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特開2024-50274制御装置、制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050274
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240403BHJP
   B60W 30/08 20120101ALI20240403BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20240403BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W30/08
B60W50/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157038
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】藤村 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敦
(72)【発明者】
【氏名】三枝 重信
(72)【発明者】
【氏名】藤元 岳洋
(72)【発明者】
【氏名】吉村 美砂子
(72)【発明者】
【氏名】土屋 成光
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA31
3D241BA60
3D241BB27
3D241BB33
3D241BB34
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CD07
3D241CD09
3D241CE04
3D241CE05
3D241DA12Z
3D241DA39Z
3D241DA52Z
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB12Z
3D241DC31Z
5H181AA01
5H181AA03
5H181AA05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF07
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF32
5H181FF35
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】運転者の意図を反映した情報の提供を行うこと。
【解決手段】制御装置は、移動体の前方に存在するリスク物体への接近度合を示す指標値が第1閾値未満の場合に第1処理を行い、前記指標値が前記第1閾値以上、且つ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満の場合に前記第1処理とは異なる第2処理を行い、前記指標値が前記第2閾値以上の場合に、前記第1処理および前記第2処理とは異なる第3処理を行う制御装置であって、前記第3処理は、前記リスク物体を回避するための運転操作を運転者に提案する第4処理を含み、前記運転者が前記移動体を加速させるための加速操作を指示する操作子の操作を軽減または解除するための行動を行った場合、前記第4処理を行わない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の前方に存在するリスク物体への接近度合を示す指標値が第1閾値未満の場合に第1処理を行い、
前記指標値が前記第1閾値以上、且つ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満の場合に前記第1処理とは異なる第2処理を行い、
前記指標値が前記第2閾値以上の場合に、前記第1処理および前記第2処理とは異なる第3処理を行う制御装置であって、
前記第3処理は、前記リスク物体を回避するための運転操作を運転者に提案する第4処理を含み、
前記運転者が前記移動体を加速させるための加速操作を指示する操作子の操作を軽減または解除するための行動を行った場合、前記第4処理を行わない制御装置。
【請求項2】
前記指標値が前記第2閾値よりも大きい第3閾値に到達する前に前記運転者が前記行動を行った場合、前記第4処理を実行せず、
前記指標値が前記第3閾値に到達する前に前記運転者が前記行動、前記移動体を減速させる行動、または前記移動体の操舵を操作する操作子を操作して前記移動体に前記リスク物体を回避させるための行動を行わなかった場合、前記指標値が前記第3閾値に到達したときに前記第4処理を実行する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第4処理を実行した後に、前記運転者が前記行動を行った場合であっても、前記提案を前記指標値が前記第2閾値に到達するまで継続する、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記操作子は、アクセルペダルであって、
前記アクセルペダルの操作量が所定度合以上小さくなった、または前記アクセルペダルに対する操作がされなくなった場合、前記第4処理を実行しない、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第4処理は、下記のうち一以上処理である、
(1)運転者が視認可能な表示部に減速または前記移動体を回避するための移動方向を示す情報を表示させること、
(2)音声で運転者に運転操作を提案する通知を行うこと、
(3)前記移動体を回避する方向に前記移動体の操舵を操作する操作子を動かすこと、
(4)前記操舵を操作する操作子または前記運転者のシートベルトを振動させること、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記指標値が前記第2閾値よりも大きい第3閾値に到達する前に、前記運転者が前記リスク物体を認識していないと推定される場合、情報提供装置を制御して前記リスク物体が存在することを示す情報を前記運転者に通知し、
前記指標値が前記第2閾値よりも大きい第3閾値に到達する前に、前記運転者が前記リスク物体を認識していると推定され、且つ前記運転者が前記行動、前記移動体を減速させる行動、および前記運転者が前記移動体の操舵を操作する操作子を操作して前記移動体に前記リスク物体を回避させるための行動を行わなかった場合、前記第4処理を実行する、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第4処理を実行した後、且つ前記指標値が前記第2閾値に到達した場合、前記第4処理に代えて前記第2処理を実行し、
前記第2処理は、前記運転者に前記移動体が前記リスク物体に接近していることに関する警報を行う処理と、前記移動体を自動で減速させる処理とのうち一方または双方である、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第2処理を実行した後、且つ前記指標値が前記第1閾値に到達した場合、前記第2処理に代えて前記第1処理を実行し、
前記第1処理は、前記第2処理の減速時の減速度よりも大きい減速度で前記移動体を減速させる処理と、前記移動体の操舵を自動で制御して前記移動体を前記リスク物体の側方へ移動させる処理とのうち一方または双方である、
請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
コンピュータが、
移動体の前方に存在するリスク物体への接近度合を示す指標値が第1閾値未満の場合に第1処理と、
前記指標値が前記第1閾値以上、且つ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満の場合に前記第1処理とは異なる第2処理と、
前記指標値が前記第2閾値以上の場合に、前記第1処理および前記第2処理とは異なる第3処理と、を実行し、
前記第3処理は、前記リスク物体を回避するための運転操作を運転者に提案する第4処理を含み、
前記運転者が前記移動体を加速させるための加速操作を指示する操作子の操作を軽減または解除するための行動を行った場合、前記第4処理を実行しない、
制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
移動体の前方に存在するリスク物体への接近度合を示す指標値が第1閾値未満の場合に第1処理と、
前記指標値が前記第1閾値以上、且つ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満の場合に前記第1処理とは異なる第2処理と、
前記指標値が前記第2閾値以上の場合に、前記第1処理および前記第2処理とは異なる第3処理と、を実行させ、
前記第3処理は、前記リスク物体を回避するための運転操作を運転者に提案する第4処理を含み、
前記運転者が前記移動体を加速させるための加速操作を指示する操作子の操作を軽減または解除するための行動を行った場合、前記第4処理を実行させない、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各障害物の位置から求めた、ドライバが取るべき運転行動と、ドライバの過去の運転行動から生成された運転行動モデルにより予測されたドライバの運転行動との比較結果に基づき、通知の要否を判断し、通知が要であると判断した場合に、ドライバが行うべき行動を示す情報をドライバに通知する安全運転行動通知システムが開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-22229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術では、運転者の意図を十分に加味した情報の提供を行えない場合があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、運転者の意図を反映した情報の提供を行うことができる制御装置、制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る制御装置、制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る制御装置は、移動体の前方に存在するリスク物体への接近度合を示す指標値が第1閾値未満の場合に第1処理を行い、前記指標値が前記第1閾値以上、且つ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満の場合に前記第1処理とは異なる第2処理を行い、前記指標値が前記第2閾値以上の場合に、前記第1処理および前記第2処理とは異なる第3処理を行う制御装置であって、前記第3処理は、前記リスク物体を回避するための運転操作を運転者に提案する第4処理を含み、前記運転者が前記移動体を加速させるための加速操作を指示する操作子の操作を軽減または解除するための行動を行った場合、前記第4処理を行わない制御装置である。
【0006】
(2):上記(1)の態様において、前記指標値が前記第2閾値よりも大きい第3閾値に到達する前に前記運転者が前記行動を行った場合、前記第4処理を実行せず、前記指標値が前記第3閾値に到達する前に前記運転者が前記行動、前記移動体を減速させる行動、または前記移動体の操舵を操作する操作子を操作して前記移動体に前記リスク物体を回避させるための行動を行わなかった場合、前記指標値が前記第3閾値に到達したときに前記第4処理を実行する。
【0007】
(3):上記(2)の態様において、前記第4処理を実行した後に、前記運転者が前記行動を行った場合であっても、前記提案を前記指標値が前記第2閾値に到達するまで継続する。
【0008】
(4):上記(1)から(3)のいずれかの態様において、前記操作子は、アクセルペダルであって、前記アクセルペダルの操作量が所定度合以上小さくなった、または前記アクセルペダルに対する操作がされなくなった場合、前記第4処理を実行しない。
【0009】
(5):上記(1)から(3)のいずれかの態様において、前記第4処理は、下記のうち一以上処理である。(1)運転者が視認可能な表示部に減速または前記移動体を回避するための移動方向を示す情報を表示させること、(2)音声で運転者に運転操作を提案する通知を行うこと、(3)前記移動体を回避する方向に前記移動体の操舵を操作する操作子を動かすこと、(4)前記操舵を操作する操作子または前記運転者のシートベルトを振動させることである。
【0010】
(6):上記(1)から(3)のいずれかの態様において、前記指標値が前記第2閾値よりも大きい第3閾値に到達する前に、前記運転者が前記リスク物体を認識していないと推定される場合、情報提供装置を制御して前記リスク物体が存在することを示す情報を前記運転者に通知し、前記指標値が前記第2閾値よりも大きい第3閾値に到達する前に、前記運転者が前記リスク物体を認識していると推定され、且つ前記運転者が前記行動、前記移動体を減速させる行動、および前記運転者が前記移動体の操舵を操作する操作子を操作して前記移動体に前記リスク物体を回避させるための行動を行わなかった場合、前記第4処理を実行する。
【0011】
(7):上記(1)から(3)のいずれかの態様において、前記第4処理を実行した後、且つ前記指標値が前記第2閾値に到達した場合、前記第4処理に代えて前記第2処理を実行し、前記第2処理は、前記運転者に前記移動体が前記リスク物体に接近していることに関する警報を行う処理と、前記移動体を自動で減速させる処理とのうち一方または双方である。
【0012】
(8):上記(8)の態様において、前記第2処理を実行した後、且つ前記指標値が前記第1閾値に到達した場合、前記第2処理に代えて前記第1処理を実行し、前記第1処理は、前記第2処理の減速時の減速度よりも大きい減速度で前記移動体を減速させる処理と、前記移動体の操舵を自動で制御して前記移動体を前記リスク物体の側方へ移動させる処理とのうち一方または双方である。
【0013】
(9):この発明の一態様に係る制御方法は、コンピュータが、移動体の前方に存在するリスク物体への接近度合を示す指標値が第1閾値未満の場合に第1処理と、前記指標値が前記第1閾値以上、且つ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満の場合に前記第1処理とは異なる第2処理と、前記指標値が前記第2閾値以上の場合に、前記第1処理および前記第2処理とは異なる第3処理と、を実行し、前記第3処理は、前記リスク物体を回避するための運転操作を運転者に提案する第4処理を含み、前記運転者が前記移動体を加速させるための加速操作を指示する操作子の操作を軽減または解除するための行動を行った場合、前記第4処理を実行しない制御方法である。
【0014】
(10):この発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、移動体の前方に存在するリスク物体への接近度合を示す指標値が第1閾値未満の場合に第1処理と、前記指標値が前記第1閾値以上、且つ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満の場合に前記第1処理とは異なる第2処理と、前記指標値が前記第2閾値以上の場合に、前記第1処理および前記第2処理とは異なる第3処理と、を実行させ、前記第3処理は、前記リスク物体を回避するための運転操作を運転者に提案する第4処理を含み、前記運転者が前記移動体を加速させるための加速操作を指示する操作子の操作を軽減または解除するための行動を行った場合、前記第4処理を実行させないプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
(1)~(10)の態様によれば、制御装置は、指標値が第2閾値以上の場合であっても、運転者が移動体を加速させるための加速操作を指示する操作子の操作を軽減または解除するための行動を行った場合、リスク物体を回避するための運転操作を運転者に提案することを行わないため、運転者の意図を反映した情報の提供を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態の運転支援装置100が搭載される車両Mの構成図である。
図2】リスク物体が存在する場合の報知のタイミングについて説明するための図である。
図3】リスク表示の一例を示す図である。
図4】見落とし報知の一例を示す図である。
図5】行動提案報知の一例を示す図である。
図6】事象と運転者の行動とHMIにおいて提供される情報との関係の一例を示す図である。
図7】事象と運転者の行動とHMIにおいて提供される情報との関係の他の一例を示す図である。
図8】報知制御部120により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】制動制御について説明するための図である。
図10】報知の態様の他の一例を示す図である。
図11】第2実施形態の運転支援装置100Aの機能構成の一例を示す図である。
図12】運転支援装置100Aにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】観測点が特定領域に含まれない場面の一例を示す図である。
図14】観測点が特定領域に含まれる場面の一例を示す図である。
図15】観測点が特定領域に含まれる場面の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の制御装置、制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下、移動体は車両であるものとして説明するが、移動体は車両以外の物体であってもよい。
【0018】
<第1実施形態>
[全体構成]
図1は、実施形態の運転支援装置100が搭載される車両Mの構成図である。車両Mは、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
【0019】
車両Mには、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、LIDAR(Light Detection and Ranging)14と、物体認識装置16と、HMI(Human Machine Interface)30と、車両センサ40と、車室内カメラ52と、運転操作子80と、運転支援装置100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とが搭載される。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
【0020】
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両システム1が搭載される車両(以下、車両M)の任意の箇所に取り付けられる。カメラ10は、例えば、前方を撮像するカメラ、左方向且つ前方側を撮像するカメラ、右方向且つ前方側を撮像するカメラ、左方向且つ後方側を撮像するカメラ、および右方向且つ後方側を撮像するカメラを含む。例えば、前方を撮像するカメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。例えば、左方向且つ前方側を撮像するカメラは左側のAピラーやAピラー付近、左側のサイドミラー付近等、右方向且つ前方側を撮像するカメラは右側のAピラーやAピラー付近、左側のサイドミラー付近等、左方向且つ後方側を撮像するカメラは左側のCピラーやCピラー付近等、右方向且つ後方側を撮像するカメラは右側のCピラーや、Cピラー付近等に取り付けられている。これらのカメラの取り付け位置は、カメラが対象とする撮像領域を撮像できる位置であればよい。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
【0021】
レーダ装置12は、車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、車両Mの任意の箇所に取り付けられる。レーダ装置12は、FM-CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。レーダ装置12は、例えば、カメラが取り付けられる位置付近に取り付けられていてもよい。例えば、カメラ10とレーダ装置12と対となって取り付けられていてもよい。
【0022】
LIDAR14は、車両Mの周辺に光(或いは光に近い波長の電磁波)を照射し、散乱光を測定する。LIDAR14は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。LIDAR14は、車両Mの任意の箇所に取り付けられる。
【0023】
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を運転支援装置100に出力する。物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14の検出結果をそのまま運転支援装置100に出力してよい。車両システム1から物体認識装置16が省略されてもよい。カメラ10、レーダ装置12、LIDAR14、および物体認識装置16のうち一部または全部は、「検知デバイス」の一例である。
【0024】
HMI30は、車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、振動発生装置(バイブレータ)、タッチパネル、スイッチ、キーなどを含む。振動発生装置は、例えば、運転支援装置100の制御に基づいて運転席のシートベルトを振動させたり、ステアリングホイールを振動させたりする。HMIは、「情報提供装置」の一例である。
【0025】
車両センサ40は、車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
【0026】
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や案内制御部、地図情報を記憶した記憶部等を有する。GNSS受信機は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両Mの位置を特定する。車両Mの位置は、車両センサ40の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。案内制御部は、例えば、GNSS受信機により特定された車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、乗員により入力された目的地までの経路を、地図情報を参照して決定し、車両Mが経路に沿って走行するようにHMI30に案内情報を出力させる。地図情報は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。地図情報は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。ナビゲーション装置50は、通信装置を介してナビゲーションサーバに車両Mの現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから経路を取得してもよい。
【0027】
車室内カメラ52は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。車室内カメラ52は、車両Mの乗員(例えば運転席に着座した運転者を撮像可能な位置に取り付けられる。車室内カメラ52は、例えば、所定の周期的で撮像対象の領域を撮像する。
【0028】
運転操作子80は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、ステアリングホイール、シフトレバー、その他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一部または全部に出力される。
【0029】
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)とを備える。ECUは、運転支援装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
【0030】
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ECUとを備える。ECUは、運転支援装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、運転支援装置100から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
【0031】
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、運転支援装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。例えば、ステアリング装置220またはステアリングホイールは、運転者に情報を通知または報知する「情報提供装置」として機能する場合がある。例えば、ステアリングホイールを回転させたり、所定角度回転させた位置に一時的に固定したりして、後述するリスク物体の回避を利用者に提案する場合、ステアリング装置またはステアリングホイールは「情報提供装置」として機能する。
【0032】
[運転支援装置]
運転支援装置100は、例えば、認識部110と、報知制御部120と、第1制御部140と、第2制御部150とを備える。報知制御部120は、例えば、リスク判定部122、視線判定部124、物体認識判定部126、行動判定部128、および情報提供部130を含む。これらの機能部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0033】
運転支援装置100から走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220への指示は、運転操作子80からの検出結果よりも優先して実行されるように、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220の内部において設定がなされている。なお、制動に関しては、運転支援装置100からの指示よりもブレーキペダルの操作量に基づく制動力の方が大きい場合は、後者を優先して実行するように設定されてもよい。また、運転支援装置100からの指示を優先して実行するための仕組みとして、車内LANにおける通信優先度が用いられてもよい。
【0034】
[リスク物体が存在する場合の処理]
運転支援装置100は、車両Mの前方にリスク物体が存在する場合、リスク物体への車両Mの接近度合を示す指標値と、閾値とに基づいて、各種処理を実行する。
【0035】
「接近度合い」とは、物体間の接近度合いを示す各種の指標値で表されるものである。例えば、「接近度合い」は距離を相対速度(互いに接近する方向を正とする)で除算して求められる指標値であるTTC(Time To Collision)である。なお相対速度が負(互いに離れる方向)である場合、TTCは仮に無限大に設定される。TTCは、値が小さい程、「接近度合い」が高いことを表す指標値である。そして、「第1条件」を満たすとは、例えばTTCが第1閾値Th1未満であることである。第1閾値Th1は、例えば、1コンマ数[sec]程度の値である。TTCに代えて、同様の性質を有する指標値、例えば車頭時間(THW)や距離、その他の指標値が「接近度合い」として用いられてもよい。また、加速度やジャークを加味して調整されたTTCが「接近度合い」として用いられてもよい。以下の説明において、「接近度合い」はTTCであるものとして説明する。
【0036】
リスク物体とは、例えば、車両Mが回避すべき物体である。リスク物体は、例えば、車両Mが、現状の状態で移動すると干渉する物体や、干渉する可能性が存在する物体である。干渉する可能性がある物体とは、例えば、物体の位置、移動方向、および移動速度と、車両Mの位置、移動方法、および移動速度とを加味した場合に、所定時間後に接近度合いが所定度合以上となる物体である。物体は、歩行者や自転車、車両などの交通参加者であってもよいし、道路に置かれた物体や落下物などの交通参加者以外の物体であってもよい。
【0037】
認識部110は、物体認識装置16により入力された情報に基づいて、車両Mの周辺のリスク物体を認識する。認識するとは、例えば、上記のように分類されるリスク物体が存在することと、そのリスク物体の車両Mに対する相対位置とを認識することを意味する。
【0038】
リスク判定部122は、例えば、リスク物体の位置に基づいて、リスクが存在する方向を判定する。例えば、リスク判定部122は、車両Mの正面にリスク物体が存在する場合、正面方向にリスクが存在すると判定する。
【0039】
視線判定部124は、例えば、車室内カメラ52が撮像した画像を解析し、解析結果に基づいて運転者の視線の方向を判定する。
【0040】
物体認識判定部126は、運転者がリスク物体を視認したか否かを判定する。例えば、画像内における運転者の視線方向と車両Mに対する物体の位置との相関関係を示す情報が予め運転支援装置100の記憶装置に記憶されている。視線判定部124は、相関関係を示す情報を参照して、特定した画像内における視線方向がリスク物体の位置方向に合致するか否かを判定し、合致する場合、運転者はリスク物体を視認し、合致しない場合、運転者はリスク物体を視認していないと判定する。上記の処理に代えて、所定のアルゴリズムを用いて運転者がリスク物体を視認したか否かが判定されてもよい。
【0041】
行動判定部128は、運転者の行動を判定する。行動とは、例えば、アクセルペダルの操作の状態や、ステアリングホイールの操作の状態、ブレーキペダルに対する操作の状態などである。行動判定部128は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、およびステアリングホイールの操作量あるいは操作の有無を検出するセンサの検出結果に基づいて、運転者の行動を判定する。
【0042】
情報提供部130は、物体認識判定部126または行動判定部128の判定結果に基づいて、運転者に判定結果に応じた情報を提供する。これらの詳細については後述する。
【0043】
[報知のタイミング]
図2は、リスク物体が存在する場合の報知のタイミングについて説明するための図である。情報提供部130は、リスク物体が存在する場合、リスク物体が存在する方向を示すリスク表示を表示部に表示させる。図3は、リスク表示の一例を示す図である。例えば、図3に示すように車両Mに対するリスク物体が存在する方向(図中、D1)が認識可能なコンテンツが表示される。情報提供部130は、例えば、TTCが第2閾値Th2に到達するまでリスク表示を運転者に提供する。第2閾値Th2は、例えば、3[sec]程度または3[sec]前後程度の値である。リスク表示、後述する見落とし報知、後述する行動提案報知は、「第3処理」の一例である。
【0044】
情報提供部130は、TTCが第3閾値Th3に到達するまでに、運転者がリスク物体を視認していない場合、見落とし報知を行う。見落とし報知とは、視認すべきリスク物体を運転者が視認していないことを知らせる報知である。図4は、見落とし報知の一例を示す図である。例えば、図4に示すように車両Mに対するリスク物体が存在する方向(図中、D2)が認識可能なコンテンツが表示される。例えば、リスク物体が存在する方向が、図3に示す態様よりも、より強調した態様で通知される。強調した態様とは、例えば、色による強調や、アイコンなどを点滅や点灯させることによる強調など運転者がよりリスク物体が存在する方向をより視認するような態様であればよい。情報提供部130は、例えば、TTCが第3閾値Th3に到達したときからTTCが第2閾値Th2に到達するまで見落とし報知を運転者に提供する。例えば、TTCが第3閾値Th3と第2閾値Th2との間でリスク物体が視認されても見落とし報知が継続される。第3閾値Th3は、例えば、4[sec]程度または4[sec]前後程度の値である。
【0045】
情報提供部130は、TTCが第3閾値Th3に到達するまでに、運転者がリスク物体を視認し、且つ運転者が所定の行動を行っていない場合、行動提案報知(第4処理)を行う。行動提案報知とは、リスク物体を回避するための行動を行うことを運転者に提案する報知である。情報提供部130は、例えば、TTCが第3閾値Th3に到達したときからTTCが第2閾値Th2に到達するまで行動提案報知を運転者に提供する。例えば、TTCが第3閾値Th3と第2閾値Th2との間で行動提案報知に応じた行動が行われても行動提案報知が継続される。
【0046】
所定の行動とは、例えば、減速や旋回に対応する行動である。所定の行動とは、例えば、ブレーキペダルが操作されたことや、リスク物体を回避する方向にステアリングホイール(操作子)が操作されたことである。所定の行動は、アクセルペダルに対する操作量が所定時間前の操作量に比較して所定度合以上小さくなったことや、アクセルペダルに対する操作が解除されたことである。解除とは、運転者がアクセルペダルに対する操作を行うことを停止して操作量がゼロまたはゼロ近くになったことである。
【0047】
図5は、行動提案報知の一例を示す図である。例えば、図5に示すように、図3(或いは図4)と同様に車両Mに対するリスク物体が存在する方向(図中、D3)が認識可能なコンテンツが表示される。図5に示すように車両Mがリスク物体を回避するために進行すべき方向(図中、D4)が運転者に認識可能なようなコンテンツが表示される。更に、行動提案報知として運転者が行うべき行動を示す情報がコンテンツに含まれる。図5では、ブレーキペダルを操作して減速することを促すアイコン(図中、A1)が表示される。
【0048】
行動提案報知は、表示に代えて、音声による報知や、ステアリングホイールを進行すべき方向に自動で操舵させて運転者に進行方向を認識させることによる報知(ステアリングホイールを進行方向に応じた方向に所定角度回転させた位置に固定することによる報知や所定角度回転させたり元の位置に戻したりすることによる報知)、運転者のシートベルトのプリテンショナー機構が制御されてシートベルトの拘束力が強められることによる報知、シートベルトを振動させることによる報知であってもよい。情報提供部130は、例えば、TTCが第3閾値Th3に到達したときからTTCが第2閾値Th2に到達するまで行動提案報知を運転者に提供する。
【0049】
ここで、アクセルペダルに対する操作量が所定時間前の操作量に比較して所定度合以上小さくなったこと、またはアクセルペダルに対する操作が解除されたことは、所定の行動である。運転者は、減速や操舵の制御を行うための行動を行っていないが、運転者がリスク物体を認識しており、且つリスク物体を回避する場合、運転者はアクセルペダルに対する操作量を減少させたり、アクセルペダルに対する操作を停止したりした後に、回避のための行動を行う傾向にある。このような傾向は、種々の実験やシミュレーションなどの結果を解析して見出された。このように、情報提供部130は、所定の行動が行われたか否かに基づいて、行動提案報知を行うか否かを決定することで、より運転者の意図を反映した情報の提供を実現することができる。
【0050】
なお、上記の例において、見落とし報知がされているときに、運転者がリスク物体を視認した場合、TTCが第2閾値Th2に到達する前であっても、見落とし報知は停止されてもよい。上記の例において、行動提案報知がされているときに、運転者が提案に応じた行動または所定の行動を行った場合、TTCが第2閾値Th2に到達する前であっても、行動提案報知は停止されてもよい。
【0051】
また、上記の例において、TTCが第3閾値Th3から第2閾値Th2の間でリスク物体が存在する事象が生じた場合(例えば歩行者が飛び出してきた場合)、その際の運転者の行動に基づいて、情報提供部130は、リスク表示と共に報知を行う。例えば、運転者がリスク物体を視認していない場合、情報提供部130は、見落とし報知を行い、運転者がリスク物体を視認し、且つ所定の行動を行っていない場合、行動提案報知を行う。
【0052】
[具体例1]
図6は、事象と運転者の行動とHMIにおいて提供される情報との関係の一例を示す図である。車両Mが道路を直進しているものとする。このとき車両Mの左側に自転車が走行している。時刻Tにおいて、車両Mの運転者が自転車を視認し、運転者は自転車を認識しながら車両Mを直進させている。この場合、情報提供部130は、車両Mに対する自転車の方向を示すリスク表示を表示部に表示させる。その後、時刻T+1において、車両Mの右側から道路を横断しようとしている歩行者が出現したものとする。このとき、運転者が歩行者を視認していない場合、情報提供部130は、歩行者の見落とし報知を表示部に表示させる。
【0053】
上記のように、情報提供部130が、運転者の周辺の認識度合に基づいて適切な情報を運転者に通知を行う。これにより、運転者は、余裕を持ってリスク物体から車両Mを回避させるように車両Mを制御することができる。
【0054】
[具体例2]
図7は、事象と運転者の行動とHMIにおいて提供される情報との関係の他の一例を示す図である。図6との相違点を中心に説明する。時刻T+1において、車両Mの右側から道路を横断しようとしている歩行者が出現したものとする。このとき、運転者が歩行者を視認し、且つ所定の行動を行っていない場合、情報提供部130は行動提案報知を行う。
【0055】
上記のように、情報提供部130が、運転者の周辺の認識度合と運転者の行動とに基づいて適切な情報を運転者に通知を行う。これにより、運転者は、余裕を持ってリスク物体から車両Mを回避させるように車両Mを制御することができる。
【0056】
[フローチャート]
図8は、報知制御部120により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。本処理では、車両Mから所定距離先にリスク物体が存在するものとする。まず、報知制御部120は、運転者がリスク物体を見落としているか否かを判定する(ステップS10)。運転者がリスク物体を見落としている場合(視認していない場合)、報知制御部120は、見落とし報知を行う(ステップS12)。
【0057】
運転者がリスク物体を見落としていない場合(視認している場合)、報知制御部120は、運転者が所定の行動を行っているか否かを判定する(ステップS14)。所定の行動を行っている場合、本処理の1ルーチンの処理が終了する。この場合、例えば、車両Mに対するリスク物体の位置の方向を示すリスク表示が表示部に表示される。
【0058】
所定の行動を行っていない場合、報知制御部120は、行動提案報知を行う(ステップS16)。これにより本処理の1ルーチンの処理が終了する。
【0059】
上記のように、報知制御部120は、運転者の周辺の認識度合と運転者の行動とに基づいて適切な情報を通知することができる。例えば、報知制御部120は、運転者が所定の行動を行っている場合は、行動提案報知を行わないため、運転者にとっての煩わしさが軽減される。特に、運転者のアクセルペダルに対する操作量が減少したり、運転者がアクセルペダルに対する操作を停止したりした場合に、運転者は、リスク物体を回避するための行動を行っていると推定されるため、報知制御部120は、運転者に対する報知を抑制する。この結果、報知制御部120は、運転者の意図を反映した情報の提供を行うことができる。
【0060】
上記の例では、見落とし報知または行動提案報知が表示されるものとして説明したが、見落とし報知と共に行動提案報知が同時に行われてもよい。例えば、見落とし報知において減速を行うことを示す情報の通知や、運転者がリスク物体の回避方向を認識できるようにステアリングホイールを自動で回転させたり、振動させたりしてもよい。
【0061】
また、見落とし報知と行動提案報知とのうち一方または双方は省略されてもよい。例えば、運転者がリスク物体を見落としている場合に見落とし報知が行われなくてもよい。運転者がリスク物体を見落としている場合においても、行動提案報知がされてもよい。
【0062】
[制動制御]
以下、TTCが第2閾値Th2未満になった場合、およびTTCが第1閾値Th1未満になった場合の処理について、図9を参照して説明する。図9は、制動制御について説明するための図である。
【0063】
第1制御部140は、リスク物体と車両Mとの接近度合いが所定の条件を満たす場合に(例えば、TTCが、第2閾値Th2未満である場合に)、車両Mの運転者にリスク物体の存在を伝えるための第1動作を行う。第1動作は、例えば、TTCが、第2閾値Th2未満となってから、第1閾値Th1未満となるまでの間、車両Mを第2減速度B2で減速させる制動力を出力するようにブレーキ装置210および/または走行駆動力出力装置200に指示する動作である。第2減速度B2は、第1減速度B1よりも小さい(ゼロに近い)減速度である。第2閾値Th2は第1閾値Th1よりも大きい値である。第1動作は、いわゆるCDC制御である。この際、前方のリスク物体に接近することを示す警報(FCW)が出力されてもよい。また、警報(FCW)が所定時間行われた後に制動力による減速が行われてよい。
【0064】
第2制御部150は、TTCが第1閾値Th1未満である場合、第2動作を行う。第2動作は、車両Mがリスク物体と接触しないように車両Mを制御する動作(追突軽減ブレーキ;CMBS)である。第2制御部150は、例えば車両Mを第1減速度B1で減速させる制動力を出力するようにブレーキ装置210および/または走行駆動力出力装置200に指示する。第1減速度B1は、例えば、0コンマ数[G](1に近い)程度の減速度である。これによって、第2制御部150は、車両Mを速やかに減速させて停止させ、リスク物体との接触を回避する。指示された減速度からブレーキ出力、回生制御量、エンジンブレーキ量などを求める機能は、ブレーキ装置210や走行駆動力出力装置200のECUが有しており、ECUは、指示された減速度と車両Mの速度とに基づいてそれぞれの制御量を決定する。これについては公知技術であり詳細な説明を省略する。
【0065】
なお、第2制御部150は、例えば、リスク物体の少し前から後方にかけて延在する側方領域内に物体が存在するか否かを判定し、存在しない場合に、リスク物体の側方の走路に車両Mを進行させてリスク物体から車両Mを回避させてもよい。例えば、第2制御部150は、制動力によってリスク物体の回避が困難である場合、側方の走路に車両を進行させてもよい。
【0066】
また、上記の例では、TTCが第2閾値Th2未満または第1閾値Th1未満の場合、CDCやCMBSが実行されるものとして説明したが、これに代えて(または加えて)、標識検知機能(TSR)や、交通信号検知機能(TLI)、車両の左右から接近する車両を検知または警報する機能、自動操舵回避機能、緊急制動システムなどが起動して、各種制御が実行されてもよい。例えば、車両Mが交差点を通行する場合は、標識検知機能(TSR)や、交通信号検知機能(TLI)、車両の左右から接近する車両を検知または警報する機能が起動したり、車両Mが歩行者に接近している場合は、自動操舵回避機能が起動したりしてもよい。
【0067】
[道路構造に応じた報知について]
報知制御部120は、車両Mが道路構造に応じて提案報知を行うことを省略してもよい。図10は、報知の態様の他の一例を示す図である。例えば、車両Mが交差点に進入し、右折または左折しようとし、且つリスク物体が歩行者などの特定の種別である場合、提案報知は省略されもよい。更に、この場合、警報(FCW)およびCDC制御は省略され、TTCが第1閾値Th1に到達するまで見落とし報知が行われてもよい。交差点における歩行者の動きは予測がしづらく、安易に行動の提案を行うことができないためである。
【0068】
上記のように、報知制御部120は、運転者の周辺の認識度合と運転者の行動とに基づいて適切な情報を通知することができる。この結果、報知制御部120は、運転者の意図を反映した情報の提供を行うことができる。
【0069】
また、上述した閾値Th1-3は、車両Mの速度や、リスク物体を認識するための各種機器の性能や仕様(カメラ10や、レーダ装置12、LIDAR14、物体認識装置16、認識部110などの仕様や機能)によって変更されてもよい。例えば、各種機器が物体を認識可能な距離に基づいて設定されてもよい。
【0070】
以上説明した第1実施形態によれば、運転支援装置100は、指標値が第2閾値Th2以上の場合に、リスク物体を回避するための運転操作を運転者に提案する処理を行い、運転者が車両Mを加速させるための加速操作を指示する操作子の操作を軽減または解除するための行動を行った場合、上記の処理を行わないことにより、運転者の意図を反映した情報の提供を行うことができる。
【0071】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、運転支援装置は、行動提案報知を行う道路形状であるか否かの判定の結果に基づいて、行動提案報知を行うか否かを判定する。例えば、運転支援装置100は、行動提案報知を行う条件が満たされている場合であっても、道路形状が行動提案報知を行う形状でない場合は、行動提案報知を抑制する。例えば、運転支援装置100は、車両Mの現在の位置から現在の進行方向に所定時間まっすぐ車両Mを進行させたと仮定した場合に、仮定における車両Mの基準位置(車両の先端や重心など任意の位置)が走路境界に交わる場合(または基準位置が車両Mが走行可能な走路とは異なる位置に存在する場合)、行動提案報知を抑制し、走路境界に交わらない場合、行動提案報知を行う(例えば抑制せずに行動提案報知を行う)。走行可能な走路とは、車両Mが走行する車線や道路である。
【0072】
抑制とは、例えば、報知を行わないことである。また、抑制とは、例えば、行動提案報知を行う道路の形状の場合に行われる行動提案報知の態様よりも、行動提案報知の態様を弱めることであってもよい。例えば、抑制されていない行動提案報知の態様は、抑制されている行動提案報知の態様よりも運転者が認識しやすい態様である。
【0073】
図11は、第2実施形態の運転支援装置100Aの機能構成の一例を示す図である。運転支援装置100との相違点を中心に説明する。運転支援装置100Aの報知制御部120Aは、例えば、運転支援装置100の報知制御部120に含まれ機能構成に加え、更に、カーブ判定部129(「判定部」)を備える。カーブ判定部129は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、カーブ判定部129は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。カーブ判定部129の処理の詳細については後述する。
【0074】
[フローチャート]
図12は、運転支援装置100Aにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下に説明する処理の順序は一例であり、適宜変更されたり、他の処理が付加されたりしもよい。
【0075】
まず、カーブ判定部129が、リスクポテンシャルが閾値以上の特定領域を特定する(ステップS100)。リスクポテンシャルが閾値以上である特定領域は、車両Mが避けて走行すべき領域である。例えば、カーブ判定部129は、認識部110の認識結果に基づいて、車両Mが走行する車線や道路を認識し、認識結果に基づいて、特定領域を特定する。例えば、カーブ判定部129は、車両Mが走行する走路以外の領域を特定領域として特定する。走路とは、車両Mが走行する車線内の領域である。図13に示すように走路TLとは異なる領域が特定領域R-ARである。
【0076】
次に、カーブ判定部129は、プローブ直線を設定する(ステップS102)。図13に示すように車両Mの基準位置から車両Mの進行方向に延伸するプローブ直線PLを設定する。プローブ直線の長さは、車両Mの移動速度に応じて決定される。プローブ直線の長さは、例えば、行動提案報知を行うタイミングによって設定される。例えば、4秒先の事象(例えばリスク物体)に対する提案を行う場合、4秒または4秒よりも少し長い時間で車両Mが進行する距離である。進行する距離を求める際の速度は、車両Mの現在の速度や加速度、予め運転支援装置100Aの記憶装置に記憶されている将来の速度の変化を求めるモデルなどに基づいて決定されてもよい。プローブ直線の長さは、上記のように設定時間に基づいて算出される。
【0077】
次に、カーブ判定部129は、プローブ直線の観測点の前後が特定領域に含まれるか否かを判定する(ステップS104)。観測点は、例えば、図13に示すようにプローブ直線の先端(OP)や先端付近である。プローブ直線の観測点の前後が特定領域に含まれない場合、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。例えば、図13に示すように観測点OPの前後が特定領域に含まれない場合は、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0078】
プローブ直線の観測点の前後が特定領域に含まれる場合、情報提供部130は、ステップS104の判定結果に基づいて、行動提案報知を抑制する(ステップS106)。例えば、情報提供部130は、第1実施形態の処理において指標値が第3閾値Th3に到達したときに行動提案報知を行う条件が満たされている場合であっても(例えばリスク物体が存在し、運転者が所定の行動を行わない場合であっても)、行動提案報知を行わない。また、ステップS106の処理が行われた後、所定時間の間、行動提案報知を行う条件が満たされている場合であっても、情報提供部130は、行動提案報知を行わなくてもよい。これにより、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0079】
上記のように、運転支援装置100Aは、プローブ直線の観測点の前後が特定領域に含まれている第1期間では、車両Mの進行方向側にリスク物体が存在している場合は、行動提案報知を行わずに、プローブ直線の観測点の前後が特定領域に含まれていない第2期間では、車両Mの進行方向側にリスク物体が存在している場合は、行動提案報知を行うことで、車両Mが置かれたシーンに応じて操舵に関する提案を行うことができる。なお、第1期間で車両Mの進行方向側にリスク物体が存在している場合に行動提案報知を行わないことに代えて、行動提案報知が抑制されてもよい。抑制とは、第2期間で車両Mの進行方向側にリスク物体が存在している場合に行われる行動提案報知よりも抑制された態様で行動提案報知がされることである。抑制は、例えば、運転者により周辺を注視しつつ行動を行うように提案が行われることや、カーブ路であることを考慮して行動を行うように提案が行われることである。
【0080】
運転支援装置100Aは、第1実施形態で説明したように、第2期間において、車両Mがリスク物体に所定度合以上接近する前に(第3閾値Th3に到達する前に)、車両Mの運転者がリスク物体を回避するための行動を行った場合、行動提案報知を行わないため、運転者の意図を反映した情報の提供を行うことができる。更に、運転支援装置100Aは、第1実施形態で説明したように、第1期間において、運転者がリスク物体を視認していない場合、情報提供装置を用いてリスク物体の存在を報知することで、運転者にリスク物体を認識させることができる。
【0081】
図14は、観測点が特定領域に含まれる場面の一例を示す図である。例えば、図14に示すように車両Mが走行する走路がカーブ路であり、観測点OPが特定領域R-ARに含まれる場合、情報提供部130は、行動提案報知を行う条件が満たされている場合であっても行動提案報知を行わない。
【0082】
図15は、観測点が特定領域に含まれる場面の他の一例を示す図である。例えば、図15に示すように車両Mが走行する走路の一部がカーブしたような形状(台形波のような形状)であり、車両Mが走路の左側を走行しているような場合、観測点OPが特定領域R-ARに含まれることがある。この場合、情報提供部130は、行動提案報知を行う条件が満たされている場合であっても行動提案報知を行わない。
【0083】
なお、上記の各例では観測点OPが特定領域に含まれているか否かが判定されたが、これに代えて(または加えて)、プローブ直線の一部が特定領域R-ARに含まれるか否かが判定されて、含まれる場合、行動提案報知が抑制されてもよい。
【0084】
また、プローブ直線が、車両Mが走行する車線のエッジ(例えば道路区画線)や車両Mが走行する道路のエッジ(例えば縁石やガードレール等)と交わる場合、行動提案報知が抑制されてもよい。
【0085】
ここで、車両Mの運転者が運転中に、車両Mの前方に交通参加者や障害物などのリスク物体が存在し、運転者がリスク物体を回避するための行動を取っていない場合、リスク物体を回避するための運転支援として、報知や車両Mの自動制御、回避の行動が行われるような誘導等が行われることが望ましい。この運転支援が行われる場合、作動条件を定め、運転支援を行うことが適切であるシーンで運転支援が作動すると好適である。例えば、カーブ路などの所定の形状の道路においては提案を抑制することが好適である。特に回避方向やリスク方向を視覚や触覚、聴覚を介して直感的に誘導する場合、直線での運転支援が主となる。例えば、カーブ路で上記のような誘導を行う場合、運転者は、道路の車線の中の片側への回避なのか、絶対的な車両Mの進行方向への回避なのか(例えばカーブ路に沿った走行を行うための誘導なのか、リスク物体を回避するための誘導なのか)混同してしまう可能性がある。このため、カーブ路などの所定の形状の道路では直線時とは異なった制御を行うか、操舵に関する提案を抑制するかが行われると好適である。
【0086】
例えば、レーンエッジや道路エッジを認識し、認識したエッジの曲率半径から道路の形状を特定する場合、単純な曲率を持つような道路では簡単に道路の形状を特定できるが、複雑な形状の道路(例えば台形波など)の場合は、形状の判定が困難であったり、計算量が多かったりすることがある。
【0087】
そこで、本実施形態の運転支援装置100Aは、上述したように所定時間まっすぐ車両Mを進行させたと仮定した場合に、仮定における車両Mの基準位置を用いて操舵に関する提案を行うか否かを判定する。このように、運転支援装置100は、非常に少ない計算量で提案を行うべきシーンを車両Mが走行しているか否かを判定することができる。
【0088】
以上説明した第2実施形態によれば、運転支援装置100Aは、車両Mの進行方向側に存在するリスク物体を回避するための操舵に関する提案を車両Mの運転者に行い、車両Mの現在の位置から現在の進行方向に所定時間まっすぐ車両Mを進行させたと仮定した場合に、仮定における車両Mの基準位置に基づいて、提案を行うことにより、より適切に操舵に関する提案を行うことができる。
【0089】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
コンピュータによって読み込み可能な命令(computer-readable instructions)を格納する記憶媒体(storage medium)と、
前記記憶媒体に接続されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータによって読み込み可能な命令を実行することにより(the processor executing the computer-readable instructions to:)
移動体の前方に存在するリスク物体への接近度合を示す指標値が第1閾値未満の場合に第1処理を行い、
前記指標値が前記第1閾値以上、且つ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満の場合に前記第1処理とは異なる第2処理を行い、
前記指標値が前記第2閾値以上の場合に、前記第1処理および前記第2処理とは異なる第3処理を行う一以上の制御装置であって、
前記第3処理は、前記リスク物体を回避するための運転操作を運転者に提案する第4処理を含み、
前記運転者が前記移動体を加速させるための加速操作を指示する操作子の操作を軽減または解除するための行動を行った場合、前記第4処理を行わない制御装置。
【0090】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
コンピュータによって読み込み可能な命令(computer-readable instructions)を格納する記憶媒体(storage medium)と、
前記記憶媒体に接続されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータによって読み込み可能な命令を実行することにより(the processor executing the computer-readable instructions to:)
移動体の進行方向側に存在するリスク物体を回避するための操舵に関する提案を前記移動体の運転者に行い、
前記移動体の現在の位置から現在の進行方向に所定時間まっすぐ前記移動体を進行させたと仮定した場合に、前記仮定における前記移動体の基準位置が走路境界に交わるか否かを判定し、
前記走路境界に交わると判定された場合、前記提案を抑制し、前記走路境界に交わらないと判定された場合、前記提案を行う、制御装置。
【0091】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0092】
1 車両システム
10 カメラ
12 レーダ装置
16 物体認識装置
52 車室内カメラ
80 運転操作子
100 運転支援装置
110 認識部
120 報知制御部
122 リスク判定部
124 視線判定部
126 物体認識判定部
128 行動判定部
130 情報提供部
140 第1制御部
150 第2制御部
図1
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