(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050361
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】箱形風車型羽根車を用いた大型風力発電システム
(51)【国際特許分類】
F03D 9/34 20160101AFI20240403BHJP
【FI】
F03D9/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022166522
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】522404731
【氏名又は名称】三浦 睦廣
(72)【発明者】
【氏名】三浦 睦廣
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA05
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB33
3H178BB35
3H178BB77
3H178CC01
3H178CC22
3H178DD67X
(57)【要約】 (修正有)
【課題】羽根車の回転面全体を風受面とすることにより羽根の長さの短縮化が可能となる風力発電システムを提供する。
【解決手段】鉄塔建設用支柱を円形に並べ相互に結束して支柱搭を作り、頂上部には強固な天板を張り渡し、その上にリング状のレールを敷き、車輪台車を乗せ、レールを抱え込む構造にして台車が浮き上がらないようにした上で、回転軸を内包した羽根車軸を車輪台車上に乗せ強固に捕縛し、更に車輪台車上に増速機、発電機、カウンターバランス用ウエート、回転制御用モーター等を乗せ、回転軸の両端に箱形風車型羽根車を装着した構造の大型風力発電システムであって、更に羽根車の短縮化によって羽根車の階層化を可能とした。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形風車型羽根車を用いることを特徴とする風力発電システム。
【請求項2】
回転軸に噛み合うように16角形のアダプターを作り、この上に一定の幅と長さを持つ支柱を16方向に立て、支柱間結束用支柱を張り渡して強度を高め、更に大型のものには中間の骨組みから支柱を立て都合32方向に延びた骨組みの構造を作り、風上側支柱から風下側支柱との間にテント張り面を作り、天頂部および一定の距離に隔壁を作って風の流れを制御し、回転軸に最大限の回転力を付与するようにした二重重ね構造の箱形風車型羽根車であって、骨組みの材料には既存の軽量合金、防水性木材、竹材等を用い得ることと、テント張り面の材料としてビニールシートのほか、雨、風、雪に耐え得る素材であれば如何なるものも可能とすることを特徴とする。
【請求項3】
建設用鋼材を用いて箱形の梁材を作り、これを4本ロ形に結束して回転軸の材料とし、これを包含した構造の羽根車軸を作り、車輪台車上に乗せて強固に捕縛し、更に支柱搭上に設けた円盤状天板の外周面上にリング状のレールを敷き、車輪台車を乗せ、脱輪しないようにレールを抱え込む構造を作り、また、回転中心部は天板との間にフック止構造を作り、車輪台車上には増速機、発電機、カウンターバランス用ウエート、方向制御用モーター等を乗せ、また、防風雪対策用のシートをレール上に乗せた構造を持つことを特徴とする風力発電システム。
【請求項4】
鉄塔建設用鋼材を用いた支柱8本を円形状に並べ相互に結束した構造の支柱搭を作り、更にその周りに8本の外周支柱搭を作り、支柱搭の支柱と相互に結束して強度を高めた支柱搭を作り、支柱搭の頂上部には円盤状の天板を張り渡し強度を更に高めたことを特徴とする支柱搭の作成方法。
【請求項5】
請求項4の支柱搭の外周部に16本の支柱で構成された外周支柱搭を作り、この上に支柱搭との間にドーナツ状の強固な天板を作り、この天板上に外周部と内周部上にそれぞれ円形状のレールを敷き、車輪台車を乗せ、更に羽根車軸を乗せて強固に捕縛した構造を作ることにより、請求項4の支柱搭を2階部分にして二層構造にしたことを特徴とする大型風力発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は風力発電システムに関する
【背景技術】
従来、大型風力発電システムにはプロペラ型羽根車を用いていた
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
従来はプロペラ型羽根車を用いた大型風力発電システムが主流となっているが、更なる大型化をするためにはプロペラの長さを長く太くする必要があり、構造上の強度を維持することに問題があった。
【課題を解決するための手段】
従来のプロペラ型羽根車を本発明の箱形風車型羽根車に変えることによって、羽根車の回転面全体を活用することにより羽根の長さの短縮化を可能にし、さらに、羽根車の骨組みに木材を利用し、風受面にビニールシートを活用することにより羽根車の軽量化、小型化を可能とした。 また、鉄塔建設用支柱を円形に並べ相互に結束して強固な支柱搭を作り、頂上部には強固な天板を張り渡しその上にリング状のレールを敷き、車輪台車を乗せ、レールを抱え込む構造にして台車が浮きあがらないようしたうえで回転軸を内包した羽根車軸を車輪台車上に乗せ強固に捕縛し、さらに車輪台車上に増速機、発電機、カウンターバランス用ウエート、回転制御用モーター等を乗せた構造を作ることで、既存の技術、材料を利用して製作費の低減を図り、全体としてコストパフォーマンスの良いシステムを実現することを可能とした。
【発明の効果】
本発明によれば、既存の技術、材料を利用することによりコストパフォーマンスの良いシステムを提供することが可能となり発電コストの一層の低減に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【
図2】
図2は、支柱搭の頂上部の天板上に置かれたリング状レール、その上に乗せた車輪台車、更に羽根車軸を乗せた概略構造図及び支柱搭の支柱相互間結束図
【
図3】
図3は、32本の支柱で構成された箱形風車型羽根車の結束図
【
図5】
図5は、外周支柱搭上の回転台車とリング状レールとの関係図
【発明を実施するための形態】
本発明は、箱形風車型羽根車を作出し、大型風力発電システムに適用するものであるが、箱形風車型羽根車の特性を生かしてシステムの形態を刷新すると共に、既存の技術、材料を最大限活用してコストパフォーマンスの優れたシステムとして完成させるものである。
建設用鋼材で出来た四角柱の回転軸に噛み合うように作られた16角形のアダプターを作り、その上に一定の幅と長さを持つ支柱を16方向に立て支柱間相互に支柱を張り渡して強固に結束し、さらに大型のものには中間骨組みから支柱を立て、都合32方向に支柱を伸ばした骨組みで構成された構造を作る。 風上側支柱から風下側支柱との間にテント張り面を作り、天頂部をテント張りすることにより風の方向を制御し、回転軸に最大限の回転力を付与するものであり、テント張り面の角度が均一になるようにすることと適度な長さのところをテント張りして隔壁を作ること、および、二重重ね羽根車構造を作ることなどにより達成される。
次に、羽根車を支える支柱搭は鉄塔建設用鋼材を用いて8本の支柱を円形状に配置し相互に結束し、また、天頂部には強固な天板を張り渡すことにより更に強度を高めた構造にする。 この天板上にリング状のレールを敷き車輪台車を乗せ、台車が浮き上がらないようにレールを抱え込む構造を作り、また、中心部には天板との間でフック止構造の回転軸を作る。
次に、建設用鋼材で箱形の梁材を作り、4本を口形に束ねて結束して回転軸の材料とし、これを包含した構造の羽根車軸を作る。 この羽根車軸を車輪台車上に乗せ強固に捕縛し、また、車輪台車上に増速機、発電機、カウンターバランス用ウエート及び羽根車軸の方向制御用駆動モーター等を乗せ、回転軸の両端に前述の箱形風車型羽根車を装着したデュアル構造の大型風力発電システムが出来上がる。
【実施例1】
(1)鉄塔建設用鋼材を用いて長さ25メートの支柱8本を直径10メートルの円形状に並べ相互に結束し、更に2メートルの支柱16本を支柱搭の外周部に直径20メートルの円形状に並べ、支柱搭と相互に結束して強度を高めた支柱搭を作り、頂上部には強固な円盤状の天板を張り渡し、その先端部上にリング状のレールを敷き、その直径方向上に車輪台車を乗せ、レールを抱え込む構造を作り脱輪しないようにし、更に車輪台車の中心部を天板の中心部にフック止めした構造にする。
(2)次に、建設用鋼材で作られた一辺1メートル半幅30センチメートルの箱形の梁材4本をロ形に結束して長さ12メートルの四角柱の回転軸を作り、これを内包する羽根車軸を車輪台車上に乗せ強固に捕縛した構造を作り、羽根車軸の回転軸の両端に長さ9メートルの延伸回転軸を強固に結合し、また、車輪台車上には増速機、発電機、カウンターバランス用ウエート、回転制御用モーター等を乗せ、更に防風雪用覆いをレール上に乗せた構造を作る。
(3)次に、箱形風車型羽根車の軽量化を図るため、建設用防水性木材を用いて上述の四角柱の回転軸に噛み合うようにした長さ8メートル半の強固な枠組みを作り、更にその上に8角形の枠組みを作り、更にその上に16角形の枠組みを作って構成された木製のアダプターを作る。 これを基礎としてここから幅8メートル長さ20メートルの支柱を16方向に立て、また、中心から10メートルと20メートルの間に長さ10メートルの支柱を立て、都合32本の支柱を持つ骨組みを作り、更に中心から5メートルおきに支柱間を結束する支柱を渡して隔壁を作り強固に結束する。
(4)風上側の支柱から隣り合う風下側の支柱との間に風受面となるビニールシート製のテント張り面を作り、二重重ねの羽根車の基本構造が出来上がる。 回転軸の回転を効率よく行わせるため、風下側の支柱を使わずに補助支柱を作り、テント張り面が一様な角度になるようにすることと、中心から5メートルおきに隔壁を作るとともに天頂部も同様に隔壁で覆い風の流れを制御することにより最大限の回転力を回転軸に付与する。 回転軸の回転方向は斜めのテント張り面の向きで決まる。
(5)この羽根車を回転軸の両端に挿着してデュアル構造の大型風力発電システムが出来上がる。
【実施例2】
(1)実施例1の支柱搭を高さ62メートルにして2階部分の構造にし、1階部分には支柱搭の周りに長さ22メートル鉄塔建設用の支柱16本を直径22メートルの円形状に並べて外周支柱搭を作り、隣り合う支柱間及び支柱搭とを相互に結束して強度を高める。 この外周支柱搭の上にドーナツ状の強固な天板を張り渡し、その上に外周部分と内周部分上にレールを円形状に敷く。外周部分のレールと内周部分のレール上に車輪台車を乗せ、両レール共に抱え込む構造にして台車の浮き上がりがないようにする。 台車の外周部分の車輪と内周部分の車輪の大きさの比はレールの直径の比にする事によって台車が中心方向に向くようになる。
(2)次に、建設用鋼材で作られた一辺1メートル半幅30センチメートルの箱形の梁材4本をロ形結束して長さ15メートの四角柱の回転軸を作り、この回転軸を内包する羽根車軸を車輪台車上に乗せ強固に捕縛した構造を作り、車輪台車上に増速機、発電機、カウンターバランス用ウエート、方向制御用モーター等を乗せ、更に防風雪用の覆いをレール上に乗せた構造を作る。
(3)次に、実施例1の箱形風車型羽根車を回転軸に挿着し支柱搭の反対側にも同じように羽根車を装着した構造を作ることで1階部分もデュアル構造を作り、2階部分と併せて4枚の羽根車を持つ大型風力発電システムが出来上がる。羽根車の方向は全て同一方向に向くようにする。
【実施例3】
(1)既存の大型風力発電システムのプロペラ型羽根車を取り払い、実施例1の箱形風車型羽根車の回転軸が装着出来るようにジョイント金具を製作することにより箱形風車型羽根車を持つ大型風力発電システムが出来上がる。