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特開2024-50464ユーザー機器(UE)によって行われる方法及びそのためのユーザー機器(UE)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050464
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ユーザー機器(UE)によって行われる方法及びそのためのユーザー機器(UE)
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/08 20090101AFI20240403BHJP
   H04W 74/08 20240101ALI20240403BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20240403BHJP
   H04W 52/38 20090101ALI20240403BHJP
【FI】
H04W36/08
H04W74/08
H04W56/00 130
H04W52/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023152200
(22)【出願日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】63/411,231
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/419,772
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/466,496
(32)【優先日】2023-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/447,619
(32)【優先日】2023-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベ 正 鉉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 元 勝
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ39
(57)【要約】
【課題】セル間モビリティのレイテンシーを改善するユーザー機器(UE)によって行われる方法及びそのためのユーザー機器(UE)を提供する。
【解決手段】本発明のユーザー機器(UE)によって行われる方法は、サービングセルに接続されたUEによって、非サービングセルに対するランダムアクセスチャネル(RACH)手順を実行し、UEによって、RACH手順に基づいて非サービングセルのタイムアドバンス(TA)を取得し、UEによって、取得されたTAを用いてサービングセルから非サービングセルへのレイヤ-1(L1)/レイヤ-2(L2)ベースのハンドオーバーを実行する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー機器(UE)によって行われる方法であって、
サービングセルに接続された前記UEによって、非サービングセルに対するランダムアクセスチャネル(RACH)手順を実行するステップと、
前記UEによって、前記RACH手順に基づいて前記非サービングセルのタイムアドバンス(TA)を取得するステップと、
前記UEによって、前記取得されたTAを用いて前記サービングセルから前記非サービングセルへのレイヤ-1(L1)/レイヤ-2(L2)ベースのハンドオーバーを実行するステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記UEによって、前記サービングセルのgNodeB(gNB)から前記非サービングセルに対する前記RACH手順をトリガする物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)オーダーを受信するステップを更に含み、
非サービングセルグループの同期信号ブロック(SSB)構成及びRACH構成は、無線リソース制御(RRC)シグナリングで設定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記UEによって、前記サービングセルのgNBから前記非サービングセルに対する前記RACH手順をトリガするPDCCHオーダーを受信するステップを更に含み、
前記PDCCHオーダーは、前記PDCCHオーダーの予備ビットを通じて、又は前記PDCCHオーダーのダウンリンク制御情報(DCI)の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)スクランブリングにおける符号化を通じて前記非サービングセルのためのセルグループ又はTAグループ(TAG)の識別子を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記RACH手順を実行するステップは、前記UEから前記非サービングセルに物理RACH(PRACH)を送信するステップを含み、
前記PRACHを送信するための電力制御優先順位レベルは、前記サービングセル上のPRACH送信の優先順位レベルとは異なることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記PRACHを送信するための電力制御優先順位レベルは、前記サービングセル上のPRACH送信の1つ下のレベル、又はより高い優先順位インデックスを有する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)送信若しくは物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信と同じレベル若しくは1つ下のレベルであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記RACH手順を実行するステップは、PRACHを非サービングセルに送信するステップを更に含み、
前記PRACHを送信するための電力制御優先順位レベルは、前記PRACH送信がマスターセルグループ(MCG)及びセカンダリセルグループ(SCG)の外部の送信であること、且つ前記PRACH送信が前記MCG及び前記SCGにおける送信よりも高い優先順位を有することに基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記RACH手順を実行するステップは、前記UEによって、前記サービングセルから、PDCCHを受信するための共通探索領域(CSS)に関連付けられた制御リソースセット(CORESET)、又は前記RACH手順をトリガするPDCCHオーダーにおけるQCLと同じ疑似コロケーション(QCL)を有する復調基準信号(DMRS)アンテナポートによりランダムアクセス応答(RAR)メッセージを受信するステップを更に含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項8】
前記RACH手順を実行するステップは、前記UEによって、前記サービングセルから前記非サービングセルのためのTAGのためのTAコマンドを含むRARメッセージを受信するステップを更に含み、
前記非サービングセルの前記TAは、前記TAコマンド内のTAインデックス値に基づいて取得されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
UE毎に又はセルグループ毎に、前記UEによってサポート可能な非サービングセルTAGの数は、UEの能力に基づき、
前記UEの能力は、前記UEの同一周波数内能力又は異周波数間能力に基づくことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記TAコマンドは、前記TAGの識別子を示す追加のビットを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記RACH手順を実行するステップは、前記UEによって、前記サービングセルからRARウィンドウ内のRARを受信するステップを更に含み、
前記RARウィンドウは、増加した長さを有し、
ランダムアクセス-RNTI(RA-RNTI)の曖昧さは、DCIフォーマットにおける余分なビットによって解決されるか、又は
前記RARウィンドウの開始時刻を決定するための遅延は、前記サービングセルによって設定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記RACH手順を実行するステップは、前記UEによって、前記サービングセルから前記非サービングセルを識別する情報を含むRARを受信するステップを更に含み、
前記非サービングセルを識別する情報は、DCIフォーマットにおける余分なビットを通じて、前記RARの媒体アクセスプロトコル(MAC)-パケットデータユニット(PDU)を通じて、又はRA-RNTI計算を通じて提供されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記UEによって、前記RACH手順をトリガするステップを更に含み、
前記RACH手順は、RRC再構成後にトリガされるか、前記非サービングセルに関するL1メジャメントが前記サービングセルに関連する閾値よりも大きいことに基づいてトリガされるか、又は時間閾値に基づいてトリガされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ユーザー機器(UE)であって、
プロセッサと、
命令が格納された非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を有し、
前記命令が実行されると、前記プロセッサは、
非サービングセルに対するランダムアクセスチャネル(RACH)手順を実行し、
前記RACH手順に基づいて前記非サービングセルのタイムアドバンス(TA)を取得し、
前記取得されたTAを用いて前記サービングセルから前記非サービングセルへのレイヤ-1(L1)/レイヤ-2(L2)ベースのハンドオーバーを実行するように構成されることを特徴とするユーザー機器(UE)。
【請求項15】
前記命令が実行されると、前記プロセッサは、
前記サービングセルのgNodeB(gNB)から前記非サービングセルに対する前記RACH手順をトリガする物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)オーダーを受信するように更に構成され、、
非サービングセルグループの同期信号ブロック(SSB)構成及びRACH構成は、無線リソース制御(RRC)シグナリングにおいて構成され、
前記PDCCHオーダーは、前記PDCCHオーダーの予備ビットを通じて、又は前記PDCCHオーダーのダウンリンク制御情報(DCI)の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)スクランブリングにおける符号化を通じて前記非サービングセルのためのセルグループ又はTAグループ(TAG)の識別子を含むことを特徴とする請求項14に記載のユーザー機器(UE)。
【請求項16】
前記命令が実行されると、前記プロセッサは、
前記RACH手順を実行する際に、前記非サービングセルに物理RACH(PRACH)を送信するように更に構成され、
前記PRACHを送信するための電力制御優先順位レベルは、前記サービングセル上のPRACH送信の1つ下のレベル、又はより高い優先順位インデックスを有する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)送信若しくは物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信と同じレベル若しくは1つ下のレベルであることを特徴とする請求項14に記載のユーザー機器(UE)。
【請求項17】
前記命令が実行されると、前記プロセッサは、
前記RACH手順を実行する際に、前記サービングセルから前記非サービングセルのためのTAGのためのTAコマンドを含むRARメッセージを受信するように更に構成され、
前記非サービングセルの前記TAは、前記TAコマンド内のTAインデックス値に基づいて取得され、
UE毎に又はセルグループ毎に、前記UEによってサポート可能な非サービングセルTAGの数は、UEの能力に基づき、
前記UEの能力は、前記UEの同一周波数内能力又は異周波数間能力に基づくことを特徴とする請求項14に記載のユーザー機器(UE)。
【請求項18】
前記命令が実行されると、前記プロセッサは、
前記RACH手順を実行する際に、前記サービングセルからRARウィンドウ内のRARを受信するように更に構成され、
前記RARウィンドウは、増加した長さを有し、
ランダムアクセス-RNTI(RA-RNTI)の曖昧さは、DCIフォーマットにおける余分なビットによって解決されるか、又は
前記RARウィンドウの開始時刻を決定するための遅延は、前記サービングセルによって設定されることを特徴とする請求項14に記載のユーザー機器(UE)。
【請求項19】
前記命令が実行されると、前記プロセッサは、
前記RACH手順を実行する際に、前記サービングセルから非サービングセルを識別する情報を含むRARを受信するように更に構成され、
前記非サービングセルを識別する情報は、DCIフォーマットにおける余分なビットを通じて、前記RARの媒体アクセスプロトコル(MAC)-パケットデータユニット(PDU)を通じて、又はRA-RNTI計算を通じて提供されることを特徴とする請求項14に記載のユーザー機器(UE)。
【請求項20】
前記命令が実行されると、前記プロセッサは、
前記RACH手順をトリガするように更に構成され、
前記RACH手順は、RRC再構成後にトリガされるか、前記非サービングセルに関するL1メジャメントが前記サービングセルに関連する閾値よりも大きいことに基づいてトリガされるか、又は時間閾値に基づいてトリガされることを特徴とする請求項14に記載のユーザー機器(UE)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおけるサービングセルの変更に関し、より詳細には、レイヤ-1(L1)/レイヤ-2(L2)モビリティ向上のためのタイムアドバンス(TA)を管理するユーザー機器(UE)によって行われる方法及びそのためのユーザー機器(UE)に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の第5世代(5G)新無線(NR)システムにおいて、異なるセルのカバレッジエリア間でユーザー機器(UE)を移動させるには、サービングセルの変更を必要とする。現在、サービングセルの変更は、レイヤ3(L3)メジャメントによってトリガされ、無線リソース制御(RRC)シグナリングによってトリガされる再構成及び同期によって実行される。再構成及び同期によってプライマリセル(PCell)及びプライマリセカンダリセルグループ(SCG)セル(PSCell)の変更が可能になり、必要に応じてセカンダリセル(SCell)の解放又は追加も可能になる。
【0003】
上記のアプローチの問題点の1つは、L1及びL2の完全なリセットを伴うサービングセルの変更が、ビームスイッチモビリティよりもレイテンシーが長く、オーバーヘッドが大きく、中断時間が長くなることである。
【0004】
この問題を解決するために、L1/L2モビリティの向上は、レイテンシー、オーバーヘッド、中断時間を削減するために、L1/L2シグナリングを介したサービングセルの変更を可能にする。L2/L1を完全にリセットすることなくサービングセルを変更するためには、ハンドオーバー(又はL1/L2ベースのサービングセルの変更)条件がトリガされる前に、非サービングセル(例えば、候補ターゲットPCell)の何らかのL1/L2構成を現在のRRC構成に含める必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2021/075934号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、セル間モビリティのレイテンシーを改善するユーザー機器(UE)によって行われる方法及びそのためのユーザー機器(UE)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるユーザー機器(UE)によって行われる方法は、サービングセルに接続されたUEによって、非サービングセルに対するランダムアクセスチャネル(RACH)手順を実行するステップと、前記UEによって、前記RACH手順に基づいて前記非サービングセルのタイムアドバンス(TA)を取得するステップと、前記UEによって、前記取得されたTAを用いて前記サービングセルから前記非サービングセルへのレイヤ-1(L1)/レイヤ-2(L2)ベースのハンドオーバーを実行するステップと、を有する。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるユーザー機器(UE)は、プロセッサと、命令が格納された非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を有し、前記命令が実行されると、前記プロセッサは、非サービングセルに対するランダムアクセスチャネル(RACH)手順を実行し、前記RACH手順に基づいて前記非サービングセルのタイムアドバンス(TA)を取得し、前記取得されたTAを用いて前記サービングセルから前記非サービングセルへのレイヤ-1(L1)/レイヤ-2(L2)ベースのハンドオーバーを実行するように構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ハンドオーバーが発生する前に設定された非サービングセルのTAを取得して維持することにより、セル間モビリティのレイテンシーを改善することができ、これにより、ハンドオーバー時のランダムアクセスチャネル(RACH)手順に関連するレイテンシーを除去することができるため、従来の方法を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態による通信システムを説明する図である。
図2】一実施形態によるアップリンク(UL)-ダウンリンク(DL)のタイミング関係を説明する図である。
図3】一実施形態によるサービングセルから非サービングセルへのL1/L2ベースのハンドオーバーを実行する方法を示すフローチャートである。
図4】一実施形態によるネットワーク環境における電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するために形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
以下の詳細な説明において、本発明の完全な理解を提供するために多くの具体的な詳細な構成を記載する。しかし、当業者であれば、開示する態様はこれらの具体的な詳細な構成の記載がなくても実施できることが理解されよう。その他の例において、よく知られた方法、手順、コンポーネント、及び回路は、本明細書に開示する主題を不明瞭にしないために詳細には説明しない。
【0013】
本明細書全体を通して「1つの実施形態」(one embodiment)又は「一実施形態」(an embodiment)という言い方は、その実施形態に関連して記載する特定の特徴、構造、又は特性が、本明細書に開示する少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。従って、本明細書を通じて様々な箇所で「1つの実施形態において」又は「一実施形態において」又は「1つの実施形態によると」という表現(又は同様の重要性を有する他の表現)が現れるが、それらは必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。この点に関して、本明細書で使用する「例示的」という語は、「実施例、実例、説明として役立つ」という意味である。本明細書において「例示的」として記載する実施形態は、他の実施形態よりも必ずしも好ましいか又は有利であると解釈すべきものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。また、本明細書における議論の文脈によっては、単数形の用語は対応する複数形を含み、複数形の用語は対応する単数形を含む場合がある。同様に、ハイフンで区切られた用語(例えば、「二次元の」(two-dimensional)、「所定の」(pre-determined)、「ピクセル固有の」(pixel-specific)など)は、対応するハイフンで区切られていない用語(例えば、「二次元の」(two dimensional)、「所定の」(predetermined)、「ピクセル固有の」(pixel specific)など)と場合に応じて互換的に使用されることがあり、大文字を使用した記載(例えば、「カウンタクロック」(Counter Clock)、「行選択」(Row Select)、「ピクスアウト」(PIXOUT)など)は、対応する非大文字による記載(例えば、「カウンタクロック」(counter clock)、「行選択」(row select)、「ピクスアウト」(pixout)など)と互換的に使用することがある。このようなたまに生じる互いに代替できる用法は、互いに矛盾するものとはみなされない。
【0014】
また、本明細書における議論の文脈によっては、単数形の用語は対応する複数形を含み、複数形の用語は対応する単数形を含む場合がある。更に、本明細書で示し、議論する様々な図(コンポーネント図を含む)は、例示のみを目的としたものであり、縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。例えば、いくつかの要素の寸法は、わかりやすくするために、他の要素に対して誇張している場合がある。更に、適切と考えられる場合には、参照符号が、対応する要素及び/又は類似する要素を示すために、各図において繰り返される。
【0015】
本明細書で使用する用語は、いくつかの例示的な実施形態を説明するためだけのものであり、特許請求される主題を限定することを意図するものではない。本明細書において、単数形である「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことを意図する。用語「含む」(comprises)及び/又は「含んでいる」(comprising)は、本明細書中で使用する場合、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことが更に理解されるであろう。
【0016】
ある要素又はレイヤが他の要素又はレイヤ上にある、又は他の要素又はレイヤに「接続されている」(connected to)若しくは「結合されている」(coupled to)と言及する場合、ある要素又はレイヤは、直接に他の要素又はレイヤの上にある、他の要素又はレイヤに接続されている、結合されている可能性がある、又は介在する要素若しくはレイヤが存在する可能性があることが理解されるであろう。対照的に、ある要素が他の要素又はレイヤに「直接上に」(directly on)、「直接に接続された」(directly connected to)、又は「直接に結合された」(directly coupled to)と言及する場合、介在する要素又はレイヤは存在しない。同じ符号は、全体を通して同じ要素を指す。本明細書で使用する場合、用語「及び/又は」(and/or)には、関連する列挙する項目の1つ以上のあらゆる組み合わせが含まれる。
【0017】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの用語は、それらに先行する名詞の分類表示として使用され、明示的に定義しない限り、いかなる種類の順序(例えば、空間的、時間的、論理的など)も意味しない。更に、同一又は類似の機能を有する部品、コンポーネント、ブロック、回路、ユニット、又はモジュールを指すために、2つ以上の図で同じ参照符号が使用される。しかし、このような用法は、説明の簡略化及び議論の容易化のためだけであり、このようなコンポーネント又はユニットの構造又はアーキテクチャの詳細が全ての実施形態において同じであること、又はこのような一般的に言及する部品/モジュールが本明細書に開示する例示的な実施形態のいくつかを実施するための唯一の手段であることを意味するものではない。
【0018】
別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本主題が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。更に、一般的に使用されている辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味に整合する意味を有するものとして解釈すべきであり、本明細書において明示的に定義されない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味で解釈されないことが理解されよう。
【0019】
本明細書で使用する場合、「モジュール」という用語は、モジュールに関連して本明細書に記載する機能を提供するように構成されたソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアの任意の組み合わせを指す。例えば、ソフトウェアは、ソフトウェアパッケージ、コード及び/又は命令セット、又は命令として具現化され、本明細書に記載する任意の実装で使用される「ハードウェア」という用語は、例えば単独で又は任意の組み合わせでアセンブリ、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路、ステートマシン回路、及び/又はプログラマブル回路によって実行される命令を格納するファームウェアを含み得る。モジュールは、集合的に又は個々に、例えば以下に限定されるわけではないが、集積回路(IC)、システムオンチップ(SoC)、アセンブリなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。
【0020】
図1は、一実施形態による通信システムを説明する図である。
【0021】
図1に示すアーキテクチャで、制御経路102は、基地局、AP、又はgNodeB(gNB)104と、第1のUE106と、第2のUE108との間に確立されたネットワークを介した制御情報の送信を可能にする。データ経路110は、第1のUE106と第2のUE108との間のデータ(及び一部の制御情報)の送信を可能にする。制御経路102とデータ経路110とは同じ周波数であるか又は異なる周波数である。
【0022】
直交周波数分割多重方式(OFDM)ベースの移動体システムでは、gNB側におけるセル内アップリンク直交性を維持するために、異なるデバイスから到着するアップリンクトラフィック間のスロットタイミングを揃える必要がある。具体的に、受信信号間のタイミングのずれは、OFDMシンボルのサイクリックプレフィックス内に収まる必要がある。NRでは、ロングタームエボリューション(LTE)において提供されるのと同様の手順で、同じセル内の各デバイスに対するTAを維持することにより、これを達成することができる。
【0023】
TA値(本明細書では「TA」とも呼ぶ)は、UEのDLフレームとULフレームとの間のオフセットとして定義され、下記式(1)に示すように正式に定義されている。
【0024】
【数1】
【0025】
図2は、一実施形態によるUL-DLのタイミング関係を説明する図である。
【0026】
UEからの送信用のULフレーム202は、UEにおける対応するDLフレーム204の開始前にTTA=(NTA+NTA、offset)Tを開始する。
【0027】
は0.509μsであり、これは480kHzのサブキャリア間隔(SCS)及び4096の高速フーリエ変換(FFT)サイズを想定したサンプリング時間である。
【0028】
TA、offsetは、媒体アクセス制御(MAC)-CellGroupConfig情報要素(IE)内の、セルグループ毎のRRCパラメータn-TimingAdvanceOffsetによって構成される。このフィールドが欠けている場合、以下の表1に示すように、サービングセルのデュプレックスモード及び周波数範囲に基づいてデフォルト値が定義される。
【0029】
【表1】
【0030】
TAは、2つのバージョンを有するMAC制御要素(CE)のTAコマンドからUEで受信される。
【0031】
MAC CE TAコマンドの第1のバージョンは、絶対TAコマンドMAC CEである。通常、ランダムアクセス応答(RAR)中に受信されるTAグループ(TAG)に対するTは、インデックス値(例えば、T=0,1,2,…,3846)を介してNTA値を示す。2μ・15kHzのSCSを有するTAGに対するタイムアライメント量はNTA=T・16・64/2μである。この値は、RAR又は絶対TAコマンドMAC CEの受信後の、UEからの最初のアップリンク送信のSCSに対する相対値である。
【0032】
MAC CE TAコマンドの第2のバージョンは、TAコマンドMAC CEである。TAGに対するTは、インデックス値(例えば、TA==0,1,2,…,63)による現在のTA値、NTA_oldから新しいNTA値、NTA_newへの調整を示す。ここで、2μ・15kHzのSCSに対して、TA_new=NTA_old+(T-31)・16・64/2μである。
【0033】
上述の両方のTAコマンドは、特定のTAGに適用される。1つのセルグループ(CG)は最大4つのTAGを構成し、TAG-idを有するTAGは各サービングセル(SpCell又はSCell)に対してServingCellConfigで設定され、ここでSpCellを含むTAGはTAG-id0を有する。
【0034】
MAC CEを介して送信されるTAは、RACH手順によって又はULトラフィックのタイミングを監視し続けることによってgNB側で計算される。
【0035】
RACH手順は、TA値を取得するための通常の手段であり、例えば初回アクセス、ビーム障害回復(BFR)などの、様々なシナリオでUEによって開始される。RACH手順は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)オーダーとも呼ばれるダウンリンク制御情報(DCI)を通じてgNBによって動的にトリガされる。
【0036】
PDCCHオーダーは、gNBがUEに専用RACHリソースを割り当てる無競合ランダムアクセス(CFRA)手順である。
【0037】
初期アクセス時のRACH手順を除き、上述のTA関連手順は既存のサービングセルに対するものであり、非サービングセルに対するTA管理は欠如している。
【0038】
<拡張TAG>
【0039】
L1/L2モビリティのために、何らかの形式のRRC構成は、サービングセルの構成だけでなく、候補ターゲットセルを参照する非サービングセル構成もカバーする必要がある。非サービングセルは、同期しているか又は非同期であり、同一周波数内(セルの同期信号ブロック(SSB)が同一周波数)及び異周波数間(セルのSSBが同一周波数でない)である。また非サービングセルは、セルグループの形で構成される。
【0040】
UEによって同期されるセルは、対応するSSBを検出することによって同期される時間及び周波数を有する。SSBは当該セルに構成されるか、又はSSB構成がない場合に同じセルグループ内のセルに構成される。特定の非サービングセルのためのTA管理に対して、そのセルはUEからの時間及び周波数が同期しているものと仮定する。
【0041】
TA管理は通常TAGに基づいて行われるが、TAGはTA管理を非サービングセルに拡張するために使用される。ここで、これらの拡張TA管理概念は、eTAG ID(eTAG-id)を有する拡張TAG(eTAG)と呼ばれる。
【0042】
UEの複雑さは、非サービング・セルが同一周波数内(intra-frequency)であるか又は異周波数間(inter-frequency)であるかによって余分なTAGによって増加する可能性がある。従って、使用されるeTAGの最大数は、UEの能力に基づくと言える。eTAGは、現在のTAG設計のようにセルグループに関連付けられる。このように、eTAGの主な目的はL1/L2モビリティであり、PCellからPCell(対応する非サービングセルグループ構成におけるPCell)へのモビリティが最も重要なケースであるため、セルグループ毎に1つのeTAGのみをサポートすることが合理的であると言える。eTAG-Configは、RRCにおいて関連する非サービングセルグループと共に設定されるべきである。
【0043】
従って、L1/L2ベースモビリティに対して、eTAGがサポートされる。L1/L2-モビリティに対してUEのためにサポートされるeTAGの最大数は、UEの能力に基づく。UEの能力は、同一周波数内と異周波数間とで別々に報告される。UEの能力は、サポートされるeTAGの総数又はセルグループ毎のサポートされるeTAGの数によって報告される。
【0044】
更に、非サービングセルグループ毎にM個のeTAG構成が存在し、ここでMは所定の数であり、実際のeTAGの数はUEが示す能力を超えない。より単純な設計では、非サービングセルグループあたりM=1のeTAGである。
【0045】
<gNBトリガによるTA管理>
【0046】
物理RACH(PRACH)の送信をトリガするためのPDCCHオーダーと同様の手順は、非サービングセルを取得するための動的トリガPRACH手順をサポートするように変更される。
【0047】
PDCCHオーダーは、RAのプリアンブルインデックス、同期信号(SS)/物理ブロードキャストチャネル(PBCH)インデックス、PRACHマスクインデックス、及び/又はUEに対するUL若しくは補助UL(SUL)を示し、UEはRRCを介してSSブロック(SSB)/RACH構成を受信する。推定TAは、そこからPDCCHオーダーが受信されるサービングセルのTAGに基づく。
【0048】
拡張PDCCHに対して、非サービングセルグループのためのeTAGのTAを推定するために、ターゲットになる非サービングセルグループのULにPRACHが送信される。UEは、少なくとも、どの(非サービング)セルグループのULにPRACHが送信されるかを認識する必要がある。従って、例えばセルグループid又は対応するeTAG-idなどの追加情報は、拡張PDCCHコマンドの一部である。この追加情報は、セルグループID又はeTAG-idに応じて、PDCCHオーダーの現在の予約ビットに追加されるか、又は新無線(NR)ネットワーク一時識別子(RNTI)によって追加される。
【0049】
従って、拡張PDCCHオーダーが、非サービングセルグループにPRACHを送信するようにUEをトリガするために、ターゲットになる非サービングセルグループのSSB構成及びRACH構成がRRCシグナリングで設定される。
【0050】
更に、拡張PDCCHオーダーが非サービングセルグループにPRACHを送信するようにUEをトリガするために、ターゲットセルグループID又はeTAG-idがPDCCHオーダーに提供される必要がある。これらの識別子は、現在のPDCCHオーダーの予備ビットを使用することによって提供されるか、或いはDCIをスクランブルするRNTIで符号化される。
【0051】
現在のPDCCHオーダーでトリガされたRACH手順では、サービングセル(単数又は複数)(SpCell又はSCell)が、関連するTAを推定するためのターゲットセル(単数又は複数)であるため、RARは常にサービングセルから送信される。非サービングセルをターゲットにするPDCCHオーダーにより開始されるRACH手順では、実際にRARを送信するセルはサービングセル又は非サービングセルのいずれかである。
【0052】
候補セルはRARを送信するために必要な情報を有しているが、候補セルにはL1/L2ベースモビリティにおいて一定の欠点がある。
【0053】
先ず、候補セルからRARを送信する場合、UEはRAR情報の受信が終了するまで候補セルに従って受信機(例えば、空間フィルタ)を設定する必要があり、これはUEとサービングセルとの間の割り込み時間を増加させる。
【0054】
第2に、ネットワークは候補になる可能性のある各セルに対してタイプ1 PDCCH共通探索領域(CSS)を設定する必要があり、これは全体的なRRCオーバーヘッドを増加させる。
【0055】
従って、PRACHが非サービングセルに送信される時にサービングセルからRARが送信される。
【0056】
RACHがPDCCHオーダーによって開始される場合、対応するRA-RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を有するDCIフォーマット1_0を含むPDCCH上の疑似コロケーション(QCL)の仮定は、CFRAのターゲットになるセルに依存する。CFRAがSpCellをターゲットにしている場合、UEは、DCIフォーマット1_0を含むPDCCHとPDCCHオーダーが同じDM-RSアンテナポートQCLプロパティを有すると仮定する。CFRAがセカンダリセルをターゲットとしている場合、UEは、DCIフォーマット1_0を含むPDCCHを受信するためのType1-PDCCH CSSセットに関連付けられた制御リソースセット(CORESET)と同じQCLプロパティをUEが有すると仮定する。
【0057】
CFRAが非サービングセルをターゲットとする場合、そのシナリオはセカンダリセルをターゲットとする場合に類似する。従って、UEは、DCIフォーマット1_0を含むPDCCHを受信するためのType1-PDCCH CSSセットに関連付けられたCORESETと同じDM-RSアンテナポートQCLプロパティをPDCCHが有すると仮定する。或いは、UEはPDCCHオーダーとしてDMRSアンテナポートQCLプロパティを仮定する。
【0058】
従って、RA-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマット1_0を含むPDCCHの場合、DMRSアンテナポートのQCL仮定は、DCIフォーマット1_0を含むPDCCHを受信するためのType-1 CSSに関連付けられたCORESETと同じであるか、或いはPDCCHオーダーにより開始されたRACH手順におけるものと同じである。
【0059】
非サービングセルに対するPDCCHオーダーにより開始されたRACH手順の場合、PRACHの受信に基づいてTA(単数又は複数)を測定するために候補セルにPRACHが送信される。最終的なRAR情報はサービングセルからUEに送信され、これはTAを含むRAR情報がUEに送信される前に非サービングセルからサービングセルに移る必要があることを意味する。これは、分散ユニット(DU)内構成(サービングセルと非サービングセルとの間)では問題にならないが、異なるDU間構成では余分な遅延を追加する。これはRARウィンドウの設計にも問題を引き起こす。
【0060】
既存のベースラインRARウィンドウは、UEがType1-PDCCH CSSセットのためのPDCCHを受信するように構成されている最も早いCORESETの最初のシンボル(即ち、PRACH送信に対応するPRACHオケージョンの最後のシンボルの後の少なくとも1つのシンボル)で開始する。
【0061】
サービングセルと候補セルが同期されたフレーム境界を有していなくても、RARウィンドウのタイムラインは問題なく再利用される。しかし、非サービングセルとサービングセルとの間の余分な遅延、特に異なるDU間構成での遅延をどのように処理するかという問題が残っている。例えば、より長いRARウィンドウが使用され、RARウィンドウの開始時間を決定する手順において余分な遅延が加えられる。
【0062】
RARウィンドウはra-ResponseWindowによってスロット単位で構成され、最大継続時間は10msである。40msのよりも長いRARウィンドウはRA-RNTI値の曖昧さをもたらすが、これはDCI_format 1_0において追加の2ビット(SFNのLSB)により解決される。従って、異なるDU間における遅延を補うためにより長いウィンドウが必要な場合は、追加の余分なビット(2よりも大きい)をDCIフォーマット1_0に含める。
【0063】
余分な遅延の時間の追加については、サービングセルと非サービングセルとの間のメッセージ送信の遅延が比較的安定していて、それが前提条件となっている場合、より合理的である。
【0064】
従って、RA-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマット1_0を含むPDCCHを受信するためのRARウィンドウに関しては、非サービングセルとサービングセルとの間の情報送信のための余分な遅延を補償するために、RARウィンドウの長さを増加する。RA-RNTIの曖昧さは、NR-Uと同様に、DCIフォーマット1_0における余分なビットによって解決される。
【0065】
或いは、RARウィンドウの開始時刻を決定するために余分な遅延が加えられる。この余分な遅延はgNBによって設定される。
【0066】
サービングセルからソースセルに渡す必要のある非サービングセルの情報は、UEからPRACHを受信した後、特定される。推定TA値以外に、候補セルは、PRACHに関連するRAプリアンブル識別子(RAPID)と、PRACHが占有する正確な時間及び周波数リソースとを転送する必要がある。後者は対応するRA-RNTIを計算するためのものである。RAPIDはこの特定のサービングセルに関連付けられる必要があり、そうでない場合、非サービングセルはUEがどのセルに接続されているかを認識できない。しかし、候補セルはUEに関する他の知識を持っていないため、それ以上の情報(UE-IDなど)を提供することはできない。
【0067】
RARはソースセルから送信されるため、同じソースセル内の複数のUEが同じRAPID及びRA-RNTIを使用して、異なる候補セルに向けてPRACHをトリガする場合も考えられる。gNBは、別々のRACHリソースグループを構成する以外に、これら2つの値を完全に制御することはできない。このシナリオでは、2つのUEが同時に同じRAR(RAPID又はRA-RNTIに関して)をリッスンして待機し、RARが提供する情報が曖昧になる。同じUEの場合、UEは異なる時間/周波数リソースで各候補セルにPRACHを送信するため、UEは同じRA-RNTIを持たず、これは起こらない。これはエラーケースとして扱われ、異なるUEに対して異なる候補セル用のプリアンブルリソースを分離することによって、ネットワークによって処理される。しかし、各UEが複数の異なる候補セルを持つことを考慮すると、L1/L2ベースモビリティシナリオに対してこのようなパーティションを実装することは難しい。このようなRACHリソースの分離が実行不可能な場合、衝突条件を解決するために追加的な方法が考えられる。
【0068】
一つの解決策は、RARの一部として候補セルの情報を含めることである。これは、RAR(このタイプのRARのための新しいMAC-CEを含む)のMAC-PDUにおける余分な情報を通じて、又はRA-RNTI計算の新しい設計に情報を含めることによって、DCI 1_0の一部として情報を提供することにより実現される。
【0069】
従って、L1/L2ベースモビリティの間に非サービングセルに対するPDCCHオーダーによって開始されたPRACHに応答するRARについては、衝突に起因する潜在的な曖昧さがネットワークによって処理され、RARの潜在的な衝突がエラーケースになる。
【0070】
或いは、RARが属する候補セルを識別するための情報は、RA-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマット1_0の余分なビット、又はRAR(若しくはこのRARのための新しいMAC-CE)のMAC-PDUにおける余分な情報を通じて、或いはRA-RNTI計算の新しい設計に余分な情報を含めることによって、RARに含めることができる。
【0071】
その手順が、UEがまだサービングセルに接続されている間に、非サービングセルにPRACHを送信することに関連するため、PRACHを伴うアップリンク優先度に関連する動作が複数存在する。
【0072】
2つのULキャリアを使用するシングルセル動作の場合、又はキャリアアグリゲーションを使用する動作の場合、それぞれの送信オケージョンiにおける周波数範囲内のサービングセル上のPUSCH送信、PUCCH送信、PRACH送信、又はSRS送信のための合計UE送信電力が
を超える場合(ここで
は送信オケージョンiにおけるPCMAX(i)の線形値であり)、UEは、周波数範囲内のサービングセルにおける送信のための合計UE送信電力が、送信オケージョンiの各シンボルにおいて、その周波数範囲について
以下になるように、具体的な優先順位に従って、PUSCH/PUCCH/PRACH/SRS送信に電力を割り当てる。
【0073】
NR-デュアルコネクティビティ(DC)の場合、UEはマスターセルグループ(MCG)及びセカンダリセルグループ(SCG)とは独立に送信電力制御を行うか、或いはUEがNR-DC電力共用モードの1つをサポートして提供されている場合は、2つのセルグループ間で電力共用を実行する。
【0074】
PCell上のPRACH送信が最も優先度が高く(優先順位1)、PCell以外のサービングセル(セカンダリセル)上のPRACH送信は優先度が低い(優先順位4)。PCell上のPRACHが最も重要であることは理解される。例えば、それは、UL同期が失われたとき、或いはスケジューリング要求(SR)リソースを要求するときのいずれかで使用される。更に、SCellの同期が失われた場合でも、PCellは接続モードのままであるため、SCellのためのPRACHの優先順位は最も低いと言える。
【0075】
しかし、L1/L2ベースモビリティに使用されるPRACHの場合、SCellに送信されるPRACHは、SCellへのL1/L2ベースのセルスイッチの準備段階として使用され、そのために、より重要な役割を果たす。
【0076】
従って、L1/L2ベースモビリティ中にSCellをターゲットにするPDCCHオーダーによって開始されるPRACH送信に対して、電力制御のためのPRACH優先順位は、PCell上のPRACH送信の1つ下のレベルになるように増加される。或いは、新しい優先順位は、より大きな優先順位インデックスを有する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)送信又は物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信と同じレベル又は1つ下のレベルである。或いは、SCell上の既存のPRACHよりも高い別の優先順位も妨げられることはない。
【0077】
非サービングセルをターゲットにするPDCCHオーダーによって開始されるPRACHは、非サービングセルへの送信であるため、その優先順位は従来の優先順位規則によって制限されない。非サービングセルに向けたPRACHはL1/L2ベースモビリティ手順において重要な役割を果たすため、優先順位は高い方が望ましい。
【0078】
従って、L1/L2ベースモビリティ中に非サービングセルをターゲットとするPDCCHオーダーによって開始されるPRACH送信に対して、電力制御のためのPRACH優先順序は、MCG及びSCGの外部の送信として扱われ、MCG及びSCG内の全ての送信よりも高い優先順位を有する。或いは、電力制御のためのPRACHの優先順位は、より高い優先順位を有するMCGの特別な送信として扱われる。新しい優先順位は、PCell上のPRACH送信の1つ下のレベル、或いはより大きな優先順位インデックスを有するPUCCH送信又はPUSCH送信と同じか又は1つ下のレベル、或いは別の優先順位である。
【0079】
MAC CEにおけるタイムアライメントコマンドのための方法は、eTAGをサポートするために再利用され、強化される。
【0080】
絶対TA MAC CEコマンドはTAG-id情報を含まない。というのはこのコマンドを受信した同じTAGに適用することが仮定されるためである。類似している可能性が高い場合は、非サービングセルにはRACH手順が使用される。具体的に、UEはターゲットの非サービングセルにおいて、RARの一部としてこのコマンドを受信する。同一又は類似のコマンドは再利用される。
【0081】
TAGにおいてNTAを調整するTA MAC CEコマンドの場合、TAG-idフィールドを含んでおり、TAG-idフィールドは、このコマンドを受信するセルグループ内でTAG-idを示す2ビットを有する。
【0082】
非サービングセルに対するTA管理の場合、TA MAC CEコマンドはサービングセル(SpCell)で受信されることが期待される。サポートするeTAGについては、新しいTA値を適用するために、正確なeTAG-idを示す追加情報が提供されるべきである。
【0083】
従って、TA MAC CEコマンドは、eTAG-idを示すために余分なビットを有する修正TA又は新しいコマンドのいずれかによってeTAG-id表示に関する情報を提供するように強化される。
【0084】
或いは、非サービングセルのためのNTAは、DCIによって示される。これは、予備ビットを転用することで上述の拡張PDCCHオーダーを再利用することによって、又は新しいDCIフォーマットによって実現される。
【0085】
従って、予備ビットに追加情報を追加した修正された拡張PDCCHオーダー、又は新しい専用DCIフォーマットを通じて、L1/L2ベースモビリティにおいて非サービングセルのためのTA調整を示すために、DCIが使用される。
【0086】
<UEトリガによるTA管理>
【0087】
非サービングセルのための初期TAを取得するための別のアプローチは、UEによってトリガされる。
【0088】
gNBは、専用のUE固有のRACHオケージョンの有無に拘らず、RRCにおいてRACH情報及びSSB情報を用いて非サービングセルグループを構成する。UEは、UEがRACH手順を開始するタイミングを決定する。このタイミングは、非サービングセル構成を伴うRRC再構成を含むPDSCHが確認された後、継続時間Tmax内に制限される。これは、候補セル(単数又は複数)上のL1メジャメントに関連する一定の条件(単数又は複数)によってトリガされる。例えば、候補セルに関連するL1-RSRPは、現在のサービングセルに関連するL1-RSRPによって決定される閾値よりも大きい。
【0089】
或いは、これは時間を伴う閾値によってトリガされ、例えばUEが候補セルに対する更新されたTA情報を維持するために、最後のTAを取得した後にUEがTAを更新することを要求されるようなスキームにおける場合である。このようなスキームでは、継続時間はgNBによって構成されるか又はUEの能力に依存する。
【0090】
ターゲット非サービングセルに対するメジャメントレポートにおいて、UEは2つの非サービングセルのリストを示し、1つは利用可能なTAを有するセルであり、もう1つは利用可能なTAを持たないセルである。或いは、この情報はL1/L2ベースのサービングセル条件がトリガされた後にgNBに送信される。
【0091】
このアプローチでは、サービングセルが変更されたときに、TAが非サービングセルに対して利用可能な場合もあり、利用可能でない場合もある。TAが利用可能な場合、UEは確立されたTAを有するサービングセルにスイッチする。TAが利用可能でない場合、サービングセル変更手順の間に、追加CFRA又は競合ベースのRA(CBRA)に対するフォールバック手順が関与する。
【0092】
従って、非サービングセルに対する最初のTAの取得は、UEによってトリガされる。gNBは、TA取得手順のために専用のRACHリソースを構成する。UEは、この構成を有するRRC再構成後、いつでも又は制限継続時間内TmaxにRACH手順を開始する。RACH手順は、一定の条件によってもトリガされる。例えば、ある条件は、候補セル(単数又は複数)に関するL1メジャメント(例えば、候補セルに関連するL1-RSRPが、現在のサービングセルに関連するL1 RSRPによって決定される閾値よりも大きい)に関連する。別の例として、条件は、時間を伴う閾値に関連付けられる(例えば、一定の時間後にUEがTAを更新することが要求されるスキームなど)。一定の時間は、gNBによって構成され、UEの能力に依存する。サービングセルが、TAがUEによってまだ取得されていない非サービングセルに変わった場合、又はTA値が失効した場合、追加のCFRAプロセス又はCBRAプロセスによるフォールバック手順が必要になる。
【0093】
<RACHレスベースのTA管理>
【0094】
或いは、L1/L2ベースモビリティは、少なくともいくつかのターゲットになる非サービングセルがRACHレスハンドオーバー条件と同様の非常に小さなNTA値を有するようにスモールセル環境のようなシナリオで機能する。これらのシナリオでは、候補セルへのスイッチング前又はスイッチング中にTAを取得する必要はない(NTA=0)。別の条件で、gNBは候補セルのTAの知識を既に有する(例えば、gNBは、候補セル(単数又は複数)が現在のサービングセル(単数又は複数)の1つに関連する類似のTA値を有すると予想する)。導出されたTA値を含む他の選択肢も考えられる。
【0095】
従って、ターゲットになる非サービングセルの少なくとも一部は、RACHレスハンドオーバメカニズムと同様に、RACHプロセスなしでgNBによって直接構成される。候補値は、以下の値の内の少なくとも1つである。i)「0」、ii)サービングセル(単数又は複数)の一部と同じTA、iii)異なる条件に基づいて前の2つの値から導出された値。
【0096】
<CFRA手順又はCBRA RACH手順へのフォールバックモード>
【0097】
UEトリガによるRACH手順の場合に対して、セルスイッチコマンドを受信した時点で、ターゲット候補セルのTAが利用可能でないか又は失効している可能性がある。これは、gNBトリガによるTA取得方法でも同様に起こり得る。
【0098】
一定のシナリオの下では、L1/L2ベースセルスイッチングコマンド(ハンドオーバー)が発生するときに、TAがまだ利用可能でない場合がある。例えば、RRC再構成後で且つ潜在的なL1/L2ベースセルスイッチングが発生する前にRACH手順を完了させるには、継続時間が短すぎる可能性がある。レガシーRACH、CFRA、又はCBRAへのフォールバック手順がセルスイッチング手順(ハンドオーバー)中に使用されることがある。
【0099】
従って、L1/L2ベースセルスイッチングコマンドを受信する際にTA情報が利用可能でないか、或いは失効している場合、L1/L2ベースセルスイッチング手順(ハンドオーバ)の間にレガシーRACHへのフォールバック手順が使用される。
【0100】
図3は、一実施形態による、サービングセルから非サービングセルへのL1/L2ベースハンドオーバを実行するための方法を示すフローチャートである。
【0101】
ステップ302において、UEは、サービングセルのgNBから、非サービングセルに対するRACH手順をトリガするPDCCHオーダーを受信する。非サービングセルグループのSSB構成及びRACH構成は、RRCシグナリングで設定される。PDCCHオーダーは、PDCCHオーダーの予備ビット、又はPDCCHオーダーのDCIのRNTIスクランブリングにおける符号化を通じて、非サービングセルのためのセルグループ又はTAGの識別子を含む。或いは、PDCCHオーダーは、非サービングセルのためのTA調整を示す予備ビット、又は非サービングセルのためのTA調整を示すDCIフォーマットを含む。
【0102】
ステップ304において、UEはPRACを非サービングセルに送信する。PRACHを送信するための電力制御優先順位レベルは、サービングセル上のPRACH送信の1つ下のレベル、又はより高い優先順位インデックスを有するPUCCH送信又はPUSCH送信と同じレベル又は1つ下のレベルである。PRACHを送信するための電力制御優先順位レベルは、PRACH送信がMCG及びSCGの外部の送信であり、且つPRACH送信がMCG及びSCGにおける送信よりも高い優先順位を有することに基づく。
【0103】
ステップ306において、UEはサービングセルからRARメッセージを受信する。RARメッセージは、PDCCHを受信するためのCSSに関連付けられたCORESETと同じQCLを有するか、又はRACH手順をトリガするPDCCHオーダーにおけるQCLと同じQCLを有するDMRSアンテナポートにより受信される。RARメッセージは、非サービングセルのためのTAGのためのTAコマンドを含む。セルグループ毎に、UEがサポートできる非サービングセルTAGの数は、UEの同一周波数内能力又は異周波数間能力に基づく。TAコマンドは、TAGの識別子を示す追加のビットを含む。RARは、長さが増加したRARウィンドウで受信される。RA-RNTIの曖昧さは、DCIフォーマットにおける余分なビットによって解決される。RARウィンドウの開始時刻を決定するための遅延は、サービングセルによって設定される。RARは、DCIフォーマットにおける余分なビット、RARのMAC-PDU、又はRA-RNTI計算を通じて非サービングセルを識別する情報を含む。
【0104】
ステップ308において、UEは、RACH手順に基づいて非サービングセルのTAを取得する。ステップ310において、UEは、非サービングセルのTAを用いてサービングセルから非サービングセルへのL1/L2ベースのハンドオーバーを実行する。
【0105】
図4は、一実施形態による、ネットワーク環境400における電子デバイスのブロック図である。
【0106】
図4を参照すると、ネットワーク環境400内の電子デバイス401は、第1のネットワーク498(例えば、短距離無線通信ネットワーク)を介して電子デバイス402と通信するか、又は第2のネットワーク499(例えば、長距離無線通信ネットワーク)を介して電子デバイス404又はサーバ408と通信する。電子デバイス401は、サーバ408を介して電子デバイス404と通信する。電子デバイスは、図1~3に関して、上述したUEとして具現化される。電子デバイス401は、プロセッサ420、メモリ430、入力装置450、音響出力装置455、表示装置460、オーディオモジュール470、センサモジュール476、インターフェース477、触覚モジュール479、カメラモジュール480、電力管理モジュール488、バッテリ489、通信モジュール490、加入者識別モジュール(SIMカード)496、及びアンテナモジュール497を含む。一実施形態で、コンポーネントの少なくとも1つ(例えば、表示装置460又はカメラモジュール480)が電子デバイス401から省略されるか、又は1つ以上の他のコンポーネントが電子デバイス401に追加される。コンポーネントの中には、単一の集積回路(IC)として実装されるものもある。例えば、センサモジュール476(例えば、指紋センサ、虹彩センサ、又は照度センサ)は、表示装置460(例えば、ディスプレイ)に組み込まれる。
【0107】
プロセッサ420は、プロセッサ420に結合された電子デバイス401の少なくとも1つの他のコンポーネント(例えば、ハードウェアコンポーネント又はソフトウェアコンポーネント)を制御するためのソフトウェア(例えば、プログラム440)を実行するか、或いは様々なデータ処理又は計算を実行する。
【0108】
データ処理又は計算の少なくとも一部として、プロセッサ420は、他のコンポーネント(例えば、センサモジュール476又は通信モジュール490)から受信したコマンド又はデータを揮発性メモリ432にロードし、揮発性メモリ432に格納されたコマンド又はデータを処理し、その結果得られたデータを不揮発性メモリ434に格納する。プロセッサ420は、メインプロセッサ421(例えば、中央処理装置(CPU)又はアプリケーションプロセッサ(AP))と、メインプロセッサ421から独立して、又はメインプロセッサ421と連携して動作可能な補助プロセッサ423(例えば、グラフィック処理装置(GPU)、画像シグナルプロセッサ(ISP)、センサハブプロセッサ、又は通信プロセッサ(CP))とを含む。更に又は代替的に、補助プロセッサ423は、メインプロセッサ421よりも消費電力が少なくなるように、又は特定の機能を実行するように適合される。補助プロセッサ423は、メインプロセッサ421とは別個のものとして実装されるか、或いはメインプロセッサ421の一部として実装される。
【0109】
補助プロセッサ423は、メインプロセッサ421が非アクティブ(例えば、スリープモード)状態にある間はメインプロセッサ421の代わりに、或いはメインプロセッサ421がアクティブ状態(例えば、アプリケーションの実行中)にある間はメインプロセッサ421と共に、電子デバイス401のコンポーネントのうちの少なくとも1つのコンポーネント(例えば、表示装置460、センサモジュール476、又は通信モジュール490)に関連する機能又は状態の少なくとも一部を制御する。補助プロセッサ423(例えば、画像シグナルプロセッサ又は通信プロセッサ)は、補助プロセッサ423に機能的に関連する別のコンポーネント(例えば、カメラモジュール480又は通信モジュール490)の一部として実装される。
【0110】
メモリ430は、電子デバイス401の少なくとも1つのコンポーネント(例えば、プロセッサ420又はセンサモジュール476)によって使用される様々なデータを格納する。様々なデータには、例えばソフトウェア(例えば、プログラム440)や、ソフトウェアに関連するコマンドの入力データ又は出力データが含まれる。メモリ430は、揮発性メモリ432又は不揮発性メモリ434を含む。不揮発性メモリ434は、内部メモリ436及び/又は外部メモリ438を含む。
【0111】
プログラム440は、ソフトウェアとしてメモリ430に格納され、例えばオペレーティングシステム(OS)442、ミドルウェア444、又はアプリケーション446を含む。
【0112】
入力装置450は、電子デバイス401の外部(例えば、ユーザー)から、電子デバイス401の別のコンポーネント(例えば、プロセッサ420)によって使用されるコマンド又はデータを受信する。入力装置450には、例えばマイクロホン、マウス、キーボードなどが含まれる。
【0113】
音響出力装置455は、電子デバイス401の外部に音響信号を出力する。音響出力装置455は、例えばスピーカ又はレシーバを含む。スピーカはマルチメディア又はレコードの再生などの一般的な用途に使用され、レシーバは着信の受信に使用される。レシーバは、スピーカとは別個のものとして実装されるか、又はスピーカの一部として実装される。
【0114】
表示装置460は、電子デバイス401の外部(例えば、ユーザー)に情報を視覚的に提供する。表示装置460は、例えばディスプレイ、ホログラム装置、又はプロジェクタと、ディスプレイ、ホログラム装置、及びプロジェクタのうちの対応するものを制御する制御回路と、を含む。表示装置460は、タッチを検出するように適合されたタッチ回路、又はタッチによって生じた力の強さを測定するように適合されたセンサ回路(例えば、圧力センサー)を含む。
【0115】
オーディオモジュール470は、音を電気信号に変換するか又はその逆を行なう。オーディオモジュール470は、入力装置450を介して音を取得するか、或いは音出力装置455を介して又は電子デバイス401と直接(例えば、有線)又は無線で結合された外部電子デバイス402のヘッドホンを介して音を出力する。
【0116】
センサモジュール476は、電子デバイス401の動作状態(例えば、電力又は温度)又は電子デバイス401の外部の環境状態(例えば、ユーザーの状態)を検出し、検出された状態に対応する電気信号又はデータ値を生成する。センサモジュール476は、例えばジェスチャセンサ、ジャイロセンサ、大気圧センサ、磁気センサ、加速度センサ、グリップセンサ、近接センサ、色センサ、赤外線(IR)センサ、生体認証センサ、温度センサ、湿度センサ、又は照度センサを含む。
【0117】
インターフェース477は、電子デバイス401が外部電子デバイス402と直接(例えば、有線)又は無線で結合されるために使用される1つ以上の指定されたプロトコルをサポートする。インターフェース477は、例えば高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース、又はオーディオインターフェースを含む。
【0118】
接続端子478は、電子デバイス401を外部電子デバイス402に物理的に接続するためのコネクタを含む。接続端子478は、例えばHDMI(登録商標)コネクタ、USBコネクタ、SDカード(登録商標)コネクタ、又はオーディオコネクタ(例えば、ヘッドフォンコネクタ)を含む。
【0119】
触覚モジュール479は、電気信号を機械的刺激(例えば、振動又は動き)、又は触覚若しくは筋運動感覚を介してユーザーによって認識される電気刺激に変換する。触覚モジュール479は、例えばモータ、圧電素子、又は電気刺激装置を含む。
【0120】
カメラモジュール480は静止画像又は動画像を撮影する。カメラモジュール480は、1つ以上のレンズ、画像センサ、画像シグナルプロセッサ、又はフラッシュを含む。電力管理モジュール488は、電子デバイス401に供給される電力を管理する。電源管理モジュール488は、例えば電源管理集積回路(PMIC)の少なくとも一部として実装される。
【0121】
バッテリ489は、電子デバイス401の少なくとも1つのコンポーネントに電力を供給する。バッテリ489は、例えば充電不可能な一次電池、充電可能な二次電池、又は燃料電池を含む。
【0122】
通信モジュール490は、電子デバイス401と外部電子デバイス(例えば、電子デバイス402、電子デバイス404、又はサーバ408)との間に直接(例えば、有線)通信チャネル又は無線通信チャネルを確立し、確立された通信チャネルを介して通信を行なうことをサポートする。通信モジュール490は、プロセッサ420(例えば、アプリケーションプロセッサ)から独立して動作し、直接(例えば、有線)通信若しくは無線通信をサポートする1つ以上の通信プロセッサを含む。通信モジュール490は、無線通信モジュール492(例えば、セルラー通信モジュール、近距離無線通信モジュール、全地球航法衛星システム(GNSS)通信モジュール)、又は有線通信モジュール494(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)通信モジュール若しくは電力線通信(PLC)モジュール)を含む。これらの通信モジュールの対応する1つは、第1のネットワーク498(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)ダイレクト、又は赤外線データ協会(IrDA)の規格などの短距離通信ネットワーク)又は第2のネットワーク499(例えば、セルラーネットワーク、インターネット、若しくはコンピュータネットワーク(例えば、LAN若しくはワイドエリアネットワーク(WAN))などの長距離通信ネットワーク)を介して外部電子デバイスと通信する。これらの様々なタイプの通信モジュールは、単一のコンポーネント(例えば、単一のIC)として実装されるか、又は互いに分離した複数のコンポーネント(例えば、複数のIC)として実装される。無線通信モジュール492は、加入者識別モジュール496に格納された加入者情報(例えば、国際移動電話加入者識別番号(IMSI))を使用して、第1のネットワーク498や第2のネットワーク499などの通信ネットワークで、電子デバイス401を識別及び認証する。
【0123】
アンテナモジュール497は、電子デバイス401の外部(例えば、外部の電子デバイス)との間で信号又は電力を送信又は受信する。アンテナモジュール497は1つ以上のアンテナを含み、その中から第1のネットワーク498や第2のネットワーク499などの通信ネットワークで使用される通信方式に適切な少なくとも1つのアンテナが、例えば通信モジュール890(例えば、無線通信モジュール492)によって選択される。その後、信号又は電力は、選択された少なくとも1つのアンテナを介して通信モジュール490と外部電子デバイスとの間で送信又は受信される。
【0124】
コマンド又はデータは、第2のネットワーク499に結合されたサーバ408を介して電子デバイス401と外部電子デバイス404との間で送信又は受信される。電子デバイス402及び電子デバイス404のそれぞれは、電子デバイス401と同じタイプの装置であるか又は異なるタイプの装置である。電子デバイス401で実行される動作の全て又は一部は、外部電子デバイス(402、404)及びサーバ408のうちの1つ以上で実行される。例えば、電子デバイス401が機能又はサービスを自動的に又はユーザー若しくは他のデバイスからの要求に応答して実行すべき場合、電子デバイス401は、その機能又はそのサービスを実行する代わりに、或いはその機能又はそのサービスを実行することに加えて、1つ以上の外部電子デバイスにその機能又はそのサービスの少なくとも一部を実行するように要求する。要求を受信した1つ以上の外部電子デバイスは、要求された機能若しくはサービスの少なくとも一部、又は要求に関連する追加機能若しくは追加サービスを実行し、実行の結果を電子デバイス401に転送する。電子デバイス401は、要求に対する応答の少なくとも一部として、その結果を更に処理するかしないかに拘らず、その結果を提供する。そのために、例えばクラウドコンピューティング技術、分散コンピューティング技術、クライアントサーバーコンピューティング技術が使用される。
【0125】
本明細書に記載した主題の実施形態及び動作は、デジタル電子回路で、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェア(本明細書に開示した構造及びそれらの構造的等価物を含む)で、或いはそれらの1つ以上の組み合わせで実施される。本明細書に記載の主題の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラムとして、即ちデータ処理装置による動作の実行のために、又はデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実施される。更に又は代替的に、プログラム命令は、人工的に生成された伝搬信号、例えば機械的に生成された電気信号、光信号、又は電磁信号に符号化され、伝搬信号は、データ処理装置による実行のために適切な受信装置に送信するための情報を符号化するために生成される。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な記憶装置、コンピュータ読み取り可能な記憶基板、ランダムアクセス若しくはシリアルアクセス用のメモリアレイ若しくは装置、或いはそれらの組み合わせとするか又はそれらに含まれる。更に、コンピュータ記憶媒体は伝搬信号ではないが、コンピュータ記憶媒体は人工的に生成された伝搬信号で符号化されたコンピュータプログラム命令の供給源又は宛先となる。コンピュータ記憶媒体は、また1つ以上の別個の物理的コンポーネント若しくは媒体(例えば、複数のCD、ディスク、又は他の記憶装置)であるか、又はそれらに含まれる。更に、本明細書で説明する動作は、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記憶装置に格納されたデータ、又は他の送信元から受信したデータに対して、データ処理装置によって実行される動作として実施される。
【0126】
本明細書は多くの具体的な実施上の詳細な構成を含むものであるが、実施上の詳細な構成は、特許請求の範囲に対する制限として解釈すべきではなく、むしろ特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈すべきである。別個の実施形態の文脈で本明細書に記載した一定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて実施される。逆に、単一の実施形態の文脈で記載された様々な特徴も、複数の実施形態で別々に又は任意の適切な下位の組み合わせで実施される。更に、特徴は一定の組み合わせで作用するものとして上記で記載し、当初はそのように特許請求されることすらあるが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によってはその組み合わせから削除されることがあり、特許請求された組み合わせは、下位の組み合わせ又は下位の組み合わせの変形に関連する。
【0127】
同様に、操作は特定の順序で図面に描いているが、これは好ましい結果を達成するためにそのような操作が図示した特定の順序で又は連続した順序で実行されること、或いは図示した全ての動作が実行されることを要求するものとして理解すべきではない。状況によっては、マルチタスクや並列処理が有利な場合もある。更に、上述した実施形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてそのような分離が必要であると理解すべきではなく、記載したプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品において統合されるか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化されることを理解すべきである。
【0128】
このように、主題の特定の実施形態を本明細書で説明した。その他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。場合によっては、特許請求の範囲に記載した動作を異なる順序で実行してもなお好ましい結果を得ることができる。更に、図に描いた工程は、好ましい結果を得るために必ずしも図示した特定の順序又は連続した順序を必要としない。一定の実装では、マルチタスクや並列処理が有利に働くことがある。
【0129】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0130】
102 制御経路
104 基地局、AP、又はgNodeB(gNB)
106 第1のUE
108 第2のUE
110 データ経路
202 ダウンリンクフレーム
204 アップリンクフレーム
400 ネットワーク環境
401、402、404 電子装置
408 サーバ
420 プロセッサ
421 メインプロセッサ
423 補助プロセッサ
430 メモリ
432 揮発性メモリ
434 不揮発性メモリ
436 内部メモリ
438 外部メモリ
440 プログラム
442 オペレーティングシステム(OS)
444 ミドルウェア
446 アプリケーション
450 入力装置
455 音響出力装置
460 表示装置
470 オーディオモジュール
476 センサモジュール
477 インターフェース
478 接続端子
479 触覚モジュール
480 カメラモジュール
488 電力管理モジュール
489 バッテリ
490 通信モジュール
492 無線通信モジュール
494 有線通信モジュール
496 加入者識別モジュール(SIMカード)
497 アンテナモジュール
498 第1のネットワーク
499 第2のネットワーク

図1
図2
図3
図4