(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050735
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】浴室制御装置および浴室制御システム
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20240403BHJP
F24H 15/281 20220101ALI20240403BHJP
F24H 15/269 20220101ALI20240403BHJP
F24H 15/30 20220101ALI20240403BHJP
F24H 15/172 20220101ALI20240403BHJP
F24H 15/457 20220101ALI20240403BHJP
F24H 15/421 20220101ALI20240403BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20240403BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
F24H15/196 301N
F24H15/281
F24H15/269
F24H15/30
F24H15/172
F24H15/457
F24H15/421
A47K4/00
H04Q9/00 301D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024012884
(22)【出願日】2024-01-31
(62)【分割の表示】P 2020010127の分割
【原出願日】2020-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真太郎
(57)【要約】
【課題】複数の浴室関連機器の動作を、ユーザが入浴を所望する時刻に完了させる。
【解決手段】実施形態に係る浴室制御装置は、受付部と、記憶部とを有し、算出部と、機器制御部とを備える。受付部は、端末装置から、浴室における入浴準備を完了時刻に完了させることを示す入浴準備予約情報を受け付ける。記憶部は、入浴準備予約情報と、浴室に関連する複数の浴室関連機器の入浴準備に関する機器情報とを記憶する。算出部は、記憶部に記憶された入浴準備予約情報と機器情報とに基づいて、入浴準備が完了時刻に完了するように、複数の浴室関連機器の動作開始時刻を算出する。機器制御部は、動作開始時刻に応じて複数の浴室関連機器の動作を制御する。機器情報には、動作開始から動作終了までに要する所要時間を示す情報と、複数の浴室関連機器のうち同時に運転ができない浴室関連機器が設定される同時運転不可情報とが含まれる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して端末装置と接続される浴室制御装置であって、
前記端末装置から、浴室における入浴準備を完了時刻に完了させることを示す入浴準備予約情報を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた前記入浴準備予約情報と、浴室に関連する複数の浴室関連機器の入浴準備に関する機器情報とを記憶する記憶部とを有し、
前記記憶部に記憶された前記入浴準備予約情報と前記機器情報とに基づいて、前記入浴準備が前記完了時刻に完了するように、複数の前記浴室関連機器の動作開始時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記動作開始時刻に応じて複数の前記浴室関連機器の動作を制御する機器制御部と
を備え、
前記機器情報には、動作開始から動作終了までに要する所要時間を示す情報と、複数の前記浴室関連機器のうち同時に運転ができない前記浴室関連機器が設定される同時運転不可情報とが含まれることを特徴とする浴室制御装置。
【請求項2】
前記受付部は、
複数の前記浴室関連機器の中から前記入浴準備の際に動作させる前記浴室関連機器の選択を前記端末装置から前記入浴準備予約情報として受け付け、
前記算出部は、
選択された前記浴室関連機器を動作させる前記入浴準備が前記完了時刻に完了するまでに必要な所要時間を算出し、算出された前記所要時間に基づいて前記動作開始時刻を算出し、
前記機器制御部は、
前記動作開始時刻に応じて、選択された前記浴室関連機器の動作を制御すること
を特徴とする請求項1に記載の浴室制御装置。
【請求項3】
前記機器制御部は、
算出された前記動作開始時刻が前記受付部で前記入浴準備予約情報を受け付けた受付時刻より前である場合、前記浴室関連機器の動作を前記動作開始時刻に応じた制御モードで制御すること
を特徴とする請求項1または2に記載の浴室制御装置。
【請求項4】
前記機器制御部は、
算出された前記動作開始時刻が前記受付部で前記入浴準備予約情報を受け付けた受付時刻より前である場合、前記動作開始時刻に応じて、複数の前記浴室関連機器の少なくとも一部を同時に動作させる制御を実行すること
を特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の浴室制御装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載の浴室制御装置と、
通信ネットワークを介して前記浴室制御装置と接続される端末装置と、
前記浴室制御装置により制御される、浴室に関連する複数の浴室関連機器と
を備えることを特徴とする浴室制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、浴室制御装置および浴室制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室に設けられた給湯器を制御して、浴室の浴槽の湯張りを行う技術が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。従来技術にあっては、浴槽の湯張りが、ユーザによって予約された時刻までに完了するように、給湯器の動作を制御するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、浴室には、給湯器の他にも、浴室に関連する複数の浴室関連機器(例えば、浴室用の暖房機、浴槽や浴室を洗浄する洗浄装置など)が設けられる。また、従来技術においては、複数の浴室関連機器がユーザによって個別に制御される。
【0005】
そのため、複数の浴室関連機器の動作をそれぞれ適切なタイミングで開始させて、ユーザが入浴を所望する時刻に合わせて動作を完了させることは、ユーザにとって難しく、改善の余地があった。
【0006】
実施形態の一態様は、複数の浴室関連機器の動作を、ユーザが入浴を所望する時刻に完了させることができる浴室制御装置および浴室制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る浴室制御装置は、通信ネットワークを介して端末装置と接続される。浴室制御装置は、前記端末装置から、浴室における入浴準備を完了時刻に完了させることを示す入浴準備予約情報を受け付ける受付部と、前記受付部で受け付けた前記入浴準備予約情報と、浴室に関連する複数の浴室関連機器の入浴準備に関する機器情報とを記憶する記憶部とを有し、前記記憶部に記憶された前記入浴準備予約情報と前記機器情報とに基づいて、前記入浴準備が前記完了時刻に完了するように、複数の前記浴室関連機器の動作開始時刻を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記動作開始時刻に応じて複数の前記浴室関連機器の動作を制御する機器制御部とを備え、前記機器情報には、動作開始から動作終了までに要する所要時間を示す情報と、複数の前記浴室関連機器のうち同時に運転ができない前記浴室関連機器が設定される同時運転不可情報とが含まれることを特徴とする。
【0008】
これにより、入浴準備における複数の浴室関連機器の動作を、ユーザが入浴を所望する完了時刻に完了させることができる。
【0009】
また、例えば、ユーザは、家の中に限らず、家の外にいながらも、入浴準備を所望する完了時刻に完了させ、かつ、所望する適切なタイミングで入浴することも可能になる。
【0010】
また、前記受付部は、複数の前記浴室関連機器の中から前記入浴準備の際に動作させる前記浴室関連機器の選択をユーザから前記入浴準備予約情報として受け付け、前記算出部は、選択された前記浴室関連機器を動作させる前記入浴準備が前記完了時刻に完了するまでに必要な所要時間を算出し、算出された前記所要時間に基づいて前記動作開始時刻を算出し、前記機器制御部は、前記動作開始時刻に応じて、選択された前記浴室関連機器の動作を制御することを特徴とする。
【0011】
これにより、ユーザが選択した浴室関連機器の動作を、ユーザが入浴を所望する完了時刻に完了させることができる。
【0012】
また、前記機器制御部は、算出された前記動作開始時刻が前記受付部で前記入浴準備予約情報を受け付けた受付時刻より前である場合、前記浴室関連機器の動作を前記動作開始時刻に応じた制御モードで制御することを特徴とする。
【0013】
これにより、最初に算出された動作開始時刻が受付時刻より前になった場合であっても、制御モードを変更することで、入浴準備を完了時刻に完了させることが可能になる。
【0014】
また、前記機器制御部は、算出された前記動作開始時刻が前記受付部で前記入浴準備予約情報を受け付けた受付時刻より前である場合、前記動作開始時刻に応じて、複数の前記浴室関連機器の少なくとも一部を同時に動作させる制御を実行することを特徴とする。
【0015】
これにより、最初に算出された動作開始時刻が受付時刻より前になった場合であっても、複数の浴室関連機器の少なくとも一部を同時に動作させる制御を実行することで、入浴準備を完了時刻に完了させることが可能になる。
【0016】
また、実施形態の一態様に係る浴室制御システムは、上記した浴室制御装置と、前記浴室制御装置により制御される、浴室に関連する複数の浴室関連機器とを備えることを特徴とする。
【0017】
これにより、浴室制御システムにおいて、入浴準備における複数の浴室関連機器の動作を、ユーザが入浴を所望する完了時刻に完了させることができる。
【発明の効果】
【0018】
実施形態の一態様によれば、複数の浴室関連機器の動作を、ユーザが入浴を所望する時刻に完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、実施形態に係る浴室制御装置を備えた浴室制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、浴室制御装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、入浴準備予約情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、制御部の処理を説明するための図である。
【
図6】
図6は、制御部の処理を説明するための図である。
【
図7】
図7は、制御部が実行する入浴準備の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、変形例に係る制御部の処理を説明するための図である。
【
図9】
図9は、変形例に係る制御部が実行する入浴準備の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する浴室制御装置および浴室制御システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0021】
まず、実施形態に係る浴室制御装置を備えた浴室制御システムの構成について
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る浴室制御装置を備えた浴室制御システムの構成を示すブロック図である。
【0022】
なお、
図1などのブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0023】
換言すれば、
図1などのブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0024】
図1に示すように、浴室制御システム1は、浴室関連機器10と、浴室制御装置20と、端末装置30と、無線ルータ40と、通信装置50と、通信ハブ60と、リモコン70と、電源80とを備える。また、浴室制御装置20と、端末装置30と、無線ルータ40とは、インターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0025】
浴室関連機器10は、図示しない浴室に関連する機器である。
図1の例では、浴室関連機器10は、複数あり、浴室乾燥暖房機11、洗面所暖房機12、浴槽洗浄装置13、浴室洗浄装置14、浴室床暖房機15、自動排水栓16および給湯器17などを含む。なお、上記で具体的に示した各種の浴室関連機器10は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0026】
浴室乾燥暖房機11は、空調機器であり、例えば温風を吹き出して浴室内を暖める暖房機能と、温風などの風を吹き出して浴室内に吊るされた衣類等を乾燥させる乾燥機能と、浴室内を換気する換気機能とを有する。なお、浴室乾燥暖房機11は、上記した各機能のうちいずれかの機能を有する構成であってもよい。
【0027】
洗面所暖房機12は、浴室に隣接する洗面所用の空調機器である。洗面所暖房機12は、例えば温風を吹き出して洗面所内を暖める暖房機能を有する。
【0028】
浴槽洗浄装置13は、浴室の浴槽に設けられ、浴槽を洗浄する洗浄機能を有する。例えば、浴槽洗浄装置13は、浴槽内に洗剤や水(または湯)を散布することで、浴槽を洗浄することができる。
【0029】
浴室洗浄装置14は、浴室を洗浄する洗浄機能を有する。例えば、浴室洗浄装置14は、浴室の床に除菌水や水(または湯)を散布することで、浴室を洗浄することができる。
【0030】
浴室床暖房機15は、浴室に設けられ、浴室の床を暖める暖房機能を有する。例えば、浴室床暖房機15は、浴室の床に埋設されたヒータを動作させることで、浴室の床を暖めることができる。
【0031】
自動排水栓16は、浴槽に設けられる。自動排水栓16は、開くことで浴槽内の水(または湯)を排出し、閉じることで例えば浴槽において湯張りなどを開始可能な状態にすることができる。
【0032】
給湯器17は、浴室の外部に設けられる。給湯器17は、浴槽やシャワー水栓に対して湯を供給する。例えば、給湯器17は、浴槽の湯張りを行うことができる。
【0033】
浴室制御装置20は、浴室関連機器10の動作を制御することができるサーバ装置である。例えば、浴室制御装置20は、単数または複数の情報処理装置からなるクラウドコンピューティングにより構成されたクラウドサーバであるが、これに限定されるものではない。
【0034】
端末装置30は、ユーザによって利用される端末装置である。端末装置30としては、スマートフォンなどの携帯端末装置を用いることができるが、これに限定されるものではなく、例えばタブレット端末、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータなどその他の端末装置であってもよい。
【0035】
端末装置30は、浴室関連機器10を制御する制御信号を浴室制御装置20へ送信することができる。例えば、端末装置30は、ユーザの操作により、浴室関連機器10の制御を行うためのアプリケーションが起動されて浴室関連機器10を制御する制御信号を送信する。
【0036】
具体的には、浴室における入浴準備が、所定の完了時刻に完了することをユーザが所望する場合、端末装置30は、ユーザの操作により、入浴準備を完了時刻に完了させることを示す入浴準備予約情報を制御信号として浴室制御装置20へ送信する。
【0037】
ここで、入浴準備とは、浴室の状態をユーザが入浴を開始することができるような状態に準備することである。かかる入浴準備は、浴室関連機器10の動作によって行われる。また、入浴準備は、複数の浴室関連機器10の動作によって行われるが、これに限定されるものではない。
【0038】
一例として、入浴準備において浴室関連機器10が動作する順番は、まず浴槽洗浄装置13、浴室洗浄装置14、給湯器17(湯張り)、浴室乾燥暖房機11、洗面所暖房機12、浴室床暖房機15の順であるが、これに限られない。また、後述するように、入浴準備において、複数の浴室関連機器10を同時に動作させるようにしてもよい。
【0039】
本実施形態にあっては、入浴準備のとき、複数の浴室関連機器10の全てを動作させることを要しない。すなわち、例えば、複数の浴室関連機器10の中から、入浴準備の際に動作させる浴室関連機器10を、ユーザの端末装置30に対する操作により、ユーザが選択するようにしてもよい。端末装置30は、浴室関連機器10がユーザにより選択された場合、選択された浴室関連機器10の情報を入浴準備予約情報に含めて、浴室制御装置20へ送信してもよい。
【0040】
端末装置30は、複数(例えば2つ)ある。すなわち、複数の端末装置30は、それぞれ別のユーザによって利用され、それぞれ複数の浴室関連機器10の制御信号を出力することができる。なお、端末装置30は複数に限られず、1つであってもよい。
【0041】
浴室制御装置20は、端末装置30から送信される入浴準備予約情報を受け付けると、入浴準備予約情報に基づいて、複数の浴室関連機器10の動作を制御するが、これについては
図2を参照して後述する。なお、浴室制御装置20は、複数の浴室関連機器10の動作を制御する制御信号を無線ルータ40へ送信する。
【0042】
無線ルータ40は、浴室制御装置20から送信された制御信号を受信し、受信した制御信号を無線通信により通信装置50へ送信する。無線ルータ40における無線通信としては、例えばWiFi(登録商標)などを用いることができるが、これに限られず、Bluetooth(登録商標)などその他の種類の無線通信を用いてもよい。
【0043】
通信装置50は、制御信号を無線ルータ40から無線通信を介して受信し、受信された制御信号を有線通信を介して浴室関連機器10(正確には通信ハブ60)へ送信する。通信装置50としては、例えばゲートウェイ装置を用いることができる。
【0044】
通信ハブ60は、通信装置50と各種の浴室関連機器10とを接続するハブとして機能する。例えば、通信ハブ60は、通信装置50および各種の浴室関連機器10と有線で接続される。通信ハブ60は、通信装置50から有線通信で送信された制御信号を、制御信号に対応する浴室関連機器10へ送信する。
【0045】
リモコン70は、各種の浴室関連機器10を制御する装置である。リモコン70は、ユーザの操作により、浴室関連機器10を制御する制御信号を送信する。リモコン70から送信された制御信号は、通信ハブ60を介して対応する浴室関連機器10へ出力される。
【0046】
電源80は、共通電源である。例えば、電源80は、各種の浴室関連機器10、通信装置50、通信ハブ60、リモコン70などに電力を供給するが、これに限定されるものではない。
【0047】
次いで、浴室制御装置20の構成について
図2を参照して具体的に説明する。
図2は、浴室制御装置20の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、浴室制御装置20は、制御部21と、記憶部22とを備える。制御部21は、受付部21aと、算出部21bと、機器制御部21cとを備える。
【0048】
ここで、制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0049】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部21の受付部21a、算出部21bおよび機器制御部21cとして機能する。
【0050】
また、制御部21の受付部21a、算出部21bおよび機器制御部21cの少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0051】
また、記憶部22は、例えば、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部22には、入浴準備予約情報22a、機器情報22b、各種プログラムなどが記憶される。
【0052】
入浴準備予約情報22aは、浴室における入浴準備を完了時刻に完了させる予約の情報である。ここで、
図3を用いて、入浴準備予約情報22aについて説明する。
図3は、入浴準備予約情報22aの一例を示す図である。
【0053】
図3に示すように、入浴準備予約情報22aには、「予約情報ID」、「選択機器情報」および「予約情報」等の項目が含まれ、これら各項目の情報は互いに関連付けられている。
【0054】
「予約情報ID」は、入浴準備予約情報を識別する識別情報である。「選択機器情報」は、ユーザにより選択された浴室関連機器10を示す情報である。詳しくは、「選択機器情報」には、複数の浴室関連機器10の中から、入浴準備の際に動作させる浴室関連機器10がユーザにより選択された場合に、選択された浴室関連機器10を示す情報が含まれる。なお、
図3に示す例では、便宜上、「選択機器情報」を「機器情報B1」といったように抽象的な記載とするが、「機器情報B1」には具体的な情報が記憶されるものとする。
【0055】
「予約情報」は、浴室における入浴準備を完了させる完了時刻を示す情報である。例えば、浴室における入浴準備が、所定の完了時刻に完了することをユーザが所望する場合、「予約情報」には、所定の完了時刻を示す情報が含まれることとなる。
図3に示す例において、予約情報ID「A1」で識別されるデータは、選択機器情報が「機器情報B1」、予約情報が「2019年12月1日 19:00」であることを示している。
【0056】
図2の説明に戻ると、機器情報22bは、各浴室関連機器10における入浴準備に関する情報が含まれる。機器情報22bは、記憶部22に予め設定されるが、これに限定されるものではない。ここで、
図4を用いて、機器情報22bについて説明する。
図4は、機器情報22bの一例を示す図である。
【0057】
図4に示すように、機器情報22bには、各浴室関連機器10が入浴準備において動作したとき、動作開始から動作終了までに要する所要時間を示す情報が含まれる。また、各浴室関連機器10は、モード制御の切り替えにより、所用時間が異なる場合がある。
【0058】
ここで、モード制御について説明すると、モード制御には、一例として「標準モード」と「短時間モード」とがある。「標準モード」は、例えば浴室関連機器10が通常運転を行う制御モードである。「短時間モード」は、例えば浴室関連機器10が通常運転より出力を増加させた運転や、動作内容を簡略化させた運転を行って所要時間を短くする制御モードである。
【0059】
また、機器情報22bにおいては、浴室の環境に応じて所要時間が異なる場合がある、具体的には、季節に応じて所要時間が異なる場合がある。
【0060】
例えば、浴室乾燥暖房機11にあっては、季節が春・秋で「標準モード」の場合、入浴準備における所要時間(言い換えると、暖房動作により浴室の室温が入浴に適した温度になるまでの所要時間)は「10分」、「短時間モード」の場合、強運転を行うため所要時間は「5分」とされる。また、浴室乾燥暖房機11にあっては、季節が夏の場合、暖房動作が不要になるため、所要時間は「0分」とされ、「短時間モード」も設定されない。また、浴室乾燥暖房機11にあっては、季節が気温の低い冬で「標準モード」の場合、入浴準備における所要時間は、春・秋より長い「15分」、「短時間モード」の場合、強運転を行うため所要時間は「8分」とされる。
【0061】
なお、機器情報22bにおいて、給湯器17による湯張りの所要時間は、短縮することが難しいため、「標準モード」と「短時間モード」とで同じ時間に設定される。
【0062】
また、機器情報22bの「エコ洗浄」とは、例えば浴槽洗浄装置13や浴室洗浄装置14において洗剤や除菌水の量、散布の回数などを減らして、動作内容を簡略化させた運転である。
【0063】
機器情報22bには、同時運転不可情報が含まれてもよい。同時運転不可情報は、浴室関連機器10の機能同士の関係により、同時に運転すると、一方あるいは両方の機能が損なわれてしまうような浴室関連機器10に関する情報である。例えば、浴槽洗浄装置13による浴槽洗浄と、給湯器17による浴槽の湯張りとは、同時に行うことができないため、互いの機能が同時運転不可情報として設定されている。
【0064】
図2の説明に戻ると、制御部21の受付部21aは、ユーザから、浴室における入浴準備を完了時刻に完了させることを示す入浴準備予約情報を受け付ける。例えば、受付部21aは、ユーザが利用する端末装置30から送信される入浴準備予約情報を受け付け、受け付けた入浴準備予約情報を記憶部22に記憶させる。
【0065】
また、受付部21aは、複数の浴室関連機器10の中から入浴準備の際に動作させる浴室関連機器10の選択をユーザから入浴準備予約情報として受け付けることができる。例えば、受付部21aは、ユーザによって入浴準備の際に動作させる浴室関連機器10の選択があった場合、選択された浴室関連機器10の情報を入浴準備予約情報として受け付ける。そして、受付部21aは、選択された浴室関連機器10の情報を含む入浴準備予約情報を記憶部22に記憶させる。
【0066】
算出部21bは、複数の浴室関連機器10の動作開始時刻を算出する。例えば、算出部21bは、記憶部22に記憶された入浴準備予約情報22aおよび機器情報22bに基づいて、入浴準備が完了時刻に完了するように、浴室関連機器の動作開始時刻を算出する。
【0067】
また、例えば、算出部21bは、浴室関連機器10が選択されている場合、選択された浴室関連機器10を動作させる入浴準備が完了時刻に完了するまでに必要な所要時間を算出し、算出された所要時間に基づいて動作開始時刻を算出する。算出部21bは、算出した動作開始時刻を示す情報を機器制御部21cへ出力する。
【0068】
機器制御部21cは、算出された動作開始時刻に応じて複数の浴室関連機器10の動作を制御する。例えば、機器制御部21cは、動作開始時刻に応じて、選択された浴室関連機器10の動作を制御する。
【0069】
ここで、上記した動作開始時刻の算出から浴室関連機器10の動作制御までの処理について
図5を参照して具体的に説明する。
図5は、制御部21の処理を説明するための図であり、また、入浴準備における浴室関連機器10の動作などの一例を示す図である。
【0070】
なお、ここでは、理解の便宜のため、ユーザによって選択された浴室関連機器10が、浴室乾燥暖房機11、浴槽洗浄装置13および給湯器17である例を用いて説明を行う。詳しくは、ユーザが、浴槽洗浄装置13による浴槽洗浄、給湯器17による浴槽の湯張り、および、浴室乾燥暖房機11による浴室内の暖房を、入浴準備として所望している例を用いる。また、ここでは、入浴準備を行う時の季節が冬であるものとする。
【0071】
図5に示すように、例えば時刻T11において、入浴準備の予約が端末装置30によってなされ、受付部21aが入浴準備予約情報を受け付ける。なお、入浴準備予約情報には、完了時刻として時刻T13が設定されているものとする。
【0072】
算出部21bは、まず、入浴準備が完了時刻(ここでは時刻T13)に完了するまでに必要な所要時間を算出する。例えば、
図4の機器情報22bに示すように、浴槽洗浄の所要時間は「7分」、給湯器17による湯張りの所要時間は「25分」、浴室暖房の所要時間は「15分」であることから、算出部21bは、各所要時間を加算し、必要な所要時間「47分」を算出する。
【0073】
続いて、算出部21bは、完了時刻(時刻T13)に対し、必要な所要時間「47分」前の時刻T12を浴室関連機器10の動作開始時刻(詳しくは、最初に動作させる浴槽洗浄装置13の動作開始時刻)として算出する。
【0074】
そして、機器制御部21cは、算出された時刻T12が到来したとき、浴室関連機器10(浴槽洗浄装置13)の動作を開始させ、その後、給湯器17、浴室乾燥暖房機11の順で動作を開始させることで、入浴準備が完了時刻(時刻T13)に完了する。
【0075】
これにより、本実施形態にあっては、複数の浴室関連機器10の動作を、ユーザが入浴を所望する時刻に完了させることができる。すなわち、本実施形態においては、複数の浴室関連機器10の動作をそれぞれ適切なタイミングで開始させて、ユーザが入浴を所望する完了時刻に合わせて動作を完了させることが可能となる。
【0076】
図5では、算出された動作開始時刻(時刻T12)が入浴準備予約情報を受け付けた受付時刻(時刻T11)より後の例を示したが、入浴準備予約情報を受け付けるタイミングによっては、算出された動作開始時刻が受付時刻より前になり、入浴準備が完了時刻に間に合わないこともある。
【0077】
このような場合であっても、本実施形態にあっては、入浴準備を完了時刻に完了させることができるようにした。これについて、
図6を参照して説明する。
図6は、制御部21の処理を説明するための図である。
【0078】
図6に示すように、例えば時刻T22において、入浴準備の予約が端末装置30によってなされ、受付部21aが入浴準備予約情報を受け付ける。なお、入浴準備予約情報には、完了時刻として時刻T24が設定されているものとする。
【0079】
算出部21bは、まず、入浴準備が完了時刻(ここでは時刻T24)に完了するまでに必要な所要時間を算出し、算出された所要時間に基づいて動作開始時刻を算出する。ここでは、動作開始時刻として時刻T21が算出されたものとする。
【0080】
このように、算出された動作開始時刻(時刻T21)が受付時刻(時刻T22)より前になる場合がある。かかる場合、機器制御部21cは、浴室関連機器10の動作を動作開始時刻に応じた制御モードで制御するようにした。言い換えると、機器制御部21cは、浴室関連機器10の動作を、動作開始時刻に応じて変更した制御モードで制御するようにした。具体的には、機器制御部21cは、動作開始時刻が受付時刻以降となるように、浴室関連機器10の動作を、短時間モードで制御するようにした。
【0081】
例えば、
図4の機器情報22bに示すように、短時間モードでは、浴槽洗浄の所要時間は「4分」、給湯器17による湯張りの所要時間は「25分」、浴室暖房の所要時間は「8分」であることから、算出部21bは、各所要時間を加算し、必要な所要時間「37分」を算出する。すなわち、短時間モードでの必要な所要時間は、標準モードでの必要な所要時間に比べて10分短くなった。
【0082】
続いて、算出部21bは、完了時刻(時刻T24)に対し、必要な所要時間「37分」前の時刻T23を、新たな浴室関連機器10の動作開始時刻(詳しくは、最初に動作させる浴槽洗浄装置13の動作開始時刻)として算出する。
【0083】
そして、機器制御部21cは、新たに算出された時刻T23が到来したとき、浴室関連機器10(浴槽洗浄装置13)の動作を短時間モードで開始させ、その後、給湯器17、浴室乾燥暖房機11の短時間モードの順で動作を開始させることで、入浴準備が完了時刻(時刻T24)に完了する。
【0084】
これにより、本実施形態にあっては、最初に算出された動作開始時刻が受付時刻より前になった場合であっても、制御モードを変更することで、入浴準備を完了時刻に完了させることができる。
【0085】
なお、上記では、入浴準備は、ユーザによって選択された浴室関連機器10を動作させることで行われるようにしたが、これに限られず、予め設定された複数の浴室関連機器10を動作させて行うようにしてもよい。
【0086】
また、上記では、短時間モードを有する浴室関連機器10の全てを、短時間モードで動作させるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、動作開始時刻が受付時刻以降となるように、短時間モードを有する浴室関連機器10の一部を短時間モードで動作させるようにしてもよい。
【0087】
次に、
図7を参照し、浴室制御装置20の制御部21が実行する入浴準備の処理について説明する。
図7は、制御部21が実行する入浴準備の処理手順を示すフローチャートである。
【0088】
図7に示すように、制御部21は、端末装置30から入浴準備予約情報を受け付ける(ステップS10)。制御部21は、入浴準備予約情報に基づいて、入浴準備が完了時刻に完了するように、複数の浴室関連機器10の動作開始時刻を算出する(ステップS11)。
【0089】
次いで、制御部21は、算出された動作開始時刻が入浴準備予約情報を受け付けた受付時刻より前であるか否かを判定する(ステップS12)。制御部21は、動作開始時刻が受付時刻より前ではないと判定された場合(ステップS12,No)、逆に言えば、動作開始時刻が受付時刻以降であると判定された場合、算出された動作開始時刻が到来したか否かを判定する(ステップS13)。
【0090】
制御部21は、算出された動作開始時刻が到来していないと判定された場合(ステップS13,No)、ステップS13の処理を繰り返す。制御部21は、算出された動作開始時刻が到来したと判定された場合(ステップS13,Yes)、標準モードで浴室関連機器10の動作を開始させる(ステップS14)。これにより、入浴準備が完了時刻に完了することとなる。
【0091】
他方、制御部21は、動作開始時刻が受付時刻より前であると判定された場合(ステップS12,Yes)、短時間モードで動作させた場合の、複数の浴室関連機器10の動作開始時刻を算出する(ステップS15)。
【0092】
次いで、制御部21は、ステップS15で新たに算出された動作開始時刻が受付時刻より前であるか否かを判定する(ステップS16)。制御部21は、新たに算出された動作開始時刻が受付時刻より前ではないと判定された場合(ステップS16,No)、逆に言えば、新たに算出された動作開始時刻が受付時刻以降であると判定された場合、算出された動作開始時刻が到来したか否かを判定する(ステップS17)。
【0093】
制御部21は、新たに算出された動作開始時刻が到来していないと判定された場合(ステップS17,No)、ステップS17の処理を繰り返す。制御部21は、新たに算出された動作開始時刻が到来したと判定された場合(ステップS17,Yes)、短時間モードで浴室関連機器10の動作を開始させる(ステップS18)。これにより、入浴準備が完了時刻に完了することとなる。
【0094】
また、制御部21は、新たに算出された動作開始時刻が受付時刻より前であると判定された場合(ステップS16,Yes)、すなわち、短時間モードで浴室関連機器10の動作を開始させても入浴準備が完了時刻に完了しない場合、そのまま処理を終了し、入浴準備を行わない。なお、このとき、制御部21の機器制御部21cは、入浴準備を行わない旨をユーザに報知してもよい。さらに、機器制御部21cは、浴室関連機器10の再選択を促すメッセージや、完了時刻に完了可能な入浴準備の内容(例えば浴室関連機器10の組み合わせ等)を提案するメッセージをユーザに通知してもよい。
【0095】
上述してきたように、実施形態に係る浴室制御装置20は、受付部21aと、算出部21bと、機器制御部21cとを備える。受付部21aは、ユーザから、浴室における入浴準備を完了時刻に完了させることを示す入浴準備予約情報を受け付ける。算出部21bは、受付部21aで受け付けた入浴準備予約情報に基づいて、入浴準備が完了時刻に完了するように、浴室に関連する複数の浴室関連機器10の動作開始時刻を算出する。機器制御部21cは、算出部によって算出された動作開始時刻に応じて複数の浴室関連機器10器の動作を制御する。これにより、入浴準備における複数の浴室関連機器10の動作を、ユーザが入浴を所望する完了時刻に完了させることができる。
【0096】
なお、上記では、浴室制御装置20は、最初に算出された動作開始時刻が受付時刻より後である場合、浴室関連機器10を標準モードで動作させるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、浴室関連機器10は、標準モードに比べて、所要時間は長くなるが、弱運転など消費エネルギーが低くなる「低消費モード」を有することがある。このとき、浴室制御装置20は、最初に標準モードで算出された動作開始時刻が受付時刻より後である場合、詳しくは受付時刻から算出された動作開始時刻までの余裕時間が所定値以上であって比較的時間に余裕がある場合、低消費モードでの動作開始時刻を算出し、算出された動作開始時刻が受付時刻より後である場合、浴室関連機器10を低消費モードで動作させて入浴準備してもよい。これにより、消費エネルギーを低減させつつ、ユーザが入浴を所望する完了時刻に入浴準備を完了させることが可能となる。
【0097】
(変形例)
次に、変形例について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0098】
上記した実施形態にあっては、算出された動作開始時刻が受付時刻より前になった場合、制御モードを変更することで、入浴準備を完了時刻に完了させるようにしたが、これに限定されるものではない。
【0099】
例えば、変形例に係る浴室制御装置20は、算出された動作開始時刻が受付時刻より前である場合、複数の浴室関連機器10の少なくとも一部を同時に動作させる制御を実行することで、入浴準備を完了時刻に完了させるようにした。
【0100】
これについて、
図8を参照して説明する。
図8は、変形例に係る制御部21の処理を説明するための図である。
【0101】
図8に示すように、例えば時刻T32において、入浴準備の予約が端末装置30によってなされ、受付部21aが入浴準備予約情報を受け付ける。なお、入浴準備予約情報には、完了時刻として時刻T35が設定されているものとする。
【0102】
算出部21bは、まず、入浴準備が完了時刻(ここでは時刻T35)に完了するまでに必要な所要時間を算出し、算出された所要時間に基づいて動作開始時刻を算出する。ここでは、動作開始時刻として時刻T31が算出されたものとする。
【0103】
このように、算出された動作開始時刻(時刻T31)が受付時刻(時刻T32)より前になる場合がある。かかる場合、変形例に係る機器制御部21cは、複数の浴室関連機器10の少なくとも一部を同時に動作させる制御を実行するようにした。具体的には、機器制御部21cは、動作開始時刻が受付時刻以降となるように、複数の浴室関連機器10の一部を同時に動作させるようにした。
【0104】
なお、機器制御部21cは、機器情報22bの同時運転不可情報に基づき、同時運転不可情報に含まれる浴室制御装置20が同時に動作されないようにする。例えば、機器制御部21cは、浴槽洗浄装置13による浴槽洗浄と、給湯器17による浴槽の湯張りとを同時に実行しないようにする。これにより、浴槽洗浄装置13による浴槽洗浄と給湯器17による浴槽の湯張りとが同時に行われて、一方あるいは両方の機能が損なわれないようにすることができる。
【0105】
ここでは、
図8に示すように、給湯器17による浴槽の湯張りと浴室乾燥暖房機11による浴室暖房とが同時に実行されるようにした。
【0106】
従って、
図4の機器情報22bに示すように、浴槽洗浄の所要時間は「7分」、給湯器17による湯張りの所要時間は「25分」である。浴室暖房は、湯張りと同時に実行され、所要時間が湯張りより短いため、算出部21bは、浴槽洗浄および湯張りの各所要時間を加算すればよく、必要な所要時間「32分」を算出する。すなわち、複数の浴室関連機器10を同時に動作させた場合に必要な所要時間は、標準モードで連続して動作させる場合に必要な所要時間(
図5参照)に比べて15分短くなった。
【0107】
続いて、算出部21bは、完了時刻(時刻T35)に対し、必要な所要時間「32分」前の時刻T33を、新たな浴室関連機器10の動作開始時刻(詳しくは、最初に動作させる浴槽洗浄装置13の動作開始時刻)として算出する。
【0108】
そして、機器制御部21cは、新たに算出された時刻T33が到来したとき、浴室関連機器10(浴槽洗浄装置13)の動作を開始させ、その後、給湯器17の動作を開始させ、時刻T34のときに浴室乾燥暖房機11の動作を開始させ、湯張りと浴室暖房とを同時に実行する。これにより、変形例にあっては、入浴準備が完了時刻(時刻T35)に完了する。
【0109】
このように、変形例にあっては、最初に算出された動作開始時刻が受付時刻より前になった場合であっても、複数の浴室関連機器10の少なくとも一部を同時に動作させる制御を実行することで、入浴準備を完了時刻に完了させることができる。
【0110】
次に、
図9を参照し、変形例に係る浴室制御装置20の制御部21が実行する入浴準備の処理について説明する。
図9は、変形例に係る制御部21が実行する入浴準備の処理手順を示すフローチャートである。なお、ステップS10~S14は、実施形態と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0111】
図9に示すように、制御部21は、動作開始時刻が受付時刻より前であると判定された場合(ステップS12,Yes)、複数の浴室関連機器10を同時に運転させた場合の、複数の浴室関連機器10の動作開始時刻を算出する(ステップS15a)。
【0112】
次いで、制御部21は、ステップS15aで新たに算出された動作開始時刻が受付時刻より前であるか否かを判定する(ステップS16a)。制御部21は、新たに算出された動作開始時刻が受付時刻より前ではないと判定された場合(ステップS16a,No)、逆に言えば、新たに算出された動作開始時刻が受付時刻以降であると判定された場合、算出された動作開始時刻が到来したか否かを判定する(ステップS17a)。
【0113】
制御部21は、新たに算出された動作開始時刻が到来していないと判定された場合(ステップS17a,No)、ステップS17aの処理を繰り返す。制御部21は、新たに算出された動作開始時刻が到来したと判定された場合(ステップS17a,Yes)、複数の浴室制御装置20を同時に運転する制御を開始させる(ステップS18a)。これにより、入浴準備が完了時刻に完了することとなる。
【0114】
また、制御部21は、新たに算出された動作開始時刻が受付時刻より前であると判定された場合(ステップS16a,Yes)、すなわち、浴室関連機器10を同時に運転する制御を行っても入浴準備が完了時刻に完了しない場合、そのまま処理を終了し、入浴準備を行わない。
【0115】
なお、上記した実施形態と変形例とを適宜に組み合わせるようにしてもよい。すなわち、制御部21は、算出された動作開始時刻が受付時刻より前である場合、制御モードを短時間モードに変更し、かつ、複数の浴室関連機器10の少なくとも一部を同時に動作させる制御を実行するようにしてもよい。
【0116】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0117】
1 浴室制御システム
10 浴室関連機器
20 浴室制御装置
21 制御部
21a 受付部
21b 算出部
21c 機器制御部