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特開2024-50473表示システム、表示方法、及び表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050473
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】表示システム、表示方法、及び表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20240403BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20240403BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20240403BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06Q10/10
G06F3/04842
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023156629
(22)【出願日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2022155635
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022199895
(32)【優先日】2022-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】飛田 敏
(72)【発明者】
【氏名】角田 充弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真二
(72)【発明者】
【氏名】前田 善裕
【テーマコード(参考)】
5E555
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5E555AA23
5E555AA26
5E555BA01
5E555BA54
5E555BB01
5E555BC04
5E555CA02
5E555CB05
5E555CC03
5E555DB42
5E555DC13
5E555DC14
5E555DC26
5E555DC31
5E555EA08
5E555FA00
5L010AA11
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】電子文書の内容を容易に把握可能な形式で表示することが可能な表示システム、表示方法、及び表示プログラムを提供する。
【解決手段】表示対象となる複数の電子文書のそれぞれの保存場所を示す保存場所情報を含む、複数の電子文書のそれぞれの書誌事項に関する書誌情報に基づいて、保存場所に保存されている複数の電子文書のうち、少なくとも1つの電子文書の内容を示す文書内容情報を取得する文書内容取得部と、事前に設定される複数の項目のそれぞれと、少なくとも1つの電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係情報、及び文書内容情報に基づいて、少なくとも1つの電子文書の記載位置に対応する、文書内容情報が示す内容を、項目ごとに、ユーザのユーザ端末に表示する表示部と、を備える表示システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示対象となる複数の電子文書のそれぞれの保存場所を示す保存場所情報を含む、前記複数の電子文書のそれぞれの書誌事項に関する書誌情報に基づいて、前記保存場所に保存されている前記複数の電子文書のうち、少なくとも1つの電子文書の内容を示す文書内容情報を取得する文書内容取得部と、
事前に設定される複数の項目のそれぞれと、前記少なくとも1つの電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係情報、及び前記文書内容情報に基づいて、前記少なくとも1つの電子文書の前記記載位置に対応する、前記文書内容情報が示す内容を、前記項目ごとに、ユーザのユーザ端末に表示する表示部と、
を備える表示システム。
【請求項2】
前記ユーザによる前記ユーザ端末を通じた、表示される前記内容を選択する選択操作に応じて、前記保存場所に保存されている前記少なくとも1つの電子文書を表示する選択表示部をさらに備える、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記選択表示部は、前記選択操作に応じて、前記少なくとも1つの電子文書を表示する際、前記記載位置を含む前記少なくとも1つの電子文書のページの少なくとも一部を、前記ユーザ端末に表示する、請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記書誌情報は、前記複数の電子文書のそれぞれの発行時期を示す発行時期情報をさらに含み、
前記文書内容取得部は、前記書誌情報に基づいて、発行時期が異なる前記複数の電子文書のそれぞれの前記文書内容情報を取得し、
前記表示部は、前記文書内容情報が示す内容を、前記項目ごとに、かつ、前記発行時期ごとに、ユーザのユーザ端末に表示する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項5】
前記書誌情報は、前記複数の電子文書のそれぞれの発行主体を示す発行主体情報をさらに含み、
前記文書内容取得部は、前記書誌情報に基づいて、発行主体が異なる前記複数の電子文書のそれぞれの前記文書内容情報を取得し、
前記表示部は、前記文書内容情報が示す内容を、前記項目ごとに、かつ、前記発行主体ごとに、ユーザのユーザ端末に表示する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項6】
前記書誌情報は、前記複数の電子文書のそれぞれの種別を示す種別情報をさらに含み、
前記文書内容取得部は、前記書誌情報に基づいて、種別が異なる前記複数の電子文書のそれぞれの前記文書内容情報を取得し、
前記表示部は、前記文書内容情報が示す内容を、前記項目ごとに、かつ、前記種別ごとに、ユーザのユーザ端末に表示する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項7】
コンピュータが、
表示対象となる複数の電子文書のそれぞれの保存場所を示す保存場所情報を含む、前記複数の電子文書のそれぞれの書誌事項に関する書誌情報に基づいて、前記保存場所に保存されている前記複数の電子文書のうち、少なくとも1つの電子文書の内容を示す文書内容情報を取得し、
事前に設定される複数の項目のそれぞれと、前記少なくとも1つの電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係情報、及び前記文書内容情報に基づいて、前記少なくとも1つの電子文書の前記記載位置に対応する、前記文書内容情報が示す内容を、前記項目ごとに、ユーザのユーザ端末に表示する、
表示方法。
【請求項8】
コンピュータに、
表示対象となる複数の電子文書のそれぞれの保存場所を示す保存場所情報を含む、前記複数の電子文書のそれぞれの書誌事項に関する書誌情報に基づいて、前記保存場所に保存されている前記複数の電子文書のうち、少なくとも1つの電子文書の内容を示す文書内容情報を取得する文書内容取得部と、
事前に設定される複数の項目のそれぞれと、前記少なくとも1つの電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係情報、及び前記文書内容情報に基づいて、前記少なくとも1つの電子文書の前記記載位置に対応する、前記文書内容情報が示す内容を、前記項目ごとに、ユーザのユーザ端末に表示する表示部と、
を実現させるための表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、表示方法、及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Webサーバ上で公開されている電子文書の情報を取得して、ユーザのユーザ端末に表示する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、Webサーバ上で公開されている電子文書を、クライアントの表示部に表示し、表示された電子文書の中からクライアントにて選択された要素を取得し、取得した要素から画像データを生成し、生成した画像データを送信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-65374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のシステムでは、クライアントによって選択された要素に基づいて生成された画像データの印刷画面が、クライアント画面に表示される。しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、クライアントは、電子文書の内容を把握した上で要素を選択する必要があるため、特許文献1の表示態様では、クライアントは、電子文書の内容を容易に把握することができない。
【0006】
そこで、本発明は、電子文書の内容を容易に把握可能な形式で表示することが可能な表示システム、表示方法、及び表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る表示システムは、表示対象となる複数の電子文書のそれぞれの保存場所を示す保存場所情報を含む、複数の電子文書のそれぞれの書誌事項に関する書誌情報に基づいて、保存場所に保存されている複数の電子文書のうち、少なくとも1つの電子文書の内容を示す文書内容情報を取得する文書内容取得部と、事前に設定される複数の項目のそれぞれと、少なくとも1つの電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係情報、及び文書内容情報に基づいて、少なくとも1つの電子文書の記載位置に対応する、文書内容情報が示す内容を、項目ごとに、ユーザのユーザ端末に表示する表示部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る表示方法は、コンピュータが、表示対象となる複数の電子文書のそれぞれの保存場所を示す保存場所情報を含む、複数の電子文書のそれぞれの書誌事項に関する書誌情報に基づいて、保存場所に保存されている複数の電子文書のうち、少なくとも1つの電子文書の内容を示す文書内容情報を取得し、事前に設定される複数の項目のそれぞれと、少なくとも1つの電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係情報、及び文書内容情報に基づいて、少なくとも1つの電子文書の記載位置に対応する、文書内容情報が示す内容を、項目ごとに、ユーザのユーザ端末に表示する。
【0009】
本発明の一態様に係る表示プログラムは、コンピュータに、表示対象となる複数の電子文書のそれぞれの保存場所を示す保存場所情報を含む、複数の電子文書のそれぞれの書誌事項に関する書誌情報に基づいて、保存場所に保存されている複数の電子文書のうち、少なくとも1つの電子文書の内容を示す文書内容情報を取得する文書内容取得部と、事前に設定される複数の項目のそれぞれと、少なくとも1つの電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係情報、及び文書内容情報に基づいて、少なくとも1つの電子文書の記載位置に対応する、文書内容情報が示す内容を、項目ごとに、ユーザのユーザ端末に表示する表示部と、を実現させる。
【0010】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」又は装置が有する機能が2つ以上の物理的手段、装置、又はソフトウェアにより実現されても、2つ以上の「部」又は装置の機能が1つの物理的手段、装置、又はソフトウェアにより実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子文書の内容を容易に把握可能な形式で表示することが可能な表示システム、表示方法、及び表示プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態である表示システム100の構成を示す図である。
図2】記憶部110に記憶される書誌情報の例を示す図である。
図3】記憶部110に記憶される対応関係情報の例を示す図である。
図4】表示部140による電子文書の表示の例を示す図である。
図5】表示部140による電子文書の表示の例を示す図である。
図6】表示部140による電子文書の表示の例を示す図である。
図7】選択表示部170による電子文書の表示の例を示す図である。
図8】記憶部110に記憶される役員情報の例を示す図である。
図9】表示部140による役員情報の表示の例を示す図である。
図10】表示システム100における処理の例を示すフローチャートである。
図11】表示システム100の第2変形例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態である表示システム100の構成を示す図である。
【0014】
表示システム100は、対応関係設定システム200、ユーザ端末300(300a、300b)及び事業者システム400(400a、400b)とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されるシステムである。
【0015】
表示システム100は、事前に設定される項目ごとに、表示対象となる複数の電子文書のうち少なくとも1つの電子文書における、項目に対応する記載位置の内容を、ユーザ端末300に表示する。
【0016】
また、表示システム100は、例えば、表示対象となる複数の電子文書における、項目に対応する記載位置の内容を、項目ごと、かつ、発行時期ごと、発行主体ごと、又は種別ごとに、ユーザ端末300に表示することができる。表示システム100の詳細については、後述する。
【0017】
対応関係設定システム200は、事前に設定される複数の項目のそれぞれと、電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係情報を生成し、表示システム100に提供する情報処理システムである。
【0018】
対応関係設定システム200において、設定者は、電子文書を参照しながら対応関係情報を生成することができる。また、対応関係設定システム200は、機械学習を用いて、対応関係情報を生成してもよい。対応関係情報及び対応関係設定システム200の詳細については、後述する。
【0019】
なお、対応関係設定システム200は、表示システム100とは独立した情報処理システムであってもよく、また、表示システム100に組み込まれた情報処理であってもよい。
【0020】
ユーザ端末300は、表示システム100のユーザが利用するコンピュータであり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。
【0021】
ユーザは、ユーザ端末300を通じて表示システム100にアクセスして、表示システム100によるユーザ端末300への電子文書の表示を受け、表示される電子文書を参照することができる。
【0022】
事業者システム400は、表示対象となる複数の電子文書を記憶する情報処理システムである。事業者システム400のそれぞれ(例えば、事業者システム400a、事業者システム400b)は、表示対象となる複数の電子文書のそれぞれの発行主体(例えば、事業者)が管理する情報処理システムであってもよい。
【0023】
事業者システム400は、事業者システム400(具体的には、例えば、事業者システム400の記憶部)に記憶されている電子文書の内容を示す情報を、表示システム100に提供する。なお、事業者システム400は、事業者システム400(具体的には、例えば、事業者システム400の記憶部)に記憶されている電子文書の内容を示す情報を別の情報処理システムに提供し、当該別の情報処理システムが、表示システム100に当該電子文書の内容を示す情報を提供してもよい。
【0024】
なお、図1において、ユーザ端末300、事業者システム400は、それぞれ2つずつ示されているが、それぞれ3つ以上のユーザ端末300、事業者システム400であってもよい。
【0025】
続いて、表示システム100の詳細について説明する。表示システム100は、記憶部110、対応関係取得部120、文書内容取得部130、表示部140、出力部150、操作情報取得部160、選択表示部170を備える。図1に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0026】
記憶部110は、表示システム100において処理される情報を記憶する。記憶部110は、例えば、後述する、書誌情報、対応関係情報、文書内容情報、操作情報、役員情報を記憶することができる。
【0027】
記憶部110は、事前に書誌情報を記憶する。表示システム100は、例えば、表示システム100の管理者又はユーザの操作に応じて、書誌情報を取得し、記憶部110に格納する。
【0028】
ここで、書誌情報は、表示対象となる複数の電子文書のそれぞれの書誌事項に関する書誌情報である。書誌情報は、例えば、電子文書の名称を示す名称情報、電子文書の発行主体(例えば、事業者)を示す発行主体情報、電子文書の発行時期(例えば、発行年度)を示す発行時期情報、電子文書の種別を示す種別情報、電子文書の保存場所を示す保存場所情報を含む。
【0029】
名称情報は、電子文書のファイル名を示す情報であってもよく、また、電子文書のタイトル(例えば、「アニュアルレポート2022」、「2021年度サステナビリティレポート」等)を示す情報であってもよい。
【0030】
発行主体情報は、例えば、発行主体の名称自体(例えば、「A社」)を示す情報であってもよく、発行主体を識別する情報(企業コード等のID)であってもよい。
【0031】
発行時期情報は、例えば、電子文書が発行された年度、年、又は年月日を示す情報であってもよい。
【0032】
種別情報は、電子文書の種別を示す情報である。ここで、種別は、例えば、統合報告書(アニュアルレポート、年次報告書)、サステナビリティレポート、コーポレート・ガバナンス報告書、臨時報告書、有価証券報告書、ヒアリングレポート、ウェブサイト情報を含む。なお、表示システム100が処理可能な電子文書の種別は、これに限られない。
【0033】
保存場所情報は、例えば、電子文書が保存されているURL(Uniform Resource Locator)を示す情報であってもよい。
【0034】
このように、表示システム100は、例えば、非財務情報が記載された報告書を処理することができる。一般に、企業の非財務情報の収集には、属人的作業が多く含まれる。また、非財務情報に関する報告書の形式は、企業ごとに異なる場合がある。そのため、企業の非財務情報の収集には、多大な時間を要することがある。表示システム100は、例えば、非財務情報が記載された報告書を処理可能であるため、ユーザは、表示システム100を通じて、例えば、非財務情報が記載された報告書を、容易に把握可能な形式で参照することができる。
【0035】
なお、表示システム100は、非財務情報以外の情報が記載された報告書の電子文書を処理可能である。
【0036】
図2は、記憶部110に記憶される書誌情報の例を示す図である。記憶部110に記憶される書誌情報は、例えば、文書ID、名称情報、発行主体情報、発行時期情報、種別情報、保存場所情報を含む。ここで、文書IDは、表示システム100において処理される電子文書を識別する情報である。
【0037】
対応関係取得部120は、事前に設定される複数の項目のそれぞれと、電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係情報を取得し、記憶部110に格納する。対応関係取得部120は、例えば、対応関係設定システム200から、対応関係情報を取得することができる。
【0038】
ここで、事前に設定される複数の項目は、電子文書に記載されている内容に対応する項目である。
【0039】
項目は、例えば、法律、所定の機関が定める指針、又は慣習(特に商慣習)等によって記載又は開示することが求められている項目であってもよい。具体的には、例えば、A報告書において、項目aの記載が法律等によって求められている場合、項目aは、事前に設定される複数の項目の1つとなる。
【0040】
また、項目は、任意に設定される項目であってもよい。この場合、項目は、対応関係設定システム200の管理者若しくはユーザ又は表示システム100の管理者若しくはユーザによって、設定されてもよい。さらに、この場合、項目は、法律、所定の機関が定める指針、又は慣習(特に商慣習)等によって記載又は開示することが求められている項目に対応して、当該求められている複数の項目を1つに統合したり、新たな項目を設けたりすることによって、設定されてもよい。
【0041】
また、項目は、任意に設定される項目にさらに設定される項目であってもよい。具体的には、第1の項目として、法律、所定の機関が定める指針、又は慣習(特に商慣習)等によって記載又は開示することが求められている項目が設定され、第2の項目として、第1の項目に対応する項目であって、対応関係設定システム200の管理者によって設定される項目が設定され、さらに、第3の項目として、第2の項目に対応する項目であって、表示システム100のユーザによって設定される項目が設定されてもよい。これにより、ユーザは、独自に項目をカスタマイズすることができ、ユーザの利便性が向上する。
【0042】
対応関係設定システム200は、例えば、設定者(対応関係設定システム200の管理者又はユーザ)による情報端末の操作に応じて、複数の項目のそれぞれと、電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係を設定することができる。
【0043】
具体的には、対応関係設定システム200において、設定者は、情報端末を操作して、電子文書を参照しながら、複数の項目のそれぞれ(例えば、項目a)に対応する内容が記載されている記載位置を特定する。このとき、例えば、設定者の情報端末は、設定者が選択操作(例えば、ドラッグ操作又はタッチ操作)によって選択した範囲を、項目(例えば、項目a)に対応する内容が記載されている記載位置と判断する。そして、設定者が選択した記載位置と、対応する項目とを対応付けた対応関係情報を生成され、対応関係取得部120が、生成された対応関係情報を取得する。
【0044】
また、対応関係設定システム200は、機械学習を用いて、対応関係情報を生成してもよい。このとき、対応関係設定システム200は、電子文書に記載されているテキストの解析により得られる解析情報に基づいて、対応関係情報を生成してもよい。
【0045】
具体的には、例えば、別の電子文書(例えば、過年度の電子文書又は別事業者が発行した電子文書)における対応関係情報を学習データとして学習した学習モデルに基づいて、対象となる電子文書における対応関係情報を生成してもよい。そして、対応関係取得部120が、生成された対応関係情報を取得する。
【0046】
なお、同一事業者が発行した同一種別の、発行年度が異なる電子文書は、一般的に、レイアウトが踏襲されていることから、学習モデルの生成が可能である。また、発行主体や発行年度が異なる、同一種別の電子文書は、レイアウトが類似している場合もあることから、学習モデルの生成が可能である。
【0047】
また、対応関係設定システム200は、設定者による操作及び機械学習を活用して、対応関係情報を生成し、対応関係取得部120が、生成された対応関係情報を取得してもよい。これにより、対応関係取得部120は、より精度の高い対応関係情報を取得することができる。
【0048】
図3は、記憶部110に記憶される対応関係情報の例を示す図である。記憶部110に記憶される対応関係情報は、例えば、文書ID、項目情報(例えば、第1項目情報、第2項目情報等)を含み、項目情報のそれぞれは、例えば、項目ID、記載位置情報を含む。
【0049】
項目IDは、表示システム100において事前に設定される複数の項目のそれぞれを識別する情報である。記載位置情報は、項目に対応する内容が記載されている、電子文書中の位置(例えば、ページ数、X座標、及びY座標により特定される領域)を示す情報である。
【0050】
文書内容取得部130は、記憶部110に記憶される書誌情報に基づいて、書誌情報に含まれる保存場所情報が示す保存場所に保存されている複数の電子文書のうち、少なくとも1つの電子文書の内容を示す文書内容情報を取得する。
【0051】
すなわち、文書内容取得部130は、例えば、事業者システム400にアクセスして、事業者システム400の記憶部に保存されている電子文書の文書内容情報を取得する。文書内容取得部130は、例えば、ウェブスクレイピングにより、事業者システム400から文書内容情報を取得することができる。
【0052】
このとき、文書内容取得部130は、事業者システム400の記憶部に保存されている電子文書自体(例えば、PDF(Portable Document Format)形式のファイル)を取得(例えば、ダウンロード)するのではなく、文書内容情報(例えば、電子文書のデータ実体)を取得する。これにより、後述する表示部140は、電子文書の著作権を侵害することなく、電子文書の内容をユーザ端末300に表示することができる。
【0053】
また、文書内容取得部130は、書誌情報(より具体的には、書誌情報に含まれる発行時期情報)に基づいて、発行時期が異なる複数の電子文書のそれぞれの文書内容情報を取得することができる。これにより、後述する表示部140は、発行時期が異なる複数の電子文書をユーザ端末300に表示することができる。
【0054】
また、文書内容取得部130は、書誌情報(より具体的には、書誌情報に含まれる発行主体情報)に基づいて、発行主体が異なる複数の電子文書のそれぞれの文書内容情報を取得することができる。これにより、後述する表示部140は、発行主体が異なる複数の電子文書をユーザ端末300に表示することができる。
【0055】
また、文書内容取得部130は、書誌情報(より具体的には、書誌情報に含まれる種別情報)に基づいて、種別が異なる複数の電子文書のそれぞれの文書内容情報を取得することができる。これにより、後述する表示部140は、種別が異なる複数の電子文書をユーザ端末300に表示することができる。
【0056】
表示部140は、対応関係情報及び文書内容情報に基づいて、少なくとも1つの電子文書の記載位置に対応する、文書内容情報が示す内容を、項目ごとに、ユーザ端末300に表示する。
【0057】
また、文書内容取得部130が、発行時期が異なる複数の電子文書のそれぞれの文書内容情報を取得する場合、表示部140は、電子文書の記載位置に対応する、文書内容情報が示す内容を、項目ごと、かつ、発行時期ごとに、ユーザ端末300に表示することができる。
【0058】
また、文書内容取得部130が、発行主体が異なる複数の電子文書のそれぞれの文書内容情報を取得する場合、表示部140は、電子文書の記載位置に対応する、文書内容情報が示す内容を、項目ごと、かつ、発行主体ごとに、ユーザ端末300に表示することができる。
【0059】
また、文書内容取得部130が、種別が異なる複数の電子文書のそれぞれの文書内容情報を取得する場合、表示部140は、電子文書の記載位置に対応する、文書内容情報が示す内容を、項目ごと、かつ、種別ごとに、ユーザ端末300に表示することができる。
【0060】
出力部150は、ユーザ端末300に項目ごとに表示された、電子文書の内容を示す情報を出力し、ユーザ端末300に提供する。
【0061】
出力部150は、例えば、ユーザ端末300に表示された、項目ごとの電子文書の内容を示す情報を外部の情報処理システムに出力することができる。具体的には、出力部150は、例えば、ユーザ端末300に表示された電子文書のテキスト情報を、API(Application Program Interface)を用いて、外部の情報処理システム(例えば、ユーザ端末300)に提供することができる。これにより、ユーザは、表示システム100による表示結果を解析して、例えば、営業資料や事業上の検討に活用することができる。
【0062】
続いて、ユーザのユーザ端末300を通じた、表示システム100に対する操作について説明する。
【0063】
まず、ユーザは、表示システム100における所定の処理に応じてユーザ端末300に表示される検索画面にて、ユーザが表示を希望する電子文書を検索する。このとき、ユーザは、例えば、書誌情報に対応するキーワード(すなわち、例えば、電子文書の発行主体、発行年度、若しくは種別)、又は電子文書に記載されているキーワード等を用いて、電子文書を検索する。表示システム100は、所定の処理に応じて、電子文書を検索し、候補となる電子文書を示す情報(例えば、書誌情報)をユーザ端末300に表示する。
【0064】
ユーザは、ユーザ端末300を通じて、電子文書を表示する旨の要求を表示システム100に送信する。具体的には、例えば、ユーザは、ユーザ端末300を通じて、表示された電子文書の候補を選択した上で、表示を要求する旨のボタンを選択する。表示システム100は、選択された電子文書の候補を表示する旨の要求を、ユーザ端末300から受信する。
【0065】
ユーザによる表示要求に応じて、文書内容取得部130が、ユーザの表示要求に対応する電子文書の文書内容情報を取得し、表示部140が、電子文書をユーザ端末300に表示する。
【0066】
このように、表示システム100(特に文書内容取得部130及び表示部140)は、ユーザによる表示要求に応じて、事業者システム400にアクセスして、事業者システム400に保存されている電子文書をユーザ端末300に表示することができる。これにより、表示部140は、電子文書の著作権を侵害することなく、電子文書の内容をユーザ端末300に表示することができる。
【0067】
図4は、表示部140による電子文書の表示の例を示す図である。図4は、表示部140が、同一発行主体による複数の電子文書を表示する例を示す。
【0068】
図4に示す画面は、表示している電子文書の概要を示すタイトルを表示する領域401、複数の項目を示す領域402、項目ごとに記載内容に基づく評価結果(評点)を示す領域403、領域402の項目に対応して任意に設定される項目を示す領域404、項目ごとに電子文書の内容を表示する領域405(405a、405b)、表示された内容を出力するためのボタンを示す領域406を含む。
【0069】
領域405では、保存場所情報が示す保存場所(ここでは、A社の事業者システム400)に保存されている、同一発行主体(ここでは、A社)の異なる種別の電子文書(ここでは、アニュアルレポート2022及びサステナビリティレポート2021)に記載されている内容が表示されている。すなわち、領域405では、保存場所に保存されている電子文書における、項目に対応する記載位置の内容を示す情報(例えば、画像データ)が表示されている。
【0070】
なお、領域403に表示される評点は、表示システム100に備わる所定の評点計算処理によって算出される評点であってもよく、また、表示システム100のユーザによって算出される評点であってもよい。評点は、例えば、項目に対応する記載内容の充実度(例えば、文字数、行数、ページ数、画像数等)に応じて算出されてもよい。また、図4に示す画面には、領域403が表示されなくてもよい。
【0071】
また、図4に示す画面には領域402及び領域404の項目の両者が表示されてもよく、領域402及び領域404のいずれかの項目のみが表示されてもよい。また、領域402又は領域404の項目に対応して任意に設定される項目を表示する領域がさらに設けられてもよい。
【0072】
図5は、表示部140による電子文書の表示の例を示す図である。図5は、表示部140が、同一発行主体による、異なる発行年度の複数の電子文書を表示する例を示す。
【0073】
図5に示す画面は、表示している電子文書の概要を示すタイトルを表示する領域501、複数の項目を示す領域502、項目ごとに記載内容に基づく評価結果(評点)を示す領域503、領域502の項目に対応して任意に設定される項目を示す領域504、項目ごとに電子文書の内容を表示する領域505(505a、505b)、表示された内容を出力するためのボタンを示す領域506を含む。
【0074】
領域505では、保存場所情報が示す保存場所(ここでは、A社の事業者システム400)に保存されている、同一発行主体(ここでは、A社)の発行年度が異なる電子文書(ここでは、2022年度及び2021年度に発行されたアニュアルレポート)に記載されている内容が表示されている。すなわち、領域505では、保存場所に保存されている電子文書における、項目に対応する記載位置の内容を示す情報(例えば、画像データ)が表示されている。
【0075】
なお、領域503に表示される評点は、表示システム100に備わる所定の評点計算処理によって算出される評点であってもよく、また、表示システム100のユーザによって算出される評点であってもよい。評点は、例えば、項目に対応する記載内容の充実度(例えば、文字数、行数、ページ数、画像数等)に応じて算出されてもよい。また、図5に示す画面には、領域503が表示されなくてもよい。
【0076】
また、図5に示す画面には領域502及び領域504の項目の両者が表示されてもよく、領域502及び領域504のいずれかの項目のみが表示されてもよい。また、領域502又は領域504の項目に対応して任意に設定される項目を表示する領域がさらに設けられてもよい。
【0077】
図6は、表示部140による電子文書の表示の例を示す図である。図6は、表示部140が、異なる発行主体による複数の電子文書を表示する例を示す。
【0078】
図6に示す画面は、表示している電子文書の概要を示すタイトルを表示する領域601、複数の項目を示す領域602、項目ごとに記載内容に基づく評価結果(評点)を示す領域603、領域602の項目に対応して任意に設定される項目を示す領域604、項目ごとに電子文書の内容を表示する領域605(605a、605b)、表示された内容を出力するためのボタンを示す領域606を含む。
【0079】
領域605では、保存場所情報が示す保存場所(ここでは、A社及びB社の事業者システム400)に保存されている、異なる発行主体(ここでは、A社及びB社)による電子文書(ここでは、2022年度に発行されたアニュアルレポート)に記載されている内容が表示されている。すなわち、領域605では、保存場所に保存されている電子文書における、項目に対応する記載位置の内容を示す情報(例えば、画像データ)が表示されている。
【0080】
なお、領域603に表示される評点は、表示システム100に備わる所定の評点計算処理によって算出される評点であってもよく、また、表示システム100のユーザによって算出される評点であってもよい。評点は、例えば、項目に対応する記載内容の充実度(例えば、文字数、行数、ページ数、画像数等)に応じて算出されてもよい。また、図6に示す画面には、領域603が表示されなくてもよい。
【0081】
また、図6に示す画面には領域602及び領域604の項目の両者が表示されてもよく、領域602及び領域604のいずれかの項目のみが表示されてもよい。また、領域602又は領域604の項目に対応して任意に設定される項目を表示する領域がさらに設けられてもよい。
【0082】
操作情報取得部160は、ユーザによるユーザ端末300の操作に関する操作情報を取得する。ここで、操作情報は、表示部140によってユーザ端末300に表示された内容を、ユーザが選択する操作(例えば、キーボードによる選択操作、マウスによるクリック操作、指によるタッチ操作等)に関する操作情報である。
【0083】
ユーザは、ユーザ端末300を操作して、例えば、表示部140によってユーザ端末300に表示された電子文書を選択する。このとき、ユーザは、例えば、電子文書の内容が表示される領域(すなわち、例えば、領域405、505、605)を選択する。操作情報取得部160は、当該選択操作に関する操作情報を取得する。
【0084】
選択表示部170は、操作情報に基づいて、ユーザによるユーザ端末300を通じた選択操作に応じて、保存場所情報が示す保存場所に保存されている少なくとも1つの電子文書を、ユーザ端末300に表示する。
【0085】
このとき、文書内容取得部130が、選択操作に対応する電子文書の文書内容情報を再度取得し、選択表示部170が、取得される文書内容情報をユーザ端末300に表示してもよい。
【0086】
選択表示部170は、ユーザによるユーザ端末300を通じた選択操作に応じて、保存場所情報が示す保存場所に保存されている少なくとも1つの電子文書を表示する際、ユーザ端末300に表示されている記載位置を含む、電子文書のページの少なくとも一部を、ユーザ端末300に表示することができる。すなわち、この場合、選択表示部170は、例えば、選択された電子文書の表紙を表示するのではなく、ユーザがユーザ端末300を通じて選択した、項目に対応する記載位置に示されている内容が記載されているページの少なくとも一部を表示することができる。
【0087】
また、このとき、選択表示部170は、ユーザ端末300に表示されている記載位置に対応する箇所を強調して、当該記載位置を含む電子文書のページの少なくとも一部をユーザ端末300に表示することができる。これにより、ユーザは、原典ともいえる電子文書のうち、項目に対応する内容が記載されている記載位置を容易に把握することができる。
【0088】
図7は、選択表示部170による電子文書の表示の例を示す図である。図7に示す画面は、図4に示す画面に対応するものであるが、図4に示す画面の表示を受けたユーザが、領域405aに表示される内容(特に、領域405aの最上段に表示されている内容)を選択する選択操作を行った際の画面である。
【0089】
ユーザによる選択操作により、選択表示部170は、ユーザ端末300に領域701を表示する。領域701には、ユーザが選択した内容が記載されているページが表示されている。
【0090】
選択表示部170は、さらに、領域701に表示したページのうち、ユーザが選択した内容が記載されている部分(領域702)を強調して表示することができる。図7に示す画面では、領域702に対応する部分が矩形によって強調されている。
【0091】
なお、当該強調表示の方法は、図7に示す方法に限られず、例えば、特定の色の枠で囲う方法、特定の色及び透明度の矩形を重ねて表示する方法、文字部分をマーカー等で強調する方法、特定の記号(例えば、矢印)により記載位置を強調する方法、強調する内容を領域702の最上部や中央部に表示する方法であってもよい。
【0092】
続いて、表示システム100における役員情報の表示処理について説明する。
【0093】
記憶部110は、役員情報を記憶する。役員情報は、事業者の役員に関する情報である。
【0094】
表示システム100は、例えば、文書内容情報に基づいて、表示対象となる電子文書のテキストを解析し、役員情報を抽出して、記憶部110に格納してもよい。また、表示システム100は、表示システム100の管理者又はユーザの操作に基づいて、役員情報の取得又は修正を受け付けて、記憶部110に格納してもよい。
【0095】
図8は、記憶部110に記憶される役員情報の例を示す図である。記憶部110に記憶される役員情報は、例えば、氏名ID、役員情報(例えば、第1役員情報、第2役員情報等)を含み、役員情報のそれぞれは、例えば、事業者ID、属性情報、時期情報を含む。
【0096】
氏名IDは、役員情報を識別する情報である。事業者IDは、役員が業務執行や監督を行う事業者を識別する情報である。事業者IDは、企業コード等のIDであってもよい。
【0097】
属性情報は、役員の属性を示す情報であり、例えば、社外取締役か否か、指名委員会等(指名委員会、報酬委員会、監査委員会)に所属するか否か、独立役員か否か、又は役員の担当業務(例えば、財務、人事等)を示す情報である。
【0098】
時期情報は、役員として選任されている(又は選任されていた)時期を示す情報である。
【0099】
表示部140は、役員情報に基づいて、役員の選任状況をユーザ端末300に表示することができる。
【0100】
すなわち、表示システム100は、文書内容取得部130によって取得される複数の電子文書の文書内容情報に基づいて、文書内容情報を役員ごとに集計した役員情報を取得し、表示部140による処理を通じて、役員情報をユーザ端末300に表示することができる。これにより、ユーザは、事業者において選任されている役員の情報を、一元的に把握することができ、いわば、役員情報に基づいて逆引きを行い、役員及び事業者の情報を取得することができる。
【0101】
図9は、表示部140による役員情報の表示の例を示す図である。図9に示す画面は、例えば、役員の氏名を表示する領域901、事業者ごとに選任されている時期を示す領域902、事業者ごとの選任の詳細な情報(例えば、属性情報に対応する情報や選任の理由等)を示す領域903、表示された内容を出力するためのボタンを示す領域904を含む。
【0102】
図10は、表示システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【0103】
まず、表示システム100は、例えば表示システム100の管理者の操作に応じて、書誌情報を取得し、記憶部110に格納する(S1001)。続いて、対応関係取得部120が、例えば対応関係設定システム200から、事前に設定される複数の項目と、電子文書の記載位置との対応関係を示す対応関係情報を取得する。(S1002)。
【0104】
文書内容取得部130が、書誌情報に含まれる保存場所情報が示す保存場所から、表示しようとする電子文書の文書内容情報を取得する(S1003)。このとき、文書内容取得部130は、ユーザの操作に応じた表示システム100による検索処理を通じて、ユーザが電子文書の候補のうちから選択した電子文書の文書内容情報を取得してもよい。表示部140が、文書内容情報が示す内容を、項目ごとに、ユーザ端末300に表示する(S1004)。
【0105】
操作情報取得部160が、ユーザによる、ユーザ端末300に表示された電子文書に対する操作に関する操作情報を取得する(S1005)。選択表示部170が、ユーザによる選択操作に応じて、選択された電子文書をユーザ端末300に表示する(S1006)。
【0106】
<第1変形例>
続いて、表示システム100の第1変形例について、説明する。
【0107】
文書内容取得部130は、事業者システム400の記憶部に保存されている電子文書(例えば、PDF(Portable Document Format)形式のファイル)を一時的に取得する。そして、文書内容取得部130は、当該一時的に取得した電子文書に基づいて文書内容情報(例えば、電子文書のデータ実体)を取得(例えば、テキストを抽出)し、文書内容情報を記憶する。なお、この場合、文書内容取得部130は、一時的に取得した電子文書自体を保存しない。これにより、表示システム100は、電子文書の著作権を侵害することなく、電子文書の内容をユーザ端末300に表示することができる。
【0108】
また、対応関係設定システム200において設定される項目は、複数の項目を含む項目グループを含んでもよい。すなわち、対応関係情報は、事前に設定される複数の項目グループのそれぞれと、電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係情報であってもよい。この場合、項目グループに対応する電子文書における記載位置は、項目グループに含まれる複数の項目のそれぞれに対応する記載位置の集合であってもよく、また、項目グループに対応する内容(例えば、特定の章又は項目)が記載されている記載位置であってもよい。
【0109】
また、さらに、対応関係設定システム200において設定される項目は、複数の項目グループを含む項目カテゴリを含んでもよい。すなわち、対応関係情報は、事前に設定される複数の項目カテゴリのそれぞれと、電子文書のそれぞれにおける記載位置とを対応付けた対応関係情報であってもよい。この場合、項目カテゴリに対応する記載位置は、項目カテゴリに含まれる複数の項目グループのそれぞれに対応する記載位置の集合であってもよく、また、項目カテゴリに対応する内容(例えば、特定の章又は項目)が記載されている記載位置であってもよい。
【0110】
具体的には、項目カテゴリ「ガバナンス」は、例えば、項目グループ「ステークホルダー」及び項目グループ「ステークホルダーとの対話」を含んでもよい。
【0111】
本実施形態における項目は、適宜、項目グループ又は項目カテゴリと読み替えることができる。すなわち、例えば、図4に示す画面における領域402及び領域404の項目、図5に示す画面における領域502及び領域504の項目、並びに図6に示す画面における領域602及び領域604に表示される項目は、項目グループ又は項目カテゴリであってもよい。
【0112】
また、対応関係情報に含まれる記載位置情報は、電子文書中の記載位置(例えば、ページ番号(page1)、開始点のX座標(x1)、開始点のY座標(y1)、幅(w1)、高さ(h1)により特定される領域)を示す情報であってもよい。また、対応関係情報に含まれる項目情報は、項目が属する項目グループ及び項目グループが属する項目カテゴリを示す情報をさらに含んでもよい。
【0113】
<第2変形例>
続いて、表示システム100の第2変形例について、説明する。
【0114】
図11は、表示システム100の第2変形例の構成を示す図である。表示システム100は、さらに、検知部180を備えることができる。
【0115】
検知部180は、書誌情報に含まれる保存場所情報が示す保存場所に保存されている電子文書の変更を検知する。検知部180は、例えば、書誌情報に含まれる、全ての電子文書又は一部の電子文書のそれぞれについて、電子文書の変更を検知する。これにより、表示システム100は、電子文書の変更を速やかに検知することができる。さらに、表示システム100は、例えば、変更に伴って必要な処理(例えば、後述する対応関係情報の再取得処理)を行い、変更後の電子文書の内容を項目ごとに表示することができる。
【0116】
ここで、電子文書の変更は、例えば、発行済みの電子文書の修正(例えば、誤字脱字の修正、情報の誤りの修正、情報の追加若しくは削除)であってもよく、同一種別の電子文書の最新版への更新(例えば、最新年度の統合報告書の発行)であってもよい。
【0117】
検知部180は、例えば、所定の期間ごとに、当該期間の前に取得した電子文書に関する情報と、当該期間の経過後に取得した電子文書に関する情報とに相違点がある場合に、当該電子文書が変更されたものと検知してもよい。具体的には、検知部180は、例えば、書誌情報に含まれる発行時期情報、保存場所に保存された保存時刻を示す保存時刻情報、及び文書内容情報の少なくともいずれかに相違点がある場合に、当該電子文書が変更されたものと検知してもよい。
【0118】
なお、所定の期間は、例えば、1日ごと、1月ごと、四半期ごと、若しくは1年ごとであってもよく、また、表示システム100のユーザ又は管理者が電子文書ごとに任意で設定可能な期間であってもよい。これにより、表示システム100は、電子文書の性質(例えば、電子文書の種別)に適した期間で、電子文書の変更を検知することができる。より具体的には、表示システム100は、例えば、四半期ごとに発行される電子文書については、四半期ごとに検知し、1年ごとに発行される電子文書については、1年ごとに検知することができる。
【0119】
また、検知部180は、例えば、外部の情報処理システム(例えば、事業者システム400)から、電子文書を変更した旨の通知情報を取得して、当該電子文書の変更を検知してもよい。また、検知部180は、例えば、外部の情報処理システムから、電子文書を変更した旨のニュース情報(例えば、発行主体によるプレスリリースに関する情報)を通知情報として取得してもよい。これにより、表示システム100は、より簡便に、電子文書の変更を検知することができる。
【0120】
また、検知部180は、電子文書の変更を検知したことを示す通知情報を出力することができる。
【0121】
ここで、通知情報は、例えば、変更された電子文書に関する情報(例えば、名称情報、発行主体情報、発行時期情報、種別情報、保存場所情報、変更内容に関する情報)を含む。
【0122】
検知部180は、例えば、ユーザ端末300に、通知情報を出力することができる。これにより、ユーザは、電子文書の変更を、表示システム100を通じて簡便に把握することができる。
【0123】
また、検知部180は、例えば、対応関係設定システム200に、通知情報を出力することができる。これにより、対応関係設定システム200は、変更後の電子文書について、対応関係情報を生成することができる。そして、対応関係取得部120は、対応関係設定システム200から変更後の電子文書の対応関係情報を取得し、記憶部110に格納することができる。また、表示システム100は、変更後の電子文書の対応関係情報に基づいて、変更後の電子文書の内容を項目ごとに表示することができる。
【0124】
より具体的には、対応関係設定システム200の設定者が、検知部180から取得する通知情報に応じて、変更後の電子文書の対応関係を設定する。設定者は、例えば、情報端末を操作して、電子文書を参照しながら、複数の項目のそれぞれ(例えば、項目a)に対応する内容が記載されている記載位置を特定する。このとき、設定者は、例えば、機械学習技術や学習モデルを用いて生成される一次的な対応関係情報を、情報端末を操作して電子文書を参照しながら修正することにより、対応関係情報を生成してもよい。
【0125】
以上、本発明の一実施形態について説明した。表示システム100は、書誌情報に基づいて、文書内容情報を取得し、対応関係情報及び文書内容情報に基づいて、電子文書の記載位置に対応する、文書内容情報が示す内容を、項目ごとに、ユーザのユーザ端末300に表示することができる。これにより、表示システム100は、電子文書の内容を容易に把握可能な形式でユーザ端末300に表示することができる。
【0126】
また、表示システム100は、ユーザによる、表示される内容を選択する選択操作に応じて、電子文書をユーザ端末300に表示することができる。また、このとき、表示システム100は、ユーザ端末300に表示されている記載位置を含むページの少なくとも一部をユーザ端末300に表示することができる。これにより、ユーザは、詳細に参照しようとする電子文書を、容易に把握可能な形式で参照することができる。
【0127】
また、表示システム100は、発行時期が異なる複数の電子文書、発行主体が異なる複数の電子文書、又は種別が異なる複数の電子文書を、項目ごと、かつ、それぞれの要素(すなわち、発行時期、発行主体、又は種別)ごとに、ユーザ端末300に表示することができる。これにより、ユーザは、複数の電子文書を容易に把握可能な形式で参照することができる。
【0128】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0129】
100 表示システム、110 記憶部、120 対応関係取得部、130 文書内容取得部、140 表示部、150 出力部、160 操作情報取得部、170 選択表示部、200 対応関係設定システム、300 ユーザ端末、400 事業者システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11