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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050741
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ロボットキッティングマシン
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
B25J13/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024013810
(22)【出願日】2024-02-01
(62)【分割の表示】P 2022519115の分割
【原出願日】2020-10-13
(31)【優先権主張番号】62/926,168
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/068,572
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521105662
【氏名又は名称】デクステリティ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】DEXTERITY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メノン・サミア
(72)【発明者】
【氏名】プリエゴ・イヴァン・アルベルト・トルヒーヨ
(72)【発明者】
【氏名】モリス-ダウニング・タルボット
(72)【発明者】
【氏名】サン・チョウエン
(72)【発明者】
【氏名】チャベス・ケヴィン・ホセ
(72)【発明者】
【氏名】アルヴァーヨ・アルベルト・レイヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ネイダー・シリル
(72)【発明者】
【氏名】フェルハト・ファルシード
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロボットキッティングシステムを提供する。
【解決手段】ロボットキッティングマシンが開示されている。様々な実施形態において、アイテムが挿入されるスロットの近くの位置にアイテムを移動させるために、ロボットアームが用いられる。力センサによって生成された力情報が、通信インターフェースを介して受信される。力センサ情報は、アイテムを構成する構造をスロットを構成する対応する穴と整列させるために用いられ、アイテムは、スロットに挿入される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットキッティングシステムであって、
通信インターフェースと、
前記通信インターフェースに接続されているプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
アイテムが挿入されるスロットに関連する位置に前記アイテムを移動させ、
前記通信インターフェースを介して、力センサによって生成された力情報を受信し、
前記力センサ情報を用いて、前記アイテムを構成する構造を前記スロットを構成する対応する穴と整列させ、
前記アイテムを前記スロットに挿入するよう構成されている、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに、移動元容器から前記アイテムを把持するよう構成されている、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに、高レベル目標を受信し、前記アイテムを前記位置に移動させることなどによって、前記高レベル目標を達成するための計画を生成して実施するよう構成されている、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、位置制御を用いて、前記アイテムを前記位置に移動させるよう構成されている、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記スロットは、移動先容器内に備えられている、システム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、
前記対応する穴は、基板に規定された穴を含む、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、
前記基板は、発泡体またはその他のインサートを含む、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、
前記穴は、第1穴を含み、前記スロットは、1または複数のその他の穴を備える、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、
前記穴の内の1または複数の穴が、前記穴の内の1または複数の穴とは異なる形状または寸法を有する、システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、前記力センサ情報を用いて、前記アイテムを構成する前記構造を前記スロットを構成する前記対応する穴と整列させるために、力制御プリミティブを呼び出すよう構成されている、システム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、少なくとも部分的には、探索アルゴリズムによって決定された位置に前記アイテムを再配置して、垂直下向きの力を印加することにより、前記力センサ情報を用いて、前記アイテムを構成する前記構造を前記スロットを構成する前記対応する穴と整列させるよう構成されている、システム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、前記力センサ情報に少なくとも部分的に基づいて、前記位置および前記スロットに関連する移動先容器が、期待されている向きとは異なる検出向きにあることを検出するよう構成されている、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに、前記移動先容器が、期待されている向きとは異なる前記検出向きにあることを検出したことに少なくとも部分的に基づいて、前記移動先容器を構成する1または複数のスロットの位置情報を再マッピングするよう構成されている、システム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムであって、
前記検出向きは、前記期待されている向きと約180度異なり、前記プロセッサは、少なくとも部分的には、前記アイテムを引き出し、前記アイテムを180度回転させ、前記スロットに関連する再マッピングされた位置に前記アイテムを移動させることにより、前記アイテムを前記スロットに挿入するよう構成されている、システム。
【請求項15】
方法であって、
アイテムが挿入されるスロットの近くの位置に前記アイテムを移動させるように、ロボットアームを制御する工程と、
通信インターフェースを介して、力センサによって生成された力情報を受信する工程と、
前記力センサ情報を用いて、前記アイテムを構成する構造を前記スロットを構成する対応する穴と整列させる工程と、
前記アイテムを前記スロットに挿入する工程と、
を備える、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
さらに、高レベル目標を受信する工程と、前記アイテムを前記位置に移動させることなどによって、前記高レベル目標を達成するための計画を生成して実施する工程と、を備える、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
前記アイテムは、位置制御を用いて、前記位置に移動される、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、
前記スロットは、移動先容器内に備えられており、前記対応する穴は、基板に規定された穴を含む、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、
前記力センサ情報は、少なくとも部分的には、探索アルゴリズムによって決定された位置に前記アイテムを再配置して、垂直下向きの力を印加することにより、前記アイテムを構成する前記構造を前記スロットを構成する前記対応する穴と整列させるために用いられる、方法。
【請求項20】
コンピュータプログラム製品であって、非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体内に具現化され、
アイテムが挿入されるスロットの近くの位置に前記アイテムを移動させるように、ロボットアームを制御するためのコンピュータ命令と、
通信インターフェースを介して、力センサによって生成された力情報を受信するためのコンピュータ命令と、
前記力センサ情報を用いて、前記アイテムを構成する構造を前記スロットを構成する対応する穴と整列させるためのコンピュータ命令と、
前記アイテムを前記スロットに挿入するためのコンピュータ命令と、
を備える、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
他の出願への相互参照
本願は、2019年10月25日出願の米国仮特許出願第62/926,168号「ROBOTIC KITTING MACHINE」に基づく優先権を主張し、その仮特許出願は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
産業ロボットは、例えば、重いものを持ち上げることを含むタスク、および、人間にとって健康によくない可能性のある環境内でのタスクまたはそのような材料を伴うタスクの実行など、様々なタスクを実行するために利用されてきた。
【0003】
微細なモータ制御、壊れやすいアイテム、不規則形状のアイテムなどを伴うタスクなど、特定のタスクは、主に人間によって実行され続けてきた。かかるタスクを実行するようにロボットを設計およびプログラムするのは、より困難である。
【0004】
自動車またはその他の組み立てラインなどの製造プロセスは、様々な形状、サイズ、材料、重量などの部品を組み立てることを含みうる。部品は、箱または収容箱(bin)などのバルクで到着し、組み立てライン付近の位置にステージングされうる。
【0005】
一般的なアプローチは、ライン上で組み立てられている主要製品への追加に向けて、主要組み立てライン上の作業員(人間、ロボットなど)に提供される部品の「キット」を作業エリアで組むことである。例えば、主要自動車組み立てライン上でドアに取り付けられるドアの取っ手が、ライン上で組み立てられているモデル(例えば、2ドア、4ドアなど)および/または色と一致するように、作業エリアのキットに配置されてよい。同じスタイル/色のドアの取っ手で満たされた収容箱またはキャリアが、例えばサプライヤから提供され、様々なスタイル/色の取っ手を含むキットが、ドアおよび/または車両の組み立てラインへの搬送に向けて組まれうる。
【0006】
さらなる例において、最終製品または最終製品に組み込まれるサブアセンブリを作るために所定の混在した部品(各部品は、その部品のみを含む供給元容器から取り出される)を各々含むキットが、別の場所で組まれうる。別の例において、異なる移動元容器からの部品が、家で組み立てる家具またはその他のアイテムに含まれる部品のキットなど、パッケージングされ、組み立てに向けて遠隔の目的地へ出荷されるキットにまとめられうる。
【0007】
部品は、壊れやすい場合があり、および/または、取り扱いのミスによって損傷を受ける可能性のある仕上げを有する場合がある。製造工場または同様の環境において、部品は、より低い輸送中の損傷リスクで、部品が利用される作業エリアへ輸送されるように、トート(tote)またはその他のキャリアの中にまとめられうる。かかるトートは、例えば、色(またはスタイル)の混在するキットが組まれる場所から、部品がより大きいアセンブリ(ドアの取っ手の場合の車両ドアなど)に追加されるラインへ、トートまたは他のキャリアが移動される際に、部品をしっかりと保持して、それらが互いにぶつかって損傷するのを避けるために、個々の部品を受け入れるためのスロットを有するインサートを備えうる。スロットは、部品を保護するために、厳しい許容範囲を有しており、これは、ロボットシステムがスロットに部品を挿入するのを困難にしうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の詳細な説明および添付の図面において、本発明の様々な実施形態を開示する。
【0009】
図1A】ロボットキッティングマシンの一実施形態を示すブロック図。
【0010】
図1B】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、キッティング動作に関連してピックアンドプレースされうる部品の一例を示す図。
【0011】
図2A】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、吸着タイプのエンドエフェクタおよび操作されるアイテムの構造の対応関係の一例を示す図。
【0012】
図2B】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、吸着タイプのエンドエフェクタおよび操作されるアイテムの構造の対応関係の一例を示す図。
【0013】
図2C】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、吸着タイプのエンドエフェクタおよび操作されるアイテムの構造の対応関係の一例を示す図。
【0014】
図3】ロボットキッティング動作を実行するための処理の一実施形態を示すフローチャート。
【0015】
図4】容器内の対応する位置にアイテムをプレースするための処理の一実施形態を示すフローチャート。
【0016】
図5A】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを説明する一連の状態を示す図。
図5B】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを説明する一連の状態を示す図。
図5C】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを説明する一連の状態を示す図。
図5D】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを説明する一連の状態を示す図。
【0017】
図6A】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを説明する一連の状態を示す図。
図6B】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを説明する一連の状態を示す図。
図6C】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを説明する一連の状態を示す図。
【0018】
図7A】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを示す図。
図7B】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを示す図。
図7C】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを示す図。
【0019】
図7D】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置にアイテムをプレースするための処理の一実施形態を示すフローチャート。
【0020】
図8A】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを示す図。
図8B】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを示す図。
図8C】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを示す図。
図8D】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを示す図。
図8E】ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、処理、装置、システム、物質の組成、コンピュータ読み取り可能な格納媒体上に具現化されたコンピュータプログラム製品、および/または、プロセッサ(プロセッサに接続されたメモリに格納および/またはそのメモリによって提供される命令を実行するよう構成されたプロセッサ)を含め、様々な形態で実施されうる。本明細書では、これらの実施例または本発明が取りうる任意の他の形態が、技術と呼ばれうる。一般に、開示されている処理の工程の順序は、本発明の範囲内で変更されてもよい。特に言及しない限り、タスクを実行するよう構成されるものとして記載されたプロセッサまたはメモリなどの構成要素は、或る時間にタスクを実行するよう一時的に構成された一般的な構成要素として、または、タスクを実行するよう製造された特定の構成要素として実装されてよい。本明細書では、「プロセッサ」という用語は、1または複数のデバイス、回路、および/または、コンピュータプログラム命令などのデータを処理するよう構成された処理コアを指すものとする。
【0022】
以下では、本発明の原理を示す図面を参照しつつ、本発明の1または複数の実施形態の詳細な説明を行う。本発明は、かかる実施形態に関連して説明されているが、どの実施形態にも限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、本発明は、多くの代替物、変形物、および、等価物を含む。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細事項が記載されている。これらの詳細事項は、例示を目的としたものであり、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも特許請求の範囲に従って実施可能である。簡単のために、本発明に関連する技術分野で周知の技術事項については、本発明が必要以上にわかりにくくならないように、詳細には説明していない。
【0023】
ロボットキットアセンブリが開示されている。様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットシステムは、所定の様々な部品(例えば、所定の異なる色のドアの取っ手)を含むキットを組む。ロボットシステムは、キットが組まれるトートまたはその他のキャリアの中の対応する「スロット」または規定の位置に各部品を配置する。
【0024】
様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットシステムは、キットに含められる部品を識別するマニフェスト(積荷目録)またはその他のデータを受信する。例えば、トートが、12のドアの取っ手を保持してよく、ロボットシステムは、キットに含められる6色のドアの取っ手のペアの識別情報を受信してよい。システムは、所定の数および組み合わせの部品を各々有する連続的なトートを構築するために、マニフェストのセットを受信してよい。ロボットシステムは、構成情報を受信し、および/または、所与のスタイルおよび/または色の部品を各々有する供給元の収容箱またはトートの位置を示すデータを受信する。ロボットシステムは、マニフェスト内に識別されている部品を取り出して、キットが組まれているトートの中の対応する位置に各々をプレースするための計画を立てて実行する。
【0025】
様々な実施形態において、位置制御、力制御、および、(例えば、画像および/または深度データを提供する2Dおよび/または3Dカメラからの)コンピュータビジョンベース制御、の内の1または複数が、人的介入なしにキットを組むために必要に応じてアイテムをピックアンドプレースするために。
【0026】
様々な実施形態において、位置制御は、部品がプレースされるスロットの近くの位置に部品を移動させるために用いられる。力制御は、部品が少なくとも部分的にスロットと整列していると判定されるまで、慎重に調べるために用いられる。力(および/またはトルク)制御は、スロットに部品をより完全に挿入するために用いられる。
【0027】
図1Aは、ロボットキッティングマシンの一実施形態を示すブロック図である。図の例において、システム100は、レール106に沿って平行移動するよう構成されているキャリッジ104上に回転可能に取り付けられたロボットアーム102を備える。例えば、キャリッジ104は、キャリッジ104をレール106に沿って移動させて、例えば、ロボットアーム102を所望の位置に再配置するために、ロボット/コンピュータの制御下で用いられるよう構成されているコンピュータ制御機械および/または電気機械駆動メカニズムを備えてよい。この例において、ロボットアーム102は、キャリッジ104およびレール106上に移動可能に取り付けられているが、様々な他の実施形態において、ロボットアーム102は、固定されていてもよいし、例えば、カルーセル上に取り付けられている、モータ駆動シャーシ上で完全に移動可能である、など、レールに沿った平行移動以外で、完全にまたは部分的に移動可能であってもよい。
【0028】
図の例において、ロボットアーム102は、その作用遠位端(キャリッジ104から最も遠い端部)にエンドエフェクタ108を有する。エンドエフェクタ108は、コンプライアントな真空(または「吸着」)カップ110を備える。様々な実施形態において、吸着カップ110は、シリコーンもしくは別の天然材料または合成材料を含んでおり、それらの材料は、耐久性があるが、ロボットシステム100が、ロボットアーム102およびエンドエフェクタ108を用いて把持しようとしているアイテムと(最初におよび/または徐々に)接触する時に、少なくとも若干「へこむ」のに十分なコンプライアント性を有する。
【0029】
この例において、エンドエフェクタ108は、エンドエフェクタ108の側面に取り付けられたカメラ112を有する。他の実施形態において、カメラ112は、(図1Aに示した位置および向きの)エンドエフェクタ108の本体の下向きの面上など、より中央に配置されてもよい。さらなるカメラが、ロボットアーム102および/またはエンドエフェクタ108上の他の場所に(例えば、ロボットアーム102を含むアームセグメント上に)取り付けられてもよい。さらに、この例において壁に取り付けられているカメラ114および116が、シーン(システム100が配置されて動作するよう構成さているシーン)の3Dビューを構築するために利用可能なさらなる画像データを提供する。
【0030】
様々な実施形態において、ロボットアーム102は、図に示すように、ピックアップされるアイテムの上にエンドエフェクタ108の吸着カップ110を配置するために用いられ、真空源が、アイテムを把持し、アイテムをその移動元位置から持ち上げ、アイテムを移動先位置にプレースするための吸着力を提供する。
【0031】
図1に示す例において、ロボットアーム102は、移動元容器118からアイテムをピックし、移動先容器内の対応する位置に各アイテムをプレースするために利用されるよう構成されている。様々な実施形態において、システム100は、対応する容器(容器120など)の中にそれぞれキットを組む。システム100は、移動先容器120などの容器内にキットを組むためにどのアイテムがどの移動元容器118から取り出されるかを示すマニフェスト、インボイス、または、その他のデータを受信する。容器118および/または120は、人間の作業員および/またはその他のロボット(図1Aには図示せず)によって所定位置に押されてよい。例えば、キットが組み立てられ、以前に配置された容器118が空になった時、ならびに/もしくは、さらなるアイテム、および/または、異なるタイプ、色などのアイテムを、システム100によって組み立てされているキットに含めることを可能にするために、さらなる移動元容器118が、所定位置に移動されてよい。
【0032】
様々な実施形態において、カメラ112、114、および、116の内の1または複数のカメラによって生成された3Dまたはその他の画像データが、システム100の作業エリアおよび作業エリア内のアイテムの3Dビューを生成するために用いられてよい。3D画像データは、色、形状、または、その他の属性などで、ピック/プレースされるアイテムを識別するために用いられてよい。様々な実施形態において、カメラ112、114、および、116の内の1または複数が、システム100の作業エリア内のアイテム上に見えるおよび/またはアイテムを含む、テキスト、ロゴ、写真、図、画像、マーク、バーコード、QRコード(登録商標)、または、その他の符号化および/またはグラフィック情報またはコンテンツを読み取るために用いられてよい。
【0033】
図1Aをさらに参照すると、図の例において、システム100は、この例では無線通信を介して(ただし、様々な実施形態において、有線通信および無線通信の一方または両方で)、ロボットアーム102、キャリッジ104、エフェクタ108、および、センサ(カメラ112、114、および、116、ならびに/もしくは、図1Aに示していない重量センサ、力センサ、および/または、その他のセンサなど)などの要素と通信するよう構成されている制御コンピュータ122を備える。様々な実施形態において、制御コンピュータ122は、センサ(カメラ112、114、および、116、ならびに/もしくは、図1Aに示していない重量センサ、力センサ、および/または、その他のセンサなど)からの入力を用いて、トレイ120からトレイ118へ荷積みおよび/または荷下ろしされるアイテムの1または複数の属性を観察、識別、および、決定するよう構成されている。様々な実施形態において、制御コンピュータ122は、例えば、画像および/またはその他のセンサデータに基づいて、制御コンピュータ122に格納されたライブラリ内および/または制御コンピュータ122にとってアクセス可能なライブラリ内のアイテムモデルデータを用いて、アイテムおよび/またはその属性を識別する。制御コンピュータ122は、アイテムに対応するモデルを用いて、移動先(トレイ118など)の中/上に、他のアイテムと共に、アイテムを積み重ねるための計画を決定および実施する。様々な実施形態において、アイテム属性および/またはモデルは、アイテムを把持、移動させて、移動先位置(例えば、トレイ118の中/上にアイテム積み重ねるための計画/再計画処理の一部として、アイテムがプレースされると決定された位置)にプレースするための戦略を決定するのに利用される。
【0034】
図の例において、制御コンピュータ122は、「オンデマンド」遠隔操作装置124に接続されている。いくつかの実施形態において、制御コンピュータ122が、完全自動モードで続行できない場合、例えば、制御コンピュータ122が完全自動モードでアイテムのピックアンドプレースを完了するための戦略を持たなくなるように、アイテムを把持、移動、および、プレースするための戦略が、決定できなくなり、および/または、失敗した場合、制御コンピュータ122は、例えば、アイテムを把持、移動、および、プレースするために、遠隔操作装置124を用いて、ロボットアーム102、キャリッジ104、および/または、エンドエフェクタ108の内の1または複数を操作することによって介入するように人間ユーザ126に指示する。
【0035】
図1Bは、ロボットキッティングシステムの一実施形態において、キッティング動作に関連してピックアンドプレースされうる部品の一例を示す図である。様々な実施形態において、図1Bは、移動元容器からアイテムをピックして、移動先容器内の対応する位置に各アイテムをプレースすることによってキットを組むなどのために、本明細書で開示されているロボットキッティングシステム(図1Aのロボットキッティングシステム100など)によってピックアンドプレースされうる不規則形状の構成部品またはその他のサブアセンブリを示している。図1Bに示す例において、アイテムは、取っ手140と、別の構造に取っ手140を取り付けるための構造を終端とする台座142、144と、を備える。例えば、図1Bに示す部品は、ドアの取っ手(自動車のドア用、など)または何らかのその他の取っ手であってよい。
【0036】
台座部分142、144の各々は、この例において、移動先容器(図1Aの容器120など)の対応する受け入れ穴146、148にぴったりと収まる特定の形状を有する。様々な実施形態において、移動先容器は、複数の部品の各々のための特定の位置を規定する発泡体またはその他のインサートを備えてよい。様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムは、位置制御および力制御の一方または両方を用いて、移動先容器の対応する規定の位置に各アイテムをプレースする。各アイテムの位置は、発泡体インサート、仕切り(例えば、段ボール、プラスチック、など)などの保護材料における1または複数の穴によって規定されてよい。様々な実施形態において、位置制御が、各アイテムをその移動先スロットまたは他の位置の近くに配置するために用いられ、力制御プリミティブが、アイテムのそれぞれの構造をアイテムの移動先位置の対応する穴と整列させ(またはその整列を確認し)、アイテムをその位置に「差し込む」または挿入するために用いられる。様々な実施形態において、力制御は、スロットが配置され、(例えば、発泡体またはその他のインサートへの損傷に起因して)容器またはアイテムのいずれも全く損傷させることなしに、厳しい許容範囲にもかかわらず摩擦に打ち勝ってアイテムを挿入するのに十分な力で部品がスロットに整列されてスロット内に挿入されることを保証する。
【0037】
図2Aは、ロボットキッティングシステムの一実施形態において、吸着タイプのエンドエフェクタおよび操作されるアイテムの構造の対応関係の一例を示す図である。図の例において、吸着ベースのエンドエフェクタ202は、吸着カップ204および206を備える。機械的な吸引ホース、ならびに、エンドエフェクタ202への電気的またはその他の接続は、明確にするために図2Aには示されていない。この例における吸着カップ204および206は、ベローズタイプの吸着カップである。様々な実施形態におけるかかる吸着カップのベローズは、吸着カップ204、206を通る吸引の流れを制限することなしに、湾曲した、柔軟な、および、その他の把持困難な表面との係合を容易にする。図の例において、吸着カップ204および206は、取っ手140に取り付けられた台座142および144と整列するようなエンドエフェクタ202上の位置に配置されている。様々な実施形態において、エンドエフェクタの吸着カップは、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムを用いてピックアンドプレースされるアイテムの対応する構造と整列されてよい。かかる整列は、移動元スロット(例えば、移動元容器の保護インサートの穴)から抜き出され、および/または、移動先スロット(例えば、移動先容器の保護インサートの穴)に挿入されるために必要とされうるピック/プレースを(アイテムに印加される力を構造と整列させることなどによって)容易にする。
【0038】
図2Bは、ロボットキッティングシステムの一実施形態において、吸着タイプのエンドエフェクタおよび操作されるアイテムの構造の対応関係の一例を示す図である。図の例および状態において、エンドエフェクタ202ならびに吸着カップ204および206は、吸着カップ204および206をそれらに対応する台座142および144と整列させる位置で、取っ手140に係合されている。
【0039】
図2Cは、ロボットキッティングシステムの一実施形態において、吸着タイプのエンドエフェクタおよび操作されるアイテムの構造の対応関係の一例を示す図である。図2Cにおいて、エンドエフェクタ202の本体部分は、明確にするために図示されておらず、上面図で、吸着カップ204および206と、対応する台座142および144との整列が示されている。
【0040】
様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムを構成する制御コンピュータが、アイテムを把持するために、吸着ベースのエンドエフェクタ(図2A図2Cのエンドエフェクタ202など)を利用する。制御コンピュータは、図2Aに示すように、把持すべきアイテムの上方にエンドエフェクタ202を配置し、垂直下向きにアイテム(例えば、ドアの取っ手140)に近づくように、エンドエフェクタが取り付けられたロボットアーム(図2A図2Cには図示せず)を動作させる。エンドエフェクタの吸着カップ(例えば、204、206)が、把持されるアイテムと接触したことを検出するため、および/または、過度の力(アイテムに損傷をもたらす可能性が高い力など)が印加されないことを保証するために、力制御(例えば、エンドエフェクタ、ロボットアーム、および/または、エンドエフェクタをロボットアームに取り付けるための手首メカニズム、に一体化された力および/またはトルクセンサ)が用いられてよい。吸着カップが、アイテムを持ち上げて移動させるのに十分な吸着力を達成できるような位置でアイテムの表面に置かれることを保証するために、圧力センサが用いられてよい。例えば、制御コンピュータは、アイテムを持ち上げるのに十分な吸着力を達成するように、エンドエフェクタの向きおよび位置に小さい調整を行ってよい。
【0041】
図3は、ロボットキッティング動作を実行するための処理の一実施形態を示すフローチャートである。様々の実施形態において、図3の処理300は、コンピュータ(図1の制御コンピュータ122など)によって実行される。図の例において、工程302で、高レベル目標(どのキットが組まれるのるか、どの部品が各キットに含められるのるか、など)を示すマニフェストまたはその他のデータ、ならびに、作業空間コンテキスト情報(どの移動元容器および移動先容器が作業空間のどの位置にあるのか、および、どのアイテムがそれぞれの容器に存在するのか、など)が受信される。作業空間コンテキスト情報は、人間のユーザなどによって、入力として提供されてよく、および/または、作業空間内のカメラ(図1Aのカメラ114、116など)によって生成された画像データを利用し、もしくは、光学、RF、または、その他のスキャナを用いて作業空間内の容器および/または容器内のアイテムを識別するなどにより、ロボットキッティングシステムによって決定されてよい。工程304で、工程302において受信されたマニフェストまたはその他のデータによって規定された要求など、要求を満たすようにアイテムをピック/プレースするための計画が生成される。例えば、図1の制御コンピュータ112または別のコンピュータは、工程302で受信したマニフェスト(またはその他のデータ)ならびにコンテキストデータを用いて、マニフェストまたはその他の要求データによって規定された順序および方法で一連のキットを組むなどのために、移動元容器から移動先容器へアイテムをピックする計画を人的介入なしに生成してよい。工程306で、工程302において受信/決定されたコンテキストを考慮して、工程302において受信された要求を満たすようにキットを組み立てるために、アイテムが、工程304において生成された計画に従ってピックアンドプレースされる。
【0042】
様々な実施形態において、工程302、304、および/または、306、の内の1または複数の連続的な反復が実行されてよい。例えば、第1セットのキットが、高レベル目標および/または計画の第1部分を満たすために組まれうる。その後、第1セットのキットを組むためにロボットキッティングシステムによって空にされた移動元容器は、例えば、人間および/またはその他のロボット作業員によって、作業空間から取り除かれ、他の移動元容器に置き換えられてよい。工程302および/またはその一部のさらなる反復が、例えば、新たな/現在の作業空間コンテキストを決定するために実行されてよく、さらなる/次の計画が、次のセットのキットを組むために、工程304で生成され、工程306で実施されてよい。処理300の工程302、304、および/または、306の内の1または複数のその後の反復が、すべての要求が満たされるまで、必要に応じて実行されてよい。
【0043】
図4は、容器内の対応する位置にアイテムをプレースするための処理の一実施形態を示すフローチャートである。様々の実施形態において、図4の処理400は、コンピュータ(図1の制御コンピュータ122など)によって実行される。処理400は、図3の処理300の工程306のように、アイテムをピック/プレースするために実行されてよい。図4に示す例において、工程402で、次のアイテムが移動元容器からピックされる。例えば、ロボットアームおよびエンドエフェクタが、図2A図2Cに示した例のように、アイテムを把持するために用いられてよい。工程404で、位置制御が、工程402において把持されたアイテムがプレースされる移動先位置(移動先容器内の対応するスロットなど)の近くにアイテムを移動させるために用いられる。画像データ(作業空間内のカメラ(例えば、図1Aのカメラ114、116)によって生成されたものなど)が、作業空間の三次元ビューを生成するために用いられてよく、工程404で、三次元ビューは、工程402において把持されたアイテムを移動先容器内の対応するスロットへ移動させるために用いられてよい。工程406で、力制御が、対応するスロットとアイテムを整列させ、アイテムをスロットに滑り込ませるために、必要に応じて用いられる。
【0044】
様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムを構成し、および/または、他の方法で関連付けられている制御コンピュータは、工程406で、アイテムをそれに対応する移動先スロットと整列させ、その移動先スロットにアイテムを滑り込ませるために、1または複数の力制御プリミティブを実行してよい。例えば、第1力制御プリミティブは、移動先容器の移動先スロットを規定する発砲体またはその他のインサートの上面にアイテムが接触したことを、ロボットキッティングシステムが検出することを可能にしてよい。力制御プリミティブは、制御コンピュータに、アイテムの前進を停止させ、スロットを位置特定するための1または複数の動作を実行させる。例えば、制御コンピュータは、スロットを見つけるための1または複数の探索アルゴリズムまたは技術を適用してよく、それらのアルゴリズムまたは技術自体が、1または複数の力制御プリミティブを用いてよい。いくつかの実施形態において、アイテムまたはその一部が移動先スロットの関連部分と整列またはほぼ整列しうる程度を検出するために、力およびトルクの読み取り値が用いられてよい。例えば、挿入される穴とほぼ整列しているペグ/台座は、構造がより完全に整列しておらず、部分的および/または(より)ほぼ整列している場合よりも強力に(より大きい力)かつより均一に(より小さいトルク)押し戻される場合よりも、小さい抵抗力および/またはやや高いトルクを受けうる。
【0045】
移動先スロットへの最初の接近時に検知された情報に応じて、様々な実施形態において、1または複数の(他の)力プリミティブが、(より良好またはより完全に)移動先スロットを位置特定して、それとアイテムを整列させるために呼び出されてよい。例えば、いくつかの実施形態において、対応する穴に各々挿入される複数の突起の1つがそれのスロットと部分的に整列していることを、力および/またはトルクの読み取り値が示唆する場合、システムは、(例えば、アイテムの向きをわずかに調整して、移動先容器の穴(スロット)を規定する発砲体またはその他のインサートから他の突起を引き離すことにより)最初にアイテムのその部分をそのスロットとより完全に整列させるために、力制御プリミティブを呼び出す。アイテムの第1部分が整列され、それのスロット内に部分的に滑り込ませられると、アイテムの他の部分をそれぞれのスロット/穴と整列させるために、第1突起について達成された整列を効果的に用いて、向きが調整される(例えば、移動先容器と平行にされる)。次いで、部品は、移動先位置の中にさらに完全に滑り込ませられてよく、例えば力制御、または、力制御および位置制御の組みあわせを用いて、部品がスロットに完全に滑り込んだことが検出される。例えば、アイテムを押し戻す力が検出され、エンドエフェクタの垂直高さが、アイテムをスロットの中に完全に入れたことに関連する高さになると、制御コンピュータは、アイテムをスロットに入れることが成功したと判定してよい。
【0046】
力制御プリミティブのその他の例は:力制御を用いて、(例えば、移動先容器内の)角の位置を見つけて、そこにアイテムをぴったりと置く;1または複数の以前にプレースされたアイテムに隣接する位置にアイテムをプレースする;収容箱が、期待された位置からずれた、および/または、180度回転したことを、検知された力に基づいて検出する;などのためのプリミティブを含むが、それらに限定されない。
【0047】
図5A図5Dは、ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを説明する一連の状態を示す。様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムを構成し、または、他の方法で関連付けられている制御コンピュータ(図1Aの制御コンピュータ122など)が、図5A図5Dに示す例によって説明するように、力制御ベースのスロット挿入を実施してよい。
【0048】
図の例では、台座142および144を備えた取っ手140が、穴146および148を備えた移動先スロットに挿入される。穴146は、台座142を受け入れるような形状を有し、穴148は、台座144を受け入れるような形状を有している。形状および許容範囲は、少しのずれでも、台座142、144が、対応する穴146、148に挿入される妨げとなるようなものである。
【0049】
図5Aに示す位置において、取っ手140は、穴146、148を備えた移動先スロットに近い位置に移動されているが、穴146、148とは全く整列していない。様々な実施形態において、システムは、例えばエンドエフェクタの垂直下向きの移動に対する、均等に分布した反力の最大の大きさを検出することによって、図5Aのような完全なずれを検出する。図5Bは、例えば位置制御によって、取っ手140が穴146、148を備えた移動先スロットの近くに移動されうる初期位置を示す。図5Bに示す位置において、例えば垂直下向きの運動によって、取っ手140をスロットに挿入するよう試みると、台座142、144が、穴146、148を規定する発泡体またはその他の材料の表面に接触した結果として、抵抗する力が生じる。図5Cは、例えば位置制御によって、取っ手140が移動されうる別の初期位置を示す。図5Cに示す例において、取っ手140の長手方向軸は、穴146および148を備えたスロットの対応する中心線と整列されている。
【0050】
様々な実施形態において、図5A図5B、および、図5Cにそれぞれ示されている位置ずれは各々、異なるセットの力およびトルクセンサの読み取り値をもたらし、読み取り値の各セットは、スロットに対する取っ手140の位置に特有である。
【0051】
様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムは、図5A図5B、および、図5Cのように、アイテムが、例えば、位置制御を用いて、スロットの近くに移動されると、図5Dに示すように、力制御を用いて、スロットを見つけて、アイテムを挿入する。力およびトルクの読み取り値は、様々な実施形態において、1または複数の力制御プリミティブと共に、挿入に抵抗する力および/またはトルクを低減または排除する位置および向きを探すために用いられる。
【0052】
1つのアプローチでは、スロットに近づくと、ロボットアームを用いて、アイテムを移動先容器の平面(例えば、x軸およびy軸)内で移動させ、同時に力検知および位置を記録してよい。力センサ信号はフィルタリングされ、探索アルゴリズムが、力信号が1N未満になった時に検出し、アイテムが発泡体の上ではなくスロットの上にある(上向きの力が存在しない)ことが示唆される。力の低下が起きた時に、この変化時のロボットに関連する位置が呼び出され、ロボットは、この位置に向かって移動される。次いで、力閾値が感知され、任意の傾きの修正が実行されるまで、下降するようロボットに命令することによって、アイテムの挿入が行われる。アイテムが完全にスロット内にあることを確認するために、ロボットの高さの位置がチェックされる。
【0053】
別のアプローチにおいて、アイテムは、振動する下向き/上向きの力で連続的に押し下げつつ、移動先容器の平面内で移動される。これに加えて、別の力制御が、移動の方向の反対向きの任意の力をアクティブ検出しており、システムは、その反対向きの力を比例的に補償する(インピーダンス制御)。これは、スロットを規定する穴とアイテムを整列させ、その後、ロボットの傾きを変えることで傾きの修正が実行される。上述のように、アイテムが完全にスロット内にあることを確認するために、ロボットの高さの位置がチェックされる。
【0054】
様々な実施形態において、コントローラは、以下のように階層的に実装される:1)下向きの力、2)デカルト位置(x,y,z運動)およびインピーダンス力制御、ならびに、3)向き制御(エンドエフェクタの向きを常に維持することを保証する)。
【0055】
図6A図6Cは、ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを説明する一連の状態を示す。図の例において、エンドエフェクタ202は、吸着カップ204および206を用いて、台座142および144を備えた取っ手140を把持し、位置制御を用いて、図6Aに示す位置に取っ手を移動させている。図6Aに示す位置において、台座142および144は、それらが挿入される発泡体インサート602の対応する穴(例えば、図5A図5Dの穴146および148)からずれている。様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムは、図6Aに示すような位置ずれを検出する。いくつかの実施形態において、ロボットキッティングシステムは、例えば、検出された力および/またはトルクに基づいて、台座142および144がそれぞれに対応する穴と部分的に整列していると判定してよい。この例において、システムは、台座142を発泡体インサート602と係合(すなわち、接触)させた状態を維持するために力制御を用いて、図6Bに示すようにエンドエフェクタ202(ならびに、エンドエフェクタを備える構造および/またはエンドエフェクタに把持されている構造)を傾ける。1または複数の探索戦略(例えば、上述の戦略)が、図6Bに示すように、台座142をそれに対応する穴と整列させるためにシステムによって用いられる。台座142がそれに対応する穴と整列していると判定されると、システムは、エンドエフェクタ202の向きを変え、垂直下降運動を用いて、台座142、144をそれぞれ対応する穴に挿入する。
【0056】
図7A図7Cは、ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを示す。図の例において、図7Aに示すように、第1移動先容器702は、軸yによって示される期待された向きに整列されているが、第2移動先容器704は、期待された向き軸yからずれた軸ynewに整列されている。図7Bに示すように、様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムは、移動先容器704が期待されたy軸と整列することを期待しており、最初に、アイテム(取っ手140など)を図7Bに示すような位置に動かしてよい。システムは、取っ手140の長手方向軸が、挿入を容易にするように、穴146および148によって規定されたスロットの向きと整列することを期待する。様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムは、力制御を用いて、穴146および148を見つけて台座142および144を穴146および148と整列させ、それにより、軸ynew上にある移動先容器704の真の向きを発見する。様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムは、移動先容器704の真の向き(この例では、軸ynew上)を学習すると、移動先容器704の他のスロットの位置を再マッピングすることで、移動先容器704の残りのスロットに他のアイテムを挿入するための後続の動作の精度、速度、および、効率を向上させる。
【0057】
図7Dは、ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置にアイテムをプレースするための処理の一実施形態を示すフローチャートである。様々な実施形態において、図7Dの処理720は、図1Aの制御コンピュータ122など、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムを構成し、および/または、他の方法で関連付けられている制御コンピュータまたはその他のコンピュータによって実施される。図の例において、工程722で、移動先容器の整列が、例えば、図7A図7Cに関連して上述したように、期待通りではない旨の示唆が受信される。工程724で、システムは、空間マッピングを更新する(例えば、容器に対して決定された真の方向を反映するように、移動先スロットの位置座標および/または向きを更新する)。
【0058】
図8A図8Eは、ロボットキッティングシステムの一実施形態において、容器内の対応する位置へのアイテムのプレースを示す。図の例で、図8Aに示す位置において、最初に、取っ手140、142、144は、穴146、148と完全には整列されていない。本明細書で開示されているロボットキッティングシステムは、本明細書で開示されている力制御を用いて、スロット146、148を位置特定し、取っ手140、142、144をスロットに挿入するよう試みてよい。しかしながら、図8Bに示すように、この例のようにスロットに方向性があり、移動先容器が期待したのとは逆向きに反転している場合、いくつかの実施形態において、システムは、力制御を用いてアイテムをスロット挿入することができない。例えば、システムは、垂直下降運動に抵抗する力がゼロであるか、または、アイテムのスロット挿入成功に関連する何らかのその他の最小レベルである位置を見つけられない場合がある。
【0059】
様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットキッティングシステムは、容器が反転していることを、例えば、図8Bに示す条件で検出された力を解釈することによって、検出するよう構成されている。図8Cに示すように、システムは、移動先容器内のスロットの位置の理解を802aに示す位置から802bに示す位置へ改める。図8Dおよび図8Eに示すように、システムは、新たなマッピングに基づいて、アイテム(この例ではスロット/位置「1」(802aに示す左上の角)を目標としているが、最初にスロット8(802bに示す左上の角)への逆向きの挿入を試みられた)を、持ち上げて、図8Dに示すように180度反転させて、容器内の反対側の角(またはその他の再マッピングされた)位置へ移動させた後に、図8Eに示すように、真の位置および向きが上述のように発見されている元々意図されていた位置に(上記のように力制御を用いて)挿入しなければならないと結論づける。
【0060】
本明細書で開示されている技術を用いれば、アイテムは、キットを組むための部品の迅速、効率的、正確、かつ、安全な操作を確実にするために本明細書で開示されているロボットキッティングシステムを用いて、製造、出荷、または、その他の動作などにおいて、キットを組むためにピックアンドプレースされうる。
【0061】
上述の実施形態は、理解しやすいようにいくぶん詳しく説明されているが、本発明は、提供されている詳細事項に限定されるものではない。本発明を実施する多くの代替方法が存在する。開示されている実施形態は、例示であり、限定を意図するものではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットキッティングシステムであって、
通信インターフェースと、
前記通信インターフェースに接続されているプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
アイテムが挿入されるスロットに関連する位置に前記アイテムを移動させ、
前記通信インターフェースを介して、力センサによって生成された力情報を受信し、
前記力センサ情報を用いて、前記アイテムを構成する構造を前記スロットを構成する対応する穴と整列させ、
前記アイテムを前記スロットに挿入するよう構成されている、システム。
【外国語明細書】