。
【0051】
図2に示すように、蒸着装置10は、基板110の第2面112側に配置されている磁石5を備えていてもよい。マスク20が金属材料を含む場合、磁石5は、磁力によってマスク20を基板110に向けて引き寄せることができる。これにより、マスク20と基板110との間の隙間を低減したり、隙間をなくしたりすることができる。このことにより、蒸着工程においてシャドウが発生することを抑制できる。本願において、シャドウとは、貫通孔21の壁面の近傍に形成される有機層130の厚みが、貫通孔21の中心に形成される有機層130の厚みよりも小さくなる現象である。シャドウは、蒸着材料7がマスク20の壁面に付着すること、蒸着材料7がマスク20と基板110との間の隙間に入り込むこと、などに起因して生じる。
【0052】
次に、マスク20について詳細に説明する。
図3及び
図4は、マスク20の一例を示す平面図である。
図3は、マスク20の、蒸着源6に対向する面を示している。また、
図4は、マスク20の、基板110に対向する面を示している。また、
図5は、
図3及び
図4に示すマスク20のV-V線に沿った断面を示す断面図である。
【0053】
マスク20は、複数の貫通孔21を含む少なくとも1つの貫通孔群23を含む。1つの貫通孔群23は、1つの有機デバイス100に対応する。例えば、1つの有機デバイス100に含まれる複数の第1有機層130Aは、1つの貫通孔群23の複数の貫通孔21を通った蒸着材料によって構成される。
図3乃至
図5に示すマスク20は、複数の有機デバイス100の蒸着層を同時に形成するためのマスクであり、複数の貫通孔群23を含む。
【0054】
図5に示すように、マスク20は、複数の第1開口34が形成された樹脂層30と、樹脂層30を支持する支持フレーム50と、樹脂層30と支持フレーム50との間に位置するレーザ遮光層40と、を備える。以下の説明において、レーザ遮光層40の支持フレーム50に対向する面を第1面41と称し、レーザ遮光層40の樹脂層30に対向する面を第2面42と称する。また、樹脂層30のレーザ遮光層40に対向する面を第3面31と称し、樹脂層30の第3面31とは反対側の面を第4面32と称する。また、支持フレーム50のレーザ遮光層40に対向する面を第5面51と称し、支持フレーム50の第5面51とは反対側の面を第6面52と称する。
【0055】
樹脂層30は、複数の第1開口34が形成された樹脂マスク部36と、樹脂層30の平面視において樹脂マスク部36を囲む樹脂周囲部37と、を含む。図示された例では、樹脂層30は、複数の樹脂マスク部36を含む。各樹脂マスク部36は、樹脂周囲部37によって囲まれている。各樹脂マスク部36は、1つの有機デバイス100に対応する。また、各樹脂マスク部36の第3面31は、マスク20の蒸着源6に対向する面の一部を形成する。また、樹脂層30の第4面32は、マスク20の基板110の第1面111に対向する面を形成する。
【0056】
樹脂マスク部36の各第1開口34は、樹脂層30を貫通している。言い換えると、第1開口34は、第3面31から第4面32に至る。図示された例では、第1開口34によって、マスク20の貫通孔21が形成されている。1つの樹脂マスク部36の複数の第1開口34は、1つの第1開口群35を形成する。図示された例では、樹脂層30の1つの第1開口群35によって、マスク20の1つの貫通孔群23が形成されている。
【0057】
上述したように、貫通孔21の形状及びパターンが、基板110上に形成される蒸着材料7の層の形状及びパターンに反映される。したがって、第1開口34の形状及びパターンは、基板110上に形成される蒸着層の形状及びパターンに対応している。
【0058】
樹脂層30の材料は、特に限定されない。樹脂層30の材料は、従来公知の樹脂材料を適宜選択して用いてもよい。好ましくは、樹脂層30の材料として、レーザ加工によって高精細な第1開口34の形成が可能である材料が用いられる。好ましくは、樹脂層30の材料として、熱や経時での寸法変化率や吸湿率が小さい材料が用いられる。好ましくは、樹脂層30の材料として、軽量な材料が用いられる。このような材料としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン-メタクリル酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セロファン、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。上記に例示した材料のうち、熱膨張係数が16ppm/℃以下である樹脂材料が好ましい。上記に例示した材料のうち、吸湿率が1.0%以下である樹脂材料が好ましい。上記に例示した材料のうち、熱膨張係数及び吸湿率の両方の条件を満たす樹脂材料が特に好ましい。これらの樹脂材料を用いて樹脂層を構成することによって、第1開口の寸法精度を向上でき、かつ熱や経時での寸法変化率や吸湿率を小さくできる。
【0059】
樹脂層30の厚みT30についても特に限定はないが、0.2μm以上5.0μm以下であることが好ましい。樹脂層30の厚みT30をこの範囲内とすることで、ピンホール等の欠陥や変形等が樹脂層30に生じるというリスクを低減でき、かつシャドウの発生を効果的に抑制できる。特に、樹脂層の厚みT30を、0.5μm以上4.0μm以下、より好ましくは0.8μm以上3.5μm以下、更に好ましくは1.0μm以上3.0μm以下とすることで、例えば画素数が3000ppi以上である有機ELディスプレイのための蒸着層を高精細なパターンで形成する際のシャドウの影響を、より効果的に低減できる。したがって、樹脂層30の厚みT30は、例えば、0.2μm以上でもよく、0.5μm以上でもよく、0.8μm以上でもよく、1.0μm以上でもよい。厚みT30は、例えば、3.0μm以下でもよく、3.5μm以下でもよく、4.0μm以下でもよく、5.0μm以下でもよい。厚みT30の範囲は、0.2μm、0.5μm、0.8μm及び1.0μmからなる第1グループ、及び/又は、3.0μm、3.5μm、4.0μm及び5.0μmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みT30の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みT30の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT30の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT30は、例えば、0.2μm以上5.0μm以下でもよく、0.2μm以上4.0μm以下でもよく、0.2μm以上3.5μm以下でもよく、0.2μm以上3.0μm以下でもよく、0.2μm以上1.0μm以下でもよく、0.2μm以上0.8μm以下でもよく、0.2μm以上0.5μm以下でもよく、0.5μm以上5.0μm以下でもよく、0.5μm以上4.0μm以下でもよく、0.5μm以上3.5μm以下でもよく、0.5μm以上3.0μm以下でもよく、0.5μm以上1.0μm以下でもよく、0.5μm以上0.8μm以下でもよく、0.8μm以上5.0μm以下でもよく、0.8μm以上4.0μm以下でもよく、0.8μm以上3.5μm以下でもよく、0.8μm以上3.0μm以下でもよく、0.8μm以上1.0μm以下でもよく、1.0μm以上5.0μm以下でもよく、1.0μm以上4.0μm以下でもよく、1.0μm以上3.5μm以下でもよく、1.0μm以上3.0μm以下でもよく、3.0μm以上5.0μm以下でもよく、3.0μm以上4.0μm以下でもよく、3.0μm以上3.5μm以下でもよく、3.5μm以上5.0μm以下でもよく、3.5μm以上4.0μm以下でもよく、4.0μm以上5.0μm以下でもよい。
【0060】
図5から理解されるように、樹脂マスク部36の各第1開口34は、第3面31から第4面32に向かってテーパ状である。言い換えると、各第1開口34の第3面31及び第4面32に沿った寸法は、第3面31から第4面32に向かって次第に小さくなる。これにより、第1開口34の壁面の近傍においてシャドウが生じることを抑制できる。テーパ状の第1開口34は、後述するように、樹脂層30にレーザ光を入射させることによって形成され得る。なお、各第1開口32の第4面32における寸法は、当該第1開口32に対応する蒸着層の寸法に対応している。図示された例では、各第1開口32の第3面31における寸法は、当該第1開口32に対応する蒸着層の寸法よりも大きい。
【0061】
図6は、
図5に示す樹脂マスク部36の一部を拡大して示す図である。
図6において、符号θは、第4面32と第1開口34の壁面とが成す角度を表す。角度θは、例えば、50°以上でもよく、55°以上でもよく、60°以上でもよく、65°以上でもよい。角度θは、90°未満であり、例えば、75°以下でもよく、80°以下でもよく、85°以下でもよい。角度θの範囲は、50°、55°、60°及び65°からなる第1グループ、及び/又は、75°、80°、85°及び90°からなる第2グループによって定められてもよい。角度θの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。角度θの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。角度θの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。角度θは、例えば、50°以上90°未満でもよく、50°以上85°以下でもよく、50°以上80°以下でもよく、50°以上75°以下でもよく、50°以上65°以下でもよく、50°以上60°以下でもよく、50°以上55°以下でもよく、55°以上90°未満でもよく、55°以上85°以下でもよく、55°以上80°以下でもよく、55°以上75°以下でもよく、55°以上65°以下でもよく、55°以上60°以下でもよく、60°以上90°未満でもよく、60°以上85°以下でもよく、60°以上80°以下でもよく、60°以上75°以下でもよく、60°以上65°以下でもよく、65°以上90°未満でもよく、65°以上85°以下でもよく、65°以上80°以下でもよく、65°以上75°以下でもよく、75°以上90°未満でもよく、75°以上85°以下でもよく、75°以上80°以下でもよく、80°以上90°未満でもよく、80°以上85°以下でもよく、85°以上90°未満でもよい。
【0062】
図5に示すように、レーザ遮光層40は、樹脂層30の第3面31に設けられている。レーザ遮光層40の第2面42は、樹脂層30の第3面31に対向している。レーザ遮光層40は、樹脂層30の樹脂周囲部37の第3面31の少なくとも一部を覆っている。図示された例では、レーザ遮光層40は、樹脂層30の樹脂周囲部37の第3面31の全てを覆っている。また、図示された例では、レーザ遮光層40は、その平面視において、樹脂層30の樹脂マスク部36に重なる少なくとも1つの第3開口48を有する。第3開口48は、レーザ遮光層40を貫通している。言い換えると、レーザ遮光層40は第1面41から第2面42に至る。図示された例では、レーザ遮光層40は、その平面視において、樹脂層30の複数の樹脂マスク部36に重なる複数の第3開口48を有する。レーザ遮光層40から樹脂層30に向かう方向に見て、レーザ遮光層40は、複数の樹脂マスク部36をそれぞれ囲んでいる。
【0063】
以下では、レーザ遮光層40のうち、レーザ遮光層40の平面視において樹脂層30の樹脂周囲部37に重なる部分を、周囲部47とも称する。レーザ遮光層40は、少なくとも1つの周囲部47を含む。
図3乃至
図5に示す例では、レーザ遮光層40は、周囲部47から成る。
【0064】
レーザ遮光層40は、レーザ光を遮蔽可能な材料で形成される。レーザ遮光層40は、例えば、金属材料、セラミックス又はその他の無機化合物からなる。レーザ遮光層40は、例えば、窒化チタンを含むセラミック材料や、ニッケル又は銅を含む金属材料で形成される。ニッケルを含む金属材料の具体例は、34質量%以上且つ38質量%以下のニッケルを含むインバー材、30質量%以上且つ34質量%以下のニッケルに加えてさらにコバルトを含むスーパーインバー材などである。
レーザ遮光層40に含まれる無機元素は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ゲルマニウム(Ge)、イリジウム(Ir)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、アンチモン(Sb)、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)などである。無機層40は、これらの無機元素の化合物又は合金を含んでもよい。無機層40は、これらの無機元素を2種以上含んでもよい。無機層40は、これらの無機元素の化合物又は合金を2種以上含んでもよい。2種以上の無機元素、2種以上の化合物又は合金は、混合された状態で無機層40に含まれてもよく、積層された状態で無機層40に含まれてもよい。
無機元素の化合物又は合金は、アルミ・ネオジム合金(Al-Nd)、酸化アルミニウム(Al2O3)、アルミニウム銅合金(Al-Cu)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミニウム・シリコン化合物(AlSi)、アルミニウム・シリコン合金(Al-Si)、アルミニウム・シリコン・銅合金(Al-Si-Cu)、窒化ホウ素(BN)、酸化セリウム(CeO2)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、マグネシウム(Mg)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化モリブデン(MoO3)、硫化モリブデン(MoS)、ニッケル・クロム合金(Ni-Cr)、ニッケル・鉄化合物(NiFe)、多結晶シリコン(Poly-Si)、白金(Pt)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、窒化ケイ素(Si3N4)、炭化ケイ素(SiC)、シリコン・ゲルマニウム合金(Si-Ge)、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸窒化ケイ素(SiON)、五酸化タンタル(Ta2O5)、窒化タンタル(TaN)、炭化チタン(TiC)、チタン・ニッケル合金又はチタン・ニッケル化合物(Ti-Ni)、二酸化チタン(TiO2)、チタン・タングステン合金又はチタン・タングステン化合物(Ti-W)、タングステン・ケイ素合金又はタングステン・ケイ素化合物(W-Si)、酸化イットリウム(Y2O3)、YBCO(YBa2Cu3O7)、亜鉛(Zn)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ジルコニウム(ZrN)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)などである。
【0065】
レーザ遮光層40の厚みT40については、特に限定はない。レーザ遮光層40の厚みT40は、例えば0.5μm以上である。セラミック材料や金属材料で形成されたレーザ遮光層40をレーザアブレーション加工するためには、レーザ遮光層40に入射するレーザ光のフルエンスは、例えば4J/m2以上である必要がある。これに対し、樹脂層30を加工するためには、樹脂層30に入射するレーザ光のフルエンスは、上述したフルエンスの1/10以下である0.4J/m2程度でよい。そのため、レーザ遮光層40の厚みが0.5μm以上であれば、後述するレーザ加工工程でレーザ遮光層40がレーザ光Lによって破断したり変形する虞が効果的に低減される。後述するレーザ加工工程でレーザ遮光層40が破断したり変形する虞が更に効果的に低減されるよう、厚みT40は、1.0μm以上であることがより好ましく、1.2μm以上であることが更に好ましく、1.5μm以上であることが特に好ましい。その一方で、後述するレーザ加工工程で樹脂層30の第1開口34を高精細に形成する観点から、レーザ遮光層40の厚みT40は、10.0μm以下であることが好ましく、8.0μm以下であることがより好ましく、7.0μm以下であることがより好ましく、6.0μm以下であることが特に好ましい。したがって、厚みT40は、例えば、0.5μm以上でもよく、1.0μm以上でもよく、1.2μm以上でもよく、1.5μm以上でもよい。厚みT40は、例えば、6.0μm以下でもよく、7.0μm以下でもよく、8.0μm以下でもよく、10.0μm以下でもよい。厚みT40の範囲は、0.5μm、1.0μm、1.2μm及び1.5μmからなる第1グループ、及び/又は、6.0μm、7.0μm、8.0μm及び10.0μmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みT40の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みT40の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT40の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT40は、例えば、0.5μm以上10.0μm以下でもよく、0.5μm以上8.0μm以下でもよく、0.5μm以上7.0μm以下でもよく、0.5μm以上6.0μm以下でもよく、0.5μm以上1.5μm以下でもよく、0.5μm以上1.2μm以下でもよく、0.5μm以上1.0μm以下でもよく、1.0μm以上10.0μm以下でもよく、1.0μm以上8.0μm以下でもよく、1.0μm以上7.0μm以下でもよく、1.0μm以上6.0μm以下でもよく、1.0μm以上1.5μm以下でもよく、1.0μm以上1.2μm以下でもよく、1.2μm以上10.0μm以下でもよく、1.2μm以上8.0μm以下でもよく、1.2μm以上7.0μm以下でもよく、1.2μm以上6.0μm以下でもよく、1.2μm以上1.5μm以下でもよく、1.5μm以上10.0μm以下でもよく、1.5μm以上8.0μm以下でもよく、1.5μm以上7.0μm以下でもよく、1.5μm以上6.0μm以下でもよく、6.0μm以上10.0μm以下でもよく、6.0μm以上8.0μm以下でもよく、6.0μm以上7.0μm以下でもよく、7.0μm以上10.0μm以下でもよく、7.0μm以上8.0μm以下でもよく、8.0μm以上10.0μm以下でもよい。
【0066】
レーザ遮光層40の第3開口48は、第1面41及び第2面42の間で膨大してもよい。言い換えると、第3開口48の壁面は、レーザ遮光層40の面方向に窪む凹部を有してもよい。このような第3開口48は、後述するように、レーザ遮光層40をエッチングする際のサイドエッチングに起因して形成され得る。
【0067】
支持フレーム50は、レーザ遮光層40の第1面41に設けられている。支持フレーム50の第5面51は、レーザ遮光層40の第1面41に対向している。支持フレーム50の第6面52は、マスク20の蒸着源6に対向する面の一部を形成する。この支持フレーム50は、樹脂層30及びレーザ遮光層40を支持する。
【0068】
図示された例では、支持フレーム50は、樹脂層30が撓まないように、樹脂層30を、その面方向に引っ張った状態で支持する。支持フレーム50は、樹脂層30の樹脂周囲部37の第3面31の少なくとも一部を覆っている。図示された例では、支持フレーム50は、樹脂層30の樹脂周囲部37の第3面31の全てを覆っている。また、支持フレーム50は、その平面視において、樹脂層30の樹脂マスク部36に重なる少なくとも1つの第2開口54を有する。第2開口54は、支持フレーム50を貫通している。言い換えると、第2開口54は、第6面52から第5面51に至る。図示された例では、支持フレーム50は、平面視において、樹脂層30の複数の樹脂マスク部36に重なる複数の第2開口54を有する。支持フレーム50から樹脂層30に向かう方向に見て、支持フレーム50は、複数の樹脂マスク部36をそれぞれ囲んでいる。また、第2開口54は、平面視においてレーザ遮光層40の第3開口48と重なっている。平面視において支持フレーム50の第2開口54及びレーザ遮光層40の第3開口48が樹脂マスク部36に重なっていることにより、マスク20を支持フレーム50から樹脂層30に向かう方向に見て、樹脂マスク部36の第3面31が第2開口54及び第3開口48内に露出している。
【0069】
支持フレーム50は、複数の層を含んでいてもよい。
図5に示す例では、支持フレーム50は、第6面52を形成する第1層55と、第1層55とレーザ遮光層40との間に位置する第2層56とを含んでいる。図示された例では、第2層56は、支持フレーム50の第5面51を形成する。言い換えると、第2層56とレーザ遮光層40とは隣接している。また、図示された例では、第2層56は、第1層55上に形成されている。言い換えると、第1層55と第2層56とは隣接している。支持フレーム50が第1層55及び第2層56を含む場合、第1層55及び第2層56は、それぞれ、第2開口54に対応する第1層開口54a及び第2層開口54bを含む。この場合、第1層開口54aと第2層開口54bとは、互いに接続している。このような第1層開口54aと第2層開口54bによって、支持フレーム50を貫通する第2開口54が形成される。
【0070】
支持フレーム50の材料について特に限定はない。支持フレーム50は、例えば、無機物を含む材料で形成される。支持フレーム50の材料として、剛性が大きい金属材料、例えば、SUS、インバー材、セラミック材料などを用いてもよい。金属製の支持フレーム50は、変形等の影響が小さいという点で好ましい。
【0071】
支持フレーム50が第1層55及び第2層56を含む場合、第1層55は、非金属の無機物を含んでいてもよい。また、第2層56は、金属材料を含んでいてもよい。後述するように、第1層開口54aがエッチャントで第1層55をエッチングすることにより形成される場合、第2層56は、当該エッチャントに対する耐性を有する材料で形成されてよい。この場合、第2層56は、第1層55のエッチングをストップさせるストッパ層として機能してもよい。第2層56は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン又はチタン合金を含んでいてもよい。
【0072】
支持フレーム50の厚みT50についても特に限定はない。好ましくは、支持フレーム50の厚みT50は、剛性等の点から0.3mm以上70.0mm以下程度である。
【0073】
図5に示すように、支持フレーム50が第1層55及び第2層56を含む場合、第1層55の厚みT55は、例えば、20μm以上でもよく、100μm以上でもよく、500μm以上でもよく、1000μm以上でもよい。厚みT55は、例えば、2000μm以下でもよく、3000μm以下でもよく、4000μm以下でもよく、5000μm以下でもよい。厚みT55の範囲は、20μm、100μm、500μm及び1000μmからなる第1グループ、及び/又は、2000μm、3000μm、4000μm及び5000μmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みT55の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みT55の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT55の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT55は、例えば、20μm以上5000μm以下でもよく、20μm以上4000μm以下でもよく、20μm以上3000μm以下でもよく、20μm以上2000μm以下でもよく、20μm以上1000μm以下でもよく、20μm以上500μm以下でもよく、20μm以上100μm以下でもよく、100μm以上5000μm以下でもよく、100μm以上4000μm以下でもよく、100μm以上3000μm以下でもよく、100μm以上2000μm以下でもよく、100μm以上1000μm以下でもよく、100μm以上500μm以下でもよく、500μm以上5000μm以下でもよく、500μm以上4000μm以下でもよく、500μm以上3000μm以下でもよく、500μm以上2000μm以下でもよく、500μm以上1000μm以下でもよく、1000μm以上5000μm以下でもよく、1000μm以上4000μm以下でもよく、1000μm以上3000μm以下でもよく、1000μm以上2000μm以下でもよく、2000μm以上5000μm以下でもよく、2000μm以上4000μm以下でもよく、2000μm以上3000μm以下でもよく、3000μm以上5000μm以下でもよく、3000μm以上4000μm以下でもよく、4000μm以上5000μm以下でもよい。
【0074】
また、この場合、第2層56の厚みT56は、第1層55をエッチングする工程においてレーザ遮光層40及び樹脂層30がエッチングされることを抑制できる限り、特には限定されない。例えば、厚みT56は、レーザ遮光層40及び樹脂層30の厚みよりも小さくてもよく、レーザ遮光層40及び樹脂層30の厚み以上でもよい。厚みT56は、例えば、0.05μm以上でもよく、0.10μm以上でもよく、0.15μm以上でもよく、0.20μm以上でもよい。厚みT56は、例えば、0.5μm以下でもよく、1.0μm以下でもよく、2.0μm以下でもよく、5.0μm以下でもよい。厚みT56の範囲は、0.05μm、0.10μm、0.15μm及び0.20μmからなる第1グループ、及び/又は、0.5μm、1.0μm、2.0μm及び5.0μmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みT56の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みT56の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT56の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT56は、例えば、0.05μm以上5.0μm以下でもよく、0.05μm以上2.0μm以下でもよく、0.05μm以上1.0μm以下でもよく、0.05μm以上0.5μm以下でもよく、0.05μm以上0.20μm以下でもよく、0.05μm以上0.15μm以下でもよく、0.05μm以上0.10μm以下でもよく、0.10μm以上5.0μm以下でもよく、0.10μm以上2.0μm以下でもよく、0.10μm以上1.0μm以下でもよく、0.10μm以上0.5μm以下でもよく、0.10μm以上0.20μm以下でもよく、0.10μm以上0.15μm以下でもよく、0.15μm以上5.0μm以下でもよく、0.15μm以上2.0μm以下でもよく、0.15μm以上1.0μm以下でもよく、0.15μm以上0.5μm以下でもよく、0.15μm以上0.20μm以下でもよく、0.20μm以上5.0μm以下でもよく、0.20μm以上2.0μm以下でもよく、0.20μm以上1.0μm以下でもよく、0.20μm以上0.5μm以下でもよく、0.5μm以上5.0μm以下でもよく、0.5μm以上2.0μm以下でもよく、0.5μm以上1.0μm以下でもよく、1.0μm以上5.0μm以下でもよく、1.0μm以上2.0μm以下でもよく、2.0μm以上5.0μm以下でもよい。第1層55用のエッチャントに対する第2層56の耐性が高いほど、厚みT56を小さくできる。
【0075】
支持フレーム50の各第2開口54は、第5面51及び第6面52の間で膨大してもよい。言い換えると、第2開口54の壁面は、マスク20の面方向に窪む凹部を有してもよい。このような第2開口54は、後述するように、支持フレーム50を形成する材料で形成された支持層57をエッチングする際のサイドエッチングに起因して形成され得る。支持フレーム50が第1層55及び第2層56を含む場合、第1層開口54aは、第6面52と第2層56に対向する面との間で膨大してもよい。また、第2層開口54bは、第1層55に対向する面とレーザ遮光層40に対向する面との間で膨大してもよい。
【0076】
なお、マスク20は、支持フレーム50を含んでいなくてもよい。
【0077】
各層の厚み、各構成要素の寸法、間隔などは、走査型電子顕微鏡を用いてマスク20の断面の画像を観察することによって測定できる。
【0078】
次に、マスク20を製造する方法について説明する。まず、支持層準備工程を実施する。具体的には、
図7に示すように、レーザ遮光層40及び樹脂層30を支持する支持層57を準備する。支持層57は、支持フレーム50を形成する材料で形成される。図示された例では、まず、第1層55を構成する基材を準備する。続いて、第1層55の一方の面上に第2層56を形成する。第2層56は、第1層55の当該一方の面の全面に形成されてよい。第2層56は、第1層55用のエッチャントに対する耐性を有する材料により形成される。第2層56は、例えば、スパッタリング法などの真空成膜法によって形成されてもよい。以上により、支持層57が形成される。
【0079】
続いて、積層体準備工程を実施する。具体的には、レーザ遮光層40及び樹脂層30を含む積層体25を準備する。図示された例では、まず、
図8に示すように、支持層57の第5面51上にレーザ遮光層40を形成する。レーザ遮光層40は、第5面51の全面に形成されてよい。レーザ遮光層40は、例えば、スパッタリング法などの真空成膜法や、めっき法により形成されてよい。レーザ遮光層40は、支持層57に対向する第1面41と、第1面41の反対側の面である第2面42と、を有する。
【0080】
続いて、
図9に示すように、レーザ遮光層40の第2面42上に、第1レジスト層60を部分的に形成する。第1レジスト層60は、複数の第1レジスト開口61を有する。第1レジスト開口61は、樹脂層30の複数の第1開口34に対応して形成される。言い換えると、第1レジスト開口61の形状及びパターンは、第1開口34の形状及びパターンに対応している。さらに、各第1レジスト開口61の寸法は、対応する第1開口34の第3面における寸法に対応している。第1レジスト層60は、公知の方法により形成されてよい。具体的には、第1レジスト層60を形成するための材料である第1レジスト層材料を準備し、これをレーザ遮光層40の第2面42上に部分的に塗工する。続いて、第2面42上の第1レジスト層材料を露光し、この第1レジスト層材料を現像する。これにより、複数の第1レジスト開口61を有する第1レジスト層60が形成される。
【0081】
続いて、
図10に示すように、第1レジスト層60の側からレーザ遮光層40をエッチングして、レーザ遮光層40を部分的に除去する。レーザ遮光層40のエッチングは、エッチングガスを用いたドライエッチングにより行ってもよいし、エッチング液を用いたウェットエッチングにより行ってもよい。エッチングガスおよびエッチング液は、上述のエッチャントの一例である。レーザ遮光層40を部分的に除去することにより、レーザ遮光層40に複数の透光穴44が形成される。各透光穴44は、第1面41から第2面42に至る。上述したように第1レジスト開口61が樹脂層30の複数の第1開口34に対応して形成されているため、複数の透光穴44は、複数の第1開口34に対応して形成される。言い換えると、透光穴44の形状及びパターンは、第1開口34の形状及びパターンに対応している。上述したように、第1開口34の形状及びパターンは、基板110上に形成される蒸着層の形状及びパターンに対応している。このため、透光穴44の形状及びパターンは、基板110上に形成される蒸着層の形状及びパターンに対応している。また、レーザ遮光層40の平面視における各透光穴44の寸法は、対応する第1開口34の第3面31における寸法に対応している。後で参照する
図16Aから理解されるように、レーザ遮光層40の平面視における各透光穴44の寸法は、対応する第1開口34の第4面32における寸法よりも大きい。このため、レーザ遮光層40の平面視における各透光穴44の寸法は、対応する第1開口34に対応する蒸着層の寸法よりも大きい。
【0082】
図10に示すように、レーザ遮光層40は、樹脂マスク部36の第3面31を覆う遮蔽部46と、レーザ遮光層40の平面視において遮蔽部46を囲む周囲部47と、を含む。図示された例では、レーザ遮光層40は、複数の樹脂マスク部36に対応する複数の遮蔽部46を含む。各遮蔽部46は、複数の透光穴44を含む。各遮蔽部46の複数の透光穴44は、第3開口群45を形成する。第3開口群45は、上述した樹脂層30の第1開口群35に対応する。レーザ遮光層40に透光穴44を形成した後、レーザ遮光層40から第1レジスト層60を除去する。第1レジスト層60は、例えば、レジスト処理液を用いて除去できる。
【0083】
続いて、
図11に示すように、レーザ遮光層40の第2面42上に樹脂層30を形成する。樹脂層30は、例えば、スピンコート法などのコーティング法によって形成されてもよい。樹脂層30は、レーザ遮光層40の第2面42を覆うように形成される。樹脂層30は、レーザ遮光層40の第2面42において、透光穴44を覆うように形成される。樹脂層30は、第2面42の全面に形成されてよい。樹脂層30の一部によって透光穴44が埋められてもよい。樹脂層30は、レーザ遮光層40の第2面に対向する第3面31と、第3面31の反対側の面である第4面32と、を含む。
【0084】
樹脂層30の材料をレーザ遮光層40上にコーティングした後、樹脂層30を加熱する加熱工程を実施してもよい。これにより、樹脂層30を固化させることができる。例えば、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸をレーザ遮光層40上にコーティングした後、加熱工程を実施することにより、イミド化反応を生じさせることができる。これにより、ポリイミドを含む樹脂層30を形成できる。
【0085】
以上により、複数の透光穴44を含むレーザ遮光層40とレーザ遮光層40の第2面42を覆う樹脂層30とを含む積層体25が、形成される。
【0086】
続いて、保護層形成工程を実施する。具体的には、
図12に示すように、積層体25に樹脂層30を保護するための保護層63を形成する。保護層63は、樹脂層30の第4面32に形成される。保護層63を形成する材料は、樹脂層30を保護することができる限りにおいて、特に限定されない。保護層63は、レーザ遮光層40を形成する材料と同じ材料で形成されてよい。保護層63は、例えば、スパッタリング法などの真空成膜法により形成されてよい。保護層63の厚みは、樹脂層30を保護することができる限りにおいて、特に限定されない。保護層63の厚みは、例えば、0.1μm以上であってよく、0.5μm以上であってもよく、1.0μm以上であってもよい。
【0087】
続いて、支持フレーム形成工程を実施する。具体的には、支持層57から支持フレーム50を形成する。図示された例では、
図13に示すように、支持層57の第6面52に、第2レジスト層65を部分的に形成する。第2レジスト層65は、第2レジスト開口66を有する。第2レジスト開口66は、支持フレーム50の第2開口54に対応して形成される。図示された例では、支持フレーム50に複数の第2開口54が形成されるよう、第2レジスト層65は、複数の第2レジスト開口66を有する。第2レジスト層65は、公知の方法により形成されてよい。具体的には、第2レジスト層65を形成するための材料である第2レジスト層材料を準備し、これを支持層57の第6面52上に部分的に塗工する。続いて、第6面52上の第2レジスト層材料を露光し、この第2レジスト層材料を現像する。これにより、支持層57の第6面52上に、第2レジスト開口66を有する第2レジスト層65が形成される。
【0088】
続いて、
図14に示すように、第2レジスト層65の側から支持層57の第1層55をエッチングし、第1層55を部分的に除去する。これにより、
図14に示すように、第1層55に、第1層開口54aが形成される。第1層55のエッチングは、エッチングガスを用いたドライエッチングであってもよい。エッチングガスは、上述のエッチャントの一例である。第2層56がエッチャントに対する耐性を有するので、
図14に示すように、エッチングがレーザ遮光層40及び樹脂層30まで進行することを抑制できる。
【0089】
続いて、
図15に示すように、第2層56をエッチングして、第2層56を部分的に除去する。これにより、第2層56に第2層開口54bが形成される。第2層56のエッチングは、第1層開口54aに第2層56用のエッチャントを供給することにより行ってよい。これにより、第1層開口54aに接続した第2層開口54bが形成される。第2層56のエッチングは、エッチングガスを用いたドライエッチングにより行ってもよいし、エッチング液を用いたウェットエッチングにより行ってもよい。
【0090】
第1層開口54aが第2層開口54bに接続されることにより、支持層57を貫通する第2開口54が形成される。この結果、レーザ遮光層40の遮蔽部46の第1面41が、第2開口54内に露出する。第2開口54は、支持フレーム50の平面視において、遮蔽部46の複数の透光穴44に重なる。一方で、周囲部47は、支持層57に覆われたままである。第1層開口54aを形成した後、或いは第2層開口54bを形成した後、第2レジスト層65を除去する。第2レジスト層65は、例えば、レジスト処理液を用いて除去できる。以上により、支持フレーム50が形成される。
【0091】
続いて、レーザ加工工程を実施する。具体的には、
図16Aに示すように、レーザ遮光層40の遮蔽部46の第1面41に向けて、積層体25にレーザ光Lを入射させる。レーザ光Lは、支持フレーム50の第2開口54及び遮蔽部46の透光穴44を通じて、樹脂層30に入射する。これにより、樹脂層30に、複数の透光穴44に対応する複数の第1開口34が形成され、レーザ遮光層40の第3開口群45と重なる第1開口群35が形成される。レーザ光Lが樹脂層30の第3面31に入射することで、各第1開口34は、第3面31から第4面32に向かってテーパ状に形成される。
【0092】
レーザ光Lを発光するレーザ装置としては、波長248nmのレーザ光を発光するKrFのエキシマレーザや、波長355nmのレーザ光を発光するYAGレーザなどを使用できる。
【0093】
レーザ加工工程は、例えば、次のように実施される。まず、支持フレーム50が形成された積層体25をステージに載せる。このとき、支持フレーム50がステージとは反対の側を向くように、積層体25をステージに載せる。次に、レーザ遮光層40の遮蔽部46の第1面41に向けて、レーザ装置から積層体25にレーザ光Lを照射する。これにより、樹脂層30に、遮蔽部46に形成された複数の透光穴44に重なる複数の第1開口34が、形成される。
【0094】
レーザ光Lのビーム形状は、任意の形状であってよい。
図16Bに示す例では、レーザ光Lのビーム形状は矩形である。これに対応して、
図16Bに示す例では、レーザ光Lのレーザ遮光層40上での照射領域LAの形状も、矩形である。
図16Cに示す例では、レーザ光Lのビーム形状はライン状である。これに対応して、
図16Cに示す例では、レーザ光Lのレーザ遮光層40上での照射領域LAの形状も、ライン状である。
図16B及び
図16Cに示す例では、レーザ光Lの照射領域LAの大きさは、遮蔽部46に入射するレーザ光Lのエネルギー密度が、樹脂層30に第1開口34を効率よく形成するのに十分な大きさになるように、決定されている。遮蔽部46に入射するレーザ光Lのエネルギー密度が低すぎると、樹脂層30に第1開口34を効率よく形成することができない。ここで、遮蔽部46に入射するレーザ光Lのエネルギー密度は、レーザ光Lのレーザ遮光層40上での照射領域LAが広がるほど、低下する。このため、図示された例では、レーザ光Lの照射領域LAの大きさは、当該照射領域LAがレーザ遮光層40の一部の領域のみを含むことができる大きさである。このようにレーザ光Lの照射領域LAの大きさを決定しても、レーザ遮光層40におけるレーザ光Lの入射位置を変更することで、遮蔽部46の全ての領域にレーザ光を照射することができる。ただし、レーザ遮光層40におけるレーザ光Lの照射領域LAの大きさは、当該照射領域LAが少なくとも1つの透光穴44を含むことができる大きさであることが好ましい。また、レーザ遮光層40におけるレーザ光Lの照射領域LAの大きさは、当該照射領域LAが隣り合う複数の透光穴44を含むことができる大きさであることがさらに好ましい。この場合、樹脂層30に第1開口34を効率良く形成することができる。
【0095】
なお、レーザ光Lの入射位置は、レーザ装置の照射ヘッド又はステージを移動させることにより、変更することができる。
【0096】
レーザ光Lの照射は、間欠的に行われてもよいし、連続的に行われてもよい。また、レーザ光Lの入射位置の変更も、間欠的に行われてもよいし、連続的に行われてもよい。
【0097】
図16Bに示す例では、レーザ光Lの照射及び入射位置の変更を、間欠的に行う。より具体的には、
図16Bに示す例では、レーザ光Lのレーザ遮光層40上での照射領域LAの大きさは、隣り合う2つの透光穴44を含むことができる大きさである。そして、次のようにしてレーザ光Lの照射及び入射位置の変更を行う。まず、レーザ遮光層40上におけるレーザ光Lの入射位置を、レーザ光Lの照射領域LAが2つの透光穴44を含むように決定する。次に、この2つの透光穴44にレーザ光Lを所定時間だけ照射する。次に、レーザ光Lの照射を止める。次に、レーザ遮光層40上におけるレーザ光Lの入射位置を変更する。このとき、レーザ光Lの入射位置を、レーザ光Lの照射領域LAが他の2つの透光穴44を含むように決定する。レーザ光Lの入射位置は、例えば、
図16Bに示す矢印に沿って変更される。次に、この他の2つの透光穴44にレーザ光Lを所定時間だけ照射する。次に、レーザ光Lの照射を止める。このように、レーザ光Lの入射位置の決定又は変更と、レーザ光Lの照射を繰り返すことで、遮蔽部46の全ての領域にレーザ光を照射することができる。
【0098】
図16Cに示す例では、レーザ光Lの照射及び入射位置の変更を、連続的に行う。より具体的には、
図16Cに示す例では、レーザ光Lのレーザ遮光層40上での照射領域LAはライン状であり、その長さは、当該照射領域LAが複数の遮蔽部46に亘って延びることができる長さである。そして、次のようにしてレーザ光Lの照射及び入射位置の変更を行う。まず、レーザ遮光層40上におけるレーザ光Lの入射位置を、レーザ光Lの照射領域LAがレーザ遮光層40の縁部の近傍において複数の遮蔽部46が並ぶ方向に沿って延びるように、且つ、複数の遮蔽部46に亘って延びるように決定する。次に、レーザ光Lの照射を開始し、レーザ遮光層40にレーザ光Lを照射し続けたまま、レーザ光Lの入射位置を一定の速度で移動させる。入射位置の移動は、
図16Cに矢印で示すように、レーザ光Lの照射領域LAが延びる方向と垂直な方向に沿って行う。このように、レーザ光Lの入射位置を徐々に移動させながらレーザ光Lをレーザ遮光層40に照射し続けることで、遮蔽部46の全ての領域にレーザ光を照射することができる。
【0099】
本実施の形態では、樹脂層30に第1開口34を形成するためのレーザ加工用マスクとして機能するレーザ遮光層40が樹脂層30と共に積層体25を構成した状態で、樹脂層30のレーザ加工が実施される。このため、レーザ光Lの入射位置を変更する過程で樹脂層30に対するレーザ加工用マスクの位置ずれが生じることが防止される。また、積層体30にレーザ加工用マスクとしてのレーザ遮光層40が含まれているため、樹脂層30に対してレーザ加工用マスクを位置合わせする必要も無い。この結果、レーザ加工工程中にレーザ加工用マスクの樹脂層30に対する位置がずれてマスク20の貫通孔21の位置精度が低下する、ということが防止される。
【0100】
続いて、遮蔽部除去工程を実施する。具体的には、レーザ遮光層40のうち、第2開口54内に露出した部分、すなわち遮蔽部46をエッチングする。これにより、レーザ遮光層40に第3開口48が形成される。遮蔽部46のエッチングは、第2開口54にレーザ遮光層40用のエッチャントを供給することにより行ってよい。これにより、第2開口54に接続した第3開口48が形成される。遮蔽部46のエッチングは、エッチングガスを用いたドライエッチングにより行ってもよいし、エッチング液を用いたウェットエッチングにより行ってもよい。第2開口54が第3開口48に接続されることにより、樹脂層30の樹脂マスク部36が、第2開口54及び第3開口38内に露出する(
図3参照)。遮蔽部46のエッチングによって、支持層57をエッチングする際に遮蔽部46に付着した残留物を、遮蔽部46と共に除去することができる。なお、周囲部47は、支持フレーム50と樹脂層30とによって覆われているため遮蔽部除去工程で除去されず、支持フレーム50と樹脂層30との間に残る。
【0101】
また、保護層除去工程を実施する。保護層除去工程では、保護層63を除去する。保護層63は、例えば、エッチングにより除去できる。保護層63のエッチングは、エッチングガスを用いたドライエッチングにより行ってもよいし、エッチング液を用いたウェットエッチングにより行ってもよい。保護層63は、レーザ遮光層40をエッチングするエッチャントによって、レーザ遮光層40と共に除去されてもよい。言い換えると、遮蔽部除去工程と保護層除去工程が同時に実施されてもよい。さらに言い換えると、遮蔽部除去工程において保護層63が除去されてもよい。この場合、保護層63は、レーザ遮光層40と同じ材料で形成されることが好ましい。
【0102】
以上により、貫通孔21が形成されたマスク20が製造される。
【0103】
上述した一実施形態を様々に変更できる。以下、必要に応じて図面を参照しながら、その他の実施形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した一実施形態と同様に構成され得る部分について、上述の一実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いる。重複する説明は省略する。また、上述した一実施形態において得られる作用効果がその他の実施形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略する場合もある。
【0104】
上述の実施の形態においては、遮蔽部除去工程でレーザ遮光層40の遮蔽部46が除去され、この結果、マスク20が遮蔽部46を含まない例を示した。しかしながら、
図17及び
図18に示すように、マスク20は遮蔽部46を有していてもよい。言い換えると、マスク20の製造工程において、遮蔽部除去工程は実施されなくてもよい。この場合、マスク20の貫通孔21は、互いに連続する第1開口34と透光穴44とによって形成される。マスク20が遮蔽部46を含むことにより、
図2に示すように、蒸着装置10内において、遮蔽部46を磁力によって磁石5に向けて引き寄せることができ、したがって、樹脂マスク部36を磁石5に向けて引き寄せることができる。これにより、マスク20の貫通孔21が設けられた領域と基板110との間の隙間を低減したり、隙間をなくしたりすることができる。このことにより、蒸着工程においてシャドウが発生することを抑制できる。
【0105】
マスク20が遮蔽部46を含む場合、レーザ遮光層40の厚みT40と樹脂層30の厚みT30との和は、例えば、2.0μm以上でもよく、2.5μm以上でもよく、3.0μm以上でもよく、4.0μm以上でもよい。厚みT40と厚みT30との和は、例えば、6.0μm以下でもよく、7.0μm以下でもよく、8.0μm以下でもよく、10.0μm以下でもよい。厚みT40と厚みT30との和の範囲は、2.0μm、2.5μm、3.0μm及び4.0μmからなる第1グループ、及び/又は、6.0μm、7.0μm、8.0μm及び10.0μmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みT40と厚みT30との和の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みT40と厚みT30との和の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT40と厚みT30との和の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT40と厚みT30との和は、例えば、2.0μm以上10.0μm以下でもよく、2.0μm以上8.0μm以下でもよく、2.0μm以上7.0μm以下でもよく、2.0μm以上6.0μm以下でもよく、2.0μm以上4.0μm以下でもよく、2.0μm以上3.0μm以下でもよく、2.0μm以上2.5μm以下でもよく、2.5μm以上10.0μm以下でもよく、2.5μm以上8.0μm以下でもよく、2.5μm以上7.0μm以下でもよく、2.5μm以上6.0μm以下でもよく、2.5μm以上4.0μm以下でもよく、2.5μm以上3.0μm以下でもよく、3.0μm以上10.0μm以下でもよく、3.0μm以上8.0μm以下でもよく、3.0μm以上7.0μm以下でもよく、3.0μm以上6.0μm以下でもよく、3.0μm以上4.0μm以下でもよく、4.0μm以上10.0μm以下でもよく、4.0μm以上8.0μm以下でもよく、4.0μm以上7.0μm以下でもよく、4.0μm以上6.0μm以下でもよく、6.0μm以上10.0μm以下でもよく、6.0μm以上8.0μm以下でもよく、6.0μm以上7.0μm以下でもよく、7.0μm以上10.0μm以下でもよく、7.0μm以上8.0μm以下でもよく、8.0μm以上10.0μm以下でもよい。これにより、例えば画素数が3000ppi以上である有機ELディスプレイのための蒸着層を高精細なパターンで形成する際のシャドウの影響を、より効果的に低減できる。
【0106】
また、マスク20が遮蔽部46を含む場合、保護層63の材料として、レーザ遮光層40の材料とは異なる材料が選択されることが好ましい。より具体的には、保護層63をエッチングする際のエッチャントによってレーザ遮光層40が除去されることのないよう、保護層63の材料を選択することが好ましい。
【符号の説明】
【0107】
5 磁石
6 蒸着源
7 蒸着材料
8 ヒータ
10 蒸着装置
20 マスク
21 貫通孔
25 積層体
30 樹脂層
31 第3面
32 第4面
34 第1開口
36 樹脂マスク部
37 樹脂周囲部
40 レーザ遮光層
41 第1面
42 第2面
44 透光穴
46 遮蔽部
47 周囲部
50 支持フレーム
51 第5面
52 第6面
54 第2開口
55 第1層
56 第2層
60 第1レジスト層
63 保護層
65 第2レジスト層
100 有機デバイス
110 基板