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特開2024-50263無線通信端末、無線通信システム、及び無線通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050263
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】無線通信端末、無線通信システム、及び無線通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20240403BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20240403BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20240403BHJP
【FI】
H04W52/02 110
H04W84/18
H04W92/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157018
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊木 大輔
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067CC04
5K067CC22
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE25
5K067HH21
(57)【要約】
【課題】メッシュトポロジのネットワークにおいて、端末の消費電力を低減する。
【解決手段】無線通信端末1は、データを受信する受信部16と、周期的に出力される所定の信号の出力タイミングに応じて、受信部16を有効化し、受信部16を有効化してから受信部16の有効化を維持する時間である有効化維持時間の制御を行う制御部11と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュトポロジのネットワークで使用される無線通信端末であって、
データを受信する受信部と、
周期的に出力される所定の信号の出力タイミングに応じて、前記受信部を有効化し、前記受信部を有効化してから前記受信部の有効化を維持する時間である有効化維持時間の制御を行う制御部と、
を備えた無線通信端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記有効化維持時間を予め定めた固定値にする制御を行う
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記有効化維持時間を予め定めた条件に基づいて可変にする制御を行う
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記予め定めた条件は、受信データのロス率、電池の持ち時間、及び電波強度の少なくとも1つを含む
請求項3に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記制御部は、前記受信部の制御と連動して、自端末のスリープモードを有効化するか否かを制御する
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記制御部は、前記所定の信号の出力間隔に応じて、前記有効化維持時間の制御を行う
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項7】
前記制御部は、前記所定の信号の出力間隔が第1間隔である場合、前記有効化維持時間を第1時間に制御し、前記所定の信号の出力間隔が前記第1間隔よりも短い第2間隔である場合、前記有効化維持時間を前記第1時間よりも長い第2時間に制御する
請求項6に記載の無線通信端末。
【請求項8】
複数の無線通信端末によってメッシュトポロジのネットワークが構成された無線通信システムであって、
前記複数の無線通信端末の各々は、
データを受信する受信部と、
周期的に出力される所定の信号の出力タイミングに応じて、前記受信部を有効化し、前記受信部を有効化してから前記受信部の有効化を維持する時間である有効化維持時間の制御を行う制御部と、
を備えた無線通信システム。
【請求項9】
メッシュトポロジのネットワークで使用される無線通信端末の無線通信方法であって、
周期的に出力される所定の信号の出力タイミングに応じて、受信部を有効化し、
前記受信部を有効化してから前記受信部の有効化を維持する時間である有効化維持時間の制御を行い、
前記制御された有効化維持時間にわたり前記受信部を有効化した後に、前記受信部を無効化する
無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末、無線通信システム、及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムでは、様々なネットワークトポロジが採用されている。代表的なものに、スタートポロジ、クラスタ・ツリートポロジ、メッシュトポロジ等がある。
【0003】
スタートポロジは、中心となるノードから放射状に他の端末ノードを接続する星状の構成となる。各端末ノード同士は、直接通信は出来ないが、必ず中心となるノードを介して相互接続することが出来る方式である。中心となるノードがネットワークの状態を全て管理出来ることからアクセス制御方式としてはスーパーフレームを構成した方式を採用することがある。ネットワーク上のノードは、任意の時間ではなく時分割された一定のタイミングでのみ送受信するので、自ノードが送受信しないタイミングでは回路をオフすることが出来る。中心となるノードは、常時動作して電流が流れる必要があるが、端末ノードは、電流を流す時間を管理することが出来るので消費電力の削減が容易である。
【0004】
クラスタ・ツリートポロジは、各ノードが平等な関係ではなく、親、子の関係を持ち親ノードの下に子ノード、さらにその下に孫ノードがぶら下がることでネットワークアーキテクチャがピラミッド形のツリー構造になる。子ノードと孫ノード間の通信は、共通の親ノードまで遡るマルチホップ通信により可能である。末端ノードは、一つ上の親ノードとのみ通信する必要しかないため、通信していない時間は、回路をオフして消費電力を削減することが可能である。例えば、特許文献1には、複数の無線装置のうちの基幹装置を根元として、複数の無線装置によってツリー状に形成されたマルチホップ無線ネットワークに含まれる無線装置が記載されている。
【0005】
メッシュトポロジは、複数のノードが存在して、全てのノードが平等な関係を持ち、電波が届けば、どのノードとも通信することが可能である。さらに、中継端末経由で1ホップの制限を超えて、マルチホップでの通信が可能である。これにより、通信ルートを冗長化することで、通信の信頼性を向上することが出来る。干渉電波などの原因による通信障害が発生しても迂回ルートを経由することで送信先のノードへメッセージを届けることが出来る。
【0006】
図8は、従来のメッシュトポロジにおける2つの中継端末1、2のタイミングチャートを示す図である。
【0007】
図8の各信号について説明する。SLEEP1は、中継端末1のスリープモードをイネーブル(有効)又はディセーブル(無効)にする。TXON1は、中継端末1の送信部をイネーブル又はディセーブルにする。RXON1は、中継端末1の受信部をイネーブル又はディセーブルにする。SLEEP2は、中継端末2のスリープモードをイネーブル又はディセーブルにする。TXON2は、中継端末2の送信部をイネーブル又はディセーブルにする。RXON2は、中継端末2の受信部をイネーブル又はディセーブルにする。
【0008】
次に、中継端末1、2の動作について説明する。図8は、中継端末1と中継端末2の各々のスリープ状態、送信、受信のタイミングを示している。
【0009】
図8の(S1)では、中継端末1が、SLEEP1を常時ディセーブルにして、電流が常に流れる状態とする。
【0010】
(S2)では、中継端末1が、TXON1を常時ディセーブルにして、送信時のみイネーブルにする。
【0011】
(S3)では、中継端末1が、TXON1をイネーブルにしてデータを送信する。
【0012】
(S4)では、中継端末1が、RXON1を常時イネーブルにして、常にデータ受信可能にする。
【0013】
(S5)では、中継端末1が、中継端末2からデータを受信する。
【0014】
(S6)では、中継端末2が、SLEEP2を常時ディセーブルにして、電流が常に流れる状態とする。
【0015】
(S7)では、中継端末2が、TXON2を常時ディセーブルにして、送信時のみイネーブルにする。
【0016】
(S8)では、中継端末2が、TXON2をイネーブルにしてデータを送信する。
【0017】
(S9)では、中継端末2が、RXON2を常時イネーブルにして、常にデータ受信可能にする。
【0018】
(S10)では、中継端末2が、中継端末1からデータを受信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2009-094896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、メッシュトポロジの最大の問題は、消費電力の削減が難しいことである。全てのノードが中継端末としての機能を持つ必要があり、自ノードのためのメッセージ通信だけではなく、ボランティアで他ノードへのメッセージを中継しなければならない。メッセージ中継の要求が来るタイミングが分からないので回路をスリープする時間を作ることは難しい。このため、省電力機能の実装は電池を装備しないノードにとって重要な課題となっている。
【0021】
上記従来技術では、中継端末1、中継端末2共に、いつ来るか分からない他ノードのデータを中継するためにSLEEP1、SLEEP2を常時ディセーブル、RXON1、RXON2を常時イネーブルにする必要がある。これにより、電池を搭載した中継端末では常に電流が流れるため、電池の持ち時間を長くすることが困難である。
【0022】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、メッシュトポロジのネットワークにおいて、端末の消費電力を低減することができる無線通信端末、無線通信システム、及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するために、本発明に係る無線通信端末は、メッシュトポロジのネットワークで使用される無線通信端末であって、データを受信する受信部と、周期的に出力される所定の信号の出力タイミングに応じて、前記受信部を有効化し、前記受信部を有効化してから前記受信部の有効化を維持する時間である有効化維持時間の制御を行う制御部と、を備える。
【0024】
更に、上記課題を解決するために、本発明に係る無線通信システムは、複数の無線通信端末によってメッシュトポロジのネットワークが構成された無線通信システムであって、前記複数の無線通信端末の各々が、データを受信する受信部と、周期的に出力される所定の信号の出力タイミングに応じて、前記受信部を有効化し、前記受信部を有効化してから前記受信部の有効化を維持する時間である有効化維持時間の制御を行う制御部と、を備える。
【0025】
更に、上記課題を解決するために、本発明に係る無線通信方法は、メッシュトポロジのネットワークで使用される無線通信端末の無線通信方法であって、周期的に出力される所定の信号の出力タイミングに応じて、受信部を有効化し、前記受信部を有効化してから前記受信部の有効化を維持する時間である有効化維持時間の制御を行い、前記制御された有効化維持時間にわたり前記受信部を有効化した後に、前記受信部を無効化する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、メッシュトポロジのネットワークにおいて、端末の消費電力を低減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1の実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る無線通信端末の構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係るメッシュトポロジにおける2つの中継端末のタイミングチャートの一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る中継端末の制御プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】第2の実施形態に係るメッシュトポロジにおける2つの中継端末のタイミングチャートの一例を示す図である。
図6】第3の実施形態に係るメッシュトポロジにおける2つの中継端末のタイミングチャートの一例を示す図である。
図7】第3の実施形態に係るメッシュトポロジにおける2つの中継端末のタイミングチャートの別の例を示す図である。
図8】従来のメッシュトポロジにおける2つの中継端末のタイミングチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本発明の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0029】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る無線通信システム100の構成の一例を示す図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る複数の無線通信端末1~4は、メッシュトポロジのネットワークによって相互に接続されている。なお、無線通信端末1~4は、4個に限定されるものではなく、メッシュトポロジのネットワークを構成可能な2個以上であればよい。
【0031】
メッシュトポロジは、上述したように、複数の無線通信端末1~4が存在して、全ての無線通信端末1~4が平等な関係を持ち、電波が届けば、どの無線通信端末1~4とも通信することが可能である。
【0032】
図2は、第1の実施形態に係る無線通信端末1、2の構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、本実施形態に係る無線通信端末1は、制御部11と、送信部15と、受信部16と、を備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)12と、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、を含む。
【0034】
CPU12、ROM13、及びRAM14は、バス17を介して接続されている。送信部15及び受信部16は、バス17を介して、CPU12と相互に通信可能とされる。なお、無線通信端末1は、例えば、電池(図示省略)を備え、電池から各部に対して電力が供給される。また、無線通信端末1は、外部I/F(図示省略)を備えていてもよく、外部I/Fを介して外部機器と接続されていてもよい。
【0035】
ROM13には、無線通信端末1の動作を制御する制御プログラムが記憶されている。CPU11は、ROM13に記憶されている制御プログラムをRAM14に書き込んで実行する。これにより、制御部11の各機能が実現される。
【0036】
送信部15は、無線通信端末2に対してデータを送信する。
【0037】
受信部16は、無線通信端末2からデータを受信する。
【0038】
制御部11は、送信部15及び受信部16の各々を制御する。制御部11は、周期的に出力される所定の信号の出力タイミングに応じて、受信部16を有効化し、受信部16を有効化してから受信部16の有効化を維持する時間である有効化維持時間の制御を行う。なお、「周期的に出力される所定の信号」としては、例えば、空きチャンネルの判定を行うCCA(Clear Channel Assessment)が適用されるが、このCCAに限定されるものではない。本実施形態に係る制御部11は、有効化維持時間を予め定めた固定値にする制御を行う。
【0039】
また、制御部11は、受信部16の制御と連動して、自端末のスリープモードを有効化するか否かを制御してもよい。この場合、制御部11は、スリープモードの有効、無効を制御する機能を有する。スリープモードでは、例えば、受信部16のみに電力が供給される。
【0040】
一方、無線通信端末2は、無線通信端末1と同様の構成を有している。つまり、無線通信端末2は、制御部21と、送信部25と、受信部26と、を備えている。制御部21は、CPU22と、ROM23と、RAM24と、を含む。
【0041】
CPU22、ROM23、及びRAM24は、バス27を介して接続されている。送信部25及び受信部26は、バス27を介して、CPU22と相互に通信可能とされる。なお、無線通信端末2は、例えば、電池(図示省略)を備え、電池から各部に対して電力が供給される。また、無線通信端末2は、外部I/F(図示省略)を備えていてもよく、外部I/Fを介して外部機器と接続されていてもよい。
【0042】
ROM23には、無線通信端末2の動作を制御する制御プログラムが記憶されている。CPU21は、ROM23に記憶されている制御プログラムをRAM24に書き込んで実行する。これにより、制御部21の各機能が実現される。
【0043】
送信部25は、無線通信端末1に対してデータを送信する。
【0044】
受信部26は、無線通信端末1からデータを受信する。
【0045】
制御部21は、送信部25及び受信部26の各々を制御する。制御部21は、周期的に出力される所定の信号の出力タイミングに応じて、受信部26を有効化し、受信部26を有効化してから受信部26の有効化を維持する時間である有効化維持時間の制御を行う。本実施形態に係る制御部21は、有効化維持時間を予め定めた固定値にする制御を行う。
【0046】
また、制御部21は、受信部26の制御と連動して、自端末のスリープモードを有効化するか否かを制御してもよい。この場合、制御部21は、スリープモードの有効、無効を制御する機能を有する。
【0047】
以下、本実施形態に係る無線通信端末1、2を、中継端末1、2とも称する。ここで、「イネーブル」とは信号を有効化することを意味し、「ディセーブル」とは信号を無効化することを意味する。
【0048】
本実施形態においては、上述の図8で説明した、常時SLEEP1をディセーブル、RXON1をイネーブルにする構成に対して、周期的なCCAの実行タイミングでRXON1をイネーブルにして、固定値で設定された有効化維持時間にわたりRXON1をイネーブルに維持する構成を追加する。固定値で設定された有効化維持時間にわたりRXON1をイネーブルにした後にSLEEP1をイネーブル、RXON1をディセーブルにすることで、電流の削減を可能にし、端末の消費電力の低減を可能とする。
【0049】
図3は、第1の実施形態に係るメッシュトポロジにおける2つの中継端末1、2のタイミングチャートの一例を示す図である。
【0050】
なお、上述の図8において説明済みの信号についての繰り返しの説明は省略する。図3において、CCA1は、中継端末1のCCAの実行をイネーブル又はディセーブルにする。CCA2は、中継端末2のCCAの実行をイネーブル又はディセーブルにする。
【0051】
次に、中継端末1、2の動作について説明する。
【0052】
図3の(S11)では、中継端末1が、SLEEP1を定常状態でイネーブルにする。
【0053】
(S12)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにし、RXON1をイネーブルにする。
【0054】
(S13)では、中継端末1が、データ送信のためRXON1をディセーブルにし、TXON1をイネーブルにする。
【0055】
(S14)では、中継端末1が、データ送信終了後、TXON1をディセーブルにして、SLEEP1をイネーブルにする。
【0056】
(S15)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにして、RXON1をイネーブルにする。
【0057】
(S16)では、中継端末1が、固定値で設定される有効化維持時間、RXON1をイネーブルにした後に、RXON1をディセーブルにし、SLEEP1をイネーブルにする。
【0058】
(S17)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにし、RXON1をイネーブルにする。
【0059】
(S18)では、中継端末1が、中継端末2からデータを受信する。
【0060】
(S19-1)、(S19-2)、(S19-3)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでRXON1をイネーブルにし、固定値で設定される有効化維持時間、RXON1をイネーブルで継続する。
【0061】
(S20-1)、(S20-2)では、中継端末1が、予め定められた間隔でCCA1を実行する。
【0062】
(S21)では、中継端末2が、SLEEP2を定常状態でイネーブルにする。
【0063】
(S22)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0064】
(S23)では、中継端末2が、中継端末1からデータを受信する。
【0065】
(S24)では、中継端末2が、固定値で設定される有効化維持時間、RXON2をイネーブルにした後に、RXON2をディセーブルにし、SLEEP2をイネーブルにする。
【0066】
(S25)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0067】
(S26)では、中継端末2が、固定値で設定される有効化維持時間、RXON2をイネーブルにした後に、RXON2をディセーブルにし、SLEEP2をイネーブルにする。
【0068】
(S27)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0069】
(S28)では、中継端末2が、データ送信のためRXON2をディセーブルにし、TXON2をイネーブルにする。
【0070】
(S29)では、中継端末2が、データ送信終了後、TXON2をディセーブルにして、RXON2をイネーブルにする。
【0071】
(S30-1)、(S30-2)、(S30-3)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでRXON2をイネーブルにし、固定値で設定される有効化維持時間、RXON2をイネーブルで継続する。
【0072】
(S31-1)、(S31-2)では、中継端末2が、予め定められた間隔でCCA2を実行する。
【0073】
次に、図4を参照して、第1の実施形態に係る無線通信端末1、つまり、中継端末1の作用を説明する。
【0074】
図4は、第1の実施形態に係る中継端末1の制御プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0075】
図4のステップS201では、中継端末1のCPU11が、CCAの出力タイミング(実行タイミング)か否かを判定する。CCAの出力タイミングであると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS202に移行し、CCAの出力タイミングではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS201で待機となる。
【0076】
ステップS202では、中継端末1のCPU11が、スリープモード(SLEEP)を無効化し、かつ、受信部16(RXON)を有効化する。
【0077】
ステップS203では、中継端末1のCPU11が、固定値で設定される有効化維持時間が経過したか否かを判定する。有効化維持時間が経過したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS204に移行し、有効化維持時間が経過していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS203で待機となる。
【0078】
ステップS204では、中継端末1のCPU11が、受信部16(RXON)を無効化し、かつ、スリープモード(SLEEP)を有効化する。
【0079】
ステップS205では、中継端末1のCPU11が、終了タイミングが到来したか否かを判定する。終了タイミングが到来していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS201に戻り処理を繰り返し、終了タイミングが到来したと判定した場合(肯定判定の場合)、本制御プログラムによる一連の処理を終了する。
【0080】
以上、本実施形態によれば、従来の構成(図8)に対して、RXON1、RXON2のイネーブルを維持する有効化維持時間を固定値に制御する構成を追加することで以下の効果が期待できる。
【0081】
つまり、従来の中継端末1、中継端末2は共に、いつ来るか分からない他ノードのデータを中継するためにSLEEP1、SLEEP2を常時ディセーブル、RXON1、RXON2を常時イネーブルにする必要がある。このため、電池を搭載した中継端末1、2では常に電流が流れるため、電池の持ち時間を長くすることが困難である。
【0082】
しかし、第1の実施形態に係る中継端末1、中継端末2は共に、一定間隔でCCAを実行してCCAの実行と同じタイミングでRXONをイネーブルにし、さらに、固定値で設定される有効化維持時間、RXONを継続してイネーブルにする。これにより、CCA実行の間にRXONをディセーブルにし、SLEEPをイネーブルにする時間をつくることが可能になり、電池の寿命を延ばすことが可能になる。
【0083】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、RXONに関する有効化維持時間を固定ではなく可変とする形態について説明する。
【0084】
本実施形態に係る無線通信端末1は、第1の実施形態で説明した無線通信端末1と同じ構成とし、相違点についてのみ説明する。
【0085】
制御部11は、有効化維持時間を予め定めた条件に基づいて可変にする制御を行う。ここでいう予め定めた条件としては、例えば、受信データのロス率、電池の持ち時間(つまり、電池の持続時間)、及び電波強度の少なくとも1つを含む。なお、これらの受信データのロス率、電池の持ち時間、及び電波強度は、制御部11によって計測可能とされる。
【0086】
具体的には、受信データのロス率が閾値以上である場合には、有効化維持時間を比較的長く制御し、受信データのロス率が閾値未満である場合には、有効化維持時間を比較的短く制御する。例えば、受信データのロス率が閾値以上である場合の有効化維持時間を第1時間とし、受信データのロス率が閾値未満である場合の有効化維持時間を第2時間とした場合、第1時間>第2時間、となる。
【0087】
また、電池の持ち時間が閾値以上である場合には、有効化維持時間を比較的長く制御し、電池の持ち時間が閾値未満である場合には、有効化維持時間を比較的短く制御する。例えば、電池の持ち時間が閾値以上である場合の有効化維持時間を第1時間とし、電池の持ち時間が閾値未満である場合の有効化維持時間を第2時間とした場合、第1時間>第2時間、となる。
【0088】
また、電波強度が閾値以上である場合には、有効化維持時間を比較的短く制御し、電波強度が閾値未満である場合には、有効化維持時間を比較的長く制御する。例えば、電波強度が閾値以上である場合の有効化維持時間を第1時間とし、電波強度が閾値未満である場合の有効化維持時間を第2時間とした場合、第1時間<第2時間、となる。
【0089】
本実施形態においては、上述の図8で説明した、常時SLEEP1をディセーブル、RXON1をイネーブルにする構成に対して、周期的なCCAの実行タイミングでRXON1をイネーブルにして、可変値で設定された有効化維持時間にわたりRXON1をイネーブルに維持する構成を追加する。可変値で設定された有効化維持時間にわたりRXON1をイネーブルにした後にSLEEP1をイネーブル、RXON1をディセーブルにすることで、電流の削減を可能にし、端末の消費電力の低減を可能とする。
【0090】
図5は、第2の実施形態に係るメッシュトポロジにおける2つの中継端末1、2のタイミングチャートの一例を示す図である。
【0091】
図5の(S41)では、中継端末1が、SLEEP1を定常状態でイネーブルにする。
【0092】
(S42)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにし、RXON1をイネーブルにする。
【0093】
(S43)では、中継端末1が、データ送信のためRXON1をディセーブルにし、TXON1をイネーブルにする。
【0094】
(S44-1)では、中継端末1が、可変値である最短時間のタイミングでRXON1をディセーブルにし、SLEEP1をイネーブルにする。
【0095】
(S44-2)では、中継端末1が、可変値である最長時間のタイミングでRXON1をディセーブルにし、SLEEP1をイネーブルにする。
【0096】
(S45)では、中継端末1が、データ送信終了後、TXON1をディセーブルにして、SLEEP1をイネーブルにする。
【0097】
(S46)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにして、RXON1をイネーブルにする。
【0098】
(S47-1)では、中継端末1が、可変値である最短時間のタイミングでRXON1をディセーブルにし、SLEEP1をイネーブルにする。
【0099】
(S47-2)では、中継端末1が、可変値である最長時間のタイミングでRXON1をディセーブルにし、SLEEP1をイネーブルにする。
【0100】
(S48)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにし、RXON1をイネーブルにする。
【0101】
(S49-1)では、中継端末1が、可変値である最短時間のタイミングでRXON1をディセーブルにし、SLEEP1をイネーブルにする。
【0102】
(S50)では、中継端末1が、中継端末2からデータを受信する。
【0103】
(S51-1)、(S51-3)、(S51-5)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでRXON1をイネーブルにし、可変値(最短時間)で設定される有効化維持時間、RXON1のイネーブルを継続する。
【0104】
(S51-2)、(S51-4)、(S51-6)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでRXON1をイネーブルにし、可変値(最長時間)で設定される有効化維持時間、RXON1のイネーブルを継続する。
【0105】
(S52-1)、(S52-2)では、中継端末1が、予め定められた間隔でCCA1を実行する。
【0106】
(S53)では、中継端末2が、SLEEP2を定常状態でイネーブルにする。
【0107】
(S54)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0108】
(S55)では、中継端末2が、中継端末1からデータを受信する。但し、RXON2がイネーブルになっている時間によって受信出来る場合と出来ない場合がある。
【0109】
(S56-1)では、中継端末2が、可変値である最短時間のタイミングでRXON2をディセーブルにし、SLEEP2をイネーブルにする。
【0110】
(S56-2)では、中継端末2が、可変値である最長時間のタイミングでRXON2をディセーブルにし、SLEEP2をイネーブルにする。
【0111】
(S57)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0112】
(S58-1)では、中継端末2が、可変値である最短時間のタイミングでRXON2をディセーブルにし、SLEEP2をイネーブルにする。
【0113】
(S58-2)では、中継端末2が、可変値である最長時間のタイミングでRXON2をディセーブルにし、SLEEP2をイネーブルにする。
【0114】
(S59)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0115】
(S60)では、中継端末2が、データ送信のためRXON2をディセーブルにし、TXON2をイネーブルにする。
【0116】
(S61)では、中継端末2が、データ送信終了後、TXON2をディセーブルにして、SLEEP2をイネーブルにする。
【0117】
(S62-1)、(S62-3)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでRXON2をイネーブルにし、可変値(最短時間)で設定される有効化維持時間、RXON2のイネーブルを継続する。
【0118】
(S62-2)、(S62-4)、(S62-5)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでRXON2をイネーブルにし、可変値(最長時間)で設定される有効化維持時間、RXON2のイネーブルを継続する。
【0119】
(S63-1)、(S63-2)では、中継端末2が、予め定められた間隔でCCA2を実行する。
【0120】
以上、本実施形態によれば、上記第1の実施形態のタイミングチャートでCCA1、CCA2を実行するタイミングでRXON1、RXON2をイネーブルにしてSLEEP1、SLEEP2をディセーブルにした後に、RXON1、RXON2のイネーブルを、固定値ではなく可変値で設定される有効化維持時間だけ継続することで以下の効果が期待できる。
【0121】
上記第1の実施形態と同様に、中継端末1、中継端末2は共に、いつ来るか分からない他ノードのデータを中継するためにSLEEP1、SLEEP2を常時ディセーブル、RXON1、RXON2を常時イネーブルにする必要がなくなる。更に、SLEEP1、SLEEP2をディセーブル、RXON1、RXON2をイネーブルにする有効化維持時間を、各中継端末の受信データのロス率、電池の持ち時間、及び電波強度の少なくとも1つに応じて可変値で変えることによって、最適な時間調整をすることが可能になる。
【0122】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、周期的に出力される所定の信号の出力間隔に応じて、有効化維持時間を制御する形態について説明する。
【0123】
本実施形態に係る無線通信端末1は、第1の実施形態で説明した無線通信端末1と同じ構成とし、相違点についてのみ説明する。
【0124】
制御部11は、周期的に出力される所定の信号の出力間隔(例えば、CCAの実行間隔)に応じて、有効化維持時間の制御を行う。
【0125】
具体的に、制御部11は、CCAの実行間隔が第1間隔である場合、有効化維持時間を第1時間に制御し、CCAの実行間隔が第1間隔よりも短い第2間隔である場合、有効化維持時間を第1時間よりも長い第2時間に制御する。
【0126】
図6は、第3の実施形態に係るメッシュトポロジにおける2つの中継端末1、2のタイミングチャートの一例を示す図である。本例では、CCAの実行間隔が最長のときについて示す。
【0127】
図6の(S71)では、中継端末1が、SLEEP1を定常状態でイネーブルにする。
【0128】
(S72)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにし、RXON1をイネーブルにする。
【0129】
(S73)では、中継端末1が、CCA1の実行間隔が最長であるときに設定される有効化維持時間である、RXON1イネーブル最短時間、RXON1をイネーブルにした後に、RXON1をディセーブルにし、SLEEP1をイネーブルにする。
【0130】
(S74)では、中継端末1が、データ送信のためSLEEP1をディセーブルにし、TXON1をイネーブルにする。
【0131】
(S75)では、中継端末1が、データ送信終了後、TXON1をディセーブルにして、SLEEP1をイネーブルにする。
【0132】
(S76)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにし、RXON1をイネーブルにする。
【0133】
(S77)では、中継端末1が、CCA1の実行間隔が最長であるときに設定される有効化維持時間である、RXON1イネーブル最短時間、RXON1をイネーブルにした後に、RXON1をディセーブルにし、SLEEP1をイネーブルにする。
【0134】
(S78-1)、(S78-2)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでRXON1をイネーブルにし、CCA1の実行間隔が最長であるときに設定される有効化維持時間である、RXON1イネーブル最短時間、RXON1をイネーブルにする。
【0135】
(S79)では、中継端末1が、CCA1を実行する最長時間の間隔でCCA1を実行する。
【0136】
(S80)では、中継端末2が、SLEEP2を定常状態でイネーブルにする。
【0137】
(S81)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0138】
(S82)では、中継端末2が、CCA2の実行間隔が最長であるときに設定される有効化維持時間である、RXON2イネーブル最短時間、RXON2をイネーブルにした後に、RXON2をディセーブルにし、SLEEP2をイネーブルにする。
【0139】
(S83)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0140】
(S84)では、中継端末2が、データ送信のためRXON2をディセーブルにし、TXON2をイネーブルにする。
【0141】
(S85)では、中継端末2が、データ送信終了後、TXON2をディセーブルにしてSLEEP2をイネーブルにする。
【0142】
(S86-1)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでRXON2をイネーブルにし、CCA2の実行間隔が最長であるときに設定される有効化維持時間である、RXON2イネーブル最短時間、RXON2をイネーブルにする。
【0143】
(S86-2)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでRXON2をイネーブルにし、CCA2の実行間隔が最長である時に設定される有効化維持時間である、RXON2イネーブル最短時間の途中で、データ送信のためTXON2をイネーブルにし、RXON2をディセーブルにする。
【0144】
(S87)では、中継端末2が、CCA2を実行する最長時間の間隔でCCA2を実行する。
【0145】
図7は、第3の実施形態に係るメッシュトポロジにおける2つの中継端末1、2のタイミングチャートの別の例を示す図である。本例では、CCAの実行間隔が最短のときについて示す。
【0146】
図7の(S88)では、中継端末1が、SLEEP1を定常状態でイネーブルにする。
【0147】
(S89)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにし、RXON1をイネーブルにする。
【0148】
(S90)では、中継端末1が、データ送信のためRXON1をディセーブルにし、TXON1をイネーブルにする。
【0149】
(S91)では、中継端末1が、データ送信終了後、TXON1をディセーブルにして、SLEEP1をイネーブルにする。
【0150】
(S92)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにして、RXON1をイネーブルにする。
【0151】
(S93)では、中継端末1が、CCA1の実行間隔が最短であるときに設定される有効化維持時間である、RXON1イネーブル最長時間、RXON1をイネーブルにした後に、RXON1をディセーブルにし、SLEEP1をイネーブルにする。
【0152】
(S94)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにして、RXON1をイネーブルにする。
【0153】
(S95)では、中継端末1が、CCA1の実行間隔が最短であるときに設定される有効化維持時間である、RXON1イネーブル最長時間、RXON1をイネーブルにした後に、RXON1をディセーブルにし、SLEEP1をイネーブルにする。
【0154】
(S96)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにして、RXON1をイネーブルにする。
【0155】
(S97)では、中継端末1が、中継端末2からデータを受信する。
【0156】
(S98)では、中継端末1が、CCA1の実行間隔が最短であるときに設定される有効化維持時間である、RXON1イネーブル最長時間、RXON1をイネーブルにした後に、RXON1をディセーブル、SLEEP1をイネーブルにする。
【0157】
(S99)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでSLEEP1をディセーブルにして、RXON1をイネーブルにする。
【0158】
(S100-1)、(S100-2)、(S100-3)、(S100-4)では、中継端末1が、CCA1を実行するタイミングでRXON1をイネーブルにし、CCA1の実行間隔が最短であるときに設定される有効化維持時間である、RXON1イネーブル最長時間、RXON1をイネーブルにする。
【0159】
(S101-1)、(S101-2)、(S101-3)、(S101-4)、(S101-5)では、中継端末1が、CCA1を実行する最短時間の間隔でCCA1を実行する。
【0160】
(S102)では、中継端末2が、SLEEP2を定常状態でイネーブルにする。
【0161】
(S103)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0162】
(S104)では、中継端末2が、CCA2の実行間隔が最短であるときに設定される有効化維持時間である、RXON2イネーブル最長時間、RXON2をイネーブルにした後に、RXON2をディセーブルにし、SLEEP2をイネーブルにする。
【0163】
(S105)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0164】
(S106)では、中継端末2が、CCA2の実行間隔が最短であるときに設定される有効化維持時間である、RXON2イネーブル最長時間、RXON2をイネーブルにした後に、RXON2をディセーブルにし、SLEEP2をイネーブルにする。
【0165】
(S107)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0166】
(S108)では、中継端末2が、CCA2の実行間隔が最短であるときに設定される有効化維持時間である、RXON2イネーブル最長時間、RXON2をイネーブルにした後に、RXON2をディセーブルにし、SLEEP2をイネーブルにする。
【0167】
(S109)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0168】
(S110)では、中継端末2が、CCA2の実行間隔が最短であるときに設定される有効化維持時間である、RXON2イネーブル最長時間、RXON2をイネーブルにした後に、RXON2をディセーブルにし、SLEEP2をイネーブルにする。
【0169】
(S111)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0170】
(S112)では、中継端末2が、データ送信のためRXON2をディセーブルにし、TXON2をイネーブルにする。
【0171】
(S113)では、中継端末2が、データ送信終了後、TXON2をディセーブルにして、SLEEP2をイネーブルにする。
【0172】
(S114)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでSLEEP2をディセーブルにし、RXON2をイネーブルにする。
【0173】
(S115-1)、(S115-2)、(S115-3)、(S115-4)、(S115-6)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでRXON2をイネーブルにし、CCA2の実行間隔が最短であるときに設定される有効化維持時間である、RXON2イネーブル最長時間、RXON2をイネーブルにする。
【0174】
(S115-5)では、中継端末2が、CCA2を実行するタイミングでRXON2をイネーブルにし、CCA2の実行間隔が最短であるときに設定される有効化維持時間である、RXON2イネーブル最長時間の途中で、データ送信のためTXON2をイネーブルにし、RXON2をディセーブルにする。
【0175】
(S116-1)、(S116-2)、(S116-3)、(S116-4)、(S116-5)では、中継端末2が、CCA2を実行する最短時間の間隔でCCA2を実行する。
【0176】
以上、本実施形態によれば、上述の図6で示したようにCCA1、CCA2の実行間隔が長い場合には、RXON1、RXON2をイネーブルにし、SLEEP1、SLEEP2をディセーブルにする有効化維持時間を短くすることで以下の効果が期待できる。
【0177】
上記第1、第2の実施形態の効果と同様に、中継端末1、中継端末2は共に、いつ来るか分からない他ノードのデータを中継するためにSLEEP1、SLEEP2を常時ディセーブル、RXON1、RXON2を常時イネーブルにする必要がなくなる。更に、SLEEP1、SLEEP2をディセーブル、RXON1、RXON2をイネーブルにする有効化維持時間を、CCA1の実行間隔、CCA2の実行間隔が長いときは比較的短くすることによって、各中継端末の受信データのロス率を低減しつつ、各中継端末の電池の持ち時間を長くすることが可能である。
【0178】
また、上述の図7で示したようにCCA1、CCA2の実行間隔が短い場合には、RXON1、RXON2をイネーブルにし、SLEEP1、SLEEP2をディセーブルにする有効化維持時間を長くすることで以下の効果が期待できる。
【0179】
上記第1、第2の実施形態の効果と同様に、中継端末1、中継端末2は共に、いつ来るか分からない他ノードのデータを中継するためにSLEEP1、SLEEP2を常時ディセーブル、RXON1、RXON2を常時イネーブルにする必要がなくなる。更に、SLEEP1、SLEEP2をディセーブル、RXON1、RXON2をイネーブルにする有効化維持時間を、CCA1の実行間隔、CCA2の実行間隔が短いときは比較的長くすることによって、各中継端末の受信データのロス率を低減しつつ、各中継端末の電池の持ち時間を長くすることが可能である。
【0180】
なお、中継端末1、中継端末2がCCA1、CCA2の実行間隔を可変にすることは、例えば、RFC6206(The Trickle Algorithm)に従っている。RFC6206(The Trickle Algorithm)によると、ネットワークを構成する端末がデータ送信する間隔は以下の式(1)で表される。
【0181】
I=Imin×2Icount (1)
【0182】
Iは各端末のデータ送信間隔時間を示し、Iminは各端末のデータ送信間隔時間の最小値(固定値)を示し、Icountは2を底とした各端末のデータ送信間隔時間を定義する指数変数である。
【0183】
Icountは最大Imaxまでインクリメント可能である。Icountはネットワークが初期化されたとき、またはネットワークに新しい端末が追加されたときなどのイベントが発生した場合は初期化され、Icount=0となる。このとき、I=Iminとなり、各端末のデータ送信間隔時間は最小値になる。
【0184】
時間経過に伴い、Icountは、インクリメントされてImaxと等しくなった場合、それ以上インクリメントされず固定値となる。
【0185】
各端末のデータ送信間隔時間は、以下の式(2)で示されるように、以下の範囲で設定される。
【0186】
Imin ≦ I ≦ Imin×2Imax (2)
【0187】
I=Imin×2Imax、のときのように、各端末のデータ送信間隔時間が長い場合は、上述の図6で示されるように、CCA1、CCA2の実行間隔を比較的長くすることが出来る。また、I=Imin、のときのように、各端末のデータ送信間隔時間が短い場合は、上述の図7で示されるように、CCA1、CCA2の実行間隔を短くする。
【0188】
以上の説明から、本実施形態によれば、RFC6206(The Trickle Algorithm)に従って動作するネットワークで各中継端末の電流削減の効果が大きくなることが期待される。
【0189】
上記各実施形態は、メッシュトポロジにおける2つ以上の端末で構成される無線ネットワークシステム全てに適用可能である。
【0190】
なお、上記各実施形態で説明した無線通信端末、無線通信システム、及び無線通信方法の構成は一例であり、実施形態の主旨を逸脱しない範囲内においてその構成を変更してもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0191】
1~4 無線通信端末(中継端末)
11、21 制御部
12、22 CPU
13、23 ROM
14、24 RAM
15、25 送信部
16、26 受信部
17、27 バス
100 無線通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8