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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050192
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】記録装置及び媒体支持装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/42 20060101AFI20240403BHJP
   B65H 7/00 20060101ALI20240403BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B41J11/42
B65H7/00
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156889
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】林 聖哉
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 恒之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 準也
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
3F048
【Fターム(参考)】
2C056EB36
2C056EB42
2C056EC35
2C056HA29
2C058AB12
2C058AB15
2C058AC07
2C058AC08
2C058AE04
2C058AE08
2C058AF27
2C058AF35
3F048AA01
3F048AB01
3F048AC02
3F048BA20
3F048BA21
(57)【要約】
【課題】ユーザーの利便性を向上させることができる記録装置及び媒体支持装置を提供する。
【解決手段】記録装置は、媒体を支持可能である支持面を有する支持部と、支持部に支持される媒体に記録可能である記録部と、支持面に画像を投影可能である投影部と、を備える。投影部は、支持面に光を照射可能である照射部と、照射部から照射される光の一部を遮光する遮光部と、を有する。遮光部は、照射部から照射される光の一部を遮光する少なくとも1つの遮光領域を有する。投影部は、照射部が照射する光の一部を少なくとも1つの遮光領域で遮光することにより、支持面に支持される媒体の基準位置を示す基準位置画像を支持面に投影可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を支持可能である支持面を有する支持部と、
前記支持部に支持される媒体に記録可能である記録部と、
前記支持面に画像を投影可能である投影部と、
を備え、
前記投影部は、前記支持面に光を照射可能である照射部と、前記照射部から照射される光の一部を遮光する遮光部と、を有し、
前記遮光部は、前記照射部から照射される光の一部を遮光する少なくとも1つの遮光領域を有し、
前記投影部は、前記照射部が照射する光の一部を前記少なくとも1つの遮光領域で遮光することにより、前記支持面に支持される媒体の基準位置を示す基準位置画像を前記支持面に投影可能である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、
前記照射部を制御する制御部を備え、
前記照射部は、第1光源と、第2光源とを有し、
前記第1光源は、前記少なくとも1つの遮光領域との距離が第1距離となるように位置し、
前記第2光源は、前記少なくとも1つの遮光領域との距離が前記第1距離よりも長い第2距離となるように位置し、
前記制御部は、複数のモードのうち何れかに制御可能であり、
前記複数のモードは、第1モードと、第2モードとを有し、
前記第1モードは、前記第1光源及び前記第2光源の両方を点灯するモードであり、
前記第2モードは、前記第1光源を点灯し、かつ、前記第2光源を消灯するモードである、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録装置において、
前記制御部は、前記第2モードにおける前記第1光源の発光強度が、前記第1モードにおける前記第1光源の発光強度より大きくなるように前記第1光源を制御する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の記録装置において、
前記遮光部が前記照射部に対して移動可能となるように前記遮光部を保持する保持部を備え、
前記基準位置画像は、第1基準位置画像と、前記第1基準位置画像とは異なる第2基準位置画像と、を有し、
前記少なくとも1つの遮光領域は、前記第1基準位置画像を構成するための第1遮光領域と、前記第2基準位置画像を構成するための第2遮光領域と、を有し、
前記保持部は、前記第1遮光領域及び前記第2遮光領域のうち、前記照射部に最も近い位置に配置される遮光領域が切り替わるように前記遮光部を保持する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の記録装置において、
搬送方向に媒体を搬送可能である搬送部を備え、
前記搬送方向と交差する方向を幅方向とした場合に、前記基準位置画像は、媒体の幅方向における端部の基準位置を特定可能な画像である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項5に記載の記録装置において、
前記遮光部が前記照射部に対して前記搬送方向に移動可能となるように前記遮光部を保持する保持部を備える、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の記録装置において、
前記照射部を制御する制御部を備え、
前記遮光部の位置を検出可能である位置検出部を備え、
前記制御部は、前記位置検出部によって検出された結果に基づいて前記照射部を制御する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の記録装置において、
搬送方向に媒体を搬送可能である搬送部を備え、
前記搬送部は、搬送させる媒体を支持する搬送ベルトを有し、
前記支持部は、前記搬送ベルトを含み、
前記支持面は、前記搬送ベルトが媒体を支持する面である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項9】
記録の対象である媒体を支持可能である支持面を有する支持部と、
前記支持面に画像を投影可能である投影部と、
を備え、
前記投影部は、前記支持面に光を照射可能である照射部と、前記照射部から照射される光の一部を遮光する遮光部と、を有し、
前記遮光部は、前記照射部から照射される光の一部を遮光する少なくとも1つの遮光領域を有し、
前記投影部は、前記照射部が照射する光の一部を前記少なくとも1つの遮光領域で遮光することにより、前記支持面に支持される媒体の基準位置を示す基準位置画像を前記支持面に投影可能である、
ことを特徴とする媒体支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置及び媒体支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、媒体を支持した状態で媒体を搬送する支持面を有する搬送ベルトと、支持面に支持された媒体に記録を行う記録部とを備える記録装置が開示されている。このような記録装置において、支持面には、媒体を載置する際に基準となる基準位置が記録部によって記録される、又は、記録部による記録以外の方法で予め付されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-159152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような記録装置においては、記憶部によって支持面に基準位置が記録される場合には、例えば記録用の液体などの消費量が増大してしまうおそれがあった。また、記録部による記録以外の方法で支持面に基準位置が付される場合には、経年劣化により視認性が低下してしまうおそれがあった。このため、支持面に基準位置を好適な方法で施すことにより、ユーザーの利便性を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する記録装置は、媒体を支持可能である支持面を有する支持部と、前記支持部に支持される媒体に記録可能である記録部と、前記支持面に画像を投影可能である投影部と、を備え、前記投影部は、前記支持面に光を照射可能である照射部と、前記照射部から照射される光の一部を遮光する遮光部と、を有し、前記遮光部は、前記照射部から照射される光の一部を遮光する少なくとも1つの遮光領域を有し、前記投影部は、前記照射部が照射する光の一部を前記少なくとも1つの遮光領域で遮光することにより、前記支持面に支持される媒体の基準位置を示す基準位置画像を前記支持面に投影可能である。
【0006】
上記課題を解決する媒体支持装置は、記録の対象である媒体を支持可能である支持面を有する支持部と、前記支持面に画像を投影可能である投影部と、を備え、前記投影部は、前記支持面に光を照射可能である照射部と、前記照射部から照射される光の一部を遮光する遮光部と、を有し、前記遮光部は、前記照射部から照射される光の一部を遮光する少なくとも1つの遮光領域を有し、前記投影部は、前記照射部が照射する光の一部を前記少なくとも1つの遮光領域で遮光することにより、前記支持面に支持される媒体の基準位置を示す基準位置画像を前記支持面に投影可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】記録装置の一実施形態を模式的に示す側面図である。
図2】投影部を示す側面図である。
図3】照射部を示す上面図である。
図4】支持面21Aを示す上面図である。
図5】遮光部を示す模式図である。
図6】遮光部を示す模式図である。
図7】遮光部を示す模式図である。
図8】遮光部を示す模式図である。
図9】投影制御処理を示すフローチャートである。
図10】照射制御情報を示す模式図である。
図11】光源及び遮光部を示す模式図である。
図12】光源及び遮光部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、記録装置の一実施形態について説明する。以下の説明では、鉛直方向Zと交差(例えば直交)する方向を幅方向Xとし、鉛直方向Z及び幅方向Xと交差する方向を前後方向Yとする。幅方向Xのうち一方を第1幅方向X1とし、幅方向Xのうち他方を第2幅方向X2とする。前後方向Yのうち一方を前方Y1とし、前後方向Yのうち他方を後方Y2とする。鉛直方向Zのうち上方を上方Z1とし、鉛直方向Zのうち下方を下方Z2とする。幅方向Xは、媒体の幅方向に相当し、前後方向Yが媒体の搬送方向に相当する。
【0009】
<記録装置10>
図1に示すように、記録装置10は、媒体99に記録するように構成される。記録装置10は、媒体99に液体を吐出することによって媒体99に画像を記録するように構成されてもよい。特に、記録装置10は、インクジェット式のプリンターであってもよい。
【0010】
記録装置10は、筐体11と、媒体保持部12と、テンション調整部13と、媒体回収部14と、搬送部15とを備えてもよい。記録装置10は、記録部16を備える。記録装置10は、清掃部17と、乾燥部18とを備えてもよい。記録装置10は、投影部19を備える。記録装置10は、制御部20を備えてもよい。
【0011】
記録装置10は、媒体支持装置90を備えてもよい。媒体支持装置90は、少なくとも記録の対象となる媒体99を支持するように構成される。媒体支持装置90は、少なくとも搬送部15と、投影部19とを備える。媒体支持装置90は、筐体11と、制御部20とを備えてもよい。媒体支持装置90は、記録部16を備えなくてもよい。
【0012】
筐体11は、少なくとも記録部16及び投影部19を収容するように構成される。筐体11は、搬送部15及び制御部20を収容するように構成されてもよい。特に、筐体11は、後述する搬送ベルト21の一部又は全部を収容するように構成されてもよい。筐体11は、媒体保持部12と、テンション調整部13と、媒体回収部14とを収容していないが、収容してもよい。
【0013】
筐体11は、透光部11Aを備える。透光部11Aは、透光性を有する。透光部11Aは、筐体11の外部から筐体11の内部が視認可能となるように構成される。特に、透光部11Aは、筐体11の外部から後述する搬送ベルト21の支持面21Aが視認可能となるように構成される。筐体11は、不図示の開閉カバーを備えてもよい。開閉カバーは、媒体99を設置する際に開放される。開閉カバーは、媒体99に記録する際に閉鎖される。筐体11は、媒体99を搬送するための不図示の開口を備えてもよい。
【0014】
媒体保持部12は、第1ロール体R1を回転可能に保持するように構成される。第1ロール体R1は、巻き重ねられた記録前の媒体99である。媒体99は、長尺であってもよい。媒体保持部12は、記録部16に供給される記録前の媒体99を保持するように構成される。
【0015】
テンション調整部13は、媒体保持部12と記録部16との間に位置する。テンション調整部13は、媒体保持部12と記録部16との間において、媒体99のテンションが一定となるように調整するように構成される。
【0016】
媒体回収部14は、第2ロール体R2を保持するように構成される。第2ロール体R2は、巻き重ねられた記録後の媒体99である。媒体回収部14は、記録部16から供給される記録後の媒体99を保持するように構成される。媒体回収部14は、記録部16から媒体99を巻き取る。つまり、媒体回収部14は、記録部16によって記録された媒体99を回収するように構成される。媒体回収部14は、第2ロール体R2を回転させることによって、媒体99を回収するように構成される。
【0017】
搬送部15は、前方Y1に媒体99を搬送可能であるが、後方Y2にも媒体99を搬送可能であってもよい。搬送部15は、前後方向Yに長尺である媒体99を前方Y1に搬送可能である。特に、搬送部15は、媒体99を搬送するとともに、搬送する媒体99を支持するように構成される。なお、媒体99は、単票紙であってもよい。また、媒体99は、幅方向Xに長尺であってもよい。
【0018】
搬送部15は、搬送ベルト21を備えてもよい。搬送ベルト21は、媒体99を支持した状態で媒体99を搬送するように構成される。搬送ベルト21は、無端状に設けられる。搬送ベルト21は、支持面21Aを備える。支持面21Aは、搬送ベルト21において外周面となる面である。支持面21Aは、記録の対象である媒体99を支持可能である。このように、搬送ベルト21は、搬送させる媒体99を支持する。搬送ベルト21は、支持面21Aを有する支持部の一例として機能する。支持部は、搬送ベルト21を含む。
【0019】
搬送ベルト21は、基材22と、粘着層23とを備える。基材22は、無端状に設けられる。基材22は、第1面22Aと、第2面22Bとを備える。第1面22Aは、基材22において外周面となる面である。第1面22Aは、記録部16と対向する面である。第2面22Bは、基材22において内周面となる面である。第2面22Bは、第1面22Aとは反対の面である。
【0020】
粘着層23は、第1面22A上に設けられる。粘着層23は、粘着性を有する。粘着層23は、第1面22A上に粘着剤が塗布されることによって形成される。粘着剤は、例えば、熱可塑性の樹脂であってもよい。粘着層23は、第1面22Aの全周にわたって形成される。粘着層23は、媒体99を貼り付けるための層である。したがって、搬送ベルト21は、粘着層23に貼り付けられた媒体99を搬送する。
【0021】
搬送ベルト21は、後述する第1ローラー24と、第2ローラー25とに巻き掛けられる。そのため、基材22において第2面22Bが、第1ローラー24と第2ローラー25とに接触する。
【0022】
搬送部15は、第1ローラー24と、第2ローラー25と、ローラー駆動部26とを備えてもよい。第1ローラー24は、回転可能に構成される。第1ローラー24は、ローラー駆動部26と接続されてもよい。第2ローラー25は、回転可能に構成される。第2ローラー25は、搬送ベルト21の周回に従動する。すなわち、第2ローラー25は、第1ローラー24の回転に従動する。
【0023】
ローラー駆動部26は、第1ローラー24を回転させるための駆動源である。ローラー駆動部26は、例えばモーターであってもよい。ローラー駆動部26は、第1ローラー24を回転させることにより、搬送ベルト21を周回させる。つまり、ローラー駆動部26は、第1ローラー24に駆動力を伝達して搬送ベルト21を駆動させる。
【0024】
搬送部15は、押付部27を備えてもよい。押付部27は、搬送ベルト21の外方に位置する。押付部27は、搬送ベルト21に対して支持面21Aと対向するように位置する。押付部27は、媒体99を搬送ベルト21に押し付ける。これによって、媒体99が粘着層23に貼り付けられる。押付部27は、搬送ベルト21が周回することによって、粘着層23に媒体99を順次貼り付ける。押付部27は、例えば、ロッドであってもよく、ローラーであってもよい。
【0025】
記録部16は、搬送ベルト21に支持される媒体99に記録可能である。記録部16は、液体を吐出することにより媒体99に記録するように構成されてもよい。記録部16は、所謂インクジェット方式を採用してもよい。なお、記録部16は、電子写真方式を採用してもよい。電子写真方式は、固体のトナーを付与した後に感光手段によって媒体99に画像を定着させる方式である。
【0026】
記録部16は、ヘッド30を備える。ヘッド30は、搬送ベルト21に支持された媒体99に液体を吐出可能である。ヘッド30は、複数のノズル31と、ノズル面32とを備える。複数のノズル31のそれぞれは、液体を吐出可能である。ノズル面32は、複数のノズル31のそれぞれが開口する面である。
【0027】
記録部16は、キャリッジ33を備える。キャリッジ33は、ヘッド30を支持するように構成される。ヘッド30は、シリアルタイプとして構成されるが、ラインタイプとして構成されてもよい。シリアルタイプは、ヘッド30が幅方向Xに移動しながら記録を行う。ラインタイプは、幅方向Xにヘッド30が延在する。
【0028】
記録部16は、キャリッジ支持部34と、不図示のキャリッジ駆動部とを備える。キャリッジ支持部34は、幅方向Xに延在するように構成される。キャリッジ支持部34は、キャリッジ33を幅方向Xに沿って移動可能なように支持する。キャリッジ駆動部は、キャリッジ33を幅方向Xに移動させるための駆動源である。キャリッジ駆動部は、例えばモーターであってもよい。
【0029】
清掃部17は、搬送ベルト21の外方に位置する。清掃部17は、基材22に対して、第1面22Aと対向するように位置する。清掃部17は、搬送ベルト21よりも下方Z2に位置してもよい。清掃部17は、粘着層23に付着した液体を除去するために粘着層23を清掃する。
【0030】
乾燥部18は、搬送ベルト21の外方に位置する。乾燥部18は、基材22に対して、第1面22Aと対向するように位置する。乾燥部18は、搬送ベルト21よりも下方Z2位置してもよい。乾燥部18は、清掃部17の清掃によって洗浄液で濡れた粘着層23を乾燥させる。乾燥部18は、搬送ベルト21に対して下方Z2から温風を吹き付けることによって、粘着層23を乾燥させてもよい。乾燥部18は、搬送ベルト21が周回することによって、洗浄液で濡れた粘着層23を順次乾燥させる。
【0031】
投影部19は、支持面21Aに光を照射するように構成される。投影部19は、支持面21Aに画像を投影可能である。特に、投影部19は、支持面21Aに基準位置画像を投影するように構成される。基準位置画像は、支持面21Aに支持される媒体99の基準位置を示す画像である。特に、基準位置画像は、支持面21Aに支持される媒体99の幅方向Xにおける端部の基準位置を特定可能な画像である。
【0032】
制御部20は、記録装置10を制御する。制御部20は、記録装置10で実行される各種動作を制御する。制御部20は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0033】
特に、制御部20は、ローラー駆動部26、不図示のキャリッジ駆動部、ヘッド30、清掃部17、乾燥部18及び投影部19と接続されている。制御部20は、制御信号を出力することにより、ローラー駆動部26、不図示のキャリッジ駆動部、ヘッド30、清掃部17、乾燥部18及び投影部19を制御する。制御部20が配置される箇所は、特に限定されない。制御部20は、媒体回収部14、乾燥部18、投影部19などの各機能部を有していてもよい。
【0034】
<投影部19の詳細構成>
ここで、図2を参照して投影部19について説明する。
図2に示すように、投影部19は、本体部40と、照射部41と、遮光部42とを備える。本体部40は、照射部41と、遮光部42とを収容するように構成される。本体部40は、開口部40Aと、遮光枠40Bとを備える。
【0035】
開口部40Aは、鉛直方向Zにおいて遮光部42と支持面21Aとの間に設けられる。開口部40Aは、遮光部42の一部の領域を露出するように構成される。投影部19は、開口部40A及び遮光部42を介して、照射部41から照射された光を支持面21Aに投影するように構成される。
【0036】
遮光枠40Bは、鉛直方向Zにおいて遮光部42と支持面21Aとの間に設けられる。遮光枠40Bは、開口部40Aの周縁に設けられる。言い換えれば、遮光枠40Bは、開口部40Aが開口する部材である。遮光枠40Bは、遮光部42の一部の領域を覆うように構成される。遮光枠40Bは、支持面21Aに投影する投影領域の外縁を形成する。遮光枠40Bは、遮光部42の全部の領域のうち、支持面21Aに投影する必要がない領域を覆うことにより、不要な画像を支持面21Aに投影させない。
【0037】
本体部40は、遮光部42を保持可能である保持部43を備える。保持部43は、遮光部42を照射部41に対して移動可能に保持する。保持部43は、前後方向Yに沿って遮光部42が移動可能となるように遮光部42を保持する。保持部43は、遮光部42を移動可能に保持するローラーを含んでもよい。
【0038】
照射部41は、支持面21Aの上方Z1に位置する。照射部41は、遮光部42の上方Z1に位置する。照射部41は、遮光部42を挟んで支持面21Aの上方Z1に位置する。照射部41は、支持面21Aに光を照射可能である。
【0039】
遮光部42は、鉛直方向Zに対して照射部41と支持面21Aとの間に位置する。遮光部42は、少なくとも1つの遮光領域を備える。少なくとも1つの遮光領域は、照射部41から照射される光の一部を遮光する領域である。遮光部42は、少なくとも1つの透光領域を備えてもよい。言い換えれば、1つの遮光部42は、少なくとも1つの遮光領域と、少なくとも1つの透光領域と、を備える。遮光部42は、遮光領域が設けられた透明フィルムであってもよい。遮光部42は、無端状に設けられてもよい。
【0040】
遮光部42は、照射部41に対して前後方向Yに移動可能なように保持部43に保持される。遮光部42は、前後方向Yに移動することにより、開口部40Aから露出する遮光部42の領域を変更することができる。遮光部42は、前後方向Yに移動することにより、開口部40Aから露出する遮光領域を変更することができる。このように、投影部19は、照射部41が照射する光の一部を遮光部42の遮光領域で遮光することにより、基準位置画像を支持面21Aに投影可能である。
【0041】
投影部19は、位置検出部44を備える。位置検出部44は、遮光部42の位置を検出可能である。位置検出部44は、1又は複数のセンサーから構成されてもよい。位置検出部44は、遮光部42に設けられた検出対象を検出することによって、遮光部42の位置を検出してもよい。位置検出部44は、制御部20と接続されている。位置検出部44は、制御部20に検出信号を出力する。
【0042】
<照射部41の詳細構成>
次に、図3を参照して照射部41について説明する。
図3に示すように、照射部41は、基板45と、複数の光源46とを備える。複数の光源46のそれぞれは、基板45の底面に設けられている。つまり、複数の光源46のそれぞれは、基板45の支持面21Aに対向する面に設けられる。
【0043】
複数の光源46は、幅方向Xと前後方向Yとに対してマトリクス状に設けられる。複数の光源46は、発明の理解を容易とするために、幅方向Xに5個、前後方向Yに5個のマトリクス状に構成されることとするが、これに限らない。
【0044】
以降、座標(x,y)の光源46と示す場合がある。また、座標(1,1)~座標(1,5)の光源46を第1列の光源46X1と示す場合がある。座標(2,1)~座標(2,5)の光源46を第2列の光源46X2と示す場合がある。同じように、各座標の光源46を第3列の光源46X3~第5列の光源46X5と示す場合もある。
【0045】
複数の光源46のそれぞれは、制御部20と接続されている。複数の光源46のそれぞれは、制御部20からの制御信号により点灯又は消灯する。複数の光源46のそれぞれは、制御部20からの制御信号により、複数段階の発光強度のうち何れかの発光強度で点灯可能である。詳しくは、複数の光源46のそれぞれは、制御部20からの制御信号により、弱強度、中強度及び強強度の発光強度のうち何れかの発光強度で点灯可能であってもよい。
【0046】
<支持面21Aの詳細構成>
次に、図4を参照して、画像の投影対象である支持面21Aについて説明する。
図4に示すように、支持面21Aは、幅方向Xに対する中心線Cを中心として、幅方向Xに対して幅W0である。支持面21Aは、記録領域RAが含まれる面である。支持面21Aは、幅方向Xに対する幅が異なる複数種類の媒体99を搬送可能である。
【0047】
具体的な一例をあげると、支持面21Aは、幅が広い媒体99と、幅が狭い媒体99とを支持可能である。幅が広い媒体99は、中心線Cを中心として、幅方向Xに対して第1幅W1である。第1幅W1は、幅W0よりも短い。幅が広い媒体99は、第1幅方向X1における第1端部99Aと、第2幅方向X2における第2端部99Bとを備える。
【0048】
幅が狭い媒体99は、中心線Cを中心として、幅方向Xに対して第2幅W2である。第2幅W2は、第1幅W1よりも短い。幅が狭い媒体99は、第1幅方向X1における第3端部99Cと、第2幅方向X2における第4端部99Dとを備える。
【0049】
支持面21Aを幅方向Xに5つの領域に分割し、第1幅方向X1側から順に、第1支持領域SA1~第5支持領域SA5とした場合、第1端部99Aは、第1支持領域SA1に位置する。第2端部99Bは、第5支持領域SA5に位置する。第3端部99Cは、第2支持領域SA2に位置する。第4端部99Dは、第4支持領域SA4に位置する。
【0050】
<遮光部42の詳細構成>
次に、図5図8を参照して遮光部42について説明する。
図5図8に示すように、遮光部42は、複数の投影領域42A~42Dを備える。複数の投影領域42A~42Dのそれぞれは、支持面21Aに投影する画像に対応する領域である。遮光部42は、複数の投影領域42A~42Dのうち何れかが開口部40Aから露出可能である。このように、開口部40Aから露出する投影領域に対応する画像が支持面21Aに投影される。
【0051】
遮光部42は、複数の投影領域42A~42Dとして、図5に示す第1投影領域42Aと、図6に示す第2投影領域42Bと、図7に示す第3投影領域42Cと、図8に示す第4投影領域42Dとを備えてもよい。遮光部42は、複数の投影領域42A~42D以外に、支持面21Aに画像を投影しない不図示の非投影領域を備えてもよい。非投影領域は、遮光部42の透光領域により構成される。したがって、光源46からの光が遮光部42の透光領域を通過することにより、支持面21Aに画像が投影されずに、支持面21Aが照射される。
【0052】
制御部20は、複数の投影モードのうち何れかの投影モードを選択して実行可能である。投影モードは、モードの一例である。複数の投影領域42A~42Dのそれぞれは、複数の投影モードのそれぞれに対応する投影領域である。複数の投影モードは、第1幅狭モードと、第2幅狭モードと、第1幅広モードと、第2幅広モードとを含んでもよい。投影モードは、全照明モードを含んでもよい。非投影領域は、全照明モードに対応する領域を含む。
【0053】
第1幅狭モードは、幅方向Xに対する幅が狭い媒体99に記録を行うときに、支持面21Aに画像を投影するモードである。第2幅狭モードは、第1幅狭モードよりも、発光強度が強いモードである。第1幅広モードは、幅方向Xに対する幅が広い媒体99に記録を行うときに、支持面21Aに画像を投影するモードである。第2幅広モードは、第1幅広モードよりも、発光強度が強いモードである。全照明モードは、支持面21Aに画像を投影せずに、全領域を照射するモードである。
【0054】
複数の投影領域42A~42Dのそれぞれは、対応する投影モードにおいて基準位置画像を投影するための投影領域である。基準位置画像は、前後方向Yに延びる端部画像を含んでもよい。基準位置画像は、幅方向Xに延びる目盛画像を含んでもよい。端部画像及び目盛画像は、例えば、端部画像及び目盛画像に対応するマークが予め形成された透明フィルムへの照射により支持面21Aに投影される。端部画像及び目盛画像に対応するマークは、黒い塗料の印刷により透明フィルムに形成されていてもよい。
【0055】
また、複数の投影領域42A~42Dのそれぞれは、現在モード画像を投影するための領域でもある。現在モード画像は、現在の投影モードを示す画像である。複数の投影領域42A~42Dのそれぞれは、変更モード画像を投影するための領域でもある。変更モード画像は、変更後の投影モード及び変更操作方向を示す画像である。
【0056】
現在モード画像及び変更モード画像について詳述する。現在モード画像は、複数の投影モードのうち、現在選択されている投影モードをユーザーが認識しやすくするための画像である。現在モード画像は、例えば、現在選択されている投影モードの種類と対応する文字が予め形成された透明フィルムへの照射により支持面21Aに投影される。現在選択されている投影モードの種類と対応する文字は、黒い塗料の印刷により透明フィルムに形成されていてもよい。
【0057】
変更モード画像は、ユーザーが遮光部42を移動させる方向を認識しやすくするための画像である。ユーザーは、支持面21Aに投影される画像を、現在モード画像から、現在モード画像とは異なる画像に変更するために、変更操作を実行する。変更操作方向は、ユーザーが変更操作を実行する際に遮光部42を移動させるべき方向である。変更モード画像は、後述するように、例えば変更操作方向を示す矢印及び変更モードを示す文字が予め形成された透明フィルムへの照射により支持面21Aに投影される。変更モードを示す文字は、矢印が示す方向に遮光部42を移動させた後のモードである。変更操作方向を示す矢印及び変更モードを示す文字は、黒い塗料の印刷により透明フィルムに形成されていてもよい。
【0058】
図5に示すように、第1投影領域42Aは、第1幅狭モードにおいて支持面21Aに画像を投影するための投影領域である。第1投影領域42Aは、基準位置画像を投影するための遮光領域を備える。詳しくは、第1投影領域42Aは、図4に示す第3端部99C及び第4端部99Dを特定可能な端部画像を投影するための第1端部遮光領域47Aを備える。第1端部遮光領域47Aは、前後方向Yに延びる一対の線状パターンである。第1投影領域42Aは、第1間隔毎に設けられる目盛画像を投影するための第1目盛遮光領域48Aを備える。第1目盛遮光領域48Aは、第1端部遮光領域47Aから幅方向Xに延びて前後方向Yに並ぶ複数の線状パターンである。
【0059】
第1投影領域42Aを幅方向Xに5つの領域に分割し、第1幅方向X1側から順に、第1領域AX1~第5領域AX5とした場合に、第2領域AX2と第4領域AX4とに、第1端部遮光領域47Aが位置する。また、主に第2領域AX2と第4領域AX4とに、第1目盛遮光領域48Aが位置する。
【0060】
第1領域AX1~第5領域AX5のそれぞれは、対応する各列の光源46X1~46X5からの光の一部を遮光することにより、対応する各支持領域SA1~SA5に画像を投影する領域であってもよい。詳しくは、第1領域AX1は、主に、第1列の光源46X1からの光の一部を遮光することにより、第1支持領域SA1に画像を投影する領域である。第2領域AX2は、主に、第2列の光源46X2からの光の一部を遮光することにより、第2支持領域SA2に画像を投影する領域である。第3領域AX3は、主に、第3列の光源46X3からの光の一部を遮光することにより、第3支持領域SA3に画像を投影する領域である。第4領域AX4は、主に、第4列の光源46X4からの光の一部を遮光することにより、第4支持領域SA4に画像を投影する領域である。第5領域AX5、主に、第5列の光源46X5からの光の一部を遮光することにより、第5支持領域SA5に画像を投影する領域である。
【0061】
第1投影領域42Aは、第1現在モード遮光領域49Aを備える。第1現在モード遮光領域49Aは、現在モード画像を投影するための領域である。本実施形態では、第1幅狭モードに対応する現在モード画像は、文字「第1幅狭」が予め形成された透明フィルムへの照射により投影される。文字「第1幅狭」は、前述したように、黒い塗料の印刷により透明フィルムに形成されていてもよい。すなわち、文字「第1幅狭」が透明フィルムに印刷されることによって、透明フィルムに第1現在モード遮光領域49Aが形成される。第1投影領域42Aを前後方向Yに5つの領域に分割し、前方Y1側から順に、第6領域AY1~第10領域AY5とした場合に、第3領域AX3であって、かつ、第8領域AY3である領域に、第1現在モード遮光領域49Aが位置する。これにより、投影部19は、現在モード画像を支持面21Aに投影することができる。
【0062】
第1投影領域42Aは、第1変更モード遮光領域50Aを備える。第1変更モード遮光領域50Aは、変更モード画像を投影するための領域である。本実施形態では、全照明モードに対応する変更モード画像は、変更モードを示す文字「全照明」が矢印の内部に配置された変更モードマークが予め形成された透明フィルムへの照射により支持面21Aに投影される。この変更モードマークは、前述したように、黒い塗料の印刷により透明フィルムに形成されていてもよい。すなわち、この変更モードマークが透明フィルムに印刷されることによって、透明フィルムに第1変更モード遮光領域50Aが形成される。このような構成により、変更操作方向と変更モードとが対応付けられるとともに、ユーザーが、変更モード画像を現在モード画像と容易に区別することができる。第3領域AX3であって、かつ、第6領域AY1である領域と、第3領域AX3であって、かつ、第10領域AY5である領域とに第1変更モード遮光領域50Aが位置する。これにより、投影部19は、変更モード画像を支持面21Aに投影することができる。
【0063】
図6に示すように、第2投影領域42Bは、第2幅狭モードにおいて基準位置画像を投影するための投影領域である。第2投影領域42Bは、第1投影領域42Aと同じ構成については説明を省略する。第2投影領域42Bは、第1投影領域42Aと異なり、第2間隔毎に設けられる目盛画像を投影するための第2目盛遮光領域48Bを備える。第2間隔は、第1間隔よりも短い。
【0064】
第2投影領域42Bは、第2現在モード遮光領域49Bを備える。第2現在モード遮光領域49Bは、現在モード画像を投影するための領域である。第3領域AX3であって、かつ、第8領域AY3である領域に、第2現在モード遮光領域49Bが位置する。第2現在モード遮光領域49Bの意匠や形成方法は、第1現在モード遮光領域49Aと同様である。
【0065】
第2投影領域42Bは、第2変更モード遮光領域50Bを備える。第2変更モード遮光領域50Bは、変更モード画像を投影するための領域である。第3領域AX3であって、かつ、第6領域AY1である領域と、第3領域AX3であって、かつ、第10領域AY5である領域とに第2変更モード遮光領域50Bが位置する。第2変更モード遮光領域50Bの意匠や形成方法は、第1変更モード遮光領域50Aと同様である。
【0066】
図7に示すように、第3投影領域42Cは、第1幅広モードにおいて基準位置画像を投影するための投影領域である。第3投影領域42Cは、図4に示す第1端部99A及び第2端部99Bを特定可能な端部画像を投影するための第2端部遮光領域47Bを備える。第3投影領域42Cは、第1間隔毎に設けられる目盛画像を投影するための第3目盛遮光領域48Cを備える。
【0067】
第3投影領域42Cを幅方向Xに5つの領域に分割し、第1幅方向X1側から順に、第1領域AX1~第5領域AX5とした場合に、第1領域AX1と第5領域AX5とに、第2端部遮光領域47Bが位置する。また、主に第1領域AX1と第5領域AX5とに、第3目盛遮光領域48Cが位置する。
【0068】
第3投影領域42Cは、第3現在モード遮光領域49Cを備える。第3現在モード遮光領域49Cは、現在モード画像を投影するための領域である。第3領域AX3であって、かつ、第8領域AY3である領域に、第3現在モード遮光領域49Cが位置する。第3現在モード遮光領域49Cの意匠や形成方法は、第1現在モード遮光領域49Aと同様である。
【0069】
第3投影領域42Cは、第3変更モード遮光領域50Cを備える。第3変更モード遮光領域50Cは、変更モード画像を投影するための領域である。第3領域AX3であって、かつ、第6領域AY1である領域と、第3領域AX3であって、かつ、第10領域AY5である領域とに第3変更モード遮光領域50Cが位置する。第3変更モード遮光領域50Cの意匠や形成方法は、第1変更モード遮光領域50Aと同様である。
【0070】
図8に示すように、第4投影領域42Dは、第2幅広モードにおいて基準位置画像を投影するための投影領域である。第4投影領域42Dは、第3投影領域42Cと同じ構成については説明を省略する。第4投影領域42Dは、第3投影領域42Cと異なり、第2間隔毎に設けられる目盛画像を投影するための第4目盛遮光領域48Dを備える。
【0071】
第4投影領域42Dは、第4現在モード遮光領域49Dを備える。第4現在モード遮光領域49Dは、現在モード画像を投影するための領域である。第3領域AX3であって、かつ、第8領域AY3である領域に、第4現在モード遮光領域49Dが位置する。第4現在モード遮光領域49Dの意匠や形成方法は、第1現在モード遮光領域49Aと同様である。
【0072】
第4投影領域42Dは、第4変更モード遮光領域50Dを備える。第4変更モード遮光領域50Dは、変更モード画像を投影するための領域である。第3領域AX3であって、かつ、第6領域AY1である領域と、第3領域AX3であって、かつ、第10領域AY5である領域とに第4変更モード遮光領域50Dが位置する。第4変更モード遮光領域50Dの意匠や形成方法は、第1変更モード遮光領域50Aと同様である。
【0073】
第1投影領域42A~第4投影領域42Dの遮光領域のうち少なくとも何れかの組み合わせが第1遮光領域と第2遮光領域との組み合わせの一例であってもよい。また、第1遮光領域により構成される基準位置画像が第1基準位置画像の一例に相当し、第2遮光領域により構成される基準位置画像が第2基準位置画像の一例に相当する。つまり、第1遮光領域は、第1基準位置画像を構成するための遮光領域であり、第2遮光領域は、第2基準位置画像を構成するための遮光領域であるといえる。また、第1基準位置画像と第2基準位置画像とは、異なる画像である。
【0074】
<投影制御処理>
ここで、図9を参照して投影制御処理について説明する。投影制御処理は、所定周期毎に制御部20によって実行される処理である。
【0075】
図9に示すように、ステップS11において、制御部20は、遮光位置検出処理を実行する。この処理において、制御部20は、位置検出部44からの検出信号に基づいて、遮光部42の位置を検出する。
【0076】
具体的に、制御部20は、第1投影領域42Aが開口部40Aから露出される位置に遮光部42が配置されていると検出可能である。制御部20は、非投影領域が開口部40Aから露出される位置に遮光部42が配置されていると検出可能である。この処理が終了した場合、ステップS12に処理を移行する。
【0077】
ステップS12において、制御部20は、モード決定処理を実行する。この処理において、制御部20は、ステップS11において検出した遮光部42の位置に基づいて、投影モードを決定する。このように、制御部20は、複数種類の投影モードのうち何れかに制御可能である。
【0078】
具体的に、制御部20は、第1投影領域42Aが開口部40Aから露出される位置に遮光部42が配置されていると判定されたときに、投影モードとして第1幅狭モードを決定する。制御部20は、非投影領域が開口部40Aから露出される位置に遮光部42が配置されていると判定されたときに、投影モードとして全照明モードを決定する。この処理が終了した場合、ステップS13に処理を移行する。
【0079】
ステップS13において、制御部20は、光源制御処理を実行する。この処理において、制御部20は、ステップS12において決定した投影モードに対応するように複数の光源46をそれぞれ制御する。
【0080】
特に、制御部20は、図10に示す照射制御情報を参照して、投影モードに対応するように複数の光源46をそれぞれ制御する。つまり、制御部20は、照射制御情報に基づいて、照射部41を制御する。また、制御部20は、位置検出部44によって検出された結果に基づいて、照射部41を制御するともいえる。この処理が終了した場合、投影制御処理を終了する。
【0081】
<照射制御情報>
図10に示すように、照射制御情報は、投影モードに対応する照射制御内容を特定可能な情報である。照射制御情報は、投影モードと照射制御内容とが対応する情報である。照射制御内容は、複数の光源46のそれぞれと制御内容とが対応する情報である。制御内容は、弱強度での点灯、中強度での点灯、強強度での点灯及び消灯を含む。
【0082】
具体的に、全照明モードには、複数の光源46の全てを弱強度で点灯させる制御内容が対応している。これにより、制御部20は、複数の光源46の全てを弱強度で点灯させるように照射部41を制御する。このように、全照明モードでは、照射部41からの光が支持面21Aに対して均等に照射される。全照明モードでは、支持面21Aに画像が投影されない。
【0083】
第1幅狭モードには、第2列の光源46X2及び第4列の光源46X4を中強度で点灯させる制御内容が対応している。これにより、制御部20は、第2列の光源46X2及び第4列の光源46X4を中強度で点灯させるように照射部41を制御する。このように、第1幅狭モードでは、主に、第2支持領域SA2及び第4支持領域SA4に基準位置画像が投影される。
【0084】
第1幅狭モードには、座標(3,1)の光源46、座標(3,3)の光源46及び座標(3,5)の光源46を弱強度で点灯させる制御内容が対応している。これにより、制御部20は、座標(3,1)の光源46、座標(3,3)の光源46及び座標(3,5)の光源46を弱強度で点灯させるように照射部41を制御する。このように、第1幅狭モードでは、第3支持領域SA3に現在モード画像及び変更モード画像が投影される。
【0085】
第1幅狭モードには、第1列の光源46X1、第5列の光源46X5、座標(3,2)の光源46及び座標(3,4)の光源46を消灯させる制御内容が対応している。これにより、制御部20は、第1列の光源46X1、第5列の光源46X5、座標(3,2)の光源46及び座標(3,4)の光源46を消灯させるように照射部41を制御する。このように、第1幅狭モードでは、基準位置画像、現在モード画像及び変更モード画像の投影位置に対応しない光源46が消灯されることにより、基準位置画像、現在モード画像及び変更モード画像を明確に投影することができる。
【0086】
第2幅狭モードには、第1幅狭モードとは異なり、第2列の光源46X2及び第4列の光源46X4を強強度で点灯させる制御内容が対応している。これにより、制御部20は、第2列の光源46X2及び第4列の光源46X4を強強度で点灯させるように照射部41を制御する。このように、第2幅狭モードでは、主に、第2支持領域SA2及び第4支持領域SA4に基準位置画像が明確に投影される。特に、第2幅狭モードでは、第1幅狭モードよりも間隔が狭い目盛画像も明確に投影される。
【0087】
第1幅広モードには、第1幅狭モードとは異なり、第1列の光源46X1及び第5列の光源46X5を中強度で点灯させる制御内容が対応している。これにより、制御部20は、第1列の光源46X1及び第5列の光源46X5を中強度で点灯させるように照射部41を制御する。このように、第1幅広モードでは、主に、第1支持領域SA1及び第5支持領域SA5に基準位置画像が投影される。
【0088】
第1幅広モードには、第1幅狭モードとは異なり、第2列の光源46X2、第4列の光源46X4、座標(3,2)の光源46及び座標(3,4)の光源46を消灯させる制御内容が対応している。これにより、制御部20は、第2列の光源46X2、第4列の光源46X4、座標(3,2)の光源46及び座標(3,4)の光源46を消灯させるように照射部41を制御する。このように、第1幅広モードでは、基準位置画像、現在モード画像及び変更モード画像の投影位置に対応しない光源46が消灯されることにより、基準位置画像、現在モード画像及び変更モード画像を明確に投影することができる。
【0089】
第2幅広モードには、第1幅広モードとは異なり、第1列の光源46X1及び第5列の光源46X5を強強度で点灯させる制御内容が対応している。これにより、制御部20は、第1列の光源46X1及び第5列の光源46X5を強強度で点灯させるように照射部41を制御する。このように、第2幅広モードでは、主に、第1支持領域SA1及び第5支持領域SA5に基準位置画像が明確に投影される。特に、第2幅広モードでは、第1幅広モードよりも間隔が狭い目盛画像も明確に投影される。
【0090】
<光源46及び遮光部42の位置関係>
次に、図11及び図12を参照して、光源46及び遮光部42の位置関係について説明する。
【0091】
図11及び図12に示すように、複数の光源46は、第1光源46Aと第2光源46Bとを備える。つまり、照射部41は、第1光源46Aと第2光源46Bとを備える。複数の光源46のうち、第1光源46Aと第2光源46Bとについて代表して説明する。第1光源46Aと第2光源46Bとは、幅方向Xに対して隣の位置に設けられている。第1光源46Aは、座標(3,1)の光源であり、第2光源46Bは、座標(3,2)の光源であってもよい。
【0092】
図11に示すように、遮光部42は、第1遮光領域42Eを備える。第1遮光領域42Eは、支持面21Aに基準位置画像を投影するための遮光領域であってもよい。特に、第1遮光領域42Eは、媒体99の第1端部99Aの基準位置を示す端部画像を支持面21Aに投影するための遮光領域であってもよい。第1遮光領域42Eは、第1幅広モード又は第2幅広モードに対応する遮光領域であってもよい。
【0093】
第1幅広モード又は第2幅広モードに対応する位置に遮光部42が配置されるときに、第1遮光領域42Eは、第1光源46Aから第1距離D1だけ離れた位置であり、第2光源46Bから第2距離D2だけ離れた位置に配置されている。第1距離D1は、第2距離D2よりも短い。つまり、第1光源46Aは、第1遮光領域42Eとの距離が第1距離D1となるように位置する。第2光源46Bは、第1遮光領域42Eとの距離が第1距離D1よりも長い第2距離D2となるように位置する。なお、遮光領域と光源との距離について、遮光領域の幅方向Xにおける中心位置と、光源の幅方向Xにおける中心位置との直線距離を基準として説明する。
【0094】
このような場合、第1遮光領域42Eに近い第1光源46Aが点灯し、第1遮光領域42Eから遠い第2光源46Bを消灯する。つまり、第1幅広モード及び第2幅広モードは、第1光源46Aを点灯させ、かつ、第2光源46Bを消灯させるモードであるといえる。第1幅広モード及び第2幅広モードの少なくとも何れかが第2モードの一例に相当する。
【0095】
図12に示すように、遮光部42は、第2遮光領域42Fを備える。第2遮光領域42Fは、支持面21Aに基準位置画像を投影するための遮光領域であってもよい。特に、第2遮光領域42Fは、媒体99の第2端部99Bの基準位置を示す端部画像を支持面21Aに投影するための遮光領域であってもよい。第2遮光領域42Fは、第1幅狭モード又は第2幅狭モードに対応する遮光領域であってもよい。
【0096】
第1幅狭モード又は第2幅狭モードに対応する位置に遮光部42が配置されるときに、第2遮光領域42Fは、第1光源46Aから第3距離D3だけ離れた位置であり、第2光源46Bから第4距離D4だけ離れた位置に配置されている。第4距離D4は、第3距離D3よりも短い。つまり、第1光源46Aは、第2遮光領域42Fとの距離が第3距離D3となるように位置する。第2光源46Bは、第2遮光領域42Fとの距離が第3距離D3よりも短い第4距離D4となるように位置する。
【0097】
このような場合、第2遮光領域42Fに近い第2光源46Bが点灯し、第2遮光領域42Fから遠い第1光源46Aを消灯する。つまり、第1幅狭モード及び第2幅狭モードは、第2光源46Bを点灯させ、かつ、第1光源46Aを消灯させるモードであるといえる。
【0098】
また、全照明モードに対応する位置に遮光部42が配置されるときには、非投影領域が開口部40Aから露出し、遮光領域が配置されない。このような場合、第1光源46Aと第2光源46Bとの両方が点灯する。つまり、全照明モードは、第1光源46Aと第2光源46Bとの両方を点灯させるモードであるといえる。全照明モードが第1モードの一例に相当する。
【0099】
また、保持部43は、第1遮光領域42E及び第2遮光領域42Fのうち、第1光源46A及び第2光源46Bを含む照射部41に最も近い位置に配置される遮光領域が切り替わるように遮光部42を移動可能に保持するといえる。
【0100】
また、制御部20は、照射制御情報に基づいて、第1幅広モード及び第2幅広モードにおける第1光源46Aの発光強度が、全照明モードにおける第1光源46Aの発光強度より大きくなるように第1光源46Aを制御する。これにより、第1幅広モード及び第2幅広モードは、全照明モードと比較して、第1光源46Aの発光強度が大きいモードとなる。
【0101】
また、制御部20は、照射制御情報に基づいて、第1幅狭モード及び第2幅狭モードにおける第2光源46Bの発光強度が、全照明モードにおける第2光源46Bの発光強度より大きくなるように第2光源46Bを制御する。これにより、第1幅狭モード及び第2幅狭モードは、全照明モードと比較して、第2光源46Bの発光強度が大きいモードとなる。
【0102】
<第1実施形態の作用及び効果>
第1実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)投影部19は、照射部41が照射する光の一部を遮光領域で遮光することにより、基準位置画像を支持面21Aに投影可能である。このため、照射部41が照射する光を利用することにより、例えば記録用の液体などの消費量の増大を抑制することができ、更には、例えば摩耗などの経年劣化により基準位置画像の視認性が低下することを抑制することができる。したがって、基準位置画像に基づいて支持面21Aに正確に媒体99を載置することができるとともに、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0103】
(2)第1光源46Aは、遮光領域との距離が第1距離D1となるように位置し、第2光源46Bは、遮光領域との距離が第1距離D1よりも長い第2距離D2となるように位置する。制御部20は、複数の投影モードのうち何れかに制御可能である。複数の投影モードは、全照明モードと、第1幅広モード及び第2幅広モードとを有する。全照明モードは、第1光源46A及び第2光源46Bの両方を点灯するモードである。第1幅広モード及び第2幅広モードは、第1光源46Aを点灯し、かつ、第2光源46Bを消灯するモードである。このため、全照明モードに制御するか第1幅広モード又は第2幅広モードに制御するかによって、支持面21Aに照射される光の光量を調整することができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0104】
特に、全照明モードは、支持面21Aを均一に照射することができ、媒体99の搬送及び媒体99への記録に伴ってユーザーが視認し易い状況を提供することができる。一方、第1幅広モード及び第2幅広モードは、遮光領域に対応する第1光源46Aが点灯し、遮光領域に対応しない第2光源46Bが消灯することにより、不要な光の回り込みを抑制することができ、画像を明確に投影することができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0105】
(3)第1幅広モード及び第2幅広モードにおける第1光源46Aの発光強度が、全照明モードにおける第1光源46Aの発光強度より大きくなる。このため、全照明モードに制御するか第1幅広モード又は第2幅広モードに制御するかによって、第1光源46Aから支持面21Aに照射される光の光量を調整することができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0106】
(4)遮光部42は、複数の投影領域42A~42Dを有する。複数の投影領域42A~42Dは、基準位置画像を投影するための遮光領域をそれぞれ有する。保持部43は、複数の投影領域42A~42Dを切り替えることにより、基準位置画像を投影するための複数の遮光領域を、照射部41に最も近い位置に配置される遮光領域として切り替える。このため、遮光部42を移動させることによって、支持面21Aに投影する基準位置画像を切り替えることができる。したがって、基準位置画像の多様性を持たせつつ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0107】
(5)搬送部15は、前後方向Yに媒体99を搬送可能である。基準位置画像は、媒体99の幅方向Xにおける両端部の基準位置を特定可能な画像である。このため、媒体99の幅方向Xにおける両端部を基準位置画像に合わせることにより、基準位置画像に基づいて支持面21Aに正確に媒体99を載置することができるとともに、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0108】
(6)保持部43は、前後方向Yに遮光部42を移動可能であってもよい。このため、前後方向Yに長尺である媒体99が搬送される場合に、前後方向Yに遮光領域を移動させることができるとともに、前後方向Yに遮光部42を移動させても媒体99の幅方向Xにおける端部の基準位置が正確に特定可能となる。したがって、基準位置画像に基づいて支持面21Aに正確に媒体99を載置することができるとともに、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0109】
(7)位置検出部44によって遮光部42の位置が検出された結果に基づいて照射部41が制御される。このため、遮光部42の位置をユーザーが確認した結果、照射部41の制御内容を変更する手間を省くことができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0110】
(8)支持面21Aは、搬送ベルト21が媒体99を支持する面である。このため、搬送ベルト21の全域に基準位置画像を施さなくても、投影部19によって投影された基準位置画像を視認することにより媒体99の基準位置を特定することができる。したがって、基準位置画像に基づいて支持面21Aに正確に媒体99を載置することができるとともに、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0111】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0112】
・投影部19は、現在モード画像及び変更モード画像のうち少なくとも何れかを投影しなくてもよい。投影部19は、基準位置画像として、端部画像及び目盛画像のうち少なくとも何れかを投影しなくてもよい。投影部19は、第3支持領域SA3に目盛画像を投影しなくてもよい。基準位置画像は、少なくとも媒体99の幅方向Xにおける一端部を特定可能な画像であればよい。
【0113】
・投影部19は、幅方向Xに5個、前後方向Yに5個のマトリクス状の領域を基準として、複数の光源46を配置し、遮光領域に応じて複数の光源46の制御が制御部20により行われたが、幅方向Xに5個、前後方向Yに5個以外あってもよい。特に、投影部19は、細かい領域を基準として画像を投影することにより、画像を明確に投影することができる。また、マトリクス状は、幅方向Xに対する個数と前後方向Yに対する個数とが異なってもよい。複数の光源46は、幅方向Xに1個、前後方向Yに1個の少なくとも何れかを含んでもよい。つまり、複数の光源46は、マトリクス状に設けられなくてもよい。照射部41は、少なくとも1つの光源46を備えればよい。
【0114】
・複数の光源46のそれぞれは、複数種類の色のうち何れかで発光可能であってもよい。制御部20は、複数種類の色のうち何れかで発光するように複数の光源46のそれぞれを制御してもよい。
【0115】
・複数の光源46のうち第1光源46Aと第2光源46Bとは、幅方向Xに沿うが、隣り合わないように位置してもよい。複数の光源46のうち第1光源46Aと第2光源46Bとは、前後方向Yに隣り合うように位置してもよい。複数の光源46のうち第1光源46Aと第2光源46Bとは、前後方向Yに沿うが、隣り合わないように位置してもよい。
【0116】
・遮光部42は、任意の形状であってもよい。遮光部42は、円板状に構成されてもよく、回転可能な構成であってもよい。遮光部42は、回転することにより、開口部40Aから露出する投影領域が切り替わってもよい。
【0117】
・遮光部42は、透光領域が着色されていてもよい。遮光部42は、一部の領域が遮光領域であり、一部の領域が透光領域であったが、これに限らず、全部の領域が遮光領域であり、透光領域を備えなくてもよい。
【0118】
・保持部43は、遮光部42を移動させる駆動源を備えてもよい。保持部43は、駆動源として例えばモーターを備えてもよい。制御部20は、駆動源を駆動させることにより、遮光部42を移動させてもよい。保持部43は、駆動源の駆動と、手動との組み合わせで遮光部42を移動させてもよい。
【0119】
・保持部43は、任意の構成であってもよい。保持部43は、例えば、複数の係合爪を備えてもよい。複数の係合爪は、遮光部42に設けられた開口と係合することによって、遮光部42を保持するように構成されてもよい。
【0120】
・位置検出部44は、保持部43に設けられた検出対象を検出することによって、保持部43により保持されている遮光部42の位置を検出してもよい。投影部19は、遮光部42の位置を検出しなくてもよく、位置検出部44を備えなくてもよい。
【0121】
・投影部19は、焦点調整部を備えてもよい。焦点調整部は、例えばレンズであってもよく、ピンホールであってもよい。投影部19は、遮光部42の下方Z2側の表面に異物を付着させないように、シャッター、ワイパー及び気流吹付などを備えてもよい。これにより、例えば記録部16からの液体がミスト状となった場合など、遮光部42に異物が付着することを抑制することができる。
【0122】
・記録装置10及び媒体支持装置90は、報知部を備えてもよい。報知部は、画像を表示する表示部であってもよい。報知部は、音声を出力するスピーカーであってもよい。報知部は、所定の態様で発光する発光部であってもよい。制御部20は、現在の投影モードを報知部に報知させてもよい。
【0123】
・記録装置10及び媒体支持装置90は、入力部を備えてもよい。入力部は、ユーザーからの指示を入力可能であればよい。入力部は、ユーザーにより操作可能である操作部であってもよい。入力部は、記録装置10及び媒体支持装置90と通信可能に接続される端末装置からの指示を入力可能である情報入力部であってもよい。制御部20は、入力部からの入力に基づいて、複数種類の投影モードから何れかを制御してもよい。制御部20は、入力部からの入力に基づいて、遮光部42を移動させてもよい。
【0124】
・投影モードは、第1幅狭モード、第2幅狭モード、第1幅広モード、第2幅広モード及び全照明モードのうち少なくとも何れかを含めばよい。投影モードは、第1幅狭モード、第2幅狭モード、第1幅広モード、第2幅広モード及び全照明モード以外に、別のモードを含んでもよい。投影モードは、照射部41から光を照射しない消灯モードを含んでもよい。
【0125】
・搬送部15は、搬送ベルト21を備えなくてもよい。この場合、搬送部15は、例えば、搬送ローラーにより媒体99を搬送可能であってもよい。
・記録装置10及び媒体支持装置90は、水平方向に移動しない支持部を備えてもよい。このように、支持面21Aは、搬送ベルト21に含まれなくてもよく、水平方向に移動しない支持部に含まれていてもよい。
【0126】
・媒体99としては、例えば、紙、合成樹脂、金属、布、セラミック、ゴムや、これらの複合体としてもよい。媒体99は、長尺の媒体ではなくてもよい。
・記録部16が吐出する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などでもよい。例えば、記録部16が液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材または画素材料などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射してもよい。
【0127】
・本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、所望の選択肢の1つ以上を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が2つであれば1つの選択肢のみ又は2つの選択肢の双方を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば1つの選択肢のみ又は2つ以上の任意の選択肢の組み合わせを意味する。
【0128】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0129】
(A)記録装置は、媒体を支持可能である支持面を有する支持部と、前記支持部に支持される媒体に記録可能である記録部と、前記支持面に画像を投影可能である投影部と、を備え、前記投影部は、前記支持面に光を照射可能である照射部と、前記照射部から照射される光の一部を遮光する遮光部と、を有し、前記遮光部は、前記照射部から照射される光の一部を遮光する少なくとも1つの遮光領域を有し、前記投影部は、前記照射部が照射する光の一部を前記少なくとも1つの遮光領域で遮光することにより、前記支持面に支持される媒体の基準位置を示す基準位置画像を前記支持面に投影可能である。
【0130】
この構成によれば、照射部が照射する光を利用することにより、例えば記録用の液体などの消費量の増大を抑制することができ、更には、経年劣化により基準位置画像の視認性が低下することを抑制することができる。したがって、基準位置画像に基づいて支持面に正確に媒体を載置することができるとともに、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0131】
(B)上記記録装置は、前記照射部を制御する制御部を備え、前記照射部は、第1光源と、第2光源とを有し、前記第1光源は、前記少なくとも1つの遮光領域との距離が第1距離となるように位置し、前記第2光源は、前記少なくとも1つの遮光領域との距離が前記第1距離よりも長い第2距離となるように位置し、前記制御部は、複数のモードのうち何れかに制御可能であり、前記複数のモードは、前記第1モードと、前記第2モードとを有し、前記第1モードは、前記第1光源及び前記第2光源の両方を点灯するモードであり、前記第2モードは、前記第1光源を点灯し、かつ、前記第2光源を消灯するモードであってもよい。
【0132】
この構成によれば、第1モードに制御するか第2モードに制御するかによって、支持面に照射される光の光量を調整することができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0133】
(C)上記記録装置において、前記制御部は、前記第2モードにおける前記第1光源の発光強度が、前記第1モードにおける前記第1光源の発光強度より大きくなるように前記第1光源を制御してもよい。
【0134】
この構成によれば、第1モードに制御するか第2モードに制御するかによって、第1光源から支持面に照射される光の光量を調整することができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0135】
(D)上記記録装置は、前記遮光部が前記照射部に対して移動可能となるように前記遮光部を保持する保持部を備え、前記基準位置画像は、第1基準位置画像と、前記第1基準位置画像とは異なる第2基準位置画像と、を有し、前記少なくとも1つの遮光領域は、前記第1基準位置画像を構成するための第1遮光領域と、前記第2基準位置画像を構成するための第2遮光領域と、を有し、前記保持部は、前記第1遮光領域及び前記第2遮光領域のうち、前記照射部に最も近い位置に配置される遮光領域が切り替わるように前記遮光部を保持してもよい。
【0136】
この構成によれば、遮光部を移動させることによって、支持面に第1基準位置画像を投影するか第2基準位置画像を投影するかを切り替えることができる。したがって、基準位置画像の多様性を持たせつつ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0137】
(E)上記記録装置は、搬送方向に媒体を搬送可能である搬送部を備え、前記搬送部は、前記搬送方向に長尺である媒体を搬送可能であり、前記搬送方向と交差する方向を幅方向とした場合に、前記基準位置画像は、媒体の幅方向における端部の基準位置を特定可能な画像であってもよい。
【0138】
この構成によれば、媒体の幅方向における端部を基準位置画像に合わせることにより、基準位置画像に基づいて支持面に正確に媒体を載置することができるとともに、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0139】
(F)上記記録装置は、前記遮光部が前記照射部に対して前記搬送方向に移動可能となるように前記遮光部を保持する保持部を備えてもよい。
この構成によれば、搬送方向に長尺である媒体が搬送される場合に、搬送方向に遮光領域を移動させることができるとともに、搬送方向に遮光部を移動させても媒体の幅方向における端部の基準位置が正確に特定可能となる。したがって、基準位置画像に基づいて支持面に正確に媒体を載置することができるとともに、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0140】
(G)上記記録装置は、前記遮光部の位置を検出可能である位置検出部を備え、前記制御部は、前記位置検出部によって検出された結果に基づいて前記照射部を制御してもよい。
【0141】
この構成によれば、遮光部の位置をユーザーが確認した結果、照射部の制御内容を変更する手間を省くことができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0142】
(H)上記記録装置は、搬送方向に媒体を搬送可能である搬送部を備え、前記搬送部は、搬送させる媒体を支持する搬送ベルトを有し、前記支持部は、前記搬送ベルトを含み、前記支持面は、前記搬送ベルトが媒体を支持する面であってもよい。
【0143】
この構成によれば、搬送ベルトの全域に基準位置画像を施さなくても、投影部によって投影された基準位置画像を視認することにより媒体の基準位置を特定することができる。したがって、基準位置画像に基づいて支持面に正確に媒体を載置することができるとともに、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0144】
(I)媒体支持装置は、記録の対象である媒体を支持可能である支持面を有する支持部と、前記支持面に画像を投影可能である投影部と、を備え、前記投影部は、前記支持面に光を照射可能である照射部と、前記照射部から照射される光の一部を遮光する遮光部と、を有し、前記遮光部は、前記照射部から照射される光の一部を遮光する少なくとも1つの遮光領域を有し、前記投影部は、前記照射部が照射する光の一部を前記少なくとも1つの遮光領域で遮光することにより、前記支持面に支持される媒体の基準位置を示す基準位置画像を前記支持面に投影可能である。この構成によれば、(A)と同じような効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0145】
AX1…第1領域、AX2…第2領域、AX3…第3領域、AX4…第4領域、AX5…第5領域、AY1…第6領域、AY2…第7領域、AY3…第8領域、AY4…第9領域、AY5…第10領域、C…中心線、D1…第1距離、D2…第2距離、D3…第3距離、D4…第4距離、R1…第1ロール体、R2…第2ロール体、RA…記録領域、SA1…第1支持領域、SA2…第2支持領域、SA3…第3支持領域、SA4…第4支持領域、SA5…第5支持領域、W0…幅、W1…第1幅、W2…第2幅、X…幅方向、X1…第1幅方向、X2…第2幅方向、Y…前後方向、Y1…前方、Y2…後方、Z…鉛直方向、Z1…上方、Z2…下方、10…記録装置、11…筐体、11A…透光部、12…媒体保持部、13…テンション調整部、14…媒体回収部、15…搬送部、16…記録部、17…清掃部、18…乾燥部、19…投影部、20…制御部、21…搬送ベルト、21A…支持面、22…基材、22A…第1面、22B…第2面、23…粘着層、24…第1ローラー、25…第2ローラー、26…ローラー駆動部、27…押付部、30…ヘッド、31…ノズル、32…ノズル面、33…キャリッジ、34…キャリッジ支持部、40…本体部、40A…開口部、40B…遮光枠、41…照射部、42…遮光部、42A…第1投影領域、42B…第2投影領域、42C…第3投影領域、42D…第4投影領域、42E…第1遮光領域、42F…第2遮光領域、43…保持部、44…位置検出部、45…基板、46…光源、46A…第1光源、46B…第2光源、46X1…第1列の光源、46X2…第2列の光源、46X3…第3列の光源、46X4…第4列の光源、46X5…第5列の光源、47A…第1端部遮光領域、47B…第2端部遮光領域、48A…第1目盛遮光領域、48B…第2目盛遮光領域、48C…第3目盛遮光領域、48D…第4目盛遮光領域、49A…第1現在モード遮光領域、49B…第2現在モード遮光領域、49C…第3現在モード遮光領域、49D…第4現在モード遮光領域、50A…第1変更モード遮光領域、50B…第2変更モード遮光領域、50C…第3変更モード遮光領域、50D…第4変更モード遮光領域、90…媒体支持装置、99…媒体、99A…第1端部、99B…第2端部、99C…第3端部、99D…第4端部。
図1
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図10
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図12