(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050233
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】照明制御システム及び伝送装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/18 20200101AFI20240403BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20240403BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H05B47/18
H05B47/105
H04Q9/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156965
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安東 康
【テーマコード(参考)】
3K273
5K048
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA31
3K273RA16
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA27
3K273TA41
3K273TA49
3K273TA52
3K273TA62
3K273TA66
3K273UA13
3K273UA17
3K273UA19
5K048BA07
5K048DA02
5K048DC03
5K048EA01
5K048EA06
5K048EB02
5K048FC03
5K048HA04
5K048HA06
(57)【要約】
【課題】照明器具及び端末装置を含むシステムの拡張性を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る照明制御システムは、照明器具を制御する複数の制御装置と、複数の制御装置と接続された伝送装置と、を有する。伝送装置は、複数の制御装置のいずれかに対応付けられた条件を満たすパルス信号を、複数の制御装置に対して送信する送信部を具備する。複数の制御装置のそれぞれは、受信したパルス信号が自装置に対応付けられた条件を満たすか否かを判定する判定部と、判定部によってパルス信号が条件を満たすと判定された場合、パルス信号に従った動作を実行する実行部と、を具備する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具を制御する複数の制御装置と、前記複数の制御装置と接続された伝送装置と、を有する照明制御システムであって、
前記伝送装置は、
前記複数の制御装置のいずれかに対応付けられた条件を満たすパルス信号を、前記複数の制御装置に対して送信する送信部;
を具備し、
前記複数の制御装置のそれぞれは、
受信した前記パルス信号が自装置に対応付けられた条件を満たすか否かを判定する判定部と;
前記判定部によって前記パルス信号が前記条件を満たすと判定された場合、前記パルス信号に従った動作を実行する実行部と;
具備する照明制御システム。
【請求項2】
前記実行部は、前記判定部によって前記パルス信号が前記条件を満たさないと判定された場合、前記パルス信号を破棄する
請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記送信部は、2線式ランダム伝送直流パルス方式により前記パルス信号を伝送フレームとして送信する
請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記送信部は、前記パルス信号が表すビット列の特定の位置の値が、前記複数の制御装置のいずれかに対応付けられた値となるように前記パルス信号を送信し、
前記判定部は、受信した前記パルス信号が表すビット列の前記特定の位置の値が、自装置に対応付けられた値であるか否かを判定する
請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記送信部は、前記複数の制御装置のいずれかに対応付けられた電圧のパルス信号を、前記複数の制御装置に対して送信し、
前記判定部は、受信した前記パルス信号の電圧が自装置に対応付けられた電圧であるか否かを判定する
請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項6】
照明器具を制御する複数の制御装置のいずれかに対応付けられた条件を満たすパルス信号を生成する生成部と;
前記生成部によって生成された前記パルス信号を、前記複数の制御装置に対して送信する送信部と;
を具備する伝送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明制御システム及び伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具を制御する複数の端末装置の制御及び監視を行う伝送装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、伝送装置は、複数の端末装置との間で、2線式ランダム伝送直流パルス方式(無極性)により伝送フレームの送受信を行う。なお、伝送装置は、伝送ユニット、又は伝送コントローラと呼ばれる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の伝送装置では、照明器具及び端末装置を含むシステムの拡張性が十分ではない場合がある。
【0005】
例えば、従来のシステムに含まれる各装置は、システムごとに定義された伝送フレームの仕様に従って動作する。このため、伝送フレームの仕様が異なる装置を接続してシステムを拡張することは困難である。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、照明器具及び端末装置を含むシステムの拡張性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る照明制御システムは、照明器具を制御する複数の制御装置と、複数の制御装置と接続された伝送装置と、を有する。伝送装置は、複数の制御装置のいずれかに対応付けられた条件を満たすパルス信号を、複数の制御装置に対して送信する送信部を具備する。複数の制御装置のそれぞれは、受信したパルス信号が自装置に対応付けられた条件を満たすか否かを判定する判定部と、判定部によってパルス信号が条件を満たすと判定された場合、パルス信号に従った動作を実行する実行部と、を具備する。
【0008】
実施形態に係る伝送装置は、照明器具を制御する複数の制御装置のいずれかに対応付けられた条件を満たすパルス信号を、複数の制御装置に対して送信する送信部と、複数の制御装置のいずれかに対応付けられた条件を満たすパルス信号を、複数の制御装置に対して送信する送信部と、を具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、照明器具及び端末装置を含むシステムの拡張性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る照明制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、パルス信号の送信方法を説明する図である。
【
図3】
図3は、伝送フレームの定義の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、伝送フレームの定義の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、伝送フレームの定義の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る伝送装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、スケジュール情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る照明器具制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、伝送装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、照明器具制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明制御システム及び伝送装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する照明制御システム及び伝送装置は一例に過ぎず、実施形態を限定するものではない。なお、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組み合わせてもよい。
【0012】
以下に説明する実施形態に係る実行部332は、判定部331によってパルス信号が条件を満たさないと判定された場合、パルス信号を破棄する。
【0013】
以下に説明する実施形態に係る送信制御部132は、2線式ランダム伝送直流パルス方式によりパルス信号を伝送フレームとして送信する。
【0014】
以下に説明する実施形態に係る送信制御部132は、パルス信号が表すビット列の特定の位置の値が、複数の照明器具制御装置のいずれかに対応付けられた値となるようにパルス信号を送信する。判定部331は、受信したパルス信号が表すビット列の特定の位置の値が、自装置に対応付けられた値であるか否かを判定する。
【0015】
以下に説明する実施形態に係る送信制御部132は、複数の照明器具制御装置のいずれかに対応付けられた電圧のパルス信号を、複数の照明器具制御装置に対して送信する。判定部331は、受信したパルス信号の電圧が自装置に対応付けられた電圧であるか否かを判定する。
【0016】
以下に説明する実施形態に係る生成部131は、照明器具を制御する複数の照明器具制御装置のいずれかに対応付けられた条件を満たすパルス信号を生成する。
【0017】
図1を用いて、照明制御システムの構成を説明する。
図1は、実施形態に係る照明制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、照明制御システム1は、伝送装置10、外部制御装置20及び複数の照明器具制御装置を有する。
【0019】
照明器具制御装置は、照明器具を制御するための装置である。
図1の例では、照明器具制御装置は、ON/OFF端末機30a、調光ユニット30b、ON/OFF端末機30c、ON/OFF端末機30d、及び人感センサ30eである。
【0020】
伝送装置10は、照明器具制御装置と電線により接続される。2線式ランダム伝送直流パルス方式により、パルス信号を伝送フレームとして照明器具制御装置に送信する。
【0021】
伝送装置10は、外部制御装置20を介して行われた操作を基に伝送フレームを送信してもよいし、自動的に伝送フレームを送信してもよい。外部制御装置20は、例えば壁に設けられたスイッチ及び操作盤等である。
【0022】
伝送装置10は、パルス信号の電圧を変化させることにより表現したビット列を伝送フレームとして送信する。
図2を用いて伝送装置10によるパルス信号の送信方法を説明する。
図2は、パルス信号の送信方法を説明する図である。
【0023】
図2に示すように、伝送装置10は、パルス信号の電圧を+24V又は-24Vのいずれかに変化させる。伝送装置10は、パルス信号の電圧を変化させた後、300μS(マイクロ秒)後にさらに電圧を変化させることで、「1」を表現する。一方、伝送装置10は、パルス信号の電圧を変化させた後、100μS後にさらに電圧を変化させることで、「0」を表現する。
【0024】
なお、300μSを超えてもパルス信号の電圧が変化しないことは、伝送フレームの送信が終了したことを意味するものとする。
【0025】
伝送フレームの定義は、照明器具制御装置ごと、又はあらかじめ定められた照明器具制御装置のグループごとに異なる。例えば、ある照明器具制御装置に特定の動作をさせる伝送フレームが、他の照明器具制御装置に異なる動作をさせる場合がある。
【0026】
図3、
図4及び
図5を用いて、伝送フレームの定義について説明する。
図3、
図4及び
図5は、伝送フレームの定義の一例を示す図である。
【0027】
図3、
図4及び
図5に示すように、32ビットのビット列で表される伝送フレームであっても、互いに定義が異なる場合がある。
【0028】
図3の例では、1ビット目から4ビット目までの4ビットが「モード」と定義される。また、5ビット目から16ビット目までの12ビットが「アドレス」と定義される。また、17ビット目から20ビット目までの4ビットが「セレクト」と定義される。また、21ビット目から28ビット目までの8ビットが「データ」と定義される。また、29ビット目から32ビット目までの4ビットが「チェックサム」と定義される。
【0029】
「モード」は、制御、監視、解除といった制御のモードを示す情報である。「アドレス」は、照明器具制御装置のアドレスを示す情報である。「セレクト」は、動作の種別等を表す情報である。「データ」は、動作の内容を示す情報である。「チェックサム」は、「データ」までのビット列が正しく送信されているかをチェックするための情報である。
【0030】
図4の例では、1ビット目から4ビット目までの4ビットが「モード」と定義される。また、5ビット目から20ビット目までの16ビットが「アドレス」と定義される。また、21ビット目から28ビット目までの8ビットが「データ」と定義される。また、29ビット目から32ビット目までの4ビットが「チェックサム」と定義される。
【0031】
図4の例では、1ビット目から12ビット目までの12ビットが「アドレス」と定義される。また、13ビット目から24ビット目までの12ビットが「データ」と定義される。また、25ビット目から32ビット目までの8ビットが「チェックサム」と定義される。
【0032】
例えば、ON/OFF端末機30aは、
図3の定義に従って伝送フレームを解釈する。一方、ON/OFF端末機30cは、
図4の定義に従って伝送フレームを解釈する。この場合、ON/OFF端末機30aとON/OFF端末機30cとでは、同じ伝送フレームに従って実行する動作が互いに異なる。
【0033】
照明制御システム1において、伝送装置10は、対象の照明器具制御装置を動作させるための伝送フレームを、伝送装置10と接続された複数の照明器具装置に送信する。
【0034】
伝送装置10は、各照明器具装置における伝送フレームの定義にかかわらず、電線で接続された複数の照明器具装置に伝送フレームを一括送信する。
【0035】
このとき、伝送装置10は、対象の照明器具制御装置に対応付けられた条件を満たすような伝送フレームを送信する。
【0036】
条件は、パルス信号の電圧及び伝送フレームを表すビット列の長さ、伝送フレームを表すビット列の特定の位置の値等である。
【0037】
伝送装置10によって送信された伝送フレームを受信した複数の照明器具制御装置は、伝送フレームが自装置に対応付けられた条件を満たすか否かを判定する。照明器具制御装置は、伝送フレームが自装置に対応付けられた条件を満たすと判定した場合、当該伝送フレームに従って動作を実行する。
【0038】
なお、伝送フレームによって指定される動作は、照明器具制御装置の種別ごとに異なる。
【0039】
例えば、ON/OFF端末機30a、ON/OFF端末機30c及びON/OFF端末機30dは、伝送フレームに従って照明のON又はOFFの切り替えを実行する。
【0040】
例えば、調光ユニット30bは、伝送フレームに示されるパターンに従って照明の強さ(調光度)を調整する。
【0041】
例えば、人感センサ30eは、伝送フレームに従って、センサのON又はOFFの切り替えを実行する。
【0042】
また、一部の照明器具制御装置は、ビット列を反転させて伝送フレームを解釈する。ビット列の反転は、「1」と「0」を入れ替えることである。
【0043】
例えば、ON/OFF端末機30aはビット列を反転させずに伝送フレームを解釈するものとする。一方、ON/OFF端末機30dは、ビット列を反転させて伝送フレームを解釈するものとする。
【0044】
伝送装置10が、ビット列「01010010」を表すパルス信号を送信した場合を考える。この場合、ON/OFF端末機30aは、ビット列「01010010」を伝送フレームとして解釈する。一方、ON/OFF端末機30aは、ビット列「01010010」を反転させたビット列「10101101」を伝送フレームとして解釈する。
【0045】
さらに、ビット列「01010010」を表す伝送フレームは、ON/OFF端末機30aに対応付けられた条件を満たすものとする。また、ビット列「10101101」を表す伝送フレームは、ON/OFF端末機30dに対応付けられた条件を満たすものとする。
【0046】
この場合、伝送装置10は、1つのパルス信号で、ON/OFF端末機30aとON/OFF端末機30dの両方を動作させることができる。
【0047】
続いて、
図6を用いて、実施形態に係る伝送装置10の機能構成の一例を説明する。
図6は、実施形態に係る伝送装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、伝送装置10は、入出力部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。
【0048】
入出力部11は、他の装置の間で信号の送受信を行うためのインタフェースである。入出力部11は、2線式ランダム伝送直流パルス方式の伝送フレームの送受信を行う。また、入出力部11は、イーサネット(登録商標)及びLAN等のネットワークに接続するための機能を有していてもよい。
【0049】
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又はハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部12は、
図6に示すように、定義情報121及びスケジュール情報122を記憶する。
【0050】
定義情報121は、対象の照明器具制御装置ごとの伝送フレームの条件を示す情報である。
図7に示すように、定義情報121は、制御対象の照明器具制御装置を特定する情報(項目「制御対象」)と、照明器具制御装置に対応付けられた条件(項目「条件」)と、を含む。
図7は、定義情報の一例を示す図である。
【0051】
図7には、「ON/OFF端末機30a」という照明器具制御装置に「モードの先頭が「0」」という条件が対応付けられていることが示されている。
【0052】
スケジュール情報122は、伝送装置10が時間的な条件に従って伝送フレームを送信する際に用いられる情報である。
図8に示すように、スケジュール情報122は、時間的な条件(項目「タイマー」)と、制御対象の照明器具制御装置と特定する情報(項目「制御対象」)と、伝送フレームによって指示する制御の内容(項目「制御内容」)と、を含む。
【0053】
図8には、「毎日18:00」に、「ON/OFF端末機30a」に対し、照明を「ON」にする動作を示す伝送フレームを送信することが示されている。
【0054】
制御部13は、各種の情報処理を実行する演算装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0055】
制御部13は、生成部131、送信制御部132及び更新部133を有する。
【0056】
生成部131は、照明器具を制御する複数の照明器具制御装置のいずれかに対応付けられた条件を満たすパルス信号を生成する。生成部131は、外部制御装置20からの操作に応じたパルス信号を生成することができる。
【0057】
送信制御部132は、パルス信号を送信する。送信制御部132は、入出力部11を介してパルス信号を送信することができる。送信制御部132は、2線式ランダム伝送直流パルス方式によりパルス信号を伝送フレームとして送信する。
【0058】
送信制御部132は、生成部131によって生成されたパルス信号を送信してもよいし、外部制御装置20から入力されたパルス信号をそのまま送信してもよい。
【0059】
送信制御部132は、接続された電線に対してパルス信号を送信する。このため、送信制御部132によって送信されたパルス信号は、伝送装置10と接続された全ての照明器具制御装置によって受信され得る。
【0060】
一方、伝送装置10は、伝送装置10と接続された全ての照明器具制御装置の一部を動作させるためにパルス信号を伝送フレームとして送信する。
【0061】
このため、送信制御部132は、対象となる照明器具制御装置に対応付けられた条件を満たすようなパルス信号を送信する。なお、条件を満たすようなパルス信号は、生成部131によって生成されてもよい。
【0062】
また、送信制御部132は、スケジュール情報122を参照し、時間的な条件が満たされたタイミングでパルス信号を送信してもよい。
【0063】
例えば、送信制御部132は、
図8に示すスケジュール情報122を参照し、「毎日18:00」に、「ON/OFF端末機30a」に対し、照明を「ON」にする動作を示す伝送フレームを送信する。
【0064】
ここで、送信制御部132は、パルス信号が表すビット列の特定の位置の値が、複数の照明器具制御装置のいずれかに対応付けられた値となるようにパルス信号を送信するものとする。この場合、パルス信号が表すビット列の特定の位置の値が条件に相当する。
【0065】
また、ON/OFF端末機30aは、
図3に示す伝送フレームの定義に従うものとする。また、ON/OFF端末機30cは、
図4に示す伝送フレームの定義に従うものとする。なお、
図3と
図4の定義において、最初の4ビットがモードであることが共通している。
【0066】
図7に示すように、ON/OFF端末機30aには、「モードの先頭ビットが「0」」という条件が対応付けられている。このため、ON/OFF端末機30aを動作させるために、送信制御部132は、「モード」に該当する部分の先頭ビットが「0」であるビット列を表すパルス信号を伝送フレームとして送信する。
【0067】
また、ON/OFF端末機30aは、受信したパルス信号が表すビット列の「モード」に該当する最初の4ビットの先頭ビットが「0」であれば、当該パルス信号を、自装置を対象にした伝送フレームとみなし、動作を実行する。
【0068】
例えば、送信制御部132は、ON/OFF端末機30aを対象とする場合、先頭の4ビットが「0000」、「0001」又は「0010」であるビット列を表すパルス信号を送信する。
【0069】
また、例えば、送信制御部132は、ON/OFF端末機30cを対象とする場合、先頭の4ビットが「1000」、「1001」又は「1010」であるビット列を表すパルス信号を送信する。
【0070】
この場合、「モード」と「アドレス」によって照明器具制御装置が識別可能である。このため、「アドレス」のみで照明器具制御装置を識別する場合と比べて、伝送装置10に接続可能な照明器具制御装置の数を増加させることができる。
【0071】
条件は、ここで説明したものに限られない。以下、パルス信号が表すビット列の特定の位置の値以外の条件について説明する。
【0072】
(条件:ビット列の長さ)
条件は、パルス信号が表すビット列の長さであってもよい。この場合、照明器具制御装置は、受信したパルス信号が表すビット列の長さが自装置(照明器具制御装置自身)に対応付けられた長さである場合、当該パルス信号を、自装置を対象にした伝送フレームとみなし、動作を実行する。
【0073】
例えば、ON/OFF端末機30aには32ビットという長さが対応付けられ、ON/OFF端末機30cには28ビットという長さが対応付けられているものとする。このとき、ON/OFF端末機30aを動作させるために、送信制御部132は、32ビットのビット列を表すパルス信号を伝送フレームとして送信する。
【0074】
(条件:パルス信号の電圧)
また、条件は、パルス信号の電圧であってもよい。この場合、照明器具制御装置は、受信したパルス信号の電圧が自装置に対応付けられた電圧である場合、当該パルス信号を、自装置を対象にした伝送フレームとみなし、動作を実行する。なお、
図2には、電圧が24Vから-24Vであるパルス信号の例が示されている。
【0075】
例えば、ON/OFF端末機30aには24Vから-24Vという電圧が対応付けられ、ON/OFF端末機30cには12Vから-12Vという電圧が対応付けられているものとする。このとき、ON/OFF端末機30aを動作させるために、送信制御部132は、電圧が24Vから-24Vであるパルス信号を伝送フレームとして送信する。
【0076】
このように、送信制御部132は、複数の照明器具制御装置のいずれかに対応付けられた電圧のパルス信号を、複数の照明器具制御装置に対して送信する。
【0077】
更新部133は、定義情報121及びスケジュール情報122の更新を行う。更新部133は、外部制御装置20等を介した操作に応じて、各情報を更新する。
【0078】
続いて、
図9を用いて、実施形態に係る照明器具制御装置30の機能構成の一例を説明する。
図9は、実施形態に係る照明器具制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、ここでは
図1に示す各照明器具制御装置を区別せずに照明器具制御装置30と表記する。
図9に示すように、照明器具制御装置30は、入出力部31と、記憶部32と、制御部33と、を有する。
【0079】
入出力部31は、他の装置の間で信号の送受信を行うためのインタフェースである。入出力部31は、2線式ランダム伝送直流パルス方式の伝送フレームの送受信を行う。
【0080】
記憶部32は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又はハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0081】
制御部33は、各種の情報処理を実行する演算装置であり、例えば、CPU、MPU等の電子回路や、ASIC、FPGA等の集積回路を採用できる。制御部33は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部33は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0082】
制御部33は、判定部331、実行部332及び送信制御部333を有する。
【0083】
判定部331は、照明器具制御装置30が受信したパルス信号が、自装置を対象としたものであるか否かを判定する。判定部331は、パルス信号が自装置に対応付けられた条件を満たす場合、当該パルス信号が自装置を対象としたものであると判定する。
【0084】
条件が、パルス信号が表すビット列の特定の位置の値である場合を考える。この場合、判定部331は、受信したパルス信号が表すビット列の特定の位置の値が、自装置に対応付けられた値であるか否かを判定する。
【0085】
例えば、照明器具制御装置30がON/OFF端末機30aである場合、判定部331は、パルス信号が表すビット列の「モード」に該当する最初の4ビットの先頭ビットが「0」であれば、当該パルス信号が条件を満たすと判定する。
【0086】
実行部332は、判定部331によってパルス信号が条件を満たすと判定された場合、パルス信号に従った動作を実行する。
【0087】
例えば、照明器具制御装置30がON/OFF端末機30aであり、判定部331によってパルス信号が条件を満たすと判定された場合、実行部332は、当該パルス信号に従って照明器具のON又はOFFを切り替える。
【0088】
一方、実行部332は、判定部331によってパルス信号が条件を満たさないと判定された場合、パルス信号に従った動作を実行しない。例えば、実行部332は、判定部331によってパルス信号が条件を満たさないと判定された場合、当該パルス信号を破棄する。
【0089】
図10を用いて、伝送装置10の処理の流れを説明する。
図10は、伝送装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0090】
まず、
図10に示すように、伝送装置10は、外部制御装置20から制御信号を受信するか、又はタイマーの条件が満たされるまで待機する(ステップS101、No)。
【0091】
例えば、外部制御装置20から制御信号は、壁に備えられたスイッチの操作により送信される。また、タイマーの条件は、一定時間が経過すること、及び決められた時刻になること等である。
【0092】
伝送装置10は、外部制御装置20から制御信号を受信するか、又はタイマーの条件が満たされた場合(ステップS101、Yes)、対象の照明器具制御装置に対応付けられた条件に従って伝送フレームを生成する(ステップS102)。伝送装置10は、定義情報121から制御対象の条件を取得することができる。
【0093】
その後、伝送装置10は、生成した伝送フレームを送信する(ステップS103)。このとき、伝送装置10は、対象の照明器具制御装置だけでなく、接続された全ての照明器具制御装置に伝送フレームを送信する。
【0094】
図11を用いて、照明器具制御装置30の処理の流れを説明する。
図11は、照明器具制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0095】
図11に示すように、照明器具制御装置30は、伝送フレームを受信するまで待機する(ステップS201、No)。
【0096】
照明器具制御装置30は、伝送フレームを受信すると(ステップS201、Yes)、伝送フレームの対象が自装置であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、照明器具制御装置30は、伝送フレームが自装置に対応付けられた条件を満たすか否かを判定する。
【0097】
伝送フレームの対象が自装置である場合(ステップS203、Yes)、照明器具制御装置30は、伝送フレームに従って動作を実行する(ステップS204)。
【0098】
一方、伝送フレームの対象が自装置でない場合(ステップS203、No)、照明器具制御装置30は、伝送フレームに従った動作を実行しない。この場合、照明器具制御装置30は、伝送フレームを破棄してもよい。
【0099】
[実施形態の効果]
上述してきたように、実施形態に係る照明制御システム1は、照明器具を制御する複数の照明器具制御装置と、複数の照明器具制御装置と接続された伝送装置10と、を有する。伝送装置10は、複数の照明器具制御装置のいずれかに対応付けられた条件を満たすパルス信号を、複数の制御装置に対して送信する送信制御部132を具備する。複数の照明器具制御装置のそれぞれは、受信したパルス信号が自装置に対応付けられた条件を満たすか否かを判定する判定部331と、判定部331によってパルス信号が条件を満たすと判定された場合、パルス信号に従った動作を実行する実行部332と、を具備する。
【0100】
照明制御システム1においては、照明器具制御装置ごとに条件を対応付けておくことで、伝送装置10は、伝送フレームの定義が異なる複数の照明器具制御装置を容易に制御することができる。このため、実施形態に係る照明制御システムによれば、照明器具及び端末装置を含むシステムの拡張性を向上させることができる。
【0101】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1 照明制御システム
10 伝送装置
20 外部制御装置
30 照明器具制御装置
30a、30c、30d ON/OFF端末機
30b 調光ユニット
30e 人感センサ
11、31 入出力部
12、32 記憶部
13、33 制御部
121 定義情報
122 スケジュール情報
131 生成部
132、333 送信制御部
133 更新部
331 判定部
332 実行部