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特開2024-50665誘導加熱サセプタおよびエアロゾル送達装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050665
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】誘導加熱サセプタおよびエアロゾル送達装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20240403BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20240403BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240403BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/44
A24F40/10
【審査請求】有
【請求項の数】32
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024008506
(22)【出願日】2024-01-24
(62)【分割の表示】P 2020548959の分割
【原出願日】2019-03-12
(31)【優先権主張番号】15/921,805
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘジャジ,バヒド
(72)【発明者】
【氏名】アルダーマン,スティーブン・エル
(72)【発明者】
【氏名】ハント,エリック・ティー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】熱の均一な分布と全体の温度のより適切な制御を提供して、抵抗加熱要素によって引き起こされる可能性のある焦げの影響を低減することができるエアロゾル送達装置が提供される。
【解決手段】リザーバ718内にステージングされたエアロゾル前駆体と、誘導を通して熱を生成するように構成されたアトマイザとを含むエアロゾル送達装置が説明されている。アトマイザは、誘導送信機260’’および誘導受信機250を有する。誘導受信機は、リザーバ内のエアロゾル前駆体と動作可能に接触し、誘導送信機の範囲にエアロゾル前駆体を吸い上げて加熱および気化されるように構成されている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
リザーバ内にステージングされたエアロゾル前駆体と、
誘導を通して熱を生成するように構成されたアトマイザと
を備え、
アトマイザが、誘導送信機および誘導受信機を備え、
誘導受信機が、リザーバ内のエアロゾル前駆体と動作可能に接触し、誘導送信機の範囲にエアロゾル前駆体を吸い上げて加熱および気化されるように構成されている、
エアロゾル送達装置。
【請求項2】
カートリッジに分離可能に取り付けられた電源を収納する制御本体をさらに備え、カートリッジが少なくとも部分的にリザーバを画定する、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
誘導送信機が、制御本体から分離可能であるようにカートリッジ内に少なくとも部分的に収納される、請求項2に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
誘導送信機に、制御本体からカートリッジにエネルギを無線で伝える制御本体が提供される、請求項2に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
誘導送信機が導電性コイルを備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
導電性コイルが誘導受信機の少なくとも一部を取り囲む、請求項5に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
導電性コイルが誘導受信機の少なくとも一部に隣接して配置される、請求項5に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
誘導受信機が、らせん状に巻かれてシリンダを形成する導電性メッシュシート材料を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
誘導受信機が、金属、強磁性セラミック、またはグラファイトから選択される、多孔質の導電性あるいは半導電性材料を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
誘導受信機が多孔質鉄フォームを備える、請求項9に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項11】
誘導受信機が、環状リング、二等分コア、および環状リングから半径方向に延びる複数の脚を備える、請求項9に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項12】
誘導受信機が、ウィッキングコアおよび導電性または半導電性コーティングを備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項13】
コーティングが、焼結によってウィッキングコアに実質的に永久的に接合される、請求項12に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項14】
ウィッキングコアが多孔質セラミックを備える、請求項12に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項15】
エアロゾル送達装置であって、
電源と、
誘導送信機と、
サセプタと
を備え、
サセプタが、エアロゾル前駆体を吸収可能であり、吸収するように構成され、
誘導送信機が振動磁場を生成するように構成され、
サセプタが、振動磁場に応答して熱を生成して、サセプタによって吸収されたエアロゾル前駆体の少なくともいくらかをエアロゾルに気化させるように構成されている、
エアロゾル送達装置。
【請求項16】
サセプタが、らせん状に巻かれてシリンダを形成する導電性メッシュシート材料を備える、請求項15に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項17】
サセプタが多孔質導電性材料を備える、請求項15に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項18】
サセプタが、環状リング、二等分コア、および環状リングから半径方向に延びる複数の脚を備える、請求項17に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項19】
サセプタが、ウィッキングコアおよび導電性または半導電性コーティングを備える、請求項15に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項20】
コーティングが、焼結によってウィッキングコアに実質的に永久的に接合される、請求項19に記載のエアロゾル送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本開示は、以下の係属中の米国特許出願に関連し、それらのそれぞれは、その全体が本明細書に組み込まれる:2015年11月6日に出願されたDavisらによる米国特許出願第14/934,763号;2016年1月20日に出願されたSurによる米国特許出願第15/002,056号;2016年11月15日に出願されたSurによる米国特許出願第15/352,153号;および2017年10月31日に出願されたSebastianによる米国特許出願第15/799,365号。
【0002】
本開示は、電子タバコを含む喫煙物品などのエアロゾル送達装置に関し、より具体的には、エアロゾルの発生のために電気的に生成された熱を利用することができるエアロゾル送達装置に関する。より具体的には、電気的に生成された熱は、誘導ベースの加熱システムから生じることができる。喫煙物品は、エアロゾル前駆体を加熱するように構成されることができ、これは、タバコから作られるかもしくはタバコに由来する材料を組み込むかまたはタバコを組み込むことができ、前駆体は、人間が消費する吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0003】
使用のためにタバコを燃焼させることを必要とする喫煙製品の改良または代替として多くの装置が長年にわたって提案されている。これらの装置の多くは、称するところによれば、タバコ、葉巻、またはパイプ喫煙に関連する感覚を提供するが、タバコの燃焼に起因するかなりの量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達しないように設計されている。この目的のために、電気エネルギを利用して揮発性物質を気化もしくは加熱するか、または大幅にタバコを燃焼させることなくタバコ、葉巻またはパイプ喫煙の感覚を提供しようとする多くの代替喫煙製品、香味発生器、および薬用吸入器が提案されている。例えば、それらの全てが参照により本明細書に組み込まれる、Collettらによる米国特許第8,881,737号明細書、Griffith Jr.らによる米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、Sebastianらによる米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Searsらによる米国特許出願公開第2014/0096781号明細書、Ampoliniらによる米国特許出願公開第2014/0096782号明細書、Davisらによる米国特許出願公開第2015/0059780号明細書、および2016年7月28日に出願されたWatsonらによる米国特許出願第15/222,615号に説明された背景技術に記載されている様々な代替喫煙物品、エアロゾル送達装置および熱源を参照されたい。また、例えば、参照により組み込まれる、Countsらによる米国特許第5,388,594号明細書およびRobinsonらによる米国特許第8,079,371号明細書の背景技術に説明されている製品および加熱構成の様々な実施形態を参照のこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8,881,737号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2014/0096782号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2015/0059780号明細書
【特許文献7】米国特許第5,388,594号明細書
【特許文献8】米国特許第8,079,371号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エアロゾル送達装置の様々な実施形態は、アトマイザを使用して、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを発生する。そのようなアトマイザは、直接抵抗加熱を使用して熱を発生することが多い。これに関して、アトマイザは、電流が直接運ばれる材料に関連する電気抵抗を介して熱を発生するコイルまたは他の部材を備える加熱要素を含むことができる。電流は、通常、ワイヤやコネクタなどの直接的な電気接続を介して、加熱要素に導かれる。従来の導電性加熱要素は、大きな熱損失をうけることがあり、抵抗加熱のために比較的高い電力消費を必要とする。さらに、加熱要素とイーリキッド(e-liquid)との間の密な熱接触を有するために厳しい公差が必要とされるため、導電性加熱要素は、製造プロセスを複雑にすることがある。さらに、いくつかの例では、導電性加熱は、既存のエアロゾル送達装置の芯(wick)を均一に加熱せず、エアロゾル発生速度を低減させる。したがって、エアロゾル送達装置に関する進歩が望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、エアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル送達装置に関し、いくつかの実施形態では、そのエアロゾル送達装置は、電子タバコまたは非燃焼加熱タバコと呼ばれることもある。本開示は、限定ではなく、以下の例示的な実施形態を含む。
【0007】
例示的な実施形態1:エアロゾル送達装置であって、リザーバ内にステージングされた(staged)エアロゾル前駆体と、誘導を通して熱を生成するように構成されたアトマイザとを備え、アトマイザが、誘導送信機および誘導受信機を備え、誘導受信機が、リザーバ内のエアロゾル前駆体と動作可能に接触し、誘導送信機の範囲にエアロゾル前駆体を吸い上げて加熱および気化されるように構成されている、エアロゾル送達装置。
【0008】
例示的な実施形態2:カートリッジに分離可能に取り付けられた電源を収納することができる制御本体をさらに備え、カートリッジが少なくとも部分的にリザーバを画定する、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0009】
例示的な実施形態3:誘導送信機が、制御本体から分離可能であるようにカートリッジ内に少なくとも部分的に収納される、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0010】
例示的な実施形態4:誘導送信機に、制御本体からカートリッジにエネルギを無線で伝える制御本体が提供される、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0011】
例示的な実施形態5:誘導送信機が導電性コイルを備える、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0012】
例示的な実施形態6:導電性コイルが誘導受信機の少なくとも一部を取り囲む、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0013】
例示的な実施形態7:導電性コイルが誘導受信機の少なくとも一部に隣接して配置される、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0014】
例示的な実施形態8:誘導受信機が、らせん状に巻かれてシリンダを形成する導電性メッシュシート材料を備える、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0015】
例示的な実施形態9:誘導受信機が、金属、強磁性セラミック、またはグラファイトから選択される、多孔質の導電性あるいは半導電性材料を備える、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0016】
例示的な実施形態10:誘導受信機が多孔質鉄フォームを備える、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0017】
例示的な実施形態11:誘導受信機が、環状リング、二等分コア、および環状リングから半径方向に延びる複数の脚を備える、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0018】
例示的な実施形態12:誘導受信機が、ウィッキング(wicking)コアおよび導電性または半導電性コーティングを備える、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0019】
例示的な実施形態13:コーティングが、焼結によってウィッキングコアに実質的に永久的に接合される、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0020】
例示的な実施形態14:ウィッキングコアが多孔質セラミックを備える、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0021】
例示的な実施形態15:エアロゾル送達装置であって、電源と、誘導送信機と、サセプタとを備え、サセプタが、エアロゾル前駆体を吸収可能であり、吸収するように構成され、誘導送信機が振動磁場を生成するように構成され、サセプタが、振動磁場に応答して熱を生成して、サセプタによって吸収されたエアロゾル前駆体の少なくともいくらかをエアロゾルに気化させるように構成されている、エアロゾル送達装置。
【0022】
例示的な実施形態16:サセプタが、らせん状に巻かれてシリンダを形成する導電性メッシュシート材料を備える、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0023】
例示的な実施形態17:サセプタが多孔質導電性材料を備える、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0024】
例示的な実施形態18:サセプタが、環状リング、二等分コア、および環状リングから半径方向に延びる複数の脚を備える、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0025】
例示的な実施形態19:サセプタが、ウィッキングコアおよび導電性または半導電性コーティングを備える、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0026】
例示的な実施形態20:コーティングが、焼結によってウィッキングコアに実質的に永久的に接合されることができる、先行する例示的な実施形態のいずれかに記載の、または先行する例示的な実施形態のいずれかの組み合わせの、エアロゾル送達装置。
【0027】
本開示のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は、以下に簡単に説明される添付の図面とともに以下の詳細な説明を読むことから明らかになろう。
【0028】
上記の一般用語で本開示をこのように説明してきたが、ここで、必ずしも縮尺どおりに描かれていない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本開示の例示的な実施形態による、カートリッジおよび制御本体を備え、カートリッジおよび制御本体が互いに結合されているエアロゾル送達装置の側面図を示している。
図2】例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置の概略断面図を示している。
図3】本開示の実施形態による例示的なアトマイザの一部の詳細端面図である。
図4】本開示の一実施形態による誘導受信機を示している。
図5】本開示の他の実施形態による誘導受信機を示している。
図6】本開示の他の実施形態による制御本体の接続端の概略断面図を示している。
図7】本開示の他の実施形態によるカートリッジの概略断面図である。
図8図7のカートリッジに取り付けられた図6の制御本体の概略断面図を示している。
図9図7のカートリッジによって有用な実施形態による誘導受信機を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示は、その例示的な実施形態を参照して、以下においてより完全に説明される。これらの例示的な実施形態は、本開示が完全になり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように説明される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、「その(the)」などは、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では、量的尺度、値、幾何学的関係などに言及する場合があるが、特に明記しない限り、任意の1つ以上は、これらの全てではないにしても、技術公差などに起因するものなど、発生する可能性のある許容可能な変動を説明するために絶対的または近似的であることがある。
【0031】
以下に説明されるように、本開示の例示的な実施形態は、エアロゾル送達装置に関する。本開示によるエアロゾル送達装置は、電気エネルギを使用して材料を加熱し(好ましくは材料を有意な程度まで燃焼させることなく)、吸入可能物質を形成し;そのようなシステムの構成要素は、ハンドヘルド装置とみなすのに十分にコンパクトである最も好ましい物品の形態を有する。つまり、好ましいエアロゾル送達装置の構成要素の使用は、エアロゾルがタバコの燃焼または熱分解の副産物から主に生じるという意味において、煙の発生をもたらさないが、むしろ、それらの好ましいシステムの使用は、内部に組み込まれている特定の成分の揮発または気化から結果として生じる蒸気の発生をもたらす。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置の構成要素は、電子タバコとして特徴付けられることができ、それらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコに由来する成分を組み込み、したがって、エアロゾル形態のタバコから誘導された成分を送達する。
【0032】
特定の好ましいエアロゾル送達装置のエアロゾル生成部品は、その成分のかなりの程度の燃焼を何ら伴わずにタバコを点火して燃焼させることによって(したがって、タバコの煙を吸引することによって)使用されるタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙の多くの感覚(例えば、吸入および呼気のやり方、味または風味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用のやり方、視認可能なエアロゾルによって提供されるような視覚的合図など)を提供することができる。例えば、本開示のエアロゾル生成部品のユーザは、喫煙者が伝統的な種類の喫煙物品を使用するように、その部品を保持して使用し、その部品によって発生されるエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸引し、選択された時間間隔でタバコを吹かしたりなどできる。
【0033】
本明細書では、システムは、一般に、いわゆる「電子タバコ」などのエアロゾル送達装置に関連する実施形態に関して説明されるが、機構、構成要素、特徴、および方法は、多くの異なる形態で具現化され、様々な物品に関連付けられることができることを理解されたい。例えば、本明細書において提供される説明は、従来の喫煙物品(例えば、タバコ、葉巻、パイプなど)、非燃焼加熱(heat-not-burn)タバコ、および本明細書に開示される製品のいずれかについての関連するパッケージングの実施形態と組み合わせて採用されることができる。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴、および方法の説明は、例としてのみエアロゾル送達装置に関連する実施形態に関して説明され、他の様々な製品および方法において具現化および使用されてもよいことを理解されたい。
【0034】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気発生物品または薬剤送達物品であるとして特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で1つ以上の物質(例えば、香味料および/または医薬品有効成分)を提供するように適合されることができる。例えば、吸入可能物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点より低い温度で気相にある物質)とすることができる。あるいは、吸入可能物質は、エアロゾル(すなわち、気体中の微細な固体粒子または液滴の懸濁)の形態とすることができる。簡潔にするために、本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、可視であるかどうか、および煙のようにみなすことができる形態であるかどうかにかかわらず、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、ガス、およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0035】
使用中、本開示のエアロゾル送達装置は、従来のタイプの喫煙物品(例えば、点火およびタバコの吸入によって使用されるタバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人によって使用される多くの身体的作用に曝されることができる。例えば、本開示のエアロゾル送達装置のユーザは、従来のタイプの喫煙物品のようにその物品を保持し、その物品によって発生されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸引し、選択された時間間隔でタバコを吹かしたりなどできる。
【0036】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、ハウジングと呼ばれることがある外側本体またはシェル内に提供された多数の構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体設計は、様々なものとすることができ、エアロゾル送達装置の全体サイズおよび形状を画定することができる外側本体の形式または構成は、様々なものとすることができる。通常、タバコまたは葉巻の形状に似た細長本体は、単一の一体のハウジングから形成されることができ、または細長ハウジングは、2つ以上の分離可能本体から形成されることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、実質的に管状の形状とすることができ、そのため、従来のタバコまたは葉巻の形状に類似している細長シェルまたは本体を備えることができる。一例では、エアロゾル送達装置の全ての構成要素は、1つのハウジング内に収容されている。あるいは、エアロゾル送達装置は、選択的に接合されて分離可能な2つ以上のハウジングを備えることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、一端に、1つ以上の再利用可能な構成要素(例えば、再充電可能な電池および/または再充電可能なスーパーキャパシタなどのアキュムレータ、ならびにその物品の動作を制御するための様々なエレクトロニクス)を収容するハウジングを備える制御本体を有するとともに、他端に、取り外し可能に連結可能に、使い捨て部分を収容する外側本体またはシェル(例えば、使い捨て香味料含有カートリッジ)を有することができる。単一のハウジングタイプのユニット内またはマルチピースの分離可能なハウジングタイプのユニット内の構成要素のより具体的な形式、構成および配置は、本明細書において提供されるさらなる開示に照らして明らかであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮すると、様々なエアロゾル送達装置の設計および構成要素の構成を理解することができる。
【0037】
本開示のエアロゾル送達装置は、最も好ましくは、電源(すなわち、電気的パワー源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、物品の他の構成要素への電流電源を制御することなどにより、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段-例えば、個々にまたはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ)、ヒータまたは発熱部材(例えば、単独でまたは「アトマイザ」と一般に呼ばれることがある1つ以上のさらなる要素と組み合わせて)、エアロゾル前駆体組成物(例えば、一般に、「スモークジュース(smoke juice)」、「イーリキッド」および「イージュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、十分な熱の印加によってエアロゾルを生成することができる液体)、エアロゾル吸入のためのエアロゾル送達装置による吸引を可能にするマウスエンド領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸引時にそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)のいくつかの組み合わせを備える。
【0038】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の整列は変化することができる。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、ユーザへのエアロゾル送達を最大化するように、ユーザの口の近位に置かれるように構成されることができるエアロゾル送達装置の端部の近くに配置されることができる。しかしながら、他の構成は除外されない。一般に、熱がエアロゾル前駆体(および同様にユーザへの送達のために提供される1つ以上の香味料、薬剤など)を揮発させ、ユーザへの送達のためにエアロゾルを形成することができるように、熱源は、エアロゾル前駆体組成物の十分近くに配置されることができる。加熱要素がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態で、エアロゾルが形成、放出、または生成される。放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)、または放出される(released)という言及は、形成する(form)または生成する(generate)、形成している(forming)または生成している(generating)、形成する(forms)または生成する(generates)、および、形成される(formed)または生成される(generated)を含むように、前述の用語は置き換え可能であることを意味することに留意されたい。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気またはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、そのような用語はまた、特に明記しない限り、本明細書では置き換え可能に使用される。
【0039】
上記のように、エアロゾル送達装置は、電池または他の電源を組み込んで、加熱要素への電力供給、制御システムへの電力供給、インディケータへの電力供給など、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流を供給することができる。電源は、様々な実施形態をとることができる。好ましくは、電源は、エアロゾル形成を提供するために加熱要素を急速に加熱し、所望の持続時間の使用を通じてエアロゾル送達装置に電力を供給するために十分な電力を送達することができる。電源は、好ましくは、エアロゾル送達装置が容易に取り扱われることができるように、エアロゾル送達装置内に都合よく適合するサイズである。さらに、好ましい電源は、望ましい喫煙体験を損なわないように十分に軽量である。
【0040】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素のより具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮すると、様々なエアロゾル送達装置構成要素の選択が理解されることができる。さらに、エアロゾル送達装置内の構成要素の構成はまた、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮すると理解されることができる。
【0041】
以下に説明されるように、本開示は、エアロゾル送達装置およびその構成要素に関する。エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを発生するように構成されることができる。他の実施形態では、エアロゾル送達装置は、流体エアロゾル前駆体組成物(例えば、液体エアロゾル前駆体組成物)からエアロゾルを加熱および発生するように構成されることができる。そのようなエアロゾル送達装置は、いわゆる電子タバコを含むことができる。
【0042】
加熱されるエアロゾル前駆体組成物のタイプに関係なく、エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を加熱するように構成された加熱要素を含むことができる。過去の実施形態では、加熱要素は、抵抗加熱要素を含むことができる。抵抗加熱要素は、電流がそこを流れるときに熱を発生するように構成されることができる。そのような加熱要素は、多くの場合、金属材料を含み、そこに電流を流すことに関連する電気抵抗の結果として熱を発生するように構成される。そのような抵抗加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物に近接して配置されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、抵抗加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物を吸引するように構成された液体輸送要素(例えば、多孔質セラミック、炭素、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ガラス繊維、または多孔質焼結ガラスを含むことができる芯)の周りに巻かれたワイヤの1つ以上のコイルを含むことができる。あるいは、加熱要素は、固体または半固体のエアロゾル前駆体組成物と接触して配置されてもよい。そのような構成は、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを発生することができる。
【0043】
電源と直接電気的に接続された抵抗加熱要素を有するエアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを発生するために使用されることができるが、そのような構成は、1つ以上の不利益を被ることがある。これに関して、抵抗加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物に隣接するかまたは接触する1つ以上のコイルを画定するワイヤを含むことができる。例えば、上記のように、コイルは、液体輸送要素(例えば、芯)の周りを包み、液体輸送要素を通して加熱要素に導かれたエアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾル化することができる。しかしながら、コイルが比較的小さな表面積を画定する結果として、エアロゾル前駆体組成物のいくらかは、エアロゾル化中に不必要に高い程度に加熱され、それによりエネルギを浪費することがある。代替的にまたは追加的に、加熱要素のコイルと接触していないエアロゾル前駆体組成物の一部は、エアロゾル化のために不十分な程度までしか加熱されないことがある。したがって、不十分なエアロゾル化が生じるか、またはエネルギ浪費を伴うエアロゾル化が生じることがある。前駆体からエアロゾルを放出するように意図された芯の部分を加熱要素が均一に加熱しないとき、エアロゾル発生速度が損なわれる可能性がある。
【0044】
さらに、上記のように、抵抗加熱要素は、電流がそこを通して伝導的に導かれると熱を発生する。したがって、エアロゾル前駆体組成物と接触して加熱要素を配置した結果として、エアロゾル前駆体組成物の焦げが生じることがある。そのような焦げは、加熱要素によって発生される熱の結果として、および/または電気が加熱要素においてエアロゾル前駆体組成物を通って移動する結果として生じることがある。焦げは、加熱要素への材料の蓄積をもたらすことがある。そのような材料の蓄積は、エアロゾル前駆体組成物から発生されるエアロゾルの味に悪影響を与えることがある。誘導加熱構造は、熱の均一な分布と全体の温度のより適切な制御を提供して、抵抗加熱要素によって引き起こされる可能性のある焦げの影響を低減することができる。
【0045】
さらに、エアロゾル送達装置は、電源を含む制御本体と、抵抗加熱要素およびエアロゾル前駆体組成物を備えるカートリッジとを備えることができる。電流を抵抗加熱要素に導くために、制御本体およびカートリッジは、カートリッジが制御本体と係合したときに互いに係合するように構成された電気コネクタを含むことができる。しかしながら、そのような電気コネクタの使用は、そのようなエアロゾル送達装置をさらに複雑にし、そのようなエアロゾル送達装置のコストを増加させることがある。さらに、流体エアロゾル前駆体組成物を含むエアロゾル送達装置の実施形態では、カートリッジ内の端子または他のコネクタにおいて、その漏れが生じることがある。したがって、本開示のいくつかの実施形態は、制御本体の一部とカートリッジの一部との間の電気的接触の必要性を排除することができる。
【0046】
したがって、本開示の実施形態は、上記の課題の一部または全てを回避することができるエアロゾル送達装置を対象とする。
【0047】
図1は、本開示の様々な例示的な実施形態による、制御本体102およびカートリッジ104を含むエアロゾル送達装置100の側面図を示している。特に、図1は、互いに結合された制御本体102およびカートリッジ104を示している。制御本体102およびカートリッジ104は、機能的関係で取り外し可能に整列されることができる。様々な機構がカートリッジを制御本体に接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合などをもたらすことができる。エアロゾル送達装置100は、カートリッジおよび制御本体が組み立てられた構成にある場合、いくつかの例示的な実施形態では、実質的に棒状、実質的に管状、または実質的に円筒状とすることができる。エアロゾル送達装置はまた、断面が実質的に矩形または菱形とすることができ、これは、扁平型電池を含む電源などの実質的に平坦な電源または薄膜電源とのより良好な適合性に役立つことができる。カートリッジおよび制御本体は、別個のそれぞれのハウジングまたは外側本体を含むことができ、これらは、いくつかの異なる材料のいずれかから形成されることができる。ハウジングは、任意の適切な構造的に健全な材料から形成されることができる。いくつかの例では、ハウジングは、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属または合金から形成されることができる。他の適切な材料は、様々なプラスチック(例えば、ポリカーボネート)、プラスチック上の金属めっき、セラミックなどを含む。
【0048】
いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置100の制御本体102またはカートリッジ104の一方または双方は、使い捨てであるまたは再利用可能であると呼ばれることができる。例えば、制御本体は、交換可能電池または再充電可能な電池を有することができ、したがって、壁充電器への接続、自動車充電器(すなわち、シガーライターのレセプタクル)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルまたはコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USBタイプC)などを介したコンピュータへの接続、光電池(太陽電池と呼ばれることもある)または太陽電池のソーラーパネルへの接続、または誘導無線充電を使用する充電器(例えば、ワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)からのQi無線充電規格に従う無線充電を含む)、または無線周波数(RF)ベースの充電器などの無線充電器を含む、任意のタイプの再充電技術と組み合わせられることができる。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Surらによる米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に説明されている。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、カートリッジは、その全体が参照により本明細書に組み込まれるChangらによる米国特許第8,910,639号明細書に開示されているように、使い捨てカートリッジを備えてもよい。
【0049】
図2は、1つの例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置100をより詳細に示している。そこに示されている断面図に見られるように、やはり、エアロゾル送達装置は、それぞれがいくつかのそれぞれの構成要素を含む制御本体102およびカートリッジ104を備えることができる。図2に示される構成要素は、制御本体およびカートリッジ内に存在することができる構成要素の代表であり、本開示によって含まれる構成要素の範囲を限定することが意図されるものではない。図示のように、例えば、制御本体は、制御構成要素208(例えば、個々にまたはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ)、流量センサ210、電源212および1つ以上の発光ダイオード(LED)214を含むことができる制御本体シェル206から形成されることができ、そのような構成要素は、可変的に整列させることができる。電源は、例えば、電池(使い捨てまたは再充電可能な)、固体電池、薄膜固体電池、スーパーキャパシタなど、またはそれらのいくつかの組み合わせを含むことができる。適切な電源のいくつかの例は、参照により組み込まれる、2015年10月21日に出願されたSurらによる米国特許出願第14/918,926号に提供されている。LEDは、エアロゾル送達装置100が装備されることができる適切な視覚的インディケータの一例とすることができる。LEDなどの視覚的インディケータに加えて、またはその代わりとして、オーディオインディケータ(例えば、スピーカ)、触覚インディケータ(例えば、振動モータ)などの他のインディケータが含まれることができる。
【0050】
制御構成要素208および流量センサ210は、別個に示されているが、制御構成要素および流量センサは、空気流量センサが直接取り付けられた電子回路基板として組み合わせることができることが理解される。さらに、電子回路基板は、電子回路基板が制御本体の中心軸に対して長さ方向に平行とすることができるという点で、図1の図に対して水平に配置されてもよい。いくつかの例では、空気流量センサは、それ自体の回路基板または、それが取り付けられ得る他のベース要素を備えてもよい。いくつかの例では、フレキシブル回路基板が利用されてもよい。フレキシブル回路基板は、実質的に管状の形状を含む様々な形状に構成されてもよい。いくつかの例では、フレキシブル回路基板は、以下にさらに説明されるように、ヒータ基板と組み合わせられる、ヒータ基板上に積層される、またはヒータ基板の一部もしくは全部を形成することができる。
【0051】
カートリッジ104は、エアロゾル前駆体をステージング(staging)するためのリザーバ218を取り囲むカートリッジシェル216から形成されることができる。アトマイザ220は、電気的に生成された熱を使用してエアロゾル前駆体からエアロゾルを生成するように構成される。空気入口と流体的に通信しているチューブ222によって画定される空気通路は、カートリッジシェル216に(例えば、マウスエンドにおいて)存在する開口224につながり、形成されたエアロゾルがカートリッジ104から出ることを可能にすることができる。チューブ222は、過剰なエアロゾル前駆体が開口224から漏れることを低減または排除するように構成されることができる。
【0052】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ構成要素、センサなどを含むことができる1つ以上の電子コンポーネント226を含むことができる。電子コンポーネントは、有線または無線手段によって制御構成要素208および/または外部装置と通信するように適合されることができる。電子コンポーネントは、カートリッジまたはそのベース228内のどこにでも配置されることができる。
【0053】
制御本体102およびカートリッジ104は、それらの間の流体係合を促進するように適合された構成要素を含むことができる。図2に示すように、制御本体は、内部に空洞232を有するカプラ230を含むことができる。カートリッジのベース228は、カプラと係合するように適合されることができ、空洞内に嵌合するように適合された突起234を含むことができる。そのような係合は、制御本体とカートリッジとの間の安定した接続を容易にするとともに、制御本体内の電源212と制御構成要素208とカートリッジ内のアトマイザ220との間の電気的接続を確立することができる。さらに、制御本体シェル206は、吸気口236を含むことができ、これは、シェルのノッチとすることができ、カプラ230に接続し、周囲空気の、カプラの周りのおよびシェルへの通過を可能にし、それで、周囲空気は、カプラの空洞232を通過して突起234を通ってカートリッジに入る。
【0054】
本開示による有用なカプラおよびベースは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Novakらによる米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に説明されている。例えば、図2に見られるようなカプラ230は、ベース228の内周240とつがいになるように構成された外周238を画定してもよい。一例では、ベースの内周は、カプラの外周の半径に実質的に等しいか、それよりも僅かに大きい半径を画定してもよい。さらに、カプラは、ベースの内周に画定された1つ以上の凹部244と係合するように構成された外周に1つ以上の突起242を画定することができる。しかしながら、構造、形状、および構成要素の他の様々な例を使用して、ベースをカプラに結合することができる。いくつかの例では、カートリッジ104のベースと制御本体102のカプラとの間の接続は、実質的に永続的とすることができるが、他の例では、それらの間の接続は、例えば、制御本体が使い捨ておよび/または詰め替え可能とすることができる1つ以上の追加カートリッジとともに再利用されることができるように、解放可能であってもよい。
【0055】
図2に示されるリザーバ218は、容器とすることができるか、または繊維性リザーバとすることができる。例えば、リザーバは、この例では、カートリッジシェル216の内部を取り囲むチューブの形状に実質的に形成された1つ以上の不織布繊維の層を含むことができる。エアロゾル前駆体組成物は、リザーバに保持されることができる。例えば、液体成分は、リザーバによって吸収的に保持されることができる。リザーバは、アトマイザ220と流体接続することができる。
【0056】
使用中、ユーザがエアロゾル送達装置100を吸引すると、空気流が流量センサ210によって検出され、アトマイザ220がアクティブ化されてエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させる。エアロゾル送達装置のマウスエンドを吸引することは、周囲空気を、吸気口236に入らせ、カプラ230の空洞232およびベース228の突起234の中央開口を通過させる。カートリッジ104では、吸引された空気は、形成された蒸気と結合してエアロゾルを形成する。エアロゾルは、アトマイザ220から払いのけられ、吸い込まれ、または他の方法で引き離され、エアロゾル送達装置のマウスエンドの開口224から出る。
【0057】
いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、いくつかの追加のソフトウェア制御機能を含むことができる。例えば、エアロゾル送達装置は、電源入力、電源端子の負荷、および充電入力を検出するように構成された電源保護回路を含むことができる。電源保護回路は、短絡保護、不足電圧ロックアウト、および/または過電圧充電保護を含むことができる。エアロゾル送達装置はまた、周囲温度測定のための構成要素を含むことができ、その制御構成要素208は、充電開始前または充電中に、周囲温度が特定の温度(例えば、0℃)未満または特定の温度(例えば、45℃)を超えている場合、電源の-特に任意の電池の-充電を禁止するための少なくとも1つの機能要素を制御するように構成されることができる。
【0058】
電源212からの電力供給は、電力制御機構にしたがって装置100における各吹かしの経過にわたって変化することができる。ユーザまたは構成要素の故障(例えば、流量センサ210)が装置に連続的に吹かしを試みさせた場合、制御構成要素208が、少なくとも1つの機能要素を制御して、ある時間(例えば、4秒)後に吹かしを自動的に終了することができるように、装置は、「長い吹かし」安全タイマーを含むことができる。さらに、装置における吹かし間の時間は、ある期間(例えば、100秒)未満に制限されることができる。ウォッチドッグ安全タイマーは、制御構成要素または走っているソフトウェアが不安定になり、適切な時間間隔(例えば、8秒)以内にタイマーにサービスしない場合、エアロゾル送達装置を自動的にリセットすることができる。不注意な加熱を防止するためにエアロゾル送達装置を永久的にディセーブルすることなどにより、流量センサ210に欠陥があるかまたは故障した場合、さらなる安全保護が提供されることができる。圧力センサが故障した場合、吹かし制限スイッチが装置を非アクティブ化し、最大4秒の吹かし時間後に停止することなく装置を継続的にアクティブ化させることができる。
【0059】
エアロゾル送達装置100は、(カートリッジ内のイーリキッド装填に照らして計算された利用可能な吹かしの数に基づいて)取り付けられたカートリッジについて所定数の吹かしが達成されると、ヒータロックアウトのために構成された吹かし追跡アルゴリズムを含むことができる。エアロゾル送達装置は、スリープ、スタンバイ、または低電力モード機能を含むことができ、それにより、規定された非使用期間の後に、電力送達が自動的に遮断されることができる。電源212の充電/放電サイクルがその寿命にわたって制御構成要素208によって監視されることができるという点で、さらなる安全保護が提供されることができる。電源が所定数(例えば、200)に等しい完全放電および完全再充電サイクルに到達した後、それは空になったと宣言されることができ、制御構成要素は、少なくとも1つの機能要素を制御して電源のさらなる充電を防ぐことができる。
【0060】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、当該技術で説明されて市販されている構成要素から選択され得る。本開示にしたがって使用され得る電池の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Peckerarらによる米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に説明されている。
【0061】
エアロゾル送達装置100は、エアロゾル生成が望まれるとき(例えば、使用中の吸引時)に少なくともアトマイザ220への電力供給を制御するためのセンサ210または他のセンサまたは検出器を組み込むことができる。したがって、例えば、使用中にエアロゾル送達装置が吸引されていないときにアトマイザへの電力供給をオフにし、吸引中にアトマイザによる熱の生成を作動またはトリガするために電力供給をオンにするやり方または方法が提供される。さらなる代表的なタイプの検知または検出機構、その構造および構成、その構成要素、およびその動作の一般的な方法は、Sprinkel,Jr.による米国特許第5,261,424号明細書、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書、およびFlickによる国際公開第2010/003480号パンフレットに説明されており、それらの全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
エアロゾル送達装置100は、最も好ましくは、吸引中のアトマイザ220への電力量を制御するための制御構成要素208または他の制御機構を組み込む。代表的なタイプの電子コンポーネント、その構造および構成、その特徴、およびその一般的な動作方法は、Gerthらによる米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらによる米国特許第4,947,874号明細書、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらによる米国特許第7,040,314号明細書、Panによる米国特許第8,205,622号明細書、Fernandoらによる米国特許出願公開第2009/0230117号明細書、Colletらによる米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Ampoliniらによる米国特許出願公開第2014/0270727号明細書、および2014年3月13日に出願されたHenryらによる米国特許出願第14/209,191号に説明されており、それらの全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
本開示の例示的な実施形態によれば、制御構成要素208は、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)インバータトポロジにしたがって電流をアトマイザ220に導くように構成されることができ、エアロゾル送達装置100において発生される熱量を低減することができる。ZVS機能のさらなる実施形態は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Surによる米国特許出願公開第2017/0202266号明細書に説明されている。
【0064】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的なタイプのリザーバ218または他の構成要素は、Newtonによる米国特許第8,528,569号明細書、Chapmanらによる米国特許出願公開第2014/0261487号明細書、2013年8月28日に出願されたDavisらによる米国特許出願第14/011,992号、および2014年2月3日に出願されたBlessらによる米国特許出願第14/170,838号に説明されており、それらの全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、様々なウィッキング(wicking)材料、および特定のタイプの電子タバコ内のこれらのウィッキング材料の構成および動作は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Searsらによる米国特許出願公開第2014/0209105号明細書に記載されている。
【0065】
蒸気前駆体組成物とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例として、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、またはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物、および/または香味料を含む様々な成分を含んでもよい。代表的なタイプのエアロゾル前駆体成分および製剤もまた、これらの開示が参照により本明細書に組み込まれる、Robinsonらによる米国特許第7,217,320号明細書およびZhengらによる米国特許出願公開第2013/0008457号明細書;Chongらによる2013/0213417;Collettらによる2014/0060554;Lipowiczらによる2015/0020823;およびKollerによる2015/0020830、ならびにBowenらによる国際公開第2014/182736号パンフレットに記載されて特徴付けられる。使用される他のエアロゾル前駆体は、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Imperial Tobacco Group PLCによるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、およびCN Creative Ltd.によるVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体を含む。また、Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。
【0066】
視覚的合図またはインディケータ214をもたらす追加の代表的なタイプの構成要素は、視覚的インディケータおよび関連構成要素、音声インディケータ、触覚インディケータなど、エアロゾル送達装置100において使用されてもよい。適切なLED構成要素の例、ならびにその構成および使用法は、Sprinkelらによる米国特許第5,154,192号明細書、Newtonによる米国特許第8,499,766号明細書、Scatterdayによる米国特許第8,539,959号明細書、および2014年2月5日に出願されたSearsらによる米国特許出願第14/173,266号に説明されており、それらの全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
本開示のエアロゾル送達装置に組み込むことができるさらに他の特徴、制御または構成要素は、Harrisらによる米国特許第5,967,148号明細書、Watkinsらによる米国特許第5,934,289明細書、Countsらによる米国特許第5,954,979号明細書、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書、Honによる米国特許第8,365,742号明細書、Fernandoらによる米国特許第8,402,976号明細書、Kataseによる米国特許出願公開第2005/0016550号明細書、Fernandoらによる米国特許出願公開第2010/0163063号明細書、Tuckerらによる米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Levenらによる米国特許出願公開第2013/0298905号明細書、Kimらによる米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastianらによる米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novakらによる米国特許出願公開第2014/0261495号明細書、およびDePianoらによる米国特許出願公開第2014/0261408号明細書に説明されており、それらの全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
制御構成要素208は、いくつかの電子コンポーネントを含み、いくつかの例では、電子コンポーネントを支持して電気的に接続するプリント回路板(PCB)から形成されることができる。電子コンポーネントは、マイクロプロセッサまたはプロセッサコア、およびメモリを含むことができる。いくつかの例では、制御構成要素は、統合されたプロセッサコアおよびメモリを備えたマイクロコントローラを含むことができ、さらに1つ以上の統合された入力/出力周辺機器を含むことができる。いくつかの例では、制御構成要素は、通信インターフェース246に結合されて、1つ以上のネットワーク、コンピューティング装置、または他の適切に有効化された装置との無線通信を可能にすることができる。適切な通信インターフェースの例は、2015年3月4日に出願されたMarionらによる米国特許出願第14/638,562号に開示されており、その内容は、その全体が参照により組み込まれる。また、エアロゾル送達装置が無線で通信するように構成されることができる適切な方法の例は、2014年7月10日に出願されたAmpoliniらによる米国特許出願第14/327,776号および2015年1月29日に出願されたHenry,Jr.らによる米国特許出願第14/609,032号に開示されており、それぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
図3は、アトマイザ220のより詳細な図を示している。いくつかの例示的な実施形態によれば、アトマイザ220は、少なくとも制御構成要素208(例えば、図2を参照)を介するなどして、電源212と導電的に電気通信する誘導送信機250を含むことができる。誘導送信機250は、コイル252の形態をとることができる。電源212からの電流は、制御構成要素208によって制御されて、誘導送信機250に選択的に導かれることができる。例えば、制御構成要素208は、エアロゾル送達装置100の吸引が流量センサ206(図2)によって検出されると、電源212から誘導送信機250に電流を導くことができる。
【0070】
誘導送信機250は、変圧器の一部を形成するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、制御構成要素208は、電源212によって提供される直流を誘導送信機250に提供される交流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含むことができる。制御構成要素208によって電源212から導かれたときの誘導送信機250における電流の変化は、誘導受信機260において渦電流を誘導するために使用されることができる交流(例えば、振動)電磁場を発生することができる。
【0071】
本開示の態様による誘導受信機260は、サセプタおよび芯の二重機能を提供するように構成される。いくつかの例では、誘導受信機260は、本明細書ではサセプタと呼ばれることがある。したがって、本開示のいくつかの実施形態によれば、誘導受信機260は、渦電流が誘導されることができる材料を含み、誘導受信機260の材料の内部抵抗による熱の生成をもたらす。適切な材料は、金属(鉄、鋳鉄、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、青銅)、導電性炭素系材料、強磁性/圧電セラミック、セラミックマトリックス複合材料(金属/セラミック/炭素強化によるセラミック)、ポリマーマトリックス複合材料(金属/セラミック/炭素強化によるポリマー)、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0072】
誘導受信機260を画定する材料内を流れようとする渦電流は、ジュール効果によって誘導受信機を加熱することができ、発生される熱量は、電流の二乗に誘導受信機の材料の電気抵抗を乗じたものに比例する。磁性材料を備える誘導受信機260の実施形態では、熱はまた、磁気ヒステリシス損失によって生成されることができる。これらに限定されるものではないが、誘導送信機250への近接性、磁場の分布、誘導受信機の材料の電気抵抗率、材料の、飽和磁束密度、表皮効果または深さ、ヒステリシス損失、磁化率、透磁率、および双極子モーメントを含む、いくつかの要因が誘導受信機260の温度上昇に寄与する。
【0073】
これに関して、誘導受信機260および誘導送信機250の双方は、導電性材料を備えることができる。例として、誘導送信機250および/または誘導受信機260は、銅およびアルミニウムなどの金属、導電性材料の合金(例えば、反磁性、常磁性、または強磁性材料)または1つ以上の導電性材料が埋め込まれたセラミックもしくはガラスなどの他の材料などの様々な導電性材料を含むことができる。他の実施形態では、誘導受信機260は、エアロゾル前駆体組成物によって満たされたリザーバに受け入れられた様々なサイズおよび形状のいずれかの導電性粒子または物体を含むことができる。いくつかの実施形態では、誘導受信機は、エアロゾル前駆体組成物との直接接触を防止するために、熱伝導パッシベーション層(例えば、ガラスの薄層)でコーティングされるか、そうでなければそれを含むことができる。
【0074】
誘導受信機260は、複数の材料から構築されることができる。例えば、誘導受信機260のサセプタ領域262は、熱を生成するように構成されることができ、したがって、熱伝導性材料を必要とし得る。誘導受信機260のウィッキング領域264は、高温に加熱される必要がない場合がある。したがって、ウィッキング領域は、低い熱伝導率の材料から構築されることができるか、低い熱伝導率の材料によってコーティングされることができる。
【0075】
誘導送信機250を、誘導受信機260の一部に隣接するかまたは巻き付けて配置することにより、誘導送信機の交流が使用されて、誘導受信機の少なくとも一部(例えば、サセプタ領域262)を加熱することができる。誘導受信機260によって発生される熱は、エアロゾルまたは蒸気が発生されるように、エアロゾル前駆体組成物を加熱することができる。
【0076】
上述したように、誘導受信機260は、リザーバ218内にステージングされた(staged)エアロゾル前駆体と直接接触し、エアロゾル前駆体をリザーバから誘導受信機260のサセプタ領域262に運ぶための芯として機能することができる。他の実施形態では、誘導受信機260は、追加のウィッキング材料を通してリザーバ218からエアロゾル前駆体を受け取り、それにより、リザーバ218によってステージングされたエアロゾル前駆体と間接的に接触する。本明細書において使用される場合、動作可能に接触とは、リザーバ内にステージングされたエアロゾル前駆体との直接的または間接的な接触を通してエアロゾル前駆体を受け取ることができることを意味する。
【0077】
誘導受信機260は、誘導受信機の材料および構造に設計された毛細管現象を通してエアロゾル前駆体を吸収および吸い上げることができる。例えば、誘導受信機260は、発泡鉄(iron foam)などの熱伝導性材料から作成された連続気泡発泡体(open cell foam)などの多孔質材料とすることができる。ランダムに分布した連続気泡細孔(open-celled pore)は、毛細管現象によりエアロゾル前駆体を吸収することができる。細孔は、ナノ細孔、メソ細孔、ミクロ細孔、マクロ細孔、またはそれらの組み合わせとすることができる。細孔は、ランダムに分布した細孔または均一に分布した細孔とすることができる。材料の多孔度は、1から99パーセントの範囲とすることができる。
【0078】
他の実施形態では、誘導受信機260は、エアロゾル前駆体がリザーバ218から誘導受信機260のサセプタ領域262に移動することができるように構成された、予め設計された溝、様々な形状のチャネルまたは隙間、孔、ハニカム、またはそれらの組み合わせを有することができる。
【0079】
図4は、第1の実施形態による誘導受信機260の概略図である。誘導受信機260は、1インチ当たり約50から200個の細孔、好ましくは1インチ当たり約100個の細孔を有する発泡鉄から作られる。誘導受信機260は、環状リング266、二等分コア268、および複数の半径方向に延びる脚270を有して構成される。図示された実施形態では、脚270は、リザーバ218(図2)内のエアロゾル前駆体と接触して延びるように構成されることができる。図示されたサンプルは、4つの脚270を含むが、脚の数は、例えば、2本、4本、6本、8本、またはそれ以上と異なることができる。脚270の数はまた偶数に限定されるものではない。一例では、突出する脚270のない円盤形状が使用されることができる。脚270は、エアロゾル送達装置100の向きに関係なく、エアロゾル前駆体のピックアップを提供するために、半径方向に等間隔で構成されることができる。図示されたサンプルは、製造可能性および組み立てに関して利点を提供することができる。誘導送信機250のコイル252は、コア268に隣接して配置されることができるか、またはコアの周りを包むように構成されることができる。
【0080】
一例が図4に示されているが、誘導受信機260は、形状が必ずしも限定されず、円盤、円、チューブ、矩形、らせん、棒、立方体、球、またはそれらの組み合わせなどの代替形状も含むことができる。
【0081】
図5は、代替の誘導受信機260’の概略図である。誘導受信機260’は、メッシュ材料のシートを、らせん状に曲がった柱へと巻くことによって形成された棒形状である。メッシュは、1インチ当たり約100から約500個の細孔、好ましくは1インチ当たり約220個の細孔の範囲の細孔サイズで構築されることができる。メッシュは、振動磁場の存在下で熱を発生させることができるステンレス鋼または他の導電性材料とすることができる。誘導受信機260’は、図2に示されるエアロゾル送達装置100の長手方向軸に対して実質的に垂直に構成されることができる。誘導受信機260’はまた、以下にさらに詳細に記載されるように、カートリッジ104の追加の実施形態によるエアロゾル送達装置100の長手方向軸と実質的に平行な設置にも適することができる。
【0082】
図6は、他の実施形態によるエアロゾル送達装置100の代替の制御本体602の係合端部の部分断面図を概略的に示している。図示された実施形態は、追加の利点を有することができる、何故なら、制御本体602が、図2の制御本体102とカートリッジ104との間で使用されるようなコネクタ230を通した物理的電気的接触なしに、エネルギをカートリッジに無線で送信することができるからである。制御本体602は、上述した制御本体102と同じ構成要素のうちの多くを有することができる。制御本体602は、外側本体606とともに構成された誘導送信機250をさらに備えることができる。外側本体606は、係合端部から外側端部まで延びることができる。誘導送信機250は、管状の構成を画定することができる。図6に示されるように、誘導送信機250は、コイル252およびコイル支持体254を含むことができる。管状構成を画定することができるコイル支持体254は、コイルが誘導受信機260’(例えば、図5を参照)または他の構造と接触して移動せず、それによって短絡しないようにコイル252を支持するように構成されることができる。コイル支持体254は、コイル252によって発生される振動磁場に対して実質的に透明とすることができる非導電性材料を含むことができる。コイル支持体は、任意選択とすることができる。コイル支持体254は、外側本体606への熱の伝達を制限するための断熱材料であってよい。コイル252は、コイル支持体254に埋め込まれるか、そうでなければ結合されてもよい。図示された実施形態では、コイル252は、振動磁場を誘導受信機に送信することに関連するあらゆる損失を低減するように、コイル支持体254の内面と係合している。しかしながら、他の実施形態では、コイルは、コイル支持体の外面に配置されるか、またはコイル支持体に完全に埋め込まれてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、コイルは、コイル支持体上に印刷された、またはそうでなければ結合された電気トレース、またはワイヤを含むことができる。いずれの実施形態においても、コイルは、らせん状の構成を画定することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、誘導送信機250は、支持部材670に結合されることができる。支持部材670は、誘導送信機250と係合し、外側本体606内の誘導送信機を支持するように構成されることができる。例えば、誘導送信機が外側本体606内に固定的に配置されるように、誘導送信機250は、支持部材670に埋め込まれるか、そうでなければ結合されてもよい。さらなる例として、誘導送信機250は、支持部材670に射出成形されてもよい。
【0084】
支持部材670は、外側本体606の内面と係合して、外側本体に対する支持部材の位置合わせを提供することができる。それにより、支持部材670と誘導送信機250との間の固定された結合の結果として、誘導送信機の長手方向軸は、外側本体606の長手方向軸に実質的に平行に延びることができる。したがって、誘導送信機250は、誘導送信機から外側本体への電流の送信を回避するように、外側本体606と接触しないように配置されることができる。
【0085】
誘導送信機250は、振動磁場を発生するために、上記と同様の方法で交流の形態で電源212(図2)から電流を受け取るように構成されることができる。
【0086】
図7は、例えば、以下により詳細に例示および議論される誘導受信機260’’、または図5に示す誘導受信機260’など、本開示の態様による誘導受信機を組み込んだ、本開示の実施形態によるカートリッジ704の概略断面図を示している。
【0087】
図示されるように、カートリッジ704は、外側本体706から延びる誘導受信機260’’を含むことができる。外側本体706は、外側本体と一体とされることができるマウスピース708を提供することができる。外側本体706は、リザーバ718を少なくとも部分的に取り囲むことができる。エアロゾル前駆体が誘導受信機260’’を通してシーリング部材を通過することを可能にしつつ、リザーバ718を実質的に閉鎖するために、シーリング部材720を使用することができる。シーリング部材720は、ゴムまたはシリコーン材料などの弾性材料を含むことができる。接着剤が使用されて、シーリング部材720と外側本体206との間の封止をさらに改善することができる。他の実施形態では、シーリング部材720は、プラスチック材料または金属材料などの非弾性材料を含むことができる。これらの実施形態では、シーリング部材720は、外側本体706に(例えば、超音波溶接を介して)接着または溶接されてもよい。
【0088】
誘導受信機260’’は、リザーバ718と流体的に通信するピックアップ領域264’’および例えばエアロゾル送達装置の長手方向軸に沿って外側本体706から延びるサセプタ領域262’’を置くために、シーリング部材720と係合されてそれを通って延ばされ得る。巻かれたメッシュ材料(図5)から形成された誘導受信機260’は、誘導受信機260’’と同様の細長い円筒形の外部構成を有する。当業者は、誘導受信機260’が図7に示されるものとほとんど同じ構成でカートリッジ704の一部を形成することができることを理解するであろう。
【0089】
一実施形態では、誘導受信機260’’は、シーリング部材720に部分的に埋め込まれることができる。例えば、誘導受信機260’’は、それらの間に緊密な封止および接続が形成されるように、シーリング部材720に射出成形されてもよい。したがって、シーリング部材720は、誘導受信機を所望の位置に保持することができる。例えば、誘導受信機260’’は、誘導受信機の長手方向軸が外側本体706の長手方向軸と実質的に同軸に延びるように配置されることができる。
【0090】
図示されていない他の実施形態では、誘導受信機260’’は、外側本体706を通してリザーバ718と流体接触するように延びることができ、シーリング部材720は、カートリッジ704の反対側の端部に置かれることができる。シーリング部材720は、リザーバ720がエアロゾル前駆体によって再充填されることを可能にするために取り外し可能とすることができる。
【0091】
上記のように、本開示のカートリッジ104、704のそれぞれは、制御本体102、602と連携して動作して、エアロゾルを発生するように構成される。例として、図8は、制御本体602と係合したカートリッジ704を示している。図示のように、制御本体602がカートリッジ704と係合すると、誘導送信機250は、少なくとも誘導受信機260’’のサセプタ領域262’’を少なくとも部分的に囲むことができ、いくつかのそのような実施形態では、実質的に囲むまたは完全に囲むことができる(例えば、その周囲に延びることにより)。さらに、誘導送信機250は、誘導受信機262’’の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って延びることができる。いくつかの実施形態では、誘導送信機250は、誘導受信機262’’の長手方向の長さの大部分に沿って延びることができる。他の実施形態では、誘導送信機250は、リザーバ718の外部にある誘導受信機262’’の長手方向の長さの実質的に全てに沿って延びることができる。
【0092】
したがって、ユーザがカートリッジ704のマウスピース708を吸引すると、制御構成要素208(図2)は、電流を電源212から誘導送信機250に導くことができる。それにより、誘導送信機250は、振動磁場を発生することができる。誘導受信機260’’が誘導送信機250によって少なくとも部分的に囲まれている実施形態においてなど、誘導受信機260’’が誘導送信機250に隣接している結果として、誘導受信機は、誘導送信機によって発生される振動磁場に曝されることができる。その結果、誘導受信機260’’を画定する材料を流れる渦電流は、ジュール効果を通して誘導受信機を加熱することができる。したがって、誘導受信機260’’によって発生された熱は、ウィッキング領域264’’によって、リザーバ718から外側本体706の外側のサセプタ領域262’’に吸い上げられたエアロゾル前駆体を加熱することができる。
【0093】
エアロゾル802は、制御本体602内に画定されることができる入口810を通って入る空気804と混合されることができる。したがって、混合された空気およびエアロゾルがユーザに導かれることができる。例えば、混合された空気およびエアロゾルは、カートリッジ704の外側本体706に画定された1つ以上の貫通孔826を通してユーザに導かれることができる。しかしながら、理解されることができるように、エアロゾル送達装置100を通る流れパターンは、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な方法のいずれかで上で説明された特定の構成から変化することができる。
【0094】
図9は、図8の実施形態による誘導受信機260’’を概略的に示している。誘導受信機260’’はまた、図2および図3に関して図示および説明されるように、カートリッジ104での使用に適することができる。上で説明された誘導受信機260および260’と同様に、図9の図示された実施形態は、単一の構造でサセプタの加熱特性および芯の流体輸送特性の双方を提供する。上述した誘導受信機のいくつかの実施形態とは異なり、本実施形態は、複数の材料から形成された単一の構造を使用する。誘導受信機260’’は、多孔質セラミックシリンダなどの適切な材料から形成されたウィッキングコア280を含む。誘導受信機260’’のサセプタ特性は、酸化アルミニウム、酸化鉄またはこれらの組み合わせなどの適切な強磁性材料を含む外部コーティングなどの導電性または半導電性コーティング282を適用することによって、ウィッキングコア280に追加される。コーティング282は、焼結などの適切なプロセスを通してウィッキングコア280と永久的に接合されることができる。そして、コーティング282およびウィッキングコア280は、誘導受信機260または誘導受信機260’のいずれかの代わりに使用されることができる。
【0095】
一例では、層毎のコーティング法を使用して、セラミック表面をマイクロからナノサイズの酸化鉄粒子によってコーティングした。コーティング手順は、以下のステップを含んだ:1)ウィッキングコアが400~500℃で30分間加熱された、2)1.5~2%(w/w)ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)溶液にウィッキングコアが2分間浸漬され、オーブンを使用して70℃で1時間乾燥された、3)1.5~2%(w/w)カルボキシメチルセルロース溶液にウィッキングコアが2分間浸漬され、70℃で1時間乾燥された、4)そして、不安定化剤としての5~10mMの過塩素酸ナトリウムを含有するコロイド状酸化鉄溶液に、誘導受信機が5分間浸漬され、70℃で乾燥された。最後に、コーティングされた芯がオーブンにおいて400~500℃で30分間焼結されて、セラミック芯表面の酸化鉄粒子コーティングが安定化された。
【0096】
上記の例示的なプロセスでは、PDDAの代わりに他の無機化合物が使用されて、ウィッキングコアの表面を活性化し、より強い結合を形成することができる。上記の例示的なプロセスでは、各ステップの、材料の濃度、温度、および期間を変えることができる。他の実施形態では、酸化鉄粒子および過塩素酸ナトリウム電解質を使用する代わりに、FeClまたはFe(NOなどの他の酸化鉄前駆体。電磁波を吸収して最大渦電流を循環させるために必要な酸化鉄膜の厚さに応じて、例えば約2回から約100回、ステップ3および4が繰り返されることができる。他の一般的なコーティングおよび堆積技術も同様に使用されることができる。
【0097】
エアロゾル前駆体を吸い上げることができるサセプタとして構成される本開示の態様による適切な誘導受信機260、260’、および260’’を説明してきたが、エアロゾルを形成する方法は、当業者にとって明らかであろう。例えば、本開示の誘導受信機は、本明細書に記載される誘導受信機など、エアロゾル前駆体をサセプタに吸収させるステップを含むエアロゾルを形成する方法を容易にすることができる。本方法はまた、サセプタの近傍に振動磁場を生成した結果としてサセプタ内に吸収されたエアロゾル前駆体の少なくともいくらかを気化させるのに十分な熱を生成するように、サセプタを誘導するステップを含むことができる。
【0098】
本開示の多くの変更および他の実施形態を、前述の説明および関連する図面に示された教示の利益を有する、本開示に関係する当業者が、思い付くであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは、一般的、説明的な意味でのみ使用され、限定のためではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
リザーバ内にステージングされたエアロゾル前駆体と、
誘導を通して熱を生成するように構成されたアトマイザと
を備え、
アトマイザが、誘導送信機および誘導受信機を備え、
誘導受信機が、リザーバ内のエアロゾル前駆体と動作可能に接触しており、誘導送信機の範囲にエアロゾル前駆体を吸い上げて加熱および気化されるように構成されており、
誘導受信機が、ウィッキング領域と別個のサセプタ領域とを画定し、ウィッキング領域およびサセプタ領域は、互いに異なる材料を含む、エアロゾル送達装置。
【請求項2】
ウィッキング領域およびサセプタ領域が、互いに異なる熱伝導率を有する材料を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
制御本体は、カートリッジに分離可能に取り付けられた電源を収納する制御本体をさらに備え、カートリッジが少なくとも部分的にリザーバを画定する、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
誘導送信機が、制御本体から分離可能であるようにカートリッジ内に少なくとも部分的に収納される、請求項3に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
誘導送信機に、制御本体からカートリッジにエネルギを無線で伝える制御本体が提供される、請求項3に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
誘導送信機が導電性コイルを備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
導電性コイルが誘導受信機の少なくとも一部を取り囲む、請求項6に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
導電性コイルが誘導受信機の少なくとも一部に隣接して配置される、請求項6に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
誘導受信機は、らせん状に巻かれてシリンダを形成する導電性メッシュシート材料を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
誘導受信機が、金属、強磁性セラミック、またはグラファイトから選択される、多孔性の導電性あるいは半導電性材料を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項11】
誘導受信機が多孔質鉄フォームを備える、請求項10に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項12】
誘導受信機が、ウィッキングコアおよび導電性または半導電性コーティングを備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項13】
コーティングが、焼結によってウィッキングコアに実質的に永久的に接合される、請求項12に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項14】
ウィッキングコアが多孔質セラミックを備える、請求項13に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項15】
エアロゾル送達装置であって、
電源と、
誘導送信機と、
サセプタと
を備え、
サセプタが、エアロゾル前駆体を吸収可能であり、吸収するように構成され、
誘導送信機が、振動磁場を生成するように構成され、
サセプタが、振動磁場に応答して熱を生成して、サセプタによって吸収されたエアロゾル前駆体の少なくともいくらかをエアロゾルに気化させるように構成されており、
サセプタが、ウィッキング領域と別個のサセプタ領域とを画定し、ウィッキング領域およびサセプタ領域は、互いに異なる材料を含む、エアロゾル送達装置。
【請求項16】
ウィッキング領域およびサセプタ領域が、互いに異なる熱伝導率を有する材料を備える、請求項15に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項17】
サセプタが、らせん状に巻かれてシリンダを形成する導電性メッシュシート材料を備える、請求項15に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項18】
サセプタが多孔質導電性材料を備える、請求項15に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項19】
サセプタが、ウィッキングコアおよび導電性または半導電性コーティングを備える、請求項15に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項20】
コーティングが、焼結によってウィッキングコアに実質的に永久的に接合される、請求項19に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項21】
エアロゾル送達装置であって、
リザーバ内にステージングされたエアロゾル前駆体と、
誘導を通して熱を生成するように構成されたアトマイザと、
を備え、
アトマイザが、誘導送信機および誘導受信機を備え、
誘導受信機が、リザーバ内のエアロゾル前駆体と動作可能に接触しており、誘導送信機の範囲にエアロゾル前駆体を吸い上げて加熱および気化されるように構成されており、
誘導受信機が、多孔質導電性材料を備え、
誘導受信機が、環状リング、二等分コア、および環状リングから半径方向に延びる複数の脚を備える、エアロゾル送達装置。
【請求項22】
カートリッジに分離可能に取り付けられた電源を収容する制御本体をさらに備え、カートリッジが少なくとも部分的にリザーバを画定する、請求項21に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項23】
誘導送信機に、制御本体からカートリッジにエネルギを無線で伝える制御本体が提供される、請求項22に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項24】
誘導送信機が、導電性コイルを備える、請求項21に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項25】
導電性コイルが、誘導受信機の少なくとも一部を取り囲む、請求項24に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項26】
導電性コイルが、誘導受信機の少なくとも一部に隣接して配置される、請求項24に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項27】
誘導受信機が、金属、強磁性セラミック、またはグラファイトから選択される、多孔性の導電性または半導電性材料を備える、請求項21に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項28】
誘導受信機が多孔質鉄フォームを備える、請求項27に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項29】
誘導受信機は、振動磁場に応答して熱を発生させて、サセプタによって吸収されたエアロゾル前駆体の少なくともいくらかを気化させてエアロゾルにするように構成される、請求項21に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項30】
電源および誘導送信機と電気的に通信する少なくとも1つの制御構成要素をさらに含む、請求項22に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項31】
エアロゾル送達装置での吸入を検出するように構成された流量センサをさらに含む、請求項30に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項32】
制御構成要素は、エアロゾル送達装置での吸入が流量センサによって検出されると、電源から誘導送信機に電流を導くように構成される、請求項31に記載のエアロゾル送達装置。
【外国語明細書】