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特開2024-50659ロッカーシステム及びロッカー管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050659
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ロッカーシステム及びロッカー管理方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20240403BHJP
   G06Q 30/0645 20230101ALI20240403BHJP
   E05B 65/02 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
E05B49/00 R
G06Q30/0645
E05B65/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024007750
(22)【出願日】2024-01-23
(62)【分割の表示】P 2022503054の分割
【原出願日】2020-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】則枝 真
(72)【発明者】
【氏名】福岡 健太
(72)【発明者】
【氏名】米田 匡史
(72)【発明者】
【氏名】赤崎 翔悟
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロッカー利用者の利便性を向上させるロッカーシステムを提供する。
【解決手段】ロッカーシステム100は、取得部と、判定部102と、ロッカー制御部103と、を備える。取得部101は、利用者の生体情報を取得する。判定部102は、利用者のロッカーに関する希望動作を判定する。ロッカー制御部103は、ロッカーに関する希望動作が物品の取り出しの場合、生体情報を用いた照合処理により特定されたロッカーを開錠し、ロッカーに関する希望動作が物品の収納の場合、生体情報を登録するとともにロッカーの利用状況に基づいて選択された空きロッカーを開錠する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の生体情報を取得する取得部と、
前記利用者のロッカーに関する希望動作を判定する判定部と、
前記ロッカーに関する希望動作が物品の取り出しの場合、前記生体情報を用いた照合処理により特定されたロッカーを開錠し、前記ロッカーに関する希望動作が物品の収納の場合、前記生体情報を登録するとともにロッカーの利用状況に基づいて選択された空きロッカーを開錠するロッカー制御部と、
を備えるロッカーシステム。
【請求項2】
前記生体情報及び前記ロッカーに関する希望動作を示す情報を含むロッカー開錠要求をサーバ装置に送信する要求部をさらに備え、
前記サーバ装置は、前記ロッカー開錠要求に含まれる前記生体情報を用いた照合処理により前記利用者を特定すると共に、前記ロッカー開錠要求に含まれる前記ロッカーに関する希望動作を示す情報に基づき開錠するロッカーを決定し、前記決定したロッカーのロッカーIDを前記ロッカー開錠要求に対する応答に含め、
前記ロッカー制御部は、前記サーバ装置から取得した応答に基づいてロッカーを開錠する、
請求項1に記載のロッカーシステム。
【請求項3】
前記判定部は、前記利用者による行動に基づいて前記ロッカーに関する希望動作を判定する、請求項2に記載のロッカーシステム。
【請求項4】
前記判定部は、前記利用者の顔に関する変化に基づき前記ロッカーに関する希望動作を判定する、請求項3に記載のロッカーシステム。
【請求項5】
前記判定部は、前記利用者の移動方向に基づき前記ロッカーに関する希望動作を判定する、請求項3に記載のロッカーシステム。
【請求項6】
前記利用者に関する付随情報を生成する、生成部をさらに備え、
前記要求部は、生成された前記付随情報を含む前記ロッカー開錠要求を前記サーバ装置に送信し、
前記ロッカー制御部は、前記サーバ装置が前記付随情報を用いて選択したロッカーを開錠する、請求項2乃至5のいずれか一項に記載のロッカーシステム。
【請求項7】
前記生成部は、前記利用者の身長に関する情報を前記付随情報として生成する、請求項6に記載のロッカーシステム。
【請求項8】
前記生成部は、前記利用者が所持する荷物の大きさに関する情報を前記付随情報として生成する、請求項6に記載のロッカーシステム。
【請求項9】
前記要求部は、前記生体情報を含む前記ロッカー開錠要求を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記ロッカー開錠要求に含まれる前記生体情報を用いた照合処理により、前記利用者を特定すると共に、前記判定部による判定結果に関わらず、特定された前記利用者のロッカー使用有無に基づき、前記開錠するロッカーを特定する、請求項2に記載のロッカーシステム。
【請求項10】
ロッカーシステムにおいて、
利用者の生体情報を取得し、
前記利用者のロッカーに関する希望動作を判定し、
前記ロッカーに関する希望動作が物品の取り出しの場合、前記生体情報を用いた照合処理により特定されたロッカーを開錠し、前記ロッカーに関する希望動作が物品の収納の場合、前記生体情報を登録するとともにロッカーの利用状況に基づいて選択された空きロッカーを開錠する、
ロッカー管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカーシステム及びロッカー管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多様な働き方が推進されている。例えば、特定の机を決めず空いている席を自由に使って仕事を進める「フリーアドレス」が推進されている。ここで、特定の部署に属する社員が1つのフリーアドレス対応のフロアーを使用することもあるが、部署や会社を超えて不特定多数の利用者が当該フロアーを使用することもある。
【0003】
利用者は一時的にフロアーを離れる場合がある。不特定多数の利用者が同じフロアーに混在する場合、フロアーから一時的に退出する利用者は荷物をロッカーに収納する必要がある。
【0004】
特許文献1には、預け入れた荷物の非常時での取り出しの際に、遠隔操作による利用者の認証手続きを可能にすると共に、人的誤操作を防止するロッカーシステムを提供する、と記載されている。特許文献1に開示されたロッカーシステムは、ロッカーボックスの仮施錠がなされた場合、撮像部を駆動させて操作表示部を用いた決済処理完了までの利用者を撮像する。ロッカーシステムは、撮像された画像のうち所定のタイミングの1以上画像を第1の画像としてロッカーボックスの番号と関係づけて記憶して本施錠を行う。ロッカーシステムは、操作表示部への荷物の受け取り操作に応じて撮像部により撮像し、受け取り操作に応じて撮像された第2の画像と第1の画像とロッカーボックスの番号と共に開錠要求を管理センターに送信する。ロッカーシステムは、開錠要求に基づく第1の画像と第2の画像との照合結果に応じて管理センターから送信される開錠指示に基づいてロッカー番号に対応するロッカーボックスの開錠を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-200593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、フリーアドレスフロアー等にはロッカー(ロッカーボックス)が必要である。既存のロッカーを使用する際には、利用者は料金をロッカーに投入し、物理的な鍵により荷物を収納したロッカーに施錠する。このような物理的な鍵を用いて施錠するようなタイプのロッカーはフリーアドレスフロアーにおける荷物の一時的な収納(預け入れ)には不向きである。利用者は、フリーアドレスフロアーを一時的に退出するたびに料金の投入、鍵の施錠が必要となるためである。
【0007】
本発明は、ロッカー利用者の利便性を向上させることに寄与する、ロッカーシステム、ロッカー管理システム、ロッカー管理方法及び記憶媒体を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の視点によれば、利用者の生体情報を取得する取得部と、前記利用者のロッカーに関する希望動作を判定する判定部と、前記ロッカーに関する希望動作が物品の取り出しの場合、前記生体情報を用いた照合処理により特定されたロッカーを開錠し、前記ロッカーに関する希望動作が物品の収納の場合、前記生体情報を登録するとともにロッカーの利用状況に基づいて選択された空きロッカーを開錠するロッカー制御部と、を備える、ロッカーシステムが提供される。
【0009】
本発明の第2の視点によれば、ロッカーシステムにおいて、利用者の生体情報を取得し、前記利用者のロッカーに関する希望動作を判定し、前記ロッカーに関する希望動作が物品の取り出しの場合、前記生体情報を用いた照合処理により特定されたロッカーを開錠し、前記ロッカーに関する希望動作が物品の収納の場合、前記生体情報を登録するとともにロッカーの利用状況に基づいて選択された空きロッカーを開錠する、ロッカー管理方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の各視点によれば、ロッカー利用者の利便性を向上させることに寄与する、ロッカーシステム、ロッカー管理システム、ロッカー管理方法及び記憶媒体が提供される。なお、本発明の効果は上記に限定されない。本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果と共に、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態の概要を説明するための図である。
図2】第1の実施形態に係るロッカー管理システムの概略構成の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る生体認証対応ロッカーの外観の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る生体認証対応ロッカーによる表示の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る生体認証対応ロッカーによる表示の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る生体認証対応ロッカーによる表示の一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る利用者登録部の一例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る利用者情報取得部の動作を説明するための図である。
図10】第1の実施形態に係る利用者データベースの一例を示す図である。
図11】第1の実施形態に係る入場者管理データベースの一例を示す図である。
図12】第1の実施形態に係るロッカー管理データベースの一例を示す図である。
図13】第1の実施形態に係る生体認証対応ロッカーの処理構成の一例を示す図である。
図14】第1の実施形態に係る入場管理端末の処理構成の一例を示す図である。
図15】第1の実施形態に係るロッカー管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図16】第2の実施形態に係る利用者要求判定部の動作を説明するための図である。
図17】第2の実施形態に係る利用者要求判定部の動作を説明するための図である。
図18】第3の実施形態に係る生体認証対応ロッカーの処理構成の一例を示す図である。
図19】第4の実施形態に係るゲート制御部の動作を説明するための図である。
図20】第4の実施形態に係るゲート制御部の動作を説明するための図である。
図21】第5の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
図22】第5の実施形態に係る備品管理部の動作を説明するための図である。
図23】第5の実施形態に係る備品管理データベースの一例を示す図である。
図24】第5の実施形態に係るロッカー管理データベースの一例を示す図である。
図25】第5の実施形態に係る利用者要求判定部の動作を説明するための図である。
図26】第6の実施形態に係る利用者要求判定部の動作を説明するための図である。
図27】第6の実施形態に係る利用者要求判定部の動作を説明するための図である。
図28】サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、特段の釈明がない場合には、各図面に記載されたブロックはハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表す。各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0013】
一実施形態に係るロッカーシステム100は、取得部101と、判定部102と、ロッカー制御部103と、を備える(図1参照)。取得部101は、利用者の生体情報を取得する。判定部102は、利用者のロッカー利用に関する要求を判定する。ロッカー制御部103は、生体情報を用いた照合処理により特定された利用者に関して、ロッカー利用に関する要求に基づき特定されたロッカーを開錠する。
【0014】
ロッカーシステム100は、利用者の生体情報(例えば、顔画像)を取得すると共に、当該利用者のロッカー利用に関する要求(例えば、荷物の収納、取り出し)を判定する。ロッカーシステム100は、生体情報とロッカー利用に関する要求を、例えば、ロッカーの利用を管理、制御する制御装置に送信する。サーバ装置は、取得した生体情報を用いた照合によりロッカー利用者を特定する。サーバ装置は、特定されたロッカー利用者の要求に応じて開錠するロッカーを特定し、当該特定したロッカーのIDをロッカーシステム100に送信する。ロッカーシステム100は、取得したロッカーIDに対応するロッカーを開錠する。このように、ロッカーシステム100を含むロッカー管理システムは、利用者の生体認証によりロッカーを開錠するので、ロッカー利用者の利便性が向上する。即ち、ロッカー利用者は、既存のロッカーシステムで必要となる料金(コイン)の投入や物理的な鍵による施錠等を行う必要がない。なお、ロッカーシステム100は、生体情報とロッカー利用に関する要求をサーバ装置に送信せず、上記サーバ装置の機能を自装置で実現してもよい。つまり、ロッカーシステム100は、ロッカーを利用することができる利用者の生体情報を記憶し、当該記憶された生体情報を用いて利用者の照合(特定)を行ってもよい。
【0015】
以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0017】
図2は、第1の実施形態に係るロッカー管理システムの概略構成の一例を示す図である。図2を参照すると、ロッカー管理システムには、生体認証対応ロッカー10と、サーバ装置20と、入場管理端末30-1と、退場管理端末30-2と、カメラ装置40と、が含まれる。
【0018】
図2に示す各装置は相互に接続されている。例えば、生体認証対応ロッカー10とサーバ装置20は、有線又は無線の通信手段により接続され、相互に通信が可能となるように構成されている。なお、図2には生体認証対応ロッカー10とサーバ装置20の接続線を図示しているが、他の構成要素(入場管理端末30-1、退場管理端末30-2、カメラ装置40)もサーバ装置20と接続されている。さらに、フロアー内に設置された据え置き型のPC(Personal Computer)もサーバ装置20と接続されている。
【0019】
以降の説明において、入場管理端末30-1と退場管理端末30-2を区別する特段の理由がない場合には、単に「端末30」と表記する。
【0020】
サーバ装置20は、生体認証対応ロッカー10と同じ建物内に設置されていてもよいし、ネットワーク上(クラウド上)に設置されていてもよい。
【0021】
図2に示すフロアーは、いわゆる、フリーアドレスフロアーであり、社員は空いている席を自由に選択し業務を遂行する。生体認証対応ロッカー10は、フリーアドレスフロアーに設置されている。但し、本願開示の生体認証対応ロッカー10の設置場所をフリーアドレスフロアーに限定する趣旨ではないことは勿論である。生体認証対応ロッカー10は、駅や空港等の不特定多数の利用者が訪れる場所に設置されていてもよい。
【0022】
生体認証対応ロッカー10は、フロアー利用者の持ち物(例えば、衣類、ノートパスコン、筆記用具等)を収納するためのロッカーシステムである。生体認証対応ロッカー10は、利用者を生体認証により特定し、当該特定された利用者に応じた動作を行う。例えば、生体認証対応ロッカー10は、利用者の「顔」を用いて利用者を特定する。本願開示では、「顔画像」又は「顔画像から生成された特徴量」が生体情報として取り扱われる場合について主に説明する。但し、生体情報を「顔画像」等に限定する趣旨ではなく、他の生体情報(例えば、虹彩等)が認証に用いられてもよい。
【0023】
図3は、生体認証対応ロッカー10の外観(正面図)の一例を示す図である。図3に示すように生体認証対応ロッカー10は、複数のロッカー(図3の例では8個のロッカーボックス)と、表示パネル11と、カメラ12と、を備える。生体認証対応ロッカー10は、大きさの異なる(荷物等の収納能力が異なる)ロッカーを備えている。なお、図3に示す各ロッカーの左上に記載した文字及び数字は各ロッカーの番号(ロッカー番号)を示す。
【0024】
表示パネル11は、利用者に各種の情報提供を行う。また、表示パネル11とタッチパネル等の操作デバイスが一体となっている。生体認証対応ロッカー10は、当該タッチパネルを介して利用者の操作を受け付ける。表示パネル11及びタッチパネルによりGUI(Graphical User Interface)が利用者に提供される。
【0025】
カメラ12は、自装置(生体認証対応ロッカー10)の面前に立つ利用者を撮像可能に設置されている。
【0026】
図2に示すサーバ装置20は、生体認証対応ロッカー10をはじめフロアー内の各種装置を制御、管理する装置である。例えば、サーバ装置20は、生体認証対応ロッカー10を制御する。
【0027】
入場管理端末30-1は、フリーアドレスフロアーの入り口に設置された端末である。入場管理端末30-1はゲート31と接続されている。入場管理端末30-1は、フロアー訪問者の認証に成功すると、ゲート31を開き、当該訪問者によるフリーアドレスフロアーへの入場を許可する。
【0028】
退場管理端末30-2は、フリーアドレスフロアーの出口に設置された端末である。退場管理端末30-2も入場管理端末30-1と同様にゲート31と接続されている。退場管理端末30-2は、退場者の認証(退場者の特定)に成功すると、ゲート31を開く。
【0029】
図2には端末30(入場管理端末30-1、退場管理端末30-2)及びゲート31によるフロアー入場者の管理が行われる場合が図示されている。しかし、上述のように、生体認証対応ロッカー10が駅や空港等の場所に設置される場合には、上記装置は不要である。即ち、本願開示のロッカー管理システムにおいて、端末30やゲート31は設置されていなくともよい。
【0030】
サーバ装置20は、入場管理端末30-1、退場管理端末30-2を用いてフロアー利用者の入退場を管理する。
【0031】
図2に示すフロアーには少なくとも1台以上のカメラ装置40が設置されている。当該カメラ装置40は、フロアー全体を俯瞰するように設置されている。図2には1台のカメラ装置40を図示しているが、フロアー全体を俯瞰する画像を得るのに複数のカメラ装置40が必要な場合には当該目的を達成する台数のカメラ装置40が設置される。
【0032】
[システムの動作概略]
図2を参照しつつ、第1の実施形態に係るロッカー管理システムの動作の概略を説明する。
【0033】
フロアーの訪問者が入場管理端末30-1の面前に移動すると、入場管理端末30-1は、当該訪問者の顔画像を取得する。入場管理端末30-1は、取得した顔画像をサーバ装置20に送信し、当該訪問者の認証処理を要求する。サーバ装置20は、訪問者の認証に成功するとその旨を入場管理端末30-1に通知する。当該通知を受けた入場管理端末30-1は、ゲート31を開き、訪問者の入場を許可する。
【0034】
サーバ装置20は、認証処理の結果に基づき、フロアー内の入場者を管理する。
【0035】
フロアー内の入場者が退場管理端末30-2の面前に移動すると、退場管理端末30-2は当該入場者の顔画像を取得する。退場管理端末30-2は、取得した顔画像をサーバ装置20に送信し、当該入場者の認証処理を要求する。サーバ装置20は、入場者の認証に成功するとその旨を退場管理端末30-2に通知する。当該通知を受けた退場管理端末30-2は、ゲート31を開き、入場者の退場を許可する。
【0036】
フリーアドレスフロアーを一時的に退出する場合、入場者は、生体認証対応ロッカー10に荷物(物品、物体)を格納する。ロッカー利用者は、生体認証対応ロッカー10の面前(とりわけ、カメラ12の前)に移動する。
【0037】
生体認証対応ロッカー10は、利用者の存在を確認すると、当該利用者の要求(荷物の収納、取り出し)に関する操作を受け付けるGUIを利用者に提供する。例えば、生体認証対応ロッカー10は、図4に示すような表示を行い、利用者の要求を把握する。
【0038】
生体認証対応ロッカー10は、面前に立つ利用者の顔画像を取得する。例えば、生体認証対応ロッカー10は、図5に示すような表示をすることで、顔画像が取得されることを利用者に対して明らかとしつつ顔画像を取得する。
【0039】
生体認証対応ロッカー10は、利用者の要求(荷物の収納、取り出し)と利用者の顔画像を含む「ロッカー開錠要求」をサーバ装置20に送信する。
【0040】
サーバ装置20は、取得したロッカー開錠要求から顔画像を取り出し、当該顔画像を用いた照合処理を行う。サーバ装置20は、照合処理を実行することで、フロアー入場者の中からロッカー利用者を特定する。
【0041】
サーバ装置20は、特定されたロッカー利用者に関し、ロッカー開錠要求に含まれる利用者の要求(荷物の収納、取り出し)に応じたロッカーの制御、管理を行う。
【0042】
具体的には、サーバ装置20は、利用者の要求が「荷物の収納」であれば、荷物が収納されていない空きロッカーを選択し、当該選択したロッカーと利用者を対応付けて記憶する。また、サーバ装置20は、選択したロッカーを特定する情報(例えば、ロッカー番号)、利用者の要求(荷物の収納)等を含む応答を生体認証対応ロッカー10に送信する。
【0043】
サーバ装置20は、利用者の要求が「荷物の取り出し」であれば、上記特定された利用者の荷物が収納されているロッカーを特定する。サーバ装置20は、当該特定されたロッカー番号、利用者の要求(荷物の取り出し)等を含む応答を生体認証対応ロッカー10に送信する。
【0044】
ロッカー開錠要求に対する応答を受信した生体認証対応ロッカー10は、当該応答に応じた動作を行う。例えば、「荷物の収納」と共にロッカー番号を受信した生体認証対応ロッカー10は、図6(a)に示すような表示を行うと共に対応するロッカーを開く。あるいは、「荷物の取り出し」と共にロッカー番号を受信した生体認証対応ロッカー10は、図6(b)に示すような表示を行うと共に対応するロッカーを開く。
【0045】
当該開かれたロッカーが閉じられたことを検出すると、生体認証対応ロッカー10は、ロッカーに荷物が存在するか否かを検知する。当該検知処理が終了すると、生体認証対応ロッカー10は「荷物存否情報」をサーバ装置20に送信する。荷物存否情報には、閉じられたロッカーのロッカー番号と、当該ロッカー内の荷物有無に関する情報(荷物状況)と、が含まれる。
【0046】
サーバ装置20は、生体認証対応ロッカー10から取得した荷物存否情報に基づきロッカーの管理状況とロッカー内の実際の状況(荷物の有無)の整合性を確保する。
【0047】
<事前準備>
システム利用者(フリーアドレスフロアーの利用者)は事前準備を行う必要がある。以下、事前準備について説明する。
【0048】
利用者は、自身の生体情報、プロフィール等の属性値をシステム登録する。具体的には、利用者は、顔画像をサーバ装置20に入力する。また、利用者は、自身のプロフィール(例えば、氏名、社員番号、勤務地、所属部署、役職、連絡先等)をサーバ装置20に入力する。
【0049】
なお、上記生体情報、プロフィール等の情報入力には任意の方法を用いることができる。例えば、利用者は、スマートフォン等の端末を利用して、自分の顔画像を撮像する。さらに、利用者は、端末を利用してプロフィールが記載されたテキストファイル等を生成する。利用者は、端末を操作して、上記情報(顔画像、プロフィール)をサーバ装置20に送信する。あるいは、利用者は、上記情報が格納されたUSB(Universal Serial Bus)等の外部記憶装置を用いて、サーバ装置20に必要な情報を入力してもよい。
【0050】
あるいは、サーバ装置20がWEB(ウェブ)サーバとしての機能を備え、利用者は当該サーバが提供するフォームにより必要な情報を入力してもよい。あるいは、フロアーの外部に上記情報入力を行うための端末が設置され、利用者は当該端末から必要な情報をサーバ装置20に入力してもよい。あるいは、利用者は、入場管理端末30-1から必要な情報をサーバ装置20に入力してもよい。
【0051】
サーバ装置20は、取得した利用者情報(生体情報、プロフィール等)を用いてシステム利用者を管理するデータベースを更新する。当該データベースの更新に関する詳細は後述するが、サーバ装置20は概略以下のような動作によりデータベースを更新する。なお、以降の説明において、本願開示のシステムを利用する利用者を管理するためのデータベースを「利用者データベース」と表記する。
【0052】
サーバ装置20は、取得した利用者情報に対応する人物が利用者データベースに登録されていない新規な利用者である場合には、当該利用者にID(Identifier)を割り当てる。また、サーバ装置20は、取得した顔画像を特徴付ける特徴量を生成する。
【0053】
サーバ装置20は、新規な利用者に割り当てたID、顔画像から生成した特徴量、利用者の顔画像、プロフィール等を含むエントリを利用者データベースに追加する。サーバ装置20が利用者情報を登録することで、利用者はフリーアドレスフロアーへの入場が可能となる。
【0054】
続いて、第1の実施形態に係るロッカー管理システムに含まれる各装置の詳細について説明する。
【0055】
[サーバ装置]
図7は、第1の実施形態に係るサーバ装置20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図7を参照すると、サーバ装置20は、通信制御部201と、利用者登録部202と、照合部203と、利用者管理部204と、ロッカー管理部205と、記憶部206と、を備える。
【0056】
通信制御部201は、他の装置との間の通信を制御する手段である。具体的には、通信制御部201は、生体認証対応ロッカー10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部201は、生体認証対応ロッカー10に向けてデータを送信する。通信制御部201は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部201は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部201を介して他の装置とデータの送受信を行う。
【0057】
利用者登録部202は、上述のシステム利用者登録を実現する手段である。利用者登録部202は、複数のサブモジュールを含む。図8は、利用者登録部202の処理構成の一例を示す図である。図8を参照すると、利用者登録部202は、利用者情報取得部211と、ID生成部212と、特徴量生成部213と、エントリ管理部214と、を備える。
【0058】
利用者情報取得部211は、上記説明した利用者情報を取得する手段である。利用者情報取得部211は、ロッカー管理システムを利用する複数の利用者それぞれの生体情報、プロフィールを取得する。より具体的には、利用者情報取得部211は、システム利用者の生体情報(例えば、顔画像)とプロフィール(例えば、氏名、所属等)を取得する。システム利用者は、自分の端末から上記情報をサーバ装置20に入力してもよいし、生体認証対応ロッカー10を操作して上記情報を入力してもよい。
【0059】
利用者情報取得部211は、上記情報を入力するためのGUIやフォームを提供してもよい。例えば、利用者情報取得部211は、図9に示すような情報入力フォームを利用者が操作する端末に表示する。
【0060】
システム利用者は、図9に示す情報を入力する。また、システム利用者は、システムに新規にユーザ登録するのか、既に登録された情報を更新するのか選択する。システム利用者は、全ての情報を入力すると「送信」ボタンを押下し、生体情報、プロフィールをサーバ装置20に入力する。
【0061】
利用者情報取得部211は、取得した利用者情報を記憶部206に格納する。
【0062】
ID生成部212は、システム利用者に割り当てるIDを生成する手段である。ID生成部212は、システム利用者が入力した利用者情報が新規登録に関する情報である場合、当該新規な利用者を識別するためのIDを生成する。例えば、ID生成部212は、取得した利用者情報(顔画像、プロフィール)のハッシュ値を計算し、当該ハッシュ値を利用者に割り当てるIDとしてもよい。あるいは、ID生成部212は、利用者登録のたびに一意な値を採番しIDとしてもよい。なお、以降の説明において、ID生成部212が生成するID(システム利用者を識別するためのID)を「利用者ID」と表記する。
【0063】
特徴量生成部213は、利用者情報に含まれる顔画像から当該顔画像を特徴付ける特徴量(複数の特徴量からなる特徴ベクトル)を生成する手段である。具体的には、特徴量生成部213は、取得した顔画像から特徴点を抽出する。なお、特徴点の抽出処理に関しては既存の技術を用いることができるのでその詳細な説明を省略する。例えば、特徴量生成部213は、顔画像から目、鼻、口等を特徴点として抽出する。その後、特徴量生成部213は、特徴点それぞれの位置や各特徴点間の距離を特徴量として計算し、複数の特徴量からなる特徴ベクトル(顔画像を特徴づけるベクトル情報)を生成する。
【0064】
エントリ管理部214は、利用者データベースのエントリを管理する手段である。エントリ管理部214は、新規な利用者をデータベースに登録する際、ID生成部212により生成された利用者ID、特徴量生成部213により生成された特徴量、顔画像、及び、利用者から取得したプロフィールを含むエントリを利用者データベースに追加する。
【0065】
エントリ管理部214は、利用者データベースに既に登録されている利用者の情報を更新する場合には、社員番号等により情報更新を行うエントリを特定し、取得した利用者情報を用いて利用者データベースを更新する。その際、エントリ管理部214は、取得した利用者情報とデータベースに登録された情報の差分を更新してもよいし、データベースの各項目を取得した利用者情報により上書きしてもよい。また、特徴量に関しても同様に、エントリ管理部214は、生成された特徴量に違いがある場合にデータベースを更新してもよいし、新たに生成された特徴量により既存の特徴量を上書きしてもよい。
【0066】
利用者登録部202が動作することにより、図10に示すような利用者データベース(システム利用者を識別する利用者ID、生体情報及びプロフィールを対応付けて記憶するデータベース)が構築される。なお、図10に示す利用者データベースに登録された内容は例示であって、利用者データベースに登録する情報を限定する趣旨ではないことは勿論である。利用者データベースは、少なくとも利用者を識別する利用者IDと生体情報を対応付けて記憶すればよい。
【0067】
図7に説明を戻す。照合部203は、生体情報(顔画像)を用いた照合処理を行う手段である。照合部203は、端末30や生体認証対応ロッカー10から顔画像を取得すると、当該取得した画像を用いた照合処理を実行する。
【0068】
例えば、照合部203は、入場管理端末30-1から認証要求を受信する。当該認証要求には、訪問者(被認証者)の顔画像が含まれるので、照合部203は当該顔画像を認証要求から取り出す。照合部203は、取得した顔画像から特徴量を算出する。
【0069】
照合部203は、入場管理端末30-1から取得した顔画像に基づき算出された特徴量を照合対象に設定し、利用者データベースに登録された特徴量との間で照合処理を行う。より具体的には、照合部203は、上記算出した特徴量(特徴ベクトル)を照合対象に設定し、利用者データベースに登録されている複数の特徴ベクトルとの間で1対N(Nは正の整数、以下同じ)照合を実行する。
【0070】
照合部203は、照合対象の特徴量と登録側の複数の特徴量それぞれとの間の類似度を計算する。当該類似度には、カイ二乗距離やユークリッド距離等を用いることができる。なお、距離が離れているほど類似度は低く、距離が近いほど類似度が高い。
【0071】
照合部203は、利用者データベースに登録された複数の特徴量のうち、照合対象の特徴量との間の類似度が所定の値以上、且つ、最も類似度が高い特徴量を特定する。照合部203は、利用者データベースを参照し、当該特定された特徴量に対応する利用者IDを読み出す。
【0072】
照合部203は、当該読み出した利用者IDを利用者管理部204に引き渡す。その際、照合部203は、入場管理端末30-1からの認証要求を処理した旨を利用者管理部204に通知する。
【0073】
照合部203は、退場管理端末30-2から取得した顔画像(フロアーからの退場者の顔画像)についても上記と同様の処理を行い、当該顔画像に対応する利用者IDを特定する。照合部203は、特定した利用者IDを利用者管理部204に引き渡す。その際、照合部203は、退場管理端末30-2からの認証要求を処理した旨を利用者管理部204に通知する。
【0074】
なお、照合部203は、端末30から取得した顔画像に関する照合処理に失敗した場合には、その旨を端末30に通知する。認証失敗に係る通知を受信した端末30(入場管理端末30-1、退場管理端末30-2)は、ゲート31を開くことはない。端末30は、認証に失敗した旨を利用者に通知すると共に、所定の連絡先に連絡する等の対応を促す。
【0075】
照合部203は、生体認証対応ロッカー10からロッカー開錠要求を受信した場合にも同様の処理を行う。照合部203は、利用者データベースを参照し、ロッカー開錠要求に含まれる生体情報に対応する利用者IDを特定する。具体的には、照合部203は、当該要求から顔画像を取り出し、利用者データベースを利用した照合処理を実行する。照合部203は、照合処理により対応する人物の利用者IDを特定する。
【0076】
その後、照合部203は、特定した利用者IDが入場者管理データベースに含まれることを確認する。照合部203は、利用者IDが当該データベースに含まれる場合には、ロッカー開錠要求に含まれる利用者の要求(荷物の収納、取り出し)と特定した利用者IDをロッカー管理部205に通知する。
【0077】
対して、利用者IDが入場者管理データベースに含まれない場合には、照合部203は、生体認証対応ロッカー10に対して認証失敗を通知する。利用者IDが入場者管理データベースに含まれることを確認することで、照合部203は、ロッカーの利用を正規な手続きでフロアーに入場した利用者に制限する。なお、照合部203は、ロッカー開錠要求に含まれる顔画像の人物が利用者データベースに登録されていない場合にも認証失敗を生体認証対応ロッカー10に通知する。認証失敗に係る通知を受信した生体認証対応ロッカー10は、その旨を利用者に通知する。
【0078】
なお、第1の実施形態では、生体認証対応ロッカー10の利用者をフリーアドレスフロアーの入場者に制限する場合について説明する。そのため、サーバ装置20は、入場者管理データベースによりフロアー内の入場者を管理するが、ロッカーの利用を入場者に制限しない場合には、入場者管理データベースによる入場者の管理は行われなくともよい。
【0079】
利用者管理部204は、フリーアドレスフロアー内の利用者(フロアー内の入場者、滞在者)を管理する手段である。利用者管理部204は、照合部203から取得した利用者IDを用いて入場者を管理する。
【0080】
利用者管理部204は、利用者IDと利用者がフロアーに入場した日時を対応付けて管理する。具体的には、利用者管理部204は、少なくとも上記2つの情報を格納するフィールドを持つ入場者管理データベースを用いて入場者を管理する。例えば、利用者管理部204は、図11に示すような入場者管理データベースを用いて入場者を管理する。
【0081】
照合部203から「入場管理端末30-1からの認証要求を処理」した旨の通知を受信した場合には、利用者管理部204は、入場者管理テーブルに上記エントリ(利用者IDと入場日時を含むエントリ)を追加する。照合部203から「退場管理端末30-2からの認証要求を処理」した旨の通知を受信した場合には、利用者管理部204は、入場者管理テーブルから上記エントリを削除する。
【0082】
なお、図11に示す入場者管理データベースは例示であって入場日時に加え、入場者の状態(勤務状態)が管理されていてもよい。例えば、入場者が会議中であれば入場者の状態が「会議中」に設定され、入場者が円卓等で業務を遂行している場合には入場者の状態が「通常勤務」に設定されてもよい。なお、入場者が「会議中」であるか否かは、カメラ装置40から取得した画像を解析して判定されてもよい。
【0083】
図7に説明を戻す。ロッカー管理部205は、生体認証対応ロッカー10が備える各ロッカーを管理する手段である。ロッカー管理部205は、生体認証対応ロッカー10から受信する「ロッカー開錠要求」を処理する。
【0084】
ロッカー管理部205は、「ロッカー管理データベース」を用いて生体認証対応ロッカー10が備える各ロッカーを管理する。ロッカー管理データベースは、ロッカーID、ロッカーの属性及び利用状況を対応付けて記憶する(図12参照)。
【0085】
ロッカーIDは、生体認証対応ロッカー10が備える各ロッカーを特定するためのIDである。例えば、ロッカー番号がロッカーIDとして使用される。図12では、ロッカーIDとして図3に示すロッカー番号が用いられている。
【0086】
属性フィールドは、各ロッカーの特徴等の属性情報を記憶する。例えば、各ロッカーの荷物収納能力(ロッカーの大きさ)がロッカーの属性値として用いられる。あるいは、ロッカーの位置が属性値として用いられてもよい。図12(a)では、各ロッカーの大きさが属性値として設定されている。図12(b)では、各ロッカーの位置(生体認証対応ロッカー10における相対的な位置)が属性値として設定されている。
【0087】
利用状況フィールドは、各ロッカーの利用状況(荷物の有無;荷物存在、荷物不存在)を記憶する。ロッカーに荷物が存在しなければ、当該フィールドにはなにも設定されず、ロッカーに荷物が存在すればその利用者に対応する利用者IDが設定される。図12の例は、「R02」のロッカーは利用者IDとして「ID01」が割り当てられた利用者の荷物を収納していることを示す。
【0088】
なお、図12の記載は例示であって、ロッカー管理データベースが記憶する情報を限定する趣旨ではないことは勿論である。ロッカー管理データベースは、少なくとも生体認証対応ロッカー10のロッカーIDと各ロッカーの利用状況を対応付けて記憶すればよい。あるいは、ロッカー管理データベースは、複数の属性値(例えば、ロッカーの大きさと位置)を記憶してもよい。
【0089】
ロッカー管理部205は、利用者の要求が「荷物の収納」である場合には、ロッカー管理データベースを参照し、空いているロッカーを選択する。ロッカー管理部205は、当該選択したロッカーの利用状況フィールドに利用者ID(照合部203による照合処理により特定された利用者ID)を設定する。ロッカー管理部205は、選択したロッカーのロッカーID(ロッカー番号)、利用者の要求(荷物の収納)等を生体認証対応ロッカー10に通知する。
【0090】
ロッカー管理部205は、利用者の要求が「荷物の取り出し」である場合には、ロッカー管理データベースを参照し、照合部203から取得した利用者IDが利用状況フィールドに設定されたロッカーIDを特定する。ロッカー管理部205は、当該特定したロッカーID(ロッカー番号)、利用者の要求(荷物の取り出し)等を生体認証対応ロッカー10に通知する。
【0091】
ロッカー管理部205は、利用者の要求が「荷物の収納」であって、生体認証対応ロッカー10に空きがない場合には、ロッカー開錠要求に対してエラーを通知する。ロッカー管理部205は、利用者の要求が「荷物の取り出し」であって、照合部203により特定された利用者IDが利用状況フィールドに設定されていない場合には、ロッカー開錠要求に対してエラーを通知する。
【0092】
なお、生体認証対応ロッカー10が、ロッカー開錠要求に設定した利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を記憶している場合には、ロッカー管理部205は当該要求を生体認証対応ロッカー10に通知する必要はない。つまり、サーバ装置20から生体認証対応ロッカー10に送信される応答(ロッカー開錠要求に対する応答)には利用者の要求は含まれていなくともよい。
【0093】
このように、ロッカー利用に関する要求(利用者の要求)が荷物の収納である場合には、ロッカー管理部205は、荷物を収納するためのロッカーを選択する。さらに、ロッカー管理部205は、選択されたロッカーに対応する利用状況フィールドに特定された利用者IDを設定する。ロッカー管理部205は、選択されたロッカーのロッカーIDを生体認証対応ロッカー10に通知する。ロッカー管理部205は、ロッカー利用に関する要求が荷物の取り出しである場合には、ロッカー管理データベースを参照し、特定された利用者IDが利用状況フィールドに設定されているロッカーIDを特定する。ロッカー管理部205は、特定されたロッカーIDを生体認証対応ロッカー10に通知する。
【0094】
ロッカー管理部205は、生体認証対応ロッカー10から「荷物存否情報」を受信すると、当該受信した情報からロッカーIDと荷物有無に関する情報(荷物状況)を取り出す。ロッカー管理部205は、荷物状況が「荷物なし」である場合にはロッカーIDの対応する利用状況フィールドに「空き」を設定する。
【0095】
ロッカー管理部205は、荷物状況が「荷物あり」である場合にはロッカーIDの対応する利用状況フィールドに利用者IDが設定されていることを確認する。ロッカー管理部205は、荷物状況が「荷物あり」であり、且つ、ロッカーIDの対応する利用状況フィールドに利用者IDが設定されていない場合には、その旨を管理者等に通知する。このような状況は通常の運用では生じ得ないため、管理者等は状況を確認し、適切な対応を行う。
【0096】
生体認証対応ロッカー10とサーバ装置20との間で「荷物存否情報」を送受信することで、各ロッカーの状態とロッカー管理データベースの間に矛盾が生じることを防止する。例えば、利用者が「荷物の収納」を選択し、ロッカーを開いたが、何も荷物を収納せずにロッカーを閉じるような場合がある。この場合、ロッカーIDが生体認証対応ロッカー10に通知された際に利用状況フィールドには利用者IDが設定される。しかし、その後、荷物存否情報により当該ロッカーは空であることが判明するので、ロッカー管理部205は該当するロッカーの利用状況を「空き」に設定できる。つまり、ロッカー管理部205は、荷物存否情報を用いてロッカー管理データベースを更新することで、ロッカーの状態とデータベースの間に矛盾が発生することを防止する。
【0097】
記憶部206は、サーバ装置20の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0098】
[生体認証対応ロッカー]
図13は、第1の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図13を参照すると、生体認証対応ロッカー10は、通信制御部301と、利用者検出部302と、利用者要求判定部303と、顔画像取得部304と、開錠要求部305と、ロッカー制御部306と、記憶部307と、を備える。
【0099】
通信制御部301は、他の装置との間の通信を制御する手段である。具体的には、通信制御部301は、サーバ装置20からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部301は、サーバ装置20に向けてデータを送信する。通信制御部301は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部301は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部301を介して他の装置とデータの送受信を行う。
【0100】
利用者検出部302は、自装置の面前に利用者(ロッカー利用者)が存在するか否かを検出する手段である。利用者検出部302は、任意の手段により利用者の存否を検出する。例えば、利用者検出部302は、カメラ12を制御し、取得した画像を解析することで利用者を検出する。
【0101】
利用者検出部302は、カメラ12を制御して定期的又は所定のタイミングにおいて自装置の前方を撮像する。利用者検出部302は、取得した画像に人の顔画像が含まれるか否かを判定し、顔画像が含まれる場合に「利用者あり」を設定する。あるいは、利用者検出部302は、人感センサ等を用いて利用者の存否を検出してもよい。利用者を検出した場合には、利用者検出部302はその旨を利用者要求判定部303に通知する。
【0102】
利用者要求判定部303は、ロッカー利用者の要求(ロッカー利用に関する要求;例えば、荷物の収納、取り出し)を判定する手段である。利用者要求判定部303は、利用者検出部302から「利用者あり」の通知を受け取ると、例えば、図4に示すようなGUIを生成する。利用者要求判定部303は、GUIにより取得した要求(荷物の収納、取り出し)を顔画像取得部304に引き渡す。
【0103】
顔画像取得部304は、カメラ12を制御し、面前の訪問者の顔画像(生体情報)を取得する手段である。顔画像取得部304は、利用者要求判定部303から利用者の要求を取得すると、面前の利用者を撮像する。顔画像取得部304は、画像データから顔画像を抽出する。顔画像取得部304は、顔画像と利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を開錠要求部305に通知する。顔画像取得部304は、顔画像が取得されることを利用者が認識できるように、図5に示すような表示を行うのが望ましい。
【0104】
利用者検出部302や顔画像取得部304による顔画像の検出処理や顔画像の抽出処理には既存の技術を用いることができるので詳細な説明を省略する。例えば、顔画像取得部304等は、CNN(Convolutional Neural Network)により学習された学習モデルを用いて、画像データの中から顔画像(顔領域)を抽出してもよい。あるいは、顔画像取得部304等は、テンプレートマッチング等の手法を用いて顔画像を抽出してもよい。
【0105】
開錠要求部305は、開錠するロッカーIDの通知をサーバ装置20に要求する手段である。開錠要求部305は、利用者の要求(荷物の収納、取り出し)と当該利用者の顔画像を含む「ロッカー開錠要求」をサーバ装置20に送信する。
【0106】
開錠要求部305は、当該要求に対する応答(利用者の要求、開錠するロッカーのロッカーIDを含む応答)をサーバ装置20から受信する。開錠要求部305は、取得した応答をロッカー制御部306に引き渡す。
【0107】
ロッカー制御部306は、生体認証対応ロッカー10が備えるロッカーを制御、管理する手段である。ロッカー制御部306は、各ロッカーの開錠、施錠を制御する。例えば、各ロッカーには電磁錠が取り付けられており、ロッカー制御部306は電磁錠の通電を制御することで各ロッカーの開錠、施錠を制御する。
【0108】
各ロッカーには、例えば、重量センサが取り付けられている。ロッカー制御部306は、当該重量センサの出力に基づいて各ロッカーに荷物が収納されているか否かを判定できる。なお、ロッカー制御部306による荷物有無の判定手法には任意の手段を用いることができる。例えば、各ロッカーに小型のカメラが設置され、ロッカー制御部306は、当該カメラから得られる画像を解析することで、荷物の有無を判定してもよい。
【0109】
ロッカー制御部306は、サーバ装置20から取得した応答に基づいてロッカーを開錠する。具体的には、ロッカー制御部306は、開錠要求部305から取得したロッカーIDに対応するロッカーを開錠する。その際、ロッカー制御部306は、利用者の要求(荷物の収納、取り出し)に応じた表示を行う。例えば、ロッカー制御部306は、図6(a)や図6(b)に示すような表示を行う。
【0110】
ロッカー制御部306は、利用者がロッカーを閉じたことを任意の方法により検知する。例えば、ロッカー制御部306は、接触センサ等を用いてロッカーが閉じられたことを検知する。
【0111】
ロッカー制御部306は、ロッカーが閉じられると当該ロッカーの状況(荷物の有無)を確認する。ロッカー制御部306は、荷物有無に関する情報(荷物状況)を含む「荷物存否情報」を生成し、サーバ装置20に送信する。具体的には、ロッカー制御部306は、閉じられたロッカーに荷物が存在しなければ、荷物状況に「荷物なし;荷物不存在」を設定し、ロッカーIDと荷物状況を含む荷物存否情報をサーバ装置20に送信する。ロッカー制御部306は、閉じられたロッカーに荷物が存在すれば、荷物状況に「荷物あり;荷物存在」を設定し、ロッカーIDと荷物状況を含む荷物存否情報をサーバ装置20に送信する。
【0112】
記憶部307は、生体認証対応ロッカー10の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0113】
[入場管理端末]
図14は、入場管理端末30-1の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図14を参照すると、入場管理端末30-1は、通信制御部401と、顔画像取得部402と、ゲート制御部403と、記憶部404と、を備える。
【0114】
なお、入場管理端末30-1の通信制御部401、顔画像取得部402、記憶部404の基本的な機能及び動作は、生体認証対応ロッカー10の対応する処理モジュールと同一とすることができるので詳細な説明を省略する、また、ゲート制御部403は、サーバ装置20からの認証結果に応じてゲート31の開閉を制御する手段である。
【0115】
退場管理端末30-2の処理構成(処理モジュール)は入場管理端末30-1と同一とすることができるので図14に相当する説明を省略する。
【0116】
[ロッカー管理システムの動作]
次に、第1の実施形態に係るロッカー管理システムの動作について説明する。
【0117】
図15は、第1の実施形態に係るロッカー管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。なお、図15は、生体認証対応ロッカー10が利用される場合のシステム動作の一例を示すシーケンス図である。図15の動作に先立ち、システム利用者の登録は予め行われているものとする。
【0118】
生体認証対応ロッカー10は、利用者の検出を行う(ステップS01)。
【0119】
生体認証対応ロッカー10は、利用者の存在を検出すると、当該利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を判定する(ステップS02)。
【0120】
生体認証対応ロッカー10は、利用者の生体情報(顔画像)を取得する(ステップS03)。
【0121】
生体認証対応ロッカー10は、利用者の要求と生体情報を含むロッカー開錠要求をサーバ装置20に送信する(開錠要求を送信;ステップS04)。
【0122】
サーバ装置20は、ロッカー開錠要求から生体情報を抽出し、当該抽出した生体情報を用いた照合処理を実行する(ステップS11)。
【0123】
サーバ装置20は、照合処理により特定された利用者ID、ロッカー管理データベース、利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を使用し、開錠するロッカーを選択する(ステップS12)。
【0124】
サーバ装置20は、選択したロッカーのロッカーID、利用者の要求を含む応答を生体認証対応ロッカー10に送信する(ステップS13)。
【0125】
生体認証対応ロッカー10は、取得した応答からロッカーIDを抽出し、当該ロッカーIDに対応するロッカーを開錠する(ステップS05)。
【0126】
開錠したロッカーが閉じられたことを検出すると、生体認証対応ロッカー10は、当該ロッカー内の荷物有無を確認し、荷物存否情報をサーバ装置20に送信する(ステップS06)。
【0127】
サーバ装置20は、荷物存否情報に基づいてロッカー管理データベースを更新する(ステップS14)。
【0128】
以上のように、第1の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10は、ロッカー利用者の顔画像を取得し、当該利用者の要求(荷物の収納、取り出し)と顔画像をロッカー開錠要求としてサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、ロッカー開錠要求に含まれる生体情報を用いた照合処理によりロッカー利用者を特定すると共に、ロッカー開錠要求に含まれる利用者の要求に基づき開錠するロッカーを特定する。サーバ装置20は、特定したロッカーのロッカーIDをロッカー開錠要求に対する応答に含め、生体認証対応ロッカー10に送信する。生体認証対応ロッカー10は、取得したロッカーIDに対応するロッカーを開錠する。このように、第1の実施形態に係るロッカー管理システムは、利用者の生体認証によりロッカーを開錠するので、ロッカー利用者の利便性が向上する。ロッカー利用者は、フリーアドレスフロアーからの一時退出のたびに、既存のロッカーシステムで必要であった料金(コイン)の投入や物理的な鍵による施錠等を行う必要がないためである。
【0129】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0130】
第1の実施形態では、生体認証対応ロッカー10が利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を取得する場合について説明した。第1の実施形態にて説明したような方法(利用者の要求を取得する方法)を採用すると、利用者は生体認証対応ロッカー10の表示パネル11に触れる必要がある。利用者が小さい荷物をロッカーに収納しようと考えている場合には、片手で生体認証対応ロッカー10に情報入力できる。しかし、大きな荷物をロッカーに収納しようと考えた場合には、利用者の両手は塞がっていることが多い。このような場合、利用者は生体認証対応ロッカー10への情報入力は困難となる。
【0131】
第2の実施形態では、利用者が生体認証対応ロッカー10の表示パネル11を直接触れず、システムが利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を判定する場合について説明する。
【0132】
第2の実施形態に係るロッカー管理システムの構成は第1の実施形態と同一とすることができるので図2に相当する説明を省略する。また、第2の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10、サーバ装置20等の処理構成も第1の実施形態と同一とすることができるので、その説明を省略する。以下、第1及び第2の実施形態における相違点を中心に説明する。
【0133】
第2の実施形態に係る利用者要求判定部303は、ロッカー利用者による行動(システムが予め定めた利用者による特徴的な行動)に基づいてロッカー利用に関する要求を判定する。例えば、利用者要求判定部303は、面前の利用者を撮像した顔画像を解析することで利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を判定する。
【0134】
利用者要求判定部303は、ロッカー利用者の顔に関する変化に基づき利用者の要求を判定する。例えば、利用者要求判定部303は、利用者が閉じている目に応じて利用者の要求を判定する。例えば、利用者要求判定部303は、右目を閉じていれば「荷物の収納」、左目を閉じていれば「荷物の取り出し」のような判定を行う。その際、利用者要求判定部303は、例えば、図16に示すような表示を行う。
【0135】
利用者要求判定部303は、カメラ12を制御し、利用者を撮像する。利用者要求判定部303は、得られた画像を解析し、利用者がどちらの目を閉じているか判定する。利用者要求判定部303は、例えば、テンプレート等を用いて当該判定を行い、利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を取得する。
【0136】
あるいは、利用者要求判定部303は、利用者の顔の向き(右向き、左向き;上向き、下向き)に応じて利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を判定してもよい。
【0137】
[第2の実施形態に係る変形例]
利用者要求判定部303は、利用者のより大きな行動に基づいて要求(荷物の収納、取り出し)を判定してもよい。例えば、利用者要求判定部303は、利用者が自装置に向かって歩いて来る方向に基づいて利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を判定してもよい。
【0138】
利用者要求判定部303は、カメラ12から得られる画像を解析し、利用者が移動した際の軌跡を計算する。具体的には、利用者要求判定部303は、動画又は複数の静止画から同一の人物に関する複数の顔画像を抽出する。利用者要求判定部303は、同一の物体(人物)を異なるフレームにわたって追跡する既知の画像処理アルゴリズムを用いて、動画をなす複数のフレーム画像のそれぞれから、同一人物に関する画像を抽出する。利用者要求判定部303は、抽出した同一人物の移動方向を画像内における位置の変化から特定する。利用者要求判定部303は、特定した移動方向に基づいて利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を判定する。
【0139】
例えば、図17に示すように、生体認証対応ロッカー10の右側から利用者が移動してきた場合には、利用者要求判定部303は、当該利用者の要求を「荷物の収納」と判定する。対して、生体認証対応ロッカー10の左側から利用者が移動してきた場合には、利用者要求判定部303は、当該利用者の要求を「荷物の取り出し」と判定する。
【0140】
利用者の移動方向と要求(荷物の収納、取り出し)の対応関係は、生体認証対応ロッカー10と他の構成物(フロアーの構成物;例えば、出入口、机、会議室等)との位置関係に応じて定めればよい。例えば、机の方向から移動してきた場合には、荷物を収納する場合が多いと想定されるので、当該移動方向は「荷物の収納」と判定される。対して、出入口から移動してきた場合には、生体認証対応ロッカー10に格納した荷物を取り出すことが多いと想定されるので、当該移動方向は「荷物の取り出し」と判定される。
【0141】
なお、移動方向により利用者の要求(荷物の収納、取り出し)が自動判定された場合には、当該自動判定された結果を利用者が修正できる仕組みを設けるのが望ましい。
【0142】
利用者の移動方向に関する判定は、サーバ装置20が行ってもよい。サーバ装置20は、フロアー全体を俯瞰するカメラ装置40から得られる画像を解析することで、フロアー内の利用者に関する移動をリアルタイムに計算する。サーバ装置20は、フロアー内を移動する利用者のうち生体認証対応ロッカー10に移動する利用者を把握した場合には、当該利用者の移動方向を生体認証対応ロッカー10に通知する。生体認証対応ロッカー10は、当該通知に基づき利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を取得する。
【0143】
以上のように、第2の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10は、利用者の要求(荷物の収納、取り出し)を当該利用者の行動(利用者の特徴的な行動)に基づいて推測する。その結果、大きな荷物を抱えている利用者は、生体認証対応ロッカー10に触れることなく、自身の要求を当該ロッカーに伝達できる。そのため、生体認証対応ロッカー10の利便性がさらに向上する。
【0144】
[第3の実施形態]
続いて、第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0145】
第1の実施形態では、サーバ装置20が空いている任意のロッカーを選択する場合について説明した。第3の実施形態では、サーバ装置20が、複数の空いているロッカーの中から利用者に適したロッカーを選択する場合について説明する。なお、第3の実施形態は、空いているロッカーのうち荷物を収納するロッカーを選択する形態である。そのため、第3の実施形態では、利用者の要求が「荷物の収納」の場合を説明する。
【0146】
第3の実施形態に係るロッカー管理システムの構成は第1の実施形態と同一とすることができるので図2に相当する説明を省略する。また、第3の実施形態に係るサーバ装置20等の処理構成も第1の実施形態と同一とすることができるので、その説明を省略する。以下、第1乃至第3の実施形態における相違点を中心に説明する。
【0147】
第3の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10は、ロッカー開錠要求を送信する際、利用者に関する付随情報を当該要求に含める。ロッカー開錠要求に含まれる付随情報には、利用者の身長や利用者の荷物に関する情報が例示される。
【0148】
図18は、第3の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図18を参照すると、第1の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10の構成に付随情報生成部308が追加されている。
【0149】
付随情報生成部308は、利用者(ロッカー利用者)に関する付随情報を生成する。例えば、付随情報生成部308は、付随情報として「利用者の身長に関する情報」を生成する。付随情報生成部308は、任意の方法を用いて利用者の身長を推測する。例えば、付随情報生成部308は、カメラ12から得られる画像を解析することで利用者の身長を推測してもよい。この場合、付随情報生成部308は、画像データ全体における顔領域の位置に応じて利用者の身長を推測する。具体的には、画像データの上側領域に顔領域が含まれていれば、付随情報生成部308は、利用者は「高身長」と推測する。対して、画像データの下側領域に顔領域が含まれていれば、付随情報生成部308は、利用者は「低身長」と推測する。
【0150】
あるいは、複数の距離センサを所定の間隔で鉛直方向に並べ、当該複数の距離センサが身長の推測(測定)に利用されてもよい。つまり、付随情報生成部308は、当該距離センサの出力に基づいて身長を推測してもよい。付随情報生成部308は、当該複数のセンサそれぞれの出力を監視し、各センサの出力値の相違から利用者の身長を計測する。利用者の身長が低ければ利用者に反応するセンサの数が少なく、利用者の身長が高ければ反応するセンサの数が多くなる。付随情報生成部308は、利用者の身長の相違に起因するセンサの出力変化に応じて利用者の身長を推測する。
【0151】
付随情報生成部308は、利用者の身長に関する情報を開錠要求部305に引き渡す。
【0152】
開錠要求部305は、付随情報を含むロッカー開錠要求をサーバ装置20に送信する。
【0153】
サーバ装置20のロッカー管理部205は、ロッカー開錠要求に含まれる付随情報を参照し、利用者に提供するロッカーを選択する。その際、ロッカー管理部205は、ロッカー管理データベースの属性フィールドと付随情報を参照してロッカーを選択する。
【0154】
具体的には、ロッカー管理部205は、利用者の身長に関する情報に基づいてロッカーを選択する。例えば、利用者が高身長と推測されれば、ロッカー管理部205は、空きのあるロッカーのうち上段に位置しているロッカーを優先して選択する。図12(b)の例では、ロッカーIDが「R01」や「R04」のロッカーが優先して選択される。
【0155】
[第3の実施形態に係る変形例]
生体認証対応ロッカー10は、利用者がロッカーに格納しようとしている荷物のサイズに応じてロッカーを選択してもよい。
【0156】
付随情報生成部308は、利用者及びその荷物が写る画像を解析して荷物の大きさを推測する。例えば、付随情報生成部308は、テンプレートマッチング等の手法により荷物の大きさを推測する。付随情報生成部308は、AI(Artificial Intelligence)等の機械学習により生成された学習モデルを用いて荷物の大きさを推測してもよい。
【0157】
生体認証対応ロッカー10は、荷物の大きさに関する情報(利用者が所持する荷物の大きさに関する情報)を付随情報として含むロッカー開錠要求をサーバ装置20に送信する。
【0158】
ロッカー管理部205は、ロッカー管理データベースを参照し、収納される荷物の大きさに適したロッカーを選択する。例えば、ロッカー管理部205は、荷物のサイズが「小」という付随情報を取得している場合には、空きのあるロッカーのうち属性値が「サイズ小」のロッカーを優先的に選択する。図12(a)の例では、ロッカーIDが「R01」や「R04」のロッカーが優先して選択される。
【0159】
生体認証対応ロッカー10は、荷物の大きさに関する情報入力を可能とするようなインターフェイスを利用者に提供してもよい。つまり、サーバ装置20は、利用者による自己申告(荷物の大きさに関する申告)により生成された付随情報に基づいてロッカーを選択してもよい。
【0160】
サーバ装置20がロッカーを選択するのは、利用者の要求が「荷物の収納」である場合に限られる。そのため、付随情報生成部308は、利用者の要求が「荷物の収納」である場合に限り付随情報を生成すれば十分である。
【0161】
以上のように、第3の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10は、利用者の付随情報を生成し、サーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、受信した付随情報を手掛かりにロッカー利用者の状況、特徴等を把握し、当該ロッカー利用者に適したロッカーを選択する。生体認証対応ロッカー10は、ロッカー(サーバ装置20が付随情報を用いて選択したロッカー)を開錠する。
その結果、生体認証対応ロッカー10の利便性がさらに向上する。
【0162】
[第4の実施形態]
続いて、第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0163】
第4の実施形態では、入場者がフリーアドレスフロアーから退出する際、荷物を生体認証対応ロッカー10に収納したままの場合にその旨を利用者に報知する場合について説明する。
【0164】
第4の実施形態に係るロッカー管理システムの構成は第1の実施形態と同一とすることができるので図2に相当する説明を省略する。また、第4の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10、サーバ装置20等の処理構成も第1の実施形態と同一とすることができるので、その説明を省略する。以下、第1乃至第4の実施形態における相違点を中心に説明する。
【0165】
サーバ装置20の利用者管理部204は、退場管理端末30-2から認証要求を取得すると、当該認証により特定された利用者IDがロッカー管理データベースに登録されているか否かを判定する。
【0166】
当該利用者IDがロッカー管理データベースに登録されている場合には、利用者管理部204は、その旨を退場管理端末30-2に通知する。
【0167】
上記通知を受信した退場管理端末30-2のゲート制御部403は、ゲート31を開く前に、荷物がロッカーに存在する旨を退場者に対して報知する。例えば、ゲート制御部403は、図19に示すような表示を行い、ロッカーに収納された荷物の存在を退場者に通知する。
【0168】
退場者は、フロアーからの一時退出であれば、当該報知を無視しフロアーから退場する。退場者は、荷物を生体認証対応ロッカー10に置き忘れたと判断した場合には、生体認証対応ロッカー10に戻り荷物を取り出す。
【0169】
あるいは、退場管理端末30-2は、利用者の意思を確認するようなGUIを表示し、当該GUIから得られる情報に基づいてゲート31の開閉を制御してもよい。例えば、ゲート制御部403は、図20に示すような表示を行う。利用者が一時退出を選択した場合には、ゲート制御部403はゲート31を開く。
【0170】
以上のように、第4の実施形態に係るロッカー管理システムは、利用者の退場を制限するゲートを制御する退場管理端末30-2を活用する。当該退場管理端末30-2は、退場者(フロアーからの退場者)の生体情報をサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、退場者の生体情報を用いた照合処理により、退場者の利用者IDを特定する。サーバ装置20は、特定された退場者の利用者IDが利用状況フィールドに設定されている場合には、退場管理端末30-2に荷物の置き忘れに関する通知を行う。その結果、退場者は、自身の荷物をロッカーに収納したまま帰宅(意図せず帰宅)することがなくなる。そのため、ロッカー管理システムの利便性がさらに向上する。
【0171】
[第5の実施形態]
続いて、第5の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0172】
第5の実施形態では、生体認証対応ロッカー10のロッカーに備品を収納する場合について説明する。
【0173】
第5の実施形態に係るロッカー管理システムの構成は第1の実施形態と同一とすることができるので図2に相当する説明を省略する。また、第5の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10等の処理構成も第1の実施形態と同一とすることができるので、その説明を省略する。以下、第1乃至第5の実施形態における相違点を中心に説明する。
【0174】
図21は、第5の実施形態に係るサーバ装置20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図21を参照すると、第1の実施形態に係るサーバ装置20の構成に備品管理部207が追加されている。
【0175】
備品管理部207は、ロッカーに収納された備品を管理する手段である。備品管理部207は、備品の使用に関する予約情報を任意の手段により取得する。備品管理部207は、例えば、図22に示すような情報入力フォームを利用者が操作する端末に表示する。
【0176】
備品の予約者は、図22に示す情報を入力する。備品管理部207は、予約者から取得した情報(備品予約情報)に基づき備品管理データベースを更新する。具体的には、備品管理部207は、予約者の氏名や社員番号をキーとして利用者データベースを検索し、対応する利用者IDを特定する。備品管理部207は、特定した利用者ID、所属部署、備品(予約した備品)、利用期間を含むエントリを備品管理データベースに追加する。例えば、図23に示すような備品管理データベースが構築される。
【0177】
また、第5の実施形態に係るロッカー管理データベースは、備品が収納されているロッカーを記憶している。例えば、図24に示すように、ロッカー管理データベースには、備品と当該備品が収納されたロッカーのロッカーIDが対応付けて記憶されている。
【0178】
備品管理部207は、備品管理データベースを定期的又は所定のタイミングにて確認する。より詳細には、備品管理部207は、当該データベースの利用期間フィールドを確認し、利用期間が近づいている予約(エントリ)を特定する。例えば、備品管理部207は、所定の時間経過後(例えば、5分後)に利用期間が開始するエントリを特定する。備品管理部207は、特定したエントリの備品を格納するロッカーの利用状況フィールド(ロッカー管理データベースのフィールド)に予約者のIDを設定する。例えば、図23の例では、備品「B01」の利用開始時間が近づくと、予約者の利用者IDである「ID21」が備品「B01」を収納しているロッカーの利用状況フィールドに設定される(図24の1行目参照)。
【0179】
ロッカー管理部205は、利用者の要求が「荷物の収容」である場合には、備品が収納されたロッカーを選択せず、備品が収納されていないロッカーを選択する。図24の例では、ロッカーIDが「R04」のロッカーが選択される。
【0180】
ロッカー管理部205は、利用者の要求が「荷物の取り出し」である場合には、第1の実施形態と同様に、生体認証対応ロッカー10に通知するロッカーを特定する。具体的には、ロッカー管理部205は、照合処理により特定された利用者IDが格納された利用状況フィールドを特定し、対応するロッカーIDを生体認証対応ロッカー10に通知する(応答する)。従って、予約者が生体認証対応ロッカー10に対して「荷物の取り出し」に関する操作を入力すると、備品が収納されたロッカーが開く。
【0181】
ロッカー管理部205は、予約情報の利用期間が経過した場合、利用状況フィールドに設定された利用者IDを削除する。利用期間を経過した後に、予約者が備品を使用しようとしても当該利用者の利用者IDは削除されているので、備品を収納しているロッカーが開くことはない。
【0182】
なお、生体認証対応ロッカー10は、通常の荷物取り出しと予約した備品の取り出しを区別するようなインターフェイスを利用者に提供してもよい。例えば、利用者要求判定部303は、図25に示すようなインターフェイスを用いて利用者の要求(収納、取り出し、備品の取り出し)を取得してもよい。
【0183】
当該要求は、サーバ装置20に送信される。サーバ装置20のロッカー管理部205は、利用者の要求(取り出し、備品の取り出し)に応じて開錠するロッカーを特定してもよい。例えば、予約者が備品の予約と自身の荷物をロッカーに収納していた場合には、上記要求によるロッカーの特定が有効である。具体的には、ロッカー管理データベースの利用状況フィールドに同じ利用者IDが設定されている場合、通常の「荷物取り出し」であれば備品を収納していないロッカーが開錠される。対して、生体認証対応ロッカー10から取得した要求が「備品の取り出し」であれば、備品が収納されているロッカーが開錠される。
【0184】
[第5の実施形態に係る変形例]
第5の実施形態では、予約者が「備品予約情報」をサーバ装置20に入力する場合について説明した。第5の実施形態に係る変形例では、ロッカーから備品を持ち出した利用者(備品借用者)をサーバ装置20が管理する場合について説明する。
【0185】
なお、第5の実施形態では備品を収納しているロッカーは施錠されていないものとする。
【0186】
生体認証対応ロッカー10の顔画像取得部304は、備品を収納しているロッカーが開けられると、当該ロッカーを開けた人物の顔画像を取得する。顔画像取得部304は、取得した顔画像をロッカー制御部306に引き渡す。
【0187】
ロッカー制御部306は、備品借用者が開けたロッカーのロッカーIDと、取得した顔画像と、を含む「備品管理要求」をサーバ装置20に送信する。
【0188】
サーバ装置20の照合部203は、備品管理要求を受信し、取得した顔画像を用いた照合処理を実行する。照合部203は、照合処理により特定した備品借用者の利用者IDを特定し、備品管理要求に含まれるロッカーIDを備品管理部207に引き渡す。
【0189】
備品管理部207は、ロッカーIDをキーとしてロッカー管理データベースを検索し、備品借用者が開いたロッカーに収容されていた備品を特定する。備品管理部207は、特定した備品と備品借用者の利用者IDを対応付けて管理する。例えば、備品管理部207は、備品と利用者IDを記憶する備品貸し出しデータベースを用いて備品の貸し出しを管理する。
【0190】
このように、第5の実施形態に係る変形例では、カメラ12により撮像された画像から備品を持ち出した利用者を特定し、貸し出し表(備品貸し出しデータベース)により備品の貸し出しを管理することができる。
【0191】
以上のように、第5の実施形態に係るサーバ装置20は、生体認証対応ロッカー10に収納された備品を管理する備品管理部207と、備品管理データベースと、を備える。備品管理データベースは、備品を予約した利用者の利用者ID、予約された備品及び予約された備品の利用期間を対応付けて記憶する。備品管理部207は、予約された備品の利用期間の到来前に、備品を予約した利用者の利用者IDを予約された備品を収納しているロッカーの利用状況フィールドに設定する。このように、ロッカー利用者は、第1の実施形態にて説明したような操作により備品を借りることができるので、ロッカー管理システムの利便性が向上する。
【0192】
また、第5の実施形態に係るロッカー管理システムでは、備品の利用期間に連動してロッカーの開錠が制御されるので、予約時間外の備品利用を防止できる。
【0193】
[第6の実施形態]
続いて、第6の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0194】
第6の実施形態では、荷物を収納する利用者(以下、荷物収納者と表記する)と荷物を取り出す利用者(荷物取り出し者と表記する)が異なる場合について説明する。
【0195】
第6の実施形態に係るロッカー管理システムの構成は第1の実施形態と同一とすることができるので図2に相当する説明を省略する。また、第6の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10、サーバ装置20等の処理構成も第1の実施形態と同一とすることができるので、その説明を省略する。以下、第1乃至第6の実施形態における相違点を中心に説明する。
【0196】
生体認証対応ロッカー10の利用者要求判定部303は、上記説明した利用者の要求を取得することに加え、荷物取り出し者に関する情報の取得が可能である。具体的には、利用者要求判定部303は、図26に示すような表示を行い、利用者による荷物取り出し者の指定を可能とする。
【0197】
利用者要求判定部303は、例えば、利用者が「取り出し者指定付き収納」ボタンを押下すると、図27に示すような表示を行う。図27に示すような画面に接した利用者は、文字入力領域に荷物を取り出すことができる人物の氏名を入力する。利用者は、荷物取り出し者の氏名を入力した後、確定ボタンを押す。
【0198】
利用者要求判定部303は、利用者が「取り出し者指定付き収納」を希望した場合には、利用者の要求を「取り出し者指定付き収納」に設定し、指定された荷物取り出し者の氏名と共に開錠要求部305に通知する。
【0199】
開錠要求部305は、荷物収納者の顔画像、利用者の要求(取り出し者指定付き収納)及び荷物取り出し者の氏名を含むロッカー開錠要求をサーバ装置20に送信する。
【0200】
サーバ装置20の照合部203は、ロッカー開錠要求から顔画像を取得し、照合処理を実行する。照合部203は、照合処理により特定された利用者ID(荷物収納者の利用者ID)、利用者の要求(取り出し者指定付き収納)、荷物取り出し者の氏名をロッカー管理部205に通知する。
【0201】
なお、照合部203は、利用者の要求が「取り出し者指定付き収納」の場合には、照合処理により特定された利用者IDをロッカー管理部205に通知しなくともよい。照合部203による照合処理は、生体認証対応ロッカー10に荷物を収納しようとしている人物がシステムに登録されていることを担保する処理だからである。換言すれば、システムに登録されていない利用者によるロッカー利用を許容する場合には、利用者の顔画像を用いた照合処理は不要である。
【0202】
ロッカー管理部205は、利用者の要求が「取り出し者指定付き収納」の場合には、荷物取り出し者の氏名をキーとして利用者データベースを検索し、対応する利用者IDを特定する。ロッカー管理部205は、ロッカー管理データベースを参照し、空いているロッカーのなかから荷物を収納するロッカーを選択する。ロッカー管理部205は、当該選択されたロッカーの利用状況フィールドに荷物取り出し者の氏名に対応する利用者IDを設定する。
【0203】
荷物の受け取り者(荷物受け取り者として指定された利用者)が生体認証対応ロッカー10の前に移動すると、生体認証対応ロッカー10は、当該利用者の顔画像と「荷物の取り出し」を含むロッカー開錠要求をサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、顔画像を用いた照合処理により利用者IDを特定し、開錠するロッカーを特定する。ロッカー管理データベースには、荷物取り出し者の利用者IDが格納されたエントリが存在するので、サーバ装置20は、当該エントリのロッカーIDを生体認証対応ロッカー10に通知する。生体認証対応ロッカー10は、通知されたロッカーIDのロッカーを開錠する。荷物取り出し者は、ロッカー内の荷物を取り出すことができる。
【0204】
以上のように、第6の実施形態に係る生体認証対応ロッカー10は、荷物取り出し者(ロッカーに収納された荷物の取り出しが可能な人物)に関する情報を含むロッカー開錠要求をサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、荷物取り出し者に関する情報に基づき荷物取り出し者の利用者IDを特定すると共に、荷物を収納するロッカーに対応する利用状況フィールドに荷物取り出し者の利用者IDを設定する。その結果、荷物取り出し者が生体認証対応ロッカー10の前に移動すると、当該荷物取り出し者の顔画像を用いた認証処理が成功する。荷物取り出し者は、別人(荷物収納者)が収納した荷物を取り出すことができる。そのため、時間差を有する荷物の受け渡しが可能となり、ロッカー管理システムの利便性が向上する。
【0205】
続いて、入退場管理システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。図28は、サーバ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0206】
サーバ装置20は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、図28に例示する構成を備える。例えば、サーバ装置20は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信が可能となるように構成されている。
【0207】
但し、図28に示す構成は、サーバ装置20のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。サーバ装置20は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、サーバ装置20に含まれるプロセッサ311等の数も図28の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311がサーバ装置20に含まれていてもよい。
【0208】
プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
【0209】
メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
【0210】
入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0211】
通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
【0212】
サーバ装置20の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
【0213】
なお、生体認証対応ロッカー10や端末30等の基本的なハードウェア構成はサーバ装置20と相違する点はないので説明を省略する。例えば、生体認証対応ロッカー10は、表示パネル11やカメラ12等を備えていればよい。
【0214】
サーバ装置20は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることでサーバ装置20の機能が実現できる。同様に、生体認証対応ロッカー10は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることで生体認証対応ロッカー10の機能が実現できる。また、サーバ装置20と生体認証対応ロッカー10が協働してロッカー管理方法を実行してもよいし、生体認証対応ロッカー10が単独でロッカー管理方法を実行してもよい。
【0215】
[変形例]
なお、上記実施形態にて説明したロッカー管理システムの構成、動作等は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。
【0216】
上記実施形態では、サーバ装置20が生体情報を記憶し、ロッカー利用者を特定する場合について説明した。しかし、生体認証対応ロッカー10が生体情報を記憶し、ロッカー利用者の特定を行ってもよい。即ち、サーバ装置20の一部又は全部の機能が生体認証対応ロッカー10にて実現されてもよい。
【0217】
システム利用者のプロフィール(利用者の属性値)はスキャナ等を用いて入力されてもよい。例えば、利用者は、自身の名刺に関する画像を、スキャナを用いてサーバ装置20に入力する。サーバ装置20は、取得した画像に対して光学文字認識(OCR;Optical Character Recognition)処理を実行する。サーバ装置20は、得られた情報に基づき利用者のプロフィールを決定してもよい。
【0218】
上記実施形態では、生体認証対応ロッカー10、端末30からサーバ装置20に「顔画像」に係る生体情報が送信される場合について説明した。しかし、生体認証対応ロッカー10等からサーバ装置20に「顔画像から生成された特徴量」に係る生体情報が送信されてもよい。サーバ装置20は、取得した特徴量(特徴ベクトル)を用いて利用者データベースに登録された特徴量との間で照合処理を実行してもよい。
【0219】
上記実施形態では、生体認証対応ロッカー10に荷物を収納したままフリーアドレスフロアーを退場する利用者に対してその旨を報知することを説明した。このような場合、サーバ装置20は、荷物をロッカーに収納したまま退場する(退場した)利用者に対し、荷物がロッカーに残っている旨を記載したメールを送信してもよい。
【0220】
上記実施形態では、1人の利用者が備品の予約をする場合について説明した。しかし、備品の予約はグループ単位で行われてもよい。例えば、備品の予約者は、自身の所属する部署を「備品予約者」としてサーバ装置20に入力してもよい。この場合、サーバ装置20は、利用者データベースを参照し、入力された所属部署の利用者ID(少なくとも1以上の利用者ID)を特定する。サーバ装置20は、当該特定した少なくとも1以上の利用者IDを備品管理データベースの「利用者ID」フィールドに設定する。サーバ装置20は、備品の利用期間が近づくと利用者IDフィールドに設定された1以上の利用者IDをロッカー管理データベース(図24参照)の利用状況フィールドに設定する。当該利用状況フィールドに複数の利用者ID(部署が同じ利用者の複数の利用者ID)が設定される。サーバ装置20は、生体認証により特定された利用者IDが上記複数の利用者IDに含まれていれば、対応するロッカーの開錠を生体認証対応ロッカー10に指示する。その結果、備品の予約者と備品の使用者(借用者)が異なる場合であっても、備品の貸し出しが可能となる。即ち、グループ単位(部署単位)にて備品の貸し出しが管理され、許可された部署の社員だけが備品を使用することができる。
【0221】
上記実施形態では、ロッカーを介した備品の貸し出しを説明した。当該備品の貸し出しと備品貸し出しに伴う課金処理を連動させてもよい。例えば、サーバ装置20は、備品を予約した予約者や備品借用者に対して備品使用に関する費用を請求してもよい。例えば、利用者は、利用者のシステム登録の際に支払い方法に関する情報(例えば、クレジットカードに関する情報)を登録する。サーバ装置20は、利用者データベースを参照し、備品借用者等の利用者IDから備品使用料の請求先を特定する。サーバ装置20は、当該特定された請求先に対して必要な課金処理を実行する。
【0222】
あるいは、上記備品の使用に伴う課金は所属部署単位で行われてもよい。サーバ装置20は、利用者データベースを参照し、備品借用者の所属部署を特定する。サーバ装置20は、当該特定された所属部署に対して備品使用に伴う費用を請求してもよい。この場合、サーバ装置20は、例えば、所属部署とその請求先を記憶したテーブル情報を参照し、必要な課金処理を実行すればよい。
【0223】
サーバ装置20は、フリーアドレスフロアーに設置された会議室を予約した利用者に限り生体認証対応ロッカー10を利用可能に制御してもよい。具体的には、サーバ装置20は、会議参加者の情報(会議参加者の氏名等)を取得し、会議参加者の利用者IDをロッカー管理データベースの利用状況フィールドに設定すればよい。
【0224】
サーバ装置20は、会議室の予約等に連動して備品の貸し出し等を管理してもよい。例えば、サーバ装置20は、フリーアドレスフロアーの会議室で開催される会議の詳細情報を取得する。例えば、サーバ装置20は、会議の参加者、会議室の番号、会議開催期間、会議のテーマ等に関する情報を取得する。サーバ装置20は、例えば、会議のテーマに沿った備品を特定し、当該特定した備品の利用者(備品管理データベースの利用者IDフィールド)に会議参加者の利用者IDを設定する。また、サーバ装置20は、当該データベースの利用期間フィールドに会議開催期間を設定する。このような対応により、会議開催時間の直前に会議のテーマに沿った備品の予約が行われ、会議参加者の1人が生体認証対応ロッカー10に向かうと必要な備品を取り出すことができる。即ち、本願開示のロッカー管理システムは、会議のテーマ(議題)に適した備品を自動的に予約し、会議参加者による備品の利用を可能とする。会議参加者は、会議室の予約と備品の予約の2つを行う必要はなく、必要な備品を容易に借用することできる。
【0225】
サーバ装置20は、会議にて使用される消耗品や来客者に提供される飲食物(例えば、茶、菓子等)の課金処理を行ってもよい。例えば、サーバ装置20は、菓子等が収納されたロッカーを開いた人物を顔認証により特定する(利用者IDを特定する)。サーバ装置20は、当該特定した利用者又は利用者が属する部署に菓子等の料金を請求する。
【0226】
サーバ装置20は、ロッカーの使用や会議室の予約PC(フリーアドレスフロアーに設置されたPC)の使用を連動させてもよい。サーバ装置20は、ロッカー管理データベースを参照し、利用状況フィールドに利用者IDが設定されている利用者を特定する。サーバ装置20は、PCからログイン要求を取得し、当該ログイン要求に含まれるIDが上記特定した利用者IDに一致する場合に、利用者によるPCの使用を許可してもよい(ログイン要求を承認してもよい)。サーバ装置20は、会議室の予約をした利用者に関しても同様にPCの利用を許可してもよい。
【0227】
上記実施形態では、ロッカーに収納された荷物の取り出しができる利用者を1人指定する場合について説明した。しかし、複数の荷物取り出し者の指定がなされてもよい。あるいは、荷物収納者は、「荷物取り出し者」として「部署」の指定がされてもよい。この場合、サーバ装置20は、指定された部署に属する利用者の利用者IDをロッカー管理データベースの利用状況フィールドに設定すればよい。あるいは、会議参加者が荷物取り出し者として指定されてもよい。この場合、サーバ装置20は、会議の情報を確認し、同じ会議に出席する参加者の利用者IDをロッカー管理データベースの利用情報フィールドに設定すればよい。このように、荷物収納者による荷物取り出し者の属性等に応じた指定により、荷物収納者の労力を低減できる。
【0228】
荷物収納者と荷物取り出し者が異なることを許容することにより、生体認証対応ロッカー10を利用した様々なアプリケーション、サービスの提供や実現が考えられる。例えば、利用者が飲食店等に弁当や茶等の配達を依頼し、飲食店の従業員が注文者を荷物取り出し者として指定する。このような対応により、弁当等の受け渡しがロッカーを介して行うことができる。あるいは、当該受け渡しと連動して課金処理(代金の支払い)が行われてもよい。あるいは、飲食店、小売店等は予め定めた商品等を定期的にロッカーに格納し、ロッカー利用者に商品を届けてもよい。
【0229】
あるいは、宅配業者等が荷物取り出し者として指定されてもよい。この場合、フリーアドレスフロアーの入場者が荷物を自宅に送る際、宅配業者等への連絡が不要となる。宅配業者は、生体認証対応ロッカー10から荷物を取り出し、当該荷物を荷物収納者の自宅(配送先)に届ける。また、フロアーの入場者と宅配業者との情報交換にメールが活用されてもよい。フロアーの入場者は、宅配業者に集荷を依頼するメールを送信する。宅配業者は、メールの送信元アドレスから送信者を特定しその自宅を荷物の送付先に設定してもよい。あるいは、入場者は、荷物の送り先をメールにより直接指定してもよい。あるいは、宅配業者は、受信したメールから利用者の居場所を特定し、荷物の送付先を決定してもよい。例えば、宅配業者は、メールが利用者個人のアカウントから送信されている場合には、荷物の送付先を「自宅」に設定し、会社のアカウントから送信されている場合には、荷物の送付先を「会社」に設定してもよい。
【0230】
また、フリーアドレスフロー利用時の特有の問題として、フリーアドレスフローでは各個人の机が定まっておらず、荷物の配達人は荷物の詳細な届け先(フリーアドレスフロアー以上の詳細な届け先)を把握することができない。このような問題に対しても本願開示のロッカー管理システムは有効である。即ち、フリーアドレスフロアーを利用している社員(個人)宛の荷物を一時的に保管する用途に本願開示のロッカー管理システムは有効である。具体的には、荷物の配達人(フリーアドレスフロアー内の荷物の配布者)は、フロアーに届いた荷物を生体認証対応ロッカー10に収納する。その際、生体認証対応ロッカー10は、配達人に対して荷物受け取り者を指定するGUIを提供する。例えば、生体認証対応ロッカー10の利用者要求判定部303が、「一時預け入れ」の要求を取得するGUIを作成する。利用者要求判定部303は、一時預け入れが指定されると荷物受け取り者の情報(例えば、氏名等)を入力するためのGUI(配達人が荷物受け取り者の氏名を入力するためのGUI)を生成する。生体認証対応ロッカー10は、荷物の受け取り者に関する情報(例えば、氏名)を取得すると、当該情報をサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、利用者データベースを参照し、荷物受け取り者の利用者IDを特定する。サーバ装置20は、荷物を一時的に収納するロッカーを決定した後、当該決定したロッカーのロッカーIDを生体認証対応ロッカー10に通知する。その際、サーバ装置20は、決定したロッカーの利用状況フィールドに荷物受け取り者の利用者IDを設定する。このような対応により、フロアー利用者(荷物受け取り者)は、生体認証対応ロッカー10から荷物を取り出すことができる。なお、サーバ装置20は、荷物を一時的に収納するロッカーを特定した際などに、荷物を一時的に預かった旨を荷物受け取り者に通知するのが望ましい。例えば、サーバ装置20は、メール等を用いて上記旨を荷物受け取り者に通知する。
【0231】
上記実施形態では、生体認証対応ロッカー10が利用者のロッカー利用に関する要求を取得し、サーバ装置20は、当該要求に基づき開錠するロッカーを決定している。しかし、本願開示のロッカー管理システムでは、上記ロッカー利用に関する要求を用いずに、開錠するロッカーを特定することもできる。つまり、利用者の要求(荷物の収納、取り出し)に関し、ロッカー管理システムでは、顔認証により利用者の要求を決定することもできる。具体的には、生体認証対応ロッカー10の顔画像取得部304は、面前の利用者の顔画像を取得する。顔画像取得部304は、当該顔画像をサーバ装置20に送信する。サーバ装置20の照合部203は、取得した顔画像に基づき利用者の利用者IDを特定する。ロッカー管理部205は、ロッカー管理データベースを参照し、上記特定された利用者IDが当該データベースの利用状況フィールドに設定されていなければ、荷物の収納と判断する。対して、ロッカー管理部205は、上記特定された利用者IDが当該データベースの利用状況フィールドに設定されていれば、荷物の取り出しと判断する。このような対応により利用者の要求を取得しなくとも、サーバ装置20は、開錠するロッカーを特定することができる。また、生体認証対応ロッカー10も各ロッカーの利用状況を管理し、利用者がさらに荷物を収納したいと考えられる場合には、荷物の追加収納に関する要望の有無を確認するようなGUIを利用者に提供してもよい。
【0232】
上記説明で用いた流れ図(フローチャート、シーケンス図)では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0233】
上記の実施形態は本願開示の理解を容易にするために詳細に説明したものであり、上記説明したすべての構成が必要であることを意図したものではない。また、複数の実施形態について説明した場合には、各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例えば、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、実施形態の構成の一部について他の構成の追加、削除、置換が可能である。
【0234】
上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、企業等のフリーアドレスフロアーにて行われるロッカー管理システムなどに好適に適用可能である。
【0235】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
利用者の生体情報を取得する取得部と、
前記利用者のロッカーに関する希望動作を判定する判定部と、
前記ロッカーに関する希望動作が物品の取り出しの場合、前記生体情報を用いた照合処理により特定されたロッカーを開錠し、前記ロッカーに関する希望動作が物品の収納の場合、前記生体情報を登録するとともにロッカーの利用状況に基づいて選択された空きロッカーを開錠するロッカー制御部と、
を備えるロッカーシステム。
[付記2]
前記生体情報及び前記ロッカーに関する希望動作を示す情報を含むロッカー開錠要求をサーバ装置に送信する要求部をさらに備え、
前記サーバ装置は、前記ロッカー開錠要求に含まれる前記生体情報を用いた照合処理により前記利用者を特定すると共に、前記ロッカー開錠要求に含まれる前記ロッカーに関する希望動作を示す情報に基づき開錠するロッカーを決定し、前記決定したロッカーのロッカーIDを前記ロッカー開錠要求に対する応答に含め、
前記ロッカー制御部は、前記サーバ装置から取得した応答に基づいてロッカーを開錠する、
付記1に記載のロッカーシステム。
[付記3]
前記判定部は、前記利用者による行動に基づいて前記ロッカーに関する希望動作を判定する、付記2に記載のロッカーシステム。
[付記4]
前記判定部は、前記利用者の顔に関する変化に基づき前記ロッカーに関する希望動作を判定する、付記3に記載のロッカーシステム。
[付記5]
前記判定部は、前記利用者の移動方向に基づき前記ロッカーに関する希望動作を判定する、付記3に記載のロッカーシステム。
[付記6]
前記利用者に関する付随情報を生成する、生成部をさらに備え、
前記要求部は、生成された前記付随情報を含む前記ロッカー開錠要求を前記サーバ装置に送信し、
前記ロッカー制御部は、前記サーバ装置が前記付随情報を用いて選択したロッカーを開錠する、付記2乃至5のいずれか一項に記載のロッカーシステム。
[付記7]
前記生成部は、前記利用者の身長に関する情報を前記付随情報として生成する、付記6に記載のロッカーシステム。
[付記8]
前記生成部は、前記利用者が所持する荷物の大きさに関する情報を前記付随情報として生成する、付記6に記載のロッカーシステム。
[付記9]
前記要求部は、前記生体情報を含む前記ロッカー開錠要求を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記ロッカー開錠要求に含まれる前記生体情報を用いた照合処理により、前記利用者を特定すると共に、前記判定部による判定結果に関わらず、特定された前記利用者のロッカー使用有無に基づき、前記開錠するロッカーを特定する、付記2に記載のロッカーシステム。
[付記10]
ロッカーシステムにおいて、
利用者の生体情報を取得し、
前記利用者のロッカーに関する希望動作を判定し、
前記ロッカーに関する希望動作が物品の取り出しの場合、前記生体情報を用いた照合処理により特定されたロッカーを開錠し、前記ロッカーに関する希望動作が物品の収納の場合、前記生体情報を登録するとともにロッカーの利用状況に基づいて選択された空きロッカーを開錠する、
ロッカー管理方法。
[付記11]
ロッカーシステムに搭載されたコンピュータに、
利用者の生体情報を取得する処理と、
前記利用者のロッカーに関する希望動作を判定する処理と、
前記ロッカーに関する希望動作が物品の取り出しの場合、前記生体情報を用いた照合処理により特定されたロッカーを開錠し、前記ロッカーに関する希望動作が物品の収納の場合、前記生体情報を登録するとともにロッカーの利用状況に基づいて選択された空きロッカーを開錠する処理と、
を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0236】
なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。即ち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0237】
10 生体認証対応ロッカー
11 表示パネル
12 カメラ
20 サーバ装置
30-1 入場管理端末
30-2 退場管理端末
31 ゲート
40 カメラ装置
100 ロッカーシステム
101 取得部
102 判定部
103、306 ロッカー制御部
201、301、401 通信制御部
202 利用者登録部
203 照合部
204 利用者管理部
205 ロッカー管理部
206、307、404 記憶部
207 備品管理部
211 利用者情報取得部
212 ID生成部
213 特徴量生成部
214 エントリ管理部
302 利用者検出部
303 利用者要求判定部
304、402 顔画像取得部
305 開錠要求部
308 付随情報生成部
311 プロセッサ
312 メモリ
313 入出力インターフェイス
314 通信インターフェイス
403 ゲート制御部
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