(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050449
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】産業オートメーション設備の仮想制御ユニットを管理するシステム、方法、テンプレート
(51)【国際特許分類】
G06F 9/50 20060101AFI20240403BHJP
G06F 9/455 20180101ALI20240403BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G06F9/50 150D
G06F9/455 150
G05B23/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023145721
(22)【出願日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】22198607
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ライナー ファルク
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ベッカー
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ペーター ファイスト
(72)【発明者】
【氏名】クラウス-ペーター ホフマン
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223BA01
3C223CC01
3C223DD01
3C223FF04
3C223FF12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】産業オートメーション設備内の機械を制御する仮想制御ユニットを管理することにより、信頼性が高く柔軟な産業オートメーション設備を及びその設備内の機械の動的再構成をサポートしながら、産業オートメーション設備の高い可用性と完全性を確保する仮想制御ユニットを提供する。
【解決手段】産業オートメーション設備は、複数の機械(130、140、150)を含み、各機械は少なくとも1つの産業プロセスの1つまたは複数のステップを実行する。計算リソース(160A,160B,160C,170,190A,190B)の仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のそれぞれは、複数の機械のうちの少なくとも1つを制御することができ、制御された機械が動作しているときに、計算ノード(CN)上でインスタンス化される。複数の機械は、産業プロセスを実行しており、仮想制御ユニットの少なくとも1つから受信した制御コマンドに従う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業オートメーション設備において仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を管理する方法であって、前記産業オートメーション設備は、複数の機械(130、140、150)を含み、各機械は少なくとも1つの産業プロセスの1つまたは複数のステップを実行するように構成され、
前記方法は、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のそれぞれは、前記複数の機械(130、140、150)のうちの少なくとも1つを制御することができ、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のための1つまたは複数のデプロイメント基準を含む1つまたは複数のテンプレートを生成し、
前記デプロイメント基準に基づいて、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を1つまたは複数の計算ノード(CN)にマッピングし、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)は、前記制御された機械が動作しているときに、前記マッピングされた計算ノード(CN)上でインスタンス化され、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記インスタンス化が、認証を使用する前記テンプレートに従っていることを検証し、ここで、前記認証は、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のデプロイメント後に1つまたは複数の決定されたデプロイメントパラメータを確認しており、前記複数の機械(130、140、150)は前記産業プロセスを実行しており、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)が有効にインスタンス化されている場合に、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の少なくとも1つから受信した制御コマンドに従う、
ことを含む。
【請求項2】
前記テンプレートによって提供された前記デプロイメント基準に基づいて前記マッピングされた計算ノード(CN)上の負荷を分散することを、さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)が、前記産業オートメーション設備内のローカルネットワーク(155)のローカル計算ノード上および/又は外部ネットワーク(180)の外部計算ノード上でインスタンス化されるべきか否かを前記デプロイメント基準から決定すること、
前記決定に基づいて、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を、前記ローカル計算ノードおよび/または外部計算ノードにマッピングすること、
をさらに含む、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記テンプレートで提供される優先順位付け基準に基づいて前記マッピングされた計算ノード(CN)での前記負荷を分散すること、をさらに含み、
前記優先順位基準に基づいて前記ローカル計算ノードおよび前記外部計算ノード間で前記負荷が調整される、請求項2又は3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも2つ以上の前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記テンプレートをマージすることによって前記産業プロセスの統合デプロイメントテンプレートを生成することをさらに含み、
前記統合デプロイメントテンプレートは、共通の計算インフラストラクチャ(160A、160B、160C、170、190A、および190B)上での前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のグローバルデプロイメント基準を特定し、
前記共通計算インフラストラクチャは、少なくとも前記ローカル計算ノードおよび前記外部計算ノードのうちの1つを含む、請求項1又は4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記産業プロセスのための前記統合デプロイメントテンプレートを生成することは、
前記各テンプレートの前記デプロイメント基準をテストすることによって、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記テンプレートをシミュレートすること、
前記シミュレーション結果を用いて前記グローバルデプロイメント基準を決定すること、
前記グローバルデプロイメント基準に従って前記テンプレートをマージすること、
を含み、
前記グローバルデプロイメント基準は、前記テンプレートそれぞれの前記デプロイメント基準を満たすことを保証する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記インスタンス化が前記テンプレートに従っていることを検証することは、
ネットワーク監視モジュールによって前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)間のデータフローを決定すること、
前記テンプレートおよび前記統合デプロイメントテンプレートのうちの少なくとも1つの中でテンプレートデータフローと比較して少なくとも1つの逸脱を検出すること、をさらに含む請求項1又は5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記逸脱が検出される場合に、前記複数の機械(130、140、150)が前記産業オートメーション設備内の前記産業プロセスを実行するのを停止させるための緊急停止信号を生成する、ことをさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記インスタンス化が前記テンプレートに従っていることを検証することは、前記機械を制御する仮想制御ユニットが前記テンプレートに従ってインスタンス化されていない場合に、前記複数の機械(130、140、150)のうちの1つの機械の動作が許可されていないと判定する、ことをさらに含む、請求項1のうちのひとつに記載の方法。
【請求項10】
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記インスタンス化が前記テンプレートに従っていることを検証することは、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記インスタンス化の前記認証に基づいて前記複数の機械(130、140、150)の生産計画スケジュールを生成することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
処理ユニットによって実行されると前記方法請求項1~10を実行する、命令を含むコンピュータプログラマブルプロダクト。
【請求項12】
産業オートメーション設備内の仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を管理するためのソフトウェアアーティファクトであって、前記産業オートメーション設備は、少なくとも1つの産業プロセスを実行するように構成された複数の機械(130、140、150)を有し、前記ソフトウェアアーティファクトは、請求項1~10の少なくとも1つに記載の前記1つまたは複数のテンプレートとして実装され、
前記テンプレートは、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)であって、前記複数の機械(130、140、150)または前記複数の機械(130、140、150)のサブセットを制御することが可能である、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の識別子と、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)であって、前記複数の機械(130、140、150)の各々は、前記仮想制御ユニットが前記テンプレートに従って有効にインスタンス化されるときに、前記産業プロセスの1つまたは複数のステップを実行し、前記複数の機械(130、140、150)が動作しているときに計算ノード(CN)上でインスタンス化される、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のデプロイメント基準と、を含む、ソフトウェアアーティファクト。
【請求項13】
前記テンプレートは、
前記仮想制御装置(VCN1、VCN2、VCN3)および関連する計算ノードクラスであって、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)がインスタンス化される1つ又は複数の計算ノード(CN)を決定し、少なくとも前記計算ノード(CN)の位置と前記計算ノードタイプ(CN)のタイプに基づいて定義される前記計算ノードクラスのマップと、
前記仮想制御装置(VCN1、VCN2、VCN3)間のテンプレートデータフローであって、前記仮想制御装置(VCN1、VCN2、VCN3)からのデータフローのレート、仮想制御装置(VCN1、VCN2、VCN3)からのリアルタイム通信要求、および、仮想制御装置(VCN1、VCN2、VCN3)間で送信されるデータパケットのデータパケットパラメータ、のうちの少なくとも1つに基づいて定義される前記テンプレートデータフローと
をさらに含む、請求項12に記載のソフトウェアアーティファクト。
【請求項14】
産業オートメーション設備内の仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を管理するためのシステムであって、
前記産業オートメーション設備は、複数の機械(130、140、150)を備え、各機械は少なくとも1つの産業プロセスの1つまたは複数のステップを実行するように構成され、前記システムは、
前記処理ユニットによって実行される命令を含む1つまたは複数のメモリユニットに通信可能に結合された1つまたは複数の処理ユニットを備え、
前記命令は、複数の機械(130、140、150)のうちの少なくとも1つを制御することができる仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の1つまたは複数のデプロイメント基準を含む少なくとも1つのテンプレートを生成するように構成されたテンプレートモジュール(132、142、152)、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を1つまたは複数の計算ノード(CN)にマッピングするように構成されたデプロイメントマネージャモジュール(110)、および、認証を使用する前記テンプレートに前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記インスタンス化が従っていることを検証するように構成されたデプロイメント検証モジュール(120)に記憶され、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)は、前記制御された機械が動作しているときに、前記マッピングされた計算ノード(CN)上にインスタンス化されており、
前記認証は前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のデプロイメント後に1つまたは複数のデプロイメントパラメータを確認し、前記複数の機械(130、140、150)は、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)が有効にインスタンス化されるときに、前記産業プロセスを実行する、
システム。
【請求項15】
産業オートメーション設備内の他の機械と協働して産業プロセスを実行するように構成された前記産業オートメーション設備内の機械(130、140、150)であって、
前記機械は、
前記機械が稼動しているときに、前記産業プロセスの1つまたは複数のステップの実行を可能にするセンサ(S)およびアクチュエータ(A)と、
前記センサおよびアクチュエータと通信するための入出力(I/О)インタフェースと、
モジュールとして記憶された命令を含む1つまたは複数のメモリユニットであって、前記機械を制御することが可能な仮想制御ユニットであって、前記機械が稼動しているときに、前記デプロイメント基準に基づいて計算ノード(CN)上でインスタンス化される、前記仮想制御ユニットの1つまたは複数のデプロイメント基準を含む少なくとも1つのテンプレートを生成するように構成されたテンプレートモジュール(132、142、152)を含む前記メモリユニットと、
前記機械に関連する前記仮想制御ユニットがインスタンス化されるときに前記アクチュエータを制御する制御信号を生成する処理ユニット(134、144、154)と、
を備えることを特徴とする機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業オートメーション設備に関する。特に、本発明は、産業オートメーション設備で実行される産業プロセスを制御する仮想制御ユニットの管理に関する。
【背景技術】
【0002】
オートメーション産業では、機械制御、診断機能、プロジェクト計画機能などのオートメーション機能が、ソフトウェア/仮想制御ユニットを使用して仮想的に実装されることが増えている。そのため、機械のオートメーション機能は、独立したハードウェアコンポーネントとして機械に統合されるのではなく、実際の機械の外部にある計算環境にソフトウェアベースで実装される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
産業オートメーション設備のオペレータは、異なるメーカーの生産機械を使用することがある。各メーカーは、機械の制御を実現するために異なるアプローチをとることがあり得る。機械を制御するソフトウェアがハードウェアとは別に提供される場合、メーカーに関係なく機械の稼働を管理することは困難である。
そのため、産業オートメーション設備内のさまざまな機械の仮想制御ユニットを管理する必要がある。
【0004】
本発明の目的は、産業オートメーション設備内の機械を制御する仮想制御ユニットを管理することにより、信頼性が高く柔軟な産業オートメーション設備を提供することである。さらに、産業オートメーション設備内の機械の動的再構成をサポートしながら、産業オートメーション設備の高い可用性と完全性を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、以下に開示する特許請求の範囲によって達成される。
本発明の一実施例において、本発明の目的は、産業オートメーション設備における仮想制御ユニットの管理方法によって達成され、産業オートメーション設備は、複数の機械を含み、各機械は少なくとも1つの産業プロセスの1つまたは複数のステップを実行するように構成され、前記方法は、前記仮想制御ユニットのそれぞれは、前記複数の機械のうちの少なくとも1つを制御することができ、前記仮想制御ユニットのための1つまたは複数のデプロイメント基準を含む1つまたは複数のテンプレートを生成すること、デプロイメント基準に基づいて、前記仮想制御ユニットを1つまたは複数の計算ノードにマッピングすること、を含み、仮想制御ユニットは、制御された機械が動作しているときに、マッピングされた計算ノード上でインスタンス化され、さらに、仮想制御ユニットの前記インスタンス化が、認証を使用する前記テンプレートに従っていることを検証する。ここで、認証は、仮想制御ユニットのデプロイメント後に、1つ又は複数の決定されたデプロイメントパラメータを確認し、複数の機械は、仮想制御ユニットが有効にインスタンス化されると、仮想制御ユニットの少なくとも1つから受信した制御コマンドに従って、産業プロセスを実行する。
【0006】
別の実施形態では、産業オートメーション設備の仮想制御ユニットを管理するためのソフトウェアアーティファクトによって目的が達成され、産業オートメーション設備は、少なくとも1つの産業プロセスを実行するように構成された複数の機械を含み、ソフトウェアアーティファクトは、本明細書に開示される1つ又は複数のテンプレートとして実装される。テンプレートは、仮想制御ユニットの識別子と、仮想制御ユニットのデプロイメント基準とを含み、仮想制御ユニットは、複数の機械又は複数の機械のサブセットを制御することができ、仮想制御ユニットは、複数の機械が動作しているときに計算ノード上にインスタンス化され、仮想制御ユニットがテンプレートに従って有効にインスタンス化される場合に、複数の機械のそれぞれが産業プロセスの1つ以上のステップを実行する。
【0007】
別の実施例では、本発明の目的は、産業オートメーション設備によって達成され、産業オートメーション設備は、複数の機械から構成され、各機械は、少なくとも1つの産業プロセスの1又は複数のステップを実行するように構成され、システムは、処理ユニットによって実行される命令を含む1つまたは複数のメモリユニットに通信可能に結合された1つまたは複数の処理ユニットを備え、この命令は、複数の機械のうちの少なくとも1つを制御することができる仮想制御ユニットの1つまたは複数のデプロイメント基準を含む少なくとも1つのテンプレートを生成するように構成されたテンプレートモジュール、仮想制御ユニットを1つまたは複数の計算ノードにマッピングするように構成されたデプロイメントマネージャモジュール、および、認証を使用するテンプレートに仮想制御ユニットのインスタンス化が従っていることを検証するように構成されたデプロイメント検証モジュール、に記憶され、仮想制御ユニットは、制御された機械が動作しているときにマッピングされた計算ノード上にインスタンス化されており、認証は前記仮想制御ユニットのデプロイメント後に1つまたは複数のデプロイメントパラメータを確認し、複数の機械は、仮想制御ユニットが有効にインスタンス化されるときに、産業プロセスを実行する。
【0008】
別の実施例では、本発明の目的は、産業オートメーション設備内の他の機械と協働して産業プロセスを実行するように構成された前記産業オートメーション設備内の機械によって達成される。機械は、当該機械が稼動しているときに、産業プロセスの1つまたは複数のステップの実行を可能にするセンサおよびアクチュエータと、センサおよびアクチュエータと通信するための入出力インタフェースと、モジュールとして記憶された命令を含む1つまたは複数のメモリユニットであって、機械を制御することが可能な仮想制御ユニットであって、機械が動作しているときに、デプロイメント基準に基づいて計算ノード上でインスタンス化される、仮想制御ユニットの1つまたは複数のデプロイメント基準を含む少なくとも1つのテンプレートを生成するように構成されたテンプレートモジュールを含むメモリユニットと、機械に関連する仮想制御ユニットがインスタンス化されるときにアクチュエータを制御する制御信号を生成する処理ユニットとを備える。
【0009】
別の実施形態では、その目的は、処理ユニットによって実行されることにより、本明細書に開示された方法によるステップを処理ユニットに実行させる、機械可読命令を格納したコンピュータ可読媒体によって達成される。
【0010】
本発明をより詳細に説明する前に、特定の語句に対する様々な定義が本特許文献全体を通して提供されており、当業者であれば、そのような定義は、そのような定義された語句の先行使用だけでなく将来的な使用にも、ほとんどではないにせよ、多くの場合に適用されることを理解されたい。
【0011】
いくつかの用語は多種多様な実施形態を含み得るが、添付の特許請求の範囲は、これらの用語を特定の実施形態に明示的に限定し得る。また、提案された方法の文脈で説明された特徴は、システムを適切に構成および適合させることによって、提案されたシステムによっても構成され得ること、および、その逆もまた同様であることが理解されるべきである。
【0012】
本明細書で使用する「産業オートメーション設備」とは、半自動化または完全自動化された製造、生産のための設備を指す。例えば、産業オートメーション設備には、実験設備、建築設備、製造設備などが含まれる。産業オートメーション設備はまた、前述の設備の組み合わせを指すこともある。
【0013】
産業オートメーション設備の特徴は、サイバーフィジカルデバイスである機械が含まれていることである。機械は個々に産業プロセスの一部を実行する。産業プロセスの例としては、自動車のボディの塗装、自動車または自動車の一部の組み立て、化学化合物の製造、倉庫での材料の運搬などが挙げられる。
【0014】
産業オートメーション設備には、工作機械、移動ロボット、無人搬送システムなどの機械が含まれる。これらの機械はコンピュータ制御の機械であり、仮想制御ユニットによって制御される。仮想制御ユニットは、機械とは別の計算基盤上で実行される機械可読命令を指す。
【0015】
仮想制御ユニットは、その機械の制御機能を実現する場合、その機械に属すると考えることができる。当業者であれば、1つまたは複数の仮想制御ユニットが、その動作のために1つの機械にリンクされ得ることを理解するであろう。機械を制御するために機械にコマンドを送ることに加えて、機械からの測定値がリンクされた仮想制御ユニットに送られることになる。
【0016】
したがって、仮想制御ユニットが実行されると、機械の機能が実行される。仮想制御ユニットの機能には、機械制御のような自動化機能が含まれており、いくつかの実施形態では、仮想制御ユニットは、診断機能やプロジェクト計画機能を実行するためにも使用される。
【0017】
本発明は、仮想制御ユニット(VCN)のデプロイメントテンプレートを提案する。本発明により、VCNのコンテンツは、1つまたは複数の機械のオートメーション機能を提供するという意味で首尾一貫したものとなる。個々のVCNは、ローカルエッジクラウドやバックエンドクラウドなど異なる計算サーバ上で実行することができる。
【0018】
本発明で開示するデプロイメントテンプレートにより、個々のVCNの実行に必要な適切な計算リソースを決定することができる。本発明により、産業オートメーション設備のオペレータは、VCNを自動的に動的かつ確実にインスタンス化することができる。
【0019】
さらに、本発明は、産業オートメーション設備の機械を開発し販売する機械メーカーが、デプロイメントテンプレートを使用して機械の動作条件を定義することを可能にする。したがって、本発明は、柔軟で信頼性の高い産業オートメーション設備のための機械の動的再構成を有利に可能にする。
【0020】
産業オートメーション設備においてVCNを管理する方法は、仮想制御ユニットのための1つまたは複数のデプロイメント基準を含む1つまたは複数のテンプレートを生成することを含み、各VCNは、複数の機械のうちの少なくとも1つを制御することができる。
【0021】
デプロイメント基準は、VCNがインスタンス化される計算ノードのクラスを提供する。さらに、デプロイメント基準は、VCN間のテンプレートデータフローも含むことができる。テンプレートデータフローは、VCNからのデータフローのレート、VCNからのリアルタイム通信要求、およびVCN間で送信されるデータパケットのデータパケットパラメータの少なくとも1つに基づいて定義することができる。
【0022】
このテンプレートは、どのVCNが機械にリンクされているかを指定し、また、リンクされた機械のVCNのどのデプロイメントが許可されるかについての基準を提供する。デプロイメントテンプレートを生成することにより、本発明はVCNの信頼性の高い自動化されたデプロイメントを有利に提供する。
【0023】
この方法には、デプロイメント基準に基づいてVCNを1つまたは複数の計算ノードにマッピングすることが含まれ、VCNは、制御された機械が動作しているときに、マッピングされた計算ノード上でインスタンス化される。デプロイメント基準は、VCNを機械にリンクするだけでなく、どの計算ノードがどのようにVCNを実行するかも決定する。したがって、機械のサプライヤは、機械にリンクされたVCNがどのように実行されるかを決定することで、機械の信頼性の高い動作を保証できる。
【0024】
この方法は、テンプレートによって提供されるデプロイメント基準に基づいて、マッピングされた計算ノードの負荷を分散すること、を含むことができる。負荷を分散することの1つの方法は、データ感度に基づいて計算ノード間でVCNのデプロイメントを分散することである。
【0025】
一実施形態において、本方法は、デプロイメント基準から、VCNが、産業オートメーション設備内のローカルネットワーク内のローカル計算ノードおよび/または外部ネットワーク内の外部計算ノードにインスタンス化されるかどうかを決定することと、決定に基づいてVCNをローカル計算ノードおよび/または外部計算ノードにマッピングすることと、を含むことができる。
【0026】
VCNをローカル計算ノードに選択的にデプロイすることにより、リンクされた機械や産業プロセスのセンシティブデータは産業オートメーション設備内に留まる。さらに、ローカル計算ノードは、センシティブデータに関連しないVCNやリアルタイム実行を必要としないVCNの計算要件で負担を強いられることはない。
【0027】
別の実施形態では、テンプレートは、デプロイメント基準に加えて、優先順位付け基準を提供することができる。優先順位付け基準は、VCNがリアルタイム機能をもつ計算ノードにデプロイされるかどうかを定義する。
【0028】
負荷の分散は、優先順位付け基準に基づいて行われてもよい。したがって、本方法は、テンプレートに提供された優先順位付け基準に基づいて、マッピングされた計算ノード上の負荷を分散することをさらに含んでもよい。この場合、負荷は優先順位付け基準に基づいて、ローカル計算ノード及び外部計算ノード間で調整される。
【0029】
本方法はまた、少なくとも2つ以上の仮想制御ユニットのテンプレートを統合することにより、産業プロセスの統合デプロイメントテンプレートを生成することをふくんでもよい。この統合デプロイメントテンプレートは、共通の計算インフラストラクチャ上での仮想制御ユニットのグローバルデプロイメント基準を指定し、この共通計算インフラストラクチャは、ローカル計算ノードと外部計算ノードの少なくとも一方を含む。
【0030】
テンプレートを使用することで、産業オートメーション設備のオペレータは、産業オートメーション設備に関連付けられた適切な計算ノード上で、機械のVCNを自動的にインスタンス化することができる。
【0031】
産業プロセスを実行するために、リンクされた機械が協力してプロセスを実行するように、複数のテンプレートを統合する必要があってもよい。
【0032】
したがって、統合デプロイメントテンプレートは、グローバルデプロイメント基準、つまり、共通の計算インフラストラクチャの計算ノード上に異なる機械のVCNをどのようにデプロイするかを指定するグローバルポリシーを提供する。
【0033】
一の実施形態では、統合デプロイメントテンプレートは、シミュレーションを使用して生成することができる。これに応じて、本方法は、各テンプレートのデプロイメント基準をテストすることによって、仮想制御ユニットのテンプレートをシミュレーションすること、シミュレーション結果を使用してグローバルデプロイメント基準を決定すること、グローバルデプロイメント基準に従ってテンプレートを統合すること、を含んでもよい。ここで、グローバルデプロイメント基準は、テンプレートの各々における前記デプロイメント基準の充足を保証する。
【0034】
本方法はさらに、仮想制御ユニットのインスタンス化が、認証を使用するテンプレートに従っていることを検証することをさらに含み、その認証は、仮想制御ユニットのデプロイメント後に、1つまたは複数の決定されたデプロイメントパラメータを確認し、仮想制御ユニットが有効にインスタンス化されると、複数の機械が、仮想制御ユニットの少なくとも1つから受信した制御コマンドに従って、産業プロセスを実行する。VCNのデプロイメントが自動的に実行されるシナリオでは、本発明は、このような自動デプロイメントがテンプレートに従って有効に行われることを保証する。デプロイメントパラメータを検証することにより、本発明は、産業オートメーション設備の完全性が維持されることを保証する。
【0035】
一実施形態では、上記の検証はVCN間データのフローに基づいて実行される。また、検証は、ローカルネットワークと外部ネットワークにおけるデータのフローに基づいて実行される。それに応じて、本方法は、ネットワーク監視モジュールによって、仮想制御ユニット間のデータフローを決定することと、テンプレートおよび統合デプロイメントテンプレートの少なくとも1つに提供されるテンプレートデータフローと比較して、データフローにおける少なくとも1つの逸脱を検出することと、を含んでもよい。
【0036】
一実施形態では、認証は暗号技術およびプロトコルに基づく。デプロイメントの認証は、デプロイメントパラメータが関連するVCNのデプロイメントテンプレートと一致することを確認する暗号的に保護されたデータ構造とすることができる。認証は、検証可能なクレデンシャルであってもよい。例えば、デプロイメントは、デプロイメントパラメータのデジタル署名された確認であってもよい。別の実施形態では、認証は、デプロイされたVCNによって制御される機械のランプアップパラメータを決定することによって実行されてもよい。
【0037】
デプロイメントパラメータが有効でない場合、本方法は、逸脱が検出されたときに、複数の機械または複数の機械のサブセットが産業オートメーション設備において産業プロセスを実行することを停止するための緊急停止信号を生成することをさらに含み得る。
また、本方法は、機械を制御する仮想制御ユニットがテンプレートに従ってインスタンス化されていない場合に、複数の機械のうちのある機械の動作が許可されていないと判定することを含むことができる。したがって、本発明では、VCNの不正確なデプロイメントが、リンクされた機械の不正確な機能をもたらすことを認識される。リンクされた機械がすでに動作中であれば、緊急停止信号が使用されて動作が停止される。そうでない場合は、機械の初期化が阻止される。
【0038】
したがって、本発明は、産業プロセスの完全性を維持し、安全な産業オートメーション設備を保証する。産業オートメーション設備は、製造実行システムなどの計画およびスケジューリング管理システムを使用して管理することができる。認証は、産業オートメーション設備の計画およびスケジューリングを修正するために、さらに分析することができる。
【0039】
したがって、VCNのインスタンス化の認証に基づいて、複数の機械の生産計画スケジュールを生成する。認証の結果を製造実行システムにリンクさせることで、産業オートメーション設備の動的管理を実現できる。
【0040】
例えば、生産オーダのタスクは、検証が存在する、あるいは認証が利用可能な、機械に割り当てることができる。
【0041】
VCNの管理は、テンプレートによって実現される。したがって、本発明は、産業オートメーション設備において仮想制御ユニットを管理するためのソフトウェアアーティファクトを含み、産業オートメーション設備は、少なくとも1つの産業プロセスを実行するように構成された複数の機械を含み、ソフトウェアアーティファクトは、本明細書において1つまたは複数のテンプレートとして実装され、テンプレートはVCNの識別子を含む。
【0042】
仮想制御ユニットは、複数の機械が稼動しているときに、計算ノード上でインスタンス化され、複数の機械の各々は、VCNの各々がテンプレートに従って有効にインスタンス化されているときに、産業プロセスの1つまたは複数のステップを実行する。
【0043】
ソフトウェアアーティファクトは、仮想制御ユニットのマップおよび関連する計算ノードクラスをさらに含んでもよく、計算ノードクラスは、仮想制御ユニットがインスタンス化される1つまたは複数の計算ノードを決定し、計算ノードクラスは、少なくとも計算ノードの位置および計算ノードのタイプに基づいて定義される。さらに、仮想制御ユニット間のテンプレートデータフローであって、テンプレートデータフローは、仮想制御ユニットからのデータフローのレート、仮想制御ユニットからのリアルタイム通信要求、及び仮想制御ユニット間で送信されるデータパケットのデータパケットパラメータの少なくとも1つに基づいて定義される。
【0044】
あるシナリオでは、産業オートメーション設備はシステムを使用して管理される。システムはまた、VCNを管理することができる。システムは、処理ユニットによって実行される命令を含む1つまたは複数のメモリユニットに通信可能に結合された1つまたは複数の処理ユニットを含み、命令は、複数の機械のうちの少なくとも1つを制御することができる仮想制御ユニットの1つまたは複数のデプロイメント基準を含む少なくとも1つのテンプレートを生成するように構成されたテンプレートモジュールに格納される。
【0045】
システムはまた、仮想制御ユニットを1つまたは複数の計算ノードにマッピングするように構成されたデプロイメントマネージャモジュールを含み、仮想制御ユニットは、制御対象機械が動作しているときに、マッピングされた計算ノード上でインスタンス化される。さらに、システムは、仮想制御ユニットのインスタンス化が、認証を使用するテンプレートに従っていることを検証するように構成されたデプロイメント検証モジュールを含み、この認証は、仮想制御ユニットのデプロイメント後に1つ以上のデプロイメントパラメータを決定し、仮想制御ユニットが有効にインスタンス化されると、複数の機械が産業プロセスを実行する。
【0046】
一実施形態では、システムの処理ユニットは、本明細書に開示された方法のステップを実行するように構成されている。
産業オートメーション設備は、少なくとも1つの機械を含む。機械は、本発明を実施するように構成することができる。機械は、その機械が動作している場合に産業プロセスの1つ以上のステップの実行を可能にするセンサとアクチュエータを含んでいる。機械は、センサおよびアクチュエータと通信するための入出力インタフェースをさらに備えている。
【0047】
機械はまた、モジュールとして記憶された命令を含む1つ以上のメモリユニットを含み、メモリユニットは、機械を制御することができる仮想制御ユニットの1つ以上のデプロイメント基準を含む少なくとも1つのテンプレートを生成するように構成されたテンプレートモジュールを含み、仮想制御ユニットは、機械が動作しているときに、デプロイメント基準に基づいて計算ノード上にインスタンス化される。
【0048】
機械はまた、機械に関連する仮想制御ユニットがインスタンス化されたときに、アクチュエータを制御する制御信号を生成する処理ユニットを含む。VCNが有効にインスタンス化されると、処理ユニットはアクチュエータに制御信号を生成し、それによって産業プロセスの1つ以上のステップが実行される。VCNが正しくインスタンス化されていない場合、処理ユニットは、機械の運転を停止するための緊急信号を生成する。VCNが正しくインスタンス化されていない場合、処理ユニットは、VCNが正しくインスタンス化されるまで機械が始動しないように、負の始動信号を生成することもできる。
【0049】
以上、当業者が以下の詳細な説明をよりよく理解できるように、本開示の技術的特徴をかなり大まかに概説した。
以下、特許請求の範囲の主題を形成する、本開示の追加的な特徴および利点を説明する。当業者であれば、仮想制御ユニットが有効にインスタンス化された場合に、産業プロセスを実行するための基礎として、開示された構想および具体的な実施形態を容易に使用できることを理解するであろう。
【0050】
以下、本発明を図に示す実施形態を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】
図1は、
図1は、本発明の一実施形態による産業オートメーション設備を示す。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による、産業オートメーション設備を管理するためのアーキテクチャを示す。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による、産業オートメーション設備における仮想制御ユニットの管理方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明を実施するための実施形態を詳細に説明する。様々な実施形態は、図面を参照して説明され、同様の参照数字は、全体を通して同様の要素を参照するために使用される。
【0053】
以下の説明では、説明の便宜上、1つまたは複数の実施形態を十分に理解できるように、多数の具体的な詳細を記載する。このような実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施され得ることは明らかであろう。
【0054】
図1は、本発明の一実施形態による産業オートメーション設備を示す。産業オートメーション設備は、1つまたは複数の産業プロセスを実行するための機械130、140、150を含む。機械130、140、150は、オートメーションネットワーク155を介して計算リソース160Aおよび160Bに通信可能に結合されている。
【0055】
機械130、140、150は、エンタープライズネットワーク165を介して計算リソース160Cに通信可能に結合されている。計算リソース160Aおよび160Bは、産業オートメーション設備内のエッジ計算プラットフォームであり、計算ノードはリアルタイムおよび非リアルタイムの計算能力を有する。
【0056】
産業オートメーション設備は、機械130、140、150、通信ネットワーク155、165、および計算リソース160A-Cから構成される。産業オートメーション設備は、それぞれ、専有および非専有の無線ネットワーク170および180に通信可能に結合される。例えば、無線ネットワーク170は、5Gマルチアクセスエッジ計算(5G/MEC)ネットワークを含む。MEC、すなわちマルチアクセスエッジ計算は、任意のネットワークのエッジ上のデバイスで実行される計算を指す。
【0057】
5G/MECは、5Gモバイルネットワークによって計算リソースを提供するモバイルエッジ計算を指す。無線ネットワークの別の例は、インターネット180である。インターネット180を介して、産業オートメーション設備は、クラウド計算リソース190Aおよび190Bに通信可能に結合される。計算リソース160A-C、170及び190A-Bは、仮想制御ユニットVCN1、VCN2およびVCN3がデプロイされる計算ノードCNを含む。
【0058】
本発明の利点は、産業オートメーション設備が、デプロイメント管理(DM)モジュール110及びデプロイメント検証(DV)もジュール120をさらに含むことである。DMモジュール110およびDVモジュール120は、機械130、140、150、ならびに計算リソース160A~C、170及び190A~Bに通信可能に結合されている。
【0059】
図1は、産業オートメーション設備の機械130、140、150を用いた本発明の応用例を示している。機械130、140、150はそれぞれ、処理ユニット134、144、154を有する。さらに、機械130、140、150は、センサSおよびアクチュエータAに対する入出力インタフェースIOを有する。
【0060】
機械130、140、150の制御と監視は、仮想制御ユニットVCN1、VCN2、VCN3によって実行される。VCN1~VCN3のデプロイメントを可能にするために、機械130、140、150はそれぞれ、デプロイメントテンプレート(DT)モジュール132、142、152を含む。
【0061】
さらに、機械140及び150は、それぞれデプロイメント管理モジュール146及び156を任意に含むことができる。さらに、機械150は、デプロイメント検証モジュール158を任意に含むことができる。
【0062】
機械130、140、150が動作しているとき、それぞれの機械にリンクされたVCNも、DTモジュール132、142、152が提供するテンプレート/デプロイメントテンプレートに従って、適切な方法でインスタンス化されなければならない。例えば、VCN1は機械130にリンクされている。したがって、機械130が稼動している場合、VCN1は、DTモジュール132によって提供されるデプロイメントテンプレートに従ってデプロイされなければならない。
【0063】
デプロイメントテンプレートは、VCN1が計算ノードCNを有するそれぞれの計算リソースにデプロイされなければならないことを規定することができる。さらに、デプロイメントテンプレートは、機械の要件と、どのリンクされたVCNをデプロイするかについての基準を規定する。例えば、機械140の要件は、リンクされたVCN2のリアルタイムのデプロイメントである。したがって、VCN2は、計算リソース160A内の計算ノードCNにデプロイされる。
【0064】
一実施形態では、テンプレートは、1つ以上の識別子、ハッシュおよび/または署名者(VCNイメージ)によって参照されるVCNの詳細を含む。各VCN、すなわちVCN1、VCN2、及びVCN3について、テンプレートは、これがインスタンス化され得る場所の指示を含む。この例としては、8コア、32GB RAMなどの技術的要件、ネットワークレイテンシの要件、サービスプロバイダに基づくハイパースケーラの制限など、計算ノードCNの要件が含まれる。
【0065】
テンプレートには、VCN(VCN1、VCN2、VCN3)間の要件も含まれる。例えば、要件は、VCNが同じクラスの計算ノード上で実行されなければならないこと、またはVCNが同じノード上で実行されてはならないこと、またはVCNがローカルネットワークノード(例えば、オートメーションネットワーク155内の計算リソース160Aおよび160B上の計算ノード)上で実行されなければならないこと、またはVCNがリアルタイム計算ノード上または安全承認計算ノード上でインスタンス化されなければならないことである。本明細書で上述した要件は、デプロイメント基準と総称される。したがって、テンプレートは、VCNのデプロイメント基準を含む。
【0066】
テンプレートは、VCNおよび関連する計算ノードクラスのマップ/リストを含むことができる。計算ノードクラスは、VCNがインスタンス化される1つまたは複数の計算ノードを上述の基準に基づいて決定する。計算ノードクラスは、少なくとも計算ノードの位置および計算ノードのタイプに基づいて定義される。
【0067】
テンプレートは、VCN間および/またはVCNと機械130~150のうちの1つとの間のデータフローをさらに含むことができる。データフローは、データレート、リアルタイム要求、および対応するネットワークデータパケットを検出するためのトラフィック記述子(例えば、IPヘッダ、プロトコル、ポート番号、HTTPヘッダ)に基づいて定義される。
【0068】
テンプレートは、計算需要を反映する指標を含む。したがって、データフローは、RAMメモリ、ストレージメモリ、計算性能、計算環境のタイプ、例えば、Linux(登録商標)ネイティブ、コンテナ、VM、信頼された実行環境、および計算ノードで利用可能なリソース、例えばTPMセキュアエレメント、推論エンジン、グラフィックアクセラレータ、暗号アクセラレータ、セーフティウォッチドッグなどの要件に基づいて、さらに定義することができる。
【0069】
DMモジュール110、およびオプションとしてDMモジュール146と156は、機械のVCN(例えば機械130のVCN1)を計算リソースにマッピングするように構成される。この目的のために、DTモジュール132、142及び152によって提供されるデプロイメントテンプレートは、計算ノードのクラスおよび機械の要件を開示する構成情報を含む。別の実施形態では、VCN1と計算ノードCNのマッピングは、ディスカバリプロシージャを使用して利用可能な計算ノードを検出することにより、自動的に割り当てることができる。
【0070】
計算ノードCNの割り当てが実行された後、DVモジュール120とオプションでDVモジュール158は、機械130、140、150にリンクされたVCNの実際のデプロイメントをチェックするように構成される。このチェックは、DTモジュール132、142、152によって生成されたデプロイメントテンプレートと比較して実行される。これに応じて、機械のランプアップを解除することができる。
【0071】
あるいは、機械130、140、150の処理ユニット134、144、154に、暗号的に保護されたデプロイメント認証を提供することもできる。デプロイメント認証は、デプロイメントが関連するデプロイメントテンプレートと一致することを確認する、暗号的に保護されたデータ構造である。例えば、デジタル署名または検証可能なクレデンシャルの形式とすることができる。
【0072】
DMモジュール110とDVモジュール120は、機械130、140、150に統合することもできるし(機械150に示されているように)、それとは別に実装することもできる。これらは、オートメーションネットワーク155にローカルに実装することができる。さらに、アプリやウェブサービスとして実装することもできる。DM及びDVアプリケーションは、機械130、140、150または産業用オートメーション設備を管理するように構成された産業用コントローラによってダウンロード可能であり得る。
【0073】
産業オートメーション設備における産業プロセスは、機械130、140、150が予め決められた方針に従って操作されることで実行される。この機械130、140、150のオーケストレーションは、DMモジュール110を用いて実現される。DMモジュール110は、VCN1、VCN2、およびVCN3のテンプレートをマージすることによって、産業プロセス用の統合デプロイメントテンプレートを生成するように構成されている。統合デプロイメントテンプレートは、共通計算インフラストラクチャ160A、160B、160C、170、190A、190B上のVCN1、VCN2、VCN3のグローバルデプロイメント基準を指定する。
【0074】
図1に見られるように、共通計算インフラストラクチャは、計算リソース160A、160B、160C、170のローカル計算ノードCNと、計算リソース190A、190Bの外部計算ノードから構成される。
【0075】
シミュレーションの結果は、関連するVCNが関連するデプロイメントテンプレートに従ってデプロイされたときの機械130、140、150の動作を予測するシミュレーション結果である。グローバルデプロイメント基準は、シミュレーション結果を用いて決定される。
【0076】
さらに、DMモジュール110は、グローバルデプロイメント基準に従ってテンプレートをマージするように構成され、ここで、グローバルデプロイメント基準は、テンプレートの各々におけるデプロイメント基準の充足を保証する。
【0077】
さらに、グローバルデプロイメント基準は、産業プロセスの性能を保証する。一実施形態では、DVモジュール120からのデプロイメント検証結果は、生産計画システム、例えば製造実行システムに送信されることがある。
【0078】
製造実行システムMESは、デプロイメント検証結果に基づいて機械130、140、150に割り当てられる生産オーダの生産タスクを生成するように構成される。一例として、デプロイメント検証結果は有効な認証の形式である場合がある。したがって、有効な認証が利用可能な機械130、140、150で実行可能な、複数の今後の生産オーダから作業オーダを選択することができる。
【0079】
図2は、本発明の一実施形態による、
図1に開示された産業オートメーション設備を管理するためのアーキテクチャ200を示す。このアーキテクチャは、ソフトウェア定義オートメーションの基礎として機能するオープンオートメーションエコシステムを反映している。オープンオートメーションエコシステムの特徴は、計算リソース160A、160B、160C、170、190Aおよび190Bが、産業オートメーション設備の中央管理を可能にすることである。
【0080】
さらに、産業用オートメーション設備はオープンスタンダードに基づいて運用される。産業用オートメーション設備がオープンスタンダードに基づいて運用される場合、エンドユーザーによる機能拡張やカスタマイズが可能になる。オープンオートメーションエコシステムを備えた産業用オートメーション設備の例としては、モジュール式製造設備、無人搬送車(AGV)を使用した倉庫、自律型工場などがある。
【0081】
図2では、機械130、140、150のアクチュエータとセンサが、アクチュエータとセンサ層210として図示されている。アクチュエータセンサ層210は、機械130、140、150の仮想機械220と相互作用する。仮想機械220はアーキテクチャ200と相互作用する。
【0082】
アーキテクチャ200は、オープンオートメーションランタイム(OAR)230を含む。OAR230は、オペレーティングシステムOSを含む。OSは、リアルタイム拡張機能を備えた標準的なLinux(登録商標)ベースのOSであってもよい。他の例には、Windows(登録商標)ベースのOSのような産業用PC OSが含まれる。
OAR230は、さらにランタイムアプリケーションおよびランタイムサービス240を含む。
【0083】
ランタイムアプリケーションは、VCN1、VCN2、およびVCN3がデプロイされるためのコンテナ化された環境を提供する。さらに、特定の実施形態では、デプロイメント検証モジュール120は、代替的または追加的に、ランタイムアプリケーションとしてもデプロイできる。ランタイムサービス240は、デプロイメント管理モジュール110およびデプロイメント検証モジュール120を含む。モジュール110及び120の動作は、本明細書で開示した通りである。
【0084】
アーキテクチャ200はさらに、アプリケーションデバイス管理層250を含む。アプリケーションおよびデバイス管理層250は、エッジ管理モジュール252、クラウド管理モジュール254、アプリケーション管理モジュール256、デバイス管理モジュール258、およびデプロイメント管理モジュール110を含む。エッジ管理モジュール252は、オートメーションネットワーク155内の接続性を管理する。
【0085】
クラウド管理モジュール254は、インターネット180を介したクラウドリソース190Aおよび190Bとの接続を担当する。アプリケーション管理モジュール256は、VCN(VCN1、VCN2、VCN3)のデプロイメントを管理する。デバイス管理モジュール258は、機械130、140、150を制御するために送信される命令を管理する。
【0086】
アーキテクチャ200は、IT層270とOT層260も含む。OT層260は、産業オートメーション設備に送信される制御に関するデバッグを管理するデバッグモジュール262を含む。OT層260はまた、産業オートメーション設備の構成およびサポートのためのサービスモジュール264を含む。
【0087】
IT層270は、アプリケーション開発のための開発環境および/またはツールを提供する開発モジュール272を含む。IT層274はまた、産業オートメーション設備のサービス遠隔監視を可能にするプラットフォームのデバッグおよびトレース操作のために使用されるサービスモジュール274を含む。
【0088】
本発明は、複数の相手先商標製品製造業者が、VCNで提供されるソフトウェア定義機能を備えた機械130、140、150を提供できるようにすることで、オープンオートメーションエコシステムを有利に実現する。VCNは、ランタイムアプリケーションモジュール内のコンテナとしてデプロイされる。
【0089】
さらに、本発明は、産業オートメーション設備のオペレータが機械130、140、150を安全かつ効率的に使用することを可能にする。これらの利点は、デプロイメント管理モジュール110によって生成されたテンプレートを使用することによって達成される。テンプレートは、機械130、140、150を安全に操作するためのVCNのデプロイメント基準を定義する。
【0090】
図3は、本発明の実施形態による、産業オートメーション設備における仮想制御ユニットの管理方法を示す図である。
【0091】
この方法は、3つの主なステップを含む。ステップ310で、VCNのデプロイメント用テンプレートが生成される。ステップ320で、VCNが実行のために計算ノードにマッピングされる。ステップ330では、テンプレートに従って、計算ノード上でのVCNのインスタンス化が検証される。ステップの詳細は後述する。
【0092】
ステップ310は、VCNの1つまたは複数のデプロイメント基準を含む1つまたは複数のテンプレートを生成することを含む。デプロイメント基準は、VCNがインスタンス化される計算ノードのクラスを提供する。さらに、デプロイメント基準は、VCN間のテンプレートデータフローも含むことができる。テンプレートは、どのVCNが機械にリンクされるかを指定し、リンクされた機械のVCNのデプロイメントが許可される基準も提供する。
【0093】
ステップ320は、デプロイメント基準に基づいてVCNを1つまたは複数の計算ノードにマッピングすることを含み、VCNは、制御された機械が動作しているときに、マッピングされた計算ノード上でインスタンス化される。デプロイメント基準は、VCNを機械にリンクするだけでなく、どの計算ノードがどのようにVCNを実行するかも決定する。したがって、機械のサプライヤは、機械にリンクされたVCNがどのように実行されるかを決定することで、機械の信頼性の高い動作を保証することができる。
【0094】
ステップ310は、それに応じて、各テンプレートのデプロイメント基準をテストすることによって仮想制御ユニットのテンプレートのシミュレーションを行い、シミュレーション結果を使用してグローバルデプロイメント基準を決定することを含むことができる。テンプレートは、各テンプレートのデプロイメント基準が満たされるように、グローバルデプロイメント基準に従ってマージされる。
【0095】
さらに、各テンプレートのデプロイメント基準を満たすことで、機械130、140、150によって産業プロセスが実行可能となる。
【0096】
ステップ320は、テンプレートによって提供されたデプロイメント基準に基づいて、マッピングされた計算ノードの負荷を分散することも含むことができる。負荷分散の1つの方法は、データ感度に基づいて計算ノード間でVCNのデプロイメントを分散することである。
【0097】
一実施形態では、ステップ320は、デプロイメント基準から、VCNが、産業オートメーション設備内のローカルネットワーク内のローカル計算ノードおよび/または外部ネットワーク内の外部計算ノード上にインスタンス化されるかどうかを決定することと、決定に基づいて、VCNをローカル計算ノードおよび/または外部計算ノードにマッピングすることとを含んでもよい。
【0098】
ステップ320は、テンプレートに提供された優先順位付け基準に基づいて、マッピングされた計算ノードの負荷のバランスを取ることをさらに含んでもよい。ここで、負荷は、優先順位付け基準に基づいて、ローカル計算ノードと外部計算ノードとの間で調整される。
【0099】
ステップ330は、認証を使用して、仮想制御ユニットのインスタンス化がテンプレートに従っていることを検証することを含む。認証は、仮想制御ユニットのデプロイメント後に、1つまたは複数の決定されたデプロイメントパラメータを確認する。
【0100】
機械130、140、150は、VCNが有効にインスタンス化されている場合、VCN1、VCN2、VCN3から受信した制御コマンドに従って、産業プロセスを実行する。
【0101】
一実施形態において、ステップ330は、ネットワーク監視モジュールによって仮想制御ユニット間のデータフローを決定することと、テンプレートおよび統合デプロイメントテンプレートの少なくとも1つに提供されるテンプレートデータフローと比較して、データフローの少なくとも1つの偏差を検出することと、を含み得る。
【0102】
デプロイメントパラメータが有効でない場合、ステップ330は、逸脱が検出されたときに、産業オートメーション設備において複数の機械が産業プロセスを実行するのを停止するための緊急停止信号を生成することを、さらに含み得る。
【0103】
また、ステップ330は、機械を制御する仮想制御ユニットがテンプレートに従ってインスタンス化されていない場合、機械130、140、150の機械の動作が許可されていないと判定することも含むことができる。したがって、本発明は、VCNの不正確なデプロイメントが、リンクされた機械の不正確な機能をもたらすことを認識する。
【0104】
リンク先の機械がすでに動作中であれば、緊急停止信号を使用して動作を停止する。そうでない場合は、機械の初期化が阻止される。したがって、本発明は産業プロセスの完全性を維持し、安全な産業オートメーション設備を保証する。
【0105】
本開示は、特定の実施形態を参照して詳細に説明されてきたが、本開示は、それらの実施形態に限定されないことが理解されるべきである。本開示に鑑みて、本明細書に記載されるような本開示の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、当業者には、多くの修正および変形がそれ自体存在するであろう。
【0106】
したがって、本開示の範囲は、前述の説明によってではなく、以下の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味および同等性の範囲内に入るすべての変更、修正、および変形は、その範囲内で考慮される。方法特許請求の範囲に記載された全ての有利な実施形態は、システム/デバイス特許請求の範囲にも適用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業オートメーション設備において仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を管理する方法であって、前記産業オートメーション設備は、複数の機械(130、140、150)を含み、各機械は少なくとも1つの産業プロセスの1つまたは複数のステップを実行するように構成され、
前記方法は、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のそれぞれは、前記複数の機械(130、140、150)のうちの少なくとも1つを制御することができ、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のための1つまたは複数のデプロイメント基準を含む1つまたは複数のテンプレートを生成し、
前記デプロイメント基準に基づいて、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を1つまたは複数の計算ノード(CN)にマッピングし、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)は、前記制御された機械が動作しているときに、前記マッピングされた計算ノード(CN)上でインスタンス化され、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記インスタンス化が、認証を使用する前記テンプレートに従っていることを検証し、ここで、前記認証は、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のデプロイメント後に1つまたは複数の決定されたデプロイメントパラメータを確認しており、前記複数の機械(130、140、150)は前記産業プロセスを実行しており、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)が有効にインスタンス化されている場合に、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の少なくとも1つから受信した制御コマンドに従う、
ことを含む。
【請求項2】
前記テンプレートによって提供された前記デプロイメント基準に基づいて前記マッピングされた計算ノード(CN)上の負荷を分散することを、さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)が、前記産業オートメーション設備内のローカルネットワーク(155)のローカル計算ノード上または外部ネットワーク(180)の外部計算ノード上で、インスタンス化されるべきか否かを前記デプロイメント基準から決定すること、
前記決定に基づいて、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を、前記ローカル計算ノードまたは外部計算ノードにマッピングすること、
をさらに含む、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記テンプレートで提供される優先順位付け基準に基づいて前記マッピングされた計算ノード(CN)での負荷を分散すること、をさらに含み、
前記優先順位付け基準に基づいて前記ローカル計算ノードおよび前記外部計算ノード間で前記負荷が調整される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも2つ以上の前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記テンプレートをマージすることによって前記産業プロセスの統合デプロイメントテンプレートを生成することをさらに含み、
前記統合デプロイメントテンプレートは、共通の計算インフラストラクチャ(160A、160B、160C、170、190A、および190B)上での前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のグローバルデプロイメント基準を特定し、
前記共通計算インフラストラクチャは、少なくとも前記ローカル計算ノードおよび前記外部計算ノードのうちの1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記産業プロセスのための前記統合デプロイメントテンプレートを生成することは、
前記各テンプレートの前記デプロイメント基準をテストすることによって、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記テンプレートをシミュレートすること、
前記シミュレーション結果を用いて前記グローバルデプロイメント基準を決定すること、
前記グローバルデプロイメント基準に従って前記テンプレートをマージすること、
を含み、
前記グローバルデプロイメント基準は、前記テンプレートそれぞれの前記デプロイメント基準を満たすことを保証する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記インスタンス化が前記テンプレートに従っていることを検証することは、
ネットワーク監視モジュールによって前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)間のデータフローを決定すること、
前記テンプレートおよび前記統合デプロイメントテンプレートのうちの少なくとも1つの中でテンプレートデータフローと比較して少なくとも1つの逸脱を検出すること、をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記逸脱が検出される場合に、前記複数の機械(130、140、150)が前記産業オートメーション設備内の前記産業プロセスを実行するのを停止させるための緊急停止信号を生成する、ことをさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記インスタンス化が前記テンプレートに従っていることを検証することは、前記機械を制御する仮想制御ユニットが前記テンプレートに従ってインスタンス化されていない場合に、前記複数の機械(130、140、150)のうちの1つの機械の動作が許可されていないと判定する、ことをさらに含む、請求項1のうちのひとつに記載の方法。
【請求項10】
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記インスタンス化が前記テンプレートに従っていることを検証することは、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の前記インスタンス化の前記認証に基づいて前記複数の機械(130、140、150)の生産計画スケジュールを生成することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
処理ユニットによって実行されると請求項1、2、9、又は10のいずれか1項に記載の方法を実行する命令を含むコンピュータプログラマブルプロダクト。
【請求項12】
産業オートメーション設備内の仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を管理するためのソフトウェアアーティファクトであって、前記産業オートメーション設備は、少なくとも1つの産業プロセスを実行するように構成された複数の機械(130、140、150)を有し、前記ソフトウェアアーティファクトは、請求項1、2、9、又は10のいずれか1項に記載の前記1つまたは複数のテンプレートとして実装され、
前記テンプレートは、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)であって、前記複数の機械(130、140、150)または前記複数の機械(130、140、150)のサブセットを制御することが可能である、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の識別子と、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)であって、前記複数の機械(130、140、150)の各々は、前記仮想制御ユニットが前記テンプレートに従って有効にインスタンス化されるときに、前記産業プロセスの1つまたは複数のステップを実行し、前記複数の機械(130、140、150)が動作しているときに計算ノード(CN)上でインスタンス化される、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のデプロイメント基準と、を含む。
【請求項13】
前記テンプレートは、
仮想制御装置(VCN1、VCN2、VCN3)および関連する計算ノードクラスであって、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)がインスタンス化される1つ又は複数の計算ノード(CN)を決定し、少なくとも前記計算ノード(CN)の位置と前記計算ノード(CN)のタイプに基づいて定義される前記計算ノードクラスのマップと、
前記仮想制御装置(VCN1、VCN2、VCN3)間のテンプレートデータフローであって、前記仮想制御装置(VCN1、VCN2、VCN3)からのデータフローのレート、仮想制御装置(VCN1、VCN2、VCN3)からのリアルタイム通信要求、および、仮想制御装置(VCN1、VCN2、VCN3)間で送信されるデータパケットのデータパケットパラメータ、のうちの少なくとも1つに基づいて定義される前記テンプレートデータフローと
をさらに含む、請求項12に記載のソフトウェアアーティファクト。
【請求項14】
産業オートメーション設備内の仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を管理するためのシステムであって、
前記産業オートメーション設備は、複数の機械(130、140、150)を備え、各機械は少なくとも1つの産業プロセスの1つまたは複数のステップを実行するように構成され、前記システムは、
処理ユニットによって実行される命令を含む1つまたは複数のメモリユニットに通信可能に結合された1つまたは複数の処理ユニットを備え、
前記命令は、複数の機械(130、140、150)のうちの少なくとも1つを制御することができる仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)の1つまたは複数のデプロイメント基準を含む少なくとも1つのテンプレートを生成するように構成されたテンプレートモジュール(132、142、152)、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)を1つまたは複数の計算ノード(CN)にマッピングするように構成されたデプロイメントマネージャモジュール(110)、および、認証を使用する前記テンプレートに前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のインスタンス化が従っていることを検証するように構成されたデプロイメント検証モジュール(120)に記憶され、
前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)は、前記制御された機械が動作しているときに、前記マッピングされた計算ノード(CN)上にインスタンス化されており、
前記認証は前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)のデプロイメント後に1つまたは複数のデプロイメントパラメータを確認し、前記複数の機械(130、140、150)は、前記仮想制御ユニット(VCN1、VCN2、VCN3)が有効にインスタンス化されるときに、前記産業プロセスを実行する、
システム。
【請求項15】
産業オートメーション設備内の他の機械と協働して産業プロセスを実行するように構成された前記産業オートメーション設備内の機械(130、140、150)であって、
前記機械は、
前記機械が稼動しているときに、前記産業プロセスの1つまたは複数のステップの実行を可能にするセンサ(S)およびアクチュエータ(A)と、
前記センサおよびアクチュエータと通信するための入出力(I/О)インタフェースと、
モジュールとして記憶された命令を含む1つまたは複数のメモリユニットであって、前記機械を制御することが可能な仮想制御ユニットであって、前記機械が稼動しているときに、デプロイメント基準に基づいて計算ノード(CN)上でインスタンス化される、前記仮想制御ユニットの1つまたは複数のデプロイメント基準を含む少なくとも1つのテンプレートを生成するように構成されたテンプレートモジュール(132、142、152)を含む前記メモリユニットと、
前記機械に関連する前記仮想制御ユニットがインスタンス化されるときに前記アクチュエータを制御する制御信号を生成する処理ユニット(134、144、154)と、
を備えることを特徴とする機械。
【外国語明細書】