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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050619
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】潤滑油組成物
(51)【国際特許分類】
   C10M 169/04 20060101AFI20240403BHJP
   C10M 133/16 20060101ALN20240403BHJP
   C10M 133/56 20060101ALN20240403BHJP
   C10M 139/00 20060101ALN20240403BHJP
   C10N 20/02 20060101ALN20240403BHJP
   C10N 30/00 20060101ALN20240403BHJP
   C10N 40/25 20060101ALN20240403BHJP
【FI】
C10M169/04
C10M133/16
C10M133/56
C10M139/00 A
C10N20:02
C10N30:00 Z
C10N40:25
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024003376
(22)【出願日】2024-01-12
(62)【分割の表示】P 2020571412の分割
【原出願日】2019-06-18
(31)【優先権主張番号】62/688,567
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598037547
【氏名又は名称】シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショムルー、クレア
(72)【発明者】
【氏名】ボッファ、アレクサンダー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】煤の分散性にも効果的であると同時に、フルオロカーボンエラストマーシールの適合性を有利に改善する潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】(a)主要量の、100℃で約2~約50mm/秒の範囲の動粘度を有する潤滑粘度の油;(b)ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;(c)ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び(d)有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドを含む潤滑油組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)主要量の、100℃で約2~約50mm/秒の範囲の動粘度を有する潤滑粘度の油;
(b)ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;
(c)ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び
(d)有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミド
を含む潤滑油組成物。
【請求項2】
前記主要量の潤滑粘度の油が、前記潤滑油組成物の総重量に基づき、50重量%を超えている、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
前記ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤のヒドロカルビル基が、約12~約350個の炭素原子を含む、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
前記ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤が、ポリアルケニルスクシンイミドである、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
前記ポリアルケニルスクシンイミドが、ポリイソブテニルビススクシンイミドである、請求項4に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
前記ポリイソブテニルビススクシンイミドが、約700~約2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導される、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
前記ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤が、ホウ素化ポリアルケニルスクシンイミドである、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
前記ホウ素化ポリアルケニルスクシンイミドが、ホウ素化ポリイソブテニルビススクシンイミドである、請求項7に記載の潤滑油組成物。
【請求項9】
前記ホウ素化ポリイソブテニルビススクシンイミドが、約700~約2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導される、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項10】
前記ヒドロカルビルスクシンイミド(d)が有機カーボネートで後処理されている、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項11】
前記有機カーボネートが炭酸エチレンである、請求項10に記載の潤滑油組成物。
【請求項12】
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%のヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%のホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%の、有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸からなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミド
を含む、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項13】
前記ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;前記ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理された前記ヒドロカルビルスクシンイミドの混合物が、前記潤滑油組成物に対し約0.5~約5の全塩基価(TBN)を提供する、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項14】
酸化防止剤、金属清浄剤、防錆剤、脱ヘイズ剤、解乳化剤、金属不活化剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、消泡剤、共溶媒、腐食防止剤、多機能剤、染料、極圧剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項15】
(a)主要量の、100℃で約2~約50mm/秒の範囲の動粘度を有する潤滑粘度の油;(b)ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;(c)ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び(d)有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドを含む潤滑油組成物で内燃機関を稼働させることを含む方法。
【請求項16】
前記ヒドロカルビルスクシンイミドが、約700~約2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導されたポリイソブテニルビススクシンイミドである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミドが、約700~約2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導されたホウ素化ポリイソブテニルビススクシンイミドである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒドロカルビルスクシンイミド(d)が、炭酸エチレンである有機カーボネートで後処理される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記潤滑油組成物が、
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%のヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%のホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%の、有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸からなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミド
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記潤滑油組成物が、酸化防止剤、金属清浄剤、防錆剤、脱ヘイズ剤、解乳化剤、金属不活化剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、消泡剤、共溶媒、腐食防止剤、多機能剤、染料、極圧剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項15に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された技術は、内燃機関、特に圧縮点火機関用の潤滑剤に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関及びトランスミッションの潤滑に使用される潤滑油組成物は、主要量の潤滑粘度の基油、又はそのような油の混合物、並びに油の性能特性を改善するための1つ以上の潤滑油添加剤を含む。例えば、潤滑油添加剤は、洗浄力を改善し、エンジンの摩耗を低減し、熱と酸化に対する安定性を提供し、油消費量を低減し、腐食を抑制し、分散剤としての役割を果たし、摩擦損失を低減するために使用される。いくつかの添加剤は、例えば、分散剤-粘度調整剤などの複数の利点を提供する。
【0003】
添加剤の中には、その名前が示すように、エンジンの清浄度を提供し、例えば、カーボネート残留物、カルボキシレート残留物、カルボニル残留物、煤などを懸濁状態に保つために使用される分散剤がある。今日最も広く使用されている分散剤は、アルファ位置がポリイソブチレンタイプのアルキル鎖で置換された無水コハク酸(PIBSA)とポリアルキレンアミンとの反応生成物であり、場合によってはホウ素誘導体、炭酸エチレン又は専門文献で知られている他の後処理試薬で後処理されていてもよい。
【0004】
使用されるポリアミンの中で、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)及びより重いポリアルキレンアミン(HPA)などのポリアルキレンアミンが好ましい。
【0005】
これらのポリアルキレンアミンは、ポリイソブチレンタイプのアルキル基で置換された無水コハク酸(PIBSA)と反応して、これら2つの試薬のモル比に応じて、モノスクシンイミド、ビススクシンイミド、又はモノスクシンイミドとビススクシンイミドの混合物を生成する。
【0006】
前述の反応生成物は、必要に応じて後処理されていてもよく、一般に、試料1グラムあたりのKOHのmgとして表される、全塩基価又はTBNで測定された、5~50程度の非ゼロ塩基性窒素含有量を有しているため、使用中のエンジンの金属部品を、潤滑油又は燃料の酸化に起因する酸性成分による腐食から保護すると同時に、前記酸化生成物を潤滑油に分散させた状態に保ち、それらの凝集及び金属部品への堆積を防止することが可能である。
【0007】
モノスクシンイミド又はビススクシンイミドタイプの分散剤は、それらの相対的な塩基性窒素含有量が高い場合、すなわち、ポリアミンの窒素原子の数がポリイソブテニル基によって置換された無水コハク酸基の数よりも多い限り、さらに効果的である。
【0008】
しかしながら、これらの分散剤の塩基性窒素含有量が高いほど、塩基性窒素がフルオロカーボンエラストマータイプのシールの酸性水素原子と反応する傾向があるため、最新のエンジンで使用されるフルオロカーボンエラストマーシールの攻撃を受けやすくなり、この攻撃が、エラストマー表面の亀裂の形成及びこのタイプの材料に求められる他の物理的特性の喪失をもたらす。
【0009】
したがって、改善されたフルオロカーボンエラストマーシールの適合性を呈しながら、煤の分散に有効な分散剤を含む潤滑油組成物を開発することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0010】
一具体例としての実施形態によれば、
【0011】
(a)主要量の、100℃で約2~約50mm/秒の範囲の動粘度を有する潤滑粘度の油;
【0012】
(b)ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;
【0013】
(c)ホウ素化(borated)ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び
【0014】
(d)有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミド
を含む潤滑油組成物が提供される。
【0015】
第2の具体例としての実施形態によれば、(a)主要量の、100℃で約2~約50mm/秒の範囲の動粘度を有する潤滑粘度の油;(b)ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;(c)ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び(d)有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドを含む潤滑油組成物で内燃機関を稼働させることを含む方法が提供される。
【0016】
第3の具体例としての実施形態によれば、1つ以上のフルオロカーボンエラストマーシールを含む内燃機関において、フルオロカーボンエラストマーシールと潤滑油組成物との適合性を維持又は改善する方法であって、(a)主要量の、100℃で約2~約50mm/秒の範囲の動粘度を有する潤滑粘度の油;(b)ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;(c)ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び(d)有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドを含む潤滑油組成物で内燃機関を稼働させることを含む方法が提供される。
【0017】
本開示の潤滑油組成物は、煤の分散性にも効果的であると同時に、フルオロカーボンエラストマーシールの適合性を有利に改善する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書で開示される主題の理解を容易にするために、本明細書で使用されるいくつかの用語、略語又は他の略記について以下に定義する。定義されていない用語、略語又は略記は、本出願の提出と同時期に当業者によって使用される通常の意味を有するものと理解される。
【0019】
定義:
【0020】
この明細書において、以下の単語と表現は、使用される場合には、下記の意味を有する。
【0021】
「主要量」とは、組成物の50重量%を超えることを意味する。
【0022】
「有効成分」又は「活性物質」とは、希釈剤又は溶媒ではない添加材料を指す。
【0023】
報告されているすべてのパーセンテージは、特に明記しない限り、有効成分ベースの重量%である(すなわち、担体又は希釈油に無関係である)。
【0024】
「ppm」という用語は、潤滑油組成物の総重量に基づいた、重量にして百万分のいくらの割合であるかを意味する。
【0025】
150℃での高温高せん断(HTHS)粘度は、ASTM D4683に従って決定された。
【0026】
100℃での動粘度(KV100)は、ASTM D445に従って決定された。
【0027】
「金属」という用語は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの混合物を指す。
【0028】
「アルカリ金属」という用語は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウムを指す。
【0029】
「アルカリ土類金属」という用語は、カルシウム、バリウム、マグネシウム、及びストロンチウムを指す。
【0030】
本明細書で使用される「全塩基価」又は「TBN」という用語は、1グラムの試料中のKOHのミリグラム数に相当する塩基の量を指す。したがって、TBNの数値が高くなるということは、アルカリ性の生成物が多くなることを反映するため、アルカリ性が増大することを反映している。TBNは、ASTM D 2896試験を使用して決定された。
【0031】
リンと硫黄の含有量は、ASTMD5185に従って決定された。
【0032】
本開示は、(a)主要量の、100℃で約2~約50mm/秒の範囲の動粘度を有する潤滑粘度の油;(b)ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;(c)ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び(d)有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドを含む潤滑油組成物に関する。
【0033】
一般に、本開示の潤滑油組成物中の硫黄のレベルは、潤滑油組成物の総重量に基づくと、約0.7重量%以下、例えば、潤滑油組成物の総重量に基づくと、約0.01重量%~約0.70重量%、又は約0.01重量%~約0.6重量%、又は約0.01重量%~約0.5重量%、又は約0.01重量%~約0.4重量%、又は約0.01重量%~約0.3重量%、又は約0.01重量%~約0.2重量%、又は約0.01重量%~約0.10重量%の硫黄のレベルである。一実施形態では、本開示の潤滑油組成物中の硫黄のレベルは、潤滑油組成物の総重量に基づくと、約0.60重量%以下、約0.50重量%以下、約0.40重量%以下、約0.30重量%以下、約0.20重量%以下、又は約0.10重量%以下である。
【0034】
一実施形態では、本開示の潤滑油組成物中のリンのレベルは、潤滑油組成物の総重量に基づくと、約0.12重量%以下、例えば、約0.01重量%~約0.12重量%のリンのレベルである。一実施形態では、本開示の潤滑油組成物中のリンのレベルは、潤滑油組成物の総重量に基づくと、約0.11重量%以下、例えば、約0.01重量%~約0.11重量%のリンのレベルである。一実施形態では、本開示の潤滑油組成物中のリンのレベルは、潤滑油組成物の総重量に基づくと、約0.10重量%以下、例えば、約0.01重量%~約0.10重量%のリンのレベルである。一実施形態では、本開示の潤滑油組成物中のリンのレベルは、潤滑油組成物の総重量に基づくと、約0.09重量%以下、例えば、約0.01重量%~約0.09重量%のリンのレベルである。一実施形態では、本開示の潤滑油組成物中のリンのレベルは、潤滑油組成物の総重量に基づくと、約0.08重量%以下、例えば、約0.01重量%~約0.08重量%のリンのレベルである。一実施形態では、本開示の潤滑油組成物中のリンのレベルは、潤滑油組成物の総重量に基づくと、約0.07重量%以下、例えば、約0.01重量%~約0.07重量%のリンのレベルである。一実施形態では、本開示の潤滑油組成物中のリンのレベルは、潤滑油組成物の総重量に基づくと、約0.05重量%以下、例えば、約0.01重量%~約0.05重量%のリンのレベルである。
【0035】
一実施形態では、本開示の潤滑油組成物によって生成される硫酸灰分のレベルは、ASTM D 874により判定されたところによると約1.60重量%以下、例えば、ASTM D 874によって判定されたところによると約0.10重量%~約1.60重量%の硫酸灰分のレベルである。一実施形態では、本開示の潤滑油組成物によって生成される硫酸灰分のレベルは、ASTM D 874により判定されたところによると約1.00重量%以下、例えば、ASTM D 874によって判定されたところによると約0.10重量%~約1.00重量%の硫酸灰分のレベルである。一実施形態では、本開示の潤滑油組成物によって生成される硫酸灰分のレベルは、ASTM D 874により判定されたところによると約0.80重量%以下、例えば、ASTM D 874によって判定されたところによると約0.10重量%~約0.80重量%の硫酸灰分のレベルである。一実施形態では、本開示の潤滑油組成物によって生成される硫酸灰分のレベルは、ASTM D 874により判定されたところによると約0.60重量%以下、例えば、ASTM D 874によって判定されたところによると約0.10重量%~約0.60重量%の硫酸灰分のレベルである。
【0036】
本開示による潤滑油組成物は、潤滑粘度の油(「ベースストック」又は「基油」と呼ばれることもある)を含む。本明細書で使用される「基油」という表現は、単一の製造業者によって(供給源又は製造業者の場所と関係なく)同じ仕様に向けて製造され、同じ製造業者の仕様に適合し、固有の式、製品識別番号、又はその両方によって識別される潤滑剤成分であるベースストック又はベースストックのブレンドを意味すると理解される。潤滑粘度の油は、潤滑剤の主要な液体成分であり、例えばそこに添加剤や場合によっては他の油をブレンドして最終潤滑剤(又は潤滑剤組成物)を生成する。基油は、濃縮物を製造するのに、またそれから潤滑油組成物を製造するのに有用であり、天然及び合成の潤滑油及びそれらの組合せから選択され得る。
【0037】
天然油には、動物性及び植物性の油、液体石油、並びにパラフィン系、ナフテン系及び混合パラフィン-ナフテン系の水素化精製された溶剤処理鉱物潤滑油が含まれる。石炭又は頁岩に由来する潤滑粘度の油も有用な基油である。
【0038】
合成潤滑油には、炭化水素油、例えば重合及び共重合オレフィン(例、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレン-イソブチレン共重合体、塩素化ポリブチレン、ポリ(1-ヘキセン)、ポリ(1-オクテン)、及びポリ(1-デセン);アルキルベンゼン(例、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、及びジ(2-エチルヘキシル)ベンゼン);アルキル化ナフタレン;ポリフェノール(例、ビフェニル、ターフェニル、アルキル化ポリフェノール);並びにアルキル化ジフェニルエーテル及びアルキル化ジフェニルスルフィド、並びにその誘導体、類似体及び同族体が含まれる。
【0039】
別の適切な種類の合成潤滑油には、ジカルボン酸(例、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、アジピン酸、リノール酸二量体、及びフタル酸)と様々なアルコール(例、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、及びプロピレングリコール)とのエステルが含まれる。これらのエステルの具体例には、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2-エチルヘキシル)、フマル酸ジ-n-ヘキシル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジイソデシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、セバシン酸ジエイコシル、リノール酸二量体の2-エチルヘキシルジエステル、並びに1モルのセバシン酸を2モルのテトラエチレングリコール及び2モルの2-エチルヘキサン酸と反応させることにより形成される複合エステルが含まれる。
【0040】
また、合成油として有用なエステルには、C~C12モノカルボン酸及びポリオール、並びにネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトールなどのポリオールエーテルから作られたものも含まれる。
【0041】
基油は、フィッシャー・トロプシュ合成炭化水素から誘導されることもある。フィッシャー・トロプシュ合成炭化水素は、フィッシャー・トロプシュ触媒を使用して、HとCOを含む合成ガスから作られる。かかる炭化水素は、通常、基油として有用であるためにさらなる処理を必要とする。例えば、前記炭化水素は、当業者に知られているプロセスを使用して、水素異性化、水素化分解及び水素異性化、脱ろう、又は水素異性化及び脱ろうされていてもよい。
【0042】
本発明の潤滑油組成物では、未精製油、精製油及び再精製油を使用することができる。未精製油とは、天然原料又は合成原料からさらなる精製処理を行わずに直接得られるものである。例えば、レトルト操作から直接得られるシェール油、蒸留から直接得られる石油、又はエステル化プロセスから直接得られ、さらになる処理をせずに使用されるエステル油は、未精製油である。精製油は、1つ以上の特性を改善するために1つ以上の精製工程でさらに処理されていることを除き、未精製油に類似している。蒸留、溶媒抽出、酸又は塩基抽出、濾過及び浸透などの多くのそのような精製技術は、当業者に知られている。
【0043】
再精製油は、すでに使用されたことがある精製油に適用される精製油を得るために使用されるプロセスと同様のプロセスによって得られる。かかる再精製油は、再生油又は再処理油としても知られており、多くの場合、使用済み添加物及び油分解製品の承認を得るための技術によってさらに処理される。
【0044】
したがって、本潤滑油組成物の製造に使用され得る基油は、米国石油協会(API)基油互換性ガイドライン(American Petroleum Institute(API)Base Oil Interchangeability Guidelines)(API Publication 1509)で指定されているグループI~Vの基油のいずれかから選択され得る。上記の基油グループを、以下の表1に要約する。
【表1】
【0045】
本明細書での使用に適した基油は、APIグループII、グループIII、グループIV、及びグループVの油並びにそれらの組合せに対応する種類のいずれか、好ましくは並外れた揮発性、安定性、粘度及び清浄度といった特徴故にグループIII~グループVの油である。
【0046】
基油とも呼ばれる、本開示の潤滑油組成物に使用するための潤滑粘度の油は、典型的には、主要量、例えば、潤滑油組成物の総重量に基づき、50重量%を超える量、又は約70重量%を超える量、又は約80重量%を超える量で存在する。一実施形態において、潤滑粘度の油は、潤滑油組成物の総重量に基づき、約90重量%未満又は約85重量%未満の量で、本開示の潤滑油組成物中に存在することができる。本明細書で使用するための基油は、エンジン油用の潤滑油組成物を配合する際に使用される、現在知られている、又は後で発見される潤滑粘度の任意の油であり得る。さらに、本明細書で使用するための基油は、必要に応じて、粘度指数向上剤、例えば、高分子アルキルメタクリレート、オレフィン系共重合体、例えば、エチレン-プロピレン共重合体又はスチレン-ブタジエン共重合体など、及びそれらの混合物を含むことができる。粘度調整剤のトポロジーには、線形、分岐形、超分岐形、星形、又は櫛形のトポロジーが含まれ得るが、これらに限定はされない。
【0047】
当業者が容易に理解するように、基油の粘度は用途によって異なる。したがって、本明細書で使用するための基油の粘度は、通常、100℃(C.)で約2センチストークス~約2000センチストークス(cSt)の範囲となる。一般に、エンジン油として使用される基油は、個々に、100℃で約2cSt~約30cSt、又は約3cSt~約16cSt、又は約4cSt~約12cStの動粘度範囲を有することになり、所望の最終用途及び完成油中の添加剤に応じて選択又はブレンドすることにより、エンジン油の所望のグレードが得られる、例えば、SAE粘度グレードが、0W、0W-8、0W-12、0W-16、0W-20、0W-26、0W-30、0W-40、0W-50、0W-60、5W、5W-20、5W-30、5W-40、5W-50、5W-60、10W、10W-20、10W-30、10W-40、10W-50、15W、15W-20、15W-30、15W-40、30、40などである潤滑油組成物が得られる。
【0048】
潤滑油組成物は、少なくとも135(例、135~400、又は135~250)、又は少なくとも150(例、150~400、又は150~250)、又は少なくとも165(例、165~400、又は165~250)、又は少なくとも190(例、190~400、又は190~250)、又は少なくとも200(例、200~400、又は200~250)の粘度指数を有する。潤滑油組成物の粘度指数が135未満である場合、150℃でHTHS粘度を維持しながら燃料効率を改善することは困難な可能性がある。潤滑油組成物の粘度指数が400を超えると、蒸発特性が低下する可能性があり、添加剤の不十分な溶解性とシール材料とのマッチング特性による欠陥が誘発される可能性がある。
【0049】
本開示による潤滑油組成物は、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤をさらに含む。一般に、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、例えば、ヒドロカルビルモノ及びポリスクシンイミドを含む。「スクシンイミド」という技術用語に包含されるある特定の基本的なタイプのスクシンイミド及び関連材料は、米国特許第3,172,892号、第3,219,666号、及び第3,272,746号(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)で教示されている。「スクシンイミド」という用語は、当技術分野では、形成される可能性もあるアミド、イミド、及びアミジンなる化学種の多くを含むと理解されている。しかしながら、主な生成物はスクシンイミドであり、この用語は、ヒドロカルビルコハク酸又は同無水物と窒素含有化合物との反応の生成物を意味するものとして一般に受け入れられている。
【0050】
一実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミドは、それらの商業的入手可能性のために、ヒドロカルビルコハク酸無水物及びポリアミンから調製されたそれらのスクシンイミドである。例えば、適切な無水物は、式I:
【化1】

(式中、Rは、約12~約350個の炭素原子を含むヒドロカルビル基である)
の構造によって表すことができる。スクシンイミドの調製に使用するのに適したポリアミンには、例えば、ポリアルキレンジアミンを含むポリアルキレンポリアミンが含まれる。そのようなポリアルキレンポリアミンは、典型的には、約2~約12個の窒素原子及び約2~24個の炭素原子を含むことになる。一実施形態において、適切なポリアルキレンポリアミンは、式:HN-(RNH)-Hを有するものであり、式中、Rは、2又は3個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキレン基であり、cは1~9である。適切なポリアルキレンポリアミンの代表的な例には、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン及びそれらの混合物が含まれる。
【0051】
本発明での使用に適したポリアミンの多くは市販されており、他のものは当技術分野で周知の方法によって調製することができる。例えば、アミンの調製方法とその反応については、Sidgewickの「窒素の有機化学」(TheOrganic Chemistry of Nitrogen)、Clarendon Press、オックスフォード、1966年;Nollerの「有機化合物の化学」(Chemistry of Organic Compounds)、Saunders、フィラデルフィア、第2版、1957年;及びKirk-Othmerの「化学技術百科事典」(Encyclopedia of Chemical Technology)、第2版、特に第2巻、99 116頁に詳しく説明されている。
【0052】
一具体例としての実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、ポリイソブテニルコハク酸無水物(PIBSA)とポリアミンとの反応によって得られる。別の実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、PIBSAとポリアミンとの反応によって得られ、PIBSAは、ポリブテン及び無水マレイン酸から(例えば、塩素も塩素原子含有化合物も使用しない熱反応法によって)生成される。別の実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、PIBSAと1つ以上のアルキレンポリアミンとの間の縮合反応のスクシンイミド反応生成物である。この実施形態において、PIBSAは、高メチルビニリデンポリイソブテン(PIB)と無水マレイン酸との熱反応生成物であり得る。
【0053】
一実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、約500~約3000の数平均分子量(Mn)を有するPIBから誘導される主たるビススクシンイミド反応生成物である。一実施形態において、PIBは、約700~2700のMnを有する。別の実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、少なくとも約600、又は少なくとも約800、又は少なくとも約1000、又は少なくとも約1100、又は少なくとも約1200、又は少なくとも約1300、又は少なくとも約1400、又は少なくとも約1500、又は少なくとも約1600、又は少なくとも約1700、又は少なくとも約1800、又は少なくとも約1900、又は少なくとも約2000、又は少なくとも約2100、又は少なくとも約2200、又は少なくとも約2300、又は少なくとも約2400、又は少なくとも約2500、又は少なくとも約2600、又は少なくとも約2700、又は少なくとも約2800、又は少なくとも約2900、又は少なくとも約3000のMnを有するPIBから誘導される主たるビススクシンイミド反応生成物である。別の実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、5000以下、又は約4000以下、又は約3500以下、又は約3000以下、又は約2700以下又は約2500以下のMnを有するPIBから誘導される主たるビススクシンイミド反応生成物である。
【0054】
一実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミドは、約70~約128個の炭素原子のポリイソブテニルコハク酸無水物と、テトラエチレンペンタミン又はトリエチレンテトラミン又はそれらの混合物とから調製される。
【0055】
ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤を調製するための方法は、当技術分野ではよく知られている。例えば、1つ以上のヒドロカルビルコハク酸又は無水物及び1つ以上のアミンは、必要に応じて実質的に不活性な有機液体溶媒/希釈剤の存在下で、加熱され得、水が除去される。反応温度は、約80℃から混合物又は生成物の分解温度までの範囲であり得、これは、典型的には、約100℃~約300℃の間に含まれる。反応に使用されるヒドロカルビルコハク酸又は無水物の量は、反応混合物の総重量に基づき、約30~約95重量%又は約40~約60重量%の範囲であり得る。ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤を調製するための追加の詳細及び手順の例には、例えば、米国特許第3,172,892号、第3,219,666号、第3,272,746号、第4,234,435号、第6,165,235号及び第6,440,905号に記載されているものが含まれる。
【0056】
一般に、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、本開示による潤滑油組成物中に、潤滑油組成物の総重量に対し、約0.5重量%~約12重量%の量で存在する。別の実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、本開示による潤滑油組成物中に、潤滑油組成物の総重量に対し、約0.5重量%~約5重量%の量で存在する。別の実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、本開示による潤滑油組成物中に、潤滑油組成物の総重量に対し、約0.5重量%~約4重量%の量で存在する。
【0057】
本開示による潤滑油組成物は、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤をさらに含む。一般に、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤が当技術分野で知られているホウ素供給源で処理されているものである。一般に、ホウ素供給源で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤には、例えば、ヒドロカルビルモノ及びポリスクシンイミドが含まれる。上記のように、技術用語「スクシンイミド」に包含されるある特定の基本的なタイプのスクシンイミド及び関連材料は、米国特許第3,172,892号;第3,219,666号及び第3,272,746号(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)において教示されている。
【0058】
一実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミドは、それらの商業的入手可能性のために、ヒドロカルビルコハク酸無水物及びポリアミンから調製されたそれらのスクシンイミドである。ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤を調製するための方法は、上記のように当技術分野で周知である。例えば、適切な無水物は、式I:
【化2】

(式中、Rは、約12~約350個の炭素原子を含むヒドロカルビル基である)
の構造によって表すことができる。スクシンイミドの調製に使用するのに適したポリアミンには、例えば、ポリアルキレンジアミンを含むポリアルキレンポリアミンが含まれる。そのようなポリアルキレンポリアミンは、典型的には、約2~約12個の窒素原子及び約2~24個の炭素原子を含むことになる。一実施形態において、適切なポリアルキレンポリアミンは、式:HN-(RNH)-Hを有するものであり、式中、Rは、2又は3個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキレン基であり、cは1~9である。適切なポリアルキレンポリアミンの代表的な例には、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン及びそれらの混合物が含まれる。本発明での使用に適したポリアミンの多くは市販されており、他のものは、上記のように当技術分野で周知の方法によって調製することができる。
【0059】
一具体例としての実施形態において、ホウ素供給源で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、PIBSAとポリアミンとの反応によって得られる。別の実施形態において、ホウ素供給源で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、PIBSAとポリアミンとの反応によって得られ、PIBSAは、ポリブテン及び無水マレイン酸から生成される(例えば、塩素も塩素原子含有化合物も使用しない熱反応法による)。別の実施形態において、ホウ素供給源で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、PIBSAと1つ以上のアルキレンポリアミンとの間の縮合反応のスクシンイミド反応生成物である。この実施形態において、PIBSAは、高メチルビニリデンポリイソブテン(PIB)と無水マレイン酸との熱反応生成物であり得る。
【0060】
一実施形態において、ホウ素供給源で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、約500~約3000の数平均分子量(Mn)を有するPIBから誘導される主たるビススクシンイミド反応生成物である。一実施形態において、PIBは、約700~2700のMnを有する。別の実施形態において、ホウ素供給源で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、少なくとも約600、又は少なくとも約800、又は少なくとも約1000、又は少なくとも約1100、又は少なくとも約1200、又は少なくとも約1300、又は少なくとも約1400、又は少なくとも約1500、又は少なくとも約1600、又は少なくとも約1700、又は少なくとも約1800、又は少なくとも約1900、又は少なくとも約2000、又は少なくとも約2100、又は少なくとも約2200、又は少なくとも約2300、又は少なくとも約2400、又は少なくとも約2500、又は少なくとも約2600、又は少なくとも約2700、又は少なくとも約2800、又は少なくとも約2900、又は少なくとも約3000のMnを有するPIBから誘導される主たるビススクシンイミド反応生成物である。別の実施形態において、ホウ素供給源で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、5000以下、又は約4000以下、又は約3500以下、又は約3000以下、又は約2700以下又は約2500以下のMnを有するPIBから誘導される主たるビススクシンイミド反応生成物である。
【0061】
一実施形態において、ホウ素供給源で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミドは、約70~約128個の炭素原子のポリイソブテニルコハク酸無水物と、テトラエチレンペンタミン又はトリエチレンテトラミン又はそれらの混合物とから調製される。
【0062】
一実施形態において、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤が最大3重量%の割合でホウ素を含むように、前述のヒドロカルビルスクシンイミド分散剤が、ホウ素供給源で処理されているものである。一実施形態において、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、約2重量%以下の割合でホウ素を含み得る。一実施形態において、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、約1重量%以下の割合でホウ素を含み得る。一実施形態において、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、約0.8重量%以下の割合でホウ素を含み得る。一実施形態において、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、約0.1(重量%)以上の割合でホウ素を含み得る。一実施形態において、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、約0.5(重量%)以上の割合でホウ素を含み得る。一実施形態において、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、約0.1~約3重量%の割合でホウ素を含み得る。
【0063】
ホウ素供給源として使用できる適切なホウ素化合物には、例えば、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ酸エステルなどが含まれる。ホウ酸の代表的な例としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、パラホウ酸などが挙げられる。ホウ酸塩の代表的な例としては、メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウムなどのホウ酸アンモニウムが挙げられる。ホウ酸エステルの代表的な例としては、ホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル、ホウ酸トリブチルなどが挙げられる。
【0064】
一般に、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、本開示による潤滑油組成物中に、潤滑油組成物の総重量に対し、約0.5~約12重量%の量で存在する。別の実施形態において、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、本開示による潤滑油組成物中に、潤滑油組成物の総重量に対し、約0.5~約5重量%の量で存在する。別の実施形態において、ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、本開示による潤滑油組成物中に、潤滑油組成物の総重量に対し、約0.5~約4重量%の量で存在する。
【0065】
本開示による潤滑油組成物は、有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドをさらに含む。一般に、前述の後処理剤で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤には、例えば、ヒドロカルビルモノ及びポリスクシンイミドが含まれる。上記のように、技術用語「スクシンイミド」に包含されるある特定の基本的なタイプのスクシンイミド及び関連材料は、米国特許第3,172,892号;第3,219,666号及び第3,272,746号(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)において教示されている。
【0066】
一実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミドは、それらの商業的入手可能性のために、ヒドロカルビルコハク酸無水物及びポリアミンから調製されたそれらのスクシンイミドである。ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤を調製するための方法は、上記のように当技術分野で周知である。例えば、適切な無水物は、式I:
【化3】

(式中、Rは、約12~約350個の炭素原子を含むヒドロカルビル基である)
の構造によって表すことができる。スクシンイミドの調製に使用するのに適したポリアミンには、例えば、ポリアルキレンジアミンを含むポリアルキレンポリアミンが含まれる。そのようなポリアルキレンポリアミンは、典型的には、約2~約12個の窒素原子及び約2~24個の炭素原子を含むことになる。一実施形態において、適切なポリアルキレンポリアミンは、式:HN-(RNH)-Hを有するものであり、式中、Rは、2又は3個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキレン基であり、cは1~9である。適切なポリアルキレンポリアミンの代表的な例には、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン及びそれらの混合物が含まれる。本発明での使用に適したポリアミンの多くは市販されており、他のものは、上記のように当技術分野で周知の方法によって調製することができる。
【0067】
一具体例としての実施形態において、前述の後処理剤で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、PIBSAとポリアミンとの反応によって得られる。別の実施形態において、前述の後処理剤で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、PIBSAとポリアミンとの反応によって得られ、PIBSAは、ポリブテン及び無水マレイン酸から生成される(例えば、塩素も塩素原子含有化合物も使用しない熱反応法による)。別の実施形態において、前述の後処理剤で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、PIBSAと1つ以上のアルキレンポリアミンとの間の縮合反応のスクシンイミド反応生成物である。この実施形態において、PIBSAは、高メチルビニリデンポリイソブテン(PIB)と無水マレイン酸との熱反応生成物であり得る。
【0068】
一実施形態において、前述の後処理剤で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、約500~約3000の数平均分子量(Mn)を有するPIBから誘導される主たるビススクシンイミド反応生成物である。一実施形態において、PIBは、約700~2700のMnを有する。別の実施形態において、前述の後処理剤で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、少なくとも約600、又は少なくとも約800、又は少なくとも約1000、又は少なくとも約1100、又は少なくとも約1200、又は少なくとも約1300、又は少なくとも約1400、又は少なくとも約1500、又は少なくとも約1600、又は少なくとも約1700、又は少なくとも約1800、又は少なくとも約1900、又は少なくとも約2000、又は少なくとも約2100、又は少なくとも約2200、又は少なくとも約2300、又は少なくとも約2400、又は少なくとも約2500、又は少なくとも約2600、又は少なくとも約2700、又は少なくとも約2800、又は少なくとも約2900、又は少なくとも約3000のMnを有するPIBから誘導される主たるビススクシンイミド反応生成物である。別の実施形態において、前述の後処理剤で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミド分散剤は、5000以下、又は約4000以下、又は約3500以下、又は約3000以下、又は約2700以下又は約2500以下のMnを有するPIBから誘導される主たるビススクシンイミド反応生成物である。
【0069】
一実施形態において、前述の後処理剤で後処理されるヒドロカルビルスクシンイミドは、約70~約128個の炭素原子のポリイソブテニルコハク酸無水物と、テトラエチレンペンタミン又はトリエチレンテトラミン又はそれらの混合物とから調製される。
【0070】
適切な有機カーボネートには、例えば、1,3-ジオキソラン-2-オン(エチレンカーボネート);4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オン(プロピレンカーボネート);4-エチル-1,3-ジオキソラン-2-オン(ブチレンカーボネート);4-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン;4,5-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン;4-エチル-1,3-ジオキソラン-2-オン;4,4-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン;4-メチル-5-エチル-1,3-ジオキソラン-2-オン;4,5-ジエチル-1,3-ジオキソラン-2-オン;4,4-ジエチル-1,3-ジオキソラン-2-オン;1,3-ジオキサン-2-オン;4,4-ジメチル-1,3-ジオキサン-2-オン;5,5-ジメチル-1,3-ジオキサン-2-オン;5,5-ジヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン-2-オン;5-メチル-1,3-ジオキサン-2-オン;4-メチル-1,3-ジオキサン-2-オン;5-ヒドロキシ-1,3-ジオキサン-2-オン;5-ヒドロキシメチル-5-メチル-1,3-ジオキサン-2-オン;5,5-ジエチル-1,3-ジオキサン-2-オン;5-メチル-5-プロピル-1,3-ジオキサン-2-オン;4,6-ジメチル-1,3-ジオキサン-2-オン;4,4,6-トリメチル-1,3-ジオキサン-2-オン及びスピロ[1,3-オキサ-2-シクロヘキサノン-5,5’-1’,3’-オキサ-2’-シクロヘキサノン]などの環状カーボネートが含まれる。他の適切な環状カーボネートは、ソルビトール、グルコース、フルクトース、ガラクトースなどのサッカリド(sacchrides)から、及び当技術分野で知られている方法によってC~C30オレフィンから調製されたビシナルジオールから調製され得る。
【0071】
適切なエポキシドには、例えば、以下の構造:
【化4】

(式中、R、R、R及びRは、独立して、水素又は1~50個の炭素原子を含むヒドロカルビル基であり得る)によって表されるエポキシドが含まれる。一実施形態において、適切なエポキシドには、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド及びそれらの組合せが含まれる。
【0072】
適切なラクトンには、例えば、主環に3~約12個の炭素原子を有するものが含まれる。一実施形態において、適切なラクトンは、例えば、カプロラクトンである。本明細書で使用するための他の環状ラクトンは、例えば、米国特許第4,617,138号、第4,645,515号、第4,668,246号、第4,963,275号及び第4,971,711号に開示されているものであり得る。
【0073】
適切なヒドロキシ脂肪族カルボン酸には、例えば、以下の構造:
-CH(OH)-COOH
(式中、Rは、1~約30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)
によって表されるアルファ-ヒドロキシ脂肪族カルボン酸化合物が含まれる。アルファ-ヒドロキシ脂肪族カルボン酸化合物の代表的な例には、アルファ-ヒドロキシドデカン酸、アルファ-ヒドロキシテトラデカン酸、アルファ-ヒドロキシヘキサデカン酸、アルファ-ヒドロキシオクタデカン酸、アルファ-ヒドロキシペンタデカン酸、アルファ-ヒドロキシエイコサン酸、アルファ-ヒドロキシドコサン酸、アルファ-ヒドロキシテトラコサン酸、アルファ-ヒドロキシヘキサコサン酸、アルファ-ヒドロキシオクタコサン酸などが含まれる。他のヒドロキシ脂肪族カルボン酸は、米国特許第4,482,464号、第4,521,318号及び第4,713,189号に開示されているものであり得る。
【0074】
有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドを調製する方法は、当技術分野で周知である。例えば、環状カーボネートの後処理は、環状カーボネートとポリアミノ置換基の第二級アミノ基との反応を引き起こすのに十分な条件下で実施することができる。典型的には、前記反応は、約0℃~約250℃、又は約100℃~約200℃の温度で行われる。反応は整然と行われる得、触媒(酸性、塩基性、又はルイス酸触媒など)の存在下で行われる場合もあれば行われない場合もある。反応物の粘度に応じて、不活性有機溶媒又は希釈剤、例えば、トルエン又はキシレンを使用して反応を実施することが望ましい場合がある。
【0075】
一般に、有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドは、本開示による潤滑油組成物中に、潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%の量で存在する。別の実施形態において、有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドは、本開示による潤滑油組成物中に、潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約5重量%の量で存在する。別の実施形態において、有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドは、本開示による潤滑油組成物中に、潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約4重量%の量で存在する。
【0076】
一般に、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;(c)ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び(d)有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドの分散剤混合物は、潤滑油組成物に対し約0.5~約5のTBNを提供することができる。一実施形態において、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;(c)ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び(d)有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドの分散剤混合物は、潤滑油組成物に対し約0.9~約4.2のTBNを提供することができる。
【0077】
本開示の潤滑油組成物はまた、これらの添加剤が分散又は溶解される潤滑油組成物の任意の望ましい特性を付与又は改善することができる他の慣用的添加剤を含有してもよい。本明細書に開示される潤滑油組成物には、当業者に知られている任意の添加剤が使用され得る。いくつかの適切な添加剤は、Mortierら、「潤滑剤の化学及び技術」(Chemistry and Technology of Lubricants)、第2版、ロンドン、Springer(1996);及びLeslie R.Rudnick、「潤滑剤添加剤:化学及び用途」(Lubricant Additives:Chemistry and Applications)、ニューヨーク、Marcel Dekker(2003)に記載されており、両方とも参照により本明細書に組み込まれる。例えば、潤滑油組成物を、酸化防止剤、金属清浄剤などの清浄剤、防錆剤、脱ヘイズ剤、解乳化剤、金属不活化剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤、流動点降下剤、消泡剤、共溶媒、腐食防止剤、染料、極圧剤など及びそれらの混合物とブレンドすることができる。様々な添加剤が知られており、市販されている。これらの添加剤又はそれらの類似化合物は、通常のブレンド手順により本発明の潤滑油組成物の調製に使用することができる。
【0078】
金属清浄剤の代表的な例には、スルホネート、アルキルフェネート、硫化アルキルフェネート、カルボキシレート、サリチレート、ホスホネート、及びホスフィネートが含まれる。市販の製品は、一般的に中性又は過塩基性とされる。過塩基性金属清浄剤は、一般に、炭化水素、清浄剤の酸、例えばスルホン酸、アルキルフェノール、カルボキシレートなど、金属酸化物又は水酸化物(例えば酸化カルシウム又は水酸化カルシウム)及びキシレン、メタノール、水などの促進剤の混合物をカーボネート化することによって製造される。例えば、過塩基性スルホン酸カルシウムを調製するために、カーボネート化では、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムを気体の二酸化炭素と反応させて炭酸カルシウムを形成させる。スルホン酸は過剰のCaO又はCa(OH)で中和され、スルホン酸塩を形成する。
【0079】
一実施形態では、1つ以上の過塩基性清浄剤は、0~約60のTBN(油不含有ベース)を有し得る。別の実施形態では、1つ以上の過塩基性清浄剤は、60超~約200のTBN(油不含有ベース)を有し得る。別の実施形態では、1つ以上の過塩基性清浄剤は、約200超~約800のTBN(油不含有ベース)を有し得る。
【0080】
摩耗防止剤の例には、ジアルキルジチオリン酸亜鉛及びジアリールジチオリン酸亜鉛、例えば、1992年1月の潤滑科学(Lubrication Science)4-2に掲載されている(例えば、97~100頁を参照)、「異なる潤滑メカニズムにおけるいくつかの金属ジアルキル-及びジアリール-ジチオホスフェートの化学構造と有効性との関係」(Relationship between Chemical Structure and Effectiveness of Some Metallic Dialkyl-and Diaryl-dithiophosphates in Different Lubricated Mechanisms)と題する、Bornらによる記事に記載されているもの、リン酸アリール及び亜リン酸アリール、硫黄含有エステル、ホスホ硫黄(phosphosulfur)化合物、金属又は無灰のジチオカルバメート、キサンテート、アルキル硫化物など、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
潤滑油配合物の調製では、炭化水素油、例えば鉱物潤滑油、又はその他の適切な溶媒中約10~約80重量%の有効成分濃縮物形態で添加剤を導入することが一般的慣行である。
【0082】
通常、これらの濃縮物は、完成潤滑剤、例えば、クランクケースモーター油を形成する際に、添加剤パッケージ1重量部あたり約3~約100重量部、例えば約5~約40重量部の潤滑油で希釈され得る。濃縮物の目的は、もちろん、様々な材料の取り扱いをより容易にし、扱いやすくすること、及び最終ブレンドでの溶解又は分散を促進することである。
【0083】
前述の添加剤は、それぞれ使用時に、潤滑剤に所望の特性を付与するために機能的に有効な量で使用される。したがって、例えば、添加剤が摩擦調整剤である場合、この摩擦調整剤の機能的に有効な量は、潤滑剤に所望の摩擦調整特性を付与するのに十分な量となる。
【0084】
一般に、潤滑油組成物中の各添加剤の濃度は、使用時、潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.001重量%~約20重量%、又は約0.005重量%~約15重量%、又は約0.01重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約2.5重量%の範囲であり得る。さらに、潤滑油組成物中の添加剤の総量は、潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.001重量%~約20重量%、又は約0.01重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約5重量%の範囲であり得る。
【0085】
以下の例は、本開示の実施形態の実例を示すために提示されているが、本開示を記載された特定の実施形態に限定することを意図するものではない。各例で説明されている具体的詳細は、本開示の必要な特徴として解釈されるべきではない。以下の例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を多少なりとも限定するものではない。すべての数値は近似値である。数値範囲が与えられている場合、記載された範囲外の実施形態が依然として本開示の範囲内に含まれ得ることを理解すべきである。
【0086】
分散剤Aの調製
【0087】
数平均分子量が約1,300のポリブテン及び無水マレイン酸を用いた熱反応プロセス並びに平均窒素原子数6.5(1分子あたり)を有するポリアルキレンポリアミンとの反応により、スクシンイミド型分散剤を調製した。
【0088】
分散剤Bの調製
【0089】
米国特許第5,356,552号にしたがって、数平均分子量が約1,300のポリブテン及び無水マレイン酸を用いた熱反応プロセス、平均窒素原子数6.5(1分子あたり)を有するポリアルキレンポリアミンとの反応、並びに得られたスクシンイミドをホウ酸で処理することにより、ホウ素化スクシンイミド型分散剤を調製した。
【0090】
分散剤Cの調製
【0091】
米国特許第5,356,552号にしたがって、数平均分子量が約2,300のポリブテン及び無水マレイン酸を用いた熱反応プロセス、平均窒素原子数6.5(1分子あたり)を有するポリアルキレンポリアミンとの反応、並びに得られたスクシンイミドを炭酸エチレンで処理することにより、炭酸エチレン処理スクシンイミド型分散剤を調製した。
【0092】
実施例1
主要量の潤滑粘度の基油及び以下の添加剤を含む潤滑油組成物を調製して、15W-40のSAE粘度を有する完成油を提供した:
【0093】
1.30重量%の分散剤A;
【0094】
1.05重量%の分散剤B;
【0095】
0.95重量%の分散剤C;
【0096】
カルシウムスルホネート及びフェネート清浄剤の混合物;
【0097】
リン含有量換算で990ppmの二級ジアルキルジチオリン酸亜鉛;
【0098】
モリブデンスクシンイミド酸化防止剤;
【0099】
アルキル化ジフェニルアミン;
【0100】
ケイ素含有量換算で、5ppmの消泡剤;
【0101】
非分散性オレフィン共重合体粘度調整剤;及び
【0102】
残り、グループIIの基油、
【0103】
ここで、分散剤A、B及びCからの潤滑油組成物中のTBNは、2.21である。
【0104】
比較例1
主要量の潤滑粘度の基油及び以下の添加剤を含む潤滑油組成物を調製して、15W-40のSAE粘度を有する完成油を提供した:
【0105】
2.85重量%の分散剤C;
【0106】
カルシウムスルホネート及びフェネート清浄剤の混合物;
【0107】
リン含有量換算で990ppmの二級ジアルキルジチオリン酸亜鉛;
【0108】
モリブデンスクシンイミド酸化防止剤;
【0109】
アルキル化ジフェニルアミン;
【0110】
ケイ素含有量換算で、5ppmの消泡剤;
【0111】
非分散性オレフィン共重合体粘度調整剤;及び
【0112】
残り、グループIIの基油、
【0113】
ここで、分散剤A、B及びCからの潤滑油組成物中のTBNは0.94である。
【0114】
比較例2
主要量の潤滑粘度の基油及び以下の添加剤を含む潤滑油組成物を調製して、15W-40のSAE粘度を有する完成油を提供した:
【0115】
3.89重量%の分散剤A;
【0116】
カルシウムスルホネート及びフェネート清浄剤の混合物;
【0117】
リン含有量換算で990ppmの二級ジアルキルジチオリン酸亜鉛;
【0118】
モリブデンスクシンイミド酸化防止剤;
【0119】
アルキル化ジフェニルアミン;
【0120】
ケイ素含有量換算で、5ppmの消泡剤;
【0121】
非分散性オレフィン共重合体粘度調整剤;及び
【0122】
残り、グループIIの基油、
【0123】
ここで、分散剤A、B及びCからの潤滑油組成物中のTBNは3.22である。
【0124】
比較例3
主要量の潤滑粘度の基油及び以下の添加剤を含む潤滑油組成物を調製して、15W-40のSAE粘度を有する完成油を提供した:
【0125】
3.15重量%の分散剤B;
【0126】
カルシウムスルホネート及びフェネート清浄剤の混合物;
【0127】
リン含有量換算で990ppmの二級ジアルキルジチオリン酸亜鉛;
【0128】
モリブデンスクシンイミド酸化防止剤;
【0129】
アルキル化ジフェニルアミン;
【0130】
ケイ素含有量換算で、5ppmの消泡剤;
【0131】
非分散性オレフィン共重合体粘度調整剤;及び
【0132】
残り、グループIIの基油、
【0133】
ここで、分散剤A、B及びCからの潤滑油組成物中のTBNは2.47である。
【0134】
T-8Eスクリーナ試験
【0135】
Mack T-8EスクリーナはMack T-11エンジンに基づいており、0に近いEGRで、144時間稼働させた。ターゲット煤が108時間後に4%に設定されていることを除いて、T-11(ASTM D7156)と同じ温度、速度、燃料。TGAによるKV100と煤を12時間ごとに測定し、30サイクル後の初期KV100せん断粘度も測定し、100%煤でのRV100を計算することが可能となる。
【0136】
大型車両商用ディーゼル煤煙処理-
Mack T8試験
【0137】
Mack T8エンジン試験は、最新の大型トラックディーゼルエンジンの燃焼プロセスから副産物として生成される煤によって引き起こされる粘度変化を制御する潤滑剤の能力を決定するための確立された試験である。この試験では、スラッジと油の消費量も評価する。重要なパラメータは、熱重量分析(TGA)で測定された、油中4%の煤での潤滑剤の粘度増加である。必要なレベルの煤は、試験終了前(250時間)に達成される場合がある。試験の最後に、煤と粘度の増加を測定する。これらの測定値を、石油性能の尺度として使用する。
【表2】
【0138】
以下の表1では、スクリーナMack T8試験に従って、実施例1の潤滑油組成物の相対的性能を比較例1~3の潤滑油組成物と比較した。
【0139】
フルオロカーボンエラストマーシールの適合性(AK6)
【0140】
実施例1及び比較例1~3の潤滑油組成物を、150℃で168時間加熱した油性溶液にフルオロカーボン試験片(AK 6)を懸濁することによりDaimler Chryslerベンチ試験(PV 3344)においてフルオロカーボンエラストマーシールとの適合性について試験した。各試料の体積変化率、硬度変化ポイント(PH)、引張強度変化率(TS)、及び伸び変化率(EL)の変動を測定した。これらの合格限界を以下に要約する。
【表3】

適合性試験の試験結果を以下の表1に要約する。
【表4】
【0141】
本明細書に開示された実施形態に対して様々な修正がなされ得ることは理解されるはずである。したがって、上記の説明は、限定として解釈されるべきではなく、好ましい実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。例えば、上記で説明され、本発明を稼働させるための最良のモードとして実装される機能は、説明を目的とするものに過ぎない。本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、他の取り合わせ及び方法が当業者によって実施され得る。さらに、当業者であれば、本明細書に添付される特許請求の範囲及びその精神内で他の修正を想定するはずである。

【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)主要量の、100℃で2~50mm/秒の範囲の動粘度を有する潤滑粘度の油;
(b)潤滑油組成物の総重量に基づき、0.5重量%~12重量%のヒドロカルビルスクシンイミド分散剤であって、前記ヒドロカルビルスクシンイミドがポリイソブテニルビススクシンイミドである、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤
(c)潤滑油組成物の総重量に基づき、0.5重量%~12重量%のホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び
(d)潤滑油組成物の総重量に基づき、0.5重量%~12重量%の有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミド
を含む潤滑油組成物。
【請求項2】
前記主要量の潤滑粘度の油が、前記潤滑油組成物の総重量に基づき、50重量%を超えている、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
前記ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤のヒドロカルビル基が、1~350個の炭素原子を含む、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
前記ポリイソブテニルビススクシンイミドが、700~2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導される、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
前記ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤が、ホウ素化ポリアルケニルスクシンイミドである、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
前記ホウ素化ポリアルケニルスクシンイミドが、ホウ素化ポリイソブテニルビススクシンイミドである、請求項に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
前記ホウ素化ポリイソブテニルビススクシンイミドが、700~2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導される、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
前記ヒドロカルビルスクシンイミド(d)が有機カーボネートで後処理されている、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項9】
前記有機カーボネートが炭酸エチレンである、請求項に記載の潤滑油組成物。
【請求項10】
前記ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;前記ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理された前記ヒドロカルビルスクシンイミドの混合物が、前記潤滑油組成物に対し0.5~5の全塩基価(TBN)を提供する、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項11】
酸化防止剤、金属清浄剤、防錆剤、脱ヘイズ剤、解乳化剤、金属不活化剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、消泡剤、共溶媒、腐食防止剤、多機能剤、染料、極圧剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項12】
(a)主要量の、100℃で2~50mm/秒の範囲の動粘度を有する潤滑粘度の油;(b)潤滑油組成物の総重量に基づき、0.5重量%~12重量%のヒドロカルビルスクシンイミド分散剤であって、前記ヒドロカルビルスクシンイミドがポリイソブテニルビススクシンイミドである、ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;(c)潤滑油組成物の総重量に基づき、0.5重量%~12重量%のホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び(d)潤滑油組成物の総重量に基づき、0.5重量%~12重量%の有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドを含む潤滑油組成物で内燃機関を稼働させることを含む方法。
【請求項13】
前記ヒドロカルビルスクシンイミドが、700~2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導されたポリイソブテニルビススクシンイミドである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミドが、700~2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導されたホウ素化ポリイソブテニルビススクシンイミドである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒドロカルビルスクシンイミド(d)が、炭酸エチレンである有機カーボネートで後処理される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記潤滑油組成物が、酸化防止剤、金属清浄剤、防錆剤、脱ヘイズ剤、解乳化剤、金属不活化剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、消泡剤、共溶媒、腐食防止剤、多機能剤、染料、極圧剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本開示の潤滑油組成物は、煤の分散性にも効果的であると同時に、フルオロカーボンエラストマーシールの適合性を有利に改善する。
なお、下記[1]から[20]は、いずれも本発明の一形態又は一態様である。
[1]
(a)主要量の、100℃で約2~約50mm /秒の範囲の動粘度を有する潤滑粘度の油;
(b)ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;
(c)ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び
(d)有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミド
を含む潤滑油組成物。
[2]
前記主要量の潤滑粘度の油が、前記潤滑油組成物の総重量に基づき、50重量%を超えている、[1]に記載の潤滑油組成物。
[3]
前記ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤のヒドロカルビル基が、約12~約350個の炭素原子を含む、[1]に記載の潤滑油組成物。
[4]
前記ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤が、ポリアルケニルスクシンイミドである、[1]に記載の潤滑油組成物。
[5]
前記ポリアルケニルスクシンイミドが、ポリイソブテニルビススクシンイミドである、[4]に記載の潤滑油組成物。
[6]
前記ポリイソブテニルビススクシンイミドが、約700~約2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導される、[1]に記載の潤滑油組成物。
[7]
前記ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤が、ホウ素化ポリアルケニルスクシンイミドである、[1]に記載の潤滑油組成物。
[8]
前記ホウ素化ポリアルケニルスクシンイミドが、ホウ素化ポリイソブテニルビススクシンイミドである、[7]に記載の潤滑油組成物。
[9]
前記ホウ素化ポリイソブテニルビススクシンイミドが、約700~約2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導される、[1]に記載の潤滑油組成物。
[10]
前記ヒドロカルビルスクシンイミド(d)が有機カーボネートで後処理されている、[1]に記載の潤滑油組成物。
[11]
前記有機カーボネートが炭酸エチレンである、[10]に記載の潤滑油組成物。
[12]
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%のヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%のホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%の、有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸からなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミド
を含む、[1]に記載の潤滑油組成物。
[13]
前記ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;前記ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理された前記ヒドロカルビルスクシンイミドの混合物が、前記潤滑油組成物に対し約0.5~約5の全塩基価(TBN)を提供する、[1]に記載の潤滑油組成物。
[14]
酸化防止剤、金属清浄剤、防錆剤、脱ヘイズ剤、解乳化剤、金属不活化剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、消泡剤、共溶媒、腐食防止剤、多機能剤、染料、極圧剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、[1]に記載の潤滑油組成物。
[15]
(a)主要量の、100℃で約2~約50mm /秒の範囲の動粘度を有する潤滑粘度の油;(b)ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;(c)ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び(d)有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミドを含む潤滑油組成物で内燃機関を稼働させることを含む方法。
[16]
前記ヒドロカルビルスクシンイミドが、約700~約2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導されたポリイソブテニルビススクシンイミドである、[15]に記載の方法。
[17]
前記ホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミドが、約700~約2500の数平均分子量を有するポリイソブチレン基から誘導されたホウ素化ポリイソブテニルビススクシンイミドである、[15]に記載の方法。
[18]
前記ヒドロカルビルスクシンイミド(d)が、炭酸エチレンである有機カーボネートで後処理される、[15]に記載の方法。
[19]
前記潤滑油組成物が、
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%のヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%のホウ素化ヒドロカルビルスクシンイミド分散剤;及び
前記潤滑油組成物の総重量に基づき、約0.5重量%~約12重量%の、有機カーボネート、エポキシド、ラクトン、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸からなる群から選択される後処理剤で後処理されたヒドロカルビルスクシンイミド
を含む、[15]に記載の方法。
[20]
前記潤滑油組成物が、酸化防止剤、金属清浄剤、防錆剤、脱ヘイズ剤、解乳化剤、金属不活化剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、消泡剤、共溶媒、腐食防止剤、多機能剤、染料、極圧剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、[15]に記載の方法。
【外国語明細書】