(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050216
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】医療用光源システムおよび医療用光源システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
A61N 5/067 20060101AFI20240403BHJP
A61B 18/22 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61N5/067
A61B18/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156938
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 隆
(72)【発明者】
【氏名】山口 俊平
(72)【発明者】
【氏名】山口 亨
(72)【発明者】
【氏名】幣之内 俊光
【テーマコード(参考)】
4C026
4C082
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026BB08
4C026HH02
4C026HH12
4C082RA02
4C082RC09
4C082RJ03
4C082RL02
4C082RL12
(57)【要約】
【課題】複数の導光部材を用いて被検者の治療を行う場合に、被検者に対する負担を軽減することが可能な医療用光源システムおよび医療用光源システムの制御方法を提供する。
【解決手段】この医療用光源システム100は、複数の光源部10と、複数の光源部10の各々に接続された導光部材102の各々から出射される治療光の出力量を測定する光量測定部20と、複数の光源部10の各々に導光部材102が接続された状態で、導光部材102の各々から出射される治療光の出力量を光量測定部20により測定することによって、導光部材102接続された複数の光源部10の各々から出力される治療光の出力量の調整を行うように構成されている制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者に対して照射される治療光を導く導光部材が接続され、前記治療光を出力する複数の光源部と、
前記複数の光源部の各々に接続された前記導光部材の各々から出射される前記治療光の出力量を測定する光量測定部と、
前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続された状態で、前記導光部材の各々から出射される前記治療光の出力量を前記光量測定部により測定することによって、前記導光部材が接続された前記複数の光源部の各々から出力される前記治療光の出力量の調整を行うように構成されている制御部と、を備える、医療用光源システム。
【請求項2】
前記複数の光源部の各々ごとの前記治療光の出力量の調整の状態を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続された状態で、前記複数の光源部のうちの前記治療光の出力量の調整が完了している前記光源部を識別可能に前記表示部に表示する、請求項1に記載の医療用光源システム。
【請求項3】
前記光量測定部は、アダプタ部材が取り付けられるとともに、取り付けられた前記アダプタ部材に前記導光部材が挿入された状態で、前記導光部材から出射される前記治療光の出力量を測定するように構成されており、
前記制御部は、前記治療光の出力量の調整を行う前に、前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続されているか否かに係わらず、前記光量測定部に対して前記アダプタ部材を取り付けることを促す表示を前記表示部に表示する、請求項2に記載の医療用光源システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記光量測定部に対して前記アダプタ部材を取り付けることを促す表示と、前記複数の光源部の各々に対して前記導光部材を接続することを促す表示とを、前記表示部に並べて表示する、請求項3に記載の医療用光源システム。
【請求項5】
前記光量測定部は、前記複数の光源部の各々に接続された前記導光部材のうちの1つの前記導光部材から出射される前記治療光の出力量を測定するように構成されており、
前記制御部は、前記導光部材が接続された前記複数の光源部の各々から出力される前記治療光の出力量の調整を順に行うために、前記導光部材が接続された前記複数の光源部を選択可能に前記表示部に表示する、請求項2~4のいずれか1項に記載の医療用光源システム。
【請求項6】
前記導光部材が接続された前記複数の光源部を選択する入力操作を受け付けるとともに、前記表示部を兼ねるタッチパネル部をさらに備える、請求項5に記載の医療用光源システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記複数の光源部の各々に接続される前記導光部材の種類、前記治療光の出力量、および、前記治療光の出力時間の少なくとも一つを含む設定情報を、前記複数の光源部の各々ごとに取得するとともに、前記設定情報が取得された前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続された状態で、前記導光部材が接続された前記複数の光源部を選択可能に前記表示部に表示する、請求項5に記載の医療用光源システム。
【請求項8】
前記制御部による前記治療光の調整が完了した前記光源部に接続されている前記導光部材を保持する導光部材保持部をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の医療用光源システム。
【請求項9】
前記導光部材保持部は、前記治療光が照射される前記被検者が横たわる寝台に配置されている、請求項8に記載の医療用光源システム。
【請求項10】
被検者に対して照射される治療光を出力する複数の光源部に、前記治療光を導く導光部材が接続されていることを示す接続信号を取得するステップと、
前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続された状態で、前記導光部材の各々から出射される前記治療光の出力量を測定することによって、前記導光部材が接続された前記複数の光源部の各々から出力される前記治療光の出力量を調整するステップと、を備える、医療用光源システムの制御方法。
【請求項11】
前記治療光の出力量を調整するステップは、前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続された状態で、前記導光部材から出射される前記治療光の出力量を1つずつ測定することによって、前記導光部材が接続された前記複数の光源部の各々から出力される前記治療光の出力量を1つずつ調整するステップを含む、請求項10に記載の医療用光源システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用光源システムおよび医療用光源システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の光源と較正ポートとを備える医療装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
上記特許文献1には、患者の治療のためにレーザ光を出力する医療装置が記載されている。この医療装置は、複数の光源と1つの較正ポートとを備えている。複数の光源の各々には、導光ファイバが1つずつ接続される。そして、治療の際に必要な強度のレーザ光が出力されるように、治療の前に光源の較正が行われる。具体的には、治療を開始する前に、1つの導光ファイバが較正ポートに挿入され、較正ポートに挿入された導光ファイバから出射されるレーザ光が較正ポートにおいて検出される。そして、治療の際に実際に出力されるレーザ光の強度となるように、光源からの出力が調整される。上記特許文献1に記載の医療装置では、複数の導光ファイバを用いて患者の治療を行う場合には、複数の光源の各々の調整が1つずつ行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、上記特許文献1に記載の医療装置のように複数の導光ファイバ(導光部材)を用いた治療を行う場合には、一般的に、まず、患者(被検体)に対して、麻酔が投与される。そして、複数の光源(光源部)のうちの一つに導光部材の一方端が接続され、接続された導光部材の他方端が較正ポート(光量測定部)に挿入される。そして、導光部材からの出力が光量測定部により測定されることによって、光源部の調整(較正)が行われる。導光部材が侵襲型である場合には、調整が行われた後に導光部材が患者(被検者)の体内に挿入(穿刺)される。その後に、もう一つの光源部に、再度、導光部材の一方端が接続されて、光源部の調整が行われる。そのため、複数の導光部材を用いて治療を行う場合には、被検者に対する麻酔の投与が行われた後に、導光部材の接続、光源部の調整、そして、穿刺というフローが複数の導光部材の各々ごとに1つずつ繰り返されるため、被検者に麻酔が投与されている期間が増大する。これにより、手術時間が増大するため被検者の負担が増大する。そこで、複数の導光部材を用いて被検者の治療を行う場合に、被検者に対する負担を軽減することが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数の導光部材を用いて被検者の治療を行う場合に、被検者に対する負担を軽減することが可能な医療用光源システムおよび医療用光源システムの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面における医療用光源システムは、被検者に対して照射される治療光を導く導光部材が接続され、治療光を出力する複数の光源部と、複数の光源部の各々に接続された導光部材の各々から出射される治療光の出力量を測定する光量測定部と、複数の光源部の各々に導光部材が接続された状態で、導光部材の各々から出射される治療光の出力量を光量測定部により測定することによって、導光部材が接続された複数の光源部の各々から出力される治療光の出力量の調整を行うように構成されている制御部と、を備える。
【0008】
この発明の第2の局面における医療用光源システムの制御方法は、被検者に対して照射される治療光を出力する複数の光源部に、治療光を導く導光部材が接続されていることを示す接続信号を取得するステップと、複数の光源部の各々に導光部材が接続された状態で、導光部材の各々から出射される治療光の出力量を測定することによって、導光部材が接続された複数の光源部の各々から出力される治療光の出力量を調整するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記第1の局面における医療用光源システム、および、上記第2の局面における医療用光源システムの制御方法は、上記のように、複数の光源部の各々に導光部材が接続された状態で、導光部材の各々から出射される治療光の出力量を測定することによって、導光部材が接続された複数の光源部の各々から出力される治療光の出力量を調整する。これにより、治療光の出力量を測定して光源部の調整を開始する前に、調整が行われる前の複数の光源部の各々に導光部材を先に接続しておくことができる。そのため、被検者に麻酔を投与する前に、複数の光源部の各々に対して導光部材を接続して治療光の出力量の調整を行うことができるので、被検者に麻酔が投与される期間が増大することを抑制することができる。その結果、複数の導光部材を用いて被検者の治療を行う場合に、被検者に対する負担を軽減することができる。また、光源部に対する導光部材の接続から光源部の調整までの調整作業を順次1つずつ完了させる必要がないため、導光部材の光源部に接続される部分のみを開封するとともに、導光部材の被験者に接触する部分(挿入される部分)を封印された状態に保ったまま、複数の光源部の各々に導光部材を接続することができる。そのため、調整が行われる前の複数の光源部の各々に導光部材を先に接続する場合に、導光部材の被検者に接触する部分(被検者に挿入される部分)を清潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による医療用光源システムの全体構成を示した模式図である。
【
図2】医療用光源システムの全体構成を示したブロック図である。
【
図3】フロンタル型ディフューザの導光部材を説明するための模式図である。
【
図4】シリンドリカル型ディフューザの導光部材を説明するための模式図である。
【
図5】光量調整部の構成を説明するための模式図である。
【
図6】導光部材保持部の構成を説明するための模式図である。
【
図7】本発明の一実施形態による医療用光源システムの制御方法を説明するためのフローチャート図である。
【
図8】治療の選択を受け付けるためのスタート画像の表示の一例を示した図である。
【
図9】複数の光源部の各々ごとの状態を示した状態画像の表示の一例を示した図である。
【
図10】複数の光源部の各々の設定を説明するための図である。
【
図11】複数の光源部の各々の設定が完了した状態の表示の例を示した図である。
【
図12】アダプタ部材を取り付けることを促す表示と導光部材を接続することを促す表示との一例を示した図である。
【
図13】調整が行われる光源部の準備が完了した状態の表示の例を示した図である。
【
図14】治療光の出力量の調整が完了している光源部が識別可能に表示される例を示した図である。
【
図15】治療を開始する治療開始画面の表示の例を示した図である。
【
図16】被検者に治療光を照射している最中の表示の一例を示した図である。
【
図17】治療が完了した場合の表示の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具現化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(医療用光源システムの構成)
図1~
図6を参照して、医療用光源システム100の全体構成について説明する。
【0013】
図1および
図2に示すように、医療用光源システム100は、光源装置101を備えている。光源装置101は、光線力学的療法(Photodynamic Therapy:PDT)において、被検者110に照射される治療光としてのレーザ光を生成し、生成したレーザ光を複数の光源部10の各々から導光部材102に導光するための装置である。医療用光源システム100では、たとえば、光源装置101を用いた光免疫療法による治療を行うためのシステムである。
【0014】
光免疫療法では、まず光化学反応をおこす蛍光物質と、がん細胞に選択的に結合する抗体とを含む薬剤ががん患者の体内に投与される。投与された薬剤は、がん患者(被検者110)の体内を巡り、がん細胞の抗原に選択的に結合する。そして、蛍光物質に応じた特定の波長帯の治療光が照射されることにより、がん細胞に結合した薬剤の蛍光物質が蛍光を発するとともに、蛍光物質の化学構造が光化学反応を起こして変化する。この蛍光物質の化学構造の変化によって、抗体の立体構造の変化が引き起こされる。そして、がん細胞に結合した抗体の立体構造の変化が、結合したがん細胞の細胞膜に損傷を与えることにより、がん細胞が破壊される。医療用光源システム100では、光源装置101により蛍光物質に応じた特定の波長帯の治療光が出力される。
【0015】
(光源装置)
図1および
図2に示すように、光源装置101は、複数の光源部10、光量測定部20、タッチパネル部30、記憶部40、および、制御部50を備えている。また、光源装置101は、筐体101aを有している。複数の光源部10、光量測定部20、タッチパネル部30、制御部50、および、記憶部40は、筐体101aに配置されている。なお、タッチパネル部30は、特許請求の範囲における「表示部」の一例である。
【0016】
複数の光源部10の各々は、導光部材102が接続され、被検者110に対して照射される治療光を出力する。複数の光源部10は、4つの光源部11、光源部12、光源部13、および、光源部14を含む。光源部11~14の各々は、筐体101aの前面側に並んで配置されている。複数の光源部10(光源部11~光源部14)の各々は、治療光としてのレーザ光を発生させる図示しないレーザ光源と、導光部材102が接続される開口部とを有している。治療光は、たとえば、近赤外レーザ光の半導体レーザ光である。また、複数の光源部10の各々には、導光部材102が接続されていることを検出する図示しない接続センサが設けられている。複数の光源部10の各々は、導光部材102が接続されている場合に、導光部材102が接続されていることを示す接続信号を制御部50に対して出力する。なお、光源部10の数は、特に限定されない。
【0017】
図3および
図4に示すように、導光部材102は、複数の光源部10(光源部11~14)から出力された治療光を被検者110に対して導く光ファイバを含む。具体的には、導光部材102は、複数の光源部10の各々に1つずつ接続され、光源部10から出力された治療光を被検者110の治療対象部位まで導く(導光)する光ファイバケーブルを含む。導光部材102は、一端が光源部10の図示しない開口部に接続され、他端(先端部102a)から治療光を出射(放射)する。
【0018】
また、導光部材102は、フロンタル型ディフューザ(
図3参照)とシリンドリカル型ディフューザ(
図4参照)とのいずれかを含む。フロンタル型ディフューザは、先端部102aから導光部材102の長さ方向に治療光を出射する。フロンタル型ディフューザの導光部材102が用いられる場合には、被検者110の体表面の治療対象部位に対して治療光が照射される。シリンドリカル型ディフューザは、円筒形状を有する出射部(先端部102a)を有し、先端部102aから径方向に治療光を出射する。シリンドリカル型ディフューザの導光部材102が用いられる場合には、ニードルカテーテルを用いて被検者110の体内の治療対象部位に対して治療光が照射される。すなわち、被検者110の体内に導光部材102の先端部102aが挿入(穿刺)される。また、導光部材102は、先端部102aの長さ方向の長さが異なる複数の種類を有する。導光部材102には、たとえば、シリンドリカル型ディフューザでは、治療光が出射される出射部である先端部102aの長さ方向の長さが20mmであるものと、30mmであるものと、40mmであるものと、50mmであるものとがある。
【0019】
図1および
図2に示すように、光量測定部20は、筐体101aの前面側において、複数の光源部10と並んで配置されている。光量測定部20は、複数の光源部10の各々に接続された導光部材102の各々から出射される治療光の出力量を測定する。光量測定部20は、アダプタ部材21とセンサ部22とを含む。
【0020】
図5に示すように、光量測定部20では、筐体101aの前面に設けられた開口部分20aにアダプタ部材21が取り付けられる。そして、取り付けられたアダプタ部材21に導光部材102が挿入された状態で、筐体101aの内部に配置されているセンサ部22により導光部材102から出射される治療光の出力量を測定するように構成されている。具体的には、アダプタ部材21は、開口部分20aから光が漏れることを防止するとともに、導光部材102の挿入方向の位置決めをするために設けられている。治療光の出力量の測定において、アダプタ部材21を介して、導光部材102における先端部102aを含む先端からの一定の長さの部分が、光量測定部20の内部に挿入される。なお、アダプタ部材21は、清潔に保つために治療のたびに交換される。また、光量測定部20は、アダプタ部材21が取り付けられている場合に、アダプタ部材21が取り付けられていることを示す取付信号を制御部50に対して出力する。
【0021】
センサ部22は、たとえばフォトダイオードを含む。センサ部22は、導光部材102の先端部102aから出射された治療光(レーザ光)の強度に応じて検出値を出力する。センサ部22により出力された検出値は、治療光の強度(出力量)として制御部50により取得される。
【0022】
なお、本実施形態では、光量測定部20は、複数の光源部10(光源部11~14)の各々に接続された導光部材102のうちの1つの導光部材102から出射される治療光の出力量を測定するように構成されている。すなわち、アダプタ部材21は、1つの導光部材102のみが挿入可能に構成されている。そして、センサ部22は、1つの導光部材102から出射された治療光の出力量を検出するように構成されている。
【0023】
図1および
図2に示すように、タッチパネル部30は、制御部50による制御によって、光源装置101の状態、または、光源装置101に接続されている導光部材102の状態などを表す表示を表示する。タッチパネル部30における表示の詳細は後述する。タッチパネル部30は、たとえば、液晶ディスプレイ、または、有機ELディスプレイなどを含む。また、タッチパネル部30は、ユーザ(術者111)による入力操作を受け付ける。タッチパネル部30は、静電容量方式または抵抗膜方式などのタッチセンサを含む。タッチパネル部30は、受け付けられた入力操作に基づく操作信号を制御部50に対して出力する。すなわち、タッチパネル部30は、入力操作を受け付ける操作部と、画像および文字情報などを表示する表示部とを兼ねる。タッチパネル部30は、筐体101aの前面側に配置されている。
【0024】
記憶部40は、筐体101aの内部に配置されている。記憶部40には、制御部50が実行するプログラムが記憶されている。記憶部40は、たとえば、不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などを含む。また、記憶部40には、治療光の出力量の調整を行うために基準となる治療光の基準強度の情報が記憶されている。具体的には、記憶部40には、予め取得された、複数の光源部10の各々から出力されたレーザ光の複数の出力量に対応付けられた、複数種類の導光部材102の種類毎の検出値が、治療光の基準強度として記憶されている。たとえば、フロンタル型ディフューザの導光部材102とシリンドリカル型ディフューザの導光部材102との各々ごとに設定された基準強度の情報が記憶部40に記憶されている。また、先端部102aの長さの互いに異なる複数種類のシリンドリカル型ディフューザの導光部材102の各々ごとに設定された基準強度の情報が記憶部40に記憶されている。
【0025】
制御部50は、筐体101aの内部に配置されている。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。制御部50は、たとえば、プロセッサ、または、回路(circuitry)である。
【0026】
制御部50は、複数の光源部10(光源部11~14)の各々から出力される治療光の出力量の調整(校正処理;キャリブレーション処理)を行うように構成されている。治療光の出力量の調整(キャリブレーション処理)において、制御部50は、予め記憶部40に記憶された治療光の基準強度の情報と、光量測定部20により測定された導光部材102からの実際の治療光の出力量とに基づいて、予め設定された出力量の治療光が導光部材102の先端部102aから出射されるように、複数の光源部10の各々から出力される治療光の出力量の調整を行う。制御部50は、記憶部40に記憶された基準強度に基づいて、光量測定部20により測定(検出)された治療光の出力量が設定された出力量と一致するように、複数の光源部10の各々からの治療光の出力量を増大または減少させる制御を行う。
【0027】
そして、本実施形態では、制御部50は、複数の光源部10の各々に導光部材102が接続された状態で、導光部材102の各々から出射される治療光の出力量を光量測定部20により測定することによって、導光部材102が接続された複数の光源部10(光源部11~14)の各々から出力される治療光の出力量の調整(校正処理;キャリブレーション処理)を行うように構成されている。すなわち、制御部50は、治療光の出力量の調整が行われていないいくつかの光源部10に導光部材102が接続されている状態で、治療光の出力量の調整が行われていない光源部10のうちの1つから導光部材102を介して出力される治療光を光量測定部20により測定することによって、光源部10における治療光の出力量の調整を行う。たとえば、制御部50は、光源部11、光源部12、光源部13、および、光源部14の各々の出力量の調整を行う前に、光源部11、光源部12、光源部13、および、光源部14の各々に導光部材102が接続された状態で、光源部11、光源部12、光源部13、および、光源部14の出力量の調整を1つずつ実行する。したがって、制御部50は、4つの光源部10のうちの2つ以上に導光部材102が接続された状態で、キャリブレーション処理を開始可能に構成されている。なお、制御部50は、複数の光源部10のいずれか1つのみに導光部材102が接続されている状態で光源部10における治療光の出力量の調整を行うことも可能に構成されている。
【0028】
また、制御部50は、タッチパネル部30における表示の制御を行う。たとえば、制御部50による制御によって、タッチパネル部30は、複数の光源部10(光源部11~14)の各々ごとの治療光の出力量の調整の状態を表示する。
【0029】
(導光部材保持部)
図1および
図2に示すように、本実施形態では、医療用光源システム100は、導光部材保持部103を備えている。導光部材保持部103は、制御部50による治療光の調整が完了した光源部10に接続されている導光部材102を保持する。そして、導光部材保持部103は、光源装置101とは別個に、治療光が照射される被検者110が横たわる寝台104に配置されている。
【0030】
図6に示すように、たとえば、導光部材保持部103は、鉛直方向に向かって延びる支柱部分103aと、支柱部分103aから水平方向に沿って延びるアーム部103bとを備える。支柱部分103aは、たとえば、寝台104の側方に当接するように配置されている。そして、導光部材保持部103は、アーム部103bに配置された載置部103cを有する。載置部103cは、複数の光源部10(光源部11~14)の各々に接続された導光部材102の各々に対応するように複数設けられている。たとえば、4つの光源部11~14に対応するように、載置部103cは、4つ設けられている。そして、導光部材102の各々が、1つずつ載置部103cに載置される。載置部103cは、導光部材102の先端部102aが引っかけられるように、鉛直上方が開いたU字形状(C字形状)を有している。
【0031】
(医療用光源システムの制御方法)
次に、
図7~
図17を参照して、本実施形態による医療用光源システムの制御方法について説明する。なお、ステップ201~ステップ209における制御処理は、制御部50によりプログラムが実行されることにより行われる。なお、
図7は、医療用光源システム100の制御方法を示したフローチャート図である。
【0032】
まず、
図8に示すように、ステップ201(
図7参照)において、治療の選択を受け付けるためのスタート画像30aがタッチパネル部30に表示される。スタート画像30aでは、複数の治療の種類が選択可能にタッチパネル部30に表示される。そして、タッチパネル部30に対する入力操作に基づいて、治療の選択操作が受け付けられる。光線力学的療法(光免疫療法)では、治療の種類(治療対象部位)に応じて、出力される治療光の強度(出力量)、または、使用される導光部材102の種類などが定められている。そのため、治療の種類が選択されることによって、治療に用いられる導光部材102の種類、または、治療光の出力量などのパラメータが設定される。たとえば、
図8のスタート画像30aにおける「Head and Neck」と表示されている部分を選択する操作がタッチパネル部30により受け付けられる。なお、スタート画像30aの右下部分において「Setting」と表示されている設定ボタン画像30bを選択する操作がタッチパネル部30により受け付けられた場合には、光源装置101の各部の設定の変更または設定の閲覧のための表示がタッチパネル部30に表示される。
【0033】
〈設定〉
次に、
図9に示すように、ステップ202(
図7参照)において、複数の光源部10(光源部11~14)の各々の状態を示した状態画像30cがタッチパネル部30に表示される。状態画像30cでは、複数の光源部10の各々である、光源部11、光源部12、光源部13、および、光源部14の各々の状態を示す表示が、それぞれ、「PORT01」、「PORT02」、「PORT03」、および、「PORT04」として表示されている。
【0034】
また、タッチパネル部30では、左側部分の「WorkFlow」と示されている手順表示30dにおいて、被検者110に対する治療光の照射までの手順が示されている。手順表示30dでは、手順1として治療光の設定を行う「Setting」、手順2として光源部10の調整(校正)を行う「Calibrate」、そして、手順3として被検者110に治療光の照射を行う「Treatment」の3つの手順が1、2、および、3の番号とともに示されている。また、手順表示30dでは、現在の手順が、3つの手順のうちのいずれの手順であるかを示すように、表示されている番号の背景部分が緑色に色付けされて表示される。なお、図では、色の違いをハッチングの差異によって表している。
図9の例では、手順1の「Setting」の番号の背景部分が色付けされている。
【0035】
次に、
図10に示すように、ステップ203(
図7参照)において、複数の光源部10(光源部11~14)の各々における出力が設定される。具体的には、
図9の状態画像30cにおいて、並んで表示されている「PORT01」、「PORT02」、「PORT03」、および、「PORT04」の部分のいずれかが選択された場合に、選択された部分に対応する光源部10の設定を受け付ける詳細設定画像30eが表示される。
図10の例では、PORT1(光源部11)を選択する操作がタッチパネル部30により受け付けられたことに基づいて、光源部11~14のうちの光源部11の設定を行うための詳細設定画像30eがタッチパネル部30表示されている。なお、複数の光源部10のうちのいずれの光源部10から先に設定を行ってもよい。
【0036】
詳細設定画像30eでは、光源部10(光源部11~14)に接続される導光部材102の種類を設定するための表示が選択可能に表示される。導光部材102の種類は、たとえば、シリンドリカル型ディフューザを示す「CD」と、フロンタル型ディフューザを示す「FD」とが選択可能に表示される。また、導光部材102の設定値(「Diffuser Value」)として、導光部材102の先端部102aの長さである「Diffuser Length」の数値と、導光部材102から出射される治療光の強度である「Light Dose」の数値とが設定可能にタッチパネル部30に表示される。また、被検者110に穿刺されるニードルカテーテルの長さも詳細設定画像30eにおいて設定可能に表示される。なお、導光部材102の種類は、シリンドリカル型ディフューザ(CD)と、フロンタル型ディフューザ(FD)との2種類に限られず、3種類以上の導光部材102が選択可能なように表示されてもよい。また、詳細設定画像30eにおいて、治療において導光部材102と共に用いられる付属品の種類を選択可能に表示するようにしてもよい。
【0037】
制御部50は、タッチパネル部30に表示された詳細設定画像30eに対する入力操作に基づいて、複数の光源部10の各々に接続される導光部材102の種類、導光部材102の先端部102aの長さ、治療光の出力量、および、ニードルカテーテルの長さを含む設定情報を取得する。制御部50は、取得された設定情報に基づいて、光源部10の各々から治療光を出力する。なお、詳細設定画像30e、および、各PORTが表示される状態画像30cでは、現在選択されている領域の背景部分が青色に色付けされて表示される。
図10の例では、状態画像30cのPORT01の領域、「CD」、そして、「Diffuser Value」の設定を行う状態が選択されている例を示している。光源部11以外の残りの光源部12、光源部13、および、光源部14でも、同様の手順によって設定が行われる。
【0038】
そして、
図11に示すように、設定が完了した状態画像30cがタッチパネル部30に表示される。設定が完了した状態画像30cでは、PORT01~04の領域の各々に設定情報の内容が視認可能に表示されている。すなわち、複数の光源部10(光源部11~光源部14)の各々において設定された設定情報の内容が視認可能に表示されている。
図11の例では、光源部11(PORT01)では、シリンドリカル型ディフューザの導光部材102が接続され、導光部材102の先端部102aの長さが10mm、治療光の強度が100J/cm、そして、照射時間が4:10であると設定されていることを示している。また、光源部12(PORT02)では、光源部11と同様の設定がされている。また、光源部13(PORT03)では、フロンタル型ディフューザの導光部材102が接続され、照射半径が17mm、治療光の強度が50J/cm
2、そして、照射時間が5:33であると設定されていることを示している。なお、治療光の照射時間は、ステップ201において選択された治療に基づいて自動的に設定された設定情報として取得されてもよいし、ユーザ(術者111)による入力操作に基づいて、設定された設定情報として取得されてもよい。
【0039】
なお、
図11の例では、光源部14(PORT04)に対する設定が行われていない。したがって、設定情報が取得された光源部11、光源部12、および、光源部13の3つの光源部10を用いた治療が行われる場合の例を示している。また、
図11の状態画像30cにおいて、各PORTの部分を選択する操作が再度受け付けられた場合には、再度選択されたPORTに対応する光源部10の設定がやり直される。
【0040】
〈調整〉
次に、
図12および
図13に示すように、ステップ204(
図7参照)において、キャリブレーション処理が開始される。具体的には、
図11のタッチパネル部30の右下部分において「Calibrate」と表示されているキャリブレーション開始ボタン画像30fを選択する操作がタッチパネル部30により受け付けられた場合に、キャリブレーション処理が開始される。この時、左側部分の「WorkFlow」と示されている手順表示30dにおいて、手順2の「Calibrate」の番号の背景部分が色付けされる。また、手順表示30dにおいて、手順1の「Setting」は完了したとして、手順の番号が、完了を示すチェックマークに変更される。
【0041】
そして、ステップ205(
図7参照)において、キャリブレーション処理において、治療光の出力量の調整を行う光源部10が設定(選択)される。制御部50は、治療光の出力量の調整を1つの光源部10ごとに順次行う。制御部50は、自動的に設定情報が取得されている光源部10のPORTの番号が若い順(
図12の左から順)に1つずつ出力光の調整を行うように構成されている。なお、制御部50は、複数の光源部10のうちの設定情報が取得されている光源部10のうち、出力量の調整の順を変更することが可能に構成されている。たとえば、制御部50は、タッチパネル部30に対する入力操作に基づいて、選択された光源部10から順に治療光の出力量の調整を行う。すなわち、制御部50は、複数の光源部10のうちの設定情報が設定されている光源部10のうちから、予め設定された所定の順で1つずつ出力量の調整を行うとともに、出力量の調整を行う光源部10を選択する選択操作が受け付けられた場合には、選択操作に基づいて選択された光源部10から出力量の調整を行うように、治療光の出力量の調整を行う光源部10を設定する。
【0042】
詳細には、制御部50は、キャリブレーション処理が開始された場合に、準備表示30gとして、光量測定部20に対してアダプタ部材21を取り付けることを促す表示と、複数の光源部10に対して導光部材102を接続することを促す表示とをタッチパネル部30に並べて表示する。また、制御部50は、治療光の出力量の調整を行う前に、準備表示30gとして、複数の光源部10の各々に導光部材102が接続されているか否かに係わらず、光量測定部20に対してアダプタ部材21を取り付けることを促す表示をタッチパネル部30に表示する。たとえば、制御部50は、タッチパネル部30の左側部分において、手順表示30dの下側に、「Preparation」と表示されるとともにイラスト(アイコン)によって図示された準備表示30gを表示する。なお、準備表示30gでは、アダプタ部材21の取り付けを促す表示(画像)に番号1、導光部材102の接続を促す表示(画像)に番号2が併せて表示されているが、アダプタ部材21の取り付けと、導光部材102の接続とのいずれを先に行ってもよい。制御部50は、出力量の調整が行われると設定されている光源部10に対して導光部材102が接続されていない場合に、準備表示30gに導光部材102を接続することを促す表示を表示する。
【0043】
そして、導光部材102が光源部10に接続された場合には、光源部10に導光部材102が接続されていることを示す接続信号が光源部10から取得される。また、アダプタ部材21が光量測定部20に取り付けられた場合には、光量測定部20にアダプタ部材21が取り付けられていることを示す取付信号が光量測定部20から取得される。そして、接続信号および取付信号が取得された場合には、準備表示30gの表示が変更される。準備表示30gでは、接続信号および取付信号が取得されたことに基づいて、導光部材102とアダプタ部材21との取り付けが完了していることを示すチェックマークの表示(
図13参照)が表示される。たとえば、
図13では、光源部11(PORT01)において出力量の調整が行われるように設定されているとともに、出力量の調整の準備が完了している状態を示している。出力量の調整を行う光源部10として光源部11が設定されており、アダプタ部材21の取り付けと、導光部材102の光源部11への接続が完了している場合には、タッチパネル部30の状態画像30cにおいて、PORT01を示す領域にイラスト(アイコン)によって図示された導光部材102を光量測定部20のアダプタ部材21に挿入することを促す画像が表示される。また、設定された光源部11を示すように、PORT01の領域を囲む青色の枠線が表示される。術者111は、調整を行うために選択された光源部10に接続された導光部材102を光量測定部20に挿入する。
【0044】
また、キャリブレーション処理では、タッチパネル部30において、治療光の出力量の調整を行う光源部10が選択可能に並んで表示される。制御部50は、設定情報が取得された複数の光源部10の各々に導光部材102が接続された状態で、導光部材102が接続された複数の光源部10の各々から出力される治療光の出力量の調整を順に行うために、複数の光源部10を選択可能にタッチパネル部30に表示する。具体的には、複数の光源部10の各々の状態を示す状態画像30cにおいて、調整が行われる光源部10が選択可能なように並んで表示される。
【0045】
たとえば、治療光の出力量の調整を順に行うために、導光部材102が接続された調整を行う光源部10を選択する選択操作が受け付けられた場合には、制御部50は、複数の光源部10のうちから、治療光の出力量の調整を行う光源部10を選択する選択操作がタッチパネル部30により受け付けられたことに基づいて、選択された光源部10を出力量の調整を行う光源部10として設定する。そして、制御部50は、選択された光源部10の準備が完了している場合には、選択された光源部10に接続された導光部材102を光量測定部20のアダプタ部材21に挿入することを促す表示(画像)をタッチパネル部30に表示する。この場合に、導光部材102が選択された光源部10に接続されていない場合には、準備表示30gに導光部材102を接続することを促す表示が表示される。なお、光源部11、光源部12、および、光源部13のいずれを先に選択してもよい。
【0046】
そして、ステップ206(
図7参照)において、治療光の出力量が調整される。具体的には、複数の光源部10の各々に導光部材102が接続された状態で、導光部材102から出射される治療光の出力量の測定が1つずつ行われることによって、導光部材102が接続された複数の光源部10の各々から出力される治療光の出力量が1つずつ調整される。詳細には、出力量の調整が行われると設定された光源部10に接続されている導光部材102が、光量測定部20の内部に配置(挿入)された状態で、
図13のタッチパネル部30の下部分において「Adjustment」と表示されている調整ボタン画像30hを選択する操作がタッチパネル部30により受け付けられた場合に、選択された光源部10のキャリブレーション処理が開始される。なお、設定情報が取得された光源部10の全てに導光部材102が接続される前に、導光部材102が接続された光源部10の調整を開始するようにしてもよい。
【0047】
次に、
図14に示すように、ステップ207(
図7参照)において、治療光の出力量の調整が完了している光源部10が識別可能にタッチパネル部30に表示される。具体的には、状態画像30cにおいて、各PORTの領域のうち、調整が完了した光源部10の部分では、「Result」と示された部分に完了を示すチェックマークが表示される。すなわち、調整が完了した光源部10に対応する部分に、調整が完了したことを示す表示が表示され、調整が完了していない光源部10に対応する部分には、調整が完了したことを示す表示が表示されない。光源部10の調整が完了した場合には、術者111は、導光部材102を光量測定部20から引き抜いて、導光部材保持部103に載置する。
【0048】
なお、
図14に示した例では、光源部11~13(PORT01~03)の全ての調整が完了した状態を示している。また、調整が完了した光源部10を選択した状態で、タッチパネル部30の右下部分において「Recalibrate」と表示されている再調整ボタン画像30iを選択する操作がタッチパネル部30により受け付けられた場合には、光源部10の調整(キャリブレーション処理)が再度実行される。
【0049】
〈治療〉
次に、
図15に示すように、ステップ208(
図7参照)において、治療開始画面が表示される。具体的には、
図14のタッチパネル部30の右下部分において「OK」と表示されている準備完了ボタン画像30jを選択する操作がタッチパネル部30により受け付けられた場合に、治療開始画面が表示される。この時、左側部分の「WorkFlow」と示されている手順表示30dにおいて、手順3の「Treatment」の番号の背景部分が色付けされる。また、手順表示30dにおいて、手順2の「Calibrate」は完了したとして、手順の番号が、完了を示すチェックマークに変更される。また、治療開始画面では、状態画像30cにおいて、光源部10の各々(PORTの各々)において治療光が出力される時間と、出力される治療光の強度を示す数値(800mw、1200mwなど)が表示される。また、タッチパネル部30では、左側部分の手順表示30dの下側において、治療光の照射の総合的な残り時間を示した総合時間表示30kが表示される。そして、タッチパネル部30の右下部分において「Treatment」と表示されている治療開始ボタン画像30mが表示される。治療を開始するために、術者111は、被検者110の治療対象部位に治療光が照射されるように、導光部材102の各々を配置する。たとえば、侵襲型であるシリンドリカル型ディフューザの導光部材102が用いられる場合には、治療開始ボタン画像30mに対する入力操作を行う前に、被検者110の治療対象部位に対して導光部材102が挿入(穿刺)される。
【0050】
次に、
図16および
図17に示すように、ステップ209(
図7参照)において、被検者110に対して治療光が出力される。被検者110の治療対象部位に治療光が照射されるように導光部材102が配置された状態で、治療開始ボタン画像30mを選択する操作がタッチパネル部30により受け付けられた場合に、治療光の出力が開始される。照射中(
図16参照)では、たとえば、治療光の出力が行われている最中の光源部10を示すように、状態画像30cにおいて、光源部11~13(PORT01~03)の領域を囲む黄色の枠線が表示される。また、状態画像30cにおいて、各々の光源部10(PORT)の照射時間の残りが、02:47および04:10などのように表示される。そして、状態画像30cにおいて、各々の光源部10から現在までに照射された治療光の出力量の合計が、66.4Jおよび100.1Jなどのように表示される。また、総合時間表示30kでは、残り時間の割合が円形によって示されている。また、治療光の照射を途中で停止させるための停止ボタン画像30nがタッチパネル部30の右下部分に表示される。
【0051】
そして、治療が完了した場合(
図17参照)には、手順表示30dにおいて、手順3の「Treatment」は完了したとして、手順の番号が、完了を示すチェックマークに変更される。そして、タッチパネル部30の下部に終了ボタン画像30p、繰り返しボタン画像30q、および、報告ボタン画像30rが表示される。終了ボタン画像30pを選択する操作がタッチパネル部30により受け付けられた場合には、光源装置101による治療光の出力の制御処理が終了される。繰り返しボタン画像30qを選択する操作がタッチパネル部30により受け付けられた場合には、再度治療光の出力を行うための制御処理が開始される。報告ボタン画像30rを選択する操作がタッチパネル部30により受け付けられた場合には、導光部材102の種類、照射条件、照射された治療光の出力量、および、照射時間などを含むレポート情報が生成され、生成されたレポート情報が記憶部40に記憶される。
【0052】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0053】
本実施形態では、上記のように、複数の光源部10の各々に導光部材102が接続された状態で、導光部材102の各々から出射される治療光の出力量を測定することによって、導光部材102が接続された複数の光源部10の各々から出力される治療光の出力量を調整する。これにより、治療光の出力量を測定して光源部10の調整を開始する前に、調整が行われる前の複数の光源部10の各々に導光部材102を先に接続しておくことができる。そのため、被検者110に麻酔を投与する前に、複数の光源部10の各々に対して導光部材102を接続して治療光の出力量の調整を行うことができるので、被検者110に麻酔が投与される期間が増大することを抑制することができる。その結果、複数の導光部材102を用いて被検者110の治療を行う場合に、被検者110に対する負担を軽減することができる。また、光源部10に対する導光部材102の接続から光源部10の調整までの調整作業を順次1つずつ完了させる必要がないため、導光部材102の光源部10に接続される部分のみを開封するとともに、導光部材102の被検者110に接触する部分(挿入される部分)を封印された状態に保ったまま、複数の光源部10の各々に導光部材102を接続することができる。そのため、調整が行われる前の複数の光源部10の各々に導光部材102を先に接続する場合に、導光部材102の被検者110に接触する部分(被検者110に挿入される部分)を清潔に保つことができる。
【0054】
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、更なる効果が得られる。
【0055】
すなわち、本実施形態では、上記のように、複数の光源部10(光源部11~14)の各々ごとの治療光の出力量の調整の状態を表示するタッチパネル部30(表示部)を備え、制御部50は、複数の光源部10の各々に導光部材102が接続された状態で、複数の光源部10のうちの治療光の出力量の調整が完了している光源部10を識別可能にタッチパネル部30に表示する。このように構成すれば、ユーザ(術者111)は、複数の光源部10の各々に予め導光部材102を接続する場合に、タッチパネル部30を視認することによって、複数の光源部10のうちのいずれの光源部10の調整が完了しているかを容易に認識することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、光量測定部20は、アダプタ部材21が取り付けられるとともに、取り付けられたアダプタ部材21に導光部材102が挿入された状態で、導光部材102から出射される治療光の出力量を測定するように構成されており、制御部50は、治療光の出力量の調整を行う前に、複数の光源部10の各々に導光部材102が接続されているか否かに係わらず、光量測定部20に対してアダプタ部材21を取り付けることを促す表示をタッチパネル部30(表示部)に表示する。このように構成すれば、複数の光源部10の各々に導光部材102を接続することと、光量測定部20にアダプタ部材21を取り付けることとのいずれを先に行うかをユーザ(術者111)が自由に選択して行うことができる。そのため、複数の光源部10の各々に導光部材102を接続することと、光量測定部20にアダプタ部材21を取り付けることとのとのいずれを先に行うかの順番が制限されている場合と異なり、術者111が自由に光源部10の調整のための準備を行うことができるので、術者111の負担を軽減することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、光量測定部20に対してアダプタ部材21を取り付けることを促す表示と、複数の光源部10の各々に対して導光部材102を接続することを促す表示とを、タッチパネル部30(表示部)に並べて表示する。このように構成すれば、ユーザ(術者111)は、タッチパネル部30を視認することによって、複数の光源部10の各々に導光部材102を接続することと、光量測定部20にアダプタ部材21を取り付けることとを行う必要があることを容易に認識することができる。そのため、術者111は、タッチパネル部30とは別個にマニュアルなどを参照することなく被検者110に治療光を照射するための準備の手順を確認することができるので、被検者110の治療を容易に行うことができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、光量測定部20は、複数の光源部10の各々に接続された導光部材102のうちの1つの導光部材102から出射される治療光の出力量を測定するように構成されており、制御部50は、導光部材102が接続された複数の光源部10の各々から出力される治療光の出力量の調整を順に行うために、導光部材102が接続された複数の光源部10を選択可能にタッチパネル部30(表示部)に表示する。
このように構成すれば、ユーザ(術者111)は、複数の光源部10の各々に導光部材102が接続されている場合に、いずれの導光部材102が接続されている光源部10から治療光の出力量の調整を行うかを自由に選択することができる。そのため、複数の光源部10の各々の調整を行う順番が制限されている場合と異なり、術者111の負担を軽減することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、導光部材102が接続された複数の光源部10を選択する入力操作を受け付けるとともに、表示部を兼ねるタッチパネル部30を備える。このように構成すれば、複数の光源部10(光源部11~14)の各々ごとの治療光の出力量の調整の状態が表示されるタッチパネル部30を視認しながら、タッチパネル部30に対して入力操作を行うことによって複数の光源部10のいずれの調整を行うかを選択することができる。そのため、複数の光源部10のいずれの調整を行うかを選択する際に、複数の光源部10の各々ごとの治療光の出力量の調整の状態を容易に認識することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、複数の光源部10の各々に接続される導光部材102の種類、治療光の出力量、および、治療光の出力時間の少なくとも一つを含む設定情報を、複数の光源部10の各々ごとに取得するとともに、設定情報が取得された複数の光源部10の各々に導光部材102が接続された状態で、導光部材102が接続された複数の光源部10を選択可能にタッチパネル部30(表示部)に表示する。
このように構成すれば、設定情報が設定された状態の複数の光源部10に予め導光部材102が接続された状態で、いずれの光源部10の出力量の調整を行うかを容易に選択することができる。そのため、ユーザ(術者111)は、調整を行うための設定がすでに行われており、かつ、導光部材102が接続されている光源部10を容易に選択することができるので、複数の光源部10のうちから出力量の調整を行うための準備が完了している光源部10を容易に選択することができる。その結果、術者111は、光源部10における治療光の出力量の調整を容易に行うことができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、制御部50による治療光の調整が完了した光源部10に接続されている導光部材102を保持する導光部材保持部103を備える。このように構成すれば、複数の光源部10の各々に導光部材102を接続した状態で、光源部10の調整を順に行う場合に、すでに調整が完了した光源部10に接続されている導光部材102を、治療が開始される前に一時的に保持しておくことができる。そのため、被検者110の治療が開始される前に、複数の光源部10の各々の調整を完了させることができるので、複数の光源部10の各々の調整を完了させた状態で、被検者110に麻酔を投与して治療を開始することができる。その結果、被検者110に麻酔が投与される期間の増大をより抑制することができるので、複数の導光部材102を用いて被検者110の治療を行う場合に、被検者110に対する負担をより軽減することができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、導光部材保持部103は、治療光が照射される被検者110が横たわる寝台104に配置されている。このように構成すれば、治療が行われる被検者110の近傍に、調整が完了した光源部10に接続されている導光部材102を準備して配置しておくことができる。そのため、被検者110に対する治療を開始した後に、被検者110に対して導光部材102をすぐに挿入(穿刺)することができるので、被検者110に麻酔が投与される期間の増大をより一層抑制することができる。その結果、複数の導光部材102を用いて被検者110の治療を行う場合に、被検者110に対する負担をより一層軽減することができる。
【0063】
(本実施形態による医療用光源システムの制御方法の効果)
本実施形態の医療用光源システムの制御方法では、以下のような効果を得ることができる。
【0064】
本実施形態の医療用光源システムの制御方法では、上記のように、複数の光源部10の各々に導光部材102が接続された状態で、導光部材102の各々から出射される治療光の出力量を測定することによって、導光部材102が接続された複数の光源部10の各々から出力される治療光の出力量を調整する。これにより、治療光の出力量を測定して光源部10の調整を開始する前に、調整が行われる前の複数の光源部10の各々に導光部材102を先に接続しておくことができる。そのため、被検者110に麻酔を投与する前に、複数の光源部10の各々に対して導光部材102を接続して治療光の出力量の調整を行うことができるので、被検者110に麻酔が投与される期間が増大することを抑制することができる。その結果、複数の導光部材102を用いて被検者110の治療を行う場合に、被検者110に対する負担を軽減することが可能な医療用光源システムの制御方法を提供することができる。また、光源部10に対する導光部材102の接続から光源部10の調整までの調整作業を順次1つずつ完了させる必要がないため、導光部材102の光源部10に接続される部分のみを開封するとともに、導光部材102の被検者110に接触する部分(挿入される部分)を封印された状態に保ったまま、複数の光源部10の各々に導光部材102を接続することができる。そのため、調整が行われる前の複数の光源部10の各々に導光部材102を先に接続する場合に、導光部材102の被検者110に接触する部分(被検者110に挿入される部分)を清潔に保つことが可能な医療用光源システムの制御方法を提供することができる。
【0065】
また、本実施形態の医療用光源システムの制御方法では、上記のように、複数の光源部10の各々に導光部材102が接続された状態で、導光部材102から出射される治療光の出力量の測定を1つずつ行うことによって、導光部材102が接続された複数の光源部10の各々から出力される治療光の出力量を1つずつ調整するステップ206を含む。このように構成すれば、光源部10からの出力量の測定が1つずつ行われる場合にも、複数の光源部10の各々に導光部材102が接続された状態で、順に複数の光源部10の調整を行うことができる。そのため、光源部10からの出力量の測定が1つずつ行われる場合にも、予め複数の光源部10の各々に導光部材102を接続しておくことができるので、手術時間が増大することを抑制することができる。その結果、光源部10からの出力量の測定が1つずつ行われる場合にも、被検者110の負担が増大することを抑制することができる。
【0066】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0067】
たとえば、上記実施形態では、制御部50を、複数の光源部10のうちの治療光の出力量の調整が完了している光源部10を識別可能な表示をタッチパネル部30(表示部)に表示する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の光源部のうちの治療光の出力量の調整が完了している光源部を識別可能な表示を表示部に表示しないようにしてもよい。その場合には、治療光の出力量の調整が完了している光源部に接続された導光部材から、治療光とは異なる可視光である参照光(たとえば、緑色の光)を出射させるようにすることによって、いずれの導光部材に接続されている光源部が調整完了済みであるかを示すようにしてもよい。なお、治療光の出力量の調整が完了している光源部を識別可能な表示を表示部に表示する場合にも、調整完了済みの光源部に接続されている導光部材から参照項を出射させるようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、アダプタ部材21の接続を促す表示と、導光部材102の接続を促す表示とをタッチパネル部30(表示部)に表示させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、アダプタ部材と導光部材とが接続されていることを示す表示のみを表示させるようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、入力操作を受け付けるとともに表示部を兼ねるタッチパネル部30が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、入力操作を受け付ける操作部と、複数の光源部の各々ごとの治療光の出力量の調整の状態を表示する表示部とを、互いに別個に設けるようにしてもよい。また、表示部(タッチパネル部)を、光源装置とは別個に設けるようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、治療光の出力量の調整、および、タッチパネル部30(表示部)の表示の制御を、光源装置101に配置されている制御部50によって実行する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、光源装置とは別個に設けられたパーソナルコンピュータなどの制御装置によって、治療光の出力量の調整、および、タッチパネル部(表示部)の表示の少なくとも1つの制御が実行されるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、被検者110が横たわる寝台104に導光部材102を保持する導光部材保持部103が配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、導光部材保持部は、寝台から離間した位置に配置されていてもよい。たとえば、光源装置に導光部材保持部を配置するようにしてもよい。また、導光部材保持部を設けないようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、光量測定部20は、1つの導光部材102から出射される治療光の出力量を測定するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、光量測定部を、複数の導光部材の各々から出射される治療光の出力量を同じタイミングにおいて測定するように構成してもよい。
【0073】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0074】
(項目1)
被検者に対して照射される治療光を導く導光部材が接続され、前記治療光を出力する複数の光源部と、
前記複数の光源部の各々に接続された前記導光部材の各々から出射される前記治療光の出力量を測定する光量測定部と、
前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続された状態で、前記導光部材の各々から出射される前記治療光の出力量を前記光量測定部により測定することによって、前記導光部材が接続された前記複数の光源部の各々から出力される前記治療光の出力量の調整を行うように構成されている制御部と、を備える、医療用光源システム。
【0075】
(項目2)
前記複数の光源部の各々ごとの前記治療光の出力量の調整の状態を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続された状態で、前記複数の光源部のうちの前記治療光の出力量の調整が完了している前記光源部を識別可能に前記表示部に表示する、項目1に記載の医療用光源システム。
【0076】
(項目3)
前記光量測定部は、アダプタ部材が取り付けられるとともに、取り付けられた前記アダプタ部材に前記導光部材が挿入された状態で、前記導光部材から出射される前記治療光の出力量を測定するように構成されており、
前記制御部は、前記治療光の出力量の調整を行う前に、前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続されているか否かに係わらず、前記光量測定部に対して前記アダプタ部材を取り付けることを促す表示を前記表示部に表示する、項目2に記載の医療用光源システム。
【0077】
(項目4)
前記制御部は、前記光量測定部に対して前記アダプタ部材を取り付けることを促す表示と、前記複数の光源部の各々に対して前記導光部材を接続することを促す表示とを、前記表示部に並べて表示する、項目3に記載の医療用光源システム。
【0078】
(項目5)
前記光量測定部は、前記複数の光源部の各々に接続された前記導光部材のうちの1つの前記導光部材から出射される前記治療光の出力量を測定するように構成されており、
前記制御部は、前記導光部材が接続された前記複数の光源部の各々から出力される前記治療光の出力量の調整を順に行うために、前記導光部材が接続された前記複数の光源部を選択可能に前記表示部に表示する、項目2~4のいずれか1項に記載の医療用光源システム。
【0079】
(項目6)
前記導光部材が接続された前記複数の光源部を選択する入力操作を受け付けるとともに、前記表示部を兼ねるタッチパネル部をさらに備える、項目5に記載の医療用光源システム。
【0080】
(項目7)
前記制御部は、前記複数の光源部の各々に接続される前記導光部材の種類、前記治療光の出力量、および、前記治療光の出力時間の少なくとも一つを含む設定情報を、前記複数の光源部の各々ごとに取得するとともに、前記設定情報が取得された前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続された状態で、前記導光部材が接続された前記複数の光源部を選択可能に前記表示部に表示する、項目5または6に記載の医療用光源システム。
【0081】
(項目8)
前記制御部による前記治療光の調整が完了した前記光源部に接続されている前記導光部材を保持する導光部材保持部をさらに備える、項目1~7のいずれか1項に記載の医療用光源システム。
【0082】
(項目9)
前記導光部材保持部は、前記治療光が照射される前記被検者が横たわる寝台に配置されている、項目8に記載の医療用光源システム。
【0083】
(項目10)
被検者に対して照射される治療光を出力する複数の光源部に、前記治療光を導く導光部材が接続されていることを示す接続信号を取得するステップと、
前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続された状態で、前記導光部材の各々から出射される前記治療光の出力量を測定することによって、前記導光部材が接続された前記複数の光源部の各々から出力される前記治療光の出力量を調整するステップと、を備える、医療用光源システムの制御方法。
【0084】
(項目11)
前記治療光の出力量を調整するステップは、前記複数の光源部の各々に前記導光部材が接続された状態で、前記導光部材から出射される前記治療光の出力量を1つずつ測定することによって、前記導光部材が接続された前記複数の光源部の各々から出力される前記治療光の出力量を1つずつ調整するステップを含む、項目10に記載の医療用光源システムの制御方法。
【符号の説明】
【0085】
10、11、12、13、14 光源部
20 光量測定部
21 アダプタ部材
30 タッチパネル部(表示部)
50 制御部
100 医療用光源システム
101 光源装置
102 導光部材
103 導光部材保持部
104 寝台