(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050515
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】熱電発電機システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H02P 9/04 20060101AFI20240403BHJP
G01K 13/024 20210101ALI20240403BHJP
H02N 11/00 20060101ALI20240403BHJP
F02C 6/10 20060101ALN20240403BHJP
【FI】
H02P9/04 F
G01K13/024
H02N11/00 A
F02C6/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023169212
(22)【出願日】2023-09-29
(31)【優先権主張番号】2214251.7
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】591005785
【氏名又は名称】ロールス・ロイス・ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】ROLLS-ROYCE PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】ジア・リー
(72)【発明者】
【氏名】ソク・ウー・リー
(72)【発明者】
【氏名】ビンセント・ビー・ジル
【テーマコード(参考)】
2F056
5H590
【Fターム(参考)】
2F056WF01
2F056WF05
5H590AA30
5H590CA08
5H590CC40
5H590CE05
5H590FC26
5H590HA15
5H590HA18
5H590HA19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】熱電発電機システム、熱電発電機システムの制御方法、およびガスタービンエンジンを提供する。
【解決手段】熱電発電機、圧縮ガスの流入を受け取り、圧縮ガスをボルテックスチューブの第1の流出口から排出される高温流と、ボルテックスチューブの第2の流出口から排出される低温流とに分離するように構成された、流入口を備えるボルテックスチューブ、センサシステム、ならびに熱電発電機の両側に配置された、第1の熱交換器および第2の熱交換器と、高温流、低温流、および第3の流体流を、スイッチ構成部に向けて別個に導くよう構成されたチューブシステムであり、低温流が第2の熱交換器に導かれ、高温流が第1の熱交換器に導かれる、第1の構成、低温流が第2の熱交換器に導かれ、第3の流体流が第1の熱交換器に導かれる、各構成の間を移行できるよう構成された、チューブシステムとを備える、ラジエータシステムを具備する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電発電機と、
ボルテックスチューブであって、圧縮ガスの流入を受け取り、前記圧縮ガスをボルテックスチューブの第1の流出口から排出される高温流と、前記ボルテックスチューブの第2の流出口から排出される低温流とに分離するよう構成された、流入口を備えるボルテックスチューブと、
前記高温流の温度を示す第1のパラメータ、前記低温流の温度を示す第2のパラメータ、および第3の流体流の温度を示す第3のパラメータを判定するよう構成された、センサシステムと、
ラジエータシステムであって、
前記熱電発電機の両側に配置された、第1の熱交換器および第2の熱交換器、および
前記高温流、前記低温流、および前記第3の流体流を、スイッチ構成部に向けて別個に導くよう構成されたチューブシステムであって、前記スイッチ構成部が、前記高温流、前記低温流、および前記第3の流体流のそれぞれを受け取り、
前記低温流が前記第2の熱交換器に導かれ、前記高温流が前記第1の熱交換器に導かれる、第1の構成、
前記低温流が前記第2の熱交換器に導かれ、前記第3の流体流が前記第1の熱交換器に導かれる、第2の構成、および
前記第3の流体流が前記第2の熱交換器に導かれ、前記高温流が前記第1の熱交換器に導かれる、第3の構成
の間を移行できるよう構成された、チューブシステム
を備える、ラジエータシステムと、
を具備する、熱電発電機システムであって、
前記熱電発電機システムが、前記第1のパラメータ、前記第2のパラメータ、および前記第3のパラメータに基づいて、前記スイッチ構成部の前記構成を制御するよう構成された制御ユニットをさらに具備する、熱電発電機システム。
【請求項2】
前記熱電発電機が、前記制御ユニットに電気的に接続され、これにより前記制御ユニットが前記熱電発電機から給電される、請求項1に記載の熱電発電機システム。
【請求項3】
前記熱電発電機によって生成された、すぐには消費され得ないエネルギーを貯蔵するための、前記熱電発電機に電気的に接続されたエネルギー貯蔵部品をさらに備える、請求項1に記載の熱電発電機システム。
【請求項4】
前記第3の構成において、前記スイッチ構成部が、前記低温流を、前記熱電発電機から給電される電子部品の部品用熱交換器に向けて、前記電子部品を冷却するよう構成される、請求項1に記載の熱電発電機システム。
【請求項5】
前記第2の熱交換器を通って導かれる流体が、前記熱電発電機から給電される電子部品の部品用熱交換器に向けられて、前記電子部品を冷却するように、前記ラジエータシステムが構成される、請求項1に記載の熱電発電機システム。
【請求項6】
前記制御ユニットが、前記低温流が前記第3の流体流よりも温度が低い場合に、前記スイッチ構成部を制御して前記第1の構成に移行させるよう構成される、請求項1に記載の熱電発電機システム。
【請求項7】
前記制御ユニットが、前記第3の流体流が前記高温流よりも温度が低い場合に、前記スイッチ構成部を制御して前記第1の構成に移行させるよう構成される、請求項6に記載の熱電発電機システム。
【請求項8】
前記制御ユニットが、前記高温流が前記第3の流体流よりも温度が低い場合に、前記スイッチ構成部を制御して前記第2の構成に移行させるよう構成される、請求項1に記載の熱電発電機システム。
【請求項9】
前記制御ユニットが、前記第3の流体流が前記低温流よりも温度が高い場合に、前記スイッチ構成部を制御して前記第2の構成に移行させるよう構成される、請求項8に記載の熱電発電機システム。
【請求項10】
前記制御ユニットが、前記第3の流体流が前記低温流よりも温度が低い場合に、前記スイッチ構成部を制御して前記第3の構成に移行させるよう構成される、請求項1に記載の熱電発電機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱電発電機システム、熱電発電機システムの制御方法、およびガスタービンエンジンを提供する。
【背景技術】
【0002】
熱電発電機システムは、熱勾配が存在するときに電圧を生成することが知られている。熱電発電機を、ガスタービンエンジンの圧縮機の筐体などの熱勾配の大きい場所に設置すると、たとえば推力の損失が生じ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様によれば、
熱電発電機と、
圧縮ガスの流入を受け取り、圧縮ガスをボルテックスチューブの第1の流出口から排出される高温流と、ボルテックスチューブの第2の流出口から排出される低温流とに分離するよう構成された、流入口を備えるボルテックスチューブと、
高温流の温度を示す第1のパラメータ、低温流の温度を示す第2のパラメータ、および第3の流体流の温度を示す第3のパラメータを判定するよう構成された、センサシステムと、
ラジエータシステムであって、
熱電発電機の両側に配置された、第1の熱交換器および第2の熱交換器、および
高温流、低温流、および第3の流体流を、スイッチ構成部に向けて別個に導くよう構成されたチューブシステムであって、スイッチ構成部が、高温流、低温流、および第3の流体流のそれぞれを受け取り、
低温流が第2の熱交換器に導かれ、高温流が第1の熱交換器に導かれる、第1の構成、
低温流が第2の熱交換器に導かれ、第3の流体流が第1の熱交換器に導かれる、第2の構成、および
第3の流体流が第2の熱交換器に導かれ、高温流が第1の熱交換器に導かれる、第3の構成
の間を移行できるよう構成された、チューブシステム
を備える、ラジエータシステムと、
を具備する、熱電発電機システムであって、
熱電発電機システムが、第1のパラメータ、第2のパラメータ、および第3のパラメータに基づいて、スイッチ構成部の構成を制御するよう構成された制御ユニットをさらに具備する、熱電発電機システムが提供される。
【0004】
ボルテックスチューブの第1の流出口は、ボルテックスチューブの第2の流出口から排出される流れよりも高温の流れを排出するよう設計されている。したがって、高温流および低温流への言及は、互いに比べて高温および低温ということである。言い換えると、低温流は高温流より温度が低く、高温流は冷温流より温度が高い。
【0005】
ラジエータシステムは、ボルテックスチューブと熱電発電機との間に配置され得る。
第3の流体流は、熱電発電機の周囲、ボルテックスチューブの周囲、センサシステムの周囲、ラジエータシステムの周囲、またはガスタービンエンジンの圧縮機段からの抽気など、他の任意の好適な場所からの、周囲流体流であってもよい。
【0006】
熱電発電機が、制御ユニットに電気的に接続され、これにより制御ユニットが、熱電発電機から給電されてもよい。
【0007】
熱電発電機システムは、熱電発電機によって生成された、すぐには消費され得ないエネルギーを貯蔵するための、熱電発電機に電気的に接続されたエネルギー貯蔵部品をさらに備えてもよい。
【0008】
第3の構成において、スイッチ構成部は、低温流を、熱電発電機から給電される電子部品の部品用熱交換器に向けて、電子部品を冷却するよう構成されてもよい。
【0009】
第2の熱交換器を通って導かれる流体が、熱電発電機から給電される電子部品の部品用熱交換器に向けられ、電子部品を冷却するように、ラジエータシステムが構成されてもよい。
【0010】
電子部品は、センサであってもよい。センサは、加速度計、温度センサ、圧力センサ、位置検出センサ、方位センサ、湿度センサ、振動センサ、空気質センサ、および/またはガスセンサの、いずれでも含み得る。電子部品は、追加的または代替的に、電池、制御電子機器、データ記録電子機器、および無線通信電子機器を含み得る。電子部品は、mWから最大約10W程度の電力を必要とする可能性がある。たとえば、圧力センサは、約15mWの電力を必要とする可能性があるのに対し、データロガーは、4~5Wの電力を必要とする可能性がある。
【0011】
熱電発電機は、p/n型熱電発電機であってもよい。熱電発電機は、複数のp/n型熱電モジュールを備えてもよい。p/n型熱電モジュールは、直列に接続されてもよい。これにより、熱電発電機の電圧出力を高めることができる。
【0012】
制御ユニットは、低温流が第3の流体流よりも温度が低い場合、および任意選択で、第3の流体流が高温流よりも温度が低い場合に、スイッチ構成部を制御して第1の構成に移行させるよう構成されてもよい
【0013】
制御ユニットは、高温流が第3の流体流よりも温度が低い場合、および任意選択で、第3の流体流が低温流よりも温度が高い場合に、スイッチ構成部を制御して第2の構成に移行させるよう構成されてもよい。
【0014】
制御ユニットは、第3の流体流が低温流よりも温度が低い場合に、スイッチ構成部を制御して第3の構成に移行させるよう構成されてもよい。
【0015】
第2の態様によれば、第1の態様による熱電発電機システムを備える、ガスタービンエンジンが提供される。
ガスタービンエンジンは、
圧縮機段と、
圧縮機段から分岐された抽気管(bleed air line)と
を備えてもよく、ボルテックスチューブの流入口は、抽気管に流体連結され、抽気管から圧縮流体を受け取る。
高温流および/または低温流は、ラジエータシステムを通過した後、抽気管からの抽気と合流するように戻されてもよい。高温流もしくは両方の流れが合わせられると、これにより抽気の温度が上昇し、したがってたとえば翼を除氷するための、エンジンの加熱能力が向上する。または、低温流が合わせられると、これにより抽気の温度が低下し、したがってたとえば客室の空気を調整する場合に、空気を冷却する必要性が軽減される。
【0016】
高温流が、第1の熱交換器に向けられてもよく、低温流が、第2の熱交換器に向けられてもよい。
【0017】
第3の態様によれば、前述の態様のうちのいずれかによる、ガスタービンエンジンを備える航空機が提供される。
【0018】
第4の態様によれば、第1の態様による熱電発電機システムを制御する方法が提供され、この方法は、
高温流、低温流、および第3の流体流の温度を示すパラメータを、センサシステムを用いて監視して、第1のパラメータ、第2のパラメータ、および第3のパラメータをそれぞれ判定するステップ、ならびに
第1のパラメータ、第2のパラメータ、および第3のパラメータに基づいて、スイッチ構成部の構成を制御するステップ、
を含む。
【0019】
この方法は、熱電発電機を用いて制御ユニットに給電するステップを含んでもよい。
この方法は、熱電発電機によって生成された、すぐには消費され得ないエネルギーを、エネルギー貯蔵部品に向けるステップを、さらに含んでもよい。
【0020】
第3の構成において、低温流が、熱電発電機から給電される電子部品の部品用熱交換器へ向けられて、電子部品を冷却してもよい。
【0021】
第2の熱交換器を通過した流体が、熱電発電機から給電される電子部品の部品用熱交換器に向けられて、電子部品を冷却してもよい。
【0022】
この方法は、低温流が第3の流体流よりも温度が低い場合、および任意選択で、第3の流体流が高温流よりも温度が低い場合に、スイッチ構成部を制御して第1の構成に移行させるステップを、含んでもよい。
【0023】
この方法は、高温流が第3の流体流よりも温度が低い場合、および任意選択で、第3の流体流が低温流よりも温度が高い場合に、スイッチ構成部を制御して第2の構成に移行させるステップを、含んでもよい。
【0024】
この方法は、第3の流体流が低温流よりも温度が低い場合に、スイッチ構成部を制御して第3の構成に移行させるステップを、含んでもよい。
【0025】
当業者であれば、相互に排他的な場合を除き、上記の態様のうちのいずれか1つに関して説明された特徴が、必要な変更を加えれば、他のどの態様にも当てはまり得ることを理解されよう。さらに、相互に排他的な場合を除き、本明細書で説明されているどの特徴も、どの態様にも当てはまり得、かつ/または本明細書で説明されている他のどの特徴とも組み合わされ得る。
次に、実施形態が、以下の図を参照して、ただ単に例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】ガスタービンエンジンの第1の例示的な熱電発電機システムを概略的に示す図である。
【
図3】ガスタービンエンジンの第2の例示的な熱電発電機システムを概略的に示す図である。
【
図4】ガスタービンエンジンの第3の例示的な熱電発電機システムを概略的に示す図である。
【
図5】
図4の第3の例示的な熱電発電機システムのスイッチ構成部の3つの構成を概略的に示す図である。
【
図6】
図4の第3の例示的な熱電発電機システムを制御する方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照すると、航空機用ガスタービンエンジンの全体が、10で示されており、主軸である回転軸11を備える。エンジン10は、軸流に直列に、吸気口12、推進ファン13、中圧圧縮機14を備える圧縮機段、高圧圧縮機15、燃焼装置16、高圧タービン17、中圧タービン18、低圧タービン19、および排気ノズル20を具備する。ナセル21は、エンジン10を全体的に囲繞し、吸込口12と排気ノズル20との両方を画定する。
【0028】
ガスタービンエンジン10は、従来のやり方で動作し、これにより、吸込口12に入る空気が、ファン13によって加速され、2つの空気流、すなわち、中圧圧縮機14に入る第1の空気流と、バイパスダクト22を通過し、推進力をもたらす、第2の空気流とを作り出す。中圧圧縮機14が、中圧圧縮機内に導かれた空気流を圧縮した後、その空気を高圧圧縮機15に供給し、そこでさらなる圧縮が行われる。
【0029】
高圧圧縮機15から排気された圧縮空気は、燃焼装置16内に導かれ、そこで燃料と混合され、混合物が燃焼される。生じた高温燃焼生成物は、次いで、高圧、中圧、および低圧タービン17、18、19を通って膨張し、それにより高圧、中圧、および低圧タービンを駆動した後、ノズル20を通って排気され、さらなる推進力をもたらす。高圧タービン17、中圧タービン18、および低圧タービン19は、それぞれが好適な相互連結シャフトによって、それぞれ高圧圧縮機15、中圧圧縮機14、およびファン13を駆動する。
【0030】
本開示が当てはまり得る他のガスタービンエンジンは、代替構成を有してもよい。かかるエンジンは、例として、別の数の相互接続シャフト(たとえば2本)、ならびに/または別の数の圧縮機および/もしくはタービンを備えてもよい。エンジンは、さらに、タービンから圧縮機および/またはファンまでの駆動列に設けられる、歯車箱を備えてもよい。
【0031】
図2は、ガスタービンエンジン10の圧縮機段から分岐された抽気管50を介して圧縮機段に連結された、第1の例示的な熱電発電機システム100を備える、ガスタービンエンジン10の概略図を示す。
【0032】
この例では、抽気管50は、2本の導管に分かれており、第1の導管52は、熱電発電機システム100に圧縮空気を供給するよう構成され、第2の導管54は、熱電発電機システム100から圧縮空気を受け取るよう構成される。抽気管は、いくつかの例では、2股に分かれていなくてもよく、戻る圧縮空気を再び受け取ることなく、熱電発電機システムへ、ただ単に圧縮空気を供給するよう構成されてもよい。他の例では、圧縮空気が、他の手段によって熱電発電機システム100に供給され、抽気管は、熱電発電機システムから圧縮空気を受け取るよう構成されてもよい。さらに他の例では、熱電発電機システムは、空気を抽気管から受け取ることも、抽気管へ供給することもなく、圧縮機段から分岐される抽気とは完全に別個であってもよい。
【0033】
第1の例示的な熱電発電機システム100は、熱電発電機102、ボルテックスチューブ104、ならびにボルテックスチューブ104と熱電発電機102との間に配置され得る、ラジエータシステム106を備える。
【0034】
熱電発電機102は、熱電発電機102の両端間の温度勾配によって、電位差を生成する。熱電発電機102は、この例では、複数のp/n型熱電モジュールを備える、p/n型熱電発電機である。各熱電モジュールは、約0.05~1Wを生じさせることができ得る。p/n型熱電モジュールは、直列に接続することができ、直列に接続された各熱電モジュールのワット数を合わせることにより、熱電発電機102の電圧出力(およびワット数)を増やすことができる。
【0035】
熱電発電機102は、この例では、電子部品に電気的に結合され、電子部品に給電する。電子部品は、この例では、センサ108と、熱電発電機102によって生成された、すぐには消費され得ない、エネルギーを貯蔵するための電池またはコンデンサなどの、エネルギー貯蔵部品110とを含む。熱電発電機102は、いくつかの例では、どんな部品にも接続されなくてもよいが、かかる部品に接続されるよう構成されてもよい。熱電発電機は、他の例では、単一の電気部品もしくは3つ以上の電気部品に結合されるよう構成されてもよく、またはそれらに結合されてもよい。
【0036】
センサは、加速度計、温度センサ、圧力センサ、位置検出センサ、方位センサ、湿度センサ、振動センサ、空気質センサ、および/またはガスセンサの、いずれでも含み得る。電子部品は、追加的または代替的に、制御電子機器、データ記録電子機器、および/または無線通信電子機器を含み得る。電子部品は、mWから最大約10W程度の電力を必要とする可能性がある。たとえば、圧力センサは、約15mWの電力を必要とする可能性があるのに対し、データロガーは、4~5Wの電力を必要とする可能性がある。
【0037】
ボルテックスチューブ104は、圧縮ガスの流入を受け入れるよう構成された、流入口112を備える。流入口112は、この例では、ガスタービンエンジン10の圧縮機段から圧縮ガスを受け取るように、抽気管50の第1の導管52に流体連結されている。ボルテックスチューブ104は、圧縮ガスを高温流と低温流とに分離するよう構成されており、高温流および低温流は、互いに比べて高温および低温である。言い換えると、低温流は高温流より温度が低く、高温流は冷温流より温度が高い。ボルテックスチューブ104は、追加のエネルギー入力なしに、この分離を実現させるよう構成される。高温流は、ボルテックスチューブ104の第1の流出口114から排出され、冷温流は,ボルテックスチューブ104の第2の流出口116から排出される。
【0038】
この例のラジエータシステム106は、熱電発電機102の両側に配置された、第1の熱交換器120および第2の熱交換器118を備える。この例では、冷温流は、第2の熱交換器118に導かれ、高温流は、第1の熱交換器120に導かれる。熱電発電機102は、熱電発電機102の両端間の温度勾配によって、電位差および電流を生成するので、圧縮空気を、ボルテックスチューブ104で高温流と低温流とに分けることにより、追加の電力入力を必要とすることなく、熱電発電機102の両端間の熱勾配を大きくすることができ、したがって、熱電発電機102の電力出力が増加する。特に、これにより、熱電発電機を、それ以外は等温の環境で動作させることが可能になる。これは、環境発電システムの、より自由度の高い配置を可能にする。
【0039】
他の例では、冷温流だけが第2の熱交換器118に向けられてもよく、または高温流だけが第1の熱交換器120に向けられてもよい。かかる例では、周囲環境が、熱電発電機102の両端間に電圧を生じさせるために必要な温度勾配を、第2の熱交換器または第1の熱交換器の他方にもたらすのに十分であり得る。
【0040】
この例では、低温流および高温流は、第2の熱交換器118および第1の熱交換器120を通過した後、抽気管50の第2の導管54で、圧縮機段からの抽気と合流するように戻される。高温流は、第1の熱交換器120を通過する間に、熱電発電機が設置されているガスタービンエンジンの周囲環境のために、より高温またはより低温になる可能性がある。低温流も、同じ理由で、より高温になる可能性がある。したがって、抽気に高温流および低温流を戻して合わせると、エンジンの加熱能力、たとえば航空機の翼を除氷する能力が、向上する可能性がある。他の例では、高温流だけが抽気に戻され、抽気の温度を上昇させてもよい。さらに別の例では、低温流だけが抽気に戻され、抽気を冷却してもよく、これにより、たとえば航空機の客室の空気を調整するために抽気を使用する場合に、空気を冷却する必要性が軽減される。
【0041】
図3は、ガスタービンエンジン10の圧縮機段から分岐された抽気管50を介して圧縮機段に連結された、第2の例示的な熱電発電機システム200を備える、ガスタービンエンジン10を示す。
【0042】
第2の例示的な熱電発電機システム200は、
図2を参照しながら説明された第1の例示的な熱電発電機システム100と類似しており、同様の参照番号は同様の部品を示す。第2の例示的な熱電発電機システム200は、相異なるラジエータシステム206を備えるという点で、第1の例示的な熱電発電機システム100とは異なる。
【0043】
この例のラジエータシステム206は、やはり熱電発電機102の両側に配置された、第1の熱交換器120および第2の熱交換器118を備えるが、この例では、低温流は、第2の熱交換器118を通過すると、電子部品のうちの少なくとも1つに向けられ、電子部品を冷却する。この例では、
図3は、第2の熱交換器118から低温流を受け取るよう構成された、センサ108の部品用熱交換器208を示す。低温流を、第2の熱交換器118を通過した後に、部品用熱交換器208へ供給することにより、熱電発電機102の発電能力が高まる。というのは、低温流は、別の熱交換器を通過することによって加熱されていないので、可能な限り冷たいからである。
【0044】
他の例では、低温流は、第2の熱交換器118に供給される前に、センサ108または他の電子部品を冷却するように、導かれてもよい。
【0045】
この第2の例示的な熱電発電機システム200では、低温流は、熱電発電機102によって給電される同じ電子部品を冷却するのに使用されるため、電子部品は、追加のエネルギー入力または追加の熱交換器もしくは冷却流の必要なしに、たとえば単に抽気または周囲空気を使用するよりも効率的かつ効果的に冷却される。
【0046】
図4は、ガスタービンエンジン10の圧縮機段から分岐された抽気管50を介して圧縮機段に連結された、第3の例示的な熱電発電機システム300を備える、ガスタービンエンジン10を示す。
【0047】
第3の例示的な熱電発電機システム300は、
図2を参照しながら説明された第1の例示的な熱電発電機システム100、および
図3を参照しながら説明された第2の例示的な熱電発電機システム200と類似しており、同様の参照番号は同様の部品を示す。
【0048】
第3の例示的な熱電発電機システム300は、電子部品が、第1のパラメータTH、第2のパラメータTC、および第3のパラメータT3を判定するよう構成された、センサシステム308を含むという点で、第1の例示的な熱電発電機システム100および第2の例示的な熱電発電機システム200とは異なる。第1のパラメータは、ボルテックスチューブ104の第1の流出口114、または第1の流出口の上流における、高温流の温度を示し、第2のパラメータは、ボルテックスチューブ104の第2の流出口116における低温流の温度を示し、第3パラメータは、第3流体流の温度を示す。1つまたは複数の部品用熱交換器208は、第2の例示的な熱電発電機システム200における部品用熱交換器208およびセンサ108と同様のやり方で、センサシステム308に結合されている。他の例では、第1および第2の例示的な熱電発電機システム100、200のように、他の任意のセンサ108がさらに存在してもよい。
【0049】
第3の例示的な熱電発電機システム300も、相異なるラジエータシステム306を備えるという点で、第1の例示的な熱電発電機システム100および第2の例示的な熱電発電機システム200とは異なる。
【0050】
この例のラジエータシステム306は、やはり熱電発電機102の両側に配置された、第1の熱交換器120および第2の熱交換器118を備える。ラジエータシステム306は、この例では、第2の熱交換器118および第1の熱交換器120の上流にあるスイッチ構成部312に向かって、高温流、低温流、および第3の流体流を別個に導くよう構成された、チューブシステムをさらに備える。
【0051】
第3の流体流は、この例では、ボルテックスチューブ104の周囲、センサシステム308の周囲、ラジエータシステム306の周囲などの周囲から、または他の任意の好適な場所から、直接供給され得る周囲空気である。第3の流体流は、他の例では、抽気管から供給される抽気流であってもよい。
【0052】
スイッチ構成部312は、高温流、低温流、および第3の流体流のそれぞれを受け取り、
図5を参照しながらより詳細に示される、第1の構成と、第2の構成と、第3の構成との間を移行可能となるよう構成される。
【0053】
熱電発電機システム300は、第1のパラメータ、第2のパラメータ、および第3のパラメータに基づいて、第1の構成、第2の構成、および第3の構成のうちのいずれか1つに移行させるように、スイッチ構成部312を制御するよう構成された制御ユニット314を備え、制御ユニット314は、センサシステム308からパラメータを受信するよう構成される。第1のパラメータ、第2のパラメータ、および第3のパラメータは、制御ユニット314に無線で、または有線接続を通じて伝達され得る。
【0054】
制御ユニット314は、本明細書で説明され、
図6に示される方法を実行させるための、任意の好適な回路を備え得る。制御ユニット314は、この方法を実行するために、制御回路、プロセッサ回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、単一プロセッサまたは多重プロセッサアーキテクチャ、順次/並列アーキテクチャ、少なくとも1つのプログラマブルロジックコントローラ(PLC:programmable logic controller)、少なくとも1つのマイクロプロセッサ、少なくとも1つのマイクロコントローラ、中央処理装置(CPU:central processing unit)、および/またはグラフィックス処理ユニット(GPU:graphics processing unit)を備え得る。
【0055】
制御ユニット314は、様々な例において、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを備え得る。メモリは、プロセッサによって読み取られると、本明細書で説明され、
図6に示される方法を実行させる、コンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムを記憶することができる。コンピュータプログラムは、ソフトウェアもしくはファームウェアであってもよく、またはソフトウェアとファームウェアとの組合せであってもよい。
【0056】
制御ユニット314は、熱電発電機システム100または遠隔コンピュータ(「クラウド」内の高性能コンピュータ処理クラスタなど)の一部であってもよい。制御ユニット314は、別法として、複数のデバイスおよび複数の場所に分散されてもよい。制御ユニット314は、たとえば、熱電発電機システム100および「クラウド」内の高性能コンピュータ処理クラスタに、分散されてもよい。
【0057】
プロセッサは、少なくとも1つのマイクロプロセッサを含んでもよく、単一コアのプロセッサを含んでもよく、複数のプロセッサコア(デュアルコアプロセッサもしくはクアッドコアプロセッサなど)を含んでもよく、または複数のプロセッサを含んでもよい(プロセッサのうちの少なくとも1つは、複数のプロセッサコアを含んでもよい)。メモリは、任意の好適な非一時的コンピュータ可読記憶媒体、1つまたは複数のデータ記憶デバイスであってもよく、ハードディスクおよび/または固体メモリ(フラッシュメモリなど)を含んでもよい。メモリは、恒久的に取外し不可能なメモリであってもよく、または取外し可能なメモリ(ユニバーサルシリアルバス(USB:universal serial bus)フラッシュドライブまたはセキュアデジタルカードなど)であってもよい。メモリは、コンピュータプログラムの実際の実行中に使用される、ローカルメモリ、大容量記憶装置、およびコードの実行中に、大容量記憶装置からコードが読み出され得る回数を減らすために、少なくとも一部のコンピュータ可読プログラムコードまたはコンピュータが使用可能なプログラムコードの一時的な記憶を可能にする、キャッシュメモリを含んでもよい。
【0058】
コンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。コンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体からメモリへ転送され得る。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、USBフラッシュドライブ、外づけハードディスクドライブ、外づけ固体ドライブ、セキュアデジタル(SD:secure digital)カード、光ディスク(コンパクトディスク(CD:compact disc)、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disc)、またはブルーレイディスクなど)であってもよい。コンピュータプログラムは、いくつかの例では、信号(無線信号であっても、有線信号であってもよい)によって、メモリに転送され得る。入/出力デバイスは、直接的に、または介在する入/出力コントローラを介して、コントローラ14に結合され得る。装置10が、介在する私設網または公衆網を介して、他の装置、遠隔プリンタ、または記憶デバイスと結合されることを可能にするために、様々な通信アダプタも、コントローラ14に結合され得る。非限定的な例は、モデム、およびかかる通信アダプタのネットワークアダプタを含む。
【0059】
熱電発電機102は、この例では、制御ユニット314、センサシステム308、およびエネルギー貯蔵部品110に電気的に接続されており、これにより、制御ユニット314、センサシステム308、およびエネルギー貯蔵部品110が、熱電発電機102によって給電される。他の例では、センサシステム308、エネルギー貯蔵部品110、および制御ユニット314は、他の手段によって給電されてもよく、かつ/または熱電発電機102によって給電される、追加的または代替的な電子部品が存在してもよい。
【0060】
図5は、第1の構成410、第2の構成420、および第3の構成430における、スイッチ構成部を示す。
【0061】
第1の構成では、ボルテックスチューブ104からの温度TCの低温流は、第2の熱交換器118に導かれ、ボルテックスチューブ104からの温度THの高温流は、第1の熱交換器120に導かれる。温度T3の第3の流体流、および/または第2の熱交換器118を通過した後の低温流は、センサシステム308を冷却するために、部品用熱交換器208に導かれ得る。他の例では、第3の流体流は、弁を用いて止められてもよく、したがって使用されないか、またはセンサシステム308および他の任意の電子部品を冷却した後に、供給源に戻されてもよい。
【0062】
第2の構成では、ボルテックスチューブ104からの温度TCの低温流は、第2の熱交換器118に導かれ、ボルテックスチューブ104からの温度T3の第3の流体流は、第1の熱交換器120に導かれる。温度THの高温流は、抽気管50に戻され得る。いくつかの例では、冷温流は、第2の熱交換器118を通過した後、センサシステム308を冷却するために使用されてもよく、かつ/または抽気管50に戻されてもよい。
【0063】
第3の構成では、温度T3の第3の流体流は、第2の熱交換器118に導かれ、ボルテックスチューブ104からの温度THの高温流は、第1の熱交換器120に導かれる。温度TCの低温流、および/または低温熱交換器118を通過した後の第3の流体流は、センサシステム308を冷却するために、部品用熱交換器208に導かれ得る。他の例では、低温流は、抽気管50へ戻されてもよく、または低温流は、弁を用いて止められてもよい。
【0064】
スイッチ構成部312は、この例では、3種類の構成での流れを管理できる単一の電磁弁であってもよく、または3種類の構成での流れの管理を実現させるために、複数の弁を備えてもよい。
【0065】
図6は、熱電発電機システム300を制御する方法500のステップを示すフローチャートである。
【0066】
方法500は、ブロック502において、たとえばセンサシステム308を用いて、第1のパラメータTH、第2のパラメータTC、および第3のパラメータT3を監視するステップを含む。パラメータTH、TC、T3は、制御ユニット314に送信されてもよく、またはセンサシステム308内のプロセッサで処理されてもよい。
【0067】
方法500は、ブロック504において、第3のパラメータT3および第2のパラメータTCが、第3の流体流の温度が低温流の温度よりも高いことを示しているかどうかを判定するステップを含む。高温流の温度THは低温流の温度TCよりも常に高くなるので、ブロック504がノーを返す場合、
TH>TC>T3
である。
【0068】
方法500は、ブロック504がノーを返す場合、ブロック506に進み、制御ユニット314が、スイッチ構成部312を制御して第3の構成に移行させ、それにより(最高温度である)高温流が第1の熱交換器120に供給され、(最低温度である)第3の流れが第2の熱交換器118に供給され、その結果、熱電発電機102の両端間に起こり得る熱勾配が最大化され、これにより、熱電発電機102によって生成される電位差を最大化する。
【0069】
この構成における低温流は、熱電発電機102から給電される、センサシステム308および/または他の任意の電子部品を冷却するために、部品用熱交換器208に向けられ得る。低温流は、他の例では、他の手段によって給電される任意の好適な部品、および給電されない任意の好適な部品を冷却するために、熱交換器に向けられてもよい。低温流は、さらに他の例では、ガスタービンエンジン10の抽気管50に戻されてもよい。いくつかの例では、圧縮空気が抽気管50からボルテックスチューブ104に供給される場合、低温流および高温流は、抽気管50に戻されてもよい。
【0070】
方法500は、ブロック504がイエスを返す場合、ブロック508に進み、方法500は、第3のパラメータT3および第1のパラメータTHが、第3の流体流の温度が高温流の温度よりも高いことを示しているかどうかを判定するステップを含む。高温流の温度THは低温流の温度TCよりも常に高くなるので、ブロック506がノーを返す場合、
TH>T3>TC
である。
【0071】
方法500は、ブロック506がノーを返す場合、ブロック510に進み、制御ユニット314が、スイッチ構成部312を制御して第1の構成に移行させ、それにより(最高温度である)高温流が第1の熱交換器120に供給され、(最低温度である)低温流が第2の熱交換器118に供給され、その結果、熱電発電機102の両端間に起こり得る熱勾配が最大化され、これにより、熱電発電機102によって生成される電位差を最大化する。
【0072】
この構成における第3の流体流は、熱電発電機102から給電される、センサシステム308および/または他の任意の電子部品を冷却するために、部品用熱交換器208に向けられ得る。第3の流体流は、他の例では、他の手段によって給電される任意の好適な部品、および給電されない任意の好適な部品を冷却するために、熱交換器に向けられてもよい。第3の流体流は、さらに他の例では、ガスタービンエンジン10の抽気管50に向けられてもよく、または第3の流体流が、抽気管50からの空気である場合には、抽気管50から出ないように、弁を用いて止められてもよい。低温流はまた、第2の熱交換器118を通過した後、部品用熱交換器208に向けられてもよい。いくつかの例では、圧縮空気が抽気管50からボルテックスチューブ104に供給される場合、低温流および高温流は、抽気管50に戻されてもよい。
【0073】
高温流の温度THは低温流の温度TCよりも常に高くなるので、ブロック506がイエスを返す場合、
T3>TH>TC
である。
【0074】
方法500は、ブロック506がイエスを返す場合、ブロック512に進み、制御ユニット314が、スイッチ構成部312を制御して第2の構成に移行させ、それにより(最高温度である)第3の流れが第1の熱交換器120に供給され、(最低温度である)低温流が第2熱交換器118に供給され、その結果、熱電発電機102の両端間に起こり得る熱勾配が最大化され、これにより、熱電発電機102によって生成される電位差を最大化する。
【0075】
高温流は、この構成では、ガスタービンエンジン10の抽気管50に戻されてもよい。高温流は、他の例では、熱電発電機102から給電される、センサシステム308および/または他の任意の電子部品を冷却するために、部品用熱交換器208に向けられ得る。低温流は、追加的または代替的に、第2の熱交換器118を通過した後、部品用熱交換器208に向けられてもよい。いくつかの例では、圧縮空気が抽気管50からボルテックスチューブ104に供給される場合、低温流および高温流は、抽気管50に戻されてもよい。
【0076】
方法500は、したがって、第1のパラメータ、第2のパラメータ、および第3のパラメータに基づいて、スイッチ構成部312の構成を制御することが分かる。この方法では、熱電発電機102の両端間で確実に、最大の電位差が実現できるようにするために、第1の熱交換器120および第2の熱交換器118を通る流れにおける最も大きい温度差が、確実に使用されるようにする。
【0077】
方法500はまた、熱電発電機102によって生成されたエネルギーを、制御ユニット314、センサシステム308、およびエネルギー貯蔵部品110に向けるステップを含み得る。
【0078】
熱電発電機システム100、200、300は、ガスタービンエンジン10の圧縮機段に結合されていると説明されたが、他の例では、熱電発電機システム100には、任意の好適な供給源から圧縮空気が供給されてもよく、抽気管への言及が、任意の空気源の導管に置き換えられてもよい。熱電発電機システムは、たとえば、任意の好適な圧縮空気の供給を受けて、ガスタービンエンジンの外側で使用されてもよく、ガスタービンエンジンなしに使用されてもよい。
【0079】
ラジエータシステム106の第2の熱交換器118および第1の熱交換器120は、ボルテックスチューブ104からそれぞれ、低温流および高温流を受け取るよう構成されると説明されてきたが、第1の熱交換器および第2の熱交換器のうちの一方は、それぞれ単に、高温面または低温面であってもよい。
【0080】
本発明は、上記で説明された実施形態に限定されるものではなく、本明細書で説明されている概念から逸脱することなく、様々な修正および改良が加えられ得ることが理解されよう。いずれの特徴も、相互に排他的である場合を除き、別個に、または他の任意の特徴と組み合わせて使用されてもよく、本開示は、本明細書で説明されている1つまたは複数の特徴の、すべての組合せおよび部分的組合せにまで及び、それらを含む。
【符号の説明】
【0081】
10 航空機用ガスタービンエンジン
11 回転軸
12 吸気口
13 推進ファン
14 中圧圧縮機
15 高圧圧縮機
16 燃焼装置
17 高圧タービン
18 中圧タービン
19 低圧タービン
20 排気ノズル
21 ナセル
22 バイパスダクト
50 抽気管
52 第1の導管
54 第2の導管
100 第1の例示的な熱電発電機システム
102 熱電発電機
104 ボルテックスチューブ
106 ラジエータシステム
108 センサ
110 エネルギー貯蔵部品
112 流入口
114 第1の流出口
116 第2の流出口
118 第2の熱交換器
120 第1の熱交換器
200 第2の例示的な熱電発電機システム
206 ラジエータシステム
208 部品用熱交換器
300 第3の例示的な熱電発電機システム
306 ラジエータシステム
308 センサシステム
312 スイッチ構成部
314 制御ユニット
410 第1の構成
420 第2の構成
430 第3の構成
500 熱電発電機システム300を制御する方法
【外国語明細書】