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特開2024-50480ガラス製品を成形する区画の偏向器を装備した構成変更可能なゴブ案内ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050480
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ガラス製品を成形する区画の偏向器を装備した構成変更可能なゴブ案内ユニット
(51)【国際特許分類】
   C03B 7/14 20060101AFI20240403BHJP
   C03B 11/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
C03B7/14
C03B11/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023159992
(22)【出願日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】102022000020073
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】502103689
【氏名又は名称】ボテッロ エス ピー エー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダニーロ キアヴァッサ
(72)【発明者】
【氏名】マルチェッロ オストレロ
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン ジャッコーネ
(72)【発明者】
【氏名】パオロ カヴァレラ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ テッキオ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】偏向器交換時間、概して機械停止時間の劇的な短縮を可能にする構成変更可能なゴブ案内ユニットを提供する。
【解決手段】成形モールドを備えた、ガラス製品を成形する区画において、ガラスゴブが、構成変更可能なゴブ案内ユニット(8)を介して、成形モールドのキャビティへ給送され、ゴブ案内ユニットは、区画で使用され得るキャビティの最大数について設計された支持構造(10)と、成形モールドのキャビティごとに、キャビティへゴブを案内する湾曲チャネルを画定する湾曲部分(19)と2本のアーム(21)とを有するそれぞれの偏向器(18)とを有し、アームは、湾曲部分(19)から片持ち梁式に延出し、支持構造(10)に接続するそれぞれの装着部分を終端とし、各々はキャビティの位置に基づいて設計されたそれぞれの適応部分を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々がそれぞれのガラスゴブを収容するのに適した一以上のキャビティ(4)を有する成形モールド(3)を具備するガラス製品を成形する区画(1)の構成変更可能なゴブ案内ユニット(8)であって、前記キャビティ(4)ごとに、それぞれの偏向器(18)と、固定フレーム(9)に接続されるように設計され、偏向器ごとにそれぞれの装着手段(12)を具備する支持構造(10)とを具備する構成変更可能なゴブ案内ユニット(8)であり、各偏向器(18)は、
前記ゴブをそれぞれの前記キャビティ(4)へ案内する湾曲チャネル(20)を画定する湾曲部分(19)と、
前記湾曲部分(19)から片持ち梁式に延出する2本のアーム(21)と、
アーム(21)ごとに、前記アーム(21)により支承されるそれぞれの装着部分(25)と、
を具備して、
各々の前記アーム(21)は、前記成形モールド(3)の対応するキャビティ(4)の位置に基づいて、また前記装着手段(12)を介した前記支持構造(10)への前記装着部分(25)の結合を可能にするように構成されている適応部分(26)を具備する、
構成変更可能なゴブ案内ユニットにおいて、
使用時に前記成形する区画(1)に取り付けられる偏向器(18)及びキャビティ(4)の実際の数に関係なく、前記区画(1)に取り付けられ得る偏向器の最大数、又は前記成形する区画(1)で使用され得るキャビティ(4)の最大数に等しい一定数の装着手段(12)を前記支持構造(10)が具備することと、
構成変更可能なゴブ案内ユニット(8)の少なくとも一つの機能的構成において、前記装着手段(12)の少なくとも一つ(12A)がそれぞれの偏向器(18)について使用されないことと、
を特徴とする、構成変更可能なゴブ案内ユニット。
【請求項2】
各々の前記アーム(21)は、
前記装着部分(25)を支承し、前記適応部分(26)を具備するそれぞれの装着端要素(23)と、
前記湾曲部分(19)と前記装着端要素(23)との間に介在される開放可能な接続手段と、
を具備し、
前記適応部分(26)は、前記成形モールド(3)のキャビティ(4)の数に基づいて、又は前記成形モールド(3)のそれぞれのキャビティ(4)の位置に基づいて、設計される、
請求項1による構成変更可能なゴブ案内ユニット。
【請求項3】
前記適応部分(26)は、前記湾曲部分(19)から脱離可能な部分である、請求項1による構成変更可能なゴブ案内ユニット。
【請求項4】
各々の前記アーム(21)は、
前記湾曲部分(19)に固定接続されるそれぞれのブラケット(22)と、
前記装着部分(25)を支承し、前記適応部分(26)を具備するそれぞれの装着端要素(23)と、
前記ブラケット(22)と前記装着端要素(23)との間に介在され、前記ブラケット(22)からの前記装着端要素(23)の分解を可能にする開放可能な接続手段と、
を具備する、請求項3による構成変更可能なゴブ案内ユニット。
【請求項5】
前記開放可能な接続手段は、クランプねじ(28)を包含する、請求項4による構成変更可能なゴブ案内ユニット。
【請求項6】
各々の前記装着端要素(23)は、
前記開放可能な接続手段により前記ブラケット(22)に接合する接合基部(24)と、
前記接合基部(24)と前記装着部分(25)との間に介在され、前記適応部分(26)を規定するステムと、
を具備する、請求項4による構成変更可能なゴブ案内ユニット。
【請求項7】
各々の前記装着端要素(23)は、同じ接合基部(24)と、同じ装着部分(25)と、前記装着端要素(23)の前記ステムと幾何学的及び/又は寸法的に異なっている別のステムとを有する少なくとも一つのさらなる装着端要素と交換可能である、請求項6による構成変更可能なゴブ案内ユニット。
【請求項8】
前記装着手段(12)は、前記アーム(21)ごとにそれぞれのピンを具備する、請求項1による構成変更可能なゴブ案内ユニット。
【請求項9】
構成変更可能なゴブ案内ユニット(8)の異なる機能的構成において前記ピンの位置が無変更のままである、請求項8による構成変更可能なゴブ案内ユニット。
【請求項10】
ガラス製品を製造する構成変更可能な成形する区画であって、先行する請求項のいずれかに記載されるように、成形する区画(1)は、それぞれのガラスゴブを収容するように各々が設計された一以上のキャビティ(4)と、構成変更可能なゴブ案内ユニット(8)とを有する成形モールド(3)を具備する、構成変更可能な成形する区画。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2022年9月29日に出願されたイタリア特許出願第102022000020073号の優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、ガラス製品成形機のガラス製品を成形する区画の偏向器を装備した構成変更可能なゴブ案内ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
ガラス製品成形の分野では、通常はISマシンとして知られる成形機を使用することが知られている。
【0004】
ISマシンは、各々が製品を規則的に連続して製造するように並置配設された多数の成形する区画を具備する。
【0005】
各成形する区画は、上向きに開口して、区画でのモールドの位置決めのための基準を規定する基準垂直軸線について鏡面的に並置して配設された列状のキャビティを備えた各自のブランクモールドを具備する。
【0006】
モールドキャビティは、頭上に置かれて全ての成形する区画に共通するゴブ成形分配ユニットからのゴブを順に受容する専用のゴブ案内ユニットによりキャビティの内側へ誘導される溶融ガラスゴブ(塊)を各々が連続して受容するように設計されている。
【0007】
各ゴブ案内ユニットは、成形分配ユニットから始まって前向きのゴブ前進方向に、そしてキャビティの各々について、前進傾斜チャネルと偏向器とを具備し、偏向器は、前進傾斜チャネルからゴブを受容する湾曲案内チャネルを画定し、対応するモールドキャビティの内側でゴブを誘導する。
【0008】
各偏向器は、例えば鋳造及び機械加工により単一部材として生産され、案内チャネルを画定する湾曲部分と、湾曲部分と一体的であって同湾曲部分から片持ち梁式に突出する一対の装着アームとを具備する。
【0009】
各装着アームは概ねアイレットの形状の装着端部分を具備し、機械の固定フレームにより支持されてキャビティの数、従って偏向器の数が変更される度に改変される適応可能な支持構造の対応する垂直ピンに、装着端部分が開放可能に結合される。各偏向器では、移送されるゴブの寸法に基づいて湾曲チャネルはサイズ決定され、一方で、チャネル出口がゴブを対応するキャビティへ直接搬送するように装着アームはサイズ決定される。
【0010】
成形する区画の製造変更は、当該モールドと異なる数のキャビティを有する別のモールドとの交換と、例えば4個のキャビティから3個のキャビティへの変更を伴い、区画に存在する4個の偏向器全てが分解され、幾何学的に異なっていて新しいキャビティへゴブを案内するように構成されている3個の偏向器と交換される。
【0011】
3個の新しいキャビティは、同じ基準垂直軸線についての前述の4個のキャビティの距離と比較すると上述の基準垂直軸線から異なる距離に配設されるので、装着構造への偏向器の装着位置を変更しなければならない。
【0012】
装着位置の変更は、偏向器を支持する構造により可能となり、これはモジュラー式の構成変更可能な構造である。言い換えると、この構造では、個々の場合に応じて、幾つかの部品が再配置されるか除去されて、前述のものと幾何学的及び/又は寸法的に異なっている他の部品と交換される。このように、支持構造は、実際に個々の場合に応じて、設置された新しいモールドのキャビティの数に基づいて適応化するか、又は構成する。
【0013】
広く使用されてはいるが、使用されたモールドのキャビティ数の変更結果としての支持構造の再構成モードは、以下の理由からあまり満足できるものではない。
【0014】
まず第一に、モールド変更の度に、支持構造の部品を分解して機械から外し、支持構造の変更に必要な全ての部品を区画へと運ばなければならない。これは機械区画の各々に当てはまる。
【0015】
支持構造は、区画を安全に運転するように訓練され、装備した専門作業者によってのみ改変されなければならず、同支持構造は機械の他の様々な構成要素によって囲繞されているため、また作業ゾーンが快適ではないため、操作空間は極めて制約が多い。事実、オペレータは、実際には機械の内側で、モールドの高さに配設された横棒又は支持体に足を載せて立ちながら、とりわけ、残留した潤滑物と前述の製造により発生した粉末との存在に起因して不利な環境において作業しなければならない。
【0016】
この状況は、普通は全ての区画につき2,3時間という長い介入時間を必然的に伴い、これは、モールドの変更と区画全体の完全な再構成とに必要な合計時間のほぼ半分に等しい。
【0017】
それゆえに、支持構造の再構成は、専門的な労力及び交換部品についての大きなコストを必然的に伴うが、しかしながら、平均すると機械停止1時間毎に5,000ユーロの範囲であるこの区画の製造損失に由来する一層重大なコストがこれと組み合わされる。
【0018】
機械の外側に既に構成した支持構造への変更は、いずれにしても、同支持構造を囲繞する多数の装置及び部品の除去を必要とし、この装置及び部品の上方からの取り出しを必然的に伴うので可能ではない。しかしながら、この取り出しは、極めて制約された空間のため区画の上方にホイストを取り付けることが可能でないので、実行不可能である。
【0019】
これに加えて、全ての偏向器の保守作業は、案内チャネルの予想外の摩耗の結果として必要とされる臨時のものであれ、ガラスゴブの摺動面を修復する通常のものであれ、偏向器全体の交換を必然的に伴うので、機械ユーザは、倉庫では各モールドについて少なくとも二つの完全な偏向器セットを所有しなければならないが、これらの偏向器は、その形状のため比較的かさばるものである。
【0020】
そのうえ、倉庫において、同ユーザは、二以上のモールドについて案内チャネルが同じものである事例でも、使用予定の各モールドについて完全な偏向器セットを所有していなければならない。
【0021】
特許文献1は、偏向器の湾曲部分を脱離することができるように、ねじを介して対応する装着アームに開放可能に接続されるという解決策を示している。
【0022】
特許文献2は、別の種類の調節可能な装着システムに関している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】米国特許第5935287号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0693460号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の目的は、偏向器を装備してガラス成形モールドのキャビティの内側でガラスゴブを案内する構成変更可能なゴブ案内ユニットを提供して、上に概説された問題の簡単かつ経済的な解決を可能にすることである。
【0025】
本発明の詳細な目的は、偏向器交換時間、概して機械停止時間の劇的な短縮を可能にする構成変更可能なゴブ案内ユニットを提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、偏向器の支持構造の単純化とオペレータが機械に滞在する時間の短縮とを可能にする構成変更可能なゴブ案内ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の目的は、ガラス製品を成形する区画において成形モールドのキャビティの内側でガラスゴブを案内する偏向器を装備して構成変更可能なゴブ案内ユニットを提供することであり、構成変更可能なゴブ案内ユニットは、当該キャビティごとに、それぞれの偏向器と、固定フレームに接続されるように設計され、偏向器ごとにそれぞれの装着手段を具備する支持構造とを各キャビティについて具備し、各偏向器は、
ゴブをそれぞれのキャビティへ案内する湾曲チャネルを画定する湾曲部分と、
湾曲部分から片持ち梁式に延出する2本のアームと、
アームごとに、アームに支承されているそれぞれの装着部分と、
を具備し、
各アームは、成形モールドの対応するキャビティの位置に基づいて、そして装着手段を介した支持構造への装着部分の結合を可能にするように構成されている適応部分を具備して、
使用時に成形する区画に取り付けられる偏向器及びキャビティの実際の数に関係なく、区画に取り付けられ得る偏向器の最大数、又は成形する区画で使用され得るキャビティの最大数に等しい一定数の装着手段を支持構造が具備し、構成変更可能なゴブ案内ユニットの少なくとも一つの機能的構成において、装着手段の少なくとも一つが、それぞれの偏向器について使用されないことを特徴とする。
【0028】
上記に規定された構成変更可能なゴブ案内ユニットの偏向器において、適応部分は、好ましくは湾曲部分から脱離され得る部分である。
【0029】
従属請求項2から9は、発明の詳細な実施形態を規定する。
【0030】
本発明によれば、ガラス製品を成形する区画は、請求項10に記載のようにも設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
非限定的な実施形態を示している添付図面を参照して、本発明がこれから記載される。
図1】本発明の教示による成形モールドとガラスゴブをモールドへ挿入する構成変更可能な偏向器を有するゴブ案内ユニットとを備える成形区分を、明瞭性の為に部品が取り外された平面図で概略的に示す。
図2図1のゴブ案内ユニットの側方斜視図である。
図3図2の詳細についての超拡大斜視図である。
図4図3の詳細の分解斜視図である。
図5図1と類似の図であり、図1のモールドのキャビティより少ない数のキャビティを有する成形モールドへガラスゴブを給送するように改変されたゴブ案内ユニットを示す。
図6図5のゴブ案内ユニットを側面図で示す。
図7図6の詳細についての超拡大斜視図である。
図8図7の詳細の分解斜視図である。
図9図3の詳細の変形を示す。
図10図7の詳細の変形を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1及び図2において、参照番号1は、全体として、ISマシンとして広く知られているガラス製品成形機のガラス製品を成形する区画を指す。
【0033】
成形する区画1は、やはり周知であって詳細には記載されない成形モールド3を周知の手法で支持する基部2を具備し、成形モールドは、上向きに開口して対応するガラスゴブを各々一つずつ受容するように設計されたキャビティ4を有する。
【0034】
図1及び図2に示されている例において、モールド3は方向5において互いに整列されて基準垂直軸線について対称的に配設される4個のキャビティ4を具備し、この軸線の概略は図1に参照番号6で記されている。
【0035】
区画1は、モールド3より高く配設され、周知であって添付図には示されていないゴブ分配器から流入するゴブをキャビティ4へ搬送するゴブ案内ユニット8も具備する。
【0036】
以下の記載内容から明らかになるように、ゴブ案内ユニット8は、モールド3の特徴に基づいて、特に、キャビティ4の特徴、モールド3自体でのこれらキャビティ4の数、及び/又は、基準垂直軸線6についてどのように配設されているかに基づいて構成され得る案内ユニットである。
【0037】
再び図1及び2を参照すると、ゴブ案内ユニット8は、基部2に対して固定されたフレーム9と、フレーム9により支承され、区画1に設けられ得るキャビティ4の最大数、この事例では4個に合わせて構築され、キャビティ4の数が最大数より小さい時にそのようなものとして使用される支持調節構造10とを具備する。
【0038】
上述の最大数と等しいキャビティ4の各々について、構造10は、図1に見られるように、垂直に離間していて共通垂直軸線に沿って配設される2本の垂直装着ピン12を具備する。ゴブ案内ユニット8は加えて、ゴブ分配器から始まってモールド3へのゴブの前進方向において、下向き傾斜した直線チャネルを規定する直線中空体16と、対応するキャビティ4の内側でガラスゴブを誘導する偏向器18とを具備するゴブ案内装置15を、キャビティ4ごとに具備する。
【0039】
図2、特に図3及び4を参照すると、各偏向器18は、対応する直線チャネルからのゴブを入口で受容して出口で対応するキャビティ4へゴブを誘導するように構成されている湾曲チャネル20(図4)を画定する湾曲部分19を具備する。
【0040】
図2、特に図3及び4を参照すると、各偏向器18は、関連の湾曲部分19を構造10の対応ピン12に装着する一対のアーム21も具備する。
【0041】
図3及び4を参照すると、各偏向器18の2本のアーム21は互いに垂直に離間しており、湾曲部分19から片持ち梁式に延出し、好ましくは、対応する湾曲部分19から分解されるか少なくとも一部が脱離され得るアームである。
【0042】
図2,3,4を参照すると、各アーム21は、湾曲部分19に永続的に接続されるそれぞれのブラケット22と、片側で対応するブラケット22に、反対側で対応するピン12に着脱可能に結合されるそれぞれの装着端要素23とを具備する。
【0043】
特に、各装着端要素23は、対応するブラケット22に接合する自らの接合基部24と、対応するピン12に接続する装着端部分25と、接合基部24と装着端部分25との間に介在されるステム26とを具備する。
【0044】
この装着端部分25は、垂直軸線に対して対応するピン12が係合する貫通孔27を画定するので、好都合である。
【0045】
加えて、図3及び4に見られるように、例えば一以上のクランプねじ28を介して各接合基部24は対応するブラケット22に開放可能に接続されるので、好都合である。
【0046】
こうして、例えば摩耗しているか、又は湾曲チャネル20の初期状態を回復する作業を必要とする時には、各湾曲部分19は対応する装着端要素23から容易に取り外されて、同装着端要素23は対応するピンに結合されたままか結合されていない状態で、新しい湾曲部分19と素早く交換され得る。
【0047】
同様に、前述のモールドと同数のキャビティを有するが、やはり前述のものと比較して異なる形状又はサイズのキャビティを有する新しいモールドを必要とする製造変更の際には、湾曲部分19のみが対応する装着端要素23から容易に取り外されて、例えば異なる湾曲チャネル20を有する異なる湾曲部分と素早く交換され得る。
【0048】
図5及び6は、モールド3と置き換わるモールド3Aと、偏向器18と置き換わる偏向器18Aとの使用を伴う異なる製造の為に再構成された区画1を示している。
【0049】
モールド3Aは、基準垂直軸線6について同軸に配設される中央のものを含む3個のキャビティ4Aを有し、2個の側方キャビティ4Aは、同基準垂直軸線6の両側で対称的に、また方向5に沿って測定された基準垂直軸線6から同じ距離で配設されている。
【0050】
偏向器18Aは、概念的には偏向器18と同じであって湾曲部分19Aを各々が具備し、湾曲部分は、対応するキャビティ4Aへゴブを案内するように構成され、概念的にはアーム21と同一であってそれぞれのブラケット22Aとそれぞれの装着端要素23Aとを各々が具備するアーム21Aを介して構造10に接続される。
【0051】
図5及び図6に、より明確には図7及び図8に見られる装着端要素23Aは、幾何学形状及び/又はサイズについてステム26と異なっているステム26Aを有するという事実のためだけに、装着端要素23と異なっている。
【0052】
図1及び図5の比較で直ぐに分かるように、キャビティ4,4Aの間の距離は、基準垂直軸線6からのキャビティ4,4Aの各々の距離のように互いに異なっており、一方で二つの構成でピン12の位置は無変更のままである。図5の構成では、12Aと記された一対の装着ピンが未使用のままであるのは明白である。
【0053】
本発明によれば、基準垂直軸線6からのキャビティ4,4Aの距離における上述の差は、実際にはアームの適応部分を規定する装着端要素23Aのステム26Aの幾何学形状/サイズが異なっていることで簡単に補正され、このことは、区画1に設けられるキャビティ4,4Aの数とは関係なく、また概して、異なるガラス製品を生産する区画1の各再構成とは関係なく、構造10を無変更のままにすることを可能にする。
【0054】
その結果、周知の解決法に対して、構造10は、一方では大いに単純化されて、製造変更が発生した時に改変されることは決してなく、他方では機械で行われる区画1の再構成作業は劇的に軽減される。
【0055】
これは、装着端要素23,23A、そして基本的には、区画に取り付けられるモールドのキャビティの数に応じて、及び/又は、基準垂直軸線6についての各キャビティの位置に応じて予め設計されたステム26,26Aの存在によるものである。これにより、周知の解決法ではゴブ案内ユニットについての構成作業が機械において行われていたが、これらの作業を機械の外側で行なうことを可能にする。
【0056】
さらに、対応する湾曲部分19から分離されて同湾曲部分19に開放可能に結合される装着端要素の使用は、第一に、同湾曲チャネルの日常的な保守の湾曲チャネルを画定する湾曲部分の容易な交換を、そして第二に、各製造変更時に、特に、新しい製造が、キャビティ4の最大数より少数のキャビティを有するモールドの使用を伴う時に、極めて短時間の、また特に容易な手法での区画の再構成を可能にする。
【0057】
上記から、ユーザにとっての利点は区画が再構成される時に明白である。事実、ユーザは、区画の使用と同時に、製造変更の為に新しい偏向器を準備し、前述の製造が終了すると、偏向器18を機械から開放し、準備された新しい偏向器と直ぐに係合させることができ、時間の、また労力についての大きな節約となるが、とりわけ、機械停止を劇的に縮小する。
【0058】
これに加えて、周知の構成モードに対して、いずれにしても、偏向器を支持する構造10を改変する必要はなく、つまり周知の解決法のように同部品を除去及び/又は交換することなく、偏向器の再構成が成形する区画の完全に外側で行われるので、再構成オペレータの機械で(不快な状態で)の作業は非常に短時間に過ぎない。
【0059】
上記から、4キャビティのモールドを備える区画から3キャビティのモールドを備える区画への変更について記載された成形する区画の再構成が、キャビティの数の変更、例えば3個のキャビティから2個のキャビティ、又は3個のキャビティから1個のキャビティへの変更を必要とする再構成にも適用されることは明白である。
【0060】
上記から、最後に、アーム21が製作される手法は上に記載されたものと異なっていてもよいが、アームを構成変更可能にするように、異なる長さ及び/又は形状を持つ他の利用可能な部分からアームの少なくとも一部分を選択可能にするという原則に常に従っていることは明白であると思われる。特に、接合部又は急速継手を使用することにより、装着端要素23が対応する湾曲部分19に接続されてもよい。
【0061】
そして、上記から、図9及び図10に示されているように、アーム21が一つの部材から成って、短時間での、とりわけ、構造10を改変する必要のない製造変更を可能にし、区画1で使用され得る最大数のキャビティに合わせて常に構築されて、実際に使用されるキャビティの数が上述したキャビティの最大数より少ない時には少なくとも一対のピン12が未使用のままであることは明白であると思われる。
【0062】
事実、図3及び図7に示されているアーム12のように、図9及び図10に示されているアームは、ステム27と全く同じように構成されて、それぞれがステム26Aと同じように最大数のキャビティから少数のキャビティへの(あるいはその逆の)変更をやはり可能にする対応する適応部分H及びKも具備している。
【符号の説明】
【0063】
1 成形する区画
2 基部
3A モールド
4 キャビティ
6 垂直軸線
8 ゴブ案内ユニット
9 フレーム
10 支持調節構造
12,12A 垂直装着ピン
15 ゴブ案内装置
16 直線中空体
18,18A 偏向器
19,19A 湾曲部分
20 湾曲チャネル
21,21A アーム
22,22A ブラケット
23,23A 装着端要素
24 接合基部
25 装着端部分
26,26A ステム
27 貫通孔
28 クランプねじ
H 適応部分
K 適応部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】