(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050657
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】一方向視認性を有するキーキャップ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
G06F3/02
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024007492
(22)【出願日】2024-01-22
(62)【分割の表示】P 2022083760の分割
【原出願日】2022-05-23
(31)【優先権主張番号】17/344,337
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バラドゥワジ, シュラヴァン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】一方向視認性を有する電子デバイス用のキーボード及びキー機構を提供する。
【解決手段】キー機構は、キーキャップ200の下に取り付けられたディスプレイ400が光を発していない場合などの第1の状態では、人間の肉眼では見えないグリフを有するキー(単数又は複数)を有し、ディスプレイが光を発すると、キー(単数又は複数)を通してグリフが見える。一方向視認性層又は構造は、上方から見たときにディスプレイの視認性を不明瞭にするが、ディスプレイが光を発すると、キー内の微小穿孔308のアレイを通過することなどによって一方向視認性層を光が貫通して、観察者には見える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、底面、及び前記上面と前記底面とを通る穿孔のアレイを含む、キーキャップと、
前記キーキャップの前記底面に取り付けられた発光体のアレイであって、前記発光体のアレイの各単一の発光体は、前記穿孔のアレイの単一の個別の穿孔を照明する、発光体のアレイと、
前記キーキャップ及び前記発光体のアレイの下方に配置されるベースプレートと、
前記ベースプレートに対する前記キーキャップの移動を検出するスイッチと、
を備える、キー機構。
【請求項2】
前記穿孔のアレイは、長方形のグリッド状に配列されている、請求項1に記載のキー機構。
【請求項3】
前記穿孔のアレイは、人間の肉眼では見えない、請求項1に記載のキー機構。
【請求項4】
前記穿孔のアレイは、先細の直径を有する穿孔を含む、請求項1に記載のキー機構。
【請求項5】
前記キーキャップは、前記穿孔のアレイの穿孔を少なくとも部分的に充填する、少なくとも部分的に透明な材料を更に含む、請求項1に記載のキー機構。
【請求項6】
前記発光体のアレイは、前記穿孔のアレイを通して、第1のグリフ又は第2のグリフを選択的に表示するように制御可能である、請求項1に記載のキー機構。
【請求項7】
前記キーキャップは、前記発光体のアレイからの光が前記キーキャップの下方を通過することを防ぐ不透明な側壁を含む、請求項1に記載のキー機構。
【請求項8】
キーボードアセンブリであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置される基板と、
前記ハウジング内において前記基板の上に配置されるキー機構のセットであって、前記キー機構のセットの各キー機構は、
上面及び底面を有するキーキャップと、
前記底面の下に配置され、前記キーキャップと共に移動可能な光源と、
前記ハウジングに対する前記キーキャップの移動を検出するスイッチと、
を含む、前記キー機構のセットと、
前記基板を介して各キー機構の前記光源と電気通信するコントローラと、
を含み、
前記コントローラが第1の構成にあると、各キー機構の各キーキャップの各上面は一様な外観を有し、
前記コントローラが第2の構成にあると、各キー機構の各光源は、前記キーキャップの前記上面を通して見えるグリフを生成する、
キーボードアセンブリ。
【請求項9】
前記コントローラが前記第1の構成にあると、前記キー機構の前記キーキャップの前記上面においてグリフが見えない、請求項8に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項10】
前記キーキャップの少なくとも前記上面は、前記キーキャップを取り囲む前記ハウジングの表面と視覚的に同一の材料を含む、請求項8に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項11】
前記キーキャップは、人間の肉眼では見えない穿孔のアレイを含む、請求項8に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項12】
前記コントローラが第3の構成にあると、各キー機構の各光源は、前記キーキャップの前記上面を通して見える第2のグリフを生成する、請求項8に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項13】
前記キーキャップは、前記光源の照明デバイスのセットに1対1の割合で対応する開口部のセットを含む、請求項8に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項14】
前記コントローラが前記第2の構成にあると、各光源から発せられた光は、前記キーキャップの前記上面を通過した後にのみ見える、請求項8に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項15】
電子入力デバイスであって、
ハウジングと、
底面を有する透明なキーキャップ本体と、
前記透明なキーキャップ本体に取り付けられ、前記透明なキーキャップ本体の前記底面の下方に配置される光ディスプレイと、
前記光ディスプレイの上方に配置される一方向視認性層と、
前記ハウジングと前記光ディスプレイとの間に配置されるコラプシブルドームスイッチと、
前記光ディスプレイに接続された電源と、
を含み、
前記光ディスプレイは、前記電源により電力が前記光ディスプレイに供給されることに応答して光を発するように構成され、前記光は、前記一方向視認性層を通して、かつ前記透明なキーキャップ本体を通して見え、
前記光ディスプレイが光を発していないと、前記光ディスプレイが前記一方向視認性層によって視覚的に不明瞭にされる、
電子入力デバイス。
【請求項16】
前記一方向視認性層は、光透過性の微小穿孔のアレイを含む、請求項15に記載の電子入力デバイス。
【請求項17】
前記一方向視認性層が、一方向鏡面部分を含む、請求項15に記載の電子入力デバイス。
【請求項18】
前記一方向視認性層は、前記底面に取り付けられている、請求項15に記載の電子入力デバイス。
【請求項19】
前記光ディスプレイは、長方形のグリッド状に配列された光源のアレイを含む、請求項15に記載の電子入力デバイス。
【請求項20】
前記ハウジングは、前記透明なキーキャップ本体の周囲を取り囲む表面であって、前記一方向視認性層と調和する視覚的外観を有する表面を含む、請求項15に記載の電子入力デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明される実施形態は、概して、電子デバイス用のキーボード及びキー機構に関する。より具体的には、本実施形態は、選択的に人間の肉眼で見える又は人間の肉眼では見えない、照明可能なグリフを有するキーキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューティングデバイス用のキーボードは多くの目的を有し、広範囲の時と場所で使用される。キーボードは、コンピュータのうちの最大で、最も目立ち、最もよく使われる部品の1つであり、したがって、デバイスを用いたユーザの体験において重要な役割を果たす。キーボードは、コンピュータの外観及び美観、デバイスの有用性及び親しみやすさ、ユーザによる品質認知、ユーザに提供される触覚フィードバック及び聴覚フィードバックなどに強く影響する。
【0003】
キーボードのキーは、多くの場合、各キーの機能を特定するために使用される表示又はグリフを含む。また、低照明状態におけるキーボードの使用の容易さを改善するために、多くのキーボードは、キー又はグリフを照明する背面照明が提供される。多くの場合、キーキャップは、薄くかつ安価になるように設計され、それにより、プラスチック製で、塗装又はトップコーティングされたグリフ材料を用いてキーキャップを作製することにつながる。塗装又はコーティングされたキーキャップは、特にユーザの手が脂っぽい又は汚れているときに、指との接触の繰り返しに起因して耐久性が低くなる傾向があり、それにより、経時的にグリフが剥がれ落ちる又は読み取り不能となる。更に、キーキャップはプラスチック製であるので、他の材料と比較して、より低い品質の感触と響きを有する傾向がある。
【0004】
キーボードデバイスの製作者とユーザは、コンピュータ製品の製作者とユーザのニーズをよりよく満たすために、これらの技術の改善を常に追求する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様は、上面、底面、及び上面と底面を通る穿孔のアレイを含むキーキャップと、キーキャップの底面に取り付けられた発光体のアレイであって、各単一の発光体が穿孔のアレイの単一の個別の穿孔を照明する、発光体のアレイと、キーキャップ及び発光体のアレイの下方に配置されるベースプレートと、ベースプレートに対するキーキャップの移動を検出するスイッチと、を含む、キー機構に関する。
【0006】
いくつかの実施形態では、穿孔のアレイは、長方形のグリッド状に配列されている。穿孔のアレイは、人間の肉眼では見えない可能性がある。穿孔のアレイは、先細の直径を有する少なくとも1つの穿孔を含むことができる。キーキャップは、穿孔のアレイの穿孔の少なくとも一部を少なくとも部分的に充填する、少なくとも部分的に透明な材料を更に含むことができる。発光体のアレイは、穿孔のアレイを通して、第1のグリフ又は第2のグリフを選択的に表示するように制御可能であり得る。キーキャップは、発光体のアレイからの光がキーキャップの下方を通過することを防ぐ不透明な側壁を含むことができる。
【0007】
本開示の別の態様は、ハウジングと、ハウジング内に配置される基板と、ハウジング内において基板上に配置されるキー機構のセットであって、キー機構のセットの各キー機構は、上面及び底面を有するキーキャップと、底面の下に配置され、キーキャップと共に移動可能な光源と、ハウジングに対するキーキャップの移動を検出するスイッチと、を含むキー機構のセットと、基板を介して各キー機構の光源と電気通信するコントローラと、を含むキーボードアセンブリに関する。コントローラが第1の構成にある状態においては、各キー機構の各キーキャップの各上面は一様な外観を有し得、コントローラが第2の構成にある状態においては、各キー機構の各光源は、キーキャップの上面を通して見えるグリフを生成し得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、コントローラが第1の構成にある状態においては、キー機構のキーキャップの上面においてグリフが見えない。キーキャップの少なくとも上面は、キーキャップを取り囲むハウジングの表面と視覚的に同一の材料を含み得る。キーキャップは、人間の肉眼では見えない穿孔のアレイを含むことができる。コントローラが第3の構成にある状態においては、各キー機構の各光源は、キーキャップの上面を通して見える第2のグリフを生成し得る。キーキャップは、光源の照明デバイスのセットに1対1の割合で対応する開口部のセットを含み得る。コントローラが第2の構成にある状態においては、各光源から発せられた光は、キーキャップの上面を通過した後にのみ見えるように構成され得る。
【0009】
本開示の更に別の態様は、ハウジングと、底面を有する透明なキーキャップ本体と、透明なキーキャップ本体に取り付けられ、透明なキーキャップ本体の底面の下方に配置される光ディスプレイと、光ディスプレイの上方に配置される一方向視認性層と、ハウジングと光ディスプレイとの間に配置されるコラプシブルドームスイッチと、光ディスプレイに接続された電源と、を含む電子入力デバイスに関する。光ディスプレイは、電源により電力が光ディスプレイに供給されることに応答して光を発するように構成され得、光は一方向視認性層を通して、かつ透明なキーキャップ本体を通して見え、光ディスプレイが光を発していない状態においては、光ディスプレイは、一方向視認性層によって視覚的に不明瞭にされ得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、一方向視認性層は、光が通過できる微小穿孔、すなわち光透過性の微小穿孔のアレイを含む。一方向視認性層は、一方向鏡面部分を含むことができる。一方向視認性層はまた、透明なキーキャップ本体の底面に取り付けられ得る。光ディスプレイは、長方形のグリッド状に配列された光源のアレイを含むことができる。ハウジングは、透明なキーキャップ本体の周囲を取り囲み、一方向視認性層と調和する視覚的外観を有する表面を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
同様の参照番号が同様の構造的要素を指定する添付図面と共に、以下の詳細な説明によって開示が容易に理解されよう。
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態に係るコンピューティングデバイスを示す。
【0013】
【
図2A】第1の状態におけるコンピューティングデバイスのキーボードの上面図を示す。
【0014】
【
図2B】第2の状態における
図2Aのキーボードの上面図を示す。
【0015】
【0016】
【
図3B】第1の状態における
図3Aのキー機構の図式的な図を示す。
【0017】
【
図3C】第2の状態における
図3Aのキー機構の図式的な図を示す。
【0018】
【
図3D】第3の状態における
図3Aのキー機構の図式的な図を示す。
【0019】
【0020】
【0021】
【
図4B】
図4のキー機構の代替的な実施形態の詳細図を示す。
【0022】
【0023】
【0024】
【
図7】キー機構の追加の実施形態の側面断面図を示す。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、添付図面に図示される代表的な実施形態が詳細に説明される。以下の説明は、これらの実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。反対に、以下の説明は、添付の特許請求の範囲により定義される記載された実施形態の趣旨及び範囲に含むことができるような、代替形態、修正形態及び均等物を包含することを意図している。
【0030】
本開示の態様は、コンピューティングデバイスと共に使用され、高耐久性、高視認性及びユーザの利便性、快適で高品質な感触を有し、かつカスタマイズ性及び固有の美的外観を提供するキーボードに関する。一例では、キーボードが使用されていないとき、又はキーボードが接続されているコンピューティングデバイスが使用されていないときなど、キーボードが非アクティブであるとき、キーボードのキーキャップは、一様ですっきりした外観を有することができる。したがって、キーキャップは、空白に見える場合があり、通常のキーボード上には、綿密に検査しても人間の肉眼で見える任意のグリフ又は記号がない。いくつかの実施形態では、キーキャップはまた、キーボードのキー機構(キーキャップを含む)が配置されるキーボードのハウジングの外観に調和する、又は酷似した外観を有することができる。
【0031】
しかしながら、キーボードがアクティブ化されると、キーキャップ上面の下方からキーキャップを通って発せられた光に起因して、キーキャップの各々のグリフがキー上に出現することができる。グリフは、各キーキャップ上、又はその下に配置された個々の光源又はディスプレイに起因して、浮かんでいるように見え得る。したがって、光が典型的には隣接するキーキャップ間から滲み出す又はキーキャップ間若しくはその下方から光が見える従来のキーボードと比較すると、光源又はディスプレイによって出力される光の全てをキーキャップの上部を通るように向けてグリフを生成することができる。
【0032】
様々な実施形態で、キーボードがアクティブ化されるとグリフが見えるようになり得る。これは、各キーの光源又はディスプレイが、キーキャップの表面内(又は光透過部分の下にある構造)の、光を誘導する穿孔を通して、穿孔の下に配置された発光体/発光デバイス(例えば、微細な発光ダイオード(LED)のアレイから光を発するからである。発光体のアレイの各発光体は、単一の光源(例えば、単一のLED)又はグループ化された画素状の光源の単一のセット(例えば、単一光出力点に使用される一意の赤色LED、緑色LED、及び青色LEDの単一のセットを有するRGB LED)を含むことができる。これらの穿孔は、発光体により下方から照明されていないと人間の肉眼では見えないほどに十分に小さいが、下方から光が通過していると、その長手方向軸に沿って光が見える場合などに、穿孔を通して光を見ることができる、微細な穿孔(すなわち、微小穿孔)であり得る。発光体のアレイの各発光体は、単一のLED(又はRGB LEDの単一のセット)がアセンブリ内のLED/穿孔の各々について単一の穿孔と位置合わせされるなど、単一の穿孔に対応し得る。
【0033】
この構造を使用すると、キーボードのキーキャップを、従来のキーボードのキーキャップには典型的に使用されないアルミニウムを含む金属などの材料で作製することができる。したがって、キーボードのキーキャップは、キーキャップを取り囲むキーボードの、同じく金属の表面を有し得るハウジング表面の外観に調和する上面を有することができる。これは、そのハウジング内のキーボードの全体としてすっきりした外観に寄与することができ、更にキーキャップとそれらのハウジング(例えば、キー間に延びるウェブを含む)との間の境界をあまり目立たないようにすることによって、照明されたグリフの「浮かんでいる」効果を向上させることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、光源又はディスプレイは、マイクロLED画素又はマイクロOLED画素を使用したディスプレイなどのLEDのアレイを含むことができる。キーキャップの穿孔の数は、ディスプレイの画素に対応しており、それにより、例えば、ディスプレイの各単一の画素は、1つのみの穿孔に光を提供することができる。このようにして、ディスプレイ/光源を制御して、異なる形状、文字、色、記号、アニメーション、言語、及び他の特徴の間で変更可能又は調節可能であるグリフを生成することができる。例えば、キーボードのコントローラを使用して、異なるキーボードレイアウト(例えば、QWERTY、QWERTZ、Colemakなど)、異なるキーボード標準又は言語(例えば、ANSI、ISO、JIS、韓国語、中国など)、並びに異なる記号又はカスタマイズ可能なグリフ(例えば、絵文字、アイコン、更に電力、ボリューム、若しくは輝度のようなシステム制御、アプリケーション固有のファンクションインジケータなど)の間で変わるように、ディスプレイを制御することができる。いくつかの実施形態では、キーディスプレイを制御して、1つのキー又はキーのグループに、アニメーション、ビデオ、又は他の経時的に変わる情報を示すことができる。したがって、これらのキーキャップは、ユーザが興味を惹かれる楽しい方法でのキーボードとの双方向性を可能としつつ、使用されていない間は、落ち着いて洗練された、かつ一様な外観も有する。
【0035】
更に、本開示のいくつかのキーボードは、一方向視認性層が蒸着又は取り付けられた透明なキーキャップ本体を含むことができる。一方向視認性層は、外面で光を反射することによって、その層の下方でキーキャップに取り付けられたディスプレイ又は光源の視認性を不明瞭にしつつ、ディスプレイ又は光源がアクティブ化されたときには、光が内側からその層を通過することを可能にすることができる。一方向視認性層は、上述の微小穿孔と同様の一方向視認性を可能にする微小穿孔のアレイを有する一方向ミラー又は不透明材料の層を含むことができる。一実施形態では、キーキャップ本体は透明ガラスを含むことができ、視認性層は、キーキャップ本体の底面に適用された塗料を含むことができ、キーキャップ本体の底面は、塗料層の下方に取り付けられたディスプレイの画素と穿孔が位置合わせされるように微小穿孔されている。別の実施形態では、キーキャップ本体は、一方向ミラー効果を作り出すための金属物理蒸着(PVD)コーティングを有する層を含むことができる。キーキャップのガラスの表面は、心地良い、冷温で高品質の感触を有し得、キーキャップを取り囲むハウジング、ディスプレイ(キーボードが配置されるラップトップコンピュータの表示画面など)のハウジング、トラックパッド、タッチスクリーン、又は他の近くにある構成要素の外観に似せるように設計され得る。したがって、ガラスのキーキャップは、他の方法では不可能であり得る、コンピューティングデバイスの設計上の特徴を可能とし得る。
【0036】
これらの実施形態、及び他の実施形態を、図面を参照して以下に述べる。しかしながら、当業者であれば、これらの図に関して本明細書に与えられた発明を実施するための形態は説明を目的とするものに過ぎず、限定するものとして解釈されるべきではないことを容易に理解するであろう。更に、本明細書で使用される場合、第1の選択範囲、第2の選択範囲、又は第3の選択範囲のうちの少なくとも1つを含むシステム、方法、物品、構成要素、フィーチャ、又はサブフィーチャは、各列挙された選択範囲のうちの1つ(例えば、第1の選択範囲のうちの1つのみ、第2の選択範囲のうちの1つのみ、又は第3の選択範囲のうちの1つのみ)、単一の列挙された選択範囲のうちの複数(例えば、第1の選択範囲のうちの2つ以上)、同時に2つの選択範囲(例えば、第1の選択範囲のうちの1つ及び第2の選択範囲のうちの1つ)、又はそれらの組み合わせ(例えば、第1の選択範囲のうちの2つ及び第2の選択範囲のうちの1つ)を含むことができるシステム、方法、物品、構成要素、フィーチャ、又はサブフィーチャを指すものとして理解されるべきである。
【0037】
図1は、キーボードハウジング104に取り付けられたディスプレイハウジング102を有するコンピューティングデバイス100の例示的な実施形態を示す。ディスプレイハウジング102は、その周りにベゼル108が延びている表示画面106を収容することができる。キーボードハウジング104は、キーボード110と、キーボードハウジング104の上面114を介してアクセス可能なトラックパッド112とを収容することができる。
【0038】
コンピューティングデバイス100は、ラップトップコンピュータであるように
図1に示されているが、コンピューティングデバイス100は、ノートブックコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、サーバ、同様のデバイス、及びそれらの組み合わせなどの様々な異なるタイプのコンピューティングデバイスを含むことができる。更に、キーボードハウジング104は、スタンドアロンキーボード、数字入力パッド、トラックパッド、マウス、又は他のポインタ入力デバイス、グラフィックペンタブレット、同様のデバイス、及びそれらの組み合わせなどの、コンピューティングデバイスに(例えば、有線又は無線接続を介して)接続可能な周辺入力デバイスであり得る。したがって、コンピューティングデバイス100は単に、本開示の態様が便宜上それと共に示される例示的なデバイスとして示されている。
【0039】
一般に、コンピューティングデバイス100のようなラップトップコンピュータでは、プロセッサ、メモリデバイス、電子記憶デバイス、携帯型の電源若しくは電源コネクタ、回路基板、キーボード及びトラックパッドコントローラ、並びに他の関連する電子部品を、キーボードハウジング104及び/又はディスプレイハウジング102に格納することができる。したがって、コンピューティングデバイス100は、キーボード110のキーのうちの1つ以上に接続されたキーボードスイッチ及びディスプレイを含む、キーボード110の動作に必要な全ての電気デバイス及び構成要素を含むことができる。
図10も参照されたい。
【0040】
図2Aは、キーボードハウジング104の上面114に配置されたキーボード110の上面図を示す。この図では、キーボード110は非アクティブであり、そのグリフは視覚的に隠されている。キーボード110は、キーキャップ200がキーボード110の上部に見える状態にあるキー機構のセットを含む。いくつかの実施形態では、キーウェブ202が、キーキャップ210の間に延びることができ、キーキャップ200の各々の周囲を取り囲むメッシュ様フレームを形成する。キーウェブ202は、キーボードハウジング104の上面114の一部であり得る、又はキーキャップ200の間に配置可能であり、かつキーボードハウジング104内の若しくはその一部である構造に取り付け可能な別個の部品であり得る。
【0041】
キーキャップ200の上面で使用される材料は、キーウェブ202又はキーボード110の周囲を取り囲む上面114に使用される材料と視覚的に同一の外観を有することができる。例示的な場合において、材料は、アルミニウム(例えば、陽極酸化アルミニウム)又は別の金属であり得る。本明細書で使用される場合、「同じ外観」を有する又は「外観が調和する」構成要素は、同じ視覚的反射率、表面テクスチャ、色(例えば、色相、彩度、及び輝度)、並びに不透明度/透明度/透光度を共有するように人間の肉眼で見える構成要素である。
【0042】
本明細書で使用される場合、「人間の肉眼」とは、通常の視力を有する典型的な人間の観察者の、以下に記載されるキーキャップ200の穿孔などの微細なサイズの物体を識別するために使用される拡大レンズ、顕微鏡、カメラ、又は他のスコープ若しくは機器によって強化又は補完されない肉眼である。一般に、キーボードからの通常の視距離(例えば、約350~約450ミリメートル)では、表面における直径約0.3ミリメートル以下の穿孔を人間の肉眼で識別することができない。約200~250ミリメートルの視距離では、人間の肉眼は、一般に、約75マイクロメートル幅よりも小さい穿孔を区別することができない。
【0043】
しかしながら、微細な光源は、遠距離においても微細な穿孔を通して見え得る。したがって、材料は金属であっても、「一方向」視認性の特性を有することができ、背面照明されていないとき、材料中の穿孔のアレイは、穿孔を有しない材料の部品と視覚的に同一(例えば、反射率及び他の眼に見える特性が同じ)に見え得るが、下にある光源から穿孔を光が通過するとき、人間の肉眼で光を容易に見ることができると。
【0044】
キーキャップ200の上面は、人間の肉眼で見たときは互いに比較して一貫した一様な外観を有し得る。言い換えれば、キーキャップ200は、照明されず、かつ、上面の下方にあるディスプレイが穿孔を通して光を発していない間には、単一の材料組成物の外観と、いかなる目にも見える穿孔、グリフ、刻印、追加印刷材料、又はキーボードで使用される他の同様の表示もない外観とを有し得る。
図3A、
図3Bも参照されたい。
【0045】
図2Bは、グリフ204を生成するためにキーキャップ200内のディスプレイが照明されているときのキーボード110を示す。グリフ204は、文字、数字、記号、形状、線、単語、語句、絵、及びそれが押圧されたときのキーキャップ200のファンクションなどの情報を観察者に伝えるために使用される他の視覚的インジケータを含むことができる。いくつかの場合には、グリフ204はまた、capsスロックインジケータ206、ボリューム、輝度、電力、又は他のコンピュータのファンクション修飾子、「ビジー」インジケータ又は「処理中」インジケータ、同様のインジケータ、及びそれらの組み合わせなどの、全体としてのコンピューティングデバイス100の状態又は動作のためのインジケータを含むことができる。
【0046】
図3Aは、剛性ウェブ202内に配置され、キーボード110の他のキーキャップ及びキー機構から分離して示されているキーキャップ200の正射図を示す。この図は、上面300の下方にあるディスプレイが非アクティブである間、キーキャップ200の上面300は、人間の肉眼には、空白で、空、すっきりした一様な外観を有することができることを示す。
図3Bは、
図3Aと同様の図を示しているが、本開示の説明を目的として、上面300を通る穿孔のアレイが簡略化され、視覚的に拡大されている。言い換えれば、キーキャップ200は、下から照明されていないときに
図3Aで見えているので、人間の肉眼で見えるが、
図3Bは、微小穿孔が人間の肉眼で見えるとすればキーキャップ200のどこに形成され、どのように見え得るかを示すために提供される。
【0047】
キーウェブ202は、キーキャップ200及びそれらの関連するキー機構がそれを通って延びることができる開口部302のセットを含むことができる。開口部302は、キーウェブ202の上面304を通って延びることができ、キーキャップ200が開口部302の内縁部に接触することなく、キーウェブ202に対して垂直に移動するのに十分な大きさであり得る。いくつかの実施形態では、キーウェブ202を省略することができ、キーボード110のキー200のセットは、単一の大きな開口部内に配置することができる。この場合、キーのセットを、キーキャップの縁部がギャップによって離間された状態で互いに隣接して配置することができ、ギャップは、
図2A、
図2B、
図3A、及び
図3Bに示される方法でキーウェブ202の一部分によって充填するのではなく、空であり得る。
【0048】
キーキャップ200、及びいくつかの例では、少なくとも上面300、又は少なくとも上面300及び側面306は、多数の微小穿孔308が上面300を貫通する場合でも、高い耐久性及び構造的完全性を提供する材料組成物を含むことができる。1つの例示的な実施形態では、キーキャップ200は、上面300にわたって延び、微小穿孔308がそれを通して形成される金属部分を少なくとも部分的に含むことができる。金属部分は、有益なことに、容易に機械加工されるアルミニウム及び他の耐久性材料を使用して形成され得、微小穿孔308は、レーザー切断などの標準的な工業プロセスを使用して形成され得る。また、有益なことに、金属の上面300は、高品質の感触、耐スクラッチ性、耐摩耗性、高い熱伝達係数に起因する接触に対する冷温、及び薄い厚さにおいても高い剛性を有する傾向がある。
【0049】
アルミニウムはまた、キーボード及び他の電子デバイス(例えば、104)のハウジングで頻繁に使用される材料であるため、キーキャップ200は、取り囲んでいるエンクロージャ表面114及び/又はウェブ202と調和する視覚的外観を有し、それによって、ハウジングの上面及びキー自体に一貫した視覚的外観を付与することができる。陽極酸化アルミニウムがハウジング104に使用される場合、キーキャップ200を陽極酸化することで、(それらの同一の材料組成物に起因して)ハウジング104とキーキャップ200とが、陽極酸化プロセスから生じる同じ色、硬度、及び他の特性を共有することを保証することができる。
【0050】
更に、グリフ204が見えるときに、キーキャップ200及びそれらを取り囲んでいるハウジング構造の外観の均質性は、グリフ204がハウジング104の上方に「浮かんでいる」ように見える、又はキーキャップ200とは無関係に存在するように見える効果を作り出すのを助けることができる。グリフ204が見えないとき、
図3Aに示すように、キーキャップ200及びハウジングの調和している外観は、キーキャップ200をハウジングに溶け込ませ、目に見える表示を伴わない空白のキーキャップの外観を作り出すことができる。
【0051】
微小穿孔308は、それらが通って延びるキーキャップの上面300の形状及びサイズに対応する形状及びサイズのアレイに形成することができる。例えば、正方形の上面300を有する正方形のキーキャップ200は、微小穿孔308の実質的に正方形のアレイを有することができる。アレイの各微小穿孔は、その近隣の微小穿孔から等しく離間され、微小穿孔の行の数は、その列の数に等しい。例示的な実施形態では、約600個の微小穿孔が、単一のキーキャップ200内のアレイの一部であり得るため、グリッド状に配列された約25行の微小穿孔と25列の微小穿孔とが、上面300にわたって延び得る。この微小穿孔数及び正方形の構成は、正方形であるキーキャップ200で使用することができ、シフトキー若しくはスペースバーなどの正方形ではないキーキャップの場合、微小穿孔のアレイは同じであってもよく、又は、他の正方形のキーよりも大きな幅又は高さでそれらのキーにわたって延びるように修正されてもよい。例えば、
図2Aのキー310にわたる列の数は、単一の正方形キー200の幅よりも約5倍大きい幅を有することに起因して、典型的な正方形のキーキャップ200内の列の数よりも約5倍多くてもよい。
【0052】
単一のキーのアレイの微小穿孔の数は、微小穿孔308が形成されるキーキャップ200の垂直厚さに基づいて決定することができる。より硬く、より強いキーキャップ200材料組成物(例えば、金属)は、所与の厚さでより高い密度の微小穿孔を支持することができ、より可撓性又は脆性のキーの材料組成物(例えば、プラスチック)は、製造上の欠陥及び低耐久性(例えば、穿孔間での上面300の亀裂)を回避するために、同じ厚さでより低い密度の微小穿孔を必要とし得る。より厚さがある場合、キーキャップ200の構造的完全性は、より高密度の微小穿孔308のアレイを支持することができる。しかしながら、厚さが薄いことは、有益なことに、光のより良好な貫通に対応し、したがってグリフのより良好な定義、鮮明度、視野角、及び読み取りやすさに対応し得る。アルミニウムのキーキャップ200を有する例示的な実施形態では、キーキャップの垂直厚さは約300マイクロメートルであり得、各微小穿孔308の直径は約30マイクロメートルであり得る。
図4、
図4A及び
図4B、並びにそれらに関連する本明細書における他の説明も参照されたい。
【0053】
いくつかの実施形態では、微小穿孔のアレイは、上面300にわたって実質的に縁部から縁部まで延びることができ、微小穿孔308は、縁部から縁部まで、又は片側306から反対側306まで均等に離間される。このようにして、微小穿孔308を使用して作成されたグリフは、上面300の実質的に全幅又は全長を覆うことができる。
図3Bに示される実施形態では、微小穿孔308のアレイは中央領域312内にあり、中央領域312は、中央領域312を取り囲み、かつ、キーキャップ200の微小穿孔を含まない(すなわち、中実な)領域を形成する周囲領域314によって、上面300の外側上縁部からオフセットされている。有益なことに、周囲領域314を実装することにより、周囲領域314が、その領域に微小穿孔がないので、キーキャップ200の屈曲又は亀裂に対する追加的な構造的安定性を提供することに起因して、中央領域312内の微小穿孔数の1インチ当たりの密度を増加させることができる。更に、周囲領域314は、キーキャップ200の下にあるディスプレイ又は光源が上面300の下で縁部から縁部まで延びていないために、中央領域312は、実際上そのディスプレイ又は光源のセットの光出力部分のみを覆い、それらに対応できる実施形態において有用であり得る。
【0054】
図3Bは、正方形のグリッド状のアレイに配列された微小穿孔308を示しているが、他の実施形態では、正方形のキーキャップにおいても、微小穿孔の異なる配列を使用することができる。例えば、微小穿孔308は、中実の円形パターン、長方形パターン、ダイヤ型パターン、ロゴ若しくはアイコンの形状(例えば、電源ボタン若しくはボリュームインジケータ(すなわち、スピーカの記号)の輪郭)、又は1つ以上のグリフのサイズと形状を模倣するパターン(例えば、「A」字形若しくは複数の文字、記号、若しくは単語(例えば、「SHIFT」)の形状)、に配列されてもよい。したがって、図に示される正方形のアレイは例示目的のためであり、微小穿孔308が配列され得る様式を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0055】
図3Cは、
図3Bのキーキャップ200の別の図であり、微小穿孔308は、ディスプレイを使用して、又は上面300の下のソースによって下方から部分的に照明されている。この例では、微小穿孔のアレイのサブセットが照明されて、目に見える「A」字形グリフ316を作成する。
図3Bに示される構成と比較して、
図3Cに示される構成は、グリフ316の形状に対応する微小穿孔のサブセットを通して光が発せられることに起因して、人間の肉眼で見えるグリフ316を有することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ又は複数の光源のうちの1つの画素又は光源から発せられた光が、対応する単一の微小穿孔308を通じて1対1の割合で埋め込まれ、各画素又は光源が、隣接する微小穿孔を通して、グリフ316の縁部の周りが不鮮明に見える原因となるような方法で光を発することを防ぎ得るように、ディスプレイ又は光源を構成することができる。更に、いくつかの実施形態では、ディスプレイ又は光源からの光が、側面306を通って横方向に、又はキーキャップ200の下を下向きに通過するのを防ぐことができ、それにより、光が側面306を取り囲む開口部302を通って滲み出る又は光が近隣のキーキャップ200の隣接する側面306間で滲み出るのを防ぐことができる。
【0056】
図3Dは、
図1~
図3Cで上述した実施形態に適用することができる実施形態の特徴を示す代替図である。この実施形態では、キーキャップ200は、ディスプレイ又は光源から発せられる光のパターンを変更して、異なるグリフ318を示すように構成されている。この実施形態では、第2のグリフ318は、グリフ316の「A」字形の代わりに「W」字形を有する。グリフの変更は、ディスプレイ又は光源が、微小穿孔の「A」字形を形成する位置の代わりに、「W」字形を形成する位置に対応する、画素又は光源の第2のセットからの光を発することによってもたらされ得る。
図3C及び
図3Dでは、グリフ316、318の両方が微小穿孔308の正方形のアレイを使用して生成される。
【0057】
いくつかの実施形態では、1つのグリフ316(「A」字形)を形成するために必要な穿孔のみがキーキャップ200に含まれる。別の例では、ディスプレイの照明の1つの状態においてグリフ316を形成し、ディスプレイの照明の別の状態において第2のグリフ318を形成するために必要とされるものは、提供される穿孔のみである。したがって、微小穿孔308の数及び配置は、ある特定の文字、記号、形状などのために必要な微小穿孔のみに限定することができ、追加の微小穿孔は省略することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、キーボード110は、少なくとも第1の構成又は外観から第2の構成又は外観へと変更可能なグリフ316、318を有するキーキャップ200を含むことができる。第1の構成及び/又は第2の構成は、単一の形状、サイズ、色、輝度、フォント、及び他の外観特性を有する静的グリフを表示することができる。静的グリフは、ディスプレイ又は光源が第1の構成と第2の構成との間でグリフを変更すると、これらの外観特性のうちの少なくとも1つを変更することができる。別の例では、第1の構成及び/又は第2の構成では、経時的に動く又は他の方法で変化するグリフ、例えば、アニメーション、一連の循環又は変化するグリフ、ビデオ、色が変化するシーケンス、サイズが変化するシーケンス、同様の経時的な変化、及びそれらの組み合わせなどを表示することができる。
図11も参照されたい。
【0059】
更に、このグリフのカスタマイズ性は、提示される形状全体又は記号全体に加えて、グリフ316、318の他の特徴にまで拡張することができる。キーボード110は全体として、ユーザがキーボード及び関連するキーディスプレイのコントローラの設定を変更したことに応答して、1つのキーボードレイアウト(例えば、QWERTY)から別のキーボードレイアウト(例えば、Colemak)に変更することなどによって、そのグリフを変更することができる。有益なことに、これにより、ユーザの選好に基づいて、あるいは、キーボードのコントローラによって制御される、又はプロセッサ(例えばコンピューティングデバイス100のプロセッサ)によって実行されるプログラムされた命令セットに応答して実施される、キーボードに対するプログラムされたコマンドに基づいて、複数の異なる言語設定、タイピングレイアウト、及び他のキーボード機能を提供するように、キーボード110を適応することが可能となる。このようにして、単一のキーボード装置を構築して、キーボードレイアウト又は言語設定が互いに異なり得る市場を含む複数の異なるコンピュータ入力デバイス市場に出荷することができる。
【0060】
更に、グリフ316、318の変更可能な性質を使用して、標準的な従来のキーボードを使用する場合には非現実的又は不可能であるユーザ経験を提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、キーボード110は、典型的なタイピング作業のための言語設定(例えば、英語キーボード)などの標準的設定であるグリフ(例えば、316)を有し、かつキーボード110のレイアウト及び/又はグリフを(例えば318に)修正して、絵文字形状及び絵のキーボード、GIFアニメーション、ピアノ鍵盤のシミュレーションされたセット、又はキーボードが一般的には使用されない典型的には古代語のみで使用される文字など、従来のキーボードでは実用的ではない、記号、画像、アニメーション、又は形状のキーボードを提供できる。
【0061】
1つの例示的な実施形態では、キーキャップ200のセットを集合的にディスプレイとして使用することができ、各キーキャップ200は、複数のキーキャップ200にわたって提示されるより大きな画像又はビデオの一部を表示するように構成されている。例えば、キーボード110の領域を使用して円を示すことができ、キーキャップのグループの各キーキャップが円周の異なる部分を示し、円周内のキーキャップを使用して円の色を示すことができる。別の例では、キーキャップ200を集合的に使用して、ビデオ(例えば、点滅光又は色が変化するシーケンス)、文字列(例えば、ウェルカムメッセージ又は警告メッセージ)、又は観察者宛ての他のデータ(例えば、コンピューティングデバイスのバッテリ充電状態又はディスプレイの輝度レベル、ユーザ定義のテキストなど)を示すことができる。
【0062】
更に、場合によっては、グリフは、カスタムキーボードレイアウトなどのユーザ選好に対応するように、ユーザによって修正又はカスタマイズされ得る。例示的な実施形態では、ユーザは、「Caps Lock」キーを「Ctrl」キーとして機能するように再プログラムすることができ、又は「Command」キーの機能を「Alt」キーの機能で置き換えることができ、これらの変更の両方は、「Caps Lock」キー及び「Command」キーの新しい機能を反映するためのグリフの適切な変化を伴い得る。
【0063】
図4は、キーキャップ200を支持するキーボード110の特徴を示すキーキャップ200の側面断面図を示す。キーキャップ200は、キースタビライザ402によって支持されているディスプレイ400の上に配置することができる。キースタビライザ402は、ハウジング104によって支持されたメンブレイン層404又は回路基板/基板層406に装着することができる。キーキャップ200は、キーウェブ202内の開口部302の幅よりも小さい幅を有することができ、その結果、キーキャップ200は、その上面300に力が印加され、押し下げるときに、垂直にかつキーウェブ202と無関係に平行移動することができる。いくつかの実施形態では、キーウェブ202は、ハウジング104又は基板層406に装着することができる。
【0064】
コラプシブルドーム408は、ディスプレイ400とメンブレイン404との間に配置され、キーキャップ200及びディスプレイ400を上方に付勢するように構成された弾性材料を含むことができる。コラプシブルドーム408は、キーキャップ200に付勢力を印加して、ユーザが押し下げられたキーキャップ200に対する圧力を解放した後、キーキャップ200を
図4に示す位置まで押し上げて戻させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、コラプシブルドーム408は、潰されたときに、キーキャップ200が押し下げられたことを示す電気信号を生成することができるスイッチであり得る。例えば、コラプシブルドーム408は、ドーム408が潰されてメンブレイン404と接触すると、メンブレイン404において電気接続を行うように構成された導電部分を含むことができる。いくつかの例では、メンブレイン層404は、コラプシブルドーム408が潰されたときにと、潰されて互いに接触する複数の導電層などの複数の層を含むことができる。更に、本開示の利点を有するものは、当該技術分野で使用される他のスイッチ及び関連するキーキャップ位置検出デバイスが、本明細書に記載のキーキャップ200のキー機構に適用され得る方法を理解するであろう。
【0065】
キースタビライザ402は、上面300上に下向きの力が中心からずれて印加されたときのキーキャップ200の回転を防ぐのを助けるように、キーキャップ200及びディスプレイ400に支持を提供することができる。したがって、キースタビライザ402は、使用中に垂直に平行移動するときに、キーキャップ200が下部層404、406との平行を保つのを助けることができる。キースタビライザ402は、スタビライザ402の上端部でディスプレイ400又はキーキャップ200に、また、スタビライザ402の底端部で基板406又はハウジング104に枢動可能に又は撓曲可能に接続される、2つの交差するヒンジ部品を有する鋏機構を含むことができる。キーキャップ200の下向きの圧力は、枢動接続軸410、412、414、及び416(及び潜在的には他のもの)で、鋏機構のヒンジ部品の回転を引き起こす可能性がある。これらの枢動接続軸のうちの1つでの回転は、キーキャップ200が枢動軸を中心に回転するのを防ぐスタビライザ402のヒンジ部品の移動を引き起こす可能性がある。例えば、軸412上の上面300に加えられる下向きの力は、軸412及び414でスタビライザ402の回転を誘発し、スタビライザ402のアームの回転は、スタビライザ402の他の交差しているアームを引き下げ、それによって軸410及び416での回転を誘発し得る。キースタビライザ402はコラプシブルドーム408を受容する中央開口部を含むことができ、それによって、スタビライザ402のアームは、スタビライザ402との接触に起因してドームを潰す、ドーム408の周りを移動できる。
【0066】
キーキャップ200は、ディスプレイ400の上に、又は、キーキャップ200を通って延びる微小穿孔308のうちのいくつか又は全てに対応する光源のアレイ(例えば、画素)を含む光源のセットの上に取り付けられ、配置され得る。
図4に示すように、ディスプレイ400は、中央領域312にわたって延び、かつその光源が中央領域312の実質的に全幅にわたって延びることができる。ディスプレイ400は、ディスプレイ400の底面の片側からその下の基板406に延びる可撓性コネクタ418を介した基板406への電気接続を有することができる。可撓性コネクタ418は、電力及び制御信号がディスプレイ400内の光源の電力及び制御のためにディスプレイ400に提供されることを可能にするための導電体、配線、などを含むことができる。キーキャップ200が下向きに移動すると、可撓性コネクタ418は、基板406との電気通信を維持しつつ、屈曲、撓曲、及び/又は圧縮して、キーキャップの移動に対応することができる。可撓性コネクタ418は、有益には、スタビライザ402又はコラプシブルドーム408の移動との機械的干渉を回避する方法で、ディスプレイ400の外周近くの縁部又は底面から延び得、それによって、可撓性コネクタ418の耐久性及び寿命を改善する。
【0067】
キーキャップ200はまた、ディスプレイ400の周りに横方向に延び、かつ、ディスプレイ400から横方向に投射された任意の迷光がキーキャップ200の側面から漏れてユーザに見えることを阻止する、側壁306を含むことができる。側壁306はまた、(例えば、キーウェブ202の外観に調和している)美観の向上、及び汚染物質の侵入又はディスプレイ400の損傷の防止のために、ディスプレイ400の側面を保護し覆い得る。側壁306の内面は、ディスプレイ400に支持を提供し、ディスプレイ400をキーキャップ200内に保持するのを助けるように構成された1つ以上の隆起部又は突起部420を含むことができる。隆起部又は突起部420は、ディスプレイ400を補強し、ディスプレイ400がキーキャップ200の底面に対してしっかりと配置されたままにするために使用される接着剤又は他の取り付けデバイスを補強することができる棚状の表面を形成する。
【0068】
図4Aは、微小穿孔308の側面断面及びディスプレイ400の上方のそれらの配置を示す微視的レベルでのキーキャップ200及びディスプレイ400の詳細図を概略的に表す。
図4及び
図4Aに示される穿孔及び光源の数及びサイズは、縮尺通りではなく、本開示のデバイスの理解を助けるために概略的に示されている。ディスプレイ400は、各光源422が各微小穿孔308の底部開口部に配置された状態の光源422のアレイを示す。したがって、各光源422は、それと位置合わせされた微小穿孔308を通して上向きに光を個別に発することができ、したがって、一度に1つの微小穿孔を照明する。この構成は、個々の光源422の照明の制御に従った、微小穿孔のアレイにおける選択された微小穿孔の正確な照明を可能にすることによって、キーキャップ200の外観の繊細な制御を可能にする。更に、
図4Aに示されるように、光源422は、光源422から発せられた光が隣接する微小穿孔308へ散乱するのを防ぐ方法で、各微小穿孔308に実質的に当接する、又はその直下に配置された上端部を有することができる。これによって、ディスプレイ400によって生成されるグリフの縁部のぼけ又は他の明瞭さの欠如が防止される。
【0069】
光源422は、半導体光源又は他のソリッドステート照明デバイスを含むことができる。例えば、いくつかの好適な光源としては、(例えば、単一及び/又は複数の色の)発光ダイオード(例えば、LED又はマイクロLED)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、エレクトロルミネセント(EL)ストリップ、同様のデバイス、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。所与の光源422は、所与の対象の適用例又は最終用途のために所望される、任意の所望のスペクトル範囲(例えば、可視、赤外、紫外など)の、1つ以上の色、強度、パターンなどの光を生成するように構成することができる。所与の光源422の、他の好適な光エンジンのタイプ、構成、及び発光スペクトルは、所与の適用例に依存し、本開示を考慮すると明らかとなるであろう。
【0070】
図4Aの光源422は、赤色-緑色-青色(RGB)発光画素のセットとして示されており、各色チャネルのうちの1つは、その色を1つの微小穿孔308に発することができ、その結果、各微小穿孔308は、赤色光、緑色光、及び青色光を、各々について様々なレベルで発することができる。したがって、ディスプレイ400は、光源422から広範囲の色相、彩度、及び輝度が発するように制御することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ400は、バイナリ発光特性(例えば、単にオン若しくはオフ)を有する、又は1つ若しくは2つの色(例えば、白、青、赤、青と赤など)のみを発する光源422を含むことができる。各光源422の幅は、光源422に最も近い微小穿孔308の幅よりも小さく、又はそれとほぼ等しくすることができる。このようにして、光源422からの光は、キーキャップ200の下方で吸収される又は他の方法で無駄になる代わりに、微小穿孔308を通して効率的に発せられ、それによって、ディスプレイ400の輝度及び色精度を改善することができる。
【0071】
ディスプレイ400は、ディスプレイ400内の光源422の一部又は全部と電気通信するオンボードのディスプレイコントローラ424を含むことができる。ディスプレイコントローラ424は、
図4Aに概略的に示されており、光源422の一部分と電気通信している。ディスプレイコントローラ424は、光源422の各発光部分への電力の提供を制御することによって、接続されている光源422の出力特性を制御することができる。それにより、選択された色特性が光源422から発せられ、適切な光源422がキーキャップ200のグリフを作成することが可能になる。ディスプレイコントローラ424は、出力デバイスアダプタ1020の一部であり得る、又はそれに接続され得る(
図10を参照されたい)。
【0072】
図4Aはまた、どのようにして微小穿孔(例えば、例示的な微小穿孔426)が、直径が先細りで、円錐台状のプロファイルを有し得るかを示す。この形状は、レーザー刻印技術及び同様の照射アブレーション動作を使用して微小穿孔426を作成することによって形成することができる。したがって、微小穿孔426は、その下部の内側端部におけるより小さい幅W
2と比較して、その上部の外側端部でより大きな幅W
1を有することができる。微小穿孔426の高さH(すなわち、深さ)は、上面300とディスプレイ400の上部に面する表面との間のキーキャップ200の全厚を通って延びることができる。いくつかの実施形態では、外側幅W
1は、約75マイクロメートル以下であり得、内側幅W
2は、約30マイクロメートルに等しくなり得る。高さHは、キーキャップ200の材料特性に基づいて決定することができ、高さHは、耐久性、曲げ強度、及びキーキャップ200がその構造及び外観を長期間にわたって保持するために必要な他の物理的特性を維持するキーキャップ200の最小厚さに対応することができる。例示的な実施形態では、微小穿孔426は、アルミニウムのキーキャップの材料の場合、約90マイクロメートルの幅W
1、約30マイクロメートルの幅W
2、及び約300マイクロメートルの高さHを有することができる。図に示される寸法は、縮尺通りではない。
【0073】
微小穿孔308の高さHを最小化することにより、光源422を覆い、かつ光源422と干渉する材料の量を最小限に抑えることにより、グリフの知覚される最大の輝度、明瞭さ、視野角、及び鮮明度を改善することができる。更に、例示的な実施形態では、隣接する微小穿孔308の中心間の距離Dは、約0.15ミリメートルから約0.25ミリメートルまで、又は1つの実施形態では約0.2ミリメートルまでの範囲であり得、それによって、キーキャップ200の構造的特性と微小穿孔308の感知不可性の維持も助けつつ、人間の肉眼では個々の背面照明された穿孔の識別を困難又は不可能にするのに十分なほどに穿孔のアレイを高密度に保つ。
【0074】
微小穿孔308は、外側幅W1から内側幅W2に向かって垂直に先細りとなる傾斜側壁428を有することができる。いくつかの実施形態では、これらの側壁は、キーキャップ200の上面300又は他の表面と比較して、改善された反射率を有するように設計され得る。例えば、コーティング又は反射処理を傾斜側壁に追加して、光源422の効率を改善し、各穿孔から脱出する光の量を最大化することができる。別の例では、傾斜側壁の表面をレーザー処理して、それらの表面仕上げに磨きをかけ、それらの反射率を改善することができる。高度に反射性の傾斜側壁はまた、傾斜側壁の反射性がより低い実施形態と比較して、各穿孔を通って延びる垂直軸に対してより低い角度から見えるように、グリフの視野角を改善することができる。コーティング又は他の反射添加剤が微小穿孔に適用される場合、微小穿孔は、通常よりも大きい幅W1、W2を最初に形成することにより、それにより、各穿孔幅W1、W2(コーティング又は他の被覆の蓄積後)の最終寸法は、最後には結局光の透過に適切な(上述の)仕様の範囲内とする。
【0075】
同様に、いくつかの実施形態では、キーキャップ200は、陽極酸化され得る。陽極酸化層は、それが追加されるキーキャップ200の表面に約10マイクロメートルの厚さを加えることができる。したがって、キーキャップ200は、幅W1及びW2が約20マイクロメートル大きい微小穿孔308を備えて設計することができ、これにより、(微小穿孔の各側面上の)陽極酸化層の追加の厚さが、それらの意図された機能を実行するのに穿孔を狭くし過ぎることはない。更に、いくつかの実施形態では、微小穿孔308が追加される前に、キーキャップ200を陽極酸化することができる。その例では、微小穿孔308は、追加の材料が傾斜側壁にコーティングされる、又は他の方法で追加されることがないので、それらの最終寸法で形成され得る。言い換えれば、微小穿孔を、コーティング層又は陽極酸化層に対応するために拡大することなく、予想される最終公差にレーザーによって切削し得る。
【0076】
図4Bは、充填剤材料430によって少なくとも部分的に充填された微小穿孔308のアレイを有する、キーキャップ200-Aを有する代替の実施形の態側面断面図を示す。この実施形態では、充填剤材料430は、空の微小穿孔308に液体として適用され、次いでUV光照射によって所定位置で(重合)硬化されるように構成された紫外線(UV)糊である。あるいは、充填剤材料430は、本開示の利益を有する当業者には明らかである他の液体接着剤、媒体、樹脂などを含むことができる。充填剤材料430は、微小穿孔308を通る最大発光を可能にするために透明であり得る。いくつかの実施形態では、充填剤材料430は、光を拡散させ、照明されたグリフの視野角の範囲を向上させるのを助けるために、半透明/部分的に不透明であり得る。したがって、充填剤材料430は、拡散体材料又は微小穿孔のアレイ内に配置された光拡散部と呼ばれ得る。
【0077】
充填剤材料430は、表面張力によって、又は充填剤材料430の上面にメニスカスの形成に起因して、キーキャップ200の上面300の下方に凹んでいる上面を有することができる。メニスカスは、充填剤に使用される材料に応じて、
図4Bに示すように凹状であってもよく、又は凸状であってもよい。充填剤材料430の上面は、キーキャップ200の上面300に近接して、微小穿孔308の視認性を最小限に抑えるのを助け、かつ、キーキャップ200の補強を最大化することを保証することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、充填剤材料430を含めることで微小穿孔308におけるキーキャップ200-Aの構造的剛性を改善し、それによって、その耐久性を改善し、キーキャップ200-Aを(例えば、
図4Aのキーキャップ200と比較して)より薄くすることを可能とし得る。充填剤材料430はまた、微小穿孔308を閉塞又は充満させることによって光源422から来る光を遮断し得る、破片、液体、粉塵、指の油、及び他の潜在的な汚染物質に対する障壁としても機能することができる。したがって、それらの汚染物質が微小穿孔に浸透することができないので、微小穿孔308のアレイの外観は、長期間にわたり、かつ汚染物質にさらされた後も、より一貫して機能することができる。
【0079】
図5は、剛性ウェブ502内に配置され、キーボード(例えば、110)の他のキーキャップ及びキー機構から分離して示されているキーキャップ500の正射図である。キーキャップ500の特徴は、本明細書の他の場所に示される他の実施形態に組み込むことができる。
図6は、キーキャップ500及び関連部品の側面断面図を示す。キーキャップ500は上部本体504を含み、上部本体504の底面508に不透明層506が取り付けられている。ディスプレイ510はキーキャップの不透明層506の下方に取り付けられ、複数の光源512が不透明層506内の微小穿孔514のアレイを通り、かつ上部本体504を通って垂直方向上向きに向けられるように構成されている。ディスプレイ510の底部は、
図4に関連して説明したように、枢動するアーム、ウィング、又は同様の構造を有するキースタビライザ516に装着され得る。
図4と同様に、メンブレイン518及び基板520も、キーキャップ500の下方に配置することができる。ドーム522も同様に、
図4の実施形態のように構成することができる。
【0080】
いくつかの例では、可撓性コネクタ524は、ディスプレイ510の中央領域から延び、ドーム522を通って基板520に接続することができる。この例では、可撓性コネクタ524は、ドーム522を通って延びることができ、又はディスプレイ510からドーム522に隣接して横方向に位置する位置から下向きに延びることができる。可撓性コネクタ524をディスプレイ510の中央部分でドーム522を通って又はその隣に配置することは、可撓性コネクタ524とキースタビライザ516との間の接触を回避するのを助けることができ、それによって、可撓性コネクタ524の耐久性及び信頼性を証明する。あるいは、可撓性コネクタ524は、
図4の実施形態のように、ディスプレイ510の周辺領域から基板520と電気通信するように延びることができる。
【0081】
図5に示すように、不透明層506は、上部本体504の上面526を通して見え得る。上部本体504は、ガラス、透明セラミック、透明ポリマー、クリスタル、同様の材料、及びそれらの組み合わせなどの実質的に透明な材料を含むことができる。上部本体504の上面526は、キーキャップ500を押圧するときにユーザの手段(例えば、指)と係合するための接触面であり得、手段の力をその下方にある部品及び機構に伝達することができる。
【0082】
不透明層506は、底面508に適用された、又はその上に形成された材料を含むことができる。不透明層506は、下方にあるディスプレイ510の外観を不明瞭にするように、上方からその上面528を通して見たときに不透明に見え得る。不透明層506は、塗料層、金属コーティング、金属若しくはプラスチックのシート若しくはプレート、又は底面508上の同様の不透明材料を含み得、それを通して微小穿孔514のアレイが形成され得る。いくつかの例では、上部本体504は、有益なことに、不透明層材料の硬度よりも高い硬度を有する上部本体504など、不透明層506と比較して、より耐スクラッチ性の材料である材料を含むことができる。不透明層506は、保護のための上部本体504がない場合に、スクラッチ、しみ、並びに他のタイプの摩耗及び損傷の影響をより受けやすく、上部本体504は、不透明層506の材質を保護することができる。例示的な実施形態では、上部本体504は、ガラス材料を含むことができ、不透明層506は、ガラス材料に適用された塗料材料、ポリマー材料、又は樹脂材料を含むことができ、ガラス材料がキーキャップの上面と不透明層506の上面との間のシールド又はバッファとして作用することに起因して、塗料材料、ポリマー材料、又は樹脂材料は、スクラッチ若しくは及び表面の擦れへの曝露、剥離、又は化学的損傷しみから、ガラス材料によって保護される。
【0083】
いくつかの実施形態では、不透明層506は、剛性ウェブ502又はキーボードを取り囲む他のシャーシ部分に使用される材料と同じ材料のシートを含むことができ、それにより、キーキャップ500の外観に、キーキャップ500を取り囲む上面と同じ色相、彩度、輝度、テクスチャ、及び他の外観特性を与える。いくつかの実施形態では、キーボードのシャーシ又はハウジングは、不透明層506と同様の下部層の上に重なる上部本体504と同様の外観を有する透明材料を含むことができる。例えば、キーキャップ500を取り囲むシャーシは、ガラスの上部層と、ガラスの上部層の直ぐ下方にある塗料層又は金属二次層とを有することができる。いくつかの実施形態では、不透明層506がシャーシの外観特性と調和するように、キーボードのシャーシは、不透明層506と同じ材料を含むことができ、上部本体504を不透明層506の上に重ねることができ、それにより、透明又は半透明の構造がシャーシと不透明層506の上、又は上方で浮かんでいるような外観を提供することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、不透明層506は、ディスプレイ510及び/又はスタビライザ516を不透明層506に接合するための取り付け構造を含むことができる。例えば、不透明層506は、ディスプレイ510を不透明層506に固定するために、ディスプレイ510の周囲に、又はディスプレイ510を通過して延びて、スタビライザ516又は(例えば、上述の突起部420及びそれらの関連する実施形態に類似する)構成要素に接続するブラケットを含むことができる。
【0085】
微小穿孔514のアレイは、本明細書に記載の他の製造方法(例えば、レーザー切削/アブレーション)と同様の方法で、不透明層506に形成又は切削することができる。微小穿孔514は、人間の肉眼では見えないようにすること、不透明層506を完全に貫通して延びるグリッド状又は正方形のアレイに配列されることなどによって、上述の他の微小穿孔と同様の特性を有することができる。したがって、不透明層506は、何十、何百、又は何千もの微小穿孔514によって打ち抜かれているにもかかわらず、上部本体504全体に、一様で打ち抜かれていない外観を有し得る。更に、不透明層506がコーティング、塗料、薄膜、PVD層、又は同様のmm未満の厚さの構造である場合など、いくつかの実施形態では、不透明層506の厚さは、キーキャップ(例えば、第200)の上部が構造的金属本体を含む実施形態よりも小さくてもよく、したがって、不透明層506は最小限に厚さでよく、微小穿孔514も最小化された深さを有することができる。その結果、ディスプレイ510からの光は、不透明層506をより容易かつより完全に通過することができ、それによって、ディスプレイ510によって生成されるグリフの視認性、読み取りやすさ、視野角、目に見える縁部の鮮明度、及び関連する特性を改善することができる。
【0086】
ディスプレイ510は、ディスプレイ400と同様の特性を含むことができ、光源512のアレイは、不透明層506を通る等しい数の微小穿孔514と位置合わせされるように配列され、光を提供することができる。したがって、ディスプレイ510は、不透明層506を通して、かつその上方に見え得る。ディスプレイ510内の光源512は、
図6に図式的に示されており、それらが上向きの光を上向きに(すなわち、上向きの矢印の方向に沿って)構成されていることを示す。
【0087】
図7は、少なくとも部分的に反射性又は鏡面状の表面を含む中間層700を有する実施形態を示す。中間層700は、中間層700の上方から(すなわち、上部本体504を通って)入射する光702を反射する一方で、中間層700の直下に配置されたディスプレイ510の光源からの光704の中間層700を通る直接又は屈折による通過もまた可能にする。中間層700の上面706(又はいくつかの実施形態では、底面708における)における光702の反射は、鏡面反射性であり得る。例えば、中間層700は、微小穿孔を欠くPVD層又は他の鏡面フィルムを含むことができる。中間層700を通過する光704は、微小穿孔を通過することなく、ディスプレイ510によって生成されたグリフをはっきりとかつ正確に示すことができる。この構成は、一方向反射構成又は一方向ミラー構成と呼ぶことができる。あるいは、中間層700における光702の反射は、拡散性又は非鏡面反射性であってもよく、ディスプレイ510からの光704によって生成されるグリフは、部分的に不鮮明に見える、又は拡散することがあるが、依然として、ユーザが読み取り可能である。この例では、構成は、拡散性又は非鏡面反射性の一方向反射層と呼ばれ得る。中間層700の構造及び特徴は、少なくとも部分的に反射性又は鏡面状の上面又は側面を有する不透明層506などにおいて、本明細書に示され説明される他の実施形態において実装することができる。
【0088】
様々な実施形態では、中間層700は、微小穿孔のセットを伴い、又はそれを伴わずに形成され得る。したがって、中間層700の材料は、他の、本明細書に記載の不透明層で使用される完全に不透明な材料(例えば、200、506)と比較して、光(例えば、704)を少なくとも部分的に透過することができる。少なくとも一方向に光透過性の中間層700を使用すると、製造を簡素化することができ、キーキャップの上部本体504の底部において固有の外観を付与することができる。キーキャップの外観は、ディスプレイ510がアクティブ化して、中間層700を通して目に見えるグリフが生成されることで変化することができる。中間層700の外観は、キー又はキーボードを取り囲むハウジングの上面の外観特性に調和するように構成することができる。したがって、ディスプレイ510の存在を光源512がアクティブ化されるまで視野から隠すことができ、キーキャップの各々は、ディスプレイ510がアクティブ化されるまで、いかなる記号又はグリフも欠く一様な外観を有することができる。
【0089】
部分的に透明な又は一方向反射性の中間層700を使用する実施形態は、有益なことに、高い光源密度(すなわち、より高い画素解像度)を所与のキーキャップ領域内に有するディスプレイ510と共に使用され得る。中間層700が微小穿孔のアレイを含む必要がない場合、光源の数及びそれらの配置は、ディスプレイ510上方の微小穿孔の数が光源の数と一致するかどうかに関係なく、ディスプレイ510の可能な最高密度で配列することができる。更に、上部本体504がその底面(例えば、506又は700)上に形成された層と共に使用される場合、その底面上の層に追加される微小穿孔の数は、
図4に示される実施形態などの、キーキャップ全体が上面からディスプレイまでの微小穿孔を有する実施形態と比較して、所与の領域内で密度をより高くすることが可能である。この特徴の違いは、上部本体504の下に形成された層は、キーキャップの構造的部分として動作する必要がないのに対し、
図4の実施形態などの、微小穿孔をその厚さ全体に有するキーキャップは、キーキャップ構造として機能するには構造的に不健全になりすぎるまで、限られた数の微小穿孔のみを支持することができるので、起こり得る。
【0090】
図8は、キーウェブ802内に嵌合するキーキャップ800の上部本体804が、上面806及び側面808、810を有する実施形態を示している。キーキャップ800の構造及び特徴は、本明細書に示され説明される他の実施形態において実装することができる(逆もまた同様)。上部本体804は、少なくとも部分的に光透過性であり得、上面806及び側面808、810のうちの少なくとも1つは、一方向反射性又は部分的に透過性の特性を有することができる。これらの表面は、一方向視認性層と呼ぶことができ、光が層の片側(例えば、上面)で輝いているとき、層の下にあるデバイス(例えば、ディスプレイ510)は見えないが、光が層の反対側を通って(例えば、光がディスプレイによって発せられるときなど、底面を通って)輝いているとき、層の下にあるデバイスを見ることができる。本明細書に開示される様々な構造、例えば、微小穿孔のアレイを有するキーキャップ、中間層若しくは底層に微小穿孔のアレイを有する、若しくは上部本体の下方にコーティングを有するキーキャップ、又は表面上に一方向反射層若しくは構造を有するキーキャップ、などが一方向視認性層と呼ばれ得る。
【0091】
図7の実施形態と比較して、キーキャップ800は、特に、下にあるディスプレイが光を発していない間、中間層700と同様の鏡面反射性の外観及び材料を有する少なくとも1つの外面を有することができる。上部本体804の1つ以上の外面がこの特性を有する場合、キーキャップ800は、完全に鏡像又は反射性である外観を外部に対して有することができ、ディスプレイ及び上部本体804の内部又は下部部分の透明な性質を隠すことができる。したがって、キーキャップ800は、キーキャップ800の透明な特性が反射性の外面特性によって隠されるように、その外面内に透明又は半透明の材料を含むことができる。光が上部本体804の下方から発せられると、例えば、底面に接触するディスプレイ又は上部本体804のすぐ近隣に配置され上部本体804と共に移動可能であるから光が発せられると、光は、上部本体804の一方向反射面を通過することができ、その結果、キーキャップ800の上面を通してディスプレイからの光を見ることができる。
【0092】
例えば、
図9の図式的な側面断面図に示されるように、キーキャップ900の上面902は、透明な本体906の上部及び/又は側面上に、一方向鏡面状コーティング904(又は他の蒸着層又は適用層)を有することができる。したがって、キーキャップ900は、キーキャップ800の例示的な実施形態である。キーキャップ900の構造及び特徴は、本明細書に示され説明されたキーキャップ800及び他の実施形態において実装することができる。したがって、キーキャップ900の上方からの、又はキーキャップ900の側面への実質的に全ての入射光908は、コーティング904の上面902又は側面から反射する。しかしながら、透明な本体906の下にあるディスプレイ510からの光910(例えば、上記で詳細に論じたようなグリフ、又はその他の表示された画像)は、本体906を通過し、コーティング904を通過して、その結果、キーキャップ900の上方で見ることができる。したがって、ディスプレイ510の存在及び本体906の透明度は、両方ともコーティング904によってマスクされ得る。これにより、上面及び側面において一様な外観特性をキーキャップ900に与え、またキーキャップ900をキーキャップ900を取り囲む鏡面状の表面の外観と調和させることができる。更に、
図7の実施形態と同様に、
図9のディスプレイ510は、配置及び密度が、キーキャップ900内の微小穿孔の数により限定されない、又はそれに対応する、光源を有することができ、それによって、キーキャップ900を通して見たときのディスプレイの光を潜在的によりはっきりと明るくすることが可能なる。
【0093】
図10は、本開示の実施形態のコンピュータシステム1000のブロック図を示す。様々な実施形態では、コンピュータシステム1000は、
図10に示される構成要素の様々なセット及びサブセットを含むことができる。したがって、
図10は、異なる実施形態におけるシステム1000によって実行される動作及び機能に基づいて様々な組み合わせ及びサブセットに含まれ得る様々な構成要素を示す。例えば、コンピュータシステム1000は、
図1に関連して本明細書に上述されたコンピューティングデバイス100、又は本明細書に記載した他のキーボード、キー機構、及び表示デバイスの一部であり得る。本明細書に記載又は引用される場合、「a」又は「an」などの冠詞の使用は、1つのみに限定しようとするものとは見なされず、本明細書に特に明記しない限り、1つ以上を意味することが意図されることに留意されたい。
【0094】
コンピュータシステム1000は、コンピュータメモリデバイス1006に電気通信するためにバス1004を介して接続された中央処理ユニット(CPU)又はプロセッサ1002と、電源1008と、電子記憶デバイス1010と、ネットワークインターフェース1012と、入力デバイスアダプタ1016と、出力デバイスアダプタ1020と、を含むことができる。例えば、これらの構成要素のうちの1つ以上は、バス1004及び構成要素間の電気通信を提供する他の電気コネクタを支持する基板(例えば、プリント回路基板、又は基板406及び520などの他の基板)を介して互いに接続することができる。バス1004は、システム1000の部品間で情報を通信するための通信機構を含むことができる。
【0095】
プロセッサ1002は、メモリ1006によって記憶された命令1024のセットを受信及び実行するように構成されたマイクロプロセッサ又は同様のデバイスであり得る。メモリ1006は、情報及びプロセッサ1002により実行される命令を記憶するための、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は別のダイナミック電子記憶デバイスなどのメインメモリと呼ぶことができる。メモリ1006はまた、プロセッサ(単数又は複数)1002により実行される命令の実行中に一時的変数又は他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。記憶デバイス1010は、プロセッサ1002のための静的又は長期(すなわち、動的でない)情報及び命令を記憶するために、バス1004に結合された読み取り専用メモリ(ROM)又は別のタイプのスタティック記憶デバイスを含むことができる。例えば、記憶デバイス1010は、磁気ディスク又は光学ディスク(例えば、ハードディスクドライブ(HDD))、ソリッドステートメモリ(例えば、ソリッドステートディスク(SSD))、又は同等のデバイスを含むことができる。電源1008は、電力網への接続又はバッテリシステムなど、プロセッサ1002及びバス1004に接続された他の構成要素に電力を提供することができる電源を含むことができる。
【0096】
命令1024は、システム1000の構成要素を使用してプロセス及び方法を実行するための情報を含むことができる。そのようなプロセス及び方法は、例えば、
図11に関連して説明される方法を含めて、例えば、本明細書の他の場所で説明される方法を含むことができる。
【0097】
ネットワークインターフェース1012は、有線接続又は無線接続を介してシステム1000を外部デバイスに接続するためのアダプタを含むことができる。例えば、ネットワークインターフェース1012は、セルラーネットワーク、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ネットワークインターフェース1012と無線通信することができる別個のデバイス、他の外部デバイス又はネットワークの場所、及びそれらの組み合わせなどのコンピュータネットワーク1026への接続を提供することができる。1つの例示的な実施形態では、ネットワークインターフェース1012は、WI-FI(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、BLE、Bluetoothメッシュ、又は関連する無線通信プロトコルを介して、同じプロトコルを使用するインターフェース能力を有する別のデバイスに接続するように構成された無線ネットワーキングアダプタである。いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス又はネットワーク1026内のネットワークデバイスのセットは、システム1000の一部と見なすことができる。場合によっては、ネットワークデバイスは、システム1000に接続されているが、その部品ではないと考えることができる。
【0098】
入力デバイスアダプタ1016は、例えば、キーボード1014及び様々なスイッチ(例えば、コラプシブルドーム又は機械的スイッチ)、又はユーザがキーボードを押すことによって入力を受け取るキー機構などの、様々な入力デバイスへの接続性をシステム1000に提供するように構成することができる。キーボード1014又は別の入力デバイス(例えば、ボタン又はスイッチ)を使用して、システム1000の設定に関する入力などのユーザ入力を提供することができる。入力デバイスアダプタ1016及び/又はキーボード1014は、キーボードのスイッチ又はセンサから電気信号を受信し、処理、解釈、及び動作のためにそれらの信号をプロセッサ1002に提供するように構成されたキーボードコントローラを含むことができる。
【0099】
出力デバイスアダプタ1020は、1つ以上のモニタディスプレイ1032又はキーディスプレイ1034を使用して視覚的出力を提供することなどによって、ユーザに情報を出力する能力をシステム1000に提供するように構成することができる。また、他の出力デバイスを使用することもできる。プロセッサ1002は、出力デバイスアダプタ1020を制御して、アダプタ1020に接続された出力デバイスを介してユーザに情報を提供するように構成することができる。例えば、本明細書の他の場所で詳細に説明されるように、モニタディスプレイ1032は、ユーザインターフェース、アプリケーションウィンドウ、及び同様の情報を出力するように制御することができ、キーディスプレイ1034は、グリフ、画像、記号、及び形状を表示し、又は何も出力しないように制御することができる。個々のキーディスプレイ1034を1つのキーによって提示される情報を調節又は変更することなどによって制御することができ、あるいは、キーディスプレイ1034を全体として制御し、キーボードの複数のキーのレイアウト又は記号を調節又は変更することによって、1つのキーディスプレイから別のキーディスプレイに移動するように見えるアニメーション、又は複数のキーを使用して合成された表示を集合的に形成して、画像、形状、アニメーション、などを表示するアニメーションを表示することができる。
【0100】
図11は本開示の方法1100を示すプロセスフロー図である。ブロック1102において、コントローラは、第1の入力を受け取ることができる。コントローラは、例えば、プロセッサ1002、又は入力デバイスアダプタ1016若しくはネットワークインターフェース1012を介したキーボードコントローラを含むことができる。第1の入力は、ユーザ入力(例えば、ユーザがコマンドを提供すること)、コンピュータ生成された入力(例えば、アルゴリズム若しくは命令1024の動作から生じる入力)、又はコンピュータシステム1000の動作若しくは移動(例えば、電源1008へのアクセスをオンにすること、入力デバイス1036をコンピュータシステム1000に取り付けること、若しくはコンピュータシステム1000を移動すること)を含むことができる。
【0101】
ブロック1104において、コントローラは、キーボードの少なくとも1つのキーディスプレイ(例えば、1034)を第1の状態に設定することができる。第1の状態はオフ状態であり得、キーディスプレイは発光せず、したがって、(例えば、
図3Aに示されるように)人間の肉眼では見えない。別の実施形態では、第1の状態はオン状態であり得、キーディスプレイは、第1のグリフ形状/サイズ/数、記号、アニメーション、又は視覚的外観(例えば、色相、彩度、輝度など)を有する光を提供する。
【0102】
ブロック1106において、コントローラは、第2の入力を受け取ることができる。第2の入力は、ユーザ入力(例えば、ユーザがコマンドを提供する)、コンピュータ生成された入力(例えば、アルゴリズム若しくは命令1024の動作から生じる入力)、又はコンピュータシステム1000の動作若しくは移動(例えば、電源1008へのアクセスをオンにすること、入力デバイス1036をコンピュータシステム1000に取り付けること、若しくはコンピュータシステム1000を移動すること)を含むことができる。第2の入力は、第1の入力と比較して異なる方法で(例えば、異なるキー、ボタン、プログラム機能又は類似の手段によって)提供される、又は異なる時間や場所で提供されるなど、第1の入力と異なる入力であり得る。ブロック1108に示されるように、第2の入力を受け取ったことに応答して、コントローラは、キーディスプレイを第2の状態に設定することができる。第2の状態では、キーディスプレイが照明され得る、又は第1の状態のキーディスプレイと比較して異なるグリフが提供され得る。
【0103】
例示的な実施形態では、ブロック1104における第1の状態のキーディスプレイは、(例えば、上述の方法で)人間の肉眼では見えず、ブロック1108における第2の状態のキーディスプレイは、(例えば、上述の方法で)光が微小穿孔を介して、又はキーディスプレイの上に重なる一方向反射材料を通して(例えば、上述の方法で)見え得る。したがって、本開示の方法は、キーボードのキー内にあるディスプレイのために、様々な視認性モードを実装することができる。更に、キーディスプレイが第1の状態にある間に既にオンである状況では、キーディスプレイ情報を、記号又は形状の1つのセットから、記号又は形状の別のセットに変更することができる。
【0104】
現在の技術に適用可能な範囲で、様々なソースから入手可能なデータを収集及び使用することにより、招待コンテンツ又はユーザが関心を持ち得る任意の他のコンテンツのユーザへの配信を改善することができる。本開示は、いくつかの場合には、この収集されたデータが、特定の人を一意に特定する個人情報データ、又は特定の人に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを考察する。そのような個人情報データには、人口統計データ、位置ベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッター(登録商標)ID、住所、ユーザの健康又はフィットネスレベル(例えば、バイタルサイン測定、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意の他の識別情報若しくは個人情報を含むことができる。
【0105】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、よりユーザの興味を引く対象のコンテンツを配信するために、個人情報データが使用されてもよい。したがって、そのような個人情報データの使用は、配信されるコンテンツの計算された制御をユーザができるようにする。更に、ユーザに利益をもたらす個人情報データに関する他の使用も本開示によって意図されている。例えば、健康データ及びフィットネスデータは、ユーザの全般的なウェルネスについての洞察を提供するために使用することができ、又は、ウェルネスの目標を追求する技術を使用している個人への、積極的なフィードバックとして使用することもできる。
【0106】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、伝送、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変化するにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。その上、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護及び安全化し、個人情報データへのアクセス権を有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を忠実に守ることを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、サードパーティによる評価を自らが受けることができる。更には、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、アメリカ合衆国では、特定の健康データの収集又はそれへのアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)などの、連邦法及び/又は州法によって管理されてもよく、その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国において、異なる個人データのタイプに関して異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0107】
前述のことがらにも関わらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するために、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素が提供され得ることを意図している。例えば、広告配信サービスの場合では、本技術は、ユーザが、サービスの登録中又はその後のいつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択できるように構成することができる。別の例では、ユーザは、ターゲットコンテンツ配信サービスのためにムード関連データを提供しないことを選択することができる。更に別の例では、ユーザは、ムード関連データが維持される期間を制限すること、又は基準ムードプロファイルの展開全体を禁止することを選択することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」の選択肢を提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを意図している。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリのダウンロード時にユーザに通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
【0108】
更には、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは無許可アクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなると削除することにより、リスクを最小化することができる。加えて、かつ、特定の健康関連アプリケーションにおいて適用可能な場合、ユーザのプライバシーを保護するために、データの匿名化を使用することができる。非特定化は、適切な場合には、特定の識別子(例えば、生年月日など)を除去すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを住所レベルよりも都市レベルで収集すること)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、データをユーザ全体にわたって集約すること)、及び/又は他の方法によって、容易にしてもよい。
【0109】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものであるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することも可能であることを想到する。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部分が欠如することにより、動作不可能にされるものではない。例えば、コンテンツは、ユーザに関連付けられたデバイスによりリクエストされたコンテンツ、コンテンツ配信サービスで使用可能な他の非個人情報、若しくは公的に使用可能な情報などの、非個人情報データ又は個人情報の最小限の量のみに基づいて選好を推測することにより、選択してユーザに配信することができる。
【0110】
前述の記載では、説明のために、記載された実施形態の完全な理解をもたらすために特定の専門用語を用いた。しかしながら、記載された実施形態を実践するために具体的な詳細が必要とされないことは、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載された具体的な実施形態の前述の説明は、図示及び説明の目的で提示されている。これらの説明は、網羅的であることも、又は開示する厳密な形態に実施形態を限定することも、目的としていない。上記の教示を考慮して多くの修正及び変形が可能であることが、当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーキャップであって、
上面及び側壁を含む上部本体と、
前記キーキャップの下に配置され、複数の光源を含むディスプレイであって、前記側壁は、前記ディスプレイの周りで横方向に延びる、ディスプレイと、
前記上部本体の前記上面を通って画定され、第1の端部と、前記第1の端部とは反対側の第2の端部とをそれぞれが含む複数の微小穿孔と、を備え、
前記複数の光源の各光源は、前記複数の微小穿孔の個々の微小穿孔の前記第1の端部から前記個々の微小穿孔の前記第2の端部まで、前記上部本体を通って光を進ませるように構成され、前記光のすべてが前記複数の微小穿孔を通って進み、前記光の何れも前記キーキャップの前記側壁を通って進まず、
前記複数の微小穿孔は、前記光が前記複数の微小穿孔を通って進む場合にグリフを生成するように構成される、キーキャップ。
【請求項2】
請求項1に記載のキーキャップであって、前記複数の微小穿孔は、充填剤材料によって少なくとも部分的に充填される、キーキャップ。
【請求項3】
請求項2に記載のキーキャップであって、前記充填剤材料は、部分的に不透明な材料を含む、キーキャップ。
【請求項4】
請求項1に記載のキーキャップであって、前記上部本体は、前記上面にわたる金属部分であって、前記金属部分を通って前記複数の微小穿孔が形成される金属部分を少なくとも部分的に含む、キーキャップ。
【請求項5】
請求項1に記載のキーキャップであって、前記キーキャップは、キーウェブ内に配置され、前記キーキャップの第1の材料と前記キーウェブの第2の材料とは、外観において調和する、キーキャップ。
【請求項6】
請求項5に記載のキーキャップであって、前記第1の材料と前記第2の材料とは、同じ視覚的反射率、表面テクスチャ、色、及び不透明度/透明度/透光度を共有するように人間の肉眼で見える、キーキャップ。
【請求項7】
請求項5に記載のキーキャップであって、前記複数の微小穿孔は、長方形のグリッド状に配列され、前記複数の微小穿孔の各微小穿孔は、前記複数の微小穿孔の各微小穿孔の前記第1の端部及び前記第2の端部が前記上面の厚さを画定するように、前記上面を通って延びる、キーキャップ。
【請求項8】
キーボードであって、
上面を含むハウジングであって、前記上面は、ハウジング表面外観を有する、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたキーキャップであって、前記キーキャップは、外面を含み、穿孔のアレイを画定し、前記外面は、キーキャップ表面外観を有する、キーキャップと、
前記キーボードがアクティブ化された構成である場合に、穿孔の前記アレイを介して前記キーキャップを通って光を進ませるように構成された光源のアレイと、を備え、
前記キーボードが前記アクティブ化された構成である場合に、穿孔の前記アレイは、前記ハウジングの上方に浮かぶように見えるグリフであって、前記キーキャップの前記外面を通して視認可能なグリフを生成し、
前記キーボードがアクティブ化されていない構成である場合に、前記キーキャップ表面外観は、前記ハウジング表面外観と調和する、キーボード。
【請求項9】
請求項8に記載のキーボードであって、前記ハウジングと前記キーキャップとはそれぞれ、金属材料を含む、キーボード。
【請求項10】
請求項8に記載のキーボードであって、前記キーキャップをフレームに入れるキーウェブをさらに備える、キーボード。
【請求項11】
請求項10に記載のキーボードであって、前記キーボードが前記アクティブ化されていない構成である場合に、前記キーウェブのキーウェブ表面外観は、前記キーキャップ表面外観と調和する、キーボード。
【請求項12】
請求項10に記載のキーボードであって、前記キーウェブは、金属材料を含む、キーボード。
【請求項13】
請求項12に記載のキーボードであって、穿孔の前記アレイは、前記キーボードが前記アクティブ化された構成である場合に複数のグリフを生成するように構成され、前記複数のグリフの各グリフは、前記複数のグリフの他のグリフとは異なる、キーボード。
【請求項14】
請求項10に記載のキーボードであって、
前記キーキャップを含む複数のキーキャップをさらに備え、
前記複数のキーキャップの各キーキャップは、前記キーウェブによってフレームに入れられ、
前記複数のキーキャップの各キーキャップは、光源の個々のアレイに結合され、
前記複数のキーキャップの各キーキャップは、光源の前記個々のアレイを介して個々の浮かんでいるグリフを表示するように構成され、各個々の浮かんでいるグリフは、前記複数のキーキャップの他の浮かんでいるグリフとは異なる外観を有する、キーボード。
【請求項15】
請求項8に記載のキーボードであって、前記キーボードが前記アクティブ化されていない構成である場合に、穿孔の前記アレイは、人間の肉眼で視認不能である、キーボード。
【請求項16】
請求項8に記載のキーボードであって、光源の前記アレイの各光源は、穿孔の前記アレイの単一の穿孔に対応する、キーボード。
【請求項17】
キーボードであって、
第1の表面外観を有するシャーシと、
前記シャーシ内に配置されたキーキャップであって、底面を有する上部本体を含むキーキャップと、
前記キーキャップの下に配置され、複数の光源を含むディスプレイと、
前記上部本体と前記ディスプレイとの間に配置され、前記上部本体の前記底面に隣接する不透明層であって、前記不透明層は、複数の微小穿孔を画定し、第2の表面外観を有する、不透明層と、を備え、
前記複数の光源の各光源は、前記複数の微小穿孔の個々の微小穿孔を通って光を進ませるように構成され、
前記複数の微小穿孔は、前記光が前記複数の微小穿孔を通って進む場合にグリフを生成するように構成され、
前記シャーシの前記第1の表面外観は、前記不透明層の前記第2の表面外観と調和する、キーボード。
【請求項18】
請求項17に記載のキーボードであって、前記シャーシは、前記キーキャップを囲む剛性ウェブを含み、前記第1の表面外観は、前記剛性ウェブ上にある、キーボード。
【請求項19】
請求項17に記載のキーボードであって、前記シャーシは、剛性ウェブを含み、
前記剛性ウェブは、上部層と下部層とを含み、前記上部層は、上部層外観を有し、
前記上部層外観は、前記キーキャップのキーキャップ上面外観と調和し、
前記下部層と前記不透明層とは、調和する表面外観を有する、キーボード。
【請求項20】
請求項17に記載のキーボードであって、前記シャーシは、剛性ウェブを含み、
前記剛性ウェブは、上部層と、前記上部層の下にある下部層とを含み、
前記上部層と前記キーキャップの前記上部本体とはそれぞれ、透明材料を含み、
前記第1の表面外観は、前記下部層上にある、キーボード。
【外国語明細書】