(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050180
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】変倍光学系及び眼科装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/14 20210101AFI20240403BHJP
A61B 3/10 20060101ALI20240403BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20240403BHJP
【FI】
G02B7/14
A61B3/10 100
G02B7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156864
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100083563
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 祥二
(72)【発明者】
【氏名】清水 仁
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大
【テーマコード(参考)】
2H044
4C316
【Fターム(参考)】
2H044AJ06
2H044AJ07
2H044HB02
4C316AA09
4C316AB02
4C316AB11
4C316AB16
4C316FY01
4C316FY04
4C316FY05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡潔な機構で、且つ占有空間の小さい変倍光学系及び眼科装置を提供する。
【解決手段】光路中に変倍部が挿脱される変倍光学系に於いて、前記変倍部は光路の光軸に対して回転可能に設けられ、前記変倍部は変倍用の複数のレンズを保持すると共に該複数のレンズと干渉しない光束通過孔38が形成され、非変倍状態では前記変倍部が所定角度で傾斜され、前記複数のレンズは光路外に退避し、前記光路は前記光束通過孔を通過し、変倍状態では前記変倍部が復元され、前記複数のレンズが前記光路上に位置する様構成された。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路中に変倍部が挿脱される変倍光学系に於いて、前記変倍部は光路の光軸に対して回転可能に設けられ、前記変倍部は変倍用の複数のレンズを保持すると共に該複数のレンズと干渉しない光束通過孔が形成され、非変倍状態では前記変倍部が所定角度で傾斜され、前記複数のレンズは光路外に退避し、前記光路は前記光束通過孔を通過し、変倍状態では前記変倍部が復元され、前記複数のレンズが前記光路上に位置する様構成された変倍光学系。
【請求項2】
前記変倍光学系は、前記変倍部を含む変倍部アッセンブリ、集光レンズを含む集光レンズアッセンブリ、イメージセンサを含むイメージセンサアッセンブリを具備し、前記変倍部アッセンブリ、集光レンズアッセンブリ、イメージセンサアッセンブリは前記変倍部アッセンブリが集光レンズアッセンブリとイメージセンサアッセンブリとの間に位置する様にそれぞれ基板に取付けられた請求項1に記載の変倍光学系。
【請求項3】
前記変倍部アッセンブリは前記基板と平行で且つ前記光軸と直交する方向に延在する軸に回転可能に設けられた請求項2に記載の変倍光学系。
【請求項4】
前記基板に垂直軸心を中心に回転するターンテーブルが設けられ、該ターンテーブルに前記変倍部アッセンブリが設けられた請求項2に記載の変倍光学系。
【請求項5】
前記基板に垂直軸心を中心に回転するターンテーブルが設けられ、該ターンテーブルに前記基板と平行で且つ前記変倍部アッセンブリの軸心と直交する方向に延在する軸が設けられ、該軸を中心に回転可能に前記変倍部アッセンブリが設けられた請求項2に記載の変倍光学系。
【請求項6】
前記基板には、前記各アッセンブリに対応したアッセンブリ装着部位が形成され、該装着部位はアッセンブリの位置決め用の突当て面を有し、アッセンブリを対応するアッセンブリ装着部位の突当て面に当接させた状態で取付けることでアッセンブリの位置決めがされる様構成された請求項2に記載の変倍光学系。
【請求項7】
光路中に変倍部が挿脱される変倍光学系であり、前記変倍部は光路の光軸に対して回転可能に設けられ、前記変倍部は変倍用の複数のレンズを保持すると共に該複数のレンズと干渉しない光束通過孔が形成され、非変倍状態では前記変倍部が所定角度で傾斜され、前記複数のレンズは光路外に退避し、前記光路は前記光束通過孔を通過し、変倍状態では前記変倍部が復元され、前記複数のレンズが前記光路上に位置する様構成された変倍光学系を具備する眼科装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変倍機構を有する変倍光学系及び眼科装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光学系を有する装置、例えば眼科装置は変倍機構を有する光学系を具備している。
【0003】
例えば、眼底の断層像を観察、撮影するOCT装置、或は眼底カメラ等の光学系は、変倍機能を備えている。
【0004】
従来、光学系の変倍機構としては、ズームレンズによるもの、或は回転可能な円板に複数のレンズを設け、円板の回転により光路に挿入するレンズを選択するタレット方式のもの等が挙げられる。
【0005】
これらの変倍機構は、いずれも機構が複雑であり、占有空間が大きいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5-309072号公報
【特許文献2】特開2013-135976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、簡潔な機構で、且つ占有空間の小さい変倍光学系及び眼科装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、光路中に変倍部が挿脱される変倍光学系に於いて、前記変倍部は光路の光軸に対して回転可能に設けられ、前記変倍部は変倍用の複数のレンズを保持すると共に該複数のレンズと干渉しない光束通過孔が形成され、非変倍状態では前記変倍部が所定角度で傾斜され、前記複数のレンズは光路外に退避し、前記光路は前記光束通過孔を通過し、変倍状態では前記変倍部が復元され、前記複数のレンズが前記光路上に位置する様構成された変倍光学系に係るものである。
【0009】
又本発明は、前記変倍光学系は、前記変倍部を含む変倍部アッセンブリ、集光レンズを含む集光レンズアッセンブリ、イメージセンサを含むイメージセンサアッセンブリを具備し、前記変倍部アッセンブリ、集光レンズアッセンブリ、イメージセンサアッセンブリは前記変倍部アッセンブリが集光レンズアッセンブリとイメージセンサアッセンブリとの間に位置する様にそれぞれ基板に取付けられた変倍光学系に係るものである。
【0010】
又本発明は、前記変倍部アッセンブリは前記基板と平行で且つ前記光軸と直交する方向に延在する軸に回転可能に設けられた変倍光学系に係るものである。
【0011】
又本発明は、前記基板に垂直軸心を中心に回転するターンテーブルが設けられ、該ターンテーブルに前記変倍部アッセンブリが設けられた変倍光学系に係るものである。
【0012】
又本発明は、前記基板に垂直軸心を中心に回転するターンテーブルが設けられ、該ターンテーブルに前記基板と平行で且つ前記変倍部アッセンブリの軸心と直交する方向に延在する軸が設けられ、該軸を中心に回転可能に前記変倍部アッセンブリが設けられた変倍光学系に係るものである。
【0013】
又本発明は、前記基板には、前記各アッセンブリに対応したアッセンブリ装着部位が形成され、該装着部位はアッセンブリの位置決め用の突当て面を有し、アッセンブリを対応するアッセンブリ装着部位の突当て面に当接させた状態で取付けることでアッセンブリの位置決めがされる様構成された変倍光学系に係るものである。
【0014】
更に又本発明は、光路中に変倍部が挿脱される変倍光学系であり、前記変倍部は光路の光軸に対して回転可能に設けられ、前記変倍部は変倍用の複数のレンズを保持すると共に該複数のレンズと干渉しない光束通過孔が形成され、非変倍状態では前記変倍部が所定角度で傾斜され、前記複数のレンズは光路外に退避し、前記光路は前記光束通過孔を通過し、変倍状態では前記変倍部が復元され、前記複数のレンズが前記光路上に位置する様構成された変倍光学系を具備する眼科装置に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光路中に変倍部が挿脱される変倍光学系に於いて、前記変倍部は光路の光軸に対して回転可能に設けられ、前記変倍部は変倍用の複数のレンズを保持すると共に該複数のレンズと干渉しない光束通過孔が形成され、非変倍状態では前記変倍部が所定角度で傾斜され、前記複数のレンズは光路外に退避し、前記光路は前記光束通過孔を通過し、変倍状態では前記変倍部が復元され、前記複数のレンズが前記光路上に位置する様構成されたので、簡単な機構で、且つ光路中に変倍部を挿脱した場合の占有空間の変化が少ない変倍光学系を提供することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】変倍光学系の基本構成図であり、(A)は非変倍状態、(B)は変倍状態を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施例の斜視図であり、(A)は非変倍状態、(B)は変倍状態を示す図である。
【
図3】(A)は第1の実施例の非変倍状態の断面図、(B)は第1の実施例の変倍状態の断面図である。
【
図4】アッセンブリが取付けられる基板の平面図である。
【
図5】第2の実施例の斜視図であり、(A)は非変倍状態、(B)は変倍状態を示す図である。
【
図6】第3の実施例の斜視図であり、(A)は非変倍状態、(B)は変倍状態を示す図である。
【
図7】第4の実施例の斜視図であり、(A)は非変倍状態、(B)は変倍状態を示す図である。
【
図8】(A)は第5の実施例の非変倍状態の斜視図、(B)は非変倍状態の変倍部アッセンブリ部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0018】
先ず、
図1(A)、
図1(B)に於いて、変倍光学系について説明する。
図1は、変倍光学系の一例としてOCT(Optical Coherence Tomography)装置の画像取得部の光学系1を示している。OCT装置の詳細については、特開2013-135976号に開示されている。
【0019】
該光学系1について略述すると、光源から射出された光線は一部が参照光として分割され、他部は眼底に入射される。眼底からの眼底反射光と参照光とが合波され、干渉光として前記光学系1に入射される。
【0020】
図1(A)は変倍されていない状態、
図1(B)は変倍された状態を示している。
【0021】
図示しないコリメートレンズにより平行光とされた干渉光は、図示しない回折格子により分光(スペクトル分解)され、集光レンズ2により集光されてイメージセンサ3の受光面に投影される。尚、回折格子は透過型であっても、反射型であってもよい。又、イメージセンサ3としては、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等が用いられる。
【0022】
変倍された状態では、前記集光レンズ2と前記イメージセンサ3との間の光路に変倍部4が挿入される。該変倍部4は複数のレンズ5,6,7によって構成されている。
【0023】
要求される変倍の倍率に対応して該レンズ5,6,7の仕様、組合わせが決定される。
【0024】
図2(A)、
図2(B)~
図4は
図1に示された光学系1を具体化する第1の実施例を示している。
【0025】
図2に於いて、11は基板を示し、該基板11に集光レンズアッセンブリ14、イメージセンサアッセンブリ15、変倍部アッセンブリ16が取付けられる。
【0026】
前記基板11には、
図4に示される様に、所定の深さにアッセンブリ装着面18が形成され、更に該アッセンブリ装着面18は、第1装着部位18a、第2装着部位18b、第3装着部位18cを含んでいる。
【0027】
前記第1装着部位18aには前記集光レンズアッセンブリ14が取付けられ、前記第2装着部位18bには前記イメージセンサアッセンブリ15が取付けられ、前記第3装着部位18cには前記変倍部アッセンブリ16が取付けられる様になっており、前記第1装着部位18a~前記第3装着部位18cは、それぞれ各アッセンブリに対応した形状となっている。
【0028】
更に、前記第1装着部位18a~前記第3装着部位18cは各アッセンブリの位置決め用の突当て面を有している。
【0029】
例えば、前記集光レンズアッセンブリ14が取付けられる前記第1装着部位18aでは直交する2つの縁面28a,28a′が突当て面となっており、前記集光レンズアッセンブリ14を取付ける際に、該集光レンズアッセンブリ14を前記縁面28a,28a′に突当てることで、前記集光レンズアッセンブリ14の前記基板11に対する位置決めがされる様になっている。
【0030】
同様に、第2装着部位18bについては縁面28b,28b′、第3装着部位18cについては縁面28c,28c′がそれぞれ突当て面となっており、各アッセンブリ15,16を各装着部位18b,18cに取付ける際に、それぞれ、前記縁面28b,28b′、前記縁面28c,28c′に突当てることで、各アッセンブリ15,16の前記基板11に対する位置決めがなされ、同時にアッセンブリ14,15,16間の位置決めもなされる様になっている。
【0031】
図2、
図3を参照して各アッセンブリについて説明する。
【0032】
前記集光レンズアッセンブリ14は、前記集光レンズ2を保持し、独立して着脱可能な組部品として構成される。
【0033】
前記集光レンズアッセンブリ14は、前記ホルダ14a、前記集光レンズ2を保持する鏡筒14bを含み、該鏡筒14bは前記ホルダ14aに摺動自在に嵌合され、一部で螺子結合されている。前記鏡筒14bを回転することで前記鏡筒14b、即ち前記集光レンズ2の光軸方向の微調整が可能となっており、前記鏡筒14bの位置はロックナット14cによって固定される。
【0034】
前記イメージセンサアッセンブリ15は前記イメージセンサ3を含み、独立して着脱可能な組部品として構成される。前記イメージセンサ3からは画像データが出力され、画像データは、画像処理装置(図示せず)或は制御装置(図示せず)等に入力される。
【0035】
前記変倍部アッセンブリ16について説明する。
【0036】
該変倍部アッセンブリ16は、主に、前記変倍部4を含む変倍レンズユニット31、固定部材32、アクチュエータ34により構成される。
【0037】
前記変倍レンズユニット31は、前記固定部材32を介して前記基板11(前記第3装着部位18c)に固着される。前記変倍レンズユニット31は水平方向(前記基板11の装着部位の面と平行に)に延在する軸33を介して固定部材32に回転可能に取付けられる。又、第1の実施例では前記軸33はその軸心が前記光軸Oと直交する様に設けられている。尚、前記軸33の軸心は前記光軸に対して上下にずれていてもよい。
【0038】
前記アクチュエータ34は前記変倍レンズユニット31を前記軸33を中心に鉛直方向に回転させ光束光軸Oに対して所定角度傾斜させるものであり、本実施例ではアクチュエータ34としてロータリソレノイド35が用いられ、該変倍レンズユニット31の駆動によって前記変倍レンズユニット31が光路中に挿脱される。
【0039】
図2(A)は、光学系1が変倍されていない状態を示している。
【0040】
光学系1が変倍されていない状態では、前記変倍レンズユニット31が前記ロータリソレノイド35によって反時計方向に所定角度回転され、前記レンズ5,6,7は光路から退避した状態となっており、又前記変倍レンズユニット31は回転された状態でストッパ36に当接し、回転状態(即ち、前記変倍レンズユニット31の光軸Oが光束の光軸に対して所定角度傾斜した状態)が保持される様になっている。
【0041】
図3(A)を参照して、前記変倍レンズユニット31について説明する。
【0042】
前記変倍レンズユニット31が傾斜した状態では、光束は前記変倍レンズユニット31を通過する様になっている。
【0043】
前記変倍レンズユニット31に含まれる複数のレンズ5,6,7は鏡筒37によって所定の間隔で保持され、該鏡筒37の前記レンズ5とレンズ6との間には光束通過孔38が形成されている。前記変倍レンズユニット31が傾斜した状態では前記光束通過孔38の軸心と光束の軸心とが合致(略合致した状態を含む)し、光束は前記光束通過孔38を通過する様になっている。
【0044】
図2(B)、
図3(B)は、前記変倍レンズユニット31が光路中に挿入され、変倍されている状態を示している。
【0045】
前記変倍レンズユニット31は、時計方向に前記所定角度復元回転されストッパ39に当接することで、光路中に正確に位置決めされる。該変倍レンズユニット31が前記ストッパ39に当接した状態では、前記変倍レンズユニット31の光軸は、光束の光軸と正確に合致する様になっている。光束は、前記レンズ5,6,7によって変倍され、前記イメージセンサ3に入射する。
【0046】
本実施例によれば、変倍状態、非変倍状態との変更は、前記変倍レンズユニット31を水平な軸心(前記軸33)を中心に所定角(例えば、45°程度)回転させるだけでよく、簡単な支持機構、簡単なアクチュエータにより変倍機構が得られる。
【0047】
又、非変倍状態では、前記変倍レンズユニット31の前記イメージセンサ3側の端部が上方に僅かに突出するだけであり、変倍状態、非変倍状態で変倍機構が占有する空間は殆ど変らない。即ち、最小の占有空間で、変倍機構の適用が可能である。
【0048】
図5(A)、
図5(B)は第2の実施例を示している。尚、
図5(A)、
図5(B)中、
図2(A)、
図2(B)中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
第2の実施例では、アクチュエータ34としてプッシュソレノイドが用いられている。
【0050】
変倍レンズユニット31のイメージセンサ3側と基板11間に圧縮スプリング41が設けられ、前記変倍レンズユニット31を反時計方向に付勢している。
【0051】
前記変倍レンズユニット31の側方にプッシュソレノイド42が設けられ、該プッシュソレノイド42はプランジャ43を光軸と平行に突出する様作動する。前記変倍レンズユニット31の集光レンズアッセンブリ14側にはピン44が突設され、前記プランジャ43の先端には前記ピン44に当接するプッシュプレート45が設けられている。
【0052】
非変倍状態では、前記変倍レンズユニット31は反時計方向に回転しており、前記プランジャ43は後退した状態となっている。非変倍状態で、光束が光束通過孔38を通過することは第1の実施例と同様である。
【0053】
変倍状態を得るには、前記プッシュソレノイド42を駆動し、前記プランジャ43を突出させる。前記ピン44に水平方向の力が作用することで、該ピン44は水平方向に変位すると共に前記プッシュプレート45に対して摺動し、前記変倍レンズユニット31に時計方向の回転力が付与され、該変倍レンズユニット31は時計方向に復元回転し、該変倍レンズユニット31の光軸が光軸Oと合致する様位置決めされ、変倍状態となる。
【0054】
本実施例に於いても、前記プッシュプレート45の駆動によって前記変倍レンズユニット31を所定角度回転し、更に前記圧縮スプリング41の力で復帰させる構造であり、簡単な機構で、占有空間も少なくて済む。
【0055】
尚、第1の実施例、第2の実施例に於いて、アクチュエータとして、ロータリソレノイド、プッシュソレノイドを示したが、その他モータ、シリンダ等が用いられてもよいことは言う迄もない。
【0056】
図6(A)、
図6(B)は第3の実施例を示している。尚、
図6(A)、
図6(B)中、
図2(A)、
図2(B)中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。又、
図6(A)、
図6(B)中、アクチュエータの図示を省略している。
【0057】
第3の実施例では、前記鏡筒37(
図3参照)に形成する光束通過孔38の位置をレンズ6とレンズ7との間に変更した場合を示している。
【0058】
要求される変倍の倍率に対応して該レンズ5,6,7の仕様、組合わせが決定される。従って、前記光束通過孔38を形成する最適な位置は、該レンズ5,6,7の仕様、組合わせによって変化する。第4の実施例は、前記レンズ6とレンズ7との間に前記光束通過孔38を設けることが適している場合を示している。
【0059】
図7(A)、
図7(B)は第4の実施例を示している。尚、
図7(A)、
図7(B)中、
図2(A)、
図2(B)中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。又、
図7(A)、
図7(B)中、アクチュエータの図示を省略している。
【0060】
第1の実施例、第2の実施例、第3の実施例では、変倍レンズユニット31を水平軸心を中心に回転させたが、第3の実施例では、垂直軸心を中心に前記変倍レンズユニット31を回転させる構成となっている。即ち、前記変倍部アッセンブリ16が水平軸心を中心に回転する様になっている。
図7(A)、
図7(B)中、アクチュエータの図示を省略している。
【0061】
基板11にターンテーブル47が垂直軸心を中心に回転可能に設けられ、前記ターンテーブル47に前記変倍レンズユニット31が取付けられている。
【0062】
前記ターンテーブル47は図示しないアクチュエータにより水平方向に所定角度(図示では90°)回転可能となっている。非変倍状態は前記変倍レンズユニット31が90°回転した状態であり、光束通過孔38が光軸に合致し、光束は該光束通過孔38を通過する様になっている。
【0063】
変倍状態では、前記変倍レンズユニット31が所定角度復元され、変倍レンズユニット31の光軸が光束の光軸Oと合致する様になっている。
【0064】
尚、前記光束通過孔38はレンズ5,6,7と干渉しない様に設けられればよく、前記変倍レンズユニット31の回転角度が45°程度で、前記光束通過孔38が光軸と合致する様に設けられてもよい。
【0065】
図8(A)、
図8(B)は、鉛直方向に所定角度回転と水平方向に所定角度回転とを組合わせて、前記変倍部アッセンブリ16の光軸を光束光軸に対して所定角度傾斜させる様にしたものである。
【0066】
基板11にターンテーブル47が垂直な軸心を中心に水平方向に回転可能に設けられ、該ターンテーブル47に固定部材32を介して変倍レンズユニット31が取付けられる。該固定部材32には、該変倍レンズユニット31の軸心(光軸)と直交する方向に延在する軸33が設けられ、前記変倍レンズユニット31は前記軸33を介して前記固定部材32に鉛直方向に回転可能に設けられている。
【0067】
前記変倍レンズユニット31には光束通過孔38が設けられている。前記変倍レンズユニット31を水平方向に所定角度、更に鉛直方向に所定角度回転させることで、前記光束通過孔38の軸心が光束の光軸と合致し、非変倍状態が得られる。
【0068】
尚、本実施例に於いては、非変倍状態を得る為、変倍レンズユニット31を光軸に対して回転させ所定角度傾斜させることで光束を前記変倍レンズユニット31内を通過させるものであり、該変倍レンズユニット31に保持されているレンズと干渉することなく、光束通過孔38を形成できればよく、回転角度、回転方向、前記変倍レンズユニット31の支持構造等、上記実施例に限定されるものではない。
【0069】
又、上記実施例では変倍部4が集光レンズ2とイメージセンサ3との間に設けられたが、光学系の適用可能な位置であれば何処に設けられてもよいことは言う迄もない。
【0070】
更に、上記説明では、本発明を眼科装置に適用した場合を説明したが、本発明は眼科装置に限らず、変倍機能を供えた種々の装置、例えば測量装置、試験装置等に実施可能であることは言う迄もない。
【符号の説明】
【0071】
1 光学系
2 集光レンズ
3 イメージセンサ
4 変倍部
11 基板
14 集光レンズアッセンブリ
15 イメージセンサアッセンブリ
16 変倍部アッセンブリ
31 変倍レンズユニット
33 軸
37 鏡筒
38 光束通過孔
47 ターンテーブル