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特開2024-50585濃縮または乾燥酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体と、関連組成物および食品とを製造する方法
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  • 特開-濃縮または乾燥酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体と、関連組成物および食品とを製造する方法 図1
  • 特開-濃縮または乾燥酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体と、関連組成物および食品とを製造する方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050585
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】濃縮または乾燥酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体と、関連組成物および食品とを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A23C 21/00 20060101AFI20240403BHJP
   A23J 1/20 20060101ALI20240403BHJP
   A23C 9/12 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A23C21/00
A23J1/20
A23C9/12
【審査請求】有
【請求項の数】34
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000798
(22)【出願日】2024-01-05
(62)【分割の表示】P 2021203107の分割
【原出願日】2017-07-14
(31)【優先権主張番号】16179713.9
(32)【優先日】2016-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】514140089
【氏名又は名称】アーラ フーズ エエムビエ
【氏名又は名称原語表記】Arla Foods amba
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】アンデルセン,メデ ムラ
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン,セーレン バング
(72)【発明者】
【氏名】ベアテルセン,ハンス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物、前記組成物を含む食品を調製する方法、および前記食品を提供する。
【解決手段】酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物であって、粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも70%(w/w)のタンパク質総量を有し、タンパク質総量に対して少なくとも50~95%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子を含み、変性ホエータンパク質粒子の少なくとも60%(w/w)が、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体であることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6~9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮するステップと、
e)前記濃縮懸濁液を乾燥させるステップと
を含む酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を調製する方法において、
-ステップd)の濃縮懸濁液の温度が、前記濃縮懸濁液がステップe)の乾燥に供されるまで最大で30℃に維持され、
-ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間が最大で48時間であることを特徴とする、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間が最大で36時間であることを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1乃至2の何れか一項に記載の方法において、前記脱ミネラル溶液が、3~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含むことを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法において、前記脱ミネラル溶液が、6~8の範囲のpHを有することを特徴とすることを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法において、前記懸濁液が、少なくとも6%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度が得られるまで濃縮されることを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法において、ステップd)で得られた濃縮懸濁液が、前記懸濁液を限外濾過、ナノ濾過および/または逆浸透法に供することによって製造されることを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法において、ステップc)の冷却懸濁液が、ステップd)で懸濁液を濃縮する前に天然ホエータンパク質と混合され、またはステップd)の濃縮懸濁液が、ステップe)で濃縮懸濁液を乾燥する前に天然ホエータンパク質と混合されることを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法において、ステップa)の脱ミネラル溶液中の合わせたカルシウムとマグネシウムの総量が最大で120mmol/kg乾燥重量であることを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の方法において、ステップd)の濃縮懸濁液の温度が、前記濃縮懸濁液がステップe)の乾燥どちらかに供される(either subjected to)まで、最大で20℃に維持されることを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法において、ステップd)の濃縮懸濁液が、いかなる中間貯蔵もなしにステップe)に直接送られることを特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法において、ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥の間の持続時間が最大で1時間であることを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法において、ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥の間の持続時間が最大で0.5時間であることを特徴とする、方法。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の方法において、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物が乾燥粉末であることを特徴とする、方法。
【請求項14】
a)1~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6~9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮し、引き続いて、ステップd)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃縮懸濁液を食品の製造における成分として使用するステップと
を含む、食品を調製する方法において、
-ステップd)の濃縮懸濁液の温度がその後の濃縮懸濁液の使用まで最大30℃に維持され、
-ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間が最大で48時間であることを特徴とする、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間が最大で36時間であることを特徴とする、方法。
【請求項16】
請求項14乃至15の何れか一項に記載の方法において、前記脱ミネラル溶液が、3~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含むことを特徴とする、方法。
【請求項17】
請求項14乃至16の何れか一項に記載の方法において、前記脱ミネラル溶液が、6~8の範囲のpHを有することを特徴とすることを特徴とする、方法。
【請求項18】
請求項14乃至17の何れか一項に記載の方法において、前記懸濁液が、少なくとも6%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度が得られるまで濃縮されることを特徴とする、方法。
【請求項19】
請求項14乃至18の何れか一項に記載の方法において、ステップd)で得られた濃縮懸濁液が、前記懸濁液を限外濾過、ナノ濾過および/または逆浸透法に供することによって製造されることを特徴とする、方法。
【請求項20】
請求項14乃至19の何れか一項に記載の方法において、ステップc)の冷却懸濁液が、ステップd)で懸濁液を濃縮する前に天然ホエータンパク質と混合され、またはステップd)の濃縮懸濁液が、その後の濃縮懸濁液の使用前に天然ホエータンパク質と混合されることを特徴とする、方法。
【請求項21】
請求項14乃至20の何れか一項に記載の方法であって、ステップa)の脱ミネラル溶液中の合わせたカルシウムとマグネシウムの総量が最大で120mmol/kg乾燥重量であることを特徴とする、方法。
【請求項22】
請求項14乃至21の何れか一項に記載の方法であって、ステップd)の濃縮懸濁液の温度が、濃縮懸濁液が使用されるまで、最大で20℃に維持されることを特徴とする、方法。
【請求項23】
請求項14乃至22の何れか一項に記載の方法であって、ステップd)の濃縮懸濁液がステップd)の終了直後であり、いかなる中間貯蔵もないことを特徴とする、方法。
【請求項24】
請求項14乃至23の何れか一項に記載の方法であって、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間が最大で1時間であることを特徴とする、方法。
【請求項25】
請求項14乃至24の何れか一項に記載の方法であって、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間が最大で0.5時間であることを特徴とする、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮懸濁液または粉末形態の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を調製する新しい方法に関する。さらに、本発明は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含有する新規組成物、新規タイプの酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を含む食品成分、新規タイプの酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を含む食品に関する。
【背景技術】
【0002】
ホエータンパク質は、ヒト栄養のための高品質タンパク質源であることが知られており、追加のタンパク質を必要とする人々のための栄養補給剤として有用である。
【0003】
ホエータンパク質は、十分な加熱処理を受けると変性することが知られており、いくつかの変性ホエータンパク質はゲル化特性を有し、変性ホエータンパク質を含む溶液のゲル化は、酸性化によって、塩の添加によって、および/または溶液の加熱によって、誘導され得ることもまた知られている。
【0004】
米国特許第5,217,741号明細書は、塩の添加によってゲル化される、変性ホエータンパク質を含有する溶液を記載する。
【0005】
米国特許第5,902,630号明細書は、部分的に熱変性されたホエータンパク質を未変性ホエータンパク質と組み合わせることによって製造される、水溶性加工ホエータンパク質粉末を記載する。
【0006】
国際公開第2006/034856号パンフレットは、ゲル化剤、増粘剤、乳化剤、安定剤、ホイップ剤、タンパク質補給剤および/またはゼラチン代替物として使用され得る、活性化球状タンパク質調製物を記載する。活性化球形ホエータンパク質調製物のゲル化特性は、酸の添加によって誘導され得る。
【0007】
米国特許出願公開第2008/0305235号明細書は、変性ホエータンパク質を含み、塩類の添加時に低温ゲル化(gellation)できる、修飾ホエータンパク質濃縮物を記載する。米国特許出願公開第2008/0305235号明細書の重要な教示は、変性中に、ホエータンパク質濃度を低く維持すること、そして変性ホエータンパク質濃縮物の濃縮懸濁液の温度を40℃より高く維持すべきことである。
【0008】
国際公開第2008/032039A2号パンフレットは、得られた変性ホエータンパク質粒子の変性度および粒径を制御するために、加熱処理中のタンパク質変性度および凝集度をモニターする方法を開示する。国際公開第2008/032039A2号パンフレットの例は、ホエータンパク質および卵タンパク質の微粒子化の測定および制御に関し、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の存在は、考察も特性決定もされない。実施例のホエータンパク質供給物のタンパク質濃度は、典型的に約20%であり、したがって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体よりもむしろ微粒子の形成に有利に働く。脱ミネラル化および二価カチオンの除去については言及されておらず、これはさらに、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の量がもし存在するとしても、非常に少ないことを示唆する。
【0009】
国際公開第2015/059248A1号パンフレットは、変性ホエータンパク質組成物を含む高タンパク質酸乳製品と、組成物それ自体とを開示する。変性ホエータンパク質組成物は、少なくとも60%(w/w)のタンパク質総量、最大で3%(w/w)の脂肪総量を含有し、不溶性ホエータンパク質粒子は、1~10ミクロンの範囲の粒度を有し、不溶性ホエータンパク質粒子の量は、タンパク質総量に対して50~100%の範囲である。変性ホエータンパク質は、少なくとも1%(w/w)のホエータンパク質を含み、70~160℃で5~7のpHを有する溶液を、不溶性ホエータンパク質粒子を形成するのに十分な時間(典型的に1秒~30分)にわたり加熱処理することによって調製される。
【0010】
しかし、国際公開第2015/059248A1号パンフレットの不溶性ホエータンパク質粒子は酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体でなく、国際公開第2015/059248A1号パンフレットは、高濃度酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含有するホエータンパク質組成物を調製する難題に関する教示を含まず、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体それ自体に関するいかなる考察も含まない。
【発明の概要】
【0011】
本発明者らは、驚くべきことに、過剰な凝集なしに、低温で酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃縮懸濁液を取り扱うことが可能であることを発見した。これは、方法から得られる酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物中における微生物汚染のリスクがより少ない、より単純な加工への道を開く。
【0012】
したがって、本発明の態様は、
a)1~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6~9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮するステップと、
e)任意選択的に、濃縮懸濁液を乾燥するステップと
を含む、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を調製する方法に関し、
-ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、濃縮懸濁液が、ステップe)の乾燥に供されるまで、または別の用途に供されるまで最大で30℃に維持され、
-濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で48時間である。
【0013】
例えば、本発明の態様は、
a)1~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6~9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮するステップと、
e)濃縮懸濁液を乾燥させるステップと
を含む、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を調製する方法に関し、
-ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、濃縮懸濁液が、ステップe)の乾燥に供されるまで最大で30℃に維持され、
-ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間は、最大で48時間である。
【0014】
本発明のもう一つの態様は、
a)1~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6~9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮し、引き続いて、ステップd)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃縮懸濁液を食品の製造における成分として使用するステップと
を含む、食品を調製する方法に関し、
-ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、その後の濃縮懸濁液の使用まで最大30℃に維持され、
-ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で48時間である。
【0015】
本発明の別の態様は、前記新規方法によって得られる、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物に関する。特に本発明は、粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも60%(w/w)のタンパク質総量を有し、タンパク質総量に対して40~100%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子を含み、変性ホエータンパク質粒子の少なくとも50%(w/w)が酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物に関する。
【0016】
本発明のさらなる態様は、前記新規方法によって得られる酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液に関する。特に本発明は、懸濁液の総量に対して少なくとも5%(w/w)のタンパク質総量を有し、タンパク質総量に対して40~100%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子を含み、変性ホエータンパク質粒子の少なくとも50%(w/w)が酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液に関する。
【0017】
本発明のさらに別の態様は、前記酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または前記酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液を含む、食品成分に関する。
【0018】
なおもさらなる態様では、本発明は、前記酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または前記酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液を含む、食品に関する。
【0019】
さらに別の態様では、本発明は、食品を製造する方法に関する。方法は、
1)本明細書に記載されるような酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液を提供するステップと、
2)酸ゲル化可能ホエータンパク質と1つまたは複数の追加的な成分とを組み合わせるステップと、
3)任意選択的に組み合わせを処理するステップと
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明による方法の実施形態の流れ図を示す。
図2図2は、米国特許出願公開第2008/0305235号明細書に開示される先行技術の方法の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
既述したように、本発明の態様は、
a)1~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6~9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮するステップと、
e)任意選択的に、濃縮懸濁液を乾燥するステップと
を含む、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を調製する方法に関し、
-ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、濃縮懸濁液が、ステップe)の乾燥に供されるまで、または別の用途に供されるまで最大で30℃に維持され、
-濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で48時間である。
【0022】
例えば、本発明の態様は、
a)1~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6~9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮するステップと、
e)濃縮懸濁液を乾燥させるステップと
を含む、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を調製する方法に関し、
-ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、濃縮懸濁液が、ステップe)の乾燥に供されるまで最大で30℃に維持され、
-ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間は、最大で48時間である。
【0023】
本発明のもう一つの態様は、
a)1~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6~9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮し、引き続いて、ステップd)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃縮懸濁液を食品の製造における成分として使用するステップと
を含む、食品を調製する方法に関し、
-ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、その後の濃縮懸濁液の使用まで最大30℃に維持され、
-ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で48時間である。
【0024】
本発明の文脈では、「酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体」という用語は、酸性化中に凝集して強力な(天然ホエータンパク質よりはるかに強力な)ゲルを形成できる変性ホエータンパク質の凝集体に関し、その凝集体は、例えば、線状、虫状、分枝状または鎖状の形状であってもよい。酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体それ自体は、当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,902,630号明細書、国際公開第2006/034856号パンフレット、および米国特許出願公開第2008/0305235号明細書で考察される。酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体は、6~9の範囲のpHを有する脱ミネラルホエータンパク質溶液を、変性中のホエータンパク質に作用する剪断力ありまたはなしで、最大で2時間にわたり、少なくとも68℃の温度で熱変性することによって得られる。酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体は、実施例1.1に記載されるように定量化される。
【0025】
本発明の文脈では、「持続時間」という用語は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体が濃縮懸濁液中に存在する平均持続時間に関する。連続システムでは、持続時間は、濃縮ユニットを乾燥ユニットと連結する導管の内容積で除した、濃縮懸濁液の平均体積流量として計算される。ステップd)およびe)がバッチ式で操作される場合、平均持続時間は、濃縮ユニットの濃縮物側と乾燥ユニットとの間の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の平均滞留時間に関する。平均滞留時間は、例えば、システム販売業者によって提供されてもよく、または濃縮ユニットの濃縮物側で、プロセス流にトレーサーを注入することによって実験的に測定されてもよい。
【0026】
ステップaでは、ホエータンパク質を含み、6~9のpHを有する脱ミネラル溶液が提供される。
【0027】
本発明の文脈では、「ホエータンパク質」という用語は、ミルクまたは凝固ミルクどちらかの漿液相に存在する、タンパク質に関する。ミルクの漿液相のタンパク質はまた、乳清タンパク質または理想ホエーと称されることもある。本明細書で使用される場合、「ホエータンパク質」という用語は、天然ホエータンパク質と、変性および/または凝集形態にあるホエータンパク質との双方を包含する。
【0028】
本発明の文脈では、「ホエー」という用語は、ミルクからカゼインが除去された際に残る、液体組成物に関する。カゼインは、例えば、精密濾過によって除去されて、カゼインミセルを含まないまたは本質的に含まないが、天然ホエータンパク質を含有する透過液が提供されてもよい。この透過液は、理想ホエー、漿液または乳清と称されることもある。
【0029】
代案としては、カゼインは、ミルク組成物をレンネット酵素に接触させて、κ-カゼインをパラ-κ-カゼインとペプチドカゼイノマクロペプチド(CMP)に切断し、それによってカゼインミセルを不安定化させカゼインを沈殿させることによって、ミルクから除去されてもよい。レンネット沈殿カゼイン周囲の液体は、しばしば甘性ホエーと称され、ミルクに普通に見られるホエータンパク質に加えて、CMPを含有する。
【0030】
カゼインはまた、酸沈殿、すなわち、カゼインの等電点であるpH4.6未満にミルクのpHを低下させ、カゼインミセルを崩壊させて沈殿させることによって、ミルクから除去されてもよい。酸沈殿カゼイン周囲の液体は、しばしばホエーまたはカゼインホエーと称され、CMPは含有しない。
【0031】
本発明の文脈では、「天然ホエータンパク質」という用語は、本明細書で定義されるような、天然α-ラクトアルブミン、天然β-ラクトグロブリンおよび/または天然CMPに関する。天然ホエータンパク質の総量は、天然α-ラクトアルブミン、天然β-ラクトグロブリン、および天然CMPの合計に関する。天然ホエータンパク質の総量は、実施例1.2に従って測定される。天然ホエータンパク質は、例えば、天然甘性ホエー、天然酸性ホエーまたは天然乳清中に、またはこれらのホエー源のタンパク質濃縮物中に見いだされ得る。
【0032】
「天然の変性可能ホエータンパク質」という用語は、天然α-ラクトアルブミンおよび天然β-ラクトグロブリンに関連するが、天然CMPには関連しない。
【0033】
天然ホエータンパク質は、例えば、天然α-ラクトアルブミン、天然β-ラクトグロブリン、および天然CMPの間に、元のホエータンパク質源に見られる比率と実質的に同一の比率を有してもよい。
【0034】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、脱ミネラル溶液の天然の変性可能ホエータンパク質は、天然の変性可能ホエータンパク質総量に対して少なくとも25%(w/w)のβ-ラクトグロブリン、好ましくは少なくとも40%(w/w)のβ-ラクトグロブリン、なおもより好ましくは天然の変性可能ホエータンパク質総量に対して少なくとも60%(w/w)のβ-ラクトグロブリンを含む。例えば、脱ミネラル溶液の天然の変性可能ホエータンパク質は、天然の変性可能ホエータンパク質総量に対して少なくとも70%(w/w)のβ-ラクトグロブリン、好ましくは少なくとも80%(w/w)のβ-ラクトグロブリン、なおもより好ましくは天然の変性可能ホエータンパク質総量に対して少なくとも90%(w/w)のβ-ラクトグロブリンを含む。
【0035】
脱ミネラル溶液の天然の変性可能ホエータンパク質は、例えば、天然の変性可能ホエータンパク質の総量に対して25~100%(w/w)の範囲のβ-ラクトグロブリンおよび0~75%(w/w)の範囲のα-ラクトアルブミンを含んでもよい。好ましくは、脱ミネラル溶液の天然の変性可能ホエータンパク質は、天然の変性可能ホエータンパク質の総量に対して40~98%(w/w)の範囲のβ-ラクトグロブリンおよび2~60%(w/w)の範囲のα-ラクトアルブミンを含んでもよい。なおもより好ましくは、脱ミネラル溶液の天然の変性可能ホエータンパク質は、天然の変性可能ホエータンパク質の総量に対して70~95%(w/w)の範囲のβ-ラクトグロブリンおよび5~30%(w/w)の範囲のα-ラクトアルブミンを含んでもよい。
【0036】
天然ホエータンパク質は、当該技術分野で公知のいくつかの様々なホエータンパク質源を用いて提供されてもよい。一実施形態では、天然ホエータンパク質は、天然ホエータンパク質濃縮物、天然ホエータンパク質単離物、天然α-ラクトアルブミン単離物、天然β-ラクトグロブリン単離物、およびそれらの混合物からなる群から選択されるタンパク質源によって提供される。特に、混合された冷却懸濁液がさらなる乾燥工程に供される場合は、天然ホエータンパク質源の乾物含量が高いことが好ましいが、これは、乾燥プロセス中に水を除去するのに必要なエネルギーが少なくなるからである。
【0037】
本発明の文脈では、「天然α-ラクトアルブミン」、「天然β-ラクトグロブリン」、および「天然CMP」という用語は、実施例1.2に従ってアッセイすると、それぞれ、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、およびCMPの標準物質とほぼ同じ滞留時間を有する、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、およびCMPに関する。天然ホエータンパク質種は、例えば、非天然の共有結合の手段によってホエータンパク質凝集体を形成させるような、加熱処理を受けていない。
【0038】
「天然α-ラクトアルブミン」、「天然β-ラクトグロブリン」、および「天然CMP」という用語は、それぞれ、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、およびCMPのグリコシル化および/またはリン酸化変異型もまた含んでもよいことに留意すべきである。
【0039】
本発明で使用されるホエータンパク質は、好ましくは哺乳類ミルク由来のホエータンパク質であり、さらに好ましくは例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、水牛、ラクダ、ラマ、ウマ、および/またはシカ由来のミルクなどの反芻動物ミルク由来のホエータンパク質である。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質は、牛乳ホエータンパク質である。
【0040】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液は、1~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質、例えば2~12%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質など、好ましくは3~10%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質、例えば4~8%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質など、好ましくは5~6%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含む。
【0041】
好ましくは、脱ミネラル溶液は、3~15%(w/w)の範囲の天然の変性可能ホエータンパク質、例えば、3~12%(w/w)の範囲の天然の変性可能ホエータンパク質または3~10%(w/w)の範囲の天然の変性可能ホエータンパク質などを含む。なおもより好ましくは、脱ミネラル溶液は、5~15%(w/w)の範囲の天然の変性可能ホエータンパク質を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液は、最大で15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質、例えば最大で12%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質など、例えば最大で10%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質など、例えば最大で8%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質など、例えば最大で6%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質などを含む。
【0043】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、脱ミネラル溶液は、1~5%(w/w)の範囲の天然の変性可能ホエータンパク質、例えば、1~4%(w/w)の範囲の天然の変性可能ホエータンパク質または2~5%(w/w)の範囲の天然の変性可能ホエータンパク質などを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、ホエータンパク質は、天然ホエータンパク質濃縮物、天然ホエータンパク質単離物、天然α-ラクトアルブミン単離物、天然β-ラクトグロブリン単離物、およびそれらの混合物からなる群から選択されるタンパク質源によって提供されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液は、タンパク質総量に対して最大で10%(w/w)のカゼイン、好ましくはタンパク質総量に対して最大で8%(w/w)のカゼイン、より好ましくは最大で6%(w/w)のカゼイン、なおもより好ましくは(preferred)最大で4%(w/w)のカゼインを含む。
【0046】
脱ミネラル溶液中のさらに少量のカゼインが好ましいこともある。したがって、脱ミネラル溶液は、例えば、タンパク質総量に対して最大で3%(w/w)のカゼイン、好ましくはタンパク質総量に対して最大で2%(w/w)のカゼイン、より好ましくは最大で1%(w/w)のカゼイン、なおもより好ましくは(preferred)最大で0.2%(w/w)のカゼインを含んでもよい。
【0047】
遊離塩イオンの存在は、タンパク質の折り畳みおよび凝集特性に影響を及ぼし、イオンの存在は加熱時にホエータンパク質の凝集およびゲル形成を促進することが観察されている。したがって、この方法は、供給液として脱ミネラルホエータンパク質溶液を使用して実施される。
【0048】
本発明の文脈では、「脱ミネラル溶液」という用語は、最大で120mmol/kg乾燥重量の遊離Caと遊離Mgとの総量を有する溶液に関する。
【0049】
脱ミネラルホエータンパク質溶液は、任意の公知の脱ミネラル処理剤を使用して得られてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液は、ホエータンパク質溶液を限外濾過、ナノ濾過、沈殿および/またはイオン交換に供することによって、提供される。限外濾過および/またはナノ濾過が用いられる場合、これらの濾過工程は好ましくは透析濾過モードを使用して実施される。
【0050】
代案としては、脱ミネラルホエータンパク質溶液は、脱ミネラルホエータンパク質粉末を、例えば脱ミネラル水などのカルシウムおよびマグネシウムイオン含有量が低い水に溶解することによって得られてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の合わせたカルシウムとマグネシウムの総量は、最大で120mmol/kg乾燥重量、最大で100mmol/kg乾燥重量など、最大で80mmol/kg乾燥重量など、最大で50mmol/kg乾燥重量など、最大で30mmol/kg乾燥重量など、最大で20mmol/kg乾燥重量など、最大で10mmol/kg乾燥重量などである。
【0052】
その他の実施形態では、脱ミネラル溶液中の合わせたカルシウムとマグネシウムの総量は、0.1~120mmol/kg乾燥重量、0.1~100mmol/kg乾燥重量など、0.1~50mmol/kg乾燥重量など、0.1~20mmol/kg乾燥重量など、0.1~10mmol/kg乾燥重量など、0.1~5mmol/kg乾燥重量などの範囲である。
【0053】
なおも別の実施形態では、カルシウムおよびマグネシウムは、例えば錯体中に結合しているような非遊離形態で存在するため、脱ミネラル溶液中の合わせたカルシウムとマグネシウムの総量は、ホエータンパク質の凝集特性に悪影響を及ぼすことなく、顕著により高くあってもよいが、これは、カルシウムおよびマグネシウムが、例えば錯体中、例えばキレート錯体中に結合し、または不溶性塩中に結合し、例えばリン酸カルシウムとして結合しているような非遊離形で存在するためである。このような実施形態では、脱ミネラル溶液中の合わせたカルシウムとマグネシウムの総量は非常に高くてもよく、出発ホエータンパク質溶液が脱ミネラル化される前の出発ホエータンパク質溶液に対して例えば5倍高いなど、出発ホエータンパク質溶液が脱ミネラル化される前の出発ホエータンパク質溶液中の総量よりも高くさえあってもよい。
【0054】
本発明の文脈では、「合わせたカルシウムとマグネシウムの総量」という用語は、カルシウムの総量とマグネシウムの総量の合計に関する。
【0055】
本発明の文脈では、「カルシウムの総量」という用語は、当該製品または組成物中に存在する、結合および遊離カルシウムイオンの双方を含むカルシウムの総量に関する。カルシウムの総量は、実施例1.11.2で開示されるように測定され得る。
【0056】
本発明の文脈では、「マグネシウムの総量」という用語は、当該製品または組成物中に存在する、結合および遊離マグネシウムイオンの双方を含むマグネシウムの総量に関する。マグネシウムの総量は、実施例1.11.2で開示されるように測定され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中のカルシウムの総量は、最大で4000mg/kg乾燥重量、例えば最大で2000mg/kg乾燥重量など、例えば最大で1000mg/kg乾燥重量など、例えば最大で500mg/kg乾燥重量など、例えば最大で250mg/kg乾燥重量など、例えば最大で100mg/kg乾燥重量など、例えば最大で50mg/kg乾燥重量などである。
【0058】
その他の実施形態では、脱ミネラル溶液中のカルシウムの総量は、最大で30mg/kg乾燥重量、例えば最大で25mg/kg乾燥重量など、例えば最大で20mg/kg乾燥重量など、例えば最大で15mg/kg乾燥重量など、例えば最大で10mg/kg乾燥重量など、例えば最大で5mg/kg乾燥重量などである。
【0059】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総量カルシウムは、10~4000mg/kg乾燥重量、例えば10~2000mg/kg乾燥重量など、例えば20~1000mg/kg乾燥重量など、例えば20~500mg/kg乾燥重量など、例えば20~200mg/kg乾燥重量などである。
【0060】
なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中の総量カルシウムは、50~1000mg/kg乾燥重量、例えば100~1000mg/kg乾燥重量など、例えば250~1000mg/kg乾燥重量など、例えば500~1000mg/kg乾燥重量など、例えば750mg/kg乾燥重量などである。
【0061】
その他の実施形態では、脱ミネラル溶液中のカルシウムの総量は20~400mg/kg乾燥重量、例えば20~300mg/kg乾燥重量など、例えば50~250mg/kg乾燥重量など、例えば50~200mg/kg乾燥重量などである。なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中のカルシウムの総量は、50~150mg/kg乾燥重量、例えば75~150mg/kg乾燥重量など、例えば75~125mg/kg乾燥重量など、例えば100mg/kg乾燥重量などである。
【0062】
なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中のカルシウムの総量は、5~50mg/kg乾燥重量、例えば10~40mg/kg乾燥重量など、例えば20~30mg/kg乾燥重量などである。なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中のカルシウムの総量は、10~50mg/kg乾燥重量、例えば15~50mg/kg乾燥重量など、例えば20~50mg/kg乾燥重量など、例えば10~40mg/kg乾燥重量など、例えば10~30mg/kg乾燥重量など、例えば10~20mg/kg乾燥重量など、例えば15mg/kg乾燥重量などである。
【0063】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中のマグネシウムの総量は、最大で2000mg/kg乾燥重量、例えば最大で1000mg/kg乾燥重量など、例えば最大で500mg/kg乾燥重量など、例えば最大で250mg/kg乾燥重量など、例えば最大で100mg/kg乾燥重量など、例えば最大で50mg/kg乾燥重量などである。
【0064】
その他の実施形態では、脱ミネラル溶液中のマグネシウムの総量は、最大で30mg/kg乾燥重量、例えば最大で25mg/kg乾燥重量など、例えば最大で20mg/kg乾燥重量など、例えば最大で15mg/kg乾燥重量など、例えば最大で10mg/kg乾燥重量など、例えば最大で5mg/kg乾燥重量などである。
【0065】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中のマグネシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量、例えば20~1000mg/kg乾燥重量など、例えば20~500mg/kg乾燥重量など、例えば20~200mg/kg乾燥重量などである。なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中のマグネシウムの総量は、50~1000mg/kg乾燥重量、例えば100~1000mg/kg乾燥重量など、例えば250~1000mg/kg乾燥重量など、例えば500~1000mg/kg乾燥重量など、例えば750mg/kg乾燥重量などである。
【0066】
その他の実施形態では、脱ミネラル溶液中のマグネシウムの総量は、20~400mg/kg乾燥重量、例えば20~300mg/kg乾燥重量など、例えば50~250mg/kg乾燥重量など、例えば50~200mg/kg乾燥重量などである。なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中のマグネシウムの総量は、50~150mg/kg乾燥重量、例えば75~150mg/kg乾燥重量など、例えば75~125mg/kg乾燥重量など、例えば100mg/kg乾燥重量などである。
【0067】
なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中のマグネシウムの総量は、5~50mg/kg乾燥重量、例えば10~40mg/kg乾燥重量など、例えば20~30mg/kg乾燥重量などである。なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中のマグネシウムの総量は、10~50mg/kg乾燥重量、例えば15~50mg/kg乾燥重量など、例えば20~50mg/kg乾燥重量など、例えば10~40mg/kg乾燥重量など、例えば10~30mg/kg乾燥重量など、例えば10~20mg/kg乾燥重量など、例えば15mg/kg乾燥重量などである。
【0068】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離カルシウムの総量は、最大で2000mg/kg乾燥重量、例えば最大で1000mg/kg乾燥重量など、例えば最大で500mg/kg乾燥重量など、例えば最大で250mg/kg乾燥重量など、例えば最大で100mg/kg乾燥重量など、例えば最大で50mg/kg乾燥重量などである。
【0069】
その他の実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離カルシウムの総量は、最大で30mg/kg乾燥重量、例えば最大で25mg/kg乾燥重量など、例えば最大で20mg/kg乾燥重量など、例えば最大で15mg/kg乾燥重量など、例えば最大で10mg/kg乾燥重量など、例えば最大で5mg/kg乾燥重量などである。
【0070】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離カルシウムの総量は、1~2000mg/kg乾燥重量、例えば1~1000mg/kg乾燥重量など、例えば1~500mg/kg乾燥重量など、例えば1~200mg/kg乾燥重量などである。なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離カルシウムの総量は、5~1000mg/kg乾燥重量、例えば10~1000mg/kg乾燥重量など、例えば50~1000mg/kg乾燥重量など、例えば500~1000mg/kg乾燥重量などである。
【0071】
その他の実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離カルシウムの総量は、1~50mg/kg乾燥重量、例えば10~40mg/kg乾燥重量など、例えば20~30mg/kg乾燥重量などである。なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離カルシウムの総量は、10~50mg/kg乾燥重量、例えば15~50mg/kg乾燥重量など、例えば20~50mg/kg乾燥重量など、例えば10~40mg/kg乾燥重量など、例えば10~30mg/kg乾燥重量など、例えば10~20mg/kg乾燥重量などである。
【0072】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離マグネシウムの総量は、最大で2000mg/kg乾燥重量、例えば最大で1000mg/kg乾燥重量など、例えば最大で500mg/kg乾燥重量など、例えば最大で250mg/kg乾燥重量など、例えば最大で100mg/kg乾燥重量など、例えば最大で50mg/kg乾燥重量などである。
【0073】
その他の実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離マグネシウムの総量は、最大で30mg/kg乾燥重量、例えば最大で25mg/kg乾燥重量など、例えば最大で20mg/kg乾燥重量など、例えば最大で15mg/kg乾燥重量など、例えば最大で10mg/kg乾燥重量など、例えば最大で5mg/kg乾燥重量などである。
【0074】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離マグネシウムの総量は、1~2000mg/kg乾燥重量、例えば1~1000mg/kg乾燥重量など、例えば1~500mg/kg乾燥重量など、例えば1~200mg/kg乾燥重量などである。なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離マグネシウムの総量は、5~1000mg/kg乾燥重量、例えば10~1000mg/kg乾燥重量など、例えば50~1000mg/kg乾燥重量など、例えば500~1000mg/kg乾燥重量などである。
【0075】
その他の実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離マグネシウムの総量は、1~50mg/kg乾燥重量、例えば10~40mg/kg乾燥重量など、例えば20~30mg/kg乾燥重量などである。なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液中の遊離マグネシウムの総量は、10~50mg/kg乾燥重量、例えば15~50mg/kg乾燥重量など、例えば20~50mg/kg乾燥重量など、例えば10~40mg/kg乾燥重量など、例えば10~30mg/kg乾燥重量など、例えば10~20mg/kg乾燥重量などである。
【0076】
本発明の文脈では「遊離カルシウムの総量」という用語は、遊離カルシウムイオンの含有量に関し、実施例1.9.1に記載されるように測定され得る。
【0077】
本発明の文脈では「遊離マグネシウムの総量」という用語は、遊離マグネシウムイオンの含有量に関し、実施例1.9.2に記載されるように測定され得る。
【0078】
ホエータンパク質溶液の脱ミネラル化中、溶液pHが変化してイオンが除去されてもよい。したがって、脱ミネラル溶液のpHの調節が必要なこともある。溶液のpHの調節は、二価カチオンの添加を回避するように、典型的に、例えば、一価カチオンのみを含有する、KOH、NaOH、HCl、クエン酸またはその他の酸または塩基などの食品等級酸または塩基を使用して実施される。
【0079】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液のpHは、6~9、例えば6.0~9.0など、例えば6.0~8.0など、例えば6.0~7.5など、例えば6.5~7.5など、例えば6.7~7.3などに調節される。
【0080】
その他の実施形態では、脱ミネラル溶液のpHは、6.0~7.8、例えば6.0~7.6など、例えば6.0~7.4など、例えば6.0~7.2など、例えば6.0~7.0など、例えば6.0~6.8など、例えば6.0~6.6など、例えば6.0~6.4など、例えば6.0~6.2などに調節される。
【0081】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液のpHは、6.2~8.0、例えば6.4~8.0など、例えば6.6~8.0など、例えば6.8~8.0など、例えば7.0~8.0など、例えば7.2~8.0など、例えば7.4~8.0など、例えば7.6~8.0など、例えば7.8~8.0などに調節される。
【0082】
なおも別の実施形態では、脱ミネラル溶液のpHは、6.0~6.2、例えば6.2~6.4など、例えば6.4~6.6など、例えば6.6~6.8など、例えば6.8~7.0など、例えば7.0~7.2など、例えば7.2~7.4など、例えば7.4~7.6など、例えば7.6~7.8など、例えば7.8~8.0などに調節される。
【0083】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは6.0~6.2に調節される。
【0084】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは6.2~6.4に調節される。
【0085】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは6.4~6.6に調節される。
【0086】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは6.6~6.8に調節される。
【0087】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは6.8~7.0に調節される。
【0088】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは7.0~7.2に調節される。
【0089】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは7.2~7.4に調節される。
【0090】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは7.4~7.6に調節される。
【0091】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは7.6~7.8に調節される。
【0092】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは7.8~8.0に調節される。
【0093】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは8.0~8.5に調節される。
【0094】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~4000mg/kg乾燥重量であり、pHは8.5~9.0に調節される。
【0095】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは6.0~6.2に調節される。
【0096】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは6.2~6.4に調節される。
【0097】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは6.4~6.6に調節される。
【0098】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは6.6~6.8に調節される。
【0099】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは6.8~7.0に調節される。
【0100】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは7.0~7.2に調節される。
【0101】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは7.2~7.4に調節される。
【0102】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは7.4~7.6に調節される。
【0103】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは7.6~7.8に調節される。
【0104】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは7.8~8.0に調節される。
【0105】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは8.0~8.5に調節される。
【0106】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~2000mg/kg乾燥重量であり、pHは8.5~9.0に調節される。
【0107】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~500mg/kg乾燥重量であり、pHは6.0~6.2に調節される。
【0108】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~500mg/kg乾燥重量であり、pHは6.2~6.4に調節される。
【0109】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~500mg/kg乾燥重量であり、pHは6.4~6.6に調節される。
【0110】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~500mg/kg乾燥重量であり、pHは6.6~6.8に調節される。
【0111】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~500mg/kg乾燥重量であり、pHは6.8~7.0に調節される。
【0112】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~500mg/kg乾燥重量であり、pHは7.0~7.2に調節される。
【0113】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~500mg/kg乾燥重量であり、pHは7.2~7.4に調節される。
【0114】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~500mg/kg乾燥重量であり、pHは7.4~7.6に調節される。
【0115】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~500mg/kg乾燥重量であり、pHは7.6~7.8に調節される。
【0116】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~500mg/kg乾燥重量であり、pHは7.8~8.0に調節される。
【0117】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは6.0~6.2に調節される。
【0118】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは6.2~6.4に調節される。
【0119】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは6.4~6.6に調節される。
【0120】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは6.6~6.8に調節される。
【0121】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは6.8~7.0に調節される。
【0122】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは7.0~7.2に調節される。
【0123】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは7.2~7.4に調節される。
【0124】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは7.4~7.6に調節される。
【0125】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは7.6~7.8に調節される。
【0126】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは7.8~8.0に調節される。
【0127】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは8.0~8.5に調節される。
【0128】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~250mg/kg乾燥重量であり、pHは8.5~9.0に調節される。
【0129】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~150mg/kg乾燥重量であり、pHは6.0~6.2に調節される。
【0130】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~150mg/kg乾燥重量であり、pHは6.2~6.4に調節される。
【0131】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~150mg/kg乾燥重量であり、pHは6.4~6.6に調節される。
【0132】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~150mg/kg乾燥重量であり、pHは6.6~6.8に調節される。
【0133】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~150mg/kg乾燥重量であり、pHは6.8~7.0に調節される。
【0134】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~150mg/kg乾燥重量であり、pHは7.0~7.2に調節される。
【0135】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~150mg/kg乾燥重量であり、pHは7.2~7.4に調節される。
【0136】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~150mg/kg乾燥重量であり、pHは7.4~7.6に調節される。
【0137】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~150mg/kg乾燥重量であり、pHは7.6~7.8に調節される。
【0138】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は50~150mg/kg乾燥重量であり、pHは7.8~8.0に調節される。
【0139】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは6.0~6.2に調節される。
【0140】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは6.2~6.4に調節される。
【0141】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは6.4~6.6に調節される。
【0142】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは6.6~6.8に調節される。
【0143】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは6.8~7.0に調節される。
【0144】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは7.0~7.2に調節される。
【0145】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは7.2~7.4に調節される。
【0146】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは7.4~7.6に調節される。
【0147】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは7.6~7.8に調節される。
【0148】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは7.8~8.0に調節される。
【0149】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは8.0~8.5に調節される。
【0150】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は10~40mg/kg乾燥重量であり、pHは8.5~9.0に調節される。
【0151】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは6.0~6.2に調節される。
【0152】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは6.2~6.4に調節される。
【0153】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは6.4~6.6に調節される。
【0154】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは6.6~6.8に調節される。
【0155】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは6.8~7.0に調節される。
【0156】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは7.0~7.2に調節される。
【0157】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは7.2~7.4に調節される。
【0158】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは7.4~7.6に調節される。
【0159】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは7.6~7.8に調節される。
【0160】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは7.8~8.0に調節される。
【0161】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは8.0~8.5に調節される。
【0162】
いくつかの実施形態では、脱ミネラル溶液中の総カルシウムの総量は20~30mg/kg乾燥重量であり、pHは8.5~9.0に調節される。
【0163】
ステップb)では、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液が、脱ミネラルホエータンパク質溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理することによって得られる。
【0164】
いくつかの実施形態では、脱ミネラルホエータンパク質溶液は、少なくとも68℃、少なくとも70℃など、少なくとも72℃など、少なくとも74℃など、少なくとも76℃など、少なくとも78℃など、少なくとも80℃など、少なくとも82℃など、少なくとも84℃など、少なくとも86℃など、少なくとも88℃など、少なくとも90℃などの温度に加熱される。
【0165】
いくつかの実施形態では、脱ミネラルホエータンパク質溶液は、68~110℃、好ましくは70~105℃、72~100℃など、75~95℃などの範囲の温度に加熱される。
【0166】
いくつかの実施形態では、脱ミネラルホエータンパク質溶液は、最大で2時間、最大で1.5時間など、最大で1時間など、最大で50分間など、最大で40分間など、最大で35分間など、最大で30分間など、最大で25分間など、最大で20分間など、最大で15分間など、最大で10分間など、最大で5分間などにわたり加熱される。
【0167】
いくつかの実施形態では、脱ミネラルホエータンパク質溶液は、5~60分間、5~50分間など、5~40分間など、5~30分間など、5~20分間など、5~10分間などにわたり加熱される。その他の実施形態では、脱ミネラルホエータンパク質溶液は、10~60分間、10~50分間など、10~40分間など、10~30分間など、10~20分間などにわたり加熱される。
【0168】
ステップb)から得られる懸濁液中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度は、いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも0.5%(w/w)、好ましくは少なくとも1.0%(w/w)、より好ましくは少なくとも2%(w/w)、なおもより好ましくは少なくとも4%(w/w)、例えば少なくとも6%(w/w)などである。
【0169】
いくつかの好ましい実施形態では、ステップb)から得られる懸濁液の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度は、0.5~10%(w/w)の範囲、好ましくは1.0~9%(w/w)の範囲、より好ましくは2~8%(w/w)の範囲、なおもより好ましくは3~7%(w/w)の範囲である。
【0170】
その他の好ましい(preferably)実施形態では、ステップb)から得られる懸濁液の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度は、1~10%(w/w)の範囲、好ましくは1~8%(w/w)の範囲、より好ましくは1~6%(w/w)の範囲、なおもより好ましくは2~6%(w/w)の範囲、好ましくは(prererably)2~4%(w/w)の範囲などである。
【0171】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップb)から得られる懸濁液は、タンパク質総量に対して少なくとも10%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは少なくとも20%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは少なくとも30%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも40%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0172】
さらにより高い濃度の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体が好ましくあってもよく、したがってステップb)から得られる懸濁液は、好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも50%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは少なくとも60%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは少なくとも70%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも90%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0173】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップb)から得られる懸濁液は、タンパク質総量に対して10~100%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは20~90%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは30~80%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して40~70%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0174】
ステップc)では、変性過程を停止させるために、加熱処理懸濁液は最大で30℃の温度に冷却される。
【0175】
いくつかの実施形態では、加熱処理懸濁液は最大で25℃の温度に冷却される。好ましくは、加熱処理懸濁液は、最大で20℃、最大で15℃などの温度に冷却される。なおもより好ましくは、加熱処理懸濁液は、最大で10℃、最大で5℃などの温度に冷却される。
【0176】
いくつかの実施形態では、加熱処理懸濁液は、0~30℃、好ましくは0~20℃、なおもより好ましくは0~10℃の温度に冷却される。その他の実施形態では、加熱処理懸濁液は、5~30℃、5~25℃など、5~20℃など、5~15℃など、5~10℃などの温度に冷却される。
【0177】
ステップc)から得られる冷却懸濁液中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度は、いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも0.5%(w/w)、好ましくは少なくとも1.0%(w/w)、より好ましくは少なくとも2%(w/w)、なおもより好ましくは少なくとも4%(w/w)、例えば少なくとも6%(w/w)などである。
【0178】
いくつかの好ましい実施形態では、ステップc)から得られる冷却懸濁液の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度は、0.5~10%(w/w)の範囲、好ましくは1.0~9%(w/w)の範囲、より好ましくは2~8%(w/w)の範囲、なおもより好ましくは3~7%(w/w)の範囲である。
【0179】
その他の好ましい(preferably)実施形態では、ステップc)から得られる冷却懸濁液の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度は、1~10%(w/w)の範囲、好ましくは1~8%(w/w)の範囲、より好ましくは1~6%(w/w)の範囲、なおもより好ましくは2~6%(w/w)の範囲、好ましくは(prererably)2~4%(w/w)の範囲などである。
【0180】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップc)から得られる冷却懸濁液は、タンパク質総量に対して少なくとも10%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは少なくとも20%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは少なくとも30%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも40%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0181】
酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体のさらにより高い濃度が好ましくあってもよく、したがってステップc)から得られる冷却懸濁液は、好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも50%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは少なくとも60%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは少なくとも70%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも90%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0182】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップc)から得られる冷却懸濁液は、タンパク質総量に対して10~100%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは20~90%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは30~80%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して40~70%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0183】
ステップd)では、冷却懸濁液は、少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度が得られるまで濃縮される。ステップd)から得られる懸濁液は、濃縮懸濁液と称される。
【0184】
ステップc)の冷却懸濁液が、少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を既に含有する場合、ステップd)は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度を、ステップc)の冷却懸濁液中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に対して少なくとも10%増加させる。好ましくは、ステップd)は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度を、ステップc)の冷却懸濁液中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に対して少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、なおもより好ましくは少なくとも50%増加させる。例えば、ステップd)が、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度を、ステップc)の冷却懸濁液中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも100%、より好ましくは少なくとも150%、なおもより好ましくは少なくとも200%増加させることが好ましくはあってもよい。
【0185】
濃縮手順は、当該分野で公知の任意の濃縮手順であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、冷却懸濁液は、冷却懸濁液を濾過および/または蒸発に供することによって濃縮される。例えば、限外濾過、ナノ濾過または逆浸透法または濃縮などの濾過技術が用いられてもよい。
【0186】
濃縮懸濁液中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度は、いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも6%(w/w)、好ましくは少なくとも7%(w/w)、より好ましくは少なくとも8%(w/w)、なおもより好ましくは少なくとも9%(w/w)、例えば少なくとも10%(w/w)などである。
【0187】
いくつかの実施形態では、濃縮懸濁液の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度は、4~15%(w/w)の範囲、好ましくは6~12%(w/w)の範囲、より好ましくは7~11%(w/w)の範囲、なおもより好ましくは8~10%(w/w)の範囲である。
【0188】
その他の好ましい(preferably)実施形態では、濃縮懸濁液の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度は、4~14%(w/w)の範囲、好ましくは6~14%(w/w)の範囲、より好ましくは8~14%(w/w)の範囲、なおもより好ましくは10~14%(w/w)の範囲、例えば12~14%(w/w)の範囲などである。
【0189】
なおもその他の好ましい実施形態では、濃縮懸濁液の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度は、6~15%(w/w)の範囲、好ましくは6~13%(w/w)の範囲、より好ましくは6~12%(w/w)の範囲、なおもより好ましくは6~11%(w/w)の範囲、最も好ましくは6~10%(w/w)の範囲である。
【0190】
ステップd)における懸濁液の濃縮中に、イオンが除去されることからpHが変化することもある。したがって、濃縮懸濁液のpHの調節が必要なこともある。いくつかの実施形態では、濃縮懸濁液のpHは、6~9、例えば6.0~8.0など、例えば6.0~7.5など、例えば6.5~7.5などに調節される。
【0191】
いくつかの実施形態では、濃縮懸濁液のpHは、6.0~9、例えば6.0~8.0など、例えば6.0~7.8など、例えば6.0~7.6など、例えば6.0~7.4など、例えば6.0~7.2など、例えば6.0~7.0など、例えば6.0~6.8など、例えば6.0~6.6など、例えば6.0~6.4など、例えば6.0~6.2などに調節される。
【0192】
いくつかのその他の実施形態では、濃縮懸濁液のpHは、6.2~9.0、例えば6.4~9.0など、例えば6.6~9.0など、例えば6.8~9.0など、例えば7.0~9.0など、例えば7.2~9.0など、例えば7.4~9.0など、例えば7.6~9.0など、例えば7.8~9.0などに調節される。
【0193】
追加的な実施形態では、濃縮懸濁液のpHは、6.0~8.0、例えば6.4~8.0など、例えば6.6~8.0など、例えば6.8~8.0など、例えば7.0~8.0など、例えば7.2~8.0など、例えば7.4~8.0など、例えば7.6~8.0など、例えば7.8~8.0などに調節される。
【0194】
酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液は、天然ホエータンパク質と混合される。混合は、0.05:1~4:1の範囲の天然ホエータンパク質と酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体との重量比を有する組成物が得られるように、ステップc)で得られた冷却懸濁液およびステップd)で得られた濃縮懸濁液のどちらかと、天然ホエータンパク質とを混合することによって実施される。
【0195】
一実施形態では、ステップd)で懸濁液を濃縮する前に、ステップc)の冷却懸濁液が天然ホエータンパク質と混合される。
【0196】
別の実施形態では、ステップe)で濃縮懸濁液を乾燥する前に、ステップd)の濃縮懸濁液が、天然ホエータンパク質と混合される。
【0197】
いくつかの実施形態では、天然ホエータンパク質が、ステップc)から得られた懸濁液および/またはステップd)から得られた濃縮懸濁液に添加される。天然ホエータンパク質は、好ましくは、0.05:1~4:1、例えば0.05:1~3:1など、例えば0.05:1~2:1など、例えば0.05:1~1:1などの範囲の天然ホエータンパク質と酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体との重量比を得るのに十分な量で添加される。その他の実施形態では、請求項1に記載の方法によって得られる、懸濁液中の天然ホエータンパク質と酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体との重量比は、0.25:1~4:1、例えば0.50:1~4:1など、例えば0.75:1~4:1など、例えば1:1~4:1などの範囲である。
【0198】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)から得られる濃縮懸濁液は、タンパク質総量に対して少なくとも10%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは少なくとも20%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは少なくとも30%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも40%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0199】
さらにより高い濃度の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体が好ましくあってもよく、したがってステップd)から得られる濃縮懸濁液は、好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも50%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは少なくとも60%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは少なくとも70%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも90%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0200】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)から得られる濃縮懸濁液は、タンパク質総量に対して10~100%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは20~90%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは30~80%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して40~70%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0201】
いくつかの好ましい実施形態では、方法は、ステップd)から得られる濃縮懸濁液のステップe)の乾燥を含む。懸濁液は、技術分野で知られている任意の乾燥工程の使用によって乾燥させ得る。乾燥工程の例としては、噴霧乾燥、凍結乾燥、連続真空乾燥、およびドラム乾燥が挙げられる。
【0202】
ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、好ましくは、濃縮懸濁液がステップe)の乾燥に供されるまで、または別の用途に供されるまで最大で30℃に維持される。例えば、ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、好ましくは、濃縮懸濁液がステップe)の乾燥に供されるまで、最大で30℃に維持される。代案としては、ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、好ましくは、濃縮懸濁液が乾燥以外のその他の目的で使用されるまで、最大で30℃に維持される。
【0203】
ステップe)の乾燥は、乾燥される懸濁液が予熱器およびステップe)で使用されるその他の装置を含む乾燥装置に入ると、すぐに始まると見なされる。
【0204】
ステップe)は、好ましくは濃縮懸濁液を噴霧乾燥することを含む。
【0205】
ステップd)の濃縮懸濁液温度は、好ましくは、最大で30℃、好ましくは最大で25℃、なおもより好ましくは最大で15℃に維持される。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、0~30℃の範囲の温度、好ましくは4~25℃の範囲の温度、なおもより好ましくは4~15℃の範囲の温度に維持される。
【0206】
代案としては、ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、0~20℃の温度範囲、なおもより好ましくは0~15℃の範囲に維持されてもよい。
【0207】
下限温度は、原則として、冷却懸濁液の凍結が始まる温度によって定まる。
【0208】
既述したように、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で48時間である。
【0209】
本発明の好ましい実施形態では、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で36時間である。好ましくは、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で30時間である。なおもより好ましくは、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で25時間である。
【0210】
例えば、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で20時間であってもよい。好ましくは、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で15時間である。なおもより好ましくは、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で10時間である。なおもより好ましくは、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で5時間である。
【0211】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液は、少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含み、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で48時間、好ましくは最大で36時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で25時間である。
【0212】
例えば、ステップd)の濃縮懸濁液は、4~6.0%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含んでもよく、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は最大で48時間、好ましくは最大で36時間、なおも好ましくは(preferred)最大で25時間であってもよい。
【0213】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液は、少なくとも6%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含み、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で36時間、好ましくは最大で25時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で15時間である。
【0214】
例えば、ステップd)の濃縮懸濁液は、6.0~7.0%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含んでもよく、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は最大で36時間、好ましくは最大で25時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で15時間であってもよい。
【0215】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液は、少なくとも7%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含み、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で15時間、好ましくは最大で10時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で5時間である。
【0216】
例えば、ステップd)の濃縮懸濁液は、7.0~8.0%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含んでもよく、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は最大で15時間、好ましくは最大で10時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で5時間であってもよい。
【0217】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液は、少なくとも8%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含み、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で5時間、好ましくは最大で2時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で1時間である。
【0218】
例えば、ステップd)の濃縮懸濁液は、8.0~12%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含んでもよく、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は最大で5時間、好ましくは最大で2時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で1時間であってもよい。
【0219】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、方法は、濃縮懸濁液が乾燥によって粉末に変換されるステップe)を含む。
【0220】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液は、中間貯蔵なしで直接ステップe)に送られる。このような場合、ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間は、最大で1時間、好ましくは最大で0.5時間、なおもより好ましくは最大で0.2時間である。例えば、ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間は、最大で0.1時間であってもよい。
【0221】
濃縮懸濁液が少なくとも8%(w/w)を含む場合、濃縮懸濁液をステップe)に直接送ることが特に好ましい。
【0222】
本発明のその他の好ましい実施形態では、ステップd)から得られた濃縮懸濁液は、乾燥またはその他の使用前に、貯蔵タンクまたは類似装置内に貯蔵される。このような場合、ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間は、少なくとも0.1時間、好ましくは少なくとも0.5時間、なおもより好ましくは少なくとも1時間にわたる。さらに長い貯蔵が用いられてもよく、したがってステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間は、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも10時間、さらにより好ましくは少なくとも15時間にわたる。
【0223】
ステップe)の乾燥またはその他の使用の前に濃縮懸濁液が貯蔵される場合、懸濁液をかき混ぜまたは撹拌することが時には有用であり、それはホエータンパク質凝集体がより大きな粒子に凝集するリスクを防止しまたは少なくとも低減してもよい。用いられる場合、かき混ぜまたは撹拌は、懸濁液中に気泡を生じさせることなく実施されることが好ましい。
【0224】
濃縮懸濁液を乾燥させる代わりに、それは、食品の製造における材料として使用するなどのその他の用途に用いてもよい。この場合、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物は、それがその中で使用される工程に、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体および水の双方を提供する液体である。
【0225】
本発明のもう一つの態様は、
a)1~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6~9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮し、引き続いて、ステップd)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃縮懸濁液を食品の製造における成分として使用するステップと
を含む、食品を調製する方法に関し、
-ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、その後の濃縮懸濁液の使用まで最大30℃に維持され、
-ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間が最大で48時間である。
【0226】
食品を製造する方法のステップa)~d)は、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を調製する方法のステップa)~d)と同一であり、方法のうちの1つのステップa)~d)の文脈で言及された特徴は、もう1つの方法にも同様に当てはまる。
【0227】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は、最大で36時間である。
【0228】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、脱ミネラル溶液は、3~15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含む。
【0229】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、脱ミネラル溶液は、6~8のpH範囲を有する。
【0230】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、懸濁液は、少なくとも6%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度が得られるまで濃縮される。
【0231】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)で得られる濃縮懸濁液は、懸濁液を限外濾過、ナノ濾過および/または逆浸透法に供することによって製造される。
【0232】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップc)の冷却懸濁液は、ステップd)の懸濁液が濃縮される前に天然ホエータンパク質と混合され、または、ステップd)の濃縮懸濁液は、その後の濃縮懸濁液の使用前に天然ホエータンパク質と混合される。
【0233】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップa)の脱ミネラル溶液中の合わせたカルシウムとマグネシウムの総量は、最大で120mmol/kg乾燥重量である。
【0234】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、濃縮懸濁液が使用されるまで、最大で20℃に維持される。
【0235】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液は、ステップd)の終了直後であり、いかなる中間貯蔵も伴わない。
【0236】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は、最大で1時間である。
【0237】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は、最大で0.5時間である。
【0238】
既述したように、ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で48時間である。これは、ステップd)における濃縮懸濁液の製造から、それが食品の製造に使用されるまでの貯蔵時間が最大で48時間であることを意味する。
【0239】
本発明の好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で36時間である。好ましくは、ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で30時間である。なおもより好ましくは、ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で25時間である。
【0240】
例えば、ステップd)の濃縮と、その後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で20時間であってもよい。好ましくは、ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で15時間である。なおもより好ましくは、ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で10時間である。なおもより好ましくは、ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で5時間である。
【0241】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液は、少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含み、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は、最大で48時間、好ましくは最大で36時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で25時間である。
【0242】
好ましくは、ステップd)の濃縮懸濁液は、4~6.0%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含んでもよく、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は最大で48時間、好ましくは最大で36時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で25時間であってもよい。
【0243】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液は、少なくとも6%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含み、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は、最大で36時間、好ましくは最大で25時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で15時間である。
【0244】
例えば、ステップd)の濃縮懸濁液は、6.0~7.0%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含んでもよく、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は最大で36時間、好ましくは最大で25時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で15時間であってもよい。
【0245】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液は、少なくとも7%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含み、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は、最大で15時間、好ましくは最大で10時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で5時間である。
【0246】
例えば、ステップd)の濃縮懸濁液は、7.0~8.0%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含んでもよく、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は最大で15時間、好ましくは最大で10時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で5時間であってもよい。
【0247】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液は、少なくとも8%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含み、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は、最大で5時間、好ましくは最大で2時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で1時間である。
【0248】
例えば、ステップd)の濃縮懸濁液は、8.0~12%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含んでもよく、濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は最大で5時間、好ましくは最大で2時間、なおもより好ましくは(preferred)最大で1時間であってもよい。
【0249】
食品の調製において、濃縮懸濁液がそのまま成分として使用される場合、この方法は、典型的に、ステップe)、すなわち濃縮懸濁液を乾燥させる工程を含まない。
【0250】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップd)の濃縮懸濁液は、いかなる中間貯蔵もなしに、その後の使用に直接供される。このような場合、ステップd)の濃縮とその後の使用の間の時間は、最大で1時間、好ましくは最大で0.5時間、なおもより好ましくは最大で0.2時間である。例えば、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は、最大で0.1時間であってもよい。
【0251】
濃縮懸濁液が少なくとも8%(w/w)を含む場合、濃縮懸濁液をその後の使用に直接送ることが特に好ましい。
【0252】
本発明のその他の好ましい実施形態では、ステップd)から得られた濃縮懸濁液は、乾燥またはその他の使用前に、貯蔵タンクまたは類似装置内に貯蔵される。このような場合、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は、少なくとも0.1時間、好ましくは少なくとも0.5時間、なおもより好ましくは少なくとも1時間にわたる。さらに長い貯蔵が好ましい場合があり、したがって、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間は、好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なくとも10時間、さらにより好ましくは少なくとも15時間であってもよい。
【0253】
本発明の別の態様は、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物、好ましくは、本明細書に記載される新規方法によって得られる組成物に関する。
【0254】
特に本発明は、粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも60%(w/w)のタンパク質総量を有し、タンパク質総量に対して少なくとも40%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子を含み、変性ホエータンパク質粒子の少なくとも50%(w/w)が酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物に関する。
【0255】
一実施形態では、粉末組成物は乾燥粉末組成物である。本発明の文脈では、「乾燥粉末」という用語は、最大で10%(w/w)の水、好ましくは最大で6%(w/w)の水を含有する粉末に関する。乾燥粉末中の含水量を測定する方法は、実施例1.10で開示される。
【0256】
本発明の文脈では、「総タンパク質」および「タンパク質総量」という用語は、同義的に使用され、組成物または製品の純タンパク質の総量に関し、非タンパク質窒素(NPN)は無視される。タンパク質総量を測定する方法は、実施例1.4に記載される。
【0257】
いくつかの実施形態では、粉末組成物は、粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも60%(w/w)の、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも65%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも70%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも75%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも80%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも85%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも90%(w/w)などのタンパク質総量を有する。
【0258】
いくつかの実施形態では、粉末組成物は、粉末組成物の乾燥重量に対して60~99%(w/w)、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して65~99%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して70~99%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して75~99%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して80~99%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して85~99%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して90~99%(w/w)などのタンパク質総量を有する。
【0259】
その他の実施形態では、粉末組成物は、粉末組成物の乾燥重量に対して60~95%(w/w)、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して60~90%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して60~85%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して60~80%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して60~75%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して60~70%(w/w)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して60~65%(w/w)などのタンパク質総量を有する。
【0260】
本発明の文脈では、「変性ホエータンパク質粒子」という用語は、不可逆的に変性されて、共有結合および/または非共有相互作用によって連結された凝集体を形成しているホエータンパク質分子に関する。このような変性ホエータンパク質粒子は、典型的に、天然ホエータンパク質の通常のサイズよりも大きい。
【0261】
ホエータンパク質の変性度は、実施例1.3に記載されるように測定され得る。
【0262】
いくつかの実施形態では、粉末組成物中の変性ホエータンパク質粒子の量は、タンパク質総量に対して少なくとも40%(w/w)、例えばタンパク質総量に対して50~95%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して60~95%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して70~95%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して80~95%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して85~95%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して90%(w/w)などである。
【0263】
いくつかの実施形態では、粉末組成物中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の量は、変性ホエータンパク質粒子の少なくとも50%(w/w)、例えば変性ホエータンパク質粒子の少なくとも60%(w/w)など、例えば変性ホエータンパク質粒子の少なくとも70%(w/w)など、例えば変性ホエータンパク質粒子の少なくとも80%(w/w)など、例えば変性ホエータンパク質粒子の少なくとも90%(w/w)などである。いくつかの実施形態では、粉末組成物中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の量は、変性ホエータンパク質粒子の50~100%(w/w)、例えば変性ホエータンパク質粒子の60~100%(w/w)など、例えば変性ホエータンパク質粒子の70~100%(w/w)など、例えば変性ホエータンパク質粒子の80~100%(w/w)などである。
【0264】
酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物は、いくつかの実施形態では、天然ホエータンパク質もまた含有してもよい。
【0265】
いくつかの実施形態では、粉末組成物中の天然ホエータンパク質の量は、タンパク質総量に対して少なくとも10%(w/w)、例えばタンパク質総量に対して少なくとも20%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して少なくとも30%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して少なくとも40%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して少なくとも50%(w/w)など、タンパク質総量に対して例えば少なくとも60%(w/w)などである。
【0266】
酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物は、いくつかの実施形態では、不溶物もまた含有してもよい。本発明の文脈では、「不溶物」という用語は、粉末溶液の溶解および遠心分離後に残る沈殿物の体積を指し、粉末が水中に溶解する能力の尺度である。不溶物含有量は、実施例1.7に記載されるように測定され得る。
【0267】
いくつかの実施形態では、粉末組成物中の不溶物の量は、粉末組成物の乾燥重量に対して最大で1%(v/v)、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して最大で0.5%(v/v)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して最大で0.3%(v/v)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して最大で0.2%(v/v)など、例えば粉末組成物の乾燥重量に対して最大で0.1%(v/v)などである。
【0268】
酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物は、その嵩密度によって特徴付けられてもよい。
【0269】
本発明の文脈では、粉末の「嵩密度」という用語は、制御された様式で625回叩いた場合の、粉末粒子の集団の密度、すなわち重量と体積との間の関係に関する。嵩密度は、実施例1.6で開示されるように測定される。
【0270】
いくつかの実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物の嵩密度は、少なくとも0.20g/mL、例えば少なくとも0.25g/mLなど、例えば少なくとも0.30g/mLなど、例えば少なくとも0.35g/mLなど、例えば少なくとも0.40g/mLなどである。
【0271】
その他の実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物の嵩密度は、0.10~0.50g/mL、例えば0.20~0.40g/mLなど、例えば0.25~0.35g/mLなどである。
【0272】
いくつかの実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物の嵩密度は、0.20~0.50g/mL、例えば0.25~0.50g/mLなど、例えば0.30~0.50g/mLなど、例えば0.35-0.50g/mLなど、例えば0.40~0.50g/mLなどである。なおもいくつかのその他の実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物の嵩密度は、0.20~0.45g/mL、例えば0.20~0.40g/mLなど、例えば0.20~0.35g/mLなど、例えば0.20~0.30g/mLなど、例えば0.20~0.25g/mLなどである。
【0273】
酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物は、その酸性ゲル強度によって特徴付けられてもよい。
【0274】
本発明の文脈では、「酸性ゲル強度」という用語は、標準化酸ゲル化手順に供された酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物サンプルから得られたゲルの貯蔵弾性率に関する。酸性ゲル強度は、実施例1.5で開示される方法を用いて測定される。
【0275】
いくつかの実施形態では、酸性ゲル強度は、少なくとも10Pa、少なくとも50Paなど、少なくとも100Paなど、少なくとも150Paなど、少なくとも250Paなど、少なくとも500Paなど、少なくとも750Paなど、少なくとも1000Paなどである。
【0276】
いくつかの実施形態では、酸性ゲル強度は、10~1000Pa、例えば50~1000Paなど、例えば100~1000Paなど、例えば150~1000Paなど、例えば250~1000Paなど、例えば500~1000Paなどである。
【0277】
本発明のさらなる態様は、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液、好ましくは本明細書に記載される新規方法によって得られる懸濁液に関する。
【0278】
特定のさらなる態様では、本発明は、懸濁液の総量に対して少なくとも5%(w/w)のタンパク質総量を有し、タンパク質総量に対して40~95%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子を含み、変性ホエータンパク質粒子の少なくとも50%(w/w)が酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液に関する。
【0279】
いくつかの実施形態では、懸濁液は、懸濁液の総量に対して少なくとも5%(w/w)、例えば懸濁液の総量に対して少なくとも6%(w/w)など、例えば懸濁液の総量に対して少なくとも8%(w/w)など、例えば懸濁液の総量に対して少なくとも10%(w/w)など、例えば懸濁液の総量に対して少なくとも12%(w/w)など、例えば懸濁液の総量に対して少なくとも15%(w/w)などのタンパク質総量を有する。
【0280】
いくつかの実施形態では、懸濁液は、懸濁液の総量に対して5~20%(w/w)、例えば懸濁液の総量に対して6~20%(w/w)など、例えば懸濁液の総量に対して8~20%(w/w)など、例えば懸濁液の総量に対して10~20%(w/w)など、例えば懸濁液の総量に対して12~20%(w/w)など、例えば懸濁液の総量に対して15~20%(w/w)などのタンパク質総量を有する。その他の実施形態では、懸濁液は、懸濁液の総量に対して5~15%(w/w)、例えば懸濁液の総量に対して5~12%(w/w)など、例えば懸濁液の総量に対して5~10%(w/w)など、例えば懸濁液の総量に対して5~8%(w/w)などのタンパク質総量を有する。
【0281】
いくつかの実施形態では、変性ホエータンパク質粒子の量は、タンパク質総量に対して40~95%(w/w)、例えばタンパク質総量に対して50~95%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して60~95%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して70~95%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して80~95%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して85~95%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して90%(w/w)などである。
【0282】
いくつかの実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の量は、変性ホエータンパク質粒子の少なくとも50%(w/w)、例えば変性ホエータンパク質粒子の少なくとも60%(w/w)など、例えば変性ホエータンパク質粒子の少なくとも70%(w/w)など、例えば変性ホエータンパク質粒子の少なくとも80%(w/w)など、例えば変性ホエータンパク質粒子の少なくとも90%(w/w)などである。
【0283】
いくつかの実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の量は、変性ホエータンパク質粒子の50~100%(w/w)、例えば変性ホエータンパク質粒子の60~100%(w/w)など、例えば変性ホエータンパク質粒子の70~100%(w/w)など、例えば変性ホエータンパク質粒子の80~100%(w/w)などである。
【0284】
酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液は、いくつかの実施形態では、天然ホエータンパク質もまた含有してもよい。
【0285】
いくつかの実施形態では、懸濁液中の天然ホエータンパク質の量は、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液中のタンパク質総量に対して少なくとも10%(w/w)、例えばタンパク質総量に対して少なくとも20%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して少なくとも30%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して少なくとも40%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して少なくとも50%(w/w)など、例えばタンパク質総量に対して少なくとも60%(w/w)などである。
【0286】
一実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末は、粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも70%(w/w)のタンパク質総量を含み、変性ホエータンパク質粒子の含有量はタンパク質総量に対して45~80%(w/w)であり、少なくとも70%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である。
【0287】
「酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末」および「酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物」という用語は、同義的に使用される。
【0288】
別の実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末は、粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも70%(w/w)のタンパク質総量を含み、変性ホエータンパク質粒子の含有量はタンパク質総量に対して50~90%(w/w)であり、少なくとも80%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である。
【0289】
さらなる実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末は、粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも70%(w/w)のタンパク質総量を含み、変性ホエータンパク質粒子の含有量はタンパク質総量に対して50~99%(w/w)であり、少なくとも80%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である。
【0290】
さらに別の一実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末は、粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも80%(w/w)のタンパク質総量を含み、変性ホエータンパク質粒子の含有量はタンパク質総量に対して60~90%(w/w)であり、少なくとも90%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である。
【0291】
なおもさらなる実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末は、粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも80%(w/w)のタンパク質総量を含み、変性ホエータンパク質粒子の含有量はタンパク質総量に対して50~99%(w/w)であり、少なくとも80%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である。
【0292】
一実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液は、懸濁液の重量に対して少なくとも8%(w/w)のタンパク質総量を含み、変性ホエータンパク質粒子の含有量はタンパク質総量に対して45~80%(w/w)であり、少なくとも70%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である。
【0293】
別の実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液は、懸濁液の重量に対して少なくとも10%(w/w)のタンパク質総量を含み、変性ホエータンパク質粒子の含有量はタンパク質総量に対して50~90%(w/w)であり、少なくとも80%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である。
【0294】
なおも別の一実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液は、懸濁液の重量に対して少なくとも12%(w/w)のタンパク質総量を含み、変性ホエータンパク質粒子の含有量はタンパク質総量に対して60~90%(w/w)であり、少なくとも90%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である。
【0295】
一実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液は、懸濁液の重量に対して少なくとも8%(w/w)のタンパク質総量を含み、変性ホエータンパク質粒子の含有量はタンパク質総量に対して45~99%(w/w)であり、少なくとも70%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である。
【0296】
別の実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液は、懸濁液の重量に対して少なくとも10%(w/w)のタンパク質総量を含み、変性ホエータンパク質粒子の含有量はタンパク質総量に対して50~99%(w/w)であり、少なくとも80%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である。
【0297】
なおも別の一実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液は、懸濁液の重量に対して少なくとも12%(w/w)のタンパク質総量を含み、変性ホエータンパク質粒子の含有量はタンパク質総量に対して60~99%(w/w)であり、少なくとも90%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体である。
【0298】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液および/または酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末は、タンパク質総量に対して最大で10%(w/w)のカゼイン、好ましくは最大で8%(w/w)のカゼイン、より好ましくは最大で6%(w/w)のカゼイン、なおもより好ましくは(preferred)タンパク質総量に対して最大で4%(w/w)のカゼインを含む。
【0299】
酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液および/または酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末中のさらにより少量のカゼインが、好ましくあってもよい。したがって、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液および/または酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末は、例えば、タンパク質総量に対して最大で3%(w/w)のカゼイン、好ましくは最大で2%(w/w)のカゼイン、より好ましくは最大で1%(w/w)のカゼイン、なおもより好ましくは(preferred)タンパク質総量に対して最大で0.2%(w/w)のカゼインを含んでもよい。
【0300】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液および/または酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末は、タンパク質総量に対して少なくとも10%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは少なくとも20%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは少なくとも30%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも40%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0301】
さらにより高い濃度の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体が好ましくあってもよく、したがってステップc)から得られる酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液および/または酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末は、好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも50%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは少なくとも60%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは少なくとも70%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して少なくとも90%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0302】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップb)から得られる懸濁液は、タンパク質総量に対して10~100%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、好ましくは20~90%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、より好ましくは30~80%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、なおもより好ましくはタンパク質総量に対して40~70%(w/w)の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む。
【0303】
本発明のさらに別の態様は、本明細書に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液を含む、食品成分に関する。食品成分は、好ましくは乾燥粉末である。
【0304】
いくつかの実施形態では、食品成分は、ホエータンパク質微粒子、ホエータンパク質ミセル、カゼインミセル、カゼイネート、および乳タンパク質からなる群から選択される、1つまたは複数の成分をさらに含む。
【0305】
本発明の文脈では、「ホエータンパク質微粒子」という用語は、1~10ミクロンの範囲の粒度を有する変性ホエータンパク質の不溶性粒子に関する。不溶性ホエータンパク質粒子は、典型的に、溶液を高度な内部剪断の対象としながら、適切なpH(例えば、pH5~8)でホエータンパク質溶液を加熱することによって製造される。剪断は、例えば、掻き取り表面熱交換器またはホモジナイザーを使用する機械的剪断によって、または乱流を促進する高い線形流速に溶液を曝すことによって、提供されてもよい。
【0306】
有用なホエータンパク質ミセルの例は、国際公開第2006/034,857号パンフレット、国際公開第2007/110,411号パンフレット、国際公開第2007/110,421号パンフレットまたは米国特許第5,882,705A号明細書に見いだされてもよい。
【0307】
本発明の文脈では、「カゼインミセル」という用語は、ミルクのカゼインミセル中に、またはこのようなカゼインミセルの単離物中に存在する、カゼインに関する。
【0308】
カゼイネート調製物は、例えば、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カリウム、カゼイン酸カルシウム、またはそれらの組み合わせであってもよい。カゼイン酸ナトリウムおよび/またはカゼイン酸カリウムが、現在のところ好ましい。
【0309】
本発明の文脈では、「乳タンパク質」という用語は、ミルクに見られるタンパク質画分に関し、カゼインおよび乳清タンパク質の双方を含む。乳タンパク質は、例えば、液体ミルクまたは粉乳によって、または濃縮物の全固形分に対して少なくとも10%(w/w)乳タンパク質を含有する乳タンパク質濃縮物によって、提供されてもよい。乳タンパク質濃縮物は、液体または粉末形態のどちらかであってもよい。
【0310】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、食品成分は、食品成分のタンパク質総量に対して少なくとも0.1%(w/w)、好ましくは少なくとも1%(w/w)、なおもより好ましくは食品成分のタンパク質総量に対して少なくとも5%の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の総量を含む。
【0311】
例えば、食品成分は、例えば食品成分のタンパク質総量に対して0.1%~60%(w/w)の範囲、好ましくは1~40%(w/w)の範囲、なおもより好ましくは食品成分のタンパク質総量に対して5~20%の範囲の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の総量を含んでもよい。
【0312】
いくつかの実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体は炭水化物含有供給物から製造されることが多いので、食品成分は炭水化物をさらに含む。追加的な炭水化物が食品成分に包含されて、追加の甘味を提供し、または成分の栄養素含有量を変更してもよい。
【0313】
食品成分は、例えば、食品成分総重量に対して最大で75%(w/w)、例えば、最大で50%(w/w)、例えば、最大で30%(w/w)の炭水化物総量を含んでもよい。
【0314】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、食品成分は、最大で20%(w/w)、好ましくは最大で10%(w/w)、なおもより好ましくは最大で5%(w/w)の炭水化物総量を含有する。
【0315】
炭水化物は、通常は、乳糖、ガラクトースおよび/またはグルコースを含み、またはそれからさえなる。ガラクトースおよびグルコースは、典型的に、乳糖レベルが酵素加水分解によって低下された際に存在する。
【0316】
食品成分は、例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、アルギン酸塩、セルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、カラゲナン、ペクチン、イヌリン、およびそれらの混合物などの炭水化物ベースの安定剤をさらに含有してもよい。しかし、本発明の好ましい実施形態では、食品成分は、最大で5%(w/w)の炭水化物ベースの安定剤、炭水化物ベースの安定剤を含まないなど、好ましくは大部分の(preferably most)1%(w/w)の炭水化物ベース安定剤を含有することが好ましい。
【0317】
食品成分は、さらに典型的に、例えば、乳脂肪またはホエー脂肪などの脂肪を含有する。例えば、食品成分は、乾燥重量基準で最大で8%(w/w)の量の脂肪をさらに含んでもよい。その他の実施形態では、食品成分は、典型的に、0.1~20%(w/w)、0.5~15%(w/w)または1~10%(w/w)などの範囲の量の脂肪を含有する。脂肪は、例えば、0.1~6%(w/w)の範囲の量で存在してもよい。
【0318】
本文脈上、「脂肪」という用語は、レーゼ・ゴットリーブ原理に従って抽出され得る食品中の脂肪総量に関し、その中では、試験サンプルのアンモニア性エタノール溶液が、ジエチルエーテルおよび石油エーテルで抽出され、溶剤が蒸留または蒸発によって除去された後、最後に抽出物質の質量が測定される。したがって、「脂肪」という用語は、トリ-、ジ-およびモノグリセリド、遊離脂肪酸、リン脂質、コレステロール、およびコレステロールエステルを含むが、これに限定されるものではない。
【0319】
食品成分は、例えば、トウモロコシ油、ゴマ油、大豆油、大豆種子油、亜麻仁油、ブドウ種子油、ナタネ油、オリーブ油、ラッカセイ油、ヒマワリ油、紅花油、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、1つまたは複数の植物油を含んでもよい。代案としては、食品成分が、1つまたは複数の植物性脂肪を含んでもよい場合、脂肪は、パーム脂肪、パーム核脂肪、および椰子脂肪、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0320】
それに加えて、あるいは代案としては、食品成分は、乳脂肪などの1つまたは複数の動物性脂肪を含んでもよい。乳脂肪は、クリーム、バターまたは甘性バターミルク固形分に由来してもよい。食品成分が、少なくとも極微量のホエー脂肪を含有することは、さらに通常のことである。
【0321】
食品成分は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、コリン、イノシトール、それらの塩、それらの誘導体などの1つまたは複数のビタミンおよび同様のその他の成分、およびそれらの組み合わせをさらに含んでもよい。
【0322】
食品成分は、典型的に、ホエーまたはミルク由来製品に存在する、塩およびミネラルをさらに含有してもよい。食物成分および製品のミネラル含有量は、典型的に、食品成分または製品の灰分として表される。
【0323】
灰分は、酸化剤の存在下で加熱することにより水および有機物が除去された後に残る無機残渣であり、灰分が関連する製品は、灰分粒子そのものを含有しないことに留意すべきである。灰分は、好ましくは、乾燥灰化の技術によって測定される(実施例1.11.1を参照されたい)。
【0324】
なおもさらなる態様では、本発明は、本明細書に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液を含む、食品に関する。
【0325】
いくつかの実施形態では、食品は、本明細書に記載される酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物を含み、このような実施形態においては、粉末は、乾燥、水和またはゲル化形態で存在してもよい。
【0326】
酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物が乾燥形態で食品中に存在する場合、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物はまだ水和または再懸濁されておらず、製造されたのと同じ粉末粒子中に存在する。
【0327】
酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物が水和形態で食品中に存在する場合、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物は水と接触されており、少なくとも水和されている。水和された酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物は、粉末に変換された懸濁液中に存在したのと実質的に同一の成分に崩壊していることがさらに好ましい。
【0328】
酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物がゲル化形態で食品中に存在する場合、酸ゲル化ホエータンパク質粉末組成物は水和され、酸ゲル化ホエータンパク質粒子にゲルを生成させる条件にさらに曝露されている。このような条件は、酸性化および/または塩(例えば、NaClまたはKCl)との接触であってもよい。
【0329】
いくつかの実施形態では、食品は乳製品であってもよい。例えば、食品は、例えばヨーグルト様製品などの酸乳製品であってもよい。これらの場合には、ゲル化は、酸性化製品の酸性化中に誘導される。ヨーグルト様製品の例としては、飲用ヨーグルト様製品、撹拌タイプヨーグルト様製品、およびセットタイプヨーグルト様製品が挙げられる。
【0330】
本発明の文脈では、「ヨーグルト様製品」という用語は、ヨーグルト製品に関し、またはそれが飲用ヨーグルト、セットタイプヨーグルトまたは撹拌タイプヨーグルトのいずれであれ、少なくともヨーグルトと類似した外観および官能プロフィールを有する製品に関する。ヨーグルト様製品という用語は、カゼイン非含有ヨーグルト様製品もまたカバーする。さらに、ヨーグルト様製品が、細菌および/または化学酸性化によって製造されていてもよいことにもまた、留意すべきである。
【0331】
本発明の別の実施形態では、食品は、セットタイプヨーグルトの粘稠度を有する。セットタイプヨーグルトは、典型的に、ゼリー(gelly)様質感で特徴付けられ、最終的包装内で培養および冷却されることが多い。セットタイプヨーグルトは、通常は注ぐことができないが、なおもさじ通りがよく、包装から直接スプーンで食べられることが多い。
【0332】
本発明のなおも別の実施形態では、食品は、撹拌タイプヨーグルトの粘稠度を有する。セットタイプヨーグルトと比較して、撹拌タイプヨーグルトは、注ぐことができるが、なおもかなり粘稠であることが多い。「撹拌」という用語は、酸性化ヨーグルトミルクが最初に撹拌されて、形成された凝塊/ゲルが破壊され、製品をより液状にしてポンプ輸送可能にするという事実に基づく可能性が高い。しかし、本発明の文脈では、「撹拌ヨーグルト」という用語は、撹拌されていないが、その他の様式で液体様の粘稠な質感を得ているヨーグルトもまた包含する。
【0333】
撹拌タイプヨーグルトの粘稠度を有する食品は、例えば、最大で2500cP、典型的に350~2500cPの範囲の粘度を有してもよい。例えば、食品の粘度は、400~2000cPの範囲であってもよい。食品の粘度は、例えば、500~1500cPの範囲であってもよい。代案としては、食品の粘度は、600~1250cPの範囲であってもよい。食品の粘度は、実施例1.13に概説されているように測定される。
【0334】
本発明のいくつかの実施形態では、食品は、飲用ヨーグルトの粘稠度を有し、それは飲用ヨーグルトでさえあってもよい。飲用ヨーグルトまたは飲用ヨーグルト様製品は、典型的に相対的に低粘度を有し、それは容易に飲用に適する。飲用ヨーグルトまたは飲用ヨーグルト様製品は、例えば、最大で400cP、典型的に4~400cPの範囲の粘度を有してもよい。例えば、飲用ヨーグルトの粘度は、10~300cPの範囲であってもよい。飲用ヨーグルトの粘度は、例えば、15~200cPの範囲であってもよい。代案としては、飲用ヨーグルトの粘度は、20~150cPの範囲、または100~400cPの範囲、例えば200~300cPなどであってもよい。
【0335】
その他の実施形態では、食品は、例えば、非酸乳製品などの非酸性化食品であってもよい。非酸性化食品の有用な例としては、例えばカゼインまたはミルク含有飲料、およびミルク含有ゼリー(gelly)タイプが挙げられる。
【0336】
これらの場合には、ゲル化は、例えば、NaCl、KClなどの塩、またはCaClなどのカルシウム塩の添加によって誘導される、いわゆる低温ゲル化であってもよい。代案としては、大量の塩が、食品の別の成分の1つまたは複数に、本有的に存在してもよい。
【0337】
いくつかの実施形態では、食品は、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末および/または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液に加えて、炭水化物をさらに含む。
【0338】
したがって、本発明のいくつかの実施形態では、食品は、炭水化物甘味料、ポリオールおよび/または高強度甘味料などの1つまたは複数の甘味料を含む。
【0339】
食品は、例えば、食品総重量に対して1~20%(w/w)の範囲の炭水化物甘味料の総量を含んでもよい。代案としては、食品は、食品総重量に対して4~15%(w/w)の範囲の炭水化物甘味料の総量を含んでもよい。食品のその他の成分は、乳糖などのいくらかの炭水化物甘味料を本有的に含んでもよいので、所望の甘味を達成するためには、食品総重量に対して約2~10%の量の炭水化物甘味料を添加することで十分であることが多い。代案としては、食品は、食品総重量に対して4~8%(w/w)の範囲の添加された炭水化物甘味料の総量を含んでもよい。
【0340】
その他の実施形態では、食品中の炭水化物の量は、食品総重量に対して最大で1%(w/w)、例えば食品総重量に対して最大で0.9%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.8%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.7%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.6%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.5%(w/w)などである。その他の実施形態では、食品中の炭水化物の量は、食品総重量に対して0.1~1%(w/w)、例えば食品総重量に対して0.3~1%(w/w)など、例えば食品総重量に対して0.5~1%(w/w)などである。
【0341】
いくつかの実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液は、低炭水化物食品で使用される。その他の実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液は、例えば、乳糖非含有食品などの低乳糖食品で使用される。なおも別の実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液が、低脂肪食品で使用される。
【0342】
いくつかの実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液が、低炭水化物ヨーグルトで使用される。その他の実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液が、例えば、乳糖非含有ヨーグルトなどの低乳糖ヨーグルトで使用される。なおも別の実施形態では、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液が、低脂肪ヨーグルトで使用される。
【0343】
食品は、1つまたは複数の非炭水化物天然または人工甘味料をさらに含有してもよい。
【0344】
いくつかの実施形態では、食品は、糖類でない1つまたは複数の天然甘味料を含有する。これらの天然甘味料は、単独、または記載されるような炭水化物甘味料との併用のどちらかで、第2の甘味料の成分として提供されてもよい。天然非糖甘味料は、例えば、ラカンカ(Momordica grosvenorii)(モグロシドIVまたはV)抽出物、ルイボス抽出物、ハニーブッシュ抽出物、ステビア抽出物、レバウジオシドA、タウマチン、ブラゼイン、グリシルリジン酸とその塩、クルクリン、モネリン、フィロズルチン(Phylloducin)、ルブソシド、マビンリン、ズルコシドA、ズルコシドB、シアメノシド、モナチンとその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、ヘルナンズルチン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリドジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、シクロカリオシドI、エリスリトール、イソマルツロースおよび/またはマルチトール、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、イノシトール、キシリトール、トレイトール、ガラクチトールなどの天然ポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0345】
いくつかの実施形態では、食品は、1つまたは複数の人工甘味料を含有する。これらの人工甘味料は、単独、または上で定義されるようなその他の甘味料との併用のどちらかで、第1の甘味料の成分として提供されてもよい。人工非糖甘味料は、例えば、アスパルテーム、シクラメート、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、サッカリン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ステビア抽出物、レバウジオシドA、タウマチン、ブラゼイン、グリシルリジン酸とその塩、クルクリン、モネリン、フィロズルチン(Phylloducin)、ルブソシド、マビンリン、ズルコシドA、ズルコシドB、シアメノシド、モナチンとその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0346】
本発明のいくつかの実施形態では、甘味料は、1つまたは複数の高強度甘味料(HIS)を含み、またはそれからさえなることが特に好ましい。HISは天然および人工甘味料の双方に見られ、典型的にスクロースの少なくとも10倍の甘味強度を有する。有用なHISの非限定的例は、アスパルテーム、シクラメート、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、サッカリン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、およびそれらの組み合わせである。
【0347】
使用される場合、HISの総量は、典型的に0.01~2%(w/w)の範囲である。例えば、HISの総量の範囲は、0.05~1.5%(w/w)であってもよい。代案としては、HISの総量の範囲は、0.1~1.0%(w/w)であってもよい。
【0348】
甘味料が、1つまたは複数のポリオール甘味料を含み、またはそれからさえなることが、さらに好ましくあってもよい。有用なポリオール甘味料の非限定的例は、マルチトール、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、イノシトール、キシリトール、トレイトール、ガラクチトールまたはそれらの組み合わせである。
【0349】
使用される場合、ポリオール甘味料の総量は、典型的に1~20%(w/w)の範囲である。例えば、ポリオール甘味料の総量の範囲は、2~15%(w/w)であってもよい。代案としては、ポリオール甘味料の総量の範囲は、4~10%(w/w)であってもよい。
【0350】
食品製品は、例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、アルギン酸塩、セルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、カラゲナン、ペクチン、イヌリン、およびそれらの混合物などの炭水化物ベースの安定剤をさらに含有してもよい。
【0351】
しかし、本発明の利点は、炭水化物ベース安定剤のレベルを低下させ、または回避さえし得ることであり、したがって本発明の好ましい実施形態では、食品は、最大で1%(w/w)の炭水化物ベース安定剤、好ましくは大多数(preferably most)0.1%(w/w)の炭水化物ベース安定剤、なおもより好ましくは皆無の炭水化物ベース安定剤を含む。
【0352】
いくつかの実施形態では、食品は、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末および/または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液に加えて、脂肪をさらに含む。脂肪は、例えば、0.1~10%(w/w)、0.5~5%(w/w)または1~3%(w/w)などの範囲の量で存在してもよい。脂肪は、例えば、0.1~3%(w/w)の範囲の量で存在してもよい。その他の実施形態では、食品中の脂肪の量は、食品総重量に対して最大で1%(w/w)、例えば食品総重量に対して最大で0.9%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.8%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.7%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.6%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.5%(w/w)などである。その他の実施形態では、食品中の脂肪の量は、食品総重量に対して0.1~1%(w/w)、例えば食品総重量に対して0.3~1%(w/w)など、例えば食品総重量に対して0.5~1%(w/w)などである。
【0353】
いくつかの実施形態では、食品は、酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末および/または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液に加えて、乳糖をさらに含む。いくつかの実施形態では、食品は唯一の種類の炭水化物として、乳糖を含有する。したがって、いくつかの実施形態では、食品中の乳糖の量は、食品総重量に対して最大で1%(w/w)、例えば食品総重量に対して最大で0.9%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.8%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.7%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.6%(w/w)など、例えば食品総重量に対して最大で0.5%(w/w)などである。その他の実施形態では、食品中の乳糖の量は、食品総重量に対して0.1~1%(w/w)、例えば食品総重量に対して0.3~1%(w/w)など、例えば食品総重量に対して0.5~1%(w/w)などである。
【0354】
食品は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、コリン、イノシトール、それらの塩、それらの誘導体などの1つまたは複数のビタミンおよび同様のその他の成分、およびそれらの組み合わせをさらに含んでもよい。
【0355】
食品は、典型的に、ホエーまたはミルク由来製品に存在する、塩およびミネラルをさらに含有してもよい。
【0356】
特定の実施形態では、食品は、以下を含む。
●食品総重量に対して4.5~5.0%(w/w)のタンパク質総量、
●食品総重量に対して1.0~1.5%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、
●食品総重量に対して最大で0.2%(w/w)の脂肪、および
●食品総重量に対して5~7%(w/w)の乳糖。
【0357】
別の特定の実施形態では、食品は、以下を含む。
●食品総重量に対して3~7%(w/w)のタンパク質総量、
●食品総重量に対して0.2~2.0%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、
●食品総重量に対して最大で8%(w/w)の脂肪、および
●食品総重量に対して4~7%(w/w)の乳糖。
【0358】
さらに別の特定の実施形態では、食品は、以下を含む。
●食品総重量に対して最大で18%(w/w)のタンパク質総量、
●食品総重量に対して1~4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、
●食品総重量に対して最大で4%(w/w)の脂肪、および
●任意選択的に、食品総重量に対して4~8%(w/w)の乳糖。
【0359】
さらに別の態様では、本発明は、食品を製造する方法に関する。方法は、
1)本明細書に記載されるような酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液を提供するステップと、
2)酸ゲル化可能ホエータンパク質と1つまたは複数の追加的な成分とを組み合わせるステップと、
3)任意選択的に組み合わせを処理するステップと
を含む。
【0360】
したがって、いくつかの実施形態は、ヨーグルト様製品を製造する方法を対象とする。このような方法は、
1)本明細書に記載されるような酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液を提供するステップと、
2)前記酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を乳糖、および任意選択的にさらに炭水化物、脂肪、ビタミン、およびミネラルと組み合わせ、任意選択的に混合物を均質化し、次にそれを少なくとも(least)72℃の温度で少なくとも15秒間にわたり低温殺菌し(pasteurising)、引き続いて混合物を50℃未満の温度に冷却するステップと、
3)冷却混合物を酸性化剤に接触させ、酸性化剤に混合物を最大で5.0のpHに酸性化させ、任意選択的に酸性化された混合物から得られたヨーグルト様製品を包装するステップと
を含んでもよい。
【0361】
方法は、好ましくは、混合物を均質化するステップを含む。均質化は、乳製品技術分野で周知の処理であり、例えば、一段または二段工程として実施されてもよい。混合物の均質化は、例えば、第1段階が100~300バールの圧力を使用し、第2段階が30~80バールの範囲の圧力を使用する、二段工程で実施されてもよい。
【0362】
ステップc)はまた、混合物を例えば、72~150℃の範囲などの少なくとも72℃の温度に加熱して、乳製品ベース中の生存能力がある微生物の相当数を殺滅するのに十分な持続時間にわたり、その温度をその範囲に維持することによって、混合物を加熱処理するステップを伴う。典型的に、低温殺菌中に少なくとも99%の微生物が死滅化される。
【0363】
加熱処理の持続時間は、混合物が加熱される温度に左右され、典型的に、ほぼ1秒間~30分間である。
【0364】
しかし好ましくは、加熱処理は、少なくとも72℃で15秒間に相当する細菌死滅効果を有する。
【0365】
例えば、混合物は、72~85℃で0.2~30分間の範囲の1つまたは複数の温度に加熱されてもよい。混合物は、例えば、80~95℃で0.1~15分間の範囲の1つまたは複数の温度に加熱されてもよい。代案としては、混合物は、90~110℃で2秒間~10分間の範囲の1つまたは複数の温度に加熱されてもよい。例えば、混合物は、100~150℃で1秒間~2分間の範囲の1つまたは複数の温度に加熱されてもよい。
【0366】
加熱処置後、混合物は、例えば、最大で50℃、好ましくは、最大で45℃または最大で40℃などのさらにより低い温度に冷却される。
【0367】
次に、冷却混合物は、ステップ3)で酸性化剤と接触される。
【0368】
酸性化剤は、例えば、典型的にスタータ培養物と称される細菌培養物であってもよく、その場合、酸性化剤の添加は、冷却混合物の接種と認識されてもよく、その場合、接種混合物が得られる。
【0369】
このようにして、本発明のいくつかの実施形態では、酸性化剤は、化学酸性化剤を含む。
【0370】
本発明の文脈では「化学酸性化剤」という用語は、混合物のpHの漸進的または瞬間的低下能力がある化合物に関する。
【0371】
化学酸性化剤は、例えば、食品許容酸(食品酸とも称される)および/またはラクトンであってもよい。有用な酸の例は、クエン酸、酒石酸および/または酢酸などのカルボン酸である。有用なラクトンの一例は、グルコノデルタラクトン(GDL)である。
【0372】
本発明のいくつかの実施形態では、化学酸性化剤は、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、リン酸またはグルコノデルタラクトンからなる群から選択される、1つまたは複数の成分を含む。
【0373】
化学酸性化剤の実際の濃度は、ステップ2)で提供される混合物の特定の配合に依存する。化学酸性化剤は、最大でpH5.0、好ましくは最大でpH4.8、例えば、最大でpH4.6などに、混合物のpHを低下させるのに十分な量で、使用されることが一般に好ましい。
【0374】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、酸性化剤は、スタータ培養物を含み、またはスタータ培養物でさえあってよい。
【0375】
原則的に、従来よりヨーグルトタイプの酸乳製品を製造するのに使用される、任意のタイプのスタータ培養物が使用されてもよい。乳業で使用されるスタータ培養物は、通常は、乳酸細菌株の混合物であるが、単一株スタータ培養物もまた、本発明で有用であってもよい。したがって、好ましい実施形態では、本工程の1つまたは複数のスタータ培養物生物は、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、およびストレプトコッカス属(Streptococcus)からなる群から選択される乳酸細菌種である。これらの乳酸細菌種の1つまたは複数を含む市販のスタータ培養物が、本発明で有用であってもよい。
【0376】
着香剤および/または芳香剤が混合物に添加されて、フレーバー酸乳製品が得られてもよい。香味料は、固体として添加されてもよいが、好ましくは液体形態で添加される。しかし、香味料は、酸性化後に添加されるのが好ましいことが多い。
【0377】
ステップ3)の間に、酸性化剤は、ステップ2)の混合物のpHを低下させる。
【0378】
混合物が接種混合物である場合、それはスタータ培養物が代謝的に活性化されて、酸性化混合物が製造される条件下で培養される。いくつかの好ましい実施形態では、接種混合物は、所望のpHに達するまで、32℃~43℃の温度で培養される。発酵は、温度を10℃前後に低下させることによって停止させてもよい。
【0379】
混合物が化学酸性化剤を含有する場合、化学酸性化剤は、通常は化学酸性化剤が混合物の一員を構成するとすぐに、混合物のpHを低下させ始める。ラクトンや緩慢に溶解する酸などのいくつかの化学酸性化剤は、それらが水と反応し、または溶解されるのに従って、漸進的なpH低下を提供する。
【0380】
ステップ3)における乳製品ベースの温度は、典型的に20~50℃の範囲、好ましくは32~45℃の範囲である。
【0381】
方法のステップ3)はまた、酸性化混合物から得られたヨーグルト様製品を包装するステップを伴ってもよい。
【0382】
ステップ3)の包装は、任意の適切な包装技術を伴ってもよく、ホエータンパク質ベースのヨーグルト様製品を包装するために、任意の適切な容器が使用されてもよい。
【0383】
ステップ3)の包装は、例えば、無菌包装、すなわち、製品を無菌条件下で包装するステップを伴ってもよい。例えば、無菌包装は、無菌充填システムを使用して実施されてもよく、好ましくは、製品を1つまたは複数の無菌容器に充填することを伴う。
【0384】
有用な容器の例は、例えば、ボトル、カートン、ブリック、パウチおよび/またはバッグである。
【実施例0385】
実施例1:分析方法
実施例1.1:酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の定量:
酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の量は、以下の手順を用いて測定する。
【0386】
手順:
1.約1.00gの粉末のサンプルをリン酸緩衝液に溶解し、1000mLを得る。サンプルが液体形態である場合、約1.00gの乾物を含有する液体サンプルをリン酸緩衝液(0.02M NaHPOpH7.5)で1000mLに希釈する。精密な希釈係数(典型的に1000に近い)を書き留める。ステップ2に進む前に、溶解(または希釈)サンプルを24時間静置する。
2.実施例1.4に記載されるように、溶解サンプルの総タンパク質量(純タンパク質)を測定する。溶解サンプルの総タンパク質量を「X」(溶解サンプルの総重量に対する総タンパク質%(w/w))と称する。
3.100mLの溶解サンプルを62000gで30分間遠心分離する。遠心分離は、SIGMA Laborzentrifugen GmbH製の冷却遠心分離機3-30K、および85mL管(注文番号15076)、または類似装置を使用して、約15℃で実施される。
4.生じた上清を収集し、0.22ミクロン濾紙を通してそれを濾過し、以下のHLPC分析のHPLCカラムを損傷し得る、極微量の微粒子を除去する。
5.実施例1.4で開示された手順を使用して、濾過上清の総タンパク質(純タンパク質)を測定する。濾過上清の総タンパク質量を「Y」(濾過上清の総重量に対する総タンパク質%(w/w))と称する。
6.実施例1.2に記載される手順を用いて、天然α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、およびカゼイノマクロペプチドの量(濾過上清総重量に対する%(w/w))を定量化する。
7.酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の相対量を計算する(原サンプルのタンパク質総量に対する酸ゲル化可能凝集体の%(w/w))。これは、式:
酸ゲル化可能凝集体の相対量=((Y-Cα-Cβ-CCMP)/X)*100%(原サンプルの総タンパク質のw/w)
を使用して成し得る。原サンプルの酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の絶対量は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の相対量にX*希釈係数を乗じることによって計算される(1gのサンプルを1000mL(=約1000g)の溶解サンプルにすると、1000の希釈率が得られる)。式は、次のようになる:
原サンプルの酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の絶対量=Z酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の相対量*X*希釈係数
【0387】
実施例1.2:天然α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、およびCMPの測定
天然α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリンおよびCMP含有量を0.4mL/分でのHPLC分析によって分析する。25μlの濾過サンプルを、付属プレカラムPWxl(6mm×4cm、Tosohass,Japan)に逐次連結された、2 TSKgel3000PWxl(7.8mm 30cm、Tosohass,Japan)カラムに注入し、溶出剤(465gミリQ水、417.3gアセトニトリル、および1mLのトリフルオロ酢酸からなる)で平衡化し、UV検出器を210nmで用いる。
【0388】
天然α-ラクトアルブミン(Cα)、β-ラクトグロブリン(Cβ)、およびカゼイノマクロペプチド(CCMP)の含有量の定量的測定は、対応する標準タンパク質について得られたピーク領域を、サンプルのものと比較することによって実施した。
【0389】
実施例1.3:変性度の測定
天然ホエータンパク質含有量、すなわち、天然α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリンおよびカゼイノマクロペプチド含有量の定量分析は、実施例1.2に記載される手順を用いて実施し、総タンパク質含量は、実施例1.4に記載される手順を用いて定量化した。
【0390】
変性度を(C総タンパク質-C天然タンパク質)/C総タンパク質*100%として計算し、式中、C総タンパク質は総タンパク質の重量であり、C天然タンパク質は天然タンパク質の重量である。
【0391】
実施例1.4:総タンパク質の測定
サンプルの総タンパク質含量(純タンパク質)は、以下によって測定する:
1)ISO 8968-1/2|IDF 020-1/2-Milk-Determination of nitrogen content-Part 1/2:Determination of nitrogen content using the Kjeldahl methodに従って、サンプルの全窒素を測定する。
2)ISO 8968-4|IDF 020-4-Milk-Determination of nitrogen content-Part 4:Determination of non-protein-nitrogen contentに従って、サンプルの非タンパク質窒素を測定する。
3)総量タンパク質を(m全窒素-m非タンパク質-窒素)*6.38として計算する。
【0392】
実施例1.5.酸性ゲル強度の測定:
酸性ゲル強度は、以下の手順によって測定する:
1.タンパク質粉末を水に溶解し、水中に3%タンパク質w/wを含有する懸濁液400mlを作製する。
2.磁気棒撹拌機を用いて、懸濁液を1時間撹拌する。
3.懸濁液を冷蔵庫内に一晩放置する。
4.冷蔵懸濁液を200バールで均質化する。
5.100mLの懸濁液を42℃で30分間保存する。
6.GDL(グルコノデルタラクトン)を添加し、0.6%(w/w)GDLの濃度を得て、磁気棒撹拌機を用いて5分間撹拌する。
7.サンプルを以下に入れる。
a)pHロガー用管および
b)レオメーター(CC27測定システムを有するAnton Paar製のMCR301)。
【0393】
レオメータープログラム:
-振動周波数:1Hz
-温度プロファイル:
-42℃で330分間
-20分間で42から20℃への冷却
-120分間で20から5℃への冷却
-すなわち、レオメーター内の合計時間は470分間
貯蔵弾性率(Pa)は毎分自動的に測定され、サンプル(pHロガー製)のpHは5分毎に測定される。
【0394】
酸性ゲル強度は、5℃に冷却した後の貯蔵弾性率(Pa)、すなわち470分後の貯蔵弾性率(Pa)として読み取られる。
【0395】
実施例1.6.疎性密度および嵩密度の測定
乾燥粉末の密度は、規定条件下において特殊なStampf容量計(すなわちメスシリンダー)を使用して分析される、粉末の重量と体積との間の関係として定義される。密度は、典型的に、g/mlまたはkg/Lで表される。
【0396】
この方法では、乾燥粉末のサンプルをメスシリンダーに入れる。指定の回数タップした後、製品の体積を読み取り、密度を計算する。
【0397】
この方法では、3種類の密度を定義し得る:
■注入密度。規定のメスシリンダーに移し入れた後の粉末の体積で除した質量。
■疎性密度。この規格で指定されている条件に従って100回タップした後の粉末の体積で除した質量。
■嵩密度。この規格で指定されている条件に従って625回タップした後の粉末の体積で除した質量。
【0398】
方法は、重量190±15gの0~250ml目盛り付き250ml特殊メスシリンダー(J.Engelsmann A.G.67059 Ludwigshafen/Rh)と、例えば.J.Engelsmann A.GのStampf容量計を用いる。
【0399】
乾燥製品の疎性密度および嵩密度は、以下の手順によって測定する。
【0400】
前処理:
測定されるサンプルは室温で保存される。
【0401】
次に容器を繰り返し回転および方向転換させることによって、(粒子を粉砕しないように)サンプルを完全に混合する。容器は2/3を超えて充填されない。
【0402】
手順:
100.0±0.1グラムの粉末を計量し、メスシリンダーに移し入れる。体積Vをml単位で読み取る。
【0403】
100gの粉末がシリンダーに収まらない場合は、量を50または25グラムに減らすべきである。
【0404】
メスシリンダーをStampf容量計に固定し、100回タップする。表面をスパチュラで平らにし、体積V100をml単位で読み取る。
【0405】
タップ(tabs)回数を625回(100回のタップを含めて)に変更する。タッピング後、表面を平らにし、体積V625をml単位で読み取る。
【0406】
密度の計算:
次式に従って、g/mlで表される疎密度と嵩密度を計算する:
M/V
式中、Mは、グラム単位の秤量サンプルを指し、Vはそれぞれ、100タッピング(V100)または625タッピング(V625)後のml単位の体積を指す。
【0407】
実施例1.7.不溶性指数の判定
不溶性指数は、粉末が水中に溶解する能力の尺度である。
【0408】
方法は、通常は、脱脂乳、全乳、および甘性バターミルク粉末などの乾燥乳製品に使用されるが、その他の可溶性の乾燥乳製品にも適用され得る。
【0409】
不溶性指数は、粉末の溶解および遠心分離後に残るml単位の沈殿物の量として定義され、粉乳が水に溶解(再構成)する能力の尺度である。通常は、噴霧乾燥粉末が<1.25mlの溶解性指数を有する一方で、噴霧乾燥粉末よりも溶解度が低いローラー乾燥粉末は15~18mlの指数を有し得る。
【0410】
方法では、粉末を特定の温度の水に溶解して遠心分離する。上澄み液を除去して水で置換し、不溶性残留物の体積を読み取る前に、再度遠心分離する。
【0411】
手順
10.0グラムの粉末を量り取る。
【0412】
メスシリンダー内の100mlの脱ミネラル水(24℃)を量り取り、それを水浴中で温度調節されている混合ジャーに注ぐ。
【0413】
粉末を3滴の消泡剤と共に、混合ジャーに添加する。
【0414】
混合ジャーをWaringミキサーに入れ、3000~3500rpmの速度で正確に90秒間混合する。
【0415】
サンプルを少なくとも5分間を超えるが15分間以下である時間にわたり放置する。
【0416】
スパチュラで(激しくなく)5秒間混合し、遠心管を50mlの目盛りまで満たす。
【0417】
14.2インチのローター直径を有するローターヘッドを用いて、サンプルを900rpmで5分間遠心分離する。
【0418】
遠心分離の直後に上清を吸い上げ、沈殿物の上に5mlのみが残るようにしなくてはならない。沈殿物をかき混ぜてはならない。
【0419】
遠心管を30mlの目盛りまで脱ミネラル水(24℃)で満たし、沈殿物がほぐれるように遠心管を注意深く振盪し、必要ならば金属糸を使用する。その後、良く混合する。再度、慎重に50mlの目盛りまで脱ミネラル水(24℃)で満たす。
【0420】
14.2インチのローター直径を有するローターヘッドを用いて、900rpmで5分間再度遠心分離する。
【0421】
不溶性指数の判定
不溶性指数を以下の式を用いて判定する:
不溶性指数=ml沈殿物
遠心管を目の高さで垂直に保持し、沈殿物の体積をml単位で読み取る。最も近い目盛りを読み取る。読み取りを容易にするために、それは強力な光源の前で実施し得て、必要に応じて拡大鏡を使用し得る。
【0422】
実施例1.8.不溶性ホエータンパク質微粒子量の定量
変性ホエータンパク質組成物の1~10ミクロンの範囲の粒径を有する不溶性ホエータンパク質粒子の量は、以下の手順を用いて測定する:
1.試験サンプルの5%(w/w水中)懸濁液を製造する。
2.得られた懸濁液を穏やかに撹拌し(かき混ぜ)ながら、1時間再水和させる。
3.懸濁液を200バールで均質化する。
4.懸濁液の第1の部分を15000gで5分間にわたり遠心分離する。
5.生じた上清を収集し、総タンパク質(純タンパク質)について分析する。上清の総タンパク質量を「A」として称する。
6.懸濁液の第2の部分(遠心分離を受けていない)を総タンパク質(純タンパク質)について分析する。懸濁液の総タンパク質量を「B」と称する。
7.懸濁液の第3の部分を静的光散乱による粒度分布分析にかけて、>10ミクロンの粒度を有する粒子の体積百分率を判定し、この百分率は「C」と称される。
8.P1-10=(((B-A)/B)*100%)-C
として、1~10ミクロンの範囲の粒度を有する不溶性ホエータンパク質粒子の量(総タンパク質に対する%w/w)を判定する。
9.ステップ4~5を繰り返すが、15000gの代わりに3000gで5分間遠心処理する。(粒子の最大部分のみが除去される)。ステップ9の上清の総タンパク質を「D」と称する。
10.P=((D-A)/B)*100%
として、0.5~1.5ミクロンの範囲の粒度を有する不溶性ホエータンパク質粒子の量(総タンパク質に対する%w/w)を判定する。
【0423】
手順は、SIGMA Laborzentrifugen GmbH製の冷却遠心分離機3-30K、そして管とサンプル量の総重量が96gになるように5%懸濁液が充填された85mL管(注文番号15076)を使用して、約15℃で実施する。
【0424】
粒度分布分析をMalvern Mastersizer(Micro Particle Sizer,Malvern Instruments Ltd.,Worcestershire,UK)を用いて実施する。
【0425】
パラメータ:粒子屈折率1.52(真の部分)、0.1(虚の部分)、および分散剤屈折率1.33を使用した。
【0426】
適合データ解析:データは、ミー散乱モデル(残差<2%)を使用して適合させた。
【0427】
実施例1.9.1.遊離カルシウム量の測定
カルシウム濃度は、例えばThermo Fisher Scientific Inc.,Beverly,USA製のCombination IS、またはRadiometer Analytical SAS,Villeurbanne Cedex,France製のRadiometer Analytical ISE25Ca-9 Calcium Ion Selective Electrodeなどのカルシウムイオン選択性電極を用いて測定し得る。
【0428】
カルシウムイオン選択性電極を使用した遊離カルシウム濃度の測定に必要な装置としては、以下が挙げられる:
1.例えば、Thermo Scientific Orion ISE meter製のイオン選択性電極計、またはRadiometer analytical PHM250イオン分析装置。
2.カルシウムイオン選択性電極(上記の通り)。
3.磁気撹拌機。
4.メスフラスコ、目盛り付きシリンダー、およびビーカー。低レベルのカルシウム分析には、プラスチック製の実験器具が必要である。
5.蒸留水または脱イオン水。
6.カルシウム電極充填液。
7.0.1MのCaClカルシウム較正基準。
8.カルシウムイオン強度調整剤(ISA)。ISAは、サンプルおよび標準物質に対して一定のバックグラウンドイオン強度を提供する。
【0429】
直接較正技術
脱ミネラルホエータンパク質溶液の遊離カルシウム含有量を測定する際には、直接較正技術を使用することが推奨される。
【0430】
直接較正技術は、簡単な手順である。各サンプルに必要な読み取りは、1回だけである。較正は、一連の標準物質を用いて実施する。サンプルの濃度は、標準物質との比較によって測定する。ISAを全ての溶液に添加し、サンプルおよび標準物質が同様のイオン強度を有することを確実にする。
【0431】
直接較正手順では、検量線をメーターのメモリ内または半対数紙上のどちらかに作成する。標準溶液の電極電位を測定し、対数軸上のそれらの濃度に対して直線軸上にプロットする。曲線の線形領域では、検量線を決定するのに必要な標準物質は2つだけである。非線形領域では、さらに多くの点を取らなくてはならない。直接較正手順は、線形電極応答の領域内の濃度に対して与えられる。電極の線形範囲は、典型的には、10-5Mのカルシウムに対応する0.4ppmを超える濃度に対して見いだされる。
【0432】
2点較正で十分であるが、より多くの較正点を使用することもできる。ISEメーターを使用する場合、サンプル濃度は、メーターから直接読み取り得る。mVメーターを使用する場合は、検量線を半対数グラフ用紙上に作成するか、スプレッドシートまたはグラフィックプログラムを使用して(対数濃度値に対する)直線回帰を実施し得る。
【0433】
較正のヒント:
検量線を作成するために使用される標準物質の濃度は、予想されるサンプル濃度を囲む必要がある。
【0434】
サンプル中のイオン強度が高い、すなわち0.1M以上である場合は、標準物質をサンプルのバックグラウンドと同様のバックグラウンドで調製すべきであり、またはサンプルを標準添加法を用いて測定すべきである。
【0435】
較正中は、最も濃度の低い標準液を最初の標準液として測定し、次に、最も濃度の高い標準液まで進むべきである。
【0436】
直接較正セットアップ
製造業者の指示に従って電極を準備し、電極をメーターに接続する。次に、少なくとも2つの標準物質を調製する。標準物質は、予想されるサンプル範囲を囲み、濃度が10倍異なるようにすべきである。標準物質は、特定の分析要件に合わせて任意の濃度単位で調製し得る。しかし、全ての標準がサンプルと同じ温度になるようにすることが重要である。本出願では、全ての標準物質およびサンプルは25℃で測定される。
【0437】
ISEモードのメーターを用いた直接較正手順
1.100mlの低濃度標準物質と2mlのISAを150mlのビーカーに添加し、溶液を十分にかき混ぜる。
2.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、低濃度標準物質と共にビーカーに入れる。読み取りが安定するまで待って、標準の値を表示するようにメーターを調節する。
3.100mlの高濃度標準物質と2mlのISAを第2の150mlのビーカーに添加し、溶液を十分にかき混ぜる。
4.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、高濃度標準物質と共にビーカーに入れる。読み取りが安定するまで待って、第2の標準の値を表示するようにメーターを調節する。
5.得られた勾配値を記録する。標準が20~25℃の場合、勾配は25~30mVであるべきである。
6.清浄な150mlビーカーに100mlのサンプルと2mlのISAを添加し、溶液を完全にかき混ぜる。
7.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、サンプル中に入れる。サンプルの濃度がメーターに表示される。
注記:溶液対ISAの比率が50:1のままであれば、その他の溶液容積を使用してもよい。
【0438】
mVモードのメーターを用いた直接較正手順
1.メーターをmVモードに設定する。
2.100mlの低濃度標準物質と2mlのISAを150mlのビーカーに添加し、溶液を十分にかき混ぜる。
3.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、低濃度標準物質と共にビーカーに入れる。安定な読み取りが示されたら、mV値および対応する標準濃度を記録する。
4.100mlの高濃度標準物質と2mlのISAを第2の150mlのビーカーに添加し、溶液を十分にかき混ぜる。
5.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、高濃度標準物質と共にビーカーに入れる。安定な読み取りが示されたら、mV値および対応する標準濃度を記録する。
6.半対数グラフ用紙を使用して、ミリボルト値を直線軸に、そして標準濃度値を対数軸にプロットすることによって検量線を作成する。
7.清浄な150mlビーカーに100mlのサンプルと2mlのISAを添加し、溶液を完全にかき混ぜる。
8.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、サンプル中に入れる。安定な読み取りが示されたら、mV値を記録する。
9.ステップ6で作成した検量線を使用して、未知のサンプル濃度を測定する。
注記:溶液対ISAの比率が50:1のままであれば、その他の溶液容積を使用してもよい。
【0439】
実施例1.9.2.遊離マグネシウム量の測定
遊離マグネシウムの濃度は、カルシウムイオン選択性電極および標準の代わりにマグネシウムイオン選択性電極およびマグネシウム較正標準を使用しなければならないことを除いて、実施例1.9.1に記載の手順を用いることによって測定し得る。適切なマグネシウム選択電極の例としては、Mettler,Toledo製のDX224-Mgマグネシウム半電池がある。
【0440】
実施例1.10:粉末の含水量の測定
食品の含水量は、ISO 5537:2004(粉乳-含水量の測定(参照法))に従って測定する。NMKLは”Nordisk Metodikkomite for Naringsmidler(北欧食品委員会)”の略語である。
【0441】
実施例1.11.1.灰分の測定
食品の灰分は、NMKL 173:2005”Ash,gravimetric determination in foods”に従って測定する。
【0442】
実施例1.11.2.カルシウム総量およびマグネシウム総量のそれぞれの測定
カルシウムの総量およびマグネシウムの総量は、最初にサンプルを電子レンジ分解を用いて分解し、次にミネラルの総量をICP装置を用いて決定する手順を用いて測定し得る。
【0443】
装置:
電子レンジはAnton Paar製であり、ICPはPerkinElmer Inc.製のOptima 2000DVである。
【0444】
材料:
1M HNO3
2%HNO3中のイットリウム
カルシウム標準物質:1000マイクログラム/mLの5%HNO3
マグネシウム標準物質:100マイクログラム/mLの5%HNO3
【0445】
前処理:
一定量の粉末を量り取り、粉末を電子レンジ分解管に移し入れる。5mLの1M HNO3を添加する。電子レンジの取扱説明書に従って、電子レンジでサンプルを分解する。分解された管を煙霧乾燥器に入れ、蓋を外して揮発性煙霧を蒸発させる。
【0446】
測定手順:
既知量のミリQ水を使用して、前処理サンプルをdigitubeに移し入れる。2%のHNO3中のイットリウム溶液をdigitubeに添加し(50mLの希釈サンプルあたり約0.25mL)、ミリQ水を使用して既知容量に希釈する。製造業者によって記載される手順を用いて、ICP上でサンプルを分析する。
【0447】
ブラインドサンプルは、ミリQ水を使用して、10mLの1M HNO3と2%のHNO3中の0.5mLのイットリウム溶液の混合物を100mLの最終容量に希釈することによって調製する。
【0448】
予想されるサンプル濃度を囲む濃度を有する、少なくとも3つの標準サンプルを調製する。
【0449】
実施例1.12:乳糖の総量の測定
乳糖の総量は、ISO 5765-2:2002(IDF79-2:2002)”Dried milk,dried ice-mixes and processed cheese-Determination of lactose content-Part 2:Enzymatic method utilizing the galactose moiety of the lactose”に従って測定する。
【0450】
実施例1.13:食品中の粘度の測定
液体製品の粘度をボブ/カップ装置付きレオメーター(Haake rheostress)上で測定した。
【0451】
測定は、5℃で実施した(液体サンプル温度およびレオメーターの関連部分の温度はどちらも5℃であった)。
【0452】
手順:
1.サンプル調製
処理中に各サンプルを瓶に充填し、実験室クーラー(5℃)に1日入れて温和に(temperate)する。
2.セットアップ
Haake rheostress上での製品の測定のためのプログラムを準備する;設定方法を参照されたい。ボブ/カップ装置を取り付ける。温度調節しなかった場合、HAAKE rheostressの水浴温度が1℃に設定されていることをチェックする。
3.測定
分析するサンプルのみを冷蔵から取り出し、貯蔵中に相分離があれば、サンプルボトルを穏やかに3回転倒させてサンプルを均質化する。40mlのサンプルをカップに入れて、データサンプリングプログラムを開始する。二重反復試験を実施する。
4.洗浄
分析が完了したら、ボブ/カップ装置を取りはずし、それを水と石鹸、その後冷水で清浄化し、続く測定前にシステムを温和に(temperate)する。ボブ/カップ装置を拭って、それを次のサンプルのために再度取り付ける。
【0453】
結果:
粘度は、センチポアズ(cP)単位で提示される。90秒後に読み取られたcP値(t(seq))に基づいて、二重反復試験の平均を計算する。測定されたcP値が高いほど、粘度はより高い。
【0454】
材料:
この手順のためには、以下が必要である:
-Haake rheostress1レオメーター
-ボブ:Z34 DIN 53019シリーズ
-カップ:Z34 DIN53018シリーズプローブ
-水浴Haake K20/Haake DC50
【0455】
方法セットアップ:
プログラムのパラメータは、次のとおりであった:
ステップ1:測定位置
ステップ2:5.00℃で30秒間にわたる1.00Paの制御応力。1.000Hzの振動数。2つのデータ点を収集する
ステップ3:5.00℃で120秒間にわたる50.00I/sの制御速度。30のデータ点を収集する
ステップ4:分離昇降
【0456】
実施例1.14:酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃縮懸濁液中の粘度の測定
液体生成物の粘度は、同軸二重ギャップ(DG26.7)測定装置付きのレオメーター(Anton Paar MCR 301)で測定した。
【0457】
測定は10℃で実施した(液体サンプル温度およびレオメーターの関連部分の温度はどちらも10℃であった)。
【0458】
手順:
1.サンプル調製
処理中に各サンプルをボトルに充填し、レオメーターに移し入れ、測定前に5分間温度を平衡化する。
2.セットアップ
Anton Paar Physica MCR 301上で生成物測定用のプログラムを設定する、方法セットアップを参照されたい。DG26.7二重ギャップ装置を取り付ける。温度調節しなかった場合、レオメーターの水浴温度が5℃に設定されていることをチェックする。
3.測定
ピペットを用いて、3.8mLのサンプルをボトルからカップに移す。データサンプリングプログラムを開始する。
4.洗浄
分析が完了したら、測定装置を取りはずし、それを水と石鹸、その後冷水で清浄化し、続く測定前にシステムを温和に(temperate)する。測定装置を拭って、それを次のサンプルのために再度取り付ける。
【0459】
結果:
粘度は、センチポアズ(cP)単位で提示される。cP値に基づいて300s-1で読み取る。測定されたcP値が高いほど、粘度はより高い。
【0460】
材料:
この手順のためには、以下が必要である:
-Anton Paar Physica MCR301レオメーター
-DG26.7二重ギャップ装置
-Julaba F12恒温水浴
【0461】
方法セットアップ:
プログラムのパラメータは、次のとおりであった:
ステップ1:測定位置(0.5mm)に移動する
ステップ2:0.2~300s-1(60ポイント)までの線形剪断掃引
ステップ3:分離昇降
【0462】
実施例2.酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末の調製
酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末の2つのサンプルを製造し、酸ゲル化可能ホエータンパク質を全く含まないか、またはほとんど含まない標準サンプルと比較した。
【0463】
供給物は、甘性ホエーのUF残余分(23%(w/w)タンパク質および28%(w/w)乾物)であった。
【0464】
37.500kgの供給物を水道水を用いて全乾物含量8%(w/w)に希釈し、次に、弱カチオン換材(Rohm and Haas Company製のIMAC HP336)を用いたイオン交換に供し、供給物をミネラル除去した。脱ミネラル供給物を収集し、2つの部分に分割した。
【0465】
脱ミネラル供給物の一部を約5%のタンパク質濃度に希釈し、次に5%HClを使用してpHを約7に調節した。その後、溶液を80℃で15分間加熱した。次に、加熱処理脱ミネラル供給物を10℃に冷却し、2つのサンプルに分割した。1つのサンプルを供給物(23%(w/w)タンパク質および28%(w/w)乾物)と1:1のタンパク質重量比で混合し(すなわち、12.500kgの加熱処理イオン交換供給物を2.700kgの供給物と混合し)、もう1つのサンプルを供給物と4:1のタンパク質重量比で混合した(すなわち12.500kgの加熱処理イオン交換供給物を650kgの供給物と混合した)。2つのサンプルをRO/NF濃縮に供し、次に10℃で一晩タンク内に貯蔵した。翌日、サンプルを噴霧乾燥した。以下のテキストでは、これらのサンプルをサンプルA(タンパク質重量比1:1)およびサンプルB(タンパク質重量比4:1)と称する。
【0466】
サンプルを一晩貯蔵する貯蔵タンクは、2.865mの内径を有し、直径0.6~0.8mの範囲の3つのインペラを備えた25000Lのタンクであった。穏やかな撹拌モードは以下のようにして実施した:毎分38回転(resolution)で5分間撹拌し、次に30秒間の撹拌停止。
【0467】
脱ミネラル供給物のもう1つの部分は加熱処理せず、RO/NFのみに供し、穏やかに撹拌しながら10℃で一晩タンクに貯蔵し、次に噴霧乾燥した。以下のテキストでは、乾燥粉末をサンプルCと称する。
【0468】
サンプルを分析し、結果を以下の表に示す。
【0469】
粉末の酸性ゲル強度(実施例1.5に記載されるように測定される)は、以下のように特徴付け得る:
【0470】
結論
酸性ゲル強度の結果は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体をほとんど含まないサンプル(サンプルC)が、非常に低い、すなわちほぼ皆無の酸性ゲル強度を有することを明らかにする。結果はまた、タンパク質の総含量に対して50%の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含むサンプルBが、タンパク質の総含量に対して38%の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含むサンプルA(128Pa)よりも、はるかに高い酸性ゲル強度(403Pa)を示すことを明らかにする。したがって、サンプル中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の含有量が高いほど、より高い酸性ゲル強度が得られ得ると結論付けられる。
【0471】
さらに、貯蔵タンク内での貯蔵中に、ホエータンパク質凝集体の構造形成または凝集は観察されなかった。
【0472】
実施例3
サンプル1の調製
9%の乾物(そのうち70%が変性可能タンパク質である7%のタンパク質、0.4%の乳糖、0.6%の脂肪、0.03%の全カルシウム(実施例1.11.2に概説されるように分析された)を含有する、チーズ製造からのホエータンパク質濃縮物を10℃で弱酸カチオン交換体(IMAC HP336)によって脱ミネラルした。次に脱ミネラル水を使用して、脱ミネラルホエータンパク質濃縮物を6%のタンパク質(そのうち70%が変性可能タンパク質であり、実施例1.2に概説されるように分析された)に希釈し、pH7に調節した。次に、原材料をプレート熱交換器内で90℃で10分間加熱処理し、その後50℃に維持した。
【0473】
加熱処理残余分を50℃での限外濾過(KOCH HFK-328)によって14%乾物に濃縮した(12%のタンパク質、そのうち62%が酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体であり7.2%の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の総量を提供する、実施例1.1に概説されるように分析された)。
【0474】
噴霧乾燥工程の前に、UF残余分を50℃に維持した。濃縮物の粘度は限外濾過の直後に既に非常に高く、貯蔵中に顕著に増加したので、緩衝液タンクに剪断力をかけた。2時間後、タンク内の最大剪断力にもかかわらず、貯蔵された濃縮物懸濁液はゲル化した。ゲル化のため、濃縮物を乾燥することは不可能であった。
【0475】
サンプル2の調製
サンプル1で使用したものと同等のpHおよび組成を有する脱ミネラルホエータンパク質濃縮物を90℃で10分間加熱処理し、その後10℃に維持した。10℃で限外濾過(KOCH HFK-328)により、加熱処理残余分をサンプル1とほぼ同じ濃度の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体に濃縮した。10℃に維持したUF残余分を噴霧乾燥工程のための供給物として使用した。濃縮物の粘度は、10℃で2時間の貯蔵中にサンプル1の場合よりも低い程度で増加した。2時間後、貯蔵濃縮物は依然として液体であり、乾燥に適していた。
【0476】
結果
サンプル1および2を濃縮後の最初の2時間の間に評価し、結果を表1に提供する。
【0477】
結論
結果は、50℃における濃縮が、所与の条件下で製造された酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の加工には適していないことを示す。しかし、10℃における濃縮および貯蔵は、驚くべきことに適切であることが分かった。
【0478】
これらの知見、50℃で観察された問題、および貯蔵中に低温を使用する解決策は、どちらも米国特許出願公開第2008/0305235号明細書の教示に反する。
【0479】
実施例4
脱ミネラルホエータンパク質濃縮物(7%の乾物、そのうち64%が変性可能な6%のタンパク質、0.4%のラクトース、0.5%の脂肪、pH7)をプレート熱交換器内において82℃で21分間加熱処理し、その後10℃に維持した。実施例1.1に概説したように分析したところ、加熱処理残余分の62%のタンパク質は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体であった。加熱処理残余分を10℃でUFによって、様々な含有量の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体に濃縮し、サンプル1~5を得た。サンプルを20℃で貯蔵し、実施例1.14に概説した方法を用いて、UF濃縮の0時間、2時間および21時間後に粘度を測定した。結果は、下の表2に示される。
【0480】
本発明者らはさらに、顕著に高濃度の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を、低温で液体に維持し得るという示唆を見た。これらの場合には、濃縮するステップと、例えば乾燥または特定用途における使用などのその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間を短縮することが、有利であることが判明した。
【0481】
結論
結果は、最大で30℃の温度を用いて、濃縮酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体製品を製造することが可能であることを明確に実証する。

図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物であって、当該粉末組成物が、前記粉末組成物の乾燥重量に対して少なくとも70%(w/w)のタンパク質総量を有し、前記タンパク質総量に対して少なくとも50~95%(w/w)の変性ホエータンパク質粒子を含み、前記変性ホエータンパク質粒子の少なくとも60%(w/w)が、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体であることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、前記粉末組成物が、前記粉末組成物の乾燥重量に対して80~99%(w/w)のタンパク質総量を有することを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、前記粉末組成物の乾燥重量に対して85~99%(w/w)のタンパク質総量を有することを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、前記粉末組成物の乾燥重量に対して90~99%(w/w)のタンパク質総量を有することを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、前記粉末組成物中の変性ホエータンパク質粒子の量が、タンパク質総量に対して60~95%(w/w)であることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項6】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、前記粉末組成物中の変性ホエータンパク質粒子の量が、タンパク質総量に対して70~95%(w/w)であることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項7】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、前記粉末組成物中の変性ホエータンパク質粒子の量が、タンパク質総量に対して少なくとも90%(w/w)であることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、前記粉末組成物中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の量が、前記変性ホエータンパク質粒子の少なくとも80%(w/w)、少なくとも90%(w/w)のように、前記変性ホエータンパク質粒子の少なくとも70%(w/w)であることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、前記粉末組成物中の不溶物の量が、前記粉末組成物の乾燥重量に対して最大で1%(v/v)であることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、前記粉末組成物の嵩密度が、少なくとも0.20g/mLであることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項11】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、前記粉末組成物の嵩密度が、少なくとも0.25g/mLであることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項12】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、前記粉末組成物の嵩密度が、少なくとも0.30g/mLであることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物であって、
a)1~10%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6~9のpH範囲を有する脱ミネラル化溶液を提供するステップであって、天然のホエータンパク質は天然のβ?ラクトグロブリン単離物によって提供される、ステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル化溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮するステップであって、ステップc)で冷却された懸濁液がすでに少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む場合、ステップd)は、ステップc)の冷却された懸濁液中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に対して、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度を少なくとも10%増加させ、濃縮懸濁液中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度は4~15%(w/w)の範囲内である、ステップと、
e)濃縮懸濁液を乾燥するステップと、
を含む、方法によって得られ、
-ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、濃縮懸濁液がステップe)の乾燥を受けるまで最大で30℃に維持され、
-ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間は、最大で48時間であることを特徴とする方法。
【請求項14】
食品を調製する方法であって、
1)請求項1~13に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物を提供するステップと、
2)前記酸ゲル化可能ホエータンパク質と1つまたは複数の追加的な成分とを組み合わせるステップと、
3)任意選択的に組み合わせを処理するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法によって得られる食品。
【請求項16】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物を含む、食品。
【請求項17】
請求項15または16に記載の食品において、
前記酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物が、乾燥、水和またはゲル化形態で存在することを特徴とする食品。
【請求項18】
請求項15~17のいずれか一項に記載の食品において、
前記食品が乳製品であることを特徴とする食品。
【請求項19】
請求項18に記載の食品において、
前記乳製品が、ヨーグルト様製品などの酸乳製品であることを特徴とする食品。
【請求項20】
請求項19に記載の食品において、
前記ヨーグルト様製品が、飲用ヨーグルト様製品、撹拌タイプヨーグルト様製品、またはセットタイプヨーグルト様製品であることを特徴とする食品。
【請求項21】
請求項20に記載の食品において、
前記ヨーグルト様製品は飲用ヨーグルト様製品であり、10~300cP、15~200cP、20~150cP、100~400cP、200~300cPといった、4~400cPの範囲の粘度を有することを特徴とする食品。
【請求項22】
請求項20に記載の食品において、
前記ヨーグルト様製品は、撹拌タイプヨーグルト様製品であり、400~2000cP、500~1500cP、600~1250cPといった、350~2500cPの範囲の粘度を有することを特徴とする食品。
【請求項23】
請求項15~18のいずれか一項に記載の食品において、
前記食品は、カゼインまたはミルク含有飲料またはミルク含有ゼリータイプ製品といった、非酸乳製品などの非酸性化食品であることを特徴とする食品。
【請求項24】
請求項15~19のいずれか一項に記載の食品において、当該食品が:
・食品総重量に対して4.5~5.0%(w/w)のタンパク質総量;
・食品総重量に対して1.0~1.5%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体;
・食品総重量に対して最大で0.2%(w/w)の脂肪;及び
・食品総重量に対して5~7%(w/w)の乳糖
を含むことを特徴とする食品。
【請求項25】
請求項15~19のいずれか一項に記載の食品において、当該食品が:
・食品総重量に対して3~7%(w/w)のタンパク質総量;
・食品総重量に対して0.2~2.0%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体;
・食品総重量に対して最大で8%(w/w)の脂肪;及び
・食品総重量に対して4~7%(w/w)の乳糖
を含むことを特徴とする食品。
【請求項26】
請求項15~19のいずれか一項に記載の食品において、当該食品が:
・食品総重量に対して最大で18%(w/w)のタンパク質総量;
・食品総重量に対して1~4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体;
・食品総重量に対して最大で4%(w/w)の脂肪;及び
・任意選択的に、食品総重量に対して4~8%(w/w)の乳糖
を含むことを特徴とする食品。
【請求項27】
請求項15乃至19の何れか1項に記載の食品において、当該食品が、0.05~1.5%(w/w)の範囲、0.1~1.0%(w/w)の範囲のように、0.01~2%(w/w)の量の高強度甘味料を含むことを特徴とする食品。
【請求項28】
請求項15乃至19の何れか1項に記載の食品において、前記食品中の炭水化物の量が、食品総重量に対して最大で1%(w/w)であることを特徴とする食品。
【請求項29】
請求項15乃至28の何れか1項に記載の食品において、
ローカストビーンガム、グアーガム、アルギン酸塩、セルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、カラゲナン、ペクチン、イヌリンおよびそれらの混合物などの炭水化物ベースの安定剤を含むことを特徴とする食品。
【請求項30】
請求項15乃至29の何れか1項に記載の食品において、
最大で1%(w/w)の炭水化物ベースの安定剤を含むことを特徴とする食品。
【請求項31】
食品の製造における食品成分としての、請求項1乃至12の何れか1項に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項32】
請求項31に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、
前記食品は、低炭水化物ヨーグルトといった低炭水化物食品であることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項33】
請求項31に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、
前記食品は、低乳糖ヨーグルトといった低乳糖食品であることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【請求項34】
請求項31に記載の酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物において、
前記食品は、低脂肪ヨーグルトといった低脂肪食品であることを特徴とする酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物。
【外国語明細書】