(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050193
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】搬送装置及び清掃装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/00 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
B65H5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156890
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小松 伸
【テーマコード(参考)】
3F101
【Fターム(参考)】
3F101AB01
3F101AB07
3F101AB19
3F101LA01
3F101LA07
3F101LB03
3F101LB11
(57)【要約】
【課題】軸部材に軸方向の公差が生じても、軸部材を設置する際の作業性の低下を抑制できる搬送装置及び清掃装置を提供する。
【解決手段】搬送装置15は、メディアを支持可能な支持面を有し、支持面に支持されるメディアを搬送可能な搬送ベルト22と、支持面に接触可能な吸収部材52を支持した状態で回転可能である軸部材51と、軸部材51を支持する第1内輪61aと、第1内輪61aに対して回転可能な第1外輪61bと、を有する第1軸受61と、軸部材51を支持する第2内輪62aと、第2内輪62aに対して回転可能な第2外輪62bと、を有する第2軸受62と、第1外輪61bを支持する第1支持部材71と、第2外輪62bを支持する第2支持部材76と、を備え、第1軸受61は、第1外輪61bが第1支持部材71によって支持された状態で、軸部材51に沿って移動不能であり、第2軸受62は、軸部材51に沿って移動可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアを支持可能な支持面を有し、前記支持面に支持される前記メディアを搬送可能な搬送ベルトと、
前記支持面に接触可能な清掃部材を支持した状態で回転可能である軸部材と、
前記軸部材を支持する第1内輪と、前記第1内輪に対して回転可能な第1外輪と、を有する第1軸受と、
前記軸部材を支持する第2内輪と、前記第2内輪に対して回転可能な第2外輪と、を有する第2軸受と、
前記第1外輪を支持する第1支持部材と、
前記第2外輪を支持する第2支持部材と、を備え、
前記第1軸受は、前記第1外輪が前記第1支持部材によって支持された状態で、前記軸部材に沿って移動不能であり、
前記第2軸受は、前記軸部材に沿って移動可能であることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記軸部材は、前記軸部材が延在する軸方向と交差する径方向における寸法が第1寸法である大径部と、前記大径部と前記軸方向に連なり、前記径方向における寸法が前記第1寸法より小さい第2寸法である小径部と、を含み、
前記第2内輪は、前記小径部を支持することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記軸部材の外周に取り付けられ、かつ、前記清掃部材が外周に固定される筒部材と、
前記軸部材が延在する軸方向において前記第1軸受と前記第2軸受との間に設けられた一対の規制部と、を備え、
前記一対の規制部は、それぞれが前記軸方向の両側から前記筒部材に当接することによって前記筒部材の前記軸方向への移動を規制することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記一対の規制部は、第1規制部と、第2規制部と、を有し、
前記第1規制部は、前記軸部材に固定され、前記第2規制部は、取り外し可能に前記軸部材に装着されるスナップリングであり、
前記軸部材は、前記軸方向において互いに異なる位置に設けられた複数の嵌合溝を有し、
前記複数の嵌合溝のそれぞれは、前記スナップリングが嵌合可能であり、
前記スナップリングは、前記複数の嵌合溝のうちの1つに嵌合することにより、前記軸部材に装着されることを特徴とする請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第1規制部は、前記軸部材から前記軸部材の外部に向けて突出するピンであり、
前記筒部材には、前記軸方向における前記筒部材の端部のうちで前記筒部材の周方向の一部が切り欠かれた切欠部が形成され、
前記ピンは、前記切欠部に係合することを特徴とする請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第1支持部材は、前記第1支持部材が前記第1外輪を支持した状態において、前記第1軸受に当接して前記軸部材が延在する軸方向への前記第1軸受の移動を規制する第1当接部を有し、
前記第2支持部材は、前記第2支持部材が前記第2外輪を支持した状態において、前記第2軸受に当接して前記軸方向への前記第2軸受の移動を規制する第2当接部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送装置。
【請求項7】
メディアを支持面で支持した状態で搬送可能な搬送ベルトを清掃可能な清掃装置であって、
前記支持面に接触可能な清掃部材と、
前記清掃部材を支持した状態で回転可能である軸部材と、
前記軸部材を支持する第1内輪と、前記第1内輪に対して回転可能な第1外輪と、を有する第1軸受と、
前記軸部材を支持する第2内輪と、前記第2内輪に対して回転可能な第2外輪と、を有する第2軸受と、
前記第1外輪を支持する第1支持部材と、
前記第2外輪を支持する第2支持部材と、を備え、
前記第1軸受は、前記第1外輪が前記第1支持部材によって支持された状態で、前記軸部材に沿って移動不能であり、
前記第2軸受は、前記軸部材に沿って移動可能であることを特徴とする清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及び清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の搬送装置は、メディアを支持可能な支持面を有する搬送ベルトと、回転可能な軸部材と、を備えている。搬送ベルトは、支持面に支持されるメディアを搬送可能である。軸部材の外周には、支持面に接触可能な清掃部材が配置されている。軸部材の両端は軸受によって支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
清掃部材は経時的に汚れるため、清掃部材の交換等のメンテナンスを行う必要がある。このメンテナンスは、例えば、外周に清掃部材が配置された軸部材を搬送装置から取り外した後、清掃部材及び軸部材を取り換えることにより行われる。この場合、軸部材の個体差等によって軸部材に軸方向の公差が生じるおそれがあるが、そうした公差が生じても軸部材を設置する際の作業性の低下を抑制することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する搬送装置は、メディアを支持可能な支持面を有し、前記支持面に支持される前記メディアを搬送可能な搬送ベルトと、前記支持面に接触可能な清掃部材を支持した状態で回転可能である軸部材と、前記軸部材を支持する第1内輪と、前記第1内輪に対して回転可能な第1外輪と、を有する第1軸受と、前記軸部材を支持する第2内輪と、前記第2内輪に対して回転可能な第2外輪と、を有する第2軸受と、前記第1外輪を支持する第1支持部材と、前記第2外輪を支持する第2支持部材と、を備え、前記第1軸受は、前記第1外輪が前記第1支持部材によって支持された状態で、前記軸部材に沿って移動不能であり、前記第2軸受は、前記軸部材に沿って移動可能である。
【0006】
上記課題を解決する清掃装置は、メディアを支持面で支持した状態で搬送可能な搬送ベルトを清掃可能な清掃装置であって、前記支持面に接触可能な清掃部材と、前記清掃部材を支持した状態で回転可能である軸部材と、前記軸部材を支持する第1内輪と、前記第1内輪に対して回転可能な第1外輪と、を有する第1軸受と、前記軸部材を支持する第2内輪と、前記第2内輪に対して回転可能な第2外輪と、を有する第2軸受と、前記第1外輪を支持する第1支持部材と、前記第2外輪を支持する第2支持部材と、を備え、前記第1軸受は、前記第1外輪が前記第1支持部材によって支持された状態で、前記軸部材に沿って移動不能であり、前記第2軸受は、前記軸部材に沿って移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】清掃装置の一部を拡大して示す斜視図である。
【
図7】軸部材への筒部材及び吸収部材の取り付けを説明するための図である。
【
図8】軸部材への第2規制部の取り付けを説明するための図である。
【
図9】軸部材への第2規制部の取り付けを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態]
以下、搬送装置及び清掃装置の一実施形態について図を参照しながら説明する。以下では、搬送装置及び清掃装置を備えた記録装置を例示して説明する。記録装置は、例えば、用紙、布帛などの媒体に記録材の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を記録するインクジェット式のプリンターである。記録装置は、インクジェット式に限らず、トナージェット式でもよいし、その他の記録方式で記録してもよい。
【0009】
図1に示すように、記録装置11は、記録部12と、制御部13と、受付部14と、搬送装置15と、を備える。
記録部12は、メディア99に記録するように構成される。記録部12は、例えば、ヘッドである。本実施形態の記録部12は、1又は複数のノズル16を有する。本実施形態の記録部12は、メディア99に対して走査するシリアルヘッドである。記録部12は、メディア99の幅にわたって一斉に記録するラインヘッドでもよい。記録部12は、メディア99に液体を吐出することによって、メディア99に画像を記録する。
【0010】
制御部13は、記録装置11を制御する。制御部13は、例えば、記録部12、搬送装置15などを制御する。制御部13は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0011】
受付部14は、ユーザーからの指示を受け付けるように構成される。受付部14は、例えば、操作パネルである。受付部14は、制御部13と接続される。受付部14が受け付けたユーザーの指示は、制御部13に入力される。受付部14は、記録装置11に関する各種情報を表示できる。
【0012】
<搬送装置>
搬送装置15は、メディア99を搬送する装置である。本実施形態の搬送装置15は、メディア99を間欠的に搬送する。搬送装置15は、メディア99を連続的に搬送してもよい。搬送装置15は、搬送ベルト22を備える。搬送装置15は清掃装置23を備えてもよい。
【0013】
搬送装置15は、第1ローラー24と、第2ローラー25と、を備えてもよい。第1ローラー24と第2ローラー25とは、メディア99を第1方向A1に搬送する。第1方向A1は、メディア99が搬送される方向である。第1ローラー24と第2ローラー25とは、この順で第1方向A1に並ぶ。そのため、第1ローラー24は、第1方向A1において、記録部12よりも上流に位置する。第2ローラー25は、第1方向A1において、記録部12よりも下流に位置する。
【0014】
搬送装置15は、駆動源21を備えてもよい。駆動源21は、例えば、第1ローラー24、第2ローラー25、又は、その双方と接続される。本実施形態の駆動源21は、第1ローラー24と接続されることにより、第1ローラー24を回転させる。
【0015】
<搬送ベルト>
搬送ベルト22は、第1ローラー24及び第2ローラー25に巻き掛けられる。搬送ベルト22の移動に伴って、第2ローラー25が回転する。駆動源21が第1ローラー24を回転させると、搬送ベルト22は、第1ローラー24及び第2ローラー25に沿って移動する。これにより、搬送ベルト22はメディア99を搬送可能である。本実施形態の搬送ベルト22は、間欠的に移動することによって、メディア99を搬送する。
【0016】
搬送ベルト22は、例えば、
図1において反時計回り方向に周回する。具体的には、第1ローラー24から第2ローラー25に向けて、搬送ベルト22は第1方向A1に移動する。第2ローラー25から第1ローラー24に向けて、搬送ベルト22は第2方向A2に移動する。第2方向A2は、第1方向A1とは反対の方向である。
【0017】
搬送ベルト22は、メディア99を支持可能な支持面26を有する。支持面26は、搬送ベルト22の外周面である。メディア99は、搬送ベルト22のうちで第1方向A1に移動する部分の支持面26に支持された状態で、第1方向A1に搬送される。すなわち、搬送ベルト22は、支持面26に支持されるメディア99を搬送可能である。搬送ベルト22のうち、第2ローラー25に支持された部分にて、支持面26に支持されたメディア99が支持面26から取り出される。搬送ベルト22のうちで第2方向A2に移動する部分の支持面26は、メディア99を支持しない状態で移動する。
【0018】
搬送ベルト22は、例えば、粘着剤が塗布されたベルトである。粘着剤は、支持面26に塗布されている。粘着剤によって、メディア99が支持面26に接着される。これにより、メディア99の姿勢が安定する。粘着剤に限らず、例えば、吸引力、静電気力、分子間力などによって、メディア99が支持面26に接着されてもよい。支持面26上に支持されたメディア99に、記録部12によって画像が記録される。
【0019】
搬送ベルト22は、メディア99を搬送することによって汚れることがある。特に、搬送ベルト22のうちで、メディア99を支持する支持面26が汚れやすい。例えば、メディア99から発生する粉体や毛羽、空気中の塵埃、記録部12による記録材などが、支持面26に付着することにより、支持面26が汚れる。支持面26が汚れると、メディア99に汚れが付着するおそれがある。また、支持面26が汚れると、メディア99に対する支持面26の接着力が低下するおそれがある。
【0020】
<清掃装置>
清掃装置23は、メディア99を支持面26で支持した状態で搬送可能な搬送ベルト22を清掃可能である。清掃装置23は、支持面26を清掃することにより、支持面26の上記の汚れを落とす。これにより、搬送ベルト22からメディア99への汚れの付着を抑制できる。また、支持面26の接着力の低下を抑制できる。
【0021】
清掃装置23は、供給部31と、駆動部34と、を有してもよい。供給部31は、例えば、支持槽41と、貯留槽42と、供給管43と、供給弁44と、排出管45と、排出弁46と、を有する。
【0022】
貯留槽42は、洗浄液を貯留する。洗浄液は、例えば水である。なお、洗浄液は水以外の液体でもよい。貯留槽42は、例えば、支持槽41の底面上に位置する。支持槽41は、貯留槽42を収容する。そのため、貯留槽42に貯留される洗浄液は、支持槽41より外側に飛び散りにくくなっている。支持槽41には排出口47が形成されている。排出口47は、例えば、支持槽41の底面に位置する。排出口47は、貯留槽42から支持槽41に溢れ出た洗浄液を排出するための開口である。
【0023】
供給管43は支持槽41に接続されている。不図示の供給源から供給管43に洗浄液が流れることによって、供給管43を介して貯留槽42に洗浄液が供給される。洗浄液は、供給管43から支持槽41内に流れ出た後、支持槽41内を落下することによって貯留槽42に供給される。供給管43は貯留槽42に接続されていてもよい。この場合、供給管43から貯留槽42に洗浄液が直接供給される。
【0024】
供給弁44は、供給管43に設けられる。供給弁44が開かれると、供給管43を介して貯留槽42に洗浄液が供給される。供給弁44が閉じられると、供給管43を介した貯留槽42への洗浄液の供給が停止される。
【0025】
排出管45は、貯留槽42に接続される。貯留槽42に貯留された洗浄液は、貯留槽42から排出管45に排出される。排出弁46は、排出管45に設けられる。排出弁46が開かれると、排出管45を介して貯留槽42から洗浄液が排出される。排出弁46が閉じられると、排出管45を介した貯留槽42からの洗浄液の排出が停止される。
【0026】
清掃装置23は、第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80を有してもよい。第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80は、メディア99が通過しない領域で支持面26に接触するように位置する。メディア99が通過しない領域とは、例えば、搬送ベルト22のうち、第2方向A2に移動する部分の支持面26と対向する領域である。清掃装置23は、メディア99を支持し終えた後の支持面26を第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80によって清掃する。清掃された後の支持面26は、搬送ベルト22が周回することによって、再びメディア99を支持する。
【0027】
第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80は互いに平行に並んでいる。本実施形態の第2清掃ローラー80は、第1清掃ローラー50よりも第1方向A1にずれた位置に位置する。そのため、第2清掃ローラー80は、第1清掃ローラー50が接触する前の支持面26に対して接触する。
【0028】
清掃装置23は、移動機構27を備えてもよい。移動機構27は、第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80が支持面26から離れるように、搬送ベルト22と第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80とを相対的に移動させる。本実施形態の移動機構27は、移動機構27以外の清掃装置23の全体を移動させることにより、第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80を搬送ベルト22に対して昇降させる。移動機構27は、第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80に対して搬送ベルト22を移動させてもよい。移動機構27は、清掃装置23のうち、第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80のみを移動させてもよい。
【0029】
第2清掃ローラー80は、軸部材81と、ブラシ82と、を含む。すなわち、清掃装置23は、軸部材81と、清掃部材としてのブラシ82と、を備える。搬送装置15は、軸部材81を備える。ブラシ82は、例えば、軸部材81の外周面から放射状に延びる。ブラシ82は、軸部材81に支持される。軸部材81は、ブラシ82を支持した状態で回転可能である。ブラシ82は、軸部材81と共に回転する。ブラシ82は、支持面26に接触可能である。ブラシ82が支持面26に接触することによって、支持面26が清掃される。洗浄液で濡れたブラシ82が回転しながら支持面26に接触することによって、支持面26の汚れが除去される。第2清掃ローラー80は支持槽41に回転可能に取り付けられている。
【0030】
第2清掃ローラー80の軸部材81は、駆動部34の駆動によって回転してもよい。ブラシ82のうちで支持面26に接触する部分は、ブラシ82が接触する支持面26の移動方向とは反対方向である第1方向A1に移動しつつ支持面26に接触する。これにより、搬送ベルト22とブラシ82との接触抵抗が大きくなるため、ブラシ82によって搬送ベルト22の汚れを除去しやすくなる。なお、第2清掃ローラー80の軸部材81は、駆動部34の駆動によらずに回転してもよい。この場合、搬送ベルト22との接触によってブラシ82が回転することにより、第2清掃ローラー80の軸部材81は搬送ベルト22の周回と従動して回転してもよい。この場合、ブラシ82のうちで支持面26に接触する部分は、ブラシ82が接触する支持面26の移動方向である第2方向A2に移動しつつ支持面26に接触する。
【0031】
ブラシ82の一部は、貯留槽42に収容される。具体的には、ブラシ82の下端部分が、貯留槽42に収容される。そのため、貯留槽42に貯留される洗浄液の液位によっては、ブラシ82が貯留槽42に貯留される洗浄液に触れる。
【0032】
制御部13が供給弁44及び排出弁46を制御することで、貯留槽42に貯留される洗浄液の液位が変動する。これにより、ブラシ82が貯留槽42の洗浄液に浸かる液位と、ブラシ82が貯留槽42の洗浄液に浸からない液位と、で貯留槽42の洗浄液の液位が変動してもよい。ブラシ82が貯留槽42の洗浄液に浸かる場合、貯留槽42からブラシ82に洗浄液を供給できる。ブラシ82が貯留槽42の洗浄液に浸からない場合、貯留槽42からブラシ82への洗浄液の供給が停止される。
【0033】
<第1清掃ローラーの詳細>
第1清掃ローラー50は、軸部材51と、吸収部材52と、筒部材53と、を含む。すなわち、清掃装置23は、清掃部材としての吸収部材52と、軸部材51と、を備える。搬送装置15は、軸部材51を備える。搬送装置15は、筒部材53を備える。
【0034】
吸収部材52は、洗浄液を吸収可能な部材である。吸収部材52は、例えば、スポンジである。筒部材53は、外周に吸収部材52が固定されている。筒部材53が軸部材51に取り付けられることによって、吸収部材52は軸部材51に支持される。軸部材51は、筒部材53が軸部材51に取り付けられた状態で回転する。そのため、軸部材51は、吸収部材52を支持した状態で回転可能である。
【0035】
軸部材51、筒部材53、及び吸収部材52は一体回転する。吸収部材52は、支持面26に接触可能である。吸収部材52が支持面26に接触することによって、支持面26が清掃される。洗浄液で濡れた吸収部材52が回転しながら支持面26に接触することによって、支持面26の汚れが除去される。第1清掃ローラー50は支持槽41に回転可能に取り付けられている。
【0036】
搬送ベルト22との接触によって吸収部材52が回転することにより、第1清掃ローラー50の軸部材51及び筒部材53は搬送ベルト22の周回と従動して回転してもよい。吸収部材52のうちで支持面26に接触する部分は、支持面26の移動方向である第2方向A2に移動しつつ支持面26に接触する。なお、第1清掃ローラー50の軸部材51は、駆動部34の駆動によって回転してもよい。この場合、吸収部材52のうちで支持面26に接触する部分は、支持面26の移動方向とは反対方向の第1方向A1に移動しつつ支持面26に接触してもよい。
【0037】
吸収部材52の一部は、貯留槽42に収容される。具体的には、吸収部材52の下端部分が、貯留槽42に収容される。そのため、貯留槽42に貯留される洗浄液の液位によっては、吸収部材52が貯留槽42に貯留される洗浄液に触れる。
【0038】
吸収部材52が貯留槽42の洗浄液に浸かる液位と、吸収部材52が貯留槽42の洗浄液に浸からない液位と、で貯留槽42の洗浄液の液位が変動してもよい。吸収部材52が貯留槽42の洗浄液に浸かる場合、貯留槽42から吸収部材52に洗浄液を供給できる。吸収部材52が貯留槽42の洗浄液に浸からない場合、貯留槽42から吸収部材52への洗浄液の供給が停止される。
【0039】
図2に示すように、第1清掃ローラー50は、第1軸受61と、第2軸受62と、を備える。第1清掃ローラー50は、第1支持部材71及び第2支持部材76によって支持されている。軸部材51には、一対の規制部63が設けられている。すなわち、清掃装置23は、第1軸受61と、第2軸受62と、第1支持部材71と、第2支持部材76と、を備える。搬送装置15は、第1軸受61と、第2軸受62と、第1支持部材71と、第2支持部材76と、一対の規制部63と、を備える。軸部材51には、第1係止部材85及び第2係止部材86が設けられていてもよい。
【0040】
<第1清掃ローラーの軸部材の詳細>
図2及び
図3に示すように、軸部材51は、例えば円筒状である。軸部材51は、例えば金属製である。軸部材51が延在する軸方向を以下では軸方向Xともいう。軸方向Xのうち矢印方向を正とする。軸方向Xと交差する方向を径方向Yともいう。径方向Yのうち矢印方向を正とする。
【0041】
図2、
図4、及び
図5に示すように、軸方向Xにおける軸部材51の両端部のうち、一方の端部を第1端部51aといい、他方の端部を第2端部51bともいう。軸部材51のうち、軸方向Xにおける第1端部51aと第2端部51bとの間の部分を中央部51cともいう。中央部51cの径方向Yの寸法は、軸方向Xにおける中央部51cの全体で同一寸法であってもよい。
【0042】
軸部材51は、軸方向Xにおいて互いに異なる位置に設けられた複数の嵌合溝54を有する。本実施形態において、軸部材51が有する嵌合溝54は3つである。複数の嵌合溝54の各々は、軸部材51の周方向に延びる環状をなす。複数の嵌合溝54の各々は、第1端部51aに位置する。
【0043】
軸部材51は、第1支持溝55を有する。第1支持溝55は、軸部材51の周方向に延びる環状をなす。第1支持溝55は、第1端部51aのうち、複数の嵌合溝54とは異なる位置に設けられている。複数の嵌合溝54は、軸方向Xにおける中央部51cと第1支持溝55との間に位置している。
【0044】
軸部材51は、支持部56を有する。支持部56は、軸部材51の周方向に延びる環状をなす。支持部56は、第1端部51aのうち、複数の嵌合溝54及び第1支持溝55とは異なる位置に設けられている。支持部56は、軸方向Xにおける複数の嵌合溝54と第1支持溝55との間に位置している。支持部56は、軸方向Xにおいて第1支持溝55と隣り合っている。
【0045】
軸部材51のうち、複数の嵌合溝54が形成された部分と、第1支持溝55が形成された部分とで、径方向Yにおける寸法は同じ寸法であってもよい。支持部56の径方向Yにおける寸法は、軸部材51のうちで複数の嵌合溝54及び第1支持溝55が形成された部分の径方向Yにおける寸法よりも大きくてもよい。軸部材51のうちで複数の嵌合溝54及び第1支持溝55が形成された部分の径方向Yにおける寸法と、支持部56の径方向Yにおける寸法とは、中央部51cの径方向Yにおける寸法よりも小さくてもよい。
【0046】
軸部材51のうちで複数の嵌合溝54及び第1支持溝55が形成された部分の径方向Yにおける寸法と、支持部56の径方向Yにおける寸法とは、これら以外の部分での第1端部51aの径方向Yにおける寸法よりも小さい。第1端部51aのうち、複数の嵌合溝54及び第1支持溝55が形成された部分の径方向Yにおける寸法と、支持部56の径方向Yにおける寸法と、に対して径方向Yにおける寸法が大きい部分を第1拡径部57ともいう。軸部材51は第1拡径部57を複数有する。第1拡径部57は、第1端部51aのうち、軸方向Xにおける複数の嵌合溝54同士の間と、軸方向Xにおける支持部56と複数の嵌合溝54との間と、に位置する。軸部材51の軸方向Xにおける両端縁のうち、第1端部51aに位置する端縁を第1端縁51dともいう。第1拡径部57は、第1端部51aのうち、軸方向Xにおける第1支持溝55と第1端縁51dとの間に位置する。
【0047】
軸部材51は、径方向Yにおける寸法が第1寸法S1である大径部58と、径方向Yにおける寸法が第1寸法S1より小さい第2寸法S2である小径部59と、を含んでいる。小径部59は、大径部58と軸方向Xに連なる。大径部58及び小径部59は、軸部材51の第2端部51bに位置する。大径部58は中央部51cと軸方向Xに連なる。大径部58は、軸方向Xにおける中央部51cと小径部59との間に位置している。本実施形態の大径部58の径方向Yにおける寸法は、中央部51cの径方向Yにおける寸法と同じ寸法である。
【0048】
軸部材51は、第2支持溝66を有する。第2支持溝66は、軸部材51の周方向に延びる環状をなす。軸部材51の軸方向Xにおける両端縁のうち、第2端部51bに位置する端縁を第2端縁51eともいう。第2支持溝66は、第2端部51bのうち、軸方向Xにおける小径部59と第2端縁51eとの間に位置している。第2支持溝66は、軸方向Xにおいて小径部59と隣り合っている。軸部材51のうち、第2支持溝66が形成された部分は、小径部59の径方向Yにおける寸法よりも小さい。
【0049】
軸部材51は第2拡径部67を有する。第2拡径部67は、第2端部51bのうち、軸方向Xにおける第2支持溝66と第2端縁51eとの間に位置する。第2拡径部67は、軸方向Xにおいて第2支持溝66と隣り合っている。第2拡径部67の径方向Yにおける寸法は、軸部材51のうちで第2支持溝66が形成された部分の径方向Yにおける寸法よりも大きい。第2拡径部67の径方向Yにおける寸法は、小径部59の径方向Yにおける寸法と同じ寸法であってもよい。
【0050】
軸部材51には挿入孔51hが形成されている。本実施形態の挿入孔51hは、軸部材51を貫通する丸孔である。挿入孔51hは、軸部材51のうち、径方向Yにおいて互いに対向する2箇所に形成されている。挿入孔51hの数は、1つのみでもよいし、3つ以上でもよい。挿入孔51hは、中央部51cのうち、軸方向Xにおいて第1端部51aよりも第2端部51bに近い位置に位置する。
【0051】
<筒部材の詳細>
図2に示すように、筒部材53は、例えば円筒状である。筒部材53は、例えば樹脂製である。筒部材53は、軸部材51の外周に取り付けられている。筒部材53の軸線は、軸部材51の軸線と一致している。筒部材53の内周面は、軸部材51の外周面と接していてもよい。筒部材53は、中央部51cの外周面を覆っている。筒部材53の外周面に沿って吸収部材52が位置している。筒部材53の周方向に吸収部材52が延びている。
【0052】
軸方向Xにおける筒部材53の両端のうち、一端を第1端53aといい、他端を第2端53bともいう。筒部材53のうち、第2端53bを含む軸方向Xの一部が吸収部材52から露出し、その他の部分が吸収部材52の内部に位置している。
【0053】
筒部材53には、切欠部53hが形成されている。切欠部53hは、軸方向Xにおける筒部材53の端部のうちで筒部材53の周方向の一部が切り欠かれたものである。切欠部53hは、筒部材53の第2端53bから軸方向Xに延びている。筒部材53を径方向Yから見て、切欠部53hは軸方向Xに延びる凹状である。
【0054】
切欠部53hは、径方向Yにおいて互いに対向する一対の第1縁部53fと、一対の第1縁部53f同士を繋ぐ第2縁部53gと、によって形成されている。一対の第1縁部53fは、軸方向Xに延びる直線状をなす。第2縁部53gは曲線状をなす。
【0055】
本実施形態の切欠部53hは、筒部材53のうち、径方向Yにおいて互いに対向する2箇所に形成されている。2つの切欠部53hは、軸部材51の挿入孔51hと径方向Yにおいて対向している。切欠部53hの数は、1つのみでもよいし、3つ以上でもよい。
【0056】
<第1軸受>
第1軸受61は、第1内輪61aと、第1内輪61aに対して回転可能な第1外輪61bと、を有する。第1内輪61a及び第1外輪61bは、円筒状である。第1内輪61a及び第1外輪61bの軸線は、軸部材51の軸線と一致している。
【0057】
第1軸受61は、第1端部51aに取り付けられている。第1内輪61aは、軸部材51の支持部56に取り付けられている。これにより、第1内輪61aは、軸部材51を支持する。第1内輪61aの内周面は、支持部56の外周面と接している。第1内輪61aが軸部材51に取り付けられた状態で、第1内輪61aは軸部材51と一体回転する。第1外輪61bは、第1内輪61aを介して軸部材51を回転可能に支持する。第1内輪61aの軸方向Xにおける寸法は、支持部56の軸方向Xにおける寸法と同じ寸法である。第1内輪61aは、軸部材51から取り外し可能である。そのため、第1軸受61は軸部材51から取り外し可能である。
【0058】
<第2軸受>
第2軸受62は、第2内輪62aと、第2内輪62aに対して回転可能な第2外輪62bと、を有する。第2内輪62a及び第2外輪62bは、円筒状である。第2内輪62a及び第2外輪62bの軸線は、軸部材51の軸線と一致している。
【0059】
第2軸受62は、第2端部51bに取り付けられている。第2内輪62aは、軸部材51の小径部59に取り付けられている。これにより、第2内輪62aは、軸部材51を支持する。第2内輪62aは、小径部59を支持する。第2内輪62aの内周面は、小径部59の外周面と接している。第2内輪62aが軸部材51に取り付けられた状態で、第2内輪62aは軸部材51と一体回転する。第2外輪62bは、第2内輪62aを介して軸部材51を回転可能に支持する。第2内輪62aの軸方向Xにおける寸法は、小径部59の軸方向Xにおける寸法よりも小さい。第2内輪62aは、軸部材51から取り外し可能である。そのため、第2軸受62は軸部材51から取り外し可能である。
【0060】
<一対の規制部>
一対の規制部63は、軸方向Xにおいて第1軸受61と第2軸受62との間に設けられている。一対の規制部63は、第1規制部64と、第2規制部65と、を有する。本実施形態の第1規制部64はピンである。本実施形態の第2規制部65は、取り外し可能に軸部材51に装着される。第2規制部65は、例えばスナップリングである。
【0061】
図4に示すように、第1規制部64は、例えば円筒状である。第1規制部64(ピン)は、軸部材51に固定されている。本実施形態の第1規制部64は、軸部材51の2つの挿入孔51hに挿入されている。第1規制部64としてのピンは、スプリングピンであってもよい。第1規制部64がスプリングピンの場合、スプリングピンの弾性力によって、第1規制部64が挿入孔51hへ隙間なく嵌合する。第1規制部64は、2つの挿入孔51hの間で軸部材51の内部を貫通している。2つの挿入孔51hのうちの一方から第1規制部64の一端が露出し、他方から第1規制部64の他端が露出している。これにより、第1規制部64は、軸部材51から軸部材51の外部に向けて突出する。第1規制部64の軸線は径方向Yに延びている。第1規制部64は、軸部材51から径方向Yに突出している。
【0062】
図2及び
図6に示すように、第1規制部64は、切欠部53hに係合する。筒部材53の2つの切欠部53hのうちの一方に、2つの挿入孔51hのうちの一方から露出した第1規制部64の端部が係合する。筒部材53の2つの切欠部53hのうちの他方に、2つの挿入孔51hのうちの他方から露出した第1規制部64の端部が係合している。
【0063】
第1規制部64は、切欠部53hの第2縁部53gに接していてもよい。すなわち、第1規制部64は筒部材53に接していてもよい。第1規制部64は、第1規制部64の外周面の一部が切欠部53hの第2縁部53gに沿うように位置する。第1規制部64の外径の寸法は、一対の第1縁部53f同士の間の径方向Yにおける寸法より若干小さい。第1規制部64は、筒部材53の第2端53bでの切欠部53hの開口から切欠部53hに挿入されることにより、切欠部53hに係合する。
【0064】
切欠部53hに軸部材51の第1規制部64が挿入されることにより、筒部材53及び吸収部材52が軸部材51と一体回転可能となっている。軸部材51の回転に伴って第1規制部64が回転すると、第1規制部64が切欠部53hの第1縁部53fに当接することにより、筒部材53及び吸収部材52が軸部材51と一体回転する。切欠部53hへの第1規制部64の係合によって、軸部材51の周方向における筒部材53及び吸収部材52の位置ずれが抑制される。
【0065】
図2に示すように、第2規制部65(スナップリング)は、環状をなす。第2規制部65の周方向における両端部は、互いに離れている。この第2規制部65の端部同士の間に軸部材51を挿通させることにより、軸部材51に第2規制部65が取り付けられている。第2規制部65は、複数の嵌合溝54のうちの1つに嵌合することにより、軸部材51に嵌合する。言い換えると、複数の嵌合溝54のそれぞれは、第2規制部65が嵌合可能である。複数の嵌合溝54のうちの1つに第2規制部65が嵌合した状態で、第2規制部65は嵌合した嵌合溝54に連なる第1拡径部57と接するとともに、筒部材53の第1端53aに接する。
【0066】
第2規制部65は、第1規制部64と共に軸方向Xの両側から筒部材53を挟むように位置する。これにより、一対の規制部63は、それぞれが軸方向Xの両側から筒部材53に当接することによって筒部材53の軸方向Xへの移動を規制する。
【0067】
<第1支持部材>
図3に示すように、第1支持部材71は、第1内部材72と第1外部材73とを有する。第1内部材72及び第1外部材73は、軸方向Xに厚みを有する略平板状である。第1内部材72及び第1外部材73の各々において、軸方向Xにおける両端面は軸方向Xに直交するように延びている。第1内部材72は、軸方向Xにおける吸収部材52と第1外部材73との間に位置する。第1外部材73の少なくとも一部は、第1軸受61の+X側に当接する。
【0068】
第1内部材72には、第1凹部72gが形成されている。第1凹部72gは、第1内部材72の軸方向Xにおける両端面のうち、吸収部材52と軸方向Xに対向する端面に形成されている。吸収部材52及び第1内部材72を軸方向Xから見たとき、第1凹部72gの縁部は、吸収部材52の外周面よりも外側で延びている。これにより、筒部材53及び吸収部材52の軸方向Xにおける端部は、第1凹部72gと軸方向Xにおいて対向している。第1内部材72に第1凹部72gが形成されることによって、吸収部材52及び筒部材53が第1内部材72に干渉することが抑制されている。
【0069】
第1内部材72には第1内凹部72hが形成されている。第1内凹部72hは、例えば第1内部材72の径方向Yにおける中央に形成されている。第1内凹部72hは、例えば第1内部材72の上端に開口している。第1内凹部72hは、第1内部材72を軸方向Xに貫通している。
【0070】
第1支持部材71は、第1当接部72fを有する。第1当接部72fは、第1内凹部72hの内周面の軸方向Xにおける一部から径方向Yに突出している。第1当接部72fは、第1凹部72gと軸方向Xにおいて隣接している。第1当接部72fは、第1軸受61の-X側に当接する。
【0071】
図2に示すように、第1内部材72にはボルト挿通孔72bが形成されている。ボルト挿通孔72bは、例えば、第1内部材72を軸方向Xに貫通する貫通孔である。第1内部材72に形成されるボルト挿通孔72bの数は2つ以上であってもよい。ボルト挿通孔72bは、例えば径方向Yにおける第1内部材72の両端部に形成されている。径方向Yにおける2つのボルト挿通孔72bの間に、第1内凹部72hが位置してもよい。
【0072】
第1外部材73には第1外凹部73hが形成されている。第1外凹部73hは、例えば第1外部材73の径方向Yにおける中央に形成されている。第1外凹部73hは、例えば第1外部材73の上端に開口している。第1外凹部73hは、第1外部材73を軸方向Xに貫通している。第1外凹部73hは、軸方向Xにおいて第1内凹部72hと連通している。
【0073】
第1外部材73にはボルト挿通孔73bが形成されている。ボルト挿通孔73bは、例えば、第1外部材73を軸方向Xに貫通する貫通孔である。第1外部材73に形成されるボルト挿通孔73bの数は2つ以上であってもよい。ボルト挿通孔73bは、例えば径方向Yにおける第1外部材73の両端部に形成されている。径方向Yにおける2つのボルト挿通孔73bの間に、第1外凹部73hが位置してもよい。第1外部材73のボルト挿通孔73bは、軸方向Xにおいて第1内部材72のボルト挿通孔72bと連通している。
【0074】
ボルト挿通孔72b,73bにボルトBが挿通されることにより、第1内部材72と第1外部材73とが一体化されている。第1内凹部72h及び第1外凹部73hには、軸部材51の第1端部51aが挿通されている。第1内凹部72hには、軸部材51に取り付けられた第1軸受61が収容される。第1軸受61のうちの上方の一部は、第1内凹部72hから露出してもよい。
【0075】
第1当接部72fと第1外部材73とで、第1外輪61bを軸方向Xの両側から挟んでいる。これにより第1支持部材71は、第1外輪61bを支持する。第1当接部72fは、第1支持部材71が第1外輪61bを支持した状態において、第1軸受61に当接して軸方向Xへの第1軸受61の移動を規制する。詳細には、第1当接部72fは、軸方向Xにおいて筒部材53及び吸収部材52に向かう第1軸受61の移動を規制する。第1内部材72及び第1外部材73は、例えば支持槽41に固定されている。これにより、第1支持部材71を介して第1清掃ローラー50は支持槽41に支持されている。
【0076】
<第2支持部材>
第2支持部材76は、第2内部材77と第2外部材78とを有する。第2内部材77及び第2外部材78は、軸方向Xに厚みを有する略平板状である。第2内部材77及び第2外部材78の各々において、軸方向Xにおける両端面は軸方向Xに直交するように延びている。第2内部材77は、軸方向Xにおける吸収部材52と第2外部材78との間に位置する。第2外部材78の少なくとも一部は、第2軸受62の-X側に当接する。
【0077】
第2内部材77には、第2凹部77gが形成されている。第2凹部77gは、第2内部材77の軸方向Xにおける両端面のうち、吸収部材52と軸方向Xに対向する端面に形成されている。吸収部材52及び第2内部材77を軸方向Xから見たとき、第2凹部77gの縁部は、吸収部材52の外周面よりも外側で延びている。これにより、筒部材53及び吸収部材52の軸方向Xにおける端部は、第2凹部77gと軸方向Xにおいて対向している。第2内部材77に第2凹部77gが形成されることによって、吸収部材52及び筒部材53が第2内部材77に干渉することが抑制されている。
【0078】
第2内部材77には第2内凹部77hが形成されている。第2内凹部77hは、例えば第2内部材77の径方向Yにおける中央に形成されている。第2内凹部77hは、例えば第2内部材77の上端に開口している。第2内凹部77hは、第2内部材77を軸方向Xに貫通している。
【0079】
第2支持部材76は、第2当接部77fを有する。第2当接部77fは、第2内凹部77hの内周面の軸方向Xにおける一部から径方向Yに突出している。第2当接部77fは、第2凹部77gと軸方向Xにおいて隣接している。第2当接部77fは、第2軸受62の+X側に当接する。
【0080】
第2内部材77にはボルト挿通孔77bが形成されている。ボルト挿通孔77bは、例えば、第2内部材77を軸方向Xに貫通する貫通孔である。第2内部材77に形成されるボルト挿通孔77bの数は2つ以上であってもよい。ボルト挿通孔77bは、例えば径方向Yにおける第2内部材77の両端部に形成されている。径方向Yにおける2つのボルト挿通孔77bの間に、第2内凹部77hが位置してもよい。
【0081】
第2外部材78には第2外凹部78hが形成されている。第2外凹部78hは、例えば第2外部材78の径方向Yにおける中央に形成されている。第2外凹部78hは、例えば第2外部材78の上端に開口している。第2外凹部78hは、第2外部材78を軸方向Xに貫通している。第2外凹部78hは、軸方向Xにおいて第2内凹部77hと連通している。
【0082】
第2外部材78にはボルト挿通孔78bが形成されている。ボルト挿通孔78bは、例えば、第2外部材78を軸方向Xに貫通する貫通孔である。第2外部材78に形成されるボルト挿通孔78bの数は2つ以上であってもよい。ボルト挿通孔78bは、例えば径方向Yにおける第2外部材78の両端部に形成されている。径方向Yにおける2つのボルト挿通孔78bの間に、第2外凹部78hが位置してもよい。第2外部材78のボルト挿通孔78bは、軸方向Xにおいて第2内部材77のボルト挿通孔77bと連通している。
【0083】
ボルト挿通孔77b,78bにボルトBが挿通されることにより、第2内部材77と第2外部材78とが一体化されている。第2内凹部77h及び第2外凹部78hには、軸部材51の第2端部51bが挿通されている。第2内凹部77hには、軸部材51に取り付けられた第2軸受62が収容される。第2軸受62のうちの上方の一部は、第2内凹部77hから露出してもよい。
【0084】
第2当接部77fと第2外部材78とで、第2外輪62bを軸方向Xの両側から挟んでいる。これにより第2支持部材76は、第2外輪62bを支持する。第2当接部77fは、第2支持部材76が第2外輪62bを支持した状態において、第2軸受62に当接して軸方向Xへの第2軸受62の移動を規制する。詳細には、第2当接部77fは、軸方向Xにおいて筒部材53及び吸収部材52に向かう第2軸受62の移動を規制する。第2内部材77及び第2外部材78は、例えば支持槽41に固定されている。これにより、第2支持部材76を介して第1清掃ローラー50は支持槽41に支持されている。
【0085】
<第1係止部材>
本実施形態の第1係止部材85は、スナップリングである。第1係止部材85は、環状をなす。第1係止部材85の周方向における両端部は、互いに離れている。この第1係止部材85の端部同士の間に軸部材51を挿通させることにより、軸部材51に第1係止部材85が取り付けられている。第1係止部材85は、第1支持溝55に嵌合することにより、軸部材51に嵌合する。第1係止部材85は、第1外凹部73hに収容されていてもよい。
【0086】
第1支持溝55に第1係止部材85が嵌合した状態で、第1係止部材85は第1内輪61aと接している。第1係止部材85は、支持部56に連なる第1拡径部57と共に軸方向Xの両側から第1内輪61aを挟むように位置する。
【0087】
<第2係止部材>
本実施形態の第2係止部材86は、スナップリングである。第2係止部材86は、環状をなす。第2係止部材86の周方向における両端部は、互いに離れている。この第2係止部材86の端部同士の間に軸部材51を挿通させることにより、軸部材51に第2係止部材86が取り付けられている。第2係止部材86は、第2支持溝66に嵌合することにより、軸部材51に嵌合する。第2係止部材86は、第2外凹部78hに収容可能である。第2係止部材86は、第2外凹部78hから軸方向Xにずれた位置に位置してもよい。
【0088】
第2支持溝66に第2係止部材86が嵌合した状態で、第2係止部材86と軸部材51の大径部58との間に第2軸受62が位置する。第2係止部材86が第2軸受62に当接する場合、第2係止部材86は、第2内輪62aに当接することによって、軸部材51に沿って第2軸受62が軸方向Xに変位することを抑制する。なお、大径部58が第2軸受62に当接する場合、大径部58は、第2内輪62aに当接することによって、軸部材51に沿って第2軸受62が軸方向Xに変位することを抑制する。
【0089】
<第1軸受及び第2軸受の軸部材に沿う移動>
支持部56に連なる第1拡径部57と、第1係止部材85と、が第1内輪61aに当接する。これにより、第1軸受61が軸部材51に沿って軸方向Xに移動することが抑制される。したがって、第1軸受61は、第1外輪61bが第1支持部材71によって支持された状態で、軸部材51に沿って移動不能である。
【0090】
第2軸受62は、第2係止部材86及び大径部58の少なくとも一方から軸方向Xに離れている。
図2に示す例では、第2軸受62は、第2係止部材86及び大径部58の両方から軸方向Xに離れている。そのため、第2軸受62は、第2係止部材86に当接する位置と、大径部58に当接する位置と、の間で小径部59に沿って軸方向Xに移動可能である。したがって、第2軸受62は、軸部材51に沿って移動可能である。
【0091】
<吸収部材のメンテナンス方法>
次に、吸収部材52のメンテナンス方法について説明する。
吸収部材52のメンテナンスに際しては、第1支持部材71から第1軸受61を取り外すとともに第2支持部材76から第2軸受62を取り外す。これにより、搬送装置15から軸部材51が取り外される。搬送装置15から取り外された軸部材51は、外周に筒部材53及び吸収部材52が配置され、第1軸受61及び第2軸受62が取り付けられた状態である。
【0092】
吸収部材52のメンテナンスは、軸部材51は取り換えずに筒部材53及び吸収部材52を取り換える方法と、軸部材51、筒部材53、及び吸収部材52を取り換える方法と、のいずれかで行える。以下ではまず前者の方法でメンテナンスを行った場合について説明する。
【0093】
筒部材53及び吸収部材52を取り換える場合、軸部材51から第1係止部材85を取り外す。これにより、第1軸受61が軸部材51に沿って移動可能となるため、軸部材51から第1軸受61を取り外すことができる。さらに、軸部材51から第2規制部65を取り外す。これにより、筒部材53及び吸収部材52が軸部材51に沿って移動可能となるため、軸部材51から筒部材53及び吸収部材52を取り外すことができる。第1軸受61、筒部材53、及び吸収部材52は、軸部材51の第1端部51aから抜き取られる。吸収部材52は筒部材53と一体化された状態で軸部材51から取り外される。
【0094】
図7に示すように、吸収部材52及び筒部材53が取り外された軸部材51に対して、筒部材53と一体化された吸収部材52が新たに取り付けられる。こうして新たに取り付けられる筒部材53及び吸収部材52は、取り外された筒部材53及び吸収部材52とは別のものであってもよいし、取り外された筒部材53及び吸収部材52に洗浄などのメンテナンスを行ったものであってもよい。筒部材53及び吸収部材52は、軸部材51の第1端部51aから挿入される。筒部材53の切欠部53hに軸部材51の第1規制部64が挿入される位置まで、筒部材53及び吸収部材52を軸部材51に沿って移動させる。第1規制部64が切欠部53hの第2縁部53gに当接するまで、筒部材53及び吸収部材52を軸部材51に沿って移動させてもよい。
【0095】
図8及び
図9に示すように、筒部材53及び吸収部材52の個体差等によって、筒部材53及び吸収部材52には軸方向Xへの公差が生じる。切欠部53hに第1規制部64が係合されるため、軸方向Xにおける筒部材53の寸法によらず、筒部材53の第2端53bは軸方向Xにおける軸部材51の同じ位置に位置する。軸方向Xにおける筒部材53の寸法に応じて、筒部材53の第1端53aは、軸方向Xにおいて軸部材51の異なる位置に位置する。
【0096】
図8には、軸部材51に筒部材53及び吸収部材52を取り付けた状態で、筒部材53の第1端53aが中央部51cと連なる嵌合溝54に隣接する場合を示す。この場合において、筒部材53の第1端53aが隣接する嵌合溝54に対して第2規制部65が取り付けられる。これにより、第2規制部65が筒部材53の第1端53aに当接する。一対の規制部63によって筒部材53の軸方向Xへの移動が規制される。
【0097】
図9には、軸部材51に筒部材53及び吸収部材52を取り付けた状態で、複数の嵌合溝54のうちで中央部51cから最も離れた嵌合溝54に筒部材53の第1端53aが隣接する場合を示す。この場合の筒部材53は、
図8に示す場合の筒部材53よりも軸方向Xの寸法が大きいものである。
図9に示す場合においても、筒部材53の第1端53aが隣接する嵌合溝54に対して第2規制部65が取り付けられる。第2規制部65が取り付けられる嵌合溝54は、
図8に示す場合にて第2規制部65が取り付けられる嵌合溝54とは別の嵌合溝54である。こうして、筒部材53の軸方向Xの寸法に応じて、異なる嵌合溝54に第2規制部65が取り付けられる。したがって、筒部材53の軸方向Xの寸法によらず、第2規制部65が筒部材53の第1端53aに当接することにより、一対の規制部63によって筒部材53の軸方向Xへの移動が規制される。
【0098】
図2に示すように、軸部材51に第2規制部65が取り付けられた後、軸部材51に第1軸受61及び第1係止部材85が取り付けられる。第1軸受61が支持部56に取り付けられるとともに、第1係止部材85が第1支持溝55に取り付けられることにより、第1軸受61は軸部材51に沿って移動不能とされる。続いて、第1支持部材71に第1軸受61を取り付けるとともに、第2支持部材76に第2軸受62を取り付ける。これにより、外周に筒部材53及び吸収部材52が配置された軸部材51が搬送装置15に取り付けられる。
【0099】
なお、軸部材51、筒部材53、及び吸収部材52を取り換える方法を用いて吸収部材52のメンテナンスを行う場合は、上記と同様に第1係止部材85及び第1軸受61を軸部材51から取り外す。軸部材51から筒部材53及び吸収部材52を取り外さなくてもよい。軸部材51から第2係止部材86を取り外す。これにより、軸部材51から第2軸受62を取り外すことができる。第2軸受62は、軸部材51の第2端部51bから抜き取られる。そして、軸部材51、筒部材53、及び吸収部材52が取り換えられた後、上記と同様に第1係止部材85及び第1軸受61を軸部材51に取り付ける。さらに、軸部材51に第2軸受62及び第2係止部材86が取り付けられる。第2軸受62が小径部59に取り付けられるとともに、第2係止部材86が第2支持溝66に取り付けられる。軸部材51に取り付けられた第2軸受62は、大径部58と第2係止部材86との間で軸部材51に沿って移動可能である。続いて、第1支持部材71に第1軸受61を取り付けるとともに、第2支持部材76に第2軸受62を取り付ける。これにより、外周に筒部材53及び吸収部材52が配置された軸部材51が搬送装置15に取り付けられる。
【0100】
<実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
軸部材51の個体差等によって、軸部材51には軸方向Xへの公差が生じる。また、第1軸受61が第1支持部材71によって支持され、かつ第2軸受62が第2支持部材76に支持されるため、軸方向Xにおける第1軸受61と第2軸受62との間の寸法は一定の寸法となる。第1拡径部57と第1係止部材85とが第1内輪61aに当接することにより、第1軸受61は軸部材51に沿って移動不能である。第2軸受62は、第2係止部材86に当接する位置と、大径部58に当接する位置と、の間で小径部59に沿って移動可能である。したがって、第1外輪61bが第1支持部材71によって支持された状態での第1軸受61の軸部材51での位置を基準にして、第2外輪62bが第2支持部材76によって支持された状態での第2軸受62の軸部材51での位置を調整できる。
【0101】
図10に示すように、例えば、軸方向Xにおける軸部材51の寸法が大きいほど、小径部59のうちで大径部58に近い位置に第2軸受62が位置するように、第2軸受62の軸部材51での位置を調整する。
図10に示す例では、第2軸受62が大径部58に接するように、軸部材51での第2軸受62の位置が調整されている。また、図示は省略するが、例えば、軸方向Xにおける軸部材51の寸法が小さいほど、小径部59のうちで第2係止部材86に近い位置に第2軸受62が位置するように、第2軸受62の軸部材51での位置を調整する。このように、軸方向Xの公差が軸部材51に存在しても、第2支持部材76によって第2外輪62bが支持されるように軸部材51での第2軸受62の位置を最適化できる。
【0102】
<実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1)第1軸受61は軸部材51に沿って移動不能であるとともに、第2軸受62は軸部材51に沿って移動可能である。そのため、第1外輪61bが第1支持部材71によって支持された状態での第1軸受61の軸部材51での位置を基準にして、第2外輪62bが第2支持部材76によって支持された状態での第2軸受62の軸部材51での位置を調整できる。これにより、軸方向Xの公差が軸部材51に存在しても、第2支持部材76によって第2外輪62bが支持されるように軸部材51での第2軸受62の位置を最適化できる。したがって、軸部材51に軸方向Xの公差が生じても、軸部材51を設置する際の作業性の低下を抑制できる。
【0103】
(2)軸部材51は、径方向Yにおける寸法が第1寸法S1である大径部58と、大径部58と軸方向Xに連なり、径方向Yにおける寸法が第1寸法S1より小さい第2寸法S2である小径部59と、を含んでいる。第2内輪62aは、小径部59を支持する。そのため、大径部58と小径部59との寸法差により軸部材51に段差が形成される。この段差に第2軸受62が当接することにより、小径部59から大径部58への軸部材51に沿った第2軸受62の移動が規制される。したがって、第2軸受62が軸部材51の軸方向X全範囲において移動可能な場合と比べて、所望の範囲で第2軸受62を移動可能にできる。
【0104】
(3)一対の規制部63は、それぞれが軸方向Xの両側から筒部材53に当接することによって筒部材53の軸方向Xへの移動を規制する。吸収部材52は筒部材53に固定されている。筒部材53は軸部材51に取り付けられている。そのため、軸部材51に対して筒部材53を取り換えることによって吸収部材52の取り換えができるため、吸収部材52が軸部材51から取り外し不能に軸部材51に固定される場合と比較して、軸部材51の交換頻度を低減できる。また、軸部材51に対して筒部材53を取り換えた際、筒部材53の製造ばらつきによって軸部材51に対して筒部材53が軸方向Xに移動しやすい場合がある。この場合でも、一対の規制部63によって筒部材53が軸方向Xに移動することを規制できる。したがって、筒部材53に固定された吸収部材52の軸方向Xへの移動を規制できるため、吸収部材52による搬送ベルト22の清掃性能が低下することを抑制できる。
【0105】
(4)第1規制部64は、軸部材51に固定される。第2規制部65は、スナップリングである。軸部材51は、軸方向Xにおいて互いに異なる位置に設けられた複数の嵌合溝54を有する。複数の嵌合溝54のそれぞれは、第2規制部65が嵌合可能である。第2規制部65は、複数の嵌合溝54のうちの1つに嵌合することにより、軸部材51に嵌合する。そのため、第1規制部64に筒部材53を当接させた状態で、複数の嵌合溝54のうちの1つに第2規制部65を嵌合させることにより、軸方向Xへの筒部材53の移動を規制できる。筒部材53の製造ばらつきによって、軸方向Xにおける筒部材53の寸法に個体差が生じるおそれがある。この場合も上記筒部材53の寸法に合わせて第2規制部65を嵌合させる嵌合溝54を異ならせることにより、軸方向Xへの筒部材53の移動を規制できる位置に第2規制部65を位置させることができる。したがって、筒部材53の製造ばらつきがあっても、筒部材53に固定された吸収部材52の軸方向Xへの移動を規制できるため、吸収部材52による搬送ベルト22の清掃性能が低下することを抑制できる。
【0106】
(5)第1規制部64は、軸部材51から軸部材51の外部に向けて突出するピンである。筒部材53には、軸方向Xにおける筒部材53の端部のうちで筒部材53の周方向の一部が切り欠かれた切欠部53hが形成されている。第1規制部64は、切欠部53hに係合する。軸部材51の回転に伴って軸部材51に対して筒部材53の周方向に筒部材53がずれると、筒部材53に固定された吸収部材52が軸部材51の回転に同期して回転しないことにより、吸収部材52による搬送ベルト22の清掃性能が低下するおそれがある。本実施形態によれば、第1規制部64が筒部材53に係合することにより、軸部材51の回転に伴って軸部材51に対して筒部材53の周方向に筒部材53がずれることを抑制できる。したがって、軸部材51の回転に伴って筒部材53が軸部材51からずれることによって生じる吸収部材52の搬送ベルト22の清掃性能の低下を抑制できる。
【0107】
(6)第1支持部材71は第1当接部72fを有する。第2支持部材76は第2当接部77fを有する。そのため、第1当接部72fが第1軸受61に当接することにより軸方向Xへの第1軸受61の移動を規制できる。第2当接部77fが第2軸受62に当接することにより軸方向Xへの第2軸受62の移動を規制できる。こうして第1軸受61及び第2軸受62の移動が規制されることにより、第1軸受61及び第2軸受62に支持された軸部材51が軸方向Xに移動することを規制できる。したがって、軸方向Xへの軸部材51の移動に伴って吸収部材52が軸方向Xに移動することが規制されるため、吸収部材52による搬送ベルト22の清掃性能が低下することを抑制できる。
【0108】
[変更例]
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0109】
・軸部材51から第2軸受62を取り外す必要がなければ、第2内輪62aは軸部材51から取り外し不能であってもよい。
・第1支持部材71から第1当接部72fを省略してもよい。第2支持部材76から第2当接部77fを省略してもよい。
【0110】
・挿入孔51hは、軸部材51の1箇所に形成されていてもいいし、軸部材51の3箇所以上に形成されていてもよい。この場合、軸部材51に形成される挿入孔51hの数に応じて、挿入孔51hから突出させる第1規制部64の数と、第1規制部64が係合する切欠部53hの数と、を変更する。
【0111】
・第1規制部64は、軸部材51の内部を貫通するものでなくてもよい。この場合、例えば、軸部材51への挿入孔51hの形成を省略してもよい。第1規制部64は軸部材51の外周面に固定されてもよい。
【0112】
・第1規制部64は、軸部材51から軸部材51の外部に向けて突出するピンに限らない。例えば、第1規制部64は、軸部材51の外周面に沿って軸部材51の周方向に延びる環状部材であってもよい。第1規制部64としての環状部材は、軸部材51に固定されていてもよいし、軸部材51に取り付けられるスナップリング等であってもよい。この場合、筒部材53から切欠部53hを省略してもよい。この場合の第1規制部64は、筒部材53の第2端53bに当接する。また、この場合、軸部材51から挿入孔51hを省略してもよい。
【0113】
・実施形態の軸部材51に設けられる第1規制部64の位置に第2規制部65を設けてもよい。実施形態の軸部材51に設けられる第2規制部65の位置に第1規制部64を設けてもよい。この場合も、第1規制部64及び第2規制部65が軸方向Xの両側から筒部材53に当接するため、筒部材53の軸方向Xへの移動が規制される。
【0114】
・軸部材51が有する嵌合溝54の数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。軸部材51が有する嵌合溝54の数は、1つであってもよい。
・筒部材53は、金属製など樹脂以外の材料から形成されたものであってもよい。
【0115】
・搬送装置15から筒部材53を省略してもよい。この場合、吸収部材52は、軸部材51に直接取り付けられてもよい。
・大径部58及び小径部59が位置する軸部材51の部分において、径方向Yにおける寸法を異ならせなくてもよい。この場合の第2内輪62aは、軸部材51のうちで、第2係止部材86と吸収部材52との間の部分を支持する。
【0116】
・第1支持部材71及び第2支持部材76は、貯留槽42など、支持槽41以外の搬送装置15の部材に第1清掃ローラー50を支持してもよい。
・第1清掃ローラー50と同様の構成を第2清掃ローラー80に採用してもよい。この場合、第2清掃ローラー80の軸部材81に軸方向Xの公差が生じても、ブラシ82のメンテナンスのために搬送装置15に対して軸部材81を設置する際の作業性の低下を抑制できる。第1清掃ローラー50における第1軸受61及び第2軸受62を、軸部材51に沿って移動不能としてもよい。
【0117】
・搬送装置15から第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80のいずれか一方を省略してもよい。すなわち、清掃装置23から第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80のいずれか一方を省略してもよい。
【0118】
・供給部31は、第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80に向けて洗浄液を噴き付けたり、滴下したりすることによって、第1清掃ローラー50及び第2清掃ローラー80に洗浄液を供給する構成でもよい。この場合の供給部31は、例えば洗浄液を噴き付ける又は滴下するノズルであってもよい。
【0119】
・記録部12が吐出する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などでもよい。例えば、記録部12が液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材または画素材料などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を吐出してもよい。
【0120】
[定義]
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0121】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0122】
(A)搬送装置は、メディアを支持可能な支持面を有し、前記支持面に支持される前記メディアを搬送可能な搬送ベルトと、前記支持面に接触可能な清掃部材を支持した状態で回転可能である軸部材と、前記軸部材を支持する第1内輪と、前記第1内輪に対して回転可能な第1外輪と、を有する第1軸受と、前記軸部材を支持する第2内輪と、前記第2内輪に対して回転可能な第2外輪と、を有する第2軸受と、前記第1外輪を支持する第1支持部材と、前記第2外輪を支持する第2支持部材と、を備え、前記第1軸受は、前記第1外輪が前記第1支持部材によって支持された状態で、前記軸部材に沿って移動不能であり、前記第2軸受は、前記軸部材に沿って移動可能である。
【0123】
上記構成によれば、第1軸受は軸部材に沿って移動不能であるとともに、第2軸受は軸部材に沿って移動可能である。そのため、第1外輪が第1支持部材によって支持された状態での第1軸受の軸部材での位置を基準にして、第2外輪が第2支持部材によって支持された状態での第2軸受の軸部材での位置を調整できる。これにより、軸方向の公差が軸部材に存在しても、第2支持部材によって第2外輪が支持されるように軸部材での第2軸受の位置を最適化できる。したがって、軸部材に軸方向の公差が生じても、軸部材を設置する際の作業性の低下を抑制できる。
【0124】
(B)搬送装置において、前記軸部材は、前記軸部材が延在する軸方向と交差する径方向における寸法が第1寸法である大径部と、前記大径部と前記軸方向に連なり、前記径方向における寸法が前記第1寸法より小さい第2寸法である小径部と、を含み、前記第2内輪は、前記小径部を支持してもよい。
【0125】
上記構成によれば、大径部と小径部との寸法差により軸部材に段差が形成される。この段差に第2軸受が当接することにより、小径部から大径部への軸部材に沿った第2軸受の移動が規制される。したがって、第2軸受が軸部材の軸方向全範囲において移動可能な場合と比べて、所望の範囲で第2軸受を移動可能にできる。
【0126】
(C)搬送装置は、前記軸部材の外周に取り付けられ、かつ、前記清掃部材が外周に固定される筒部材と、前記軸部材が延在する軸方向において前記第1軸受と前記第2軸受との間に設けられた一対の規制部と、を備え、前記一対の規制部は、それぞれが前記軸方向の両側から前記筒部材に当接することによって前記筒部材の前記軸方向への移動を規制してもよい。
【0127】
上記構成によれば、清掃部材は筒部材に固定されている。筒部材は軸部材に取り付けられている。そのため、軸部材に対して筒部材を取り換えることによって清掃部材の取り換えができるため、清掃部材が軸部材から取り外し不能に軸部材に固定される場合と比較して、軸部材の交換頻度を低減できる。また、軸部材に対して筒部材を取り換えた際、筒部材の製造ばらつきによって軸部材に対して筒部材が軸方向に移動しやすい場合がある。この場合でも、一対の規制部によって筒部材が軸方向に移動することを規制できる。したがって、筒部材に固定された清掃部材の軸方向への移動を規制できるため、清掃部材による搬送ベルトの清掃性能が低下することを抑制できる。
【0128】
(D)搬送装置において、前記一対の規制部は、第1規制部と、第2規制部と、を有し、前記第1規制部は、前記軸部材に固定され、前記第2規制部は、取り外し可能に前記軸部材に装着されるスナップリングであり、前記軸部材は、前記軸方向において互いに異なる位置に設けられた複数の嵌合溝を有し、前記複数の嵌合溝のそれぞれは、前記スナップリングが嵌合可能であり、前記スナップリングは、前記複数の嵌合溝のうちの1つに嵌合することにより、前記軸部材に装着されてもよい。
【0129】
上記構成によれば、第1規制部に筒部材を当接させた状態で、複数の嵌合溝のうちの1つにスナップリングを嵌合させることにより、軸方向への筒部材の移動を規制できる。筒部材の製造ばらつきによって、軸方向における筒部材の寸法に個体差が生じるおそれがある。この場合も上記筒部材の寸法に合わせてスナップリングを嵌合させる嵌合溝を異ならせることにより、軸方向への筒部材の移動を規制できる位置にスナップリングを位置させることができる。したがって、筒部材の製造ばらつきがあっても、筒部材に固定された清掃部材の軸方向への移動を規制できるため、清掃部材による搬送ベルトの清掃性能が低下することを抑制できる。
【0130】
(E)搬送装置において、前記第1規制部は、前記軸部材から前記軸部材の外部に向けて突出するピンであり、前記筒部材には、前記軸方向における前記筒部材の端部のうちで前記筒部材の周方向の一部が切り欠かれた切欠部が形成され、前記ピンは、前記切欠部に係合してもよい。
【0131】
軸部材の回転に伴って軸部材に対して筒部材の周方向に筒部材がずれると、筒部材に固定された清掃部材が軸部材の回転に同期して回転しないことにより、清掃部材による搬送ベルトの清掃性能が低下するおそれがある。上記構成によれば、ピンが筒部材に係合することにより、軸部材の回転に伴って軸部材に対して筒部材の周方向に筒部材がずれることを抑制できる。したがって、軸部材の回転に伴って筒部材が軸部材からずれることによって生じる清掃部材の搬送ベルトの清掃性能の低下を抑制できる。
【0132】
(F)搬送装置において、前記第1支持部材は、前記第1支持部材が前記第1外輪を支持した状態において、前記第1軸受に当接して前記軸部材が延在する軸方向への前記第1軸受の移動を規制する第1当接部を有し、前記第2支持部材は、前記第2支持部材が前記第2外輪を支持した状態において、前記第2軸受に当接して前記軸方向への前記第2軸受の移動を規制する第2当接部を有してもよい。
【0133】
上記構成によれば、第1当接部が第1軸受に当接することにより軸方向への第1軸受の移動を規制できる。第2当接部が第2軸受に当接することにより軸方向への第2軸受の移動を規制できる。こうして第1軸受及び第2軸受の移動が規制されることにより、第1軸受及び第2軸受に支持された軸部材が軸方向に移動することを規制できる。したがって、軸方向への軸部材の移動に伴って清掃部材が軸方向に移動することが規制されるため、清掃部材による搬送ベルトの清掃性能が低下することを抑制できる。
【0134】
(G)清掃装置は、メディアを支持面で支持した状態で搬送可能な搬送ベルトを清掃可能な清掃装置であって、前記支持面に接触可能な清掃部材と、前記清掃部材を支持した状態で回転可能である軸部材と、前記軸部材を支持する第1内輪と、前記第1内輪に対して回転可能な第1外輪と、を有する第1軸受と、前記軸部材を支持する第2内輪と、前記第2内輪に対して回転可能な第2外輪と、を有する第2軸受と、前記第1外輪を支持する第1支持部材と、前記第2外輪を支持する第2支持部材と、を備え、前記第1軸受は、前記第1外輪が前記第1支持部材によって支持された状態で、前記軸部材に沿って移動不能であり、前記第2軸受は、前記軸部材に沿って移動可能である。
【0135】
上記構成によれば、上述した搬送装置と同じ効果が得られる。
【符号の説明】
【0136】
S1…第1寸法、S2…第2寸法、X…軸方向、Y…径方向、15…搬送装置、22…搬送ベルト、23…清掃装置、26…支持面、51,81…軸部材、52…(清掃部材としての)吸収部材、53…筒部材、53h…切欠部、54…嵌合溝、58…大径部、59…小径部、61…第1軸受、61a…第1内輪、61b…第1外輪、62…第2軸受、62a…第2内輪、62b…第2外輪、63…規制部、64…第1規制部、65…第2規制部、71…第1支持部材、72f…第1当接部、76…第2支持部材、77f…第2当接部、82…(清掃部材としての)ブラシ、99…メディア。