(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050656
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】使い捨て吸収性物品及びそれを組込むための吸収性コア複合物又は構成物、そのための又はその構成要素、及びそれを作るためのシステム、装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/53 20060101AFI20240403BHJP
A61F 13/534 20060101ALI20240403BHJP
A61F 13/535 20060101ALI20240403BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61F13/53 300
A61F13/534 100
A61F13/535 200
A61F13/15 329
【審査請求】有
【請求項の数】32
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024007343
(22)【出願日】2024-01-22
(62)【分割の表示】P 2020551405の分割
【原出願日】2019-03-22
(31)【優先権主張番号】62/646,875
(32)【優先日】2018-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/646,870
(32)【優先日】2018-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/646,880
(32)【優先日】2018-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519306048
【氏名又は名称】ディーエスジー テクノロジー ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】ヴァロナ ユージニオ
(72)【発明者】
【氏名】ライト アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】スミット デニス
(57)【要約】
【課題】使い捨て吸収性物品及びそれを組込むための吸収性コア複合物又は構成物、そのための又はその構成要素、及びそれを作るためのシステム、装置、及び方法を提供する。
【解決手段】改良された吸収性コア構成要素は、複数の層を含み、複数の層は、流体ハンドリング特性を向上させるように構成される。複数の層は、吸収性材料層を含む。吸収性材料層は、吸収性材料不存在レーンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。複数の層はまた、不織布層を含む。不織布層は、通気不織布、嵩高化された不織布、スリット付き不織布、及び嵩高不織布を含む。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て吸収性物品への組込みのための吸収性コアであって、
第1の不織布と、
第2の不織布と、
吸収性材料と、を含み、吸収性材料は、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされ、又は、第1の不織布内に埋込まれ、又は、第2の不織布内に埋込まれ、又は、それらの組合せであり、
第2の不織布の少なくとも1つのセクションが、嵩高化不織布を含む、吸収性コア。
【請求項2】
第2の不織布全体が、嵩高化不織布を含む、請求項1に記載の吸収性コア。
【請求項3】
第2の不織布は、嵩高化不織布の1又は2以上のセクションと、非嵩高化不織布の1又は2以上のセクションを含み、
非嵩高化不織布の1又は2以上のセクションは、嵩高化不織布の1又は2以上のセクションよりも高い嵩密度及び小さい空隙容積を有する、請求項1に記載の吸収性コア。
【請求項4】
吸収性材料は、嵩高化不織布の1又は2以上のセクション、非嵩高化不織布の1又は2以上のセクション、又はその組合せの上に位置決めされ又はその内部に埋込まれる、請求項3に記載の吸収性コア。
【請求項5】
嵩高化不織布及び非嵩高化不織布の前記セクションの各々は、吸収性コアの長手方向中心線に沿って延びる、請求項3に記載の吸収性コア。
【請求項6】
更に、嵩高化不織布の1又は2以上のセクションと一致する1又は2以上の吸収性材料不存在セクションと、非嵩高化不織布の1又は2以上のセクションと一致する1又は2以上の吸収性材料含有セクションを含む、請求項3に記載の吸収性コア。
【請求項7】
非嵩高化不織布の1又は2以上のセクションと一致する1又は2以上の吸収性材料不存在セクションと、嵩高化不織布の1又は2以上のセクションと一致する1又は2以上の吸収性材料含有セクションとを更に含む、請求項3に記載の吸収性コア。
【請求項8】
吸収性材料不存在セクションは、流体チャネルである、請求項7に記載の吸収性コア。
【請求項9】
更に、第3の不織布と、吸収性材料の第2の集団を更に含み、
吸収性材料の第2の集団は、第3の不織布と第2の不織布の間に位置決めされ、又は、第2の不織布内に埋込まれ、又は、第3の不織布内に埋込まれ、又は、それらの組合せである、請求項1に記載の吸収性コア。
【請求項10】
第1の不織布は、通気不織布、スリット付き不織布、スパンバウンド-メルトブローン-スパンバウンド不織布、スパンバウンド不織布、又は空気堆積不織布である、請求項1に記載の吸収性コア。
【請求項11】
前記吸収性材料は、超吸収性粒子を含む、請求項1に記載の吸収性コア。
【請求項12】
第1の不織布は、第2の不織布に接着される、請求項1に記載の吸収性コア。
【請求項13】
嵩高化不織布は、吸収性コア内の流体のための毛管内移動経路を構成する、請求項1に記載の吸収性コア。
【請求項14】
第2の不織布の少なくとも一部分が、緻密化される、請求項1に記載の吸収性コア。
【請求項15】
第2の不織布は、吸収性コアの中心股領域で選択的に嵩高化される、請求項1に記載の吸収性コア。
【請求項16】
嵩高化セクションは、非嵩高化セクションの嵩密度よりも5%から50%低い嵩密度を有する、請求項3に記載の吸収性コア。
【請求項17】
嵩高化セクションは、非嵩高化セクションの空隙容積よりも5%から75%大きい空隙容積を有する、請求項3に記載の吸収性コア。
【請求項18】
嵩高化セクションは、非嵩高化セクションよりも高い坪量の超吸収性粒子を含有することが可能である、請求項3に記載の吸収性コア。
【請求項19】
不織布を嵩高化するためのシステムであって、
不織布供給部と、
不織布を不織布供給部から受入れて不織布を嵩高化するように位置決めされた不織布マニピュレータと、
嵩高化された不織布を不織布マニピュレータから受入れるように位置決めされたコレクタと、を含むシステム。
【請求項20】
不織布マニピュレータは、不織布を機械的に操作するように位置決めされた機械マニピュレータ、不織布を熱的に操作するように位置決めされた熱マニピュレータ、又はその組合せを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
機械マニピュレータは、不織布が不織布マニピュレータの中を通過するときに不織布の1又は2以上の面をブラシ掛けするように位置決めされた1又は2以上の回転ブラシを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
1又は2以上の回転ブラシは、不織布の1又は2以上の面をブラシ掛けするように位置決めされた剛毛を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
1又は2以上の回転ブラシは、不織布の互いに反対側に位置する2つの面に係合してそれを操作するように位置決めされ且つ配置される、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
1又は2以上の回転ブラシは、不織布の1つの面だけに係合してそれを操作するように位置決めされ且つ配置される、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
1又は2以上の回転ブラシは、ブラシ心棒に取付けられた剛毛を含む1又は2以上のブラシ掛け領域と、前記ブラシ心棒に剛毛が取付けられていない1又は2以上の非ブラシ掛け領域を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
機械マニピュレータは、対向する2つの回転ブラシを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
対向する2つの回転ブラシは、不織布マニピュレータの中を通る不織布の移動と反対向きに回転するように配置される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
1又は2以上の回転ブラシは、第1に高さのところでブラシ心棒から延びる剛毛を含む第1のブラシ掛け領域と、第2の高さのところで前記ブラシ心棒から延びる剛毛を含む第2のブラシ掛け領域を含み、
第1の高さは、第2の高さよりも高い、請求項22に記載のシステム。
【請求項29】
1又は2以上の回転ブラシは、剛毛を含み、剛毛の長さ、剛毛の幅、剛毛の充填密度、剛毛の材料組成、及び剛毛の剛度は異なる、請求項22に記載のシステム。
【請求項30】
1又は2以上の回転ブラシは、選択的に不織布に近づいたり遠ざかったりするように関節結合可能である、請求項21に記載のシステム。
【請求項31】
熱マニピュレータは、熱風によって不織布に影響を及ぼすように位置決めされた熱風源、冷風によって不織布に影響を及ぼすように位置決めされた冷風源、又はその組合せを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項32】
熱風源は、不織布が機械マニピュレータによって機械的に操作される前に、加熱空気の流れを不織布の上に付与するように位置決めされる、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
加熱空気の温度は、少なくとも80℃である、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
冷風源は、不織布が機械マニピュレータによって機械的に操作された後に、冷風の流れを不織布の上に付与するように位置決めされる、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
冷風の温度は、80℃よりも低い、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
熱マニピュレータは、不織布を照射するように位置決めされたIRの供給源を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項37】
機械マニピュレータは、不織布の上面及び底面を同時にブラシ掛けするように位置決めされた2つの回転ブラシを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項38】
2つの回転ブラシは、同じ方向に回転する、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
2つの回転ブラシは、反対方向に回転する、請求項37に記載のシステム。
【請求項40】
2つの回転ブラシは、同じ速度で回転する、請求項37に記載のシステム。
【請求項41】
2つの回転ブラシは、異なる速度で回転する、請求項37に記載のシステム。
【請求項42】
更に、前記嵩高化された不織布の上に超吸収性粒子を分配するように位置決めされた超吸収性粒子分配器を含む、請求項37に記載のシステム。
【請求項43】
更に、第2の不織布供給部と、
第2の不織布を第2の不織布供給部から受入れ、嵩高化された不織布を不織布マニピュレータから受入れて、嵩高化された不織布と第2の不織布とを組合せるように位置決めされた結合ローラーと、
嵩高化された不織布と第2の不織布の組合せを受入れて嵩高化するように位置決めされた第2の不織布マニピュレータと、を含み、
前記コレクタは、嵩高化された不織布と第2の不織布の嵩高化された組合せを第2の不織布マニピュレータから受入れるように位置決めされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項44】
更に、第3の不織布マニピュレータを含み、第3の不織布マニピュレータは、嵩高化された不織布と第2の不織布を組合せる前に第2の不織布を受入れて嵩高化するように位置決めされる、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
更に、超吸収性粒子を嵩高化された不織布の上に堆積させるように位置決めされた超吸収性粒子アプリケータと、
嵩高化された不織布の上への超吸収性粒子の堆積の後又は前に、ホットメルト接着剤を嵩高化された不織布に付加するように位置決めされたホットメルト接着剤アプリケータと、を含む請求項19に記載のシステム。
【請求項46】
更に、不織布の嵩高化の前に、超吸収性粒子を不織布上に堆積させるように位置決めされた超吸収性粒子アプリケータを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項47】
不織布を嵩高化する方法であって、
不織布の1又は2以上の面を機械的に操作し、不織布の1又は2以上の面を熱的に操作し、又はその組合せを行って、嵩高化された不織布を形成する段階を含み、
嵩高化された不織布は、不織布よりも低い嵩密度を有し、
嵩高化された不織布は、不織布よりも大きい空隙容積を有する、方法。
【請求項48】
不織布の1又は2以上の面を機械的に操作することは、回転ブラシを用いて不織布の1又は2以上の面をブラシ掛けすることを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
不織布をブラシ掛けするのに、1又は2以上の回転ブラシを使用し、
1又は2以上の回転ブラシは、不織布上に嵩高化セクションと非嵩高化セクションのパターンを提供するように位置決めされ且つ配置される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
更に、回転ブラシの剛毛が不織布に係合する圧力を変え、前記剛毛が不織布の面に対して回転する速度を変え、又はその組合せを行って、不織布上の嵩高化の存在、不織布の嵩高化の程度、又はその組合せを変える段階を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
繊維をブラシ掛けすることにより、繊維を互いに対して変位させて繊維の間に増大した空隙空間を作成する、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
不織布の第1の面をブラシ掛けし、それに続いて、不織布の第1の面の反対側に位置する不織布の第2の面をブラシ掛けする、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
第1の面をブラシ掛けする前に、第1の面を加熱し、
第2の面をブラシ掛けした後に、第2の面を冷却する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
不織布の第1の面とその反対側の第2の面を、2つの回転ブラシで同時にブラシ掛けする、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
更に、嵩高化された不織布と1又は2以上の追加の不織布とを組合せる段階を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項56】
更に、超吸収性粒子を不織布上に堆積させる段階を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項57】
超吸収性粒子を、不織布の嵩高化の後に堆積させる、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
更に、接着剤を嵩高化不織布に付加する段階を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
接着剤は、超吸収性粒子を付加した後に適用される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
乾燥状態にある超吸収性粒子を堆積させる、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
更に、不織布をより柔軟にするために、不織布をブラシ掛けする間又はその前に不織布を加熱する段階と、
嵩高化された不織布を安定化させるために、不織布をブラシ掛けした後に不織布を冷却する段階と、を含み、冷却により、不織布の少なくとも幾つかの繊維を再結合させ始める、請求項48に記載の方法。
【請求項62】
更に、不織布の領域を選択的に嵩高化し、不織布の領域を選択的に緻密化して、嵩高化された不織布に勾配付き孔隙構造を与える段階を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項63】
回転ブラシが不織布に対して移動する速度を、ブラシ掛け中に変更する、請求項48に記載の方法。
【請求項64】
ブラシ掛けすることは、複数の回転ブラシを使用して実行される、請求項48に記載の方法。
【請求項65】
複数の回転ブラシは、剛毛の太さ、剛毛の長さ、材料組成、剛毛間の間隔、及び剛毛のパターンが異なる、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
不織布の身体側側面と身体側側面と反対側の面の両方を嵩高化する、請求項47に記載の方法。
【請求項67】
不織布の一方の側のみを嵩高化する、請求項47に記載の方法。
【請求項68】
更に、超吸収性粒子を嵩高化不織布の嵩高化された側に堆積させる段階を含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
嵩高化された不織布のブラシ掛けされない側は、嵩高化された不織布のブラシ掛けされた側よりも緻密であり且つ小さい空隙容積を有し、それにより、嵩高化された不織布のブラシ掛けされない側が超吸収性粒子を捕捉して、嵩高化された不織布の中を通る超吸収性粒子のフィルタリングを低減し又は防止する、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
嵩高化された不織布の嵩高化セクションにおいて、空隙容積が嵩高化の前に対して5%から75%の範囲で増加し、密度が嵩高化の前に対してる5%から50%の範囲で低下する、請求項47に記載の方法。
【請求項71】
不織布の両側を同時にブラシ掛けする、請求項48に記載の方法。
【請求項72】
不織布の両側を順次ブラシ掛けする、請求項48に記載の方法。
【請求項73】
第1の不織布層と、
第1の不織布層と結合された第2の不織布層と、
第1の不織布層の反対側で第2の不織布層に係合した第3の不織布層と、
第2の不織布層内に埋込まれた吸収性材料と、を含む吸収性コア。
【請求項74】
更に、第3の不織布層と結合された第4の不織布層を含む、請求項73に記載の吸収性コア。
【請求項75】
第4の不織布層は、スパンバウンド不織布、組織、又は開口不織布である、請求項74に記載の吸収性コア。
【請求項76】
第3の不織布層は、二成分繊維の層を含む、請求項73に記載の吸収性コア。
【請求項77】
第3の不織布層は、嵩高化されていない不織布又は緻密化通気不織布である、請求項76に記載の吸収性コア。
【請求項78】
第2の不織布層は、第3の不織布層の二成分繊維の層の密度よりも低い密度を有する二成分繊維の層である、請求項73に記載の吸収性コア。
【請求項79】
第2の不織布層及び第3の不織布層は、密度勾配を有する単一の単位繊維層である、請求項78に記載の吸収性コア。
【請求項80】
第1の不織布層は、空気堆積不織布、組織層、スパンバウンド-メルトブローン-スパンバウンド不織布、スパンバウンド不織布、又は通気不織布である、請求項73に記載の吸収性コア。
【請求項81】
吸収性材料は、超吸収性粒子を含み、超吸収性粒子は、第2の不織布層内で離間し、第2の不織布層の繊維と混合される、請求項73に記載の吸収性コア。
【請求項82】
更に、超吸収性粒子不存在レーンを含む、請求項73に記載の吸収性コア。
【請求項83】
吸収性コアを作る方法であって、
二成分繊維を不織布層の上に堆積させて繊維ウェブを形成する段階を含み、前記二成分繊維の定着により、二成分繊維の比較的高い密度の領域を、堆積された繊維ウェブの底部のところに形成し、二成分繊維の比較的低い密度の集団を、堆積された繊維ウェブの上部のところに形成し、
更に、超吸収性粒子を前記繊維ウェブの上に堆積させる段階を含む、方法。
【請求項84】
更に、不織布層と反対側の前記繊維ウェブの上全体に第2の不織布層を付加する段階を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
不織布は、空気堆積のものであり、第2の不織布は、スパンバウンド-メルトブローン-スパンバウンドのものである、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
第2の不織布は、空気堆積のものであり、不織布は、スパンバウンド-メルトブローン-スパンバウンドのものである、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
第1の不織布と、
第2の不織布と、
吸収性材料と、
第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされた遊離繊維層と、を含み、
吸収性材料は、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされ、第1の不織布内に埋込まれ、第2の不織布内に埋込まれ、又はその組合せである、吸収性コア。
【請求項88】
遊離繊維層は、吸収性材料の2つの層の間に位置決めされる、請求項87に記載の吸収性コア。
【請求項89】
遊離繊維層の繊維が、ランダムに配向される、請求項87に記載の吸収性コア。
【請求項90】
遊離繊維層の繊維が、単一方向に沿って整列する、請求項87に記載の吸収性コア。
【請求項91】
遊離繊維層の繊維が、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、又はその組合せを含む、請求項87に記載の吸収性コア。
【請求項92】
遊離繊維層の繊維が、形状、組成、密度、質量、太さ、長さ、幅、又はその組合せが異なる繊維の混合物を含む、請求項87に記載の吸収性コア。
【請求項93】
遊離繊維層の繊維が、吸収性コアの超吸収性粒子含有レーン内に位置決めされる、請求項87に記載の吸収性コア。
【請求項94】
繊維層を有する吸収性コアを形成する方法であって、
遊離繊維を第1の不織布層の上に堆積させる段階と、
第2の不織布層を遊離繊維の上全体に付加する段階と、を含む方法。
【請求項95】
更に、吸収性材料を第1の不織布と第2の不織布層の間に位置決めする段階を含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
遊離繊維を、吸収性材料の2つの層の間に位置決めする、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
更に、超吸収性粒子を遊離繊維の上に付加して遊離繊維と混合させる段階を含む、請求項94に記載の方法。
【請求項98】
更に、遊離繊維をほぼ単一の方向に延びるように配向させる段階を含む、請求項94に記載の方法。
【請求項99】
前記配向させる段階は、遊離繊維に静電力を印加することを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
遊離繊維は、セルロース繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、又はその組合せを含む、請求項94に記載の方法。
【請求項101】
遊離繊維は、形状、組成、密度、質量、太さ、長さ、幅、又はその組合せが異なる繊維の混合物を含む、請求項94に記載の方法。
【請求項102】
遊離繊維を不織布の超吸収性粒子含有レーン内に堆積させる、請求項94に記載の方法。
【請求項103】
遊離繊維を不織布の超吸収性粒子不存在レーン内に堆積させる、請求項94に記載の方法。
【請求項104】
ニードルロール散乱器又はフロック加工を使用して、遊離繊維を不織布層の上に散乱させる、請求項94に記載の方法。
【請求項105】
更に、遊離繊維の少なくとも幾つかを、他の遊離繊維又は不織布と少なくとも結合させ、又は、その組合せを行う段階を含み、繊維ウェブをその場で形成する、請求項94に記載の方法。
【請求項106】
前記結合させる段階は、接着剤を遊離繊維、不織布、又はその組合せの上に堆積させることを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
超吸収性粒子を遊離繊維の上に堆積させた後、接着剤を堆積させる、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記結合させる段階は、熱可塑性繊維を遊離繊維内に混合させる段階と、遊離繊維を堆積させた後、遊離繊維を加熱して遊離繊維を熱溶融させる段階を含む、請求項105に記載の方法。
【請求項109】
吸収性コアであって、
第1の不織布と、
第2の不織布と、
吸収性材料層と、を含み、吸収性材料層は、第1の不織布と第2の不織布の間にあり、吸収性材料含有レーンと吸収性材料不存在レーンを含み、
エンボス加工線により、第1の不織布と第2の不織布を結合させ、
エンボス加工線は、吸収性材料不存在レーンと一致し、それにより、第1の不織布を、吸収性材料不存在レーンと一致する箇所で第2の不織布にエンボス加工する、吸収性コア。
【請求項110】
更に、第2の不織布に結合された第3の不織布を含み、
吸収性材料が、前記第2の不織布と第3の不織布の間に位置決めされる、請求項109に記載の吸収性コア。
【請求項111】
吸収性材料不存在レーンとエンボス加工線の整列により、吸収性コア内に曲げ線を定める、請求項109に記載の吸収性コア。
【請求項112】
曲げ線は、平らな形態から折畳んだ又は束ねた形態への吸収性コアの曲げを可能にする、請求項111に記載の吸収性コア。
【請求項113】
エンボス加工線は、コアの長手方向中心線と平行に延びる、請求項109に記載の吸収性コア。
【請求項114】
折畳んだ又は束ねた形態において、トラフが、コアの身体側に構成される、請求項112に記載のコア。
【請求項115】
多層吸収性コアであって、
第1の身体側不織布と、
第2の不織布と、
第1の吸収性材料層と、
第3の不織布と、
第2の吸収性材料層と、を含み、
第1の吸収性材料層は、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされ、又は、第1の身体側不織布内に埋込まれ、又は、第2の不織布内に埋込まれ、又は、それらの組合せであり、
第2の吸収性材料層は、第2の不織布と第3の不織布の間に位置決めされ、又は、第2の不織布内に埋込まれ、又は、第3の不織布内に埋込まれ、又は、それらの組合せである、多層吸収性コア。
【請求項116】
第1の身体側不織布及び第2の不織布は、通気不織布を含み、
第3の不織布は、スパンバウンド-メルトブローン-スパンバウンド不織布を含む、請求項115に記載の多層吸収性コア。
【請求項117】
更に、第4の不織布と、
第3の吸収性材料層と、を含み、
第3の吸収性材料層は、第3の不織布と第4の不織布の間に位置決めされ、又は、第3の不織布内に埋込まれ、又は、第4の不織布内に埋込まれ、又は、それらの組合せである、請求項115に記載の多層吸収性コア。
【請求項118】
更に、第5の不織布と、
第4の吸収性材料層と、を含み、
第4の吸収性材料層は、第4の不織布と第5の不織布の間に位置決めされ、又は、第4の不織布内に埋込まれ、又は、第5の不織布内に埋込まれ、又は、それらの組合せである、請求項116に記載の多層吸収性コア。
【請求項119】
前記不織布の各々は、スパンバウンド-メルトブローン-スパンバウンド不織布、通気不織布、嵩高不織布、スリット付き不織布、空気堆積不織布、嵩高化された嵩高不織布、又はスパンバウンド不織布を含む、請求項115に記載の多層吸収性コア。
【請求項120】
第1の吸収性材料層及び第2の吸収性材料層は、吸収性材料不存在レーンを含む、請求項115に記載の多層吸収性コア。
【請求項121】
第1の吸収性材料層及び第2の吸収性材料層の吸収性材料不存在レーンの位置は、多層吸収性コアの身体側からその反対側の裏側の方向に整列する、請求項120に記載の多層吸収性コア。
【請求項122】
第1の吸収性材料層及び第2の吸収性材料層内の吸収性材料不存在レーンの位置が、コアの身体側からその反対側の裏側の方向にずらして配置される、請求項120に記載の多層吸収性コア。
【請求項123】
第1の不織布、第2の不織布、及び第3の不織布のうちの少なくとも2つが、幅又は厚さが異なる、請求項115に記載の多層吸収性コア。
【請求項124】
第1の不織布及び第2の不織布は、第3の不織布よりも厚く、
第2の吸収性材料層は、第1の吸収性材料層よりも厚い、請求項123に記載の多層吸収性コア。
【請求項125】
第1の吸収性材料層は、吸収性材料含有レーンと吸収性材料不存在レーンを含む、請求項115に記載の多層吸収性コア。
【請求項126】
吸収性材料不存在レーンは、交差方向に延びる、請求項125に記載の多層吸収性コア。
【請求項127】
前記吸収性材料不存在レーンは、機械加工方向に延びる、請求項125に記載の多層吸収性コア。
【請求項128】
吸収性材料不存在レーンは、交差方向及び機械加工方向の両方に対して斜めに延びる、請求項125に記載の多層吸収性コア。
【請求項129】
吸収性材料不存在レーンは、格子パターンを形成する、請求項125に記載の多層吸収性コア。
【請求項130】
第2の吸収性材料層は、吸収性材料不存在レーンを有しない、請求項125に記載の多層吸収性コア。
【請求項131】
第2の吸収性材料層は、吸収性材料含有レーンと吸収性材料不存在レーンを含む、請求項125に記載の多層吸収性コア。
【請求項132】
第1の吸収性材料層の吸収性材料不存在レーンは、機械加工方向に延び、
第2の吸収性材料層の吸収性材料不存在レーンは、交差方向に延びる、請求項131に記載の多層吸収性コア。
【請求項133】
更に、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされた遊離繊維層を含む、請求項115に記載の多層吸収性コア。
【請求項134】
不織布のうちの少なくとも1つが、嵩高化された嵩高不織布を含む、請求項115に記載の多層吸収性コア。
【請求項135】
第2の不織布は、嵩高化された嵩高不織布である、請求項134に記載の多層吸収性コア。
【請求項136】
第2の不織布は、部分的に嵩高化され、嵩高化されたレーンと嵩高化されていないレーンを含む、請求項135に記載の多層吸収性コア。
【請求項137】
第1の吸収性材料層は、吸収性材料含有レーンと吸収性材料不存在レーンを含む、請求項136に記載の多層吸収性コア。
【請求項138】
吸収性材料含有レーンは、嵩高化レーンと一致し、吸収性材料不存在レーンは、嵩高化されていないレーンと一致する、請求項137に記載の多層吸収性コア。
【請求項139】
吸収性材料含有レーンは、嵩高化されていないレーンと一致し、吸収性材料不存在レーンは、嵩高化されたレーンと一致する、請求項137に記載の多層吸収性コア。
【請求項140】
不織布のうちの少なくとも1つが、スリット付き不織布である、請求項115に記載の多層吸収性コア。
【請求項141】
不織布のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの低毛管現象領域と、低毛管現象領域の毛管現象よりも高い毛管現象を有する少なくとも1つの高毛管現象領域とを含む、請求項115に記載の多層吸収性コア。
【請求項142】
低毛管現象領域は、複合物の中心ターゲット領域に位置決めされ、
高毛管現象領域は、低毛管現象領域の任意の側に位置決めされる、請求項141に記載の多層吸収性コア。
【請求項143】
低毛管現象領域及び高毛管現象領域を有する不織布は、身体側と反対側の多層吸収性コアの裏側にある、請求項141に記載の多層吸収性コア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、引用によって本明細書にその全体が組込まれて本発明の開示の一部をなす2018年3月22日出願の米国仮特許出願第62/646,870号(係属中)の利益を主張するものである。本出願はまた、引用によって本明細書にその全体が組込まれて本発明の開示の一部をなす2018年3月22日出願の米国仮特許出願第62/646,875号(係属中)の利益を主張するものである。本出願はまた、引用によって本明細書にその全体が組込まれて本発明の開示の一部をなす2018年3月22日出願の米国仮特許出願第62/646,880号(係属中)の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、一般的に、乳幼児おむつ、トレーニングパンツ、成人失禁製品、及び女性衛生物品などのような使い捨て吸収性物品に関する。より具体的には、本発明の開示は、改善された吸収性コア形態要素、そのような吸収性コア形態要素を利用する使い捨て吸収性物品、及びそれを作る又は製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
乳幼児おむつとして現在使用されている殆どの吸収性物品は、
図1A及び
図1Bに示す吸収性物品10と類似の構成を有する。
図1A、
図1B、及び
図1Cは、特許文献1から再現したものである。従来の吸収性物品10を
図1Aには展開された平らな位置に、
図1Bには断面図に示している。吸収性物品10は、外側流体不透過性裏面シート101と、身体側流体透過性不織布カバーストック又は上面シート102と、裏面シート101と上面シート102の間に位置決めされた吸収性構成物110とを含む。吸収性コアは、吸収性構成物110の主構成要素を提供し、体液を受入れて保持するように設計されるかつ位置決めされる。吸収性構成物110は、少なくとも1つの流体管理、流体分配、及び/又はサージ層103を含む場合もある。
【0004】
裏面シート101と上面シート102は、一緒に吸収性物品10のシャーシ又は中心本体105を形成する又は定める。中心本体105は、第1の長手方向末端縁112aと、第2の長手方向末端縁112bと、中心本体105を通って延びて第1及び第2の末端縁112a、112bを二分する長手方向中心線YYとを有することができる。左及び右側縁106a、106bが、一方の末端縁112aから他方の末端縁112bまで延びる。各末端縁112a、112bは、中心本体105の中心領域又は股領域114の横幅よりも有意に大きい横幅を有するとして一般的に特徴付けられる中心本体105の腰領域113a、113bを部分的に定める。腰領域113a、113bは、吸収性物品10がユーザの腰の周りに配置されることを可能にするように設計される。この点に関して、第1及び第2の腰領域113a、113bは、それぞれ、前部及び後部腰領域113a、113bとして説明される場合がある。従来の吸収性物品10は、後部腰領域113aの各側に取付けられた締結手段104を更に含む。締結手段104は、伸張可能であり、それによって前部腰領域113bの対応する側に締結可能である。締結手段104は、吸収性物品10をユーザの身体の周りにかつ身体上に保持することを補助する。吸収性物品10はまた、ユーザの脚の周りの閉鎖及び密封を維持するために吸収性物品10を伸縮性にするための手段107を含む。伸縮性にする手段107(例えば、脚カフ及び/又は脚カッター)は、吸収性構成物110の長手方向側縁106a及び106bに沿って位置決めすることができる。
図1Aを参照すると、従来の吸収性構成物110は、吸収性物品10の股領域114にかつその周りで中心に位置決めされている。
【0005】
現在、殆どのおむつコアは、繊維と、超吸収性粒子、具体的には木質パルプから生成されたセルロースベースの繊維及びポリアクリル酸誘導体から生成された超吸収性粒子(SAP)との混合物から作られる。本明細書に紹介する使い捨て吸収性物品での応用又はそれを用いた用途に特に適した吸収性複合物は、特許文献2に説明されている。この特許文献に開示されたタイプのSAP-不織布吸収性複合物は、おむつ製造工程にロール形態で利用可能であり、吸収性コアの設計に関して遙かに高い自由度を可能にする。それにも関わらず、吸収性材料の連続ストリーム又はウェブとして、毛羽立ったパルプ-超吸収性コアが一般的に提供されるので、より簡単で最もコスト効率的な工程は、吸収性コアがほぼ矩形の形状に維持されることを要求する。これらのコアは、典型的に、吸収性物品への組込みに向けて設計された矩形形状に形成される。コア形状、特にその幅は、ユーザの股区域に対応するおむつ内の配置を受入れる寸法に維持される。
【0006】
更に、多くの用途において吸収性コアがほぼ砂時計形状を取ることが好ましい。そのようなおむつコアは、ユーザに対してより良好なフィット性及び快適性を呈するより狭い股領域を提供するものとして当業技術で既知である。砂時計形状はまた、中心股領域の上方の領域でのおむつの吸収力及び漏出制御機能を強化するより幅広の領域をコアの長手方向端部に提供する。
図1Cは、別の従来技術使い捨て吸収性物品10’を例示している。吸収性物品10’は、吸収性コア110’が股領域114’で幅が減少するが、前部及び後部腰領域113a’、113b’でより幅広である設計を採用する。結果は、より砂時計的な形状を有する吸収性コア110’である。この望ましい砂時計形状コアを達成するために、矩形吸収性コアセクションが、吸収性材料の連続ウェブから切断され、かつ特により狭い中心領域を形成する際に更に成形される。
【0007】
当業技術で既知であるように、好ましいおむつ組立工程は、大量のパッケージ化された製品を生産する実質的に線形かつ効率的な機械誘導式工程である。使い捨てとしての消費者製品の性質、高使用頻度の品目、及び有り余る競合製品及び代替製品(例えば、再使用可能布おむつ)に起因して、最終製品の低コストを維持することは必須である。従って、製造工程の複雑さを制御し、かつ段階数及び材料廃棄を最小にすることも必須である。これは、従来の使い捨て吸収性物品に代替形状及び機能性を作り出すことを試みる者にとって技術的な課題を呈する。例えば、砂時計形状おむつコア又は一部の用途では明確に異なる吸収力の区域を有するコアは、一般的に望ましいが、追加の切断又は形成段階又は増大する材料コストは、代替設計の有効性を低下させる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許公開第2017/0224548号明細書
【特許文献2】米国特許第6,540,853号明細書
【特許文献3】米国特許第9,789,014号明細書
【特許文献4】米国特許公開第2015/0045756号明細書
【特許文献5】米国特許第8,785,715号明細書
【特許文献6】米国特許第9,757,284号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Dunstan及びWhiteの方法、J.Colloid Interface Sci.第111巻(1986年)60ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
いずれにせよ、更なる機能性及び/又は改善されたフィット性及び快適性を確実に達成する吸収性コア形態が望ましい。しかし、材料コスト及び製造の複雑さを最小にするのに注意を払わなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
幾つかの実施形態は、使い捨て吸収性物品への組込みのための吸収性コアを含む。吸収性コアは、第1の不織布と、第2の不織布と、吸収性材料とを含む。吸収性材料は、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされる、第1の不織布内に埋込まれる、第2の不織布内に埋込まれる、又はその組合せである。第2の不織布の少なくとも1つのセクションは、嵩高化された不織布を含む。
【0012】
他の実施形態は、不織布を嵩高化するためのシステムを含む。システムは、不織布供給部と、不織布供給部から不織布を受入れて不織布を嵩高化するように位置決めされた不織布マニピュレータと、不織布マニピュレータから嵩高化不織布を受入れるように位置決めされたコレクタとを含む。
【0013】
他の実施形態は、不織布を嵩高化する方法を含む。本方法は、不織布の1又は2以上の面を機械的に操作する段階、不織布の1又は2以上の面を熱的に操作する段階、又はその組合せを行う段階と、不織布よりも低い嵩密度を示し、かつ不織布よりも大きい空隙容積を示す嵩高化不織布を形成する段階とを含む。
【0014】
他の実施形態は、吸収性コアを含む。コアは、第1の不織布層と、第1の不織布層に結合した第2の不織布層と、第1の不織布層の反対側で第2の不織布層に係合した第3の不織布層と、第2の不織布層内に埋込まれた吸収性材料とを含む。
【0015】
他の実施形態は、吸収性コアを作る方法を含む。本方法は、二成分繊維を不織布層の上に堆積させる段階と、繊維のウェブを形成する段階とを含む。繊維の定着は、堆積ウェブの底部で二成分繊維のより高い密度の領域、及び堆積ウェブの上面で二成分繊維のより低い密度の集団を形成する。本方法は、繊維のウェブの上にSAPを堆積させる段階を含む。
【0016】
他の実施形態は、吸収性コアを含む。コアは、第1の不織布と、第2の不織布と、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされた、第1の不織布内に埋込まれた、第2の不織布内に埋込まれた、又はその組合せである吸収性材料と、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされた遊離繊維層とを含む。
【0017】
他の実施形態は、繊維層を有する吸収性コアを形成する方法を含む。本方法は、遊離繊維を第1の不織布層の上に堆積させる段階と、第2の不織布層を遊離繊維にわたって付加する段階とを含む。
【0018】
他の実施形態は、吸収性コアを含む。コアは、第1の不織布と、第2の不織布と、第1の不織布と第2の不織布の間の吸収性材料層とを含み、吸収性材料層は、吸収性材料含有レーン及び吸収性材料不存在レーンを含む。エンボス加工線が、第1の不織布を第2の不織布に結合する。エンボス加工線は、第1の不織布が、吸収性材料不存在レーンに対応する場所で第2の不織布にエンボス加工されるように、吸収性材料不存在レーンと一致する。
【0019】
他の実施形態は、多層吸収性コアを含む。コアは、第1の身体側不織布と、第2の不織布と、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされた、第1の不織布内に埋込まれた、第2の不織布内に埋込まれた、又はその組合せである第1の吸収性材料層と、第3の不織布と、第2の不織布と第3の不織布の間に位置決めされた、第2の不織布内に埋込まれた、第3の不織布内に埋込まれた、又はその組合せである第2の吸収性材料層とを含む。
【0020】
本発明の開示のこれらの例示の態様及び他の態様は、以下に及び/又は「発明を実施するための形態」又は添付の特許請求の範囲に識別して簡単に説明する図面を通して例示する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】本発明の開示による吸収性コア複合物を組込むのに適した従来技術の使い捨て吸収性物品の概略平面図である。
【
図1B】本発明の開示による吸収性コア複合物又は構成物を組込むのに適した従来技術の使い捨て吸収性物品の概略断面図である。
【
図1C】本発明の開示による吸収性コア複合物を組込むのに適した従来技術の使い捨て吸収性物品の概略平面図である。ち
【
図1D】本発明の開示による吸収性コア複合物を組込むことができる使い捨て吸収性物品の斜視図である。
【
図1E】平らで延ばされた状態の
図1Dの使い捨て吸収性物品の平面図である。
【
図2】上部層の一部分を取外して本発明の開示による多層吸収性コア複合物の位置を見せたおむつの平らな展開平面図である。
【
図3】上部層の一部分を取外しておむつの3部品シャーシ内の本発明の開示による多層吸収性コア複合物の位置を見せたおむつの平らな展開平面図である。
【
図4】本発明の開示による使い捨て吸収性コア複合物への組込みに適した本発明の開示による多層吸収性コア複合物の分解斜視図である。
【
図4A】2つの吸収性コア材料層を含む本発明の開示による多層コア複合物又は構成物の概略断面図である。
【
図4B】3つの吸収性コア材料層を含む本発明の開示による多層コア複合物又は構成物の概略断面図である。
【
図4C】4つの吸収性コア材料層を含み且つ各吸収性コア材料層が不織布層の下にある本発明の開示による多層コア複合物又は構成物の概略断面図である。
【
図4D】変化する寸法の複数の材料層を含む多層コア複合物又は構成物の断面図である。
【
図4E】変化する寸法(厚さ及び深さを含む)の複数の材料層を含む多層コア複合物又は構成物の断面図である。
【
図4F】変化する寸法(変化する厚さ、幅、及び/又は深さを含む)の複数の材料層を含む多層コア複合物又は構成物の断面図である。
【
図4G】変化する寸法(変化する厚さ、幅、及び/又は深さを含む)の複数の材料層と吸収性材料不存在ゾーン又はレーンを特徴とする吸収性材料層とを含む多層コア複合物又は構成物の断面図である。
【
図4H】変化する寸法(変化する厚さ、幅、及び/又は深さを含む)の複数の材料層と吸収性材料不存在ゾーン又はレーンを特徴とする吸収性材料層とを含む多層コア複合物又は構成物の断面図である。
【
図4I】変化する寸法(変化する厚さ、幅、及び/又は深さを含む)の複数の材料層と吸収性材料不存在ゾーン又はレーンを特徴とする吸収性材料層とを含む多層コア複合物又は構成物の断面図である。
【
図4J】機械加工方向の吸収性材料不存在レーンを有する吸収性材料層を含む多層吸収性コア複合物又は構成物の分解斜視図である。
【
図4K】吸収性コア複合物又は構成物内で及び/又はそれを通して変化する流体流れ及び保持特性を提供する変化する含有量、坪量、及び配置の層を有する吸収性コア複合物又は構成物の断面図である。
【
図4L】吸収性コア複合物又は構成物内で及び/又はそれを通して変化する流体流れ及び保持特性を提供する変化する含有量、坪量、及び配置の層を有する吸収性コア複合物又は構成物の断面図である。
【
図4M】吸収性コア複合物又は構成物内で及び/又はそれを通して変化する流体流れ及び保持特性を提供する変化する含有量、坪量、及び配置の層を有する吸収性コア複合物又は構成物の断面図である。
【
図5】本発明の開示による吸収性コア複合物又は構成物を作るためのシステム及び工程の概略図である。
【
図6A】複数の吸収性コア材料層を有する、使い捨て吸収性コア複合物への組込みに適した多層吸収性コア複合物又は構成物の分解斜視図である。
【
図6B】1又は2以上の吸収性材料不存在領域を特徴とする少なくとも1つの吸収性コア材料層を有する、使い捨て吸収性コア複合物への組込みに適した多層吸収性コア複合物又は構成物の分解斜視図である。
【
図7A】材料不存在ゾーンを特徴とする不連続吸収性材料層の平面図である。
【
図7B】材料不存在ゾーンを特徴とする不連続吸収性材料層の平面図である。
【
図7C】材料不存在ゾーンを特徴とする不連続吸収性材料層の平面図である。
【
図7D】材料不存在ゾーンを特徴とする不連続吸収性材料層の平面図である。
【
図7E】材料不存在ゾーンを特徴とする不連続吸収性材料層の平面図である。
【
図7F】材料不存在ゾーンを特徴とする不連続吸収性材料層の平面図である。
【
図7G】材料不存在ゾーンを特徴とする不連続吸収性材料層の平面図である。
【
図8】交差方向(交差方向)のSAP不存在レーンを上側吸収性材料層に有し且つ機械加工方向(機械加工方向)のSAP不存在レーンを下側吸収性材料層に有する吸収性コア複合物又は構成物の分解斜視図である。
【
図9】SAP不存在レーンと整列したエンボス加工線を有する吸収性コア複合物又は構成物の分解斜視図である。
【
図9A】SAP不存在レーンと整列したエンボス加工線を有する吸収性コア複合物又は構成物の平らな形態における正面図である。
【
図9B】SAP不存在レーンと整列したエンボス加工線を有する吸収性コア複合物又は構成物の折畳み形態における正面図である。
【
図10】使い捨て吸収性コア複合物への組込みに適した交差方向の吸収性材料不存在レーンを特徴とする吸収性材料層に整列されて、それに隣接して、かつその下流に位置決めされたスリット付き不織布層を含む多層吸収性コア複合物又は構成物の分解斜視図である。
【
図11】吸収性材料不存在ゾーンを特徴とする吸収性材料層を付加するためのシステム及び工程の概略斜視図である。
【
図12】吸収性材料不存在ゾーンを特徴とする吸収性材料層を付加するためのシステム及び工程の別の概略斜視図である。
【
図13A】遊離繊維層を含む多層吸収性コア複合物又は構成物の正面図である。
【
図13B】遊離繊維層を含む多層吸収性コア複合物又は構成物の正面図である。
【
図13C】遊離繊維層を含む多層吸収性コア複合物又は構成物の正面図である。
【
図14A】遊離繊維層を提供するためのシステム及び工程の概略図である。
【
図15C】嵩高化の前と後の嵩高不織布の写真である。
【
図16A】SAPの有無によりセクション毎に嵩高化された嵩高不織布の断面図である。
【
図16B】SAPの有無によりセクション毎に嵩高化された嵩高不織布の断面図である。
【
図16C】SAPの有無によりセクション毎に嵩高化された嵩高不織布の断面図である。
【
図16D】SAPの有無によりセクション毎に嵩高化された嵩高不織布の断面図である。
【
図17】嵩高化された嵩高不織布層を含む多層吸収性コア複合物又は構成物の分解斜視図である。
【
図18A】本発明の開示による吸収性コア複合物又は構成物の一例の断面図である。
【
図18B】本発明の開示による吸収性コア複合物又は構成物の一例の断面図である。
【
図18C】本発明の開示による吸収性コア複合物又は構成物の一例の断面図である。
【
図18D】本発明の開示による吸収性コア複合物又は構成物の一例の断面図である。
【
図18E】本発明の開示による吸収性コア複合物又は構成物の一例の断面図である。
【
図18F】本発明の開示による吸収性コア複合物又は構成物の一例の断面図である。
【
図19A】嵩高化された嵩高不織布を含む吸収性コア複合物又は構成物の断面図である。
【
図19B】嵩高化された嵩高不織布を含む吸収性コア複合物又は構成物の断面図である。
【
図20】本発明の開示による不織布基材を嵩高化するためのシステム及び工程の概略図である。
【
図20A】不織布基材を嵩高化する際に使用するのに適したブラシの一例の概略図である。
【
図20B】不織布基材を嵩高化する際に使用するのに適したブラシの一例の概略図である。
【
図20C】不織布基材を嵩高化する際に使用するのに適したブラシの一例の概略図である。
【
図20D】不織布基材を嵩高化する際に使用するのに適したブラシの一例の概略図である。
【
図21】ブラシを含む例示の嵩高化システムの写真である。
【
図22A】本明細書に説明する嵩高化実施例中に収集されたデータを示す棒グラフである。
【
図22B】本明細書に説明する嵩高化実施例中に収集されたデータを示す棒グラフである。
【
図22C】本明細書に説明する嵩高化実施例の間に撮影された嵩高化の前の繊維の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
【
図22D】本明細書に説明する嵩高化実施例中の間に撮影された嵩高化の後の繊維の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
【
図23】熱的操作及び機械的操作の両方を含む不織布基材を嵩高化するためのシステム及び工程の概略図である。
【
図23A】不織布基材を嵩高化するためのシステム及び工程の概略図である。
【
図23B】不織布基材を嵩高化するためのシステム及び工程の概略図である。
【
図23C】不織布基材を嵩高化するためのシステム及び工程の概略図である。
【
図23D】不織布基材を嵩高化するためのシステム及び工程の概略図である。
【
図23E】不織布基材を嵩高化するためのシステム及び工程の概略図である。
【
図24】嵩高化を導入することができる場所を示す本発明の開示による多層吸収性コア複合物又は構成物を作るためのシステム及び工程の概略図である。
【
図25】本発明の開示のある側面による吸収性コア複合物又は構成物の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の開示は、一般的に、乳幼児おむつ、トレーニングパンツ、成人失禁製品、及び女性衛生物品のような使い捨て吸収性物品を提供する。より具体的には、本発明の開示は、改善された吸収性コア形態要素、そのような吸収性コア形態要素を利用する使い捨て吸収性物品、及びそれを作る又は製造する方法を規定する。
【0023】
本発明の開示の或る実施形態は、特に、従来の使い捨て吸収性物品に容易に適合し、ユーザに対する快適性及びフィット性を維持する吸収性コア形態を完成させることに関する。そのような吸収性コア形態及びそれを採用する使い捨て吸収性物品は、追加の段階及び材料廃棄物によって製造工程に過重な負担を掛けることなく容易に大量に作ることができる。この点に関して、本発明の開示は、より有用かつ柔軟なコア形態要素又は要素を提供かつ提示し、これらの構成要素を高度に有効なおむつ及びトレーニングパンツの中に組込むことによって改善された砂時計形状又はほぼ砂時計形状のコア構成物を提供する。
【0024】
一実施形態では、第1の長手方向末端縁を含む第1の腰末端領域と、腰末端領域から長手方向に離間し、かつ第2の長手方向末端縁を含む第2の腰末端領域と、その間に位置決めされた股領域とを定める中心本体を有する使い捨て吸収性物品を提供する。吸収性コア複合物は、末端縁の間に位置し、かつ少なくとも1つの不織布層と少なくとも1つの吸収性材料層とを含み、選択的に少なくとも1つの遊離繊維層を含む。幾つかの側面では、吸収性コア複合物の各不織布層は、スリット付き不織布、嵩高不織布(例えば、通気不織布)、又は嵩高化不織布(完全に又はセクション毎に嵩高化された)である。吸収性材料層は、SAP不存在レーンとSAP含有レーンを含む場合がある。
【0025】
或る実施形態では、本明細書に開示する吸収性コア複合物の構成要素の位置は、流体流れ、流体吸収、及び流体分配特性及び機能のような望ましい流体ハンドリング特性及び機能を吸収性コア複合物に与えるように配置される。吸収性コア複合物内での不織布層及び吸収性材料層、各それぞれの不織布層又は吸収性材料層内のセクション、並びに別の層内のセクションに対する1つの層内のセクションの絶対位置及び相対位置は、そのような望ましい流体ハンドリング特性及び機能を与えるように配置することができる。不織布(NW)、嵩高不織布(BNW)、嵩高化された嵩高不織布(BBNW)、スリット付きNW、SAP含有層、SAP含有レーン、及びSAP不存在レーンの位置は、吸収性コア複合物内に選択的に配置することができる。本明細書に開示する様々な層の各々及びその配置は、本発明の開示による様々な吸収性コア複合物を形成するように様々な組合せに組合せることができる。本明細書に開示する吸収性コア複合物は、(1)様々な層の中でも様々な厚さ、幅、長さ、SAP含有量、及びSAP分散を有する1又は2以上の不織布層(例えば、
図4及び
図4A~
図4Sに示してこれらの図を参照して説明するもの)、(2)SAP不存在レーンを有する又は有しない1又は2以上の吸収性材料層(例えば、
図6Aから
図9に示してこれらの図を参照して説明するもの)、(3)スリットを有する1又は2以上の不織布層(例えば、
図10に示してこの図を参照して説明するもの)、(4)1又は2以上の遊離繊維層(例えば、
図13A~
図13Cに示してこれらの図を参照して説明するもの)、(5)完全に又はセクション毎のいずれかで嵩高化された1又は2以上の不織布層(例えば、
図15A~
図19Bに示してこれらの図を参照して説明するもの)、(6)高密度及び/又は低密度の二成分繊維層を含む1又は2以上の二成分繊維層(例えば、
図25及び
図26に示すもの)、(7)1又は2以上の空気堆積層(例えば、
図25及び
図26に示すもの)、又は(8)その任意の組合せを含むことができる。いずれのそのような吸収性コア複合物も、
図1Aから
図1Fに示してこれらの図を参照して説明するような吸収性物品の中に組込むことができる。
【0026】
幾つかの実施形態は、本明細書に開示する任意の吸収性コア複合物又は物品を形成するためのシステム及び/又は工程に関する。そのようなシステム及び/又は工程は、(1)
図5に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、(2)
図11に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、(3)
図12に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、(4)
図14に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、(5)
図20に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、(6)
図20A~
図20Cに示す装置の任意の特徴のうちの1又は2以上、(7)
図21に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、(8)
図23に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、(9)
図23A~
図23Eに示す任意又は全てのシステムの特徴のうちの1又は2以上、(10)
図24に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、又は(11)その任意の組合せを組込むことができる。
【0027】
本明細書に説明する吸収性コア複合物は、他の点では平坦でそれほど空隙容積を持たないコアからの高いロフト性(快適性及びより軟らかい領域を促進する)及び大きい空隙空間を有することができる。増加した空隙空間又は空隙容積は、一時的な流体保持空間及び流体搬送空間を与えるように機能する。そのような空間は、超吸収性物質が活性化して流体を吸収するのに要する時間(数秒)中に流体が境界内で一時的に滞留するための場所を与える。そのような空隙又は空間は、流体を流通させ、流体分泌物の分散を容易にするように作用する。
【0028】
本発明の開示の様々な概念及び実施形態の有利な用途は、乳幼児おむつに関するものである。この理由から、本明細書に提供する例示の説明の殆どがおむつに向けられる。本発明の開示は、当然ながらおむつ以外の用途に拡張される。
【0029】
おむつ
図1Dは、吸収性複合物を具現化する使い捨て吸収性物品の斜視図であり、
図1Eは、平らで延ばされた状態の
図1Dの使い捨て吸収性物品の平面図であり、
図1Fは、
図1Dの使い捨て物品の分解図である。
図1D~
図1Fを参照すると、おむつ10の形態をなす使い捨て吸収性物品が示されている。おむつ10は、上面シート50と、裏面シート60と、吸収性コア46とを含む。おむつ10は、長手方向に沿って延び、着用者の臀部に適合するように伸縮性にされた直立する障壁カフ34を含む。これに加えて、おむつ10は、弾性バンド52と締結要素26を含む。締結要素26は、使用時に着用者の周りにおむつ10を固定させるようにおむつ10の対応する反対端まで延びてそれに係合する。
図1Eに示すウェブ構造は、使い捨ておむつ10を仕上がり形態又は最終形態に形成するために実質的に切り取る、折畳む、密封する、溶着する、及び/又は別途操作することができる。おむつ10の説明を容易にするために、本説明は、長手方向に延びる軸線A-A、横方向に延びる中心軸線B-B、長手方向に延びる1対の側縁90、及びこれらの側縁90の間を延びる末端縁92を参照する。おむつ10は、長手方向軸線A-Aに沿って第1の末端領域又は前部腰領域12と、第2の末端領域又は背部腰領域14と、これらの領域の間に位置決めされた股領域16とを含む。前部及び背部腰領域12、14の各々は、中心本体部分20の任意の側に配置され、側縁90から横方向に延びる1対の耳領域又は耳部18によって特徴付けられる。おむつ10の背部腰領域14に沿って耳部18の各々に締結構造26(例えば、従来のテープ締結具)が固定される。おむつ10が腰の周りに着用された時に、前部腰領域12は、着用者の前部腰区域に隣接するようにフィットされ、背部腰領域14は、背部腰区域に隣接するようにフィットされ、股領域16は、股区域の周り及び下にフィットする。おむつ10を着用者に適正に固定させるために、背部腰領域14の耳部18が着用者の腰の周りにかつ前部に向けてもたらされ、前部腰領域12の耳部18との整列状態に入れられる。固定面は、前部腰領域12の内面又は外面上に位置付けるか又はこれらの面によって提供することができる。これに代えて、締結具26は、前部腰領域12の耳部18上に配置され、背部腰領域14の耳部18に固定可能にすることができる。カフ34を1又は2以上の離間された長手方向弾性部材38と共に装備することができる。これらのおむつ要素又はこれらの要素の組合せのうちのいずれも、本明細書に開示する任意の吸収性コア複合物によって又はいずれかを用いて組立てることができることを以下に示している。更に、性能を改善するために獲得層48を追加することができる。
【0030】
本発明の開示は、ある意味では、吸収性物品の快適性及びフィット性を維持又は改善し、同時にコア及び吸収性物品の吸収力及び密封機能も維持及び改善する代替吸収性コア設計を開発及び利用することに関する。本発明の開示の様々な実施形態は、得られる使い捨て吸収性物品のコスト効率及び製造可能性を維持しながら市販の吸収性材料の選択的な配置及び成形に特定の重点を置く。一態様では、或る機能性及び効率をもたらすための長手方向及び/又は横方向に沿う吸収性材料の選択的な配置及び変化(すなわち、吸収性プロファイル)に重点を向ける。選択される吸収性プロファイルは、得られるコア構成物内に単位面積毎の有利又は最適な吸収性又は吸収機能(本明細書では時として「吸収性密度」又は「吸収密度」と称する)を示す領域又は広がりを与える。上記で簡単に言及したように、本発明の開示の様々な態様は、特に乳幼児おむつに(更にトレーニングパンツにも)適用可能である。この理由から、本明細書での説明及び例示の多くの部分は、おむつの状況で示している。しかし、本発明の開示及びその様々な態様が他の使い捨て吸収性物品及び吸収性コア構成物にも適用可能であることは、本発明の開示が与えられた当業者に明らかになるであろう。従って、本発明の実施形態の詳細説明及び例示は、本発明の開示を限定するものと解釈すべきではない。
【0031】
図2及び
図3は、おむつの形態をなし、改善された吸収性コア構成物210を含む本発明の様々な態様を具現化する使い捨て吸収性物品20を示している。吸収性物品20は、裏面シート201(又は
図3では201a及び201b)と、
図2及び
図3では吸収性コア構成物210を見せるために殆どが取り除かれた状態に示す上面シート202とを有する。裏面シート201と上面シート202の組合せは、一緒に、吸収性物品20のシャーシ又は中心本体205を定めることを補助する。更に、中心本体205は、第1の長手方向末端縁212a(又は簡潔に第1の末端縁212a)を含む第1の腰末端領域213aと、第2の長手方向末端縁212b(又は第2の末端縁)を含む第2の腰末端領域213bと、中心本体205の長さを延びて第1の末端縁212a及び第2の末端縁212bを二分する長手方向中心線YYとを提供する。腰領域213a、213bは、吸収性物品20の各部分と、吸収性物品20が着用された時にユーザの太腿の上方でかつその周りにほぼ垂直に位置決めされる中心本体205とによって識別することができる。
【0032】
中心本体205は、第1の腰領域213aと第2の腰領域213bの間でかつ横方向中心線XXに関してほぼ中心に配置された股領域214を少なくとも部分的に定める。消費者にも製造業者にも同じく容易に既知であるように、股領域214の殆どはほぼ水平に位置決めされ、及び/又は物品20が使用状態にある時に上向きに湾曲する。吸収性コア構成物210は、裏面シート201と上面シート202の間で股領域214を中心とし、かつ支持することができる。そのような配置では、吸収性コア構成物210は、吸収性物品20が使用状態にある時に分泌体液を受入れるのにほぼ最適な位置に置かれる。本明細書では、吸収性コア構成物210を中心本体205の第1の端部212a及び第2の端部212bそれぞれから長手方向に離間した第1の長手方向端部207a(又は簡潔に第1の端部207a)と第2の長手方向端部207b(又は第2の端部207b)とを有するものとしても説明する。幾つかの実施形態では、吸収性コア構成物210の第1及び第2の端部207a、207bは、例えば、縁部、線、又は点として明確に定められない場合がある。そのような実施形態では、第1及び第2の端部という用語は、横方向中心線XXから長手方向に沿って最も遠くに離間した吸収性構成物又は吸収性コアの縁部をほぼ識別するのに使用する。他の実施形態では、第1及び第2の端部は、1つのコア形態要素又は要素によってではなく、複数の構成要素又は要素によって定めることができる。
【0033】
説明及び例示を容易にするために、多くの場合に、吸収性コア構成物210は、
図2及び
図3に示すように吸収性材料の層のみのものとして例示及び説明する。従って、本明細書では、吸収性コア構成物210は、簡潔に吸収性コア210と称する。本発明の開示の様々な実施形態の説明によって更に明らかなように、吸収性コア210は、有意に改善した吸収性特性を有する1よりも多い個々に付加されたコア形態要素又は吸収性コア要素で構成することができる。吸収性コア210は、不織材料、吸収性繊維、及び/又は超吸収性粒子の様々な人手の組合せから組立てることができる。吸収性コアは、その特定の全体的な設計又は機能をもたらすような特性又は特質(例えば、吸収性特性)を有することができる。この「発明を実施するための形態」に説明する他の実施形態に例示するように、吸収性コアは、非常に異なる形状及び構成を取ることができる。
【0034】
コア要素の形状は、真空形成技術、回転ダイを用いた切断、及び水噴射デバイスを用いた切断を含む任意の数の適切な手段によって形成及び適用することができる。
図3を参照すると、吸収性コア要素210の幅が第1の端部217aを定める。吸収性物品20上に付加される時に、各形状の吸収性コア210は、吸収性物品20の長手方向中心線YYとの整列(一致)状態で位置決めすることができ、端部217aは、中心本体205の腰領域213の一方の近くに配置される。吸収性コア210は、股領域214の中心に位置決めされる。
【0035】
図2を参照すると、吸収性コア210は、股領域214内で横方向中心線XXの近くに位置決めされた狭い中間セクション又は中心領域(図示せず)を有することができる。中心領域のこの狭窄化は、改善されたユーザ快適性、並びに吸収性物品20の脚密封構成要素との適合性を意味する。吸収力に対する最も高い必要性を有する吸収性コア210の部分内により高い又は大きい吸収力を与え、主吸収性領域250を形成するために、単位面積毎に多めの量の吸収性材料が狭めの中心領域に存在することが可能である。得られる吸収性コア210は、股領域214から前部及び後部の長手方向端部207a、207b(すなわち、上側吸収性領域)に向けて上向きに広がることが可能である(図示せず)。コア材料のこの大きい広がりは、吸収性コア210のこれらの上側領域内の吸収性有効範囲を増大させる。超過のコア材料も、物品20の腰領域213を密封し、そこからの漏出を防止することを補助する。
【0036】
図3を参照すると、本説明を容易にするために、吸収性コア20を狭い中心領域又は中間セクションM0と、中間セクションM0の両側にある1対の末端領域E1、E2とを有するものとして説明することができる。これらの領域の場所又は境界は、概略的にしか定めない(本説明の目的では)。様々な実施形態では、実質的に中心領域M0内に主吸収性領域250を置くことができるが、主吸収性領域250は、末端領域E1、E2の中に長手方向に延びることができる。末端領域E1、E2は、吸収性物品20が使用状態にある時にほぼ中間セクションM0の上方に位置決めされるので、これらの末端領域を上側吸収性領域と称する場合もある。
【0037】
幾つかの実施形態では、吸収性物品20内で一方の腰末端領域213aから他方の腰末端領域213bに長手方向中心線YYに沿って吸収性材料の濃度が増大又は低下する。従って、一端212aから他端212bへの物品20の長手方向吸収力プロファイルが変化することが可能である。従って、吸収性構成物は、中心本体205上の指定方向に沿って又は指定場所で吸収力(単位面積(例えば、平方インチ)当たりの又は吸収性密度)の有意な変化を有することができる。上述のように、吸収性材料のより高い濃度は、吸収性物品20の股領域214に高い吸収力を与える。吸収性物品20は、コア210の末端領域E1、E2によって与えられる単位面積当たりの吸収力を腰領域213a、213bの近くで示すことができるが、この吸収力は、主吸収性領域250を特徴付けるものから大きく低下したものとすることができる。それにも関わらず、吸収性コア210は、物品20の吸収性有効範囲を拡大及び延長するために腰領域213a、213bの中に十分に上向きに延びることができる。吸収性コア210を超えると、使い捨て吸収性物品20の吸収力(及び単位面積当たりの吸収力)は予想通りに降下する。
【0038】
本明細書に提供する説明では、吸収性コアは、プロファイル形成されたコアとして説明することができる。この関連で、本説明は、吸収性物品に対して中心本体上の特定の方向に沿って又は指定場所で与えられる変化する吸収力に関する。変化する吸収力は、得られる吸収性コアの変化する物理的輪郭も意味し、それを吸収性コアプロファイルによって例示する。一部の用途では、実質的に類似の吸収性特性のコア材料の代わりに又はそれに加えて、様々な吸収性特性のコア材料を使用することによって吸収性密度の変化をもたらすことができることに注意しなければならない。
【0039】
本明細書に提供する様々な構成を開発する際に、吸収性材料の最適使用が重要な設計要件である。多くの場合に、物品内で高い吸収力をもたらすことと低い材料コストを維持することとの間で均衡が衝突する。これは、塊を形成すること又は塊が構成要素をユーザの皮膚に衝突させ、それによってユーザの快適性を損なうことを防止するように使用に対する制御及び吸収性材料の濃度に対する制御を必要とする。注意を払わなければ、不規則なコアプロファイルが、着用時の吸収性コアの形状に悪影響を及ぼし、物品の漏出防止機構(例えば、伸縮性の脚カフ及び脚ギャザー)への応力の印加に至る可能性もある。従って、コスト要件を別にして、本提案の吸収性プロファイルは、単純に可能な限り多くの吸収性材料を敷くことの結果ではない。
【0040】
上記で議論したように、設計要件は、製造可能性及び組立て易さのものであった。非常に多くの場合に、これらの属性は、得られる製品のコスト効率、並びに高い構成物品質を意味する。この点に関して、本発明の開示は、製造可能性を犠牲にすることなく又は製造可能性に負担を課することなく特定の吸収性特性及び/又は特定の形状をもたらす構成を含む改善された製品設計を完成させる。これらの目的をもたらすことを補助する本発明の開示の1つの特徴は、不規則な形状(例えば、非矩形)を含む様々なコア形状及び様々な吸収性プロファイルを生成する上での実質的に等しい複数のコア要素の使用である。コア要素の選択は、設計及び製造の柔軟性も与える。
【0041】
一例として、吸収性コア複合物及びその構成層の構成及び選択は、吸収性物品20の製造業者がコア210の位置及びサイズを調節することによって吸収性コア210及び使い捨て吸収性物品20の形状を容易に変更又は微調整することを可能にする。このようにして、吸収性コア210の全長は、異なるサイズの吸収性物品を受入れるように調節することができる。そのような線形調節は、吸収性コアの実質的に線形の組立工程において容易に加えることができる。更に、この調節は、主吸収性領域を拡大又は縮小することを含む望ましい横又は長手方向吸収性プロファイルをもたらすことを可能にする。製造業者は、個々の吸収性コア要素の長さ及び幅を調節することによってコアの吸収性プロファイル及び全体寸法に更に別の修正を加えることができる。
【0042】
定義
本発明の開示の様々な態様の本説明の目的に対して、「吸収性コア複合物又は構成物」は、吸収性材料で構成又は占有された1又は2以上のセクション又は構成要素を含む複数の構成要素又はセクションの密接配置を指す。「複合物」という用語の場合と同様に、「構成物」という用語は、ある意味では、一緒に吸収性本体又はその一部分を定める複数のセクション又は構成要素のそのような密接配置を指す。そのような吸収性本体は、使い捨て吸収性物品又は使い捨て吸収性衣類の中に組込まれ、物品のための吸収性コアを形成するのがよい。幾つかのおむつ適用例又はトレーニングパンツ適用例では、カバー層(例えば、不織布又は不織組織)は、吸収性コアを包む又はその上に横たわるのがよい(また、このカバー層は、物品の吸収性コアを定める際に含まれてもよい)。更に、吸収性物品は、1又は2以上の不透過性裏面シート、1又は2以上の上面シート、1又は2以上の獲得分配層(ADL)、及び/又は吸収性コアの周りにあるか又はそれに隣接する1又は2以上の組織層を備えていてもよい。本明細書に開示する「吸収性コア複合物」は、少なくとも1つの不織布層と少なくとも1つの吸収性材料層とを含む。本明細書では「吸収性コア複合物」を「吸収性コア」、「吸収性複合物」、「コア複合物」、「吸収性コア構成物」、「コア構成物」、「コア」、又は「吸収性コア複合物又は構成物」とも称する。
【0043】
本明細書に使用する場合に、「NW」は不織布を指す。本明細書に開示する吸収性コア複合物の任意の各不織布層は、嵩高化が施されたものを含むがこれに限定されず、通気不織布等の嵩高不織布(ハイロフト不織布とも称する)であるのがよい。本明細書に開示する不織布層の少なくとも幾つかは、メルトブローン(meltblown)(溶融ブロー成形)不織布、スパンバウンド(spunbound)(紡糸結合)不織布、又はその任意の組合せ(例えば、スパンバウンド-メルトブローン-スパンバウンド(SMS)不織布)であるのがよい。本明細書に開示する不織布は、空気堆積不織布であってもよい。更に、本明細書に開示する各不織布層は、合成不織布とは対照的なセルロースベースの(紙の)不織布である「組織」又は「組織層」であってもよい。本明細書に開示する不織布の任意の繊維は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、他のポリオレフィン、これらのコポリマー、及び二成分繊維を含むその任意の組合せからなる繊維を含むがこれらに限定されない。繊維は、それらが親水性を有するように繊維の表面張力を修正するために表面活性剤、界面活性剤で処理されてもよい。幾つかの側面では、本明細書に開示する吸収性コア複合物に使用されるNW層は、布の孔サイズ、布の繊維濡れ性、又はその組合せに基づいて選択される。
【0044】
本明細書に使用する場合に、嵩高不織布を含む不織布の密度は、密度(ρ)=質量(m)/容積(v)=質量/(長さ(l)×幅(w)×厚さ(t))という式1に従って決定される。国際不織布及び使い捨て用品協会(International Nonwovens and Disposables Association)(INDA)及び欧州使い捨て用品及び不織布協会(European Disposables and Nonwovens Association)(EDANA)は、密度のための特定の方法を含まないが、当業者が式1を用いて密度値に至ることを可能にする試験法を提供している。INDA及びEDANAによって示されている試験法NWSP120.2.R0(15)は、ハイロフト不織布とも称する嵩高不織布の厚さ(t)を測定するための手段を提供する。INDA及びEDANAによって示されている試験法NWSP130.1.R0(15)は、単位面積当たりの質量又は坪量(bw)を測定するための手段を与える。嵩高不織布の厚さと単位面積当たりの質量とがNWSP120.2. R0(15)とNWSP130.1.R0(15)とに従って決定されると、密度は、次の式1~式3のように決定することができ、式1は、密度(ρ)=m/v=m/(l×w×t)、式2は、単位面積当たりの質量(bw)=m/(l×w)、式3は、ρ=bw/tである。
【0045】
本明細書に使用する場合に、「BNW」は「嵩高不織布」を指す。嵩高不織布は、低から中の坪量では、非嵩高不織布よりも厚い。通気不織布は、嵩高不織布の一種であり、繊維を熱結合するために高温空気をカード不織布の中に通す不織布生産のための製造方法を表している。他の嵩高不織布の種類は、樹脂結合不織布及び他のカード不織布を含む。本明細書で言及する「嵩高不織布」は、親水性であるが非吸収性の繊維の切開繊維網又はウェブであり、それを形成することができる。更に、本明細書に使用する場合に、嵩高不織布は、100μmと10,000μmの間(好ましくは、1,000μmから5,000μmまで)の厚さ、15g/m2と200g/m2の間(好ましくは、20g/m2と80g/m2の間)の坪量、及び0.01g/cm2と0.3g/cm2の間(好ましくは、0.01~0.08g/cm2の間)の密度を有する繊維ウェブ材料である。更に、嵩高不織布は、300μmから2000μmの間の有効孔径を有する。有効孔径は、非特許文献1のDunstan及びWhiteの方法に従ってウェブ密度、繊維径、及び繊維密度値から推定され、この場合に、有効孔径=4×(1-固体容積画分)/(固体容積画分×固体密度×固体比表面積)が成り立つ。
【0046】
本明細書に使用する場合に、「嵩高化」は、嵩高化前の不織布の嵩密度及び空隙容積(不織布ウェブの多孔率)に対する不織布の嵩密度の減少と空隙容積及び比容積(すなわち、密度の逆数)の増加とをもたらす処理及び/又は工程を指す。本明細書では、「嵩高化」を施した後のそのような不織布を時として「嵩高化後の不織布」と称する。
【0047】
本明細書に使用する場合に、「BBNW」は、不織布を指し、選択的には、少なくとも部分的に嵩高化された嵩高不織布を指す。
【0048】
本明細書に開示する不織布のいずれも、吸収性コア複合物の上面シート又はカバー層、吸収性複合物のベース層、基材、又は裏面シート、及び吸収性コア複合物の中間層(上面シートと裏面シートの間に位置決めされた)、又はその任意の組合せを形成することができる。
【0049】
本明細書に使用する場合に、「不織布基材」は、少なくとも幾つかの吸収性材料を、上に及び/又は中に支持する本明細書に開示する任意の不織布を指す。
【0050】
本明細書に使用する場合に、「SAP不存在」及び「吸収性材料不存在」は、不織布基材上で吸収性材料を欠く面区域を指す。
【0051】
本明細書に使用する場合に、「吸収性層」、「吸収性材料層」、及び「AML」は、少なくとも幾つかの液体を吸収及び保持する機能を有する少なくとも1つの吸収性材料からなるコアの層を指す。本明細書に開示する吸収性材料のいずれも、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリラート、グラフト澱粉のうちのいずれか、又は架橋ナトリウムポリアクリラートで構成することができるSAP(高吸収性ポリマー又は超吸収性ポリマー)とすることができ、又はこれらの吸収性材料のいずれもSAPを含むことができる。本明細書では粒子として説明するが、SAPは、粒子、繊維、発泡体、ウェブ、球、規則的又は不規則な形状の凝塊、及び膜の形態にあるとすることができる。幾つかの側面では、SAPは、離解木質パルプ又は類似の材料とすることができる吸収性母材と結合される。他の態様では、SAPと吸収性コア複合物は、全体的に吸収性母材を欠く。幾つかの側面では、複数のSAP粒子の少なくとも1つの集合が、少なくとも1つの他の粒子と混合される。そのような他の非SAP粒子は、ホットメルト接着性粒子、結合剤粒子、スペーサ粒子、又は他の粒子を含むことができるがこれらに限定されない。「SAP」は、本発明の開示に示す及び/又は説明する特定の実施形態のうちの多くのものにおいて吸収性材料を指すのに使用するが、いずれのそのような実施形態での「SAP」も他の吸収性材料で置換することができることは理解される。例えば、本明細書に開示する「SAP不存在レーン」は、「吸収性材料不存在レーン」とすることができる。幾つかの側面では、本明細書に使用する吸収性材料は、ゲル床透過性、吸収速度(渦)、吸収容量(CRC)、及び粒子サイズを含む固有の超吸収性特性に基づいて選択される。
【0052】
本明細書に使用する場合に、「身体側」又は「身体の側」は、吸収性コア複合物がユーザによって着用されている時(例えば、吸収性コア複合物が、ユーザによって着用されているおむつ又は他の吸収性物品の中に組込まれている時)にユーザの身体に対面する面及び/又は側を指す。
【0053】
本明細書に使用する場合に、工程段階に関する「上流」は、工程内で別の段階の時間的に前に発生する段階を指す。例えば、不織布が嵩高化され、次いで、嵩高化された不織布にSAPが付加される工程では、嵩高化段階は、SAP付加段階の「上流」にあると以下に説明する。
【0054】
本明細書に使用する場合に、吸収性コア複合物内での流体流れに関する「上流」は、流体の流れ経路に沿う空間的及び/又は時間的な位置を指す。例えば、浸潤液が最初に不織布層の嵩高化された領域を貫流し、次いで、吸収性層のSAP含有レーンの中に流れ込む場合に、不織布層の嵩高化された領域は、少なくともこの特定の流れ経路に関して吸収性層のSAP含有レーンの「上流」にあると以下に説明する。
【0055】
多層コア
本発明の開示の或る実施形態は、1又は2以上の不織布層と1又は2以上の吸収性層とを含む多層吸収性コアを含む。そのような幾つかの実施形態では、多層吸収性コアは、変化する長さ、幅、厚さ、坪量、SAP充填率、材料組成、密度、SAP不存在レーンの有無、濡れ性、毛管現象、SAP透過性、SAP吸収速度、SAP吸収容量、NW空隙容積、NW毛管現象、及び/又はスリットの有無を有する層を含む。幾つかの実施形態では、これらの同じ特性は、単一層内で変化させることができる。望ましい流体流れ及び保持特性を与えるようにこれらの層の絶対的及び相対的な配置、並びに特性を選択することができる。例えば、これらの層の絶対的及び相対的な配置、並びに特性は、流体がコアの身体側に急速に流入してコア内に流れ込み、それによってコアの身体側が比較的乾燥した快適な状態に維持されるように選択することができる。
【0056】
図4の分解図は、本発明の開示によるものであり、同じく本発明の開示によるものである使い捨て吸収性コア複合物への組込みに適した多層吸収性コア複合物又は構成物410を示している。本明細書では、そのような複合物又は構成物は、頭字語MLCによって称する場合がある。明らかになるように(当業者に)、本発明の開示による多層複合物又は構成物は、少なくとも1つの繊維網層(FNL又はNW)と、吸収性材料が配置された少なくとも1つの吸収性材料層とを含む。一部の用途では、吸収性材料層は、2つの不織布又は繊維網層の間に位置する2又は3以上の個別の多くの場合に離間した吸収性材料の堆積物又は凝集体を含むことができる。個別の堆積物又は凝集体は必ずしも同一でなくてもよい。これらの堆積物又は凝集体は、必ずしも同じ深さ及び厚さ(z方向の)になくてもよいが、一般的に、2つの別個の層又は構成要素の間に見つけることができ、一般的に、同じ大体の深さに又はその前後に見つかることになる。
【0057】
従って、本発明の開示の様々な用途及び態様は、上述の基本構成物と、この「発明を実施するための形態」、「発明の概要」、「図面」、及び特許請求の範囲を含む本発明の開示に説明又は例示する1又は2以上の材料又は構造的特徴との組合せによって定められる。従って、この「発明を実施するための形態」、「発明の概要」、個々の「図面」、又は特許請求の範囲は、これらの態様及び用途を限定するものと解釈すべきではない。代わりに、本発明の開示のこれらの部分の各々は、固有の態様又は用途を定めるために上述の基本構成物と組合せるか又は結合することができる1又は2以上の構造的特徴又は材料特徴を指定する。更に、基本構成物は、各々が本発明の開示の態様によるものである様々な使い捨て吸収性物品に付加するか又はそれらに組込むことができる。同じことは、吸収性複合物及びそれを組込んだ使い捨て吸収性物品を作るためのシステム、装置、及び方法に適用される。すなわち、上述の様々な吸収性複合物を作るためのシステム、装置、及び方法(構成要素を生成又は構成する段階に適用されるサブシステム及び部分工程を含む)も本明細書で指定し、本発明の開示の態様及び用途に従って提供する。
【0058】
図4の多層複合物MLCに戻ると、各々が好ましくは超吸収性粒子(SAP)を含む又はそれから構成される2つの吸収性材料(AM)層(本明細書では時として簡潔にSAP層と記し、図では「SAP」と称する)が利用される。2つのAM層は、2つの通気層(AT)と1つのSMS層とを含む不織布層によって結束され、少なくとも部分的に支持される。
図4及び残りの断面図では(別途示さない限り)、上部層(この場合は上部AT層)は、第1のSAP層の上に位置決めされ、最初の任意の流体放出物又は流体浸潤物を受入れるように機能することで身体側、身体に対面する、又は他の構成要素の上流と称する場合がある。第1又は上部SAP層は、おむつ又はコア平面の長手方向又はy方向に方向が定められたSAP不存在(又は吸収性材料不存在、AM不存在、又は簡潔に「不存在レーン」)を特徴とすることができる。この方向は、一方の腰領域又は腰末端領域から反対の(反対に位置決めされた)腰領域又は腰末端領域への方向と一致する。物品又はコアが平面状態で展開された時に、すなわち、着用される前に又は製造工程の後期にある時に、このy方向は平面も示している。しかし、物品が着用された時に、そのようなコア面又はコア平面を含む物品は、着用者の身体に適合するように湾曲することを理解することが重要である。従って、腰領域及びコアの長手方向端部又は長手方向領域は、浸潤点、物品の股領域、及び吸収性コアの中心部分(全てがコアの湾曲の低い点又はその前後に併置された)から高い場所にある。参考として例えば、
図1D~
図1F、
図2、及び
図3を参照されたい。
【0059】
図4の構成物では、最上側身体側AM層は、最上側身体側のNW層又はAT層の下にある。身体側AT層は、初期流体吸入物の獲得及び分配を支援するように作用する。最上側身体側AM層と下側AM層の間に第2のAT層が位置決めされ、最下側AM層の下方に底部SMS層が位置決めされる。使用時に、吸収性コア410は、上部層の上流に又は流体の浸潤及び受入れ中の早期に分配機能及び機構を集中させる。一態様では、上部及び/又は底部AM層は、単一の均一な構成物である(すなわち、AM不存在レーンを持たない)。底部AM層は、上側層を通した流体と、最上側AM層のSAP充填領域又は飽和SAP領域から散逸した流体とを受入れる。
【0060】
図4の各AM層、AT層、及びSMS層を個別層として示すが、本明細書に開示する吸収性コア複合物又は構成物はそのような配置に限定されず、一部の層は、z方向に少なくとも部分的に重なることができる。例えば、AM1は、AT1の内部、AT2の内部、又はAT1の内部とAT2の内部とに少なくとも部分的に又は完全に埋込む(選択的にAT1とAT2の組合せ内に完全に埋込む)ことができる。AM層が、AT層(又は他の不織布層)内に完全に埋込まれる時に、AM層とAT層は、z方向に完全に重なる。AM2は、AT2の内部、SMSの内部、又はAT2の内部とSMSの内部とに少なくとも部分的に又は完全に埋込む(選択的にAT2とSMSとの組合せ内に完全に埋込む)ことができる。
【0061】
多層コア-2つの集中SAP層
図4を参照して説明したコアと同様に、
図4A~
図4Sの各AM層は、1又は2以上の隣接不織布層(例えば、NW又はBNW)内に少なくとも部分的に又は完全に埋込むことができる。
【0062】
図4Aは、2つの吸収性コア材料層AM1、AM2と2つの嵩高不織布層BNW1及びBNW2とを含む多層コア複合物又は構成物410aの概略断面図である。幾つかの側面では、AM1及びAM2は、AM不存在レーンを持たない均一なSAP層構成物である。一態様では、AM1及びAM2の各々は、150gsmの坪量を有し、BNW1及びBNW2の各々は、50gsmの坪量を有する。従って、150gmsのSAPは、MLC410aの2つの層内に集中する。
【0063】
多層コア-SAPの3つの分配された層
図4Bは、3つの吸収性コア材料層(各々が100gsmの充填率を有することができる)AM1、AM2、及びAM3を有し、かつ3つの嵩高不織布層BNW1、BNW2、及びBNW3(各々が50gsmの充填率を有することができる)を有する多層コア複合物又は構成物MLC410bの概略断面図である。従って、構成要素の全坪量(及び原材料コスト)は、構成物410aと410bの間で同じであるが、SAPは、より嵩高な不織布層の間にある薄めの層の中に分配される。BNW層は、Y方向とX方向に流体を分配するより大きい面積を与え、流体を受入れる多めのSAPが存在し(より急速に飽和する可能性があるSAPの集中とは対照的に)、それによって吸収性コアの有効性及び効率が改善される。
【0064】
多層コア-SAPの4つの分配された層
図4Cは、より多くのBNW層の間に挟まれた薄めの層内に同じ量のSAPを広がる利点の更に別の図を示している。この場合に、MLC410cは、AM1、AM2、AM3、及びAM4を含む4つのAM層(各々が75gsmの充填率を有することができる)と、BNW1、BNW2、BNW3、及びBNW4を含む4つのBNW層(各々が25gsmの充填率を有することができる)とを使用する。この配置は、コア410a及び410bの場合と同じ全構成要素坪量を同じ原材料コストでもたらす。しかし、MLC410cは、より小さいBNW面積を有する場合よりも容易に液体を獲得して分配するように作用するより大きいBNW面積を有する。同様に、MLC410cでは、SAPは、MLC410a及び410bでのSAPの広がりと比較して広めに広がり、MLC410c内のSAPがより容易に流体吸入物を受入れて吸収することが可能になる。広めに広がることで、SAPは、流体浸潤物のより効率的な吸収に向けて流体浸潤物に対してより大きい面積を与えることができる。同じく、追加の嵩高不織布面積は、SAP粒子をより効率的に受入れ、交絡し、及び/又は埋込み、それによって製造中、パッケージ化中、及び使用時等にそのような粒子の移動がより効率的に抑制される(全ての目的で引用によって本明細書に組込み、本発明の開示の一部とする特許文献3及び4での嵩高不織布でのSAPの交絡の更なる議論を参照されたい)。
【0065】
すなわち、幾つかの側面では、本発明の開示は、追加のSAP及びBNWを吸収性コア複合物の中に組込むのとは対照的に、設定量のSAP及びBNWを吸収性コア複合物内で複数の層の中に分配する方法に関する。従って、コア複合物の坪量を増大することなく、かつコア複合物を形成するのに関連付けられた原材料コストを増大することなく高度な流体管理機能を達成することができる。
【0066】
多層コア-変化する寸法
幾つかの側面では、吸収性コア複合物の各層の長さ、幅、高さ、又はその組合せを変化させてもよい。
図4Dは、変化する寸法の複数の材料層を含む多層コア複合物又は構成物MLC410dの断面図である。この例示の構成では、変化する厚さを有する3つの嵩高不織布層BNW1、BNW2、及びBNW3と、変化する厚さを有する3つのAM層AM1、AM2、及びAM3とが使用される。より大きい厚さのBNW層は、上部層(BNW1)及び中央層(BNW2)であり、最下部BNW層(BNW3)は最も薄い。それとは逆に、最上部AM層(AM1)は、MLC410d内のAM層のうちで最も薄く、一方、中央層(AM2)及び最下部層(AM3)は厚めであり、ほぼ同じ厚さのものである。従って、厚めのBNW層BNW1及びBNW2は、浸潤点の近くで流体吸入物に対してそれをx方向とy方向とに分配する(例えば、繊維網の毛管内移動アクションを通じて)ことを含む作用をするように的確に位置決めされる。初期吸入又は初期浸潤の点又は領域を示し、かつコア410j、410q、410r、及び410s内での繊維網を通じた流体の分配を示す
図4J、
図4Q、
図4R、及び
図4Sの方向矢印を参照されたい。
図4Dは、本発明の開示と同じタイプの吸収性コア複合物(及び使い捨て吸収性物品の吸収性コア又は股領域)の中に一般的に組込まれる他の構成要素も例示している。物品Aは、吸収性コア複合物MLC410dをほぼ包み、かつ吸収性コアの一部を形成するカバー層CL及びベース層BL(図示せず)を含むことができる。同じく示しているのは、上面シートTS及び不透過性裏面シートBSである。吸収性コア複合物MLC410dの上にADL層を含めることができる(図示せず)。
【0067】
図4E及び
図4Fは、本発明の開示による多層コア複合物又は構成物MLC410e及びMLC410fそれぞれの変化を示す断面図である。MLC410e及びMLC410fの各々は、変化する厚さ及び深さ(z方向の高さ)を含む変化する寸法の複数の材料層を含む。
図4EのMLC410eは、4つのBNW層と4つのAM層を含む。これらのBNW層は、上部層から最下部層に厚さが段階的に減少する。それとは逆に、AM層は、最上部層から最下部層に厚さが増加する。上部層として機能する厚めのBNW層BNW1は、ユーザに対して軟かめの面を示し、一方で同じくBNWのADL機能を利用してそれを最大に高める。BNW層は、AM層よりもx方向に広い。従って、MLC410eのBNW層の勾配付き厚さは、MLC410eのAM層の勾配付き厚さと逆である。
図4FのMLC410fは、最上部BNW層BNW1と、下側BNW層に比較して小さい幅(及び長さ)のAM層とを特徴とする。使い捨て吸収性物品Aの股領域内で中心に位置決めされた上部の2つの層は、流体吸入物に対する初期受入れ又はターゲットゾーンとして機能する。小さい寸法は、横側縁に沿う材料の低減に起因して原材料の使用を低減し、同時に着用者に対してより適合するプロファイルを描き、可撓性(長手方向の周りの)を高める。
【0068】
垂直方向に整列したSAP不存在レーンを有する多層コア
図4Gは、厚さ、幅、及び深さを含む変化する寸法の複数の材料層を含む多層コア複合物又は構成物MLC410gの断面図である。MLC410gは、上部の4つのAM層AM1~AM4に吸収性材料不存在ゾーン又はレーンFLが装備された(機械加工方向に)5つの吸収性材料層を含む。
図4に関して先に議論したように、不存在レーンは、中心及び中心AM層又は堆積物の近くに配置される。不存在レーンは、吸収性材料の大きい方の広がりが配置されたy方向に沿う流体吸入物の搬送を容易にする。不存在レーンは、吸収性コア複合物MLC410g内でその下側レベルへの(更に吸収性材料への)流体の搬送も容易にする。FLは、側縁上にも位置決めされる。不存在レーンが垂直に整列すると、流体は、1つのFLから隣接BNW層を貫通してその下にある下流FLの中に流れ込むことによってTS又はその近くの身体側から裏側BSに向けて容易かつ急速に流れることができる。
【0069】
千鳥配置のSAP不存在レーンを有する多層コア
図4Hの多層コア複合物又は構成物MLC410hは、
図4Gのものと同様である。しかし、AM不存在レーンFLは、MLC410hの様々な層の間で垂直方向に整列されない。代わりに、底部AM層を除くMLC410h内の下方に連続する各AM層では、不存在レーンは、横に外側寄りに位置決めされる。不存在レーンをこのようにして配置することは、複合物410h内で連続する各下流層での外側への流体吸入物の更に別の分配に対応する。
【0070】
図4Iは、吸収性材料不存在ゾーン又はレーンFLを特徴とする吸収性材料層を含む厚さ、幅、及び深さを含む変化する寸法の複数の材料層を含む多層コア複合物又は構成物410iの断面図である。
図4Iの複合物410iは、交互AM不存在レーンFLを含む直前の多層コア構成物での特徴のうちの一部を使用する。
【0071】
多層コア-流体流れの誘導
図4Jは、本発明の開示による機械加工方向に吸収性材料不存在レーンを有する吸収性材料層を含む多層吸収性コア複合物又は構成物410jの分解斜視図である。この例示の複合物MLC410j内の繊維網層は、上部BNW層(NW1)と中間層(NW2)とベース層(NW3)とを有する嵩高不織布によって提供される。SAP不存在レーンFLを含むAM1層は、NW層及びAM2と比較して短い長さを有する。AM1は、吸収性物品の中心領域又はターゲット領域に位置決めされ、NW1及びNW2上に、内に、及び/又はその間で支持される。
図4Jの矢印は、SAP層、AM1、及びAM2内を含むMLC410j内への流体流れのXY方向広がりを示している。そのような流体流れの方向性は、一般的に、NW層及びSAP不存在レーン内の対応する流体流れよりも緩慢であるように調整されたSAP透過性及び吸収速度によって少なくとも部分的に制御される。幾つかの側面では、使用時に流体毛管内移動をサポートするために、
図4JのMLC410jの「B」として示す区域内の全ての不織布層は、不織布層のうちで「A」として示すMLC410bの区域内の部分と比較して高い毛管現象の領域であるように設計される。
【0072】
使用時に、吸収性コア複合物は、U字形形態を有することができる。幾つかの側面では、吸収性コア複合物層は、高い透過性及び/又はより低い吸収速度のSAPが最上側身体側上部層内に位置決めされ、速めのSAPが、より高い容量の下側底部層内に位置決めされるように配置及び構成される。従って、ユーザによって着用された時に、低毛管現象領域Aは股領域に位置決めされ、ユーザの腰上に高めに位置決めされた高毛管現象領域と比較して身体上の低い場所にある。従って、領域Bのより高い毛管現象は、重力にさえも対抗して領域Aから領域Bへの流体の毛細管作用による毛管内移動を促進する。
図4Jの矢印によって示す流れパターンは、製品の長手方向(y方向)の流れに対処しており、重力に対抗する流体の毛管内移動をサポートするために毛管現象勾配(吸収性製品の端部に向けてより高い毛管現象)を有する実施形態を参照している。これらの矢印は、SAP層内で広がる流体が、一般的にNW及びSAP不存在レーン内で広がる流体よりも低速であることを示している。
【0073】
多層コア-坪量の変動
図4D~
図4Iを更に参照すると、各物品Aは、上面シートTSと裏面シートBSを含む。上面シートTSは、親水性の水透過性層(例えば、スパンバウンド不織布)とすることができ、15g/m
2又は5g/m
2から20g/m
2の坪量を有することができる。そのような上面シートは、本明細書に開示する吸収性コア複合物の実施形態のうちのいずれとも併用することができる。裏面シートBSは、水透過性層(例えば、ポリエチレン膜及び不織布とポリエチレン膜との多層積層体)とすることができる。そのような裏面シートは、本明細書に開示する吸収性コア複合物の実施形態のうちのいずれとも併用することができる。各不織布層の坪量及び各吸収性層の充填率(坪量)は変化させることができ、これらの層及びその坪量は、望ましい流体吸入、分配、及び吸収特性(集合的に「流体ハンドリング特性」)を与えるように選択及び位置決めされる。例えば、幾つかの実施形態では、不織布の坪量は、z方向に下向きにコアの中に移動する時に平均して減少し、吸収性材料の坪量(充填率)は、z方向に下向きにコアの中に移動する時に増加する。次いで、
図4D~
図4Iを参照して、選択される坪量を有する不織布層と吸収性層の様々な例示の配置を以下に説明する。
【0074】
図4DのMLC410dは、上面シートTS及び裏面シートBS内に包まれ、30g/m
2から60g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である最上側BNW1層と、30g/m
2から80g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である中間BNW2層と、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である最下側BNW3層とを含む。MLC410dは、BNW1とBNW2の間に挟まれ、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM1層と、BNW2とBNW3の間に挟まれ、75g/m
2から200g/m
2の坪量を有するAM2層と、BNW3の下にあり、75g/m
2から200g/m
2の坪量を有するAM3層とを更に含む。AM層の各々は、SAPを含む又はそれで構成することができる。
図4Dから明らかなように、不織布層BNW1、BNW2、及びBNW3は、x方向に吸収性材料層AM1、AM2、及びAM3の幅よりも広い。
【0075】
図4Eは、吸収性コア複合物MLC410eが内部に包まれた上面シートTSと裏面シートBSとを有する物品Aを示している。MLC410eは、30g/m
2から60g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である最上側BNW1層と、30g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である第1の中間BNW2層と、20g/m
2から40g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有するカード不織布である第2の中間BNW3層と、20g/m
2から40g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有するカード不織布である最下側BNW4層とを含む。MLC410eは、BNW1とBNW2の間に挟まれ、30g/m
2から100g/m
2の坪量を有するAM1層と、BNW2とBNW3の間に挟まれ、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM2層と、BNW3とBNW4の間に挟まれ、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM3層と、BNW4の下にあり、75g/m
2から200g/m
2の坪量を有するAM4層とを更に含む。各AM層は、SAPを含む又はそれで構成することができる。
図4Eから明らかなように、不織布層BNW1、BNW2、及びBNW3は、x方向に吸収性材料層AM1、AM2、及びAM3の幅よりも広い。同様に、不織布層の厚さは、それが近位TSからBSに向けて減少するような連続的段階性を示し、それに対して吸収性層の厚さは、それが近位TSからBSに向けて増加するような連続的段階性を示す(すなわち、不織布層の勾配と吸収性材料層の勾配とは逆である)。
【0076】
図4Fは、吸収性コア複合物MLC410fが内部に包まれた上面シートTSと裏面シートBSとを有する物品Aを示している。MLC410fは、30g/m
2から60g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量と他の層と比較して狭い80mmの幅とを有する通気不織布である最上側BNW1層と、30g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量と105mmの幅とを有する通気不織布である第1の中間BNW2層と、20g/m
2から40g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量と105mmの幅とを有する通気不織布である第2の中間BNW3層と、20g/m
2から40g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量と105mmの幅とを有する通気不織布である最下側BNW4層とを含む。MLC410fは、BNW1とBNW2の間に挟まれ、30g/m
2から100g/m
2の坪量を有するAM1層と、BNW2とBNW3の間に挟まれ、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM2層と、BNW3とBNW4の間に挟まれ、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM3層と、BNW4の下にあり、50g/m
2から100g/m
2の坪量を有するAM4層とを更に含む。最上側不織布層BNW1は残りの不織布層よりも狭く、最上側吸収性材料層AM1は残りの吸収性材料層よりも狭い。各AM層は、SAPを含む又はそれで構成することができる。
【0077】
図4Gは、吸収性コア複合物MLC410gが内部に包まれた上面シートTSと裏面シートBSとを有する物品Aを示している。MLC410gは、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である最上側BNW1層と、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である第1の中間BNW2層と、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である第2の中間BNW3層と、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である第3の中間BNW4層と、30g/m
2から80g/m
2の坪量を有する空気堆積不織布である最下側BNW5層とを含む。MLC410gは、BNW1とBNW2の間に挟まれ、30g/m
2から100g/m
2の坪量を有するAM1層と、BNW2とBNW3の間に挟まれ、30g/m
2から100g/m
2の坪量を有するAM2層と、BNW3とBNW4の間に挟まれ、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM3層と、BNW4とBNW5の間に挟まれ、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM4層と、BNW5の下にあり、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM5層とを更に含む。各AM層は、SAPを含む又はそれで構成することができる。MLC410gの不織布層の各々は、同じか又は実質的に同じ厚さを有し、それに対してAM層は、それがBSに向けて厚くなるような勾配付き厚さを示す。
【0078】
図4Hは、吸収性コア複合物MLC410hが内部に包まれた上面シートTSと裏面シートBSとを有する物品Aを示している。MLC410hは、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である最上側BNW1層と、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である第1の中間BNW2層と、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である第2の中間BNW3層と、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である第3の中間BNW4層と、20g/m
2から50g/m
2の坪量を有する通気不織布である最下側BNW5層とを含む。MLC410hは、BNW1とBNW2の間に挟まれ、30g/m
2から100g/m
2の坪量を有するAM1層と、BNW2とBNW3の間に挟まれ、30g/m
2から100g/m
2の坪量を有するAM2層と、BNW3とBNW4の間に挟まれ、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM3層と、BNW4とBNW5の間に挟まれ、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM4層と、BNW5の下にあり、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM5層とを更に含む。各AM層は、SAPを含む又はそれで構成することができる。MLC410gの不織布層の各々は、同じか又は実質的に同じ厚さを有し、それに対してAM層は、それがBSに向けて厚くなるような勾配付き厚さを示す。
【0079】
図4Iは、吸収性コア複合物MLC410iが内部に包まれた上面シートTSと裏面シートBSとを有する物品Aを示している。MLC410iは、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量と70mmの狭い幅(BNWの残りは95mmの幅を有する)とを有する通気不織布である最上側BNW1層と、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である第1の中間BNW2層と、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である第2の中間BNW3層と、20g/m
2から50g/m
2の範囲にわたることが可能な坪量を有する通気不織布である第3の中間BNW4層と、20g/m
2から50g/m
2の坪量を有する通気不織布である最下側BNW5層とを含む。MLC410iはまた、BNW1とBNW2の間に挟まれ、30g/m
2から100g/m
2の坪量を有するAM1層と、BNW2とBNW3の間に挟まれ、30g/m
2から100g/m
2の坪量を有するAM2層と、BNW3とBNW4の間に挟まれ、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM3層と、BNW4とBNW5の間に挟まれ、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM4層と、BNW5の下にあり、50g/m
2から150g/m
2の坪量を有するAM5層とを含む。
【0080】
図4及び
図4A~
図4I(並びに本明細書に開示する任意の他のコア複合物)では、AM層の各々内の吸収性材料は、構成可能で積層可能な同じ又は異なる流体管理特質を各層に与える同じか又は異なるポリマー(例えば、SAP)で構成することができる。同様に、AM不存在レーン(FL)は、本明細書に開示する複合物のAM層のうちのいずれの中にも設けることができる。更に、いずれかが存在する場合に複数のAM不存在レーンの位置決めは、選択されるコア領域に向う、例えば、下側及び外側のコア領域に向う流体流れを促進するように整列することができる。
図4H及び
図4Iでは、AM不存在レーンFLは、隣接層内のAM不存在レーン間にそれ程重複がない状態で位置決めされ、それによってコアの側端部及びコアの下側領域への流体流れが促進される。
図4及び
図4A~
図4Iは接着剤を示していないが、不織布層を互いに接着するために及び/又は吸収性材料を不織布層に接着するために接着剤を使用することができる。
【0081】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示する不織布層は、20g/m2から80g/m2、30g/m2から60g/m2、30g/m2から80g/m2、20g/m2から50g/m2、20g/m2から40g/m2、又は30g/m2から50g/m2の範囲にわたる坪量を有する。幾つかの実施形態では、本明細書に開示する吸収性材料層は、30g/m2から200g/m2、50g/m2から150g/m2、75g/m2から200g/m2、又は30g/m2から100g/m2の坪量を有する。
【0082】
1つの特定の実施形態では、吸収性コア複合物は、75g/m2の坪量を有する最上側嵩高不織布層と、150g/m2の坪量を有する最下側空気堆積不織布層と、30g/m2の坪量を有する単一中間嵩高不織布層とを含む3つの不織布層を含む。最上側不織布層と中間嵩高不織布層は、同じか又は実質的に同じ材料であるが異なる充填率で構成する(例えば、異なる厚さを有する)ことができる。この特定の実施形態では、吸収性コア複合物は、最上側嵩高不織布層と中間嵩高不織布層の間に挟まれた(選択的にこれらの不織布層のうちの一方又は両方の中に埋込まれた)最上側吸収性材料層と、最下側空気堆積不織布層と中間嵩高不織布層の間に挟まれた(選択的にこれらの不織布層のうちの一方又は両方の中に埋込まれた)最下側吸収性材料層とを含む2つの吸収性材料層を含む。2つの吸収性材料層の各々は、150g/m2の充填率を有することができ、SAPを含む又はそれで構成することができる。複数の用途では、コア複合物の身体側に比較的高い坪量を有する不織布は、コアの下側部分内への流体の吸入及び分散を促進し、それによってコアの身体側の乾燥性が改善することが見出されている。
【0083】
多層コア-流体流れの誘導
図4K~
図4Mは、複合物410k、410l、及び410m内の又はそれを通る流体流れ方向及び通路を示している。流体は、コアの側縁及び底部に向けて漸増的に分配され、AM不存在レーンは、図示のようにコア内の流体流れを促進かつ誘導する。
【0084】
一般的なコア構造方式
本明細書に開示するコア構成物のうちの多くのものにおいて或る望ましい又は高度な流体又は廃棄物ハンドリング(流れ及び保持)機能を達成するために、ターゲット特性に影響を及ぼす添加剤(例えば、
図18E及び
図18Fを参照されたい)、及び/又は繊維網又は不織布の使用を含む吸収性材料の選択及びそれに続く計画的な配置に注意を向けることができる。この点に関して、関連の固有の超吸収性特性は、取りわけ、ゲル床透過性、吸収速度(渦)、吸収容量(CRC)、粒子サイズ、粒子充填密度、剛度を含む。更に、関連の固有の繊維網層(不織布)特性は、密度(すなわち、空隙容積(=1/密度))と毛管現象(孔サイズ及び繊維濡れ性)とを含む。
【0085】
コア複合物内への材料配置に関して、或る一般原理は、より一般的な用途に適用することができる。一般的に、z方向(厚さ)の流体流れの浸潤経路に位置決めされたSAPは、(1)コアの上面又はその近くに最も高い透過性があり、かつコアの底部での最下側又はその近くで透過性が低減する勾配付き透過性、(2)コアの上面又はその近くに低速の吸収SAPが位置決めされ、かつコアの底部又はその近くに徐々により高速になるSAPが位置決めされる勾配付き吸収速度、(3)コアの底部又はその近くに最大吸収効率に関して高吸収容量SAPが位置決めされ、かつコアの上面又はその近くに低吸収容量SAPが位置決めされる勾配付き吸収容量という特性を有する。
【0086】
z方向(厚さ)の流れ流体の浸潤の経路での繊維網層(例えば、不織布層)は、初期流体浸潤物噴流をハンドリングし、この流体をNW層内に分配するために高空隙容積不織布がコアの上面又はその近くにあり、かつ低空隙容積不織布がコアの底部又はその近くにある勾配付き空隙容積を一般的に示す。同様に、コアは、その端部に向けて高くなる毛管現象(流体ターゲット区域と比較して)が構成されるようなプロファイル形成された又は勾配付きの毛管現象を繊維網層内のx-y平面内に示すことができる。そのような毛管現象プロファイル形成構成物は、完全利用に向けて流体がコアの端部に向けて連続的に広がることを可能にする。
【0087】
層間及び層内での毛管現象の変動は、選択的緻密化、プラズマ処理又はコロナ処理(x-y平面内の領域の)による濡れ性強化、嵩高化により、又は既存嵩高層及びそれ程嵩高でない層の選択的配置によって達成することができる。z方向の複数の繊維網層は、底部(下流)に向けて高くなる毛管現象の層及び身体側に向けて低くなる毛管現象の層を示す及び呈するように選択及び設計することができる。そのような毛管現象の勾配は、底部AM層に向う下流への流体流れの毛管内移動を促進及び/又は容易にし、重力に対抗する流体の広がり(すなわち、物品が着用され、U字形で位置決めされた時の)を促進し、それによって製品使用中の吸収性材料及びコアの利用性が高まる。より多くの吸収性材料及び吸収性面がy方向に見つかり、着用中に吸収性物品が腰領域又は物品の長手方向端部に向けてほぼ上向きに湾曲することに注意しなければならない。従って、腰領域に向う流体の進行は、重力による抵抗を受ける可能性もある。
【0088】
多層コアを形成するためのシステム
図5は、本発明の開示による吸収性コア複合物又は構成物を作るためのシステム及び工程の概略図である。
図5では、「BNW巻き出し」は、他の要素と組合せて吸収性コア複合物を形成するためにBNW繊維ウェブを巻き出す機械ローラー又はスプールを指し、「C1」は、間を通過する布に圧縮力を印加する1対の対向する機械ローラーのような圧縮装置を指し、「接着剤」は、下を通過する布及び/又は吸収性材料の層に接着剤を付加するアプリケータを指し、「SAP付加部」は、下を通過する布及び/又は吸収性材料の層にSAPを付加するアプリケータを指し、「最終繰り出し部」は、生産後に形成された吸収性コア複合物をその上に回収する回収スプールを指す。
【0089】
システム500は、BNW巻き出し部1を含み、そこからBNW1が巻き出され、BNW1は、その圧縮に向けてC1の中を通過する。C1から、BNW1は、接着剤1の下を通過し、そこで接着剤がBNW1に付加される。接着剤1から、BNW1はローラー502の上を通過し、次いで、SAP付加部1からSAPがBNW1に付加される。幾つかの実施形態では、SAPの少なくとも幾つかは、BNW1を透過する。
【0090】
システム500は、BNW巻き出し部2を含み、そこからBNW2が巻き出され、ローラー504の上、更に接着剤2の下を通過し、そこで接着剤がBNW2に付加される。接着剤2から、BNW2はローラー506の上を通過する。更に、SAP付加部1から、BNW1がローラー506の上を通過し、それによってBNW1とBNW2は、ローラー506において又はその後に互いに積層されて積層体508が形成される。
【0091】
ローラー506から、積層体508は、SAP付加部2の下を通過し、そこでSAPが積層体508に付加される。幾つかの実施形態では、SAPの少なくとも幾つかは、積層体508を透過する。SAP付加部2から、積層体508はローラー510の上に通される。
【0092】
システム500は、BNW巻き出し部3を含み、そこからBNW3が巻き出され、BNW3は、その圧縮に向けてC1の中を通過する。C1から、BNW3はローラー512の上、更に接着剤4の下を通過し、そこで接着剤がBNW3に付加される。接着剤4から、BNW3はローラー514の上及びローラー516の上を通過する。同じく積層体508がローラー516の上を通過し、それによってBNW3と積層体508は、ローラー516において又はその後に互いに積層されて積層体518が形成される。
【0093】
次いで、積層体518は、ローラー520の中、更にSAP付加部3の下を通過し、そこでSAPが積層体518に付加され、SAPの一部は積層体518を透過することができる。次いで、積層体518は、ローラー522及びローラー524の上を通過する。
【0094】
システム500は、BNW巻き出し部4を含み、そこからBNW4が巻き出され、BNW4は、その圧縮に向けてC1の中を通過する。C1から、BNW4はローラー526の上、更に接着剤5の下を通過し、そこで接着剤がBNW3に付加される。接着剤5から、BNW4はローラー528の上及びローラー524の上を通過する。BNW4と積層体518は、ローラー524において又はその後に互いに積層されて積層体530が形成される。
【0095】
積層体530は、ローラー532の中、更にSAP付加部4の下を通過し、そこでSAPが積層体530に付加され、SAPの一部は積層体530を透過することができる。次いで、積層体530は、ローラー534及びローラー536の上を通過する。
【0096】
システム500は、BNW巻き出し部5を含み、そこからBNW5が巻き出され、BNW5は、その圧縮に向けてC1の中を通過する。C1から、BNW5はローラー538の上、更に接着剤6の下を通過し、そこで接着剤がBNW5に付加される。接着剤6から、BNW5はローラー540の上及びローラー536の上を通過する。BNW5と積層体530は、ローラー536において又はその後に互いに積層されて積層体542が形成される。
【0097】
積層体542は、ローラー544の中を通過し、積層体542の回収に向けて最終繰り出し部に至る。
【0098】
当然ながら、
図5に示すシステムは、例証目的のためのものに過ぎない。本発明の開示によるいずれの個数のコア複合物構成を形成するのにも他のシステム構成及びシステム配置を使用することができる。
【0099】
SAP不存在レーン-機械方向及び/又は交差方向
幾つかの実施形態では、吸収性材料層のうちの1又は2以上は、吸収性材料不存在レーン(例えば、SAP不存在レーン)を含む。「レーン」と称するが、そのようなSAP不存在区域は、任意の個数の形状及び配置とすることができ、機械加工方向、交差方向、又は任意の他の方向に又はパターンで延びることができる。「SAP不存在」と称するが、そのようなレーン又は区域は、いずれの吸収性材料も不存在又は少なくともSAPを不存在とすることができる。幾つかの側面では、最上側AM層内の機械加工方向SAP不存在レーンの数は、下側及び/又は最下側のAM層内の機械加工方向SAP不存在レーンの数よりも多い。或る態様では、最上側AM層のみが機械加工方向SAP不存在レーンを有する。或る態様では、最上側AM層のみが任意のSAP不存在レーンを有する。吸収性コア複合物内へのSAP不存在レーンの組込みは、ユーザに対する柔軟性を改善し(圧縮性を高め)、流体吸入速度を高め、AM層からの流体の流出及び溢出を低減し、流体流れをコア内に誘導して分配する。
【0100】
図6Aを参照すると、上部SAP層、機械加工方向に方向が定められたSAP不存在レーンを有するAM1を含む吸収性コア材料層を複数有する多層吸収性コア複合物610aが示されている。更に、複合物610aは、上部層及び中間層として通気嵩高不織布を使用する。SMS不織布層は、ベース層を形成する。理論によって束縛されるわけではないが、機械加工方向に2又は3以上のSAP不存在レーン、FLを有することは、機械加工方向に単一SAP不存在レーンを有することよりも流体分配を一層改善すると考えられる。幾つかの側面では、図示のように、上側AM層(AM1)のみがSAP不存在レーンを有し、下側AM層(AM2)はSAP不存在レーンを持たず、それによって下側AM層内の流体保持を改善することができる。或る態様では、密封を可能にするために、AM層の側縁及び/又は縁部に沿ってSAP不存在レーンを設けることができる(当該AM層の上方及び下方のAM層を接着する)。
【0101】
図6Aの構成物では、3つの連続SAP堆積物が離間してSAP不存在レーンFLが形成される。これらのレーンは、隣接SAP含有レーンの深さプロファイルによって境界が定められた細長の空間又は空隙である。そのような細長空隙は(及びある点では高いSAP堆積物さえも)、製造中にコンベヤ上で機械加工方向のレーンに似ているので、本明細書では適切に「レーン」という用語を使用する。SAP「不存在」は、SAPが明確に堆積されず、吸収性材料が連続的に堆積した細長領域によって境界が定められた基材の部分を指すのに使用することができる。SAP(及びSAP不存在レーン)がその上に与えられる基材は、一般的に、下層のNW層又はAT層であることに更に注意しなければならない。AM1の中間SAP堆積物SAP2は、それが時に浸潤点又は初期受入れ区域(ターゲットゾーン)と一致するように位置決めされることになることを主な理由として、2つの外側SAP堆積物(SAP1及びSAP3)のものよりも大きい幅のものである。中間SAP堆積物SAP2は、流体吸入物を確実に含むように十分に広い(又はSAP不存在レーンは十分に狭い)。SAP不存在レーンFLは、有意な流体吸入物を受入れ、z方向に沿う(重力に対抗して)、かつ少なくとも最初には流体吸入物の分担分を受入れることができないSAPの多くの部分に向ってかつそれに沿って受入れ物の分配を助けるほど十分に上述の中心ターゲットゾーンに近い場所に位置決めされる。当然ながら、AT層も、初期吸入物の獲得及び分配に作用し、これらを支援する。NW対NWの結合を促進するために(SAPを妨害することなく又はSAPからの妨害なく)、好ましくは、SAP不存在レーンFLは、エンボス加工線又は結合線及びパターンに整列することができる。
図6Aでは、横側縁の近くにSAP不存在区域を設けるために、外側SAPレーンSAP1及びSAP3は、中間SAP堆積物SAP2よりも少なくとも約1/3又は1/4だけ更に狭く作られる。これは、製造中及びその後のパッケージ化及び使用中等に側縁を密封して維持することを支援する。上部層の近くのSAP不存在レーンは、吸収性コアの柔軟性及び可撓性を改善するとも考えられる。吸収性コアが着用時に横向きに若干湾曲し、更に上向きにも湾曲することに注意すると、上面の近くのSAP不存在レーンは、例えば、それを通るように方向が定められた長手方向軸の周りの可撓性を改善する。上部SAP層内にSAP不存在レーンを有する利点のうちの多くは、最底SAP層に関しては少なくとも部分的に減少する。使用時に、コアは、分配の機能及び機構を上流の上部層に又は早期には浸潤点及び受入れ点に集中させることができる。従って、一態様では、最底SAP層には単一の均一構成物(すなわち、不存在レーンのない)を設けることができる。このSAP層は、上側SAP不存在レーンから下向きに進行する流体及びSAP充填領域又は飽和SAP領域から散逸する流体を含む上側層を貫通して進行する流体を受入れる。
【0102】
図6Bに示す実施形態では、多層複合物610bは、交差方向又は横方向に不存在レーンを有するSAP層を使用する。AM1は、複数のSAP不存在レーンFLを含む。SAP不存在レーン及びこれらのレーンの間のSAP堆積物又はSAP凝集体は、一様に離間し、一連の不存在レーン又はSAPレーンを通して同じ幅とすることができる。SAPを交差方向に堆積させるために、スクリーン印刷又はワイヤ印刷、真空ドラム印刷、又はSAP印刷を使用することができる。
【0103】
幾つかの側面では、複雑なパターンを含むSAP区域とSAP不存在区域とのパターン(例えば、格子パターン)を形成するために、機械加工方向不存在レーンと交差方向不存在レーンは、単一コア複合物内及び/又は単一AM層内で組合わされる。
図7A~
図7Gは、AM不存在レーンを特徴とするAM層の様々な構成を示している。一部の構成物は、交差方向のみの不存在レーンを特徴とし(
図7B、
図7F)、それに対して他は機械加工方向だけに不存在レーンが装備される(
図7C、
図7D)。他の構成物は、交差方向と機械加工方向の両方の不存在レーンの組合せを特徴とする(
図7A、
図7E)。
図7Gに示す構成物は、ある角度に方向が定められた(長手方向及び横方向のいずれにも方向が定められない)不存在レーンを利用する。これらの変形は、AM層を不存在レーンと共有するAM堆積物又は凝集体が、それらの境界を定める不存在レーンによって指定される様々な幅、長さ(及び深さ)、及び形状であることも例示している。SAPレーンの対応する使用も、変化する特性(場所及び深さの関数として)を有するコア複合物、SAP層、及び吸収性面を構成することを容易にする。各吸収性材料レーン又は凝集体又はSAP領域は、ターゲット特性を示し、或る流体性能を改善する吸収性材料又は材料混合物で構成することができる。例えば、より高い吸収力又は或る添加剤を有するSAP又はより高い原材料コストのSAPをコア複合物の中心部分内に集中又は限定することができる。
【0104】
AM層構成の各々では、ターゲットゾーン又は浸潤点に対応する領域に位置する十分な吸収性材料が設けられる。これは、流体吸入物の容易な受入れ及び吸収を確実にする。
図7Bの交差方向不存在レーンも、長手方向軸の周りのコア複合物の可撓性を改善する。更に別の実施形態では、交差方向レーンを覆うために横側縁の近くに追加のSAP凝集体又はSAPレーンを追加することができ、これらの凝集体又はレーンは、側縁への直線経路を防止することができる。そのような多層コア構成物は、一部の女性用ナプキン製品などでの使用に特に適応させることができる。
【0105】
図7A及び
図7Eの構成は、不存在レーンの格子を生成するために交差方向不存在レーンと機械加工方向不存在レーンを利用する。これらの格子形態は、特に複合物の上面の近くのAM層として両方のタイプの構造を使用する作動的及び構造的利益を利用する。これらの利点は、より広い流体分配、より高い可撓性、及び改善されたユーザ快適性を含む。特に、凝集体が変化する形状及びサイズのものである
図7Eの場合の複数のAM凝集体の具備は、層の広がりにわたって変化する特性を有する吸収性面の設計を可能にする。添加剤を有する又は持たない吸収性材料を選択し、AM層の特定のターゲット領域を占有する凝集体(及び複合物)の中に集中させることができる。
【0106】
図7Eは、不存在レーンが終端する末端領域に吸収性材料が設けられた機械加工方向不存在レーンを更に特徴とする。これらの末端領域の上に堆積した吸収性材料の凝集体は、不存在レーンに沿う流体移動に対する流体障壁として作用し、漏出のリスクを軽減する。これらの計画的に配置された凝集体は、不存在レーン内のそのような流体移動に対して吸収性材料の到達点も与える。吸収性物品の製品及びその目的に基づいて、末端領域にあるこれらの凝集体は、別様にサイズ決定し、他の凝集体とは異なる組成を有することができる。
【0107】
図7Gに示す吸収性材料凝集体の格子又はパターンは、交差方向及び機械加工方向の不存在レーンの使用に限定されない。或る変形では、不存在レーン又は不存在領域は直線通路であり、従って、特に製造工程でのレーンに似ている。
図7Gの格子パターンの目的は、流体吸入物を吸収性材料に効率的かつ実質的に分配することである(好ましくは、非順次方式で)。この設計では、通路はより大きい区域を網羅する。y方向に沿う通路は、他の不存在レーンよりも広く長い2つの主不存在レーンによって与えられる。不存在レーンの方向転換を必要とすることなく流体移動を他の吸収性材料区域に延ばすためにSAP不存在レーンの追加の動脈が設けられる。その結果は、より包括的なカバレージであり、すなわち、より多くの流体が、流体吸入物の運動量を利用してより多くの吸収性材料に直線的に誘導される(例えば、毛細管作用又は毛細管流にそれ程依存することなく)。その上、吸収性凝集体は連続堆積物として留まり、この場合に、流体は、殆どの領域内で連続した2次元又は3次元の通路を有し、かつ隣接する好ましくは不飽和の吸収性材料へのアクセス(例えば、SAP粒子からSAP粒子への)を有する。
図7Gの格子形態及び他の構成は、SAP印刷技術に適している。そのような技術は、吸収性材料の堆積物及びパターンのより高い組成制御、並びに吸収性材料の具体的で正確な配置を更に可能にすることになる。格子は、移動可能障害物、吸引補助具、及び特定のターゲット配置などの使用によっても形成することができる。
【0108】
幾つかの側面では、SAPは、グラビアロール、ニードルロールのような粒子散乱法を用いて、又はSAPを減衰振動チャネル上に提供することによって不織布層の上に付加される。SAPの機械加工方向レーンは、SAP散乱装置が不織布上の潜在的付加区域の全体にわたって完全に開かないようにSAP散乱手段のセクションを閉め切ることによって形成することができる。SAP散乱装置のセクションを閉め切るのは永続的かつ又は固定とすることができる。幾つかの側面では、SAP散乱装置は、開閉する開口部等によって選択的に開閉可能である。SAP散乱装置の開閉は、機械加工方向SAPレーンの長さが不連続であり、断続的であることを可能にする。
【0109】
交差方向SAP不存在レーンは、SAPアプリケータを断続的にオン及びオフにすることによって形成することができる。SAPアプリケータがオンにされている時に、交差方向SAP含有レーンは、不織布基材材料の側部から側部まで形成されることはない。SAPアプリケータがオフにされている時に、交差方向SAP不存在レーンは、不織布基材材料の側部から側部まで形成される。幾つかの側面では、交差方向SAP不存在レーンは、開口部の開閉によって形成され、この場合に、閉鎖は、SAPアプリケータの幅全体又は幅の実質的な部分にわたる。
【0110】
幾つかの側面では、SAPは、真空下でパターン付きシェルに(例えば、パターン付きシェルの上方に位置決めされた不織布基材上に)連続的に付加することができる。パターン付きシェルのセクションは真空下にない場合があり、又はSAPが、そのようなセクションにおいてパターン付きシェル(又はその上の不織布)に取付けられないように真空吸引をそのようなセクション内で遮断又は中断することができる。一部のSAP微粒子は真空中に消失される可能性があるが、この付加方法は、明確に定められたSAPパターンを形成することができる。
【0111】
SAP不存在レーン-流体を流通させるための上側層内の選択的配置
幾つかの側面では、本明細書に開示する吸収性コア複合物の少なくとも1つの吸収性材料層はSAP不存在レーンを含み、吸収性コア複合物の少なくとも別の吸収性材料層はSAP不存在レーンを含まない。幾つかの側面では、SAP不存在レーンを吸収性コア複合物の最上側身体側吸収性材料層内に含み、最下側吸収性材料層内には含まないことが有利である。SAP及びSAP不存在レーンのそのような配置は、流体流れをコアの上側層からコアの下側層に流体流通させることによって吸収性コア複合物の高速な流体吸収を容易にすることができる。
【0112】
SAP不存在レーン-レーン間の変動
幾つかの側面では、複数のSAP含有レーンは、少なくともある意味では変化することが可能である。例えば、これらのSAP含有レーンは、SAP含有レーン内に含まれるSAP粒子のサイズ、SAP含有レーン内に含まれるSAP粒子のタイプ及び/又は組成、SAP含有レーン内に含まれるSAP粒子の濃度(例えば、不織布基材の面積当たりのSAPの量)、SAP含有レーンの非SAP粒子の追加又は欠如、SAP含有レーンの幅、長さ、及び/又は高さ(x方向、y方向、及びz方向の)、並びにSAP含有レーン内でSAPを支持する不織布基材(例えば、NW、BNW、BBNW、スリット付きNW)のタイプ及び/又は状態で変化することが可能である。幾つかの側面では、SAP不存在レーンとSAP含有レーンは、吸収性コア複合物の側縁に高速吸収SAPを設け、吸収性コア複合物の中心/股領域内に低速吸収SAPを設けるように不織布基材上に選択的に配置することができる。
【0113】
幾つかの側面では、SAP不存在レーンは、それを形成する不織布基材以外は空である。他の態様では、SAP不存在レーンのうちの少なくとも1つは、非吸収性材料の粒子及び/又は繊維を含有する。
【0114】
SAP不存在レーン-異なるSAP層の組合せ
幾つかの側面では、機械加工方向SAP不存在レーンと交差方向SAP不存在レーンとを含む異なる吸収性材料層は、単一吸収性コア複合物内に位置決めすることができる。例えば、吸収性コア複合物は、機械加工方向SAP不存在レーンを有する最上側(身体側)上部吸収性材料層と、交差方向SAP不存在レーンを有する中間吸収性材料層と、SAP不存在レーンのない均一なSAP層を有する最下側吸収性材料層とを有する少なくとも3つの吸収性材料層を含むことができる。
【0115】
図6A、
図6B、及び
図7A~
図7Gに示すAM層は、本明細書に開示する吸収性コア複合物のいずれかでのAM層のいずれかとして使用することができる。
【0116】
複数の異なる層内のSAP不存在レーン
図8は、一方がAM1交差方向不存在レーンFLを有し、他方がAM2機械加工方向不存在レーンFLを有するSAP層の組合せを示している。幾つかの実施形態では、上部SAP層AM1は、流体吸入物の初期のより大きい容積を利用可能なSAPによってコアの他の部分に急速に分配するような機械加工方向のSAP不存在レーンを特徴とすることになる。下側SAP層AM2にも、同じ理由から機械加工方向SAP不存在レーンを装備することができる。しかし、更に別の変形では、下側SAP層には、他の理由から交差方向SAP不存在レーンを装備することができる。一部の用途では、吸収性コア複合物は、上部層と、初期流体吸入物をz方向に容易に分配するほど十分に機能するADL層とを有することができる。この場合に、下側SAP層は、下側レベルの中に流れ込んで受入れられた流体をy方向とx方向に分配するように機能することができる。この場合に、そのような流体容積は、それ程大きくなく、中心領域内に集中しない場合があると見込んでいる。更に、底部層内の交差方向不存在レーンは、長手方向軸の周りに何らかの可撓性を追加することになる(すなわち、着用中に横側縁がユーザの身体に適合するように、より容易に回転することができる)。図示のように、コア810は、最上側通気不織布と、最下側SMS層と、スリット付き不織布である中間不織布層とを含む。本明細書に開示するスリット付き不織布は、全てが引用によって本明細書に組込まれている特許文献5に開示されているものと同じか又は実質的に類似とすることができる。
【0117】
エンボス加工線に整列したSAP不存在レーン
図9は、隣接する不織布層間を結合(例えば、接着)するエンボス加工線ELを含む補正効果910を示している。コア910は、AM1を間に挟む最上側通気層ATとエンボス加工された中間通気層ATとを含む。AM1は、SAP含有レーンとSAP不存在レーンを含む。コア910はまた、AM2を挟む最下側不織布SMSを含む。最上側及び中間AT層が、エンボス加工され、SAPを硬化させて時にSAPの吸収力を低減することになる接着剤をSAPに付加することなくこれらのAT層が互いに接着されるように、AM1のSAP不存在レーンFLは、最上側及び中間AT層のエンボス加工線(EL)に整列する。すなわち、最上側AT層は、中間AT層と共にAM1のFLレーンに対応する場所でのみエンボス加工される。更に、SAP不存在レーンとエンボス加工線との整列は、ユーザによって着用された時にコアの可撓性を改善することによってフィットを容易にする曲げ線又は折畳み線をコア910内に与える。
【0118】
エンボス加工線がSAP不存在レーンと一致すると、コア910は、SAPの絶対位置及び相対位置を乱すことなく、かつSAPの吸収特性を乱す(SAP粒子を互いに近づくように押進することにより)ことなく曲がる/折畳む機能を有する。従って、エンボス加工/折畳み/曲げ線は、コア910が平らな形態からユーザによる着用時の折畳み形態及び/又は束ねた構成に移動することを可能にする。図示のように、エンボス加工/折畳み/曲げ線ELは、コア910の長手方向の延びと平行に延びる。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのエンボス加工/折畳み/曲げ線は、コア910の長手方向中心線と一致する。
【0119】
図9Aは、平らな形態にあるコア910の概略図を示しており、
図9Bは、曲げ形態又は折畳み形態にあり、横側縁913が上向きに促進されてコア910のELと一致するコアに沿う場所912で曲ったコア910の概略図を示している。
【0120】
吸収性物品の中に組込まれた吸収性コア910がユーザによって着用されると、ユーザの身体から吸収性コア910に対して与えられる力は、吸収性コア910の収縮及び/又は折畳みを引き起こすことができる。EL線は、吸収性コア910の制御式収縮を可能にするか又は促進する。EL線は、吸収性コア910の折畳み中のピボット線912を定める。例えば、吸収性コア910がユーザの太腿と太腿の間に位置決めされると、ユーザの太腿は、吸収性コア910の横方向中心線と平行に方向が定められた力成分、z方向に方向が定められた力成分、又はその組合せを有する力を吸収性コア910に対して作用することができる。そのような力は、EL線の周りのそれに沿った特に吸収性コア910の中心股領域915内の折畳み及び収縮をもたらすことができる。吸収性コア910のそのような収縮及び/又は折畳みは、中心股領域に限定される又は少なくとも集中することができる。
【0121】
着用された時にコア910が促進されて取る特定の形状は、例えば、EL線の数、EL線間隔、EL線の横幅、SAP不存在レーンとSAP含有レーンの間隔及び幅、並びにEL線、SAP不存在レーン、及びSAP含有レーンの数に依存して変化する場合がある。吸収性コア910は、
図9Aに示す形状に折畳むことに限定されない。
【0122】
使用時に、コア910のEL線は、ユーザによる着用時にコア910がそれに対して与えられる動的に変化する力に動的に反応することを可能にする。例えば、ユーザが歩く時に、コア910に対して与えられる力は、ユーザの脚の移動と共に変化する。EL線は、コア910をそれに与えられる力の変化に応答して動的に少なくとも部分的に折畳み、少なくとも部分的に展開することを可能にする。
図9Bに示すように、折畳まれた又は曲げられた時に、コア910は、横セクション913が中心セクション915に対して上向きに傾斜したトラフ917を定めることができる。トラフ917は、コア910の横側縁からの漏出を阻止するように機能することができる。すなわち、流体がコア910の横側縁を流れ過ぎるためには、流体は、横セクション913によって形成された「ウイング」に沿って上向きに重力に対抗して流れなければならない。
【0123】
スリット又は開口
図10は、交差方向の吸収性材料不存在レーンFLを特徴とする吸収性材料層AM1と整列されて、それに下流で隣接するように位置決めされたスリット付き不織布層SNWを含む多層吸収性コア複合物MLC1010の分解斜視図である。初期流体浸潤物は、最初に最上側不織布層ATに到着し、この層は、流体流れを最上側吸収性材料層AM1に分配する。AM1の吸収性材料不存在レーンFLは、MLC1010内で流体を横に誘導することによってMLC1010の横側縁への流体吸入物の分配を容易にする。スリット付き不織布層SNWは、複数のスリット1011を含む。
図10に示すように、スリット1011は、交差方向に整列されて延びる吸収性材料不存在レーンFLの延びと垂直に機械加工方向に整列されて延びる。しかし、本明細書に開示する吸収性コアはこの構成に限定されず、互いに整列されないスリット、交差方向に延びるスリット、交差方向と機械加工方向の両方に対して直交して延びるスリット、又は隣接吸収性材料不存在レーンとの平行整列状態で延びるスリットを含むことができる。
【0124】
AM1層のSAPの下に位置決めされたスリット1011は、AM1からSNWを貫通し、かつSNWの下に位置決めされた別のSAP含有層AM2に至る流体の搬送を容易にする。上記に説明した他の複合物の場合と同様に、底部SAP含有層AM2は、上部SAP層AM1によって吸収されなかった残りの流体に対する追加のストレージを与える。
【0125】
SNWのようなスリット付き不織布層は、部分的に又は完全に貫通して延びる1又は2以上のスリットを有するNW、BNW、及びBBNWを含むいずれの不織布も含むことができる。スリット付き不織布は、本明細書に開示する吸収性コア複合物の任意の上面シート、裏面シート、及び/又は中間シートを形成することができる。スリットは、それを形成するスリットブレードへの摩耗を引き起こす可能性がある他の隣接層又は吸収性材料(例えば、SAP粒子)の貫通を用いて延びることなく不織布層のみを貫通して(部分的又は完全に)延びることができる。或る態様では、スリットは、流体流れが最も大きいと予想される股領域に整列された不織布層の区域内に集中されるか又はそこにのみ位置決めされる。スリットにわたるエンボス加工は、スリットのサイズを低減する可能性があるので、スリットは、吸収性コア複合物上のエンボス加工点又はエンボス加工線から離間するように配置及び位置決めすることができる。
【0126】
スリット-SAPとの相互作用
幾つかの側面では、スリット付き不織布層が吸収性材料層の上方又は下方に位置決めされると、吸収性材料(例えば、SAP)の少なくとも幾つかは、少なくとも部分的にスリット内に定着する又は他に位置決めされる。或る態様では、吸収性材料を不織布層の上に付加及び/又は位置決めするために真空力が使用され、真空力は、吸収性材料の少なくとも幾つかを少なくとも部分的にスリットの中に押し込む。他の実施形態では、スリットには吸収性材料が不在である。
【0127】
幾つかの側面では、スリットが開放状態にあり、かつ不織布層の身体側面から反対の面まで不織布層を完全に貫通して延びる場合に、吸収性材料の少なくとも幾つかは、スリットの上方(例えば、上側吸収性材料層内)の位置からスリットを貫通してスリットの下方(例えば、下側吸収性材料層内)の位置に搬送される。従って、スリットは、AM1のような1つの吸収性材料層からAM2のような別の吸収性材料層への吸収性材料の搬送を可能にすることができる。他の態様では、スリットは、吸収性材料が通過するには狭すぎる。
【0128】
スリット-SAPレーン及びSAP不存在レーンに対する整列
幾つかの側面では、例えば、スリット内へのSAPの堆積を回避するために、スリット付き不織布上のスリットは、吸収性材料層のSAP不存在レーンに整列する。スリットがSAP不存在レーン又はSAP不存在区域に整列することにより、コアの下側区域への流体流量を改善することができる。他の態様では、例えば、スリット内へのSAPの堆積を促進するために、スリットはSAP含有レーンに整列する。スリットは、SAP含有レーンとSAP不存在レーンの両方に整列することができる。しかし、幾つかの側面では、SAPは、スリットにわたって又はその中に配置することによって下側層内への流体流量を低減することができる。
【0129】
SAP不存在ゾーンを形成するためのシステム及び工程
図11及び
図12は、本発明の開示による吸収性材料不存在ゾーンを特徴とする吸収性コア材料層を付加するためのシステム及び工程の概略斜視図である。
図11を参照すると、システム1100は、不存在レーンFLを間に挟むSAPレーン内で嵩高不織布(BNW1)上にSAPを分配することを可能にする選択的に位置決めされた出口(この図では見ることができない)を有するホッパーとすることができるSAP分配器SDを含む。システム1100は、機械加工方向SAPレーンを形成するように構成される。機械ローラー1111は、追加の嵩高不織布(BNW2)を堆積されたSAPの上で位置決めし、それによってSAPを2つの嵩高不織布BNW1とBNW2の間に挟む。
【0130】
図12を参照すると、システム1200は、格子パターンが形成されるように交差方向と機械加工方向の両方にSAP不存在レーンFLを有する嵩高不織布BNW1の上のSAPセクション内にSAPを堆積させるSAP分配器SDを含む。
図12のSDは、出口を開閉するように選択的に開放可能及び閉鎖可能なバルブを有して交差方向と機械加工方向に不存在レーンFLを有する嵩高不織布BNW1上のSAPセクション内にSAPを分配することを可能にするように適応させることができる。
図12のSDは、断続的なSAPストリームを印加することができる。これは、開閉する開口をSD上に有することによって達成することができる。これに代えて、それは、グラビアロール又は振動チャネル(断続的な振動パルスを有する)を用いて達成することができる。
【0131】
幾つかの側面では、SAP不存在レーンは、z方向とx方向とy方向とにおむつの残りに向うより多くの自由流れを可能にする空隙容積を与えるので、最も高い容積流量/流量を受入れる区域内で(すなわち、ターゲットゾーン及び面の近くで)有利である。SAPは、通常速度で吸収を行うことができるが、余剰液体は、SAPを迂回し、SAP不存在レーンを通っておむつの中の他の区域に達することができ、この余剰液体は、他のSAPが吸収して閉じ込めることができる。従って、SAP不存在区域を配置する好ましい実施形態は、選択的に底部SAP層内にいずれのSAP不存在レーンも持たずに、最初の又は最初のいくつかの吸収性材料層内にSAP不存在レーンを有することになる。
【0132】
幾つかの側面では、複合物内の全てのSAP層又はSAPレーンに関してSAP特性は同じである。他の態様では、各層又は各レーンに使用されるSAPの特性は、より急速な流体の獲得、分配、及び吸収性コアのより効率的な利用を可能にするように制御及び変更される。流体放出に最も近いSAP層は、内部への流体流れ(z方向の流れ)及び横分配(x方向、y方向の流れ)を最大に高めるために高い流体透過性を有することになる。SAP不存在レーンは、上部層内でこの同じ機能性を与えるのに有利である。遅めの吸収速度を有するSAPは、流体浸潤物の高流量期間中により多くの流体の迂回を可能にすることができるので、そのようなSAPを上部層内で有利に利用することができる。SAP層は、コアの底部に向けて漸進的に高速にすることができる。幾つかの側面では、BNW内の最適な粒子不動化に向けてSAPの粒子サイズをBNW密度と整合させることが有利である。SAP粒子サイズ範囲の最適な不動化に向けて望ましい密度を達成するように機械ブラシ掛け工程の条件(下記でより詳細に議論する)を操作することによってNWの嵩高化工程を制御することができる場合がある。
【0133】
オンライン繊維散乱/遊離繊維層
或る態様では、本明細書に開示する多層吸収性コア複合物は、少なくとも1つの「遊離」繊維層を含む。本明細書に使用する場合に、「遊離繊維」は、ウェブ内等で互いに結合されていない複数の個々の繊維の集団を指す(例えば、繊維は不織布ウェブ又は織布ウェブを形成しない)。従って、遊離繊維の各個々の繊維は、遊離繊維の他の個々の繊維から分離可能であり、それらに対して移動可能である。
【0134】
図13A~
図13Cは、各々が遊離繊維層1301a又は1301bを含む多層吸収性コア複合物又は構成物MLC1300a、MLC1300b、及びMLC1300cの模式的正面図である。繊維層1301a及び1301bは、急速獲得及び分配機能を与え、SAP層の上流又はそれに隣接する中間寄りの位置に計画的に配置される。
図13A及び
図13Bでは、繊維層1301a及び1301bは、それぞれ、2つのSAP層1310aと1310bの間に位置決めされ、第1のSAP層1310aによって吸収されなかった流体吸入物の第2のSAP層1310b内の追加のSAP材料への流通を容易にする。他のBNW層とは異なり、繊維層1301a及び1301b(繊維網層とも称する)の繊維は結合されず、2つの隣接したSAP層1310aと1310bの間のより多くの流体流れを容易にする。理論によって束縛されることなく、非結合繊維は、繊維層1301a及び1301bの付加のより高い制御を可能にすると考えられる。繊維層1301a及び1301bの量及び組成は、x方向、y方向、及び/又はz方向に変化させることができる。繊維層1301a及び1301bの非結合繊維は束縛されず、必要に応じて整列又は密集させて望ましい効果を達成するように操作することができる。
【0135】
図13Aを参照すると、散乱遊離繊維の単層である遊離繊維層1301aを含む一例示の吸収性複合物MLC1300aが描かれている。遊離繊維層1301aは、2つの吸収性材料層1310aと1310bの間に位置決めされるように示されている。当業者は、そのような遊離繊維を2つの不織布層の間、又は不織布層と吸収性材料層の間に位置決めすることができることは理解されるであろう。これらの繊維は、直接SAP及び/又は不織布上に散乱させることができる。遊離繊維層1301aの散乱遊離繊維は、MLC1300a内でそれを貫通するより高速な液体獲得を容易にする切開空隙空間の層をMLC1300a内に与える。幾つかの側面では、遊離繊維層1301aの散乱遊離繊維上にSAPが付加され、その中に混合される。MLC1300aは、第1のSAP層1310aの上方に位置決めされた身体側不織布層1320aと、第2のSAP層1310bの下方に位置決めされた不織布層1320bと、その下方に位置決めされた第3の不織布層1310cとを更に含む。散乱遊離繊維を含む複合物の各不織布層は、BNW層、BBNW層、及びスリット付き不織布層を含む本明細書に開示する任意の不織布とすることができる。散乱遊離繊維を含む複合物の各吸収性材料層は、SAP含有レーンとSAP不存在レーンとを有するものを含む本明細書に開示する任意の吸収性材料層とすることができる。
【0136】
遊離繊維層1301aの繊維は、
図13Aに示すように散乱不規則構成に配置することができる。他の態様では、遊離繊維層の繊維は、規則的な構成に配置される。例えば、
図13Bを参照すると、遊離繊維層1301bの繊維はz方向に整列されている。繊維は、他の規則的な構成に又はx方向又はy方向のような方向に整列することができる。遊離繊維層1301bの繊維は、静電力を用いて整列することができる(フロック加工)。例えば、繊維は、電荷を保持する機能を有する組成のもの(例えば、ポリエステル繊維)とすることができる。そのような態様では、繊維に印加された電界は、繊維を1つの方向(機械加工方向、交差方向、又は任意の望ましい方向)に整列する。繊維は、互いに結合されず又は他に取付けられないので互いに分離可能であり、電界に応答して整列状態に入ることが可能になる。望ましい整列が得られた後に電荷の印加を中止することができる。
【0137】
散乱繊維としての使用に適した一部の繊維は、セルロース繊維(例えば、木質パルプ繊維、ビスコース繊維、レーヨン繊維)、合成繊維(例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維)、又はその組合せを含むがこれらに限定されない。或る態様では、繊維は、多成分(例えば、二成分)繊維を含む。本明細書に使用する場合に、「二成分」繊維は、異なる化学特性及び/又は物理特性を有する2つの材料からなる繊維である。例えば、二成分繊維は、2つの異なるポリマーからなる繊維とすることができる。二成分繊維は、コア/シェル形態を有することができる。
【0138】
幾つかの側面では、遊離繊維層内の全ての繊維は、形状、サイズ、組成、化学特性、機械的特性、及び任意の他の物理特性において同一又は実質的に同一である。他の態様では、形状、サイズ、組成、化学特性、機械的特性、及び/又は任意の他の物理特性の混合を有する繊維が遊離繊維層に使用される。
【0139】
遊離繊維層の特性は、遊離繊維層内の繊維の数及び/又は質量、繊維の組成、繊維の混合(例えば、1よりも多い繊維種の混合)、繊維の密度、繊維の太さ、繊維の長さ及び/又は幅、繊維(例えば、グラフト繊維)の化学機能性、並びに繊維の位置決め、配置、及び方向性を含むがこれらに限定されない任意の数のパラメータを変えることによって変化させることができる。繊維は、SAP含有レーン内に、SAP不存在レーン内に、スリット内に、不織布のBBNWセクション上又は内に、BNWの非嵩高化セクション上又は内に、又はその組合せで位置決めすることができる。
【0140】
幾つかの側面では、繊維を吸収性コア複合物の層の上に散乱させるためにニードルロール散乱器が使用される。他の態様では、繊維を堆積させる際にウェブ及び散乱繊維に電界が印加されるフロック加工が使用される。
【0141】
図13Cは、BNWと、セクション毎のBBNWと、SAP不存在レーンと、SAP含有レーンと、遊離繊維と、スリット付き不織布とを組合わた吸収性複合物の層の代替配置を示している。MLC1300cは、最上側身体側スリット付き不織布層1321を含み、その下方に遊離繊維層1301aが位置決めされ、最上側吸収性材料層1311の上に堆積される。吸収性材料層1311は、SAP含有レーン1311aとSAP不存在レーン1311bを含む。吸収性材料層1311の下方には、SAP含有レーン1311aに整列されたBBNWセクション1323aとSAP不存在レーン1311bに整列された非嵩高化セクション1323bとを含むセクション毎に嵩高化された嵩高不織布層1323が位置決めされる。セクション毎に嵩高化された嵩高不織布層1323の下方にはSAP不存在レーンを持たないSAP層1312が位置決めされ、その下方にはいずれの嵩高化セクションも持たないBNW層1325が位置決めされる。浸潤時に、スリット付き不織布1321は、遊離繊維層1301aに向う流体分配を促進し、遊離繊維層1301aの繊維は、SAP不存在レーン1311bとSAP含有レーン1311aの両方への流体分配を促進する。SAP含有レーン1311a内のSAPは、SAP層1312への毛管内移動を促進することができる嵩高化セクション1323a上又は内に支持することができる。非嵩高化セクション1323bの繊維は、SAP不存在レーン1311bからSAP層1312への毛管内移動を促進することができる。SAP層1312のSAPは、その1つの部分から別の部分への毛管内移動を促進することができるBNW層1325の繊維上に支持することができる。
【0142】
使用時に、本明細書に開示する遊離繊維層の繊維は、毛管内移動、流体分配を促進し、圧縮性、並びにユーザに対する快適性を高めることができる。遊離繊維層の繊維は、特に、繊維が電界等によって整列された時にコア複合物内で流体流れを誘導することができる。
【0143】
遊離繊維層を堆積させるためのシステム及び工程
図14Aは、遊離繊維層を含む吸収性コア複合物を形成するためのシステム1400を示している。
図14Aは、「SAP付加部5」が繊維アプリケータ1401で置換されていることを除いて
図5と同一である。繊維アプリケータ1401は、下を通過する不織布及び/又は吸収性材料の積層体上に繊維を散乱させて又は他に堆積させて積層体上に遊離繊維層を形成する装置である。繊維アプリケータを製造工程内の1つの位置に示すが、繊維アプリケータは、遊離繊維層が吸収性コア複合物内の異なる位置にくるように製造工程内の異なる場所に位置決めすることができる。更に、幾つかの側面では、複数の遊離繊維層を有する吸収性コア複合物が形成される。
【0144】
図14Bは、一例示の繊維アプリケータ1401の詳細図を示している。繊維アプリケータ1401は、遊離繊維1405を閉じ込めるホッパー1403を含むことができる。分配ローラー1407は、ローラー1409と連携してホッパー1403からその下を通過する不織布NWの上に遊離繊維1405の散乱部分を分配して不織布NW上に遊離繊維層1301を形成するように作動(例えば、回転)することができる。繊維アプリケータ1401は、繊維1405を撹拌するための攪拌器1411と、繊維1405の分配を調整するための分配調整器1413とを更に含む。
【0145】
幾つかの実施形態では、遊離繊維は、堆積(例えば、散乱)された後に吸収性コア内で遊離状態及び非結合状態に留まる。他の実施形態では、遊離繊維は、吸収性コア内で遊離状態及び非結合状態に留まらない。例えば、そのような幾つかの実施形態では、遊離繊維が不織布上に堆積した後に接着剤又は他の結合剤が遊離繊維の上面に付加される。他のそのような実施形態では、接着剤又は他の結合剤は、遊離繊維を不織布の面上に堆積させる前にこの面に付加される。幾つかの実施形態では、接着剤又は他の結合剤は、遊離繊維の上面へのSAPの付加の前又は後に付加される。接着剤又は他の結合剤がSAPの付加の後に適用される場合に、接着剤又は結合剤は、遊離繊維を固定するのに加えてSAPを遊離繊維、下層の不織布、又はその組合せに結合することによってSAPを固定することができる。接着剤又は結合剤は、スプレー付加により、又は後に工程内の下流で(引き続き)活性化される粒子を付加することによって付加することができるホットメルト接着剤(HMA)とするか又はそれを含むことができる。結合は、不織布上に付加される遊離繊維の混合物の中に少なくとも幾つかの熱可塑性繊維を含める段階を使用することによって達成することができる。そのような熱可塑性繊維は、遊離繊維間が結合されてウェブを形成するように後で加熱して遊離繊維が互いに交差する点で熱溶融させることができる。従って、遊離繊維は、遊離状態で付加することができるが、後でウェブ又はウェブ状構造内で互いに結合され、それによって不織布ウェブを原位置で形成することができる。こうして形成されたウェブ又は結合されていない時の遊離繊維は、幾つかの実施形態ではSAP粒子を含有することができる。他の実施形態では、形成されたウェブ又は結合されていない時の遊離繊維は、SAP粒子及び/又は他の吸収性材料を含有しない。
【0146】
嵩高化-嵩高不織布の切開
幾つかの側面では、吸収性コア複合物の少なくとも1つの不織布層に不織布が「嵩高化」されるような「嵩高化」が施される。
【0147】
嵩高化-事前及び事後嵩高化
図15A、15B、及び15Cを参照すると、嵩高化の前及び後の不織布がそれぞれ示されている。嵩高化される前に、不織布は、第1の幅、深さ、及び高さを有する。嵩高化された後に、不織布は、少なくとも1つが以前の幅、深さ、及び高さよりも大きい幅、深さ、及び高さを有する。従って、不織布の構成繊維は、嵩高化の後により大きい容積を占有する。従って、不織布は、嵩高化の前に第1の嵩密度を有し、嵩高化の後に第1の嵩密度よりも低い第2の嵩密度を有する。本明細書に使用する場合に、「嵩密度」は、不織布の全質量を不織布が占有する全容積で割り算したものを指す。本明細書に使用する場合に、「嵩密度」は、
図22A及び
図22Bを参照して議論する例に開示するものを含む当業者に既知の任意の数の方法及び技術によって決定することができる。
【0148】
更に、不織布の嵩高化は、不織布内の隣接繊維間の距離を増加させ、従って、不織布の全空隙容積を増大する。本明細書に使用する場合に、「空隙容積」は、固体(すなわち、繊維)によって占有されず、空隙(すなわち、繊維間の空間)によって占有される容積を指す。本明細書に使用する場合に、「空隙容積」は、
図22A及び
図22Bを参照して議論する例に開示するものを含む当業者に既知の任意の数の方法及び技術によって決定することができる。
【0149】
例示目的に対して、
図15Aと
図15Bの両方を参照すると、不織布の全空隙容積の単一セクション内の容積の増加が示されている。嵩高化の前の
図15Aでは、不織布の単一セクションは、第1の空隙容積を有する。嵩高化の後に、不織布の同じ単一セクションは、第1の空隙容積よりも大きい第2の空隙容積を有する。当業者は、嵩高化に起因して不織布の空隙空間の同じ容積増加が不織布の方々に発生することになることは理解されるであろう。従って、嵩高化に起因して不織布の全空隙容積が増加する。
【0150】
幾つかの側面では、不織布の面全体が嵩高化される。他の態様では、不織布の少なくとも1つのセクションが嵩高化され、不織布の少なくとも1つのセクションは、嵩高化されない。幾つかの側面では、SAP又は他の吸収性材料が堆積されることになる不織布のセクションのみが嵩高化される。例えば、本明細書に説明する嵩高化不織布のいずれも、本明細書の他の箇所で説明する任意のSAP不存在レーンを含むことができる。嵩高化不織布の嵩高化セクションは、SAP(又は他の吸収性材料)が不織布の嵩高化セクション上にのみ又は実質的にそこにのみ堆積されるようにSAP含有レーン、SAP含有ゾーン、又はSAP含有セクションに整列することができる。そのような態様では、不織布の非嵩高化セクション(すなわち、嵩高化を施さなかった不織布のセクション)は、SAP不存在レーンに整列する。従って、非嵩高化セクションがSAP不存在レーンに整列するように、嵩高化セクションをSAP不存在レーンのパターンに対応する不織布に付加することができる。不織布の或る選択セクションのみを嵩高化し、不織布の他の選択セクション又は選択ゾーンを嵩高化しないことにより、不織布及び関連の吸収性材料層の毛管現象に対する高度な制御が可能になる。幾つかの実施形態では、吸収性材料は、セクション毎のBBNWの嵩高化セクションにのみ付加される。
【0151】
幾つかの実施形態では、吸収性材料は、セクション毎のBBNWの非嵩高化セクションにのみ付加される。幾つかの実施形態では、吸収性材料は、セクション毎のBBNWの嵩高化セクションと非嵩高化セクションの両方に付加される。
図16A及び
図16Bは、不織布1600a及び1600bの断面図をそれぞれ示している。不織布1600aは、4つの非嵩高化レーン1606と3つの嵩高化レーン1608とを含む。不織布1600bは、その側縁に沿って2つの非嵩高化レーン1606を含み、これら2つの非嵩高化レーン1606の間に単一嵩高化セクション1608を含む。
【0152】
図16Cを参照すると、幾つかの側面では、嵩高化された嵩高不織布層1600cは、嵩高化レーン1655に隣接するように形成された長手方向SAP含有レーン1650を含む。嵩高不織布1660は、嵩高化セクション1665において選択的に嵩高化され、非嵩高化セクション1670において選択的に嵩高化されない場合がある。嵩高化セクション1665は、非嵩高化セクション1670と比較して大きい高さをy方向に有し、SAP1666をその内部に堆積させて閉じ込めることができるSAP含有レーン1650を形成することになる。
【0153】
図16Dを参照すると、幾つかの側面では、嵩高化された嵩高不織布層1600cは、嵩高化レーン1655に隣接するように形成された長手方向SAP不存在レーン1650を含む。嵩高不織布1660は、嵩高化セクション1665において選択的に嵩高化され、非嵩高化セクション1670において選択的に嵩高化されない場合がある。嵩高化セクション1665は、非嵩高化セクション1670と比較して大きい高さをy方向に有することになる。非嵩高化レーン1650がSAP不存在レーンを形成するように、SAPは、嵩高化レーン1655内に堆積し、非嵩高化レーン1650内に堆積しない場合がある。SAPは、嵩高化セクション1655の繊維の中に閉じ込める(例えば、交絡させる)ことができる。
【0154】
使用時に、SAP不存在レーン内の繊維の存在は、完全に空のチャネルと比較して流体を制御するのを補助することができる。空のチャネルは、流体に対するより高い空隙容積を有するが、本質的に制御を受けず、チャネルに沿って毛管内移動することができない。SAP不存在レーン内の繊維網が適正な毛管現象を有する場合に、液体は、チャネルに沿って毛管内移動して進行し、NWの毛細管構造が支持することができる高さまで液体をSAPに供給することができる。吸収性製品が衣類として着用され、「U字」形状にある時に、浸潤点と比較して高い区域は、吸収性コアの最大利用に向けてこの区域の相対高さまでの毛管内移動を支持する毛細管構造を有することができる。これは、浸潤点の周りでの選択的な嵩高化により、更に必要に応じて吸収性コアの端部での選択的な緻密化によって達成することができる。
【0155】
或る態様では、SAPは、BBNWに付加される時に乾燥状態にある(湿潤スラリの形態にない)。
【0156】
或る態様では、BBNWを組込んだ好ましい吸収性コア複合物は、通気不織布(ATNW)の上部層と、SAPを含有する2つの嵩高化NWレーンを有する中間のセクション毎に嵩高化されたBBNWと、底部SAP層とを含む。交替するSAP層とATNW層は、層間流体分配を容易にする。ATNW層は、液体がコア内で広がるための通路の嵩を与える。
【0157】
嵩高化-嵩高化不織布層を有する吸収性コア複合物
図17は、複数の吸収性材料層1702a及び1702bを含み、かつ複数の不織布層1704a、1704b、及び1704cを含む吸収性コア複合物MLC1700の好ましい実施形態を示している。
【0158】
図17に示す実施形態では、ベース又は基材不織布層1704c及び中間不織布層1704bが嵩高化セクション1706を有し、残りのセクションが嵩高化されないものとして示されている。上部又はカバー不織布層1704aは、いずれの嵩高化セクションも含まない。しかし、当業者は、本発明の開示による吸収性コア複合物が、嵩高化セクション1706又は嵩高化層を
図17に示すものとは異なる配置で含むことができることは理解されるであろう。幾つかの側面では、吸収性コア複合物の各不織布層は、少なくとも1つの嵩高化セクションを含む又は完全な嵩高化層である。ベース不織布層、1又は2以上の中間不織布層、上部不織布層、又はその任意の組合せは、少なくとも1つの嵩高化セクションを含むことができ、又は完全嵩高化層とすることができる。同様に、MLC1700は多層複合物であるが、嵩高化セクション又は不織布層の使用は、多層複合物での使用に限定されず、1つの不織布層のみ及び/又は1つの吸収性材料層のみを含む実施形態に実施することができる。
【0159】
吸収性材料層1702bは、複数のSAP粒子をベース不織布層1704cの嵩高化セクション1706上に堆積させることによって形成される。幾つかの側面では、ベース不織布層1704c上に堆積されるSAP粒子は、全てが特性の同一セットを有する。他の態様では、ベース不織布層1704c上に堆積されるSAP粒子の少なくとも幾つかは、ベース不織布層1704c上に堆積されるSAP粒子の少なくとも幾つかの他と異なる少なくとも1つの特性を有する。同じか又は異なる場合があるSAP粒子の特性は、粒子サイズ、材料組成、飽和及び膨張の特質、処理(例えば、SAPに架橋結合が施されたか否か及びどの程度まで施されたか)、及び他の特性を含むがこれらに限定されない。例えば、第1の複数のSAP粒子は、ベース不織布層1704c上で第1の特性セットを有する吸収性コア複合物1700の主ターゲット領域(例えば、予想浸潤区域)に位置決めすることができ、少なくとも1つの他の複数のSAP粒子は、ベース不織布層1704c上で吸収性コア複合物1700の他の領域に位置決めすることができる。吸収性コア複合物1700内で変化する特性を有するSAP粒子の位置は、吸収性コア複合物1700内での流体の流れ及び分配を最適化するように位置決めすることができる。
【0160】
中間不織布層1704bは、中間不織布層1704bとベース不織布層1704cの間に吸収性材料層1702bが挟まれるように吸収性材料層1702bの上方に位置決めされる。幾つかの側面では、中間不織布層1704bは、特許文献6及び3に開示するように、結合場所、結合点、又は結合線等によってベース不織布層1704cに結合される。
【0161】
吸収性材料層1702aは、複数のSAP粒子を中間不織布層1704bの嵩高化セクション1706上に堆積させることによって形成される。吸収性材料層1702bに関して上述のものと同じ方式で、中間不織布層1704b上(又はその少なくとも1つの嵩高化セクション1706)上に堆積されるSAP粒子は、全てが特性の同一セットを有することができ、又はSAP粒子は、1つの嵩高化セクション1706から別の嵩高化セクション1706に変化するか又は単一嵩高化セクション1706内で変化する特性を有することができる。例えば、第1の複数のSAP粒子1703bは、中間不織布層1704b上で第1の特性セットを有する嵩高化セクション1706b内の吸収性コア複合物1700の主ターゲット領域(例えば、予想浸潤区域)に位置決めすることができ、SAP粒子の2つの追加の複数のもの1703a及び1703cは、中間不織布層1704bの側縁又はその近くにある嵩高化セクション1706a及び1706cにおいて中間不織布層1704b上に位置決めすることができる。
【0162】
上部不織布層1704aは、吸収性材料層1702aが中間不織布層1704bと上部不織布層1704aの間に挟まれるように吸収性材料層1702aの上方に位置決めされる。幾つかの側面では、中間不織布層1704bは、米国特許第9,757,284号明細書及び第9,789,014号明細書に開示するように、結合場所、結合点、又は結合線等によって上部不織布層1704aに結合される。
【0163】
図17に示す実施形態では、その上にSAPが堆積される不織布層のセクションのみが嵩高化され、不織布層の残余は嵩高化された状態に留まる。しかし、他の態様では、SAPが堆積されない不織布層の部分を嵩高化することができる。
【0164】
幾つかの側面では、上部不織布層1704a及び中間不織布層1704bは通気不織布であり、ベース不織布層1704cはSMS不織布である。或る態様では、嵩高化不織布層(この実施形態では中間不織布層1704b及びベース不織布層1704c)は、吸収性コア複合物内で獲得分配層として機能する。
【0165】
嵩高化セクション又は層を含むコア構成物
図18A~
図18Fは、本発明の開示の或る態様による様々な吸収性コア構成物を示している。
【0166】
図18Aに示す吸収性コア複合物1800aは、嵩高化セクション1801aと非嵩高化セクション1801bとを含む嵩高不織布の上面シート層1801を含む。吸収性材料層1802は、上面シート層1801の下に位置決めされ、SAP含有レーン1802aとSAP不存在レーン1802bとを含む。図示のように、SAP不存在レーン1802bは、嵩高化セクション1801aの下に位置決めされ、SAP含有レーン1802aは、非嵩高化セクション1801bの下に位置決めされ、嵩高化セクション1801aからSAP不存在レーン1802b内への流体の搬送と、選択的に隣接SAP含有レーン1802a内のSAP内への吸収とが可能になる。従って、嵩高化セクション1801aとSAP不存在レーン1802bは、毛管内移動経路又はチャネルが吸収性コア複合物1800a内の流体を吸収性コア複合物1800a内に含有されるSAPまで移動することを相乗的に可能にすることができる。幾つかの側面では、この配置は、SAP不存在レーン1802bが非嵩高化セクション1801bの下に位置決めされ、SAP含有レーン1802aが嵩高化セクション1801aの下に位置決めされるように逆転される。吸収性材料層1802の下にはスリット付き不織布層1803が位置決めされる。図示のように、スリット1803aは、SAP不存在レーン1802bに整列され、SAP不存在レーン1802b内の流体が第2の吸収性材料層1804に流れるための毛管内移動経路を提供する。この配置は、スリットがSAP含有レーン1802aに整列するように逆転することができる。これは、吸収性材料層1802内のSAPが飽和した場合等に、流体がSAP含有レーン1802aから第2の吸収性材料層1804まで流れることを可能にすることができる。第2の吸収性材料層1804は、スリット付き不織布層1803の下に位置決めされ、その側縁にSAP不存在レーン1804aを含み、SAP不存在レーン1804a間にSAP含有中心レーン1804bを含む。上部吸収性材料層1802は、流体流れをSAP不存在レーン及びSAP含有レーンを通して誘導するように作動させることができ、それに対して第2の吸収性材料層1804は、嵩高流体吸収ゾーンとして作用することができる。裏面シート層1805は、嵩高不織布として示されている。幾つかの側面では、上面シート層1801は身体側層である。
【0167】
図18Bに示す吸収性コア複合物1800bは、スリット付き不織布の上面シート層1801を含む。上面シート層1801の下には吸収性材料層1802が位置決めされ、SAP含有レーン1802aとSAP不存在レーン1802bを含む。吸収性材料層1802の下方にセクション毎に嵩高化された不織布層1803が位置決めされ、嵩高化セクション1803aと非嵩高化セクション1803を含む。図示のように、SAP不存在レーン1802bは、嵩高化セクション1803aの上方に位置決めされ、SAP含有レーン1802aは、非嵩高化セクション1803bの上方に位置決めされ、SAP不存在レーン1802bから嵩高化セクション1803a内への流体の搬送と、選択的に隣接SAP含有レーン1804b内のSAP内への吸収とが可能になる。幾つかの側面では、この配置は、SAP不存在レーン1802bが非嵩高化セクション1803bの上方に位置決めされ、SAP含有レーン1802aが嵩高化セクション1803aの上方に位置決めされるように逆転される。層1803の下に第2の吸収性材料層1804が位置決めされ、その側縁にSAP不存在レーン1804aを含み、SAP不存在レーン1804a間にSAP含有中心レーン1804bを含む。裏面シート層1805は、SAP不存在レーン1804aに整列された嵩高化セクション1805を含み、かつSAP含有レーン1804bに整列された非嵩高化セクション(図示せず)を選択的に含むセクション毎に嵩高化された嵩高不織布として示されている。幾つかの側面では、上面シート層1801は身体側層である。
【0168】
図18Cに示す吸収性コア複合物1800cは、嵩高不織布の上面シート層1801を含む。上面シート層1801の下には吸収性材料層第1802が位置決めされ、SAP含有レーン1802aとSAP不存在レーン1802bを含む。吸収性材料層1802は、
図16Cに示すものと同じか又は実質的に類似の層とすることができ、SAPが嵩高不織布の非嵩高化セクション内に支持され、これらの非嵩高化セクション間に嵩高不織布の嵩高化セクションが位置決めされる。吸収性材料層1802の下にはスリット付き不織布層1803が位置決めされる。スリット付き不織布層1803の下には第2の吸収性材料層1804が位置決めされ、SAP及び/又は別の吸収性材料を含む。第2の吸収性材料層1804の下には嵩高化された嵩高不織布層1805が位置決めされる。嵩高化された嵩高不織布層1805は、セクション毎に嵩高化されず、その少なくとも1つの面にわたって完全に又は実質的に完全に嵩高化される。幾つかの側面では、上面シート層1801は身体側層である。
【0169】
図18Dは、代替吸収性コア構成物1800dを示している。NW、BNW、及び/又はBBNWである上面シート層は身体側層であり、浸潤物を受入れ、受入れられた浸潤物は上面シート層を通してこの図にはSAP不存在レーンとSAP含有レーンの両方を含むものとして示す第1の吸収性材料層の中に入る。上面シート層からの液体の少なくとも幾つかは、SAP含有レーンの中に流れ込み、SAPの中に吸収される。更に、上面シート層からの液体の少なくとも幾つかは、SAP不存在レーンの中に流れ込み、そこでSAP含有レーンのSAPの中に側面から流れ込むことができ、又は下方に中間不織布層の中に流れ込むことができる。この図では、中間不織布層は、嵩高不織布セクションと嵩高化された嵩高不織布セクションの両方を含むセクション毎に嵩高化された嵩高不織布として示されている。BBNWセクションは、上方の吸収性材料層のSAP含有レーンに整列する。BBNWの繊維は、SAP含有レーン内の液体が中間不織布層の下に位置決めされた第2の吸収性材料層のSAP含有レーンの中に下方に流れ込むための毛管内移動経路を形成する。例えば、上側SAP含有レーン内のSAPが飽和した場合に、液体は、BBNW繊維の中を貫流してSAP含有レーンの中に流れ込むことができる。第2の吸収性材料層は、嵩高不織布層上に支持される。
【0170】
図18Eは、代替吸収性コア構成物1800eを示している。少なくとも部分的に貫通するスリットを有するBNWである上面シート層は身体側層であり、浸潤物を受入れ、受入れられた浸潤物は、上面シート層を通してこの図にはSAP不存在レーンとSAP含有レーンの両方を含むものとして示す第1の吸収性材料層の中に入る。上面シート層のスリットは、SAP不存在レーンに整列され、その中に流体流れを誘導して入れる。上面シート層からの液体の少なくとも幾つかは、SAP含有レーンの中に直接に流れ込み、SAPの中に吸収される。更に、上面シート層からの液体の少なくとも幾つかは、スリットを通ってSAP不存在レーンの中に流れ込み、そこでSAP含有レーンのSAPの中に側面から流れ込むことができ、又は下方に中間不織布層の中に流れ込むことができる。この図では、中間不織布層は、嵩高不織布セクションと嵩高化された嵩高不織布セクションの両方を含むセクション毎に嵩高化された嵩高不織布として示されている。BBNWセクションは、上方の吸収性材料層のSAP含有レーンとSAP不存在レーンの両方に整列する。BBNWの繊維は、SAP不存在レーン及びSAP含有レーン内の液体が中間不織布層の下に位置決めされた第2の吸収性材料層の中に下方に流れ込むための毛管内移動経路を形成する。第2の吸収性材料層は、第1のSAP含有レーンと第2のSAP含有レーンを含む。第2のSAP含有レーンは、少なくともある意味では第1のSAP含有レーンと異なるSAPを含有することができる。例えば、第2のSAP含有レーンは、異なるタイプ及び/又は材料組成、異なるサイズのもの又は異なる吸収特性を有するSAPを含有することができる。幾つかの側面では、第2のSAP含有レーンは、レーンのうちの1つが、非SAPと混合されたSAPを含み、更に間隔子、不活性粒子、水溶性粒子、揮発性粒子、イオン交換粒子、又はその任意の組合せのような非吸収性粒子を選択的に含む点で第1のSAP含有レーンと異なる。イオン交換粒子のような添加粒子をターゲット区域内に堆積させることができる。尿がSAP材料床を通過する時にSAPが尿の水分を吸収することに起因して尿のイオン強度が高まると考えられる。イオン交換粒子をSAPと混合する段階を含む液体の経路に沿ったそのような粒子の導入は、そこで吸収される液体のイオン強度を低減し、SAPの吸収容量が維持される。第2の吸収性材料層は、嵩高不織布層上に支持される。
【0171】
図18Fは、代替吸収性コア構成物1800fを示している。BBNWである上面シート層は、その少なくとも1つの面上で完全に嵩高化される。BBNW層の繊維は浸潤物を受入れ、受入れられた浸潤物は上面シート層を通してこの図にはSAP不存在レーンとSAP含有レーンの両方を含むものとして示す第1の吸収性材料層の中に入る。上面シート層からの液体の少なくとも幾つかは、SAP含有レーンの中に直接に流れ込み、SAPの中に吸収される。更に、上面シート層からの液体の少なくとも幾つかは、スリットを通ってSAP不存在レーンの中に流れ込み、そこでSAP含有レーンのSAPの中に側面から流れ込むことができ、又は下方に中間不織布層の中に流れ込むことができる。この図では、中間不織布層は、嵩高不織布セクションと嵩高化された嵩高不織布セクションの両方を含むセクション毎に嵩高化された嵩高不織布として示されている。選択的に、中間BBNW層の1又は2以上のセクションは、そこを貫通するスリットを有することができる。中間BBNWの嵩高化セクションは、上方の吸収性材料層のSAP含有レーンの一部分に整列され、かつSAP不存在レーンの両方に整列する。BBNWの繊維は、SAP不存在レーン及びSAP含有レーン内の液体が中間不織布層の下に位置決めされた第2の吸収性材料層の中に下方に流れ込むための毛管内移動経路を形成する。第2の吸収性材料層は、嵩高不織布層上に支持される。
【0172】
図19A及び
図19Bは、嵩高化された嵩高不織布を含む吸収性コア複合物の断面図である。
【0173】
図19Aは、吸収性コア複合物1680dの断面図を示している。吸収性コア複合物1680dは、透過性層とすることができる上面シート1681と、不透過性層とすることができる裏面シート1682とを含む。上面シート1681と裏面シート1682の間には、複数の不織布層及び吸収性材料層が挟まれる。上面シート1681の下方に、吸収性コア複合物1680dは、貫通するスリット1684を有するスリット付き不織布1683を含む。スリット付き不織布1683の下方には、嵩高化された嵩高不織布層1685が位置決めされる。嵩高化された嵩高不織布層1685は、
図16Cに示す層1600cと同じか又は実質的に類似の層とすることができ、嵩高化不織布1687のSAP不存在レーン1687に隣接する非嵩高化セクション1688に位置決めされた吸収性材料レーン1686(すなわち、SAPレーン)に配置された吸収性層を含む。嵩高化された嵩高不織布層1685の下方には、嵩高化された嵩高不織布層1685が有するものとは異なる嵩高化セクションと非嵩高化セクションとのパターンを有する嵩高化された嵩高不織布層1685bが位置決めされる。嵩高化された嵩高不織布層1685aは、嵩高化されていない側縁1688bと嵩高化された中心領域1687bとを含む。嵩高化された嵩高不織布層1685a内では、嵩高化セクション1687bはSAP1686bを含有し、非嵩高化セクション1688bはSAPを含有しない。嵩高化された嵩高不織布層1685aは、裏面シート1682の上方に位置決めされる。幾つかの側面では、複合物1680dの各層は隣接層に接着される。或る態様では、不織布層のみが互いに接着され、吸収性材料は、不織布の繊維と交絡されるが接着されない。
【0174】
図19Bは、吸収性コア複合物1690の断面図を示している。吸収性コア複合物1690は、上面シート1691と裏面シート1692を含む。上面シート1691と裏面シート1692の間には、複数の不織布層及び吸収性材料層が挟まれる。上面シート1691の下方に、吸収性コア複合物1690は不織布1693を含む。不織布1693の下方には、嵩高化された嵩高不織布層1694が位置決めされる。嵩高化された嵩高不織布層1694は、それを貫通するスリットの配置と、SAPレーン1695及びSAP不存在レーン1698の配置とを含むことができる。嵩高化された嵩高不織布層1694の下方には、SAPレーン1695bとSAP不存在レーン1698bとを含む吸収性材料層1696が位置決めされる。吸収性材料層1696は、不織布層1697の上方に位置決めされる。
【0175】
幾つかの側面では、嵩高化される不織布の繊維組成に基づいて、嵩高化工程の後の熱の印加は、SAPの低密度構造及び不動化を安定化することができる。殆どの低密度不織布は、その繊維組成において二成分繊維を有する。そのような二成分繊維は、結合剤として作用する低融点成分を有する繊維である。従って、ブラシ掛け/SAP堆積中の再加熱及びその直後の冷却は、嵩高化不織布の構造を安定化することができるある程度低い百分率の再結合を達成することができる。
【0176】
不織布内に制御された孔径又は密度の離散区域を形成する段階を不織布の緻密化(エンボス加工)によって実施することができ、最低密度は、開始材料不織布によって指定される。
【0177】
不織布内に制御された孔径又は密度の離散区域を形成する段階は、離散区域内の構造を切開することによって実施することができる。そのような態様では、達成可能な最低密度は、処理パラメータによる以外は制限されない。離散嵩高化工程とエンボス加工工程とを組合せることにより、様々な用途に対して使用することができる一層広い密度範囲(低から高まで)を与えることができる。
【0178】
使用時に、y方向(機械加工方向)の毛管内移動が望ましい。ターゲット区域の近くのNWを嵩高にすることにより、流体と毛細管接触しているSAPに流体を提供するように制御された方式で流体を移動することができる大きい空隙容積を有する孔隙構造が形成される。一般的に、吸収性製品は、かなりのセクションが重力に対抗して流体を移動する必要がある「U字」構成にある。従って、毛管内移動流れを補助する構造が望ましい。そのようなセクション内では、適切にサイズが決定された孔隙(すなわち、ウェブ密度)を有する繊維網構造が望ましい。この構造は、BNW内でターゲットゾーンにあるより大きい孔隙が吸収性製品の端部に向けてより小さい孔隙に遷移する孔隙勾配構造を構成することによって完成することができる。この孔隙サイズ変化は、吸収性製品の長手方向(y方向)に沿って大きい孔隙から小さい孔隙への望ましい孔隙勾配を達成するような嵩高化、緻密化(エンボス加工)、又はその組合せによって達成することができる。
【0179】
嵩高化-機械嵩高化システム
図20は、嵩高化システム2000を示している。嵩高化システム2000は、本明細書に開示する不織布層のうちのいずれかを少なくとも部分的に嵩高化するのに使用することができる。嵩高化システム2000は、不織布供給部又は分配器2001と、不織布マニピュレータ2003と、嵩高化不織布コレクタ2005とを含む。不織布供給部2001は、緻密化された非嵩高化不織布2004を不織布マニピュレータ2003に提供する。例えば、不織布供給部2001は、不織布マニピュレータ2003内への投入に向けて不織布2004を巻き出すスプール2002を含むことができる。
【0180】
不織布マニピュレータ2003内では、嵩高化不織布2018を形成するように不織布2004が操作される。不織布2004の操作は、不織布2004の嵩密度が低下し、空隙容積が増加し、それによって嵩高化不織布2018が形成されるような不織布2004の「嵩高化」を達成する不織布2004の様々な処理又は工程のうちのいずれかを含むことができる。この操作は、不織布2004の機械操作、不織布2004の熱操作、又はその組合せを含むことができるがこれらに限定されない。操作中に、不織布の繊維母材を「切開」し、それによって不織布の密度を低減し、空隙容積を増大するように不織布が逆毛化操作、ブラシ掛け、毛羽化操作、加熱、及び/又は別途操作される。幾つかの側面では、不織布の身体側と身体側面と反対の面との両方は、不織布の両側をブラシ掛けすること及び/又は不織布を加熱することによって「嵩高化」される。或る態様では、SAPがその上に堆積したNWの側が嵩高化される。そのような態様では、NWの非ブラシ掛け側は、ブラシ掛け側よりも緻密で小さい空隙容積を有することになり、それによってSAPを捕捉し、NW層の中を通るSAPのフィルタリグを低減又は防止することになる。
【0181】
不織布を嵩高化するのに熱操作が使用される場合に、一方の側又は両側に熱を印加することができる。幾つかの側面では、熱が不織布の一方の面にのみ印加される時でさえも不織布の両方の面が嵩高化を示す。幾つかの側面では、SAPがその上に付加された不織布の面のみが嵩高化される。
【0182】
図20に示す実施形態では、操作は、不織布が不織布マニピュレータ2003を通過する時にブラシ2010a及び2010b(例えば、回転ブラシ)を用いて不織布の面をブラシ掛けする段階を含む機械操作である。不織布は、その面がブラシ2010a及び2010bの剛毛2012に係合するように不織布マニピュレータ2003の中に通される。例えば、一連の機械ローラー2008、2014、2019、及び2020が不織布と作動的に係合し、不織布を不織布マニピュレータ2003の中に通すように転動することができる。剛毛2012は、不織布の面に係合すると、不織布の繊維をブラシ掛けし、及び/又は逆毛立たせ、繊維を互いに対して引っ張り、不織布の嵩高化を達成することができる。繊維は、ブラシ掛けされると、ブラシ掛け作用に起因して互いに対して変位し、その結果、繊維間により大きい空隙空間を提供する。従って、不織布のシート厚が増大し、不織布の密度が低下する。
図20に配置されているように、ブラシ2010a及び2010bは、不織布の両方の対向面に係合してこれらの面を操作する。しかし、幾つかの側面では、不織布の一方の面のみが操作される。更に、不織布の各面は、単一ブラシ掛け装置によって操作されるように示されているが、幾つかの側面では、直列に位置決めされた複数のブラシが、不織布の面のうちの一方又は両方に係合して当該面を操作する。幾つかの側面では、複数のブラシが並列に位置決めされ、ブラシの各々は、不織布の選択セクションに係合してそれを操作するように配置される。
【0183】
嵩高化-ブラシ形態
図20Aを参照すると、機械ローラー又はブラシ心棒2015に取付けられた剛毛を含む中心ブラシ掛け領域2012と、その任意の側にある2つの非ブラシ掛け領域2013とを含むブラシ掛け装置2010cが示されている。ブラシ2010cのようなブラシを通り過ぎる時に、2012を含む中心ブラシ掛け領域に整列されてそれに係合する不織布のセクションが嵩高化されることになり、一方、2つの非ブラシ掛け領域2013に整列された不織布の部分は、非嵩高化状態(緻密化状態)に留まることになる。
【0184】
図20Bを参照すると、嵩高化セクションのレーンと非嵩高化セクションのレーンとを有する不織布を形成するように構成されたブラシ掛け装置2010dが示されている。ブラシ掛け装置2010dは、機械ローラー又はブラシ心棒2015に取付けられた剛毛2012を含むブラシ掛け領域2012と、それに隣接する非ブラシ掛け領域2013とを含む。ブラシ2010cのようなブラシを通り過ぎる時に、2012を含む中心ブラシ掛け領域に整列されてそれに係合する不織布のセクションが嵩高化されることになり、一方、2つの非ブラシ掛け領域2013に整列された不織布の部分は非嵩高化状態(緻密化状態)に留まることになる。従って、複数のブラシの配置及び各ブラシ上の剛毛の配置は、不織布上の嵩高化セクション及び非嵩高化セクションの選択パターンを形成するように構成及び位置決めすることができる。各ブラシ掛け装置2010の剛毛2012の圧力及び各ブラシ掛け装置2010の剛毛2012が不織布の面に対して移動する速度(例えば、ローラー心棒2015が回転する速度)を変更し、それによって不織布の嵩高化の存在及び/又は程度を変更することができる。図示のように、回転ブラシ2010a及び2010bは、不織布の移動に対して反対向きに回転する。この実施形態又は本明細書に開示する任意の他の実施形態での剛毛2012は、ナイロン剛毛又は任意の他のタイプの剛毛とすることができる。本明細書では機械マニピュレータは、ブラシを含むものとして図示して説明するが、機械マニピュレータは、不織布を嵩高化するように操作する、逆毛立てる、及び/又は促進するように構成された任意の構造、機械、システム、又は装置とすることができる。
【0185】
図20Cを参照すると、代替ブラシ2010cが示されている。ブラシ2010eは、心棒2015から第1の距離y1に延びる剛毛と、心棒2015から第2の距離y2に延びる剛毛とを含む。距離y2を延びる剛毛は距離y1を延びるものよりも長いので、第2の距離y2は、第1の距離y1よりも大きい。距離y1を延びる剛毛から距離y2を延びる剛毛までには、心棒2015上の剛毛2012の長さが中心剛毛領域2017aからx方向に沿って側縁2017bまで徐々にかつ間断なく(又は連続的に)減少するような距離y1とy2の間の中間にある距離を延びる剛毛がある。
【0186】
図20Dを参照すると、代替ブラシ2010dが示されている。ブラシ2010dは、領域2044aと領域2044bとを含む異なる剛毛領域2012を含む。各剛毛領域は、少なくとも一態様では変化する。例えば、剛毛2012は、領域2044aと2044bの間で剛毛の長さ、剛毛の幅、剛毛の充填密度(すなわち、心棒面の単位面積当たりの剛毛の数)、剛毛組成、及び剛毛剛度が変化することが可能である。
【0187】
再度
図20を参照すると、作動時に、不織布2004はスプール2002から巻き出され、不織布マニピュレータ2003に給送される。不織布マニピュレータ2003内で、不織布2004は第1のローラー2008と作動的に係合し、第1のローラー2008は不織布2004を第2のローラー2014に給送する。第2のローラー2014の上を移動する間に、ブラシ掛け装置2010aの剛毛2012が不織布2004に係合してそれを操作する。図示のように、心棒2015は第1の方向に回転し、第2のローラー2014は断面において反対方向に回転する。心棒2015の回転は、第2のローラー2014の周りの不織布の移動と反対の方向に剛毛2012を回転させる。こうして剛毛2012は、不織布2004を少なくとも選択される場所で少なくとも部分的に嵩高化する。少なくとも部分的に嵩高化された不織布2016は、次いで、第2のローラー2014から第3のローラー2019に送られる。第3のローラー2019の上を移動する間に、ブラシ掛け装置2010bの剛毛2012が不織布2004に係合してそれを操作する。図示のように、心棒2015は第2の方向に回転し、第3のローラー2019は第1の反対方向に回転する。心棒2015の回転は、第3のローラー2019の周りの不織布2016の移動と反対の方向に剛毛2012を回転させる。こうして剛毛2012は、不織布2016を少なくとも選択される場所で更に嵩高化して嵩高化不織布2018を形成する。図示のように、第2のブラシ2010bの剛毛2012は、不織布の第1の面に係合及び接触し、それに対して第1のブラシ2010aの剛毛2012は、第1の面と反対の不織布面に係合及び接触する。第3のローラー2019から、嵩高化不織布2018は第4のローラー2020に給送され、そこで嵩高化不織布2018は不織布マニピュレータ2003を出る。第4のローラー2020から、嵩高化不織布2018は、スプール2022上での回収に向けてスプール2022に給送される。幾つかの側面では、嵩高化不織布2018は、不織布マニピュレータ2003から吸収性コア複合物を形成するためのシステム又は装置の中に直接に給送される。例えば、嵩高化不織布2018は、その中に吸収性材料を堆積させるための装置及び/又は嵩高化不織布2018に他の不織布を結合するための装置に給送することができる。
図21は、例示の嵩高化システムを描く写真である。
【0188】
嵩高化-機械的及び熱的嵩高化システム
図23は、代替嵩高化システム2300を示している。嵩高化システム2300は、
図20に示す嵩高化システム2000と実質的に類似であり、類似の参照番号が類似の部分を示している。
図20を参照して図示して説明した機械操作に加えて、嵩高化システム2300は、不織布の嵩高化を促進するための不織布の熱処理を含む。
図23に示す実施形態では、熱処理は、熱風ノズル2033と冷風ノズル2031を用いて達成される。しかし、不織布の温度を上昇及び/又は低減して不織布の嵩高化を促進するために不織布を熱処理するための任意の数の構造を使用することができる。図示のように、熱風ノズル2033は、不織布マニピュレータ2003の中に組込まれ、第1のローラー2008と第1のブラシ2010aの間に挿入される。熱風ノズル2033は、不織布が第1のブラシ2010aによって機械操作される前に不織布2004上に加熱空気ストリームを付与する。加熱空気は、80℃又はそれよりも高いような周囲温度よりも高い温度にあることが可能である。不織布2004を加熱することにより、不織布2004の繊維を加熱前の不織布2004と比較してより柔軟にすることができる。従って、加熱不織布のブラシ掛けは、剛毛2012による操作に対して繊維がより柔軟であることに少なくとも部分的に起因して不織布のより高い嵩高化程度(すなわち、嵩密度のより有意な低下及び空隙容積のより有意な増加)を達成する。図示のように、冷風ノズル2031は不織布マニピュレータ2003の中に組込まれ、第2のブラシ2010bの後の第3のローラー2019と第4のローラー2020の間に挿入される。冷風ノズル2031は、不織布が第1のブラシ2010a及び第2のブラシ2010bによって機械操作された後に嵩高化不織布2018上に冷風ストリームを付与する。冷風は、加熱空気ノズル2031のものよりも低い温度にあり、周囲温度よりも低いことが可能である。冷風は、不織布の更に別の処理の前に不織布を冷却するように機能する。幾つかの側面では、NWウェブのセクションを選択的に加熱し、NWウェブのセクションの選択的な嵩高化を可能にするためにフォーカスされたIRを使用することができる。
【0189】
幾つかの側面では、嵩高不織布は、嵩高化セクションと非嵩高化セクションとの望ましいパターンを有するように熱手段及び/又は機械手段によって「印刷」することができる。熱手段及び/又は機械手段は、不織布を連続的又は断続的に嵩高化することができる。
【0190】
図20及び
図23には機械加工方向に嵩高化セクションを形成するように示すが、幾つかの側面では交差方向に嵩高化セクション又は嵩高化レーンを形成することができる。例えば、不織布の一部の交差方向部分が嵩高化され、一部が嵩高化されないように、ブラシ装置は、交差方向に剛毛を持たないセクションを有することができ、又は不織布と剛毛とを断続的に係合させることができる。
【0191】
幾つかの側面では、嵩高化の1又は2以上の態様を変更するために、不織布を嵩高化するためのシステム又は工程の1又は2以上のパラメータを変更することができる。例えば、変更することができる嵩高化の態様は、x方向、y方向、及び/又はz方向の嵩高化の位置、嵩高化の程度(すなわち、嵩密度を低減する程度及び空隙容積を増大する程度)を含むがこれらに限定されない。嵩高化のシステム又は工程の変更することができる態様は、ブラシが不織布に対して移動する速度、ブラシの剛毛の太さ、ブラシの剛毛の長さ、ブラシの剛毛の材料、ブラシの剛毛間隔、ブラシの剛毛と不織布の間隔、ブラシの剛毛のパターン、嵩高化中に使用されるブラシの数、熱風ノズルからの加熱空気の温度、熱風ノズルからの加熱空気の速度、熱風ノズルと不織布の間の距離、嵩高化中に使用される熱風ノズルの個数を含むがこれらに限定されない。
【0192】
嵩高化-ロフト増大及びSAP保持
不織布の嵩高化は、不織布のロフトの増大をもたらすことができる。更に、嵩高化は、嵩密度を低減し、更に空隙容積を増大させ、それによって不織布繊維ウェブの個個の繊維の各々の間の距離を増大させることによって不織布繊維ウェブを「切開」する。繊維ウェブのそのような切開は、切開前の不織布と比較して不織布の柔軟性及び圧縮性を高める。
【0193】
不織布ウェブのそのような切開は、より多くのSAPが不織布のより広がった繊維母材内に貫入してフィットすることができるので、嵩高化の前に不織布内に含有することができるSAPの量と比較してより大量の吸収性材料(例えば、SAP)を不織布内に含有することを可能にする。これは、SAPが切開前の不織布と比較してより完全に不織布の繊維との混合状態になることを可能にする。従って、不織布にそのような切開を施さない場合に交絡されることになるものよりも多いSAPが不織布繊維と交絡される。SAPは、不織布の繊維内での交絡に起因して少なくとも部分的に不動化される。幾つかの側面では、不織布の切開は、繊維ウェブ内でのそのようなSAP不動化の程度及び/又は量を増大する。従って、不織布内でのSAPの不動化に必要とされるホットメルト接着剤(HMA)のような接着剤の量を低減又は排除することができる。例えば、HMAの量は、嵩高化なく必要とされる量と比較して10重量%から50重量%だけ低減することができる。広がった不織布内での高いSAP保持力により、吸収性コア複合物は、少なくとも、不織布の嵩高化セクションがSAPを含有する吸収性コア複合物の領域において高い流体吸入率を示すことができる。
【0194】
幾つかの側面では、不織布の嵩高化は、嵩高化の前の不織布の嵩密度と比較して5%から50%、10%から40%、15%から30%、又は18%から25%の不織布の嵩密度の低下をもたらす。或る態様では、不織布の嵩高化は、嵩高化の前の不織布の嵩密度と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも18%、少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は約24%、又は約27%の不織布の嵩密度の低下をもたらす。
【0195】
幾つかの側面では、不織布の嵩高化は、嵩高化の前の不織布の空隙容積と比較して5%から75%、10%から60%、15%から50%、20%から40%、又は25%から35%の不織布の空隙容積の増加をもたらす。幾つかの側面では、不織布の嵩高化は、嵩高化の前の不織布の空隙と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、又は少なくとも45%、又は約37%、又は約45%の不織布の空隙容積の増加をもたらす。
【0196】
幾つかの側面では、嵩高化の後に、不織布は引き続き少なくとも部分的に圧縮され、それによって嵩高化が低減又は排除される。一部のそのような態様では、SAPは、嵩高化された嵩高不織布にその圧縮の前に、例えば、その嵩高化の直後に付加される。嵩高化の後に、BBNWの嵩密度が少なくとも部分的に高まり、BBNWの空隙容積が少なくとも部分的に減少するように、BBNW、関連の吸収性コア複合物、関連の吸収性物品(例えば、おむつ)のその後の処理又はその関連の最終パッケージ化は、BBNW、吸収性コア複合物、及び/又は吸収性物品を少なくとも部分的に圧縮することができる。或る態様では、BBNWは、そのようなその後の処理の後であっても、嵩高化の前のBNWと比較して低い密度及び大きい空隙容積を有する。従って、嵩高化の少なくとも幾つかは、最終製品内に留まり、製品性能を支援する。嵩高化のうちのいずれかが最終製品内に留まるか否かに関わらず、嵩高化は、吸収性コア複合物の生産中にBNWの繊維内でのSAPの増大した交絡を可能にする。
【0197】
嵩高化-実施例-2つの不織布のブラシ掛け
図22A及び
図22Bを参照すると、2つの通気結合不織布に
図20及び
図21のシステム内でブラシ掛けが施されている。
【0198】
実験的処理パラメータ
これらの例では、材料処理は、16℃の温度及び40%の相対湿度(RH)で外部加熱又は材料湿潤の周囲条件を用いない周囲条件下で実施した。全ての材料は、試験前にこれらの周囲条件に適応させた。これらの例に対して用いた処理パラメータは、(1)30ギアでの不織布ウェブ給送、(2)24ギアでのブラシ処理、(3)不織布ウェブ対ブラシ処理の4:5(すなわち、24:30)の比、及び(4)約5m/分の作動速度(手動駆動)を含んでいた。第1の例に対して用いたサンプル不織布は、ADL30 Hua Yi ADL30/PPT 30g/m2であり、第1の例に対して用いたサンプル不織布は、ADL50 Hua Yi ADL50/PPT 50g/m2であった。
【0199】
ウェブ密度及び坪量の決定
嵩高不織布に関する厚さがどのように決定されるかに関する例は、WSP120.2.R4(EDANA)に見出すことができる。嵩高不織布に関する坪量がどのように決定されるかに関する例は、WSP130.1.R4(EDANA)に見出すことができる。各サンプルの密度を以下の通りに決定した。(1)穿孔パンチ、Hanolex3295φ50mm、A19.63cm2を用いて特定のサンプル面積[A]を有するようにサンプルを切断した。(2)押さえ金を有するデジタルインジケータをMitutoyo543-470BをKaferφ35mmと共に用いてサンプル厚[H]を決定した。(3)Radwag AS220/C/2を用いて分析天秤上で計量することによってサンプル質量[M]を決定した。(4)ρがサンプル密度[g/cm3]であり、Aがサンプル面積[cm2]であり、Mがサンプル質量[g]であり、Hがサンプル厚[cm]である時に、計算式ρ=M/(A×H)に従ってサンプルウェブ密度[ρ]を計算した。サンプルパンチは、19.63cm2のAでφ50mmであり、この場合に、ρの単位をg/cm3=g/ccとした。MAがサンプルの単位面積質量[g/m2]であり、Aがサンプル面積[cm2]であり、Mがサンプル質量[g]である時に、計算式MA=M/A×106に従ってウェブ坪量を決定した。
【0200】
空隙容積の決定
空隙容積(VV)又は多孔率(φ)は、密度(ρ)に直接的に比例し、従って、嵩密度を低減することによって空隙容積は増加することになる。ウェブ多孔率(空隙容積)は、φがサンプルの多孔率又は空隙容積[g]であり、M1がサンプル質量[g]であり、M2が、空隙容積が充填された時のサンプル質量[g]である時に、計算式φ=M2-M1に従って決定することができる。
【0201】
第1の例では、50g/m
2の坪量(単位面積当たりの重量)を有する第1の獲得分配層(ADL)ADL50にブラシ掛けを施した。ブラシ掛けの前では、
図22Aにプロットしている「#1前処理」データによって指定しているように、ADL50は、0.10g/cm
3よりも低いが0.09g/cm
3よりも高い(約0.099g/cm
3の)嵩密度と、0.10mL/cm
2よりも小さいが0.09mL/cm
2よりも大きい(約0.099mL/cm
2の)空隙容積とを有していた。ブラシ掛け処理を施した後に、嵩密度及び空隙容積を再度決定した。ブラシ掛けの後に、
図22Aにプロットしている「#1後処理」データによって指定しているように、ADL50は、約0.075g/cm
3の嵩密度と、0.075mL/cm
2の空隙容積とを有した。従って、ブラシ掛けを施したことにより、ADL50の嵩密度の約24%の低下と、ADL50の空隙容積の約45%の増加とがもたらされている。第1の例では、0.03%の工程損失(LIP)があった。すなわち、嵩高化中に繊維のうちの0.03%がNWから失われる。
【0202】
第2の例では、30g/m
2の坪量(単位面積当たりの重量)を有する第2の獲得分配層(ADL)ADL30にブラシ掛けを施した。ブラシ掛けの前では、
図22Bにプロットしている「#2前処理」データによって指定しているように、ADL30は、0.08g/cm
3よりも低いが0.06g/cm
3よりも高い(約0.07g/cm
3の)嵩密度と、0.08mL/cm
2よりも小さいが0.06mL/cm
2よりも大きい(約0.07mL/cm
2の)空隙容積とを有していた。ブラシ掛け処理を施した後に、嵩密度及び空隙容積を再度決定した。ブラシ掛けの後に、
図22Bにプロットしている「#2後処理」データによって指定しているように、ADL30は、0.06g/cm
3よりも低いが0.05g/cm
3よりも高い嵩密度と、0.06mL/cm
2よりも小さいが0.05mL/cm
2よりも大きい空隙容積とを有した。従って、ブラシ掛けを施したことにより、ADL30の嵩密度の約27%の低下と、ADL30の空隙容積の約37%の増加とがもたらされている。
【0203】
図22C及び
図22Dは、嵩高化の前及び後それぞれのATNWの走査電子顕微鏡(SEM)画像である。不織布の空隙容積が増加し、嵩密度が低下していることが
図22C及び
図22Dから明らかである。
【0204】
密度及び空隙容積の測定値は、EDANAによって示された規格に従って決定したものである。不織布シートの厚さは、材料に標準圧力量を印加するデジタル測微計を用いて測定したものである。坪量は、サンプルカッターを用いて不織布のサンプルを標準サイズ(100mm径円)に切断し、次いで、サンプルを計量することによって測定したものである。
【0205】
嵩高化-代替システム
図23Aは、不織布を嵩高化するための代替システム2300aを示しており、類似の参照番号は、
図20と
図23に関して類似の要素を表している。システム2300aでは、ブラシ2010aと2010bによって不織布2004の上面上と底面上とに同時ブラシ掛けが施される。ブラシ2010aと2010bは反対方向に回転する。ブラシ2010aと2010bは、同じ速度又は異なる速度で回転するように構成することができる。
【0206】
図23Bは、不織布を嵩高化するための代替システム2300bを示しており、類似の参照番号は、
図20と
図23と
図23Aに関して類似の要素を表している。システム2300bでは、第1の不織布2004にブラシ2010a及び2010bによる同時ブラシ掛けが施される。ブラシ2010aと2010bは、反対方向又は同じ方向に回転することができる。ブラシ2010aと2010bは、同じ速度又は異なる速度で回転するように構成することができる。第2の不織布2004aがローラー2002aを通してローラー2020aに給送され、ブラシ2010aによって不織布2004aの一方の面のみがブラシ掛けされる。第3の不織布2004bがローラー2002bを通してローラー2020bに給送され、ブラシ2010bによって不織布2004bの一方の面のみがブラシ掛けされる。ブラシ掛けの後に、不織布2004がローラー2020a及び2020bに給送され、そこで不織布2004a及び2004bと組合わされて少なくとも部分的に嵩高化された嵩高不織布2018aの複合物が形成される。
【0207】
図23Cは、不織布を嵩高化するための代替システム2300cを示しており、類似の参照番号は、
図20と
図23と
図23Aと
図23Bに関して類似の要素を表している。システム2300cでは、不織布2004cが、ローラー2002a及び2002b、並びにローラー2019c及び2019dを通してローラー2020a及び2020bに給送される。不織布2004dが、ローラー2002cを通してブラシ2010a及びローラー2019aに給送される。不織布2004dの面がブラシ2010aによってブラシ掛けされた後に、ブラシ掛けされた不織布2004dはローラー2020a及び2020bに給送され、そこで不織布2004dは不織布2004cと組合わされる。不織布2004eは、ローラー2002dを通してブラシ2010b及びローラー2019bに給送される。不織布2004eの面がブラシ2010bによってブラシ掛けされた後に、ブラシ掛けされた不織布2004eはローラー2020a及び2020bに給送され、そこで不織布2004eは不織布2004c及び不織布2004dと組合わされる。システム2300cは、不織布2004d及び2004eを不織布2004cと組合せる前に不織布2004dと不織布2004eの両方の嵩高化面上に吸収性材料を分配するように位置決めされた吸収性材料分配器2051(例えば、SAP分配器)を含む。吸収性材料分配器2051は、吸収性材料を分配器2051のホッパーから不織布2004d及び2004eの上に分配するための分配装置2053及び2055を含む。ローラー2020a及び2020bは、吸収性材料を内部に閉じ込めた状態で不織布2004c、2004d、及び2004eを互いに圧縮し、嵩高化不織布複合物2018bを形成するように作動させることができる。
【0208】
図23Dは、不織布を嵩高化するための代替システム2300dを示しており、類似の参照番号は、
図20と
図23と
図23Aと
図23Bと
図23Cに関して類似の要素を表している。システム2300dでは、不織布2004fが、ローラー2002a及び2002b、並びにローラー2019a及び2019bを通してローラー2020a及び2020bに給送される。不織布2004gは、ローラー2002cを通してブラシ2010a及びローラー2014aに給送される。不織布2004gの面がブラシ2010aによってブラシ掛けされた後に、ブラシ掛けされた不織布2004gはローラー2020a及び2020bに給送され、そこで不織布2004gは不織布2004fと組合わされる。不織布2004hは、ローラー2002dを通してブラシ2010b及びローラー2014bに給送される。不織布2004hの面がブラシ2010bによってブラシ掛けされた後に、ブラシ掛けされた不織布2004hはローラー2020a及び2020bに給送され、そこで不織布2004hは不織布2004f及び不織布2004gと組合わされる。システム2300dは、不織布2004g及び2004hを不織布2004fと組合せる前に不織布2004gと不織布2004hの両方の嵩高化面上に吸収性材料を分配するように位置決めされた吸収性材料分配器2051を含む。ローラー2020a及び2020bは、吸収性材料を内部に閉じ込めた状態で不織布2004f、2004g、及び2004hを互いに圧縮し、嵩高化不織布複合物2018cを形成するように作動させることができる。
【0209】
図23Eは、不織布を嵩高化するための代替システム2300eを示しており、類似の参照番号は、
図20と
図23と
図23Aと
図23Bと
図23Cと
図23Dに関して類似の要素を表している。システム2300eは、ブラシ掛けされた不織布2004j及び2004kと組合せて嵩高化不織布複合物2018dを形成するために不織布2004iがローラー2020a及び2020bに給送される前に不織布2004iをブラシ掛けして嵩高化するように位置決めされたブラシ2010c及び2010dの追加を除いて
図23Eに示すシステム2300dと同一である。従って、不織布2004iは、上面と底面の両方が嵩高化され、不織布2004j及び2004kの各々は、その一方の面のみが嵩高化される。
【0210】
SAPアプリケータは、ホッパーを含むものとして示すが、幾つかの側面では、SAPを不織布上に堆積させるのに断続3D振動印刷チューブ、空気ストリーム、又は連続振動給送が使用される。図示していないが、システム2300a、2300b、2300c、2300d、及び2300e内のブラシの上流及び/又は下流を含むそのようなシステム内の任意の点に熱処理を組込むことができる。幾つかの側面では、システム2000、2300、2300a、2300b、2300c、2300d、及び2300eのうちのいずれも、吸収性コア複合物を形成するための既存システムの中に組込むことができる。
【0211】
不織布の嵩高化は、SAPが嵩高化不織布に付加される場所の上流、例えば、緻密化された(嵩高化されていない)不織布の巻き出しとSAP付加部の間の本明細書に開示する吸収性コア複合物の生産での任意の点を用いて実施することができる。例えば、
図24を参照すると、嵩高化は、「2499」に示す点で行うことができる。
図24は、吸収性コア複合物2410を形成するためのシステム2400を示している。不織布2420がスプール又はローラー2401aから巻き出され、スプール又はローラー2401bから巻き出された不織布2421と組合わされる。2422aでホットメルト接着剤HMAが付加され、次いで、2423aでSAPが付加される。追加の不織布2499がスプール又はローラー2401cから巻き出され、それに2422bでHMAが付加され、次いで、HMAは不織布2424の上面に付加される。この付加には、2422cでのHMAの付加、更に2423bでのSAPの付加が続く。追加の不織布層2430がスプール又はローラー2401dから巻き出され、それに2422dでHMAが付加され、次いで、不織布層2430は不織布2424と組合わされる。次いで、2422eでHMAが付加され、その後に、これらの複合物層にエンボス加工パターンが付加されて吸収性コア複合物2410が形成され、スプール又はローラー2401e上に回収される。
【0212】
本明細書に開示する嵩高化工程のいずれでも、嵩高化不織布上へのSAPの堆積の後に、SAPがBBNWの繊維内に交絡することを可能にするための滞留時間が与えられる。繊維内でのSAPの交絡は、重力のみ(SAPがある高さからNWウェブの上に分配される時)、機械手段(振動、真空)、圧縮(BBNWの密度を高めるリスクを有するが)、又はその組合せによって容易にすることができる。
【0213】
幾つかの側面では、嵩高化は、SAPがNW上に堆積した後に実施される。例えば、SAPをNW上に堆積し、それにNWの加熱を続けることができる。接着剤は、「嵩高化」の程度を低減するか又は「嵩高化」を阻止する可能性があるので、或る態様では、嵩高化は、NW及び/又はSAPへの任意の接着剤の付加の前に実施される。ブラシ掛けは、堆積したSAPの剥離のリスクを有する可能性があるので、SAP堆積の後に実施される嵩高化は、加熱のみを用いて実施することができる。例えば、SAPをNWに付加し、それにNWの熱嵩高化を続け、次いで、NW及び/又はSAPへの接着剤の付加を続けることができる。
【0214】
幾つかの側面では、BBNW上へのSAPの堆積の後でかつBBNWが吸収性物品のシャーシの中に組込まれる前に又はその時にBBNWは反転される。この反転は、例えば、SAP層が上面シートの直下に位置決めされることを回避するために実施することができる。最上側BBNWをひっくり返すことにより、上面シートと第1のSAP層の間にBBNW層が設けられることになる。そのような配置は、第1のSAP層とユーザの間に追加の空隙容積及びNW材料を与え、より急速な吸収とユーザの皮膚上でのより乾いた感覚とを可能にし、更に、SAP粒子は硬く、皮膚の近くに位置決めされた時に不快である可能性があるので、ユーザに高い快適性を与える。
【0215】
材料配置及び調整
本明細書に開示する吸収性コア複合物の実施形態のうちのいずれでも、吸収性コア複合物の構成要素の位置は、流体流れ、流体吸収、並びに流体分配の特性及び機能のような流体ハンドリング特性及び機能を吸収性コア複合物に与えるように配置することができる。吸収性コア複合物内での不織布層及び吸収性材料層、各それぞれの不織布層又は吸収性材料層内のセクション、並びに別の層内のセクションに対する1つの層内のセクションの絶対位置及び相対位置は、そのような望ましい流体ハンドリング特性及び機能を与えるように配置することができる。NW、BNW、BBNW、スリット付きNW、SAP含有層、SAP含有レーン、及びSAP不存在レーンの位置は、吸収性コア複合物内に選択的に配置することができる。
【0216】
材料配置及び調整-SAP流体ハンドリング
例えば、SAP含有層又はSAP含有レーンは、予想される浸潤経路又は浸潤区域に位置決めすることができる。z方向(吸収性コア複合物の厚さ)の流体流れをハンドリングするために、吸収性コア複合物内のSAPの透過性が吸収性コア複合物の上部身体側で最も高く、吸収性コア複合物の身体側と反対の底部での最低レベルの透過性まで低減するように、SAPは、吸収性材料層内で及び/又は1つの吸収性材料層から別のものに変化することが可能である。例えば、
図17を参照すると、吸収性材料層1702a内に含有されるSAPは、吸収性材料層1702b内に含有されるSAPよりも高い透過性を有することができる。更に、吸収性材料層(例えば、1702a)の上部身体側面に含有されるSAPが、吸収性材料層の反対側(例えば、層1702aの底部又は裏側)内に含有されるSAPよりも高い透過性を有するように、単一吸収性材料層内に様々な特性を有するSAPの勾配が存在することが可能である。
【0217】
同様に、z方向の流体流れをハンドリングするために、吸収性コア複合物内のSAPの吸収速度が吸収性コア複合物の上部身体側で最も低く(最も遅く)、吸収性コア複合物の身体側と反対の底部での最高レベルの吸収速度(最も速い)まで増大するように、SAPは、吸収性材料層内で及び/又は1つの吸収性材料層から別のものに変化することが可能である。更に、吸収性コア複合物内のSAPの吸収容量が吸収性コア複合物の上部身体側で最も小さく、吸収性コア複合物の身体側と反対の底部での最高レベルの吸収容量まで増加し、最大の吸収効率を与えるように、SAPは、吸収性材料層内で及び/又は1つの吸収性材料層から別のものに変化することが可能である。
【0218】
材料配置及び調整-不織布流体ハンドリング
吸収性コア複合物のz方向の流体流れをハンドリングするために、本明細書に開示する吸収性コア複合物の不織布層は、浸潤経路に位置決めされたNW層が、吸収性コア複合物の身体側又はその近くで、身体側と反対に位置決めされたNW層の空隙容積と比較して高い空隙容積を有するように位置決めすることができる。例えば、
図17を参照すると、不織布層1704a及び/又は1704bは、不織布層1704cよりも大きい空隙容積を有することができる。身体側の不織布層内のより大きい空隙容積は、流体浸潤物の初期噴流の流体ハンドリングと、不織布層内の流体の流体分配とを可能にする。NWとBNWの選択的配置及び/又はNW層及び/又はBNW層の選択的嵩高化によって相対空隙容積を与えることができる。
【0219】
材料配置及び調整-不織布の毛管現象のプロファイル形成
毛管現象は、材料がそれ自体の中にある微小な孔隙及びチャネル(毛細管)を通して流体を流す機能の尺度である。毛管現象は、場合によって毛管内移動と呼ぶ流体がx方向とy方向に流れることを可能にする。
【0220】
或る態様では、不織布層の繊維網の毛管現象は、この層のxy平面内でプロファイル形成することができる。そのようなプロファイル形成は、吸収性コア複合物の側縁でより高い(浸潤の流体ターゲット区域と比較して)毛管現象を与えることができる。そのようなプロファイル形成された毛管現象は、吸収性コア複合物の最大利用に向けて流体が吸収性コア複合物の側縁端に向けて間断なく流れる(広がる)ことを可能にする。幾つかの側面では、毛管現象のプロファイル形成は、不織布のプラズマ処理及び/又はコロナ処理等による不織布の選択的な緻密化、嵩高化、及び/又は濡れ性強化によって達成することができる。或る態様では、例えば、下側吸収性材料層内のSAP内への流体の流れ込みを毛管内移動することを補助し、重力だけに応答して発生することになる流体広がりと比較してコア内での流体広がりを高め、それによって吸収性コア複合物の使用中の最大コア利用を可能にするために、より高い毛管現象の不織布層が、吸収性コア複合物の底部(身体側の反対)に向けて配置及び/又は位置決めされる。
【0221】
プロファイル形成された毛管現象を有する不織布の一例を
図16Cに示しており、この場合に、嵩高化セクション1665が、非嵩高化セクション1670と比較して高い毛管現象を有する。しかし、非嵩高化セクション1670は、嵩高化セクション1665と比較して高い嵩密度を有し、それによって非嵩高化セクション1670は、SAP粒子が不織布の中を通ってフィルタリングされる-ことを嵩高化セクション1665よりも容易に阻止することができる。
【0222】
使用時に、SAP吸収は、浸透圧によって駆動され、毛管現象又は流体運動量によって駆動される繊維網内のより自由な流体流れよりも低速である。より高い坪量(又は空隙容積)の不織布は、より多くの流体がコア複合物内で流れて広がることを可能にすることになる。
【0223】
例示の吸収性コア複合物
図25を参照すると、本発明の開示による例示の吸収性コア複合物が示されている。吸収性コア複合物MLC2500は、身体側2502と、身体側2502と反対の裏側2054とを有する。MLC2500は、不織布層2510、不織布層2512、不織布層2514、及び不織布層2516を含む3つの不織布層と、1つの吸収性材料層2520とを含む。
【0224】
不織布層2510は、スパンバウンド不織布層、組織、又は開口不織布とすることができる。幾つかの実施形態では、不織布層2510はSMSではなく及び/又はそれを含まない。不織布層2510は、MLC2500内でのSAP粒子の保持を容易にすることができる。或る実施形態では、MLC2500は最上側不織布層2510を含まない。
【0225】
不織布層2510の下方には不織布層2512が位置決めされる。不織布層2512は、二成分繊維の比較的高い密度の繊維層とするか又はそれを含むことができる。不織布層2510を含まない実施形態では、不織布層2512がMLC2500の最上側層を形成することができる。幾つかの実施形態では、不織布層2510と不織布層2512の間に位置決めされた層(不織布又は吸収性材料)は存在しない。不織布層2510は、不織布層2512と接着することができる。幾つかの実施形態では、不織布層2512は、非嵩高化不織布又は緻密化通気不織布である。
【0226】
不織布層2512の下方には不織布層2514が位置決めされる。不織布層2514は、二成分繊維の比較的低い密度の繊維層とするか又はそれを含むことができる。すなわち、不織布層2514の嵩密度は、不織布層2412の嵩密度よりも低いことが可能である。不織布層2512と2514の間の密度の差は、不織布層2514の嵩高化、不織布層2512の緻密化、異なる密度を有する不織布層の選択、又はその組合せの結果とすることができる。幾つかの実施形態では、不織布層2512と不織布層2514の間に位置決めされた層(不織布又は吸収性材料)は存在しない。不織布層2512は、不織布層2514と接着することができる。幾つかの実施形態では、不織布層2512、2514は、単一の単位繊維層である。そのような幾つかの実施形態では、不織布層2512は、単一の単位繊維層の選択的に緻密化された領域である。そのような幾つかの実施形態では、不織布層2514は、単一の単位繊維層の選択的に嵩高化された領域である。
【0227】
不織布層2514の下方には、不織布層2516が位置決めされる。不織布層2516は、空気堆積不織布、組織層、SMS不織布、スパンバウンド不織布、又は通気不織布とするか又はそれを含むことができる。或る実施形態では、不織布層2516は、空気堆積のような比較的吸収性の高い不織布である。幾つかの実施形態では、不織布層2514と不織布層2516の間には層(不織布又は吸収性材料)は存在しない。不織布層2514は、不織布層2516と接着することができる。
【0228】
吸収性材料層2520は、SAP粒子を含む又はそれから構成される。吸収性材料層2520のSAP粒子は、不織布層2514内に埋込まれる。幾つかの実施形態では、吸収性材料層2520は、不織布層2514の繊維に接着される。他の実施形態では、吸収性材料層2520は接着剤を含有せず、吸収性材料層2520の粒子は、不織布層2514の繊維内に交絡される。吸収性材料層2520の粒子は、不織布層2514内で離間し、その繊維と混合される。図示のように、MLC2500は、MLC2500の横縁間に中心が定められてMLC2500に沿って長手方向に延びるSAP不存在レーン2550を含む。
【0229】
MLC2500は、不織布層2516を敷設し、不織布2516の上に不織布2514を積層し、不織布層2514内にSAPを堆積させ、不織布2514の上に不織布2512を積層し、不織布2512の上に不織布2510を積層することによって
図25に示す向きに作ることができる。他の実施形態では、この順番が逆転され、従って、工程は、不織布2510を敷設する段階と、不織布2510に不織布2512を積層する段階と、不織布2512に不織布2514を積層する段階と、不織布2514内にSAPを堆積させる段階と、不織布2514に不織布2516を積層する段階とを含む。
【0230】
幾つかの実施形態では、MLC2500の嵩高不織布である不織布2512及び2514は、生産順序に依存して空気堆積不織布である不織布2516の上面又は不織布2510の上面上に原位置で形成される。例えば、二成分繊維は、繊維ウェブを形成するために空気堆積不織布2516(又は不織布2510)の上に堆積させることができる。ウェブの形成中の繊維定着の結果として、より高い密度の二成分繊維領域が、堆積されたウェブの底面に形成されることになり、より低い密度の二成分繊維集団が、堆積されたウェブの上部に形成されることになる。堆積されたウェブ内の二成分繊維のこの密度勾配は、比較的高い密度の身体側二成分繊維層(層2512)と、比較的低い密度の衣類側二成分繊維層(層2514)とを形成することになる。幾つかの実施形態では、比較的高い密度の身体側二成分繊維層(層2512)は、空気堆積不織布2516に隣接するように位置決めされる。他の実施形態では、比較的低い密度の身体側二成分繊維層(層2514)は、空気堆積不織布2516に隣接するように位置決めされる。
【0231】
異なる層の組合せ
本明細書に開示する層の様々な実施形態の各々及びその配置は、本発明の開示による様々な吸収性コア複合物を形成するために様々な組合せに結合することができる。本明細書に開示する吸収性コア複合物は、異なる層の中でも様々な厚さ、幅、長さ、SAP含有量、及びSAP分配を有する1又は2以上の不織布層(例えば、
図4及び
図4A~
図4Mに示し、これらの図を参照して説明したもの)、SAP不存在レーンの有無もよらず1又は2以上の吸収性材料層(例えば、
図6Aから
図9に示し、これらの図を参照して説明したもの)、スリットを有する1又は2以上の不織布層(例えば、
図10に示してこの図を参照して説明したもの)、1又は2以上の遊離繊維層(例えば、
図13A~
図13Cに示し、これらの図を参照して説明したもの)、完全に又はセクション毎のいずれかで嵩高化された1又は2以上の不織布層(例えば、
図15A~
図19Bに示し、これらの図を参照して説明したもの)、1又は2以上の原位置で形成された嵩高不織布層(例えば、
図25に示してこの図を参照して説明したもの)、又はその組合せを含むことができる。いずれのそのような吸収性コア複合物も、
図1Aから
図1Fに示してこれらの図を参照して説明したような吸収性物品の中に具体化することができる。
【0232】
幾つかの実施形態は、本明細書に開示する吸収性コア複合物又は物品のいずれかを形成するためのシステム及び/又は工程に関する。そのようなシステム及び/又は工程は、
図5に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、
図11に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、
図12に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、
図14に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、
図20に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、
図20A~
図20Cに示す装置の任意の特徴のうちの1又は2以上、
図21に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、
図23に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、
図23A~
図23Eに示すシステムのうちのいずれか又は全ての特徴のうちの1又は2以上、
図24に示すシステムの特徴のうちの1又は2以上、又はその任意の組合せを組込むことができる。
【0233】
本明細書に説明する吸収性コア複合物のうちの多くのものの得られる構造の重要な利益は、他の点では平坦でそれほど空隙容積を持たないコアからの高いロフト性(すなわち、それによって快適性及びより軟らかい領域が改善する)及び大きい空隙空間を有する複合物である。増加した空隙容積は、一時的な流体保持空間及び流体搬送空間を与えるように機能する。この空間は、超吸収性物質が活性化して流体を永久に閉じ込めるのに要する数秒の間に一時的に滞留するための場所をコアの境界内で流体に与える。これらの空隙又は空間は、流体を流通させ、流体分泌物の分配を容易にするように作用する。
【0234】
以上の説明は、例示及び説明の目的で提示したものである。これらの説明は、本発明の開示又はその態様を開示する特定の吸収性コア複合物及び構成物又は物品、装置、及び工程に限定するように意図したものではない。本発明の開示の様々な態様は、おむつ及びトレーニングパンツ以外の用途を意図している。説明した吸収性コア構成物は、他の衣類、織物、及び布など、又はその組合せの中に又はそれと共に組込むことができる。説明した吸収性コア構成物はまた、異なる構成要素を組込むことができる。更に、説明した吸収性コア複合物は、そのような吸収性コア複合物を個別化して使い捨て吸収性物品の中に組込む(別個の吸収性コア複合物として)前のそのようなコア複合物の基材(例えば、複合物シート)を指す場合がある。本発明の開示のこれら及び他の変形は、本発明の開示が与えられた関連の消費者製品技術の当業者には明らかになるであろう。その結果、上述の教示及び関連技術の技能及び知識と同等の変形及び修正は、本発明の開示の範囲内である。本明細書に説明及び図示した実施形態は、本発明の開示を実施するための最良のモードを解説し、かつ他の当業者が本発明の開示及び他の実施形態を本発明の開示の特定の用途又は使用によって要求される様々な修正を加えて利用することを可能にするように更に意図している。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品を作る方法であって、
第1の不織布の嵩密度を減少させ且つ第1の不織布の空隙容積を増大させるように、第1の不織布を操作することと、
第2の不織布を第1の不織布と組合せることと、
第2の不織布を第1の不織布と組合せる前に、吸収性材料を第1の不織布及び第2の不織布の一方の上に堆積させることと、
第1の不織布、第2の不織布、及び吸収性材料を含む吸収性物品を組合せることと、を含む方法。
【請求項2】
操作することは、第1の不織布を機械的に操作することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
操作することは、第1の不織布の第1の表面をブラシ掛けすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
操作することは、第1の不織布の第2の表面をブラシ掛けすることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ブラシ掛けすることは、複数の回転ブラシを使用して実行される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
更に、回転ブラシの剛毛が第1の不織布に係合する圧力を変化させること、又は、回転ブラシの剛毛が第1の表面に対して回転する速度を変化させること、又は、それらの組合せを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
更に、第1の不織布を加熱することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
第1の不織布を、ブラシ掛けの間に加熱することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1の不織布を、ブラシ掛けの前に加熱することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
さらに、第1の不織布をブラシ掛けのあとに冷却することを含み、冷却することにより、第1の不織布の少なくとも幾つかの繊維の間の結合を開始させる、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
加熱することは、IRを第1の不織布の上に付与することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
加熱することは、加熱空気ストリームを第1の不織布の上に付与することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
操作することは、第1の不織布の第1の表面を操作することを含み、
吸収性材料を第1の不織布の第1の表面の上に堆積させる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第1の不織布の機械的操作の後で、吸収性材料を第1の不織布の第1の表面の上に堆積させる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1の不織布と第2の不織布を組合せることは、第1の不織布を第2の不織布にエンボス加工することを含み、エンボス加工により、第1の不織布がエンボス加工されている箇所のところで、第1の不織布の嵩密度を増大させ且つ第1の不織布の空隙容積を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
更に、第1の不織布に孔隙勾配構造を与えることを含み、孔隙勾配構造は、第1の不織布の第1のセクション内において第1の不織布の嵩密度を増大させ且つ第1の不織布の空隙容積を減少させるために、第1の不織布の第1のセクションを緻密化することと、第1の不織布の第2のセクション内において第1の不織布の嵩密度を減少させ且つ第1の不織布の空隙容積を増大させるために、第2のセクションを機械的に操作することによって第1の不織布の第2のセクションを嵩高化することと、によって設けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
操作することにより、第1の不織布の空隙容積を5%~75%増大させ、第1の不織布の少なくとも1つの非嵩高化レーンを5%~75%減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
操作することにより、少なくとも1つの嵩高化レーンを第1の不織布の上に形成し、第1の不織布の上の少なくとも1つの非嵩高化レーンが、前記少なくとも1つの嵩高化レーンに隣接して位置決めされる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
吸収性材料を、少なくとも1つの嵩高化レーン内に堆積させる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
吸収性材料を、少なくとも1つの非嵩高化レーン内に堆積させる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
操作することにより、第1の不織布の厚さを増大させる、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
操作することにより、第1の不織布の繊維間の距離を増加させる、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
更に、回転ブラシを第1の不織布に断続的に係合させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項24】
第2の不織布と第1の不織布を組合せる前、吸収材料を第2の不織布の上に堆積させる、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
更に、第2の不織布の嵩密度を減少させ且つ第2の不織布の空隙容積を増大させるように第2の不織布の表面を操作することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
使い捨て吸収性物品に組込まれる吸収性コアであって、
第1の不織布と、
第2の不織布と、
吸収性材料を含み、
吸収性材料は、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされ、又は、第1の不織布内に埋込まれ、又は、第2の不織布内に埋込まれ、又はこれらの組合せであり、
第2の不織布の少なくとも1つのセクションは、嵩高化された不織布を含む、吸収性コア。
【請求項27】
不織布を嵩高化するためのシステムであって、
第1の不織布供給部と、
第1の不織布を第1の不織布供給部から受入れるように位置決めされた不織布マニピュレータと、を含み、
不織布マニピュレータは、第1の不織布を機械的に操作するように構成され、それにより、第1の不織布の嵩密度を減少させ、第1の不織布の空隙容積を増大させる、システム。
【請求項28】
多層吸収性コアであって
第1の身体側の不織布と、
第2の不織布と、
第1の吸収性材料層と、
第3の不織布と、
第2の吸収性材料層と、を含み、
第1の吸収性材料層は、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされ、又は、第1の不織布内に埋込まれ、又は、第2の不織布内に埋込まれ、又は、それらの組合せであり、
第2の吸収性材料層は、第2の不織布と第3の不織布の間に位置決めされ、又は、第2の不織布内に埋込まれ、又は、第3の不織布内に埋込まれ、又は、それらの組合せであり、
第1の不織布、第2の不織布、及び第3の不織布のうちの少なくとも1つは、勾配付きの流体ハンドリング特性を有する、多層吸収性コア。
【請求項29】
吸収性コアを作る方法であって、
二成分繊維を不織布層の上に堆積させ、繊維のウェブを形成することと、
SAPを繊維のウェブの上に堆積させることと、を含み、
繊維の定着により、堆積ウェブの底部で二成分繊維のより高い密度の領域を形成し、堆積ウェブの上面で二成分繊維のより低い密度の集団を形成する、方法。
【請求項30】
吸収性コアであって、
第1の不織布と、
第2の不織布と、
吸収性材料層と、
第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされた遊離繊維層と、を含み、
吸収性材料層は、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされ、又は、第1の不織布に埋込まれ、又は、第2の不織布内に埋込まれ、又は、それらの組合せである、吸収性コア。
【請求項31】
繊維層を有する吸収性コアを形成する方法であって、
遊離繊維を第1の不織布の上に堆積させることと、
第2の不織布層を遊離繊維の上に付加することと、を含む方法。
【請求項32】
多層吸収性コアであって、
第1の身体側不織布と、
第2の不織布と、
第1の吸収性材料層と、
第3の不織布と、
第2の吸収性材料層と、を含み、
第1の吸収性材料層は、第1の不織布と第2の不織布の間に位置決めされ、又は、第1の身体側不織布内に埋込まれ、又は、第2の不織布内に埋込まれ、又は、それらの組合せであり、
第2の吸収性材料層は、第2の不織布と第3の不織布の間に位置決めされ、又は、第2の不織布内に埋込まれ、又は、第3の不織布内に埋込まれ、又は、それらの組合せであり、
第1の不織布、第2の不織布、及び第3の不織布は、勾配付き坪量を有し、
第1の不織布及び第2の不織布は、第3の不織布の坪量よりも高い坪量を有し、
第1の吸収性材料層は、勾配付き坪量を有し、
第2の吸収性材料層は、第1の吸収性材料層の坪量よりも高い坪量を有する、多層吸収性コア。
【外国語明細書】