(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050493
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】真空収容袋及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/07 20170101AFI20240403BHJP
D06M 17/00 20060101ALI20240403BHJP
D06M 17/10 20060101ALI20240403BHJP
D06M 17/06 20060101ALI20240403BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240403BHJP
B32B 27/12 20060101ALI20240403BHJP
B65D 30/24 20060101ALI20240403BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B65D85/07
D06M17/00 K
D06M17/10
D06M17/06
B32B27/00 H
B32B27/12
B65D30/24 U
B65D33/25 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023165228
(22)【出願日】2023-09-27
(31)【優先権主張番号】202211201651 .8
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523369606
【氏名又は名称】江蘇金恒祥包装有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】張金祥
【テーマコード(参考)】
3E064
3E068
4F100
4L032
【Fターム(参考)】
3E064BA09
3E064BA26
3E064BA40
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC08
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3E064HD10
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3E068CC22
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3E068DD40
3E068DE15
3E068EE09
4F100AK01
4F100AK01B
4F100AK04
4F100AK04B
4F100AK41
4F100AK41B
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4F100AR00C
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4F100JM01C
4L032AA05
4L032AB01
4L032AB07
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4L032BA05
4L032BA09
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4L032BD01
4L032DA00
4L032EA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、真空収容袋及びその製造方法を開示する。
【解決手段】真空収容袋は、袋体を含み、前記袋体には、エアー抜きコックと、シールスライドファスナーとが設けられ、前記袋体は、内膜層と外膜層とが接着により複合化したものであり、前記内膜層の表面には、バリア層が設けられ、前記外膜層の材質は、布地であり、本発明の真空収容袋は、布地とPE膜とを用いて製造されたものであり、布地が柔軟で折り曲げに強く、分厚く耐摩耗し、脆化しにくく、耐用年数が長く、また、真空収容袋を製造する本出願の布地及びPE膜の種類が比較的に多く、必要に応じて選択することができ、さらに製造された真空収容袋の適用範囲をより広くすることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空収容袋であって、前記真空収容袋は、袋体を含み、前記袋体には、エアー抜きコックと、シールスライドファスナーとが設けられ、
前記袋体は、内膜層と外膜層とが接着により複合化したものであり、前記内膜層の表面には、バリア層が設けられ、
前記外膜層の材質は、布地である、ことを特徴とする真空収容袋。
【請求項2】
前記布地の種類は、ポリエステル類、布帛類、不織布類及びポリエステル綿混紡類を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の真空収容袋。
【請求項3】
前記内膜層の材質は、普通PE膜、強化PE膜、流延PE膜又は多層共押出PE膜である、ことを特徴とする請求項1に記載の真空収容袋。
【請求項4】
前記接着に用いられる接着剤は、水性複合接着剤、ホットメルト接着剤、ポリウレタン接着剤又はオイルゲルである、ことを特徴とする請求項1に記載の真空収容袋。
【請求項5】
前記バリア層の材質は、PVAエマルジョン又はその他のバリア効果を有するエマルジョンである、ことを特徴とする請求項1に記載の真空収容袋。
【請求項6】
(a)PE膜に対してコロナ処理を行い、さらに水性PVAエマルジョンをPE膜表面に塗布した後、トンネル乾燥で乾燥させ、内膜層を得ることと、
(b)接着方式により布地と内膜層とを複合化して硬化成型することと、
(c)布地表面にパターンを印刷し、布プラスチックフィルム材を得ることと、
(d)布プラスチックフィルム材にて切り欠き、エアー抜きコックを取り付けた後、製袋機を用いてエッジシール、底部シール及びスライドファスナーシールを行い、前記真空収容袋を得ることと、を含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の真空収容袋の製造方法。
【請求項7】
前記ステップ(a)において、トンネル乾燥の乾燥温度は60~90℃であり、トンネル乾燥長さは15m以上であり、移動速度は40~50m/minである、ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記ステップ(b)において、硬化成型温度は45~60℃であり、時間は12~36hである、ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
前記ステップ(b)において、接着に用いられる接着剤がホットメルト接着剤である場合、接着方式により布地と内膜層とを複合化することは、具体的に、
ホットメルト接着剤を溶融して布地の表面に塗布してから、コロナした後の内膜層を布地の表面に圧着することを含み、
接着に用いられる接着剤が水性複合接着剤又はポリウレタン接着剤である場合、接着方式により布地と内膜層とを複合化することは、具体的には、
水性複合接着剤又はポリウレタン接着剤を布地の表面に塗布した後、トンネル乾燥で乾燥させてから、コロナした後の内膜層を布地の表面に圧着することを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項10】
前記ステップ(d)において、底部シール及びエッジシール時の製袋機のホットナイフの温度は150~180℃であり、スライドファスナーシール時の製袋機のホットナイフの温度は160~190℃である、ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空収容袋の技術分野に関し、具体的には、真空収容袋及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空圧縮袋は、その名の通り、空気を吸引して空気圧で自然圧縮する袋である。簡単に言えば、真空圧縮袋は、主に綿布団や様々な衣類を収納するための袋の一つである。真空圧縮袋は、防湿、防カビ、虫食い防止、異臭防止などの特徴を有する。
【0003】
従来の真空圧縮袋の製造材料は、大きく分けて二種類の組み合わせがあり、1つは、PE材料+ナイロン材料を複合化したものであり、このような組み合わせは、1がPE材料が脆化し壊れやすく、ナイロン材料が高価であり、2が後期の回収時にPE材料+ナイロン材料が融合せず、回収できず、環境保護性能が悪く、2つは、PE材料+PET材料を複合化したものであり、このような組み合わせの利点は、比較的低価格であるが、同様に材料が脆化し壊れやすい現象が存在し、通気率が120ccm2/24hと高く、一回の使用後に再使用しにくく、無駄が大きい。
【0004】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、真空収容袋及びその製造方法を提供し、該真空収容袋は、布地とPE膜とを用いて製造されたものであり、布地が柔軟で折り曲げに強く、分厚く耐摩耗し、脆化しにくく、耐用年数が長く、また、真空収容袋を製造する本出願の布地及びPE膜の種類が比較的に多く、必要に応じて選択することができ、さらに製造された真空収容袋の適用範囲をより広くすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的を達成するために、以下の技術案を採用する:
本発明の第一の方面によれば、真空収容袋を提供し、前記真空収容袋は、袋体を含み、前記袋体には、エアー抜きコックと、シールスライドファスナーとが設けられ、
前記袋体は、内膜層と外膜層とが接着により複合化したものであり、前記内膜層の表面には、バリア層が設けられ、
前記外膜層の材質は、布地である。
【0007】
好ましくは、前記布地の種類は、ポリエステル類、布帛類、不織布類及びポリエステル綿混紡類を含む。
【0008】
好ましくは、前記内膜層の材質は、普通PE膜、強化PE膜、流延PE膜又は多層共押出PE膜である。
【0009】
好ましくは、前記接着に用いられる接着剤は、水性複合接着剤、ホットメルト接着剤、ポリウレタン接着剤又はオイルゲルである。
【0010】
好ましくは、前記バリア層の材質は、PVAエマルジョン又は他のバリア効果を有するエマルジョンである。通気率は≦10cc2/24hまで低下でき、バリア効果はPA+PE製品の5倍、PET+PE製品の12倍以上である。
【0011】
本発明の第二の方面によれば、上記真空収容袋の製造方法を提供し、前記製造方法は、
(a)PE膜に対してコロナ処理を行い、さらに水性PVAエマルジョンをPE膜表面に塗布した後、トンネル乾燥で乾燥させ、内膜層を得ることと、
(b)接着方式により布地と内膜層とを複合化して硬化成型することと、
(c)布地表面にパターンを印刷し、布プラスチックフィルム材を得ることと、
(d)布プラスチックフィルム材にて切り欠き、エアー抜きコックを取り付けた後、製袋機を用いてエッジシール、底部シール及びスライドファスナーシールを行い、前記真空収容袋を得ることと、を含む。
【0012】
好ましくは、前記ステップ(a)において、トンネル乾燥の乾燥温度は、60~90℃であり、トンネル乾燥の長さは、15m以上であり、移動速度は、40~50m/minである。
【0013】
好ましくは、前記ステップ(b)において、硬化成型温度は、45~60℃であり、時間は、12~36hである。
【0014】
好ましくは、前記ステップ(b)において、接着に用いられる接着剤がホットメルト接着剤である場合、接着方式により布地と内膜層とを複合化することは、具体的に、
ホットメルト接着剤を溶融して布地の表面に塗布してから、コロナした後の内膜層を布地の表面に圧着することを含み、
接着に用いられる接着剤が水性複合接着剤又はポリウレタン接着剤である場合、接着方式により布地と内膜層とを複合化することは、具体的には、
水性複合接着剤又はポリウレタン接着剤を布地の表面に塗布した後、トンネル乾燥で乾燥させてから、コロナした後の内膜層を布地の表面に圧着することを含む。
【0015】
好ましくは、前記ステップ(d)において、底部シール及びエッジシール時の製袋機のホットナイフの温度は、150~180℃であり、スライドファスナーシール時の製袋機のホットナイフの温度は、160~190℃である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、従来技術と比較して、少なくとも以下の有益な効果を有する。
【0017】
本発明の真空収容袋は、布地とPE膜とを用いて製造されたものであり、布地が柔軟で折り曲げに強く、分厚く耐摩耗し、脆化しにくく、耐用年数が長く、また、真空収容袋を製造する本出願の布地及びPE膜の種類が比較的に多く、必要に応じて選択することができ、さらに製造された真空収容袋の適用範囲をより広くすることができる。
【0018】
本発明の接着に用いられる接着剤の種類が比較的に多く、複数種類の異なる性能の機器で使用するのに適するとともに、異なる温度の環境要求にも適応し、また、本製品は、水エッチングにより布とPE膜を分離させることで、フィルムを回収して再利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施例を参照して本発明の技術案の実施例を詳しく説明する。以下の実施例は、本出願の技術案をより明確に説明するためのものであり、例示に過ぎず、これによって本出願の保護範囲が制限されるものではない。
【0020】
特に定義されない限り、本出願で使用される技術用語又は科学技術用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0021】
本発明の実施例は、真空収容袋を提供し、該真空収容袋は、袋体を含み、該袋体には、エアー抜きコックと、シールスライドファスナーとが設けられ、
袋体は、内膜層と外膜層とが接着により複合化したものであり、内膜層の表面には、バリア層が設けられ、
外膜層の材質は、布地である。
【0022】
本発明の真空収容袋は、布地と内膜層を用いて製造されたものであり、布地の柔軟性がより良く、壊れにくく、耐用年数が長く、また、内膜層の表面にバリア層を設けることで、空気を遮断し、真空引きを実現し、真空収容の目的を達成する。
【0023】
いくつかの実施形態では、布地の種類は、ポリエステル類、布帛類、不織布類及びポリエステル綿混紡類などを含む。布地の種類が比較的に多く、必要に応じて選択することができ、さらに製造された真空収容袋の適用範囲をより広くすることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、内膜層の材質は、普通PE膜、強化PE膜、流延PE膜又は多層共押出PE膜であってもよい。PE膜の種類が比較的に多く、必要に応じて選択することができ、さらに製造された真空収容袋の適用範囲をより広くすることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、接着に用いられる接着剤は、水性複合接着剤、ホットメルト接着剤、ポリウレタン接着剤又はオイルゲルである。本発明の真空収容袋は、複数種類の接着剤で接着することができ、複数種類の異なる性能の機器で使用するのに適するとともに、異なる温度の環境要求にも適応する。
【0026】
一実施形態では、バリア層の材質は、PVAエマルジョン又は他のバリア効果を有するエマルジョンであってもよく、空気が袋体に入ることを遮断し、且つ通気率が≦10cc2/24hに達することができる。
【0027】
本発明の実施例は、真空収容袋の製造方法をさらに提供し、該製造方法は、
(a)PE膜に対してコロナ処理を行い、さらに水性PVAエマルジョンをPE膜の表面に塗布した後、トンネル乾燥で乾燥させて、内膜層を得ることであって、テスト結果、水性PVA溶液を塗布した後に得られた内膜層の通気率は10cc2/24h以内であり、ナイロンフィルムが50cc2/24hであり、PETフィルムが120ccm2/24hであるものにより効果が複数倍に良く、また、トンネル乾燥の長さが15m以上で、PE膜の耐高温性が悪いため、一般的なトンネル乾燥温度が60~90℃の間に制御され、トンネル乾燥の長さを介して乾燥効果が達成され、また、PE膜の延伸フィルムではなく、0.5~1.5cm程度の収縮を含み、さらに乾燥温度が低いため、製造ラインの速度を40~50m/min程度に制御する必要がある、ことと;
(b)接着方式により布地と内膜層とを複合化して硬化成型することであって、布地とPE膜が接着剤により複合化された後、温度で接着剤を活性化させ、凝固させて2層の材料をしっかりと接着する必要があり、一般に、乾燥室の温度を45~60℃の間とし、硬化時間は12-~36hである、ことと;
(c)布地表面にパターンを印刷して布プラスチックフィルム材を得ることであって、印刷により製品の外観をより美しく、セールスポイントを有させる、ことと;
(d)布プラスチックフィルム材にて切り欠き、エアー抜きコックを取り付けた後、異なる大きさに応じて幅、長さを調整して製袋機のホットナイフ部に給油し、エッジシール、底部シール及びスライドファスナーシールを行い、上記真空収容袋を得る、こととを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、ステップ(b)において、接着に用いられる接着剤がホットメルト接着剤である場合、接着方式により布地と内膜層とを複合化することは、具体的に、
ホットメルト接着剤を溶融して布地の表面に塗布してから、コロナした後の内膜層を布地の表面に圧着することを含み、
接着に用いられる接着剤が水性複合接着剤又はポリウレタン接着剤である場合、接着方式により布地と内膜層とを複合化することは、具体的には、
水性複合接着剤又はポリウレタン接着剤を布地の表面に塗布した後、トンネル乾燥で乾燥させてから、コロナした後の内膜層を布地の表面に圧着することを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、ステップ(d)において、底部シール及びエッジシール時の製袋機のホットナイフの温度は150~180℃であってもよく、スライドファスナーシール時の製袋機のホットナイフの温度は160~190℃であってもよい。
【0030】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明の技術案をさらに詳しく説明する。
【実施例0031】
実施例1
本実施例は、真空収容袋であり、該真空収容袋は、袋体を含み、袋体には、エアー抜きコックと、シールスライドファスナーとが設けられ、
袋体は、内膜層と外膜層とが接着により複合化したものであり、内膜層の表面には、バリア層が設けられ、
外膜層の材質は、布地であり、
内膜層の材質は、普通PE膜であり、
接着に用いられる接着剤は、水ホットメルト接着剤であり、
バリア層の材質は、PVAエマルジョンである。