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特開2024-50226制御プログラム、制御方法及び制御装置
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  • 特開-制御プログラム、制御方法及び制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050226
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】制御プログラム、制御方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/61 20180101AFI20240403BHJP
【FI】
G06F8/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156950
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小沼 大輔
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AD03
5B376AD25
5B376AD32
(57)【要約】
【課題】システムの管理を容易にする制御プログラム、制御方法及び制御装置を提供する。
【解決手段】プロセッサ情報を端末装置2から取得し、取得したプロセッサ情報に基づいて第1アプリケーションのインストーラを端末装置2に送信してインストールを実行させ、第1アプリケーションのインストールが失敗した場合、第2アプリケーションのインストーラを端末装置2に送信してインストールを実行させる処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ情報を端末装置から取得し、
取得したプロセッサ情報に基づいて第1アプリケーションのインストーラを前記端末装置に送信してインストールを実行させ、
前記第1アプリケーションのインストールが失敗した場合、第2アプリケーションのインストーラを前記端末装置に送信してインストールを実行させる
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項2】
前記第1アプリケーションのインストールが失敗した場合であって、前記端末装置に搭載されたプロセッサに前記第1アプリケーションが対応していない通知を前記端末装置から受けた場合、前記第2アプリケーションのインストーラを前記端末装置に送信してインストールを実行させることを特徴とする請求項1に記載の制御プログラム。
【請求項3】
前記第1アプリケーションのインストールが失敗した場合であって、前記端末装置に搭載されたプロセッサに前記第1アプリケーションが未サポートである通知を受けず、且つ、失敗回数が指定回数以下の場合、前記第1アプリケーションのインストーラを前記端末装置に送信してインストールを実行させることを特徴とする請求項1に記載の制御プログラム。
【請求項4】
制御装置が、
プロセッサ情報を端末装置から取得し、
取得したプロセッサ情報に基づいて第1アプリケーションのインストーラを前記端末装置に送信してインストールを実行させ、
前記第1アプリケーションのインストールが失敗した場合、第2アプリケーションのインストーラを前記端末装置に送信してインストールを実行させる
処理を実行することを特徴とする制御方法。
【請求項5】
プロセッサ情報を端末装置から取得するデータ管理部と、
取得したプロセッサ情報に基づいて第1アプリケーションのインストーラを前記端末装置に送信してインストールを実行させるインストーラ判定部と、
前記第1アプリケーションのインストールが失敗した場合、第2アプリケーションのインストーラを前記端末装置に送信してインストールを実行させる再インストール制御部と
を備えたことを特徴とする制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御プログラム、制御方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイス管理の機能として、サーバなどのホストコンピュータによりアプリケーションが端末装置に自動的にインストールされるアプリケーション配布機能と呼ばれる機能がある。アプリケーション配布機能を使用することで、端末装置の利用者が操作を行うことなく、所定のアプリケーションが配布対象の端末装置にインストールされる。
【0003】
アプリケーション配布機能を用いて自動で端末装置に対してアプリケーションのインストールを行うことで、ホストコンピュータにとって、管理対象である大量の端末装置を最適かつ最新の状態に保つことが容易となる。
【0004】
なお、ソフトウェアの配布の技術として以下のような技術が存在する。例えば、クライアントがプリントサーバにプロセッサ情報を送信し、プリントサーバが受信したプロセッサ情報に対応するプリンタドライバをクライアントに通知し、クライアントが通知されたプリンタドライバをインストールする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-130985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、配布するアプリケーションが端末装置に対応していない場合、アプリケーションのインストールが失敗する。例えば、バグにより対応するアプリケーションの情報が間違って特定の端末装置から管理サーバに通知された場合、管理サーバがその特定の端末装置が未対応のアプリケーションを配布することで、アプリケーションのインストールは失敗する。インストールの失敗を防ぐためには、管理者が、配布するアプリケーションと端末装置との組み合わせの整合性を管理することになる。その場合、管理者の作業負荷が大きく、システムの管理が困難となるおそれがある。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、システムの管理を容易にする制御プログラム、制御方法及び制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する制御プログラム、制御方法及び制御装置の一つの態様において、プロセッサ情報を端末装置から取得し、取得したプロセッサ情報に基づいて第1アプリケーションのインストーラを端末装置に送信してインストールを実行させ、前記第1アプリケーションのインストールが失敗した場合、第2アプリケーションのインストーラを前記端末装置に送信してインストールを実行させる処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
1つの側面では、本発明は、システムの管理を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、端末管理システムのシステム構成図である。
図2図2は、管理サーバ及び端末装置のブロック図である。
図3図3は、データ管理部が保持するデータの一例を示す図である。
図4図4は、アーキテクチャ毎の配布対象アプリケーションを示す図である。
図5図5は、インストールの失敗要因の種類を示す図である。
図6図6は、管理サーバによる端末装置へのアプリケーション配布処理のフローチャートである。
図7図7は、管理サーバによる再インストール制御処理のフローチャートである。
図8図8は、管理サーバのハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する制御プログラム、制御方法及び制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する制御プログラム、制御方法及び制御装置が限定されるものではない。
【実施例0012】
図1は、端末管理システムのシステム構成図である。端末管理システム100は、管理サーバ1、複数の端末装置2及び管理者端末3を有する。端末管理システム100は、アプリケーション配布機能により各端末装置2に対してアプリケーションを自動でインストールするシステムである。管理サーバ1と各端末装置2とは、ネットワークで接続される。また、管理サーバ1と管理者端末3とは、ネットワークにより接続される。
【0013】
管理者からの指示を受けて、管理者端末3は、各端末装置2に配布するアプリケーションを管理サーバ1に送信して格納させる。さらに、管理者からの指示を受けて、管理者端末3は、格納させたアプリケーションの各端末装置2への配布を管理サーバ1に指示して実行させる。
【0014】
管理サーバ1は、管理者端末3から送信された各種アプリケーションを格納して保持する。また、管理サーバ1は、搭載されたプロセッサのデータパス幅等の端末装置2のアーキテクチャの情報を含む端末情報を各端末装置2から定期的に取得する。アーキテクチャの情報は、例えば、プロセッサが対応するアーキテクチャを示すプロセッサ情報である。例えば、アーキテクチャの情報には、端末装置2に搭載されたプロセッサが、x86(32ビットCPU(Central Processing Unit))、x64(64ビットCPU)、x86 on ARM64又は不明のいずれであるかの情報が含まれる。そして、管理サーバ1は、管理者端末3からの指示を受けて、各端末装置2の端末情報にしたがって指定された配布対象のアプリケーションをそれぞれの端末装置2に送信してインストールさせる。
【0015】
端末装置2は、端末情報を定期的に管理サーバ1へ送信する。さらに、端末装置2は、アプリケーションのインストーラを管理サーバ1から取得して、取得したインストーラを実行してアプリケーションをインストールする。その後、端末装置2は、インストールの結果を管理サーバ1へ送信する。
【0016】
図2は、管理サーバ及び端末装置のブロック図である。次に、図2を参照して、管理サーバ1及び端末装置2の詳細について説明する。ここでは、特定の端末装置2に対するアプリケーションの配布を例に説明する。以下では、アプリケーションの配布対象の特定の端末装置2を、単に端末装置2と呼ぶ。管理サーバ1は、以下に説明するアプリケーションの配布と同様の処理を図1に示した全ての端末装置2に対して行う。
【0017】
端末装置2は、図2に示すように、端末情報通知部21及びインストール実行部22を有する。端末情報通知部21は、自装置のアーキテクチャの情報を含む端末情報の送信要求を定期的に管理サーバ1から受ける。そして、端末情報通知部21は、自装置の端末情報を管理サーバ1へ定期的に送信する。
【0018】
インストール実行部22は、アプリケーションのインストールの指示を、使用するインストーラの情報とともに管理サーバ1のインストール指示部12から受ける。そして、インストール実行部22は、使用するインストーラとして指定されたインストーラを管理サーバ1からダウンロードする。その後、インストール実行部22は、ダウンロードしたインストーラを用いてアプリケーションのインストールを実行する。そして、インストール実行部22は、管理サーバ1からのインストールの指示に対する応答としてインストールの実行結果を管理サーバ1へ送信する。
【0019】
管理サーバ1は、インストーラ判定部11、インストール指示部12、再インストール制御部13、結果判定部14、結果通知部15及びデータ管理部16を有する。
【0020】
データ管理部16は、アプリケーションの自動配布に使用するデータを管理する。図3は、データ管理部が保持するデータの一例を示す図である。
【0021】
データ管理部16は、管理者端末3から送信されたアプリケーションのインストーラを保持する。例えば、データ管理部16は、図3に示すアプリケーションの64bitインストーラ及びアプリケーションの32bitインストーラを保持する。
【0022】
データ管理部16は、端末装置2のインストール実行部22からアプリケーションのインストーラのダウンロード要求を受ける。そして、データ管理部16は、保持するインストーラの中から、ダウンロード要求で指定されたインストーラを取得して、端末装置2へ送信する。
【0023】
また、データ管理部16は、端末情報の送信要求を端末装置2に定期的に送信して、それに対する応答として端末情報を端末装置2から受信する。そして、データ管理部16は、取得した端末情報に含まれる端末装置2のアーキテクチャの情報を保持する。
【0024】
また、データ管理部16は、端末装置2のインストール試行情報をインストーラ判定部11及び再インストール制御部13から取得して保持する。インストール試行情報には、インストールを行った端末装置2毎に、それぞれの端末装置2に対するアプリケーションのインストールに使用したインストーラ名及びその端末装置2のアーキテクチャの情報が含まれる。また、インストール試行情報には、再インストールのリトライ回数が含まれる。データ管理部16は、インストール試行情報の取得要求を再インストール制御部13から受けて、指定された端末装置2のインストール試行情報を再インストール制御部13へ出力する。
【0025】
インストーラ判定部11は、アプリケーションの配布指示を例えば管理者端末3から受ける。次に、インストーラ判定部11は、アプリケーションの配布対象の端末装置2のアーキテクチャの情報をデータ管理部16から取得する。
【0026】
図4は、アーキテクチャ毎の配布対象アプリケーションを示す図である。インストーラ判定部11は、図4に示すようなアーキテクチャ毎に配布対象とするアプリケーションの情報を保持する。同じ機能を有するアプリケーションであっても、対応するアーキテクチャが異なる場合異なるアプリケーションということができる。そこで、以下では、対応するアーキテクチャが異なるアプリケーションを、単に異なるアプリケーションと呼ぶ。インストーラ判定部11は、アプリケーションを配布する端末装置2のアーキテクチャに応じて、その端末装置2へ配布するアプリケーションを決定する。
【0027】
例えば、x64のプロセッサが搭載された端末装置2であれば、インストーラ判定部11は、64ビットアプリケーションの配布を決定する。また、x86のプロセッサが搭載された端末装置2であれば、インストーラ判定部11は、32ビットアプリケーションの配布を決定する。x86 on ARM64のプロセッサが搭載された端末装置2であれば、インストーラ判定部11は、64ビットアプリケーションの配布を決定する。本実施例では、近年のOS(Operating System)のトレンドとして64ビットのOSが多いため、インストーラ判定部11は、64ビットを優先して選択する。また、端末装置2のアーキテクチャの情報は取得可能であるが判定困難であり不明な場合、インストーラ判定部11は、64ビットアプリケーションの配布を決定する。さらに、端末装置2のアーキテクチャの情報が取得不可の場合も、インストーラ判定部11は、64ビットアプリケーションの配布を決定する。
【0028】
その後、インストーラ判定部11は、端末装置2の情報とともに、端末装置2へ配布するアプリケーションの情報をインストール指示部12に通知する。さらに、インストーラ判定部11は、端末装置2の情報及びその端末装置2へ配布するアプリケーションのインストーラの情報をデータ管理部16に通知して、インストール試行情報として保持させる。
【0029】
インストール指示部12は、端末装置2の情報とともに、端末装置2へ配布するアプリケーションの情報の通知をインストーラ判定部11から受ける。また、再インストールの場合、インストール指示部12は、端末装置2の情報とともに、端末装置2へ配布するアプリケーションの情報の通知を再インストール制御部13から受ける。
【0030】
そして、インストール指示部12は、インストーラ判定部11又は再インストール制御部13から取得した配布するアプリケーションの情報に基づいて、ダウンロードするアプリケーションのインストーラの情報とともにアプリケーションのインストールの指示を端末装置2のインストール実行部22へ送信する。
【0031】
結果判定部14は、アプリケーションのインストールの実行結果を含む応答をインストール実行部22から受信する。そして、結果判定部14は、受信した応答から端末装置2においてアプリケーションのインストールの成否を判定する。
【0032】
端末装置2においてアプリケーションのインストールが成功した場合、結果判定部14は、端末装置2におけるアプリケーションのインストールの成功を結果通知部15に通知する。これに対して、端末装置2においてアプリケーションのインストールが失敗した場合、結果判定部14は、端末装置2から受信した応答を再インストール制御部13に送信して、アプリケーションの再インストールを再インストール制御部13に指示する。
【0033】
再インストール制御部13は、アプリケーションの再インストールの指示を結果判定部14から受ける。次に、再インストール制御部13は、端末装置2のインストール試行情報をデータ管理部16から取得する。そして、再インストール制御部13は、インストーラ名及びアーキテクチャの情報からインストールに用いたインストーラが64ビットインストーラか32ビットインストーラかを特定する。
【0034】
次に、再インストール制御部13は、端末装置2から受信した応答からインストールの失敗要因を取得する。端末装置2から送信される応答には、インストールが失敗の要因が含まれる。図5は、インストールの失敗要因の種類を示す図である。例えば、x86以外のプロセッサが搭載された端末装置2に32ビットインストーラを用いてインストールを行った場合、「OSのプラットフォームをインストーラが未サポート」がインストールの失敗要因となる。インストールの失敗要因には、他にも、図5に示すように、インストール中に電源断、インストーラのダウンロード中にネットワーク断、他のインストールが実行中によるインストールの開始失敗、端末装置2の高負荷が原因による異常終了等がある。
【0035】
プラットフォームを64ビットインストーラが未サポートであることがインストールの失敗要因の場合、再インストール制御部13は、32ビットインストーラを用いた32ビットアプリケーションの再インストールを決定する。この場合、再インストール制御部13は、再インストールのリトライ回数のカウントアップは行わない。
【0036】
また、プラットフォームを32ビットインストーラが未サポートであることがインストールの失敗要因の場合、再インストール制御部13は、結果通知部15にインストールの失敗を通知して、アプリケーションのインストールを終了する。
【0037】
ただし、プラットフォームを32ビットインストーラが未サポートであることがインストールの失敗要因である場合に、再インストール制御部13は、他の処理を行うこともできる。すなわち、再インストール制御部13は、初めての再インストールの実施であれば64ビットインストーラを用いた再インストールを決定し、既に再インストールを試みている場合にアプリケーションのインストールを終了してもよい。このようにすることで、バグにより端末装置2のアーキテクチャの情報が誤って通知されても、他のアプリケーションを再インストールすることでアプケーションのインストールの不実行を回避することが可能となる。
【0038】
また、プラットフォーム未サポート以外の理由で失敗もしくは応答が返ってこなかった場合、再インストール制御部13は、データ管理部16が保持する端末装置2のインストール試行情報に含まれるリトライ回数を確認する。そして、再インストール制御部13は、リトライ回数が予め指定された指定回数に達したか否かを判定する。リトライ回数が指定回数に達している場合、再インストール制御部13は、結果通知部15にインストールの失敗を通知して、アプリケーションのインストールを終了する。
【0039】
リトライ回数が指定回数に達していない場合、再インストール制御部13は、インスト―ルが失敗したアプリケーションのインストーラを用いた再インストールを決定する。そして、再インストール制御部13は、配布対象の端末装置2のリトライ回数のカウントアップをデータ管理部16に指示する。
【0040】
その後、再インストール制御部13は、端末装置2の情報とともに端末装置2へ配布する決定したアプリケーションのインストーラの情報をインストール指示部12に通知する。さらに、再インストール制御部13は、端末装置2の情報及びその端末装置2へ配布するアプリケーションのインストーラの情報をデータ管理部16に通知して、インストール試行情報として保持させる。
【0041】
結果通知部15は、インストールの成功の通知を結果判定部14から受けると、端末装置2の情報とともに、インストールの成功の通知を管理者端末3に送信するなどして管理者に通知する。また、結果通知部15は、インストールの失敗の通知を再インストール制御部13から受けると、端末装置2の情報とともに、インストールの失敗の通知を管理者端末3に送信するなどして管理者に通知する。
【0042】
図6は、管理サーバによる端末装置へのアプリケーション配布処理のフローチャートである。次に、図6を参照して、管理サーバ1による端末装置2へのアプリケーション配布処理の流れを説明する。
【0043】
管理サーバ1のデータ管理部16は、定期的に端末情報の送信要求を端末装置2に送信して端末情報を要求する(ステップS1)。端末装置2の端末情報通知部21は、端末情報の要求を受けて、自装置のアーキテクチャの情報を含む端末情報を管理サーバ1のデータ管理部16へ送信する(ステップS2)。ここで、このステップS1及びS2は、以下の処理とは別に定期的に繰り返される。
【0044】
インストーラ判定部11は、管理者端末3から送られてきたアプリケーションの配布指示を受けて、アプリケーションの配布対象の端末装置2のアーキテクチャ情報をデータ管理部16から取得する。そして、インストーラ判定部11は、アーキテクチャ情報から端末装置2へ配布するアプリケーションのインストーラを判定する(ステップS3)。
【0045】
その後、インストーラ判定部11は、端末装置2へ配布するインストーラの情報をインストール指示部12に通知する。インストール指示部12は、インストーラ判定部11から通知された端末装置2へ配布するインストーラの情報とともにアプリケーションのインストールの指示を端末装置2へ送信する(ステップS4)。
【0046】
端末装置2のインストール実行部22は、アプリケーションのインストールの指示を受けて、指定されたインストーラのダウンロード要求を管理サーバ1へ送信する(ステップS5)。
【0047】
管理サーバ1のデータ管理部16は、端末装置2のインストール実行部22からのインストーラのダウンロード要求を受けて、指定されたインストーラを端末装置2へ送信する(ステップS6)。
【0048】
端末装置2のインストール実行部22は、自装置のアーキテクチャの情報に対応するインストーラを管理サーバ1のデータ管理部16から受信する。そして、インストール実行部22は、取得したインストーラを用いてアプリケーションのインストールを実行する(ステップS7)。
【0049】
その後、端末装置2のインストール実行部22は、アプリケーションのインストール結果を含む応答を管理サーバ1へ送信する(ステップS8)。
【0050】
管理サーバ1の結果判定部14は、アプリケーションのインストール結果を含む応答を端末装置2のインストール実行部22から受信する。そして、結果判定部14、再インストール制御部13、結果判定部14、結果通知部15及びデータ管理部16は、再インストール制御処理を実行する(ステップS9)。
【0051】
図7は、管理サーバによる再インストール制御処理のフローチャートである。次に、図7を参照して、管理サーバ1による再インストール制御処理の流れを説明する。図7のフローで示した処理は、図6のステップS9で実行される処理の一例にあたる。
【0052】
結果判定部14は、インストールの指示に対する応答を端末装置2から取得する(ステップS101)。
【0053】
結果判定部14は、取得した応答に含まれるインストール結果を確認して、インストールが成功したか否かを判定する(ステップS102)。
【0054】
インストールが成功した場合(ステップS102:肯定)、結果判定部14は、インストールの成功を結果通知部15に通知する。結果通知部15は、アプリケーションの配布成功の情報を端末装置2の情報とともに管理者端末3に送るなどして、管理者に通知する(ステップS103)。
【0055】
これに対して、インストールが失敗した場合(ステップS102:否定)、結果判定部14は、再インストールを再インストール制御部13に指示する。再インストール制御部13は、インストールの失敗要因がプラットフォームを64ビットインストーラが未サポートであるか否かを判定する(ステップS104)。
【0056】
プラットフォームを64ビットインストーラが未サポートであることがインストールの失敗要因の場合(ステップS104:肯定)、再インストール制御部13は、32ビットインストーラによる再インストールを決定する(ステップS105)。そして、再インストール制御部13は、再インストールに用いるインストーラの情報をデータ管理部16に通知する。また、再インストール制御部13は、再インストールに用いるインストーラの情報をインストール指示部12に通知する。その後、図6のステップS4~S8までの処理が行われた後に、図7のステップS101に再インストール制御処理が戻る。
【0057】
これに対して、プラットフォームを64ビットインストーラが未サポートであることがインストールの失敗要因でない場合(ステップS104:否定)、再インストール制御部13は、次の処理を行う。すなわち、再インストール制御部13は、インストールの失敗要因がプラットフォームを32ビットインストーラが未サポートであるか否かを判定する(ステップS106)。
【0058】
プラットフォームを32ビットインストーラが未サポートであることがインストールの失敗要因の場合(ステップS106:肯定)、再インストール制御部13は、インストール失敗と判定する。そして、再インストール制御処理は、ステップS110へ進む。
【0059】
これに対して、プラットフォームを32ビットインストーラが未サポートであることがインストールの失敗要因でない場合(ステップS106:否定)、再インストール制御部13は、リトライ回数が指定回数に到達したか否かを判定する(ステップS107)。
【0060】
リトライ回数が指定回数に到達していない場合(ステップS107:否定)、再インストール制御部13は、失敗したインストーラでの再インストールを決定する(ステップS108)。そして、再インストール制御部13は、再インストールに用いるインストーラの情報をデータ管理部16に通知する。また、再インストール制御部13は、再インストールに用いるインストーラの情報をインストール指示部12に通知する。
【0061】
さらに、再インストール制御部13は、端末装置2の再インストールのリトライ回数をデータ管理部16にカウントアップさせる(ステップS109)。その後、図6のステップS4~S8までの処理が行われた後に、図7のステップS101に再インストール制御処理が戻る。
【0062】
これに対して、リトライ回数が指定回数に到達した場合(ステップS107:肯定)、再インストール制御部13は、インストール失敗と判定する。そして、再インストール制御処理は、ステップS110へ進む。
【0063】
結果通知部15は、アプリケーションの配布失敗の情報を端末装置2の情報とともに管理者端末3に送るなどして、管理者に通知する(ステップS110)。
【0064】
図8は、管理サーバのハードウェア構成図である。図13を参照して、管理サーバ1のハードウェア構成について説明する。
【0065】
管理サーバ1は、図8に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、メモリ92、ハードディスク93及びネットワークインタフェース94を有する。CPU91は、メモリ92、ハードディスク93及びネットワークインタフェース94とバスを介して接続される。
【0066】
ネットワークインタフェース94は、外部装置との通信インタフェースである。例えば、ネットワークインタフェース94は、図1に例示した端末装置2及び管理者端末3とCPU91との通信を中継する。
【0067】
ハードディスク93は、例えば、図2に例示したデータ管理部16がデータを保持する記憶部の機能を実現する。また、ハードディスク93は、図2に例示したインストーラ判定部11、インストール指示部12、再インストール制御部13、結果判定部14、結果通知部15及びデータ管理部16の機能を実現するためのプログラムを含む各種プログラムを格納する。
【0068】
CPU91は、ハードディスク93から各種プログラムを読み出してメモリ92上に展開して実行する。これにより、CPU91は、図2に例示したインストーラ判定部11、インストール指示部12、再インストール制御部13、結果判定部14、結果通知部15及びデータ管理部16の機能を実現する。
【0069】
ここで、以上の説明では、Windows(登録商標)ベースのコンピュータについて説明したが、対応する端末装置2はこれに限らない。例えば、Linux(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標) OSなど他のOSを使用するコンピュータであっても、プロセッサのアーキテクチャ毎にインストーラが異なる場合、上述した構成が適用可能であり効果を得ることができる。
【0070】
以上に説明したように、本実施例に係る管理サーバは、アプリケーションを端末装置に配布する際に、所定のアーキテクチャ以外のアーキテクチャを有するプラットフォームに関してはインストールに失敗した場合にインストーラを変更して再インストールを行う。すなわち、管理サーバは、インストールが失敗した場合にその端末装置がインストール可能な他のアプリケーションのインストーラを送信できる。また、インストールの失敗要因がプラットフォームの未サポート以外の場合、再インストールのリトライを指定回数行なう。これにより、管理サーバは、所定のアーキテクチャ以外のアーキテクチャを有するプラットフォームであっても、アプリケーションと端末のアーキテクチャとの対応を気にせずにアプリ配布を行うことができるようになる。したがって、アプリケーション配布における管理者の負荷を軽減することができ、システムの管理を容易にすることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 管理サーバ
2 端末装置
3 管理者端末
11 インストーラ判定部
12 インストール指示部
13 再インストール制御部
14 結果判定部
15 結果通知部
16 データ管理部
21 端末情報通知部
22 インストール実行部
100 端末管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8