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特開2024-50724デューテトラベナジンの類似体、その調製及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050724
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】デューテトラベナジンの類似体、その調製及び使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4745 20060101AFI20240403BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240403BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20240403BHJP
   C07D 455/06 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61K31/4745
A61K9/20
A61P25/14
C07D455/06
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024011974
(22)【出願日】2024-01-30
(62)【分割の表示】P 2022177578の分割
【原出願日】2018-03-15
(31)【優先権主張番号】62/471,484
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515247864
【氏名又は名称】オースペックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チェンジ・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジム・カー
(57)【要約】
【課題】許容される不純物プロファイルを含有する製剤を提供する。
【解決手段】本開示は、デューテトラベナジン類似体、それを含む組成物、及びそれを、デューテトラベナジンを含む組成物において検出する方法を対象とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤の形態におけるデューテトラベナジン製剤を調製するための方法であって、
前記方法が、
デューテトラベナジン原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して0.15面積%以下の量である化合物2
【化1】
を含むデューテトラベナジン原薬を得る工程、
デューテトラベナジン原薬を賦形剤と混合して、錠剤の形態のデューテトラベナジン製剤を製造する工程
を含み、
化合物2の量は、C18、150 x 4.6 mm、3.5 μmカラム、及び、220 nmにおけるフォトダイオードアレイ/紫外線検出器を備えるHPLC法によって決定され、
デューテトラベナジン製剤は、室温で1か月保存後、HPLC法による決定に基づいて、製剤中のデューテトラベナジンの濃度に対して、0.4面積%以下の量の化合物2を有する、
錠剤の形態におけるデューテトラベナジン製剤を調製するための方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法によって製造される錠剤の形態におけるデューテトラベナジン製剤。
【請求項3】
デューテトラベナジン製剤中の化合物2の量が、HPLC法による決定に基づき、原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して約0.05面積%から約0.15面積%である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
デューテトラベナジン製剤中の化合物2の量が、HPLC法による決定に基づき、原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して約0.05面積%から0.1面積%である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
デューテトラベナジン製剤中の化合物2の量が、1か月の室温保存後、HPLC法による決定に基づき、原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して約0.07面積%から0.4面積%である、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
デューテトラベナジン製剤中の化合物2の量が、1か月の室温保存後、HPLC法による決定に基づき、原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して約0.03面積%から0.4面積%である、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
デューテトラベナジン製剤中の化合物2の量が、1か月の室温保存後、HPLC法による決定に基づき、原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して約0.1面積%から0.4面積%である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2017年3月15日に出願された米国仮出願第62/471,484号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
テトラベナジン(NITOMAN(商標)、XENAZINE(商標)、Ro 1-9569)、すなわち1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリンは、小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)阻害剤である。テトラベナジンは、一般的にハンチントン病の処置のために処方されている(Savaniら、Neurology、2007、68(10)、797頁、及びKenneyら、Expert Review of Neurotherapeutics、2006、6(1)、7~17頁)。
【0003】
【化1】
【0004】
d6-テトラベナジン(USAN及びINN:デューテトラベナジン)は、米国でAUSTEDO(登録商標)の商品名で販売されているテトラベナジンの重水素化類似体である。これは、非重水素化薬物と比較した場合に薬物動態特性が改善されている。例えば、US 8,524,733を参照のこと。
【0005】
【化2】
【0006】
デューテトラベナジンの合成方法は、米国特許出願公開第2015/0152099号に開示されている。デューテトラベナジンを含む医薬組成物は、米国特許第9,233,959号に開示されている。米国特許出願公開第2016/0287574号は、異常な不随意運動障害の処置のためのデューテトラベナジンを開示している。デューテトラベナジンの望ましい有益な効果にもかかわらず、前述の障害を処置するための高品質な組成物が絶えず必要とされている。
【0007】
製剤が意図された通りに働くという保証を提供するために、販売承認を求めている出願人らは、提案された商用製造プロセスを使用して生成されたとき及び保存後の両方における、製剤中に同定される不純物の概要について述べることが要求される。出願人らは、製造後及び保存後の製剤中で同定されるレベルにおいて不純物は生物学的に安全であることを立証する必要がある。許容される不純物プロファイルを含有する製剤が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】US 8,524,733号
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/0152099号
【特許文献3】米国特許第9,233,959号
【特許文献4】米国特許出願公開第2016/0287574号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Savaniら、Neurology、2007、68(10)、797頁
【非特許文献2】Kenneyら、Expert Review of Neurotherapeutics、2006、6(1)、7~17頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、デューテトラベナジン原薬と薬学的に許容される担体との混和物(admixture)を含む医薬組成物であって、デューテトラベナジン原薬が、デューテトラベナジン、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.5面積%以下の化合物1、及びHPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.15面積%以下の化合物2を含み、医薬組成物は1から24か月間室温で保存したときに安定である、医薬組成物を対象とする。化合物1及び化合物2の化学構造を提供する。
【0011】
【化3】
【0012】
本開示は、化合物1又は化合物2の構造を有する単離された化合物、並びにその塩及び立体異性体を対象とする。
【0013】
化合物1及び/又は化合物2を含む組成物、並びにこれらの化合物を参照標準として使用する方法も記載される。
【0014】
本開示はまた、デューテトラベナジンを含む組成物の試料が望ましくない不純物を含有するかどうかを試験するための方法も対象とする。デューテトラベナジン製剤を生成するための方法、及びデューテトラベナジン原薬を含むデューテトラベナジン製剤を流通させる方法も記載される。デューテトラベナジンと薬学的に許容される担体とを含有する医薬品を流通に関してバリデートするための方法が記載される。
【0015】
多動性運動障害に罹患している対象を処置するために本明細書に記載の化合物及び組成物を使用する方法もまた記載される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】化合物1のFTIRスペクトルのグラフである。
図2】化合物1の1H NMRのグラフである。
図3】化合物1の13C NMRのグラフである。
図4】化合物1の代表的なクロマトグラムの図である。
図5】化合物2のFTIRスペクトルのグラフである。
図6】化合物2の1H NMRのグラフである。
図7】化合物2の13C NMRのグラフである。
図8】化合物2の代表的なクロマトグラムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示において、文脈が明確にそうでないことを示していない限り、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は複数のものを含み、特定の数値への言及は少なくともその特定の値を含む。したがって、例えば、「材料(a material)」への言及は、当業者に公知のそのような材料及びその均等物の少なくとも1つへの言及である、等となる。
【0018】
ある値が記述子「約」の使用によって近似値として表される場合、その特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるだろう。一般に、用語「約」の使用は、その機能に基づいて、開示される主題によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値を示し、その用語が使用される具体的な文脈で解釈されるべきである。本開示の一部の態様では、「約」は、記載されている値の±10%の値の範囲を指す。例えば、「約10」は、「10」だけでなく「9から11」も指す。当業者であれば、これをルーチンとして解釈できよう。場合によっては、特定の値に使用される有効桁数は、単語「約」の範囲を決定する1つの非制限的方法となり得る。他の場合、一連の値において使用される段階的変化(gradation)は、それぞれの値で用語「約」が利用できる所期の範囲を決定するために使用され得る。存在する場合、全ての範囲は包括的であり組合せ可能である。すなわち、範囲中に示された値への言及は、その範囲内のあらゆる値を含む。パラメーター範囲が与えられる場合、その範囲内の全ての整数及びその小数点第1位もまた本発明によって与えられると理解される。例えば、「20~40mg」は、20.0mg、20.1mg、20.2mg、20.3mg、等、最大40.0mgまでを含む。
【0019】
リストが提示される場合は、別段の記述がない限り、そのリストの個々の要素それぞれ、及びそのリストのあらゆる組合せは別個の実施形態として解釈されるべきであるということが理解されるべきである。例えば、「A、B、又はC」として提示される実施形態のリストは、実施形態「A」、「B」、「C」、「A又はB」、「A又はC」、「B又はC」、又は「A、B、又はC」を含むものとして解釈されるべきである。
【0020】
説明を明確にするために、別個の実施形態の文脈で本明細書に記載される本発明のある種の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいということが理解されるべきである。すなわち、明らかに両立不可能又は排除されるというのでない限り、個々の実施形態それぞれは任意の他の実施形態と組合せ可能であると考えられ、そのような組合せは別の実施形態であるとみなされる。反対に、説明を簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載される本発明の様々な特徴はまた、別個に又は任意の部分的組合せで提供されてもよい。特許請求の範囲は任意の選択可能な要素を排除して作成できるということに更に留意されたい。したがって、この記述は、請求項の要素の記述に関連する「唯一」、「のみ」等の、そのような排他的用語の使用、又は「否定的な」限定の使用に対する先行する根拠としての役割を果たすことが意図される。最後に、ある実施形態は一連の工程の部分又はより一般的な構造の部分として記載されてよいが、前記工程のそれぞれを、それ自体独立した実施形態とみなしてもよい。
【0021】
本開示は、室温で保存したときに安定であるデューテトラベナジン医薬組成物を対象とする。一部の態様では、医薬組成物は、約1から約24か月間室温で保存したときに安定である。一部の態様では、医薬組成物は、約1から約18か月間室温で保存したときに安定である。一部の態様では、医薬組成物は、約1から約12か月間室温で保存したときに安定である。一部の態様では、医薬組成物は、約1から約6か月間室温で保存したときに安定である。一部の態様では、医薬組成物は、約1から約3か月間室温で保存したときに安定である。一部の態様では、医薬組成物は、約1か月間室温で保存したときに安定である。例えば、本開示の医薬組成物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は約24か月間室温で保存したときに安定である。
【0022】
本開示の医薬組成物は、デューテトラベナジン原薬と薬学的に許容される担体との混和物を含む。本開示によれば、デューテトラベナジン原薬は、デューテトラベナジン、化合物1、及び化合物2を含む。特に好ましい態様では、デューテトラベナジン原薬は、デューテトラベナジン、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.5面積%以下の化合物1、及びHPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.15面積%以下の化合物2を含む。
【0023】
好ましい態様では、デューテトラベナジン原薬は、デューテトラベナジンに加えて、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.5面積%以下の化合物1を含む。例示的なHPLC法は本明細書に開示される。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.1面積%から約0.5面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.1面積%から約0.4面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.1面積%から約0.3面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.1面積%から約0.2面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.1面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.15面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.2面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.25面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.3面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.35面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.4面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.45面積%の化合物1を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.5面積%の化合物1を含む。
【0024】
好ましい態様では、デューテトラベナジン原薬は、デューテトラベナジンに加えて、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.15面積%以下の化合物2を含む。例示的なHPLC法は本明細書に開示される。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.05面積%から約0.15面積%の化合物2を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.05面積%から約0.1面積%の化合物2を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.15面積%の化合物2を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.1面積%の化合物2を含む。一部の態様では、デューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.05面積%の化合物2を含む。
【0025】
一部の態様では、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約3面積%以下の化合物1を含む。他の態様では、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して約0.4面積%以下の化合物2を含む。更に他の態様では、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、それぞれデューテトラベナジンの濃度に対して約3面積%以下の化合物1及び約0.4面積%以下の化合物2を含む。
【0026】
一部の態様では、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.007面積%から3面積%の化合物1を含む。一部の態様では、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.01面積%から3面積%の化合物1を含む。一部の態様では、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.1面積%から3面積%の化合物1を含む。一部の態様では、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して1面積%から3面積%の化合物1を含む。例えば、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、又は3面積%の化合物1を含む。
【0027】
一部の態様では、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.007面積%から0.4面積%の化合物2を含む。一部の態様では、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.03面積%から0.4面積%の化合物2を含む。一部の態様では、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.1面積%から0.4面積%の化合物2を含む。例えば、本開示の医薬組成物は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、又は0.4面積%の化合物2を含む。
【0028】
本開示によれば、本開示の医薬組成物は、約50%以上の重水素濃縮度を有するデューテトラベナジン原薬を含む。本開示の一部の態様では、本開示の医薬組成物は、約90%以上の重水素濃縮度を有するデューテトラベナジン原薬を含む。一部の態様では、本開示の医薬組成物は、約95%以上の重水素濃縮度を有するデューテトラベナジン原薬を含む。一部の態様では、本開示の医薬組成物は、約98%以上の重水素濃縮度を有するデューテトラベナジン原薬を含む。
【0029】
本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中のデューテトラベナジンは、メトキシ部分のそれぞれに約50%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中のデューテトラベナジンは、メトキシ部分のそれぞれに約90%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中のデューテトラベナジンは、メトキシ部分のそれぞれに約95%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中のデューテトラベナジンは、メトキシ部分のそれぞれに約98%以上の重水素濃縮度を有する。
【0030】
本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中の化合物1は、メトキシ部分のそれぞれに約50%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中の化合物1は、メトキシ部分のそれぞれに約90%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中の化合物1は、メトキシ部分のそれぞれに約95%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中の化合物1は、メトキシ部分のそれぞれに約98%以上の重水素濃縮度を有する。
【0031】
本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中の化合物2は、メトキシ部分のそれぞれに約50%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中の化合物2は、メトキシ部分のそれぞれに約90%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中の化合物2は、メトキシ部分のそれぞれに約95%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の一部の態様では、本開示のデューテトラベナジン原薬中の化合物2は、メトキシ部分のそれぞれに約98%以上の重水素濃縮度を有する。
【0032】
本開示はまた、構造:
【0033】
【化4】
【0034】
を有する単離された化合物、並びにそれらの塩及び立体異性体も対象とする。
【0035】
本発明のある実施形態では、単離された化合物は、構造:
【0036】
【化5】
【0037】
を有する。
【0038】
本発明のある実施形態では、単離された化合物は、構造:
【0039】
【化6】
【0040】
を有する。
【0041】
本発明は、Dとして表されるそれぞれの位置が、約10%以上、好ましくは約50%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約98%以上の重水素濃縮度を有する、単離された化合物1又は2を更に提供する。
【0042】
本発明はまた、デューテトラベナジンと、構造:
【0043】
【化7】
【0044】
を有する少なくとも1種の化合物とを含む組成物であって、組成物における、化合物の質量のデューテトラベナジンの質量に対する比が99:1から1:99である、組成物も提供する。
【0045】
ある実施形態では、組成物における、化合物の質量のデューテトラベナジンの質量に対する比は、90:10から10:90、又は85:15から15:85である。例えば、一部の態様では、組成物における、化合物の質量のデューテトラベナジンの質量に対する比は、95:5、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、65:35、60:40、55:45、50:50、45:55、40:60、35:65、30:70、25:75、20:80、15:85、10:90、又は5:95である。他の態様では、組成物における、化合物の質量のデューテトラベナジンの質量に対する比は、5:95、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、90:10、又は95:5である。
【0046】
本開示はまた、構造:
【0047】
【化8】
【0048】
を有する少なくとも1種の化合物を含み、デューテトラベナジンを実質的に含まない組成物も提供する。本明細書で使用する場合、「デューテトラベナジンを実質的に含まない」は、1wt%未満のデューテトラベナジン、好ましくは0.1wt%未満のデューテトラベナジンを有することを指す。本明細書で使用する場合、「デューテトラベナジンを含まない」は、HPLC法によって決定したときにデューテトラベナジンを一切有しないことを指す。
【0049】
化合物1はデューテトラベナジンのジアステレオマーである。これは製造プロセスの副生成物として原薬中に現れ得る。化合物1の量は、原薬又は製剤(医薬組成物)が保存される場合、経時的に増加し得る。本開示によれば、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して3面積%超の化合物1を含有しない医薬組成物において安定性を経時的に確保するために、医薬組成物を調製するために使用されるデューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.5面積%以下の化合物1を有するべきであることが決定されている。
【0050】
化合物2はデューテトラベナジンの酸化/脱水素化から形成され得る。これは製造プロセスの副生成物として原薬中に現れ得る。化合物2の量は、原薬又は製剤(医薬組成物)が保存される場合、経時的に増加し得る。本開示によれば、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.4面積%超の化合物2を含有しない医薬組成物において安定性を経時的に確保するために、医薬組成物を調製するために使用されるデューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.15面積%以下の化合物2を有するべきであることが決定されている。
【0051】
本開示によれば、HPLC法による決定に基づいて、それぞれデューテトラベナジンの濃度に対して3面積%超の化合物1及び0.4面積%超の化合物2を含有しない医薬組成物において安定性を経時的に確保するために、医薬組成物を調製するために使用されるデューテトラベナジン原薬は、HPLC法による決定に基づいて、それぞれデューテトラベナジンの濃度に対して0.5面積%以下の化合物1及び0.15面積%以下の化合物2を有するべきである。
【0052】
本開示はまた、ある量のデューテトラベナジンと化合物1及び化合物2のうちの少なくとも1種とを含む医薬組成物であって、
a)医薬組成物中に化合物1が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して10面積%以下の量で存在する、又は
b)医薬組成物中に化合物2が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して10面積%以下の量で存在する、
医薬組成物も提供する。
【0053】
本開示はまた、ある量のデューテトラベナジンと化合物1及び化合物2のうちの少なくとも1種とを含む医薬組成物であって、
a)医薬組成物中に化合物1が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して3面積%以下の量で存在する、又は
b)医薬組成物中に化合物2が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.4面積%以下の量で存在する、
医薬組成物も提供する。
【0054】
一実施形態では、記載された医薬組成物中に化合物1及び化合物2のうちの少なくとも1種が存在する。
【0055】
ある実施形態では、医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、又は懸濁液剤の形態である。別の実施形態では、医薬組成物は経口単位剤形である。
【0056】
ある実施形態では、医薬組成物は5~30mgの間のデューテトラベナジンを含む。別の実施形態では、医薬組成物は6~24mgの間のデューテトラベナジンを含む。別の実施形態では、医薬組成物は約6mgのデューテトラベナジンを含む。別の実施形態では、医薬組成物は約9mgのデューテトラベナジンを含む。別の実施形態では、医薬組成物は約12mgのデューテトラベナジンを含む。別の実施形態では、医薬組成物は約15mgのデューテトラベナジンを含む。別の実施形態では、医薬組成物は約18mgのデューテトラベナジンを含む。別の実施形態では、医薬組成物は約21mgのデューテトラベナジンを含む。別の実施形態では、医薬組成物は約24mgのデューテトラベナジンを含む。
【0057】
別の実施形態では、医薬組成物は1日1回の投与のために調製されている。別の実施形態では、医薬組成物は、1日1回超、例えば、1日2回、1日3回、1日4回等の投与のために調製されている。
【0058】
本開示はまた、デューテトラベナジンと化合物1との混合物をエタノールから再結晶して化合物1を生成する工程を含む、化合物1を単離するための方法も提供する。
【0059】
本開示はまた、デューテトラベナジンを酸化して化合物2を形成する工程を含む、化合物2を調製するための方法も提供する。
【0060】
本開示はまた、デューテトラベナジンを含む組成物の試料が望ましくない不純物、すなわち望ましくない量の化合物1及び/又は化合物2を含有するかどうかを試験するための方法であって、試料が構造:
【0061】
【化9】
【0062】
を有する化合物を含有するかどうかを決定する工程を含む、方法も提供する。
【0063】
本発明はまた、デューテトラベナジン原薬を得る工程、及びデューテトラベナジン原薬を好適な添加剤と混合してデューテトラベナジン製剤を生成する工程を含む、デューテトラベナジン製剤を生成するための方法であって、デューテトラベナジン原薬が、
i)デューテトラベナジン原薬中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物1が0.5面積%以下である、ある量の化合物1、又は
ii)デューテトラベナジン原薬中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物2が0.15面積%以下である、ある量の化合物2
を含む、方法も提供する。
【0064】
一実施形態では、方法は、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジン原薬中の化合物1及び化合物2のうちの少なくとも1種の量を決定する工程を更に含む。
【0065】
本発明はまた、商用販売及び/又はヒト投与のためのデューテトラベナジン製剤を生成するための方法であって、
i)デューテトラベナジン製剤のバッチ中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物1が3面積%以下である、ある量の化合物1、又は
ii)デューテトラベナジン製剤のバッチ中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物2が0.4面積%以下である、ある量の化合物2
を含むデューテトラベナジン製剤のバッチを得る工程、並びに
商用販売及び/又はヒト投与のためのデューテトラベナジン製剤のバッチを調製する工程
を含む、方法も提供する。
【0066】
一実施形態では、本方法は、デューテトラベナジン製剤中の化合物1及び化合物2のうちの少なくとも1種の量を決定する工程を更に含む。
【0067】
本発明はまた、デューテトラベナジン原薬を含むデューテトラベナジン製剤を流通させる方法であって、
a)デューテトラベナジン原薬が、
i)デューテトラベナジン原薬中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物1が0.5面積%以下である、ある量の化合物1、又は
ii)デューテトラベナジン原薬中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物2が0.15面積%以下である、ある量の化合物2
を含む、デューテトラベナジン製剤を得る工程、及び
b)デューテトラベナジン原薬を含むデューテトラベナジン製剤を流通させる工程
を含む、方法も提供する。
【0068】
本発明はまた、デューテトラベナジン製剤を流通させる方法であって、
a)i)デューテトラベナジン製剤中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物1が3面積%以下である、ある量の化合物1、又は
ii)デューテトラベナジン製剤中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物2が0.4面積%以下である、ある量の化合物2、
を含むデューテトラベナジン製剤を得る工程、及び
b)デューテトラベナジン製剤を流通させる工程
を含む、方法も提供する。
【0069】
本発明はまた、デューテトラベナジンを含む医薬組成物中の微量の不純物を検出する参照標準としての使用のための不純物であって、化合物1又は化合物2である、不純物も提供する。
【0070】
本発明はまた、デューテトラベナジンを含む組成物中の不純物の濃度を決定する方法であって、
a)試料溶液を医薬組成物から調製する工程、
b)アセトニトリルを含む希釈液を調製する工程、
c)デューテトラベナジンと希釈液とを含む標準溶液を調製する工程、
d)デューテトラベナジンと不純物とを含む分解能溶液を調製する工程、
e)770mgの酢酸アンモニウムを1000mLの水に溶解することによって緩衝液を調製する工程、
f)希釈液、分解能溶液、標準溶液、及び試料溶液をHPLCに注入する工程、
g)190~400nm(好ましくは220nm)の紫外線吸収を使用して、及び緩衝液と希釈液とを移動相として使用して、80%緩衝液/20%希釈液から開始して20分にわたって100%緩衝液まで増やすグラジエントプログラムでHPLCを実行する工程、
h)試料溶液のクロマトグラムにおいて、不純物の保持時間(RT)及びピーク面積を決定する工程、並びに
i)試料溶液のクロマトグラムにおいて、対応するピークに関して不純物の定量化を実施する工程
を含み、不純物が化合物1又は化合物2である、方法も提供する。
【0071】
本発明はまた、デューテトラベナジンと薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物中の不純物の濃度を決定する方法であって、
a)試料溶液を医薬組成物から調製する工程、
b)イソプロピルアルコールとアセトニトリルとを含む希釈液を調製する工程、
c)デューテトラベナジンと希釈液とを含む標準溶液を調製する工程、
d)デューテトラベナジンと不純物とを含む分解能溶液を調製する工程、
e)酢酸アンモニウムを水に溶解することによって緩衝液を調製する工程、
f)希釈液、分解能溶液、標準溶液、及び試料溶液をHPLCに注入する工程、
g)190~400nm又は220nmの紫外線吸収を使用して、及び緩衝液とアセトニトリルとの混合物を移動相として使用して、HPLCを実行する工程、
h)試料溶液のクロマトグラムにおいて、不純物の保持時間(RT)及びピーク面積を決定する工程、並びに
i)試料溶液のクロマトグラムにおいて、対応するピークに関して不純物の定量化を実施する工程
を含み、不純物が化合物1又は化合物2である、方法も提供する。
【0072】
本発明はまた、多動性運動障害に罹患している対象を処置する方法であって、本発明の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、方法も提供する。
【0073】
本発明はまた、ハンチントン病に罹患している対象を処置する方法であって、本発明の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、方法も提供する。
【0074】
本発明はまた、ハンチントン病に関連する舞踏病に罹患している対象を処置する方法であって、本発明の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、方法も提供する。
【0075】
本発明はまた、遅発性ジスキネジアに罹患している対象を処置する方法であって、本発明の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、方法も提供する。
【0076】
本発明はまた、トゥレット症候群を伴うチックに罹患している対象を処置する方法であって、本発明の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、方法も提供する。
【0077】
本発明はまた、デューテトラベナジンと薬学的に許容される担体とを含有する医薬品のバッチを流通に関してバリデートするための方法であって、
a)HPLC法による決定に基づいて、化合物1及び化合物2のうちの少なくとも1種の量を決定する工程、並びに
b)i)バッチが、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して3面積%以下の化合物1を有すると決定される、又は
ii)バッチが、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.4面積%以下の化合物2を有すると決定される
場合にのみ、バッチを流通に関してバリデートする工程
を含む、方法も提供する。
【0078】
本発明はまた、デューテトラベナジンを含むバリデートされた医薬組成物を調製するための方法であって、
a)デューテトラベナジン原薬のバッチを得る工程、
b)HPLC法による決定に基づいて、化合物1及び化合物2のうちの少なくとも1種の量を決定する工程、並びに
c)i)バッチが、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.5面積%以下の化合物1を有すると決定される、又は
ii)バッチが、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.15面積%以下の化合物2を有すると決定される
場合にのみ、医薬組成物をバッチから調製する工程
を含む、方法も提供する。
【0079】
本明細書に開示されるそれぞれの実施形態は、開示される他の実施形態のそれぞれに適用可能であると企図される。したがって、本明細書に記載の様々な要素のあらゆる組合せは、本発明の範囲内である。
【0080】
例えば、包装及び医薬組成物の実施形態に列挙されている要素は、本明細書に記載の方法及び使用の実施形態に使用できる。
【0081】
用語
本明細書で使用する場合、及び別段の記述がない限り、以下の用語のそれぞれは、下記に定める定義を有するものとする。
【0082】
本明細書に開示される化合物には不斉中心が存在する。これらの中心は、キラル炭素原子の周りの置換基の立体配置に応じて、記号「R」又は「S」で示される。本発明は、ジアステレオマー形態、エナンチオマー形態、及びエピマー形態、並びにD-異性体及びL-異性体、並びにそれらの混合物を含めて、全ての立体化学的異性体形態を包含すると理解されるべきである。化合物の個々の立体異性体は、キラル中心を含有する市販の出発物質から合成して、又はエナンチオマー生成物の混合物の調製とそれに続く分離、例えばジアステレオマーの混合物への変換とそれに続く分離若しくは再結晶、クロマトグラフ法、キラルクロマトグラフィーカラムでのエナンチオマーの直接分離、又は当技術分野で公知の任意の他の適切な方法によって調製できる。特定の立体化学の出発化合物は、市販されているか、又は当技術分野で公知の技法によって作製及び分割できる。加えて、本明細書に開示される化合物は幾何異性体として存在してよい。本発明は、cis、trans、syn、anti、entgegen(E)、及びzusammen(Z)異性体の全て、並びにそれらの適切な混合物を含む。加えて、化合物は互変異性体として存在してよく、全ての互変異性の異性体は本発明によって提供される。加えて、本明細書に開示される化合物は、非溶媒和形態、及び水、エタノール等の薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在し得る。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と等価であるとみなされる。
【0083】
用語「3S,11bSエナンチオマー」又は用語「3R,11bRエナンチオマー」は、以下に示す構造式:
【0084】
【化10】
【0085】
を有するデューテトラベナジン立体異性体のいずれかを指す。
【0086】
ある特定の実施形態では、化学構造は3S,11bSエナンチオマー又は3R,11bRエナンチオマーのいずれかとして描かれ得るが、本明細書の本文は、3S,11bSエナンチオマー、3R,11bRエナンチオマー、これらのラセミ混合物(これは(RR,SS)-d6-テトラベナジンとして記載することができる)、又は上述の全てのものを記載していると意図され得るということを示してよい。
【0087】
本明細書で使用する場合、「原薬」は、製剤の有効成分、又は製剤に配合される前の有効成分を含有する組成物を指し、疾患の診断、治癒、緩和、処置、若しくは予防において薬理活性若しくは他の直接的効果をもたらす、又は人間若しくは動物の体の構造若しくは任意の機能に影響を与える。
【0088】
本明細書で使用する場合、「製剤」は、原薬と少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含有する、配合された又は完成した剤形を指す。
【0089】
本明細書で使用する場合、「単離された」化合物は、積極的な単離行為(affirmative act of isolation)により粗反応混合物から単離された化合物である。単離行為は、化合物を粗反応混合物の他の公知の成分から分離することを含み、一部の不純物、未知の副産物、及び残存量の粗反応混合物の他の公知の成分は残っていてもよい。精製は、積極的な単離行為の一例である。
【0090】
本明細書で使用する場合、用語「安定」は、デューテトラベナジンに関する場合、具体的な期間、具体的な温度で維持されたときに、具体的な不純物(例えば、化合物1、化合物2、又はそれらの組合せ)のレベルが具体的な限界を超えて増加しないデューテトラベナジンを意味する。より具体的には、用語「安定」は、約1から約24か月間室温で維持されたときに、化合物1のレベルが、HPLCによって測定して、デューテトラベナジンの面積の総量の3%を超えて増加しない、又は化合物2のレベルが、HPLCによって測定して、デューテトラベナジンの面積の総量の0.4%を超えて増加しない、デューテトラベナジンを意味する。
【0091】
本明細書で使用する場合、「室温」は、約20℃から約30℃の範囲の温度を指す。
【0092】
本明細書で使用する場合、「安定性試験」は、製剤がその表示された有効期間にわたって分解するかどうか、またどの程度分解するかを調べるために、具体的な時間間隔、及び様々な環境条件(例えば、温度及び湿度)で行われる試験を指す。試験の具体的な条件及び時間は、製剤がその有効期間にわたって遭遇すると予想される状態を促進するようなものである。例えば、完成した医薬の安定性試験の詳細な要件は、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれている、米国連邦規則21巻211条166項に成文化されている。
【0093】
本明細書で使用する場合、数値又は範囲の文脈における「およそ」は、列挙されている又は特許請求されている数値又は範囲の±5%を意味する。
【0094】
本明細書で使用する場合、ミリグラム単位で測定される化合物の「量」は、調製物の形態にかかわらず、調製物中に存在する化合物のミリグラムを指す。「40mgである化合物の量」は、調製物の形態にかかわらず、調製物中の化合物の量が40mgであることを意味する。したがって、担体を有する形態の場合、40mgの用量の化合物をもたらすために必要な担体の質量は、担体の存在のために、40mg超ということになる。
【0095】
本明細書で使用する場合、「処置すること」及び「処置」は、例えば、疾患、障害、若しくは状態の阻害、後退、若しくは停止を誘導すること、又は疾患、障害、若しくは状態の症状を改善すること若しくは軽減することを包含する。状態又は容態(state)を「改善すること」又は「軽減すること」は、本明細書で使用する場合、その状態又は容態の症状を和らげる又は減ずることを意味するものとする。対象における疾患の進行又は疾患の合併症の「阻害」は、本明細書で使用する場合、対象における疾患の進行及び/又は疾患の合併症を予防すること又は低減することを意味する。
【0096】
「対象に投与すること」は、状態、例えば、病態に伴う症状を和らげる、治癒する、又は低減するために、薬、薬物、又は治療薬を対象に与える、施す、又は適用することを意味する。
【0097】
本発明の原薬、例えばデューテトラベナジンは、所期の投与形態に関連して、及び従来の医薬実務と一致するように好適に選択される好適な医薬賦形剤、増量剤、添加剤、又は担体(本明細書ではまとめて、薬学的に許容される担体と称される)との混和物で投与されてよい。カプセル剤又は錠剤は、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤、着色剤、流動誘発剤、及び溶融剤を含有してよい。
【0098】
本発明の方法において使用される化合物の投与単位は、単一の化合物又はその混合物を追加の治療剤と共に含んでよい。
【0099】
ミリグラム単位で測定されるデューテトラベナジンの「用量」又は「投与単位」又は「単位投与量」は、調製物の形態にかかわらず、調製物中に存在するデューテトラベナジンのミリグラムを指す。投与単位は、単一の化合物又はその化合物の混合物を含んでよい。投与単位は、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、懸濁液剤、及び顆粒剤等の経口剤形用に調製できる。例えば、デューテトラベナジンの「用量」又は「投与単位」は、6、9、12、15、18、21、又は24mgであり得る。
【0100】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」成分は、過度の有害な副作用(例えば、毒性、刺激、及びアレルギー応答)を伴わずにヒト及び/又は動物での使用に好適で、合理的なベネフィット/リスク比の釣り合いがとれているものである。
【0101】
本発明はまた、不純物を含めて、本明細書に開示される化合物に存在する原子の全ての同位体を含むことも意図される。同位体は、同じ原子番号であるが異なる質量数を有する原子を含む。限定するものではない一般的な例として、水素の同位体は三重水素及び重水素を含む。炭素の同位体はC-12、C-13、及びC-14を含む。
【0102】
本明細書で使用する場合、試料中の化合物の存在をスクリーニング又は試験する際に使用される分析方法の「検出限界」は、下回ると使用される分析方法によって試料中の化合物を検出できなくなる閾値である。デューテトラベナジンを含有する試料中の不純物を検出するための所与のHPLC法の検出限界は、方法及び検出される1種又は複数の不純物に基づいて変動し得る。例えば、化合物1を検出するための典型的なHPLC法の検出限界は0.01面積%であり、化合物2を検出するための検出限界は0.03面積%である。
【0103】
本明細書で使用する場合、試料中の化合物の存在をスクリーニング又は試験する際に使用される分析方法の「定量限界」は、下回ると使用される分析方法によって試料中の化合物を定量できなくなる閾値である。デューテトラベナジンを含有する試料中の不純物を検出するための所与のHPLC法の定量限界は、検出される1種又は複数の不純物に基づいて変動し得る。例えば、化合物1を定量するための典型的なHPLC法の定量限界は0.007面積%であり、化合物2の定量限界は0.007面積%である。
【0104】
化合物の特徴は、1H核磁気分光法、質量分光法、赤外、紫外又は蛍光分光測色法、ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、元素分析、エームス試験、溶解、安定性によって決定される、化合物が示す任意の品質、例えば、ピーク又は保持時間、及び分析方法によって決定され得る任意の他の品質を指す。化合物の特徴が分かると、その情報は、例えば、試料中の化合物の存在をスクリーニング又は試験するために使用できる。
【0105】
本明細書で使用する場合、「NMT」は以下を意味する。本明細書で使用する場合、「LT」は未満を意味する。
【0106】
不純物の量は、別段の指定がない限り、逆相HPLCによって測定される。
【0107】
本明細書で使用する場合、用語「有効量」は、本発明の様式で使用されたときに、過度の有害な副作用(例えば、毒性、刺激、又はアレルギー応答)を伴わずに所望の治療応答を得るのに十分で、合理的なベネフィット/リスク比の釣り合いがとれている成分の量、すなわち治療有効量を指す。具体的な有効量は、処置される特定の状態、患者の身体状態、処置される哺乳動物の種類、処置の持続時間、併用療法の性質(行われる場合)、及び用いられる具体的な配合物、及び化合物又はその誘導体の構造等の要因によって変わり得る。
【0108】
本明細書で使用する場合、「商用販売のための製剤を調製すること」は、商用販売のための調製において行われる活動を意味する。例としては、製剤を着色すること、コードすること、刻印すること、包装することが挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
本明細書で使用する場合、「重水素濃縮度」は、分子の所与の位置に水素の代わりに重水素が組み込まれている百分率を指す。例えば、所与の位置における1%の重水素濃縮度は、所与の試料における分子の1%が指定の位置に重水素を含有することを意味する。重水素の天然分布は約0.0156%であるので、非濃縮出発物質を使用して合成された化合物の任意の位置における重水素濃縮度は約0.0156%である。重水素濃縮度は、質量分析法、核磁気共鳴分光法を含む、当業者に公知の従来の分析方法を使用して決定できる。
【0110】
本明細書で使用する場合、「重水素である」は、分子の所与の位置又は記号「D」を説明するために使用される場合、分子構造の図において所与の位置を表すために使用される場合、指定の位置が重水素の天然分布を超えて重水素で濃縮されていることを意味する。一実施形態では、重水素濃縮度は、指定の位置において重水素の約1%以上であり、別の実施形態では約5%以上であり、別の実施形態では約10%以上であり、別の実施形態では約20%以上であり、別の実施形態では約50%以上であり、別の実施形態では約70%以上であり、別の実施形態では約80%以上であり、別の実施形態では約90%以上であり、又は別の実施形態では約98%以上である。
【0111】
医薬組成物
本発明に従った使用のための化合物は原料化合物の形態で投与できるが、有効成分を、任意選択で生理学的に許容される塩の形態で、1つ又は複数のアジュバント、添加剤、担体、緩衝剤、賦形剤、及び/又は他の慣用の医薬補助剤と一緒に医薬組成物に導入することが好ましい。
【0112】
ある実施形態では、本発明は、活性化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは誘導体を、1つ又は複数のその薬学的に許容される担体、並びに任意選択で、当技術分野で公知且つ使用されている他の治療及び/又は予防成分と一緒に含む医薬組成物を提供する。担体は、配合物の他の成分と適合し、その受容者に害ではないという意味で「許容される」ものでなければならない。
【0113】
Table 1(表1)は化合物1~2の構造を示す。
【0114】
【表1】
【0115】
本発明は、以下の実験の詳細を参照することでより良く理解されるであろうが、当業者は、詳述される具体的な実験がその後に続く特許請求の範囲においてより完全に説明される本発明を例示したものに過ぎないということを容易に理解するであろう。
【実施例0116】
実験の詳細
(実施例1)
化合物1の調製
【0117】
【化11】
【0118】
デューテトラベナジンの母液から得た原料(10g)をEtOHで再結晶化(2×3V)することによって精製し、2.5gの化合物1を灰白色の固体として得た。
【0119】
化合物1のNMR同定分析
化合物1:
Table 2(表2)における以下のデータを、化合物1の試料を使用して、CDCl3(99.9原子%のD)において、300MHz NMR機器を使用して決定した。図2及び図3を参照のこと。
【0120】
【表2】
【0121】
(実施例2)
化合物2の調製
【0122】
【化12】
【0123】
デューテトラベナジン(31.7g、10.0mmol)及びクロラニル(26g、10.5mmol)にトルエン(300mL)を添加し、混合物を2.5時間還流状態で加熱した。暗色溶液にトルエン(500mL)を添加し、混合物を300mLの2N NaOH及びH2Oで洗浄した。トルエン溶液を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発乾固した。残留物を酢酸エチルから結晶化して、21g(66%)の化合物2を灰白色の結晶性固体として得た。
【0124】
化合物2のNMR同定分析
化合物2:
Table 3(表3)における以下のデータを、化合物2の試料を使用して、CDCl3(99.9原子%のD)において、300MHz NMR機器を使用して決定した。
【0125】
【表3】
【0126】
(実施例3)
粗デューテトラベナジンの調製
工程1: 2-アセチル-N,N,N,4-テトラメチル-1-ペンタンアミニウムヨージド: 3-[(ジメチルアミノ)メチル]-5-メチル-ヘキサン-2-オン(90g、0.526mol、1.00当量)にメチルtert-ブチルエーテル(1.35L、15.0vol)を入れ、0~10℃に冷却した。ヨウ化メチル(171g、1.209mol、2.3当量)を反応混合物にゆっくりと添加し、25~35℃で15時間撹拌した。反応物を2時間35~40℃に加温した。沈殿した固体を窒素下でろ過し、メチルtert-ブチルエーテル(900mL、10.0vol)で洗浄した。粗生成物を酢酸エチル(1.46L、10vol)中でスラリーにすることによって更に精製し、ろ過して2-アセチル-N,N,N,4-テトラメチル-1-ペンタンアミニウムヨージド(146g)を白色の固体として得た。
【0127】
工程2: 2-アセチル-N,N,N,4-テトラメチル-1-ペンタンアミニウムヨージドを、d6-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン(塩酸塩又は遊離塩基、1.00当量)と溶媒とを含有する懸濁液に入れる。(d6-6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン塩酸塩を使用する場合、塩基を室温で反応混合物に添加する。)反応混合物を適切な温度で撹拌し、冷却し、水を添加する。反応産物(reaction mass)をろ過し、固体を水で洗浄し、乾燥させて、生成物を得る。
【0128】
(実施例4)
デューテトラベナジン原薬の試料中の化合物1及び2の量の分析。
化合物1及び2は、デューテトラベナジン含有組成物の純度を決定するのに有用である。図4及び図8を参照のこと。
【0129】
【表4】
【0130】
【表5】
【0131】
【表6】
【0132】
(実施例4)
フーリエ変換赤外分光(FTIR)分析
化合物1及び2のFTIRスペクトルを図1及び図5に示す。
【0133】
(実施例4)
デューテトラベナジン製剤の長期安定性
【0134】
【表7】
【0135】
【表8】
【0136】
(実施例5)
90日GLPラット一般毒性試験を、化合物1について行った。本試験では、デューテトラベナジンの最大無毒性量(NOAEL)の用量は10mg/kg/日であった。その用量は、ラットにおいて、0.056mg/kgのヒト等価用量に近似する0.346mg/kg/日の化合物1をもたらすと示された。
【0137】
(実施例6)
3日GLPマウス小核試験を、化合物1について行った。本試験は、化合物1を有するデューテトラベナジンのGLP細菌復帰突然変異アッセイを含んだ。本試験はまた、培養ヒト末梢血リンパ球におけるin vitro染色体異常試験も含んだ。本試験では、最高レベルである80mg/kg/日のデューテトラベナジンは雄及び雌において遺伝毒性ではなかった。その用量レベルは、マウスにおいて、0.23mg/kgのヒト等価用量に近似する2.77mg/kg/日の化合物1をもたらすと予想された。
【0138】
態様
態様1。構造:
【0139】
【化13】
【0140】
を有する単離された化合物、又はその塩若しくは立体異性体。
【0141】
態様2。構造:
【0142】
【化14】
【0143】
を有する態様1に記載の単離された化合物、又はその塩若しくは立体異性体。
【0144】
態様3。構造:
【0145】
【化15】
【0146】
を有する態様1に記載の単離された化合物、又はその塩若しくは立体異性体。
【0147】
態様4。デューテトラベナジンと、構造:
【0148】
【化16】
【0149】
を有する少なくとも1種の化合物とを含む組成物であって、組成物における、化合物の質量のデューテトラベナジンの質量に対する比が99:1から1:99である、組成物。
【0150】
態様5。構造:
【0151】
【化17】
【0152】
を有する化合物を含み、デューテトラベナジンを実質的に含まない組成物。
【0153】
態様6。化合物が構造:
【0154】
【化18】
【0155】
を有する、態様4又は5に記載の組成物。
【0156】
態様7。化合物が構造:
【0157】
【化19】
【0158】
を有する、態様4又は5に記載の組成物。
【0159】
態様8。ある量のデューテトラベナジンと化合物1及び化合物2のうちの少なくとも一つとを含む医薬組成物であって、
a)医薬組成物中に化合物1が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して10面積%以下の量で存在する、又は
b)医薬組成物中に化合物2が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して10面積%以下の量で存在する、
医薬組成物。
【0160】
態様9。a)医薬組成物中に化合物1が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して3面積%以下の量で存在する、又は
b)医薬組成物中に化合物2が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.4面積%以下の量で存在する、
態様8に記載の医薬組成物。
【0161】
態様10。a)医薬組成物中に化合物1が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.15面積%以下の量で存在する、又は
b)医薬組成物中に化合物2が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.15面積%以下の量で存在する、
態様9に記載の医薬組成物。
【0162】
態様11。a)医薬組成物中に化合物1が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.01面積%超3面積%以下の量で存在する、又は
b)医薬組成物中に化合物2が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.01面積%超0.4面積%以下の量で存在する、
態様9に記載の医薬組成物。
【0163】
態様12。a)医薬組成物中に化合物1が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.01面積%超0.15面積%以下の量で存在する、又は
b)医薬組成物中に化合物2が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.01面積%超0.15面積%以下の量で存在する、
態様9に記載の医薬組成物。
【0164】
態様13。a)医薬組成物中に化合物1が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.04面積%未満の量で存在する、又は
b)医薬組成物中に化合物2が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.04面積%未満の量で存在する、
態様11又は12に記載の医薬組成物。
【0165】
態様14。a)医薬組成物中に化合物1が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.01面積%未満の量で存在する、又は
b)医薬組成物中に化合物2が、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して0.01面積%未満の量で存在する、
態様9に記載の医薬組成物。
【0166】
態様15。化合物1及び化合物2を含む、態様8から14のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0167】
態様16。化合物1を含む、態様8から14のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0168】
態様17。化合物2を含む、態様8から14のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0169】
態様18。デューテトラベナジンを含む、態様8から17のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0170】
態様19。カプセル剤、錠剤、又は懸濁液剤の形態である、態様8から18のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0171】
態様20。経口単位剤形である、態様19に記載の医薬組成物。
【0172】
態様21。5~30mgの間のデューテトラベナジンを含む、態様20に記載の医薬組成物。
【0173】
態様22。6~24mgの間のデューテトラベナジンを含む、態様21に記載の医薬組成物。
【0174】
態様23。約6mgのデューテトラベナジンを含む、態様22に記載の医薬組成物。
【0175】
態様24。約9mgのデューテトラベナジンを含む、態様22に記載の医薬組成物。
【0176】
態様25。約12mgのデューテトラベナジンを含む、態様22に記載の医薬組成物。
【0177】
態様26。約15mgのデューテトラベナジンを含む、態様22に記載の医薬組成物。
【0178】
態様27。約18mgのデューテトラベナジンを含む、態様22に記載の医薬組成物。
【0179】
態様28。約21mgのデューテトラベナジンを含む、態様22に記載の医薬組成物。
【0180】
態様29。約24mgのデューテトラベナジンを含む、態様22に記載の医薬組成物。
【0181】
態様30。1日1回の投与のために調製されている、態様22に記載の医薬組成物。
【0182】
態様31。1日1回超の投与のために調製されている、態様22に記載の医薬組成物。
【0183】
態様32。デューテトラベナジンを含む組成物の試料が望ましくない不純物を含有するかどうかを試験するための方法であって、試料が構造:
【0184】
【化20】
【0185】
を有する少なくとも1種の化合物を含有するかどうかを、HPLC法による決定に基づいて決定する工程を含む、方法。
【0186】
態様33。デューテトラベナジン原薬を得る工程、及びデューテトラベナジン原薬を好適な添加剤と混合してデューテトラベナジン製剤を生成する工程を含む、デューテトラベナジン製剤を生成するための方法であって、デューテトラベナジン原薬が、
i)デューテトラベナジン原薬中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物1が0.5面積%以下である、ある量の化合物1、又は
ii)デューテトラベナジン原薬中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物2が0.15面積%以下である、ある量の化合物2
を含む、方法。
【0187】
態様34。デューテトラベナジン原薬中の化合物1及び化合物2のうちの少なくとも1種の量を決定する工程を更に含む、態様33に記載の方法。
【0188】
態様35。商用販売のためのデューテトラベナジン製剤を生成するための方法であって、
i)デューテトラベナジン製剤のバッチ中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物1が3面積%以下である、ある量の化合物1、又は
ii)デューテトラベナジン製剤のバッチ中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物2が0.4面積%以下である、ある量の化合物2
を含むデューテトラベナジン製剤のバッチを得る工程、及び
商用販売のためのデューテトラベナジン製剤のバッチを調製する工程
を含む、方法。
【0189】
態様36。デューテトラベナジン製剤のバッチ中の化合物1及び化合物2のうちの少なくとも1種の量を決定する工程を更に含む、態様35に記載の方法。
【0190】
態様37。デューテトラベナジン原薬を含むデューテトラベナジン製剤を流通させる方法であって、
a)デューテトラベナジン原薬が、
i)デューテトラベナジン原薬中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物1が0.5面積%以下である、ある量の化合物1、又は
ii)デューテトラベナジン原薬中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物2が0.15面積%以下である、ある量の化合物2
を含む、デューテトラベナジン製剤を得る工程、及び
b)デューテトラベナジン原薬を含むデューテトラベナジン製剤を流通させる工程
を含む、方法。
【0191】
態様38。デューテトラベナジン製剤を流通させる方法であって、
a)i)デューテトラベナジン製剤中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物1が3面積%以下である、ある量の化合物1、又は
ii)デューテトラベナジン製剤中に、HPLC法による決定に基づいて、デューテトラベナジンの濃度に対して化合物2が0.4面積%以下である、ある量の化合物2
を含むデューテトラベナジン製剤を得る工程、及び
b)デューテトラベナジン製剤を流通させる工程
を含む、方法。
【0192】
態様39。デューテトラベナジンを含む医薬組成物中の微量の不純物を検出する参照標準としての使用のための不純物。
【0193】
【化21】
【0194】
態様40。多動性運動障害に罹患している対象を処置する方法であって、態様8から31のいずれか1つに記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、方法。
【0195】
態様41。多動性運動障害がハンチントン病である、態様40に記載の方法。
【0196】
態様42。多動性運動障害がハンチントン病に関連する舞踏病である、態様40に記載の方法。
【0197】
態様43。多動性運動障害が遅発性ジスキネジアである、態様40に記載の方法。
【0198】
態様44。多動性運動障害がトゥレット症候群を伴うチックである、態様40に記載の方法。
【0199】
態様45。デューテトラベナジンと薬学的に許容される担体とを含有する医薬品のバッチを流通に関してバリデートするための方法であって、
a)バッチ中の化合物1及び化合物2のうちの少なくとも1種の量を決定する工程、並びに
b)i)バッチが、デューテトラベナジンの濃度に対して3面積%以下の化合物1を有すると決定される、又は
ii)バッチが、デューテトラベナジンの濃度に対して0.4面積%以下の化合物2を有すると決定される
場合にのみ、バッチを流通に関してバリデートする工程
を含む、方法。
【0200】
態様46。デューテトラベナジンを含むバリデートされた医薬組成物を調製するための方法であって、
a)デューテトラベナジン原薬のバッチを得る工程、
b)バッチ中の化合物1及び化合物2のうちの少なくとも1種の量を決定する工程、並びに
c)i)バッチが、デューテトラベナジンの濃度に対して0.5面積%以下の化合物1を有すると決定される、又は
ii)バッチが、デューテトラベナジンの濃度に対して0.15面積%以下の化合物2を有すると決定される
場合にのみ、医薬組成物をバッチから調製する工程
を含む、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤の形態におけるデューテトラベナジン製剤を調製するための方法であって、
前記方法が、
デューテトラベナジン原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して0.15面積%以下の量である化合物2
【化1】
を含むデューテトラベナジン原薬を得る工程、
デューテトラベナジン原薬を賦形剤と混合して、錠剤の形態のデューテトラベナジン製剤を製造する工程
を含み、
化合物2の量は、C18、150 x 4.6 mm、3.5 μmカラム、及び、220 nmにおけるフォトダイオードアレイ/紫外線検出器を備えるHPLC法によって決定され、
デューテトラベナジン製剤は、室温で1か月保存後、HPLC法による決定に基づいて、製剤中のデューテトラベナジンの濃度に対して、0.4面積%以下の量の化合物2を有する、
錠剤の形態におけるデューテトラベナジン製剤を調製するための方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法によって製造される錠剤の形態におけるデューテトラベナジン製剤。
【請求項3】
デューテトラベナジン製剤中の化合物2の量が、HPLC法による決定に基づき、原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して約0.05面積%から約0.15面積%である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
デューテトラベナジン製剤中の化合物2の量が、HPLC法による決定に基づき、原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して約0.05面積%から0.1面積%である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
デューテトラベナジン製剤中の化合物2の量が、1か月の室温保存後、HPLC法による決定に基づき、原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して約0.007面積%から0.4面積%である、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
デューテトラベナジン製剤中の化合物2の量が、1か月の室温保存後、HPLC法による決定に基づき、原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して約0.03面積%から0.4面積%である、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
デューテトラベナジン製剤中の化合物2の量が、1か月の室温保存後、HPLC法による決定に基づき、原薬中のデューテトラベナジンの濃度に対して約0.1面積%から0.4面積%である、請求項1に記載の方法。
【外国語明細書】