(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050241
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】折り畳み接合検査方法
(51)【国際特許分類】
B31B 50/62 20170101AFI20240403BHJP
B65B 57/02 20060101ALI20240403BHJP
B31B 100/00 20170101ALN20240403BHJP
【FI】
B31B50/62
B65B57/02 B
B31B100:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156981
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】593155330
【氏名又は名称】株式会社ホニック
(74)【代理人】
【識別番号】100140671
【弁理士】
【氏名又は名称】大矢 正代
(72)【発明者】
【氏名】高田 泰和
(72)【発明者】
【氏名】武 伝瑞
(72)【発明者】
【氏名】坂元 文斗
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA10
3E075BA02
3E075CA01
3E075DA15
3E075DA32
3E075DC15
3E075DC45
3E075DD02
3E075DD32
3E075DD45
3E075FA05
3E075FA06
3E075GA03
3E075GA04
(57)【要約】
【課題】段ボールシートが折り畳まれて継ぎ代片の接着により筒状とされる接合が適正になされているか否かを、製箱ラインにおける段ボール箱の製造と並行して、簡易に検査することができる折り畳み接合検査方法を提供する。
【解決手段】製箱ラインにおいて、フォールディング部とカウンタエジェクタ部との間で、段ボールシート10が折り畳まれる方向に搬送路から隔離した位置にデジタルカメラを配置し、第四面14の端辺14eと継ぎ代片15とが重畳している部分の少なくとも一部を含む第一領域32aの二次元画像を取得する。この領域の画像処理においてエッジE1が検出された場合は、継ぎ代片は第四面の内側にあり、製箱ラインにおいて内貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされており、製箱ラインにおいて外貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされていないと判定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製箱ラインにおいて、継ぎ代片に糊付けがなされた段ボールシートが徐々に折り畳まれて筒状に接合される折り畳み接合部と、折り畳まれた前記段ボールシートが排出されて積み重ねられる排出部との間で、前記段ボールシートが折り畳まれる方向に前記段ボールシートの搬送路から隔離した位置にデジタルカメラを配置し、
筒状となった前記段ボールシートにおいて前記継ぎ代片と接合されている側面を第四面としたとき、
前記デジタルカメラによって、前記第四面の端辺と前記継ぎ代片とが重畳している部分の少なくとも一部を含む第一領域の二次元画像を取得し、
前記第一領域の二次元画像の画像処理におけるエッジ検出の有無によって、前記継ぎ代片が前記第四面の内側にあるか外側にあるかを検出することにより、折り畳み接合が適正になされているか否かを判定する
ことを特徴とする折り畳み接合検査方法。
【請求項2】
製箱ラインにおいて、継ぎ代片に糊付けがなされた段ボールシートが徐々に折り畳まれて筒状に接合される折り畳み接合部と、折り畳まれた前記段ボールシートが排出されて積み重ねられる排出部との間で、前記段ボールシートが折り畳まれる方向に前記段ボールシートの搬送路から隔離した位置にデジタルカメラを配置し、
筒状となった前記段ボールシートにおいて前記継ぎ代片と接合されている側面を第四面としたとき、
前記デジタルカメラによって、前記継ぎ代片の端辺と前記第四面とが重畳している部分の少なくとも一部を含む第二領域の二次元画像を取得し、
前記第二領域の二次元画像の画像処理におけるエッジ検出の有無によって、前記継ぎ代片が前記第四面の内側にあるか外側にあるかを検出することにより、折り畳み接合が適正になされているか否かを判定する
ことを特徴とする折り畳み接合検査方法。
【請求項3】
到達検知センサによる前記段ボールシートの前端辺の検知と、前記段ボールシートの搬送を駆動している駆動部と同期している回転部に設けられたエンコーダから送信される信号に基づいて、前記デジタルカメラによる撮影のタイミングを決定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の折り畳み接合検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール箱の製箱ラインにおいて、段ボールシートが折り畳まれて継ぎ代片の接着により筒状とされる接合が、適正になされているか否かを検査するための折り畳み接合検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボールシートの製造と製箱とを連続的に行う製造ラインでは、中芯と表裏ライナとの貼合により形成された段ボールシートに、横罫線(スコア)入れと断裁が行われた後、更に製箱ラインにおいて、印刷、縦罫線(クリーズ)入れ、切り込み溝(スロット)と継ぎ代片の形成、継ぎ代片への糊の塗布、折り畳み及び継ぎ代片の接着が連続的に行われる。そして、継ぎ代片の接着により筒状に接合された段ボールシートは、折り畳まれた状態で所定枚数積み重ねられ、製箱ラインの下流端から搬出される。
【0003】
上記のプロセスにおいて、継ぎ代片に糊が塗布された段ボールシート(ブランク)は、徐々に折り畳まれて接合されるが、このときの接合には「内貼り」と「外貼り」の二つの種類がある。
図10及び
図11を用い、段ボール箱の側面を構成する四面を、継ぎ代片15に隣接する面から順に、「第一面11」、「第二面12」、「第三面13」、「第四面14」と称して説明する。
【0004】
図10に示すように、継ぎ代片15において、段ボールシート10が折り畳まれる方向(図示、下方)とは反対方向の面(図示、上面)に糊Gが塗布され、第一面11が第四面14より先に折り畳まれるのが「内貼り」である。これにより、
図10の左下に示すように、継ぎ代片15が第四面14の内表面に接着されて筒状となった正常品B1nが製造される。
【0005】
一方、
図11に示すように、継ぎ代片15において、段ボールシート10が折り畳まれる方向と同一方向の面(図示、下面)に糊Gが塗布され、第一面11より先に第四面14が折り畳まれるのが「外貼り」である。これにより、
図11の左下に示すように、継ぎ代片15が第四面14の外表面に接着されて筒状となった段ボール箱の正常品B2nが製造される。
【0006】
ところが、段ボールシート10の反り等に起因して、第一面11及び第四面14が正規の順番で折り畳まれないことがある。例えば、内貼りによる製造が行われているにも関わらず、第一面11より先に第四面14が折り畳まれてしまうと、
図10の右下に示すように、継ぎ代片15が接合されず筒状とならない不良品B1dとなってしまう。また、この場合、その段ボールシート10が不良品B1dとなるだけでなく、折り畳まれた状態で所定枚数積み重ねられた際に、隣接する正常品B1nに継ぎ代片15が接着してしまうため、本来は適正に製造された段ボールシートも不良品となってしまう。
【0007】
同様に、外貼りによる製造が行われているにも関わらず、第一面11が第四面14より先に折り畳まれてしまうと、
図11の右下に示すように、継ぎ代片15が第四面14ではない他の側面(図示、第三面)の内周面に接着してしまい、不良品B2dとなる。
【0008】
従来、このような不良品が発生していないかどうかを確認する検査は、作業者が目視で行っていた。人の目視による検査は、作業者の労働負担が大きい、段ボール箱の製造が高速で行われるのに対し検査に時間がかかる、検査を短時間で行おうとすると不良品を見逃すおそれがある、等の種々の問題を有していた。
【0009】
そこで、本出願人は既に、段ボールシートが折り畳まれて継ぎ代片の接着により筒状とされる接合が適正になされているか否かの検査を、製箱ラインにおける段ボール箱の製造と並行して行うことができる方法及び装置を提案している(特許文献1参照)。
【0010】
特許文献1の技術は、製箱ラインにおいて、継ぎ代片に糊付けがなされた段ボールシートが、徐々に折り畳まれて筒状に接合される折り畳み接合部と、折り畳まれた段ボールが排出されて積み重ねられる排出部との間で、段ボールシートが折り畳まれる方向に段ボールシートの移動路から離隔した位置に変位センサを配置し、継ぎ代片が通過する経路上で、変位センサによって段ボールとの距離を検出すると共に、変位センサから、移動路と直交する方向に離隔した位置に第二変位センサを配置し、継ぎ代片がない部分の段ボールシートが通過する経路上で、第二センサによって段ボールシートとの距離を、変位センサによる検出と同一のタイミングで検出するものである。
【0011】
段ボールシートの折り畳み接合が「内貼り」のときは、変位センサが検出する距離と第2変位センサが検出する距離はほぼ等しいため、その差はほぼゼロである。一方、段ボールシートの折り畳み接合が「外貼り」のときは、変位センサが継ぎ代片との距離を検出しているタイミングでは、変位センサが検出する距離と第二変位センサが検出する距離との間には、継ぎ代片の厚さに相当する差が生じる。従って、変位センサによって検出された距離と、第二変位センサによって検出された距離との差に基づいて、折り畳まれた段ボールシートにおいて継ぎ代片が外側にあるか内側にあるかを検出し、折り畳み接合が適正になされているか否かを判定することができる。
【0012】
本出願人は、上記の解決課題を解決できる異なる手段について、継続的に検討を進めて来ている。本発明は、その検討の過程でなされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記のように、本発明は、段ボールシートが折り畳まれて継ぎ代片の接着により筒状とされる接合が適正になされているか否かを、製箱ラインにおける段ボール箱の製造と並行して、簡易に検査することができる折り畳み接合検査方法の提供を、課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するため、本発明にかかる折り畳み接合検査方法は、
「製箱ラインにおいて、継ぎ代片に糊付けがなされた段ボールシートが徐々に折り畳まれて筒状に接合される折り畳み接合部と、折り畳まれた前記段ボールシートが排出されて積み重ねられる排出部との間で、前記段ボールシートが折り畳まれる方向に前記段ボールシートの搬送路から隔離した位置にデジタルカメラを配置し、
筒状となった前記段ボールシートにおいて前記継ぎ代片と接合されている側面を第四面としたとき、
前記デジタルカメラによって、前記第四面の端辺と前記継ぎ代片とが重畳している部分の少なくとも一部を含む第一領域の二次元画像を取得し、
前記第一領域の二次元画像の画像処理におけるエッジ検出の有無によって、前記継ぎ代片が前記第四面の内側にあるか外側にあるかを検出することにより、折り畳み接合が適正になされているか否かを判定する
」ものである。
【0016】
「折り畳み接合」は、「段ボールシートが折り畳まれて継ぎ代片の接着により筒状とされる接合」を指している。第四面の端辺と継ぎ代片とが重畳している部分の少なくとも一部を含む第一領域の二次元画像を画像処理してエッジが検出された場合、このエッジは第四面の端辺が検出されたものである。つまり、継ぎ代片は第四面の内側にある。従って、製箱ラインにおいて内貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされており、製箱ラインにおいて外貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされていない内貼り状態であると判定することができる。
【0017】
一方、第一領域について画像処理したときにエッジが検出されなかった場合、第一領域において継ぎ代片は第四面の外側にある。従って、製箱ラインにおいて外貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合は適正になされており、製箱ラインにおいて内貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされていない外貼り状態であると判定することができる。
【0018】
なお、「外貼り状態」は、外貼りのように折り畳まれているが、
図10の右下に示すように継ぎ代片15が規定の部分に接着されていない不良品B1dの状態であり、適正になされた「外貼り」と区別している。同様に、「内貼り状態」は、内貼りのように折り畳まれているが、
図11の右下に示すように継ぎ代片15が規定の部分に接着されていない不良品B2dの状態であり、適正になされた「内貼り」と区別している。換言すれば、本発明の折り畳み接合検査方法は、内貼り工程中の外貼り状態、または、外貼り工程中の内貼り状態を、折り畳み接合が不適正な状態として検出するものである。
【0019】
本発明にかかる折り畳み接合検査方法は、上記構成に替えて、
「製箱ラインにおいて、継ぎ代片に糊付けがなされた段ボールシートが徐々に折り畳まれて筒状に接合される折り畳み接合部と、折り畳まれた前記段ボールシートが排出されて積み重ねられる排出部との間で、前記段ボールシートが折り畳まれる方向に前記段ボールシートの搬送路から隔離した位置にデジタルカメラを配置し、
筒状となった前記段ボールシートにおいて前記継ぎ代片と接合されている側面を第四面としたとき、
前記デジタルカメラによって、前記継ぎ代片の端辺と前記第四面とが重畳している部分の少なくとも一部を含む第二領域の二次元画像を取得し、
前記第二領域の二次元画像の画像処理におけるエッジ検出の有無によって、前記継ぎ代片が前記第四面の内側にあるか外側にあるかを検出することにより、折り畳み接合が適正になされているか否かを判定する」ものとすることができる。
【0020】
継ぎ代片の端辺と第四面とが重畳している部分の少なくとも一部を含む第二領域の二次元画像を画像処理してエッジが検出された場合、このエッジは継ぎ代片の端辺が検出されたものである。つまり、継ぎ代片は第四面の外側にある。従って、製箱ラインにおいて外貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされており、製箱ラインにおいて内貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされていない外貼り状態であると判定することができる。
【0021】
一方、第二領域について画像処理したときにエッジが検出されなかった場合、第二領域において継ぎ代片は第四面の内側にある。従って、製箱ラインにおいて内貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合は適正になされており、製箱ラインにおいて外貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされていない内貼り状態であると判定することができる。
【0022】
本発明にかかる折り畳み接合検査方法は、上記構成に加え、
「到達検知センサによる前記段ボールシートの前端辺の検知と、前記段ボールシートの搬送を駆動している駆動部と同期している回転部に設けられたエンコーダから送信される信号に基づいて、前記デジタルカメラによる撮影のタイミングを決定する」ものとすることができる。
【0023】
製箱ラインにおける段ボールシートの搬送速度、段ボールシートの搬送方向における長さ、搬送方向において隣接している段ボールシートの間隔が一定の場合は、デジタルカメラによる撮影を予め定めた時間間隔で行うことにより、第一領域または第二領域の二次元画像を取得することができる。しかしながら、製箱ラインでは、製造対象の段ボールシート(段ボール箱)のサイズを変更しつつ連続的に製造を行うのが一般的であり、段ボールシートの搬送速度を変更することもある。
【0024】
本構成では、搬送される段ボールシートの前端辺を到達検知センサで検知すると共に、エンコーダから送信される信号を使用する。エンコーダは、段ボールシートの搬送を駆動している駆動部と同期している回転部に設けられているため、エンコーダからの信号によって、段ボールシートの搬送速度、所定時間に段ボールシートが移動する距離、所定距離を段ボールシートが移動するための所要時間を知ることができる。従って、到達検知センサによる検知とエンコーダからの信号を組み合わせることにより、搬送方向において所定の長さ範囲に設定される第一領域または第二領域について、二次元画像を取得するための撮影タイミングを定めることができ、段ボールシートのサイズや第一領域または第二領域の大きさを変化させたとしても、それに応じて速やかに撮影タイミングを変更することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明によれば、折り畳み接合が適正になされているか否かを、製箱ラインにおける段ボール箱の製造と並行して、簡易に検査することができる折り畳み接合検査方法を、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態である折り畳み接合検査方法におけるデジタルカメラ等の配置を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態である折り畳み接合検査方法に使用する折り畳み接合検査装置の構成図である。
【
図3】第一領域におけるエッジ検出の有無に基づく判定を、(a)折り畳み接合が内貼りの場合、及び(b)折り畳み接合が外貼りの場合、について説明した図である。
【
図4】第二領域におけるエッジ検出の有無に基づく判定を、(a)折り畳み接合が内貼りの場合、及び(b)折り畳み接合が外貼りの場合、について説明した図である。
【
図5】第一領域及び第二領域の双方におけるエッジ検出の有無に基づく判定を、(a)折り畳み接合が内貼りの場合、及び(b)折り畳み接合が外貼りの場合、について説明した図である。
【
図6】段ボールシートのサイズに基づく第一領域及び第二領域の幅方向における位置設定を説明する図である。
【
図7】
図6とは異なるサイズの段ボールシートについて、第一領域及び第二領域の幅方向における位置設定を説明する図である。
【
図8】段ボールシートの搬送に伴う撮影のタイミングを説明する図である。
【
図9】フォールディング部において段ボールシートの幅方向のずれが抑制されていることを説明する図である。
【
図10】内貼りによる折り畳み接合及び不良品の発生を説明する図である。
【
図11】外貼りによる折り畳み接合及び不良品の発生を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態である折り畳み接合検査方法、及び、この折り畳み接合検査方法で使用する折り畳み接合検査装置1について、
図1乃至
図9を用いて説明する。
【0028】
折り畳み接合検査装置1は、製箱ラインにおいて継ぎ代片の接合部における所定領域(詳細は後述)を撮影するデジタルカメラ21と、デジタルカメラ21により取得された二次元画像に基づき、折り畳み接合が適正になされているか否かの判定処理を行うコンピュータ40とを、主な構成とする。
【0029】
製箱ラインは、波形に成形された中芯原紙が表裏ライナと貼合された後、横罫線、縦罫線、及び切り込み溝が設けられ、継ぎ代片15が形成されて裁断された段ボールシート10(ブランク)の搬送に伴い、継ぎ代片15への糊の塗布が行われるグルー部(図示しない)、段ボールシート10を徐々に折り畳み、継ぎ代片15を接合して段ボールシート10を筒状とするフォールディング部91、折り畳まれた段ボールシート10を計数しつつ排出するカウンタエジェクタ部92を備える製箱機(フォルダグルア)における製箱ラインである(
図1参照)。なお、製箱機は、フレキソ印刷機との複合機であるフレキソフォルダグルアであっても良い。ここで、フォールディング部91が本発明の「折り畳み接合部」に相当し、カウンタエジェクタ部92が本発明の「排出部」に相当する。また、
図1では、製箱ラインにおける段ボールシート10の搬送方向を矢印Fで示しており、これは他の図でも同様である。
【0030】
ダンボールシートは「A式」(JIS Z1507の「0201形」)であり、段ボール箱の側面を構成する四面を、継ぎ代片15に隣接する面から順に、第一面11、第二面12、第三面13、第四面14とする。フォールディング部91を経て筒状となった段ボールシート10において、継ぎ代片15と接合されているのが第四面14であり、継ぎ代片15が第四面14の内表面に接合(接着)されているのが「内貼り」であり、継ぎ代片15が第四面14の外表面に接合(接着)されているのが「外貼り」である。なお、A式の段ボールシート10では、第一面11の幅方向の長さL1と第三面13の幅方向の長さL3は等しく、第二面12の幅方向の長さL2と第四面14の幅方向の長さL4は等しい。
【0031】
図1に示すように、デジタルカメラ21は、製箱ラインにおいてフォールディング部91とカウンタエジェクタ部92との間で、段ボールシート10が折り畳まれる方向に、段ボールシート10の搬送路90から離隔した位置に配置される。本実施形態のフォールディング部91では、段ボールシート10は下方に折り畳まれるため、デジタルカメラ21は段ボールシート10の搬送路90の下方に配置される。
【0032】
デジタルカメラ21としては、二次元カメラ(エリアカメラ)、或いは、ラインセンサカメラを使用可能である。一次元画像を取得するラインセンサカメラの場合、一般的に走査周期(一ライン分の信号を蓄える時間)は二次元カメラの走査周期に比べて非常に短いため、段ボールシート10の高速の走行に伴って一次元画像を連続的に取得し、所定時間内に取得された一次元画像を配列させることにより二次元画像を高速で形成(合成)することができる。
【0033】
また、本実施形態では、フォールディング部91とカウンタエジェクタ部92との間に、段ボールシート10の到達を検知するための到達検知センサ22を配置している。到達検知センサ22としては、段ボールシート10の搬送路90に光を投射し、反射光または透過光を受光することにより段ボールシート10の有無を検出する光電センサ、段ボールシート10の搬送路90に超音波を照射し、反射波または透過波を受信することにより段ボールシート10の有無を検出する超音波センサを、使用することができる。
図1では、段ボールシートが折り畳まれる方向とは反対方向であって、段ボールシート10の搬送路90から離隔した位置に到達検知センサ22を配置した場合を例示しているが、デジタルカメラ21や他の構成と干渉することがなければ、搬送路90に対してデジタルカメラ21と同じ側に到達検知センサ22を設置しても構わない。
【0034】
更に、製箱ラインの機械的な構成において、段ボールシート10の搬送を駆動している駆動部と同期している回転部に、エンコーダ23が取り付けられている。ここでは、フォールディング部91において段ボールシート10を折り曲げつつ搬送する搬送ベルト80に従動回転するローラ80bに、エンコーダ23が取り付けられている場合を例示しているが、段ボールシート10の搬送のために同期している部分であれば、取り付け箇所はこの場所に限定されない。エンコーダ23からの信号は、コンピュータ40に送出される。エンコーダ23から送出される信号に基づいて、段ボールシート10の搬送速度、所定時間における段ボールシート10の移動距離、所定距離を段ボールシート10が移動するための所要時間、を知ることができる。
【0035】
コンピュータ40は、ハード構成として主記憶装置、及び補助記憶装置からなる記憶装置と、記憶装置に記憶されたプログラムに従って処理を行う中央処理装置(CPU)と、を具備している。記憶装置には、デジタルカメラ21の撮影により取得された二次元画像に基づいて、折り畳み接合が適正になされているか否かの判定を行う判定手段42としてコンピュータ40を機能させる判定処理プログラムが記憶されている。また、デジタルカメラ21がラインセンサカメラである場合は、ラインセンサカメラによって撮影された一次元画像から二次元画像を形成する画像合成手段としてコンピュータ40を機能させる画像合成処理プログラムも、記憶装置に記憶されている。
【0036】
なお、記憶装置には、製箱ラインで折り畳み接合される段ボールシート10が内貼りされるか、外貼りされるかの情報と、第一面11、第二面12、第三面13、第四面14、及びの継ぎ代片15それぞれの幅方向の長さL1,L2,L3,L4,及びL5に関するサイズ情報を含む段ボール情報や、折り畳み接合が適正になされているか否かの判定処理の結果等を、記憶させることができる。また、記憶装置には、デジタルカメラ21からの撮影に基づいて取得された二次元画像を記憶させることができ、デジタルカメラ21がラインセンサカメラである場合は、デジタルカメラ21から送信された一次元画像のデータを、合成後の二次元画像データと共に記憶させることができる。
【0037】
また、折り畳み接合検査装置1は、コンピュータ40による処理の過程や結果を表示するモニタやプリンタ等の出力装置25、コンピュータ40に対して種々の命令や段ボール情報の入力を行うキーボードやポインティングデバイス等の入力装置24を更に具備している。加えて、折り畳み接合検査装置1は、折り畳み接合が適正になされていないと判定された場合に、警報灯や警報音により異常の発生を報知する警報装置26を備えている。
【0038】
そして、本実施形態のコンピュータ40は、製箱ラインの生産管理装置27、及び、製造事業者の事務所コンピュータ28と、有線通信または無線通信可能に接続されている。事務所コンピュータ28からコンピュータ40に、段ボール情報や判定の基準値を入力することができ、コンピュータ40による処理の過程や処理の結果を、コンピュータ40から事務所コンピュータ28に送信することができる。或いは、段ボール情報や判定の基準値が事務所コンピュータ28から生産管理装置27に送信され、生産管理装置27において記憶されると共に、生産管理装置27からコンピュータ40に送信される構成とすることもできる。
【0039】
次に、上記構成の折り畳み接合検査装置1を使用して行われる折り畳み接合検査方法について説明する。本実施形態の折り畳み接合検査方法は、折り畳み接合された後の段ボールシート10について、継ぎ代片15と第四面14との接合部における所定領域の二次元画像を取得し、その画像処理を行うことにより、第四面14の端辺14eがエッジ検出されるか否か、及び、継ぎ代片15の端辺15eがエッジ検出されるか否かの少なくとも一方によって、継ぎ代片15が第四面14の内側にあるか外側にあるかを検出し、これに基づいて折り畳み接合が適正になされているか否かを判定するものである。
【0040】
図3(a),(b)に示すように、折り畳み接合された段ボールシート10について、第四面14の端辺14eが継ぎ代片15と重畳している部分の少なくとも一部を含む第一領域32aについて、二次元画像を取得する。ここでは、第一領域32aを含む範囲30を撮影し、二次元画像31を取得した場合を図示している。
【0041】
第一領域32aについて画像処理し、
図3(a)における二次元画像の拡大図に示すようにエッジE1が検出された場合、このエッジE1は第四面14の端辺14eが検出されたものである。すなわち、第一領域32aにおいて継ぎ代片15は第四面14の内側にある。従って、製箱ラインにおいて内貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合は適正になされており、製箱ラインにおいて外貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされていない内貼り状態であると判定することができる。
【0042】
一方、第一領域32aについて画像処理したときに、
図3(b)における二次元画像の拡大図に示すようにエッジが検出されなかった場合、第一領域32aにおいて継ぎ代片15は第四面14の外側にある。従って、製箱ラインにおいて外貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合は適正になされており、製箱ラインにおいて内貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされていない外貼り状態であると判定することができる。
【0043】
なお、エッジ検出は、二次元画像を構成する画素の諧調値が不連続に変化している箇所が、所定の長さ以上の線状に連続しているか否かによって行うことができ、不連続な差とする諧調値の差異、及び、線状であるか否かの判定のための長さについて、基準値(閾値)を設定することができる。
【0044】
エッジ検出を行う領域は、上記のように第四面14の端辺14eが継ぎ代片15と重畳している部分の少なくとも一部を含む第一領域32aとする他、
図4(a),(b)に示すように、継ぎ代片15の端辺15eが第四面14と重畳している部分の少なくとも一部を含む第二領域32bとすることができる。ここでは、上記と同様に、第二領域32bを含む範囲30を撮影し、二次元画像31を取得した場合を図示している。
【0045】
第二領域32bについて画像処理し、
図4(a)における二次元画像の拡大図に示すようにエッジが検出されなかった場合、第二領域32bにおいて継ぎ代片15は第四面14の内側にある。従って、製箱ラインにおいて内貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合は適正になされており、製箱ラインにおいて外貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされていない内貼り状態であると判定することができる。
【0046】
一方、第二領域32bについて画像処理したときに、
図4(b)における二次元画像の拡大図に示すようにエッジE2が検出された場合、このエッジE2は継ぎ代片15の端辺15eが検出されたものである。すなわち、第二領域32bにおいて継ぎ代片15は第四面14の外側にある。従って、製箱ラインにおいて外貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合は適正になされており、製箱ラインにおいて内貼りがなされているときにこの状態が検出されれば、折り畳み接合が適正になされていない外貼り状態であると判定することができる。
【0047】
上記のように、第一領域32aのエッジ検出、及び、第二領域32bのエッジ検出の何れによっても、折り畳み接合が適正になされているか否かの判定を行うことができるが、
図5(a),(b)に示すように、第一領域32a及び第二領域32b双方のエッジ検出によって、折り畳み接合が適正になされているか否かの判定を行うこともできる。
図5(a)に示すように内貼りが適正になされているとき、その二次元画像の拡大図に示すように、画像処理をしたときに第一領域32aではエッジE1が検出され、第二領域32bではエッジは検出されない。従って、製箱ラインにおいて内貼りがなされているときに、第一領域32aではエッジが検出されず、第二領域32bではエッジE2が検出されたとき、折り畳み接合が適正になされていない外貼り状態であると判定することができる。
【0048】
一方、
図5(b)に示すように外貼りが適正になされているとき、その二次元画像の拡大図に示すように、画像処理をしたときに第一領域32aではエッジは検出されず、第二領域32bではエッジE2が検出される。従って、製箱ラインにおいて外貼りがなされているときに、第一領域32aではエッジE1が検出され、第二領域32bではエッジは検出されなかったとき、折り畳み接合が適正になされていない内貼り状態であると判定することができる。
【0049】
このように第一領域32aと第二領域32bの双方を使用して判定を行う場合、デジタルカメラ21によって撮影を行う範囲30を、これら二つの領域32a,32bを包含するように定めれば、ひとつの二次元画像31において、二つのエッジ検出の有無に基づく判定を行うことができる。
【0050】
段ボールシート10の幅方向において、第一領域32aや第二領域32bが設定される位置は、段ボールシートのサイズによって異なる。そこで、段ボール情報に含まれるサイズ情報(第一面11、第二面12、第三面13、第四面14、及びの継ぎ代片15それぞれの幅方向の長さL1,L2,L3,L4,及びL5に関する情報)に基づいて、第一領域32aや第二領域32bの幅方向における位置を設定する方法について、説明する。
【0051】
A式の段ボールシート10は、サイズに関わらず、第二面12と第三面13の間の切り込み溝(スロット)の位置を、製箱ラインのマシンセンタCに一致させて搬送される。ここでは、マシンセンタCに対して、第二面12がある側を右方向、第三面3がある側を左方向として説明する。
【0052】
図6に示すように、第三面13の幅方向の長さL3が、第四面14の幅方向の長さL4より長い場合、第一領域32aにおける幅方向の中心位置は、マシンセンタCから左側に「L3-L4」だけ離れた位置に設定する(
図6における中図を参照)。長さL4が長さL3と等しい場合は、第一領域32aにおける幅方向の中心位置はマシンセンタCと一致する。
【0053】
一方、第二領域32bにおける幅方向の中心位置は、マシンセンタCから左側に「L1-L2+L5」だけ離れた位置、或いは、マシンセンタCから左側に「L3-L4+L5」だけ離れた位置に設定する(
図6における下図を参照)。
【0054】
また、
図7に示すように、第三面13の幅方向の長さL3が、第四面14の幅方向の長さL4より短い場合、第一領域32aにおける幅方向の中心位置は、マシンセンタCから右側に「L4-L3」だけ離れた位置に設定する(
図7における中図を参照)。一方、第二領域32bにおける幅方向の中心位置は、マシンセンタCから右側に「L2-L1-L5」だけ離れた位置、或いは、マシンセンタCから右側に「L4-L3-L5」だけ離れた位置に設定する(
図7における下図を参照)。
【0055】
上記のような段ボールシート10のサイズに基づく設定において、第一領域32aまたは第二領域32bが、二次元カメラによる撮影範囲である場合は、このようにして設定された第一領域32a、第二領域32bそれぞれにおける幅方向の中心位置に二次元カメラの光軸を設定する。第一領域32aまたは第二領域32bが、ラインセンサカメラによる撮影範囲である場合は、段ボールシート10の幅方向に並ぶ撮像素子の中心を、第一領域32a、第二領域32bそれぞれにおける幅方向の中心位置に一致させる。或いは、ラインセンサカメラとしては、幅方向の全長にわたり撮像素子が並んでいるものを使用した上で、第一領域32a、第二領域32bそれぞれにおける幅方向の中心位置から左右両側に所定の長さの範囲について、ラインセンサカメラから撮像を取得する設定、または、その範囲の撮像をエッジ検出の対象とする設定とする。第一領域32aまたは第二領域32bより広い範囲30を撮影範囲とする場合は、第一領域32aまたは第二領域32bと範囲30との位置及び大きさの関係に基づいて、撮影範囲を設定する。なお、
図6及び
図7では、内貼りの場合を図示しているが、第一領域32a、第二領域32b、及び範囲30の幅方向の位置設定は、外貼りの場合であっても同様である。
【0056】
このように、段ボールシート10のサイズが異なると、第一領域32a、第二領域32bそれぞれにおける幅方向の中心位置がシフトするため、デジタルカメラ21の設置位置を幅方向に変化させる必要が生じる。そこで、折り畳み接合検査装置1は、段ボールシート10の幅方向(搬送路90に直交する方向)にデジタルカメラ21の位置をシフトさせる機構を備えており、製造対象の段ボール箱のサイズの変更に際して、デジタルカメラ21を幅方向に移動させる。デジタルカメラ21の位置を幅方向にシフトさせる機構としては、ボールねじを使用した機構、ラックとピニオンを使用した機構、シリンダロッドを使用した機構、を例示することができる。
【0057】
デジタルカメラ21による撮影タイミングについては、段ボールシート10の搬送速度、搬送方向Fにおける段ボールシート10の長さ、及び、搬送方向Fにおける段ボールシート10どうしの間隔の設定に基づいて、予め定めた時間間隔で撮影を行うよう設定することができる。これに加え、折り畳み接合検査装置1は到達検知センサ22を備えているため、到達検知センサ22による検知に基づいてデジタルカメラ21による撮影タイミングを定めることができる。
【0058】
具体的には、
図8に示すように、段ボールシート10の前フラップの長さ(高さ)をLa、段ボールシート10によって形成される段ボール箱の深さをLbとすると、第一領域32a、第二領域32b、または範囲30それぞれの搬送方向Fにおける中心位置は、段ボールシート10の前端辺10fから長さ「La+(Lb/2)」だけ離れた位置である。従って、第一領域32a、第二領域32b、または範囲30が二次元カメラによる撮影範囲である場合、搬送方向Fにおける段ボールシート10の前端辺10fを到達検知センサ22が検知した時点から、段ボールシート10が長さ「La+(Lb/2)」だけ前進した時点で撮影を行う。段ボールシート10が、長さ「La+(Lb/2)」だけ前進するための所要時間は、エンコーダ23から送信される信号に基づいて算出することができる。
【0059】
一方、第一領域32a、第二領域32b、または範囲30がラインセンサカメラによる撮影範囲である場合、その撮影範囲の搬送方向Fにおける長さをNとすると、段ボールシート10の前端辺10fを到達検知センサ22が検知した時点から、段ボールシート10が長さ「La+(Lb/2)」だけ前進した時点より、段ボールシート10が長さN/2だけ移動する時間分を遡った時点から一次元画像の取得を開始し、その後、段ボールシート10が長さNだけ移動する時間に取得した一次元画像を合成して二次元画像とする。
【0060】
このように、到達検知センサ22による前端辺10fの検知とエンコーダ23からの信号に基づいて、デジタルカメラ21による撮影タイミングを定めることにより、製造対象の段ボール箱のサイズの変更に伴って、段ボールシート10の搬送方向Fにおける長さや間隔が変化したり、製箱ラインにおける段ボールシート10の搬送速度が変化したりしても、デジタルカメラ21による撮影タイミングを適切かつ速やかに設定することができる。
【0061】
以上のように、本実施形態によれば、筒状に接合された後の段ボールシート10について、第四面14の端辺14eと継ぎ代片10とが重畳している部分の少なくとも一部である第一領域32a、及び、継ぎ代片15の端辺15eと第四面14とが重畳している部分の少なくとも一部である第二領域32bの少なくとも一方の二次元画像、或いは、第一領域32aまたは第二領域32bを含む範囲30の二次元画像を取得し、第一領域32aまたは第二領域32bの少なくとも一方の画像処理においてエッジが検出されるか否かによって、継ぎ代片15が第四面14の内側にあるか外側にあるかを検出し、継ぎ代片15の第四面14への接着による接合が適正になされているか否かを容易に判定することができる。
【0062】
なお、段ボールシート10を搬送しつつ折り畳むフォールディング部91では、
図9に示すように、段ボールシート10は搬送ベルト80によって上下から挟み込まれた状態で搬送される。また、折り曲げ箇所である第二面12と第一面11との間、及び、第三面13と第四面14との間には、折り曲げガイド81が配されており、折り曲げ搬送ベルト82によって第一面11及び第四面14を搬送しつつ押し下げることにより、段ボールシート10を折り曲げガイド81に沿わせながら徐々に折り畳んでいく。更に、折り畳まれた後の段ボールシート10も、搬送ベルト80と折り曲げ搬送ベルト82によって上下から挟み込まれた状態で搬送される。そのため、フォールディング部91において、段ボールシート10は幅方向にほとんどずれることはない。従って、第一領域32aまたは第二領域32bにおいて検出されたエッジが、第四面14の端辺14eが検出されたものであるか、継ぎ代片15の端辺15eが検出されたものであるかを誤認するおそれはない。
【0063】
そして、エッジの検出に基づいて、製箱ラインにおいて内貼りが行われているにも関わらず外貼り状態が検出され、或いは、外貼りが行われているにも関わらず内貼り状態が検出された場合は、折り畳み接合が適正になされていないと判定した判定手段42から、警報装置26に不良検出信号が送出され、警報装置26によって報知がなされる。これと共に、不良品となった段ボールシート10を特定する情報、例えば、カウンタエジェクタ部92に積重された複数の段ボールシート10において、不良品が何番目であるかの情報が出力装置25に出力され、この出力に基づいて不良品が排除される。
【0064】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0065】
例えば、本発明で判定対象とする段ボールシートはA式であるが、形状がA式と同一の段ボールシートであれば、型抜きの工程を経て形成される段ボールシートであっても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 折り畳み接合検査装置
10 段ボールシート
14 第四面
14e 端辺(第四面の端辺)
15 継ぎ代片
15e 端辺(継ぎ代片の端辺)
21 デジタルカメラ
22 到達検知センサ
23 エンコーダ
30 範囲
31 二次元画像
32a 第一領域
32b 第二領域
90 搬送路
91 フォールディング部(折り畳み接合部)
92 カウンタエジェクタ部(排出部)
E1,E2 エッジ