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特開2024-50557医療技術用途において使用するための練り込み着色ポリマー組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050557
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】医療技術用途において使用するための練り込み着色ポリマー組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 59/00 20060101AFI20240403BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20240403BHJP
   C08K 5/09 20060101ALI20240403BHJP
   C08K 5/134 20060101ALI20240403BHJP
   C08K 7/14 20060101ALI20240403BHJP
   C08K 9/10 20060101ALI20240403BHJP
   C08K 3/20 20060101ALI20240403BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20240403BHJP
   A61M 15/00 20060101ALI20240403BHJP
   A61M 5/178 20060101ALI20240403BHJP
   A61L 27/04 20060101ALI20240403BHJP
   A61L 27/18 20060101ALI20240403BHJP
   A61L 27/40 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
C08L59/00
C08K3/013
C08K5/09
C08K5/134
C08K7/14
C08K9/10
C08K3/20
C08K3/22
A61M15/00 Z
A61M5/178
A61L27/04
A61L27/18
A61L27/40
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023220769
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2020561815の分割
【原出願日】2019-05-02
(31)【優先権主張番号】62/666,485
(32)【優先日】2018-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516243353
【氏名又は名称】セラニーズ・セールス・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100141265
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 有紀
(72)【発明者】
【氏名】マルホランド,ブルース・エム
(72)【発明者】
【氏名】マークグラフ,キルステン
(72)【発明者】
【氏名】テンネス,カイ-ウーベ
(72)【発明者】
【氏名】ゼールマン,トーマス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】練り込み着色された医療グレードのポリオキシメチレンポリマー組成物を提供する。
【解決手段】本組成物は、特に医療用途及び/又は食品接触用途における使用のために必要な種々の政府要件及び安全要件の基準を満たすように配合される。一実施形態においては、本ポリマー組成物は、USPクラスVI試験及び/又はISO-10993試験の基準を満たすように配合される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療又は食品容器用途のための練り込み着色ポリマー組成物であって、
190℃において2.16kgの荷重下で試験して約30cm/10分未満のメルトボリュームフローレートを有し、少なくとも70重量%の量で前記ポリマー組成物中に存在するポリオキシメチレンポリマー;
前記組成物を練り込み着色するのに十分に前記ポリマー組成物中に存在する少なくとも1種類の着色剤であって、かかる1種類以上の着色剤は約15重量%未満の量で前記ポリマー組成物中に存在する、上記着色剤;及び
レーザーマーキング添加剤;
を含み;
前記少なくとも1種類の着色剤が、20ppm未満の酸可溶性アンチモンを含み、30ppm未満のヒ素を含み、50ppm未満の鉛を含み、10ppm未満のカドミウムを含み、10ppm未満のコバルトを含み、10ppm未満の銅を含み、50ppm未満のニッケルを含み、1ppm未満のセレンを含み、1ppm未満の水銀を含み、そして、100ppm未満の亜鉛を含み、
前記ポリオキシメチレンポリマー及び前記少なくとも1種類の着色剤は、前記ポリマー組成物がUSPクラスVI及びISO-10993試験に合格するように選択され、前記ポリマー組成物はラテックスを含まず、動物性副生成物を含まず、
前記ポリオキシメチレンポリマーが、21CFR§177.2470~2480にしたがって0.5mg/インチ未満の正味のクロロホルム可溶性抽出物を含み、前記抽出物が21CFR§1.75.300(d)にしたがって調製される、
上記練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項2】
前記練り込み着色ポリマー組成物が、21CFR§177.2470~§177.2480にしたがってクロロホルムを使用して試験して0.5mg/インチ未満の抽出性ホルムアルデヒドを生成する、請求項1に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項3】
前記組成物がヨーロッパ規則EC10/2011試験に合格する、請求項1又は2に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項4】
前記組成物が約93重量%より多い量の前記ポリオキシメチレンポリマーを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項5】
酸スキャベンジャーを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項6】
前記酸スキャベンジャーがクエン酸三カルシウムを含み、前記クエン酸三カルシウムが約0.01重量%~約0.5重量%の量で前記ポリマー組成物中に存在する、請求項5に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項7】
前記ポリマー組成物が酸化防止剤を更に含み、前記酸化防止剤がエチレンビス(オキシエチレン)ビス-(3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)-プロピオネート)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項8】
前記ポリマー組成物が成核剤を更に含み、前記成核剤がターポリマーを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項9】
前記レーザーマーキング添加剤は約0.1重量%~約4重量%の量で前記ポリマー組成物中に存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項10】
前記レーザーマーキング添加剤がカプセル化三酸化アンチモンを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項11】
前記レーザーマーキング添加剤がカプセル化三酸化アンチモンを含み、前記三酸化アンチモンがポリマーマトリクス内に担持され、前記三酸化アンチモンの前記ポリマーマトリクスに対する質量比が65:35~約75:25である、請求項1~10のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1種類の着色剤がルチル顔料を含み、前記ルチル顔料は二酸化チタンを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1種類の着色剤が、黄色着色剤、青色着色剤、赤色着色剤、緑色着色剤、白色着色剤、黒色着色剤、又はそれらの混合物を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項14】
前記組成物が配合ペレットの形態である、請求項1~13のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項15】
前記組成物が少なくとも2種類の着色剤を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項16】
前記組成物が約3~約10種類の着色剤を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項17】
前記ポリマー組成物が酸化防止剤を更に含み、前記酸化防止剤がエチレンビス(オキシエチレン)ビス-(3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)-プロピオネート)を含み、前記ポリマー組成物が成核剤を更に含み、前記成核剤がターポリマーを含み、そして、前記ポリマー組成物がジシアンジアミド及びエチレンビス(ステアラミド)を更に含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項18】
前記組成物が少なくとも2種類の着色剤を含み、全ての着色剤が、20ppm未満の酸可溶性アンチモンを含み、30ppm未満のヒ素を含み、50ppm未満の鉛を含み、10ppm未満のカドミウムを含み、10ppm未満のコバルトを含み、10ppm未満の銅を含み、50ppm未満のニッケルを含み、1ppm未満のセレンを含み、1ppm未満の水銀を含み、そして、100ppm未満の亜鉛を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項19】
強化繊維を更に含み、前記強化繊維が約5重量%~約45重量%の量で存在し、前記強化繊維がガラス繊維を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の練り込み着色ポリマー組成物から製造される成形品を含む医療器具。
【請求項21】
前記医療器具が、関節係合部材を含む整形外科用器具を含む、請求項20に記載の医療器具。
【請求項22】
前記医療器具がハウジングを含む吸入器を含み、前記成形品が前記ハウジングを含む、請求項20に記載の医療器具。
【請求項23】
前記医療器具がハウジングを含む医療用注射器を含み、前記成形品が前記医療用注射器のハウジングを含む、請求項20に記載の医療器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2018年5月3日の出願日を有する米国仮出願第62/666,485号(その全体が基準により本明細書に組み込まれる)に基づき、それに対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]医療グレードの器具は、安全性に関する高い基準を満たさなければならない。特に、それから器具が製造される材料は、意図された使用に関して認可されなければならず、器具のユーザーを害し得る浸出液又は抽出物を識別する厳密な試験に合格しなければならない。
【0003】
[0003]通常は、かかる厳格な基準によって、ポリマーのような医療器具材料における使用に利用可能な添加剤の種類が制限される。例えば、多くのポリマー添加剤は、医療器具材料における使用について認可されていないか、又は非常に少量でしか認可されていない。医療器具を製造することを意図したポリマー材料を着色しようとする場合には、特定の問題が存在する。医療用途における使用がなお認可される状態のままで、所望の色を有するようにポリマー組成物を配合することには、依然として問題が残っている。
【0004】
[0004]例えば、医療器具用途において使用するための練り込み着色ポリオキシメチレンポリマーを製造しようとする試みにおいて、特定の問題が経験されてきた。例えば、ポリオキシメチレンポリマー自体は、医療用途において使用するためには種々の政府規制を満たす必要がある。更に、ポリオキシメチレンポリマーは、多くの顔料及び染料を常に容易に受け入れるか、又は均質に混合するわけではない。例えば、多くの着色剤は、ポリオキシメチレンポリマーにおいてブルーミングを引き起こして、表面欠陥及び/又は凝集を有するポリマー生成物を生成する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]上記に鑑みて、医療技術用途において使用するための練り込み着色(mass colored)ポリマー組成物に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]一般に、本発明は、医療技術用途において使用することができるポリマー配合物に関する。より詳しくは、本発明は、複数の政府要件及び安全要件を満たすように配合して、医療製品を製造するため、及び/又は食品接触用成形物品のために練り込み着色ポリマー組成物を使用することを可能にすることができる練り込み着色ポリオキシメチレンポリマー組成物に関する。例えば一実施形態においては、本練り込み着色ポリマー組成物を使用して、乾燥粉末吸入器及び/又はインスリンペン用の部品を成形することができる。
【0007】
[0007]例えば一実施形態においては、本発明は、医療又は食品容器用途のための練り込み着色ポリマー組成物に関する。本練り込み着色ポリマー組成物は、190℃において2.16kgの荷重下で試験して約30cm/10分未満のメルトボリュームフローレートを有するポリオキシメチレンポリマーを含む。ポリオキシメチレンポリマーは、少なくとも約70重量%の量、例えば少なくとも約80重量%の量、例えば少なくとも約90重量%の量、例えば少なくとも約93重量%の量でポリマー組成物中に存在する。ポリオキシメチレンポリマーは、少なくとも1種類の着色剤と混合される。例えば一実施形態においては、ポリオキシメチレンポリマーは、少なくとも2種類の着色剤、例えば約3~約1
0種類の着色剤と混合することができる。1種類以上の着色剤は、組成物を練り込み着色するのに十分な量でポリマー組成物中に存在する。一般に、1種類以上の着色剤は、約15重量%未満の量でポリマー組成物中に存在させることができる。本発明によれば、ポリオキシメチレンポリマー及び少なくとも1種類の着色剤は、ポリマー組成物全体がUSPクラスVI及びISO-10993試験に合格するように選択される。本ポリマー組成物はまた、ラテックスを含まないように配合することもでき、動物性副生成物を含まないようにすることができる。一実施形態においては、本ポリマー組成物はまた、メラミンを含まないようにすることもできる。
【0008】
[0008]一実施形態においては、ポリオキシメチレンポリマーは、21CFR§177.2470~2480にしたがい、抽出物を21CFR§1.75.300(d)にしたがって調製して0.5mg/インチ未満の正味のクロロホルム可溶性抽出物を含むように選択される。更に、本ポリマー組成物は、21CFR§177.2470~177.2480にしたがってクロロホルムを用いて試験した場合に組成物が0.5mg/インチ未満の抽出性ホルムアルデヒドを生成するように配合することができる。例えば、本組成物は、約10μg/cm未満、例えば約8μg/cm未満、例えば約6μg/cm未満、例えば約5μg/cm未満、例えば更には約2μg/cm未満のホルムアルデヒド抽出物を有し得る。本ポリマー組成物は、ヨーロッパ規則EC-10/2011試験に合格するように配合することもできる。
【0009】
[0009]本ポリマー組成物中に存在する1種類以上の着色剤は、黄色着色剤、青色着色剤、赤色着色剤、緑色着色剤、白色着色剤、黒色着色剤、又はそれらの混合物を含み得る。練り込み着色ポリマー組成物中に存在するそれぞれの着色剤は、20ppm未満の酸可溶性アンチモン、30ppm未満のヒ素、50ppm未満の鉛、10ppm未満のカドミウム、10ppm未満のコバルト、10ppm未満の銅、50ppm未満のニッケル、1ppm未満のセレン、1ppm未満の水銀、及び100ppm未満の亜鉛を含み得る。ポリマー組成物は、配合ペレットの形態であってよい。
【0010】
[00010]ポリオキシメチレンポリマー及び1種類以上の着色剤に加えて、種々の他の添
加剤及び成分をポリマー組成物中に存在させることができる。例えば、ポリマー組成物に、クエン酸三カルシウムのような酸スキャベンジャーを含ませることができる。また、ポリマー組成物に酸化防止剤を含ませることもできる。一実施形態においては、酸化防止剤は、エチレンビス(オキシエチレン)ビス-(3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)-プロピオネート)を含む。更に別の実施形態においては、ポリマー組成物は、ターポリマーであってよい成核剤を含む。
【0011】
[00011]1つの特定の実施形態においては、練り込み着色ポリマー組成物はまた、レー
ザーマーキング可能であってもよい。例えば、ポリマー組成物にレーザーマーキング添加剤を含ませることができる。一実施形態においては、レーザマーキング添加剤はカプセル化三酸化アンチモンを含む。
【0012】
[00012]下記において、本発明の他の特徴及び態様をより詳細に議論する。
[00013]本発明の完全かつ実施可能な開示を、添付の図面の参照を含む本明細書の残り
の部分においてより詳細に示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本明細書に開示されるように調製されたポリマーを含む医療器具を示す。
図2図2は、本明細書に開示されるように調製されたポリマーを含む医療器具を示す。
図3図3は、本明細書に開示されるように調製されたポリマーを含む医療器具を示す。
図4図4は、本明細書に開示されるように調製されたポリマーを含む複数の医療器具を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[00014]本明細書及び図面における参照符号の繰り返しの使用は、本発明の同一又は類
似の特徴又は構成要素を表すことを意図している。
[00015]本議論は代表的な実施形態のみの説明であり、本発明のより広い態様を限定す
ることは意図していないことが当業者によって理解される。
【0015】
[00016]一般に、本発明は、医療技術用途において使用するための練り込み着色ポリオ
キシメチレン(POM)ポリマー組成物に関する。特に有利なことには、ここで開示されるポリマー組成物の幾つかの実施形態は、生体適合性及び/又は食品接触に関して認可される製品を製造する際の規制の負担を軽減することができる。例えば、本発明のように製造されたポリマー物品は、幾つかの実施形態においては、原材料の形態で生体適合性及び/又は食品接触に関して安全であると認証することができ、続いてかかる認証をそれから製造された完成品に与えることができる。
【0016】
[00017]幾つかの実施形態においては、本発明のように製造されたポリマーは、USP
クラスVI試験、ISO-10993、連邦規則集(CFR)21章のようなFDA食品接触基準、及び規則(EC)No.1935/2004、2023/2006、10/2011のようなEU食品接触基準、決議AP(89)1、ドイツBfR-IX、スペイン王政令847/2011、及びイタリア法令21/3/73のような基準を満足することができる。
【0017】
[00018]下記は、生体適合性、食品接触、及び/又は医療器具用途に関する幾つかの関
連する基準の概要である。下記の概要は、本質的に完全ではなく、準拠材料によって達成される代表的な基準を与えることのみを意図している。
【0018】
[00019]USPクラスVI及びISO-10993は、生体適合性基準(例えば医療器
具に関するもの)に関する。米国薬局方は、材料(例えば、ポリマー)に対する公衆衛生上の懸念を最小にするのに役立つUSPクラス試験を開発した組織である。特にUSPクラスVIはUSP基準の中で最も厳しいものであり、材料を、生理食塩水、アルコール生理食塩水、ポリエチレングリコール、及び植物油中において、3つの異なる温度プロファイル下、即ち最初は50℃で72時間、2番目に70℃で24時間、3番目に121℃で1時間で抽出することを要求している。抽出物を2つの試験モデル(動物被検体)中に注射することによって試験し;1つのモデルは静脈内又は腹腔内に注射し、他のモデルは皮内に注射する。モデルを、一連の時間間隔(例えば、24、48、及び/又は72時間)の後に観察して、内用(例えば、疾病、死亡)及び/又は外用(例えば、発疹、反応)の両方の毒性効果を評価する。材料の片をモデルの筋肉組織中に移植し、より長い期間(例えば5~7日)後に反応を評価する。
【0019】
[00020]ISO-10993は、USPクラスIVよりも広範で、より包括的な基準で
ある。FDAは、細胞毒性(例えば37℃で24~73時間)、感作(例えば、ASTM-F2148にしたがうモルモットマキシマイゼーション及び局所リンパ節アッセイによる)、刺激性/皮内反応、急性全身毒性、材料媒介発熱性(例えばUSP-34<151>による)、亜急性又は亜慢性毒性、遺伝毒性(例えば、OECD471(1997)にしたがう細菌遺伝子突然変異アッセイ、OECD476(1997)にしたがうマウスリンパ腫遺伝子突然変異アッセイ、OECD473(2014)にしたがう染色体異常アッ
セイ、OECD487(2014)にしたがう小核アッセイ、OECD474(2014)にしたがう骨髄小核アッセイ、OECD475(1997)にしたがう骨髄染色体異常アッセイ、及び/又はOECD474にしたがう末梢血小核アッセイ)、移植効果、血液適合性(例えば、ASTM-F756又は同等のものにしたがう溶血、ELISA又はASTM-F1984法にしたがう補体活性化、及び血栓形成性)、慢性毒性、発癌性、生殖又は発生毒性、及び分解などの検討のための主要な生体適合性の評価項目を示している。限定的接触(24時間までの期間)、長期接触(1日より長く30日までの期間)、及び永久接触(30日より長い期間)について、任意の形態を調査することができる。調査は、物品/材料の提案された最終用途を反映すべきである。例えば、試験要件は、無傷の皮膚、粘膜、又は破損若しくは損傷した表面に接触する表面器具;間接的に血液経路、組織、組織液、皮下空間、骨、象牙質、又は循環血液に接触する外部連結器具;及び組織、組織液、皮下空間、骨、又は血液に接触する移植器具などのFDAによって示唆される使用カテゴリーの間で相違し得る。
【0020】
[00021]CFRの21章は、一般に食品及び薬物を扱う。特に、21CFR§177.
2470及び§177.2480は、それぞれ、POMコポリマー及びホモポリマーを対象とする。安定剤又は顔料のような適合した助剤を加えることができる。POMポリマーは、0.5mg/インチより多い食品接触面積の正味のクロロホルム可溶性抽出物を産生することができず、250°Fより低い温度における使用に制限される。抽出物は、21CFR§175.300(d)に示され、下記において再現されるシミュレートされた使用シナリオにしたがって調製される。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
[00022]21CFR§177.2470及び§177.2480は、POMポリマーに
ついてのさらなる要件を詳述する。POMポリマーは、助剤の有無にかかわらず、米国標準篩No.6を通過し、米国標準篩No.10上に保持される粒子に粉砕又は切断した場合、(i)蒸留水中、還流温度において6時間抽出した場合には0.2重量%、(ii)n-ヘプタン中、還流温度において6時間抽出した場合には0.15重量%より多い全抽出物を生成してはならない。POMホモポリマーは、0.005重量%より多い量のホルムアルデヒドを生成してはならない。更に、POMホモポリマーは、1.9重量%以下の量の安定剤を含まなければならない。コポリマーの最小数平均分子量は25000であり、密度は1.39~1.44g/cmの間、融点は172~184℃の間である。認可されるPOMコポリマーは、トリオキサンとエチレンオキシド又は5重量%以下のブタンジオールホルマールとの反応生成物であってよい。コポリマーの最小数平均分子量は15000である。認可されるコポリマーは2.0重量%以下の複数の安定剤を含まなければならず、いずれの安定剤の量も1.0重量%より多くはない。
【0024】
[00023]一般に、ポリオキシメチレンポリマー組成物及びポリオキシメチレンポリマー
自体は、ホルムアルデヒド放出に対して比較的抵抗性である。例えば、10μg/cm未満、約8μg/cm未満、例えば約6μg/cm未満、例えば約5μg/cm未満、例えば約3μg/cm未満、例えば更には約2μg/cm未満の量の抽出性ホル
ムアルデヒドを生成するようにポリマー組成物を配合することができる。組成物はまた、2mmの幅を有するプラークを使用して24時間後に試験VDA-275にしたがって試験して、約6mg/kg未満、例えば約5mg/kg未満、例えば約4mg/kg未満、例えば約3mg/kg未満、例えば更には約2mg/kg未満のホルムアルデヒドを放出するように構成することもできる。
【0025】
[00024]ポリマー食品接触基準に関するヨーロッパ規則は、EC10/2011におい
て見られる。21CFRと同様に、この規則は、材料の提案された使用の現実的な最悪の場合のシナリオを模倣する試験条件を与えるための多数のシミュレートされたシナリオ及び材料を列挙し、例えば、付属書Vの表1及び2は、付属書IIIの表1に列挙されたシミュレートされた抽出剤を使用する試験シナリオの接触時間及び温度を詳細に示す。
【0026】
[00025]EC10/2011はまた、食品又は食品模擬物質の質量あたりの種々の金属
についての総移行限界を列挙する。即ち、バリウム-1ppm;コバルト-0.05ppm;銅-5ppm;鉄-48ppm;リチウム-0.6ppm;マンガン-0.6ppm;及び亜鉛-25ppm。付属書Iの表1に列挙されていない第一級芳香族アミンは、検出可能な量で放出されてはならない(0.01ppm未満)。
【0027】
[00026]種々のEU出版物は、着色剤(着色添加剤)のような添加剤に対する制限を更
に規定している。例えば、EC10/2011は、カーボンブラックの量を2.5重量%以下、ベンゾ(a)ピレンを0.25ppm以下、及びトルエン抽出性画分を0.1重量%以下に制限している。
【0028】
[00027]例えば、AP(89)1は、着色剤中の金属及びメタロイドが、アンチモン-
0.05重量%;ヒ素-0.01重量%;バリウム-0.01重量%;カドミウム-0.01重量%;クロム-0.1重量%;鉛-0.01重量%;水銀-0.005重量%;及びセレン-0.01重量%以下の量で、0.1M-HCl中に可溶であってよいことを規定する。1M-HCl中に可溶であり、アニリンとして表される着色剤中の第一級芳香族アミンは、500ppmより少ない量で存在しなければならない。特に、カーボンブラックは0.15重量%より多いトルエン抽出性画分を含んでいてはならない。抽出性ポリ塩化ビフェニルは、25ppmより多くてはならない。
【0029】
[00028]ドイツBfR-IXは、AP(89)1と同じ金属純度限界を規定し、更に、
プラスチックが加工されている間に着色剤が約150℃~約300℃の温度範囲に耐えることが必要であることを求めている。
【0030】
[00029]スペイン王政令847/2011は、0.1N-HClを指定することを除い
てAP(89)1と同じ金属純度制限を規定する。
[00030]イタリア法令21/3/73は、0.1N-HClを指定し、更にヒ素を0.
005重量%以下に制限することを除いて、AP(89)1と同じ金属純度制限を規定する。
【0031】
[00031]幾つかの実施形態においては、本ポリマー組成物は、処理パラメーター及び組
成物成分に最新の注意を払って選択することによって、上記の認可の少なくとも1つを満たすように配合される。例えば、ポリオキシメチレンポリマーの調製及び添加剤(例えば、着色添加剤及び/又はレーザーマーキング添加剤)の選択を、上記の基準の少なくとも1つを順守する最終製品(例えば、材料、器具部品、又は完成器具)を製造するために独自に操作することができる。
【0032】
[00032]ポリオキシメチレンポリマーの調製は、グリコールのような分子量調節剤の存
在下で、トリオキサン、又はトリオキサンとジオキソランのような環状アセタールの混合物のようなポリオキシメチレン形成モノマーを重合させることによって行うことができる。ポリマー組成物において使用されるポリオキシメチレンポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーを含んでいてよい。一実施形態によれば、ポリオキシメチレンは、少なくとも50モル%、例えば少なくとも75モル%、例えば少なくとも90モル%、例えば更には少なくとも97モル%の-CHO-繰り返し単位を含むホモ-又はコポリマーである。
【0033】
[00033]一実施形態においては、ポリオキシメチレンコポリマーを使用する。コポリマ
ーは、鎖中にイオウ原子又は酸素原子を有し、アルキルシクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ハロゲン、又はアルコキシからなる群から選択される1以上の置換基を含んでいてよい、少なくとも2個の炭素原子を有する飽和又はエチレン性不飽和アルキレン基又はシクロアルキレン基を含む、約0.01モル%~約20モル%、及び特に約0.5モル%~約10モル%の繰り返し単位を含んでいてよい。一実施形態においては、開環反応によってコポリマー中に導入することができる環状エーテル又はアセタールが使用される。
【0034】
[00034]好ましい環状エーテル又はアセタールは、次式:
【0035】
【化1】
【0036】
(式中、xは0又は1であり、Rは、適当な場合にはC~C-アルキル基であるか又はC~C-アルコキシ基であり、及び/又はハロゲン原子、好ましくは塩素原子である1以上の置換基を有するC~C-アルキレン基である)
のものである。単に例としては、環状エーテルとしてエチレンオキシド、プロピレン1,2-オキシド、ブチレン1,2-オキシド、ブチレン1,3-オキシド、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、及び1,3-ジオキセパン、並びにコモノマーとしてポリジオキソラン又はポリジオキセパンのような線状オリゴ-又はポリホルマールを言及することができる。99.5~95モル%のトリオキサンと、0.01~5モル%、例えば0.5~4モル%の上記のコモノマーの1つとから構成されるコポリマーを使用することが特に有利である。一実施形態においては、ポリオキシメチレンポリマーは、比較的少量のコモノマーを含む。例えば、コモノマーは、約2モル%未満、例えば約1.5モル%未満、例えば約1モル%未満、例えば約0.8モル%未満、例えば約0.6モル%未満の量で存在させることができる。
【0037】
[00035]一実施形態においては、ポリオキシメチレンの調製は、分子量調節剤としてエ
チレングリコール又はメチラールの存在下で、トリオキサン又はトリオキサンとジオキソランの混合物のようなポリオキシメチレン形成モノマーを重合させることによって行うことができる。重合は、沈殿重合としてか、又は溶融状態で行うことができる。使用することができる開始剤は、トリフルオロメタンスルホン酸のようなそれ自体公知の化合物であり、これらは、好ましくはエチレングリコール中の溶液としてモノマーに加える。触媒は、液体、固体、又は気体であってよい。一実施形態においては、触媒に、三フッ化ホウ素のようなホウ素化合物を含ませることができる。三フッ化ホウ素は、気体の処理中に存在させることができる。得られた生成物の重合及び後処理の手順及び停止は、それ自体公知の方法にしたがって行うことができる。重合の持続時間又は分子量調節剤の量のような重合パラメーターの好適な選択によって、得られるポリマーの分子量、及びしたがってMVR値を調節することができる。
【0038】
[00036]ポリオキシメチレンポリマー(又は複数のポリマーのブレンド)の融点は、ポ
リマーがどのように製造されるか、その分子量、及び種々の他のファクターによって変化し得る。例えば一実施形態においては、融点は約150℃から約200℃であり得る。ポリマーの重量平均分子量は、約5000~約200,000、例えば約7000~約150,000で変動し得る。
【0039】
[00037]一実施形態においては、ポリマー組成物において使用されるポリオキシメチレ
ンポリマーは、末端位置に比較的多い量の反応性基又は官能基を含んでいてよい。反応性基は、例えば-OH又は-NH基を含んでいてよい。
【0040】
[00038]一実施形態においては、ポリオキシメチレンポリマーは、ポリマー上の全ての
末端部位の少なくとも約50%より多い末端ヒドロキシル基、例えばヒドロキシエチレン基及び/又はヒドロキシル側基を有していてよい。例えば、ポリオキシメチレンポリマーは、存在する末端基の総数を基準として、その末端基の少なくとも少なくとも約70%、例えば少なくとも約80%、例えば少なくとも約85%がヒドロキシル基であってよい。存在する末端基の総数は全ての側鎖末端基を含むことを理解すべきである。
【0041】
[00039]一実施形態においては、ポリオキシメチレンポリマーは、少なくとも15ミリ
モル/kg、例えば少なくとも18ミリモル/kg、例えば少なくとも20ミリモル/kgの末端ヒドロキシル基の含量を有する。一実施形態においては、末端ヒドロキシル基の含量は18~50ミリモル/kgの範囲である。別の実施形態においては、ポリオキシメチレンポリマーは、20ミリモル/kg未満、例えば18ミリモル/kg未満、例えば15ミリモル/kg未満の量の末端ヒドロキシル基を含んでいてよい。例えば、ポリオキシメチレンポリマーは、約5ミリモル/kg~約20ミリモル/kg、例えば約5ミリモル/kg~約15ミリモル/kgの量の末端ヒドロキシル基を含んでいてよい。例えば、より低い末端ヒドロキシル基含量を有するが、より高いメルトボリュームフローレートを有するポリオキシメチレンポリマーを使用することができる。
【0042】
[00040]末端ヒドロキシル基に加えて、又はその代わりに、ポリオキシメチレンポリマ
ーはまた、これらのポリマーに通常的な他の末端基も有していてよい。これらの例は、アルコキシ基、ホルメート基、アセテート基、又はアルデヒド基である。一実施形態によれば、ポリオキシメチレンは、少なくとも50モル%、例えば少なくとも75モル%、例えば少なくとも90モル%、例えば更には少なくとも95モル%の-CHO-繰り返し単位を含むホモ-又はコポリマーである。
【0043】
[00041]一実施形態においては、ポリオキシメチレンポリマーは、カチオン重合プロセ
スを使用して製造し、続いて溶液加水分解を行って不安定な末端基を除去することができる。カチオン重合の間、エチレングリコール又はメチラールのようなグリコールを連鎖停止剤として使用することができる。触媒としては、ヘテロポリ酸、トリフリン酸、又はホウ素化合物を使用することができる。
【0044】
[00042]ポリオキシメチレンポリマーは、任意の好適な分子量を有していてよい。ポリ
マーの分子量は例えば、約4,000グラム/モル~約20,000g/モルであってよい。しかしながら、他の実施形態においては、分子量は20,000g/モルより十分に高く、例えば約20,000g/モル~約100,000g/モルであってよい。
【0045】
[00043]組成物中に存在するポリオキシメチレンポリマーは、一般に、ISO-113
3にしたがって190℃及び2.16kgにおいて求めて約0.1~約80cm/10分の範囲のメルトフローインデックス(MFI)を有していてよい。一実施形態において
は、ポリオキシメチレンポリマーは、約30cm/10分未満、例えば約25cm/10分未満、例えば約20cm/10分未満、例えば約15cm/10分未満、例えば約10cm/10分未満、例えば約5cm/10分未満のメルトフローインデックスを有していてよい。メルトフローインデックスは、一般に約0.5cm/10分より高い。別の実施形態においては、比較的高いメルトフローインデックスを有するポリオキシメチレンポリマーを使用することができる。例えば、ポリオキシメチレンポリマーは、約25cm/10分~約70cm/10分、例えば約30cm/10分~約55cm/10分のメルトフローインデックスを有していてよい。
【0046】
[00044]好適な商業的に入手できるポリオキシメチレンポリマーは、Celaneseによって
商品名Hostaform(登録商標)(HF)で入手できる。
[00045]ポリオキシメチレンポリマーは、少なくとも50重量%、例えば少なくとも6
0重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも85重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも93重量%、例えば少なくとも95重量%の量でポリオキシメチレンポリマー組成物中に存在させることができる。一般に、ポリオキシメチレンポリマーは、約100重量%未満、例えば約99重量%未満、例えば約97重量%未満の量で存在し、ここで重量はポリオキシメチレンポリマー組成物の総重量を基準とする。
【0047】
[00046]組成物中に含ませることができる強化繊維は、ガラス繊維のような鉱物繊維、
ポリマー繊維、特にアラミド繊維のような有機高弾性率繊維、鋼繊維のような金属繊維、炭素繊維、天然繊維、及び/又は再生可能資源からの繊維である。強化繊維は、5~45重量%、例えば10~40重量%の範囲の量で成形組成物中に存在させることができ、ここで重量は組成物の総重量を基準とする。これらの繊維は変性又は未変性形態であってよく、例えば、ポリマーへの接着性を向上させるためにサイジングを施されていてもよく、又は化学的に処理されていてもよい。例えば、ガラス繊維を使用することができる。強化繊維は、例えば押出機又は混練機内においてポリオキシメチレンマトリックス中に配合することができる。しかしながら、強化繊維は、有利にはこの目的のために好適なプロセスにおいてポリオキシメチレン成形組成物で被覆又は含浸された連続フィラメント繊維の形態をとって、次に連続ストランドの形態で加工又は巻き取るか、或いは繊維の長さとペレットの長さが同一になるように所望のペレット長さに切断することもできる。この目的のために特に好適なプロセスの例は、引抜成形プロセスである。
【0048】
[00047]ポリマー組成物には、熱可塑性エラストマーのような耐衝撃性改良剤を更に含
ませることができる。熱可塑性エラストマーは、熱可塑性及びエラストマー特性の両方を有する材料である。熱可塑性エラストマーとしては、スチレンブロックコポリマー、熱可塑性オレフィンエラストマーと呼ばれるポリオレフィンブレンド、エラストマーアロイ、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、及び熱可塑性ポリアミドが挙げられる。
【0049】
[00048]熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステルエラストマー(TPE-E)、
熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPE-A)、及び特に熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPE-U)が挙げられる。
【0050】
[00049]ポリマー組成物中に含まれる熱可塑性エラストマーの量は、種々のファクター
に応じて変化し得る。例えば、熱可塑性エラストマーは、約0.5重量%~約50重量%の範囲の量で存在させることができる。例えば一実施形態においては、熱可塑性エラストマー又は耐衝撃性改良剤は、約25重量%未満の量、例えば約15重量%未満の量、例えば約10重量%未満の量で組成物中に存在させることができる。熱可塑性エラストマー又は耐衝撃性改良剤は、一般に、約2重量%より多い量、例えば約5重量%より多い量、例
えば約8重量%より多い量、例えば約10重量%より多い量で存在する。
【0051】
[00050]一実施形態においては、耐衝撃性改質剤又は熱可塑性エラストマーが組成物中
に存在する場合には、組成物にカップリング剤を含ませることもできる。カップリング剤は、一般に約0.1重量%~約2重量%、例えば約0.1重量%~約1重量%の量で存在させることができる。
【0052】
[00051]一実施形態においては、ポリマー組成物に酸スキャベンジャーを含ませること
ができる。酸スキャベンジャーはカルボン酸塩を含んでいてよい。例えば、カルボン酸塩は、脂肪酸の金属塩のような脂肪酸の塩を含んでいてよい。例えば、カルボン酸塩は、脂肪酸のアルカリ土類金属塩を含んでいてよい。塩のカチオンは、例えば、カルシウム、バリウム、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛などを含んでいてよい。
【0053】
[00052]脂肪酸は、一般に約3炭素原子~約20炭素原子の炭素鎖を含んでいてよい。
脂肪酸は、ジカルボン酸又はトリカルボン酸を含んでいてよい。
[00053]一実施形態においては、脂肪酸の金属塩は、クエン酸、プロピオン酸、ステア
リン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの金属塩を含んでいてよい。1つの特定の実施形態においては、脂肪酸の金属塩は、プロピオン酸カルシウム、12-ヒドロキシステアリン酸カルシウム、クエン酸三カルシウムのようなクエン酸カルシウム、及びそれらの混合物を含んでいてよい。一実施形態においては、ポリオキシメチレンポリマー組成物が1種類以上の着色剤を含む場合には、着色剤をプロピオン酸カルシウムと組み合わせることによって、種々の利益及び有利性が得られる。
【0054】
[00054]1種類以上のカルボン酸塩は、一般に、約0.05重量%より多い量、例えば
約0.1重量%より多い量、例えば約0.2重量%より多い量、例えば約0.3重量%より多い量、例えば約0.4重量%より多い量、例えば約0.5重量%より多い量でポリマー組成物中に存在する。1種類以上のカルボン酸塩は、一般に、約5重量%未満の量、例えば約3重量%未満の量、例えば約2重量%未満の量、例えば約1.5重量%未満の量、例えば約1重量%未満の量でポリマー組成物中に存在する。
【0055】
[00055]本発明のポリマー組成物にはまた、例えば酸化防止剤、UV安定剤又は熱安定
剤、耐衝撃性改良剤、及び/又は強化繊維のような他の公知の添加剤を含ませることもできる。更に、組成物に、加工助剤、例えば接着促進剤、滑剤、成核剤、離型剤、フィラー、又は帯電防止剤、並びに組成物及びそれから製造される物品又は部品に所望の特性を与える添加剤を含ませることができる。
【0056】
[00056]一実施形態においては、紫外光安定剤を存在させることができる。紫外光安定
剤は、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、又はベンゾエートを含んでいてよい。UV光吸収剤は、存在させる場合には、少なくとも約0.01重量%、例えば少なくとも約0.05重量%、例えば少なくとも約0.075重量%で、約1重量%未満、例えば約0.75重量%未満、例えば約0.5重量%未満の量でポリマー組成物中に存在させることができ、ここで重量はそれぞれのポリマー組成物の総重量を基準とする。
【0057】
[00057]一実施形態においては、成核剤を存在させることができる。成核剤は結晶化度
を増加させることができ、オキシメチレンターポリマーを含ませることができる。例えば1つの特定の実施形態においては、成核剤に、ブタンジオールジグリシジルエーテル、エチレンオキシド、及びトリオキサンのターポリマーを含ませることができる。成核剤は、少なくとも約0.01重量%、例えば少なくとも約0.05重量%、例えば少なくとも約0.1重量%で、約2重量%未満、例えば約1.5重量%未満、例えば約1重量%未満の
量で組成物中に存在させることができ、ここで重量はそれぞれのポリマー組成物の総重量を基準とする。
【0058】
[00058]一実施形態においては、立体障害フェノールのような酸化防止剤を存在させる
ことができる。商業的に入手できる例は、ペンタエリトリチルテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート]、3,3’-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオノヒドラジド]、及びヘキサメチレングリコールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。一実施形態においては、組成物中に導入される酸化防止剤は、エチレンビス(オキシエチレン)ビス-(3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)-プロピオネート)である。酸化防止剤は、少なくとも約0.01重量%、例えば少なくとも約0.05重量%、例えば少なくとも約0.075重量%で、約1重量%未満、例えば約0.75重量%未満、例えば約0.5重量%未満の量でポリマー組成物中に存在させることができ、ここで重量はそれぞれのポリマー組成物の総重量を基準とする。
【0059】
[00059]一実施形態においては、紫外光安定剤に加えて、立体障害アミンのような光安
定剤を存在させることができる。使用することができるヒンダードアミン光安定剤としては、N-メチル化されたオリゴマーヒンダードアミン化合物が挙げられる。例えば、ヒンダードアミン光安定剤には、高分子量ヒンダードアミン安定剤を含ませることができる。光安定剤の他の実施形態としては、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル化合物、例えばビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート又はコハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンのポリマーが挙げられる。一実施形態においては、光安定剤に、2-(2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-4,6-ビス(1-エチル-1-フェニル-エチル)フェノールを含ませることができる。光安定剤は、存在させる場合には、少なくとも約0.01重量%、例えば少なくとも約0.05重量%、例えば少なくとも約0.075重量%で、約1重量%未満、例えば約0.75重量%未満、例えば約0.5重量%未満の量でポリマー組成物中に存在させることができ、ここで重量はそれぞれのポリマー組成物の総重量を基準とする。
【0060】
[00060]一実施形態においては、滑剤を存在させることができる。滑剤には、ポリマー
ワックス組成物を含ませることができる。更に、一実施形態においては、ポリエチレングリコールポリマー(加工助剤)を組成物中に存在させることができる。ポリエチレングリコールは、例えば、約1000~約5000、例えば約3000~約4000の分子量を有していてよい。例えば一実施形態においては、PEG-75を存在させることができる。別の実施形態においては、エチレンビス(ステアラミド)のような脂肪酸アミドを存在させることができる。滑剤は、一般に、少なくとも約0.01重量%、例えば少なくとも約0.05重量%、例えば少なくとも約0.075重量%で、約1重量%未満、例えば約0.75重量%未満、例えば約0.5重量%未満の量でポリマー組成物中に存在させることができ、ここで重量はそれぞれのポリマー組成物の総重量を基準とする。
【0061】
[00061]一実施形態においては、ポリオキシメチレンポリマー組成物にはまた、ホルム
アルデヒドスキャベンジャーを含ませることができる。一実施形態においては、ホルムアルデヒドスキャベンジャーは、メラミンを含んでいなくてよい。例えば一実施形態においては、ホルムアルデヒドスキャベンジャーには、ジシアンジアミドを単独か又はコポリアミドと組み合わせて含ませることができる。存在する場合、酸スキャベンジャーは、約1重量%未満の量、例えば約0.5重量%未満の量、例えば約0.3重量%未満の量、例えば約0.1重量%未満の量、例えば約0.05重量%未満の量で、一般に約0.0001
重量%より多い量でポリマー組成物中に含ませることができる。
【0062】
[00062]更に、本発明のように調製されるポリマーは、レーザーマーキング可能であり
得、及び/又は練り込み着色する(mass color)ことができる。更に、幾つかの実施形態はラテックス及び/又は動物性副生成物を含んでいなくてよい。
【0063】
[00063]一般に、レーザーマーキングポリマーは、ポリマー基材上に画像(例えば、ド
ット、線、絵文字、図、バーコード)、刻印(例えば、視覚及び/又は構造目的のため)、又は他のマークを形成する1つの方法である。特に、レーザーマーキングプロセスは、特に伝統的な印刷プロセスと比較した場合に、しばしば高速性及び精密性を与える。
【0064】
[00064]特に有利なことには、レーザーマーキングはポリマーの表面への第2の材料(
例えばインク)の適用を伴わず、本明細書中で議論されるものような種々の生体適合性及び食品接触規則にしたがって認可されなければならない物質の数を最小にする。レーザーマーキングプロセスのパラメーター(例えば、レーザー焦点速度、温度、波長等)に応じて、レーザーマークは、幾つかの実施例においては発泡、刻印、色変化、及び/又は炭化によって形成される。色の変化に加えて、レーザーマーキングパラメーターは、白色と黒色の間の範囲(両端を含む)のグレースケール陰影を有するマークを生成するように構成することができる。マーキングプロセスの浸透度は染色深さによって特徴付けることができ;例えば幾つかの実施形態においては、約50μmより大きく、例えば約100μmより大きい染色深さが望ましい。一般に、染色深さは、基材の機械的特性を損なうのを回避するように、ポリマー基材の厚さより小さいことが望ましい。
【0065】
[00065]例えば、レーザーマーキングプロセスは、刻印された領域の色を変えるか又は
変えないで刻印する(即ち、材料を除去する)ように構成することができる。幾つかの場合においては、刻印された領域はまた、炭化にかけて、刻印された領域と周囲のポリマーとの間に暗く明確に画定されたコントラストを示すこともできる。他の例においては、マーキングプロセスは、マーキングされた領域上に色の変化を与えるか又は与えないで、マーキングされた領域とマーキングされていない領域との間に明確なテクスチャーを与えるように、特定の領域を発泡させるように構成することができる。一般に、ポリマーは、レーザーによって溶融されたポリマーが冷却溶融物中に捕捉された状態で維持される気泡を生成する場合に、発泡領域を生成する。例えば、発泡は低いレーザー強度において起こすことができる。幾つかの場合においては、発泡領域は周囲の非発泡領域よりも明るい色を示して、テクスチャーに加えて視覚的コントラストを与える。幾つかの実施形態は、発泡高さを最小にするように構成することができる。
【0066】
[00066]レーザーマーキングプロセスのために使用される装置は、書込み、マスク、ド
ットマトリクス、及び他の動作モードにしたがって広範囲に利用可能である。例えば、書込みレーザーは、少なくとも1つ又はそれ以上の制御可能なミラーを使用して、レーザービームをポリマー基材の表面に向けて、予めプログラムされたパターンにしたがって表面に書込むか、又は他の方法でマーキングすることができる。マスクレーザーマーキングプロセスは、マスク中に切り込まれた特定のパターンに適合するビームの部分の通過のみを許容するマスキング装置上にレーザービームを投射して、マスクを通過する部分を対象のポリマー基材の表面に向ける。ドットマトリクスレーザーシステムは、シャッター装置を使用して、密接にグループ化されているが個々であるドットマークからマーキングを構成する。
【0067】
[00067]伝統的なレーザーマーキングシステムの例は、cw又はパルスCOレーザー
及びイットリウムアルミニウムガーネット(YAG)(例えばNd:YAG)レーザーであり、ここではマーキングは印加されたレーザービームの熱によって達成される。これら
のシステムによって生成するパルスの波長は、可視又は赤外スペクトルの範囲内である。マーキングされるパターン又は刻印は、レーザービームが通過するマスクを使用することによってか、又は所望の刻印又はパターンを生成するために移動又は走査される集束レーザービームによって形成される。かかるレーザーは、刻印、はんだ付け、及び溶接のためにも使用され、マーキングの場合には、材料の表面層を、溶融、アブレーション、又は気化して、識別可能な刻印又はパターンを生成する。また、このタイプの物品マーキングは、マーキングされる物品表面において化学反応を使用することによって達成することができ、この場合は、物品の表面上の特定のコーティング剤は視覚的に透明であるが、レーザービーム又はレーザーパルスの影響下で可視的なコントラスト変化を起こすことができる。
【0068】
[00068]COレーザーは、主としてパッケージのようなプラスチック表面をマーキン
グするために使用されてきた。レーザーからのレーザービームを、銅ステンシルを通して導いて、プラスチック表面上に刻印を形成する。しかしながら、長年にわたる一部のパッケージの収縮のために、良好な視認性を有する高品質の刻印がこの特定の用途のためにもはや満足できるものではないので、COレーザーは、多くの場合もはや好適でない。しかしながら、低コストのX-Yガルバノメーター装置を使用する低コストでより低いマーキング品質のCOシステムは、高品質のマーキングを必要としない用途のために依然として使用されている。
【0069】
[00069]YAGレーザーは、包装マーキング並びに多くの他のマーキング用途のために
広く使用されている。YAGレーザーはより短い動作波長を有し、セラミック材料のようなより硬質の表面上に刻印をマーキングすることができる。YAGマーキングシステムにおけるビームは、例えばコンピュータ制御下で運転されるX-Yガルバノメーター装置又はX-Xガルバノメーター装置のように、マーキングされる表面上にビームの二次元走査を形成するために直角方向にレーザービームを変位させるように取り付けられた一対の変位可能なミラーによって、一次元、二次元、又は三次元で操縦又は走査される。刻印は、より小さいパッケージの場合のように、比較的小さい表面上に微細な分解能及びマーキングの鮮明さでマーキングされる物品の表面上に刻まれる。
【0070】
[00070]しかしながら、幾つかのポリマーは所望の波長(例えばUV~赤外)のレーザ
ーエネルギーを吸収せず、所望のマーキング結果を生成しない。したがって、幾つかの実施形態は、IR、可視、及びUV波長範囲におけるプラスチックのマーキングを強化するか又は別の形態で可能にするために、レーザーマーキング添加剤を使用することができる。例えば、レーザーマーキング可能な材料に関しても、レーザーマーキング添加剤を導入することによって、コントラスト又は他のマーキング特性を向上させることができる。
【0071】
[00071]本明細書に記載されるポリマーへ導入するための全ての要件を満たすと認めら
れるレーザーマーキング添加剤としては、Iriotec 8208が挙げられるが、これに限定されない。Iriotec 8208は、三酸化アンチモンが微小球内に封入され、ポリマーマトリクス(例えばポリエチレン)内に担持されている化合物の代表例である。マトリクスと三酸化アンチモンとの質量比は、約35:65~約25:75の範囲であり得る。
【0072】
[00072]レーザーマーキング添加剤は、幾つかの実施形態においては0.1重量%より
多い量、例えば約0.5重量%より多い量、例えば約1重量%より多い量、例えば約2重量%より多い量でポリマー中に導入することができる。幾つかの実施形態においては、添加剤は、約4重量%未満、例えば約3重量%未満、例えば約2重量%未満の量で存在する。
【0073】
[00073]有利には、かかる添加剤は、本明細書に記載されるポリマーの処理において使
用されるもの以外には特別な処理パラメーターを必要としない場合がある。幾つかの場合においては、元々の温度よりも10℃~20℃高い温度上昇が最適である場合がある。添加剤の分散は、幾つかの場合においてはポリマー・添加剤混合物を約100℃より高い温度、例えば約160℃より高い温度で処理すると向上させることができる。幾つかの実施形態においては、処理温度は、約300℃より低く、例えば約280℃より低く、例えば約250℃より低い温度に維持する。
【0074】
[00074]練り込み着色ポリマーは、材料全体にわたって、即ち単なる着色の表面被覆よ
りも多く着色されたポリマーである。幾つかの実施形態においては、練り込み着色は、処理中に顔料又は他の着色添加剤をポリマー中に混合することによって達成される。着色剤は、少なくとも約0.01重量%、例えば少なくとも約0.05重量%、例えば少なくとも約0.1重量%、例えば少なくとも約0.5重量%、例えば少なくとも約0.8重量%、例えば少なくとも約1重量%で、約5重量%未満、例えば約2.5重量%未満、例えば約1重量%未満の量で組成物中に存在させることができ、ここで重量はそれぞれのポリマー組成物の総重量を基準とする。幾つかの例においては、着色剤は、約2重量%より多く、例えば約4重量%より多く、例えば約6重量%より多く、例えば約8重量%より多く、例えば約10重量%より多い量で存在させることができる。種々の実施形態においては、着色剤は、約15重量%未満、例えば約13重量%未満、例えば約11重量%未満、例えば約9重量%未満、例えば約7重量%未満、例えば約5重量%未満の量で存在させることができる。
【0075】
[00075]医療器具又は食品接触が認可される物体において使用するためには、顔料及び
ポリマーの両方が安全性のための高い基準を満たさなければならない。例えば、連邦規則集のUS21章に記載されているように、FDAは、他に示唆するエビデンスがない場合には、ヒトへの使用に関する安全性を実証するために動物試験に頼る場合には100の安全係数を使用しなければならないことを要求している。通常は、FDAは、経口毒性、一次刺激性、感作性、無傷の皮膚及び擦過皮膚に対する亜急性皮膚毒性、及び外用色素添加剤の発癌性に関するエビデンスを考慮するが、一部の試験は提案された使用に関する安全性を決定するためにかかるな試験が必要とされないことを示すことによって省略することができる。
【0076】
[00076]本明細書中に記載されるポリマーへ導入するための全ての要件を満たすと認め
られる顔料としては、Sicotan Yellow K 2112、Kronos 2220、Kronos 2211、Kronos 2233、Printex FP、PV Fast Green GNX、PV Fast Yellow HG、Irgazin Yellow K 2070、Bayferrox 3910、Irgazin Red K 3840、Cromophtal Orange GP、Heliogen Blue K 7090、及びHeliogen Green K 8730が挙げられるが、これらに限定されない。具体的に開示された顔料は、使用することができる種々の顔料の単なる代表例として理解すべきである。
【0077】
[00077]Sicotan Yellow K 2112は、酸化クロム(III)、五酸化アンチモン、及び二酸化チタンをベースとするルチル顔料である。酸可溶性アンチモンは、約20ppm未満の量で存在する。更に、不可避的不純物は、30ppmのヒ素、50ppmの鉛、10ppm未満のカドミウム、10ppm未満のコバルト、10ppm未満の銅、50ppm未満のニッケル、1ppm未満のセレン、1ppm未満の水銀、及び100ppm未満の亜鉛に抑制されている。Sicotan Yellow K 2112は、次の規則及び規定:EU規則No.1
935/2004/EC-3条、AP(89)1、ドイツBfR-IX、及びオーストラリア規則AS-2070-1999に準拠しているか、又は他の形態で認可されており、EU(EC)規則10/2011、フランス法令集1227、スペイン王政令847/2011、イタリア法令21/3/73、FDA21CFR、日本JHOSPA、及び中国規則GB9685-2008に基づく使用制限に条件付きで準拠している。この顔料は、日本JHPAには準拠していない。
【0078】
[00078]Kronos 2211、2220、及び2233は、それぞれ最小で95.5、92.5、及び96重量%のTiOを含む、DIN-EN-ISO-591、パート1に対応するR2化合物を代表する、塩化物法によって製造されたルチル顔料の代表例であり、それぞれアルミニウム、アルミニウムとケイ素、及びアルミニウムとケイ素を含む化合物で安定化されている。同じものを含むプラスチゾル配合物の散乱力は、それぞれ、約105、99、及び104であり得る。種々のグレードの二酸化チタンを、目標設計の必要性に応じて使用することができる。例えば、Kronos 2233は、担体ポリマーの劣化に抵抗し、高い処理温
度においても着色効果を維持する二酸化チタンである。
【0079】
[00079]Printex FPは、21CFR§178.3297に準拠したピグメントブラック
7(色指数#77266)の代表例である。
[00080]PV Fast Green GNXは、ピグメントグリーン7(銅フタロシアニン)の代表例であり、これは限定なしに21CFR§178.3297の下でのFDA準拠である。
【0080】
[00081]PV Fast Yellow HGは、食品接触表面が表2からの使用条件B、C、D、E、F、Gを満たす用途のための21CFR§176.170の下でのFDA準拠であるピグメントイエロー180(ベンズイミダゾロン)の代表例である。この顔料は、使用条件A又はHを満たす用途に関して準拠するとは説明されていない。
【0081】
[00082]Irgazin Yellow K 2070は、ピグメントイエロー110(イソインドリノン)の代表例であり、以下の規則及び規定:EU規則No.1935/2004/EC-3条、EU(EC)規則10/2011、AP(89)1、ドイツBfR-IX、スペイン王政令847/2011、イタリア法令21/3/73、オーストラリア規則AS2070-1999、及び中国規則GB9685-2008に準拠しているか、又は他の形態で認可されており、フランス法令集1227、FDA21CFR、並びに日本JHOSPA及びJHPAの下での使用制限に条件付きで準拠している。
【0082】
[00083]Bayferrox 3910は、ピグメントイエロー42(黄色酸化鉄:FeO(OH)・
xHO)の代表例である。顔料の乾燥により、3ppm以下のヒ素、1ppmのカドミウム、10ppmの鉛、又は1ppmの水銀が失われ、この顔料は、次の規則及び規定:
EU-AP(89)1、ドイツBfR-IX、1959年12月2日付のフランス通達
176、オランダ食品法/包装規則(Netherlands Warenwet/Regeling Verpakkingen);実施規則(Uitvoeringsvoorschriften)CIII-55、勅令211/1992の5条にしたがうスペイン決議4.1L1982、オーストラリアAS2070.6、USA21CFR178.3297、及び日本JHOSPAに準拠、又は他の形態で認可されている。
【0083】
[00084]Irgazin Red K 3840 は、ピグメントレッド254(ジケトピロロピロール)の代表例であり、次の規則及び規定:EU規則No.1935/2004/EC-3条、E
U(EC)規則10/2011、AP(89)1、ドイツBfR-IX、フランス法令集1227、スペイン王政令847/2011、イタリア法令21/3/73、及びオーストラリア規則AS2070-1999に準拠、又は他の形態で認可されており、FDA21CFR、日本JHOSPA及びJHPA、及び中国規則GB9685-2008に基づく使用制限に条件付きで準拠している。
【0084】
[00085]Cromophtal Orange GPは、ピグメントオレンジ64(ジスアゾ縮合)の代表例
であり、以下の規則及び規定:EU規則No.1935/2004/EC-3条、EU(EC)規則10/2011、AP(89)1、ドイツBfR-IX、フランス法令集1227、スペイン王政令847/2011、イタリア法令21/3/73、及びオーストラリア規則AS2070-1999に準拠、又は他の形態で認可されており、FDA21C
FR、日本JHOSPA、及び中国規則GB9685-2008に基づく使用制限に条件付きで準拠している。
【0085】
[00086]Heliogen Blue K 7090は、ピグメントブルー15:3又は非塩素化銅フタロシ
アニン(約11重量%の銅を有するベータ形態)の代表例であり、以下の規則及び規定:EU規則No.1935/2004/EC-3条、AP(89)1、ドイツBfR-IX、日本JHPA、及びオーストラリア規則AS2070-1999に準拠、又は他の形態で認可されており、EU(EC)規則10/2011、フランス法令集1227、スペイン王政令847/2011、イタリア法令21/3/73、FDA21CFR、日本JHOSPA、及び中国規則GB9685-2008に基づく使用制限に条件付きで準拠している。不可避的不純物は、20ppm未満のアンチモン、20ppm未満のヒ素、20ppm未満の鉛、30ppm未満のカドミウム、50ppm未満のクロム、20ppm未満のセレン、20ppm未満の水銀、及び20ppm未満の亜鉛に抑制されている。第一級芳香族アミンも100ppm未満に抑制されている。
【0086】
[00087]Heliogen Green K 8730は、ピグメントグリーン7又は塩素化銅フタロシアニン(約5.6重量%の銅を有する)の代表例であり、以下の規則及び規定:AP(89)1に準拠、又は他の形態で認可されており、EU規則No.1935/2004/EC-3条、EU(EC)規則10/2011、ドイツBfR-IX、フランス法令集1227、スペイン王政令847/2011、イタリア法令21/3/73、FDA21CFR、日本JHOSPA、日本JHPA、オーストラリア規則AS2070-1999、及び中国規則GB9685-2008に基づく使用制限に条件付きで準拠している。不可避的不純物は、20ppm未満のアンチモン、20ppm未満のヒ素、20ppm未満の鉛、30ppm未満のカドミウム、50ppm未満のクロム、20ppm未満のセレン、20ppm未満の水銀、及び20ppm未満の亜鉛に抑制されている。第一級芳香族アミンも100ppm未満に抑制されている。
【0087】
[00088]本発明の組成物は、当該技術において公知の任意の技術を使用して、配合して
ポリマー物品に形成することができる。例えば、それぞれの組成物を激しく混合して、実質的に均質なブレンドを形成することができる。ブレンドは、ポリマー組成物において使用されるポリマーの融点よりも高いが分解温度よりも低い温度のような昇温温度において溶融混練することができる。或いは、それぞれの組成物を、従来の一軸又は二軸押出機内で溶融して一緒に混合することができる。好ましくは、溶融混合は、100~280℃、例えば120~260℃、例えば140~240℃、又は180~220℃の範囲の温度において行う。押出後、組成物をペレットに成形することができる。ペレットは、射出成形、熱成形、ブロー成形、回転成形などのような当該技術において公知の技術によってポリマー物品に成形することができる。
【0088】
[00089]ペレットを製造することによって、例えば医療器具の製造のための原材料を与
えることができる。一実施形態においては、ペレットは少なくとも1つの生体適合性又は食品接触基準にしたがって認証される。一実施形態においては、ペレットの配合及び処理に細心の注意を払うことによって、生体適合性又は食品接触認証を原材料から最終製品に与えて、これにより製造プロセスに対する規制上の負担を軽減することが可能になる。
【0089】
[00090]本明細書に記載されているポリマーは、適正製造規範(GMP)に関する現在
の基準にしたがって製造することができる。例えば、EU規制No.2230/2006によって要求されるように、GMPは、(1)製造された物品がその物品のコンプライアンスを保証する事前に確立された仕様に準拠する出発材料を選択することなどによって、それらに適用可能な規則に準拠することを保証する品質保証システム;(2)GMPの適用を監視し、GMPに準拠しないことを迅速に是正する品質制御システム;及び(3)要
求に応じて所管官庁に利用可能にされる、製造された物品又は関連するGMPガイドラインに関する基準の遵守に関連する仕様及び製造処方を目録化する文書化システム;を含む。
【0090】
[00091]代表的な実施形態は、種々の医療器具を包含する。例えば、図1を参照すると
、吸入器10が示されている。吸入器10は、マウスピース14に取り付けられたハウジング12を含む。ハウジング12には、吸入される組成物を収容するキャニスタを受容するためのプランジャー16が作動的に関連している。組成物は、スプレー又は粉末を含んでいてよい。使用中においては、吸入器10は、喘息薬のような薬剤の計量された用量を患者に投与する。喘息薬は、推進ガス中に懸濁又は溶解することができ、或いは粉末中に含ませることができる。患者が薬剤を吸入するために吸入器を作動させると、弁が開いて、薬剤がマウスピースから排出されることを可能にする。本発明によれば、ハウジング12、マウスピース14、及びプランジャー16は、全て、上記記載のポリマー組成物から製造することができる。
【0091】
[00092]図2を参照すると、本発明にしたがって製造することができる別の医療製品が
示されている。図2においては、医療用注射器20が示されている。医療用注射器20は、プランジャー24と作動的に関連するハウジング22を含む。ハウジング22は、プランジャー24に対して滑動させることができる。医療用注射器20はばね付勢式であってよい。医療用注射器は、患者の通常は大腿部又は臀部中に薬物を注射するためのものである。医療用注射器は、無針であってよく、又は針を含んでいてもよい。針を含む場合には、針の先端は通常は注射前にはハウジング内で保護される。他方において、無針注射器には、針を使用しないで皮膚を通して薬剤を押出す加圧ガスのシリンダーを含ませることができる。本発明によれば、ハウジング22及び/又はプランジャー24は、上記記載のポリマー組成物から製造することができる。
【0092】
[00093]図3を参照すると、別の例においては、股関節インプラントが示されている。
股関節インプラントは、ステム31及び関節係合部材又はヘッド32を有する股関節プロテーゼ30を含む。股関節プロテーゼ30は、本発明によるポリマー材料から製造することができる。示されるように、股関節プロテーゼ30は、大腿骨のような骨33内にリーマ加工された空洞内に挿入されている。
【0093】
[00094]図3に示す股関節インプラントは、これも本発明にしたがって製造することが
できる寛骨臼カップ34を更に含む。寛骨臼カップ34は、股関節プロテーゼ30のヘッド32を受容するように適合された関節係合部材を含む。股関節プロテーゼ30及び寛骨臼カップ34を移植するために、両方の物品は、骨セメント35を使用して骨に接合することができる。
【0094】
[00095]股関節インプラントを製造するために使用されることに加えて、本発明のポリ
マー組成物はまた、種々の他の整形外科用器具を製造することもできる。例えば、本ポリマー組成物は、脛骨プラトーなどの膝プロテーゼを製造するのによく適している。
【0095】
[00096]一実施形態においては、本ポリマー組成物は、手術中に医師又は外科医がイン
プラントの正しいサイズを決定するのを助けるトライアルサイザーを製造するために使用される。一実施形態においては、トライアルサイザーのそれぞれを、特定のサイズを示すために色分けすることができる。例えば、図4を参照すると、複数の整形外科用器具40が示されている。複数の整形外科用器具40は全て、本発明のポリマー組成物から製造することができる。示されるように、それぞれの整形外科用器具40は、ステム42、及び関節係合部材又はヘッド44を含む。この整形外科用器具全体を本ポリマー組成物から製造することができ、又はその代わりに、ヘッド又は関節係合部材のみを本発明のポリマー
組成物から製造することができる。更に別の実施形態においては、本ポリマー組成物には、関節係合部材を製造するために使用されるコーティングを含ませることができる。
【0096】
[00097]図4に示すように、それぞれの整形外科用器具40は異なる寸法又はサイズを
有し、上記したように、それぞれ異なる色で製造することができる。外科手術中において、インプラントの挿入のために骨部位を準備することができる。次に、図4に示すような複数の整形外科用器具40を外科医が使用して、特定の患者について使用すべきプロテーゼの適切なサイズを決定することができる。適切なサイズが決定されたら、外科医は、第2の複数の器具から、患者の体内に挿入される整形外科用器具を選択することができる。第2の複数の整形外科用器具は、同じポリマー組成物から製造することができ、又は異なる材料から製造することができる。
【0097】
[00098]本発明にしたがって製造されるポリマーは、以下の代表的な実施形態を考慮し
てより良好に理解することができる。
【実施例0098】
[00099]本発明にしたがって、
95.28部のPOMフレーク;
2.5部のIriotec 8208;
1部のTitandioxid Kronos 2211;
0.5部のPOMターポリマー;
0.4部のIrganox 245 FF;
0.2部のEBSワックス(植物性);
0.1部のクエン酸三カルシウム;及び
0.02部のジシアンジアミド;
を混合することによって、ポリオキシメチレンポリマーを調製した。
【0099】
[000100]抽出性ホルムアルデヒド試験により、4.2μg/cmが得られた。
[000101] 9682部のPOM Pulver 13034;
318部のPB MT RM;
64部のTitandioxid Kronos 2233;
2.7部のPV Fast Green GNX;
1.6部のHeliogen Blue K 7090;
1.6部のHeliogen Green K 8730;及び
0.1部のBayferrox 3910;
を混合することによって、第2の例のポリオキシメチレンポリマーを調製した。
【0100】
[000102]抽出性ホルムアルデヒド試験により、1.3μg/cmが得られた。上記のポリマー組成物はレーザーマーキング可能である。
[000103]本発明に対するこれら及び他の修正及び変更は、添付の特許請求の範囲においてより詳細に示される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施することができる。更に、種々の実施形態の複数の態様は、全体的又は部分的に交換することができることを理解すべきである。更に、当業者であれば、上述の記載は単に例示の目的であり、かかる添付の特許請求の範囲において更に記載される発明を限定することは意図しないことを理解する。以下に本願の原出願の出願時の特許請求の範囲の記載を転記する。
[態様1]
医療又は食品容器用途のための練り込み着色ポリマー組成物であって、
190℃において2.16kgの荷重下で試験して約30cm/10分未満のメルトボリュームフローレートを有し、少なくとも70重量%の量で前記ポリマー組成物中に存在するポリオキシメチレンポリマー;
前記組成物を練り込み着色するのに十分に前記ポリマー組成物中に存在する少なくとも1種類の着色剤であって、かかる1種類以上の着色剤は約15重量%未満の量で前記ポリマー組成物中に存在する、上記着色剤;
を含み;
前記ポリオキシメチレンポリマー及び前記少なくとも1種類の着色剤は、前記ポリマー組成物がUSPクラスVI及びISO-10993試験に合格するように選択され、前記ポリマー組成物はラテックスを含まず、動物性副生成物を含まない、上記練り込み着色ポリマー組成物。
[態様2]
前記ポリオキシメチレンポリマーが、21CFR§177.2470~2480にしたがって0.5mg/インチ未満の正味のクロロホルム可溶性抽出物を含み、前記抽出物が21CFR§1.75.300(d)にしたがって調製される、態様1に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様3]
前記練り込み着色ポリマー組成物が、21CFR§177.2470~§177.2480にしたがってクロロホルムを使用して試験して0.5mg/インチ未満の抽出性ホルムアルデヒドを生成する、態様1及び2のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様4]
前記組成物がヨーロッパ規則EC10/2011試験に合格する、態様1~3のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様5]
前記組成物が約93重量%より多い量の前記ポリオキシメチレンポリマーを含む、態様1~4のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様6]
酸スキャベンジャーを更に含む、態様1~5のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様7]
前記酸スキャベンジャーがクエン酸三カルシウムを含み、前記クエン酸三カルシウムが約0.01重量%~約0.5重量%の量で前記ポリマー組成物中に存在する、態様6に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様8]
前記ポリマー組成物が酸化防止剤を更に含み、前記酸化防止剤がエチレンビス(オキシエチレン)ビス-(3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)-プロピオネート)を含む、態様1~7のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様9]
前記ポリマー組成物が成核剤を更に含み、前記成核剤がターポリマーを含む、態様1~8のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様10]
前記ポリマー組成物がレーザーマーキング添加剤を更に含む、態様1~9のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様11]
前記レーザーマーキング添加剤がカプセル化三酸化アンチモンを含む、態様10に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様12]
前記少なくとも1種の着色剤が、黄色着色剤、青色着色剤、赤色着色剤、緑色着色剤、白色着色剤、黒色着色剤、又はそれらの混合物を含む、態様1~11のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様13]
前記少なくとも1種類の着色剤が、20ppm未満の酸可溶性アンチモンを含み、30ppm未満のヒ素を含み、50ppm未満の鉛を含み、10ppm未満のカドミウムを含み、10ppm未満のコバルトを含み、10ppm未満の銅を含み、50ppm未満のニッケルを含み、1ppm未満のセレンを含み、1ppm未満の水銀を含み、そして、100ppm未満の亜鉛を含む、態様1~12のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様14]
前記組成物が配合ペレットの形態である、態様1~13のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様15]
前記組成物が少なくとも2種類の着色剤を含む、態様1~14のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様16]
前記組成物が約3~約10種類の着色剤を含む、態様1~15のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様17]
前記ポリマー組成物が酸化防止剤を更に含み、前記酸化防止剤がエチレンビス(オキシエチレン)ビス-(3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)-プロピオネート)を含み、前記ポリマー組成物が成核剤を更に含み、前記成核剤がターポリマーを含み、そして、前記ポリマー組成物がジシアンジアミド及びエチレンビス(ステアラミド)を更に含む、態様7に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様18]
前記組成物が少なくとも2種類の着色剤を含み、全ての着色剤が、20ppm未満の酸可溶性アンチモンを含み、30ppm未満のヒ素を含み、50ppm未満の鉛を含み、10ppm未満のカドミウムを含み、10ppm未満のコバルトを含み、10ppm未満の銅を含み、50ppm未満のニッケルを含み、1ppm未満のセレンを含み、1ppm未満の水銀を含み、そして、100ppm未満の亜鉛を含む、態様17に記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様19]
強化繊維を更に含み、前記強化繊維が約5重量%~約45重量%の量で存在し、前記強化繊維がガラス繊維を含む、態様1~18のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物。
[態様20]
態様1~19のいずれかに記載の練り込み着色ポリマー組成物から製造される成形品を含む医療器具。
[態様21]
前記医療器具が、関節係合部材を含む整形外科用器具を含む、態様20に記載の医療器具。
[態様22]
前記医療器具がハウジングを含む吸入器を含み、前記成形品が前記ハウジングを含む、態様20に記載の医療器具。
[態様23]
前記医療器具がハウジングを含む医療用注射器を含み、前記成形品が前記医療用注射器のハウジングを含む、態様20に記載の医療器具。
図1
図2
図3
図4