(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050481
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】貨物スペースを含む車両
(51)【国際特許分類】
G08B 21/00 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
G08B21/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023160110
(22)【出願日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】22465555
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】10 2022 210 373.4
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】522388073
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ テクロノジーズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive Technologies GmbH
【住所又は居所原語表記】Vahrenwalder Str. 9, 30165 Hannover, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エミール パンテリモン
【テーマコード(参考)】
5C086
【Fターム(参考)】
5C086AA60
5C086BA22
5C086DA08
5C086FA06
5C086FA18
(57)【要約】
【課題】貨物スペースを含む車両を提供する。
【解決手段】本発明は、貨物スペース6を含み、且つ貨物スペース6内の貨物8を検知するための貨物監視システムを含む車両1であって、貨物監視システムは、第1のセンサデバイス10と、第2のセンサデバイス12と、評価装置14とを有する、車両1に関する。貨物スペース内の貨物の移動を確実に検知するために、第1のセンサデバイス10は、第1の位置で貨物8を感知するように構成され、第2のセンサデバイス12は、第1の位置から離間される第2の位置で貨物8を感知するように構成され、及び評価装置14は、第1のセンサデバイス10及び第2のセンサデバイス12による貨物8の感知の時系列順に基づいて警告信号を出力するように構成されることが提案される。更に、本発明は、車両1の貨物スペース6内の貨物8の移動を検知する方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)、特に陸上車両、特に商用車両であって、貨物スペース(6)を含み、且つ前記貨物スペース(6)内の貨物(8)を検知するための貨物監視システムを含み、前記貨物監視システムは、第1のセンサデバイス(10)と、第2のセンサデバイス(12)と、評価装置(14)とを有し、前記第1のセンサデバイス(10)は、第1の位置で前記貨物(8)を感知するように構成され、前記第2のセンサデバイス(12)は、前記第1の位置から離間される第2の位置で前記貨物を感知するように構成され、前記評価装置(14)は、前記第1のセンサデバイス(10)及び前記第2のセンサデバイス(12)による前記貨物(8)の感知の時系列順に基づいて警告信号を出力するように構成される、車両(1)、特に陸上車両、特に商用車両。
【請求項2】
前記第2のセンサデバイス(12)は、前記貨物スペース(6)の貨物スペース境界(16)において前記貨物(8)を感知するように構成され、前記第1のセンサデバイス(10)は、前記貨物スペース境界(16)からある距離において前記貨物(8)を感知するように構成され、前記評価装置(14)は、前記貨物(8)が最初に前記第1のセンサデバイス(10)によって感知され、次いで前記第2のセンサデバイス(12)によって感知され、且つ次いで前記第1のセンサデバイス(10)によってもはや感知されない場合、前記警告信号又は追加的な警告信号を出力するように構成される、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記貨物スペース境界(16)は、前記貨物スペース(6)の積載開口部である、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記第1のセンサデバイス(10)及び/又は前記第2のセンサデバイス(12)は、それぞれセンサの列を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両。
【請求項5】
前記第1のセンサデバイス(10)及び/又は前記第2のセンサデバイス(12)は、それぞれ前記貨物スペース(6)の貨物スペース床(24)又は前記貨物スペース(6)の貨物スペース天井(26)に配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両。
【請求項6】
前記第1のセンサデバイス(10)は、少なくとも1つの光学センサを有し、及び/又は前記第2のセンサデバイス(12)は、少なくとも1つの光学センサを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の車両。
【請求項7】
動作監視デバイス(28)を有し、前記動作監視デバイス(28)は、前記車両(1)の動作状態を感知するように構成され、前記評価装置(14)は、前記動作監視デバイス(28)によって感知された前記車両(1)の前記動作状態に基づいて前記警告信号を出力するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の車両。
【請求項8】
車両(1)、特に請求項1~7のいずれか一項に記載の車両(1)の貨物スペース(6)内の貨物(8)の移動を検知する方法であって、前記貨物(8)は、前記貨物スペース(6)内の第1の位置で感知され、前記貨物(8)は、前記貨物スペース(6)内において、前記第1の位置から離間された第2の位置で感知され、警告信号は、前記貨物(8)が、時系列順に、最初に前記2つの位置の一方で感知され、且つ次いで前記2つの位置の他方の位置で感知される場合に生成される、方法。
【請求項9】
前記第2の位置は、前記貨物スペース(6)の貨物スペース境界(16)に配置され、及び前記第1の位置は、前記貨物スペース境界(16)からある距離に配置され、前記警告信号又は追加的な警告信号は、前記貨物(8)が最初に前記第1の位置で感知され、次いで前記第2の位置で感知され、且つ次いで前記第1の位置でもはや感知されない場合に生成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記生成される警告信号は、視覚信号及び/又は可聴信号である、請求項8又は9に記載に記載の方法。
【請求項11】
前記車両(1)の動作状態が感知され、前記警告信号は、前記検知された動作状態が前記車両(1)の運転動作である場合にのみ生成される、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物スペースを含み、且つ貨物スペース内の貨物を検知するための貨物監視システムを含む車両であって、貨物監視システムは、第1のセンサデバイスと、第2のセンサデバイスと、評価装置とを有する、車両に関する。更に、本発明は、車両の貨物スペース内の貨物の移動を検知する方法であって、貨物は、貨物スペース内の第1の位置で感知される、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような車両は、商用車両、すなわちトラックとして知られ、センサデバイスは、車両の後部領域内の貨物が貨物領域から落下したか否かを検知するために使用される。このような貨物の喪失が発生した場合、商用車両の運転者は、従って、例えば警告メッセージによってそれを通知され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、貨物スペース内の貨物の移動を確実に検知することを可能にする、冒頭で述べた種類の車両を提供することである。加えて、本発明の目的は、車両の貨物スペース内の貨物の移動を検知する信頼性の高い方法を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の第1の目的は、第1のセンサデバイスが、第1の位置で貨物を感知するように構成され、第2のセンサデバイスが、第1の位置から離間される第2の位置で貨物を感知するように構成され、及び評価装置が、第1のセンサデバイス及び第2のセンサデバイスによる貨物の感知の時系列順に基づいて警告信号を出力するように構成されることにおいて、本発明によって達成される。
【0005】
本発明による車両の特に有利な点は、例えば、貨物が貨物スペースから落下した場合にのみ警告が発せられるのではなく、貨物が第1のセンサデバイス及び第2のセンサデバイスによって異なる時点で感知されるため、貨物が移動していることが検知された(すなわち評価装置によって検知された)場合に既に警告信号が出力されていることである。従って、本発明による車両において、例えば車両の不安定な走行状態を、貨物が滑るために既に極めて早い段階で予測できると共に、前記状態が警告信号につながり得ることが有利である。本発明は、例えば、車両の運転者が利用できる情報を向上させるだけでなく、特に車両の運転安全性及び追加的に道路の安全性も高める。
【0006】
車両は、特に商用自動車、例えばトラック若しくはトラクターユニット又は商用自動車トレーラー、例えば連結式ドローバートレーラー又はセミトレーラーであり得、すなわち、車両は、必ずしも自走式である必要はない。車両は、例えば、トラック及びトレーラーで構成された連結車両又は例えばトラクターユニット及びセミトレーラーで構成された連結車両であり得る。貨物スペースは、例えば、上部が閉じていても又は開いていてもよい。貨物は、好ましくは、一般貨物、例えば多少立方体の積み荷(例えば、積載された輸送パレット)である。しかし、貨物は、原則として、バラ積み貨物であり得る。
【0007】
第1のセンサデバイスは、特に第1の時点において第1の位置で貨物を感知するように構成され、第2のセンサデバイスは、特に第1の時点と異なる別の第2の時点において第2の位置で貨物を感知するように構成される。第2の位置は、第1の位置から離間され、すなわち、従って、第1の位置と第2の位置とは、異なる。
【0008】
評価装置は、第1のセンサデバイス及び第2のセンサデバイスによる貨物の感知の時系列順に基づいて警告信号を出力するように構成される。すなわち、貨物は、最初に、2つのセンサデバイスの一方によって感知され、且つ次いで他方のセンサデバイスによって感知される。
【0009】
警告信号は、例えば、車両の運転者に対して車両内の運転者のワークステーションに表示される視覚信号又は例えば可聴信号であり得る。2つのセンサデバイスが異なる時点で貨物を感知することは、貨物の移動の兆候であり、警告信号の出力につながる。
【0010】
本発明の1つの有利な発展形態によれば、第2のセンサデバイスは、貨物スペースの貨物スペース境界で貨物を感知するように構成され、且つ第1のセンサデバイスは、貨物スペース境界からある距離において貨物を感知するように構成され、及び評価装置は、貨物が最初に第1のセンサデバイスによって感知され、次いで第2のセンサデバイスによって感知され、且つ次いで第1のセンサデバイスによってもはや感知されない場合、警告信号又は追加的な警告信号を出力するように構成される。これは、例えば、貨物が滑ることが一般に警告信号につながるだけでなく、警告信号が、貨物が貨物スペース境界で移動していることを示し、従って貨物が既に失われたか又は少なくとも失われようとしていることを追加的に示す点で特に有利である。この発展形態では、警告信号は、従って、追加的に貨物喪失信号でもある。この発展形態による警告信号は、警告信号が一般に貨物の移動を示し、追加的な警告信号が貨物の喪失を示すように、追加的な警告信号であることも代替的に可能である。この発展形態によれば、第2のセンサデバイスは、貨物スペース境界で貨物を感知するように構成され、これは、貨物スペース境界から短い距離又は貨物スペース境界の近くで若しくは貨物スペース境界に近接して貨物を感知することを含む。貨物スペースは、貨物スペース境界で開いて(例えば、開いた貨物エリアを有して)いても、又は閉じて(例えば、貨物スペースのドア若しくはテールリフト又は車両パネルによって区切られて)いてもよい。この発展形態によれば、第1のセンサデバイスは、貨物スペース境界からある距離において、すなわち貨物スペース境界から第2のセンサデバイスよりも遠い距離において貨物を感知するように構成される。
【0011】
貨物スペース境界は、例えば、車両のサイドパネルによって形成されると考えられる。対照的に、本発明の一発展形態に従い、貨物スペース境界が貨物スペースの積載開口部である場合に特に有利である。その貨物スペース境界は、車両への積み込み及び積み下ろし時に必然的に生じる規則的な開閉のため、その安定性の観点から最も脆弱であり、そのため、特に信頼性の高い方法で監視することができる。貨物スペース境界は、例えば、貨物スペースのドア又は例えば貨物スペースのテールゲート、例えばテールリフトによって閉じることができる。この場合、貨物スペース境界は、閉じた状態の貨物スペースドア又は閉じた状態の貨物スペーステールゲートによって形成される。貨物が移動している場合、そのような貨物スペースドア又は貨物スペーステールゲートが特に閉じられた後に適切にロックされていない場合、貨物によって押し開けられるリスクがあり、その結果、貨物が貨物スペースから落下するリスクがある。
【0012】
本発明の別の発展形態に従い、第1のセンサデバイス及び/又は第2のセンサデバイスがそれぞれセンサの列を有する、すなわち各々のセンサデバイスのセンサ素子が直線的に配置される場合、貨物監視システムの設計を簡素化すると同時に、貨物の移動を効果的に感知することが有利に実現される。センサの列は、少なくとも2つのセンサ素子を有する。
【0013】
本発明の有利な一発展形態によれば、第1のセンサデバイス及び/又は第2のセンサデバイスは、それぞれ貨物スペースの貨物スペース床又は貨物スペースの貨物スペース天井に配置される。このように、各々のセンサデバイスが例えば積み込み及び積み下ろし作業中又は貨物自体によって損傷されるリスクを効果的に低減することができる。このようなセンサデバイスは、例えば、反射光バリアを有し、その送信機及び受信機は、貨物スペース天井に配置される。
【0014】
本発明の別の有利な発展形態に従い、第1のセンサデバイスが少なくとも1つの光学センサを有し、及び/又は第2のセンサデバイスが少なくとも1つの光学センサを有する場合、貨物監視システムの特に安価且つ簡素な設計を実現することができる。光学センサを有するこのようなセンサデバイスは、例えば、画像評価装置又は光バリアを含むカメラであり得るか又はそれを有し得る。
【0015】
本発明の別の有利な発展形態によれば、車両は、動作監視デバイスを有し、動作監視デバイスは、車両の動作状態を感知するように構成され、及び評価装置は、動作監視デバイスによって感知された車両の動作状態に基づいて警告信号を出力するように構成される。このような動作状態は、例えば、静止状態又は車両の走行であり得る。本発明による警告信号は、任意選択的に存在し得る上述の追加的な警告信号にも同じことが当てはまるが、動作監視デバイスによって感知された車両の動作状態に基づいて評価装置によって出力される。動作監視デバイス及び車両の動作状態の感知を有利に且つ追加的に用いて、例えば貨物の移動が自然に生じる積み込み又は積み下ろし作業中の誤報告(すなわち誤解を招く警告信号)を防止することができる。
【0016】
上述の第2の目的は、冒頭で述べた種類の方法によって本発明に従って実現され、貨物は、貨物スペース内において、第1の位置から離間された第2の位置で感知され、及び警告信号は、貨物が、時系列順に、最初に2つの位置の一方で感知され、且つ次いで2つの位置の他方の位置で感知される場合に生成される。この場合、第1のセンサデバイスは、好ましくは、第1の位置で貨物を感知するために使用される。第2のセンサデバイスは、好ましくは、第2の位置で貨物を感知するために使用される。貨物は、従って、特に最初に第1のセンサデバイスにより、且つ次いでその後、第2のセンサデバイスにより時系列順に感知される。本発明に従って提供される時系列順のため、警告信号は、貨物が移動した場合に発せられる。
【0017】
本発明の1つの有利な発展形態によれば、第2の位置は、貨物スペースの貨物スペース境界に配置され、且つ第1の位置は、貨物スペース境界からある距離に配置され、及び警告信号又は追加的な警告信号は、貨物が最初に第1の位置で感知され、次いで第2の位置で感知され、且つ次いで第1の位置でもはや感知されない場合に生成される。このように、警告信号又は追加的な警告信号は、追加的に、貨物喪失信号でもある。
【0018】
本発明の別の有利な発展形態によれば、信号生成を簡単にし、警告信号を例えば車両運転者によって容易に検知可能にすることを目的として、生成される警告信号は、視覚信号及び/又は可聴信号である。任意選択的に存在し得る上述の追加的な警告信号についても同様である。視覚信号は、例えば、車両の運転者のワークステーションのディスプレイ上の記号が点灯することであり得る。可聴信号は、例えば、運転者のワークステーションのスピーカー等の音声要素による警告音の出力であり得る。
【0019】
本発明の別の有利な発展形態によれば、車両の動作状態が感知され、及び警告信号は、検知された動作状態が車両の運転動作である場合にのみ生成される。任意選択的に存在し得る上述の追加的な警告信号に関しても同様である。動作状態は、例えば、車両の静止状態又は車両の走行である。運転動作は、車両の走行に対応する。運転動作は、例えば、車両の動作監視デバイスによって検知され得る。本発明のこのような発展形態により、有利には、例えば車両への積み込み又は積み下ろし作業中の誤った報告、特に誤解を招く警告信号の防止も追加的に可能になる。
【0020】
本発明は、本発明による車両の発展形態に関連して既に述べたような特徴を有する、本発明による方法の発展形態も含み、逆も同様である。このため、本発明による方法又は本発明による車両の対応する発展形態についてここで再び述べない。
【0021】
本発明は、記述した実施形態の特徴の組み合わせも含む。
【0022】
本発明の例示的な実施形態について、簡略図及び概略図に基づいて以下でより詳細に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】貨物監視システムを含む車両の側面図を示す。
【
図4】第1の位置に貨物を積んだセミトレーラーを示す。
【
図5】
図4によるセミトレーラーを、第2の位置に貨物を積んだ状態で示す。
【
図6】
図4によるセミトレーラーを、第3の位置に貨物を積んだ状態で示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
全ての図において、対応する要素に同じ参照符号が付与されている。
【0025】
図1は、車両1の側面図を示し、車両1は、この例示的な実施形態において、商用車両、すなわち具体的には連結車両、ここではセミトレーラー4が取り付けられたトラクターユニット2の形態である。車両1、すなわちより具体的には車両1のセミトレーラー4は、貨物スペース6及び貨物スペース6内の貨物8を検知するための貨物監視システムを有する。
【0026】
貨物監視システムは、第1のセンサデバイス10及び第2のセンサデバイス12を有する。更に、貨物監視システムは、評価装置14を有する。ここに示す例示的な実施形態において、評価装置14は、車両1のトラクターユニット2内に配置される。しかし、代替的な例示的実施形態において、評価装置14は、例えば、セミトレーラー4内に配置され得る。
【0027】
第1のセンサデバイス10は、セミトレーラー4の貨物スペース6内の第1の位置で貨物8を感知するように構成される。第2のセンサデバイス12は、セミトレーラー4の貨物スペース6内において、第1の位置から離間される第2の位置で貨物8を感知するように構成される。評価装置14は、第1のセンサデバイス10及び第2のセンサデバイス12による貨物8の感知の時系列順に基づいて警告信号を出力するように構成される。
【0028】
ここに示す構成において、警告信号は、従って、貨物スペース6の貨物スペース境界16に向かって貨物8が移動する場合に出力される。貨物スペース境界16は、ここで、貨物スペース6の積載開口部によって形成される。この例示的な実施形態において、貨物スペース開口部は、貨物スペースドア18、20(
図3を参照されたい)によって閉じられ、それにより、貨物スペースドア18、20も、ここに示す閉じた状態で貨物スペース境界16を形成する。
【0029】
第2のセンサデバイス12は、貨物スペース6の貨物スペース境界16で貨物8を感知するように構成され、第1のセンサデバイス10は、貨物スペース境界16からある距離において貨物8を感知するように構成される。更に、この例示的な実施形態において、評価装置14は、貨物8が最初に第1のセンサデバイス10によって感知され、次いで第2のセンサデバイス12によって感知され、且つ最後に第1のセンサデバイス10によってもはや感知されない場合、追加的な警告信号を出力するように構成される。
【0030】
この追加的な警告信号は、貨物スペース6内の貨物8が貨物スペース境界16に向かって、すなわち明快さのために
図1に描かれた両頭矢印22の右側矢印の方向に移動し、貨物8の更なる移動の過程で貨物スペース境界16を横断し、従って貨物スペース6から脱落したか又は少なくとも貨物スペース6から脱落直前であることを意味するため、貨物損失信号である。この例示的な実施形態において、貨物8は、移動するにつれて貨物スペースドア18、20を押し開く。
【0031】
この例示的な実施形態において、第1のセンサデバイス10及び第2のセンサデバイス12の両方は、それぞれセンサの列を有する(
図2を参照されたい)。第1のセンサデバイス10は、ここで、貨物スペース6の貨物スペース床24に配置される。第2のセンサデバイス12は、貨物スペース6の貨物スペース天井26に配置される。一例として、第1のセンサデバイス10及び/又は第2のセンサデバイス12は、反射光バリアの列を有するか又は例えば光格子の形態であり得る。
【0032】
車両1は、動作監視デバイス28を更に含む。動作監視デバイス28は、信号発信目的で評価装置14に接続される。動作監視デバイス28は、車両1の動作状態を感知するように構成され、評価装置14は、動作監視デバイス28によって感知された車両1の動作状態に基づいて警告信号及び追加的な警告信号を出力するように構成される。
【0033】
警告信号(追加的な警告信号も同様)は、例えば、車両1のトラクターユニット2内の運転者のワークステーション30に配置されたディスプレイによって視覚的に表示することができる。一例として、警告信号は、代替的又は追加的に、例えば運転者のワークステーション30に配置された音声要素によって車両1の運転者に音声で知らせることもできる。
【0034】
図4~
図6は、車両1(
図1を参照されたい)の貨物スペース6、すなわちここではセミトレーラー4の貨物スペース6内での貨物8の移動を検知する方法のシーケンスを示す。貨物8は、最初に、第1のセンサデバイス10により、貨物スペース6内の第1の位置(
図4を参照されたい)で感知される。第1の位置は、貨物スペース境界16からある距離に配置される。
【0035】
貨物8は、次いで、貨物スペース6内において、第1の位置から離間される第2の位置で第2のセンサデバイス12によって感知される(
図5を参照されたい)。貨物スペース6内での貨物8の移動を示す警告信号が生成されて、例えば車両の運転者に出力される。第2の位置は、貨物スペース6の貨物スペース境界16、すなわちより具体的には貨物スペース6の貨物スペース境界16に近接して配置される。
【0036】
次の方法ステップにおいて、貨物8は、矢印32の方向(
図4を参照されたい)に貨物スペース6から移動するに従い、貨物8が第2のセンサデバイス12によって第2の位置で感知され続けるが、第1のセンサデバイス10によって第1の位置で感知されなくなる(
図6を参照されたい)。この場合、警告信号が生成され、警告信号は、貨物紛失信号であり、貨物8が貨物スペース6から完全に脱落したか又は少なくとも脱落直前であることを示す。
【0037】
この警告信号は、貨物スペース6内での貨物8の移動を示す単一の警告信号の形式(例えば、視覚信号の形式において、例えば点滅頻度を上げながら又は例えば可聴信号の形式で音量を増大させながら)で生成されるか、又は
図1~3について上で述べたように追加的な警告信号であり得る。
【0038】
例示的な実施形態に基づいて示したように、車両1の貨物スペース6内の貨物8が移動した場合及び追加的且つ任意選択的に貨物8が貨物スペース6から脱落した場合でも、車両1の簡単な手段を用いて且つ同様に簡単な方法で警告信号が確実に生成される。
【符号の説明】
【0039】
1 車両
2 トラクターユニット
4 セミトレーラー
6 貨物スペース
8 貨物
10 第1のセンサデバイス
12 第2のセンサデバイス
14 評価装置
16 貨物スペース境界
18 貨物スペースドア
20 貨物スペースドア
22 両頭矢印
24 貨物スペース床
26 貨物スペース天井
28 動作監視デバイス
30 ワークステーション
32 矢印
【手続補正書】
【提出日】2023-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)、特に陸上車両、特に商用車両であって、貨物スペース(6)を含み、且つ前記貨物スペース(6)内の貨物(8)を検知するための貨物監視システムを含み、前記貨物監視システムは、第1のセンサデバイス(10)と、第2のセンサデバイス(12)と、評価装置(14)とを有し、前記第1のセンサデバイス(10)は、第1の位置で前記貨物(8)を感知するように構成され、前記第2のセンサデバイス(12)は、前記第1の位置から離間される第2の位置で前記貨物を感知するように構成され、前記評価装置(14)は、前記第1のセンサデバイス(10)及び前記第2のセンサデバイス(12)による前記貨物(8)の感知の時系列順に基づいて警告信号を出力するように構成される、車両(1)、特に陸上車両、特に商用車両。
【請求項2】
前記第2のセンサデバイス(12)は、前記貨物スペース(6)の貨物スペース境界(16)において前記貨物(8)を感知するように構成され、前記第1のセンサデバイス(10)は、前記貨物スペース境界(16)からある距離において前記貨物(8)を感知するように構成され、前記評価装置(14)は、前記貨物(8)が最初に前記第1のセンサデバイス(10)によって感知され、次いで前記第2のセンサデバイス(12)によって感知され、且つ次いで前記第1のセンサデバイス(10)によってもはや感知されない場合、前記警告信号又は追加的な警告信号を出力するように構成される、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記貨物スペース境界(16)は、前記貨物スペース(6)の積載開口部である、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記第1のセンサデバイス(10)及び/又は前記第2のセンサデバイス(12)は、それぞれセンサの列を有する、請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記第1のセンサデバイス(10)及び/又は前記第2のセンサデバイス(12)は、それぞれ前記貨物スペース(6)の貨物スペース床(24)又は前記貨物スペース(6)の貨物スペース天井(26)に配置される、請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記第1のセンサデバイス(10)は、少なくとも1つの光学センサを有し、及び/又は前記第2のセンサデバイス(12)は、少なくとも1つの光学センサを有する、請求項1に記載の車両。
【請求項7】
動作監視デバイス(28)を有し、前記動作監視デバイス(28)は、前記車両(1)の動作状態を感知するように構成され、前記評価装置(14)は、前記動作監視デバイス(28)によって感知された前記車両(1)の前記動作状態に基づいて前記警告信号を出力するように構成される、請求項1に記載の車両。
【請求項8】
車両(1)、特に請求項1~7のいずれか一項に記載の車両(1)の貨物スペース(6)内の貨物(8)の移動を検知する方法であって、前記貨物(8)は、前記貨物スペース(6)内の第1の位置で感知され、前記貨物(8)は、前記貨物スペース(6)内において、前記第1の位置から離間された第2の位置で感知され、警告信号は、前記貨物(8)が、時系列順に、最初に前記2つの位置の一方で感知され、且つ次いで前記2つの位置の他方の位置で感知される場合に生成される、方法。
【請求項9】
前記第2の位置は、前記貨物スペース(6)の貨物スペース境界(16)に配置され、及び前記第1の位置は、前記貨物スペース境界(16)からある距離に配置され、前記警告信号又は追加的な警告信号は、前記貨物(8)が最初に前記第1の位置で感知され、次いで前記第2の位置で感知され、且つ次いで前記第1の位置でもはや感知されない場合に生成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記生成される警告信号は、視覚信号及び/又は可聴信号である、請求項8に記載に記載の方法。
【請求項11】
前記車両(1)の動作状態が感知され、前記警告信号は、前記検知された動作状態が前記車両(1)の運転動作である場合にのみ生成される、請求項8に記載の方法。
【外国語明細書】