(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050437
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】冷却性能検出装置及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
F25B 49/02 20060101AFI20240403BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
F25B49/02 A
F25B1/00 399Y
F25B1/00 383
F25B1/00 385Z
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023141330
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】111137005
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】599114863
【氏名又は名称】復盛股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】游耀中
(72)【発明者】
【氏名】陳▲いく▼志
(57)【要約】
【課題】被測定ユニットの冷却情報を算出するための冷却性能検出装置及びその操作方法を提供する。
【解決手段】冷却性能検出装置は、圧縮機と凝縮器とを備えた被測定ユニットに用いられ、試験ユニットと、膨張弁と、冷媒回路と、冷媒測定ユニットとを含み、試験ユニットは、検出室と、検出室に収容される加熱器と、蒸発器と、送風構造と、庫内温度センサとを備えと、冷媒回路は、蒸発器、圧縮機、凝縮器及び膨張弁を順次連通する冷媒循環管路を備え、冷媒測定ユニットは冷媒循環管路に配置され、蒸発器と圧縮機との間に配置される第1温度センサ及び第1圧力センサと、凝縮器と膨張弁との間に配置される第2温度センサ及び第2圧力センサとを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と凝縮器とを備えた被測定ユニットに用いられる冷却性能検出装置であって、
検出室、当該検出室に収容される加熱器、蒸発器、送風構造、及び庫内温度センサを備える試験ユニットと、
膨張弁と、
前記蒸発器、前記圧縮機、前記凝縮器及び前記膨張弁を順次連通する冷媒循環管路と前記冷媒循環管路に充填される冷媒とを備える冷媒回路と、
前記蒸発器と前記圧縮機との間に配置される第1温度センサ及び第1圧力センサ、及び前記凝縮器と前記膨張弁との間に配置される第2温度センサ及び第2圧力センサを備え、前記冷媒循環管路に配置される冷媒測定ユニットと、を含む冷却性能検出装置。
【請求項2】
前記庫内温度センサは、前記検出室の庫内温度を取得し、前記送風構造は、当該庫内温度に基づいて回転速度が調整される、請求項1に記載の冷却性能検出装置。
【請求項3】
前記第1温度センサは、前記冷媒の第1冷媒温度を取得し、前記第1圧力センサは、前記冷媒の第1冷媒圧力を取得し、前記膨張弁は、前記第1冷媒圧力に基づいて開度が調整され、前記送風構造は、前記第1冷媒温度及び/又は前記第1冷媒圧力に基づいて回転速度が調整される、請求項2に記載の冷却性能検出装置。
【請求項4】
前記送風構造は、前記加熱器に対応して配置される第1ファンと、前記蒸発器に対応して配置される第2ファンとを備え、前記第1ファンは、前記庫内温度に基づいて回転速度が調整され、前記第2ファンは、前記第1冷媒温度及び/又は前記第1冷媒圧力に基づいて回転速度が調整される、請求項3に記載の冷却性能検出装置。
【請求項5】
前記第2ファンは、前記庫内温度に基づいて回転速度が調整される、請求項4に記載の冷却性能検出装置。
【請求項6】
前記検出室は、密閉断熱庫体であり、前記蒸発器は、フィン管式熱交換器、フィン式熱交換器、シェルアンドチューブ式熱交換器又はプレート式熱交換器である、請求項4に記載の冷却性能検出装置。
【請求項7】
前記冷媒測定ユニットは、前記凝縮器と前記膨張弁との間に配置される冷媒流量センサをさらに備える、請求項1に記載の冷却性能検出装置。
【請求項8】
調温構造と、流量制御器と、水回路とをさらに含み、
前記水回路は、前記加熱器、前記調温構造、前記流量制御器及び前記凝縮器を順次に連通する水循環管路と、当該水循環管路に充填される水又はブラインとを備える、請求項1に記載の冷却性能検出装置。
【請求項9】
前記水循環管路に配置される水測定ユニットをさらに含み、当該水測定ユニットは、前記流量制御器と前記凝縮器との間に配置される第3温度センサと、前記凝縮器と前記加熱器との間に配置される少なくとも1つの第4温度センサと、前記加熱器と前記調温構造との間に配置される第5温度センサと、前記加熱器と前記調温構造との間に配置される水流量センサとを備える、請求項8に記載の冷却性能検出装置。
【請求項10】
前記第3温度センサは、前記水又は前記ブラインの第1水温を取得し、前記調温構造は、前記第1水温に基づいて前記水又は前記ブラインを加熱又は冷却し、前記第4温度センサは、前記水又は前記ブラインの第2水温を取得し、前記調温構造は、冷却塔であり、前記流量制御器は、水ポンプであり、前記水ポンプは、前記第2水温に基づいて回転速度が調整される、請求項9に記載の冷却性能検出装置。
【請求項11】
前記第3温度センサは、前記水又は前記ブラインの第1水温を取得し、前記調温構造は、前記第1水温に基づいて前記水又は前記ブラインを加熱又は冷却し、前記第4温度センサは、前記水又は前記ブラインの第2水温を取得し、前記調温構造は、位置が前記試験ユニット及び前記凝縮器よりも高い冷却塔であり、前記流量制御器は、制御弁であり、前記制御弁は、前記第2水温に基づいて開度が調整される、請求項9に記載の冷却性能検出装置。
【請求項12】
流量調節ユニットをさらに含み、
前記水循環管路は、前記加熱器及び前記調温構造を順次に連通する第1水管路と、前記調温構造、前記流量制御器及び前記凝縮器を順次に連通する第2水管路と、前記凝縮器及び前記加熱器を順次に連通する第3水管路とに分けられ、
前記流量調節ユニットは、両端が前記第1水管路と前記第3水管路とに跨って連通する分流管路と、当該分流管路に配置される開閉弁とを備え、
前記水測定ユニットは、前記流量制御器と前記凝縮器との間に配置される補助流量センサをさらに備え、
前記少なくとも1つの第4温度センサの数は2つであり、一方の前記第4温度センサは、前記凝縮器と前記分流管路との間に配置され、他方の前記第4温度センサは、前記加熱器と前記分流管路との間に配置される、請求項9に記載の冷却性能検出装置。
【請求項13】
冷媒貯蔵タンクと、当該冷媒貯蔵タンク及び前記冷媒循環管路を連通する液体輸送管とをさらに含む、請求項1に記載の冷却性能検出装置。
【請求項14】
冷却性能検出装置の操作方法であって、
圧縮機と凝縮器とを備えた被測定ユニットを提供するステップaと、
試験ユニットと、膨張弁と、冷媒循環管路とを提供し、前記試験ユニットが検出室、当該検出室に収容する加熱器、蒸発器、送風構造、及び庫内温度センサを備え、前記冷媒循環管路が前記蒸発器、前記圧縮機、前記凝縮器及び前記膨張弁を順次に連通し、内部に冷媒を充填するステップbと、
前記冷媒循環管路に配置する冷媒測定ユニットを提供し、前記冷媒測定ユニットが、前記蒸発器と前記圧縮機との間に配置する第1温度センサ及び第1圧力センサと、前記凝縮器と前記膨張弁との間に配置する第2温度センサ及び第2圧力センサとを備えるステップgと、
前記圧縮機及び前記凝縮器を起動して、前記冷媒を前記蒸発器、前記圧縮機、前記凝縮器及び前記膨張弁の順に環流させるステップhと、
前記庫内温度センサにより前記検出室の庫内温度を取得し、前記第1温度センサにより前記蒸発器から流出する前記冷媒の第1冷媒温度を取得し、前記第1圧力センサにより前記蒸発器から流出する前記冷媒の第1冷媒圧力を取得するステップiと、
前記庫内温度、前記第1冷媒温度及び前記第1冷媒圧力が予め設定された試験条件を満たすまで、前記庫内温度、前記第1冷媒温度及び前記第1冷媒圧力に基づいて前記送風構造の回転速度を調整し、前記第1冷媒圧力に基づいて前記膨張弁の開度を調整するステップjと、
前記第2温度センサにより、前記蒸発器に流入する前記冷媒の第2冷媒温度を取得し、前記第2圧力センサにより、前記蒸発器に流入する前記冷媒の第2冷媒圧力を取得するステップkと、
コンピュータを提供し、前記コンピュータが前記第1冷媒温度、前記第1冷媒圧力、前記第2冷媒温度及び前記第2冷媒圧力に基づいて前記蒸発器の冷凍情報を算出するステップlと、を含む、冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項15】
前記ステップbの後に、調温構造と、流量制御器と、水回路とを提供し、前記水回路が、前記加熱器、前記調温構造、前記流量制御器及び前記凝縮器を順次に連通する水循環管路と、当該水循環管路に充填する水又はブラインとを備えるステップcをさらに含む、請求項14に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項16】
前記ステップcの後に、前記水循環管路に配置する水測定ユニットを提供し、水測定ユニットが、前記流量制御器と前記凝縮器との間に配置される第3温度センサと、前記凝縮器と前記加熱器との間に配置される少なくとも1つの第4温度センサと、前記加熱器と前記調温構造との間に配置される第5温度センサとを備えるステップdをさらに含む、請求項15に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項17】
前記ステップdの後に、前記第3温度センサにより前記調温構造から流出する前記水又は前記ブラインの第1水温を取得し、前記第1水温が予め設定された第1設定温度を満たすまで、前記調温構造が前記第1水温に基づいて前記水又は前記ブラインを加熱又は冷却するステップeをさらに含む、請求項16に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項18】
前記ステップeにおいて、前記調温構造は冷却塔であり、前記冷却塔が前記水又は前記ブラインに対応して配置する冷却ファンを備え、前記第1水温に基づいて前記冷却ファンの回転速度を調整する、請求項17に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項19】
前記ステップeの後に、前記第4温度センサにより前記凝縮器から流出する前記水又は前記ブラインの第2水温を取得し、前記第2水温が予め設定された第2設定温度を満たすまで、前記第2水温に基づいて前記水又は前記ブラインの流速を制御するように前記流量制御器を調整するステップfをさらに含む、請求項18に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項20】
前記ステップfにおいて、前記流量制御器は水ポンプであり、前記第2水温が前記第2設定温度を満たすまで、前記第2水温に基づいて前記水ポンプの回転速度を調整する、請求項19に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項21】
前記ステップfにおいて、前記冷却塔の位置が前記試験ユニット及び前記凝縮器の位置よりも高く、前記流量制御器は制御弁であり、前記第2水温が前記予め設定された第2温度を満たすまで、前記第2水温に基づいて前記制御弁の開度を調整する、請求項19に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項22】
前記ステップlにおいて、前記水測定ユニットが、前記加熱器と前記調温構造との間に配置する水流量センサをさらに備え、前記水流量センサにより前記加熱器から流出する前記水又は前記ブラインの水流量を取得し、前記コンピュータが前記第1水温と前記第2水温との温度差及び前記水流量に基づいて前記凝縮器の加熱情報を算出する、請求項19に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項23】
前記ステップlにおいて、前記水測定ユニットが、前記加熱器と前記調温構造との間に配置する水流量センサをさらに備え、前記水流量センサにより前記加熱器から流出する前記水又は前記ブラインの水流量を取得し、前記第5温度センサにより前記加熱器から流出する前記水又は前記ブラインの第3水温を取得し、前記コンピュータが前記第2水温と前記第3水温との温度差及び前記水流量に基づいて、前記加熱器の加熱情報を算出する、請求項19に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項24】
前記ステップfにおいて、流量調節ユニットを提供し、前記水循環管路は、前記加熱器及び前記調温構造を順次に連通する第1水管路と、前記調温構造、前記流量制御器及び前記凝縮器を順次に連通する第2水管路と、前記凝縮器及び前記加熱器を順次に連通する第3水管路とに分けられ、前記流量調節ユニットは、両端が前記第1水管路と前記第3水管路とに跨って連通する分流管路と、当該分流管路に配置する開閉弁とを備え、前記開閉弁が前記第2水温に基づいて開閉を調整する、請求項19に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項25】
前記ステップlにおいて、前記開閉弁が前記分流管路を開通する場合、前記水測定ユニットは、前記加熱器と前記調温構造との間に配置する水流量センサと、前記流量制御器と前記凝縮器との間に配置する補助流量センサとをさらに備え、前記少なくとも1つの第4温度センサの数は2つであり、一方の前記第4温度センサを、前記凝縮器と前記分流管路との間に配置し、他方の前記第4温度センサを、前記加熱器と前記分流管路との間に配置し、前記補助流量センサにより前記凝縮器に流入する前記水又は前記ブラインの第1水流量を取得し、前記コンピュータが、前記第1水温と、前記凝縮器と前記分流管路との間に配置される前記一方の第4温度センサが取得した前記第2水温との温度差及び前記第1水流量に基づいて前記凝縮器の加熱情報を算出する、請求項24に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項26】
前記ステップlにおいて、前記開閉弁が前記分流管路を開通する場合、前記水測定ユニットは、前記加熱器と前記調温構造との間に配置される水流量センサと、前記流量制御器と前記凝縮器との間に配置される補助流量センサとをさらに備え、前記少なくとも1つの第4温度センサの数は2つであり、一方の前記第4温度センサを、前記凝縮器と前記分流管路との間に配置し、他方の前記第4温度センサを、前記加熱器と前記分流管路との間に配置し、前記水流量センサにより前記加熱器から流出する前記水又は前記ブラインの第2水流量を取得し、前記第5温度センサにより前記加熱器から流出する前記水又は前記ブラインの第3水温を取得し、前記コンピュータが、前記加熱器と前記分流管路に配置される前記他方の第4温度センサが取得した前記第2水温と前記第3水温との温度差及び前記第2水流量に基づいて、前記加熱器の加熱情報を算出する、請求項24に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項27】
前記ステップjにおいて、前記送風構造が、前記加熱器に対応して配置する第1ファンと、前記蒸発器に対応して配置する第2ファンとを備え、前記庫内温度に基づいて前記第1ファンの回転速度を調整し、前記第1冷媒温度及び/又は前記第1冷媒圧力に基づいて前記第2ファンの回転速度を調整する、請求項14に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項28】
前記ステップjにおいて、前記庫内温度に基づいて前記第2ファンの回転速度を調整する、請求項27に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【請求項29】
前記ステップbにおいて、冷媒貯蔵タンクと、当該冷媒貯蔵タンク及び前記冷媒循環管路を連通する液体輸送管とをさらに提供し、前記冷媒貯蔵タンクが、前記冷媒が前記冷媒循環管路の内部を満たすまで、前記液体輸送管を介して前記冷媒循環管路に前記冷媒を供給する、請求項14に記載の冷却性能検出装置の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却性能を検出するための検出装置に関し、特に、冷却性能検出装置及びその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市販の例えばエアコン等の冷凍・冷蔵用ユニットは、主に冷媒を循環させる冷媒回路と、冷媒回路上に順次配置される圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を含み、冷媒が蒸発器で行う熱交換作用を利用し、ファンと協働して冷気を発生させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、冷凍・冷蔵用ユニットは、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器の構造やパラメータの変化により、冷却効果が低下する場合があるため、出荷前に性能検査を行い、信頼性、耐久性を確保する必要がある。そこで、冷凍・冷蔵用ユニットを安定的に検出できる性能検出装置をどのように提供するかが、業界の課題となっている。
【0004】
これに鑑み、本発明者は、上記の従来技術の欠陥に対し、鋭意研究を重ねると共に学理の運用を組み合わせ、上記問題点を解決することに努めた結果、本発明者の改良の目標となった。
【0005】
本発明は、冷媒が蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁を順に流れて蒸発器に還流することにより、被測定ユニットの冷却情報を正確かつ安定的に算出することができる冷却性能検出装置及びその操作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態において、冷却性能検出装置は、圧縮機と凝縮器とを備えた被測定ユニットに用いられ、検出室、当該検出室に収容される加熱器、蒸発器、送風構造、及び庫内温度センサを含む試験ユニットと、膨張弁と、前記蒸発器、前記圧縮機、前記凝縮器及び前記膨張弁を順次連通する冷媒循環管路と前記冷媒循環管路に充填される冷媒とを含む冷媒回路と、前記蒸発器と前記圧縮機との間に配置される第1温度センサ及び第1圧力センサ、及び前記凝縮器と前記膨張弁との間に配置される第2温度センサ及び第2圧力センサを備え、前記冷媒循環管路に配置される冷媒測定ユニットと、を含む。
【0007】
本発明の一実施形態において、冷却性能検出装置の操作方法は、圧縮機と凝縮器とを備えた被測定ユニットを提供するステップaと、試験ユニットと、膨張弁と、冷媒循環管路とを提供し、前記試験ユニットが検出室、当該検出室に収容する加熱器、蒸発器、送風構造、及び庫内温度センサを備え、前記冷媒循環管路が前記蒸発器、前記圧縮機、前記凝縮器及び前記膨張弁を順次連通し、内部に冷媒を充填するステップbと、前記冷媒循環管路に配置する冷媒測定ユニットを提供し、前記冷媒測定ユニットが、前記蒸発器と前記圧縮機との間に配置する第1温度センサ及び第1圧力センサと、前記凝縮器と前記膨張弁との間に配置する第2温度センサ及び第2圧力センサとを備えるステップgと、前記圧縮機及び前記凝縮器を起動して、前記冷媒を前記蒸発器、前記圧縮機、前記凝縮器及び前記膨張弁の順に環流させるステップhと、前記庫内温度センサにより前記検出室の庫内温度を取得し、前記第1温度センサにより前記蒸発器から流出する前記冷媒の第1冷媒温度を取得し、前記第1圧力センサにより前記蒸発器から流出する前記冷媒の第1冷媒圧力を取得するステップiと、前記庫内温度、前記第1冷媒温度及び前記第1冷媒圧力が予め設定された試験条件を満たすまで、前記庫内温度、前記第1冷媒温度及び前記第1冷媒圧力に基づいて前記送風構造の回転速度を調整し、前記第1冷媒圧力に基づいて前記膨張弁の開度を調整するステップjと、前記第2温度センサにより、前記蒸発器に流入する前記冷媒の第2冷媒温度を取得し、前記第2圧力センサにより、前記蒸発器に流入する前記冷媒の第2冷媒圧力を取得するステップkと、前記第1冷媒温度、前記第1冷媒圧力、前記第2冷媒温度及び前記第2冷媒圧力に基づいて前記蒸発器の冷凍情報を算出するコンピュータを提供するステップlと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
以上のことから、本発明に係る冷却性能検出装置は、冷媒が蒸発器、圧縮機、凝縮器及び膨張弁を順に流れて蒸発器に還流することを利用して蒸発器の冷凍情報を算出することにより、冷凍機の実際の使用状況により近く、実務により近い冷凍情報を検出する冷却性能検出装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る冷却性能検出装置の操作方法のフローチャートである。
【
図2】本発明に係る冷却性能検出装置のブロック図である。
【
図3】本発明に係る冷却性能検出装置の他の実施形態のブロック図である。
【
図4】本発明に係る冷却性能検出装置の別の実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の詳細な説明及び技術内容は、図面を参照しつつ説明するが、添付の図面は、説明のみの目的で提供されており、本発明を限定することを意図するものではない。
【0011】
図1~
図3を参照すると、本発明は、冷却性能検出装置及びその操作方法を提供する。冷却性能検出装置10は、主に試験ユニット1と、膨張弁2と、冷媒回路3と、冷媒測定ユニット4と、調温構造5と、流量制御器6と、水回路7と、水測定ユニット8と、冷媒貯蔵タンク91と、液体輸送管92とを含む。
【0012】
ここで、冷媒回路3は、後述する冷媒循環管路31及び冷媒循環管路31に充填される冷媒を含み、水回路7は後述する水循環管路71及び水循環管路71に充填される水又はブラインを含む。
【0013】
図1に示すように、本発明に係る冷却性能検出装置の操作方法のステップをさらに説明すると、
図1に示すステップa、
図2及び
図3に示すように、被測定ユニット100を提供し、被測定ユニット100は、圧縮機101と凝縮器102とを含む。
【0014】
図1のステップb、
図2及び
図3に示すように、試験ユニット1、膨張弁2及び冷媒循環管路31を提供する。試験ユニット1は、検出室11と、検出室11に収容される加熱器12と、蒸発器13と、送風構造14と、庫内温度センサ15とを含み、冷媒循環管路31は、蒸発器13、圧縮機101、凝縮器102及び膨張弁2を順次連通し、その内部に冷媒が充填され、冷媒が蒸発器13、圧縮機101、凝縮器102及び膨張弁2を順に流れ、最後に蒸発器13に還流する。
【0015】
ステップbにおいて、冷媒貯蔵タンク91及び液体輸送管92をさらに提供し、液体輸送管92は、冷媒貯蔵タンク91及び冷媒循環管路31を連通し、冷媒貯蔵タンク91は、冷媒が冷媒循環管路31の内部を満たすまで、液体輸送管92を介して冷媒循環管路31に冷媒を供給する。また、液体輸送管92は、凝縮器102と冷媒流量センサ45との間に配置される。
【0016】
さらに、検出室11は、例えば冷凍庫や冷蔵庫等の密閉断熱庫体であり、密閉断熱庫体は、庫体内部の空気を外部の空気から遮断するため、庫体内部の空気中の水気の総量を制限し、その結果、蒸発器13への大量の着霜を防止することができる。
【0017】
さらに、蒸発器13は、フィン管式熱交換器、フィン式熱交換器、シェルアンドチューブ式熱交換器、プレート式熱交換器等、媒介が冷媒及び空気の熱交換器であってもよく、試験ユニット1で発生した冷却量を空気に伝達するのに用いられる。
【0018】
図1のステップc、
図2及び
図3に示すように、調温構造5、流量制御器6及び水回路7を提供する。水回路7は、加熱器12、調温構造5、流量制御器6及び凝縮器102を順次連通する水循環管路71と、水循環管路71に充填される水又はブラインとを含む。これにより、水又はブラインが加熱器12、調温構造5、流量制御器6及び凝縮器102を順に流れ、最後に加熱器12に還流する。
【0019】
図1のステップd、
図2及び
図3に示すように、水測定ユニット8を提供する。水測定ユニット8は、水循環管路71に配置される。水測定ユニット8は、流量制御器6と凝縮器102との間に配置される第3温度センサ81と、凝縮器102と加熱器12間に配置される1つ又は複数の第4温度センサ82と、加熱器12と調温構造5との間に配置される第5温度センサ83と、水流量センサ84とを含む。水流量センサ84は、加熱器12と調温構造5との間に配置される。
【0020】
図1のステップe、
図2及び
図3に示すように、第3温度センサ81により調温構造5から流出する水又はブラインの第1水温を取得し、調温構造5は、第1水温が予め設定された第1温度を満たすまで、第1水温に基づいて水又はブラインを加熱又は冷却する。
【0021】
詳細には、ステップeにおいて、調温構造5は冷却塔51であり、冷却塔51は、内部の水又はブラインに対応して配置される冷却ファン52を備え、第1水温が予め設定された第1温度を満たすまで、第1水温に基づいて冷却ファン52の回転速度を調整する。この予め設定された第1温度は10℃~40℃である場合、第1水温が10℃~40℃になるまで、冷却ファン52の回転速度を上げて第1水温を降下させたり、冷却ファン52の回転速度を下げて第1水温を上昇させたりして調整する。
【0022】
また、
図2に示すように、流量制御器6は水ポンプ61であってもよい。
図3に示すように、本発明に係る冷却性能検出装置10の他の実施形態では、冷却塔51が試験ユニット1及び凝縮器102よりも高い位置に配置されている場合、冷却塔51は段差を利用して下方の試験ユニット1及び凝縮器102に水又はブラインを流すことができ、その結果、水ポンプを省略することができ、流量制御器6を制御弁62とすることができる。また、他の流体推進手段と併用して制御弁62のみを用いて流量調節を行うことも可能である。
【0023】
図1のステップf、
図2及び
図3に示すように、第4温度センサ82により凝縮器102から流出する水又はブラインの第2水温を取得し、第2水温に基づいて水又はブラインの流速を制御するように流量制御器6を調整することで、第2水温が予め設定された第2温度になるまで、水又はブラインを凝縮器102に急速に又はゆっくりと流し、凝縮器102から熱を放散させることにより、水又はブラインの温度を変化させる。ここで、この予め設定された第2温度は15℃~45℃である。
【0024】
図2に示すように、流量制御器6は水ポンプ61であり、第2水温が15℃~45℃になるまで、水ポンプ61の回転速度を上げて第2水温を降下させたり、水ポンプ61の回転速度を下げて第2水温を上昇させたりして調整する。
図3に示すように、本発明に係る冷却性能検出装置10の他の実施形態では、流量制御器6は制御弁62である。第2水温が15℃~45℃になるまで、制御弁62の開度を大きくして第2水温を降下させたり、制御弁62の開度を小さくして第2水温を上昇させたりして調整する。
【0025】
図1のステップg、
図2及び
図3に示すように、冷媒循環管路31に配置される冷媒測定ユニット4を提供する。冷媒測定ユニット4は、蒸発器13と圧縮機101との間に配置される第1温度センサ41及び第1圧力センサ42と、凝縮器102と膨張弁2との間に配置される第2温度センサ43と、第2圧力センサ44と、冷媒流量センサ45とを含む。冷媒流量センサ45は、凝縮器102と膨張弁2との間に配置される。
【0026】
図1のステップh、
図2及び
図3に示すように、圧縮機101と凝縮器102を起動して、冷媒を蒸発器13、圧縮機101、凝縮器102及び膨張弁2の順に環流させる。詳細には、ステップdとステップeとの間に、水回路7が起動すると、水又はブラインが水循環管路71を流れ、このとき、圧縮機101及び凝縮器102を起動し、冷媒が冷媒循環管路31を流れ、水回路7及び冷媒回路3の循環過程において、2つの回路は起動するとすぐに協働して調整制御を行う。
【0027】
図1のステップi、
図2及び
図3に示すように、庫内温度センサ15により検出室11の庫内温度を取得し、第1温度センサ41により蒸発器13から流出する冷媒の第1冷媒温度を取得し、第1圧力センサ42により蒸発器13から流出する冷媒の第1冷媒圧力を取得する。
【0028】
図1のステップj、
図2及び
図3に示すように、庫内温度、第1冷媒温度及び第1冷媒圧力が予め設定された試験条件を満たすまで、庫内温度、第1冷媒温度と第1冷媒圧力に基づいて送風構造14の回転速度を調整し、第1冷媒圧力に基づいて膨張弁2の開度を調整する。この予め設定された試験条件は、庫内温度が-50℃~30℃であり、第1冷媒圧力が-0.65barG~7.5barGであり、第1冷媒温度が0~30℃である。ここで、本実施形態の送風構造14は、後述する第1ファン141と、第2ファン142とを含む。ステップjにおいて、送風構造14は、加熱器12に対応して配置される第1ファン141と、蒸発器13に対応して配置される第2ファン142とを含む。
【0029】
まず、第1冷媒圧力が-0.65barG~7.5barGになるまで、第1冷媒圧力に基づいて膨張弁2の開度を調整し、膨張弁2の開度を大きくして第1冷媒圧力を昇圧させたり、膨張弁2の開度を小さくして第1冷媒圧力を降圧させたりして調整する。次に、第1冷媒温度が0~30℃になるまで、第1冷媒温度と第1冷媒圧力に基づいて第2ファン142の回転速度を調整し、第2ファン142の回転速度を上げて第1冷媒温度を上昇させたり、第2ファン142の回転速度を下げて第1冷媒温度は温度を降下させたりして調整する。このとき、第1冷媒圧力も第2ファン142の回転速度に影響されるため、第1冷媒圧力が予め設定された試験条件から外れる場合には、膨張弁2の開度を再調整し、第1冷媒温度が予め設定された試験条件を外れる場合には、第2ファン142の回転速度を再調整する。
【0030】
その後、庫内温度に基づいて第1ファン141の回転速度を調整し、庫内温度が-50℃~30℃になるまで、第1ファン141の回転速度を上げて庫内温度を上昇させたり、第1ファン141の回転速度を下げて庫内温度を降下させたり調整する。
【0031】
次に、庫内温度に基づいて第2ファン142の回転速度を調整してもよく、第2ファン142の回転速度を上げれば庫内温度は下がり、第2ファン142の回転速度を下げれば庫内温度は上がる。ただし、第2ファン142の回転速度を調整すると、第1冷媒温度及び第1冷媒圧力に影響を与えるため、必要な場合を除き、庫内温度に基づいて第2ファン142の回転速度を調整することはない。
【0032】
図1のステップk、
図2及び
図3に示すように、第2温度センサ43により蒸発器13に流入する冷媒の第2冷媒温度を取得し、第2圧力センサ44により蒸発器13に流入する冷媒の第2冷媒圧力を取得する。
【0033】
第1水温が予め設定された第1温度を満たし、第2水温が予め設定された第2温度を満たし、及び庫内温度、第1冷媒温度及び第1冷媒圧力が予め設定された試験条件を満たすときに、水回路7、冷媒回路3、検出室11の制御環境が平衡状態に達し、以下の計算及び測定を開始する。
図1のステップl、
図2及び
図3に示すように、コンピュータを提供し、冷媒流量センサ45により凝縮器102から流出する冷媒の冷媒流量を取得し、この冷媒流量は0kg/sより大きく10kg/s以下である。コンピュータは、第1冷媒温度、第1冷媒圧力、第2冷媒温度、第2冷媒圧力及び冷媒流量に基づいて、冷却のエンタルピー表と照合して、蒸発器13の冷却情報を算出する。
【0034】
ここで、ステップlにおいて、水流量センサ84により加熱器12から流出する水又はブラインの水流量を取得し、この水流量は0より大きく5000LPM以下である。コンピュータは、第1水温と第2水温との温度差及び水流量に基づいて凝縮器102の加熱情報を算出し、第5温度センサ83により加熱器12から流出する水又はブラインの第3水温を取得し、第2水温と第3水温との温度差及び水流量に基づいて加熱器12の加熱情報を算出する。
【0035】
また、コンピュータが算出する情報をより正確にするために、本実施形態では、第4温度センサ82の数は2であるが、これに限定されない。
【0036】
詳細に説明すると、その一方の第4温度センサ82は、凝縮器102に隣接して配置され、他方の第4温度センサ82は、加熱器12に隣接して配置される。調温構造5は、凝縮器102に隣接して配置される第4温度センサ82が取得する第2水温に基づいて流量制御器6を調整する。コンピュータは、凝縮器102に隣接して配置される第4温度センサ82が取得する第2水温に基づいて、凝縮器102の加熱情報を算出し、加熱器12に隣接して配置される第4温度センサ82が取得する第2水温に基づいて、加熱器12の加熱情報を算出する。
【0037】
このようにして、本発明に係る冷却性能検出装置10は、蒸発器13の冷却情報を算出し、即ち、被測定ユニット100の冷却情報を知った上で、凝縮器102の加熱情報及び加熱器12の加熱情報を複数回検証することにより、被測定ユニット100の冷却・加熱性能をより正確かつ安定的に検出することができる。
【0038】
また、従来の蒸発器の熱交換媒体として水やブラインを使用すると、冷凍機の実際の使用条件に達することができない。水は0℃以下の環境で運転できず、ブラインを熱交換の媒体として使用する場合、管路や貯蔵タンク等の設備を追加設置する必要があり、しかも、ブラインの濃度が変わりやすく、物理的性質が相対的に不明確であるため、性能の算出結果に影響を与えて、検出システム全体の設備や制御条件が複雑すぎるわけである。これに対して、本発明に係る冷却性能検出装置10の検出室11は密閉断熱庫体であり、空気を熱交換媒体とし、庫体内部の空気中の水気の総量を制限し、蒸発器13は、試験ユニット1で発生した冷却量を空気に伝達し、蒸発器13への大量の着霜を防止し、開放式の熱源システムの大量の着霜の問題を克服することができる。
【0039】
また、密閉断熱庫体の試験環境が安定し、制御条件が比較的簡単であるため、密閉断熱庫内が熱平衡に達すると、蒸発器13の冷凍情報と凝縮器102及び加熱器12の加熱情報を何度も検証することにより、本発明に係る冷却性能検出装置及びその操作方法は、被測定ユニット100の実際の状況に近い冷却性能及び加熱性能をより正確かつ安定的に検出することができる。
【0040】
さらに、本発明の冷却性能検出装置10は、冷媒が蒸発器13、圧縮機101、凝縮器102及び膨張弁2を順に流れて蒸発器13に還流することを利用して、蒸発器13の冷凍情報を算出することにより、より冷凍機の実際の使用状況に近く、より実務に近い冷凍情報を検出する冷却性能検出装置10を実現することができる。
【0041】
さらに、本発明の冷却性能検出装置10は、水が加熱器12、冷却塔51、流量制御器6及び凝縮器102を順に流れて加熱器12に還流することを利用して、凝縮器102の加熱情報と加熱器12の加熱情報を算出すると同時に、凝縮器102に放熱し、及び間接に第1冷媒温度及び第1冷媒圧力を制御することにより、冷却性能検出装置10は、省エネルギー効果を有する。
【0042】
図4は、本発明の冷却性能検出装置10の別の実施形態である。
図4の実施形態は、
図1及び
図2の実施形態とほぼ同じであるが、流量調節ユニットs1をさらに含む点で、
図1及び
図2の実施形態と異なる。
【0043】
詳細には、上記ステップfにおいて、流量調節ユニットs1をさらに提供する。水循環管路71は、加熱器12及び調温構造5を順次連通する第1水管路711と、調温構造5、流量制御器6及び凝縮器102を順次連通する第2水管路712と、凝縮器102及び加熱器12を順次連通する第3水管路713とに分けられる。流量調節ユニットs1は、両端が第1水管路711と第3水管路713とに跨って連通する分流管路s11と、分流管路s11に配置される開閉弁s12とを含む。開閉弁s12は、第2水温に基づいて開閉を調整する。
【0044】
ここで、開閉弁s12は、次のように第2水温に基づいて開閉を調整する。段階的に第2水温はまず予め設定された第2温度を満たし、この予め設定された第2温度は15℃~45℃であり、その後、庫内温度、第1冷媒温度及び第1冷媒圧力は予め設定された試験条件を満たし、この予め設定された試験条件は次の通りであり。庫内温度は-50℃~30℃であり、第1冷媒圧力は-0.65barG~7.5barGであり、第1冷媒温度は0~30℃である。
【0045】
庫内温度、第1冷媒温度及び第1冷媒圧力が予め設定された試験条件を満たすが、第2水温が予め設定された第2温度を満たすことから予め設定された第2温度に満たさなくなる場合は、通常、水又はブラインが多すぎることを示す。このとき、開閉弁s12は分流管路s11を開通して、第2水温が予め設定された第2温度を満たすまで、一部の水又はブラインを冷却塔51に分流させて、加熱器12を流れる水量又はブライン量を減少させる。
【0046】
その後、第1水温が予め設定された第1温度を満たし、第2水温が予め設定された第2温度を満たし、及び庫内温度、第1冷媒温度及び第1冷媒圧力が予め設定された試験条件を満たすと、水回路7、冷媒回路3、検出室11の制御環境が平衡状態に達し、以下の計算及び測定を開始する。上記ステップlにおいて、コンピュータは、第1冷媒温度、第1冷媒圧力、第2冷媒温度、第2冷媒圧力及び冷媒流量に基づいて、冷却のエンタルピー表と照合して、蒸発器13の冷却情報を算出する。
【0047】
さらに、開閉弁s12が分流管路s11を開通する場合、水測定ユニット8は、流量制御器6と凝縮器102との間に配置される補助流量センサ85をさらに含む。第4温度センサ82の数は2であり、その一方の第4温度センサ82は、凝縮器102と分流管路s11との間に配置され、他方の第4温度センサ82は、加熱器12と分流管路s11との間に配置される。補助流量センサ85により凝縮器102に流入する水又はブラインの第1水流量を取得し、第1水流量は0より大きく5000LPM以下である。コンピュータは、第1水温と、凝縮器102と分流管路s11との間に配置される第4温度センサ82が取得した第2水温との温度差及び第1水流量に基づいて、凝縮器102の加熱情報を算出する。
【0048】
さらに、水流量センサ84により加熱器12から流出する水又はブラインの第2水流量を取得し、この第2水流量は0より大きく5000LPM以下である。第5温度センサ83により加熱器12から流出する水又はブラインの第3水温を取得する。コンピュータは、加熱器12及び分流管路s11に配置される第4温度センサ82が取得した第2水温と第3水温との温度差及び第2水流量に基づいて、加熱器12の加熱情報を算出する。
【0049】
なお、本実施形態の流量制御器6は水ポンプ61であるが、これに限らず、
図3に示すように、冷却塔51が試験ユニット1及び凝縮器102よりも高い位置にある場合には、流量制御器6を制御弁62としてもよい。
【0050】
以上のように、本発明の冷却性能検出装置及びその操作方法は、同類の製品及び公開使用に見られず、産業上の利用可能性、新規性及び進歩性を有し、特許出願要件に完全に適合するので、特許法に基づいて出願し、発明者の権利を保障するため、何卒ご審理の上、速やかに特許査定賜りますようお願いする次第である。
【符号の説明】
【0051】
100 被測定ユニット
101 圧縮機
102 凝縮器
10 冷却性能検出装置
1 試験ユニット
11 検出室
12 加熱器
13 蒸発器
14 送風構造
141 第1ファン
142 第2ファン
15 庫内温度センサ
2 膨張弁
3 冷媒回路
31 冷媒循環管路
4 冷媒測定ユニット
41 第1温度センサ
42 第1圧力センサ
43 第2温度センサ
44 第2圧力センサ
45 冷媒流量センサ
5 調温構造
51 冷却塔
52 冷却ファン
6 流量制御器
61 水ポンプ
62 制御弁
7 水回路
71 水循環管路
711 第1水管路
712 第2水管路
713 第3水管路
8 水測定ユニット
81 第3温度センサ
82 第4温度センサ
83 第5温度センサ
84 水流量センサ
85 補助流量センサ
91 冷媒貯蔵タンク
92 液体輸送管
s1 流量調節ユニット
s11 分流管路
s12 開閉弁