(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050668
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】がんの治療方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/451 20060101AFI20240403BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240403BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240403BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61K31/451
A61P35/00
A61P35/02
A61P7/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024008582
(22)【出願日】2024-01-24
(62)【分割の表示】P 2021510264の分割
【原出願日】2019-04-30
(31)【優先権主張番号】62/664,673
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/781,942
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/701,088
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/834,848
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】520423806
【氏名又は名称】カルトス セラピューティクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ロスバウム,ウェイン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ヒト対象において真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、および原発性骨髄線維症を含む骨髄増殖性腫瘍(MPN)を含むがんを治療するための治療方法および医薬組成物を提供する。
【解決手段】ある特定の実施形態では、本発明は、式(I)または式(II)のMDM2阻害剤を使用するMPNを治療する治療方法を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨髄増殖性腫瘍(MPN)を治療する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、前記MDM2阻害剤が式(I)もしくは式(II)の化合物または式(II)の化合物:
【化1】
またはその薬学的に許容される塩である、方法。
【請求項2】
前記MPNが真性多血症(PV)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MPNが瀉血依存性真性多血症である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記MPNが血小板血症である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
血小板血症が本態性血小板血症(ET)である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記MPNが骨髄線維症である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
骨髄線維症が、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ヒト対象が、以前のルキソリチニブ療法に応答しなかった者である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記MPNが全身性肥満細胞症(SM)である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記MPNが慢性好中球性白血病(CNL)である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記MPNが骨髄異形成症候群(MDS)である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記MPNが全身性肥満細胞病(SMCD)である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記MPNが慢性好酸球性白血病である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記MPNが慢性骨髄単球性白血病(CMML)である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記MPNが非定型慢性骨髄性白血病(aCML)である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記MPNが若年性骨髄単球性白血病(JMML)である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記MPNが好酸球増多症候群(HES)である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記MPNが、環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
式(I)または式(II)の前記化合物が結晶形態である、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
式(I)または式(II)の前記化合物が遊離形態である、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物の薬学的に許容される塩である、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
式(I)または式(II)の前記化合物が非晶質形態である、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記結晶形態が、約11.6、12.4、18.6、19.0、21.6および23.6±0.1におけるピークからなる群から選択される回折角度2シータ度における少なくとも3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
式(I)または式(II)の前記化合物が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日1回投与される、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
式(I)または式(II)の前記化合物が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日2回投与される、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記ヒトが21日サイクルの1~7日目に前記MDM2阻害剤を用いて治療され、8~21日目に前記ヒトが前記MDM2阻害剤を用いて治療されない、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
式(I)または式(II)の前記化合物が経口的に投与される、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記MDM2阻害剤の前記治療有効量が120mgである、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記MPNがJAK2V617F突然変異により特徴付けられる、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
骨髄増殖性腫瘍(MPN)の治療において使用するためのMDM2阻害剤であって、前記治療が、それを必要とするヒト対象に治療有効量の前記MDM2阻害剤を投与するステップを含み、前記MDM2阻害剤が式(I)もしくは式(II)の化合物または式(II)の化合物:
【化2】
またはその薬学的に許容される塩である、MDM2阻害剤。
【請求項31】
前記MPNが真性多血症(PV)である、請求項30に記載の使用。
【請求項32】
前記MPNが瀉血依存性真性多血症である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記MPNが血小板血症である、請求項30に記載の使用。
【請求項34】
血小板血症が本態性血小板血症(ET)である、請求項33に記載の使用。
【請求項35】
前記MPNが骨髄線維症である、請求項30に記載の使用。
【請求項36】
骨髄線維症が、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)から選択される、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
前記ヒト対象が、以前のルキソリチニブ療法に応答しなかった者である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記MPNが全身性肥満細胞症(SM)である、請求項30に記載の使用。
【請求項39】
前記MPNが慢性好中球性白血病(CNL)である、請求項30に記載の使用。
【請求項40】
前記MPNが骨髄異形成症候群(MDS)である、請求項30に記載の使用。
【請求項41】
前記MPNが全身性肥満細胞病(SMCD)である、請求項30に記載の使用。
【請求項42】
前記MPNが慢性好酸球性白血病である、請求項30に記載の方法。
【請求項43】
前記MPNが慢性骨髄単球性白血病(CMML)である、請求項30に記載の方法。
【請求項44】
前記MPNが非定型慢性骨髄性白血病(aCML)である、請求項30に記載の方法。
【請求項45】
前記MPNが若年性骨髄単球性白血病(JMML)である、請求項30に記載の方法。
【請求項46】
前記MPNが好酸球増多症候群(HES)である、請求項30に記載の方法。
【請求項47】
前記MPNが、環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)である、請求項30に記載の方法。
【請求項48】
式(I)または式(II)の前記化合物が結晶形態である、請求項30~47のいずれか1項に記載の使用。
【請求項49】
式(I)または式(II)の前記化合物が遊離形態である、請求項30~47のいずれか1項に記載の使用。
【請求項50】
前記MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物の薬学的に許容される塩である、請求項30~47のいずれか1項に記載の使用。
【請求項51】
式(I)または式(II)の前記化合物が非晶質形態である、請求項30~47のいずれか1項に記載の使用。
【請求項52】
前記結晶形態が、約11.6、12.4、18.6、19.0、21.6および23.6±0.1におけるピークからなる群から選択される回折角度2シータ度における少なくとも3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項48に記載の使用。
【請求項53】
式(I)または式(II)の前記化合物が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日1回投与される、請求項30~52のいずれか1項に記載の使用。
【請求項54】
式(I)または式(II)の前記化合物が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日2回投与される、請求項30~52のいずれか1項に記載の使用。
【請求項55】
前記ヒトが21日サイクルの1~7日目に前記MDM2阻害剤を用いて治療され、8~21日目に前記ヒトが前記MDM2阻害剤を用いて治療されない、請求項30~54のいずれか1項に記載の使用。
【請求項56】
式(I)または式(II)の前記化合物が経口的に投与される、請求項30~55のいずれか1項に記載の使用。
【請求項57】
前記MDM2阻害剤の前記治療有効量が120mgである、請求項30~55のいずれか1項に記載の使用。
【請求項58】
前記MPNがJAK2V617F突然変異により特徴付けられる、請求項30~57のいずれか1項に記載の使用。
【請求項59】
慢性骨髄性白血病(CML)を治療する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、前記MDM2阻害剤が式(I)もしくは式(II)の化合物または式(II)の化合物:
【化3】
またはその薬学的に許容される塩である、方法。
【請求項60】
式(I)または式(II)の前記化合物が結晶形態である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
式(I)または式(II)の前記化合物が遊離形態である、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物の薬学的に許容される塩である、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
式(I)または式(II)の前記化合物が非晶質形態である、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記結晶形態が、約11.6、12.4、18.6、19.0、21.6および23.6±0.1におけるピークからなる群から選択される回折角度2シータ度における少なくとも3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
式(I)または式(II)の前記化合物が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日1回投与される、請求項59~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
式(I)または式(II)の前記化合物が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日2回投与される、請求項59~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記ヒトが21日サイクルの1~7日目に前記MDM2阻害剤を用いて治療され、8~21日目に前記ヒトが前記MDM2阻害剤を用いて治療されない、請求項59~66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
式(I)または式(II)の前記化合物が経口的に投与される、請求項59~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記MDM2阻害剤の前記治療有効量が120mgである、請求項59~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
急性骨髄性白血病(AML)を治療する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、前記MDM2阻害剤が式(I)もしくは式(II)の化合物または式(II)の化合物:
【化4】
またはその薬学的に許容される塩である、方法。
【請求項71】
式(I)または式(II)の前記化合物が結晶形態である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
式(I)または式(II)の前記化合物が遊離形態である、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物の薬学的に許容される塩である、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
式(I)または式(II)の前記化合物が非晶質形態である、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記結晶形態が、約11.6、12.4、18.6、19.0、21.6および23.6±0.1におけるピークからなる群から選択される回折角度2シータ度における少なくとも3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
式(I)または式(II)の前記化合物が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日1回投与される、請求項70~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
式(I)または式(II)の前記化合物が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日2回投与される、請求項70~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記ヒトが21日サイクルの1~7日目に前記MDM2阻害剤を用いて治療され、8~21日目に前記ヒトが前記MDM2阻害剤を用いて治療されない、請求項70~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
式(I)または式(II)の前記化合物が経口的に投与される、請求項70~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記MDM2阻害剤の前記治療有効量が120mgである、請求項70~79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
メルケル細胞癌(MCC)を治療する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、前記MDM2阻害剤が式(I)もしくは式(II)の化合物または式(II)の化合物:
【化5】
またはその薬学的に許容される塩である、方法。
【請求項82】
式(I)または式(II)の前記化合物が結晶形態である、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
式(I)または式(II)の前記化合物が遊離形態である、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
前記MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物の薬学的に許容される塩である、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
式(I)または式(II)の前記化合物が非晶質形態である、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
前記結晶形態が、約11.6、12.4、18.6、19.0、21.6および23.6±0.1におけるピークからなる群から選択される回折角度2シータ度における少なくとも3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項82に記載の方法。
【請求項87】
式(I)または式(II)の前記化合物が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日1回投与される、請求項81~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
式(I)または式(II)の前記化合物が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日2回投与される、請求項81~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
前記ヒトが21日サイクルの1~7日目に前記MDM2阻害剤を用いて治療され、8~21日目に前記ヒトが前記MDM2阻害剤を用いて治療されない、請求項81~88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
式(I)または式(II)の前記化合物が経口的に投与される、請求項81~89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記MDM2阻害剤の前記治療有効量が120mgである、請求項81~90のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
マウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤を使用して骨髄増殖性腫瘍(MPN)を含むがんを治療する方法が本明細書に開示される。
【背景技術】
【0002】
p53は、細胞周期停止、アポトーシス、老化、およびDNA修復に関与する多数の遺伝子の転写を活性化させることにより細胞ストレスに応答する腫瘍抑制因子および転写因子である。p53活性化の原因をめったに有しない正常細胞とは異なり、腫瘍細胞は、低酸素およびアポトーシス促進性がん遺伝子活性化を含む様々な傷害からの一定の細胞ストレス下にある。そのため、腫瘍におけるp53経路の不活性化について強い選択的な利点があり、p53機能の除去は腫瘍生存の必要条件である可能性が提唱されている。この概念を支持するものとして、3つのグループの研究者らは、マウスモデルを使用して、p53機能の非存在は確立された腫瘍の維持のための連続的な必要条件であることを実証している。研究者らが不活性化されたp53を用いて腫瘍に対するp53機能を回復させた場合、腫瘍は退縮した。
【0003】
p53は、固形腫瘍の50%および液性腫瘍の10%において突然変異および/または喪失により不活性化される。p53経路の他の鍵となるメンバーもまた、がんにおいて遺伝子的またはエピジェネティックに変化する。がんタンパク質MDM2はp53機能を阻害し、10%もの高さであると報告される発生率において遺伝子増幅により活性化される。そしてMDM2は、別の腫瘍抑制因子、p14ARFにより阻害される。p53の下流の変化は、p53 WT腫瘍(p53野生型)においてp53経路の少なくとも部分的な不活性化に関与する可能性が示唆されている。この概念を支持するものとして、一部のp53WT腫瘍は、細胞周期停止を起こす能力はインタクトなままであるが、アポトーシス能力の低減を呈するようである。1つのがん治療戦略は、MDM2に結合してp53とのその相互作用を中和する小分子の使用を伴う。MDM2は3つの機序:1)E3ユビキチンリガーゼとして作用してp53分解を促進すること;2)p53転写活性化ドメインに結合してそれを遮断すること;および3)核から細胞質にp53を輸送することによりp53活性を阻害する。これらの機序の3つ全ては、MDM2-p53相互作用を中和することにより遮断される。特に、この治療戦略はp53 WTである腫瘍に応用できる可能性があり、小分子MDM2阻害剤を用いた研究は、インビトロおよびインビボの両方で腫瘍成長の有望な低減をもたらしている。さらに、p53不活性化腫瘍を有する患者において、MDM2阻害による正常組織における野生型p53の安定化は、有糸分裂毒からの正常組織の選択的な保護を可能とする可能性がある。本明細書において使用される場合、MDM2はヒトMDM2タンパク質を意味し、p53はヒトp53タンパク質を意味する。なお、ヒトMDM2はHDM2またはhMDM2とも称されることがある。いくつかのMDM2阻害剤は、様々ながんの治療のためにヒト臨床試験が為されている。
【0004】
真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、および原発性骨髄線維症(PMF)が挙げられるがそれに限定されない骨髄増殖性腫瘍(MPN)は、最終分化した骨髄細胞のクローン増殖により特徴付けられるクローン性造血幹細胞(HSC)障害である。ET、PVおよびPMF患者のそれぞれ約1%、4%、および20%が診断時から10年の期間でMPN-BPと称される急性転化期(BP)に進行する。Cervantes F, et al., Acta Haematol.1991;85(3):124-127。MPN-BPおよびデノボの急性骨髄性白血病(AML)は別個の突然変異パターンおよび臨床経過をそれぞれ有する。Rampal R, et al., Proc Natl Acad Sci USA. 2014; 111(50):E5401-10。MPN-BPを有する患者は、現在利用可能な療法を用いて6か月未満のメジアン生存を有する特に暗澹たる予後を有する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、MDM2阻害剤を単独でまたは1つもしくはより多くの追加の薬学的活性剤と組み合わせて用いてヒト対象において骨髄増殖性腫瘍を治療する方法に関する。
【0006】
本発明は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)を治療するための、単独でのまたは1つもしくはより多くの追加の薬学的活性剤と組み合わせた、MDM2阻害剤の使用に関する。
【0007】
発明の概要
本発明は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II):
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。一実施形態では、MPNは、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(systemic mastocystosis;SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(systemic mast cell disease;SMCD)からなる群から選択される。一実施形態では、MPNは、真性多血症(PV)、原発性骨髄線維症、および本態性血小板血症からなる群から選択される。一実施形態では、MPNは真性多血症(PV)である。一実施形態では、MPNは本態性血小板血症である。一実施形態では、MPNは骨髄線維症である。一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)から選択される。一実施形態では、ヒト対象は、上記のMPNのいずれかに対するルキソリチニブ療法に失敗した者である。一実施形態では、ヒト対象は、骨髄線維症に対するルキソリチニブ療法に失敗した者である。一実施形態では、ヒト対象は、原発性骨髄線維症(PMF)に対するルキソリチニブ療法に失敗した者である。一実施形態では、ヒト対象は、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)に対するルキソリチニブ療法に失敗した者である。一実施形態では、ヒト対象は、本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)に対するルキソリチニブ療法に失敗した者である。
【0008】
一実施形態では、本発明は、真性多血症(PV)を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。
【0009】
一実施形態では、本発明は、本態性血小板血症を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。
【0010】
一実施形態では、本発明は、原発性骨髄線維症を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。
【0011】
一実施形態では、本発明は、特発性骨髄線維症を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。
【0012】
一実施形態では、本発明は、慢性骨髄性白血病(CML)を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。
【0013】
一実施形態では、本発明は、急性骨髄性白血病(AML)を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。
【0014】
一実施形態では、本発明は、メルケル細胞癌(MCC)を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。
【0015】
一実施形態では、本発明は、全身性肥満細胞症(SM)を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。
【0016】
一実施形態では、本発明は、慢性好中球性白血病(CNL)を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。
【0017】
一実施形態では、本発明は、骨髄異形成症候群(MDS)を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。
【0018】
一実施形態では、本発明は、全身性肥満細胞病(SMCD)を治療する方法であって、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、方法に関する。
【0019】
一実施形態では、血小板血症は本態性血小板血症(ET)である。
【0020】
一実施形態では、式(I)または式(II)の化合物は結晶形態である。一実施形態では、結晶形態は、約11.6、12.4、18.6、19.0、21.6および23.6±0.1におけるピークからなる群から選択される回折角度2シータ度における少なくとも3つのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる。
【0021】
一実施形態では、式(I)または式(II)の化合物は非晶質形態である。
【0022】
一実施形態では、式(I)または式(II)の化合物は遊離形態である。
【0023】
一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0024】
一実施形態では、式(I)または式(II)の化合物は、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日1回投与される。
【0025】
一実施形態では、式(I)または式(II)の化合物は、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgからなる群から選択される用量において1日2回投与される。
【0026】
一実施形態では、ヒトは、約14日、約21日、約28日、約35日、約42日、約49日、および約56日からなる群から選択される期間にわたり式(I)の化合物を用いて治療される。
【0027】
一実施形態では、式(I)または式(II)の化合物は経口的に投与される。
【0028】
骨髄増殖性腫瘍(MPN)の治療において使用するためのMDM2阻害剤であって、治療が、それを必要とするヒトに治療有効量のMDM2阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、MDM2阻害剤。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以上の要約の他に、本発明の以下の詳細な説明は、添付の図面と組み合わせて読まれた場合により良好に理解される。
【
図1】無水結晶形態の式(I)の化合物のXRPDパターンを示す。
【
図2】式(I)の化合物がp53 WT腫瘍細胞の増殖を阻害することを示す。
【
図3】式(I)の化合物が用量依存的な方式でSJSA-1(MDM2増幅)腫瘍のインビボでの成長を阻害することを示す。ED
50=9.0mg/kg。
【
図4】式(I)の化合物が用量依存的な方式でHCT116(KRAS)腫瘍のインビボでの成長を阻害することを示す。ED
50=31.6mg/kg。
【
図5】式(I)の化合物が用量依存的な方式でA375sq2(BRAF)腫瘍のインビボでの成長を阻害することを示す。ED
50=18mg/kg。
【
図6】異なる用量における式(I)の化合物のp21倍数誘導を示す。
【
図7】式(I)の化合物が用量依存的な方式でAML腫瘍成長を阻害することを示す。
【
図8】式(I)の化合物が用量依存的な方式でマウスモデルにおいてAML腫瘍成長を阻害することを示す。
【
図9】式(I)の化合物が細胞周期を阻害することを示す。
【
図10】式(I)の化合物がp53野生型AML細胞株においてアポトーシスを誘導することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し、説明するが、そのような実施形態は、例としてのみ提供され、本発明の範囲を他に限定することは意図されない。本発明の記載される実施形態に対する様々な代替が本発明の実施において用いられてもよい。
【0031】
他に定義されなければ、本明細書において使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0032】
「組み合わせて投与される」および「併用投与」という用語は、本明細書において使用される場合、2つまたはより多くの活性薬学成分の対象への投与であって、両方の剤および/またはそれらの代謝物が対象中に同時に存在するようなものを包含する。併用投与は、別々の組成物中での同時投与、別々の組成物中での異なる時点における投与、または2つもしくはより多くの剤が存在する組成物中での投与を含む。
【0033】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、疾患治療が挙げられるがそれに限定されない意図する応用をもたらすために十分な、本明細書に記載されるような活性薬学成分または活性薬学成分の組合せの量を指す。治療有効量は、意図する応用(インビトロもしくはインビボ)、または治療されている対象および疾患状態(例えば、対象の体重、年齢および性別)、疾患状態の重篤度、投与の方式、ならびに当業者により容易に決定され得る他の要因に依存して変動することがある。該用語はまた、標的細胞において特定の応答(例えば、血小板接着および/または細胞遊走の低減)を誘導する用量に適用される。特定の用量は、選択される特定の化合物、従われる投与レジメン、化合物が他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、それが投与される組織、および化合物が運ばれる物理的送達システムに依存して変動する。
【0034】
「エナンチオ異性的に濃縮された」、「エナンチオ異性的に純粋な」、および「非ラセミの」という用語は、本明細書において使用される場合、1つのエナンチオマーの重量パーセントがラセミ組成物の対照混合物におけるその1つのエナンチオマーの量より多い(例えば、重量で1:1より多い)組成物を指す。例えば、(S)-エナンチオマーのエナンチオ異性的に濃縮された調製物は、(R)-エナンチオマーと比べて50重量%より多い、例えば、少なくとも75重量%、例えば、少なくとも80重量%の(S)-エナンチオマーを有する化合物の調製物を意味する。一部の実施形態では、濃縮は、80重量%より顕著に高いものであることができ、それにより、「実質的にエナンチオ異性的に濃縮された」、「実質的にエナンチオ異性的に純粋な」、または「実質的に非ラセミの」調製物が提供され、これは、他のエナンチオマーと比べて少なくとも85重量%、例えば、少なくとも90重量%、および例えば、少なくとも95重量%の1つのエナンチオマーを有する組成物の調製物を指す。「ジアステレオ異性的に濃縮された」および「ジアステレオ異性的に純粋な」という用語は、本明細書において使用される場合、1つのジアステレオマーの重量パーセントがジアステレオマーの対照混合物におけるその1つのエナンチオマーの量より多い組成物を指す。一部の実施形態では、濃縮は、80重量%より顕著に高いものであることができ、それにより、「実質的にジアステレオ異性的に濃縮された」または「実質的にジアステレオ異性的に純粋な」調製物が提供され、これは、他のジアステレオマーと比べて少なくとも85重量%、例えば、少なくとも90重量%、および例えば、少なくとも95重量%の1つのジアステレオマーを有する組成物の調製物を指す。
【0035】
好ましい実施形態では、エナンチオ異性的に濃縮された組成物は、その組成物のラセミ混合物よりも単位質量当たりの治療的有用性に関してより高い力価を有する。エナンチオマーは、キラルの高圧力液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む当業者に公知の方法により混合物から単離することができ、または、好ましいエナンチオマーは非対称合成により調製することができる。例えば、Jacques, et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions, Wiley Interscience, New York (1981); E. L. Eliel and S. H. Wilen, Stereochemistry of Organic Compounds, Wiley-Interscience, New York (1994)を参照。
【0036】
「エナンチオマー純度」は、本明細書において使用される場合、他のエナンチオマーに対する特定のエナンチオマーの存在の、パーセンテージとして表される相対量を指す。例えば、(R)または(S)異性体配置を潜在的に有し得る化合物がラセミ混合物として存在する場合、エナンチオマー純度は、(R)または(S)異性体のいずれかに関して約50%である。その化合物が、他方に対して優勢な1つの異性体形態を有する場合、例えば、80%の(S)および20%の(R)の場合、(S)異性体形態に関する化合物のエナンチオマー純度は80%である。化合物のエナンチオマー純度は、当該技術分野において公知の多数のやり方で決定することができ、該方法としては、キラル支持体を使用するクロマトグラフィー、偏光の回転の旋光分析測定、ランタニド含有キラル複合体もしくはPirkleアルコールが挙げられるがそれに限定されないキラルシフト試薬を使用する核磁気共鳴分光法、またはモッシャーの酸などのキラル化合物を使用する化合物の誘導体化に続くクロマトグラフィーもしくは核磁気共鳴分光法が挙げられるがそれに限定されない。
【0037】
「IC50」という用語は、半数最大阻害濃度、すなわち、所望の活性の50%の阻害を指す。「EC50」という用語は、最大応答の半分が達成される薬物濃度を指す。
【0038】
「異性体」は、同じ分子式を有する異なる化合物である。「立体異性体」は、原子が空間中で並べられるやり方においてのみ異なる、すなわち、異なる立体化学配置を有する、異性体である。「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせ不可能な鏡像である立体異性体のペアである。エナンチオマーのペアの1:1混合物は「ラセミ」混合物である。「(±)」という用語は、適切な場合にラセミ混合物を指定するために使用される。「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2つの非対称原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体である。絶対立体化学は、カーン-インゴルド-プレローグR-S系にしたがって指定される。化合物が純粋なエナンチオマーである場合、各キラル炭素における立体化学はRまたはSのいずれかにより指定することができる。その絶対配置が未知である分解された化合物は、ナトリウムD線の波長において平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)に依存して(+)または(-)と指定することができる。本明細書に記載のある特定の化合物は、1つまたはより多くの不斉中心を含有し、そのため、エナンチオマー、ジアステレオマー、および(R)または(S)として絶対立体化学の点で定義することができる他の立体異性体形態を生じさせることができる。本発明の化学的実体、医薬組成物および方法は、全てのそのような可能な異性体を含むことが意図され、これには、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間混合物が含まれる。光学的に活性の(R)および(S)異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製することができ、または従来技術を使用して分解することができる。本明細書に記載の化合物がオレフィン二重結合または他の幾何学的非対称性中心を含有し、かつ他に指定されなければ、化合物はEおよびZの両方の幾何異性体を含むことが意図される。
【0039】
「MPN-BP」は、本開示に記載される骨髄増殖性腫瘍(MPN)の急性転化期(BP)を指す。
【0040】
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」は、任意および全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤、抗真菌剤、等張剤、および吸収遅延剤を含むことが意図される。活性薬学成分のためのそのような媒体および剤の使用は当該技術分野において周知である。任意の従来の媒体または剤が活性薬学成分と不適合である場合を除いて、本発明の治療用組成物におけるその使用が想定される。補助的な活性成分もまた、記載される組成物に組み込むことができる。
【0041】
「薬学的に許容される塩」という用語は、当該技術分野において公知の様々な有機および無機対イオンに由来する塩を指す。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸と共に形成され得る。塩が由来し得る無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸が挙げられる。塩が由来し得る有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびサリチル酸が挙げられる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基と共に形成され得る。塩が由来し得る無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガンおよびアルミニウムが挙げられる。塩が由来し得る有機塩基としては、例えば、第一級、第二級、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンならびに塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。特定の例としては、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンが挙げられる。選択された実施形態では、薬学的に許容される塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩から選択される。「共結晶」という用語は、当該技術分野において公知の多数の共結晶形成体に由来する分子複合体を指す。塩とは異なり、共結晶は、典型的には、共結晶と薬物との間のプロトン移動を伴わず、代わりに結晶構造中の共結晶形成体と薬物との間の水素結合、芳香環スタッキング、または分散力などの分子間相互作用を伴う。
【0042】
「QD」、「qd」、または「q.d.」という用語は、1日1回(quaque die)、1日1回(once a day)、または1日1回(once daily)を意味する。「BID」、「bid」、または「b.i.d.」という用語は、1日2回(bis in die)、1日2回(twice a day)、または1日2回(twice daily)を意味する。「TID」、「tid」、または「t.i.d.」という用語は、1日3回(ter in die)、1日3回(three times a day)、または1日3回(three times daily)を意味する。「QID」、「qid」、または「q.i.d.」という用語は、1日4回(quater in die)、1日4回(four times a day)、または1日4回(four times daily)を意味する。
【0043】
「溶媒和物」は、薬学的に許容される溶媒の1つまたはより多くの分子と物理的会合状態にある化合物を指す。
【0044】
「治療効果」は、その用語が本明細書において使用される場合、上記のような治療的利益および/または予防的利益を包含する。予防効果としては、疾患もしくは状態の出現を遅延させもしくは除去すること、疾患もしくは状態の症状の開始を遅延させもしくは除去すること、疾患もしくは状態の進行を緩慢化、停止、もしくは逆転させること、またはその任意の組合せが挙げられる。
【0045】
例えば、分子量または化学式などの物理的または化学的特性を記載するために範囲が本明細書において使用される場合、範囲の全ての組合せおよび部分的組合せならびにそれに含まれる特定の実施形態が含まれることが意図される。数または数値範囲を指す場合の「約」という用語の使用は、言及される数または数値範囲が、実験的ばらつきの範囲内(または統計的な実験誤差の範囲内)のおおよそのものであり、そのため、数または数値範囲は、例えば、記載される数または数値範囲の1%~15%で変動し得ることを意味する。「含む」(comprising)という用語(および「含む」(comprise)または「含む」(comprises)または「有する」(having)または「含む」(including)などの関連する用語)は、例えば、記載される特徴「からなる」または「から本質的になる」任意の組成物、方法(method)または方法(process)の一実施形態などの実施形態を含む。
【0046】
本発明の化合物はまた、式(I)または式(II)の化合物の結晶形態および非晶質形態を含み、これには、例えば、化合物の多形体、擬多形体、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形体(無水物を含む)、配座多形体、および非晶質形態の他に、その混合物が含まれる。「結晶形態」および「多形体」は、特定の結晶形態または非晶質形態が言及されなければ、化合物の全ての結晶形態および非晶質形態を含むことが意図され、これには、例えば、多形体、擬多形体、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形体(無水物を含む)、配座多形体、および非晶質形態の他に、その混合物が含まれる。
【0047】
がんを治療する方法
本発明は、がんを治療する方法であって、それを必要とするヒトにマウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、がんが、癌腫、例えば、膀胱、乳房、結腸、直腸、腎臓、肝臓、肺(小細胞肺がん、および非小細胞肺がん)、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、子宮頸部、甲状腺、前立腺、頭頸部、および皮膚(基底および扁平細胞癌、黒色腫皮膚がん、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、皮膚リンパ腫を含む)のがん;リンパ系列の造血腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫(Burkett’s lymphoma)を含む);骨髄系列の造血腫瘍(急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病を含む);間葉起源の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫、および例えば軟組織および骨といった他の肉腫を含む);中枢および末梢神経系の腫瘍(星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、膠芽腫、および神経鞘腫を含む);ならびに他の腫瘍(黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderoma pigmentosum)、ケラトアカントーマ(keratoctanthoma)、および甲状腺濾胞がんを含む)からなる群から選択される、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0048】
本発明はまた、それを必要とするヒトにおいてがんを治療するための、マウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩の使用であって、がんが、癌腫、例えば、膀胱、乳房、結腸、直腸、腎臓、肝臓、肺(小細胞肺がん、および非小細胞肺がん)、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、子宮頸部、甲状腺、前立腺、頭頸部、および皮膚(基底および扁平細胞癌、黒色腫皮膚がん、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、皮膚リンパ腫を含む)のがん;リンパ系列の造血腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫を含む);骨髄系列の造血腫瘍(急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病を含む);間葉起源の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫、および例えば軟組織および骨といった他の肉腫を含む);中枢および末梢神経系の腫瘍(星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、膠芽腫、および神経鞘腫を含む);ならびに他の腫瘍(黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、および甲状腺濾胞がんを含む)からなる群から選択される、使用に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0049】
骨髄増殖性腫瘍(MPN)を治療する方法
本発明はまた、MPNを治療する方法であって、それを必要とするヒトにマウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MPNは、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択される。一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)からなる群から選択される。一実施形態では、原発性骨髄線維症(PMF)は、前線維化期/早期PMFおよび顕性線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態では、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、ならびに環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。一実施形態では、真性多血症は瀉血依存性真性多血症である。一実施形態では、ヒトは、ヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)として判定されている。一実施形態では、ヒト対象は、ヒドロキシウレア(HU)抵抗性(不十分な応答)として判定されている。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有しかつ瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有さずに瀉血依存性である。一実施形態では、ヒトはルキソリチニブ療法に失敗した者である。ルキソリチニブ療法の失敗としては、(i)ルキソリチニブを与えられたヒト対象における任意のMPNの重篤度もしくは進行における低減の非存在、または(ii)ルキソリチニブ(Ruxolitinb)療法後のヒト対象における任意のMPNの再発が挙げられるがそれに限定されない。一実施形態では、ルキソリチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブを与えられたヒト対象における任意のMPNの重篤度または進行における低減の非存在である。一実施形態では、ルキソリチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ療法後のヒト対象における任意のMPNの再発である。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0050】
一実施形態では、本発明は、MPNを治療する方法であって、それを必要とするヒトにマウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、MPNが、真性多血症(PV)、骨髄線維症、および本態性血小板血症(ET)からなる群から選択される、方法に関する。一実施形態では、真性多血症は瀉血依存性真性多血症である。一実施形態では、ヒト対象は、ヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)として判定されている。一実施形態では、ヒト対象は、ヒドロキシウレア(HU)抵抗性(不十分な応答)として判定されている。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態では、ヒトは脾腫を有しかつ瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有さずに瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は、ルキソリチニブを用いた以前のMPN療法に失敗した者である。
【0051】
本発明はまた、急性転化期MPN(MPN-BP)を治療する方法であって、それを必要とするヒトにマウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MPN-BPは、急性転化期真性多血症(BP-PV)、急性転化期骨髄線維症、急性転化期原発性骨髄線維症、急性転化期血小板血症、急性転化期本態性血小板血症(BP-ET)、急性転化期特発性骨髄線維症、急性転化期全身性肥満細胞症(BP-SM)、急性転化期慢性好中球性白血病(BP-CNL)、急性転化期骨髄異形成症候群(BP-MDS)、および急性転化期全身性肥満細胞病(BP-SMCD)からなる群から選択される。一実施形態では、急性転化期骨髄線維症は、急性転化期原発性骨髄線維症(BP-PMF)、急性転化期真性多血症後骨髄線維症(BP-PV後MF)、および急性転化期本態性血小板血症後骨髄線維症(BP-ET後MF)からなる群から選択される。一実施形態では、急性転化期原発性骨髄線維症(BP-PMF)は、急性転化期前線維化期/早期PMFおよび急性転化期顕性線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態では、MPN-BPは、急性転化期慢性好中球性白血病(BP-CNL)、急性転化期慢性好酸球性白血病、急性転化期慢性骨髄単球性白血病(BP-CMML)、急性転化期非定型慢性骨髄性白血病(BP-aCML)、急性転化期若年性骨髄単球性白血病(BP-JMML)、急性転化期好酸球増多症候群(BP-HES)、ならびに急性転化期の環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(BP-MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。一実施形態では、急性転化期真性多血症は瀉血依存性真性多血症である。一実施形態では、ヒトは、ヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)として判定されている。一実施形態では、ヒト対象は、ヒドロキシウレア(HU)抵抗性(不十分な応答)として判定されている。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有しかつ瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有さずに瀉血依存性である。一実施形態では、ヒトはルキソリチニブ療法に失敗した者である。ルキソリチニブ療法の失敗としては、(i)ルキソリチニブを与えられたヒト対象における任意のMPN-BPの重篤度もしくは進行における低減の非存在、または(ii)ルキソリチニブ療法後のヒト対象における任意のMPN-BPの再発が挙げられるがそれに限定されない。一実施形態では、ルキソリチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブを与えられたヒト対象における任意のMPN-BPの重篤度または進行における低減の非存在である。一実施形態では、ルキソリチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ療法後のヒト対象における任意のMPN-BPの再発である。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において投与される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、「投与量および投与レジメン」のセクションにしたがってヒトに投与される。
【0052】
一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)から選択される。
【0053】
一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)から選択され、かつ、ヒト対象は、PMF、PV後MFまたはET後MFに対するルキソリチニブ療法に失敗した者である。
【0054】
一実施形態では、MPNは、Massie, et al., N Engl J. Med. 2013, 25: 2379-2390(参照により全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるように、CALR突然変異(カルレチクリン、染色体19p13.2に位置する)により特徴付けられる。
【0055】
一実施形態では、MPNは、Pikman, et al., Plos Med. 2006; 3(7):e270(参照により全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるように、MPL突然変異(骨髄増殖性白血病ウイルスがん遺伝子;染色体1p34に位置する)により特徴付けられる。
【0056】
一実施形態では、MPNはJAK2V617F突然変異により特徴付けられる。JAK2V617Fは、Nakatake et al (Oncogene, 2012, 31, 1323-1333)(参照により全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるように、骨髄細胞のサイトカイン非依存性増殖を促進する機能的突然変異であり、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の大部分を占める。
【0057】
一実施形態では、MPNは、JAK2V617F、MPL、CALR、およびその混合からなる群から選択される1つまたはより多くの突然変異により特徴付けられる。
【0058】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて真性多血症(PV)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0059】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて真性多血症(PV)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0060】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて真性多血症(PV)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0061】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて本態性血小板血症を治療する方法(ET)であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0062】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて本態性血小板血症を治療する方法(ET)であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0063】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて本態性血小板血症を治療する方法(ET)であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0064】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて原発性骨髄線維症を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0065】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて原発性骨髄線維症を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0066】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて原発性骨髄線維症を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0067】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0068】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0069】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0070】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0071】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0072】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0073】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性好中球性白血病(CNL)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0074】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性好中球性白血病(CNL)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0075】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性好中球性白血病(CNL)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0076】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性好酸球性白血病を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0077】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性好酸球性白血病を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0078】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性好酸球性白血病を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0079】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性骨髄単球性白血病(CMML)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0080】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性骨髄単球性白血病(CMML)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0081】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性骨髄単球性白血病(CMML)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0082】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて非定型慢性骨髄性白血病(aCML)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0083】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて非定型慢性骨髄性白血病(aCML)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0084】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて非定型慢性骨髄性白血病(aCML)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0085】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて若年性骨髄単球性白血病(JMML)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0086】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて若年性骨髄単球性白血病(JMML)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0087】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて若年性骨髄単球性白血病(JMML)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0088】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて好酸球増多症候群(HES)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0089】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて好酸球増多症候群(HES)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0090】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて好酸球増多症候群(HES)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0091】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が式(I)または式(II)の化合物である、方法に関する。
【0092】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0093】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)を治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法に関する。
【0094】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいてMPNを治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MPNは、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択される。一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)からなる群から選択される。一実施形態では、原発性骨髄線維症(PMF)は、前線維化期/早期PMFおよび顕性線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態では、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、ならびに環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。
【0095】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいてMPNを治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MPNが、真性多血症(PV)、原発性骨髄線維症、および本態性血小板血症(ET)からなる群から選択される、方法に関する。
【0096】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいてMPNを治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MPNが、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、ならびに環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される、方法に関する。
【0097】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて真性多血症(PV)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。
【0098】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて原発性骨髄線維症を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。
【0099】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。
【0100】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。
【0101】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて本態性血小板血症(ET)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。
【0102】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいてMPNを治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MPNは、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)からなる群から選択される。一実施形態では、原発性骨髄線維症(PMF)は、前線維化期/早期PMFおよび顕性線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態では、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、ならびに環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。
【0103】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいてMPNを治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MPNは、真性多血症(PV)、骨髄線維症、および本態性血小板血症(ET)からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)からなる群から選択される。一実施形態では、原発性骨髄線維症(PMF)は、前線維化期/早期PMFおよび顕性線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態では、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、ならびに環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。
【0104】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて真性多血症(PV)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0105】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて原発性骨髄線維症を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0106】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0107】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0108】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて本態性血小板血症(ET)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0109】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性好中球性白血病(CNL)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0110】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性好酸球性白血病を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0111】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて慢性骨髄単球性白血病(CMML)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0112】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて非定型慢性骨髄性白血病(aCML)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0113】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて若年性骨髄単球性白血病(JMML)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて好酸球増多症候群(HES)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0114】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)を治療する方法であって、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において前記ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0115】
一実施形態では、本発明は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。一実施形態では、MPNは、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択される。一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)からなる群から選択される。一実施形態では、原発性骨髄線維症(PMF)は、前線維化期/早期PMFおよび顕性線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態では、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、ならびに環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。
【0116】
一実施形態では、本発明は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含み、MPNが、真性多血症(PV)、原発性骨髄線維症、および本態性血小板血症(ET)からなる群から選択される、使用に関する。
【0117】
一実施形態では、本発明は、真性多血症(PV)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0118】
一実施形態では、本発明は、本態性血小板血症(ET)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0119】
一実施形態では、本発明は、原発性骨髄線維症の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0120】
一実施形態では、本発明は、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0121】
一実施形態では、本発明は、本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0122】
一実施形態では、本発明は、慢性好中球性白血病(CNL)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0123】
一実施形態では、本発明は、慢性好酸球性白血病の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0124】
一実施形態では、本発明は、慢性骨髄単球性白血病(CMML)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0125】
一実施形態では、本発明は、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0126】
一実施形態では、本発明は、若年性骨髄単球性白血病(JMML)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0127】
一実施形態では、本発明は、好酸球増多症候群(HES)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0128】
一実施形態では、本発明は、環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。
【0129】
一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0130】
一実施形態では、本発明は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。一実施形態では、MPNは、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択される。一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)からなる群から選択される。一実施形態では、原発性骨髄線維症(PMF)は、前線維化期/早期PMFおよび顕性線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態では、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、ならびに環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。
【0131】
一実施形態では、本発明は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含み、MPNが、真性多血症(PV)、原発性骨髄線維症、および本態性血小板血症(ET)からなる群から選択される、使用に関する。一実施形態では、本発明は、真性多血症(PV)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。一実施形態では、本発明は、本態性血小板血症(ET)の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。一実施形態では、本発明は、原発性骨髄線維症の治療用の医薬の製造におけるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の使用であって、治療が、ヒトにMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の1つまたはより多くの用量を投与するステップを含む、使用に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0132】
一実施形態では、本発明は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の治療において使用するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩に関する。一実施形態では、MPNは、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択される。一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)からなる群から選択される。一実施形態では、原発性骨髄線維症(PMF)は、前線維化期/早期PMFおよび顕性線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態では、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、ならびに環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。
【0133】
一実施形態では、本発明は、真性多血症(PV)の治療において使用するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩に関する。一実施形態では、本発明は、原発性骨髄線維症の治療において使用するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩に関する。一実施形態では、本発明は、本態性血小板血症(ET)の治療において使用するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0134】
上記の方法は、ファーストラインがん療法として、またはシクロホスファミド、フルダラビン(FC化学療法)、およびクロラムブシルを含む、従来の化学療法用活性薬学成分を用いた治療後に使用されてもよい。
【0135】
一実施形態では、本発明は、原発性骨髄線維症(慢性特発性骨髄線維症としても公知)および真性多血症または本態性血小板血症に続発性の原発性骨髄線維症からなる群から選択される骨髄線維症を治療する方法であって、治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。
【0136】
一実施形態では、本発明は、原発性骨髄線維症(慢性特発性骨髄線維症としても公知)および真性多血症または本態性血小板血症に続発性の原発性骨髄線維症からなる群から選択される骨髄線維症を治療する方法であって、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与するステップを含む、方法に関する。
【0137】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいてMPNを治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MPNが、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、および原発性骨髄線維症からなる群から選択され、治療有効量が、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、および480mg QDからなる群から選択される、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0138】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいてMPNを治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MPNが、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、および原発性骨髄線維症からなる群から選択され、治療有効量が120mg QDである、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0139】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいてMPNを治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MPNが、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、および原発性骨髄線維症からなる群から選択され、治療有効量が、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0140】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいてMPNを治療する方法であって、前記ヒトに治療有効量のMDM2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、MPNが、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、および原発性骨髄線維症からなる群から選択され、治療有効量が120mg BIDである、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0141】
MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩はまた、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択されるMPNを治療するために、当業者に周知の放射線療法、ホルモン療法、手術および免疫療法と組み合わせて使用されてもよい。一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)からなる群から選択される。一実施形態では、原発性骨髄線維症(PMF)は、前線維化期/早期PMFおよび顕性線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態では、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、ならびに環状鉄芽球および血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。
【0142】
慢性骨髄性白血病(CML)および急性骨髄性白血病(AML)を治療する方法
本発明は、慢性骨髄性白血病(CML)を治療する方法であって、それを必要とするヒトにマウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において投与される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、「投与量および投与レジメン」のセクションにしたがってヒトに投与される。
【0143】
本発明は、それを必要とするヒトにおいて慢性骨髄性白血病(CML)を治療するためのマウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において投与される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、「投与量および投与レジメン」のセクションにしたがってヒトに投与される。
【0144】
本発明は、急性骨髄性白血病(AML)を治療する方法であって、それを必要とするヒトにマウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において投与される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、「投与量および投与レジメン」のセクションにしたがってヒトに投与される。
【0145】
本発明は、それを必要とするヒトにおいて急性骨髄性白血病(AML)を治療するためのマウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において投与される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、「投与量および投与レジメン」のセクションにしたがってヒトに投与される。
【0146】
慢性メルケル細胞癌を治療する方法
本発明は、メルケル細胞癌(MCC)を治療する方法であって、それを必要とするヒトにマウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において投与される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、「投与量および投与レジメン」のセクションにしたがってヒトに投与される。
【0147】
本発明は、それを必要とするヒトにおいてメルケル細胞癌(MCC)を治療するためのマウスダブルミニッツ2ホモログ(MDM2)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、および480mg BIDからなる群から選択される投与量において投与される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、「投与量および投与レジメン」のセクションにしたがってヒトに投与される。
【0148】
MDM2阻害剤
式(I)の化合物は、以下に示される構造および名称を有する。
【0149】
2-((3R,5R,6S)-5-(3-クロロフェニル)-6-(4-クロロフェニル)-1-((S)-1-(イソプロピルスルホニル)-3-メチルブタン-2-イル)-3-メチル-2-オキソピペリジン-3-イル)酢酸:
【化2】
【0150】
式(I)の化合物の合成は、国際出願:WO2011/153509およびWO2014/200937;米国特許:8,569,341;9,593,129;9,296,736;9,623,018;9,757,367;9,801,867;9;376;386;および9,855,259(これらの開示は参照により全体が本明細書に組み込まれる)に示されている。
【0151】
一実施形態では、式(I)または式(II)の化合物は非晶質形態である。一実施形態では、MDM2阻害剤は結晶形態の式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は無水結晶形態の式(I)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、約11.6、12.4、18.6、19.0、21.6および23.6において回折角度2シータ度におけるピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる無水結晶形態の式(I)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、
図1に実質的に示されるX線回折パターンを有する無水結晶形態の式(I)の化合物である。そのような結晶形態を製造する方法は、国際出願WO2014200937(その開示は参照により全体が本明細書に組み込まれる)に開示された。
【0152】
一実施形態では、MDM2阻害剤は、以下に示される構造および名称を有する式(II)の化合物である。
【化3】
4-(2-((3R,5R,6S)-1-((S)-2-(tert-ブチルスルホニル)-1-シクロプロピルエチル)-6-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(3-クロロフェニル)-3-メチル-2-オキソピペリジン-3-イル)アセトアミド)-2-メトキシ安息香酸。
【0153】
式(II)の化合物の合成は、米国特許第8,952,036号明細書(その開示は参照により全体が本明細書に組み込まれる)に示される。
【0154】
RG7388(Idasanutlin)
一実施形態では、MDM2阻害剤はRG7388である。RG7388は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0155】
4-[[(2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-5-(2,2-ジメチルプロピル)ピロリジン-2-カルボニル]アミノ]-3-メトキシ安息香酸
【化4】
【0156】
Triptolide(PG490)
一実施形態では、MDM2阻害剤はtriptolideである。Triptolideは、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0157】
(5bS,6aS,7aS,8R,8aR,9aS,9bS,10aS,10bS)-8-ヒドロキシ-8a-イソプロピル-10b-メチル-2,5,5b,6,6a,8,8a,9a,9b,10b-デカヒドロトリス(オキシレノ)[2’,3’:4b,5;2’’,3’’:6,7;2’’’,3’’’:8a,9]フェナントロ[1,2-c]フラン-3(1H)-オン
【化5】
【0158】
Nutlin-3a
一実施形態では、MDM2阻害剤はNutlin-3aである。Nutlin-3aは、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0159】
4-[(4S,5R)-4,5-ビス(4-クロロフェニル)-2-(4-メトキシ-2-プロパン-2-イルオキシフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-1-カルボニル]ピペラジン-2-オン
【化6】
【0160】
HDM201
一実施形態では、MDM2阻害剤はHDM201である。HDM201は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0161】
(4S)-5-(5-クロロ-1-メチル-2-オキソピリジン-3-イル)-4-(4-クロロフェニル)-2-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-3-プロパン-2-イル-4H-ピロロ[3,4-d]イミダゾール-6-オン
【化7】
【0162】
RG7112
一実施形態では、MDM2阻害剤はRG7112である。RG7112は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0163】
[(4S,5R)-2-(4-tert-ブチル-2-エトキシフェニル)-4,5-ビス(4-クロロフェニル)-4,5-ジメチルイミダゾール-1-イル]-[4-(3-メチルスルホニルプロピル)ピペラジン-1-イル]メタノン
【化8】
【0164】
CGM097A
一実施形態では、MDM2阻害剤はCGM097Aである。CGM097Aは、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0165】
(1S)-1-(4-クロロフェニル)-6-メトキシ-2-[4-[メチル-[[4-(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)シクロヘキシル]メチル]アミノ]フェニル]-7-プロパン-2-イルオキシ-1,4-ジヒドロイソキノリン-3-オン
【化9】
【0166】
Nutlin-3
一実施形態では、MDM2阻害剤はnutlin-3である。Nutlin-3は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0167】
4-[4,5-ビス(4-クロロフェニル)-2-(4-メトキシ-2-プロパン-2-イルオキシフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-1-カルボニル]ピペラジン-2-オン
【化10】
【0168】
SJ-172550
一実施形態では、MDM2阻害剤はSJ-172550である。SJ-172550は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0169】
メチル2-[2-クロロ-6-エトキシ-4-[(3-メチル-5-オキソ-1-フェニルピラゾール-4-イリデン)メチル]フェノキシ]アセテート
【化11】
【0170】
SAR405838(MI-77301)
一実施形態では、MDM2阻害剤はSAR405838である。SAR405838は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0171】
(2’R,3R,3’S,5’S)-6-クロロ-3’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-5’-(2,2-ジメチルプロピル)-N-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-2-オキソスピロ[1H-インドール-3,4’-ピロリジン]-2’-カルボキサミド
【化12】
【0172】
MI-773
一実施形態では、MDM2阻害剤はMI-773である。MI-773は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0173】
(2’R,3S,3’S,5’R)-6-クロロ-3’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-5’-(2,2-ジメチルプロピル)-N-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-2-オキソスピロ[1H-インドール-3,4’-ピロリジン]-2’-カルボキサミド
【化13】
【0174】
MX69
一実施形態では、MDM2阻害剤はMX69である。MX69は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0175】
4-[8-[(3,4-ジメチルフェニル)スルファモイル]-3a,4,5,9b-テトラヒドロ-3H-シクロペンタ[c]キノリン-4-イル]安息香酸
【化14】
【0176】
YH239-EE
一実施形態では、MDM2阻害剤はYH239-EEである。YH239-EEは、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0177】
エチル3-[2-(tert-ブチルアミノ)-1-[(4-クロロフェニル)メチル-フルミルアミノ]-2-オキソエチル]-6-クロロ-1H-インドール-2-カルボキシレート
【化15】
【0178】
RO8994
一実施形態では、MDM2阻害剤はRO8994である。RO8994は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0179】
(2’R,3R,3’S,5’S)-N-(4-カルバモイル-2-メトキシフェニル)-6-クロロ-3’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-5’-(2,2-ジメチルプロピル)-2-オキソスピロ[1H-インドール-3,4’-ピロリジン]-2’-カルボキサミド
【化16】
【0180】
Nutlin-3b
一実施形態では、MDM2阻害剤はnutlin-3bである。Nutlin-3bは、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0181】
4-[(4R,5S)-4,5-ビス(4-クロロフェニル)-2-(4-メトキシ-2-プロパン-2-イルオキシフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-1-カルボニル]ピペラジン-2-オン
【化17】
【0182】
Serdemetan(JNJ-26854165)
一実施形態では、MDM2阻害剤はSerdemetanである。Serdemetanは、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0183】
1-N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-4-N-ピリジン-4-イルベンゼン-1,4-ジアミン
【化18】
【0184】
NSC59984
一実施形態では、MDM2阻害剤はNSC59984である。NSC59984は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0185】
(E)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-(5-ニトロフラン-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン
【化19】
【0186】
CHEMBL2386350
一実施形態では、MDM2阻害剤はCHEMBL2386350である。CHEMBL2386350は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0187】
2-[4-[(4S,5R)-2-(4-tert-ブチル-2-エトキシフェニル)-4,5-ビス(4-クロロフェニル)-4,5-ジメチルイミダゾール-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-1-モルホリン-4-イルエタノン
【化20】
【0188】
CGM0970B
一実施形態では、MDM2阻害剤はCGM0970Bである。CGM0970Bは、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0189】
(1R)-1-(4-クロロフェニル)-6-メトキシ-2-[4-[メチル-[[4-(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)シクロヘキシル]メチル]アミノ]フェニル]-7-プロパン-2-イルオキシ-1,4-ジヒドロイソキノリン-3-オン
【化21】
【0190】
MK-8242
一実施形態では、MDM2阻害剤はMK-8242である。MK-8242は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0191】
4-アミノ-1-[(2R,3S,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]ピリミジン-2-オン
【化22】
【0192】
DS-3032
一実施形態では、MDM2阻害剤はDS-3032である。DS-3032は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0193】
(3’R,4’S,5’R)-N-((3R,6S)-6-カルバモイルテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-6’’-クロロ-4’-(2-クロロ-3-フルオロピリジン-4-イル)-4,4-ジメチル-2’’-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3’’-インドリン]-5’-カルボキサミド
【化23】
【0194】
DS-3032B
一実施形態では、MDM2阻害剤はDS-3032Bである。DS-3032Bは、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0195】
(3’R,4’S,5’R)-N-((3R,6S)-6-カルバモイルテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-6’’-クロロ-4’-(2-クロロ-3-フルオロピリジン-4-イル)-4,4-ジメチル-2’’-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3’’-インドリン]-5’-カルボキサミド4-メチルベンゼンスルホネート
【化24】
【0196】
HDM201
一実施形態では、MDM2阻害剤はHDM201である。HDM201は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0197】
(4S)-5-(5-クロロ-1-メチル-2-オキソピリジン-3-イル)-4-(4-クロロフェニル)-2-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-3-プロパン-2-イル-4H-ピロロ[3,4-d]イミダゾール-6-オン
【化25】
【0198】
APG-115
一実施形態では、MDM2阻害剤はAPG-115である。APG-115は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0199】
4-((3’R,4’S,5’R)-6’’-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-1’-エチル-2’’-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3’’-インドリン]-5’-カルボキサミド)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸
【化26】
【0200】
MI-1061
一実施形態では、MDM2阻害剤はAPG-115である。APG-115は、以下として示される化学構造および名称を有する:
【0201】
4-((3’R,4’S,5’R)-6’’-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-2’’-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3’’-インドリン]-5’-カルボキサミド)安息香酸
【化27】
【0202】
医薬組成物
一部の実施形態では、本発明は、がんを治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、がんが、癌腫、例えば、膀胱、乳房、結腸、直腸、腎臓、肝臓、肺(小細胞肺がん、および非小細胞肺がん)、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、子宮頸部、甲状腺、前立腺、頭頸部、および皮膚(基底および扁平細胞癌、黒色腫皮膚がん、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、皮膚リンパ腫を含む)のがん;リンパ系列の造血腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫を含む);骨髄系列の造血腫瘍(急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病を含む);間葉起源の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫、および例えば軟組織および骨といった他の肉腫を含む);中枢および末梢神経系の腫瘍(星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、膠芽腫、および神経鞘腫を含む);ならびに他の腫瘍(黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、および甲状腺濾胞がんを含む)からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0203】
一部の実施形態では、本発明は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)を治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MPNが、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択され、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0204】
一部の実施形態では、本発明は、慢性骨髄性白血病(CML)を治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0205】
一部の実施形態では、本発明は、急性骨髄性白血病(AML)を治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0206】
一部の実施形態では、本発明は、メルケル細胞癌(MCC)を治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0207】
一部の実施形態では、本発明は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)を治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MPNが、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択され、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0208】
一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一部の実施形態では、本発明は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)を治療するための式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MPNが、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0209】
一部の実施形態では、本発明は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)を治療するための式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MPNが、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、および原発性骨髄線維症からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0210】
一部の実施形態では、本発明は、真性多血症(PV)を治療するための式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0211】
一部の実施形態では、本発明は、真性多血症(PV)を治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0212】
一部の実施形態では、本発明は、真性多血症(PV)を治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0213】
一部の実施形態では、本発明は、本態性血小板血症(ET)を治療するための式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0214】
一部の実施形態では、本発明は、本態性血小板血症(ET)を治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0215】
一部の実施形態では、本発明は、本態性血小板血症(ET)を治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0216】
一部の実施形態では、本発明は、原発性骨髄線維症を治療するための式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0217】
一部の実施形態では、本発明は、原発性骨髄線維症を治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0218】
一部の実施形態では、本発明は、原発性骨髄線維症を治療するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤が、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0219】
一実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後骨髄線維症(PV後MF)、および本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)から選択される。
【0220】
医薬組成物は、典型的には、治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を提供するように配合される。所望の場合、医薬組成物は、薬学的に許容される塩および/またはその配位錯体、ならびに1つまたはより多くの薬学的に許容される賦形剤、担体、例えば、不活性の固体希釈剤および充填剤、希釈剤、例えば、無菌水性溶液および様々な有機溶媒、浸透促進剤、可溶化剤および佐剤を含有する。所望の場合、MDM2阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩に加えて他の成分が調製物に混合されてもよく、または、両方の成分は、別々もしくは同時に組み合わせて使用するために別々の調製物に配合されてもよい。
【0221】
選択された実施形態では、本発明の医薬組成物中に提供されるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の濃度は、例えば、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%または0.0001%未満のw/w、w/vまたはv/vである。
【0222】
選択された実施形態では、本発明の医薬組成物中に提供されるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の濃度は、独立して、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25% 19%、18.75%、18.50%、18.25% 18%、17.75%、17.50%、17.25% 17%、16.75%、16.50%、16.25% 16%、15.75%、15.50%、15.25% 15%、14.75%、14.50%、14.25% 14%、13.75%、13.50%、13.25% 13%、12.75%、12.50%、12.25% 12%、11.75%、11.50%、11.25% 11%、10.75%、10.50%、10.25% 10%、9.75%、9.50%、9.25% 9%、8.75%、8.50%、8.25% 8%、7.75%、7.50%、7.25% 7%、6.75%、6.50%、6.25% 6%、5.75%、5.50%、5.25% 5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%または0.0001%のw/w、w/v、またはv/vより高い。
【0223】
選択された実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の濃度は、独立して、約0.0001%~約50%、約0.001%~約40%、約0.01%~約30%、約0.02%~約29%、約0.03%~約28%、約0.04%~約27%、約0.05%~約26%、約0.06%~約25%、約0.07%~約24%、約0.08%~約23%、約0.09%~約22%、約0.1%~約21%、約0.2%~約20%、約0.3%~約19%、約0.4%~約18%、約0.5%~約17%、約0.6%~約16%、約0.7%~約15%、約0.8%~約14%、約0.9%~約12%または約1%~約10%のw/w、w/vまたはv/vの範囲内である。
【0224】
選択された実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の濃度は、独立して、約0.001%~約10%、約0.01%~約5%、約0.02%~約4.5%、約0.03%~約4%、約0.04%~約3.5%、約0.05%~約3%、約0.06%~約2.5%、約0.07%~約2%、約0.08%~約1.5%、約0.09%~約1%、約0.1%~約0.9%のw/w、w/vまたはv/vの範囲内である。
【0225】
選択された実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の量は、独立して、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002gまたは0.0001gに等しいまたは未満である。
【0226】
選択された実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の量は、独立して、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5gまたは10gより多い。
【0227】
MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、広い投与量範囲にわたり効果的である。例えば、成人ヒトの治療において、独立して、0.01~1000mg、0.5~100mg、1~50mg/日、および5~40mg/日の範囲内の投与量は、使用されてもよい投与量の例である。正確な投与量は、投与の経路、化合物が投与される形態、治療される対象の性別および年齢、治療される対象の体重、ならびに主治医の好みおよび経験に依存する。
【0228】
非限定的な例示的な医薬組成物およびそれを調製する方法が以下に記載される。
【0229】
経口投与用の医薬組成物
選択された実施形態では、本発明は、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩、および経口投与のために好適な薬学的賦形剤を含む経口投与用の医薬組成物を提供する。
【0230】
選択された実施形態では、本発明は、(i)有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の組合せおよび(ii)経口投与のために好適な薬学的賦形剤を含有する経口投与用の固体医薬組成物を提供する。選択された実施形態では、組成物は、(iii)有効量の少なくとも1つの追加の活性成分をさらに含有する。
【0231】
選択された実施形態では、医薬組成物は、経口摂取のために好適な液体医薬組成物であってもよい。経口投与のために好適な本発明の医薬組成物は、別個の投与形態として、例えば、カプセル、カシェ剤、または錠剤、または予め決定された量の活性成分をそれぞれ含有する液体もしくはエアロゾルスプレーとして、粉末としてまたは顆粒、溶液、または水性もしくは非水性液中の懸濁液、水中油エマルション、または油中水液体エマルション中に提供され得る。そのような投与形態は任意の方法により調製することができるが、全ての方法は、活性成分を、1つまたはより多くの必要な成分を構成する担体と一緒にするステップを含む。一般に、組成物は、活性成分を液体担体または微細に分割された固体担体または両方と均一かつ密接に混合し、次に、必要な場合、生成物を所望の提供形態に成形することにより調製される。例えば、錠剤は、任意選択的に1つまたはより多くの副成分と共に、圧縮または成形することにより調製することができる。圧縮錠剤は、好適な機械中で活性成分を、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、および/または表面活性剤もしくは分散剤などであるがそれに限定されない賦形剤と任意選択的に混合された、粉末または顆粒などの流動性形態に圧縮することにより調製することができる。成形された錠剤は、好適な機械中で不活性の液体希釈剤を用いて湿潤化された粉末化化合物の混合物を成形することにより製造することができる。
【0232】
水は一部の化合物の分解を促進できるので、本発明は無水医薬組成物および投与形態をさらに包含する。例えば、経時的な配合物の貯蔵寿命または安定性などの特徴を決定するために長期貯蔵をシミュレートする手段として薬学技術分野において水が添加(例えば、5%)されることがある。本発明の無水医薬組成物および投与形態は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を使用して調製することができる。ラクトースを含有する本発明の医薬組成物および投与形態は、製造、包装、および/または貯蔵の間の水分および/または湿度との実質的な接触が予期される場合に無水とすることができる。無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように調製および貯蔵されてもよい。したがって、無水組成物は、水への曝露を防止することが公知の材料を使用して包装されてもよく、それにより、それらを好適な処方キットに含めることができる。好適な包装の例としては、密封ホイル、プラスチックまたは類似のもの、単位用量容器、ブリスターパック、およびストリップパックが挙げられるがそれに限定されない。
【0233】
MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、従来の薬学的配合技術にしたがって薬学的担体と密接な混合状態に合わせることができる。担体は、投与のために所望される調製物の形態に依存して多様な形態をとることができる。経口投与形態用の組成物の調製において、任意の通常の薬学的媒体を担体として用いることができ、これは例えば、経口液体調製物(例えば、懸濁液、溶液、およびエリキシル)もしくはエアロゾルの場合、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、および着色剤などであり、または、経口固体調製物の場合、担体、例えば、デンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤を使用することができ、一部の実施形態では、ラクトースの使用は用いられない。例えば、好適な担体としては、固体経口調製物と共に、粉末、カプセル、および錠剤が挙げられる。所望の場合、錠剤は、標準的な水性または非水性技術によりコーティングすることができる。
【0234】
医薬組成物および投与形態において使用するために好適な結合剤としては、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、または他のデンプン、ゼラチン、天然および合成ガム、例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカント、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、ならびにその混合物が挙げられるがそれに限定されない。
【0235】
本明細書に開示される医薬組成物および投与形態において使用するための好適な充填剤の例としては、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、およびその混合物が挙げられるがそれに限定されない。
【0236】
崩壊剤は、水性環境に曝露された時に崩壊する錠剤を提供するために本発明の組成物において使用されてもよい。多過ぎる崩壊剤は、ボトル中で崩壊する錠剤を生じさせることがある。少な過ぎると、崩壊が起こることで投与形態からの活性成分の放出の速度および程度が変化するために不十分なことがある。そのため、活性成分の放出を不利益に変化させる少な過ぎるものでも多過ぎるものでもない十分な量の崩壊剤が、本明細書に開示される化合物の投与形態を形成するために使用されてもよい。使用される崩壊剤の量は、配合物の種類および投与の様式に基づいて変動することがあり、当業者に容易に認識可能であり得る。約0.5~約15重量パーセントの崩壊剤、または約1~約5重量パーセントの崩壊剤が医薬組成物において使用されてもよい。本発明の医薬組成物および投与形態を形成するために使用することができる崩壊剤としては、アガー-アガー、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、クレイ、他のアルギン、他のセルロース、ガムまたはその混合物が挙げられるがそれに限定されない。
【0237】
本発明の医薬組成物および投与形態を形成するために使用することができる潤滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水添植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル(ethylaureate)、寒天、またはその混合物が挙げられるがそれに限定されない。追加の潤滑剤としては、例えば、サイロイドシリカゲル、合成シリカの凝固エアロゾル、またはその混合物が挙げられる。滑沢剤は、任意選択的に、医薬組成物の約1重量パーセント未満の量で添加することができる。
【0238】
水性懸濁液および/またはエリキシルが経口投与のために所望される場合、その中の必須の活性成分は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびその様々な組合せなどの希釈剤と共に、様々な甘味剤または香味剤、着色物質または色素、ならびにそのように所望される場合には乳化剤および/または懸濁化剤と合わせられてもよい。
【0239】
錠剤は非コーティングであり得るか、または、胃腸管中での崩壊および吸収を遅延させ、それにより、より長い期間にわたり持続的な作用を提供するために公知の技術によりコーティングすることができる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を用いることができる。経口使用のための配合物はまた、活性成分が不活性の固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合された硬質ゼラチンカプセルとして、または活性成分が水もしくは油媒体、例えば、ピーナッツ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合された軟質ゼラチンカプセルとして提供することができる。
【0240】
本発明の医薬組成物および投与形態を形成するために使用することができる界面活性剤としては、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、およびその混合物が挙げられるがそれに限定されない。すなわち、親水性界面活性剤の混合物が用いられてもよく、親油性界面活性剤の混合物が用いられてもよく、または少なくとも1つの親水性界面活性剤および少なくとも1つの親油性界面活性剤の混合物が用いられてもよい。
【0241】
好適な親水性界面活性剤は、一般的に、少なくとも10のHLB値を有することがあり、好適な親油性界面活性剤は、一般的に、約10またはそれ未満のHLB値を有することがある。非イオン性両親媒性化合物の相対的な親水性および疎水性を特徴付けるために使用される経験的なパラメーターは、親水性-親油性バランス(「HLB」値)である。より低いHLB値を有する界面活性剤はより親油性または疎水性であり、油中でより高い溶解性を有し、より高いHLB値を有する界面活性剤はより親水性であり、水性溶液中でより高い溶解性を有する。親水性界面活性剤は、一般的に、約10より高いHLB値を有する化合物の他に、HLBスケールが一般的に適用されない陰イオン性、陽イオン性、または双性イオン性化合物であると考えられる。同様に、親油性(すなわち、疎水性)界面活性剤は、約10に等しいまたはそれ未満のHLB値を有する化合物である。しかしながら、界面活性剤のHLB値は単に、産業的、薬学的および美容的エマルションの配合物を可能とするために一般的に使用される大まかなガイドである。
【0242】
親水性界面活性剤はイオン性または非イオン性のいずれかであってもよい。好適なイオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチンおよび水添レシチン;リゾレシチンおよび水添リゾレシチン;リン脂質およびその誘導体;リゾリン脂質およびその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドクサートナトリウム;アシル乳酸塩(acylactylates);モノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化酒石酸エステル;サクシニル化モノおよびジグリセリド;モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル;ならびにその混合物が挙げられるがそれに限定されない。
【0243】
上述の群内で、イオン性界面活性剤としては、例として、レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質およびその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドクサートナトリウム;アシル乳酸塩;モノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化酒石酸エステル;サクシニル化モノおよびジグリセリド;モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル;ならびにその混合物が挙げられる。
【0244】
イオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG-ホスファチジルエタノールアミン、PVP-ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチルエステル、ステアロイル-2-ラクチレート、ステアロイルラクチレート、サクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ラウリル硫酸、テラセシル硫酸(teracecyl sulfate)、ドクサート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ならびにこれらの塩および混合物のイオン化形態であってもよい。
【0245】
親水性非イオン性界面活性剤としては、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、例えば、ポリエチレングリコールアルキルエーテル;ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、例えば、ポリエチレングリコールアルキルフェノール;ポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;グリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸、およびステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの親水性エステル交換反応生成物;ポリオキシエチレンステロール、その誘導体、およびアナログ;ポリオキシエチル化ビタミンおよびその誘導体;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ならびにその混合物;トリグリセリド、植物油、および水添植物油からなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールのポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび親水性エステル交換反応生成物を挙げることができるがそれに限定されない。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリトリトール、またはサッカリドであってもよい。
【0246】
他の親水性非イオン性界面活性剤としては、ラウリン酸PEG-10、ラウリン酸PEG-12、ラウリン酸PEG-20、ラウリン酸PEG-32、ジラウリン酸PEG-32、オレイン酸PEG-12、オレイン酸PEG-15、オレイン酸PEG-20、ジオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-32、オレイン酸PEG-200、オレイン酸PEG-400、ステアリン酸PEG-15、ジステアリン酸PEG-32、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-100、ジラウリン酸PEG-20、トリオレイン酸PEG-25グリセリル、ジオレイン酸PEG-32、ラウリン酸PEG-20グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ステアリン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-40グリセリル、PEG-40パーム核油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-60コーン油、カプリン酸/カプリル酸PEG-6グリセリド、カプリン酸/カプリル酸PEG-8グリセリド、ラウリン酸ポリグリセリル-10、PEG-30コレステロール、PEG-25フィトステロール、PEG-30ダイズステロール、トリオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-40ソルビタン、ラウリン酸PEG-80ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE-9ラウリルエーテル、POE-23ラウリルエーテル、POE-10オレイルエーテル、POE-20オレイルエーテル、POE-20ステアリルエーテル、トコフェリルコハク酸PEG-100、PEG-24コレステロール、オレイン酸ポリグリセリル-10、Tween 40、Tween 60、モノステアリン酸スクロース、モノラウリン酸スクロース、モノパルミチン酸スクロース、PEG 10-100ノニルフェノールシリーズ、PEG 15-100オクチルフェノールシリーズ、およびポロキサマーが挙げられるがそれに限定されない。
【0247】
好適な親油性界面活性剤としては、例に過ぎないが、脂肪族アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロールおよびステロール誘導体;ポリオキシエチル化ステロールおよびステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノおよびジグリセリドの乳酸誘導体;グリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸およびステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの疎水性エステル交換反応生成物;油溶性ビタミン/ビタミン誘導体;ならびにその混合物が挙げられる。この群の中で、好ましい親油性界面活性剤としては、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびその混合物が挙げられ、または植物油、水添植物油、およびトリグリセリドからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの疎水性エステル交換反応生成物である。
【0248】
一実施形態では、組成物は、本発明の化合物の良好な可溶化および/または溶解を確実にするためならびに本発明の化合物の沈殿を最小化するために可溶化剤を含んでもよい。これは、非経口使用のための組成物、例えば、注射用組成物のために特に重要であり得る。可溶化剤はまた、親水性薬物および/もしくは他の成分、例えば、界面活性剤の溶解性を増加させるため、または組成物を安定もしくは均質な溶液もしくは分散体として維持するために添加されてもよい。
【0249】
好適な可溶化剤の例としては、以下が挙げられるがそれに限定されない:アルコールおよびポリオール、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールおよびその異性体、グリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体;約200~約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル、例えば、テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)またはメトキシPEG;アミドおよび他の窒素含有化合物、例えば、2-ピロリドン、2-ピペリドン、ε-カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-アルキルピペリドン、N-アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミドおよびポリビニルピロリドン;エステル、例えば、プロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ブチル酸エチル、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、イプシロン-カプロラクトンおよびその異性体、δ-バレロラクトンおよびその異性体、β-ブチロラクトンおよびその異性体;ならびに当該技術分野において公知の他の可溶化剤、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、および水。
【0250】
可溶化剤の混合物もまた使用することができる。例としては、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200-100、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドが挙げられるがそれに限定されない。特に好ましい可溶化剤としては、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG-400、グリコフロールおよびプロピレングリコールが挙げられる。
【0251】
含めることができる可溶化剤の量は特に限定されない。所与の可溶化剤の量は生体許容量に限定されてもよく、これは当業者により容易に決定され得る。一部の状況において、例えば薬物の濃度を最大化するために、生体許容量よりはるかに過剰な可溶化剤の量を含むことが有利なことがあり、過剰な可溶化剤は、蒸留または蒸発などの従来技術を使用して患者に組成物を提供する前に除去される。そのため、可溶化剤が存在する場合、それは、薬物、および他の賦形剤の合わせた重量に基づいて、重量で10%、25%、50%、100%、または最大約200%の重量比であることができる。所望の場合、非常に小量の可溶化剤を使用することもでき、これは例えば、5%、2%、1%またはよりいっそう少ないものである。典型的には、可溶化剤は、重量で約1%~約100%、より典型的には約5%~約25%の量で存在してもよい。
【0252】
組成物は、1つまたはより多くの薬学的に許容される添加物および賦形剤をさらに含むことができる。そのような添加物および賦形剤としては、脱粘着剤、抗気泡剤、緩衝化剤、ポリマー、抗酸化剤、防腐剤、キレート剤、粘性調整剤、等張化剤、香料、着色剤、臭気剤、乳白剤、懸濁化剤、結合剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、およびその混合物が挙げられるがそれに限定されない。
【0253】
追加的に、加工を促進するため、安定性を増進するため、または他の理由のために酸または塩基が組成物に組み込まれてもよい。薬学的に許容される塩基の例としては、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロカルサイト、水酸化マグネシウムアルミニウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)などが挙げられる。薬学的に許容される酸、例えば、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、および尿酸などの塩である塩基もまた好適である。多塩基酸の塩、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、およびリン酸二水素ナトリウムもまた使用することができる。塩基が塩である場合、陽イオンは、任意の好都合かつ薬学的に許容される陽イオン、例えば、アンモニウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属であることができる。例としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウムおよびアンモニウムを挙げることができるがそれに限定されない。
【0254】
好適な酸は、薬学的に許容される有機または無機酸である。好適な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、およびリン酸などが挙げられる。好適な有機酸の例としては、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸および尿酸が挙げられる。
【0255】
注射用の医薬組成物
選択された実施形態では、本発明は、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩、および注射のために好適な薬学的賦形剤を含む、注射用の医薬組成物を提供する。組成物中の剤の成分および量は本明細書に記載される通りである。
【0256】
本発明の組成物が注射による投与のために組み込まれ得る形態としては、ゴマ油、コーン油、綿実油、またはピーナッツ油を含む、水性または油性懸濁液、またはエマルションの他に、エリキシル、マンニトール、デキストロース、または無菌水性溶液、および類似した薬学的溶媒が挙げられる。
【0257】
生理食塩水中の水性溶液もまた、注射のために従来使用されている。エタノール、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール(およびその好適な混合物)、シクロデキストリン誘導体、ならびに植物油もまた用いることができる。適切な流動性は、例えば、分散体の場合には必要とされる粒子サイズの維持のためのレシチンなどのコーティングの使用により、および界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸およびチメロサールによりもたらすことができる。
【0258】
無菌の注射可能な溶液は、必要とされる量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を、必要に応じて上記に列記されるような様々な他の成分と共に適切な溶媒に組み込み、続いて滅菌濾過を行うことにより調製される。一般的に、分散体は、様々な滅菌された活性成分を、基本的な分散媒体および上記に列記されるものからの必要とされる他の成分を含有する無菌の溶媒に組み込むことにより調製される。無菌の注射可能な溶液の調製用の無菌粉末の場合、調製のある特定の望ましい方法は真空乾燥およびフリーズドライ技術であり、これは、活性成分と、以前に滅菌濾過された溶液からの任意の追加の所望の成分との粉末をもたらす。
【0259】
MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩またはこれらの化合物の医薬組成物の投与は、作用の部位への化合物の送達を可能とする任意の方法によりもたらすことができる。これらの方法は、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、血管内、腹腔内もしくは注入を含む)、外用(例えば、経皮塗布)、直腸投与、カテーテルもしくはステントによる局所送達を介するものまたは吸入を通じたものを含む。化合物の組合せはまた、脂肪内または髄腔内に投与することができる。
【0260】
例示的な非経口投与形態としては、無菌水性溶液、例えば、水性プロピレングリコールまたはデキストロース溶液中の活性化合物の溶液または懸濁液が挙げられる。そのような投与形態は、所望の場合、好適に緩衝化することができる。
【0261】
本発明はまたキットを提供する。キットは、単独または好適な包装中の組合せのいずれかの、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩、ならびに使用のための説明書、臨床研究の議論および副作用の列記を含み得る資料を含む。そのようなキットはまた、科学文献の参照、パッケージ挿入物材料、臨床試験の結果、および/またはこれらの要約などの情報を含んでもよく、これは、組成物の活性および/もしくは利点を指し示しもしくは確立し、かつ/または投薬、投与、副作用、薬物相互作用、もしくは医療提供者にとって有用な他の情報を記載する。そのような情報は、様々な研究、例えば、インビボモデルを伴う実験動物を使用する研究およびヒト臨床試験に基づく研究の結果に基づいてもよい。キットは別の活性薬学成分をさらに含有してもよい。使用のための好適な包装および追加の物品(例えば、液体調製用の計量カップ、および空気への曝露を最小化するためのホイルラッピングなど)は当該技術分野において公知であり、キットに含めることができる。本明細書に記載のキットは、医師、看護師、薬剤師、および処方当局者などを含む医療提供者に提供、販売および/または奨励され得る。キットはまた、選択された実施形態では、消費者に直接的に販売されてもよい。一実施形態では、本発明は、MPNの治療において使用するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含むキットを提供する。一実施形態では、MPNは、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、および原発性骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態では、本発明は、慢性骨髄性白血病(CML)の治療において使用するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含むキットを提供する。一実施形態では、本発明は、急性骨髄性白血病(AML)の治療において使用するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含むキットを提供する。一実施形態では、本発明は、メルケル細胞癌(MCC)の治療において使用するためのMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含むキットを提供する。
【0262】
投与量および投与レジメン
投与されるMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の量は、治療されるヒト、障害または状態の重篤度、投与率、化合物の性質および処方医師の自由裁量に依存する。しかしながら、有効投与量は、単回または分割用量において約0.001~約100mg/kg体重/日、例えば、約1~約35mg/kg/日の範囲内である。70kgのヒトについて、これは、約0.05~7g/日、例えば、約0.05~約2.5g/日に値する。一部の事例では、前述の範囲の下限より低い投与量レベルが、十分なものより多いことがあり、他の場合には、いっそうより大きい用量が、例えば、1日を通じた投与のためのいくつかの小さい用量にそのようなより大きい用量を分割することにより、いかなる有害な副作用も引き起こすことなく用いられ得る。
【0263】
一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は単回用量において投与される。典型的には、そのような投与は、剤を迅速に導入するために注射、例えば、静脈注射により為される。しかしながら、他の経路が適宜使用されてもよい。単回用量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩はまた、急性状態の治療のために使用されてもよい。
【0264】
一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、MPNを治療するために複数用量において投与される。一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、複数用量において投与される。一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、注射、例えば、静脈注射により複数用量において投与される。一実施形態では、投与は、1日当たり1回、2回、3回、4回、5回、6回、または6回より多くであってもよい。一実施形態では、投与は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、1日6回、1日おきに1回、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、隔週、および月毎からなる群から選択されてもよい。他の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、約1回/日~約6回/日で投与される。一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は1日1回投与され、他の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は1日2回投与され、他の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は1日3回投与される。一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は週3回投与され、これには、毎週月曜、水曜、および金曜が含まれる。
【0265】
MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与は、必要なだけ長く継続されてもよい。一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31またはより多くの日数より長く投与される。一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、28、14、7、6、5、4、3、2、または1日未満にわたり投与される。一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、約14日、約21日、約28日、約35日、約42日、約49日、または約56日にわたり投与される。一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、例えば、慢性効果の治療のために、継続的に慢性的に投与される。別の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与は、約7日未満にわたり継続される。さらに別の実施形態では、投与は、約6、10、14、28日、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月または1年より長く継続される。一部の実施形態では、投与は、約1年、2年、3年、4年、または5年より長く継続される。一部の実施形態では、連続的な投与は、必要なだけ長く達成および維持される。
【0266】
一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の有効投与量は、約1mg~約500mg、約10mg~約300mg、約20mg~約250mg、約25mg~約200mg、約10mg~約200mg、約20mg~約150mg、約30mg~約120mg、約10mg~約90mg、約20mg~約80mg、約30mg~約70mg、約40mg~約60mg、約45mg~約55mg、約48mg~約52mg、約50mg~約150mg、約60mg~約140mg、約70mg~約130mg、約80mg~約120mg、約90mg~約110mg、約95mg~約105mg、約150mg~約250mg、約160mg~約240mg、約170mg~約230mg、約180mg~約220mg、約190mg~約210mg、約195mg~約205mg、または約198~約202mgの範囲内である。一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の有効投与量は、約15mg、約25mg、約30mg、約50mg、約50mg、約75mg、約90mg、約100mg、約120mg、約125mg、約150mg、約175mg、約180mg、約200mg、約225mg、約240mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約360mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約480mg、または約500mgである。一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の有効投与量は、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mgである。
【0267】
一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の有効投与量は、約0.01mg/kg~約4.3mg/kg、約0.15mg/kg~約3.6mg/kg、約0.3mg/kg~約3.2mg/kg、約0.35mg/kg~約2.85mg/kg、約0.15mg/kg~約2.85mg/kg、約0.3mg~約2.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1.7mg/kg、約0.15mg/kg~約1.3mg/kg、約0.3mg/kg~約1.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1mg/kg、約0.55mg/kg~約0.85mg/kg、約0.65mg/kg~約0.8mg/kg、約0.7mg/kg~約0.75mg/kg、約0.7mg/kg~約2.15mg/kg、約0.85mg/kg~約2mg/kg、約1mg/kg~約1.85mg/kg、約1.15mg/kg~約1.7mg/kg、約1.3mg/kg mg~約1.6mg/kg、約1.35mg/kg~約1.5mg/kg、約2.15mg/kg~約3.6mg/kg、約2.3mg/kg~約3.4mg/kg、約2.4mg/kg~約3.3mg/kg、約2.6mg/kg~約3.15mg/kg、約2.7mg/kg~約3mg/kg、約2.8mg/kg~約3mg/kg、または約2.85mg/kg~約2.95mg/kgの範囲内である。一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の有効投与量は、約0.35mg/kg、約0.7mg/kg、約1mg/kg、約1.4mg/kg、約1.8mg/kg、約2.1mg/kg、約2.5mg/kg、約2.85mg/kg、約3.2mg/kg、または約3.6mg/kgである。
【0268】
一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、10~500mg BIDの投与量で投与され、これには、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mg BIDの投与量が含まれる。
【0269】
一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、10~500mg QDの投与量で投与され、これには、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、および480mg QDの投与量が含まれる。
【0270】
有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、頬側、舌下、および経皮経路、動脈注射によるもの、静脈内、非経口的、筋肉内、皮下または経口的なものを含む、類似した有用性を有する剤の任意の許容される投与様式により、単回用量または複数用量のいずれかにおいて投与されてもよい。
【0271】
一部の実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、対象に間欠的に投与され、これは間欠投与として公知である。「間欠投与」は、治療有効量のMDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与の期間、続いて中止の期間、次にこれに続いて別の投与期間などであることを意味する。各投与期間において、投与頻度は、1日3回、1日2回、1日毎、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回または月毎から独立して選択することができる。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0272】
「中止の期間」または「中止期間」または「休息期間」は、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与を中止する時間の長さを意味する。中止の期間は、投与期間より長いもしくはより短いまたは投与期間と同じであってもよい。中止期間の間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩以外の他の治療剤が投与されてもよい。
【0273】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)を治療するためにそれを必要とするヒト対象に第1の投与期間にわたり投与され、次に中止期間が続き、次に第2の投与期間が続く、などであり、MPNは、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択される。第1の投与期間、第2の投与期間、および中止期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1か月、5週、6週、7週、2か月、9週、10週、11(elven)週、3か月、13週、14週、15週、4か月、およびより多くの日数より長くからなる群から独立して選択され、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、対象に1日3回、1日2回、1日毎、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回または月毎に投与される。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より短い。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より長い。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約1週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0274】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、真性多血症(PV)を治療するためにそれを必要とするヒト対象に第1の投与期間にわたり投与され、次に中止期間が続き、次に第2の投与期間が続く、などである。第1の投与期間、第2の投与期間、および中止期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1か月、5週、6週、7週、2か月、9週、10週、11週、3か月、13週、14週、15週、4か月、およびより多くの日数より長くからなる群から独立して選択され、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、対象に1日3回、1日2回、1日毎、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回または月毎に投与される。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より短い。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より長い。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約1週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0275】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、本態性血小板血症(ET)を治療するためにそれを必要とするヒト対象に第1の投与期間にわたり投与され、次に中止期間が続き、次に第2の投与期間が続く、などである。第1の投与期間、第2の投与期間、および中止期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1か月、5週、6週、7週、2か月、9週、10週、11週、3か月、13週、14週、15週、4か月、およびより多くの日数より長くからなる群から独立して選択され、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、対象に1日3回、1日2回、1日毎、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回または月毎に投与される。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より短い。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より長い。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約1週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0276】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、原発性骨髄線維症を治療するためにそれを必要とするヒト対象に第1の投与期間にわたり投与され、次に中止期間が続き、次に第2の投与期間が続く、などである。第1の投与期間、第2の投与期間、および中止期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1か月、5週、6週、7週、2か月、9週、10週、11週、3か月、13週、14週、15週、4か月、およびより多くの日数より長くからなる群から独立して選択され、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、対象に1日3回、1日2回、1日毎、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回または月毎に投与される。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より短い。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より長い。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約1週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0277】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、慢性骨髄性白血病(CML)を治療するためにそれを必要とするヒト対象に第1の投与期間にわたり投与され、次に中止期間が続き、次に第2の投与期間が続く、などである。第1の投与期間、第2の投与期間、および中止期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1か月、5週、6週、7週、2か月、9週、10週、11週、3か月、13週、14週、15週、4か月、およびより多くの日数より長くからなる群から独立して選択され、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、対象に1日3回、1日2回、1日毎、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回または月毎に投与される。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より短い。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より長い。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約1週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0278】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、急性骨髄性白血病(AML)を治療するためにそれを必要とするヒト対象に第1の投与期間にわたり投与され、次に中止期間が続き、次に第2の投与期間が続く、などである。第1の投与期間、第2の投与期間、および中止期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1か月、5週、6週、7週、2か月、9週、10週、11週、3か月、13週、14週、15週、4か月、およびより多くの日数より長くからなる群から独立して選択され、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、対象に1日3回、1日2回、1日毎、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回または月毎に投与される。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より短い。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より長い。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約1週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0279】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、メルケル細胞癌(MCC)を治療するためにそれを必要とするヒト対象に第1の投与期間にわたり投与され、次に中止期間が続き、次に第2の投与期間が続く、などである。第1の投与期間、第2の投与期間、および中止期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1か月、5週、6週、7週、2か月、9週、10週、11週、3か月、13週、14週、15週、4か月、およびより多くの日数より長くからなる群から独立して選択され、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、対象に1日3回、1日2回、1日毎、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回または月毎に投与される。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より短い。一実施形態では、第1の投与期間は第2の投与期間より長い。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約1週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約3週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に1日毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、第1の投与期間および第2の投与期間は約4週であり、その間に、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は対象に週毎に投与され、かつ、中止期間は約2週である。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物である。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0280】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、がんを治療するためにそれを必要とする対象に3週、6週、9週、12週、15週、18週、21週、24週、27週、30週、33週、36週、39週、42週、45週、48週、51週、54週、57週、60週、63週、66週、69週、72週、75週、78週、81週、84週、87週、90週、93週、96週、99週、102週、105週、108週、111週、114週、117週、120週、123週、126週、129週、132週、135週、138週、141週、144週、147週、150週、153週、および156週から選択される期間にわたり21日サイクルの1~7日目に投与され(8~21日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、がんは、癌腫、例えば、膀胱、乳房、結腸、直腸、腎臓、肝臓、肺(小細胞肺がん、および非小細胞肺がん)、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、子宮頸部、甲状腺、前立腺、頭頸部、および皮膚(基底および扁平細胞癌、黒色腫皮膚がん、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、皮膚リンパ腫を含む)のがん;リンパ系列の造血腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫を含む);骨髄系列の造血腫瘍(急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病を含む);間葉起源の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫、および例えば軟組織および骨といった他の肉腫を含む);中枢および末梢神経系の腫瘍(星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、膠芽腫、および神経鞘腫を含む);ならびに他の腫瘍(黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、および甲状腺濾胞がんを含む)からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0281】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、MPNを治療するためにそれを必要とする対象に3週、6週、9週、12週、15週、18週、21週、24週、27週、30週、33週、36週、39週、42週、45週、48週、51週、54週、57週、60週、63週、66週、69週、72週、75週、78週、81週、84週、87週、90週、93週、96週、99週、102週、105週、108週、111週、114週、117週、120週、123週、126週、129週、132週、135週、138週、141週、144週、147週、150週、153週、および156週から選択される期間にわたり21日サイクルの1~7日目に投与され(8~21日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、MPNは、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0282】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、原発性骨髄線維症を治療するためにそれを必要とする対象に3週、6週、9週、12週、15週、18週、21週、24週、27週、30週、33週、36週、39週、42週、45週、48週、51週、54週、57週、60週、63週、66週、69週、72週、75週、78週、81週、84週、87週、90週、93週、96週、99週、102週、105週、108週、111週、114週、117週、120週、123週、126週、129週、132週、135週、138週、141週、144週、147週、150週、153週、および156週から選択される期間にわたり21日サイクルの1~7日目に投与され(8~21日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0283】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、真性多血症を治療するためにそれを必要とする対象に3週、6週、9週、12週、15週、18週、21週、24週、27週、30週、33週、36週、39週、42週、45週、48週、51週、54週、57週、60週、63週、66週、69週、72週、75週、78週、81週、84週、87週、90週、93週、96週、99週、102週、105週、108週、111週、114週、117週、120週、123週、126週、129週、132週、135週、138週、141週、144週、147週、150週、153週、および156週から選択される期間にわたり21日サイクルの1~7日目に投与され(8~21日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0284】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、瀉血依存性真性多血症を治療するためにそれを必要とするヒト対象に3週、6週、9週、12週、15週、18週、21週、24週、27週、30週、33週、36週、39週、42週、45週、48週、51週、54週、57週、60週、63週、66週、69週、72週、75週、78週、81週、84週、87週、90週、93週、96週、99週、102週、105週、108週、111週、114週、117週、120週、123週、126週、129週、132週、135週、138週、141週、144週、147週、150週、153週、および156週から選択される期間にわたり21日サイクルの1~7日目に投与され(8~21日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物およびその薬学的に許容される塩であり、かつ、MDM2阻害剤は、120mgまたは240mg 1日1回(QD)の用量で経口的に投与される。一実施形態では、ヒト対象はヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)である。一実施形態では、ヒト対象はヒドロキシウレア(HU)抵抗性(不十分な応答)である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有しかつ瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有さずに瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は、ルキソリチニブ療法に失敗した者である。
【0285】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、本態性血小板血症を治療するためにそれを必要とする対象に3週、6週、9週、12週、15週、18週、21週、24週、27週、30週、33週、36週、39週、42週、45週、48週、51週、54週、57週、60週、63週、66週、69週、72週、75週、78週、81週、84週、87週、90週、93週、96週、99週、102週、105週、108週、111週、114週、117週、120週、123週、126週、129週、132週、135週、138週、141週、144週、147週、150週、153週、および156週から選択される期間にわたり21日サイクルの1~7日目に投与され(8~21日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0286】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、慢性骨髄性白血病(CML)を治療するためにそれを必要とする対象に3週、6週、9週、12週、15週、18週、21週、24週、27週、30週、33週、36週、39週、42週、45週、48週、51週、54週、57週、60週、63週、66週、69週、72週、75週、78週、81週、84週、87週、90週、93週、96週、99週、102週、105週、108週、111週、114週、117週、120週、123週、126週、129週、132週、135週、138週、141週、144週、147週、150週、153週、および156週から選択される期間にわたり21日サイクルの1~7日目に投与され(8~21日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0287】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、急性骨髄性白血病(AML)を治療するためにそれを必要とする対象に3週、6週、9週、12週、15週、18週、21週、24週、27週、30週、33週、36週、39週、42週、45週、48週、51週、54週、57週、60週、63週、66週、69週、72週、75週、78週、81週、84週、87週、90週、93週、96週、99週、102週、105週、108週、111週、114週、117週、120週、123週、126週、129週、132週、135週、138週、141週、144週、147週、150週、153週、および156週から選択される期間にわたり21日サイクルの1~7日目に投与され(8~21日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0288】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、メルケル細胞癌(MCC)を治療するためにそれを必要とする対象に3週、6週、9週、12週、15週、18週、21週、24週、27週、30週、33週、36週、39週、42週、45週、48週、51週、54週、57週、60週、63週、66週、69週、72週、75週、78週、81週、84週、87週、90週、93週、96週、99週、102週、105週、108週、111週、114週、117週、120週、123週、126週、129週、132週、135週、138週、141週、144週、147週、150週、153週、および156週から選択される期間にわたり21日サイクルの1~7日目に投与され(8~21日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0289】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、がんを治療するためにそれを必要とするヒト対象に4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、36週、40週、44週、48週、52週、56週、60週、64週、68週、72週、76週、80週、84週、88週、92週、96週、100週、104週、108週、112週、116週、120週、124週、128週、132週、136週、140週、144週、148週、152週、および156週から選択される期間にわたり28日サイクルの1~7日目に投与され(8~28日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、がんは、癌腫、例えば、膀胱、乳房、結腸、直腸、腎臓、肝臓、肺(小細胞肺がん、および非小細胞肺がん)、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、子宮頸部、甲状腺、前立腺、頭頸部、および皮膚(基底および扁平細胞癌、黒色腫皮膚がん、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、皮膚リンパ腫を含む)のがん;リンパ系列の造血腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫を含む);骨髄系列の造血腫瘍(急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病を含む);間葉起源の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫、および例えば軟組織および骨といった他の肉腫を含む);中枢および末梢神経系の腫瘍(星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、膠芽腫、および神経鞘腫を含む);ならびに他の腫瘍(黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、および甲状腺濾胞がんを含む)からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物およびその薬学的に許容される塩であり、かつ、MDM2阻害剤は、120mgまたは240mg 1日1回(QD)の用量で経口的に投与される。
【0290】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、MPNを治療するためにそれを必要とするヒト対象に4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、36週、40週、44週、48週、52週、56週、60週、64週、68週、72週、76週、80週、84週、88週、92週、96週、100週、104週、108週、112週、116週、120週、124週、128週、132週、136週、140週、144週、148週、152週、および156週から選択される期間にわたり28日サイクルの1~7日目に投与され(8~28日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、MPNは、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および全身性肥満細胞病(SMCD)からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物およびその薬学的に許容される塩であり、かつ、MDM2阻害剤は、120mgまたは240mg 1日1回(QD)の用量で経口的に投与される。
【0291】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、原発性骨髄線維症を治療するためにそれを必要とするヒト対象に4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、36週、40週、44週、48週、52週、56週、60週、64週、68週、72週、76週、80週、84週、88週、92週、96週、100週、104週、108週、112週、116週、120週、124週、128週、132週、136週、140週、144週、148週、152週、および156週から選択される期間にわたり28日サイクルの1~7日目に投与され(8~28日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物およびその薬学的に許容される塩であり、かつ、MDM2阻害剤は、120mgまたは240mg 1日1回(QD)の用量で経口的に投与される。
【0292】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、真性多血症を治療するためにそれを必要とするヒトに4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、36週、40週、44週、48週、52週、56週、60週、64週、68週、72週、76週、80週、84週、88週、92週、96週、100週、104週、108週、112週、116週、120週、124週、128週、132週、136週、140週、144週、148週、152週、および156週から選択される期間にわたり28日サイクルの1~7日目に投与され(8~28日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物およびその薬学的に許容される塩であり、かつ、MDM2阻害剤は、120mgまたは240mg 1日1回(QD)の用量で経口的に投与される。
【0293】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、本態性血小板血症を治療するためにそれを必要とするヒト対象に4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、36週、40週、44週、48週、52週、56週、60週、64週、68週、72週、76週、80週、84週、88週、92週、96週、100週、104週、108週、112週、116週、120週、124週、128週、132週、136週、140週、144週、148週、152週、および156週から選択される期間にわたり28日サイクルの1~7日目に投与され(8~28日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物およびその薬学的に許容される塩であり、かつ、MDM2阻害剤は、120mgまたは240mg 1日1回(QD)の用量で経口的に投与される。
【0294】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、慢性骨髄性白血病(CML)を治療するためにそれを必要とするヒト対象に4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、36週、40週、44週、48週、52週、56週、60週、64週、68週、72週、76週、80週、84週、88週、92週、96週、100週、104週、108週、112週、116週、120週、124週、128週、132週、136週、140週、144週、148週、152週、および156週から選択される期間にわたり28日サイクルの1~7日目に投与され(8~28日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物およびその薬学的に許容される塩であり、かつ、MDM2阻害剤は、120mgまたは240mg 1日1回(QD)の用量で経口的に投与される。
【0295】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、急性骨髄性白血病(AML)を治療するためにそれを必要とするヒト対象に4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、36週、40週、44週、48週、52週、56週、60週、64週、68週、72週、76週、80週、84週、88週、92週、96週、100週、104週、108週、112週、116週、120週、124週、128週、132週、136週、140週、144週、148週、152週、および156週から選択される期間にわたり28日サイクルの1~7日目に投与され(8~28日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物およびその薬学的に許容される塩であり、かつ、MDM2阻害剤は、120mgまたは240mg 1日1回(QD)の用量で経口的に投与される。
【0296】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、メルケル細胞癌(MCC)を治療するためにそれを必要とするヒト対象に4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、36週、40週、44週、48週、52週、56週、60週、64週、68週、72週、76週、80週、84週、88週、92週、96週、100週、104週、108週、112週、116週、120週、124週、128週、132週、136週、140週、144週、148週、152週、および156週から選択される期間にわたり28日サイクルの1~7日目に投与され(8~28日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物およびその薬学的に許容される塩であり、かつ、MDM2阻害剤は、120mgまたは240mg 1日1回(QD)の用量で経口的に投与される。
【0297】
一実施形態では、MDM2阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、瀉血依存性真性多血症を治療するためにそれを必要とするヒト対象に4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、36週、40週、44週、48週、52週、56週、60週、64週、68週、72週、76週、80週、84週、88週、92週、96週、100週、104週、108週、112週、116週、120週、124週、128週、132週、136週、140週、144週、148週、152週、および156週から選択される期間にわたり28日サイクルの1~7日目に投与され(8~28日目にMDM2阻害剤は投与されない)、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、Triptolide、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SJ-172550、SAR405838、MI-773、MX69、YH239-EE、RO8994、Nutlin-3、Nutlin-3a、Nutlin-3b、Serdemetan、NSC59984、CHEMBL2386350、MK-8242、DS-3032、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は、式(I)、式(II)の化合物、RG7388、HDM201、RG7112、CGM097A、CGM0970B、SAR405838、MK-8242、DS-3032B、APG-115、MI-1601、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一実施形態では、MDM2阻害剤は式(I)または式(II)の化合物およびその薬学的に許容される塩であり、かつ、MDM2阻害剤は、120mgまたは240mg 1日1回(QD)の用量で経口的に投与される。
【0298】
一実施形態では、式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、瀉血依存性真性多血症を治療するために1日毎に120mgの用量でそれを必要とするヒト対象に4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、36週、40週、44週、48週、52週、56週、60週、64週、68週、72週、76週、80週、84週、88週、92週、96週、100週、104週、108週、112週、116週、120週、124週、128週、132週、136週、140週、144週、148週、152週、および156週から選択される期間にわたり28日サイクルの1~7日目に投与される(8~28日目にMDM2阻害剤は投与されない)。一実施形態では、ヒト対象はヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)である。一実施形態では、ヒト対象はヒドロキシウレア(HU)抵抗性(不十分な応答)である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有しかつ瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有さずに瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は、ルキソリチニブ療法に失敗した者である。
【0299】
一実施形態では、式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、瀉血依存性真性多血症を治療するために1日毎に240mgの用量でそれを必要とするヒト対象に4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、36週、40週、44週、48週、52週、56週、60週、64週、68週、72週、76週、80週、84週、88週、92週、96週、100週、104週、108週、112週、116週、120週、124週、128週、132週、136週、140週、144週、148週、152週、および156週から選択される期間にわたり28日サイクルの1~7日目に投与される(8~28日目にMDM2阻害剤は投与されない)。一実施形態では、ヒト対象は、ヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)として判定されている。一実施形態では、ヒト対象はヒドロキシウレア(HU)抵抗性(不十分な応答)である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有しかつ瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有さずに瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は、ルキソリチニブ療法に失敗した者である。
【0300】
一実施形態では、式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、瀉血依存性真性多血症を治療するために1日毎に120mgの用量でそれを必要とするヒト対象に3週、6週、9週、12週、15週、18週、21週、24週、27週、30週、33週、36週、39週、42週、45週、48週、51週、54週、57週、60週、63週、66週、69週、72週、75週、78週、81週、84週、87週、90週、93週、96週、99週、102週、105週、108週、111週、114週、117週、120週、123週、126週、129週、132週、135週、138週、141週、144週、147週、150週、153週、および156週から選択される期間にわたり21日サイクルの1~7日目に投与される(8~21日目にMDM2阻害剤は投与されない)。一実施形態では、ヒト対象はヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)である。一実施形態では、ヒト対象はヒドロキシウレア(HU)抵抗性(不十分な応答)である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有しかつ瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有さずに瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は、ルキソリチニブ療法に失敗した者である。
【0301】
一実施形態では、式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、瀉血依存性真性多血症を治療するために1日毎に240mgの用量でそれを必要とするヒト対象に3週、6週、9週、12週、15週、18週、21週、24週、27週、30週、33週、36週、39週、42週、45週、48週、51週、54週、57週、60週、63週、66週、69週、72週、75週、78週、81週、84週、87週、90週、93週、96週、99週、102週、105週、108週、111週、114週、117週、120週、123週、126週、129週、132週、135週、138週、141週、144週、147週、150週、153週、および156週から選択される期間にわたり21日サイクルの1~7日目に投与される(8~21日目にMDM2阻害剤は投与されない)。一実施形態では、ヒト対象はヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)である。一実施形態では、ヒト対象はヒドロキシウレア(HU)抵抗性(不十分な応答)である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有しかつ瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は脾腫を有さずに瀉血依存性である。一実施形態では、ヒト対象は、ルキソリチニブ療法に失敗した者である。
【実施例0302】
本明細書に包含される実施形態を、以下の実施例を参照してこれより記載する。これらの実施例は実例の目的のためにのみ提供され、本明細書に包含される開示は、これらの実施例に限定されるものと決して解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書において提供される教示の結果として明らかとなる任意および全てのバリエーションを包含するものと解釈されるべきである。
【0303】
実施例1:真性多血症細胞に対する式(I)の化合物の効果
真性多血症細胞に対する式(I)の化合物の効果を試験する手順は、Lu et al., Blood, 2012, 120(15); 3098-3105(その全体が参照により組み込まれる)に記載のものに従う。以下は手順を簡単に記載する。
【0304】
細胞調製:
末梢血を真性多血症(PV)患者から得る。適切な承認を治験審査委員会から得る。インフォームドコンセントを研究の前に得る。全ての患者は真性多血症(PV)についての世界保健機関の診断基準を満たす。末梢血試料をFicoll-Hypaque(1.077g/mL;GE Healthcare)に層化し、低密度の単核細胞を遠心分離を介して分離する。製造者の説明書にしたがってヒトCD34+細胞選択キット(StemCell Technologies)を使用してCD34+細胞を単離する。FACSCaliburフローサイトメーター(BD Biosciences)を使用してCD34+細胞集団の純度を分析し、純度は全ての実験のために少なくとも85%が必要とされる。新鮮な正常ヒト骨髄CD34+細胞を対照としてALLCELLSから購入する。
【0305】
HPCアッセイ
真性多血症(PV)患者に対する式(I)の化合物の効果は、Lu et al., Blood, 2012, 3098-3105(その全体が参照により組み込まれる)に記載されるHPCアッセイにより評価することができる。簡潔に述べれば、CD34+細胞を50ng/mLの幹細胞因子(SCF)、50ng/mLのトロンボポエチン(TPO)、50ng/mLのfms様チロシンキナーゼ3(Flt-3)リガンド、および50ng/mLのIL-3を含有する無血清培地(StemCell Technologies)中で培養し、様々な用量の式(I)の化合物を用いて4日間処理する。4日の処理の後に、Bruno et al., Blood, 2006, 3128-3134(その全体が参照により組み込まれる)に記載されるように半固体培地中でCD34+細胞をアッセイする。簡潔に述べれば、それぞれ50ng/mLのSCF、TPO、Flt-3リガンド、IL-3、およびGM-CSF、ならびに2U/mLのエリスロポエチン(EPO)を添加した1.1%のメチルセルロースおよび20%のFBSを含む1mLのIMDMを含有する2連の培養物中にディッシュ当たり5×102のCD34+細胞をプレーティングする。コロニーを14日のインキュベーション後に数え上げ、個々のコロニーを摘み取り、JAK2V617Fについて遺伝子型判定する。
【0306】
JAK2V617F陽性コロニーについてのネステッドアレル特異的PCR
Extract-N-Amp Blood PCR Kits(Sigma-Aldrich)を使用して無作為化された摘み取ったコロニーからゲノムDNAを単離する。Bruno et al., Blood, 2006, 3128-3134(その全体が参照により組み込まれる)に記載されるようにネステッドアレル特異的PCRを使用することによりJAK2V617Fを検出する。最終PCR生成物を2.0%のアガロースゲル上で分析する。279bpの生成物はアレル特異的なJAK2V617F陽性を指し示す一方、229bpの生成物はJAK2V617F陰性を指し示す。コロニーは、279bpのバンドのみを含有する場合にJAK2V617Fについてホモ接合と分類される一方、ヘテロ接合コロニーは、279bpおよび229bpの両方のバンドの存在に基づいて同定される。
【0307】
アポトーシスアッセイ
処理した細胞を収集し、アネキシン-V(BD Biosciences)を用いる染色のためにPBSを用いて洗浄する。染色手順は、製造者により提供されるプロトコールにしたがって行う。データをFACSCaliburフローサイトメーター(BD Biosciences)で取得し、少なくとも10000の生細胞を各分析(BD FACS Divaソフトウェア;BD Biosciences)のために取得する。
【0308】
ウエスタンブロット解析
真性多血症(PV)を有する患者の末梢血からCD34+細胞を精製し、SCF、FL-3リガンド、IL-3、およびTPOを含有する無血清培地中で培養する。様々な用量の式(I)の化合物を用いて細胞を4時間処理する。細胞を回収し、ウエスタンブロッティングのためにRIPA lysis buffer(Boston BioProducts)を用いて全細胞タンパク質抽出物を調製する。
【0309】
真性多血症(PV)を有する患者からの細胞の細胞質および核タンパク質画分を調製するために、SCF、FL-3リガンド、およびIL-3を含有する無血清培地中でCD34+細胞を10日間拡大増殖する。CD34+細胞を次に再精製し、SCF、FL-3リガンド、IL-3、およびTPOの存在下で様々な用量の式(I)の化合物を用いて48時間処理する。製造者の説明書にしたがってNE-PER nuclear and cytoplasmic extraction reagent(Thermo Scientific)を使用してタンパク質抽出物を調製する。
【0310】
ウエスタンブロッティングの前に、Laemmli SDS-sample buffer(Boston BioProducts)を用いて95℃で5分間加熱することにより全ての試料を変性させ、各試料をSDS-PAGEゲル上で分離させ、ポリビニルジフルオリジン(polyvinyldifluoridine)膜(Bio-Rad)に転写する。抗体(Cell Signaling Technologies)およびECL Western blotting reagents(Denville Scientific)を使用してホスホp53、p53、MDM2、p21、p-STAT1、PUMA、およびBakを可視化した。
【0311】
統計解析
様々な数の実験から得られた個々のデータ点の平均±SDとして結果を報告する。スチューデントt検定または対応サンプルのt検定を使用して統計的有意性を決定する。
【0312】
実施例2:本態性血小板血症細胞に対する式(I)の化合物の効果
実験は、真性多血症(PV)細胞の代わりに本態性血小板血症細胞を使用する以外は実施例1にしたがって行う。
【0313】
実施例3:原発性骨髄線維症細胞に対する式(I)の化合物の効果
実験は、真性多血症(PV)細胞の代わりに原発性骨髄線維症細胞を使用する以外は実施例1にしたがって行う。
【0314】
実施例4:真性多血症を有する患者のための単剤療法としての式(I)の化合物
この研究の目的は、真性多血症(PV)患者を用いて式(I)の化合物の安全性および有効性を調べることである。RG7388を用いる類似した臨床研究が行われている(NCT02407080)。30人の真性多血症(PV)患者を研究に登録し、式(I)の化合物を2年間、120mg 1日1回(QD)で21日サイクルの1~7日目に投与する(8~21日目には式(I)の化合物を投与しない)。包含基準は以下の通りである:
・JAK2V617F陽性の真性多血症(PV)
・少なくとも1つの他の剤(ヒドロキシウレア、インターフェロン、アナグレリド)を用いた治療を以前に受けていない
・18歳以上の年齢
・ジルベール病または溶血に起因しなければ総ビリルビン≦1.5×正常値上限(ULN)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)≦2.5×ULN、血清クレアチニン≦1.5×ULNとして定義されるような、スクリーニングの間の許容される研究前臓器機能
・妊娠可能な年齢の女性および男性は、研究エントリー前および研究参加の継続期間にわたり十分な避妊(すなわち、産児制限のホルモンまたはバリア法;禁欲)を使用することに同意しなければならない。この研究に参加している間に女性対象が妊娠したまたは妊娠が疑われる場合、彼女は直ちに研究から除外されるべきである。
【0315】
研究の間または終了時に、各真性多血症(PV)患者を以下の項目により評価して式(I)の化合物の安全性および有効性を決定する:1)血液学的応答;2)JAK2V617Fアレル負荷の低減;3)骨髄の組織病理学的異常の変化;4)ベースラインレチクリン/コラーゲン線維症の低減;5)静脈および動脈血栓症の発生率;ならびに5)MPN-SAFにより測定されるようなMPN関連症状の変化。
【0316】
実施例5:本態性血小板血症を有する患者のための単剤療法としての式(I)の化合物
調査研究は、真性多血症(PV)患者の代わりに本態性血小板血症(ET)患者を登録することを除いて、実施例4に記載の手順にしたがって行う。
【0317】
実施例6:原発性骨髄線維症を有する患者のための単剤療法としての式(I)の化合物
調査研究は、真性多血症(PV)患者の代わりに原発性骨髄線維症患者を登録することを除いて、実施例4に記載の手順にしたがって行う。
【0318】
実施例7:がんに対する式(I)の化合物の有効性
がんに対する式(I)の化合物の有効性を試験する手順は、Canon et al., Molecular Cancer Therapeutics, 2015; 649-658およびRew, et al., J. Med. Chem. 2012; 55; 4936-54(その全体が参照により組み込まれる)に記載されたものである。以下は手順を簡単に記載する。
【0319】
細胞
SJSA-1、HCT116、ACHN、NCI-H460、MOLM-13、RKO、MCF7、22RV1、HT-29、PC-3、NCI-H82、NCI-SNU1、およびMG-63細胞をATCCから購入し、その後に短縦列反復分析(PromegaのPowerPlex 18D Kit)により立証した。NCI-H2452、SW982、C32、SK-HEP-1、A375、RT4、RPMI-2650、MDA-MB-134-VI、NCI-H2347、およびA427細胞をATCCから購入し、6か月以内に使用した。IGR-1およびCML-T1細胞をGerman Collection of Microorganisms and Cell Cultures(DSMZ)から購入し、6か月以内に使用した。マウス中でA375細胞をインビボで継代することによりA375sq2細胞を生成した。HCT116 p53-/-細胞をBert Vogelsteinから得た。KS-1およびSNG-MをJapanese Collection of Research Bioresources(HSRRB)から購入し、6か月以内に使用した。G-401、G-361、LS174T細胞(ATCCから購入)、EOL-1細胞(DSMZから購入)およびKP-4細胞(HSRRBから購入)を購入の6か月後に使用した。
【0320】
表面プラズモン共鳴(SRP)分光結合アッセイ
材料:Biacore T100機器(GE Healthcare)、CM5センサーチップ(BR-1000-12)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミン-プロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)およびエタノールアミン-HClを含むamine couple kit(BR-1000-50)、GST capture kit(BR-1002-23)、HBS-N緩衝液(BR-1006-70)はGE Healthcareからのものであった。0.2μMのナイロン膜(VWR 87006-076)を通じて全ての緩衝液を濾過した。Biacoreでの阻害剤の速度論研究:HBS-N緩衝液中100μL/分での2回の各10秒の注入で10mMのNaOH、10mMのHClおよび0.1%のSDSを用いてCM5チップをプレコンディショニングした。固定化および捕捉ステップを記載のように行った:1.等しい体積の0.4MのEDCおよび0.1MのNHSを混合し、チップ表面上に注入して10μL/分で10分間それを活性化させた;2.表面に8μL/分で15分間注入することにより抗GST抗体(pH5の10mMの酢酸ナトリウム中30μg/ml)をチップに固定化した;3.過剰な反応性基を不活性化させかつ未結合の抗GST抗体を洗浄除去するために、pH8.5の1Mのエタノールアミン-HClを表面にわたり8μL/分で10分間ポンプ注入した。結果として得られた抗体固定化レベルは約18000RUであった;4.HBS-N緩衝液中の10μg/mlのGSTを1つのフローセル上に5μl/分で15分間注入して1500RUの対照表面を作製した;5.約2000RUの捕捉レベルに達するように2回5μl/分で15分間別のフローセル上に20μg/mlのMDM2を注入することにより試料表面を生成した。阻害剤(450~600の範囲に及ぶ分子量)の速度論的結合研究は、90μL/分の一定流において25℃で行った。試料分析用緩衝液は、25mMのトリス、pH7.5、150mMのNaCl、0.005%(v/v)のTween 20、0.2mMのTCEP+2.5%(v/v)のDMSOからなるものであった。阻害剤を1mMのストック(100%のDMSO中)から試料分析用緩衝液に12nMまで希釈した。阻害剤を次に2倍で段階希釈して8点を生成した。希釈された阻害剤を対照および試料表面に1~2分間注入し、解離を3~4分間観察した。2.3~3.5%のDMSOを含有する緩衝液を注入してDMSO補正曲線を構築した。二重参照手順およびDMSOキャリブレーションと共にBiacore Evaluationソフトウェア(GE Healthcare)を使用して全てのセンサーグラムを処理した。物質移動限界項を含む1:1結合モデルを使用してKD値を確立した。
【0321】
SJSA-1細胞増殖アッセイ(Click-iT EdU HCSアッセイ)
384ウェル細胞培養プレート(Perkin Elmer、#6007460)中の40μlの増殖培地(10mMのHEPES、1mMのピルビン酸ナトリウム、1Xのペニシリン-ストレプトマイシン、2mMのグルタミン、および10%のウシ胎仔血清を添加したRPMI 1640)に2.8×103細胞/ウェルの密度でSJSA-1細胞をプレーティングした。細胞を37℃および5%のCO2で24時間培養した。翌日、10%のヒト血清の存在下で16時間MDM2阻害剤を用いて細胞を処理した。3日目に、384ウェルフォーマット用に調整するためにアッセイ体積を25μLに低減して製造者の説明書にしたがってClick-iT EdUアッセイ手順を行った(Invitrogen、#C10357)。簡潔に述べれば、EdU(5-エチニル-2’-デオキシウリジン)を10μMの最終濃度まで細胞に添加し、1時間インキュベートした。標識化後に、細胞を4%のホルムアルデヒドを用いて固定し、0.1%のTriton-X 100を用いて透過処理した。洗浄後、細胞をClick-iT反応緩衝液と、次に核染色剤とインキュベートした。細胞を次に洗浄し、Opera High Content Screening System(Perkin Elmer)を使用してイメージングした。EdU取込みのパーセンテージを算出し、IC50算出のために使用した。4パラメーターロジスティック(4PL)ヒルモデルを使用してIC50値を決定した。
【0322】
BrdU増殖アッセイ(HCT116特異性アッセイ)
DMSO処理対照細胞に対して化合物処理細胞における5-ブロモ-2-デオキシウリジン(BrdU)取込みの量を定量化することにより細胞増殖に対する効果をアッセイすることによりMDM2阻害剤の力価もまた決定した。96ウェル細胞培養プレート中の100μlの増殖培地(McCoy’s 5A、1XのPSQ、および10%のウシ胎仔血清(全ての成分はInvitrogenから))に6×103細胞/ウェルの密度でHCT116 p53WTまたはp53?/?細胞をプレーティングした。細胞を最初に37℃および5%のCO2で24時間培養した後に化合物を添加した。MDM2阻害剤をDMSO(Sigma #D2650)に段階希釈し、次に1%の最終DMSO濃度でアッセイ培地(McCoy’s 5A、1XのPSQ、10%のヒト血清(Bioreclamation #HMSRM))に再び希釈した。細胞を阻害剤の存在下で37℃および5%のCO2で16時間インキュベートし、次に希釈されたBrdU標識試薬(1:100の最終希釈、Invitrogen #00-0103)を用いて37℃および5%のCO2で1時間パルスした。BrdUパルス後に培地を除去し、細胞を固定し、BrdU取込みについて染色した。Target Activation bioapplicationと共にフローサイトメトリーまたはCellomics Array Scan Vtiプレートリーダーのいずれかを使用してBrdU取込みの量をアッセイした。DMSO処理対照ウェル中のBrdU陽性細胞のパーセンテージを使用してシグナルを正規化し、化合物処理ウェルのそれぞれについて阻害パーセントを算出した。試験した各阻害剤についてのIC50値を算出するためにXLFitソフトウェアを使用して用量応答曲線を生成した。
【0323】
HCT116 p21 TaqMan(登録商標)アッセイ(HCT116特異性アッセイ)
このアッセイは、HCT116 p53WTまたはp53?/?細胞の両方のための増殖培地は、McCoy’s 5A、1XのPSQ、および10%のウシ胎仔血清(全ての成分はInvitrogenから)から構成されていたという例外と共に、正確にSJSA-1 p21アッセイについて上記したように行った:。
【0324】
生化学(HTRF)アッセイ
材料:ヒトMDM2(GST-トロンビン-hMDM2(1-188))を自社で製造した。それを大腸菌(E coli)中で発現させ、Glutathione Sepharose 4B、Q-HPおよびSuperdex 200カラムにより精製した。ヒトp53(Avi-TrxA-6His-トロンビン-S-タグ-EK-p53(1-83))を大腸菌中で発現させ、80%を上回る純度に達するようにNi-NTA、ヒドロキシアパタイト、Superdex 75カラムに通した。ヒト血清はBioreclamation(HMSRM、非濾過)からのものであった。ユウロピウムクリプテートで標識されたモノクローナル抗GST抗体(Eu-抗GST、61GSTLB)およびSA-Xlent(611SAXLB)はCisbioからのものであった。DTT、BSA、KH2PO4、Na2HPO4、DMSO、NaClおよびKFは全てSigmaからのものであった。無血清反応緩衝液は、1.06mMのKH2PO4、2.96mMのNa2HPO4、0.155MのNaCl、0.1%のBSAおよび1mMのDTTから構成される。血清中のHTRFアッセイでは、15%のヒト血清を添加した反応緩衝液を使用した。HTRF用のアッセイプレートはPerkin ElmerからのWhite 384 Optiプレート(6007299)であった。Envison(Perkin Elmer)を320nmの励起に設定した。放出を665および615nmにおいて測定し、Em665/Em615の比はMDM2-p53の相互作用を表した。各励起後の60μsの遅延と共に両方の検出器について50フラッシュで時間分解蛍光を測定した。読取り時間は300μsであった。VprepはVelocity11からの製品であった。WellmateマイクロプレートディスペンサーはThermo Scientificからのものであった。Serial Killerは自社で製造した。方法(HTRFアッセイにおける阻害剤力価の決定):20μLの1.5mMの阻害剤を22点のためにSerial Killerにより20μLのDMSOに段階希釈した。1μLのそのような希釈した阻害剤をVprepにより9μLの反応緩衝液を含む反応プレートに移した。10μLの1nMのMDM2を反応プレートに分注し、阻害剤と20分間インキュベートした後に、20μLの1.25nMのp53を加えた。60分後、検出混合物(10μL、1nMのSA-Xlent、3nMのEu-抗GSTおよび0.5MのKF)を反応混合物に分注し、18時間のインキュベーション後にプレートをEnvisionで読み取った。総反応体積は50μLである。MDM2、p53および検出をWellmateによりアッセイプレートに送達した。2連のデータからIC50を決定した。15%の血清中でのHTRFアッセイのために、一連の添加は無血清アッセイと同じであった。30%のヒト血清を含有する反応緩衝液に希釈した10μLの12.5nMのMDM2を10μLの緩衝液および化合物の混合物に加えて15%において血清を生成した。20nMのp53を15%のヒト血清を含む緩衝液中に希釈した。検出緩衝液は、10nMのSA-Xlent、3nMのEu-抗GSTおよび0.5MのKFを含む15%の血清中であった。
【0325】
イムノブロット解析
DMSO(0.1%)または式(I)の化合物(0.1、1、または10mmol/L)を用いて腫瘍細胞を処理した。24時間後、タンパク質溶解液を収集し、電気泳動にかけ、ポリビニリデンジフルオリド膜(Life Technologies)に転写した。一次抗体:p53(DO-1;Calbiochem)、MDM2(BD Pharmingen)、p21(R&D Systems)、PUMA(Abcam)、またはβ-アクチン-HRP(Sigma)。
【0326】
細胞生存能力アッセイ(72時間)
細胞がアッセイの終了時にコンフルエンシーに達しないことを確実にするために最適な初期播種密度において細胞株を96または384ウェルプレートにプレーティングした。DMSO対照または式(I)の化合物を様々な濃度で用いて細胞を72時間処理した。CellTiter-Glo Luminescent Cell Viability(Promega)またはATPlite 1step Luminescent(PerkinElmer)アッセイキットを使用して生存細胞の数を決定した。化合物の添加前の時間0(V0)の他に、72時間の化合物処理の後に各細胞株についてEnVision Multilabel Reader(PerkinElmer)を用いて発光を測定した。以下の式(式中、V72は72時間時のDMSO対照の発光であり、T72は化合物処理試料の発光であった):T72>V0の場合、GI=100×(1-((T72-V0)/(V72-V0)));T72<V0の場合、GI=100×(1-((T72-V0)/V0))にしたがって200点スケールで増殖阻害(GI)を算出した。0、100、および200のGI値は、阻害されない細胞増殖(すなわち、DMSO対照)、細胞静止、および完全な細胞殺傷をそれぞれ表した。試験した各細胞株における式(I)の化合物についてのIC50値を算出するためにXLFitソフトウェア(IDBS)を使用して用量応答曲線を生成した。
【0327】
動物研究
全ての動物実験手順は、Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care standardsにしたがって実行した。全ての研究では4~6週齢の雌胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Laboratories、Hsd:Athymic Nude-Foxn1nu)を利用した。12時間の明/暗サイクルで環境制御室(温度23±2oC、相対湿度50±20%)中の無菌ハウジング中でフィルターキャップケージ当たり5匹でマウスを飼育した。マウスに商用の齧歯動物用飼料(Harlan Laboratories、#2920X)を給餌し、フィルター精製した水道水を自由に与えた。研究の少なくとも2日前に皮下に移植したマイクロチップ(Bio Medic Data Systems)によりマウスを個々に同定した。
【0328】
薬力学的アッセイ
腫瘍細胞(SJSA-1:5×106細胞、HCT 116:2×106細胞)を2:1の細胞:マトリゲル(BD Bioscience)の比で雌胸腺欠損ヌードマウスの脇腹の皮下に注射した。平均腫瘍サイズが約300~450mm3に達した時に経口胃管栄養法により式(I)の化合物を投与した(n=4/群)。用量(SJSA-1)の1、2、4、8、および24時間後または用量(HCT116)の6時間後に腫瘍を回収し、液体窒素中でスナップ凍結した。Qiagen RNeasy 96キット(Qiagen)を使用してトータルRNAを精製した。技術的複製物における各試料からのトータルRNAからp21およびハウスキーピング遺伝子GAPDHのレベルをqRTPCRによりアッセイした。Applied Biosystems Prism 7900HT機器でqRT-PCR反応をアッセイし、Applied Biosystems SDS2.2ソフトウェアを用いてデータを解析した。SDS2.2ソフトウェアにより各腫瘍試料中のp21およびGAPDHコピー数を算出した。p21のコピー数をGAPDHのコピー数に対して正規化し、正規化したp21レベルの倍数増加を各試料について溶媒対照と比べて算出した。MIC-1について、血漿を屠殺時に収集し、製造者の説明書にしたがってR&D Quantikine Human MIC-1 Immunoassay(カタログ番号DGD150)を使用してMIC-1を検出した。Softmax pro v4(Molecular Devices)を使用してSpectramax M5マイクロプレートリーダーを使用してELISAアッセイを読み取った。
【0329】
異種移植研究
SJSA-1細胞(2:1の比の5×106個の細胞およびマトリゲル)、NCI-H460細胞(2:1の比の5×106個の細胞およびマトリゲル)、A375sq2(2:1の比の5×106個の細胞およびマトリゲル)、またはHCT116(2 106個の細胞)を雌胸腺欠損ヌードマウス(n=10/群)の脇腹の皮下に注射した。腫瘍が確立され、約200mm3となった時に治療を開始した。式(I)の化合物を経口胃管栄養法により1日1回投与した。Pro-Max電子的デジタルキャリパー(Sylvac)を用いて腫瘍寸法を週に2回評価し、式:長さ×幅×高さを使用して腫瘍体積を算出し、mm3として表した。データを平均±SEMとして表す。体重を週に2回記録して忍容性を評価した(データ示さず)。異種移植研究の終了時のp21 mRNAの分析は、p21薬力学的アッセイについて記載したように行った。
【0330】
異種移植片におけるBrdUrdおよび切断型カスパーゼ-3の検出
腫瘍を最後の治療の6時間後に回収し、ホルマリン固定し、パラフィン中に加工した。回収の2時間前に、マウスの腹腔内にBrdUrd(50mg/kg)を注射した。商用の抗体を使用してBrdUrdまたは切断型カスパーゼ-3(cleaved capsase-3)のいずれかについて腫瘍切片を免疫染色し、またヘマトキシリンを用いて対比染色した。Aperio Digital Scannerを介して切片を20倍でスキャンし、Visiomorph画像解析ソフトウェアを使用して陽性核密度を決定した。
【0331】
統計解析
インビボでの式(I)の化合物の用量応答有効性研究のために、反復測定分散分析(RMANOVA)に続いて多重比較のためのダネットの事後検定を使用して、観察された差異の統計的有意性を評価した。
【0332】
結果
広いパネルの腫瘍細胞株をアッセイし、これには、広範な腫瘍種および遺伝学的背景を表すp53野生型(n=23)および突然変異体(n=7)株の両方が含まれ、また72時間の期間にわたる細胞増殖に対する式(I)の化合物での処理の効果を決定した。評価した23のp53野生型細胞株において、式(I)の化合物での処理は、0.1~1mmol/Lの範囲内のIC50値と共に細胞の増殖を阻害した(
図2)。
【0333】
異なる遺伝学的背景および様々な腫瘍種を表す異種移植モデルにおいて式(I)の化合物の抗腫瘍活性を評価した。異種移植モデルにおいて利用した全ての腫瘍細胞株は野生型p53を宿した。式(I)の化合物の1日毎の経口投与は、全てのモデルにわたり有意な腫瘍成長阻害(TGI)を結果としてもたらした(
図3~5)。
【0334】
MDM2増幅骨肉腫モデルであるSJSA-1は、9.1mg/kgのED50と共に式(I)の化合物での治療に対して最も感受性であった(
図3)。75mg/kgの最も高い用量群において、10日の治療後に10の腫瘍のうちの10個が完全に退縮し、検出不可能であった。式(I)の化合物での治療をこの群において25日目の後に中止し、マウスをさらに50日間観察した。いずれのマウスにおいても検出可能なSJSA-1腫瘍再成長はなかった。追加の異種移植モデルは、式(I)または式(II)の化合物の広範なインビボ抗腫瘍活性を実証した。HCT116結腸直腸がんモデル(KRAS突然変異体)において、最も高い用量の式(I)の化合物は、対照と比較して86%のTGIを結果としてもたらし、ED50は31mg/kgであった(
図4)。A375sq2 BRAF突然変異体黒色腫モデルにおける式(I)の化合物での治療は、18mg/kgのED50と共に97%のTGIを結果としてもたらした(
図5)。
【0335】
各異種移植研究の終了時に腫瘍を回収してp53経路活性に対する式(I)の化合物での治療の効果を決定した。式(I)の化合物での治療は、溶媒処理腫瘍と比較してp21 mRNAの用量および時間依存的な誘導を結果としてもたらした(
図6)。各腫瘍モデル内のp21誘導のレベルはTGIの程度に関係し、p21レベルは、成長が最も阻害された腫瘍において最も高かった。しかしながら、最大p21誘導レベルは腫瘍モデル間で異なった。
【0336】
実施例8:臨床試験
瀉血依存性真性多血症を有する患者におけるルキソリチニブと比較した式(I)の化合物の有効性、安全性、薬物動態、および薬力学の2パート無作為化オープンラベル多施設第2a/2b相研究
真性多血症(PV)は骨髄増殖性腫瘍(MPN)として分類される。長期生存は不良であり、20年後の生存率は18%である。PV患者、特にヒドロキシウレア(HU)不耐性/抵抗性のPV患者のために存在する治療オプションは限られており、これらの患者は多くの場合に、許容できない副作用および満足できない応答にもかかわらず、HUを用いて治療される。21%のルキソリチニブ応答率と共に、PV患者のこのサブセットにおける有効な治療のための高度な満たされていない必要性が存在する。式(I)または式(II)の化合物は、マウスダブルミニッツ染色体2(MDM2)に結合してMDM2/腫瘍タンパク質53(p53)タンパク質-タンパク質相互作用を阻害する経口的に生体利用可能な小分子の細胞傷害性化学療法剤である。式(I)の化合物は、インビトロでp53野生型(p53WT)腫瘍細胞およびインビボで腫瘍異種移植片の成長を阻害することが示されている。p53は、細胞周期停止、アポトーシス、老化、およびデオキシリボ核酸(DNA)修復に関与する多数の遺伝子の転写を活性化させることにより細胞ストレスに応答する腫瘍抑制因子および転写因子である。前臨床的に、MDM2阻害への感受性の鍵となる決定因子は、細胞のp53突然変異状態であり、p53WT細胞はそのような阻害剤に感受性である。MDM2はp53の負の調節因子であり、p53WTを宿すCD34+骨髄増殖性腫瘍細胞において過剰発現される。MDM2はp53を分解および不活性化して、クローン性造血幹細胞の増殖を可能とする。
【0337】
研究の設計
研究は2パートで実行される。初期概念実証相であるパートAにおいて、PVを有する対象において有効性および安全性について3つの治療アームを評価する。パートAにおける全奏効率が脾腫を有する対象において少なくとも40%である場合、パートBを開始し、脾腫を有するPV対象を、パートAからの推奨される用量およびスケジュールを用いる治療、または処方ラベルにしたがって投与されるルキソリチニブを用いた治療のいずれかに無作為に割り当てる。
【0338】
全てのパートAおよびパートBの対象は、疾患進行または忍容性の欠如となるまで式(I)の化合物での治療を継続する。疾患進行は以下のように定義される:
・瀉血適格性(8週目の後):ベースラインにおいて得られたヘマトクリット(HCT)より少なくとも3パーセンテージ点高いHCT>45%が確認されるか、またはHCT>48%が確認され、確認は初期観察の2~14日後に行われる。
・脾臓の進行:セントラルイメージングレビューによる最良に記録された脾臓体積応答の時点において決定された体積と比べて≧25%増加した体積測定評価。
・骨髄の線維症/転換:ベースラインから増加した骨髄の線維症、および/または骨髄線維症(MF)、骨髄異形成症候群(MDS)、もしくは急性白血病への転換。
【0339】
パートA - 式(I)の化合物の概念実証/用量決定:パートAでは、PVを有する対象における3つの治療アームにおいて式(I)の化合物の2つの異なる用量および2つの異なるスケジュールの安全性および有効性を評価する。計75人の無作為化された対象をパートAにおいて評価する。対象は、3つの治療アームの1つに無作為に割り当てられる:
・アーム1、脾腫を有するN=15および脾腫を有しないN=10:1~7日目に120mgを1日1回、8~21日目に治療なし(21日サイクル)
・アーム2、脾腫を有するN=15および脾腫を有しないN=10:1~7日目に240mgを1日1回、8~21日目に治療なし(21日サイクル)
・アーム3、脾腫を有するN=15および脾腫を有しないN=10:1~7日目に120mgを1日1回、8~28日目に治療なし(28日サイクル)
【0340】
パートB - PVを有する対象におけるルキソリチニブに対する、パートAからの推奨される用量およびスケジュールでの式(I)の化合物:計220人の無作為化された脾腫を有する対象をパートBにおいて評価する。パートBにおける対象は、パートAからのDMCにより決定された式(I)の化合物の推奨される用量およびスケジュールを用いる治療または処方ラベルにしたがったルキソリチニブに無作為に割り当てられる:
・アーム1、N=110:脾腫を有する対象は、パートAからの推奨される用量およびスケジュールにおいて式(I)の化合物を用いて治療される。
・アーム2、N=110:脾腫を有する対象は、処方ラベルにしたがってルキソリチニブを用いて治療される。
約295人の無作為化された対象が計画される:パートA:N=75 ・パートB:N=220(110人の対象は式(I)の化合物を与えられ、110人の対象はルキソリチニブを与えられる)。
研究目的:
【表1】
【表2】
包含基準
1.18歳より上の成人
2.患者がPVの診断についての改訂版2016年世界保健機関(WHO)基準を満たしたことの記録
3.対象は瀉血依存的でなければならない。瀉血依存性の定義:・ヘマトクリットがスクリーニング前24週以内に少なくとも4週の間隔の2回もしくはより多くの瀉血と共に40~45%であり、または・ヘマトクリットレベルがスクリーニング前16週以内に少なくとも1回の瀉血と共に45%より高い。
4.パートAにおいて、MRI(またはCT)により脾腫を有する(脾臓体積≧450立方センチメートルcm3として定義される)および脾腫を有しない対象が適格である。パートBにおいて、MRIまたはCTにより脾腫を有する対象のみが適格である。
5.ヒドロキシウレア(HU)(パートAおよびB)、またはインターフェロン(パートAのみ)を用いた以前の治療。HUを用いて以前に治療された場合、対象は以下の基準にしたがってHUに抵抗性/不耐性でなければならない:
HU抵抗性は以下として定義される:
最低12週にわたり用量≧2g/日または最大耐用量<2g/日であり、これはヘマトクリット<45%または血小板数>400×10
9/Lおよび白血球(WBC)数>10×10
9/Lを維持するための瀉血の必要性を結果としてもたらす。
HU不耐性は以下として定義される:
応答(瀉血なしでヘマトクリット<45%ならびに/もしくは血小板数≦400×10
9/L、WBC数≦10×10
9/L、および触知不可能な脾臓の3つ全て)を達成するために必要とされるHUの最低用量においてANC<1.0×10
9/Lもしくは血小板数<100×10
9/Lもしくはヘモグロビン<100g/L(すなわち、10g/dL)、または
脚潰瘍もしくは他の許容できないHU関連非血液学的毒性(例えば、任意の用量のHUにおいて粘膜皮膚の外徴、胃腸症状、肺臓炎、もしくは発熱)の存在であり、これは以下として定義される:Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)バージョン5.0のグレード3~4の有害事象(AE)もしくは1週を超えるCTCAEバージョン5.0のグレード2のAEもしくは毒性が解消されるまでのHUの永久的な中止もしくはHUの中断もしくはHU毒性に起因する入院。
6. 0、1、または2のEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス。
7.妊娠の可能性がある女性および妊娠の可能性があるパートナーを有する男性は、研究の間に効果的な避妊方法を使用することに同意しなければならない。追加的に、男性は研究薬物の最後の用量後3か月間避妊の使用を継続しなければならず、女性は研究薬物の最後の用量後1週間避妊の使用を継続しなければならない。効果的な産児制限としては、(a)組合せのエストロゲンおよびプロゲストゲン含有ホルモン避妊(経口、腟内、経皮);(b)プロゲストゲン単独のホルモン避妊(経口、注射可能、埋込み可能);(c)子宮内デバイス;(d)子宮内ホルモン放出システム;(e)両側卵管閉塞;(f)精管切除したパートナー;および(g)性的禁欲が挙げられる。
除外基準
1.International Working Group- Myeloproliferative Neoplasms Research and Treatment(IWG-MRT)により定義されるPV後骨髄線維症の基準を満たす。
2.>10%の芽球。
3.スクリーニングの3か月以内の臨床的に有意な血栓症。
4.不十分な肝臓または腎臓機能:
a.腎臓障害(コッククロフト・ゴールトにより推定されるクレアチニンクリアランス<45mL/分):
【数1】
b.肝細胞疾患(例えば、B型もしくはC型肝炎、肝硬変または他の肝細胞疾患)の既知の歴史。
c.ジルベール症候群でなければ総ビリルビン≧2×実験室正常上限値(ULN)
d.アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)>2.5×ULN。
5.パートBのみ:JAK阻害剤を用いた以前の治療。
6.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤またはBCL-2阻害剤を用いた以前の治療。
7.MDM2アンタゴニスト療法、p53標的療法を用いて以前に治療された患者、または28日もしくは約5半減期以内にインターフェロン-アルファ、アナグレリド、もしくはルキソリチニブ、もしくは1日以内にヒドロキシウレアを与えられた患者、または開始用量の28日もしくは5半減期以内に任意の他の細胞減少性薬剤もしくは治験薬剤を与えられた対象。アスピリンは、医療的に禁忌でなければPVの治療ガイドラインにしたがって許容される。
8.サイクル1の1日目の投与前に絶対好中球数<1.5×10
9/L。
9.サイクル1の1日目の投与前に血小板数≦150×10
9/L。
10.式(I)の化合物の最初の用量前3か月以内の脾臓放射線。
11.妊娠または授乳中の女性。
12.大きな臓器移植の歴史。
13.急性A型肝炎が挙げられるがそれに限定されない制御されない介入性の病気;ヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性の既知の歴史;臨床的に有意な心臓疾患(New York Heart Association Class IIIもしくはIV);症候性鬱血性心不全;不安定狭心症;心室性不整脈;または研究要件の遵守を制限するであろう精神医学的病気/社会的状況。
14.療法を必要とする臨床的に有意な細菌、真菌、寄生虫、またはウイルス感染症を有する対象。抗生物質の使用を必要とする急性細菌感染症を有する対象は、抗生物質療法の経過が完了するまでスクリーニング/登録を遅延させるべきである。
15.治癒的に治療された基底細胞もしくは扁平細胞皮膚がん、子宮頸部の原位置(in situ)の癌腫、正常な前立腺特異的抗原を有する臓器制約されたもしくは治療された非転移性前立腺がん、完全な外科的切除後の原位置の乳癌、または表在性移行細胞膀胱癌以外の、過去3年以内の他の悪性腫瘍。
16.グレード2またはより高いグレードのQTc延長(>480ミリ秒、NCI-CTCAE基準、バージョン5.0による)。
【0341】
無作為化手順
パートAにおいて、対象は、3つの治療アームの1つに無作為に割り当てられる。パートBにおいて、対象は、式(I)の化合物またはルキソリチニブに無作為に割り当てられる。パートBのみにおいて、対象は、HU状態:HU不耐性(許容できない副作用)対HU抵抗性(不十分な応答)に基づいて層化される。対象はスクリーニング通院時にHU抵抗性または不耐性として分類され、この分類は、無作為化において対象の層化を可能とするために使用される(研究1日目)。
【0342】
統計解析
この研究は2パートで実行される。初期概念実証相であるパートAにおいて、研究対象は3つの治療アーム:21日の治療サイクルでの120mgの式(I)の化合物、21日の治療サイクルでの240mgの式(I)の化合物、または28日の治療サイクルでの120mgの式(I)の化合物の1つに無作為に割り当てられる。3つ全てのアームは同一に実行され、同じ研究評価に従う。パートAの主要な有効性解析は、p53WTであるベースライン脾腫対象のみのmITT解析に基づく。パートAにおいてベースライン脾腫を有する全ての対象が32週を完了する機会を持った後、パートBのための式(I)の化合物の用量/スケジュールがDMCにより推奨される。パートBのために、ベースライン脾腫を有する対象は、パートAからの式(I)の化合物の推奨される用量/スケジュールを用いた治療、または処方ラベルにしたがって投与されるルキソリチニブを用いた治療のいずれかに無作為に割り当てられる。統計解析、記述的要約統計量および補助的作表の結果は、研究パート(AまたはB)、治療アーム、および用量により提示される。全ての解析、要約、および作表は、SASソフトウェア(バージョン9.4またはより最新)を使用して行われる。この研究において収集されたデータの要約および統計解析のための詳細な方法論は、データベースロックの前に最終化される統計解析プラン(SAP)において文書化される。SAPは、プロトコールにおいて概説されるデータ解析プランを改良する可能性があり、その場合、SAPにおいて明確に文書化される。研究の設計または研究エンドポイントおよび/またはその分析の任意の主要な改良はプロトコールの補正にも反映される。
【0343】
研究の継続期間
研究は最後の対象が登録された後に丸2年と考えられ、その時点において研究治療に残っている対象は、ロールオーバー研究への登録の適格性について評価される。
【0344】
実施例9:ルキソリチニブに失敗した原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後MF(PV後MF)、または本態性血小板血症後MF(ET後MF)を有する対象における式(I)の化合物のオープンラベル第2a/2b相研究
ルキソリチニブに対して一次抵抗性を有する、それに対して最適以下の応答を有する、またはそれを用いた治療後に再発した骨髄線維症(MF)を有する患者における改善された療法の重大な満たされていない必要性が存在する。式(I)の化合物は、マウスダブルミニッツ染色体2(MDM2)に結合してMDM2/腫瘍タンパク質53(p53)タンパク質-タンパク質相互作用を阻害する経口的に生体利用可能な小分子の細胞傷害性化学療法剤である。式(I)の化合物は、インビトロでp53野生型(p53WT)腫瘍細胞およびインビボで腫瘍異種移植片の成長を阻害することが示されている。p53は、細胞周期停止、アポトーシス、老化、およびデオキシリボ核酸(DNA)修復に関与する多数の遺伝子の転写を活性化させることにより細胞ストレスに応答する腫瘍抑制因子および転写因子である。前臨床的に、MDM2阻害への感受性の鍵となる決定因子は、細胞のp53突然変異状態であり、p53WT細胞はそのような阻害剤に感受性である。MDM2はp53の負の調節因子であり、p53WTを宿すCD34+骨髄増殖性腫瘍細胞において過剰発現される。MDM2はp53を分解および不活性化して、クローン性造血幹細胞の増殖を可能とする。
【0345】
研究の設計
これは、ルキソリチニブに失敗したPMF、PV後MF、またはET後MFを有する対象における式(I)の化合物のオープンラベル2パート(パートAおよびパートB)第2a/2b相研究である。約190人の対照が研究に登録される(パートAに90人、パートBに100人)
【0346】
パートA(N=90):研究のパートAにおいて、対象は3つの治療群の1つに無作為に割り当てられる。
・コホート1、N=30の対象:1~7日目に1日1回の120mgの式(I)の化合物、8~21日目に治療なし(21日サイクル)
・コホート2、N=30の対象:1~7日目に1日1回の240mgの式(I)の化合物、8~21日目に治療なし(21日サイクル)
・コホート3、N=30の対象:1~7日目に1日1回の240mgの式(I)の化合物、8~28日目に治療なし(28日サイクル)
【0347】
パートB(N=100):約100人の対象がパートBに登録され、パートAからの推奨される用量およびスケジュールにおいて治療される。Data Monitoring Committee(DMC)がパートAおよびパートBについて研究の実行中に3か月毎に招集され、臨床研究の安全性データを検討する。DMCはまた、パートAにおいて全ての対象が24週の評価を完了する機会を有した後に招集される。DMCは、パートAからの有効性および安全性データに基づいてパートBのための式(I)の化合物の推奨される用量およびスケジュールを決定する。パートAおよびパートBにおいて、対象は、各21日または28日サイクルの1~7日目にQDで経口的(PO)に式(I)の化合物を与えられる。血液学的および非血液学的毒性のための用量低減が許容される。全ての対象は、疾患進行または忍容性の欠如となるまで治療されるべきである。疾患進行の定義は、イメージングおよび改良されたELN基準に基づく:
・セントラルイメージングレビューによるMRI(またはCT)による研究中の最下点から≧25%の脾臓体積の増加
・骨髄芽球数≧20%により確認される白血病性転換、または
・少なくとも2週間続く≧1×109/Lの絶対芽球数と関連付けられる≧20%の末梢血芽球含有量。
【0348】
【0349】
包含基準
パートAおよびパートBの両方における対象は、研究に適格であるために以下の基準の全てを満たさなければならない:
1.18歳より高い年齢の成人。
2.左肋骨縁下の少なくとも5cmの触知可能な脾腫
3.世界保健機関(WHO)の基準にしたがって治療医により評価されるPMF、PV後MF、またはET後MFの確定診断。
4.Dynamic International Prognostic System(DIPSS)により定義される高リスク、中間リスク2、または中間リスク1
5.0~2のECOGパフォーマンスステータス
6.十分な血液学的、肝臓、および腎臓臓器機能(プロトコール定義による、式(I)の化合物の最初の用量前14日以内) ・血液学的:先行する7日の間に増殖因子の非存在下でANC≧1.0×10
9/L;血小板数≧100×10
9/L;末梢血芽球数<10%。
肝臓:ジルベール症候群でない場合、総ビリルビン≦2.0×正常値上限(ULN);アスパラギン酸トランスアミナーゼ/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(AST/SGOT)およびアラニントランスアミナーゼ/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(ALT/SGPT)≦2.5ULN ・腎臓:コッククロフト・ゴールト:
【数2】
により推定されるクレアチニンクリアランス>45mL/分
7.妊娠の可能性がある女性および妊娠の可能性があるパートナーを有する男性は、研究の間に効果的な避妊方法を使用することに同意しなければならない。追加的に、男性は研究薬物の最後の用量後3か月間避妊の使用を継続しなければならず、女性は研究薬物の最後の用量後1週間避妊の使用を継続しなければならない。効果的な産児制限としては、(a)組合せのエストロゲンおよびプロゲストゲン含有ホルモン避妊(経口、腟内、経皮);(b)プロゲストゲン単独のホルモン避妊(経口、注射可能、埋込み可能);(c)子宮内デバイス;(d)子宮内ホルモン放出システム;(e)両側卵管閉塞;(f)精管切除したパートナー;および(g)性的禁欲が挙げられる。
【0350】
パートAの対象は、研究に適格であるために以下のルキソリチニブ治療失敗基準を満たさなければならない:
【0351】
パートAにおけるルキソリチニブ治療失敗は、以下の基準(a)または(b)のいずれかを満たさなければならない:
a)少なくとも12週のルキソリチニブ治療を受け、以下の両方を有することとして定義される脾臓応答の欠如:
・身体検査による、下肋骨縁(LCM)下≧5cmの触知可能な持続性の脾腫
・およびMPN-SAF TSS 2.0において>10のTSS、もしくは、左上半身疼痛、骨疼痛、そう痒、もしくは寝汗の症状のみを含む、>5の単一の症状スコアもしくは>3の2つの症状を有する患者。
b)または以下のいずれか1つにより定義されるルキソリチニブ治療中の任意の時点における進行性疾患:
・MRIもしくはCTにより評価される最下点から≧25%の脾臓体積の増加 ・LCM下少なくとも5cmの触知可能な新たな脾腫の出現
・5~10cmのベースライン脾腫についてLCM下の触知可能な距離の≧100%の増加
・>10cmのベースライン脾腫についてLCM下の触知可能な距離の≧50%の増加
【0352】
パートBの対象は、研究に適格であるために以下のルキソリチニブ治療失敗基準を満たさなければならない:
【0353】
パートBにおけるルキソリチニブ治療失敗は、以下の基準(a)または(b)のいずれかを満たさなければならない:
【0354】
a)少なくとも12週のルキソリチニブ治療を受け、以下の少なくとも1つを有することとして定義される脾臓応答の欠如:
・ルキソリチニブ治療を評価するためにMRIまたはCTを有する対象について、脾臓体積の最低≧35%の低減を有しない
・ルキソリチニブ治療前にLCM下5~10cmにおいて触知可能であるが、触知可能なままであるベースライン脾腫
・ルキソリチニブ治療前にLCM下>10cmにおいて触知可能であるが、少なくとも50%減少しないベースライン脾腫
・ルキソリチニブ治療前にLCM下<5cmにおいて触知可能であり、ルキソリチニブ治療失敗と考えるには適格でないベースライン脾腫
b)または以下のいずれか1つにより定義されるルキソリチニブ治療中の任意の時点における進行性疾患:
・MRIもしくはCTにより評価される最下点から≧25%の脾臓体積の増加
・LCM下少なくとも5cmの触知可能な新たな脾腫の出現
・5~10cmのベースライン脾腫についてLCM下の触知可能な距離の≧100%の増加
・>10cmのベースライン脾腫についてLCM下の触知可能な距離の≧50%の増加
【0355】
除外基準
以下の基準のいずれかを満たすパートAおよびパートBの両方における対象は研究に適格でない:
1.式(I)の化合物の最初の用量前4週以内の別の介入臨床試験への参加(観察研究への参加は許容される)。
2.式(I)の化合物の最初の用量の4週または約5半減期以内の、大手術、化学療法、免疫調節療法、生物学的療法、放射線療法、または治験治療などの最近の/同時的な治療
3.以前の脾摘除術
4.式(I)の化合物の最初の用量前3か月以内の脾臓照射
5.以前の同種幹細胞移植または同種幹細胞移植への適格性
6.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤またはBCL-2阻害剤を用いた以前の治療
7.以前のMDM2阻害剤療法またはp53標的療法
8.妊娠または授乳中の女性
9.大きな臓器移植の歴史
10.急性A型肝炎が挙げられるがそれに限定されない制御されない介入性の病気;ヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性の既知の歴史;臨床的に有意な心臓疾患(New York Heart Association Class IIIもしくはIV);症候性鬱血性心不全;不安定狭心症、心室性不整脈;または研究要件の遵守を制限するであろう精神医学的病気/社会的状況
11.療法を必要とする臨床的に有意な細菌、真菌、寄生虫、またはウイルス感染症を有する対象。抗生物質の使用を必要とする急性細菌感染症を有する対象は、抗生物質療法の経過が完了するまでスクリーニング/登録を遅延させるべきである。
12.治癒的に治療された基底細胞もしくは扁平細胞皮膚がん、子宮頸部の原位置の癌腫、正常な前立腺特異的抗原を有する臓器制約されたもしくは治療された非転移性前立腺がん、完全な外科的切除後の原位置の乳癌、または表在性移行細胞膀胱癌以外の、過去3年以内の他の悪性腫瘍
13.グレード2またはより高いグレードのQTc延長(>480ミリ秒、NCI-CTCAE基準、バージョン5.0による)
14.式(I)の化合物の最初の用量を与えられる前28日以内の造血増殖因子(すなわち、エリスロポエチン(Epo)、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、ロミプロスチム)
15.式(I)の化合物の最初の用量前4週以内の活動性または慢性の出血
【0356】
無作為化手順
パートA:対象は、1:1:1の割当てスキームにおいて3つの治療コホートの1つに無作為化される。契約臨床サービス提供者がパートA無作為化スケジュールを開発し、実際の無作為化割当ては安全なInteractive Response Technology(IRT)システムを通じて為される。パートB:対象は、DMCにより推奨される式(I)の化合物の用量およびスケジュールに無作為化される。
【0357】
統計解析
DMCがパートAおよびパートBについて研究の実行中に3か月毎に招集され、臨床研究の安全性データを検討する。DMCはまた、パートAにおいて全ての対象が24週の評価を完了する機会を有した後に招集される。DMCは、パートAからの有効性および安全性データに基づいてパートBのための式(I)の化合物の推奨される用量およびスケジュールを決定する。統計解析、記述的要約統計量および補助的作表の結果は、研究パート(AまたはB)によりおよびパートA内(コホートによる)で提示される。
【0358】
研究の継続期間
研究は最後の対象が登録された後に丸2年と考えられ、その時点において研究治療に残っている対象は、ロールオーバー研究への登録の適格性について評価される。
【0359】
実施例10:MPN-BP幹細胞に対する式(I)の化合物の効果
MPN-BP細胞の調製
現在、WT TP53遺伝子を有するMPN-BPを有する1人の患者からのCD3+細胞枯渇単核細胞(MNC)は、NSGマウスにおいて連続的に生着して白血病を引き起こすことができることが示されている。MPN-BP幹細胞に対する式(I)の化合物の効果を評価するための十分な細胞を回収するために、NSGマウスの骨髄(bone morrow)(BM)または脾臓から収集されたMPN-BP細胞を連続移植によりNSGマウス中で継代する。連続移植後の細胞中に存在する突然変異パターンおよび核型異常を捕捉ベースの次世代シークエンシング(NGS)および蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)により決定する。
【0360】
MPN-BP幹細胞に対する式(I)の化合物の効果
MPN-BP幹細胞に対する式(I)の化合物の効果を調べるために、MPN-BP細胞を与えたNSGマウスから回収された0.5~2×106細胞/マウスを、致死量以下で照射(220cGy)した8~9週齢NSGマウスに移植する。マウスを次に、1日毎の全般的状態および週毎に測定される体重についてモニターする。移植の28日後にレシピエントマウスから末梢血を収集し、全血球数(CBC)の成績およびヒトMPN-BPがこれらのマウス中で発生したかどうかを決定するためのフローサイトメトリー解析を用いて解析する。これらのマウスを以後の研究において使用する。
【0361】
式(I)の化合物の高用量研究
MPN-BPを発生し、末梢血中で類似した白血病性負荷を有するマウスを3~4匹のマウスの2群に無作為に分割する。これらの2群のマウスを7日間1日1回の経口胃管栄養法により溶媒または式(I)の化合物(100または150mg/kgのいずれかの高用量)を用いて治療する。治療後、週毎にフローサイトメトリー解析を使用して末梢血芽球数をモニターする。治療に対する忍容性を1日毎の体重(BW)測定により評価する。これらの解析は、各薬物治療後のMPN-BP復帰のダイナミクスの確立を可能とし、これは、以後の生存および組合せ治療研究のための無治療間隔を決定するために使用される。
【0362】
式(I)の化合物の生存研究
MPN-BPを発生し、末梢血中で類似した白血病性負荷を有するマウスを4~5匹のマウスの3群に無作為に分割し、7日間1日1回の高用量(100または150mg/kg)および低用量(30~50mg/kg)の経口胃管栄養法による式(I)の化合物を用いて治療する。これらのサイクルを3サイクルまで繰り返す。治療後、14日毎のマウス血液の血球数およびフローサイトメトリー解析を用いて全生存状態および疾患進行の程度をモニターする。以下のいずれかの基準が満たされた場合にマウスを屠殺する:20%より高い体重損失、脊柱後弯、活動性の減少などの疾患症状を示す;正中にわたり伸びる触知可能な脾腫;重篤な貧血、血小板減少症または白血球減少症。屠殺の基準を満たすまでマウスを追跡する。追加的に、疾患症状を呈しない場合であっても3サイクルの治療を完了した後に高または低用量の式(I)の化合物を与えた2~3匹のマウスを屠殺する。
【0363】
マウスを屠殺した後、BM、脾臓、および末梢血から細胞を回収し、これらの臓器中のヒトCD45+、CD34+、CD33+、CD14+、Gly A+、CD41a+、CD19+、およびCD3+細胞の存在をmAb染色およびフローサイトメトリー解析により決定する。これらの解析は、式(I)の化合物での治療が、生存の向上ならびにマウスBMにおける白血病性細胞負荷の低減ならびにマウス脾臓および末梢血への白血病性細胞播種の低減に繋がるかどうかを決定することを可能とする。フローサイトメトリー解析後の残留BMCおよび脾臓細胞をMPN-BP細胞の負荷の定量化のためおよび式(I)の化合物のオンターゲット効果の評価のために凍結保存する。FACSAria細胞選別機(BD)を使用してレシピエントマウスのBM中のhCD33+細胞を選択し、マーカー染色体異常の他に、突然変異した骨髄悪性遺伝子のバリアントアレル頻度についてFISHを使用して解析する。