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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050443
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】実装装置及び基板製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240403BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H05K13/04 B
H05K13/04 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143257
(22)【出願日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】P 2022156302
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】菊池 一哉
【テーマコード(参考)】
5E353
5F044
【Fターム(参考)】
5E353BC02
5E353EE02
5E353GG31
5E353MM08
5E353PP02
5E353QQ12
5F044KK01
5F044LL09
5F044PP15
5F044PP16
(57)【要約】
【課題】保持テーブルが変形しても、複数の実装部に応じて、バックアップ面と保持テーブルとの相対的な高さ位置の補正を行い、電子部品を基板に精度良く圧着できる実装装置及び基板製造装置を提供する。
【解決手段】実施形態の実装装置1は、電子部品4を基板2の複数の実装部21に圧着ポジションPで仮圧着する圧着ツール120、基板2を支持するバックアップ面151を有するバックアップツール150、実装部21が保持面211から突出するように基板2を保持し、実装部21を圧着ポジションPに位置付けるように移動する保持テーブル210、バックアップ面151と保持面211との高さ位置を相対移動させる昇降機構223、実装部21をバックアップ面151で支持させるために位置付ける際の保持面211の高さ位置とバックアップ面151の高さ位置との差分dを、実装部21に対応する位置毎に設定した補正テーブルに基づいて、保持面211とバックアップ面151の高さ位置が揃うように、昇降機構223を制御する制御装置300を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を、接着材料を介して基板の複数の実装部に対して、圧着ポジションにおいて個別に仮圧着する圧着ツールと、
前記圧着ポジションにおける前記基板を支持するバックアップ面を有するバックアップツールと、
前記基板を保持する保持面を有し、前記実装部が前記保持面から突出するように前記基板を保持するとともに、前記基板の前記実装部を前記圧着ポジションに位置付けるように移動する保持テーブルと、
前記バックアップ面と前記保持面との高さ位置を相対移動させる昇降機構と、
前記圧着ポジションにおいて、前記実装部を前記バックアップ面で支持させるために位置付ける際の、前記保持面の高さ位置と前記バックアップ面の高さ位置との差分を、複数の前記実装部に対応する位置毎に設定した補正テーブルに基づいて、前記保持面の高さ位置と前記バックアップ面の高さ位置が揃うように、前記昇降機構を制御する制御装置と、
を有することを特徴とする実装装置。
【請求項2】
前記圧着ツール及び前記バックアップツールは、複数組設けられ、
前記補正テーブルにおける前記保持面の高さ位置と前記バックアップ面の高さ位置の差分は、前記圧着ツール及び前記バックアップツールの各組に対して、前記保持面における複数の前記実装部に対応する位置毎に設定されていることを特徴とする請求項1記載の実装装置。
【請求項3】
前記昇降機構は、前記保持テーブルを昇降させる機構であり、
前記バックアップツールの前記バックアップ面は高さ位置が固定であることを特徴とする請求項1記載の実装装置。
【請求項4】
前記昇降機構は、前記バックアップツールを昇降させる機構であり、
前記保持テーブルの前記保持面は高さ位置が固定であることを特徴とする請求項1記載の実装装置。
【請求項5】
接着材料を基板に貼着する貼着装置と、
請求項1乃至4のいずれかに記載の実装装置と、
前記実装装置において前記基板に仮圧着された電子部品を本圧着する本圧着装置と、
を有する基板製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装装置及び基板製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルや有機ELパネル等の表示パネルなどの基板には、接着材料としての異方性導電部材を介してTCP(Tape Carrier Package)などの電子部品が圧着される。基板の側部上面には、電極を備えた複数の実装部が設けられ、各実装部に、テープ状の上記異方性導電部材を貼着し、この異方性導電部材に電子部品を仮圧着した後、本圧着する。
【0003】
基板に対する電子部品の仮圧着は、基板の下面を保持面で保持する保持テーブルによって、保持面から実装部が突出するように保持し、実装部の下面をバックアップツールの上面で支持しながら、圧着ツールによって実装部の上面に電子部品を圧着することにより行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-224165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板への電子部品の仮圧着においては、基板に過剰な負荷を与えず、基板がバックアップツールの上面に平行に隙間なく載置された状態で、圧着ツールにより圧着することが、圧着の精度を上げる上で重要な要素である。基板の下面とバックアップツールの上面との間に隙間が空いている状態で、圧着ツールによって電子部品を圧着してしまうと、圧着ツールの押圧によって、まず、電子部品が基板に接触し、そのまま押圧されて基板がバックアップツールの全面に当接することになる。つまり、電子部品が基板に接触してから、基板が変形しながらバックアップツールに当接するので、この変形に伴って電子部品と基板の接触位置、すなわち圧着位置がずれてしまう。
【0006】
このような隙間は、保持テーブルの保持面が、温度変化や平坦度の調整不足によって変形することにより生じる。特に、長時間の運転等によって機体温度が上昇すると、保持テーブルの変形が生じ易い。より具体的には、保持テーブルの中央部と周辺部とでは、熱の蓄積具合が異なる為、保持テーブルの保持面が、中央部と周辺部とで異なった高さに変形してしまう。保持テーブルに保持されている基板は真空吸着により保持されている為、基板は保持テーブルの形状に倣った形状になってしまうので、保持テーブルに保持された基板の複数の実装部の高さが各々異なることになり、基板の実装部をバックアップに各々位置付けたとき、バックアップとの密着具合にムラが出て、圧着の精度が損なわれる。
【0007】
本発明の実施形態は、保持テーブルが変形しても、複数の実装部に応じて、バックアップ面と保持テーブルとの相対的な高さ位置の補正を行い、電子部品を基板に精度良く圧着できる実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、実施形態の実装装置は、電子部品を、接着材料を介して基板の複数の実装部に対して、圧着ポジションにおいて個別に仮圧着する圧着ツールと、前記圧着ポジションにおける前記基板を支持するバックアップ面を有するバックアップツールと、前記基板を保持する保持面を有し、前記実装部が前記保持面から突出するように前記基板を保持するとともに、前記基板の前記実装部を前記圧着ポジションに位置付けるように移動する保持テーブルと、前記バックアップ面と前記保持面との高さ位置を相対移動させる昇降機構と、前記圧着ポジションにおいて、前記実装部を前記バックアップ面で支持させるために位置付ける際の、前記保持面の高さ位置と前記バックアップ面の高さ位置との差分を、複数の前記実装部に対応する位置毎に設定した補正テーブルに基づいて、前記保持面の高さ位置と前記バックアップ面の高さ位置が揃うように、前記昇降機構を制御する制御装置と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態は、保持テーブルが変形しても、複数の実装部に応じて、バックアップ面と保持テーブルとの相対的な高さ位置の補正を行い、電子部品を基板に精度良く圧着できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の実装装置を示す側面図及び制御装置を示すブロック図である。
図2】基板に仮圧着された電子部品を示す平面図である。
図3】実施形態の基板製造装置を示す説明図である。
図4】実施形態の圧着ツール及びバックアップツールを示す平面図である。
図5】保持テーブルの変形による保持面とバックアップ面との高さの相違を示す説明図である。
図6】圧着ツールによる1回目の仮圧着の例を示す平面図である。
図7】圧着ツールによる2回目の仮圧着の例を示す平面図である。
図8】圧着ツールによる3回目の仮圧着の例を示す平面図である。
図9】実施形態の実装手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態(以下、本実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。なお、図面は模式図であって、各部のサイズ、比率等は、理解を容易にするために誇張している部分を含んでいる。図1及び図2に示すように、本実施形態の実装装置1は、基板2に対して、接着材料3を介して、電子部品4を圧着する。
【0012】
基板2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示領域を有する表示パネルである。基板2は、図2に示すように、複数の実装部21を有する。各実装部21は、電子部品4を接着材料3を介して基板2と接合する部位であり、基板2の上面の外縁に沿って配設されている。本実施形態では、基板2の長辺の一辺に沿って、等間隔で5つの実装部21a~21eが並んでいる。以下、各実装部21a~21eを区別しない場合には、実装部21として説明する。
【0013】
各実装部21には、上流の工程で接着材料3が貼着されており、それぞれの実装部21に電子部品4が個別に圧着される。なお、実装装置1による圧着は、最終的な本圧着を行う前の仮圧着である。実装部21には表示領域内の回路に信号線を介して接続されたリード(電極)が設けられていて、仮圧着により、電子部品4の電極がリードに重ね合わされる。本実施形態では、仮圧着のことを実装として説明する。
【0014】
接着材料3は、加熱圧着により導電性を確保する異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)である。異方性導電フィルムは、基材となる樹脂の中に、導電粒子が多数入ったテープ状の部材である。基材の樹脂としては、熱硬化性樹脂が用いられている。図2では省略しているが、接着材料3は各実装部21を覆う様に貼着されている。
【0015】
電子部品4は、基板2に接着材料3を介して接合される部品である。電子部品4は、例えば、ICチップ、TCP(Tape Carrier Package)やCOF(Chip On Film)等である。
【0016】
なお、図3に示すように、実装装置1には、上流の接着材料3を基板2に貼着する貼着装置Sから、図示しない受渡機構によって基板2が搬入され、上流の供給装置Fから、図示しない受渡機構によって電子部品4が供給される。また、実装装置1において電子部品4が仮圧着された基板2は、図示しない受渡機構によって、下流の本圧着装置Cに受け渡され、本圧着装置Cにおいて電子部品4が基板2に本圧着される。本圧着は、接着材料3を介して基板2に仮圧着された複数の電子部品4を、一括して加熱圧着することをいう。この本圧着により、電極とリードが重なった部分の異方性導電フィルムの導電粒子が押し潰されて、電極とリードとの導通が確保される。このような貼着装置S、供給装置F、実装装置1及び本圧着装置Cを含む装置を、電子部品4が実装された基板2を製造する基板製造装置Mとして捉えることができる。
【0017】
本実施形態の実装装置1による仮圧着は、まず、保持テーブル210に保持された基板2のこれから実装する実装部21を、バックアップツール150に接触しない高さ位置で、圧着ポジションPに位置付ける。次に、実装部21と電子部品4とのアライメントを行う。そして、基板2を、バックアップツール150に載せる高さ位置に移動させて、バックアップツール150と接触させて、バックアップツール150に載せる。この状態で、圧着ツール120によって電子部品4を実装部21に圧着することにより行う。この時のバックアップツール150に基板2を載せるための保持テーブル210の高さ位置への移動は、後述する補正テーブルに基づいて行われる。
【0018】
本実施形態の実装装置1による仮圧着は、このような圧着を、2つの圧着ツール120によって、それぞれ対応する圧着ポジションPにおいて、交互に行う。これにより、一方の圧着ツール120が圧着している間に、他方の圧着ツール120に電子部品4が供給される。以下、実装装置1の構成を詳述する。
【0019】
[構成]
実装装置1は、図1に示すように、圧着部100、位置決め部200、制御装置300を有する。
[圧着部]
圧着部100は、基板2に対して電子部品4を圧着する。圧着部100は、架台110、圧着ツール120、支持部130、シリンダ140、バックアップツール150を有する。架台110は、設置面又は装置底面に立設された台である。圧着ツール120は、接着材料3を介して、基板2の複数の実装部21に対して、個別に電子部品4を仮圧着するツールである。圧着ツール120は、下端に押圧面121が形成され、押圧面121に電子部品4を図示しない真空装置により吸着保持する。支持部130は架台110に設けられ、圧着ツール120を昇降可能に支持する。シリンダ140は、支持部130に設けられ、圧着ツール120を上下方向(図中、Z方向)に駆動する。
【0020】
本実施形態の圧着ツール120は、図4に示すように、水平方向(図中、X方向)に間隔を空けて、左右に2つ配置されている。図中、左側を圧着ツール120A、右側を圧着ツール120Bとするが、両者を区別しない場合には、単に圧着ツール120として説明する。また、圧着ツール120により圧着される位置を圧着ポジションPとする。本実施形態は、圧着ツール120Aの圧着ポジションP1、圧着ツール120Bの圧着ポジションP2の2つのポジションを有する。両者を区別しない場合には、単に圧着ポジションPとして説明する。
【0021】
バックアップツール150は、圧着ポジションPにおける基板2を支持する。バックアップツール150は、圧着ツール120の下方に設けられ、押圧面121に対向する位置には、バックアップ面151が設けられている。本実施形態のバックアップツール150は、架台110に立設された支持体152に支持固定されており、バックアップ面151は、高さ位置が固定である。
【0022】
本実施形態では、2つの圧着ポジションP1、P2に対応して、2つのバックアップツール150A、150Bが設けられている。すなわち、圧着ツール120Aに対応してバックアップツール150Aが設けられ、圧着ツール120Bに対応してバックアップツール150Bが設けられている。なお、2つのバックアップツール150A、150Bを区別しない場合には、単にバックアップツール150として説明する。
【0023】
また、バックアップツール150の下方に、一対のカメラ153が配設されている(図4参照)。この一対のカメラ153は、平面視で、2つのバックアップツール150A、150Bが並ぶ方向で、ひとつの実装部21の両端を挟むように設けられている。そして、カメラ153は、図示しない移動機構によって、2つのバックアップツール150A、150Bに対してそれぞれ位置付けられるように設けられている。カメラ153は、後述するように、支持体152に形成された開口である窓152aを介して、図示しない基板2のアライメントマークと電子部品4のアライメントマークを撮像する。
【0024】
[位置決め部]
位置決め部200は、基板2の実装部21を、圧着ポジションPに位置決めする。位置決め部200は、保持テーブル210、位置決めユニット220を有する。保持テーブル210は、基板2を保持する保持面211を有し、実装部21が保持面211から突出するように基板2を保持するとともに、基板2の実装部21を圧着ポジションPに位置付けるように移動する。
【0025】
保持テーブル210は矩形の板体であり、保持面211は、保持テーブル210の水平な上面である。保持面211には、図示しない吸引ポンプに連通した吸着孔が形成されていて、供給された基板2を吸着保持できるようになっている。つまり、保持面211は、基板2を吸着保持する。
【0026】
位置決めユニット220は、基板2を水平方向(X、Y方向)、回転方向(θ方向)及び上下方向(Z方向)に駆動する。位置決めユニット220はXテーブル221を有し、このXテーブル221には、X可動体221aが設けられている。X可動体221aは、X駆動源221bによってX方向に駆動される。なお、X方向は、実装部21の並び方向と平行な方向となる。
【0027】
X可動体221aの上面にはYテーブル222が一体的に設けられている。このYテーブル222の上面にはY可動体222aが設けられている。このY可動体222aは、Y駆動源222bによって上記X方向と直交する水平方向のY方向に駆動されるようになっている。
【0028】
また、位置決めユニット220は、昇降機構223を有する。昇降機構223は、支持体223a、支持部223b、ねじ軸223c、ガイド軸223d、Z可動体223e、従動歯車223f、駆動歯車223g、Z駆動源223h、駆動軸223iを有する。
【0029】
支持体223aは、側面形状がクランク状であり、Y可動体222a上に立設されている。この支持体223aの上端に設けられた支持部223bとY可動体222aとの間には、ねじ軸223cとガイド軸223dとが軸をZ方向に設けられている。ねじ軸223cは回転可能に設けられ、ガイド軸223dは固定的に設けられている。
【0030】
ねじ軸223cには、Z可動体223eが螺合され、このZ可動体223eには、上記ガイド軸223dがスライド可能に挿通されている。したがって、ねじ軸223cを回転させると、上記Z可動体223eは回転することなく、上記ガイド軸223dに沿って上下動するようになっている。
【0031】
ねじ軸223cの上端部は支持部223bの上面から突出し、その突出端には従動歯車223fが嵌着されている。この従動歯車223fには、駆動歯車223gが噛合している。駆動歯車223gは、支持体223aに設けられたZ駆動源223hの駆動軸223iに嵌着されている。したがって、Z駆動源223hが作動してその駆動軸223iが回転すれると、噛合した一対の駆動歯車223g、従動歯車223fを介してねじ軸223cが回転するので、Z可動体223eがZ方向に駆動される。
【0032】
Z可動体223eには、L字状の取付け部材224の一辺が固着されている。この取付け部材224の水平となった他辺の上面にはθ駆動源225aによって垂直軸線を中心にして回転駆動されるθ可動体225bが設けられている。θ可動体225bの上面には、保持テーブル210が設けられている。保持面211に吸着保持された基板2は、位置決めユニット220による保持テーブル210の移動によって、X、Y、Z及びθ方向の位置決めが可能となる。
【0033】
[制御装置]
制御装置300は、圧着部100、位置決め部200の起動、停止、速度、動作タイミング等を制御する。制御装置300は、実装装置1の各種の機能を実現するべく、プログラムを実行するプロセッサ、プログラムや動作条件などの各種情報を記憶するメモリ、各要素を駆動する駆動回路等を有する。制御装置300には、図1に示すように、作業者が制御に必要な指示や情報を入力する入力装置310、装置の状態を確認するための表示装置320が接続されている。入力装置310は、スイッチ、タッチパネル、キーボード、マウスなどを用いることができる。表示装置320は、液晶、有機ELなどを用いることができる。
【0034】
本実施形態の制御装置300は、位置決め制御部301、圧着制御部302、記憶部303を有する。また、位置決め制御部301は、X駆動源221b、Y駆動源222b、θ駆動源225aの作動を制御することにより、保持テーブル210を移動させて、保持テーブル210に保持された基板2の各実装部21を、各圧着ポジションPに位置決めする。また、位置決め制御部301は、後述するように、補正テーブルに基づいて、昇降機構223のZ駆動源223hの作動を制御することにより、保持面211の高さ位置とバックアップ面151の高さ位置を揃える。高さ位置を揃えるとは、高さ位置を一致させることを言うが、仮圧着に支障のない範囲のズレは許容する。さらに、位置決め制御部301は、カメラ153により撮像された基板2及び電子部品4のアライメントマークの位置に基づいて、両者の位置が合うように、X駆動源221b、Y駆動源222b、θ駆動源225aの作動を制御することにより、保持テーブル210を移動させる。
【0035】
圧着制御部302は、シリンダ140の作動を制御することにより、圧着ポジションPにおける基板2の実装部21に対して、圧着ツール120に保持された電子部品4を圧着させる。一対の圧着ツール120A、120Bは、供給装置Fから電子部品4を受け取って、それぞれバックアップツール150A、150Bの上の基板2の実装部21に圧着する。但し、圧着ツール120Aによる圧着と、圧着ツール120Bによる圧着は、交互に行われる。つまり、一方の圧着ツール120Aによる圧着を行っている間に、他方の圧着ツール120Bは電子部品4を受け取り、一方の圧着ツール120Bが電子部品4を受け取っている間に、他方の圧着ツール120Aは電子部品4を受け取る。
【0036】
記憶部303は、記憶媒体である各種メモリ(HDD:Hard Disk DriveやSSD:Solid State Driveなど)、記憶媒体と外部とのインターフェースを含む記憶装置である。記憶部303には、実装装置1の動作に必要なデータ、プログラムが記憶される。必要なデータには、補正テーブルが含まれる。補正テーブルは、基板2の各実装部21を圧着ポジションPに位置づけた際の保持テーブル210の位置と、その際の保持面211の高さ位置とバックアップ面151の高さ位置との差分dを、複数の実装部21に対応する位置毎に設定した情報である。本実施形態では、2つの圧着ポジションP1、P2を設けているので、2つの補正テーブルが記憶されている。
【0037】
ところで、上述のように基板2の実装部21を圧着ポジションPに位置づけた際、設計上の情報に基づいて、保持面211の高さ位置とバックアップ面151の高さ位置が揃うように位置付けるので、部材や組立上の誤差を除けば、差分dはゼロとなるはずである。しかし、後述のように保持テーブル210が変形している場合に、差分dはゼロで無くなる。もちろん、差分dは、部材や組立上の誤差を含む。
【0038】
例えば、図5(A)~(C)に、保持テーブル210が変形している場合の、保持テーブル210の保持面211の高さ位置とバックアップツール150A、150Bのバックアップ面151の高さ位置との差分d1~d5の例を示す。図5(A)~(C)は、図1の白塗りの矢印方向から、保持テーブル210とバックアップツール150A、150Bを見た簡略図である。なお、図5(A)~(C)では、保持テーブル210の変形を誇張して示しており、保持テーブル210は、そのX方向の両端が下方に変形している場合を示している。また、バックアップツール150A、150Bは固定で配設されているので、各実装部21を保持テーブル210が移動して位置決めする様子を示している。
【0039】
図5(A)は、後述する図6に示すように、実装部21a、21cを圧着ポジションP1、P2にそれぞれ位置付けるように、保持テーブル210を位置決めした状態を示す。この時の、圧着ポジションP1における差分dを差分d1、圧着ポジションP2における差分dを差分d3で示している。図5(B)は、後述する図7に示すように、実装部21b、21dを圧着ポジションP1、P2にそれぞれ位置付けるように、保持テーブル210を位置決めした状態を示す。この時の、圧着ポジションP1における差分dを差分d2、圧着ポジションP2における差分dを差分d4で示している。図5(C)は、後述する図8に示すように、実装部21eを圧着ポジションP1に位置付けるように、保持テーブル210を位置決めした状態を示す。この時の、圧着ポジションP1における差分dを差分d5で示している。なお、圧着ポジションP2には実装部21が存在しない状態であり、差分dも示していない。
【0040】
実装装置1を稼働させて実装を行う前に、この図5(A)~(C)に示すように保持テーブル210を位置決めする毎に、作業者が、スケール、スキマゲージ等のツールによって、差分d1~d5を測定する。そして、これらの測定値を、各実装部21a~21eをZ方向に位置決めする際に、固定されたバックアップツール150A、150Bのバックアップ面151の高さ位置に、保持面211の高さ位置を合わせるための補正値として、入力装置310を介して入力する。記憶部303は、入力された補正値を補正テーブルとして記憶する。
【0041】
例えば、補正テーブルは、以下に示すように、圧着ポジションP毎に、各実装部21a~21eに対応する保持面211の高さ位置毎の、基準となるバックアップ面151の高さ位置からの高さ方向の距離が設定される。
【0042】
なお、本実施形態においては、各実装部21a~21eに対して、いずれの圧着ポジションP1、P2で圧着を行うかは予め決まっている。つまり、例えば、実装部21a、21b、21eは、必ず圧着ポジションP1において実装され、実装部21c、21dは、必ず圧着ポジションP2において実装される。このため、各実装部21a~21eに対応する保持面211の高さ位置と、各圧着ポジションPのバックアップ面151の高さ位置との関係は1対1で決まる。
【0043】
[動作]
以上のような本実施形態の実装装置1の動作を、上記の図面に加えて、図6~8の説明図、図9のフローチャートを参照して説明する。保持テーブル210には、貼着装置Sにおいて接着材料3が貼着された基板2が搬入されて載置される(ステップS101)。基板2は、実装部21が保持面211から突出するように、吸着保持される。つまり、実装部21が並ぶ一辺が、圧着部100の圧着ツール120A、120Bの並び方向に平行となり、保持面211から突出して圧着部100に向かうように位置付けられる。
【0044】
基板2を吸着保持した保持テーブル210は、図6に示すように、位置決めユニット220によってY方向、X方向に移動して、圧着ポジションP1に、最初に圧着される実装部21aを位置付ける(ステップS102)。このとき、カメラ153は、圧着ポジションP1に位置付けられる。そして、保持テーブル210に保持された基板2の実装部21aのアライメントマーク、圧着ツール120Aに保持された電子部品4のアライメントマークが、窓152aを介してカメラ153により撮像出来る位置に位置付けられる(図4参照)。なお、基板2のZ方向の位置は、バックアップ面151に接触しない高さで位置付けされる。圧着ポジションP1への実装部21aの位置付けにより、必然的に、圧着ポジションP2に実装部21cが位置付けられる。
【0045】
圧着ポジションP1において、基板2のアライメントマークと、電子部品4のアライメントマークがカメラ153により同じ視野内で撮像される。具体的には、一対のカメラ153の一方で、基板2の一対のアライメントマークの一方と、電子部品4の一対のアライメントマークの一方とが同じ視野内で撮像され、一対のカメラ153の他方で、基板2の一対のアライメントマークの他方と、電子部品4の一対のアライメントマークの他方とが同じ視野内で撮像される。この撮像によって撮像された画像より、一方の基板2と電子部品4のアライメントマークの相対位置と、他方の基板2と電子部品4のアライメントマークの相対位置と、基板2と電子部品4それぞれの一方と他方のアライメントマークの相対位置を認識する。これらの位置関係から算出された基板2と電子部品4のX方向、Y方向、θ方向の位置ズレが、バックアップツール150Aの上方において補正されるように、位置決めユニット220によって、保持テーブル210がY方向、X方向、θ方向に移動する(ステップS103)。
【0046】
昇降機構223は、実装部21aに対応する圧着ポジションP1の補正テーブルの補正値に基づいて、保持面211の高さ位置をバックアップ面151に合う高さ位置に補正する(ステップS104)。つまり、バックアップ面151に接する補正された高さ位置に、基板2を移動(下降)して、基板2をバックアップ面151上に載置する。その後、圧着ツール120Aが下降して、電子部品4を実装部21aに圧着する(ステップS105)。この間に、圧着ツール120Bの押圧面121に、供給装置Fから供給された電子部品4が保持される。実装部21aへの電子部品4の圧着後、圧着ツール120Aが上昇し、その押圧面121に、次の電子部品4が供給されて保持される。これとともに、保持テーブル210が上昇して、基板2のZ方向の位置が、バックアップ面151に接触しない高さに位置付けられる。
【0047】
そして、他方の圧着ポジションP2において圧着する実装部21が存在する場合には(ステップS106のYES)、上記と同様に圧着ポジションP2における圧着が行われる。つまり、保持テーブル210が、位置決めユニット220によってY方向、X方向に移動して、圧着ポジションP2に実装部21cを位置付ける(ステップS107)。このとき、カメラ153は、圧着ポジションP2に位置付けられ、保持テーブル210に保持された基板2の実装部21cのアライメントマーク、圧着ツール120Bに保持された電子部品4のアライメントマークが、窓152aを介してカメラ153により撮像出来る位置に位置付けられる。
【0048】
なお、上記のように、圧着ポジションP1への実装部21aの位置付けにより、必然的に、圧着ポジションP2に実装部21cが位置付けられる。つまり、二つの圧着ポジションPにそれぞれ対応する実装部21が存在する場合、一方の実装部21を圧着ポジションPに位置付けることで、対応する他方の実装部21は他方の圧着ポジションPに位置付けられる。
【0049】
したがって、カメラ153により、基板2の実装部21のアライメントマーク、圧着ツール120に保持された電子部品4のアライメントマークが撮像できるのであれば、圧着ポジションP2に実装部21cを位置付けるようなステップS107については、必ずしも行わなくてもよい。
【0050】
ただし、一方の実装部21と電子部品4との位置ずれが補正された状態であるので、他方の実装部21と電子部品4のアライメントマークとのずれが拡大し、撮像できない場合が多くなる懸念がある。このため、撮像できないことが多い場合には、一方の位置ずれ補正状態をキャンセルできるステップS107を行うようにするとよい。
【0051】
圧着ポジションP2において、圧着ポジションP1と同様にして、基板2のアライメントマークと、電子部品4のアライメントマークがカメラ153により撮像され、算出された両者のX方向、Y方向、θ方向の位置ズレが、バックアップツール150Bの上方において補正されるように、位置決めユニット220によって、保持テーブル210がY方向、X方向、θ方向に移動する(ステップS108)。
【0052】
実装部21cに対応する圧着ポジションP2の補正テーブルの補正値に基づいて、保持面211の高さ位置をバックアップ面151に合う高さ位置に補正する(ステップS109)。つまり、バックアップ面151に接する補正された高さ位置に、基板2を移動(下降)して、基板2をバックアップ面151上に載置する。その後、圧着ツール120Bが下降して、電子部品4を実装部21cに圧着する(ステップS110)。圧着後、圧着ツール120Bが上昇し、その押圧面121に、次の電子部品4が供給されて保持される。これとともに、保持テーブル210が上昇して、基板2のZ方向の位置が、バックアップ面151に接触しない高さに位置付けられる。
【0053】
まだ未実装の実装部21b、21d、21eが存在すため(ステップS111のYES)、保持テーブル210が移動して、図7に示すように、圧着ポジションP1に、実装部21bを位置付ける(ステップS102)。そして、上記と同様に、圧着ポジションP1における実装部21bへの圧着(ステップS103~S105)、圧着ポジションP2における実装部21dへの圧着(ステップS106~S110)が行われる。
【0054】
さらに、未実装の実装部21eが存在するため(ステップS111のYES)、保持テーブル210が移動して、図8に示すように、圧着ポジションP1に実装部21eを位置付ける(ステップS102)。そして、上記と同様に、圧着ポジションP1における実装部21bへの圧着(ステップS103~S105)が行われる。
【0055】
その後は、他方の圧着ポジションP2に対応する実装部21は無く(ステップS106のNO)、未実装の実装部21も無いため(ステップS111のNO)、保持テーブル210が待機位置に戻り、吸着保持を解除するとともに搬出される(ステップS112)。基板2は、本圧着装置Cへ搬入され、本圧着装置Cにおいて基板2に対して電子部品4の本圧着が行われる。
【0056】
[効果]
(1)本実施形態の実装装置1は、電子部品4を、接着材料3を介して基板2の複数の実装部21に対して、圧着ポジションPにおいて個別に仮圧着する圧着ツール120と、圧着ポジションPにおける基板2を支持するバックアップ面151を有するバックアップツール150と、基板2を保持する保持面211を有し、実装部21が保持面211から突出するように基板2を保持するとともに、基板2の実装部21を圧着ポジションPに位置付けるように移動する保持テーブル210と、バックアップ面151と保持面211との高さ位置を相対移動させる昇降機構223と、圧着ポジションPにおいて、実装部21をバックアップ面151で支持させるために位置付ける際の、保持面211の高さ位置とバックアップ面151の高さ位置との差分dを、複数の実装部21に対応する位置毎に設定した補正テーブルに基づいて、保持面211の高さ位置とバックアップ面151の高さ位置が揃うように、昇降機構223を制御する制御装置300と、を有する。
【0057】
本実施形態の基板製造装置Mは、接着材料3を基板2に貼着する貼着装置Sと、実装装置1と、実装装置1において基板2に仮圧着された電子部品4を本圧着する本圧着装置Cと、を有する。
【0058】
このため、温度変化や平坦度の調整不足によって保持テーブル210が変形することにより、保持面211とバックアップ面151との高さに相違が生じても、補正により保持面211とバックアップ面151との高さ位置を揃えることができる。特に、貼着装置Sが、熱による接着材料3の基板2への貼着を行い、本圧着装置Cが、熱による本圧着を行う場合には、隣接する貼着装置S、本圧着装置Cからの熱の影響を受けて、保持テーブル210の保持面211の周辺部が変形しやすいが、これにより生じた高さの相違を補正できる。また、保持テーブル210が、例えば、軽量化のためにアルミニウム製である場合などには、特に熱により変形し易い材質のため、高さの相違が出やすいが、この相違を補正できる。従って、基板2の実装部21をバックアップ面151に各々位置付けたときに、バックアップ面151との密着具合が均一となり、安定して精度良い圧着が可能となる。
【0059】
また、例えば、圧着の度にセンサ等で基板2の高さ位置を測定して、保持面211とバックアップ面151との高さ位置を揃えることも考えられるが、タクトタイムが長くなる。実装部21の数が多いと、実装部21毎に測定しなければならず、より長時間を必要とするとともに、センサの数も増大してコスト高になる。これに対処するため、基板2の特定箇所のみを測定することも考えられるが、実装部21の場所により高さが相違するために、測定箇所とは離れた箇所で適切に圧着されない場合が生じる。
【0060】
本実施形態では、予め設定された補正テーブルに基づいて、保持面211とバックアップ面151との高さ位置を揃えるため、タクトタイムが短く抑えられ、複数の実装部21を連続して圧着する場合にも、処理時間の増大を抑えることができる。実装部21の配置等が共通の基板2であれば、共通の補正テーブルに基づいて、連続して長時間圧着ができる。補正テーブルの更新は、基板2の種類を変更する毎に行えば良い。
【0061】
センサで基板2の高さ位置を検出する場合、長時間の運転に従ってセンサ出力が変化したり、基板2の底面に異物が付着することにより、誤検出を招く恐れがあるが、本実施形態では、予め設定された補正テーブルに基づくため、安定した補正が可能となる。さらに、センサが不要であるため、コストを抑えることができる。
【0062】
(2)圧着ツール120及びバックアップツール150は、複数組設けられ、補正テーブルにおける保持面211の高さ位置とバックアップ面151の高さ位置との差分dは、圧着ツール120及びバックアップツール150の各組に対して、保持面211における複数の実装部21に対応する位置毎に設定されている。
【0063】
このため、複数の圧着ツール120及びバックアップツール150の組毎に、圧着の度にセンサ等で基板2の高さ位置を測定する場合に比べて、タクトタイムを抑えて、生産性を向上させることができる。
【0064】
(3)昇降機構223は、保持テーブル210を昇降させる機構であり、バックアップツール150のバックアップ面151は高さ位置が固定である。このように、バックアップ面151の高さ位置を固定とすることにより、基準となる高さ位置が安定するため、補正テーブルに基づく補正の精度を長期間維持できる。
【0065】
[変形例]
本発明は、上記の実施形態には限定されない。上記の実施形態と基本的な構成は同様として、以下のような変形例も適用可能である。
【0066】
(1)上記の実施形態では、バックアップ面151の高さ位置を固定としていた。但し、圧着ツール120、バックアップツール150を、相対的に移動させることによって、仮圧着させることができればよい。このため、保持テーブル210を高さ方向に固定とし、バックアップツール150が昇降して、基板2の実装部21を支持するようにして仮圧着させる構成であってもよい。例えば、昇降機構223がバックアップツール150を昇降させる機構であり、保持テーブル210の保持面211を、高さ位置が固定としてもよい。つまり、保持テーブル210の高さ固定で、バックアップツール150側にZ機構を追加して昇降させてもよい。この場合、バックアップツール150が退避して、保持テーブル210が圧着ポジションP1、P2に水平移動して実装部21を位置決めする。この位置決め完了後に、バックアップツール150が上昇して、基板2の下面に接触して、支持する。その後の動作は、上記と同様である。基準となる高さ位置は、保持テーブル210の保持面211とする。差分dの測定、補正テーブルの設定も上記と同様にすることができる。
【0067】
このように、保持面211の高さ位置を固定とすることにより、比較的重量のある保持テーブル210を上下に、つまりZ方向に駆動させる必要がない。基板2が大型のパネルの場合、保持テーブル210も大きく重くなる。大きくて重たい保持テーブル210をZ方向に動かすと、保持テーブル210自身、基板2、その他の部分の振動が大きくなる。このため、製品ダメージや位置合わせ精度の低下が生じる。そこで、保持面211の高さ位置を固定とすることにより、防震によるダメージ抑制、位置合わせ精度向上が可能となる。また、保持テーブル210が大きく重くなると、昇降機構223の負荷が大きくなるので、駆動部分の大型化が必要となる。さらに、基板2を移動させる速度が遅くなるとともに、移動精度が低下する。そこで、保持面211の高さ位置を固定とすることにより、Z方向の駆動部分が保持テーブル210から無くなるので、簡素化、軽量化が可能となる。さらに、基板2の高速移動、移動精度向上が可能となる。
【0068】
(2)圧着ツール120、バックアップツール150の組の数は1つでも、3つ以上であってもよい。つまり、圧着ポジションPの数は、1つでも、3つ以上であってもよい。基板2における実装部21の数は、複数であれば良く、上記の実施形態で例示した数には限定されない。実装部21の配置位置も、基板2の一辺ではなく、二辺以上に沿う位置であってもよい。
【0069】
(3)保持テーブル210による基板2の保持は、バキュームチャックには限定されない。例えば、静電チャック、メカニカルチャックであってもよい。
【0070】
(4)接着材料3としては異方性導電部材に限らず、基板2と電子部品4とを電気的に接続する必要がない場合には、単なる両面接着テープや溶液状の接着剤などであってもよい。
【0071】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 実装装置
2 基板
3 接着材料
4 電子部品
21、21a~21e 実装部
100 圧着部
110 架台
120、120A、120B 圧着ツール
121 押圧面
130 支持部
140 シリンダ
150、150A、150B バックアップツール
151 バックアップ面
152 支持体
152a 窓
153 カメラ
200 位置決め部
210 保持テーブル
211 保持面
220 位置決めユニット
221 Xテーブル
221a X可動体
221b X駆動源
222 Yテーブル
222a Y可動体
222b Y駆動源
223 昇降機構
223a 支持体
223b 支持部
223c ねじ軸
223d ガイド軸
223e Z可動体
223f 従動歯車
223g 駆動歯車
223h Z駆動源
223i 駆動軸
224 取付け部材
225a θ駆動源
225b θ可動体
300 制御装置
301 位置決め制御部
302 圧着制御部
303 記憶部
310 入力装置
320 表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9