IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アーティフィスの特許一覧 ▶ 株式会社三鷹ホールディングスの特許一覧 ▶ 株式会社日本マンガ塾の特許一覧 ▶ 株式会社TODOの特許一覧

特開2024-5045デジタルコンテンツの取引管理システムおよび取引管理方法
<>
  • 特開-デジタルコンテンツの取引管理システムおよび取引管理方法 図1
  • 特開-デジタルコンテンツの取引管理システムおよび取引管理方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005045
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】デジタルコンテンツの取引管理システムおよび取引管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20240110BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240110BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105026
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】510215341
【氏名又は名称】株式会社アーティフィス
(71)【出願人】
【識別番号】520006735
【氏名又は名称】株式会社三鷹ホールディングス
(71)【出願人】
【識別番号】522261983
【氏名又は名称】株式会社日本マンガ塾
(71)【出願人】
【識別番号】522261994
【氏名又は名称】株式会社TODO
(74)【代理人】
【識別番号】110003454
【氏名又は名称】弁理士法人友野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長野 稔樹
(72)【発明者】
【氏名】羽澤 学
(72)【発明者】
【氏名】信濃 裕馬
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB26
5L055AA72
(57)【要約】      (修正有)
【課題】独自性を有するデジタルコンテンツを選択し、ブロックチェーン上でNFTを紐付け所有権者を明示しインターネットのマーケットプレイス上に公開して所有権を売買できる仕組みを実現するデジタルコンテンツの取引管理システム及び取引管理方法を提供する。
【解決手段】デジタルコンテンツの取引管理システム100は、通信ネットワーク1上に重ねて分散ネットワーク2を構成する複数のノード3a~3eを備え、分散ネットワーク2のメタバースに開設されブロックチェーンにより記憶される所有権登録部4aとデジタルコンテンツ公開部4bと販売契約部4cの3つの機能部を備えるマーケットプレイス4に対し、管理機関5が所有しデジタルコンテンツの所有権設定手続きの申請を受けて審査するための審査用通信装置6及び審査でパスしたデジタルコンテンツを記録するとともに所有権登録部4aに対し登録指示の通知を行う管理用通信装置7を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク上に重ねて分散ネットワークを構成する複数のノードを備え、前記分散ネットワークのメタバースにマーケットプレイスが開設され、前記マーケットプレイスには、ブロックチェーンにより記憶され審査にパスしたデジタルコンテンツにNFTを紐付けかつデジタルコンテンツとともに著作者を所有権者として、および権利移転に伴う新所有者を登録する所有権登録部と、前記所有権登録部で登録されたデジタルコンテンツおよび所有権者を公開する専用ビューワーであるデジタルコンテンツ公開部と、前記デジタルコンテンツ公開部で公開されたデジタルコンテンツの所有権の売買交渉の場を与える販売契約部の3つの機能部を備え、
前記マーケットプレイスに対し、管理機関が所有しデジタルコンテンツの所有権設定手続きの申請を受けて審査するための審査用通信装置、および前記審査でパスしたデジタルコンテンツを記録するとともに前記所有権登録部に対し登録指示の通知を行う管理用通信装置を備えている
デジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項2】
前記デジタルコンテンツ公開部は、著作者、第1の所有権者、第2の所有権者以降の現在の所有権者、および管理機関のいずれかによる非公開の指示がある場合、前記指示のあったデジタルコンテンツを一般閲覧者には非公開とするとともに前記指示をすることが可能な者に限り本人IDを入力して閲覧しようとするときは一般閲覧者には非公開を維持したまま閲覧可能にするとともに、前記非公開の指示がない前記デジタルコンテンツを一般公開するようになっている
請求項1に記載のデジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項3】
前記買取希望者と前記所有権者との売買交渉が成立する場合、買取費用を、前記管理機関の口座にて受領し、さらに前記管理用通信装置に機能部として備える入出金管理部にて支払先に振込を行うよう会計処理する
請求項1に記載のデジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項4】
前記管理用通信装置は、前記所有権登録部への登録指示の通知を、前記著作権者から所有権登録料の受領後に行うようになっている
請求項1に記載のデジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項5】
前記買取希望者と前記所有権者との売買交渉が成立する場合であって、売買交渉の当事者以外の所有権者であった者が存在する場合、その者に、前記入出金管理部が、売上利益の一部を分配金として支払う会計処理を行うようになっている
請求項1に記載のデジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項6】
前記審査用通信装置は、表示審査部の機能を有し、所有権登録を希望する著作権者が自身の通信端末を介して会員手続きが行われた後には、著作権者が前記表示審査部にアクセスしてデジタルコンテンツの所有権登録の申請ができ、申請に係るデジタルコンテンツを画面表示して所有権登録の許可・不許可を審査できるようになっている
請求項1に記載のデジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項7】
前記買取希望者と前記所有権者との売買交渉が成立する場合、買取費用を、前記管理機関の口座にて受領し、さらに前記管理用通信装置に機能部として備える入出金管理部にて支払先に振込を行うよう会計処理する
請求項1に記載のデジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項8】
前記マーケットプレイスは、前記デジタルコンテンツの所有権買取希望者が通信端末を介して会員手続きが行われた後には、前記所有権買取希望者が前記デジタルコンテンツ公開部および前記販売契約部にアクセスできるようになっている
請求項1に記載のデジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項9】
前記所有権登録部は、前記記録部から前記デジタルコンテンツおよび前記著作権者のデータを受信して登録を行うトランザクションと、前記販売契約部での交渉結果に基づいて所有権移転登録を行うトランザクションの各自動手続きにおいて、登録報告を前記記録部に通知する
請求項1に記載のデジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項10】
前記販売契約部は、前記所有権買取希望者に係る通信端末によりアクセスがあったときは、現在の所有権者に係る通信端末に対し買取希望があったことを通知し、両者間で所有権売買のために通信アクセスできるようになっている
請求項1に記載のデジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項11】
前記審査用通信装置は、前記デジタルコンテンツに広告を付けることを望む広告企業のデジタル広告内容を受け付けて審査し広告掲載を決定するときはさらに広告掲載対象の前記デジタルコンテンツを選定し、前記決定に係るデジタル広告内容と前記選定に係る前記デジタルコンテンツのIDとを前記マーケットプレイスに通知するようになっており、
前記マーケットプレイスは、前記デジタルコンテンツ公開部において一般公開する前記デジタルコンテンツにデジタル広告を関係的に表示するようになっている
請求項2に記載のデジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項12】
前記デジタルコンテンツ公開部において一般公開する前記デジタルコンテンツに広告を有償で表示する場合、前記広告企業から支払われる広告費用を前記管理機関の口座にて受領し、さらに前記管理用通信装置の前記入出金管理部にて前記の著作者と第1の所有権者と管理機関とを支払先とし所要割合の振込額となるよう会計処理する
請求項11に記載のデジタルコンテンツの取引管理システム。
【請求項13】
複数のノードにより通信ネットワーク上に重ねて分散ネットワークを構築し、前記分散ネットワークのメタバースにブロックチェーンにより記憶される所有権登録部と専用ビューワーであるデジタルコンテンツ公開部と販売契約部の3つの機能部を備えるマーケットプレイスを開設し、管理機関が所有しデジタルコンテンツの所有権設定手続きの申請を受けて審査用通信装置においてデジタルコンテンツを表示して審査を行い、審査にパスしたデジタルコンテンツを管理用通信装置により前記所有権登録部に対し登録指示の通知を行い前記所有権登録部にデジタルコンテンツを登録するとともに著作者を所有権者として登録し、一方、前記デジタルコンテンツ公開部でデジタルコンテンツの閲覧を許可し、さらに前記販売契約部でデジタルコンテンツの所有権の移転契約の交渉の場を設け、契約成立の場合に前記所有権登録部に対し登録指示の通知を行い前記所有権登録部に新所有権者を登録する
デジタルコンテンツの取引管理方法。
【請求項14】
前記審査にパスした場合に、所有権登録料を前記管理用通信装置に設ける会計処理部により会計処理する
請求項13に記載のデジタルコンテンツの取引管理方法。
【請求項15】
前記所有権の移転契約の交渉の場で交渉が成立する場合に、買取費用の収受と支払いを前記会計処理部により会計処理する
請求項13に記載のデジタルコンテンツの取引管理方法。
【請求項16】
前記所有権の移転契約の交渉の場で交渉が成立する場合に、買取費用の中の売上利益の一部を分配金として、契約の当事者以外の過去に所有権者であった者へ支払いを前記会計処理部により会計処理する
請求項15に記載のデジタルコンテンツの取引管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非代替性トークン(Non-Fungible Token;略称NFT)とブロックチェーンとを利用したデジタルコンテンツの取引管理システムおよび取引管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルコンテンツ、特にゲーム、映画、ドラマ、バラエティ、音楽、小説、マンガ、写真、イラスト、コスプレイヤーの写真や衣装などの娯楽作品が、デジタル形式で作成されたコンテンツであるエンタメ系デジタルコンテンツの制作には、センスや才能が必要である。
【0003】
しかし、デジタルコンテンツは、コピーや改竄が容易であるので例え独創性を有していると評価される作品であってもそのままでは資産価値を持つものとはみなされない。また、現時点では評価されていないが年数経過に伴い将来の資産価値が莫大になるであろう評価されるべき作品であってもそのままでは投資対象となる資産価値を持つものとはみなされない。
【0004】
そこで、インターネット上に重ねて構築されるブロックチェーンネットワーク上において、デジタルコンテンツと偽証が現実的に不可能である識別情報を含む非代替性トークン(NFTともいう)とを紐付けて登録することにより、偽証が困難で唯一無二の存在として扱うことが可能な代替不能な資産価値を保有することになりかつ所有者を証明することができるので、ブロックチェーンネットワーク上のマーケットプレイスでデジタルコンテンツを売買可能に公開する技術が注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-72116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
独自性を有しあるいは現時点では評価されていないが年数経過時には価値が高く評価されるであろうデジタルコンテンツは、唯一無二のものとして独占的に所有できる財産的価値を最大限に上昇できる経済的仕組みが必要である。
【0007】
特許文献1のシステムでは、ブロックチェーンネットワーク上でNFTを紐付けたデジタルコンテンツは資産価値を有するが、所有権と使用権との分けた取り扱いが不明であるとして、所有権を示す均質化した所有権トークンを生成し、さらに、この所有権トークンに基づいて均質化していない資産の使用権を示す非独占的な使用権トークンを生成し、使用権トークンを移譲すると利益分配金額を所有権者に発送する財産活用が提案されている。
【0008】
特許文献1のシステムによれば、所有権トークンを有する著作者が別途に提供するサービスに使用権トークンを非独占的に使用できるものであるので、以下の様な不都合がある。具体的には、TV、PC、DVD,ゲーム機、スマートフォンなどに適用される沢山のキャラクターが登場しバトルや冒険をする等のゲームであって、複数の参加者(遊戯者)がアバターとしてのキャラクターを操作してゲーム展開していく方式のゲームについて、複数人に同一のキャラクターの使用権を重複的に許諾すると複数の使用権者によりゲーム上の同一のキャラクター操作が行われてしまうから甚だ不都合を来たすものとなるから、キャラクターに使用権トークンの許諾ができず、財産的価値の利用形態が限定され、キャラクターに付随する経済的価値は低くとどまる。また、著作者に入る経済的利益も使用権の許諾件数に留まるものとなる。
【0009】
本発明者等は、以下の仕組みを設ければ、ゲームの財産的価値が莫大なものになり、著作者の資金調達が容易になりゲーム開発がやりやすくなり、デジタルコンテンツの創作に寄与することになると想到した。
【0010】
すなわち、上記のキャラクター等が登場するゲーム、その他のゲームにおいて、特に大ヒットするゲームであればあるほど、そのゲームに登場する特定のキャラクター(動作体に限定されない)について遊戯者が自分の所有権に係るものである主張できるものとして取り扱われる仕組みが望まれている。そこで、マーケットプレイスでゲームに登場する個々のキャラクターの販売が行われる仕組みを作れば、特定のキャラクター、特にコスプレーヤーのデザインなどではお気に入りのキャラクターを早いもの勝ちで選択して所有権の取得することにつながり、その後もマーケットプレイスでお気に入りのキャラクターの所有権の売却のためのオークション売却方式の展示があれば容易に売買することができて、その後の所有権の売買の繰り返すに伴い売却利益から一定割合のポイント(経済的価値)が著作者や以前に所有権を手放した者に入る仕組みが設けられる。
【0011】
一方、何もかも玉石混交の一切のデジタルコンテンツをインターネットのマーケットプレイス上に公開すると、全く独創性がないか、購入意欲が生じないか、あるいは購入から年数が経過しても将来的価値が上昇しないと思われる全く販売対象にはならない作品まで公開することになってマーケットプレイスの公開機能の低下に繋がるので、デジタルコンテンツを常時公募する一方でデジタルコンテンツを1つ1つ審査し取捨選択してマーケットプレイス上に公開する仕組みを提供する必要がある
【0012】
そこで、本発明は、上述した点に鑑み案出されたもので、玉石混交のデジタルコンテンツを審査選択しブロックチェーン上で有用なデジタルコンテンツに非代替性トークンを紐付けて資産価値を付与しマーケットプレイス上に公開してデジタルコンテンツに関する所有権を売買できその後も繰り返し売買できかつ売却の都度の売却利益の一定割合のポイントが著作者と所有権を手放した者に入る仕組みを実現できるデジタルコンテンツの取引管理システムおよび取引管理方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願の第1の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、上記課題を解決できる解決手段として、
通信ネットワーク上に重ねて分散ネットワークを構成する複数のノードを備え、前記分散ネットワークのメタバースにマーケットプレイスが開設され、前記マーケットプレイスには、ブロックチェーンにより記憶され審査にパスしたデジタルコンテンツにNFTを紐付けかつデジタルコンテンツとともに著作者を所有権者として、および権利移転に伴う新所有者を登録する所有権登録部と、前記所有権登録部で登録されたデジタルコンテンツおよび所有権者を公開する専用ビューワーであるデジタルコンテンツ公開部と、前記デジタルコンテンツ公開部で公開されたデジタルコンテンツの所有権の売買交渉の場を与える販売契約部の3つの機能部を備え、
前記マーケットプレイスに対し、管理機関が所有しデジタルコンテンツの所有権設定手続きの申請を受けて審査するための審査用通信装置、および前記審査でパスしたデジタルコンテンツを記録するとともに前記所有権登録部に対し登録指示の通知を行う管理用通信装置を備えている構成である。
【0014】
本願の第2の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、第1の発明態様に係る構成に加え、
前記デジタルコンテンツ公開部が、著作者、第1の所有権者、第2の所有権者以降の現在の所有権者、および管理機関のいずれかによる非公開の指示がある場合、前記指示のあったデジタルコンテンツを一般閲覧者には非公開とするとともに前記指示をすることが可能な者に限り本人IDを入力して閲覧しようとするときは一般閲覧者には非公開を維持したまま閲覧可能にするとともに、前記非公開の指示がない前記デジタルコンテンツを一般公開するようになっている構成である。
【0015】
本願の第3の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、第1または第2の発明態様に係る構成に加え、
前記買取希望者と前記所有権者との売買交渉が成立する場合、買取費用を、前記管理機関の口座にて受領し、さらに前記管理用通信装置に機能部として備える入出金管理部にて支払先に振込を行うよう会計処理する構成である。
【0016】
本願の第4の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、第1または第2の発明態様に係る構成に加え、
前記管理用通信装置は、前記所有権登録部への登録指示の通知を、前記著作権者から所有権登録料の受領後に行うようになっている構成である。
【0017】
本願の第5の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、第1または第2の発明態様に係る構成に加え、
前記買取希望者と前記所有権者との売買交渉が成立する場合であって、売買交渉の当事者以外の所有権者であった者が存在する場合、その者に、前記入出金管理部が、売上利益の一部を分配金として支払う会計処理を行うようになっている構成である。
【0018】
本願の第6の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、第1または第2の発明態様に係る構成に加え、
前記審査用通信装置は、表示審査部の機能を有し、所有権登録を希望する著作権者が自身の通信端末を介して会員手続きが行われた後には、著作権者が前記表示審査部にアクセスしてデジタルコンテンツの所有権登録の申請ができ、申請に係るデジタルコンテンツを画面表示して所有権登録の許可・不許可を審査できるようになっている構成である。
【0019】
本願の第7の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、第1または第2の発明態様に係る構成に加え、
前記買取希望者と前記所有権者との売買交渉が成立する場合、買取費用を、前記管理機関の口座にて受領し、さらに前記管理用通信装置に機能部として備える入出金管理部にて支払先に振込を行うよう会計処理する構成である。
【0020】
本願の第8の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、第1または第2の発明態様に係る構成に加え、
前記マーケットプレイスは、前記デジタルコンテンツの所有権買取希望者が通信端末を介して会員手続きが行われた後には、前記所有権買取希望者が前記デジタルコンテンツ公開部および前記販売契約部にアクセスできるようになっている構成である。
【0021】
本願の第9の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、第1または第2の発明態様に係る構成に加え、
前記所有権登録部は、前記記録部から前記デジタルコンテンツおよび前記著作権者のデータを受信して登録を行うトランザクションと、前記販売契約部での交渉結果に基づいて所有権移転登録を行うトランザクションの各自動手続きにおいて、登録報告を前記記録部に通知する構成である。
【0022】
本願の第10の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、第1または第2の発明態様に係る構成に加え、
前記販売契約部は、前記所有権買取希望者に係る通信端末によりアクセスがあったときは、現在の所有権者に係る通信端末に対し買取希望があったことを通知し、両者間で所有権売買のために通信アクセスできる構成である。
【0023】
本願の第11の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、第1または第2の発明態様に係る構成に加え、
前記審査用通信装置は、前記デジタルコンテンツに広告を付けることを望む広告企業のデジタル広告内容を受け付けて審査し広告掲載を決定するときはさらに広告掲載対象の前記デジタルコンテンツを選定し、前記決定に係るデジタル広告内容と前記選定に係る前記デジタルコンテンツのIDとを前記マーケットプレイスに通知するようになっており、
前記マーケットプレイスは、前記デジタルコンテンツ公開部において一般公開する前記デジタルコンテンツにデジタル広告を関係的に表示する構成である。
【0024】
本願の第12の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理システムは、第11の発明態様に係る構成に加え、
前記デジタルコンテンツ公開部において一般公開する前記デジタルコンテンツに広告を有償で表示する場合、前記広告企業から支払われる広告費用を前記管理機関の口座にて受領し、さらに前記管理用通信装置の前記入出金管理部にて前記の著作者と第1の所有権者と管理機関とを支払先とし所要割合の振込額となるよう会計処理する構成である。
【0025】
本願の第13の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理方法は、上記課題を解決できる解決手段として、
複数のノードにより通信ネットワーク上に重ねて分散ネットワークを構築し、前記分散ネットワークのメタバースにブロックチェーンにより記憶される所有権登録部とデジタルコンテンツ公開部と販売契約部の3つの機能部を備えるマーケットプレイスを開設し、管理機関が所有しデジタルコンテンツの所有権設定手続きの申請を受けて審査用通信装置においてデジタルコンテンツを表示して審査を行い、審査にパスしたデジタルコンテンツを管理用通信装置により前記所有権登録部に対し登録指示の通知を行い前記所有権登録部にデジタルコンテンツを登録するとともに著作者を所有権者として登録し、一方、前記デジタルコンテンツ公開部でデジタルコンテンツの閲覧を許可し、さらに前記販売契約部でデジタルコンテンツの所有権の移転契約の交渉の場を設け、契約成立の場合に前記所有権登録部に対し登録指示の通知を行い前記所有権登録部に新所有権者を登録する構成である。
【0026】
本願の第14の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理方法は、第13の発明態様に係る構成に加え、
前記審査にパスした場合に、所有権登録料を前記管理用通信装置に設ける会計処理部により会計処理する構成である。
【0027】
本願の第15の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理方法は、第13の発明態様に係る構成に加え、
前記所有権の移転契約の交渉の場で交渉が成立する場合に、買取費用の収受と支払いを前記会計処理部により会計処理する構成である。
【0028】
本願の第16の発明態様に係るデジタルコンテンツの取引管理方法は、第13の発明態様に係る構成に加え、
前記所有権の移転契約の交渉の場で交渉が成立する場合に、買取費用の中の売上利益の一部を分配金として、契約の当事者以外の過去に所有権者であった者へ支払いを前記会計処理部により会計処理する構成である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、玉石混交のデジタルコンテンツを審査選択しブロックチェーン上で有用なデジタルコンテンツに非代替性トークンを紐付けて資産価値を付与しマーケットプレイス上に公開してデジタルコンテンツの全部または一部に関する所有権を売買できその後も繰り返し売買できかつ売却の都度の売却利益の一定割合のポイントが著作者と所有権を手放した者に入る仕組みを実現できるデジタルコンテンツの取引管理システムおよび取引管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るデジタルコンテンツの取引管理システムの全体構成を示すブロック図である。
図2図1中のデジタルコンテンツ公開部である専用ビューワーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態に係るデジタルコンテンツの取引管理システム100および取引管理方法について図1を用いて説明する。
【0032】
本発明は、一般的にコピーが容易なデジタルコンテンツに財産的価値が認められていない現状において、独創性があり評価が高いと思われる作品に保護の必要性が求められており、そのようなデジタルコンテンツに財産的価値を認め所有権を与えて保護するとの観点から案出されたものである。
【0033】
また本発明は、創作者が名声か無名かを問わず優れたデジタルコンテンツにNFTを紐付けて財産的価値を認め所有権登録しさらに所有権を売買する場をインターネット上に与える形でデジタルコンテンツを保護するものである。さらに本発明は、著作者(創作者)の無名であり現在は作品評価が低いかまたは関心を持たれていないけれども、将来に著作者の名声が高まると過去の作品も見直され評価が高まると予想される場合、無名時代のデジタルコンテンツについても保護し、無名の著作者のスタートアップを支援する仕組みを提供するものである。ここでの所有権は、登録されたNFT付きのデジタルコンテンツの所有が誰にあるのかの証明と権利を売買でき、NFT付きデジタルコンテンツと同等のNFTが付いていないデジタルコンテンツの使用が認められる。NFT付きデジタルコンテンツはNFT付きであるがゆえに複製することはできない。
【0034】
[デジタルコンテンツの取引管理システム100に係る実施の形態]
通信ネットワーク1は、インターネット、移動体通信網、LAN等によって構築される。さらに、通信ネットワーク1には、有線通信だけでなく、移動通信システム(4G、5G、6G)、Wi-Fi(登録商標)、WiMAX(登録商標)、等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。
【0035】
複数のノード3a~3eは、通信ネットワーク1を介して通信することができ、さらに、自身と他の全てのノードと1対1で直接通信を行うP2P(Peer to Peer)通信が行えて、通信ネットワーク1上に分散ネットワーク2を構築している。
【0036】
複数のノード3a~3eのそれぞれは、ブロックチェーン12によるデータ記憶構造を有する。
【0037】
ブロックチェーン12は、この実施の形態ではプライベートチェーンが採用され(プライベートチェーンであってもよい)、電子署名とハッシュポインタ、コンセンサスアルゴリズムを使用し改竄検出が容易なデータ構造を備えたビザンチン障害を含む複数のノード3a~3eがP2P通信によるネットワークに参加し、各ノードが自律して全員の取引履歴をコピーし続けるデータ記憶機能を有する。これにより、分散ネットワーク2は、一つのノードがダウンしたとしても他の複数のノード3a~3eがシステム全体を維持し続ける性質を持つ。
【0038】
この実施の形態のブロックチェーン12は、起源ブロックを生成しこの起源ブロックに最初の取引契約(所有権登録)の結果であるデジタルコンテンツと著作者の情報等をハッシュ関数で変換した返されるハッシュ値を記憶し、次にナンス値を与えて起源ブロックにハッシュで接続する2番目のブロックを生成しこの2番目のブロックに、2番目の取引契約(所有権の移転登録)の結果である譲渡人の情報と譲受人の情報とを含む取引内容およびナンス値をハッシュ関数で変換して記憶し、こうして次々に3番目以降のブロックを生成し取引内容を記憶する機能である。
【0039】
本発明の実施の形態に係るデジタルコンテンツの取引管理システム100は、通信ネットワーク1上に重ねて分散ネットワーク2を構成する複数のノード3a~3eを備え、分散ネットワーク2のメタバース(仮想空間)にマーケットプレイス4が開設されている。
【0040】
マーケットプレイス4は、ブロックチェーン12により記憶される所有権登録部4aとデジタルコンテンツ公開部4bと販売契約部4cの3つの機能部を備える。図2はデジタルコンテンツ公開部である専用ビューワーを示す。
【0041】
マーケットプレイス4に対し、管理機関5が所有し、デジタルコンテンツの所有権設定手続きの申請を受けて審査するための審査用通信装置6および審査でパスしたデジタルコンテンツを記録するとともに所有権登録部4aに対し登録指示の通知を行う管理用通信装置7を備えている。
【0042】
著作者が製作したデジタルコンテンツにはジャンルによっては複数個所に切り離し可能な優れた独自表現を有することがあるのでそのような場合には、著作者は、デジタルコンテンツの複数の一部についてそれぞれ申請することができる。著作者はデジタルコンテンツの一部を申請する場合、審査対象は申請に係る一部であり、所有権登録部4aの登録対象も審査されたデジタルコンテンツに係る一部である。
【0043】
なお、審査用通信装置6と管理用通信装置7は通信ネットワーク1に接続された管理機関5が所有する通信サーバが両方を兼用しているものであるか、または同通信サーバに接続された単独または別々のPCであってよい。
【0044】
複数のノード3a~3eのそれぞれに構成されるブロックチェーン12は所有権登録部4aのデータを記憶する。所有権登録部4aは、データがハッシュ関数に掛けられ改竄が殆ど不可能なデータとなって記録される。これに加え、所有権登録部4aでは唯一無二であることの証明手段としての改竄不能なNFTがデジタルコンテンツに紐付けられる。
【0045】
デジタルコンテンツの著作者Aが審査用通信装置6に通信してデジタルコンテンツに所有権を設定する申請を行うための通信端末8、および閲覧者B、C、Dがマーケットプレイス4に所有権が設定されデジタルコンテンツ公開部(専用ビューワー)4bに公開されるデジタルコンテンツを閲覧するためマーケットプレイス4に通信するための通信端末9、10、11は、本発明の取引管理システム100の必須構成要素を構成しない。なお、通信端末8にはインターネットに接続できるPCが用いられ、通信端末9、10、11にはインターネットに接続できるPCやスマートフォンが用いられる。以下、詳細に説明する。
【0046】
[審査用通信装置6]
この取引管理システム100において、デジタルコンテンツの著作者が所有権登録されるためには、管理機関5が管理する審査用通信装置6への申請13が必要になる。審査用通信装置6は、例えばインターネットに接続された管理機関5が管理する通信サーバまたはこの通信サーバに接続された1つまたは複数のPCである。
【0047】
[審査用通信装置6への申請13]
審査用通信装置6への申請13の1つの方法は、管理機関5が審査用通信装置6を申請窓口として開催するオーディションへの参加がある。デジタルコンテンツの著作者(申請人)は、オーディションへの参加するため、自身が管理する通信端末8を用い、まずは審査用通信装置6に通信して会員登録を済ませ会員IDを取得する。申請人は、この会員IDを使って、審査用通信装置6の申請受付に申請費用の納付(後述と同じ口座振込)とデジタルコンテンツと申請者データとオーディションへ参加申請を通信端末8にて送信することにより申請13を行う。
【0048】
審査用通信装置6への申請13の他の方法は、例えば漫画のキャラクターデザインや地方の言い伝えに基づくか、全くの創作に基づく幽霊や妖怪などを常時に一般公募する方法やデザイン学校でのコンテストで応募された作品でも受け付ける。申請13にかかる作品は、デジタルコンテンツになっていない手書き作品も含まれる。手書き作品にあっては、申請13を受け付けた後にデジタルコンテンツとなるように処理すれば足りる。
【0049】
審査用通信装置6への申請13において、著作者(申請人)の特定を明示することになるが、申請13に係るデジタルコンテンツまたはデジタル処理前のコンテンツであって、しかも、上記の様に例えば漫画のキャラクターデザインや幽霊、妖怪などの著作権法上の第一次の著作物を対象としてリデザインした二次著作物に該当する場合、第一次の著作物の著作者の同意を得て当該二次著作物を申請13の対象とすることができる。
【0050】
審査用通信装置6への申請13にかかるデジタルコンテンツまたはデジタル処理前のコンテンツが、二次著作物である場合には、図1における著作者Aは、二次著作物を創作した人であるが、申請13において著作者Aを特定する明示だけでなく、デジタルコンテンツまたはデジタル処理前のコンテンツの創案者を特定する明示が必要である。
【0051】
[審査用通信装置6における審査]
著作者Aにより通信端末8を介し審査用通信装置6に対しデジタルコンテンツについて所有権の設定登録の申請13があると、管理機関5の審査担当者は、審査用通信装置6の表示審査部6aに申請されたデジタルコンテンツを表示し、このデジタルコンテンツを所有権登録の許可・不許可を審査する。
【0052】
審査用通信装置6への申請13の前段階で、漫画のキャラクターデザインや幽霊、妖怪などの著作権法上の第一次の著作物(草案作品)を対象として優秀作品を選出する一次審査については、ここでの審査に該当しない。第一次の著作物について申請13があると審査用通信装置6における審査の対象になるが、第一次の著作物が手書きであるときはデジタル処理される。
【0053】
この一次審査で選出される例えば4つの作品のそれぞれの創案のままではキャラクターデザインとして簡素化されまたは洗練性が劣る場合、第一次の著作物の著作者以外の優れたデザイナーによりリデザインした二次著作物を作成し、この二次著作物について申請13を行う必要がある。この二次著作物の申請13については審査用通信装置6における審査の対象となる。さらに、リデザインした二次著作物の申請13の前に管理機関5の審査担当者以外で行う場合、審査用通信装置6の事前の審査審査とすることができる。
【0054】
この審査は、申請に係る審査対象のデジタルコンテンツを他のデジタルコンテンツと比較して優劣審査するのではなく、審査対象のデジタルコンテンツに独創性があり評価が高いと思われる作品である場合や、著作者の無名であり現在は作品評価が低いかまたは関心を持たれていないけれども、将来に著作者の名声が高まると過去の作品も見直され評価が高まると予想される場合には許可する判定を行う。
【0055】
審査結果として登録許可の判定を出す場合には、審査担当者は、判定通知部6bにより、著作者Aの通信端末8にその判定結果を申請人のメールアドレスにメールで登録許可の判定の通知14を送信する。
【0056】
著作者Aが通信端末8にて登録許可の判定の通知14を受け取り、通信端末8を介して著作者Aの金融機関の口座から管理機関5の金融機関の口座に登録料の口座振込15が行われる。審査担当者は、審査用通信装置6の判定通知部6bより管理用通信装置7の連絡部7aへデジタルコンテンツとコンテンツIDと著作者Aのデータと著作者の会員IDを含む登録指示16を出力する。
【0057】
管理用通信装置7は、連絡部7aと記録部7bと会計処理部7cの3つの機能部を構成する。
【0058】
連絡部7aは、判定通知部6bより登録指示16を入力すると、分散ネットワーク2のマーケットプレイス4の所有権登録部4aに登録指示の通知17を送信する。記録部7bは、デジタルコンテンツとコンテンツIDと著作者のデータと著作者の会員IDをデータベース記憶する。デジタルコンテンツが漫画等のキャラクターであって、第一次の著作物をリデザインした二次著作物である場合には、著作者には、二次著作物の著作者とともに第一次の著作物の著作者を創案者として含むものとする。この著作者のデータには審査用通信装置6への申請日が含まれていてもよい。この申請日が所有権登録日とみなされてよいが、申請日が登録に影響するものではない。
【0059】
会計処理部7cは、管理機関5の所定の口座と、所有権登録に係る著作者の所定の口座と、所有権移転に伴う所有権者であった者および新所有権者の所定の口座を管理し、管理機関5の活動に必要な口座間の送金処理と管理を行う。
【0060】
具体的には、著作権者から管理機関5に納付される申請料、登録料の管理(収受と活動のための支出)、所有権の売買に伴う今回の所有権の売買額と前回の所有権の売買額との差額を利益とする算出、算出した利益の一部を分配金として管理機関5および前所有権者と新所有権者以外の有権者であった者への分配送金、算出した利益から分配金を差し引いた額を今回の売却純利益として新所有権者への送金、などを取り扱う。これらの取り扱いは、送金処理までを含めて後述のスマートコントラクトによる処理とするのが好ましい。
【0061】
[複数のノード3a~3eとマーケットプレイス4]
複数のノード3a~3eは、分散ネットワーク2上のメタバース(仮想空間)にマーケットプレイス4を開設している。マーケットプレイス4は、デジタルコンテンツに関する所有権登録部4a、デジタルコンテンツ公開部4bおよび販売契約部4cの各機能部を有し、ホームページのトップページに備えた3つの選択ボタンのいずれかをクリックすることにより、所有権登録部4a、デジタルコンテンツ公開部4bまたは販売契約部4cの各機能部にアクセスできる。
【0062】
マーケットプレイス4の所有権登録部4aと販売契約部4cは、取引契約とその履行条件を予め設定されていて履行条件が満たされた場合に、一切の取引行動全般に係る契約(トランザクション)を自動的に実行するプログラムであるスマートコントラクトを備えている。
【0063】
所有権登録部4aは、所有権登録毎に1つのブロックチェーンとして記録され、起源ブロックが最初に生成され、所有権移転登録毎に次々にブロックが連結生成される。スマートコントラクトによりブロックの生成とブロックへのデータ記録のトランザクションが自動実行される。
【0064】
所有権登録部4aは、管理用通信装置7の連絡部7aからデジタルコンテンツと著作権者のデータを含む登録指示の通知17があると、所有権の設定登録のため、起源ブロックを生成しこの起源ブロックに、デジタルコンテンツと、コンテンツIDと、デジタルコンテンツにNFT(非代替性トークン)を紐付けること、著作権者のデータ(会員ID、登録日、国籍、郵便番号、住所、氏名、メールアドレス、電話番号、振込口座またはキャッシュレスカードの番号、等)とナンス値とをハッシュ関数に掛けて暗号化して記憶することの一切のトランザクションを自動実行する(スマートコントラクト)。
所有権登録部4aへ登録する著作権者のデータについて、登録する著作物が第一次の著作物をリデザインした二次著作物である場合には、著作者には、二次著作物の著作者とともに第一次の著作物の著作者を創案者として含むものとする。
【0065】
また、所有権登録部4aは、販売契約部4cから新所有権者のデータ(会員ID、コンテンツID、登録日、国籍、郵便番号、住所、氏名、メールアドレス、電話番号、振込口座またはキャッシュレスカードの番号、等)を含む後述する登録指示の通知23がある度に、コンテンツIDに対応するブロックチェーン12に新しいブロックを1つ前に生成したブロックに暗号を用いて接続して生成しこの新しいブロックに新所有権者のデータを暗号で記録し、さらに新所有権者のデータを管理用通信装置7の連絡部7aに移転登録報告24として通知して記録部7bに記憶させるトランザクションを自動実行する(スマートコントラクト)。
【0066】
デジタルコンテンツ公開部4bは、著作者毎に異なるブロックチェーン12の起源ブロックに記録されたデジタルコンテンツと著作者の氏名と現在の所有権者の氏名とを一覧状態に公開する。この公開には、買取希望者が著作者と現在の所有権者に直接連絡できるデータは含まれない。デジタルコンテンツ公開部4bで公開するデジタルコンテンツとともに公開する著作権者のデータについて、登録する著作物が第一次の著作物をリデザインした二次著作物である場合には、著作者には、二次著作物の著作者とともに第一次の著作物の著作者を創案者として含むものとする。第一次の著作物の著作者を創案者として含むことは著作権法上の氏名掲載権(人格権)を満足するものである。特に創案者が高名になると、デジタルコンテンツの価値が高まるので、譲渡、再譲渡、再再譲渡と売買が繰り返されることに繋がる。
【0067】
この閲覧可能状態は、閲覧内容が階層(レイヤー)になっているのが好ましい。具体的には、1番目にアクセスできる階層は、所有権登録部4aに登録されている全てのデジタルコンテンツ(著作者毎に異なる全てデジタルコンテンツ)を静止画、動画、VR動画と静止画との組み合わせ、等のジャンル別に選択できて、例えば升目状に一覧の一ジャンルのデジタルコンテンツを閲覧することができ、2番目の階層は、1番目の階層で選択されたデジタルコンテンツについて複数の映像等がある場合にはここでも例えば升目状の一覧の複数の映像等に閲覧することができかつコンテンツIDと著作者の氏名および現在の所有権者の氏名と、非買の閲覧状態または売却可能な閲覧状態を閲覧することができて、3番目の階層は、2番目の、階層で選択されるデジタルコンテンツについて拡大表示状態に閲覧することができる。例えば、図2に示すデジタルコンテンツ公開部4bは、専用ビューワーであり、表示部の右側部縦列に所有権登録4aで登録された複数のコンテンツIDが表示され、1つのコンテンツIDを選択すると、対応した1つのデジタルコンテンツが表示(一般公開)される。
【0068】
[デジタルコンテンツ公開部4bの会員手続き・閲覧18、27、33]
買取希望者は、自身の通信端末9、10、または11にてデジタルコンテンツ公開部4bに対して会員手続き18、27、33を行う。すなわち、まず会員IDを取得してからデジタルコンテンツ公開部4bに公開されているデジタルコンテンツの閲覧18、27、32ができる。会員手続きには、自己データ(登録日、国籍、郵便番号、住所、氏名、メールアドレス、電話番号、等)の提示が必要である。閲覧には会員IDの提示が必要である。会員手続きの段階では、振込口座またはキャッシュレスカードの番号の提示は不要である。
【0069】
[デジタルコンテンツ公開部4bから販売契約部4cへの切り替わり]
買取希望者がデジタルコンテンツ公開部4bを閲覧して公開された売却可能なデジタルコンテンツの中から買取を希望するデジタルコンテンツまたはコンテンツIDを選択しその上をクリックしたときに、アクセス先が販売契約部4cの表示画面に切り替わったことになる。デジタルコンテンツが第一次の著作物をリデザインした二次著作物である場合には、販売契約部4cの表示画面には、第一次の著作物の著作者を創案者とする表示が外れる。これは、買取希望者の交渉相手として現所有権者が表示されればよく、第一次の著作物の創案者まで販売契約部4cの表示画面に表示すると交渉相手が分からなくなるからである。
【0070】
買取希望者は、アクセス先が切り替わったら、続いて売買契約の入口条件として、会員IDを再度提示し振込口座またはキャッシュレスカードの番号、等の提示が必要である。なお、管理機関5がイーサリアムなどの導入があるときはそれが可能となる手続きが必要になる。
【0071】
販売契約部4cに切り替わっても、デジタルコンテンツが引き続き画面表示されるとともに、所有権者が提示する価格が提示され、買取申込みをすることができる。ここでも所有権者の氏名以外の個人情報は開示されず、買取希望者と現在の所有権者との直接交渉はできないものとなっている。
以下更に詳述する。
【0072】
[第1の買取希望者Bの買取申込み時の販売契約部4cの機能]
第1の買取希望者Bがデジタルコンテンツ公開部4bを閲覧してデジタルコンテンツをクリックするかまたは通信端末9により販売契約部4cに買取申込みのための通信19を行うと、販売契約部4cから著作権者Aの通信端末8に買取申込みの通知20が行われる。著作権者Aは、この通知20に基づいて販売契約部4cに対し会員IDおよびコンテンツIDを入力して下記内容の通信21を行うことができ売買交渉に柔軟に対応できる。例えば、交渉による価格の変更をする場合には、著作権者Aが通信端末8により販売契約部4cに価格変更等の通知21を行うか、あるいは、一定期間内に買取申込みが複数あるか様子を見て複数ある場合には、買取申込みが複数あることの表示をしてオークション販売に切り替えることとしてもよい。
【0073】
著作者Aと第1の買取希望者Bとで売買交渉が成立する場合、第1の買取希望者Bは、販売契約部4cに設置された管理機関5の口座に買取費用の振込22を行う。販売契約部4cは、振込22を確認した後に所有権登録部4aに登録指示の通知23を出力する。
【0074】
所有権登録部4aは、この通知23を受けて、コンテンツIDに対応するブロックチェーン12にナンス値を与えて2番目のブロックを生成しこのブロックに、コンテンツIDと、前所有権者(著作権者;第1の所有権者)の氏名と、新所有権者(第1の譲受人;第2の所有権者)の氏名と会員IDと契約日、買取費用額などを記録し、さらに2番目のブロックの内容の移転登録報告24を管理用通信装置7の連絡部7aに通知する一連のトランザクションを自動実行する(スマートコントラクト)。
【0075】
連絡部7aが移転登録報告24の通知を受けると、記録部7bが前記2番目のブロックに記録した内容と等しい内容を記録し、会計処理部7cは、第1の買取希望者Bより管理機関5の口座に振り込まれた買取費用から管理機関5の分配金と国庫納付の税金とを差し引いた売上利益を著作権者Aの口座に送金する送金手続き26を取るトランザクションを自動実行する(スマートコントラクト)。
デジタルコンテンツが第一次の著作物をリデザインした二次著作物である場合には、著作者には、二次著作物の著作者とともに第一次の著作物の著作者を創案者として含む取り扱いをするので、売上利益を二次著作物の著作者の口座と第一次の著作物の著作者の口座に送金することになるが、送金割合は予め別途に決められるものとする。
【0076】
[管理機関5の分配金と国庫納付の税金の意義]
管理機関5が収受する分配金は管理機関5の運営維持するためである。また管理機関5が取引管理システム100を設立し所有権の登録と売買に関与しているので売却利益に対応する税金を管理機関5が国庫納付することで円滑に運営するためである。
【0077】
所有権登録部4aに移転登録があると、上記第1の買取希望者は新所有権者(第2の所有権者)の地位が得られる(所有権の本質は複製権ではない)。デジタルコンテンツ公開部4bにおいて公開される内容は、自動的に起源ブロックに記憶されたデジタルコンテンツの表示と、コンテンツIDの表示と、著作者名Aの表示と、新所有権者Bの氏名に変更される。以後、新所有権者Bは、会員IDとコンテンツIDを用いて販売契約部4cにアクセスし、その後のデジタルコンテンツの転売の意思、転売価格、オークション販売とその期間、などの通知を行える。
【0078】
[第2の買取希望者Cの買取申込み時の販売契約部4cの機能]
上記第1の買取希望者Bが買い取りを行い第2の所有権者になった後に、第2の買取希望者Cが自身の携帯端末10によりデジタルコンテンツ公開部4bの閲覧27を行い同一IDのデジタルコンテンツについて買い取りを希望する場合、引き続き、第2の買取希望者Cが通信端末10により販売契約部4cに買取申込み28を行うと、販売契約部4cから第2の所有権者Bの通信端末9に買取申込みの通知29が行われる。第2の所有権者Bは、この通知29に基づいて販売契約部4cに対し会員IDおよびコンテンツIDを入力して通信25を行うことができ売買交渉に柔軟に対応できる。例えば、交渉による価格の変更をする場合には、著作権者Aが通信端末8により販売契約部4cに価格変更の通知(符号なし)を行うか、あるいは、一定期間内に買取申込みが複数あるか様子を見て複数ある場合には、買取申込みが複数あることの表示をしてオークション販売に切り替えることとしてもよい。
【0079】
第1の買取希望者Bから第2の買取希望者Cへの所有権移転のための売買交渉が成立する場合、第2の買取希望者Cは、販売契約部4cに設置された管理機関5の口座に買取費用の振込30を行う。販売契約部4cは、第2の買取希望者Cからの買取費用の振込30を確認した後に所有権登録部4aに登録指示の通知23を出力する。
【0080】
所有権登録部4aは、この通知23を受けて、ブロックチェーン12にナンス値を与えて3番目のブロックを生成しこのブロックに、コンテンツIDと、前所有権者(著作権者;第1の所有権者)の氏名と、新所有権者(第1の譲受人;第2の所有権者)の氏名と会員IDと契約日、買取費用額などを記録し、さらに3番目のブロックの内容を移転登録報告24として管理用通信装置7の連絡部7aに通知する、トランザクションを自動実行する(スマートコントラクト)。
【0081】
[第2以降の売買契約に、著作者Aと以前に所有権者であった者に分配金の支払いが生じる]
連絡部7aが移転登録報告24の通知を受けると、記録部7bが前記2番目のブロックに記録した内容と等しい内容を記録し、会計処理部7cは、売買契約の当事者でなくかつ以前に所有権者であった者(ここでは著作権者Aが該当する)の口座に送金する分配金送金手続き31と、第2の買取希望者Cの口座から管理機関5の口座に振り込まれた買取費用から管理機関5の管理費用と国庫納付の税金を差し引いた額を第1の買取希望者Bの口座に送金する売上利益送金手続き32を含むトランザクションを自動実行する(スマートコントラクト)。
デジタルコンテンツが第一次の著作物をリデザインした二次著作物である場合には、著作者Aには、二次著作物の著作者とともに第一次の著作物の著作者を創案者として含む取り扱いをするので、分配金の支払い先として、二次著作物の著作者の口座と第一次の著作物の著作者の口座に送金する(以降の譲渡の繰り返しでも同様の取り扱いとする)。
【0082】
[以前に所有権者であった者に分配金を分配する意義]
分配金を売買契約の当事者であって以前に所有権者であった者に支払われることとしたのは、売却利益の一部が後々に還元されることにより売買・転売を促進し易くする仕組みのためである。
【0083】
所有権登録部4aに移転登録があると、上記第2の買取希望者Cは新所有権者(第3の所有権者)の地位が得られる。デジタルコンテンツ公開部4bにおいて公開される内容は、自動的に起源ブロックに記憶されたデジタルコンテンツの表示と、コンテンツIDの表示と、著作者名の表示と、新所有権者の氏名に変更される。以後、新所有権者Cは、会員IDとコンテンツIDを用いて販売契約部4cにアクセスし、その後のデジタルコンテンツの転売の意思、転売価格、オークション販売とその期間、などの通知を行える。
【0084】
[第3の買取希望者&#8558;の買取申込み時の販売契約部4cの機能]
上記第2の買取希望者Cが買い取りを行い第3の所有権者になった後に、第3の買取希望者Dが自身の携帯端末11によりデジタルコンテンツ公開部4bの閲覧33を行い同一IDのデジタルコンテンツについて買い取りを希望する場合、引き続き、第3の買取希望者Dが通信端末11により販売契約部4cに買取申込み34を行うと、販売契約部4cから第3の所有権者Cの通信端末10に買取申込みの通知35が行われる。第3の所有権者Dは、この通知35に基づいて販売契約部4cに対し会員IDおよびコンテンツIDを入力して価格交渉のための通信36を行うことができ売買交渉に柔軟に対応できる。
【0085】
第3の所有権者Cから第3の買取希望者Dへの所有権移転のための売買交渉が成立する場合、第3の買取希望者Cは、販売契約部4cに設置された管理機関5の口座に買取費用の振込37を行う。販売契約部4cは、第2の買取希望者Cからの買取費用の振込37を確認した後に所有権登録部4aに登録指示の通知23を出力する。
【0086】
所有権登録部4aは、この通知23を受けて、ブロックチェーン12にナンス値を与えて4番目のブロックを生成しこのブロックに、コンテンツIDと、前所有権者(第2の所有権者)の氏名と、新所有権者(第3の譲受人;第3の所有権者)の氏名と会員IDと契約日、買取費用額などを記録し、さらに4番目のブロックの内容を移転登録報告24として管理用通信装置7の連絡部7aに通知する、トランザクションを自動実行する(スマートコントラクト)。
【0087】
連絡部7aが移転登録報告24の通知を受けると、記録部7bが前記2番目のブロックに記録した内容と等しい内容を記録し、会計処理部7cは、売買契約の当事者でなくかつ以前に所有権者であった者(ここでは著作権者Aと第2の所有権者Bであった者が該当する)の各口座に分配金を送金する分配金送金手続き38、39と、第3の買取希望者Dの口座から管理機関5の口座に振り込まれた買取費用から管理機関5の管理費用と国庫納付の税金を差し引いた売上利益を第3の所有権者Cの口座に送金する送金手続き40を含むトランザクションを自動実行する(スマートコントラクト)。
【0088】
所有権登録部4aに移転登録があると、上記第3の買取希望者Dは新所有権者(第4の所有権者)の地位が得られる。
【0089】
[第4の買取希望者以降の買取申込みに係るトランザクション]
第4の買取希望者以降の買取申込みに係るトランザクションは、上記第3の買取希望者の買取申込みに係るトランザクションと同一である。転売される毎に、分配金の振込先が増えていく。
【0090】
[デジタルコンテンツの取引管理方法の実施の形態]
上述したように、本願発明に係るデジタルコンテンツの取引管理方法は、
P2P、ハッシュ、電子署名およびスマートコントラクトの各機能を備えた複数のノード3a~3eにより分散ネットワーク2を通信ネットワーク1上に構築し、デジタルコンテンツを募集し審査用通信装置6でデジタルコンテンツを審査し登録を許可する場合、デジタルコンテンツとその著作者を所有権者とし、管理用通信装置7により前記分散ネットワーク2のメタバースに設置されるマーケットプレイス4に所有権登録を指示しデジタルコンテンツとその著作者を起源ブロックにその後の権利移転による新所有権者を次々にブロックチェーン12として記憶するデジタルコンテンツの取引管理方法であって、
前記マーケットプレイス4に、所有権登録部4aとデジタルコンテンツ公開部4bと販売契約部4cの機能部を備え、前記デジタルコンテンツに関する内容および所有権の登録機能および前記デジタルコンテンツの公開機能・販売交渉機能を有する前記デジタルコンテンツの内容と著作権者のデータおよびに変遷する所有権のデータを記憶し、
買取希望者による通信端末を介した前記デジタルコンテンツ公開部4bでの前記デジタルコンテンツの閲覧を許可し、さらに前記販売契約部4cにて所有権者と買取希望者とによる所有権の売買を許可し新所有権者を前記所有権登録部4aに記録し、
前記表示審査部6aにおいて前記デジタルコンテンツの著作者による通信端末を介した所有権の設定登録の申請があると登録の許可・不許可を審査し、前記記録部において登録許可に係る前記デジタルコンテンツおよび著作者のデータを記録するとともに
前記管理用通信装置7には、連絡部7aと記録部7bと会計処理部7cとを設置し、前記所有権登録部4aと通信して所有権の設定登録手続きを行い、前記会計処理部7cにおいて著作権者の登録料を受領し、並びに前記販売契約部4cでの所有権の売上額を受領しさらに売上額およびその一定割合の分配金を前所有権者に分配するものである。
【0091】
[デジタルコンテンツ公開部4bにおける公開と非公開の取り扱いについて]
専用ビューワーであるデジタルコンテンツ公開部4bにおける公開については以下のように、広告を付けることができる一般公開の非公開のデジタルコンテンツと、一定の者だけが見ることができかつ広告を付けることができないデジタルコンテンツとに取り扱うことができる構成としてもよい。
【0092】
すなわち、デジタルコンテンツ公開部4bが、著作者A、第1の所有権者、第2の所有権者以降の現在の所有権者、および管理機関5のいずれかによる非公開の指示がある場合、前記指示のあったデジタルコンテンツを一般閲覧者には非公開とするとともに前記指示をすることが可能な者に限り本人IDを入力して閲覧しようとするときは一般閲覧者には非公開を維持したまま閲覧可能にするとともに、前記非公開の指示がないデジタルコンテンツを一般公開するようになっている構成である。
【0093】
[広告企業と広告について]
本願のデジタルコンテンツの取引管理システム100において、デジタルコンテンツに広告を有償で関係的に表示することで著作者や所有権者の経済利益が見込まれ、システム利用の促進が図れる。
【0094】
そこで、審査用通信装置6は、デジタルコンテンツ公開部4bに一般公開されたデジタルコンテンツを対象に広告を付けることを望む広告企業Fのデジタル広告内容を受け付けて審査し広告掲載を決定するときはさらに広告掲載対象のデジタルコンテンツを選定し、広告掲載の決定に係るデジタル広告内容とコンテンツ選定に係るデジタルコンテンツのIDとを管理用通信装置7を介してマーケットプレイス4に通知する。
【0095】
マーケットプレイス4は、デジタルコンテンツ公開部4bにおいて一般公開するデジタルコンテンツにデジタル広告を関係的に表示するようになっている。デジタル広告をいずれのデジタルコンテンツにつけるかについては、デジタル広告の内容に対して、広告企業Fの要望によるマッチングと、広告をうったえる対象者を男女、年齢、趣味および職業のセグメントによるマッチングと、AIによるマッチング、等によるものとする。
【0096】
デジタルコンテンツ公開部4b、において一般公開するデジタルコンテンツに広告を有償で表示する場合、広告企業Fから支払われる広告費用を管理機関5の口座にて受領し、さらに管理用通信装置7の入出金管理部7cにて著作者A(著作者Aと異なる場合の第1の所有権者を含む)、現在の所有権者、および管理機関5とを支払先とし所要割合の振込額となるよう会計処理するように構成される。これにより、管理機関5にとって管理運営費用となる。また著作者Aや現在の所有権者にとって、広告収入という経済収益があげられるシステムであることにより、本発明の取引管理システムを利用しようとする動機付けを有することになる。
【0097】
[スポンサーについて]
デジタルコンテンツの取引管理システムおよび取引管理方法を本願発明の趣旨に賛同し、管理機関5の活動を支援していただけるスポンサー企業Eを多く募るために、図1には、スポンサーに関する内容を含めていないが、管理機関5の活動項目としてスポンサー企業Eを募ることを含めるものとする。そして、管理機関5に賛助金を寄付していただいたスポンサーを管理用通信装置7に記録するとともに、当該スポンサーには所有権登録部4aに登録されたデジタルコンテンツを使用する便宜を図るものとする。この場合、どのスポンサー企業Eがその社のスポンサーをどのデジタルコンテンツを使用するかについては、複数のスポンサー企業Eの希望が重複するか否かにより管理機関5がスポンサー企業Eと協議して決定する。また、スポンサーが複数のデジタルコンテンツを使用することを希望する場合には、管理機関5がスポンサー企業Eの賛助規模を勘案し当スポンサー企業Eと協議して決定する。
【0098】
本発明によれば、優れているデジタルコンテンツに偽証が困難で唯一無二の存在として扱うことが可能なNFT(非代替性トークン)を紐付けてインターネット上に複数のノードにより構築するブロックチェーンの記録方式とする分散ネットワークに登録し所有権を認める管理機関を設立することを前提としている。そして、管理機関でデジタルコンテンツを常時公募し玉石混交のデジタルコンテンツを1つ1つ審査し、独自性を有し独占欲が生じ得る作品であるかあるいは将来価値が大きく上がる作品であると思われるデジタルコンテンツを選択し、ブロックチェーン上でNFTを紐付け、インターネットのマーケットプレイス上に公開して所有権を売買できその後繰り返し売買できかつ都度の売却利益から一定割合の分配金が著作者と以前に所有権であった者にも入る仕組みを実現できるデジタルコンテンツの管理技術を提供することができる。
【符号の説明】
【0099】
100…取引管理システム
1…通信ネットワーク
2…分散ネットワーク
3a~3e…ノード
4…マーケットプレイス
4a…所有権登録部
4b…デジタルコンテンツ公開部(専用ビューワー)
4c…販売契約部
5…管理機関
6…審査用通信装置
6a…表示審査部
6b…判定通知部
7…管理用通信装置
7a…連絡部
7b…記録部
7c…会計処理部
8…通信端末
9、10、11…通信端末
12…ブロックチェーン
13…申請
14…通知
15…登録料の口座振込
16…登録指示
17…登録指示の通知
18…会員手続き・閲覧
19…売買交渉の通信
20…買取申込みの通知
21…価格変更等の通知
22…買取費用の振込
23…登録指示の通知
24…移転登録報告
25…通信
26…送金手続き
27…会員手続き・閲覧
28…買取申込み
29…買取申込みの通知
30…買取費用の振込
31…分配金送金手続き
32…売上利益送金手続き
33…会員手続き・閲覧
34…買取申込み
35…買取申込みの通知
36…通信
37…買取費用の振込
38、39…分配金送金手続き
40…送金手続き
A…著作者;第1の所有権者
B…閲覧者;第1の買取希望者;第2の所有権者
C…閲覧者;第2の買取希望者;第3の所有権者
D…閲覧者;第3の買取希望者;第4の所有権者
E…スポンサー企業
F…広告企業
図1
図2