(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050162
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】半導体装置及びそのテスト方法
(51)【国際特許分類】
G06F 11/22 20060101AFI20240403BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G06F11/22 615
H01L27/04 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156836
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺沢 朋憲
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 聡司
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038BG01
5F038CD02
5F038DF05
5F038DT02
5F038DT03
5F038DT07
5F038DT10
5F038DT15
5F038DT17
5F038EZ20
(57)【要約】
【目的】高速に且つ信頼性の高いテストを実施することが可能な半導体装置及びそのテスト方法を提供することを目的とする。
【構成】本発明に係る半導体装置は、メモリにデータを書き込みかつ前記メモリからデータを読み出す半導体装置であって、供給された誤り訂正符号化データに誤り訂正処理を施して訂正データを生成する誤り訂正回路と、外部からのテストを示すテスト指令を受けると前記誤り訂正回路に誤り訂正符号化データを供給するコントローラ部と、を含み、前記誤り訂正回路は、前記コントローラ部が前記テスト指令を受けると、供給された1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正処理を施した後に再度前記1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正を施すことを繰り返すテストモードで動作する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリにデータを書き込みかつ前記メモリからデータを読み出す半導体装置であって、
供給された誤り訂正符号化データに誤り訂正処理を施して訂正データを生成する誤り訂正回路と、
外部からのテストを示すテスト指令を受けると前記誤り訂正回路に誤り訂正符号化データを供給するコントローラ部と、
を含み、
前記誤り訂正回路は、前記コントローラ部が前記テスト指令を受けると、供給された1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正処理を施した後に再度前記1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正を施すことを繰り返すテストモードで動作することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記コントローラ部は、前記テスト指令を受けると外部から受けた誤り訂正符号化データを前記誤り訂正回路に供給することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記コントローラ部は、外部装置からのデータの入力を受けてこれを出力する入出力部と、前記メモリからのデータ及び前記入出力部からデータを受けこれらを選択的に前記誤り訂正回路に供給するセレクタと、を有し、
前記セレクタは、前記コントローラ部が前記テスト指令を受けると前記入出力部からのデータを前記誤り訂正回路に供給することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記コントローラ部は、誤り訂正符号化データを保持するテスト用データ保持部を有し、前記コントローラ部は前記テスト指令を受けると前記テスト用データ保持部に保持されている誤り訂正符号化データを前記誤り訂正回路に供給することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記コントローラ部は、前記メモリからのデータ及び前記テスト用データ保持部からデータを受けこれらを選択的に前記誤り訂正回路に出力するセレクタを有し、
前記セレクタは、前記コントローラ部が前記テスト指令を受けると前記テスト用データ保持部からのデータを前記誤り訂正回路に供給することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記コントローラ部は、前記テスト指令を受けると前記誤り訂正回路によって誤り訂正可能な最大数のエラービットを含んだ誤り訂正符号化データを前記誤り訂正回路に供給することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記誤り訂正回路は、供給された誤り訂正符号化データに対し繰り返し復号法により誤り訂正処理を施し、前記テストモードでの動作の際に前記繰り返し復号法による誤り訂正処理における繰り返しの度に前記1の誤り訂正符号化データに対しての復号処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
メモリにデータを書き込みかつ前記メモリからデータを読み出す半導体装置であり、供給された誤り訂正符号化データに誤り訂正処理を施して訂正データを生成する誤り訂正回路と、外部からのテストを示すテスト指令を受けると前記誤り訂正回路に誤り訂正符号化データを供給するコントローラ部と、を含み、前記誤り訂正回路は、前記コントローラ部が前記テスト指令を受けると、供給された1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正処理を施した後に再度前記1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正を施すことを繰り返すテストモードで動作する半導体装置のテスト方法であって、
前記コントローラ部に前記テスト指令を供給し、前記誤り訂正回路が前記テストモードで動作している間の前記半導体装置の動作電流を測定するテスト方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、特に誤り訂正回路を含む半導体装置、及び当該半導体装置の製品出荷前のテスト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置として、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリと、当該メモリから読み出されたデータに対して誤り訂正処理を施す誤り訂正回路と、を含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような半導体装置に対する製品出荷前のテストでは、メモリに記憶されている既知のデータを読み出し、これが期待データと一致するか否かを判定することで、当該半導体装置が良品であるか否かをテストする。
【0003】
また、製品出荷前の他のテストとしては、当該半導体装置の動作時に消費する消費電流を測定する消費電流テストが行われる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-070509号公報
【特許文献2】特開2007-178345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、半導体装置の動作時の消費電流を測定する場合、必ずしも全ての回路素子が動作している訳ではないので、動作している回路素子の数により消費電流の測定結果が変化する。尚、当該半導体装置に供給する電源電圧を生成する電源装置の電流供給能力を決定することを考慮した場合、この半導体装置の最大消費電流を測定しておくことが望ましい。
【0006】
この際、上記したようなメモリ及び誤り訂正回路を含む半導体装置では、当該メモリから読み出されたデータに誤りが生じ、それに応じて誤り訂正回路が動作した際に消費電流が大きくなる。
【0007】
ところが、テスト時においてメモリから読み出されたデータに誤りが生じることは不確定であり、また、例え読み出されたデータに誤りが生じていても、このときに測定された消費電流が最大の消費電流であるとは限らない。
【0008】
そこで、メモリの複数の領域から順にデータの読出しを行いつつ消費電流を測定し、この間に測定された消費電流のうちで最も大きなものを最大消費電流とすることが考えられる。
【0009】
しかしながら、このような方法で測定された最大消費電流の信頼性を高めるためには、メモリから繰り返しデータの読出しを行わなければならず、消費電流の測定に費やされる時間が長くなるという問題が生じる。
【0010】
また、メモリや誤り訂正回路等の内部回路に電源電圧を供給するレギュレータが半導体装置内に搭載されている場合に、当該内部回路で消費される電流が増えると、レギュレータによる電流供給が間に合わなくなり、その結果として電源電圧が低下する。そこで、半導体装置では、内部回路の消費電流が最大となりその分だけレギュレータで生成された電源電圧が低下しても内部回路が正常に動作するように、レギュレータ及び内部回路が設計されている。
【0011】
よって、製品出荷前のテストとして、レギュレータで生成する電源電圧を強制的に上記した最大消費電流を想定した分だけ低下させた状態で内部回路が正常に動作するか否かを確認するテストを行うのが望ましい。
【0012】
しかしながら、このような最大消費電流を想定した電源電圧の低下量は、製造バラツキ等により各製品(半導体装置)毎に異なる場合がある。よって、製品によっては、このテスト時にレギュレータが生成する電源電圧の低下量が大きすぎる、或いは少なすぎることになり、正確なテスト結果が得られない場合がある。
【0013】
そこで、本発明は、誤り訂正回路を含む半導体装置に対して高速に且つ信頼性の高いテストを実施することが可能な半導体装置及びそのテスト方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る半導体装置は、メモリにデータを書き込みかつ前記メモリからデータを読み出す半導体装置であって、供給された誤り訂正符号化データに誤り訂正処理を施して訂正データを生成する誤り訂正回路と、外部からのテストを示すテスト指令を受けると前記誤り訂正回路に誤り訂正符号化データを供給するコントローラ部と、を含み、前記誤り訂正回路は、前記コントローラ部が前記テスト指令を受けると、供給された1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正処理を施した後に再度前記1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正を施すことを繰り返すテストモードで動作する半導体装置である。
【0015】
また、本発明に係る半導体装置のテスト方法は、メモリにデータを書き込みかつ前記メモリからデータを読み出す半導体装置であり、供給された誤り訂正符号化データに誤り訂正処理を施して訂正データを生成する誤り訂正回路と、外部からのテストを示すテスト指令を受けると前記誤り訂正回路に誤り訂正符号化データを供給するコントローラ部と、を含み、前記誤り訂正回路は、前記コントローラ部が前記テスト指令を受けると、供給された1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正処理を施した後に再度前記1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正を施すことを繰り返すテストモードで動作する半導体装置のテスト方法であって、前記コントローラにテスト指令を供給し、前記誤り訂正回路が前記テストモードで動作している間の前記半導体装置の動作電流を測定する方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高速に且つ信頼性の高いテストを実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例1の半導体装置10を含むメモリ装置100の構成を示すブロック図である。
【
図2】製品出荷前の各種テストを実施する為のテストシステムの構成を示す図である。
【
図3】消費電流テストにおけるLSIテスタ200及び半導体装置10の内部の動作シーケンスを示す図である。
【
図4】低電圧テストにおけるLSIテスタ200及び半導体装置10の内部の動作シーケンスを示す図である。
【
図5】実施例2の半導体装置10Aを含むメモリ装置100Aの構成を示すブロック図である。
【
図6】消費電流テストにおけるLSIテスタ200及び半導体装置10の内部の動作シーケンスを示す図である。
【
図7】低電圧テストにおけるLSIテスタ200及び半導体装置10の内部の動作シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例0019】
本発明の実施例1について、以下に説明する。
図1は、誤り訂正回路としてのECC(Error Correction Code)回路を含む半導体装置10及びメモリ20を含むメモリ装置100の概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、半導体装置10は、レギュレータ11、コントローラ12、セレクタ13、ECC回路14、メモリ入出力回路15を含む。尚、半導体装置10は、外部端子として、電源端子Td及びTs、テスト用端子T0、データ端子T1を有する。メモリ20は、例えば不揮発性の半導体メモリである。
【0020】
レギュレータ11は、電源端子Td及びTsで受けた電源電位VDD及び接地電位VSSに基づき、所定電圧値を有する直流の内部電源電圧VIDを生成し、これをコントローラ12、セレクタ13、ECC回路14、メモリ入出力回路15及びメモリ20に供給する。コントローラ12、セレクタ13、ECC回路14、メモリ入出力回路15及びメモリ20は、かかる内部電源電圧VIDを受けることで動作する。
【0021】
入出力部としてのコントローラ12は、外部装置からテスト信号TE1が入力されるテスト用端子T0を有している。コントローラ12は、テスト用端子T0にテスト信号TE1が入力されていない場合は通常モードで動作し、テスト用端子T0にテスト信号TE1が入力されるとテストモードで動作する。
【0022】
コントローラ12は、外部装置からのデータが入力されかつ外部へのデータが出力されるデータ端子T1に接続されている。コントローラ12は、上記通常モードで動作する際、データ端子T1から入力される、例えば8ビットのデータDAT及び当該データDATを記憶するメモリ20内の記憶領域を示すアドレスADに応じてメモリ20へのデータDATの書き込みを行う。また、コントローラ12は、ECC回路14から出力されたデータを受けてデータ端子T1を介して外部に出力する。
【0023】
具体的には、コントローラ12は、上記通常モードで動作している場合、データDAT及びアドレスADを受けるとデータDATをECC回路14に供給し、メモリ入出力回路15に対してメモリ20にデータDATの書き込みを促す制御信号を出力する。また、コントローラ12は、通常モードで動作している場合、論理レベル0の低電圧化信号LVS1をセレクタ13に供給し、論理レベル0の低電圧化信号LVS2をECC回路14に供給する。
【0024】
コントローラ12は、上記テストモードで動作している場合、データ端子T1から入力されるテスト指令としてのテストコマンドに応じてテスト動作を実行する。コントローラ12は、テストモードで動作している場合に、データ端子T1を介して消費電流テストの実行を促す消費電流テストコマンドを受けると、当該コマンドに従って消費電流テスト動作を行う。消費電流テストとは、半導体装置10が消費する最大の消費電流を測定するテストである。
【0025】
コントローラ12は、消費電流テスト動作において、セレクタ13に論理レベル1の低電圧化信号LVS1を供給し、ECC回路14に論理レベル1の低電圧化信号LVS2を供給する。また、コントローラ12は、消費電流テスト動作において、データ端子T1から入力されたテスト用の誤り訂正符号化データ(以下、テスト用データとも称する)TDATをセレクタ13に供給する。
【0026】
このテスト用データTDATは、BCH符号、リードソロモン符号、又はLDPC等で符号化されたデータである。以下、特に説明のない限り、誤り訂正符号化は、BCH符号、リードソロモン符号、又はLDPC等での符号化をいう。また、誤り訂正符号化データは、BCH符号、リードソロモン符号、又はLDPC等で符号化されたデータをいう。
【0027】
コントローラ12は、テストモードで動作している場合に、データ端子T1を介して低電圧テストの実行を促す低電圧テストコマンドを受けると、当該コマンドに従って低電圧テスト動作を実行する。
【0028】
低電圧テストは、内部電源電圧VIDがコントローラ12、ECC回路14の正常動作を保証し得る最低の限度電圧まで低下した場合でも、実際にコントローラ12、ECC回路14が正常に動作するか否かを確認するテストである。尚、当該最低の限度電圧は、消費電流の増加に伴って低下する内部電源電圧VIDの電圧値のうちで、ECC回路14の消費電流が最大となる際の内部電源電圧VIDの電圧値とする。
【0029】
低電圧テストでは、上記限度電圧条件下でECC14に誤り訂正を行わせ、当該誤り訂正後のデータをコントローラ12を介して外部に取り出し、当該データについて期待値と比較することで評価を行う。
【0030】
コントローラ12は、低電圧テスト動作において、セレクタ13に論理レベル1の低電圧化信号LVS1を供給し、ECC回路14に論理レベル0の低電圧化信号LVS2を供給する。また、コントローラ12は、消費電流テスト動作において、データ端子T1から入力されたテスト用データTDATをセレクタ13に供給する。
【0031】
セレクタ13は、コントローラ12からのテスト用データTDAT及びメモリ入出力回路15からの誤り訂正符号化データEDATを受け、これらのいずれかをECC回路14に出力するセレクタである。セレクタ13は、コントローラ12とともにコントローラ部CNTLを構成する。
【0032】
セレクタ13は、論理レベル0の低電圧化信号LVS1が供給されている際には、メモリ入出力回路15からの誤り訂正符号化データEDATをECC回路14出力する。セレクタ13は、論理レベル1の低電圧化信号LVS1が供給されている際には、コントローラ12からのテスト用データTDATをECC回路14に出力する。
【0033】
ECC回路14は、自身に供給されたデータに誤り訂正符号化を行い誤り訂正符号化データを出力する回路である。また、ECC回路14は、自身に供給された誤り訂正符号化データに、当該供給された誤り符号化データの符号化方式に対応した誤り訂正処理を施すことで、当該データに生じているビット誤りを訂正して出力する回路である。ECC回路14は、供給されたデータを保持するレジスタ14Aを有している。
【0034】
ECC回路14は、論理レベル0の低電圧化信号LVS2を受けている際、言い換えれば、半導体装置10の通常動作時または半導体装置10の低電圧テスト動作時には通常モードで動作する。通常モードにおいて、ECC回路14は、コントローラ12から供給されるデータDATを誤り訂正符号化して誤り訂正符号化データEDATをメモリ入出力回路15に出力する。また、ECC回路14は、セレクタ13から出力されたデータに通常通りの誤り訂正処理を施し、ビット誤りを訂正した訂正データDDATを生成し、これをコントローラ12に出力する。
【0035】
ECC回路14は、論理レベル1の低電圧化信号LVS2を受けている際、すなわち消費電流テストが実行されている際にはテストモードで動作する。テストモードにおいて、ECC回路14は、セレクタ13から出力されたデータに対して通常モードとは異なるテスト用誤り訂正処理を行う。
【0036】
このテスト用誤り訂正処理において、ECC回路14は、セレクタ13から誤り訂正符号化データが供給されると、当該供給された誤り訂正符号化データを誤り訂正し、その後当該供給された誤り訂正符号化データ、すなわちECC回路14による誤り訂正が行われる前の誤り訂正符号化データを再度誤り訂正する処理を繰り返す。言い換えれば、テストモードにおいて、ECC回路14は、1のテスト用データを供給されると、当該1のテスト用データの誤り訂正処理を繰り返しリトライする動作をする。
【0037】
さらに言い換えると、ECC回路14は、テストモードにおいて、コントローラ12及びセレクタ14を含むコントローラ部CNTLから供給された1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正処理を施した後に再度当該1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正を施すことを繰り返す処理を行う。要は、テストモードにおいてECC回路14は、同じデータを繰り返し誤り訂正する動作をする。
【0038】
具体的には、ECC回路14は、テストモードにおいて、コントローラ部CNTLから供給されたデータをレジスタ14Aに保持し、当該レジスタ14Aに保持されたデータに誤り訂正処理を行い、当該誤り訂正が終了すると再度レジスタ14Aからデータを読み出して誤り訂正処理を行うことを繰り返す。
【0039】
上記消費電流テストにおいてコントローラ部CNTLからECC回路14に供給されるテスト用データは、消費電流を最大化するため、ECC回路14が誤り訂正可能な最大のエラービット数を含んだデータであるのが好ましい。
【0040】
ECC回路14は、LDPC符号化データの誤り訂正処理にしばしば用いられるSum-Product復号法やMin-Sum復号法のように、複数ラウンド繰り返して演算を行う、すなわち反復処理を行う復号法(反復復号法または繰り返し復号法とも称する)で誤り訂正処理するECC回路であり得る。
【0041】
ECC回路14が、上記反復処理を行う復号法で誤り訂正処理を行う回路であった場合、ECC回路14は、通常モードにおいて、反復処理のラウンドにおいて前ラウンドの計算結果である出力を入力として復号処理を行って次のラウンドに用いられる出力を生成する通常の反復処理を行う。
【0042】
その一方、テストモードにおいては、ECC回路14は、上記した反復処理のラウンド毎に前ラウンドの計算結果である出力ではなく、ECC回路に供給された1のデータを入力として計算処理を行う。言い換えれば、ECC回路14は、テストモードにおいて、ラウンドの度に同一のデータを入力として復号処理を繰り返す。要は、ECC回路14は、テストモードにおいて、全ラウンドで同じデータに対して復号処理または誤り訂正処理を行う。
【0043】
具体的には、ECC回路14はレジスタ14Aに供給された1のデータを保持し、各ラウンドにおいて、前ラウンドの出力を用いずに、レジスタ14Aから当該1のデータを読み出して当該1のデータに対して誤り訂正の演算または復号処理を行う。なお、上記反復処理は予め定められたラウンド数実行されると終了するが、テストモードが続く限り反復処理は再度最初から実行される。言い換えれば、ECC回路14は、テストモードの間は、上記反復処理が終了した後、また第1ラウンドからの反復処理を繰り返す。
【0044】
本明細書においては、上記ECC回路14が反復処理を行う復号法で誤り訂正処理を行う回路であった場合にテストモードにて行われる反復処理も、供給された1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正処理を施した後に再度当該1の誤り訂正符号化データに対して誤り訂正を施すことを繰り返す処理に含むとする。以下、上記テストモードにてECC回路にて行われる繰り返しの誤り訂正処理を単にテスト用誤り訂正処理とも称する。
【0045】
なお、ECC回路14が反復処理を行う復号法で誤り訂正処理を行う回路である場合、データのエラービット数にかかわらずECC回路が消費する電流量はほとんど変わらない。そのため、消費電流テストにおいて、ECC回路14に供給されるテストデータは、誤り訂正可能な最大のエラービット数を含んだデータである必要はない。
【0046】
メモリ入出力回路15は、メモリ20に対するデータを書き込み及び読み出しを行う回路である。メモリ入出力回路15は、コントローラ12からデータの書込を促す制御信号を受けた場合には、コントローラ12から供給されるアドレスADにて示されるメモリ20の記憶領域内の位置に、データDATがECC回路14によって誤り訂正符号化されたデータである誤り訂正符号化データEDATを書き込む。
【0047】
また、メモリ入出力回路15は、コントローラ12からデータの読み出しを促す制御信号を受けた場合には、メモリ20からデータを読み出し、これをセレクタ13に供給する。
【0048】
以上説明したように、半導体装置10またはメモリ装置100においては、消費電流テスト及び低電圧テストにおいて、メモリ20から読みだしたデータではなく、コントローラ部CNTLから供給されたデータを用いる。それにより、メモリ20が組み込まれていない半導体装置10単体であっても消費電流テストを行うことが可能である。
【0049】
また、半導体装置10またはメモリ装置100においては、消費電流テストにおいて、ECC回路14がコントローラ部CNTLから供給されたデータを保持し、それを繰り返して誤り訂正する動作を行う。言い換えれば、ECC回路14に一度データを供給すれば、テストモードのECC回路14が繰り返し誤り訂正動作をするので、それだけで最大消費電流値が発生する状態を発生させることができる。
【0050】
これにより、従来のように、メモリの複数の個所からランダムにデータ片を読み出してECC回路に複数回データを供給する場合に比べて、テスト時間が短縮される。
【0051】
以下に、上記した半導体装置10に対して製品出荷前に実施される消費電流テストの流れ及び低電圧テストの流れについて順に説明する。
【0052】
図2は、製品出荷前のテストを実施する為のテストシステムの構成を示す図である。
図2に示すように、半導体装置10をテストするLSIテスタ200を、半導体装置10の電源端子Td及びTs、テスト用端子T0及びデータ端子T1に接続する。LSIテスタは、電源端子Td及びTsに電源電圧VDD、VSSを供給する。
【0053】
[消費電流テスト]
図3は、消費電流テストにおけるLSIテスタ200並びに半導体装置10のコントローラ12及びECC回路14の各々の動作を示す動作シーケンス図である。以下の説明では、初期状態において、コントローラ12は、論理レベル0の低電圧化信号LVS1をセレクタ13に供給し、論理レベル0の低電圧化信号LVS2をECC回路14に供給しているものとする。
【0054】
消費電流テストにおいて、LSIテスタ200は、先ず、半導体装置10のテスト用端子T0にテスト信号TE1を送出し(ステップS11)、その後、半導体装置10のデータ端子T1に消費電流テストの実行を促す消費電流テストコマンドを送出する(ステップS12)。
【0055】
コントローラ12は、テスト用端子T0介してテスト信号TE1を受けると、データ端子T1を介して受信されたテストコマンドを認識可能なテストコマンド受信モードを開始する(ステップS21)。その後、コントローラ12は、消費電流テストコマンドを受けると、論理レベル1の低電圧化信号LVS1をセレクタ13に供給する(S22)。これにより、セレクタ13がコントローラ12から供給されるデータをECC回路14に出力するようになる。
【0056】
その後、コントローラ12は、論理レベル1の低電圧化信号LVS2をECC回路14に供給する(ステップS23)。ECC回路14は、この論理レベル1の低電圧化信号LVS2を受けると、テストモードでの動作を開始する(ステップS31)。
【0057】
LSIテスタ200は、ステップS12で消費電流テストコマンドを送出した後、一定時間が経過した後にテスト用データをデータ端子T1に送出(ステップS13)し、電源端子Td及びTsに流れる電流の測定を開始する(ステップS14)。上記したように、このテスト用データには、ECC回路14が誤り訂正可能な最大数のエラービットを含んだデータを用いるのが好ましい。
【0058】
コントローラ12は、LSIテスタ200から誤り訂正符号化データを受けると、これをセレクタ13を介してECC回路14に供給する(ステップS24)。コントローラ12は、ECC回路14がテストモードでの動作を開始した後にテスト用データを供給するようになされている。ECC回路14は、このテストデータの供給を受けると上記したテスト用誤り訂正処理の動作を実行する(S32)。
【0059】
LSIテスタ200は、ECC回路14が上記テスト用誤り訂正処理の動作を実施している間に電源端子Td及びTsに流れる電流を測定し、その測定結果を最大消費電流として表す情報をディスプレイ(図示せず)に表示させる(ステップS15)。
【0060】
このように、半導体装置10では、消費電流テストにおいて、ECC回路14が、供給された誤り訂正符号化データを繰り返し誤り訂正処理するテスト用誤り訂正処理を行うことで、強制的にECC回路14で消費される動作電流が大となる状態を作り出している。よって、この状態で半導体装置10の電源端子に流れる動作電流をLSIテスタ200で測定することで、最大の消費動作電流を測定することが可能となる。
【0061】
[低電圧テスト]
図4は、低電圧テストにおけるLSIテスタ200並びに半導体装置10のコントローラ12、ECC回路14及びデータ保持部16の各々の動作を示す動作シーケンス図である。以下の説明では、初期状態において、コントローラ12は、論理レベル0の低電圧化信号LVS1をセレクタ13に供給し、論理レベル0の低電圧化信号LVS2をECC回路14に供給しているものとする。
【0062】
低電圧テストにおいて、LSIテスタ200は、先ず、半導体装置10のテスト用端子T0にテスト信号TE1を送出し(ステップS41)、その後、半導体装置10のデータ端子T1に低電圧テストの実行を促す低電圧テストコマンドを送出する(ステップS42)。
【0063】
コントローラ12は、テスト信号TE1を受けると、データ端子T1を介して受信されたテストコマンドを認識可能なテストコマンド受信モードを開始する(ステップS51)。その後、コントローラ12は、低電圧テストコマンドを受けると、論理レベル1の低電圧化信号LVS1をセレクタ13に供給する(S52)。これにより、セレクタ13がコントローラ12から供給されるデータをECC回路14に出力するようになる。
【0064】
なお、コントローラ12は、低電圧テストの際、論理レベル0の低電圧化信号LVS2をECC回路14に供給し続ける。よって、ECC回路14は、低電圧テストの間には通常モードで動作をする。
【0065】
LSIテスタ200は、ステップS42で低電圧テストコマンドを送出した後、一定時間が経過した後にテスト用データをデータ端子T1に送出する(ステップS43)。上記したように、このテスト用データには、ECC回路14が誤り訂正可能な最大数のエラービットを含んだデータを用いるのが好ましい。
【0066】
コントローラ12は、LSIテスタ200から誤り訂正符号化データを受けると、これをセレクタ13を介してECC回路14に供給する(ステップS53)。ECC回路14は、このテストデータの供給を受けると通常の誤り訂正処理の動作を実行し(ステップS61)、当該誤り訂正処理によって訂正された訂正処理済みのデータをコントローラ12へ送出する(ステップS62)。
【0067】
コントローラ12は、ECC回路14から訂正処理済みデータを受けると、これをデータ端子T1を介してLSIテスタ200へ出力する(ステップS54)。
【0068】
LSIテスタ200は、半導体装置10のデータ端子T1から送出された訂正処理済みが期待データと一致しているか否かを比較し、その比較結果を低電圧テスト結果として表示する(ステップS44)。
【0069】
なお、必要に応じてステップS43以降の処理は繰り返しなされる。すなわち、LSIテスタ200は、ステップS44にて訂正処理済みデータと期待データとの比較をした後に、再びステップS43を実行しテスト用データを送出してもよい。当然、再度ステップS43が実行されると、半導体装置10側ではステップS53、S61、S62、S54が再度実行され、ステップS54において出力された訂正処理済みデータについてステップS44で比較が行われる。
【0070】
上記繰り返しにより、ECC回路14で消費される電流量が大となる状態を継続させ、レギュレータ11が生成する内部電源電圧VIDの電圧値を低下させることで、低電圧状態で正常に誤り訂正が成されるかを確認することができる。
また、半導体装置10Aでは、半導体装置10と異なり、セレクタ13にコントローラ12からではなくデータ保持部16からのデータが入力されている。また、半導体装置10Aでは、低電圧化信号LVS1がセレクタ13及びデータ保持部16に入力されている。これ以外の点で、半導体装置10Aと実施例1の半導体装置10は同一である。
テスト用データ保持部としてのデータ保持部16は、例えば、不揮発性メモリであるマスクROMである。データ保持部16は、上記消費電流テスト及び低電圧テストにおいてECC回路14が誤り訂正処理を行うテスト用データを保持している。テスト用データは、例えば、ECC回路14が誤り訂正できる最大数のエラービットを含んだデータを1または複数記憶している。実施例2の半導体装置10Aにおいては、コントローラ12、セレクタ13及びデータ保持部16がコントローラ部CNTLを構成する。
実施例2の半導体装置10Aにおいて、コントローラ12は、上記通常モードで動作している場合、データDAT及びアドレスADを受けるとデータDATをECC回路14に供給し、メモリ入出力回路15に対してメモリ20にデータDATの書き込みを促す制御信号を出力する。また、コントローラ12は、通常モードで動作している場合、論理レベル0の低電圧化信号LVS1をセレクタ13及びデータ保持部16に供給し、論理レベル0の低電圧化信号LVS2をECC回路14に供給する。
コントローラ12は、T0にテスト信号を受けて実施例1の説明と同様のテストモードで動作している場合、データ端子T1から入力されるテストコマンドに応じてテスト動作を実行する。コントローラ12は、テストモードで動作している場合に、データ端子T1を介して消費電流テストの実行を促す消費電流テストコマンドを受けると、当該コマンドに従って実施例1で説明したのと同様の消費電流テスト動作を行う。
コントローラ12は、消費電流テスト動作において、セレクタ13及びデータ保持部16に論理レベル1の低電圧化信号LVS1を供給し、ECC回路14に論理レベル1の低電圧化信号LVS2を供給する。また、データ保持部16は、消費電流テスト動作において、論理レベル1の低電圧化信号LVS1を受けると、誤り訂正符号化データであるテスト用データTDATをセレクタ13に供給する。
コントローラ12は、テストモードで動作している場合に、データ端子T1を介して低電圧テストの実行を促す低電圧テストコマンドを受けると、当該コマンドに従って、実施例1で説明したのと同様の低電圧テスト動作を実行する。
コントローラ12は、低電圧テスト動作において、セレクタ13及びデータ保持部16に論理レベル1の低電圧化信号LVS1を供給し、ECC回路14に論理レベル0の低電圧化信号LVS2を供給する。また、データ保持部16は、低電圧テスト動作において、論理レベル1の低電圧化信号LVS1を受けてテスト用データTDATをセレクタ13に供給する。
セレクタ13は、論理レベル0の低電圧化信号LVS1が供給されている際には、メモリ入出力回路15からの誤り訂正符号化データEDATをECC回路14出力する。セレクタ13は、論理レベル1の低電圧化信号LVS1が供給されている際には、データ保持部16からのテスト用データTDATをECC回路14に出力する。
上記構成によれば、消費電流テストまたは低電圧テストにおいて、外部のテスタ装置からテストデータを入力する必要がない。これにより、外部テスタの動作周波数の制約を受けることなく、通常動作時の速度でECC回路14を動作させることが出来る。
例えば、半導体装置10のように外部テスタ装置からテストデータの入力を受ける場合、外部テスタの動作周波数が半導体装置10の動作周波数よりも低いと、半導体装置10の通常動作時よりも遅い速度でECC回路14にデータが入力されることになる。このような場合、半導体装置の通常動作時よりも動作速度が遅い状態でテストがなされてしまうことになるが、本実施例の半導体装置10Aによればそのような問題は発生しない。
消費電流テストにおいて、LSIテスタ200は、先ず、半導体装置10のテスト用端子T0にテスト信号TE1を送出し(ステップS11)、その後、半導体装置10のデータ端子T1に消費電流テストの実行を促す消費電流テストコマンドを送出する(ステップS12)。
コントローラ12は、テスト用端子T0介してテスト信号TE1を受けると、データ端子T1を介して受信されたテストコマンドを認識可能なテストコマンド受信モードを開始する(ステップS21)。その後、コントローラ12は、消費電流テストコマンドを受けると、論理レベル1の低電圧化信号LVS1をセレクタ13及びデータ保持部16に供給する(S22)。これにより、セレクタ13がコントローラ12から供給されるデータをECC回路14に出力するようになる。
その後、コントローラ12は、論理レベル1の低電圧化信号LVS2をECC回路14に供給する(ステップS23)。ECC回路14は、この論理レベル1の低電圧化信号LVS2を受けると、テストモードでの動作を開始する(ステップS41)。
データ保持部16は、ステップS22で供給された論理レベル1の低電圧化信号LVS1を受けてから一定時間が経過した後にテスト用データをセレクタを介してECC回路14に供給する(ステップS31)。具体的には、データ保持部16は、ECC回路14がテストモードでの動作を開始した後にテスト用データを供給するようになされている。上記したように、このテスト用データには、ECC回路14が誤り訂正可能な最大数のエラービットを含んだデータを用いるのが好ましい。
ECC回路14は、このテストデータの供給を受けると実施例1で説明したのと同様のテスト用誤り訂正処理の動作を実行する(S42)。LSIテスタ200は、ステップS12で消費電流テストコマンドを送出した後に電源端子Td及びTsに流れる電流の測定を開始する(ステップS13)。LSIテスタ200は、ECC回路14が上記テスト用誤り訂正処理の動作を実施している間の電源端子Td及びTsに流れる電流の測定結果を最大消費電流として表す情報をディスプレイ(図示せず)に表示させる(ステップS14)。
実施例1の半導体装置10と同様に、半導体装置10Aでは、消費電流テストにおいて、ECC回路14が、供給された誤り訂正符号化データを繰り返し誤り訂正処理するテスト用誤り訂正処理を行うことで、強制的にECC回路14で消費される電流が大となる状態を作り出している。よって、この状態で半導体装置10Aの電源端子に流れる電流をLSIテスタ200で測定することで、最大の消費電流を測定することが可能となる。
低電圧テストにおいて、LSIテスタ200は、先ず、半導体装置10のテスト用端子T0にテスト信号TE1を送出し(ステップS51)、その後、半導体装置10のデータ端子T1に低電圧テストの実行を促す低電圧テストコマンドを送出する(ステップS52)。
コントローラ12は、テスト信号TE1を受けると、データ端子T1を介して受信されたテストコマンドを認識可能なテストコマンド受信モードを開始する(ステップS61)。その後、コントローラ12は、低電圧テストコマンドを受けると、論理レベル1の低電圧化信号LVS1をセレクタ13及びデータ保持部16に供給する(S62)。これにより、セレクタ13がデータ保持部16から供給されるデータをECC回路14に出力するようになる。
なお、コントローラ12は、低電圧テストの際、論理レベル0の低電圧化信号LVS2をECC回路14に供給し続ける。よって、ECC回路14は、低電圧テストの間には通常モードで動作をする。
データ保持部16は、ステップS62で供給された論理レベル1の低電圧化信号LVS1を受けると、テスト用データをセレクタを介してECC回路14に供給する(ステップS71)。上記したように、このテスト用データには、ECC回路14が誤り訂正可能な最大数のエラービットを含んだデータを用いるのが好ましい。
ECC回路14は、このテストデータの供給を受けると通常の誤り訂正処理の動作を実行し(ステップS81)、当該誤り訂正処理によって訂正された訂正処理済みのデータをコントローラ12へ送出する(ステップS82)。
LSIテスタ200は、半導体装置10Aのデータ端子T1から送出された訂正処理済みが期待データと一致しているか否かを比較し、その比較結果を低電圧テスト結果として表示する(ステップS53)。
なお、必要に応じてステップS62以降の処理は繰り返しなされる。すなわち、コントローラ12は、ステップS63にて訂正処理済みデータを出力した後に、論理レベル0の低電圧化信号LVS1を供給し、再びステップS62を実行して論理レベル1の低電圧化信号LVS1を供給してもよい。当然、再度ステップS62が実行されると、半導体装置10側ではステップS71、S81、S82、S63が再度実行され、ステップS63において出力された訂正処理済みデータについてステップS53で比較が行われる。
上記繰り返しにより、ECC回路14で消費される電流量が大となる状態を継続させ、レギュレータ11が生成する内部電源電圧VIDの電圧値を低下させることで、低電圧状態で正常に誤り訂正が成されるかを確認することができる。
上記実施例の説明において、ECC回路14は、低電圧テスト時に通常の誤り訂正処理を実行するとしたが、低電圧テスト時に供給されたテスト用データをレジスタ14Aに保持し、それを誤り訂正して誤り訂正処理済みデータを出力し、再度レジスタ14Aに保持されたテストデータを誤り訂正して誤り訂正済みデータを出力することを繰り返す動作をしてもよい。その場合には、LSIテスタ200またはデータ保持部16からのテストデータ供給は一度でよい。
上記実施例の説明においては、消費電流テスト及び低電圧テスト時にはLSIテスタ200またはデータ保持部16から供給するとしたが、半導体装置10にメモリ20が接続されている場合には、メモリ20にテストデータを保持させておき、メモリ20からテストデータを供給することとしてもよい。
特に、ECC回路14が、上記反復処理を行う復号法で誤り訂正処理を行う回路であった場合の消費電流テストにおいては、テストモードにおけるECC回路14の誤り訂正処理時の消費電流は、供給されるデータのエラービット数の多少に関わらずほとんど変わらない。なぜならば、上記したように、全ラウンドの各々で供給されたデータと同一のデータを誤り訂正演算するため、必ず予め定められたラウンド数繰り返し誤り訂正処理がなされるからである。よって、この場合、メモリ20から任意のデータを読み出してECC回路14に供給してもテストの正確性や効率に問題は生じない。