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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005067
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】路面覆工ユニット及び路面覆工方法
(51)【国際特許分類】
   E01C 9/08 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
E01C9/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105067
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】596101598
【氏名又は名称】株式会社大盛工業
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】西山 剛
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AA07
2D051AF12
2D051AH01
2D051DA12
(57)【要約】
【課題】路面に掘削溝を形成して行う工事の作業性をより高めることが可能な路面覆工ユニットを提供する。
【解決手段】路面覆工ユニット1は、路面に掘削溝を形成して行う地下工事の路面覆工作業に用いられる。路面覆工ユニット1は、掘削溝Bの幅方向の左右側方部分に配置され、掘削溝の延出方向にそれぞれ延びている左右の山留め部材10と、掘削溝の延出方向の端部分に配置され、掘削溝の幅方向に延びており、覆工板40の一端部を下方から支持する山留め端部部材20と、を備えている。山留め部材10は、掘削溝の幅方向の側方部分に形成された溝底部B2上に設置され、当該側方部分に形成された溝側部B1に沿って配置されている。山留め端部部材20は、左右の山留め部材10上に設置され、掘削溝の延出方向の端部分に形成された溝側部B5に沿って配置され、掘削溝の溝底部B4から浮かせた状態で設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面に掘削溝を形成して行う地下工事の路面覆工作業に用いられる路面覆工ユニットであって、
前記掘削溝の幅方向の左右側方部分に配置され、前記掘削溝の延出方向にそれぞれ延びている左右の山留め部材と、
前記掘削溝の延出方向の端部分に配置され、前記掘削溝の幅方向に延びており、覆工板の一端部を下方から支持する山留め端部部材と、を備え、
前記山留め部材は、
前記掘削溝の幅方向の側方部分に形成された溝底部上に設置され、
前記掘削溝の幅方向の側方部分に形成された溝側部に沿うように配置され、
前記山留め端部部材は、
左右の前記山留め部材上に設置され、
前記掘削溝の延出方向の端部分に形成された溝側部に沿うように配置され、
前記掘削溝の溝底部から浮かせた状態で設けられることを特徴とする路面覆工ユニット。
【請求項2】
前記山留め端部部材は、
前記掘削溝の幅方向に長尺に延びている長尺部材であって、
前記掘削溝の延出方向の端部分に形成された溝側部に沿うように配置される縦壁部と、
前記縦壁部の下端部分から前記掘削溝の延出方向の中央側に向かって延びており、前記山留め部材上に設置される第1延出部と、
前記縦壁部から前記掘削溝の延出方向の中央側に向かって延びており、前記第1延出部よりも上方に配置され、前記覆工板の一端部を下方から支持する第2延出部と、
上下方向において前記第1延出部及び前記第2延出部を連結し、前記縦壁部に沿うようにして前記山留め端部部材の延出方向に長尺に延びている補強部と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の路面覆工ユニット。
【請求項3】
前記山留め端部部材は、
前記縦壁部の下端部から前記掘削溝の延出方向の中央側に向かって延びており、前記第1延出部よりも下方位置に配置される底壁部と、
前記縦壁部の延出方向の端部分に設けられ、前記縦壁部及び前記底壁部の双方に当接した位置に配置される横壁部と、をさらに有しており、
前記底壁部及び前記横壁部は、それぞれ前記山留め部材の延出方向において前記山留め部材の延出方向の端部分に当接するように配置され、
前記第1延出部は、前記山留め部材及び前記底壁部によって下方から支持され、
前記第2延出部は、前記山留め部材及び前記横壁部によって側方から支持されることを特徴とする請求項2に記載の路面覆工ユニット。
【請求項4】
前記第1延出部及び前記第2延出部は、それぞれ前記縦壁部に当接した状態で前記縦壁部から延出し、
前記第2延出部の延出長さが、前記第1延出部の延出長さよりも短くなっていることを特徴とする請求項2に記載の路面覆工ユニット。
【請求項5】
前記山留め端部部材は、前記縦壁部の上端部から前記掘削溝の延出方向の中央側に向かって延びており、前記覆工板が設置されたときに前記路面と前記覆工板の間に形成される隙間を埋めるための上壁部をさらに有していることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の路面覆工ユニット。
【請求項6】
前記山留め端部部材は、前記上壁部の延出端部から下方に向かって延びており、前記覆工板が設置されたときに前記覆工板の一端部に当接可能に設けられる当接部をさらに有していることを特徴とする請求項5に記載の路面覆工ユニット。
【請求項7】
路面に掘削溝を形成して行う地下工事の路面覆工作業に用いられる路面覆工方法であって、
前記掘削溝の幅方向の左右側方部分に対し、前記掘削溝の延出方向に沿って左右の山留め部材を設置する第1の設置工程と、
前記掘削溝の延出方向の端部分に対し、前記掘削溝の幅方向に沿って、覆工板の一端部を下方から支持する山留め端部部材を設置する第2の設置工程と、を含み、
前記第2の設置工程では、
前記山留め端部部材を左右の前記山留め部材上に設置し、前記掘削溝の溝底部から浮かせた状態で設けることを特徴とする路面覆工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面覆工ユニット及び路面覆工方法に係り、特に、地下工事の路面覆工作業に用いられる路面覆工ユニット及び路面覆工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路面に掘削溝を形成して行う地下工事の路面覆工作業において、掘削溝の幅方向の側方から土砂崩れや陥没が生じることを防止すべく、掘削溝の幅方向の両側部分にそれぞれ略L字形状の山留め部材を設置した上で、掘削溝の開口を覆工板で塞ぐ路面覆工方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の路面覆工方法は、路面の進行方向に沿って覆工板を載置する工法、いわゆる「覆工板縦置き工法」に関する発明である。
具体的には、路面に形成された掘削溝の幅方向の両端にそれぞれL字形状の山留め部材を複数並べるように設置し、掘削溝の延出方向の両端にはそれぞれL字形状の端部形成部材を山留め部材の底壁上に設置した上で、当該端部形成部材に設けられた台座上に覆工板を載置する方法である(掘削溝の延出方向の中間部分には、さらに覆工板を支持するためのH字形状の受桁が設置される)。
このとき、左右の山留め部材は、掘削溝の幅方向の側方部分に形成された溝底部(実際の掘削溝よりも浅く形成された段差部分)上に設置される。また、端部形成部材についても同様に、掘削溝の延出向の端部分に形成された溝底部(実際の掘削溝よりも浅く形成された段差部分)上に設置される。
【0004】
上記「覆工板縦置き工法」では、道路の進行方向に沿って覆工板を並べて載置するため、進行方向において覆工板同士の境目の数が相対的に少なく、車両の走行により適した工法となる。
なお、特許文献2に記載の路面覆工方法は、路面の進行方向とは直交する向きに覆工板を載置する工法、いわゆる「覆工板横置き工法」に関する発明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-11513号公報
【特許文献2】特開2016-14297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、路面に掘削溝を形成して行う地下工事では、当該工事の作業性をより高めることが求められていた。その上で、山留め効果を発揮しながら覆工板を設置することが可能な路面覆工ユニット(路面覆工方法)が求められていた。
例えば、作業領域(作業可能領域)をより広く確保すること、すなわち掘削溝の領域をより広くすることが求められていた。そして、掘削溝の領域をより広くした場合であっても、山留め効果を発揮しながら覆工板を設置することが可能な路面覆工ユニットが求められていた。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、路面に掘削溝を形成して行う地下工事の作業性をより高めることが可能な路面覆工ユニット及び路面覆工方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、地下工事において掘削溝の領域をより広くした場合であっても、山留め効果を発揮し、覆工板を設置することが可能な路面覆工ユニット及び路面覆工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明の路面覆工ユニットによれば、路面に掘削溝を形成して行う地下工事の路面覆工作業に用いられる路面覆工ユニットであって、前記掘削溝の幅方向の左右側方部分に配置され、前記掘削溝の延出方向にそれぞれ延びている左右の山留め部材と、前記掘削溝の延出方向の端部分に配置され、前記掘削溝の幅方向に延びており、覆工板の一端部を下方から支持する山留め端部部材と、を備え、前記山留め部材は、前記掘削溝の幅方向の側方部分に形成された溝底部上に設置され、前記掘削溝の幅方向の側方部分に形成された溝側部に沿うように配置され、前記山留め端部部材は、左右の前記山留め部材上に設置され、前記掘削溝の延出方向の端部分に形成された溝側部に沿うように配置され、前記掘削溝の溝底部から浮かせた状態で設けられること、により解決される。
上記構成により、地下工事の作業性をより高めることが可能な路面覆工ユニットを実現することができる。
詳しく述べると、従来では、山留め端部部材は、掘削溝の延出向の端部分に形成された溝底部(実際の掘削溝よりも浅く形成された段差部分)上に設置されており、山留め端部部材の直下においては土壌が掘削されておらず、地下工事での作業領域とはなっていなかった。そうしたなかで、本発明では、山留め端部部材が、掘削溝の溝底部から浮かせた状態で設けられる。そのため、山留め端部部材の直下においても掘削溝を連続して形成することが可能となる。つまりは、地下工事において掘削溝の領域(作業領域)をより広くすることが可能となる。
なお、上記のように、左右の山留め部材と、左右の山留め部材上に設置される山留め端部部材とを備えていることで、山留め効果を発揮し、覆工板を設置することも可能となる。
【0009】
このとき、前記山留め端部部材は、前記掘削溝の幅方向に長尺に延びている長尺部材であって、前記掘削溝の延出方向の端部分に形成された溝側部に沿うように配置される縦壁部と、前記縦壁部の下端部分から前記掘削溝の延出方向の中央側に向かって延びており、前記山留め部材上に設置される第1延出部と、前記縦壁部から前記掘削溝の延出方向の中央側に向かって延びており、前記第1延出部よりも上方に配置され、前記覆工板の一端部を下方から支持する第2延出部と、上下方向において前記第1延出部及び前記第2延出部を連結し、前記縦壁部に沿うようにして前記山留め端部部材の延出方向に長尺に延びている補強部と、を有していると良い。
上記構成により、山留め端部部材をより安定して設置することができる(山留め効果をより高めることができる)。また、山留め端部部材上に覆工板をより安定して設置することができる。
【0010】
このとき、前記山留め端部部材は、前記縦壁部の下端部から前記掘削溝の延出方向の中央側に向かって延びており、前記第1延出部よりも下方位置に配置される底壁部と、前記縦壁部の延出方向の端部分に設けられ、前記縦壁部及び前記底壁部の双方に当接した位置に配置される横壁部と、をさらに有しており、前記底壁部及び前記横壁部は、それぞれ前記山留め部材の延出方向において前記山留め部材の延出方向の端部分に当接するように配置され、前記第1延出部は、前記山留め部材及び前記底壁部によって下方から支持され、前記第2延出部は、前記山留め部材及び前記横壁部によって側方から支持されると良い。
上記構成により、山留め部材及び山留め端部部材をより隙間なく配置することができる。そのため、掘削溝の側方から土砂崩れや陥没が生じることをより防止することができる(山留め効果をより高めることができる)。
また上記構成により、左右の山留め部材上に山留め端部部材をより安定して設置することができる。
【0011】
このとき、前記第1延出部及び前記第2延出部は、それぞれ前記縦壁部に当接した状態で前記縦壁部から延出し、前記第2延出部の延出長さが、前記第1延出部の延出長さよりも短くなっていると良い。
上記構成により、山留め端部部材(第2延出部)上に覆工板の一端部を載置したときに山留め端部部材に加わる荷重を考慮した構造とすることができる。詳しく述べると、山留め端部部材が掘削溝の溝側部から横倒れしない構造とすることができる。
また、一般に覆工板の一端部の底面には、ズレ止め防止用の突起部が形成されているところ、上記構成であれば、山留め端部部材(第2延出部)と、当該突起部とが意図せず干渉してしまうことを防止できる。
【0012】
このとき、前記山留め端部部材は、前記縦壁部の上端部から前記掘削溝の延出方向の中央側に向かって延びており、前記覆工板が設置されたときに前記路面と前記覆工板の間に形成される隙間を埋めるための上壁部をさらに有していると良い。
上記構成により、山留め端部部材の第2延出部上に覆工板(覆工板の一端部)を設置したときに、路面上において路面と覆工板の間に隙間が形成されてしまうことを防止することができる。
【0013】
このとき、前記山留め端部部材は、前記上壁部の延出端部から下方に向かって延びており、前記覆工板が設置されたときに前記覆工板の一端部に当接可能に設けられる当接部をさらに有していると良い。
上記構成により、山留め端部部材上に覆工板を設置したときに、第2延出部及び当接部によって覆工板を下方及び側方から支持することができ、覆工板を位置決めし、覆工板の位置ズレを抑制することができる。
【0014】
また前記課題は、本発明の路面覆工方法によれば、路面に掘削溝を形成して行う地下工事の路面覆工作業に用いられる路面覆工方法であって、前記掘削溝の幅方向の左右側方部分に対し、前記掘削溝の延出方向に沿って左右の山留め部材を設置する第1の設置工程と、前記掘削溝の延出方向の端部分に対し、前記掘削溝の幅方向に沿って、覆工板の一端部を下方から支持する山留め端部部材を設置する第2の設置工程と、を含み、前記第2の設置工程では、前記山留め端部部材を左右の前記山留め部材上に設置し、前記掘削溝の溝底部から浮かせた状態で設けること、によって解決される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の路面覆工ユニット及び路面覆工方法によれば、路面に掘削溝を形成して行う地下工事の作業性をより高めることが可能となる。
また、地下工事において掘削溝の領域をより広くした場合であっても、山留め効果を発揮し、覆工板を設置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態の路面覆工ユニットを用いた路面覆工構造を示す図である。
図2図1のII-II断面図であって、山留め端部部材が掘削溝から浮いた状態を示す図である。
図3】路面覆工ユニットの施工イメージを示す図である。
図4】一対の山留め部材が設置された状態を示す図である。
図5】山留め端部部材が組み付けられた状態を示す斜視図である。
図6A】山留め端部部材の側面図である。
図6B】山留め端部部材の縦断面図である。
図7】一対の山留め部材が設置された状態を示す図である。
図8】受桁が組み付けられた状態を示す図である。
図9】覆工板が組み付けられた様子を示す図である。
図10】山留め端部部材が組み付けられた状態を示す図である。
図11】第2実施形態の路面覆工ユニットの施工イメージを示す図である。
図12】山留め部材及び山留め端部部材が組み付けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図1図12を参照しながら説明する。
本実施形態は、路面に掘削溝を形成して行う地下工事の路面覆工作業に用いられる路面覆工ユニットであって、掘削溝の幅方向の左右側方部分に配置され、掘削溝の延出方向に延びている左右の山留め部材と、掘削溝の延出方向の端部分に配置され、掘削溝の幅方向に延びており、覆工板の一端部を下方から支持する山留め端部部材とを備えており、山留め端部部材が、左右の山留め部材上に設置され、掘削溝の延出方向の端部分に形成された溝側部に沿うように配置され、掘削溝の溝底部から浮かせた状態で設けられることを主な特徴とする「路面覆工ユニット」の発明に関するものである。
また、「路面覆工方法」の発明に関するものである。
【0018】
本実施形態の路面覆工ユニット1は、図1図2に示すように、路面Aに対して掘削溝Bを形成して行う工事、例えば、埋設管Cを地中に設置する地下工事(埋設工事)において路面覆工のために用いられる。
掘削溝Bは、路面A(地面)を構成する舗装層A1及び土層A2を掘削することで形成される平面視で略長方形状の溝であり(図1参照)、断面視で略土管形状の溝である(図2参照)。
詳しく述べると、掘削溝Bは、その幅方向の側方部分に形成された溝段差部となる溝側部B1及び溝底部B2と、溝底部B2よりも深く掘削され、作業領域(布掘り溝)となる溝側部B3及び溝底部B4(溝最底部)と、を有している。また、掘削溝Bの延出方向の側方部分に形成された溝側部B5をさらに有している。
地下工事において作業領域(作業可能領域)となる部分は、掘削溝Bのうち、溝側部B3、溝側部B5及び溝底部B4によって囲まれた掘削領域である。
【0019】
路面覆工ユニット1は、図1図4に示すように、掘削溝Bの幅方向の両側部分において互いに対向するように配置され、掘削溝Bの延出方向に沿って複数並ぶように設置される山留め部材10と、図1図6A、Bに示すように、掘削溝Bの延出方向の両端部分に配置され、一対の山留め部材10上に設置される山留め端部部材20と、図1図8に示すように、掘削溝Bの延出方向の中間部分に配置され、一対の山留め部材10上に設置される受桁30と、図1図3図9に示すように、山留め端部部材20及び受桁30上に設置される覆工板40と、を備えている。
なお、本実施形態は、覆工板縦置き工法における路面覆工ユニット1である。
【0020】
上記構成において、路面覆工ユニット1を用いた路面覆工構造では、図1に示すように、覆工板40の上面がその周囲に位置する路面と連続して設置される。
そのため、覆工板40によって掘削溝Bの開口が塞がれているときには、歩行者等は、覆工板40の上面と路面との間で躓くことなく良好に歩行することが可能である。
一方で、地下工事が行われるときには覆工板40が撤去され、掘削溝Bの開口が露出した状態で埋設管Cの埋設工事が行われる。例えば、まず路面Aを掘削して「布掘り溝」を形成する。続いて布掘り溝の両側部分(溝側部B3)に沿って矢板2を打ち込み、作業領域を確保する。対向する矢板2の間には不図示の切梁等を支保工として横架する。その後、布掘り溝の底(溝底部B4)に埋設管C設置用の基礎を打設し、当該基礎上に埋設管Cを設置する。
地下工事中は、通行人等が掘削溝B内に転落しないように掘削溝Bの際位置(溝段差部)に安全柵3が立設される。安全柵3は、山留め部材10に対して組み付けられるほか、山留め端部部材20に対しても組み付けられる。
【0021】
山留め部材10は、図1図4に示すように、掘削溝Bの幅方向の両側部分において山留め効果を発揮するための略L字型鋼材からなる部材であって、互いに隣り合う山留め部材10同士が、締結ボルト等の締結部材16によって締結されている。
山留め部材10は、山留めプレートとも称される。
【0022】
山留め部材10は、図4に示すように、掘削溝Bの延出方向に長尺な部材であって、上下方向に延出し、掘削溝Bの幅方向の側壁に沿うように配置される縦壁部11と、縦壁部11の下端部分から掘削溝Bの幅方向の中央側に向かって延出する底壁部12と、底壁部12上において山留め部材10の延出方向の端部に設けられ、縦壁部11及び底壁部12の双方に当接した位置に配置される横壁部13と、を有している。
【0023】
縦壁部11は、山留め部材10の山留効果を発揮する略長方形状の壁部であって、掘削溝Bの幅方向の側壁(溝側部B1)に対向するように配置される。
底壁部12は、山留め端部部材20及び受桁30を下方から支持する略長方形状の壁部であって、掘削溝Bの底壁(溝底部B2)上に載置される。
横壁部13は、隣り合う山留め部材10同士を連結するための略台形形状の壁部であって、縦壁部11及び底壁部12を補強する壁部としても機能する。横壁部13は、山留め部材10の延出方向において縦壁部11及び底壁部12よりも外側に張り出さないように配置されている。
【0024】
横壁部13の側面には複数の締結穴13aが形成されており、締結穴13aには締結ボルトが締結される。締結された締結ボルトにナットを螺合することで横壁部13同士が連結され、山留め部材10同士が締結されるようになる。
山留め部材10には、その長手方向の両端部に横壁部13を有するタイプと、その長手方向の一端部にのみ横壁部13を有するタイプとがある。
詳しく述べると、掘削溝Bの延出方向の基端及び末端に配置される山留め部材10は、その長手方向の両端部のうち、他の山留め部材10と隣り合う側の端部にのみ横壁部13を有している。一方で、掘削溝Bの延出方向の両端以外に配置される山留め部材10は、その長手方向の両端部にそれぞれ横壁部13を有している。
【0025】
また、山留め部材10は、図4に示すように、山留め部材10の延出方向に所定の間隔を空けて底壁部12上に設けられ、縦壁部11及び底壁部12の双方に当接した位置に配置される補強部14と、山留め部材10の延出方向に所定の間隔を空けて縦壁部11の前面上に設けられ、縦壁部11から掘削溝Bの幅方向の中央側に向かって張り出すように配置される柵固定部15と、をさらに有している。
【0026】
補強部14は、山留め効果を発揮するための縦壁部11と、山留め端部部材20及び受桁30を支持するための横壁部13とを補強する略台形形状の壁部である。
柵固定部15は、安全柵3を設置するための横断面略V字形状の金具部分であって、そのV字形状の末端部分を縦壁部11の側面に固着することで縦壁部11に固定されている。
柵固定部15には筒状の開口が形成され、当該開口に対し安全柵3の支柱を挿通することで、安全柵3が山留め部材10に組み付けられる。
【0027】
山留め端部部材20は、図1図6A、Bに示すように、掘削溝Bの延出方向の両端部分において山留め効果を発揮する鋼材であって、一対の山留め部材10の間に配置され、これら山留め部材10の底壁部12上に設置されている。
詳しく述べると、山留め端部部材20は、図1図2に示すように、左右の山留め部材10上に設置され、掘削溝Bの延出方向の端部分に形成された溝側部B5に沿うように配置され、掘削溝Bの溝底部B4から浮かせた状態で設けられている。
すなわち、山留め端部部材20の直下においても掘削溝Bを連続して形成することが可能となり、地下工事において作業領域を広げることができる。
なお、山留め端部部材20が溝底部B4から浮いた状態となっていることから、山留め端部部材20は山留め妻プレートのほか、山留め桁妻プレートとも称される。
【0028】
山留め端部部材20は、図5図6A、Bに示すように、掘削溝Bの幅方向に長尺な部材であって、上下方向に延出し、掘削溝Bの延出方向の側壁に沿うように配置される縦壁部21と、縦壁部21の下端部分から掘削溝Bの延出方向の中央側に向かって延出し、山留め部材10上に設置される第1延出部22と、縦壁部21から掘削溝Bの延出方向の中央側に向かって延びており、第1延出部22よりも上方に配置され、覆工板40の一端部を下方から支持する第2延出部23と、上下方向において第1延出部22及び第2延出部23を連結し、縦壁部21に沿うようにして山留め端部部材20の延出方向に長尺に延びている補強部24と、を有している。
言い換えると、山留め端部部材20は、縦壁部21の前面に対し第1延出部22、第2延出部23及び補強部24からなるH形鋼を連結することで形成される略L字形状の鋼材となっている。
【0029】
縦壁部21は、山留め端部部材20の山留効果を発揮する略長方形状の壁部であって、掘削溝Bの延出方向の側壁(溝側部B5)に対向するように配置される。
第1延出部22及び補強部24は、第2延出部23を下方から支持する壁部である。第1延出部22の長尺方向の両端部が一対の山留め部材10(底壁部12)上に載置される。
第2延出部23は、覆工板40の一端部を下方から支持する略長方形状の台座部分である。
第1延出部22、第2延出部23及び補強部24それぞれの長尺方向の両端部は、山留め部材10(縦壁部11)の前面に当接するように配置されている。
【0030】
第1延出部22及び第2延出部23は、図6A、Bに示すように、それぞれ縦壁部21の前面に当接した状態で縦壁部21から延出している。そして、第2延出部23の延出長さが、第1延出部22の延出長さよりも短くなっている。
そうすることで、第2延出部23上に覆工板40の一端部を載置したときに山留め端部部材20に加わる荷重を考慮した構造とすることができる。詳しく述べると、山留め端部部材20が掘削溝Bの溝側部B5から横倒れしない構造とすることができる。
そして、覆工板40の一端部の底面には、ズレ止め防止用の突起部41が形成されているところ、上記構成であれば、第2延出部23と突起部41が意図せず干渉してしまうことを防止することもできる。
つまりは、覆工板40の突起部41との干渉を抑制しながら、できる限り第2延出部23の延出長さを確保し、覆工板40との接触面積を確保することと、できる限り第1延出部22の延出長さを長くし、山留め部材10との接触面積を確保することが可能となる。これは、本発明の路面覆工ユニットならではの山留め端部部材の設計、構造である。
【0031】
また、山留め端部部材20は、図5図6A、Bに示すように、縦壁部21の長尺方向の両端部に設けられ、縦壁部21の下端部から掘削溝Bの延出方向の中央側に向かって延びており、第1延出部22よりも下方位置に配置される左右の底壁部25と、縦壁部21の長尺方向の両端部に設けられ、縦壁部21及び底壁部25の双方に当接した位置に配置される左右の横壁部26と、をさらに有している。
言い換えると、山留め端部部材20は、縦壁部21、左右の底壁部25及び左右の横壁部26によって、第1延出部22、第2延出部23及び補強部24からなるH形鋼を側方及び後方から囲むようにして形成されている。
【0032】
底壁部25、横壁部26は、それぞれ山留め部材10の延出方向の端部分に当接するように配置されている。
詳しく述べると、底壁部25は、山留め部材10の底壁部12に連続するように配置され、底壁部12とともに掘削溝Bの溝底部B2上に設置される。
横壁部26は、山留め部材10の縦壁部11に連続するように配置され、縦壁部11とともに掘削溝Bの溝側部B1に対向するように設置される。
【0033】
上記構成において、図5に示すように、第1延出部22は、山留め部材10(底壁部12)及び底壁部25によって下方から支持されている。また、第2延出部23は、山留め部材10(縦壁部11)及び横壁部26によって側方から支持されている。
そうすることで、山留め部材10及び山留め端部部材20をより隙間なく配置することができる。そのため、掘削溝Bの側方から土砂崩れや陥没が生じることをより防止することができる(山留め効果をより高めることができる)。
左右の山留め部材10上に山留め端部部材20をより安定して設置することができる。
【0034】
さらに、山留め端部部材20は、図5図6A、Bに示すように、縦壁部21の上端部から掘削溝Bの延出方向の中央側に向かって延びており、覆工板40が設置されたときに路面Aと覆工板40の間に形成される隙間を埋めるための上壁部27と、上壁部27の延出端部から下方に向かって延びており、覆工板40の一端部に当接可能に設けられる当接部28と、をさらに有している。
言い換えると、図6Bに示すように、山留め端部部材20は、縦壁部21、第2延出部23、左右の横壁部26、上壁部27及び当接部28によって囲まれた閉鎖構造20a(閉断面構造)を有している。また、縦壁部21、第1延出部22、第2延出部23、補強部24によって囲まれた閉断面構造20bも有している。
上記構成により、山留め端部部材20の強度を高めることができ、山留め端部部材20上に覆工板40を載置したときに一層変形し難い構造とすることができる。
【0035】
上壁部27、当接部28は、それぞれ山留め端部部材20の延出方向に長尺な略長方形状の壁部であって、左右の横壁部26によって挟まれている。
上壁部27は、図6Bに示すように、縦壁部21の上端部(上面)と、当接部28の上端部(上面)とを連結しており、縦壁部21よりも外側に張り出さないように配置され、また当接部28よりも内側に張り出さないように配置されている。
当接部28は、上壁部27の延出端部(底面)と、第2延出部23の基端部(上面)とを連結している。
【0036】
上記構成において、図6Bに示すように、上壁部27、当接部28には、それぞれ山留め端部部材20の長尺方向に所定の間隔を空けて貫通孔27a、28aが形成されている。
貫通孔27a、28aは、上記長尺方向において互いに対応する位置に配置されている。
貫通孔27aを有することで、図1に示すように貫通孔27aに対し安全柵3の支柱を挿通することができる。
また、貫通孔27a、28aを有することで、貫通孔27a、28aに対し、不図示の吊り上げ装置(例えば、バックホー、ユニック)の吊り上げフック(吊り上げ端部)を挿し込むことができる。そうすることで、吊り上げ装置によって山留め端部部材20を容易に吊り上げることができ、掘削溝Bの所望位置に設置することができる。
【0037】
なお、図6Bに示すように、山留め端部部材20は、閉鎖構造20a及び閉断面構造20bを有しているところ、閉鎖構造20a及び/又は閉断面構造20bの内部に不図示の第2補強部(補強リブ)を所定の間隔を空けてさらに設けても良い。
そうすることで、山留め端部部材20の強度をより一層高めることができる。
【0038】
受桁30は、図1図8に示すように、覆工板40の長尺方向の端部分を下方から支持するH型鋼からなる部材であって、掘削溝Bの幅方向に沿って延びており、その両端部分がそれぞれ山留め部材10の底壁部12上に載置されている。
受桁30は、図4図8に示すように、掘削溝Bの延出方向において、左右の山留め部材10の横壁部13と補強部14によって間に挟まれる位置に配置されている。また、受桁30の長尺方向の両端部の外側面が、それぞれ左右の山留め部材10(縦壁部11)に当接するように配置されている。
受桁30の上面に覆工板40の端部分を載置するときには、掘削溝Bの延出方向において隣り合う覆工板40の端部分同士がそれぞれ受桁30の上面に上半分ずつ載置される。
【0039】
覆工板40は、図1図9に示すように、矩形板状の鋼材であって、その上面が平坦面となって周囲に位置する路面と連続するように設置される。
覆工板40は、覆工板縦置き工法の場合には道路の進行方向に沿って並べられる。なお、覆工板横置き工法の場合には道路の進行方向とは直交方向に並べられる。
覆工板40の両端部の底面には、図6Bに示すように、ズレ止め防止用の断面略L字形状の突起部41が形成されている。
【0040】
上記構成により、路面に掘削溝を形成して行う地下工事の作業性をより高めることが可能な路面覆工ユニットを実現することができる。また、地下工事において掘削溝の領域をより広くした場合であっても、山留め効果を発揮し、覆工板を設置することが可能な路面覆工ユニットを実現することができる。
【0041】
<路面覆工方法>
次に、路面覆工ユニット1を用いた路面覆工方法について、図3図10に基づいて説明する。
図3は、縦置き工法によって覆工板40を路面の進行方向に沿って2列、計6枚並べたときの路面覆工ユニット1の施工イメージを示す図である。
なお、路面覆工ユニット1を設置する際には、予め路面に掘削溝を形成する工程が必要である。具体的には、路面の表層に対しカット線を形成し、当該カット線に沿って舗装層A1及びその下の土層A2を掘削し、所望の掘削溝を形成することとなる。
【0042】
まず「第1の設置工程」として、図4に示すように、掘削溝Bの延出方向の始端部において、その幅方向の左右側方部分に対し左右の山留め部材10を互いに対向するように設置する(第1の設置工程)。
このとき、掘削溝Bの溝側部B1に対して縦壁部11を対向させ、溝底部B2上に底壁部12を載置するように、山留め部材10を設置する。
また、左右の山留め部材10それぞれの延出方向の一端部を掘削溝の延出方向の始端部に合わせるようにして、山留め部材10をそれぞれ設置する。
【0043】
次に「第2の設置工程」として、図5に示すように、設置した左右の山留め部材10の間において、山留め部材10それぞれの底壁部12上に山留め端部部材20を設置する。
このとき、掘削溝Bの延出方向の始端部に形成された溝側部B5に対して縦壁部21を対向させ、溝底部B4(溝最底部)から浮かせた状態で、山留め端部部材20を設置する。
また、山留め部材10(縦壁部11、底壁部12)の外側面に対し、山留め端部部材20の底壁部25の前面、横壁部26の前面を当接させるようにして山留め端部部材20を設置する。
また、山留め部材10(縦壁部11)の内側面に対し、山留め端部部材20の第1延出部22、第2延出部23、補強部24の外側面を当接させるように山留め端部部材20を設置する。
【0044】
次に「第3の設置工程」として、図7に示すように、掘削溝Bの延出方向に沿って並ぶように左右の山留め部材10をそれぞれ設置する。
このとき、1列目の山留め部材10の横壁部13と、隣接した2列目の山留め部材10の横壁部13とを当接させた状態で締結部材16を締結する。
【0045】
次に「第4の設置工程」として、図8に示すように、1列目にある左右の山留め部材10の底壁部12上に受桁30を載置する。
このとき、山留め部材10(縦壁部11)の内側面に対し、受桁30の外側面を当接させるように受桁30を設置する。
【0046】
次に「第5の設置工程」として、図9に示すように、山留め端部部材20及び受桁30それぞれの上面に対して覆工板40を掘削溝の幅方向に並ぶように3枚載置する。
このとき、覆工板40の一端部を山留め端部部材20の第2延出部23上に載置し、かつ、覆工板40の他端部を受桁30上に載置する。特に、覆工板40を受桁30上に載置する際には、覆工板40の他端部を受桁30の幅方向の中央ラインよりも張り出さないように構成する。
また、覆工板40の一端部と、山留め端部部材20の当接部28とを当接させることで、覆工板40を好適に位置決めすることができる。また、山留め端部部材20の上壁部27によって、覆工板40及び山留め端部部材20の間に意図せず隙間が形成されてしまうことを抑制することができる。
【0047】
次に「第6の設置工程」として、図10に示すように、掘削溝Bの延出方向の終端部において、左右の山留め部材10それぞれの底壁部12上に山留め端部部材20を設置する。
このとき、掘削溝Bの延出方向の終端部に形成された側壁に対して縦壁部21を対向させるように、山留め端部部材20を設置する。
このとき、掘削溝Bの延出方向の終部に形成された溝側部B5に対して縦壁部21を対向させ、溝底部B4(溝最底部)から浮かせた状態で、山留め端部部材20を設置する。
【0048】
最後に「第7の設置工程」として、図10に示すように、山留め端部部材20の第2延出部23及び直前に設置した受桁30それぞれの上面に覆工板40を3枚載置する。
なお、最後の覆工板40の設置が完了した後には、掘削溝Bと山留め部材10の隙間、及び、掘削溝Bと山留め端部部材20の隙間に土砂等を充填して、それぞれの隙間を埋める。
上記工程が完了した時点で、路面覆工作業の全工程が完了する。
すなわち、掘削溝Bの延出方向の始端部から終端部にわたって山留め部材10、山留め端部部材20が構築され、かつ、掘削溝の開口が覆工板40によって塞がれるようになる。
【0049】
<第2実施形態>
上記実施形態のほか、図11図12に示すように、幅変更用の路面覆工ユニット1として利用することが可能である。
図11は、縦置き工法によって覆工板40を路面の進行方向に沿って2列、計5枚並べたときの路面覆工ユニット1の施工イメージを示す図である。
【0050】
具体的には、図11図12に示すように、掘削溝の延出方向の一方側において左右の山留め部材10と、前後の山留め端部部材20と、3枚の覆工板40とを設置し、他方側において左右の山留め部材10と、前後の山留め端部部材20と、2枚の覆工板40とを設置する。
このとき、掘削溝の一方側にある山留め端部部材20と、掘削溝の他方側にある山留め端部部材20とを背中合わせで対向させて設置する。
なお、掘削溝の他方側にある山留め端部部材20について、掘削溝の一方側にある山留め端部部材20よりも全長が短いものを用いる。
【0051】
上記構成であれば、山留め端部部材20が掘削溝の溝底部から浮いた状態で設置されるため、路面の進行方向に沿って連続した掘削溝を形成することができる。
特に、路面に対して幅方向に屈曲部を有する掘削溝を形成して行う地下工事において、好適に路面覆工作業を行うことができる。
【0052】
<その他の実施形態>
上記実施形態のほか、幅変更用の路面覆工ユニット1として様々な施工パターンを構築することが可能である。
また上記実施形態では、覆工板縦置き工法による路面覆工ユニット1について説明したが、特に限定されるものではない。
例えば、覆工板縦置き工法と、覆工板横置き工法とを組み合わせた路面覆工ユニット1を構築することが可能である。あるいは、覆工板横置き工法による路面覆工ユニット1にも応用させることが可能である。
【0053】
上記実施形態では、主として本発明に係る路面覆工ユニット及び路面覆工方法に関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
A 路面(地面)
A1 舗装層
A2 土層
B 掘削溝
B1 溝側部(幅方向における溝側部、溝段差部)
B2 溝底部(溝段差部)
B3 溝側部(幅方向における溝側部)
B4 溝底部(溝最底部)
B5 溝側部(延出方向における溝側部)
C 埋設管
1 路面覆工ユニット
2 矢板
3 安全柵
10 山留め部材(山留めプレート)
11 縦壁部
12 底壁部
13 横壁部
13a 締結穴
14 補強部
15 柵固定部
16 締結部材
20 山留め端部部材(山留め端部プレート、桁妻プレート)
20a 閉鎖構造
20b 閉断面構造
21 縦壁部
22 第1延出部
23 第2延出部
24 補強部
25 底壁部
26 横壁部
27 上壁部
27a 貫通孔
28 当接部
28a 貫通孔
30 受桁
40 覆工板
41 突起部(ズレ止め突起部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12