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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050175
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】トリガー式液体噴射具
(51)【国際特許分類】
   B05B 11/00 20230101AFI20240403BHJP
   B65D 47/34 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B05B11/00 102B
B65D47/34 100
B05B11/00 102G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156855
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】藤原 宏太郎
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC03
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084KB01
3E084LB02
3E084LC01
3E084LC06
3E084LD22
3E084LD26
(57)【要約】
【課題】液体を自分の身体に向けて容易に噴射させることが可能なトリガー式液体噴射具を提供することである。
【解決手段】液体Lの流路11を備えた本体部10と、本体部10を容器本体2の口部2aに装着する筒状の装着キャップ20と、流路11に連なる噴射口31を備え、本体部10に取り付けられたノズル30と、本体部10に支持され、操作部41が本体部10に対して接近、離反する方向に移動自在のトリガー40と、本体部10に設けられ、トリガー40に駆動されて作動して容器本体2の内部の液体Lを噴射口31に圧送するポンプ50と、を有するトリガー式液体噴射具1であって、操作部41が装着キャップ20の軸線Oに対して一方側に配置され、噴射口31が装着キャップ20の軸線Oに対して操作部41とは反対側に向けられていることを特徴とするトリガー式液体噴射具1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の流路を備えた本体部と、
前記本体部を容器本体の口部に装着する筒状の装着キャップと、
前記流路に連なる噴射口を備え、前記本体部に取り付けられたノズルと、
前記本体部に支持され、操作部が前記本体部に対して接近、離反する方向に移動自在のトリガーと、
前記本体部に設けられ、前記トリガーに駆動されて作動して前記容器本体の内部の液体を前記噴射口に圧送するポンプと、を有するトリガー式液体噴射具であって、
前記操作部が前記装着キャップの軸線に対して一方側に配置され、
前記噴射口が前記装着キャップの軸線に対して前記操作部とは反対側に向けられていることを特徴とするトリガー式液体噴射具。
【請求項2】
前記噴射口が、前記装着キャップの軸線に垂直な方向に対して10°~35°の範囲内で下方に向けられている、請求項1に記載のトリガー式液体噴射具。
【請求項3】
前記噴射口が、前記装着キャップの軸線に垂直な方向に対して35°の角度で下方に向けられている、請求項2に記載のトリガー式液体噴射具。
【請求項4】
前記本体部に、前記本体部が正立姿勢及び倒立姿勢の何れの場合であっても前記容器本体の内部の液体を前記流路に導入可能とする正倒立機構が設けられている、請求項1~3の何れか1項に記載のトリガー式液体噴射具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を収納する容器本体の口部に装着して使用されるトリガー式液体噴射具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体を収納する容器本体の口部に装着して使用される噴射具として、液体の流路を備えた本体部と、本体部を容器本体の口部に装着する筒状の装着キャップと、流路に連なる噴射口を備え、本体部に取り付けられたノズルと、本体部に支持され、操作部が本体部に対して接近、離反する方向に移動自在のトリガーと、本体部に設けられ、トリガーに駆動されて作動して容器本体の内部の液体を噴射口に圧送するポンプと、を有するトリガー式のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このようなトリガー式液体噴射具によれば、装着キャップの部分を手で握り、トリガーを指で引くだけの簡単な操作で、容器本体に収納されている液体をポンプで圧送してノズルの噴射口から外部に所定量ずつ噴射させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-137749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のトリガー式液体噴射具は、トリガーの操作部が装着キャップの軸線に対して一方側(前方側)に配置されるとともにノズルの噴射口が装着キャップの軸線に対して一方側(前方側)に向けられた構成となっている。すなわち、上記従来のトリガー式液体噴射具は、自分から見て前方側に液体を噴射することを前提とする構成となっている。
【0006】
そのため、容器本体に収納する液体を例えば冷感剤などのボディーケア用の液体とし、容器本体に収納されている液体を自分の身体に向けて噴射させたい場合、従来のトリガー式液体噴射具では、ノズルの噴射口が自分の身体の方を向くように手首を曲げつつトリガーを操作する必要があり、その使用性が悪いという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体を自分の身体に向けて容易に噴射させることが可能なトリガー式液体噴射具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のトリガー式液体噴射具は、液体の流路を備えた本体部と、前記本体部を容器本体の口部に装着する筒状の装着キャップと、前記流路に連なる噴射口を備え、前記本体部に取り付けられたノズルと、前記本体部に支持され、操作部が前記本体部に対して接近、離反する方向に移動自在のトリガーと、前記本体部に設けられ、前記トリガーに駆動されて作動して前記容器本体の内部の液体を前記噴射口に圧送するポンプと、を有するトリガー式液体噴射具であって、前記操作部が前記装着キャップの軸線に対して一方側に配置され、前記噴射口が前記装着キャップの軸線に対して前記操作部とは反対側に向けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明のトリガー式液体噴射具は、上記構成において、前記噴射口が、前記装着キャップの軸線に垂直な方向に対して10°~35°の範囲内で下方に向けられているのが好ましい。
【0010】
本発明のトリガー式液体噴射具は、上記構成において、前記噴射口が、前記装着キャップの軸線に垂直な方向に対して35°の角度で下方に向けられているのが好ましい。
【0011】
本発明のトリガー式液体噴射具は、上記構成において、前記本体部に、前記本体部が正立姿勢及び倒立姿勢の何れの場合であっても前記容器本体の内部の液体を前記流路に導入可能とする正倒立機構が設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、液体を自分の身体に向けて容易に噴射させることが可能なトリガー式液体噴射具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るトリガー式液体噴射具を備えた噴射容器の断面図である。
図2図1に示す噴射容器の、トリガー式液体噴射具の部分の拡大断面図である。
図3図1に示す噴射容器の、倒立姿勢とした状態におけるトリガー式液体噴射具の部分の拡大断面図である
図4図1に示す噴射容器の、トリガーがノズルに対して上方に位置するように正立姿勢に対して90度傾けた状態におけるトリガー式液体噴射具の部分の拡大断面図である。
図5】噴射口の角度を10°とした変形例に係る噴射容器の、トリガーがノズルに対して上方に位置するように正立姿勢に対して90度傾けた状態におけるトリガー式液体噴射具の部分の拡大断面図である。
図6】噴射口の角度を35°とした変形例に係る噴射容器の、トリガーがノズルに対して上方に位置するように正立姿勢に対して90度傾けた状態におけるトリガー式液体噴射具の部分の拡大断面図である。
図7】噴射口の角度を40°とした変形例に係る噴射容器の、トリガーがノズルに対して上方に位置するように正立姿勢に対して90度傾けた状態におけるトリガー式液体噴射具の部分の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係るトリガー式液体噴射具について詳細に例示説明する。
【0015】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るトリガー式液体噴射具1は、液体Lを収納する容器本体2の口部2aに装着して使用される。トリガー式液体噴射具1と容器本体2とにより噴射容器3が構成される。
【0016】
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、上下方向は、トリガー式液体噴射具1ないし噴射容器3を、図1に示す正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとする。また、径方向は、容器本体2の口部2aの軸線Oを通り、当該軸線Oに垂直な直線に沿う方向を意味するものとする。
【0017】
トリガー式液体噴射具1が装着される容器本体2としては、その内部に例えば冷感剤などのボディーケア用の液体Lを収納することができる種々の形状ないし構成のものを用いることができる。本実施形態では、容器本体2は、合成樹脂製のボトル容器である。容器本体2の口部2aは筒状であり、容器本体2の上端において軸線Oが鉛直方向を向くように上方に向けて開口している。
【0018】
図2に示すように、トリガー式液体噴射具1は本体部10を有している。本体部10は、内部に液体Lの流路11を備えており、装着キャップ20により口部2aに装着されている。
【0019】
本実施形態では、本体部10に設けられる流路11は、軸線Oと平行に延びる第1流路11aと、第1流路11aの上端に連なるとともに第1流路11aに垂直な方向に延びる第2流路11bとを備えたL字形状となっている。本体部10の下端側にはフランジ12が設けられており、フランジ12が装着キャップ20と口部2aとの間に挟み込まれることで本体部10は口部2aに装着されるようになっている。本実施形態では、本体部10は、これを覆うカバー体14を備えている。
【0020】
装着キャップ20は、口部2aと同軸の筒状となっている。すなわち、装着キャップ20の軸線も口部2aと同じ軸線Oとなっている。本実施形態では、口部2a及び装着キャップ20はそれぞれ軸線Oを中心とした円筒状となっており、装着キャップ20はねじ結合によって口部2aの外側に装着されるようになっている。装着キャップ20は上端側に径方向内側に向けて突出する係止部21を一体に備えており、係止部21においてフランジ12を口部2aの上端との間に挟み込むように構成されている。なお、符号22は、口部2aと本体部10との間からの液漏れを防止するためのシールリングである。
【0021】
本体部10にはノズル30が取り付けられている。ノズル30は、流路11に連なる噴射口31を備えており、流路11を通して供給された液体Lを噴射口31から外部に向けて噴射することができる。
【0022】
本実施形態では、ノズル30は、本体部10に設けられた筒体部13に回動自在に支持された支持筒部32と、支持筒部32の一端に一体に設けられた隔壁部33とを有しており、本体部10に対して回動されることで、噴射口31と流路11との連通が遮断された閉位置と、噴射口31と流路11とが連通する開位置とに切り替えることができる。噴射口31は隔壁部33に設けられている。また、隔壁部33の本体部10の側を向く面には、噴射口31と同軸の円筒状の連結筒部34が一体に設けられている。本体部10と隔壁部33との間には軸体35が配置されており、軸体35の先端側部分は連結筒部34に嵌合されている。軸体35は、第2流路11bを筒体部13の内側の空間に連通させる貫通孔35aを備えており、軸体35と連結筒部34との間には、筒体部13の内側の空間を噴射口31に連通させる流路36が設けられている。これにより、噴射口31は、噴射口31の軸線(噴射方向D)を中心とした所定の噴射角度αで液体Lを円錐状に噴射するように構成されている。本実施形態では、噴射口31からの液体Lの噴射角度αは120度である。上記の通り、軸体35を本体部10とは別体の構成としたので、軸体35を用いて噴射口31から液体Lが所定の噴射角度αで円錐状に吐出される構成としつつ、本体部10を合成樹脂材料の射出成形により容易に成形可能な形状とすることができる。なお、本実施形態では、軸体35の軸線Oの側を向く端面の下方側の部分を本体部10に当接させるようにしているが、当該下方側の部分の端面と本体部10との間に隙間を設けて、下方側の貫通孔35aからも液体が筒体部13の内側に流入するようにしてもよい。
【0023】
トリガー式液体噴射具1はトリガー40を備えている。トリガー40は本体部10に支持され、その操作部41が本体部10に対して接近、離反する方向に移動自在となっている。操作部41は使用者によって操作される部分であり、装着キャップ20の軸線Oに対して一方側(図2における左側)に配置されている。操作部41と装着キャップ20との間には間隔が設けられており、操作部41は当該間隔の範囲内で本体部10に対して接近、離反することができる。
【0024】
トリガー40は、レバー形状の操作部41の上端部に円形の支持ピン42を備えており、支持ピン42は本体部10に取り付けられた樹脂バネユニット43の係止部43aに回動自在に支持されている。すなわち、本実施形態では、トリガー40は樹脂バネユニット43を介して本体部10に支持された構成となっている。これにより、トリガー40は、支持ピン42を中心として、図2において実線で示す初期位置から、二点鎖線で示すように装着キャップ20の側に向けて移動した位置との間で、操作部41が本体部10に接近、離反するように移動自在(揺動自在)となっている。なお、トリガー40は、本体部10に直接支持される構成としてもよい。樹脂バネユニット43はブロック状の支持体43bを有しており、支持体43bが本体部10の凹部10aに挿通されるとともに突起により抜け止めされて本体部10に取り付けられている。本体部10の軸線Oよりもトリガー40の側の部分には流路11が設けられていないので、本体部10の当該部位に樹脂バネユニット43を本体部10に取り付けるための凹部10aを設けることができる。また、樹脂バネユニット43は湾曲形状の樹脂バネ43cを有している。樹脂バネ43cの下端部分はトリガー40に係止されており、トリガー40は、樹脂バネ43cにより初期位置に向けて付勢されている。これにより、トリガー40は、樹脂バネ43cのバネ力によって初期位置に保持されるとともに、装着キャップ20に接近する方向に引き操作された後、当該引き操作が解除されると樹脂バネ43cのバネ力によって初期位置に自動的に復帰するようになっている。さらに、樹脂バネユニット43には壁部43dが設けられており、この壁部43dにより樹脂バネユニット43の内部空間が覆われて当該内部空間が外部から視認できないようになっている。
【0025】
なお、トリガー40は、本体部10に支持されて操作部41が本体部10に対して接近、離反する方向に移動自在となる構成であれば、例えば、本体部10にガイドレール等によって直線的ないし曲線的にスライド支持される構成など、他の構成であってもよい。
【0026】
本体部10にはポンプ50が設けられている。ポンプ50は、トリガー40に駆動されて作動し、容器本体2の内部の液体Lを噴射口31に圧送する。
【0027】
本実施形態では、ポンプ50は、ピストン51とシリンダ52とを備えたピストン式となっており、第1流路11aの途中に設けられている。第1流路11aのポンプ50との連通部分の下流側と上流側には、それぞれ逆止弁53、54が設けられている。
【0028】
ピストン51はトリガー40に連結されている。より具体的には、トリガー40の操作部41と支持ピン42との間の部分には断面円形の突起44が設けられており、この突起44がピストン51の前端部分に設けられた凹部51aに係合することで、ピストン51はトリガー40に連結されている。これにより、ピストン51は、トリガー40の操作により作動する。すなわち、トリガー40が初期位置から装着キャップ20に接近する方向に引き操作されると、ピストン51がシリンダ52の内部に向けて移動するとともに逆止弁54が開き、逆止弁53が閉じて、ポンプ50は、シリンダ52の内部の液体Lを、第2流路11b及び第1流路11aを通して噴射口31に圧送するように作動する。トリガー40の引き操作が解除されると、ピストン51がトリガー40の復帰動作によりシリンダ52の内部から外方に向けて移動するとともに逆止弁53が開き、逆止弁54が閉じて、ポンプ50は、容器本体2の内部の液体Lを、第2流路11bを通してシリンダ52の内部に吸引するように作動する。
【0029】
なお、ポンプ50は、上記構成に限らず、トリガー40に駆動されて作動して容器本体2の内部の液体Lを噴射口31に圧送することができるものであれば、他の構成のものとしてもよい。
【0030】
上記構成のトリガー式液体噴射具1を用いた噴射容器3によれば、使用者は、装着キャップ20の部分を手で掴んで噴射容器3を保持するとともにトリガー40の操作部41に指を掛けて当該トリガー40を引き操作することで、ポンプ50を作動させて、容器本体2の内部の液体Lを噴射口31から外部に所定量ずつ小分けに噴射させることができる。液体Lをノズル30の噴射口31から噴射させることができる。
【0031】
トリガー式液体噴射具1は、本体部10に正倒立機構60が設けられた構成とすることもできる。正倒立機構60は、本体部10が正立姿勢及び倒立姿勢の何れの場合であっても、容器本体2の内部の液体Lを流路11に導入可能とするものである。
【0032】
より具体的には、正倒立機構60は、本体部10に支持されたケース体61を有している。ケース体61の内部には、流路11(第1流路11a)に連なる連通路62が設けられている。また、ケース体61には、連通路62に連なる吸引パイプ63が接続されており、図1に示すように、吸引パイプ63の下端は容器本体2の底部にまで延びている。ケース体61の内部には、隔壁64により連通路62とは区画されて弁室65が設けられており、弁室65には球状の弁体66が上下方向に移動自在に配置されている。弁室65は、ケース体61に設けられた連通孔67を通して口部2aの内側において容器本体2の内部に連通している。また、隔壁64には、弁室65を連通路62に連通させる流出口68が設けられている。
【0033】
本体部10すなわちトリガー式液体噴射具1が正立姿勢であるときには、弁体66が弁室65の内部で自重によって下方に移動し、流出口68が弁体66により閉塞され、流路11は連通路62と吸引パイプ63とを介して容器本体2の底部に連通した状態となる。したがって、トリガー式液体噴射具1が正立姿勢の状態でトリガー40が操作されたときには、容器本体2の内部の液体Lは容器本体2の底部から吸引パイプ63を通して流路11に吸引されるので、液体Lの残量が減っても流路11に液体Lを吸引することができる。一方、図3に示すように、本体部10すなわちトリガー式液体噴射具1が倒立姿勢とされると、弁体66が弁室65の内部で自重によって流出口68から離れるように下方に移動し、流出口68が開かれて流路11は弁室65と連通孔67とを介して容器本体2の口部2aの内側部分に連通した状態となる。したがって、トリガー式液体噴射具1が倒立姿勢の状態でトリガー40が操作されたときには、容器本体2の内部の液体Lは口部2aの内側部分から連通孔67、弁室65、流出口68及び連通路62を通して流路11に吸引されるので、トリガー式液体噴射具1が倒立姿勢の状態においても容器本体2の内部の液体Lを流路11に吸引することができる。
【0034】
本実施形態のトリガー式液体噴射具1では、トリガー40の操作部41が装着キャップ20の軸線Oに対して一方側に配置されているのに対し、ノズル30の噴射口31は装着キャップ20の軸線Oに対して操作部41とは反対側に向けられている。すなわち、装着キャップ20の軸線Oに対してトリガー40の操作部41が設けられる側を前方とし、ノズル30が設けられる側を後方とすると、トリガー40の操作部41が装着キャップ20に対して前方側に配置されているのに対し、ノズル30の噴射口31は後方に向けて開口するように設けられている。
【0035】
なお、平面視において、トリガー40と噴射口31とは軸線Oを挟んで対称の位置にある。
【0036】
図2に示すように、本実施形態では、第2流路11bは装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向(水平方向)に沿って後方に向けて真っ直ぐに延びており、ノズル30の噴射口31も装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向(水平方向)となって後方に向けられている。
【0037】
したがって、本実施形態のトリガー式液体噴射具1を用いた使用者は、容器本体2に収納する液体Lを例えば冷感剤などのボディーケア用の液体とし、容器本体2に収納されている液体Lを自分の身体に向けて噴射させたい場合において、装着キャップ20の部分を手で掴んで噴射容器3を保持するとともにトリガー40の操作部41に指を掛けて当該トリガー40を引き操作することで、手首や腕を大きく曲げたりすることなく、後方を向く噴射口31から自分の身体に向けて液体Lを容易に噴射させることができる。
【0038】
このように、本実施形態のトリガー式液体噴射具1では、トリガー40の操作部41を装着キャップ20の軸線Oに対して一方側に配置し、ノズル30の噴射口31を装着キャップ20の軸線Oに対して操作部41とは反対側に向けた構成としたので、手首や腕を大きく曲げたりすることなく、液体Lを自分の身体に向けて容易に噴射させることができる。
【0039】
本実施形態のトリガー式液体噴射具1は、噴射口31を、装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して10°~35°の範囲内で下方に向けられた構成とすることもできる。特に、噴射口31を、装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して35°の角度で下方に向けられた構成とするのが好ましい。
【0040】
使用者が、手で保持した噴射容器3を、腕を上げつつ肘を曲げて肩越しに背中70の側に回して液体Lを背中70に向けて噴射させようとした場合、図4に示すように、トリガー式液体噴射具1は、トリガー40がノズル30に対して上方に位置するように正立姿勢に対して90度傾いた姿勢となる。
【0041】
このとき、ノズル30の噴射口31が装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向(ノズル角度:0度)に向けられている構成では、噴射口31からの液体Lの噴射方向Dが背中70と略平行となり、噴射口31から噴射された液体Lの1/3程度しか背中70に付着せず、その効率は良くないものとなる。
【0042】
これに対し、図5に示すように、ノズル30の噴射口31を、装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して10°の角度(ノズル角度:10度)で下方に向けられた構成とすることで、トリガー式液体噴射具1が、トリガー40がノズル30に対して上方に位置するように正立姿勢に対して90度傾いた姿勢となったときに、噴射口31からの液体Lの噴射方向Dが背中70の側に10°の角度で傾斜するようにして、噴射口31から噴射された液体Lの2/3程度を背中70に付着させることができる。
【0043】
また、図6に示すように、ノズル30の噴射口31を、装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して35°の角度(ノズル角度:35度)で下方に向けられた構成とすることで、トリガー式液体噴射具1が、トリガー40がノズル30に対して上方に位置するように正立姿勢に対して90度傾いた姿勢となったときに、噴射口31からの液体Lの噴射方向Dが背中70の側に35°の角度で傾斜するようにして、噴射口31から噴射された液体Lのほぼ全量を背中70に付着させることができる。
【0044】
一方、図7に示すように、ノズル30の噴射口31を、装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して45°の角度(ノズル角度:45度)で下方に向けられた構成とすると、トリガー式液体噴射具1が、トリガー40がノズル30に対して上方に位置するように正立姿勢に対して90度傾いた姿勢となったときに、噴射口31からの液体Lの噴射方向Dは背中70の側に45°の角度で傾斜することになるが、この場合、噴射口31から噴射された液体Lが背中70の所定範囲のみに局所的に付着してしまい、背中70の全体に液体Lを付着させ難くなる。
【0045】
このように、噴射口31を、装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して10°~35°の範囲内で下方に向けられた構成とすることで、本実施形態のトリガー式液体噴射具1を、自分の背中70に液体Lを容易かつ効率よく噴射ないし塗布することができるものとすることができる。
【0046】
特に、噴射口31を、装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して35°の角度で下方に向けられた構成とすることで、本実施形態のトリガー式液体噴射具1を、自分の背中70に液体Lをより効率よく噴射ないし塗布することができるものとすることができる。
【0047】
なお、図5図7に示す場合では、本体部10に設けられる流路11の第2流路11bを装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して傾斜させつつ第2流路11bと平行にノズル30ないし噴射口31を設けた構成としたが、これに限らず、本体部10に設けられる流路11の第2流路11bを装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に延びる構成としつつノズル30ないし噴射口31のみを装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して傾斜させた構成としてもよい。
【0048】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0049】
例えば、前記実施形態では、ノズル30の噴射口31が装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に沿った方向(ノズル角度:0度)に向けられている構成、ノズル30の噴射口31が装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して10°の角度(ノズル角度:10度)で下方に向けられた構成、ノズル30の噴射口31が装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して35°の角度(ノズル角度:10度)で下方に向けられた構成、及び、ノズル30の噴射口31が装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して45°の角度(ノズル角度:10度)で下方に向けられた構成を例示しているが、これに限らず、ノズル30の噴射口31が装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して成す角度を上記以外の角度に設定した構成としてもよく、ノズル30の噴射口31が装着キャップ20の軸線Oに垂直な方向に対して所定の角度で上方に向けられた構成としてもよい。
【0050】
また、前記実施形態では、本体部10に正倒立機構60を設けるようにしているが、正倒立機構60を設けない構成としてもよい。
【0051】
さらに、トリガー式液体噴射具1が装着される容器本体2に収納される液体Lは、冷感剤などのボディーケア用の液体に限らず、種々の液体であってよい。
【符号の説明】
【0052】
1 トリガー式液体噴射具
2 容器本体
2a 口部
3 噴射容器
10 本体部
10a 凹部
11 流路
11a 第1流路
11b 第2流路
12 フランジ
13 筒体部
14 カバー体
20 装着キャップ
21 係止部
22 シールリング
30 ノズル
31 噴射口
32 支持筒部
33 隔壁部
34 連結筒部
35 軸体
35a 貫通孔
36 流路
40 トリガー
41 操作部
42 支持ピン
43 樹脂バネユニット
43a 係止部
43b 支持体
43c 樹脂バネ
43d 壁部
44 突起
50 ポンプ
51 ピストン
51a 凹部
52 シリンダ
53 逆止弁
54 逆止弁
60 正倒立機構
61 ケース体
62 連通路
63 吸引パイプ
64 隔壁
65 弁室
66 弁体
67 連通孔
68 流出口
70 背中
L 液体
O 軸線
D 噴射方向
α 噴射角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7