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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050602
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240403BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20240403BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240403BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240403BHJP
   H10K 50/842 20230101ALI20240403BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20240403BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G09F9/40 301
G09F9/30 349C
H10K59/10
H10K50/842
H10K50/86 865
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002326
(22)【出願日】2024-01-11
(62)【分割の表示】P 2019204282の分割
【原出願日】2019-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤▲崎▼ 良平
(72)【発明者】
【氏名】野中 崇弘
(72)【発明者】
【氏名】仲野 武史
(72)【発明者】
【氏名】本田 哲士
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 真由
(57)【要約】
【課題】表示パネル間の境界(繋ぎ目)が視認され難い画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置(100)は、複数の表示パネル(11,12,13)が同一面内に並べて配置されたパネルアレイ(1);パネルアレイの視認側表面に配置された前面透明板(5);およびパネルアレイと前面透明板との間に設けられた粘着シート(2)を備える。粘着シートは、光透過領域と、相対的に可視光透過率が小さい遮光領域(56,57)とを有し、パネルアレイの隣接する表示パネル間の境界上に、粘着シートの遮光領域が配置されている。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示パネルが同一面内に並べて配置されたパネルアレイ;
前記パネルアレイの視認側表面に配置された前面透明板;および
前記パネルアレイと前記前面透明板との間に設けられた粘着シートを備え、
前記粘着シートの第一主面が前記透明板と貼り合わせられており、前記粘着シートの第二主面が前記表示パネルと貼り合わせられており、
前記粘着シートは、光透過領域と、前記光透過領域よりも可視光透過率が小さい遮光領域とを有し、
前記パネルアレイの隣接する表示パネル間の境界上に、前記粘着シートの遮光領域が配置されている、画像表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示パネルが並べて配置された画像表示装置、および当該画像表示装置の形成に用いられる両面粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
次世代のディスプレイとして、マイクロLEDディスプレイが注目されている。マイクロLEDディスプレイは、LED素子を高密度に敷き詰めることにより、高精細かつ高視野角を実現可能である。また、LEDディスプレイはカラーフィルターを必要としないため低消費電力化および高輝度化が可能である。
【0003】
LEDディスプレイ等の表示装置を大型化する技術として、同一面内に複数枚の表示パネルを並べて配列して1つの画像を構成するタイリング技術が知られている。複数の表示パネルを並べたタイリング表示装置では、隣接する表示パネルの繋ぎ目(境界)が視認者に認識されることが想定される。特許文献1では、表示パネルの側面にアライメント用部材を設けることにより、タイリングの位置精度を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-45718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タイリング表示装置では、表示パネルを隙間なく配置した場合でも、隣接する表示パネル間の境界部分で、外光や表示パネルからの光が乱反射されることにより、境界が視認される場合がある。かかる課題に鑑み、本発明は、表示パネル間の境界(繋ぎ目)が視認され難い画像表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像表示装置は、複数の表示パネルが同一面内に並べて配置されたパネルアレイおよびパネルアレイの視認側表面に配置された前面透明板を備え、パネルアレイを構成する表示パネルと前面透明板とが両面粘着シートを介して貼り合わせられている。表示パネルはLEDパネルであってもよい。
【0007】
粘着シートは、光透過領域と、遮光領域とを有する。遮光領域は、光透過領域よりも可視光透過率が小さい領域であり、遮光領域の可視光透過率は50%以下が好ましい。粘着シートの遮光領域は、パネルアレイの隣接する表示パネル間の境界上に配置されている。例えば、パネルアレイにおいて、複数の表示パネルがタイル状に配置されている場合、境界領域は、表示パネル間の境界線上を覆うように、格子状のパターンを有する。
【0008】
粘着シートは、透明粘着剤層上にパターン状の着色層を備えるものでもよい。着色層は、粘着剤層の表示パネル側の主面に設けられていることが好ましい。粘着シートは、透明基材フィルムの両面に透明粘着剤層が積層されたものでもよく、透明基材フィルムの一方または両方の主面に着色層が設けられていてもよい。着色層は、透明基材フィルムの表示パネル側の主面に設けられていることが好ましい。これらの粘着シートでは、遮光領域に着色層が設けられる。
【発明の効果】
【0009】
パネルアレイの隣接する表示パネル間の境界上に、粘着シートの遮光領域が配置されていることにより、表示パネル間の境界が外部から視認され難く、シームレスな表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像表示装置の分解斜視図である。
図2】画像表示装置の断面図である。
図3】LEDパネルアレイの断面図である。
図4】粘着シートの断面図である。
図5】画像表示装置の断面図である。
図6】粘着シートの断面図である。
図7】画像表示装置の断面図である。
図8】粘着シートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、一実施形態の画像表示装置の分解斜視図である。画像表示装置100は、複数の表示パネル11~19が同一面内にタイル状に配置されたパネルアレイ1を備え、パネルアレイ1の視認側(光出射側)に前面透明板5が配置されている。パネルアレイ1を構成する表示パネル11~19と、前面透明板5は、両者の間に配置された粘着シート2により貼り合わせられている。
【0012】
粘着シート2は、光透過領域31~39と、x方向に延在する帯状の領域51,53およびy方向に延在する帯状の領域56,58からなる格子状パターンの遮光領域とを有する。遮光領域の可視光透過率は、光透過領域の可視光透過率よりも小さい。光透過領域31~39は、パネルアレイ1を構成する各表示パネル11~19の位置に対応している。粘着シート2の遮光領域51,53,56,58は、隣接する表示パネル間の境界線上に配置されている。
【0013】
粘着シート2は両面粘着シートであり、視認側の第一主面が、前面透明板5と貼り合わせられており、第二主面が表示パネルと貼り合わせられている。以下では、各部材について、視認側の主面を「第一主面」、反対側(パネルアレイ側)の主面を「第二主面」と記載する場合がある。粘着シートは、基材レス粘着シートでもよく、図6および図8に示すように、透明基材フィルムの両面に粘着剤層を積層したものでもよい。粘着シート2の遮光領域は、接着性を有していなくてもよい。
【0014】
パネルアレイ1の視認側表面には前面透明板5が配置されており、パネルアレイ1を構成する各表示パネル11~19は、粘着シート2を介して前面透明板5と貼り合わせられている。前面透明板5は、適宜の機械強度および厚みを有するガラスや樹脂からなる透明板であり、前面透明板が設けられることにより、外表面からの衝撃による画像表示パネルの破損や傷付きを防止できる。前面透明板には、タッチパネル等の位置センサーが設けられていてもよい。
【0015】
図2は、図1のA-A線における断面図である。表示パネル11~13は、支持基板8上に表示素子7を備える。表示パネルの種類としては、LEDパネル、有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネル等の自発光型の表示パネル;および液晶パネル、電子ペーパー等の非発光型の表示パネルが挙げられる。表示パネルにおける支持基板8および表示素子7は、表示パネルの種類に応じて適宜決定される。
【0016】
以下では、表示パネルがLEDパネルである場合を例として説明する。図3は、支持基板8上にLEDアレイを備えるLEDパネル11,12,13がタイル状に配置されたパネルアレイ1の断面図である。
【0017】
支持基板8は、表示素子7を構成するLED素子を支持する部材であり、ガラスや各種の樹脂材料が用いられる。支持基板は透明でもよく不透明でもよい。支持基板の厚さは、表示素子7を支持可能であれば特に限定されず、例えば、10μm~2mm程度である。
【0018】
LEDパネルの表示素子7は、複数のLED素子を含むLEDアレイであり、通常、赤色LED素子6R、緑色LED素子6Gおよび青色LED素子6Bの3色のLED素子が1つの画素Pを構成し、複数の画素がタイル状に配置されている。LED素子は小型化が可能であるため、高精細化に適している。マイクロLEDでは、1つのLED素子のサイズ(1辺の長さ)は、例えば、5μm~200μm程度であり、画素ピッチは20μm~1mm程度である。LED素子の表面には、LED素子を覆うように透明樹脂層(不図示)が設けられていてもよい。
【0019】
隣接する表示パネル11,12の境界には隙間96が存在し、隣接する表示パネル12,13の境界には隙間98が存在する。隣接する表示パネル間の隙間を可能な限り小さくしても、支持基板8の上面(素子形成面)の高さの僅かな違いによる段差が生じている場合がある。視認側からの外光やLED素子からの光が、パネル間の隙間や境界の段差部分に照射されると、光が乱反射する。そのため、境界部分では、表示アレイの他の領域とは反射光の強度や色味が異なり、境界が視認(認識)される原因となる。
【0020】
図2に示すように、隣接する表示パネル間の境界上に、粘着シート2の遮光領域56,58が配置されていれば、表示パネル間の境界領域への外光の入射を低減できる。また、表示素子7からの光が境界領域に照射された場合でも、遮光領域56,58により反射光が遮られるため、境界領域での反射光の視認側へ出射を低減できる。そのため、表示パネル間の境界(繋ぎ目)が外部から視認(認識)され難く、シームレスな表示を実現できる。また、表示パネル11,12,13と前面透明板5との貼り合わせに用いられる粘着シート2に遮光領域を設けるため、画像表示パネルから遮光領域までの距離が小さく、隣接する表示パネル間の境界で乱反射した光も効率的に遮蔽できる。
【0021】
粘着シート2の遮光領域の幅は、表示パネル間の隙間や、隣接するピクセル間の間隔等に応じて適宜設定すればよく、例えば、5μm~200μm程度である。隣接する表示パネル間に隙間が存在する場合、遮光領域の幅は、パネル間の隙間の幅よりも大きいことが好ましい。また、遮光領域の幅は、隣接する表示パネルの表示素子間の距離Lよりも小さいことが好ましい。
【0022】
粘着シート2の遮光領域における可視光透過率は50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。遮光領域の可視光透過率は5%以下、3%以下または1%以下であってもよい。表示パネルからの光を効率よく視認側に出射させる観点から、光透過領域における可視光透過率は75%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以下がさらに好ましい。
【0023】
粘着シート2は、粘着剤が層状に形成されたものである。粘着剤としては、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性および接着性等の粘着特性を示すことから、アクリル系粘着剤またはゴム系粘着剤が好ましい。
【0024】
粘着シート2を構成する粘着剤として、光硬化性の粘着剤を用いてもよい。光硬化性の粘着剤は、ベースポリマーおよび光硬化剤を含み、さらに光重合開始剤および/または増感剤を含む。光硬化性の粘着剤は、光硬化前は柔らかく、凹凸や段差に対する追従性が高い。そのため、隣接するLED素子間に空隙を有するLEDアレイの表面にも、隙間なく粘着剤が充填されやすい。表示パネルと前面透明板を貼り合わせた後に粘着剤を光硬化することにより、接着信頼性が高められる。
【0025】
段差や凹凸への充填性を高める観点から、粘着シート2の光透過領域は、周波数1Hz、25℃におけるせん断貯蔵弾性率が1×10Pa以下であることが好ましく、5×10Pa以下であることがより好ましい。なお、粘着シート2の遮光領域は、表示パネルの表示素子上には配置されないため、光透過領域と特性が異なっていてもよい。端部からの粘着剤のはみ出しや、粘着剤の移着による汚染を防止する観点から、粘着シートの周波数1Hz、25℃におけるせん断貯蔵弾性率は、1×10Pa以上が好ましく、3×10Pa以上がより好ましい。粘着シートが光硬化性である場合は、光硬化前におけるせん断貯蔵弾性率が上記範囲であることが好ましい。
【0026】
粘着シート2の厚みは特に限定されないが、例えば、10~500μm程度であり、20~300μm程度であってもよい。粘着シート2の光透過領域は、ガラス板に対する接着力が3N/20mm以上であることが好ましい。粘着シートが光硬化性である場合は、粘着剤を光硬化後のガラスに対する接着力が3N/20mm以上であることが好ましい。接着力は、幅20mmの粘着シートをガラス板に貼り合わせ、剥離速度300mm/分で180°ピール試験を実施した際の試験力である。
【0027】
粘着シート2にパターン状の遮光領域を設ける方法は特に限定されない。例えば、遮光領域の粘着剤に染料や顔料を含浸させて着色することにより、光遮蔽性を持たせることができる。粘着シート2の遮光領域は、粘着シートの厚み方向の全体にわたって光遮蔽性を有している必要はない。例えば、粘着剤層の表面近傍に染料や顔料を含侵して遮光領域を形成してもよい。粘着シートの遮光領域は、粘着剤自体が着色されている必要はない。例えば、透明粘着剤層上に、印刷等により着色層を設けて遮光領域を形成してもよい。
【0028】
図4は、透明粘着剤層21の一方の主面に、着色層66,68を設けた粘着シート41の断面図である。この粘着シート41では、着色層66,68を設けた領域が遮光領域である。透明粘着剤層21としては、上記の粘着シートについて説明したものと同様の粘着剤からなる粘着剤層が好適に用いられる。
【0029】
図5は、粘着シート41の着色層形成面をパネルアレイに面するように配置した画像表示装置101の断面図である。この構成では、隣接する表示パネルの表示素子7の隙間に着色層66,68が配置されるため、外部から表示パネル間の境界が視認され難い。また、パネル間の隙間への外光の入射が抑制され、さらには、隣接するパネル間の境界領域で反射した光が着色層66,68で遮蔽されるため、パネルアレイの境界が認識され難い。
【0030】
着色層66,68は、透明粘着剤層21の第一主面および第二主面のいずれに設けられていてもよく、両面に着色層が設けられていてもよい。第二主面(パネルアレイに対峙する面)に着色層が設けられていれば、画像表示パネルの直上、または隣接する画像表示パネル間の隙間に着色層が配置されるため、反射光が外部に出射し難く、境界領域がより視認され難くなる。
【0031】
透明粘着剤層上に着色層を設ける方法は特に限定されず、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法等の各種の印刷法を適用できる。透明粘着剤層上に直接着色層を形成する代わりに、他の基材上に着色パターンを印刷し、粘着剤層上に着色層を転写してもよい。
【0032】
着色層の厚みは特に限定されず、遮光領域の透過率にあわせて設定すればよい。遮光領域の光透過率を十分に小さくするためには、着色層の厚みは2μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。着色層の厚みは、50μm以下、40μm以下または30μm以下であってもよい。また、着色層の厚みは、粘着剤層の厚みの50%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。
【0033】
図6は、他の実施形態にかかる粘着シート43の断面図である。粘着シート43は、透明基材フィルム81の両面に粘着剤層が積層された基材付き両面粘着シートであり、透明基材フィルム81の第一主面に第一透明粘着剤層23が積層されており、透明基材フィルム81の第二主面に第二透明粘着剤層25が積層されている。透明基材フィルム81の第二主面には、着色層76,78が設けられている。この粘着シート44では、透明基材フィルム81上に着色層76,78を設けた領域が遮光領域である。
【0034】
透明基材フィルム81を構成するプラスチック材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。透明基材フィルム81の可視光透過率は80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。透明基材フィルムの厚みは、例えば、10~100μm程度である。
【0035】
透明基材フィルム上に着色層を設ける方法は特に限定されず、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法等の各種の印刷法を適用できる。透明基材フィルム上に着色層を形成する場合は、粘着剤層上に印刷を実施する場合に比べて、印刷の作業性に優れ、印刷精度が高められるとの利点がある。着色層の厚み、遮光領域の透過率等は、図4の形態について前述した通りである。
【0036】
第一透明粘着剤層23および第二透明粘着剤層25としては、上記の粘着シートについて説明したものと同様の粘着剤からなる粘着剤層が好適に用いられる。第一透明粘着剤層23と第二透明粘着剤層25の組成や厚みは同一でもよく異なっていてもよい。第一透明粘着剤層23および第二透明粘着剤層25は、いずれか一方または両方が光硬化性の粘着剤層であってもよい。第一透明粘着剤層23および第二透明粘着剤層25は、いずれも、ガラス板に対する接着力が3N/20mm以上であることが好ましい。少なくとも表示パネルに貼り合わせられる第二透明粘着剤層25は、ガラスに対する接着力が3N/20mm以上であることが好ましい。
【0037】
図7は、粘着シート43の第二透明粘着剤層25がパネルアレイに面するように配置した画像表示装置103の断面図である。この構成では、透明基材フィルム81の第二主面に設けられた着色層76,78が、パネル間の隙間への外光の入射の抑制、および隣接するパネル間の境界領域で反射した光の遮蔽効果を有するため、パネルアレイの境界が認識され難い。
【0038】
着色層76,78は、透明基材フィルム81の第一主面および第二主面のいずれに設けられていてもよく、両面に着色層が設けられていてもよい。第二主面(パネルアレイに対峙する面)に着色層が設けられていれば、画像表示パネルと着色層の距離が小さいため、反射光が外部に出射し難く、境界領域がより視認され難くなる。
【0039】
画像表示パネルと着色層との距離を小さくして境界領域が視認されることを抑制する観点から、第二透明粘着剤層25の厚みを、第一透明粘着剤層23の厚みよりも小さくしてもよい。画像表示パネル表面凹凸(例えば、隣接するLED素子間に空隙)にも隙間なく粘着剤を充填し、かつ接着信頼性を高める観点から、第二透明粘着剤層25として光硬化性の粘着剤を用いてもよい。
【0040】
図6に示す実施形態では、透明基材フィルム81の表面に着色層を設ける例を示したが、図8に示す粘着シート44のように、領域86,88において、透明基材フィルム82を構成する樹脂を着色することにより、遮光領域としてもよい。基材フィルムを構成する樹脂を着色する方法は特に限定されない。例えば、3D印刷技術等により、遮光領域の形成には着色樹脂材料を用い、光透過領域の形成には透明樹脂材料を用いてもよい。また、透明樹脂フィルムに染料や顔料を含侵することにより、基材フィルムを構成する樹脂を着色してもよい。
【0041】
以上、表示パネルがLEDパネル(LEDアレイ)である場合を中心に説明したが、遮光領域を有する粘着シートを用いて、パネル間の隙間を視認され難くする技術は、LEDパネル以外の表示パネルにも適用できる。また、複数の表示パネルの並びはタイル状(格子状)である必要はなく、表示パネルの形状や、アレイの形状等に応じて、適宜変更可能である。粘着シートの遮光領域のパターン形状は、表示パネル間の境界線上を覆うように設計すればよい。
【符号の説明】
【0042】
1 パネルアレイ
11~19 表示パネル
7 表示素子
8 支持基板
2,41,43,44 粘着シート
21,23,25 粘着剤層
31~39 光透過領域
51,53,56,58 遮光領域
5 前面透明板
81 透明基材フィルム
66,68,76,78 着色層(遮光領域)
100,101,103 画像表示増値

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、複数の表示パネルが並べて配置された画像表示装置に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示パネルが同一面内に並べて配置されたパネルアレイ;
前記パネルアレイの視認側表面に配置された前面透明板;および
前記パネルアレイと前記前面透明板との間に設けられた粘着シートを備え、
前記粘着シートの第一主面が前記透明板と貼り合わせられており、前記粘着シートの第二主面が前記表示パネルと貼り合わせられており、
前記粘着シートは、光透過領域と、前記光透過領域よりも可視光透過率が小さい遮光領域とを有し、
前記パネルアレイの隣接する表示パネル間の境界上に、前記粘着シートの遮光領域が配置されている、画像表示装置。
【請求項2】
前記粘着シートは、透明粘着剤層と、前記透明粘着剤層の少なくとも一方の主面の遮光領域上に設けられたパターン状の着色層とを備える、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記パネルアレイにおいて、前記複数の表示パネルがタイル状に配置されている、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルがLEDパネルである、請求項1~3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記粘着シートは、基材フィルムを含まない基材レス粘着シートである、請求項1~3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記粘着シートの第二主面は、ガラスに対する接着力が3N/20mm以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の画像表示装置。