(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050350
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】作業機械の遠隔制御システム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20240403BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20240403BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
E02F9/20 H
E02F9/26 A
H04Q9/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157184
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】前原 裕二
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
5K048
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AA06
2D003BA04
2D003CA02
2D003DA04
2D003EA01
2D015HA03
5K048AA06
5K048BA21
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB02
5K048GA00
5K048HA04
5K048HA06
(57)【要約】
【課題】作業機械の遠隔制御システムにおいて,無線操縦装置の数が増えた場合でも,受信装置側での混信の発生を防止し,作業機械を安定して制御できるようにする。
【解決手段】第1無線操縦装置12Aは,自身が生成した第1操作信号のデジタルデータから第1シリアル信号を生成するとき,自身が生成した第1操作信号のデジタルデータと第2無線操縦装置12Bから送信された第2操作信号のデジタルデータとを組み合わせて第1シリアル信号を生成し,この第1シリアル信号を油圧ショベル100に無線で送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1操作レバーを有し,前記複数の第1操作レバーの操作により生成した第1操作信号をデジタルデータに変換して第1シリアル信号を生成し,前記第1シリアル信号を無線で送信する第1無線操縦装置と,
第1作業機械に設置され,第1無線操縦装置から送信された前記第1シリアル信号を受信し,前記第1シリアル信号から前記第1操作信号のデジタルデータを取り出す第1受信装置とを備え,
前記第1作業機械は,前記第1受信装置が取り出した前記第1操作信号のデジタルデータに基づいて前記第1作業機械の対応するアクチュエータの駆動を制御する作業機械の遠隔制御システムにおいて,
少なくとも1つの操作部材を有し,前記操作部材の操作により生成した第2操作信号をデジタルデータに変換して第2シリアル信号を生成し,前記第2シリアル信号を通信ケーブルを介して前記第1無線操縦装置に送信する第2無線操縦装置を更に備え,
前記第1無線操縦装置は,前記第2無線操縦装置から送信された前記第2シリアル信号から前記第2操作信号のデジタルデータを取り出し,生成した前記第1操作信号のデジタルデータと前記第2操作信号のデジタルデータとを組み合わせて前記第1シリアル信号を生成し,前記第1シリアル信号を無線で送信することを特徴とする作業機械の遠隔制御システム。
【請求項2】
請求項1記載の作業機械の遠隔制御システムにおいて,
前記第2無線操縦装置は、前記少なくとも1つの操作部材として複数の第2操作レバーを有し,
前記第1無線操縦装置及び前記第2無線操縦装置は同じ仕様の無線操縦装置であり,前記第1操作レバー及び前記第2操作レバーを含めて,同じ仕様の筐体で構成されていることを特徴とする作業機械の遠隔制御システム。
【請求項3】
請求項1記載の作業機械の遠隔制御システムにおいて,
前記第2無線操縦装置は,
前記少なくとも1つの操作部材として操作ペダルを有し,前記操作ペダルの操作により前記第2操作信号を生成する少なくとも1つのペダル装置と,
前記ペダル装置から信号線を介して前記第2操作信号を入力し,前記第2操作信号をデジタルデータに変換して前記第2シリアル信号を生成し,前記第2シリアル信号を前記通信ケーブルを介して前記第1無線操縦装置に送信する信号追加装置とで構成されていることを特徴とする作業機械の遠隔制御システム。
【請求項4】
請求項1記載の作業機械の遠隔制御システムにおいて,
前記第1作業機械に設置された前記第1受信装置は,第1無線操縦装置から送信された前記第1シリアル信号から前記第1操作信号のデジタルデータと前記第2操作信号のデジタルデータを取り出し,
前記第1作業機械は,前記第1受信装置によって取り出した前記第1操作信号のデジタルデータと前記第2操作信号のデジタルデータと基づいて制御信号を生成し,前記第1作業機械の対応するアクチュエータの駆動を制御することを特徴とする作業機械の遠隔制御システム。
【請求項5】
請求項1記載の作業機械の遠隔制御システムにおいて,
第2作業機械に設置され,第1無線操縦装置から送信された前記第1シリアル信号から前記第2操作信号のデジタルデータを取り出す第2受信装置を更に備え,
前記第1作業機械は,前記第1受信装置によって取り出した前記第1操作信号のデジタルデータに基づいて制御信号を生成し,前記第1作業機械の対応するアクチュエータの駆動を制御し,
前記第2作業機械は,前記第2受信装置によって取り出した前記第2操作信号のデジタルデータに基づいて制御信号を生成し,前記第2作業機械の対応するアクチュエータの駆動を制御することを特徴とする作業機械の遠隔制御システム。
【請求項6】
請求項1記載の作業機械の遠隔制御システムにおいて,
設定前の無線操縦装置を前記第1無線操縦装置として用いるか前記第2無線操縦装置として用いるかの設定を行う設定装置を更に備え,
前記設定装置は,
前記設定前の無線操縦装置のメモリに保存されているシリアル信号データフォーマットのデータ部に前記第1シリアル信号のデータ部の操作信号情報を設定することで,前記第1無線操縦装置として用いる設定を行い,
前記設定前の無線操縦装置のメモリに保存されているシリアル信号データフォーマットのデータ部に前記第2シリアル信号のデータ部の操作信号情報を設定することで,前記第2無線操縦装置として用いる設定を行うことを特徴とする作業機械の遠隔制御システム。
【請求項7】
複数の第1操作レバーを有し,前記複数の第1操作レバーの操作により生成した第1操作信号をデジタルデータに変換して第1シリアル信号を生成し,前記第1シリアル信号を無線で送信する第1無線操縦装置と,
少なくとも1つの操作部材を有し,前記操作部材の操作により生成した第2操作信号をデジタルデータに変換して第2シリアル信号を生成し,前記第2シリアル信号を通信ケーブルを介して前記第1無線操縦装置に送信する第2無線操縦装置とを備え,
前記第1無線操縦装置は,前記第2無線操縦装置から送信された前記第2シリアル信号から前記第2操作信号のデジタルデータを取り出し,生成した前記第1操作信号のデジタルデータと前記第2操作信号のデジタルデータとを組み合わせて前記第1シリアル信号を生成し,前記第1シリアル信号を無線で送信することを特徴とする作業機械の遠隔制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,油圧ショベル等の作業機械を無線操縦装置によって遠隔操作する作業機械の遠隔制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
災害現場での復旧作業や放射線汚染地域での汚染除去作業など,人間が直接立ち入ることができない稼働エリアで油圧ショベルなどの作業機械を操作して作業を行う場合,無線操縦装置から操作信号を作業機械に送信し,作業機械を遠隔操作する遠隔制御システムが用いられており,そのような遠隔制御システムの一例が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遠隔制御システムを用いて作業機械を遠隔操作する場合,通常,一台の作業機械に一台の無線操縦装置を用いて作業機械を操作するが,駆動対象(アクチュエータ)が多い作業機械を操作する場合や,2台の作業機械を組み合わせて作業を行う場合は,二台の無線操縦装置を用いて作業機械を操作する場合がある。このような場合,災害現場での復旧作業のように同一稼動エリア内で稼働する作業機械が複数台ある場合,同一稼動エリア内で使用する無線操縦装置の数が増え,それに応じて同一稼動エリアで使用される通信周波数のチャンネル数が増える。
【0005】
ここで,同一の稼動エリアで複数チャンネルの通信周波数を使用するとき,通信周波数のチャンネル数が増えると受信装置側で混信(3次相互変調混信)が発生し安定した制御ができなくなることがある。例えば,建設機械の遠隔操作用に割り当てられている特定小電力無線の429.2500MHz~429.7375MHzの周波数帯では40チャンネルの通信周波数が使用可能であるが,同一稼動エリアでは7チャンネル以上の通信周波数を同時に使用すると,混信が発生し安定した制御ができなくなる。
【0006】
本発明の目的は,無線操縦装置の数が増えた場合でも,受信装置側での混信の発生を防止し,作業機械を安定して制御することができる作業機械の遠隔制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために,本発明は,複数の第1操作レバーを有し,前記複数の第1操作レバーの操作により生成した第1操作信号をデジタルデータに変換して第1シリアル信号を生成し,前記第1シリアル信号を無線で送信する第1無線操縦装置と,第1作業機械に設置され,第1無線操縦装置から送信された前記第1シリアル信号を受信し,前記第1シリアル信号から前記第1操作信号のデジタルデータを取り出す第1受信装置とを備え,前記第1作業機械は,前記第1受信装置が取り出した前記第1操作信号のデジタルデータに基づいて前記第1作業機械の対応するアクチュエータの駆動を制御する作業機械の遠隔制御システムにおいて,少なくとも1つの操作部材を有し,前記操作部材の操作により生成した第2操作信号をデジタルデータに変換して第2シリアル信号を生成し,前記第2シリアル信号を通信ケーブルを介して前記第1無線操縦装置に送信する第2無線操縦装置を更に備え,前記第1無線操縦装置は,前記第2無線操縦装置から送信された前記第2シリアル信号から前記第2操作信号のデジタルデータを取り出し,生成した前記第1操作信号のデジタルデータと前記第2操作信号のデジタルデータとを組み合わせて前記第1シリアル信号を生成し,前記第1シリアル信号を無線で送信するものとする。
【0008】
このように第2無線操縦装置から操作信号の第2シリアル信号を第1無線操縦装置に通信ケーブルを介して送り,第1無線操縦装置において,第2無線操縦装置から送信された第2シリアル信号のデジタルデータを,生成した第1操作信号のデジタルデータと組み合わせて第1シリアル信号を生成し,作業機械の受信装置に無線で送信することにより,無線操縦装置の数が増えた場合でも,通信周波数のチャンネル数を増やさずに操作信号を無線で送信でき,第1受信装置側での混信の発生を防止し,第1作業機械を安定して制御することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば,無線操縦装置の数が増えた場合でも,通信周波数を増やさずに操作信号を無線で送信でき,受信装置側での混信の発生を防止し,作業機械を安定して制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係わる作業機械の遠隔制御システムの全体構成を示す図である。
【
図2】第1及び第2無線操縦装置によって遠隔制御される作業機械である双腕の油圧ショベルを示す図である。
【
図3A】第1及び第2無線操縦装置の上面図である。
【
図3B】第1及び第2無線操縦装置の斜視図である。
【
図4】第1無線操縦装置の操作レバーの操作方向と油圧ショベルの動作との関係を示す図である。
【
図5】第2無線操縦装置の操作レバーの操作方向と油圧ショベルの動作との関係を示す図である。
【
図6】第1無線操縦装置及び第2無線操縦装置の操作レバーの操作方向に対応する油圧ショベルの動作を示す図である。
【
図7A】第1及び第2無線操縦装置,受信装置及びコントローラの内部構成を示す図である。
【
図7B】油圧ショベルに備えられる油圧回路の構成を示す図である。
【
図8】第1シリアル信号生成プログラムによるCPUの処理機能を示すフローチャートである。
【
図9】第2シリアル信号生成プログラムによるCPUの処理機能を示すフローチャートである。
【
図10】第1無線操縦装置のCPUと第2無線操縦装置のCPUで生成されるシリアル信号のデータ構成を示す図である。
【
図11】設定前の無線操縦装置を第1及び第2無線操縦装置として設定するときの状況を示す図である。
【
図12】設定装置により無線操縦装置を第1及び第2無線操縦装置として設定する手順の詳細を示す説明図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係わる作業機械の遠隔制御システムの全体構成を示す図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係わる作業機械を示す図である。
【
図15】第1無線操縦装置のCPUと第2無線操縦装置のCPUで生成されるシリアル信号のデータ構成を示す図である。
【
図16】本発明の第3の実施形態に係わる作業機械の遠隔制御システムの全体構成を示す図である。
【
図17】第1及び第2無線操縦装置によって遠隔制御される2つの作業機械である油圧ショベルとクローラキャリアを示す図である。
【
図18】第1無線操縦装置の操作レバーの操作方向と油圧ショベルの動作との関係を示す図である。
【
図19】第2無線操縦装置の操作レバーの操作方向とクローラキャリアの動作との関係を示す図である。
【
図20】第1無線操縦装置のCPUと第2無線操縦装置のCPUで生成されるシリアル信号のデータ構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下,本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0012】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態は,遠隔制御される作業機械が1台であり,作業機械が2つの作業機を備えた双腕の油圧ショベルである場合のものである。
【0013】
~全体構成~
図1は,本発明の第1の実施形態に係わる作業機械の遠隔制御システムの全体構成を示す図である。
【0014】
図1において,本実施形態の遠隔制御システムは,第1無線操縦装置12A及び第2無線操縦装置12Bと,双腕の油圧ショベル100に設置された受信装置(第1受信装置)13及びコントローラ14とを備えている。
【0015】
第1無線操縦装置12Aと第2無線操縦装置12Bは,油圧ショベル100から離れた位置で別々のオペレータに携帯されて操作され,油圧ショベル100を遠隔操縦する。
【0016】
また,第1無線操縦装置12Aは,複数の第1操作レバー12a~12eを有し,第1操作レバー12a~12eの操作により,第1操作レバー12a~12eの操作方向及び操作量に応じた第1操作信号を生成する。第1無線操縦装置12Aは,その生成した第1操作信号をデジタルデータに変換して第1シリアル信号を生成し,この第1シリアル信号を無線で油圧ショベル100に送信する。
【0017】
同様に,第2無線操縦装置12Bは,複数の第2操作レバー22a~22eを有し,第2操作レバー22a~22eの操作により,第2操作レバー22a~22eの操作方向及び操作量に応じた第2操作信号を生成する。第2無線操縦装置12Bは,その生成した第2操作信号をデジタルデータに変換して第2シリアル信号を生成し,この第2シリアル信号を通信ケーブル16を介して第1無線操縦装置12Aに送信する。第1無線操縦装置12Aは,自身が生成した第1操作信号のデジタルデータから第1シリアル信号を生成するとき,自身が生成した第1操作信号のデジタルデータと第2無線操縦装置12Bから送信された第2操作信号のデジタルデータとを組み合わせて第1シリアル信号を生成し,この第1シリアル信号を油圧ショベル100に無線で送信する。
【0018】
油圧ショベル100に設置された受信装置13は,第1無線操縦装置12Aから送信された第1シリアル信号を受信し,第1シリアル信号から第1操作信号のデジタルデータを取り出す。このとき,本実施形態では,遠隔制御される油圧ショベル100(作業機械)が1台であるため,受信装置13は,シリアル信号から第1操作信号のデジタルデータと第2操作信号のデジタルデータの両方を取り出す。そして,コントローラ14は,第1操作信号のデジタルデータ及び第2操作信号のデジタルデータに基づいて制御信号を生成し,油圧ショベル100の対応するアクチュエータの駆動を制御する。
【0019】
以下において,「第1操作レバー」及び「第2操作レバー」を,それぞれ,単に「操作レバー」ということがある。
【0020】
~作業機械~
図2は,第1及び第2無線操縦装置12A,12Bによって遠隔制御される作業機械である双腕の油圧ショベルを示す図である。
【0021】
図2において,双腕の油圧ショベル100は,走行体101と,走行体101上に旋回可能に設置された旋回体102と,旋回体102の前部に上下方向に回動可能に設けられた2つの作業機103,104とを備えている。
【0022】
走行体101は,クローラ式の左右の走行装置101a,101b(右走行装置101bは不図示)を備え,左右の走行装置101a,101bは左右の走行モータ101c,101d(右走行モータ101dは不図示)により駆動され,油圧ショベル100を走行させる。
【0023】
旋回体102は,運転室を形成するキャビン102aを備え,キャビン102a以外の本体部分102bにエンジンや,油圧ポンプ等の油圧機器が搭載されている。また,旋回体102の本体部分102bの適所に上述した受信装置13とコントローラ14が配置されている。旋回体102のベースとなる旋回フレームの中央に旋回輪106が配置され,旋回体102は旋回輪106に設けられた旋回モータ(不図示)により走行体101上を旋回する。
【0024】
作業機103はキャビン102aの右側に位置する主腕としての作業機であり,ブーム103a,アーム103b及びアタッチメント103cと,ブーム103a,アーム103b及びアタッチメント103cを上下方向に回動させるブームシリンダ103d,アームシリンダ103e及びアタッチメントシリンダ103fとを備えている。
【0025】
作業機104はキャビン102aの前側に位置する副腕としての作業機であり,ブーム104a,アーム104b及びアタッチメント104cと,ブーム104a,アーム104b及びアタッチメント104cを上下方向に回動させるブームシリンダ104d,アームシリンダ104e及びアタッチメントシリンダ104fとを備えている。
【0026】
また,副腕としての作業機104はスイングタイプであり,ブーム104aの基端はスイングポスト102cに上下方向に回動可能に取り付けられ,スイングポスト102cはスイングシリンダ(不図示)により水平方向に回動可能である。
【0027】
また,通常の単腕の油圧ショベルは,アッタッチメントとしてバケットを備えているが,本実施形態に係わる双腕の油圧ショベル100は,作業機103のアタッチメント103cとして爪の回転と爪の開閉が可能である油圧グラップルを備え,作業機104のアタッチメント104cとして刃の回転と刃の開閉が可能である油圧カッタを備えている。油圧グラップル103c及び油圧カッタ104cは,それぞれ,開閉用のアクチュエータと回転用のアクチュエータを備え,一対の爪部及び刃部が開閉可能であり,かつアタッチメント全体が軸線Z1,Z2(
図6参照)を中心としてアーム103b,104bの端部に対して回転可能である。
【0028】
~無線操縦装置~
図3Aは,第1及び第2無線操縦装置12A,12Bの上面図であり,
図3Bは第1及び第2無線操縦装置12A,12Bの斜視図である。
【0029】
図3A及び
図3Bにおいて,第1無線操縦装置12Aは,上部の操作盤面に,少なくとも5本の操作レバー12a,12b,12c,12d,12eを備え,オペレータはこれらの操作レバーを操作することによって無線で操作信号を油圧ショベル100に送信し,油圧ショベル100の作業機103を遠隔操作する。
【0030】
第2無線操縦装置12Bは,第1無線操縦装置12Aと同様,上部の操作盤面に,少なくとも5本の操作レバー22a,22b,22c,22d,22eを備え,オペレータはこれらの操作レバーのうちの3本の操作レバー22a,22b,22cを操作することによって操作信号を第1無線操縦装置12Aに送り,第1無線操縦装置12Aを介して無線で操作信号を油圧ショベル100に送信し,油圧ショベル100の作業機103を遠隔操作する。
【0031】
第1無線操縦装置12A及び第2無線操縦装置12Bは同じ仕様の無線操縦装置であり,第1操作レバー12a~12e及び第2操作レバー22a~22eを含めて,同じ仕様の筐体で構成されている。
【0032】
第1無線操縦装置12A及び第2無線操縦装置12Bは電源12fを内蔵し,かつ好ましくはタブレットなどのモニタ12gが装着できるようになっている。
【0033】
第1無線操縦装置12Aの操作レバー12a,12cは油圧ショベル100の旋回体102と,主腕としての作業機103のブーム103a及びアーム103bの動作を制御するための操作器であり,操作レバー12bはアタッチメント103cの動作を制御するための操作器である。また。操作レバー12d,12eは油圧ショベル100の走行装置101a,101bの動作を制御するための操作器である。
【0034】
第2無線操縦装置12Bの操作レバー22a,22cは油圧ショベル100のスイングポスト102cと,副腕としての作業機104のブーム104a及びアーム104bの動作を制御するための操作器であり,操作レバー22bはアタッチメント104cの動作を制御するための操作器である。また,操作レバー22d,22eは,本実施形態では使用されない操作レバーであり,操作しても操作信号を生成しない設定となっている。
【0035】
図4は,第1無線操縦装置12Aの操作レバーの操作方向と油圧ショベル100の動作との関係を示す図であり,
図5は,第2無線操縦装置12Bの操作レバーの操作方向と油圧ショベル100の動作との関係を示す図である。
図6は,第1無線操縦装置12A及び第2無線操縦装置12Bの操作レバーの操作方向に対応する油圧ショベル100の動作を示す図である。
図4,
図5及び
図6において,「ATT」はアタッチメントを意味する。
【0036】
図4において,第1無線操縦装置12Aの操作レバー12a,12b,12cは2軸のジョイスティックタイプの操作器であり,操作レバー12a,12b,12cは,X方向(+側[X+]と-側[X-])とY方向(+側[Y+]と-側[Y-])に傾斜させて操作される。操作レバー12d,12eは1軸のジョイスティックタイプの操作器であり,操作レバー12d,12eは,Y方向(+側[Y+]と-側[Y-])に傾斜させて操作される。
【0037】
操作レバー12aをX+方向に操作すると作業機103のアーム103bがクラウド方向に動作し,操作レバー12aをX-方向に操作すると作業機103のアーム103bがダンプ方向に動作し,操作レバー12aをY+方向に操作すると旋回体102が右方向に旋回し,操作レバー12aをY-方向に操作すると旋回体102が左方向に旋回する。
【0038】
操作レバー12cをX+方向に操作すると作業機103のアタッチメント103cがクラウド方向に動作し,操作レバー12cをX-方向に操作すると作業機103のアタッチメント103cがダンプ方向に動作し,操作レバー12cをY+方向に操作すると作業機103のブーム103aが下げ方向に動作し,操作レバー12cをY-方向に操作すると作業機103のブーム103aが上げ方向に動作する。
【0039】
操作レバー12bをX+方向に操作すると作業機103のアタッチメント103c(グラップル)が軸線Z1を中心として右方向に回転し,操作レバー12bをX-方向に操作すると作業機103のアタッチメント103c(グラップル)が軸線Z1を中心として左方向に回転し,操作レバー12bをY+方向に操作すると作業機103のアタッチメント103c(グラップル)が開き方向に動作し,操作レバー12bをY-方向に操作すると作業機103のアタッチメント103c(グラップル)が閉じ方向に動作する。
【0040】
操作レバー12dをY+方向に操作すると左走行装置101aが前進方向に動作し,操作レバー12dをY-方向に操作すると左走行装置101aが後進方向に動作する。操作レバー12eをY+方向に操作すると右走行装置101bが前進方向に動作し,操作レバー12eをY+方向に操作すると右走行装置101bが後進方向に動作する。
【0041】
図5において,第2無線操縦装置12Bの操作レバー22a~22cも2軸のジョイスティックタイプの操作器であり,操作レバー22a,22b,22cは,X方向(+側[X+]と-側[X-])とY方向(+側[Y+]と-側[Y-])に傾斜させて操作される。
【0042】
操作レバー22aをX+方向に操作すると作業機104のアーム103bがクラウド方向に動作し,操作レバー22aをX-方向に操作すると作業機104のアーム103bがダンプ方向に動作し,操作レバー22aをY+方向に操作すると作業機104のスイングポスト102cが右方向に旋回し,操作レバー12aをY-方向に操作すると作業機104のスイングポスト102cが左方向に旋回する。
【0043】
操作レバー22cをX+方向に操作すると作業機104のアタッチメント104c(カッタ)がクラウド方向に動作し,操作レバー22cをX-方向に操作すると作業機104のアタッチメント104c(カッタ)がダンプ方向に動作し,操作レバー22cをY+方向に操作すると作業機104のブーム104aが下げ方向に動作し,操作レバー22cをY-方向に操作すると作業機104のブーム104aが上げ方向に動作する。
【0044】
操作レバー22bをX+方向に操作するとアタッチメント104c(カッタ)が軸線Z2を中心として右方向に回転し,操作レバー22bをX-方向に操作するとアタッチメント104c(カッタ)が軸線Z2を中心として左方向に回転し,操作レバー22bをY+方向に操作するとアタッチメント104c(カッタ)が開き方向に動作し,操作レバー22bをY-方向に操作するとアタッチメント104c(カッタ)が閉じ方向に動作する。
【0045】
~第1及び第2無線操縦装置,受信装置等の詳細~
図7Aは,第1及び第2無線操縦装置12A,12B,受信装置13及びコントローラ14の内部構成を示す図であり,
図7Bは油圧ショベル100に備えられる油圧回路の構成を示す図である。
【0046】
図7Aにおいて,第1無線操縦装置12Aは,A/D変換器31と,CPU32と,メモリ33と,送信部34と,アンテナ35と,シリアル通信コネクタ部(SIO)36とを有し,第2無線操縦装置12Bも,同様に,A/D変換器41と,CPU42と,メモリ43と,送信部44と,アンテナ45と,シリアル通信コネクタ部(SIO)46とを有している。
【0047】
受信装置13は,アンテナ50と,受信部51と,CPU52と,メモリ53と,シリアルコネクタ部(SIO)56とを有している。
【0048】
第1無線操縦装置12Aは,第1操作レバー12a~12eの操作方向と操作量に応じてアナログ信号としての第1操作信号を生成し,A/D変換器31はその第1操作信号をデジタルデータに変換する。
【0049】
第2無線操縦装置12Bも,同様に,第2操作レバー22a~22eの操作方向と操作量に応じてアナログ信号としての第2操作信号を生成し,A/D変換器41はその第2操作信号をデジタルデータに変換する。
【0050】
第1無線操縦装置12Aのメモリ33には第1シリアル信号生成プログラムが保存され,CPU32はその第1シリアル信号生成プログラムに基づいて動作し,第1シリアル信号を生成する。同様に,第2無線操縦装置12Bのメモリ43にも第2シリアル信号生成プログラムが保存され,CPU42はその第2シリアル信号生成プログラムに基づいて動作し,第2シリアル信号を生成する。
【0051】
図8は,第1シリアル信号生成プログラムによるCPUの処理機能を示すフローチャートであり,
図9は,第2シリアル信号生成プログラムによるCPUの処理機能を示すフローチャートである。
【0052】
第1無線操縦装置12AのCPU32は,
図8に示すように,A/D変換器31から第1操作信号のデジタルデータを入力する(ステップS110)。また,CPU32は,第2無線操縦装置12Bのシリアル通信コネクタ部(SIO)46から通信ケーブル16を介してシリアル通信コネクタ部(SIO)36に送信された第2シリアル信号を入力し,第2シリアル信号から第2操作信号のデジタルデータを取り出す(ステップS120)。次いで,CPU32は,それらのデジタルデータをメモリ33に保存された第1シリアル信号データフォーマットに参照させることで,第1操作信号のデジタルデータと第2操作信号のデジタルデータを組み合わせてシリアルデータに変換し,第1シリアル信号を生成する(ステップS130)。次いで,CPU32は第1シリアル信号を送信部34に送信する(ステップS140)。
【0053】
また,第2無線操縦装置12BのCPU42は,
図9に示すように,A/D変換器41から第2操作信号のデジタルデータを入力し(ステップS210),それらのデジタルデータをメモリ43に保存された第2シリアル信号データフォーマットに参照させることで,第2操作信号のデジタルデータをシリアルデータに変換し,第2シリアル信号を生成する(ステップS220)。次いで,CPU42は第2シリアル信号をシリアル通信コネクタ部(SIO)46に出力する(ステップS230)。この第2シリアル信号は,更に,通信ケーブル16を介して第1無線操縦装置12Aのシリアル通信コネクタ部(SIO)36に送信され,第1無線操縦装置12AのCPU32に取り込まれる。
【0054】
図7Aに戻り,第1無線操縦装置12Aにおいて送信部34に送信された第1シリアル信号は電波15に変調され,アンテナ35から無線で油圧ショベル100に送信される。
【0055】
油圧ショベル100に設置された受信装置13は,第1無線操縦装置12Aから送信された電波15をアンテナ50を介して受信し,受信部51はその電波15を復調して第1シリアル信号を取り出し,その第1シリアル信号をCPU52に入力する。CPU52は,第1シリアル信号から第1操作信号のデジタルデータと第2操作信号のデジタルデータを取り出し,第1操作信号のデジタルデータと第2操作信号のデジタルデータをコントローラ14に送信する。コントローラ14はドライバ61を有し,ドライバ61は,第1操作信号のデジタルデータと第2操作信号のデジタルデータに基づいて,
図7Bに示す油圧回路60を制御する。
【0056】
図7Bにおいて,油圧回路60は,複数のポンプを含む油圧源63と,複数のアクチュエータ64a,64bと,油圧源63と複数のアクチュエータ64a,64bとの間に配置され,油圧源63から複数のアクチュエータ64a,64bに供給される圧油の流れ(供給方向と流量)を制御する複数のスプール弁を備えたメインバルブ65と,メインバルブ65の複数のスプール弁の動作方向とストローク(開口面積)を制御する複数の比例電磁弁66a,66bとを有している。複数のアクチュエータ64a,64bは
図2に示した油圧ショベル100の複数のアクチュエータ101c,101d,103d~103f,104d~104f等を代表しており,比例電磁弁66a,66bも,それらのアクチュエータに対応して設けられた複数の比例電磁弁を代表している。
【0057】
コントローラ14のドライバ61は,第1操作信号のデジタルデータと第2操作信号のデジタルデータをアナログ信号に変換し,そのアナログ信号に基づいて制御電流を生成し,その制御電流を比例電磁弁66a,66bに出力する。これによりメインバルブ65内の複数のスプール弁の動作方向とストローク(開口面積)が変化し,対応するアクチュエータに供給される圧油の供給方向と流量)が変化し,アクチュエータ64a,64bは操作レバー12a~12e,22a~22cの操作方向と操作量(傾き)に応じて駆動される。
【0058】
このように油圧ショベル100は,受信装置13が取り出した第1操作信号のデジタルデータと第2操作信号のデジタルデータに基づいて油圧ショベル100の対応するアクチュエータの駆動を制御する。
【0059】
~シリアル信号のデータ構成~
図10は,第1無線操縦装置12AのCPU32と第2無線操縦装置12BのCPU42で生成されるシリアル信号のデータ構成を示す図であって,
図10の左側に,第1無線操縦装置12Aにより生成される第1シリアル信号のデータ構成を,
図10の右側に,第2無線操縦装置12Bにより生成される第2シリアル信号のデータ構成を示している。
【0060】
図10において,第1シリアル信号及び第2シリアル信号は,それぞれ,伝送開始,ID,伝送終了等の情報が設定された部分と,操作レバーにより生成される操作信号のデジタルデータが設定されるデータ部Da,Dbを有している。
【0061】
第1シリアル信号は,前述したように,第1操作レバー12a~12eの第1操作信号のデジタルデータと第2操作レバー22a~22cの第2操作信号のデジタルデータとを組み合わせて生成されており,データ部Daは,第1操作信号と第2操作信号のそれぞれの個数に合わせて,「第1操作レバー信号」と記載された第1操作レバー12a~12eの第1操作信号の8個の操作信号の設定スペースと,「追加信号」と記載された第2操作レバー22a~22cの第2操作信号の6個の操作信号の設定スペースを有している。
【0062】
データ部Dbは,「第2操作レバー信号」と記載された第2操作レバー22a~22cの第2操作信号の6個の操作信号の設定スペースを有している。
【0063】
このように第1シリアル信号のデータ部Daにおいて,その設定スペースを,第1操作信号と第2操作信号のそれぞれの個数に合わせたサイズとすることにより,データ部Daのサイズが最小限に抑えられ,最適な通信速度を確保することができる。
【0064】
第1シリアル信号及び第2シリアル信号は,前述したように,メモリに保存された第1シリアル信号データフォーマットと第2シリアル信号データフォーマットを用いて生成されるものであり,
図10は,第1シリアル信号データフォーマットと第2シリアル信号データフォーマットを示す図であるとも言うことができる。
【0065】
~第1及び第2無線操縦装置の設定~
図11は,設定前の無線操縦装置を第1及び第2無線操縦装置12A,12Bとして設定するときの状況を示す図である。
【0066】
本実施形態の遠隔制御システムは,
図11に示すように,設定前の無線操縦装置12Xを第1無線操縦装置12Aとして用いるか第2無線操縦装置12Bとして用いるかの設定を行う設定装置71を備えている。設定装置71は,通信ケーブル72を介して設定前の無線操縦装置12Xのシリアル通信コネクタ部(SIO)X6に接続される。設定装置71は設定前の無線操縦装置12Xに対して着脱自在の構造を有し,通信ケーブル72を取り外すことで,無線操縦装置12Xに対し電気的に非接続の状態にすることができる。設定装置71は,例えば,保守点検を行うサービスマンが使用するサービスツールなどのパソコンであってもよい。
【0067】
設定装置71は,設定前の無線操縦装置12XのメモリX3に保存されているシリアル信号データフォーマットのデータ部に第1シリアル信号のデータ部Daの操作信号情報を設定することで,第1無線操縦装置12Aとして用いる設定をし,設定前の無線操縦装置12XのメモリX3に保存されているシリアル信号データフォーマットのデータ部に第2シリアル信号のデータ部の操作信号情報を設定することで,第2無線操縦装置12Bとして用いる設定をする。
【0068】
図12は,設定装置71により無線操縦装置12Xを第1及び第2無線操縦装置12A,12Bとして設定する手順の詳細を示す説明図である。
【0069】
無線操縦装置12Xを第1無線操縦装置12Aとして設定する場合,サービスマンは,無線操縦装置12Xのシリアル通信コネクタ部(SIO)X6に通信ケーブル72を介して設定装置71を接続し(ステップS310),無線操縦装置12XのメモリX3に保存されているシリアル信号データフォーマットをCPUX2に呼び出す(ステップS320)。次いで,サービスマンは,メモリX3に予め保存しておいた各種の操作信号の中から第1無線操縦装置12Aで使用する操作信号を選択し,シリアル信号データフォーマットのデータ部に選択した操作信号の情報を書き込む(ステップS330)。
【0070】
本実施形態においては,第1無線操縦装置12AのCPU32が生成する第1シリアル信号のデータ部Daの操作信号は,
図10の左側に示す「第1操作レバー信号」のNo.10~17の8個の操作信号と「追加信号」のNo.18~23の6個の操作信号の合計14個の操作信号であるため,シリアル信号データフォーマットのデータ部の設定スペースにこれら14個の操作信号の情報が書き込まれる。
【0071】
同様に,無線操縦装置12Xを第2無線操縦装置12Bとして設定する場合,サービスマンは,無線操縦装置12Xのシリアル通信コネクタ部(SIO)X6に通信ケーブル72を介して設定装置71を接続し(ステップS410),無線操縦装置12XのメモリX3に保存されているシリアル信号データフォーマットをCPUX2に呼び出す(ステップS420)。次いで,サービスマンは,メモリX3に予め保存しておいた各種の操作信号の中から第2無線操縦装置12Bで使用する操作信号を選択し,シリアル信号データフォーマットのデータ部に選択した操作信号の情報を書き込む(ステップS430)。
【0072】
本実施形態においては,第2無線操縦装置12BのCPU42が生成する第2シリアル信号のデータ部Dbの操作信号は,
図10の右側に示す「第2操作レバー信号」のNo.10~15の6個の操作信号であるため,シリアル信号データフォーマットのデータ部の設定スペースにこれら6個の操作信号の情報が書き込まれる。
【0073】
~効果~
本実施形態によれば,以下の効果が得られる。
【0074】
1.第2無線操縦装置12Bから操作信号の第2シリアル信号を第1無線操縦装置12Aに通信ケーブル16を介して送り,第1無線操縦装置12Aにおいて,第2無線操縦装置12Bから送信された第2シリアル信号のデジタルデータを,自身が生成した第1操作信号のデジタルデータと組み合わせて第1シリアル信号を生成し,油圧ショベル100の受信装置13に無線で送信するため,無線操縦装置が2台に増えても,通信周波数のチャンネル数を増やさずに操作信号を無線で送信でき,受信装置13側での混信の発生を防止し,油圧ショベル100を安定して操作することができる。
【0075】
2.1台の油圧ショベル100(作業機械)に第1シリアル信号を送信し,油圧ショベル100の受信装置13で受信した第1シリアル信号から第1操作信号と第2操作信号を取り出すため,油圧ショベル100の駆動対象(アクチュエータ)の数が多い場合であっても,駆動対象を制御し,必要な作業を行うことができる。
【0076】
3.第1無線操縦装置12Aと第2無線操縦装置12Bを,第1操作レバー及び第2操作レバーを含めて同じ仕様の筐体で構成し,設定装置71を用いてそれぞれの設定を行う構成としたので,第1無線操縦装置12A及び第2無線操縦装置12Bを容易に確保することができる。
【0077】
4.第1シリアル信号のデータ部Daの設定スペースを,第1操作信号と第2操作信号のそれぞれの個数に合わせたサイズとすることにより,データ部Daのサイズが最小限に抑えられ,最適な通信速度を確保することができる。
【0078】
~変形例~
本実施形態では,作業機械は双腕の油圧ショベルである場合について説明したが,作業機械は双腕の油圧ショベルに限らず,1台の無線操縦装置で賄えないほどに駆動対象(アクチュエータ)が多い作業機械であれば,同様に本実施形態の概念を適用し,同様の効果が得られる。
【0079】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態は,遠隔制御される作業機械が1台であり,作業機械が第1の実施形態の
図2に示す主腕としての作業機103(アタッチメントとして爪の回転と爪の開閉ができる油圧グラップルを備えた作業機)だけを備えた油圧ショベルである場合のものである。
【0080】
~全体構成~
図13は,本発明の第2の実施形態に係わる作業機械の遠隔制御システムの全体構成を示す図である。
【0081】
図13において,本実施形態における遠隔作業システムは,第1の実施形態の第2無線操縦装置12Bがペダル操作により操作信号を生成する第2無線操縦装置12Cに置き換わっている。
【0082】
第2無線操縦装置12Cは,第1操作ペダル81aを有し,第1操作ペダル81aの操作により第2操作信号を生成する第1ペダル装置82と,第2操作ペダル81bを有し,第2操作ペダルの操作により第2操作信号を生成する第2ペダル装置83と,第1ペダル装置82及び第2ペダル装置83から信号線84a,84bを介してそれぞれの第2操作信号を入力し,第2操作信号をデジタルデータに変換して第2シリアル信号を生成し,第2シリアル信号を通信ケーブル86を介して第1無線操縦装置12Aに送信する信号追加装置85とで構成されている。
【0083】
信号追加装置85は,A/D変換器85aと,CPU85bと,メモリ85cと,シリアル通信コネクタ部(SIO)85dと,電源85eとを有している。
【0084】
A/D変換器85aは第1及び第2ペダル装置82,83から送られてきたアナログ信号としての第2操作信号をデジタルデータに変換する。
【0085】
メモリ85cには第2シリアル信号生成プログラムが保存され,CPU85bはその第2シリアル信号生成プログラムに基づいて動作し,第2操作信号のデジタルデータをシリアルデータに変換して第2シリアル信号を生成し,第2シリアル信号をシリアル通信コネクタ部(SIO)85dに出力する。この第2シリアル信号は,通信ケーブル16を介して第1無線操縦装置12Aのシリアル通信コネクタ部(SIO)36(
図7A参照)に送信され,第1無線操縦装置12AのCPU32(
図7A参照)に取り込まれる。
【0086】
第1無線操縦装置12Aは,第1の実施形態で説明したように,自身が生成した第1操作信号のデジタルデータと第2無線操縦装置12Bから送信された第2操作信号のデジタルデータとを組み合わせて第1シリアル信号を生成し,この第1シリアル信号を油圧ショベル200に無線で送信する。
【0087】
その後の処理の流れは,第1の実施の形態と同じである。
【0088】
電源85eはソケット87に接続され,ソケット87は電源設備のコンセントに接続可能である。信号線84a,84bは電源線を兼ねており,電源85eからA/D変換器85aを介して第1ペダル装置82及び第2ペダル装置83に電力を供給可能である。これにより第2無線操縦装置12Cは操作ペダル81a,81bを用いて長時間の遠隔操作が可能となる。
【0089】
~作業機械~
図14は,本実施形態に係わる作業機械を示す図である。
【0090】
本実施形態に係わる作業機械は,作業機103(アタッチメントとして爪の回転と爪の開閉ができる油圧グラップルを備えた作業機)を備えた油圧ショベル200であり,副腕としての作業機104を備えていない点を除いて,
図2に示した油圧ショベル100と同じである。
図14において,
図2に示した油圧ショベル100と同等の部材には同じ符号を付している。
【0091】
~操作ペダルの操作方向と油圧ショベル200の動作との関係~
図14は,第1無線操縦装置12Aの操作レバー12a,12c~12e(
図4参照)及び第2無線操縦装置12Cの操作ペダル81a,81bの操作方向と油圧ショベル100の動作との関係を更に示している。
【0092】
本実施形態において,第1無線操縦装置12Aの操作レバー12a,12c~12eの操作方向と油圧ショベル100の動作との関係は,
図4に示した第1の実施形態と同じである。また,第1無線操縦装置12Aの操作レバー12b(
図3A参照)は,操作されても操作信号を生成しない設定となっている。
【0093】
第2無線操縦装置12Cの操作ペダル81a,81bは1軸の操作器であり,操作ペダル81aの後部を
図13に丸数字13で示すように押し下げると,作業機103のアタッチメント103c(グラップル)が開き方向に動作し,操作ペダル81aの前部を
図13に丸数字14で示すように押し下げると,作業機103のアタッチメント103c(グラップル)が閉じ方向に動作する。操作ペダル81bの後部を
図13に丸数字15で示すように押し下げると,作業機103のアタッチメント103c(グラップル)が軸線Z1を中心として左方向に回転し,操作ペダル81bの前部を
図13に丸数字16で示すように押し下げると,作業機103のアタッチメント103c(グラップル)が軸線Z1を中心として右方向に回転する。
【0094】
~シリアル信号のデータ構成~
図15は,第1無線操縦装置12AのCPU32と第2無線操縦装置12CのCPU85bで生成されるシリアル信号のデータ構成を示す図であって,
図15の左側に第1無線操縦装置12Aにより生成される第1シリアル信号のデータ構成を,
図15の右側に,第2無線操縦装置12Cにより生成される第2シリアル信号のデータ構成を示している。
【0095】
図15において,第1シリアル信号のデータ部Daは,
第1操作信号と第2操作信号のそれぞれの個数に合わせて,「第1操作レバー信号」と記載された第1無線操縦装置12Aの第1操作レバー12a,12c~12eの第1操作信号の6個の操作信号の設定スペースと,「追加信号」と記載された第2無線操縦装置12Cの第1及び第2ペダル装置82,83の第2操作信号の2個の操作信号の設定スペースを有している。
【0096】
第2シリアル信号のデータ部Dbは,「操作ペダル信号」と記載された第2無線操縦装置12Cの第1及び第2ペダル装置82,83の第2操作信号の2個の操作信号の設定スペースを有している。
【0097】
このように第1シリアル信号のデータ部Daにおいて,その設定スペースを,第1操作信号と第2操作信号のそれぞれの個数に合わせたサイズとすることにより,データ部Daのサイズが最小限に抑えられ,最適な通信速度を確保することができる。
【0098】
~効果~
本実施形態によれば,以下の効果が得られる。
【0099】
1.本実施形態においては,第2無線操縦装置12Cの操作器としてペダル装置82,83を用いた場合であっても,第1の実施形態と同様,自身が生成した第1操作信号のデジタルデータと第2無線操縦装置12Bから送信された第2操作信号のデジタルデータとを組み合わせて第1シリアル信号を生成し,この第1シリアル信号を油圧ショベル200に無線で送信するため,通信周波数のチャンネル数を増やさずに操作信号を無線で送信でき,受信装置13側での混信の発生を防止し,油圧ショベル100を安定して操作することができる。
【0100】
2.作業機械が
図14に示すような,アタッチメント103Cとして油圧グラップルを備えた油圧ショベル200である場合,グラップルの爪の開閉とグラップルの回転の操作が必要であり,そのため
図4のように第1無線操縦装置12Aの中央の操作レバー12bにグラップルの各操作を割り当てる必要がある。しかし,その場合は,走行以外の油圧ショベル200の操作で使用する操作レバーは操作レバー12a,12b,12cの3本となり,オペレータの手は2本であるため,3本の操作レバー12a,12b,12cを同時に操作できず,どれか1本の操作レバーが単独操作になり,作業に時間を要していた。
【0101】
本実施形態では,第2無線操縦装置12Cに操作器として第1ペダル装置82及び第2ペダル装置83を設けたので,第1無線操縦装置12Aを操作するオペレータの足元に第1ペダル装置82及び第2ペダル装置83を置くことで,オペレータは,第1無線操縦装置12Aの2本の操作レバー12a,12cを2本の手で操作し,同時に2本の足で第1ペダル装置82及び第2ペダル装置83の操作ペダル81a,81bを操作することができる。これにより第1無線操縦装置12Aの操作レバー12a,12cと第2無線操縦装置12Cの操作ペダル81a,81bを同時に操作することで,ブーム103a又はアーム103bの回動とグラップルの爪の開閉或いはグラップルの回転を同時に行う複合動作が可能となり,効率良く作業を行うことができる。
【0102】
~変形例~
本実施形態では,作業機械は,作業機のアタッチメントが爪の回転と爪の開閉ができる油圧グラップルを備えた油圧ショベルである場合について説明したが,作業機が4つ以上の駆動対象(アクチュエータ)を備えた油圧ショベルであれば,同様に本実施形態の概念を適用し,同様の効果が得られる。
【0103】
例えば,作業機が4つ以上の駆動対象(アクチュエータ)を備えた油圧ショベルとして,作業機のブームが互いに回動可能に連結された2つのブーム要素(第1ブーム及び第2ブーム)を備えた2ピースブーム式の油圧ショベルが知られている。このような油圧ショベルにおいて,2つのブーム要素の一方,或いは双方の操作器としてペダル装置を使用することで,第1無線操縦装置12Aの操作レバー12a,12cとペダル装置の操作ペダルを同時に操作することで,アームと第1ブーム又は第2ブームを同時に操作する複合動作が可能となり,効率良く作業を行うことができる。
【0104】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態は,遠隔制御される作業機械が互いに連携して作業を行う2台の作業機械である場合のものである。
【0105】
~全体構成~
図16は,本発明の第3の実施形態に係わる作業機械の遠隔制御システムの全体構成を示す図である。
【0106】
図16において,本実施形態における遠隔制御システムは,第1の実施形態の第2無線操縦装置12Bがクローラキャリア用の第2無線操縦装置12Dに置き換わり,作業機械が通常の油圧ショベル300とクローラキャリア400の2つの作業機械に置き換わっている。
【0107】
油圧ショベル300(第1作業機械)の受信装置13(第1受信装置)は,第1無線操縦装置12Aから送信された第1シリアル信号から第1操作信号のデジタルデータだけを取り出し,コントローラ14は,第1操作信号のデジタルデータに基づいて制御信号を生成し,油圧ショベル300の対応するアクチュエータの駆動を制御する。
【0108】
また,本実施形態における遠隔制御システムは,クローラキャリア400(第2作業機械)に設置された受信装置413(第2受信装置)とコントローラ414とを更に備え,受信装置413は第1無線操縦装置12Aから送信された第1シリアル信号から第2操作信号のデジタルデータだけを取り出し,コントローラ414は,受信装置413によって取り出した第2操作信号のデジタルデータに基づいて制御信号を生成し,クローラキャリア400の対応するアクチュエータの駆動を制御する。
【0109】
~作業機械~
図17は,第1及び第2無線操縦装置12A,12Dによって遠隔制御される2つの作業機械である油圧ショベル300とクローラキャリア400を示す図である。
【0110】
油圧ショベル300は,作業機として,バケット103gを有する作業機103を備えている。それ以外の構成は,
図14に示した油圧ショベル100と実質的に同じであり,同等の部材には同じ符号を付している。
【0111】
クローラキャリア400は,走行体401と,走行体401上に旋回可能に設置された旋回体402とを備え,旋回体402は,旋回輪303に設けられた図示しない旋回モータにより駆動され,走行体401上を旋回する。
【0112】
走行体401は,クローラ式の左右の走行装置401a,401b(右走行装置401bは不図示)を備え,左右の走行装置101a,101bは左右の走行モータ401c,401d(右走行モータ101dは不図示)により駆動され,油圧ショベル100を走行させる。
【0113】
旋回体402は,運転室を形成するキャビン402aと,キャビン402aの後側に位置するベッセル(荷台)402bとを備え,ベッセル402bの後端部は左右に伸びるピンを介して旋回体402の基礎フレームの後端部に回動可能に連結され,図示しないベッセル用の油圧シリンダの伸縮により基礎フレームに対して起伏可能である。
【0114】
油圧ショベル300とクローラキャリア400は,連携して荷の積み込み運搬作業を行う。荷の積み込みは,
図17に示すように,クローラキャリア400を停止させて行う。また,このとき,オペレータ(以下第1オペレータと言う)は第1無線操縦装置12Aを操作して油圧ショベル300を稼動させ,クローラキャリア400に荷を積み込む。荷の積み込みが完了すると,別のオペレータ(以下第2オペレータと言う)が第2無線操縦装置12Dを操作してクローラキャリア400を走行させ,積み荷を運搬する。クローラキャリア400の走行中,油圧ショベル300は停止しているか,次の積み込み作業に備えて荷の移動などの必要な作業を行う。後者の場合,第2オペレータが第2無線操縦装置12Dを操作すると同時に,第1オペレータは第1無線操縦装置12Aを操作する。クローラキャリア400が運搬を終了し,荷を下ろして
図17の現場に戻ると,再び第1オペレータは第1無線操縦装置を操作し,油圧ショベル300を稼動させてクローラキャリア400に荷を積み込む。
【0115】
~無線操縦装置~
図18は,第1無線操縦装置12Aの操作レバーの操作方向と油圧ショベル300の動作との関係を示す図であり,
図19は,第2無線操縦装置12Dの操作レバーの操作方向とクローラキャリア400の動作との関係を示す図である。
【0116】
図18において,第1無線操縦装置12Aの操作レバー12a,12c及び操作レバー12d,12eの操作方向と油圧ショベル300の動作との関係は,
図4に示した第1無線操縦装置12Aの操作レバー12a,12cの操作方向と油圧ショベル100の動作との関係と同じである。また,第1無線操縦装置12Aの操作レバー12bは,操作されても操作信号を生成しない設定となっている。
【0117】
図19において,第2無線操縦装置12Dの操作レバー22a,22cは,それぞれ,クローラキャリア400の旋回体402とベッセル402bの動作を制御するための操作器であり,操作レバー22a,22cはY方向(+側[Y+]と-側[Y-])に傾斜させて操作される。操作レバー22d,22eは,クローラキャリア400の走行装置401a,401bの動作を制御するための操作器であり,操作レバー22d,22eはY方向(+側[Y+]と-側[Y-])に傾斜させて操作される。
【0118】
操作レバー22aをY+方向に操作するとクローラキャリア400の旋回体402が右方向に旋回し,操作レバー22aをY-方向に操作すると旋回体402が左方向に旋回する。操作レバー22cをY+方向に操作するとクローラキャリア400のベッセル402bが上げ方向に動作し,操作レバー22cをY-方向に操作するとベッセル402bが下げ方向に動作する。
【0119】
操作レバー22dをY+方向に操作すると左走行装置401aが前進方向に動作し,操作レバー22dをY-方向に操作すると左走行装置401aが後進方向に動作する。操作レバー22eをY+方向に操作すると右走行装置401bが前進方向に動作し,操作レバー22eをY+方向に操作すると右走行装置401bが後進方向に動作する。
【0120】
第2無線操縦装置12Dの操作レバー22a,22cはX方向に操作されても操作信号を生成しない設定となっており,操作レバー12bは,操作されても操作信号を生成しない設定となっている。
【0121】
また,第1無線操縦装置12Aは,第1の実施形態で説明したように,自身が生成した第1操作信号のデジタルデータと第2無線操縦装置12Dから送信された第2操作信号のデジタルデータとを組み合わせて第1シリアル信号を生成し,この第1シリアル信号を油圧ショベル200に無線で送信する。
【0122】
~シリアル信号のデータ構成~
図20は,第1無線操縦装置12AのCPU32と第2無線操縦装置12DのCPU42で生成されるシリアル信号のデータ構成を示す図であって,
図20の左側に,第1無線操縦装置12Aにより生成される第1シリアル信号のデータ構成を,
図20の右側に,第2無線操縦装置12Dにより生成される第2シリアル信号のデータ構成を示している。
【0123】
図20において,第1無線操縦装置12Aにより生成される第1シリアル信号のデータ部Daは,第1操作信号と第2操作信号のそれぞれの個数に合わせて,「第1操作レバー信号」と記載された第1無線操縦装置12Aの第1操作レバー12a,12c~12eの第1操作信号の6個の操作信号の設定スペースと,「追加信号」と記載された第2無線操縦装置12Dの第2操作レバー22a,22c~22eの第2操作信号の4個の操作信号の設定スペースとを有している。
【0124】
第2無線操縦装置12Dにより生成される第2シリアル信号のデータ部Dbは,第2無線操縦装置12Dの第2操作レバー22a,22c~22eの第2操作信号の4個の操作信号の設定スペースを有している。
【0125】
このように第1シリアル信号のデータ部Daにおいて,その設定スペースを,第1操作信号と第2操作信号のそれぞれの個数に合わせたサイズとすることにより,データ部Daのサイズが最小限に抑えられ,最適な通信速度を確保することができる。
【0126】
~効果~
本実施形態によれば,以下の効果が得られる。
【0127】
1.遠隔制御される作業機械が互いに連携して作業を行う2台の作業機械(油圧ショベル300とクローラキャリア400)である場合であっても,第1の実施形態と同様,自身が生成した第1操作信号のデジタルデータと第2無線操縦装置12Bから送信された第2操作信号のデジタルデータとを組み合わせて第1シリアル信号を生成し,この第1シリアル信号を油圧ショベル300とクローラキャリア400に無線で送信するため,通信周波数のチャンネル数を増やさずに操作信号を無線で送信でき,受信装置13,413側での混信の発生を防止し,油圧ショベル300とクローラキャリア400を安定して操作することができる。
【0128】
~変形例~
本実施形態では,2台の作業機械が油圧ショベルとクローラキャリアである場合について説明したが,例えば油圧ショベルとダンプトラックなど,2台の作業機械が互いに連携して作業を行えるものであれば,同様に本実施形態の概念を適用し,同様の効果が得られる。
【0129】
<その他>
以上の実施形態では,第1及び第2無線操縦装置12A,12Bは,
図3A,
図3Bに示すような3本の2軸方向に傾斜可能な操作レバーと2本の1軸方向に傾斜可能な操作レバーを有するものである場合について説明したが,第1及び第2無線操縦装置12A,12Bはそれに限られず,作業機械の種類に応じて種々の操作レバー或いは操作器を有する無線操縦装置であってもよい。
【符号の説明】
【0130】
12A 第1無線操縦装置
12B,12C,12D 第2無線操縦装置
12a~12e 操作レバー(第1操作レバー)
12X 設定前の無線操縦装置
13 受信装置(第1受信装置)
413 受信装置(第2受信装置)
14,414 コントローラ
15 電波
16 通信ケーブル
22a~22e 操作レバー(第2操作レバー)
31,41 A/D変換器
32,42 CPU
33,43 メモリ
71 設定装置
82 第1ペダル装置
83 第2ペダル装置
84a,84b 信号線
85 信号追加装置
100,200,300 油圧ショベル(第1作業機械)
400 クローラキャリア(第2作業機械)