(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050768
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】農業機械の作業プロセスを観察するための方法、デジタルビデオシステム、および農業機械
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240403BHJP
A01D 33/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 V
A01D33/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024014851
(22)【出願日】2024-02-02
(62)【分割の表示】P 2021576700の分割
【原出願日】2020-06-24
(31)【優先権主張番号】102019116961.5
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】520134865
【氏名又は名称】グリメ ラントマシーネンファブリーク ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Grimme Landmaschinenfabrik GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Hunteburger Strasse 32, 49401 Damme, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス ヴィッテ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフラム シュトロートマン
(72)【発明者】
【氏名】アクセル ショーマッカー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】農業機械、とりわけ収穫機の収穫物を加工および/または処理する作業プロセスの監視を改善する方法を提供する。
【解決手段】農業機械、とりわけ収穫機2は、複数のデジタル画像捕捉ユニット4と、少なくとも1つの表示ユニット3と、好ましくはスイッチ7として構成された少なくとも1つのネットワーク結合要素とを有するデジタルビデオシステムを有し、デジタル画像捕捉ユニット4は、ネットワーク結合要素を介してトラクタ1の表示ユニットに接続されており、とりわけビデオストリームの複数の画像のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、とりわけ複数の構成可能なシェイプのうちの1つのシェイプ内で再生され、シェイプは、好ましくはパネルPC8として構成されたEDPユニットの、とりわけタッチスクリーンとして構成された表示ユニットの1つまたは複数の画像再生領域を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業機械、とりわけ収穫機(2)の収穫物を加工および/または処理する作業プロセスを観察するための方法であって、
前記農業機械、とりわけ前記収穫機(2)は、複数のデジタル画像捕捉ユニット(4)と、少なくとも1つの表示ユニット(3)と、好ましくはスイッチ(7)として構成された少なくとも1つのネットワーク結合要素とを有するデジタルビデオシステムを有し、
前記画像捕捉ユニット(4)は、前記ネットワーク結合要素を介して前記表示ユニット(3)に接続されており、
前記画像捕捉ユニット(4)は、とりわけビデオストリームの複数の画像のための画像データを記録し、
とりわけ前記ビデオストリームの前記複数の画像のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、とりわけ複数の構成可能なシェイプのうちの1つのシェイプ内で再生され、
前記シェイプは、好ましくはパネルPC(8)として構成されたEDPユニットの、とりわけタッチスクリーンとして構成された前記表示ユニット(3)の1つまたは複数の画像再生領域(19)を含む、
方法。
【請求項2】
前記複数の画像捕捉ユニット(4)のうちの1つの画像捕捉ユニット(4)の複数の画像は、少なくともそれぞれ部分的に、1つのシェイプの複数の画像再生領域(19)内で同時に再生され、
とりわけ、前記画像捕捉ユニット(4)の複数の異なる関心領域が事前に定義され、それぞれ独自の画像再生領域(19)内で再生される、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記画像捕捉ユニット(4)の画像は、1つのシェイプのそれぞれの前記画像再生領域(19)の内部で、とりわけ2本の指の入力を介してズーム可能である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
それぞれの前記画像再生領域(19)の内部で選択された画像または画像区域は、メモリユニットに保存される、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
好ましくは揮発性のまたは半永続的なバッファメモリに一時保存された画像捕捉ユニットのビデオストリームの画像が、少なくとも1つの画像再生領域(19)内で減速されて再生され、
とりわけ、同一のシェイプの別の画像再生領域(19)内の同一のビデオストリームは、再生されないか、またはさもなければ減速されて再生される、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
少なくとも2つの画像再生領域(19)内で、減速されたビデオストリームが再生される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
1つまたは複数の画像再生領域(19)および/または画像捕捉ユニット(4)の、とりわけビデオストリームとして構成された画像は、とりわけ追加的なスイッチ(7)を介して接続された通信ユニットによってワイヤレスでモバイル端末(17)に伝送される、
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
1つのシェイプの1つまたは複数の画像再生領域(19)、とりわけ全ての画像再生領域(19)の画像は、とりわけ、ハードウェアインターフェースを介して前記システムに接続されたポータブル媒体上に保存され、
好ましくは設定可能な長さを有するそれぞれ連続するクリップが生成される、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
画像再生領域(19)のための構成ステップにおいて、複数の相前後して接続されたスイッチ(7)を介して互いに接続されている最大で少なくとも24個の画像捕捉ユニット(4)のうちの1つが選択される、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
機械制御装置によって検出された通常動作からの逸脱に応じて、機械機能の起動に応じて、かつ/または操作端末を介した機械設定の変更時に、対応する画面信号が以前の画像再生領域に重畳されるように画像化され、かつ/または少なくとも1つの対応する機械要素が画像再生領域(19)内で画像化される、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
通常動作からの逸脱時、機械機能の起動時、かつ/または機械設定の変更時に、1つまたは複数のビデオストリームからこのために構成されたシェイプへの自動切り替えが実施される、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記複数の画像のうちの少なくともいくつかの画像にタイムスタンプが付されるか、または前記システムの複数の異なるコンポーネントにおいてそれぞれの画像を受信した時間が記録され、
これにより、時間遅延が長すぎる場合には、対応する画像再生領域(19)に目印が付けられる、
請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記画像再生領域(19)のうちの1つを構成するために、まず始めに、アクティブな画像再生領域(19)を縮小された形態で表示するポップアップダイアログが開かれる、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記シェイプは、少なくとも1つの、好ましくは最大8つの、とりわけ長方形の画像再生領域(19)を有し、
好ましくは、前記画像再生領域(19)の配置が、作物の流れにおける前記画像捕捉ユニット(4)の選択された関心領域および/または位置に依存して、前記EDPユニット上で利用可能なアルゴリズムを用いて提案される、
請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
複数のシェイプが、とりわけ事前定義可能な時間間隔で自動的に切り替えられる、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
道路走行、農耕作業、および逆向き走行の動作状態のために機械制御装置によって伝送される信号に依存して、事前定義されたシェイプが使用される、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
好ましくは前記EDPユニット上でホストされる前記デジタルビデオシステムのウェブページを介して、リモートのユーザ端末(17)のための、とりわけ構成可能なシェイプが提供され、
好ましくは、前記画像再生領域(19)は、構成可能である、
とりわけ請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの画像捕捉ユニット(4)の画像は、リモート接続を介してウェブビデオストリームとして表示される、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
前記システムは、機械制御のためには構成されていない、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
農業機械、とりわけ収穫機(2)の収穫物を加工および/または処理する作業プロセスを観察するためのデジタルビデオシステムであって、
当該デジタルビデオシステムは、複数のデジタル画像捕捉ユニット(4)と、とりわけパネルPC(8)として構成されたEDPユニットの、とりわけタッチスクリーンとして構成された少なくとも1つの表示ユニット(3)と、好ましくはスイッチ(7)として構成されたネットワーク結合要素とを有し、
前記デジタル画像捕捉ユニット(4)は、前記ネットワーク結合要素を介して前記表示ユニット(3)に接続されており、
当該システムは、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法を実施するように構成されている、
デジタルビデオシステム。
【請求項21】
複数のスイッチ(7)が設けられており、
少なくとも1つの画像捕捉ユニット(4)は、直列にネットワーク化された前記スイッチ(7)を介して前記EDPユニットに接続されている、
請求項20記載のデジタルビデオシステム。
【請求項22】
前記EDPユニットに直接的に接続されている前記スイッチ(7)は、CAN-BUSのためのインターフェースおよび/または通信ユニットに接続されている、請求項20または21記載のデジタルビデオシステム。
【請求項23】
請求項20から22までのいずれか1項記載のデジタルビデオシステムが設けられている、農業用作業機械、とりわけ収穫機(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業機械の作業プロセスを観察するための方法と、農業機械の作業プロセスを観察するためのデジタルビデオシステムと、農業用作業機械とに関する。
【0002】
農業機械の、とりわけ、好ましくはジャガイモまたはビートを収穫するための牽引式または自走式の収穫機の、収穫物を加工および/または処理する作業プロセスを観察するために、何年もの間、機械操縦者のための支援システムとしてアナログビデオシステムが使用されてきた。このようなビデオシステムの特徴は、常にモニタ上には、そのモニタに対応付けられたカメラが撮影したまさにそのビデオ画像が表示されるということである。カメラの配置によっては、運転者にとって関係のない機械部分も表示される。ユーザが画像区域をより大きく表示させたい場合は、このために手間をかけてカメラを新たに位置決めしなければならない。さらに現在では、種々の製造業者が、1つのモニタにつき最大4つのカメラを接続して同時に表示させることもできるビデオシステムを提供している。これらのカメラの場合にも、それぞれの機械領域をより詳細に観察するためには、それぞれのカメラを新たに位置決めする必要がある。
【0003】
さらに、欧州特許出願公開第3437929号明細書からは、トラクタを中心とした近接範囲に位置する関連領域の、運転状況に基づく視界/視野の挿入画像が操作担当者のモニタ上に表示されるような、車両のための視覚システムが公知である。
【0004】
このような背景に鑑みて、本発明の課題は、収穫機の作業プロセスの監視を改善することである。
【0005】
上記の課題は、請求項1、20、および23の対象によって解決される。本発明の有利な実施形態は、これらの請求項を引用する従属請求項および以下の説明から見て取ることができる。
【0006】
農業機械、とりわけ収穫機の収穫物を加工および/または処理する作業プロセスを観察するための本発明による方法であって、農業機械、とりわけ収穫機は、複数のデジタル画像捕捉ユニットと、少なくとも1つの表示ユニットと、好ましくはスイッチとして構成された少なくとも1つのネットワーク結合要素とを有するデジタルビデオシステムを有し、画像捕捉ユニットは、ネットワーク結合要素を介して表示ユニットに接続されている、本発明による方法において、画像捕捉ユニットは、とりわけビデオストリームの複数の画像のための画像データを記録する。とりわけビデオストリームの複数の画像のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、とりわけ複数の構成可能なシェイプ(Shape)のうちの1つのシェイプ内で再生され、シェイプは、好ましくはパネルPCとして構成されたEDPユニットの、とりわけタッチスクリーンとして構成された表示ユニット上に1つまたは複数の画像再生領域を含む。画像データは、それぞれの画像捕捉ユニットからスイッチを介して、とりわけイーサネットスイッチを介してEDPユニットに伝送される。デジタルビデオシステムのそれぞれの要素は、とりわけネットワークケーブル(イーサネットケーブル)を介して接続されている。したがって、画像捕捉ユニットと、少なくとも1つの表示ユニットとの物理的な接続は、表示ユニットが接続されているEDPユニットを介して、または表示ユニットを有するEDPユニットを介して間接的に実施される。したがって、表示ユニットは、少なくとも1つのディスプレイと、これに付属する電子機器とを含む。
【0007】
この場合、画像捕捉ユニットは、収穫物を加工および/または処理する機械の作業プロセスに向けられており、ひいてはとりわけ、収穫物を搬送するコンベヤベルトまたは選別落下段(Fallstufe)などのような機械要素に向けられている。個々のカメラを、例えば、収穫物と石または土のような混入物とを分離するための分離機、または選別落下段に向けてもよい。デジタル画像捕捉ユニットを、例えば、収穫物の収集領域(バンカー)、移送領域、または収容領域に向けてもよい。画像捕捉ユニットは、とりわけ、個別画像を例えばRAW形式で出力するか、または既に圧縮された完全なビデオストリームをMPEGまたはその他のビデオ形式でシステムに送信もするデジタルビデオカメラである。好ましくは、少なくとも1280×720画素、好ましくは少なくとも1280×800画素のセンサ解像度を有する高解像度カメラであり、とりわけ少なくとも、例えば少なくとも1280×1024画素(ピクセル)の1.3メガピクセルのセンサである。
【0008】
ビデオストリームの画像のためのデータを、以前に伝送された画像からの差異としてのみ提供することも可能である。これらのデータは、上述のようにとりわけケーブル接続により、好ましくはイーサネットスイッチとして構成されたネットワーク結合要素に転送され、このネットワーク結合要素が、画像捕捉ユニットのデータを、1つまたは複数のネットワーク結合要素を介して、データを処理するEDPユニットに、好ましくはパネルPCに転送する。EDPユニットにおいて、データは、表示ユニットのための構成に従って提供され、この構成は、操作者によって事前に設定可能であるか、またはプログラム側で標準化されて事前に設定可能であってもよい。ビデオストリームの複数の画像のための画像データは、とりわけパネルPCとして構成されたEDPユニットの、とりわけタッチスクリーンとして構成された表示ユニット上に、より詳しく言えば、定義されたシェイプのそれぞれの画像再生領域内で再生可能となるように、EDPユニットにおいて処理される。シェイプとは、表示ユニットの利用可能な画面上の1つまたは複数の画像再生領域の配置を意味する。
【0009】
接続ケーブルは、とりわけ、例えば十分なデータ量を伝送する100BASE-TX線路または1000BASE-TX線路の形態のイーサネット線路である。ビデオシステムの個々のコンポーネント、とりわけイーサネットスイッチおよびEDPユニットには、好ましくは、処理されるべきデータの量をできるだけ効率的に伝送するためにギガビットイーサネットインターフェースが設けられている。
【0010】
1つのシェイプの複数の再生領域は、同一の画像、すなわち同一のビデオストリームを再生するように構成可能である。合計で、1つのシェイプの中に、好ましくは最大8つの画像再生領域を表示することができ、すなわち、最大8つのビデオストリームを同時に再生することができる。このためにEDPユニットには、とりわけ、対応する高性能のグラフィックスプロセッサおよび/またはマイクロプロセッサが設けられている。さらに、EDPユニットは、データを保存および処理するための一般的な手段、とりわけ、メインメモリならびにデータメモリ、コントローラ、ネットワークインターフェース、および必要に応じて通信インターフェースを有する。EDPユニットのさらなる可能な詳細は、以下、本発明によるそれぞれの発展形態においてさらに説明されている。
【0011】
シェイプおよび画像再生領域の構成は、EDPユニットに保存可能であり、かつ相応に呼出可能であるように構成されており、したがって、表示ユニットの、好ましくは少なくとも12インチのサイズの可視領域を、機械操縦者、サービス技術者、または他の操作担当者のために個人的に構成することが可能である。
【0012】
本発明の1つの発展形態では、スイッチにも、さらにはEDPユニットにも接続可能である機械制御装置とのインターフェースを介して、機械の種類に関する情報を伝送することができる。これにより、事前に構成して保存しておくことができる対応するシェイプが、事前に選択または提供されるようになる。EDPユニットに保存されていない未知の種類の機械のために、標準化されたシェイプを提供することもできる。EDPユニットに設けられたインターフェースを介して、ポータブル記憶媒体を使用して個々のシェイプ構成を読み出すこと、またはこの記憶媒体上にエクスポートすることも可能である。
【0013】
ここで本発明によれば、操作担当者は、とりわけ表示ユニット上またはそのディスプレイ上に縦長判および横長判の表示を有する多数の可能なウィンドウ配置から、自分が見たいビデオ画像を正確に表示させることができる。したがって、機械操縦者は、とりわけ土壌条件が種々異なる場合に、作業プロセスの観察に関してそれぞれ異なる重点を設定することができる。例えば、重く湿った土壌条件の場合には、目詰まりしやすい収穫機の領域を、狙いを定めて監視することができ、その一方で、比較的細かく乾燥した軽い土壌条件の場合には、例えば、収穫物を種々異なるロットサイズに分離することに重点を置くことができる。
【0014】
このような重点の設定により、操作担当者は、より迅速に、危機的な機械状態を認識し、その後、とりわけデジタルビデオシステムに接続されていない機械制御装置を介して修正することができる。これにより、デジタルビデオシステムを既存の機械により簡単に後付けすることが可能となる。
【0015】
デジタルビデオシステムによって観察されるプロセスは、とりわけ機械の「内部」で実施されるプロセスであり、したがって、機械の外部環境のみに向けられた画像捕捉ユニットではなく、収穫物を処理および加工する機械要素に向けられた画像捕捉ユニットである。機械のバンカーでの貯蔵も、収穫物の処理であると理解される。
【0016】
好ましくは、複数の画像捕捉ユニットのうちの1つの画像捕捉ユニットの複数の画像は、少なくともそれぞれ部分的に、1つのシェイプの複数の画像再生領域内で同時に再生され、画像捕捉ユニットの複数の異なる関心領域を事前に定義し、このシェイプのそれぞれ独自の再生領域内で再生することができる。従前は、ビデオストリームは、常に、画面の1つの再生領域内でしか再生できなかった。そこで、EDPユニット内の多数の加入者にデータパケットを同時に配信(マルチキャスト)することにより、データが少なくとも2つの再生領域に提供される。この場合、ビデオストリームを、さらなる高性能の画像処理ユニットにおいてさらに処理することができる。
【0017】
本発明によれば、ビデオストリームの再生されるべき領域の定義を、システムの動作中にタッチスクリーンを使用して、または構成マスクにおいて静止画像に基づいて実施することができる。例えば、携帯電話に関して知られているように、1本または2本の指のジェスチャによって所定の画像領域を関心領域として選択することができ、この関心領域としての画像領域が、その後、とりわけ独自の画像再生領域内で表示される。
【0018】
対応する区域が同一の画像再生領域内で表示されるべき場合、システムは、技術的に、選択された画像区域(関心領域)が拡大されて表示されるように構成されている。したがって、1つのシェイプのそれぞれの画像再生領域の内部において、画像捕捉ユニットの画像(または画像捕捉ユニットの表示)をズームすることができる。次に、関心領域の選択は、とりわけ2本の指での入力を介してそれぞれの画像区域をズームインすることに伴って実施される。このようにして、種々異なるビデオストリームを、狙いを定めて、必要に応じて区域ごとに拡大して表示することができ、これにより、特に危機的な作業領域をさらにより良好に観察することが可能となる。例えば、全体として分離段に向けて画像捕捉する場合には、入口領域および出口領域を、狙いを定めてズームインして、同一のシェイプ内でそれぞれ拡大して、合計3つの画像再生領域(全体ビュー、入口領域、出口領域)において表示することができる。
【0019】
好ましくは、それぞれの画像再生領域の内部で選択された画像または画像区域は、メモリユニットに保存可能である。このメモリユニットは、EDPユニット内にローカルに、例えば揮発性の永続メモリの形態で存在していてよく、EDPユニットの対応するインターフェースを介して接続可能であるポータブル記憶媒体であってもよい。
【0020】
さらに、システムは、好ましくは、タッチスクリーンの入力によって、対応する画像再生領域上に選択メニューを表示するように構成されており、選択メニューを介して、それぞれ表示されている(とりわけ、ズームされてもいて、したがって部分的に表示されている)ビデオストリームの保存を開始することができる。これに代えてまたはこれに加えて、このプロセスを、任意のサブメニューを有する一般的な設定メニューを介して開始することもできる。
【0021】
さらに、システムは、好ましくは、2つ以上の画像再生領域、とりわけ全ての画像再生領域と、これらの画像再生領域に表示されているビデオストリームとを同時に、好ましくはさらに画面上で可視の配置で、とりわけポータブル媒体上に保存するように構成されており、これにより、機械の複数の異なる場所で同時に行われる作業プロセスを、後からでも同時に観察することが可能となり、このために別々のビデオストリームを同時に並行して再生することに留意しなくてよくなる。したがって、EDPユニットは、表示ユニット上に表示されている内容に基づいて、共通のビデオストリームを快適に作成することを提供する。「ポータブル媒体」とは、一時的にハードウェアインターフェースを介してEDPユニットに接続可能である記憶媒体であって、EDPユニットの動作のためには不要であり、とりわけデータ転送のためだけに使用される記憶媒体であると理解される。例えば、USBスティックである。しかしながら、好ましくは機械の製造業者によって提供されて、機械および/またはトラクタのインターフェースを介して利用可能となるクラウドメモリであってもよい。
【0022】
とりわけ、好ましくは揮発性のまたは半永続的なバッファメモリに一時保存された画像捕捉ユニットのビデオストリームの画像が、少なくとも1つの画像再生領域内で減速されて再生され、とりわけ、同一のシェイプの別の画像再生領域内で、同一のビデオストリームが、全体的にまたはズームされて、再生されないか、またはさもなければ減速されて再生される場合には、作業プロセスの観察および監視が改善される。この場合、着信したビデオストリームは、とりわけ実時間の25%にまで減速され、とりわけ所定の時間の後、例えば4秒後に、その時点の現在の画像へと再生がジャンプし、その後、後続のビデオストリームが、相応に再び減速されて再生される。これにより、とりわけ高速で運動する、とりわけ回転する機械部品を非常に良好に監視することが可能になる。
【0023】
とりわけ、システムは、1つのシェイプの少なくとも2つの画像再生領域内で、減速されたビデオストリームが再生されるように構成されている。
【0024】
好ましくは、1つまたは複数の画像再生領域および/または画像捕捉ユニットの、とりわけビデオストリームとして構成された画像は、とりわけ追加的なスイッチ、例えばイーサネットスイッチを介して接続された通信ユニットによってワイヤレスで、リモートの、とりわけモバイルの端末またはユーザ端末に伝送される。したがって、画像をトラクタ内または自走式キャビン内のモニタ上または表示ユニット上に伝送することに加えて、ビデオ画像をモバイル端末上に伝送することが可能である。このために端末ユーザは、好ましくは機械の通信ユニットを介して提供されるWLANに、自身のモバイル端末を接続する。その後、端末ユーザは、モバイル端末上で開始するプログラムにおいて、複数の画像捕捉ユニットのうちの1つの画像捕捉ユニットの少なくとも1つのビデオストリームを有する、その端末に適合された個々のシェイプを表示させることができる。あるいは、端末ユーザは、好ましくはEDPユニット上でホストされるデジタルビデオシステムのウェブページにアクセスすることができ、このウェブページを介して、リモートの、とりわけモバイルのユーザ端末のための、とりわけ構成可能なシェイプが提供され、好ましくは、画像再生領域も、サーバ側で事前定義されており、かつ/または構成可能である。
【0025】
これにより、例えば収集車の運転者にとって、バンカーの充填物のビデオストリームを示している画像再生区域をシェイプ内に表示することが容易になる。これによって、ジャガイモ収穫機の場合にも、収穫中に選別テーブルで作業している選別担当者に対する作業安全性および快適性を、ハーベスタ上において選別テーブルからは視認することができない分離機のビデオ画像をこの選別担当者に表示することによって、向上させることができる。その後、操作担当者によって選別テーブルの操作端末から直接的に任意の設定を実施することができ、調整の結果をモバイルのユーザ端末上で直接的に視認することが可能になる。したがって、運転者は、監視タスクおよび制御タスクから解放され、これによってハーベスタの運転に集中することができる。例えば農場の管理者は、収穫中に機械に乗り込む必要なしに、機械の機能をチェックすることも可能になる。リモートの、とりわけモバイルのユーザ端末上での再生は、とりわけ、運転台にある表示ユニット上での再生を邪魔することなく実施される。
【0026】
有利には、1つのシェイプの1つまたは複数の画像再生領域、とりわけ全ての画像再生領域の画像は、好ましくは設定可能な長さを有するそれぞれ連続するクリップが作成または保存されるように保存される。好ましくは自動的に名前にタイムスタンプが付される、作成されるクリップのサイズがこれに伴って制限されることにより、特定の、例えば危機的な時点に作成された個々のクリップを、後から簡単に処理および閲覧することが可能となる。
【0027】
言うまでもなく、上記および下記の方法ステップは、EDPユニットのメインメモリで実行されるコンピュータプログラムによって実現可能である。同一のEDPユニット上で、またはEDPユニットの、例えばCPUおよびGPUの同一のメモリまたは異なるメモリにおいて実行される、複数の相互に関連したプログラムであってもよい。
【0028】
好ましくは、画像再生領域のための構成ステップにおいて、複数の相前後して接続されたスイッチを介して互いに接続されている最大で少なくとも24個の(bis zu zumindest 24)画像捕捉ユニット、とりわけデジタルカメラ、好ましくは最大48個までの画像捕捉ユニットのうちの1つが選択される。それぞれのスイッチ上に少なくとも1つのさらなるスイッチのための対応するポートが空いている場合には、スイッチをカスケード接続することによってシステムを拡張することができ、とりわけ、後からでも簡単に拡張することができる。伝送線路上でのデータのボトルネックを回避するために、デジタルビデオシステムのネットワークにおいて必要とされる帯域幅が、好ましくは、現在アクティブなシェイプ内に表示されているカメラだけをストリーミングすることによっても低減される。
【0029】
好ましくは、機械制御装置によって検出された通常動作からの逸脱に応じて、機械機能の起動に応じて、かつ/または操作端末を介した機械設定の変更時に、対応する画面信号が以前の画像再生領域に重畳されるように画像化され、かつ/または少なくとも1つの対応する機械要素が画像再生領域内で再生されるように画像化される。このために、シェイプを自動的に変更することができる。この方法の場合にも、イーサネットスイッチを介して、さらなるイーサネットスイッチを介して、またはEDPユニットとの直接的な接続を介しても提供される、機械制御装置とのインターフェースが必要である。とりわけ、それぞれの画面信号を、その画面信号のためだけに構成されたシェイプ内で再生することができる。操作端末は、典型的には運転室にあり、例えば、ジャガイモ収穫機の選別テーブルにある。
【0030】
したがって、好ましくは、通常動作からの逸脱時、機械機能の起動時、かつ/または機械設定の変更時に、1つまたは複数のビデオストリームからこのために構成されたシェイプへの自動切り替えが実施される。その後、このシェイプ内に1つまたは複数の画像区域が、好ましくは1つまたは複数のビデオストリームの関心領域の形態で表示され、これにより、操作担当者は、場合によって生じる危機的な状況に関して狙いを定めて通知され、この通知に基づいて対抗措置または点検を開始することができる。好ましくは、とりわけ、通常動作からの逸脱時、または危機的な動作状態時、例えば、個々の領域に過度に負荷がかかっている場合には、カラーでの強調表示が同時に実施される。とりわけ高速で運動または回転する機械部品の場合には、そのようなシェイプ内で、関連するビデオストリームを減速して再生することもできる。本発明によれば、以前のビューまたは以前のシェイプに戻るために、とりわけスワイプ動作の形態での画面入力によって、シェイプのそのような重畳画像または表現を再びフェードアウトさせることができる場合にも有利である。
【0031】
ビデオストリームは、カメラレンズから表示ユニットまでできるだけ短い待ち時間(遅延時間)で表示されなければならない。100ms未満の遅延時間が望ましい。好ましくは、このために個々の画像に所定の時間が対応付けられている。このために、1つのコンポーネントにおいて複数の画像のうちの少なくともいくつかの画像にタイムスタンプを付して、(デジタルビデオ)システムのさらなるコンポーネントにおいて時間を記録することができ、かつ/またはシステムの複数の異なるコンポーネントにおいて再識別可能な画像を受信した時間が記録され、これにより、時間遅延が長すぎる場合には、対応する画像再生領域に目印が付けられ、例えば黒色にされ、かつ/または赤色の感嘆符が付される。
【0032】
好ましくは、システムが正常に動作しており、停止(凍結)状態にないことを認識するために、同時に操作ユニットでもある表示ユニット上に、アニメーショングラフィック(例えば、回転する歯車)が挿入されている。
【0033】
有利には、好ましくは設定が実施可能となる前に、画像再生領域のうちの1つを構成するために、まず始めに、アクティブな画像再生領域を縮小された形態で表示するポップアップダイアログも開かれる。このことは、誤って他の画像再生領域を構成してしまわないように、実施されるべき所望の変更を再確認およびチェックするために役立つ。したがって、農耕作業中に頻繁に発生する振動が、タッチスクリーンとして構成された表示ユニット上での不所望な入力をもたらすことはないか、またはさほどもたらさない。
【0034】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、シェイプは、少なくとも1つの、好ましくは最大8つの、とりわけ長方形の画像再生領域を有し、好ましくは、画像再生領域の配置が、収穫物の作物の流れにおける画像捕捉ユニットの選択された関心領域の寸法および形状および/または位置に依存して、EDPユニット上で利用可能なアルゴリズムを用いて提案される。これは、使用可能なスペースの最適な利用および配置を、操作担当者がシステムに一任することを希望した場合に実施するための、簡単な最適化問題である。
【0035】
複数のシェイプが存在する場合には、複数の異なる機械領域での連続的なビューを得るために、複数のシェイプが、とりわけ事前定義可能な時間間隔で自動的に切り替えられると、本発明のさらなる実施例にとって有利である。
【0036】
有利にはさらに、道路走行、農耕作業、および逆向き走行の動作状態のために機械制御装置によって伝送される信号に依存して、事前定義されたシェイプが使用される。したがって、例えば道路走行時には、場合によって行われる機械部品の折り畳みまたは持ち上げのビューを示すシェイプを表示することができ、その一方で、農耕作業時には、相応にして作物の流れを変化させる所望の作業プロセスが考慮される。同様のことが、逆向き走行時のシェイプビューにも当てはまる。
【0037】
有利には、少なくとも1つの画像捕捉ユニットの画像は、リモート接続を介してウェブビデオストリームとしても表示され、とりわけ、シェイプビューの解像度、またはリフレッシュレートが、例えばモバイル端末によって通知される接続帯域幅に適合される。操作担当者を邪魔することを回避するために、このシステムを、表示ユニット上の表示とは完全に独立してEDPユニット上に実現することもできる。
【0038】
とりわけ、システムは、機械制御のためには構成されていない。すなわち、システムは、機械の制御には介入せず、プロセスの監視のためだけに使用される。
【0039】
冒頭で述べた課題は、農業機械、とりわけ収穫機の収穫物を加工および/または処理する作業プロセスを観察するためのデジタルビデオシステムであって、当該デジタルビデオシステムは、複数のデジタル画像捕捉ユニットと、とりわけパネルPCとして構成されたEDPユニットの、タッチスクリーンとして構成された少なくとも1つの表示ユニットとを有し、当該デジタルビデオシステムには、好ましくはスイッチ、とりわけイーサネットスイッチとして構成されたネットワーク結合要素が設けられており、画像捕捉ユニットは、ネットワーク結合要素を介して表示ユニットに接続されている、デジタルビデオシステムによっても解決される。この場合、当該システムは、上述のように1つまたは複数のコンピュータプログラムを用いて、先行する請求項のいずれか1項記載の方法を実施するように構成されている。
【0040】
システムのスケーラビリティのために、当該システムには、好ましくは、(イーサネット)スイッチの形態の複数のネットワーク結合要素が設けられており、少なくとも1つの画像捕捉ユニットは、直列にネットワーク化されたスイッチを介してEDPユニットに接続されている。
【0041】
好ましくは、カメラを交換する際、とりわけオリジナル部品の交換である場合には、このことがシステムによって自動的に認識され、構成され、再稼働される。
【0042】
とりわけ、EDPユニットに直接的に接続されているスイッチが、CAN-BUSのためのインターフェースおよび/または機械の通信ユニットに接続されている場合には、機械制御装置の所望の信号の伝送を、改善して実現することが可能である。あるいは、CAN-BUSまたは通信ユニットを、対応するインターフェースが設けられている場合にはEDPユニットに直接的に接続してもよい。
【0043】
冒頭で述べた課題は、上記または下記のビデオシステムを有する農業用作業機械、とりわけ収穫機によっても解決される。
【0044】
本発明のさらなる利点および詳細は、以下の図面の説明から見て取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】牽引式の収穫機の形態の、本発明による対象を示す図である。
【
図2】
図1による本発明による対象のコンポーネントを示す図である。
【
図5】本発明による方法を可能にするコンピュータプログラムのプログラムレベルを示す図である。
【
図7】
図6によるシェイプのための対応する構成ビューである。
【0046】
以下に記載される実施例の個々の技術的特徴は、上で説明した実施例、および独立請求項ならびに任意のさらなる請求項の特徴と組み合わせても、本発明による対象を形成することができる。有意義である限り、機能的に同じ働きを有する要素には同一の参照符号が付される。
【0047】
図1によれば、本発明による装置は、トラクタ1によって牽引され、ジャガイモ収穫機として構成された収穫機2として構成されている。本発明による収穫機2に所属するEDPユニットは、タッチスクリーンとして構成された表示ユニット3と共に、トラクタ1の運転室5内に配置されている。このEDPユニットは、図示されていないイーサネットケーブルを介して収穫機側のスイッチに接続されている。表示ユニット3上では、デジタル画像捕捉ユニット4によって記録された画像データが再生され、これらのデジタル画像捕捉ユニット4は、本明細書では概略的に、収穫物のための個々の処理段階に対応付けられている。
【0048】
画像捕捉ユニット4は、デジタルカメラであり、これらのデジタルカメラは、一般的に本発明によるシステムでは、イーサネットケーブル6を介して、イーサネットスイッチとして構成されたスイッチ7にデータを伝送する。その後、データは、画像捕捉ユニット4から、好ましくはここでもイーサネットケーブル6を介して、パネルPC8として構成されたEDPユニットに伝送される。オプションとして、さらなるパネルPC8を接続することができ、このさらなるパネルPC8の表示ユニット上にも、一連の構成可能なシェイプを表示することができる。その後、メインパネルPC(マスタ)の対応する構成プログラムにおいて、このメインパネルPC上にどのカメラが表示されるか、また、下位のオプションのパネルPC(スレーブ、破線のイーサネットケーブル6の形態のデータ線路を介して接続されている)上にどのカメラが表示されるかを選択することができる。
【0049】
CAN・ツー・イーサネット・ゲートウェイ9の形態の、機械制御のためのインターフェースも設けられている。これにより、WLANへのアクセスと、CAN-BUS線路11を介して接続された機械制御ユニット12へのアクセスとが提供されている。これとは並列に、例えばさらに、ISO-BUS線路13(破線で図示)を介して、対応するバスシステムにアクセスすることができる。この場合には、ゲートウェイ9は、対応するISO-BUSインターフェースをさらに含む。
【0050】
図2の実施例によれば、デジタル画像捕捉ユニット4は、好ましくは牽引式の収穫機2において収穫機側に配置されているただ1つのイーサネットスイッチ7に接続されているが、その一方で、
図3による変形例は、合計4つのスイッチ7を有しており、これらのスイッチのうち、図面の上側にあるスイッチ7は、トラクタ1に対応付けられており、その一方で、デジタル画像捕捉ユニット4に直接的に接続されているスイッチ7は、収穫機2の側に配置されている。破線14は、図面ではボックスとして図示されているトラクタ1と収穫機2との分離を示唆している。
【0051】
したがって、
図3では右側にある収穫機側のスイッチ7に配置されている光学式の画像捕捉ユニット4は、合計4つのスイッチ7を介して、図面では左側にあるマスタパネルPC8と、図面では右隣に位置するさらなるパネルPC(スレーブ)8とに接続されている。この実施例では、ISO-BUSインターフェース15がさらに設けられている。ISO-BUSインターフェース15を介して機械信号または制御信号が受信され、この機械信号または制御信号は、信号の種類に応じて、機械操縦者の注意を喚起するシェイプの自動呼び出しをもたらし、この自動呼び出しを介して、その制御信号に対応する光学式の画像捕捉ユニット4のビデオストリームが表示ユニット上に表示される。同じことが、CAN・ツー・イーサネット・ゲートウェイ10にも当てはまる。このことは、EDPユニット上で実行されるプログラムの設定に保存されている。
【0052】
ゲートウェイ10を介して接続可能であるルータは、リモートのモバイルのユーザ端末17へのWLAN接続16を提供し、このユーザ端末17上でも、シェイプを構成することができるか、またはマスタパネルPC8上で実行されるウェブサーバを介してシェイプを呼び出すことができる。さらに、診断インターフェース18と、制御信号を伝送する1つまたは複数のさらなる機器20とを、トラクタ側のイーサネットスイッチ7に接続することができる。
【0053】
構成プログラムの1つのセクション、すなわち、マスタパネルPC8上で実行されるソフトウェアプログラムの設定において、例えば、
図4に描かれている9つのシェイプを構成することができる。したがって、1~8個の画像再生領域19に、光学式の画像処理ユニット4のビデオストリームを付与することができる。
【0054】
図5の実施例では、図示の実施例について、対応するコンピュータプログラムのレベルが示されている。左上には、それぞれのシェイプのための作業ビュー21が位置しており、ボックス22によれば、この作業ビュー21から個々の画像再生領域19を処理することができる。さらに、作業ビュー21にはタッチスクリーン上の入力手段が対応付けられており、この入力手段を介して操作担当者は、設定レベル23に到達することができ、この設定レベル23から、シェイプ管理24、カメラ管理25、シーケンス管理26、ウェブサーバ管理27、およびユーザ設定28に到達することができる。
【0055】
シェイプ管理24では、シェイプが構成される。カメラ管理25では、存在する限り、画像捕捉ユニット4の設定、例えば色彩、圧縮、または解像度の設定を実施することができる。シーケンス管理26は、個々の画像再生区域19の保存、または個々のビデオストリームの管理を可能にする。ウェブサーバ管理27では、相応にして個々のシェイプについてのウェブページ表示が構成され、とりわけ、これによってアクセス管理を構成することができ、このアクセス管理によって第三者は、好ましくはモバイルの、しかしながら少なくとも収穫機からリモートにあるユーザ端末から、パスワードで保護された状態でのみEDPユニットのウェブサーバにログインすることが可能となる。最後に、ユーザ管理28では、ユーザプロファイルを保存するまたは呼び出すことができる。システムを常に、最後に使用されたユーザプロファイルと共に開始させるか、または標準構成と共に開始させるかを設定することも可能である。
【0056】
図6による実施例によれば、5つのビデオストリームを再生するための1つのシェイプが、5つの画像再生領域19に基づいて形成されている。相応に割り当てられたアイコン29を用いて、シェイプの対応する構成画面を直接的に呼び出すことができる。
図7でも、差し当たり、独自の画像再生領域19が形成されており、これらの画像再生領域19は、縮小されてはいるが、その他の点については
図6の画像再生領域19に相当する。例えば、最上部の画像再生領域19は、
図6の左上の画像再生領域のビデオストリームを縮小して示し、この画像再生領域の下で、
図7の2行目に位置する画像再生領域19は、
図6の上側の行の左から2番目のビデオストリームを示す、などである。画像再生領域19には、指を介して操作可能なフィールド31を介して、利用可能な光学式の画像捕捉ユニット4が割り当てられる。このフィールドまたはさらなるフィールド31をタップすると、ドロップダウンリストが表示され、その後、このドロップダウンリストを介して、システムで把握しているカメラを選択することができる。タッチスクリーンのうちの
図7の左下に位置する領域は、以前のダイアログに戻るためのボタン(ボタン32)、ヘルプボタン33、および情報ボタン34である。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業機械、とりわけ収穫機(2)の収穫物を加工および/または処理する作業プロセスを、機械操縦者によって観察するための方法であって、
前記農業機械、とりわけ前記収穫機(2)は、複数の画像捕捉ユニット(4)と、少なくとも1つの表示ユニット(3)と、好ましくはスイッチ(7)として構成された少なくとも1つのネットワーク結合要素とを有するデジタルビデオシステムを有し、
前記画像捕捉ユニット(4)は、前記ネットワーク結合要素を介して前記表示ユニット(3)に接続されており、
前記画像捕捉ユニット(4)は、とりわけビデオストリームの複数の画像のための画像データを記録し、
とりわけ前記ビデオストリームの前記複数の画像のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、1つの構成可能なシェイプまたは複数の構成可能なシェイプのうちの1つのシェイプ内で再生され、
前記シェイプは、好ましくはパネルPC(8)として構成されたEDPユニットの、とりわけタッチスクリーンとして構成された前記表示ユニット(3)の1つまたは複数の画像再生領域(19)を含み、
前記シェイプは、前記表示ユニットの利用可能な画面上の1つまたは複数の画像再生領域の配置である、
方法。
【外国語明細書】