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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050777
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】生理学的モニタリング装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/257 20210101AFI20240403BHJP
   A61B 5/332 20210101ALI20240403BHJP
【FI】
A61B5/257
A61B5/332
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024015021
(22)【出願日】2024-02-02
(62)【分割の表示】P 2021100933の分割
【原出願日】2014-01-23
(31)【優先権主張番号】61/756,326
(32)【優先日】2013-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512290931
【氏名又は名称】アイリズム・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】iRhythm Technologies,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】シーナ・エイチ・パーク
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ジェイ・バーニー
(72)【発明者】
【氏名】ジェナロ・エス・セプルベダ
(72)【発明者】
【氏名】フン・エイチ・ホー
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ジェイ・デイ
(72)【発明者】
【氏名】タムラ ユリコ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】患者の体験を容易にし及び/又は増強するための、不整脈の診断をより正確にするための、及び、装置の製造をより簡単かつコスト効率良くする生理学的モニタリング装置を提供する。
【解決手段】生理学的モニタリング装置は、剛性のあるハウジングから横に延在する少なくとも2つの柔軟なウィングと、剛性のあるハウジングは第2の材料一式を備え、剛性のあるハウジング内に収容されたプリント回路基板組立体と、柔軟なウィング内に埋め込まれた少なくとも2つの電極と、ウィング内に埋め込まれ、かつ剛性のあるハウジングから機械的に切り離された少なくとも2つの電極トレースと、剛性のあるハウジングにウィングを接続する少なくとも1つの蝶番部と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における生理学的信号をモニターする電子装置であって、
剛性のあるハウジングから横に延在する少なくとも2つの柔軟なウィングと、ここで、柔軟なウィングは、哺乳動物の表面に従うことを可能にする第1の材料一式を備え、剛性のあるハウジングは、第2の材料一式を備える、
剛性のあるハウジング内に収容されたプリント回路基板組立体と、ここで、剛性のあるハウジングは、哺乳動物の動きに応じたプリント回路基板の変形を防ぐように構成される、
柔軟なウィング内に埋め込まれた少なくとも2つの電極と、ここで、電極は、哺乳動物の表面と等角接触を提供し、かつ哺乳動物の生理学的信号を検出するように構成される、
ウィング内に埋め込まれ、かつ剛性のあるハウジングから機械的にデカップルされた少なくとも2つの電極トレースと、ここで、電極トレースは、哺乳動物の表面と等角接触を提供し、かつ電極からプリント回路基板組立体へ電気信号を伝送するように構成される、
剛性のあるハウジングにウィングを接続する少なくとも1つの蝶番部と、ここで、蝶番部は、剛性のあるハウジングに接合されるエリアで自由に曲がるように構成される、
を備えた電子装置。
【請求項2】
各ウィングは、接着剤を備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
電極は、接着剤と同じ平面に存在する、請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
各ウィングは、少なくとも1つのリムを備え、このリムは、各ウィングの隣接部分よりも薄い、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
剛性のあるハウジングは、さらに、当該ハウジングと哺乳動物の表面との間に気流を可能にするように構成したくぼみを備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
リムは、哺乳動物の表面からウィングの一部の外れを防止するように構成される、請求項1に記載の電子装置。
【請求項7】
少なくとも1つの軸における動き信号を検出するように構成された測定器をさらに備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項8】
測定器は加速度計である、請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
測定器は、3軸の動き信号を検出するように構成される、請求項7に記載の電子装置。
【請求項10】
動き信号は、生理学的信号に合わせて集められる、請求項1に記載の電子装置。
【請求項11】
生理学的信号と動き信号とが一致した状態においてモーションアーチファクトが見極められる、請求項10に記載の電子装置。
【請求項12】
プリント回路基板組立体に連結された事象トリガーをさらに備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項13】
事象トリガー入力部は、トリガーを作動させた状態においてプリント回路基板への機械的ストレスを防止するように剛性のあるハウジングによって支持される、請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
事象トリガーは、事象トリガーが容易に設けられる凹面であり、人間の指よりも大きい、請求項12に記載の電子装置。
【請求項15】
電極トレースは、哺乳動物の動きの間の信号ひずみを最小化するように構成される、請求項1に記載の電子装置。
【請求項16】
剛性のあるハウジングへのシール可能な取付具用の手段としてガスケットをさらに備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項17】
哺乳動物における生理学的信号をモニターする方法であって、
哺乳動物に電子装置を取り付けること、ここで、電子装置は、
哺乳動物からの生理学的信号を検出するように構成された少なくとも2つの電極と、
2次信号を検出するように構成された少なくとも1つの測定器と、
電極及び剛性のあるハウジングに接続された少なくとも2つの電極トレースと、
を備え、
アーチファクトを見分けるため、生理学的信号と2次信号とを比較すること、
を備えたモニター方法。
【請求項18】
アーチファクトの識別は、生理学的信号の周波数スペクトルと2次信号の周波数スペクトルとの間の比較を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
2次信号は、動き信号を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
2次信号は、哺乳動物の活動及び位置を導き出すのに使用される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
2次信号は、3軸において集められる、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
3次信号をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
2次信号は、電子装置と哺乳動物との間の接続に関する情報を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
哺乳動物が眠っているときを検出するために2次信号を使用することをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
モジュール式生理学的モニタリング装置の部分を除去し交換する方法であって、
7日を超える期間、哺乳動物へ請求項1の装置を貼付し生理学的データを集めること、
第1の生理学的信号一式を検出するために請求項1の装置を使用すること、
哺乳動物の表面から請求項1の装置を除去すること、
請求項1の装置から第1部品を除去すること、
第2生理学的モニタリング装置へ第1部品を組み込むこと、ここで第2生理学的モニタリング装置は、第2の生理学的信号一式を検出するように構成される、
を備えた方法。
【請求項26】
第1部品は、永久的接続の使用なしに他の装置部品に電気的に接続される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
装置は、さらにバネ接続を備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
第1部品は、損傷を防ぐために剛性のあるハウジングによって2回目の使用のために保存される、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
一旦第1部品が除去されたならば、第1部品は、第2部品を再固定可能な機構によって請求項1の装置内に固定される、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照:
この出願は、2013年1月24日に出願された、発明の名称PHYSIOLOGICAL MONITORING DEVICEの米国仮出願No.61/756,326号の利益を請求する。この出願の内容は、その全体があたかも完全にここに述べられるかのように、参考としてここに組み込まれる。先の出願への優先権の利益は、制限されることなく35 U.S.C.§119(e)を含み、適切な法的根拠の下で請求される。
【0002】
発明の分野
この発明は、一般的には医療機器に関する。より具体的には、この発明は生理学的モニタリング装置及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
異常な心臓リズムあるいは不整脈は、意識喪失、動悸、めまい、あるいは死などのような種々の症状を引き起こすかもしれない。そのような症状を引き起こす不整脈は、しばしば重要な潜在的な心臓病の指標である。ペースメーカーの植え込み、あるいは経皮的カテーテル・アブレーションのような様々な手順を有する治療がこれらの問題をうまく改善することができ、著しい症状及び死を防ぐことができることから、異常な心臓リズムによりそのような症状がいつ存在するかを見極めることは重要である。
【0004】
上に挙げた症状は、しばしばそれほど重大でない他の原因のために存在する場合もあることから、重要な挑戦は、不整脈のためにそれらの症状のいずれもがいつ存在するかを決定することである。しばしば不整脈は希に及び/又は偶発的に生じ、迅速で信頼できる診断を困難にする。現在、心リズムモニタリングは、主に、胸に貼付された電極を短期間(<1日)使用するホルターモニターのような装置の使用によって主になされる。通常、ベルトに着用される記録装置にケーブルで電極が接続される。電極は毎日の取り換えを必要とする。そして、ケーブルは邪魔である。この装置は、またメモリ及び記録時間が限られている。この装置の着用は、患者の動きを邪魔し、しばしばモニターしながらの、入浴のような、ある活動を行うことを不可能にする。これらの制限のすべては、装置の診断上の有用性、装置を使用する患者の応諾、及びすべての重要な情報を捕らえる可能性をひどく妨げる。応諾のないこと及び装置の欠点は、しばしば、正確な診断をするために追加の装置の必要性、継続のモニタリングあるいは他の検査につながる。
【0005】
ホルターモニター及び心臓の事象記録器のような心リズムモニタリング装置の使用を含み、不整脈の発生と症状とを関連させる現在の方法は、正確な診断がなされることを可能にするには十分ではない。実際、ホルターモニターは、時間の90%まで診断につながらないことを示している(”Assessment of the Diagnostic Value of 24-Hour Ambulatory Electrocariographic Monitoring”、DE Ward等、著、Biotelemetry Patient Monitoring 第7巻、1980年発行)。
【0006】
さらに、心リズムモニタリング装置を実際に適用してモニタリングを始める治療工程は、典型的に非常に複雑である。そのようなモニタリング装置からのデータを整理し、追跡し、モニタリングし、回収し、分析することを含む、通常、多数のステップが存在する。ほとんどの場合、今日使用される心臓モニタリング装置は、患者のプライマリケア医(PCP)よりもむしろ、心臓病専門医あるいは心臓電気生理検査士(EP)によってオーダーされる。これは、PCPが多くの場合、患者に会い患者の症状が不整脈によるかもしれないことを決定する最初の内科医であることから、重要である。患者がPCPに診てもらった後、PCPは患者が心臓病専門医又はEPに会うための予約をするだろう。この予約は、通常、PCPへの最初の訪問から数週間であり、これは、不整脈の事象が生じ診断ができなくなる可能性を増加させるとともに、それ自体で診断の可能性の遅れに結びつく。最終的に患者が心臓病専門医あるいはEPに会うときに、心リズムモニタリング装置は通常オーダーされるだろう。モニタリング期間は、24-48時間(ホルターモニター)あるいは1か月まで(心臓事象モニターあるいは携帯遠隔測定装置)続くことがある。一旦モニタリングが完了したならば、患者は典型的にはクリニックに装置を返さなければならず、それ自体が不便になりえる。データがモニタリング会社、あるいは病院もしくはオフィスの現場における技術者によって処理された後、分析用の報告書が最終的に心臓病専門医あるいはEPへ送られるだろう。この複雑な処理は、理想的な心リズムモニタリングを受け取るであろう患者よりもより少数の患者が心リズムモニタリングを受け取ることに帰着する。
【発明の概要】
【0007】
心臓モニタリングによるそれらの幾つかの問題に取り組むために、本出願の譲受人は、小さく、長期的で、着用可能な、生理学的モニタリング装置の様々な実施形態を開発した。その装置の1つの実施形態は、Zio(登録商標)パッチ(www.irhythmtech.com)である。また、種々の実施形態が、例えば米国特許8,150,502、8,160,682、8,244,335、8,560,046、及び8,538,503に記述されており、これらのすべての開示は、参考としてここに組み込まれる。一般的に、上述の参考文献に記載された生理学的モニターは、患者の胸に快適に取り付けられ、少なくとも1週間、典型的には2から3週間、着用するように設計されている。このモニターは、装置が着用されながら心リズム信号データを連続的に検出し記録し、よってこの心リズムデータは、処理及び分析に利用可能である。
【0008】
これらのより小さく、長期的な生理学的モニタリング装置は、従来技術の装置を超える多くの利点を提供した。同時に、さらなる改善が望まれる。改善のための最も意味のある領域の1つは、記録されたECG信号の忠実度を増加させることの周囲に存在する。これは、信号における異常が不整脈あるいは信号アーチファクトによるものか否かを明らかにするためにECGの第2ベクターが利用できない単一チャンネルの実施形態に関して特に重要である。モーションアーチファクトの低減と共に信号ノイズ比の増加は、記録されたECG信号のアルゴリズム及び人間の分析の両方における効率を改善する。
【0009】
信号品質は着用の期間中重要であるが、しかし症状的な臨床的意義の領域を示す、患者が記録をマークするところが特に重要である。記録をマークすることは、装置の外表面に位置するトリガーによって最も簡単に可能になる。しかしながらトリガーは、電極を統合した皮膚接触プラットホームの一部であることから、患者は、トリガーを探るとき、かなりのモーションアーチファクトをもたらすことがある。望ましい装置改善は、最小のモーションアーチファクトの追加で作動可能な症状トリガーであろう。
【0010】
第2に、患者応諾及び装置付着性能は、ECG記録の持続期間、よって診断効率を管理する2つの要因である。応諾は、患者の着用経験を改善することにより増すことができ、これは着用の快適さ、装置の外観、及び装置が普通の日常生活動作を妨害する範囲によって影響を受ける。より長いECG記録がより良い診断効率及びよって価値を提供するならば、装置付着及び患者応諾の改善は望ましい。
【0011】
最後に、工程における反復性により、より高い品質と共に製造でのスケーラビリティを可能にするので、製造するのに装置が簡単でコスト効率のよいことが望ましい。製造の単純さは、また、分解の容易さにつながることができ、これは別の装置における品質コントロールされた再使用のためのプリント回路基板の効率的な回収を可能にする。この高価な部品の効率的な再使用は、診断モニターのコストを減少させるために重要である。少なくとも幾つかの目的は、以下に述べる実施形態によって紹介されるだろう。
【0012】
概要
ここに記述された実施形態は、少なくとも1週間もしくはより多く、及びより典型的には2から3週間もしくはより多くの間、人間又は動物の被験者によって連続的かつ快適に着用されてもよい生理学的モニタリング装置に関する。1つの実施形態において、この装置は、心リズム(すなわち、心電図、ECG)データを感知し記録するように特に設計されており、別の種々の実施形態では、一もしくは複数の追加の生理学的パラメーターが感知され記録されてもよい。生理学的モニタリング装置は、患者の体験を容易にし及び/又は増強するための、不整脈の診断をより正確にするための、及び、装置の製造をより簡単かつコスト効率良くするための、多くの特徴を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、哺乳動物における生理学的信号をモニターするための電子装置は、
剛性のあるハウジングから横に延在する少なくとも2つの柔軟なウィングと、ここでこのウィングは、哺乳動物の表面に従うことを可能にする第1の材料一式を備え、剛性のあるハウジングは第2の材料一式を備え、
剛性のあるハウジング内に収容されたプリント回路基板組立体と、ここで剛性のあるハウジングは哺乳動物の動きに応じたプリント回路基板の変形を防ぐように構成され、
柔軟なウィング内に埋め込まれた少なくとも2つの電極と、ここでこの電極は、哺乳動物の表面と等角接触を提供し、かつ哺乳動物の生理学的信号を検出するように構成され、
ウィング内に埋め込まれ、かつ剛性のあるハウジングから機械的に切り離された少なくとも2つの電極トレースと、ここでこの電極トレースは、哺乳動物の表面との等角接触を提供し、かつ電極からプリント回路基板組立体に電気信号を伝送するように構成され、
剛性のあるハウジングにウィングを接続する少なくとも1つの蝶番部と、ここでこの蝶番部は、剛性のあるハウジングに接合されるエリアで自由に曲がるように構成される、
を備える。
【0014】
ある実施形態では、各ウィングは接着剤を備えてもよい。実施形態において、電極は、接着剤と同じ平面に存在することができる。ある実施形態では、各ウィングは、少なくとも1つのリムを備え、ここでリムは、各ウィングの隣接部分よりも薄い。剛性のあるハウジングは、剛性のあるハウジングと哺乳動物の表面との間に気流を可能にするように構成されたくぼみをさらに備えてもよい。ある実施形態では、リムは、哺乳動物の表面からのウィングの一部が外れるのを防ぐように構成される。いくつかの実施形態では、生理学的システムをモニターするための電子装置は、少なくとも1つの軸における動き信号を検出するように構成された測定器を備えてもよい。この測定器は、3軸における動き信号を検出するように構成することができる加速度計でもよい。
【0015】
実施形態において、動き信号は、生理学的信号に合わせて集めることができる。ある実施形態では、生理学的信号と動き信号とが一致するとき、モーションアーチファクトが見分けられる。さらに実施形態は、プリント回路基板組立体に連結された事象(event)トリガーを必要としてもよい。いくつかの実施形態では、事象トリガー入力部は、トリガーが作動されるときに、プリント回路基板への機械的ストレスを防ぐように剛性のあるハウジングによって支持される。事象トリガーは、容易に設けられるように、凹面で人間の指よりも大きくてもよい。ある実施形態では、電極トレースは、哺乳動物の移動中の信号ひずみを最小化するように構成される。特別な実施形態では、剛性のあるハウジングへの密封取付具用の手段としてガスケットが使用されてもよい。
【0016】
ある実施形態において、哺乳動物における生理学的信号をモニターする方法は、
哺乳動物に電子装置を取り付けること、ここで装置は、
哺乳動物から生理学的信号を検出するように構成された少なくとも2つの電極と、
2次信号を検出するように構成された少なくとも1つの測定器と、
電極及び剛性のあるハウジングに接続される少なくとも2つの電極トレースと、
を備え、
アーチファクトを見分けるため、生理学的信号と2次信号とを比較すること、
を備えてもよい。
【0017】
ある実施形態において、アーチファクトの識別は、生理学的信号の周波数スペクトルと2次信号の周波数スペクトルとの間の比較を備える。実施形態では、2次信号は、哺乳動物の活動及び位置を得るために使用されてもよい動き信号を備える。ある実施形態では、2次信号は3軸において集められる。いくつかの実施形態では、また3次信号も集められてもよい。ある実施形態では、2次信号は、電子装置と哺乳動物との間の接続に関する情報を備える。いくつかの実施形態では、2次信号は、哺乳動物が寝ているときを検出するために使用されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、モジュール式の生理学的モニタリング装置の部分を除去し交換する方法は、
7日を超える期間、哺乳動物へ請求項1の装置を適用して生理学的データを集めること、
第1の一連の生理学的信号を検出するために請求項1の装置を使用すること、
哺乳動物の表面から請求項1の装置を除去すること、
請求項1の装置から第1部品を除去すること、
第2生理学的モニタリング装置へ第1部品を組み込むこと、ここで第2生理学的モニタリング装置は、第2の一連の生理学的信号を検出するように構成される、
を備えてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1部品は、永久的な接続を使用することなく他の装置部品に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、装置は、さらにバネ接続を備えてもよい。ある実施形態では、第1部品は、損傷を防ぐために剛性のあるハウジングによって2回目の使用のために取っておかれてもよい。特別な実施形態では、第1部品は、一旦第1部品が除去されたならば、第2部品を再固定可能な機構によって装置内に固定される。
【0020】
この発明のこれら及び他の態様並びに実施形態は、図面を参照してより詳細に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A図1A及び図1Bは、1つの実施形態による生理学的モニタリング装置の斜視図及び分解斜視図である。
図1B図1A及び図1Bは、1つの実施形態による生理学的モニタリング装置の斜視図及び分解斜視図である。
図2A図2A及び図2Bは、生理学的モニタリング装置のプリント回路基板組立体の上面及び底面の斜視図である。
図2B図2A及び図2Bは、生理学的モニタリング装置のプリント回路基板組立体の上面及び底面の斜視図である。
図3A図3Aから図3Eは、生理学的モニタリング装置の可撓体及びガスケットの斜視図及び分解図である。
図3B図3Aから図3Eは、生理学的モニタリング装置の可撓体及びガスケットの斜視図及び分解図である。
図3C図3Aから図3Eは、生理学的モニタリング装置の可撓体及びガスケットの斜視図及び分解図である。
図3D図3Aから図3Eは、生理学的モニタリング装置の可撓体及びガスケットの斜視図及び分解図である。
図3E図3Aから図3Eは、生理学的モニタリング装置の可撓体及びガスケットの斜視図及び分解図である。
図4図4は、生理学的モニタリング装置の剛性のあるハウジングの分解図である。
図5A図5Aから図5Bは、生理学的モニタリング装置のバッテリーホルダーの斜視図である。
図5B図5Aから図5Bは、生理学的モニタリング装置のバッテリーホルダーの斜視図である。
図6A図6A及び図6Bは、生理学的モニタリング装置の横断面図である。
図6B図6A及び図6Bは、生理学的モニタリング装置の横断面図である。
図7図7は、1つの実施形態による、多くの任意アイテムを含む生理学的モニタリング装置の分解図である。
図8A図8A及び図8Bは、体の動き及び位置に従うために装置がどのようにして曲がるかを示しながら、生理学的モニタリング装置を着用している2人の斜視図である。
図8B図8A及び図8Bは、体の動き及び位置に従うために装置がどのようにして曲がるかを示しながら、生理学的モニタリング装置を着用している2人の斜視図である。
図9A図9Aから図9Fは、1つの実施形態による、患者の体に生理学的モニターを適用する種々のステップを示す。
図9B図9Aから図9Fは、1つの実施形態による、患者の体に生理学的モニターを適用する種々のステップを示す。
図9C図9Aから図9Fは、1つの実施形態による、患者の体に生理学的モニターを適用する種々のステップを示す。
図9D図9Aから図9Fは、1つの実施形態による、患者の体に生理学的モニターを適用する種々のステップを示す。
図9E図9Aから図9Fは、1つの実施形態による、患者の体に生理学的モニターを適用する種々のステップを示す。
図9F図9Aから図9Fは、1つの実施形態による、患者の体に生理学的モニターを適用する種々のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
以下の記載は多くの様々な実施形態に関する。しかしながら、記述された実施形態は、この発明の権利範囲から外れることなく多くの異なる方法において実施され及び/又は変更されてもよい。例えば、記述された実施形態は、多くの生理学的パラメーターのいずれをもモニターする、いかなる適切な装置、器具、あるいはシステムにおいて実施されてもよい。例えば、以下の論議は、主として長期で、パッチに基づいた心リズムモニタリング装置に着目する。1つの代わりの実施形態では、生理学的モニタリング装置は、例えば、パルスオキシメトリ、及び閉塞型睡眠時無呼吸の診断に使用されてもよい。種々の代わりの実施形態では、生理学的モニターの1つのサイズは、成人患者用に使用されてもよく、別のサイズは小児科の患者用に使用されてもよい。生理学的モニタリング装置の使用方法は、また変化するかもしれない。幾つかの場合では、装置は1週以下の間、着用されるかもしれない。一方、他の場合では、装置は少なくとも7日間、及び/又は7日を超える間、例えば14日と21日との間、あるいはさらに長い間、着用されるかもしれない。他の多くの代わりの実施形態、及び記述した技術の適用が可能である。よって、以下の記述は、例示の目的だけのために提供される。明細書全体を通して、用語「等角(conformal)」に言及がなされるかもしれない。これは、本明細書で使用される「等角」は、第1面あるいは構造が第2面あるいは構造の輪郭に十分に適合するところの面間あるいは構造間の関係を言うものと当業者によって理解されるだろう。
【0023】
図1A及び図1Bを参照して、生理学的モニタリング装置100の1つの実施形態の斜視図及び分解図が提供される。図1Aに示されるように、生理学的モニタリング装置100は、防水性で剛性のあるハウジング115と結び付けられた可撓体110を含んでもよい。可撓体110(これは「フレキシブル基板」あるいは「フレキシブル構成体」と呼ばれるかもしれない)は、典型的には2つのウィング130,131と、2つの柔軟な電極トレース311,312とを含み、ウィング130,131は、剛性のあるハウジング115から横に延在し、2つの柔軟な電極トレース311,312の各々は、ウィング130,131の1つに埋め込まれている。各電極トレース311,312は、可撓体110の底面において柔軟な電極(図1Aでは見えない)に連結される。電極は、モニタリング装置100が取り付けられる患者からの心臓リズム信号を感知するように構成される。よって電極トレース311,312は、剛性のあるハウジング115に収容された電子機器(図1Aにおいて見えない)にそれらの信号を伝送する。剛性のあるハウジング115は、また典型的には一もしくは複数のバッテリーのような電源を含んでいる。
【0024】
さらに詳細に以下に説明されるように、柔軟な電極及び電極トレース311,312を含む、非常に柔軟な可撓体110と、非常に剛性のあるハウジング115との組み合わせは、多くの利点を提供するかもしれない。例えば、可撓体110は、外されずに14日以上の間、患者による装置100の快適な着用を容易にする構成及び様々な特徴を含む。剛性のあるハウジング115、これらは典型的にはここに記述された実施形態では患者に付着しない、は、装置100の快適さにつながる特徴を含む。剛性のあるハウジング115は、またハウジング120に含まれる電子機器及び電源を保護し、心臓の事象に関する入力を供給する患者の能力を増し、ハウジング115の内容物の少なくともいくつかの簡単な製造及び再使用性を可能にする。生理学的モニタリング装置100のこれら及び他の特徴は、より詳しく以下に記述される。
【0025】
図1Bを参照して、生理学的モニタリング装置100の部分的な分解図は、ハウジング115内に含まれハウジング115を構成する部品部分をより詳細に図示する。この実施形態では、剛性のあるハウジング115は、上部ハウジング部材140を含み、これは下部ハウジング部材145と着脱可能に連結される。上部ハウジング部材140と下部ハウジング部材145との間に挟まれたものは、上部ガスケット370、及び下部ガスケット360(図1Bでは見えないが、上部ガスケット370のすぐ下)である。ガスケット370,360は、組み立てられたとき、剛性のあるハウジング部材115を防水にするのに役立つ。モニタリング装置100の多くの部品は、上部ハウジング部材140と下部ハウジング部材145との間に収容されるかもしれない。例えば、1つの実施形態において、ハウジング115は、可撓体110の一部、プリント回路基板組立体(PCBA)120、バッテリーホルダー150、及び2つのバッテリー160を含んでもよい。プリント回路基板組立体120は、電極トレース311,312及びバッテリー160を接続するようにハウジング115内に位置決めされる。様々な実施形態において、一もしくは複数の追加の部品が剛性のあるハウジング115の内側に含まれているか、あるいはハウジング115に取り付けられてもよい。これらの任意の部品のいくつかは、さらなる図を参照して、さらに以下に記述される。
【0026】
様々な代わりの実施形態によれば、バッテリーホルダー150は、2つのバッテリー(図示した実施形態におけるように)、1つのバッテリー、あるいは2つを超えるバッテリーを保持してもよい。他の代わりの実施形態では、他の電源が使用されてもよい。示された実施形態では、バッテリーホルダー150は、ホルダ150にバッテリー160を保持するための多数の保持タブ153を含む。追加的に、バッテリーホルダー150は、PCBA120の表面からのバッテリー160の正確な間隔を確立するため、及び弾性フィンガー235、236との適切な接触を確保するために、多数の足部152を含む。この実施形態では、PCBA120へバッテリー160をはんだ付けするよりもむしろ弾性フィンガー235、236が使用される。代わりの実施形態でははんだ付けが使用されるかもしれないが、弾性フィンガー235,236の1つの利点は、PCBA120及びホルダ150から、どちらの部品も損傷することなくバッテリー160を取り外すことを可能にし、よって両者の多数の再使用を可能にするという点である。はんだ接合を排除することは、またモニタリング装置100の組み立て及び分解を単純化しスピードアップする。
【0027】
いくつかの実施形態では、上部ハウジング部材140は、患者事象トリガーとして働いてもよい。患者が心リズムモニタリング用に生理学的モニタリング装置100を着用しているとき、患者によって知覚されたいかなる心臓の事象も、患者が装置100に登録することができる(すなわち、装置のメモリにログインする)ことは典型的に利点である。心臓不整脈の発症であると患者が信じるものを彼/彼女が感じたならば、例えば、患者はなんとかして装置100をトリガーするかもしれず、よって知覚された事象の記録が供給される。ある程度後に、患者の記録され知覚された事象は、装置100によって記録された、患者の実際の心臓リズムと比較することができるかもしれず、そしてこれは、患者の知覚された事象が実際の心臓の事象と関連するかどうかを判断するのに役立つかもしれない。しかしながら、現在利用可能な着用可能な心リズムモニタリング装置において患者事象トリガーに関する1つの問題は、特にモニタリング装置は典型的に衣類の下に着用されることから、小さなトリガーは見つけて及び/又は作動させるのが難しいかもしれないということである。さらに、トリガーボタンを押すことは、そのときに記録された心臓リズム信号が、患者トリガリングにより装置に引き起こされた動きによって簡単に変更されるというように、装置における電子機器及び/又は電極に影響を与えるかもしれない。例えば、トリガーを押すことは、実際の不整脈事象が生じなかったとしても、そのときの記録された心臓リズム信号が不整脈のように現われるように、一つあるいは両方の電極を振動させるかもしれない。さらに、例えばモニタリング装置上に寝ているあるいは横になっている間に、トリガーが不注意に作動されるかもしれないという可能性もある。
【0028】
しかしながら、図1A及び図1Bに示される実施形態では、剛性のあるハウジング115は十分に剛性があり可撓体110は十分に柔軟であり、患者によってハウジング115に加えられたその動作は、電極により感知されるべき異常な信号をめったにあるいは常に引き起こすものではないかもしれない。この実施形態では、上部ハウジング部材140の中央部分はわずかに凹面であり、装置100を着用している患者によって押されたとき、この中央部分は、PCBA120にトリガー入力を引き起こすためにわずかに押し下がる。それがわずかに凹面であるという事実と結合して、剛性のあるハウジング115の全上部表面が患者事象トリガーとして働くことから、衣類の下でさえ、患者がトリガーを見つけて押し下げることは一般的に非常に容易になるだろう。さらに、ボタンの凹面特徴は、凹所にものを置くことを可能にし、不注意な起動からそれを保護する。よって、本実施形態は、現在利用可能な心臓リズムモニターにおいて患者事象トリガーにより遭遇する問題のいくつかを緩和するかもしれない。図1A及び図1Bに示される特徴のこれら及び他の態様は、さらに詳細に以下に記述されるだろう。
【0029】
図2A及び図2Bを参照して、プリント回路基板組立体120(あるいは「PCBA」)は、上面220、底面230、患者トリガー入力部210、及び弾性接点235、236、237を含んでもよい。プリント回路基板組立体120は、機械的に電子部品を支持し、かつ、導電性の経路、トラックあるいは電極トレース311,312を使用して電気的に接続するために使用されてもよい。さらに、PCBA120の繊細な特徴及び剛性のある本体部115との機械的な接続要求のため、ECG信号へノイズあるいはアーチファクトを導入するかもしれない望まない撓みを防止するのに十分な実質的な剛性をPCBA120に持たせることは有益である。これは、剛性のある本体部115を通してそしてPCBA120へ力が伝えられるときの、患者トリガー起動の間に特に起こり得る。PCBAの剛性を確保する一つの方法は、PCBAの厚さが相対的にある値よりも上であることを保証することである。例えば、少なくとも約0.08cmの厚さが望ましく、より好ましくは、少なくとも約0.17cmの厚さが望ましい。この出願では、PCBA120は、また、プリント回路基板(PCB)、プリント配線板(PWB)、エッチングされた配線板、あるいはプリント回路組立品(PCA)と呼ばれてもよいし、あるいは置き換えられてもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤラップあるいはポイントツーポイント構造がPCBA120に加えて、あるいはPCBA120の代わりに使用されてもよい。PCBA120は、アナログ回路及びディジタル回路を含んでもよい。
【0030】
患者トリガー入力部210は、上で述べた上部ハウジング部材140のような、患者トリガーからPCBA120への信号を中継するように構成されてもよい。例えば、患者トリガー入力部210は、患者トリガー(すなわち上部ハウジング部材140の上部表面)からの圧力に反応するPCBスイッチあるいはボタンであってもよい。種々の実施形態において、患者トリガー入力部210は、表面実装型スイッチ、タクトスイッチ、LED照明型タクトスイッチ、等であってもよい。いくつかの実施形態では、患者トリガー入力部210は、またLEDのようなインジケータを作動させてもよい。
【0031】
ここに記述される装置100のような小さな、2つの電極の生理学的モニタリング装置によって人間あるいは動物の被験者から心臓リズム信号を集めることにおいて一つの重要な挑戦は、2つの電極だけを有することが、アーチファクトと臨床的に重要な信号とを区別しようとするときに、時々、制限された考え方を与えることがあるということである。例えば、左利きの患者が彼女の左胸に小さな2つの電極の生理学的モニタリング装置を着用しながら歯を磨くとき、歯磨きは、しばしば、重大な心臓不整脈に非常に類似している心室性頻拍を、記録される信号に出現させるというモーションアーチファクトをもたらすかもしれない。さらにリード線を加えること(及び、よってベクタ(vectors))は、この関係の緩和に向けた従来のアプローチであるが、しかし、これは、ホルターモニターでのように、患者の胸の様々な場所に付着した余分なケーブルを加えることによって典型的に行われる。このアプローチは、生理学的モニタリング装置100のような小さく、着用可能な長期モニターと調和しない。
【0032】
上述した問題への代わりのアプローチは、信号識別を助けるために一もしくは複数の追加のデータチャンネルを設けることである。いくつかの実施形態において、例えば、装置100は、パッチの動きを検出するデータチャンネルを含んでもよい。ある実施形態では、加速度計は、単一軸測定の大きさの変化、あるいは代わりに3軸すべての組み合わせの大きさの変化を単に分析することにより、パッチの動きを提供するかもしれない。この加速度計は、記録されたECG信号の周波数スペクトルとその周波数スペクトルとのアルゴリズムの比較を可能にする十分なサンプリングレートで、装置の動きを記録してもよい。その動きと記録された信号との間に一致がある場合には、その時間に装置が記録したのは臨床の(例えば、心臓)源からではなく、よって信号のその部分は確信してアーチファクトとしてマークすることができるということは明らかである。この技術は、大きな振幅アーチファクトとともに動きの迅速な周波数が、心拍数、及び心室性頻拍のような潜在的に生命に危険のある不整脈の形態にそれぞれ類似している、上述した例の歯磨き動作に特に役立つかもしれない。
【0033】
いくつかの実施形態では、そのような解析のために3軸すべての大きさを使用することは、活動の変化よりもむしろ位置の移動によるいかなる値の急変動も平らにするだろう。他の実施形態では、ウォーキングあるいはランニングに関連した上向き及び下向きの体の動きによってもたらされる特定種類のアーチファクトに注目するため、体の長手方向軸に沿うような特定の測定軸を使用することにおいて、いくらかの利点があるかもしれない。同様に、加速度計とともにジャイロスコープの使用は、経験のある動きの特徴についてさらなる解決を提供するかもしれない。全身動作は、加速度計それだけで十分に解析されるかもしれないが、腕の動きによる回転運動のような興味深い特定の動きは、加速度計だけでは識別することができないかもしれないほど十分に複雑である。
【0034】
モーションアーチファクトの検出に加えて、人間の身体活動のダイナミックレンジに合わせた加速度計は、記録中の患者の活動レベルを提供するかもしれない。これはまた、真の不整脈検出アルゴリズムの精度を増すことができる。装置100の単一リード線制限がある場合には、上室性頻拍のような、速さの変化に加えて殆ど目立たない波(例えばP波)の観察を必要とする不整脈は、人間の目を訓練することのみならずコンピューター処理されるアルゴリズムの両方への挑戦を引き起こす。特にこの不整脈はまた、その突然の発症性質が特徴であり、このことは、心拍数の増加と同時に患者の活動レベルの突然の急増が検出された場合には、非病理学的な洞性頻脈から、より確信して区別されるかもしれない。おおまかに言えば、臨床の専門家への活動情報の提供は、運動誘発性の不整脈とそうでないものとを識別することを助けるかもしれない。モーションアーチファクト検出と同様に、特別の方向に最適化された単一軸の加速度計測定は、ウォーキングあるいはランニングのような活動の種類をより明確に決定することを援助するかもしれない。この追加の情報は、症状をより明確に説明することを助け、それによって、それに続く治療動作の推移に影響を与えるかもしれない。
【0035】
ある実施形態において、3軸を有する加速度計は、運動の大きさが提供可能なものを超えた利点を与えるかもしれない。患者が素早く移動していないとき、3次元の加速度計の読み取り値は、PCBA120の傾き、したがってその元の配向に関連する体の方向に近似するかもしれない。体の元の方向は、体への装置の適切な位置及び適用に必要な直立あるいは仰臥位のいずれかにあると仮定することができる。この情報は、しばしば心不全の場合において現れる、周期的な振幅変化が観察される心臓交互(cardiac alternans)のような心拍間隔形態の変化として、ある心臓の状態を除外することを援助するかもしれない。同様に心拍間隔形態の変化は、例えば直立から前屈みの位置への、電極ベクターに関して心臓の位置が変わることによって体位が移るときには、健康な被験者においても観察可能である。設計によって単一チャンネルの装置100は、形態における潜在的な病理変化を容易に除外するために代替のECGチャンネルを有さないが、しかしながら、体の向きの移行との相関関係は、それらの正常な変化を説明し、誤った診断による不必要な治療を回避するのに役立つだろう。
【0036】
他の実施形態では、加速度計はまた、体の向き及び動きに基づいて、睡眠表示器として使用してもよい。臨床的症状(例えば脈の結滞(pauses))があるとき、睡眠中に起こる事象を起きている間に起こるものから明確に分離する方法で情報を示すことができることは診断上有用である。実際、ECG由来の呼吸数だけに関するような、あるアルゴリズムは、患者が比較的静止した状態にありよって呼吸による胸の動きにより導かれる微妙な信号変調が観察できるとき、走ることと理解できる。呼吸数情報は、ある患者母集団における睡眠時無呼吸を検出するのに必要な情報の一つのチャンネルとして有用である。
【0037】
ある実施形態において、加速度計はまた、失神のような自由落下を検出するために使用されてもよい。加速度計によって装置100は、患者のトリガーに頼ることなく、失神(意識喪失)及び他の自由落下事象をマークすることができるかもしれない。そのような重大な事象の適時な検出を可能にするために、装置100のような小さく着用可能な装置のバッテリー及びメモリの制限をさらに考慮して、加速度計の読み取り値の取得は、一気に行われ、潜在的な自由落下のような興味のある情報のみが高いサンプリングレートでメモリに書かれる。この事象トリガー発想の発展したものは、先に述べたボタンの代わりに、あるいはボタンと共に患者トリガーとして装置100における特定のタッピング動作を使用することである。複数種類の連続したタッピングの使用及び検出は、起こった事実の後にトリガー日誌にその症状及び持続時間を手で記録するような患者への依存の代わりに、患者がまさに感じたことをより良い分解能及び精度で提供するかもしれない。そのように加えられた分解能の一例は、連続するタップの数によって症状の重症度を示すことである。
【0038】
あるいはまた他の実施形態において、装置の動きと患者の体の動きとを識別するために光学センサが使用されてもよい。さらに、追加の実施形態では、装置はボタンあるいはトリガーを必要としないかもしれない。
【0039】
生理学的モニタリング装置100に加えられてもよい別の任意的なデータチャンネルは、装置100の柔軟さ及び/又は屈曲さを検出するためのチャンネルである。種々の実施形態において、例えば、装置100は、装置100自身におけるモーションアーチファクトを検出し、よってモーションアーチファクトと心リズムデータとを識別するのに役立つように、歪みゲージ、圧電センサ、あるいは光学センサを含んでもよい。さらに、装置100用の別の任意的なデータチャンネルは、心拍数を検出するためのチャンネルであってもよい。例えば、パルスオキシメーター、マイクロホン、あるいは聴診器は、心拍数情報を提供するかもしれない。余分の心拍数データは、アーチファクトからECG信号の識別を容易にするかもしれない。これは、上室性頻拍のような不整脈がアーチファクトによって中断され、発症が実際には多数のより短い発症か、一つの持続した発症かを決定しなければならないような場合に特に役立つ。別のデータチャンネルは、周囲の電気的ノイズを検出するために含まれてもよい。例えば、装置100は、電磁干渉を捕らえるためのアンテナを含んでもよい。電磁干渉の検出は、実際のECG信号から電気的ノイズの識別を容易にするかもしれない。上述のデータチャンネルのいずれも将来のノイズ判別を支援するために保管されてもよく、あるいはリアルタイムにおける臨床的妥当性の即時の決定に適用されてもよい。
【0040】
図3A及び図3Bを参照して、可撓体110が非常に詳しく示されている。図3Aに図示されるように、可撓体110は、ウィング130,131、各ウィング130,131の周りの少なくとも一部の薄い縁部133(あるいは「リム」あるいは「エッジ」)、電極トレース311,312、及び、剛性のあるハウジング115を有する各ウィング130,131の接合部あるいはその付近での蝶番部(あるいは「肩部」)132を含んでもよい。また、図3Aには上部ガスケット370が示され、これはこの記載に関して可撓体110の一部とは考えないが、剛性のあるハウジング115への可撓体110の取り付けを容易にする。
【0041】
蝶番部132は、比較的薄く、可撓体110の柔軟な部分よりもさらに薄い。これらは、剛性のあるハウジング115に結合されるエリアで可撓体110が自由に曲がることを可能にする。このことは、患者が動いたとき、ハウジング115が患者の皮膚の自由な剥離を可能にするので、快適さを増す。また電極トレース311,312は、信号ひずみなく患者の移動を可能にするように非常に薄く柔軟である。縁部133は、可撓体110の一部分であり、直接隣接した部分よりも薄く、可撓体110から患者の皮膚への滑らかな遷移部を提供し、それによりエッジリフトを防止し可撓体110の下へのゴミあるいは破片の侵入を防止する。
【0042】
図3Bに非常に詳しく示すように、可撓体110は、多層を含んでもよい。先に述べたように、この記載の目的で上部ガスケット370及び下部ガスケット360は、可撓体110の一部と考えないが、記載の完全性のために示される。この区別は記載の容易さのみのためであり、特許請求された発明の権利範囲を制限するように解釈されるべきではない。可撓体110は、上部基板層300、底部基板層330、粘着層340、及び可撓性電極350を含んでもよい。上部及び底部の基板層300,330は、一もしくは複数の柔軟な重合体のようないかなる適切な可撓性材料で作製されてもよい。適切な柔軟な重合体は、次のものに限定されないが、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン(登録商標)、テフロン(登録商標)、及びカーボンを含浸したビニールを含むことができる。基板層300,330の材料は、所望の特性に基づいて選択されてもよい。例えば、基板層300,330の材料は、可撓性、弾性、耐久性、通気性、水分蒸散性、付着性、及び/又はそのようなものに関して選ばれてもよい。一つの実施形態では、例えば、上部基板層300は、ポリウレタンで作製されてもよく、底部基板層330は、ポリエチレンあるいは代わりにポリエステルで作製されてもよい。他の実施形態では、基板層300,330は、同じ材料で作製されてもよい。さらに別の実施形態では、基板層330は、より高い通気性及び水分蒸散性を提供するために、粘着層340を覆うエリアに複数の穿孔を含んでもよい。種々の実施形態において、生理学的モニタリング装置100は、着用の時間中外されることなく、かつシャワー中、運動中等において装置が着用された状態で、14-21日あるいはこれ以上の間、患者によって連続的に着用されるかもしれない。したがって、使用される材料、基板層300,330の厚さ及び構成は、生理学的モニタリング装置100の機能にとって本質的なものかもしれない。いくつかの実施形態では、基板層300,330の材料は、アーキングを防ぐために電気的静電放電(ESD)として働く。
【0043】
典型的には、上部及び底部の基板層300,330は、1もしくは両方の層300,330に置かれた接着剤を介してお互いに取り付けられている。例えば、基板層300,330の間の接着剤あるいはボンディング基板は、アクリル系、ゴム系、あるいはシリコーン系の接着剤であってもよい。他の代わりの実施形態では、可撓体110は、2つを超える可撓性材料の層を含んでもよい。
【0044】
材料の選択に加えて、基板層300,330の寸法-厚さ、長さ、幅は、可撓体110の所望の特性に基づいて選択されてもよい。例えば、様々な実施形態において、基板層300,330の厚さは、約0.1mmと約1.0mmとの間の全体厚を、可撓体110に与えるように選択されてもよい。種々の実施形態によれば、可撓体110はまた、約7cmと15cmとの間の長さ、及び約3cmと約6cmとの間の幅を有してもよい。一般的に、可撓体110は、電極350間に必要な量の分離を設けるために十分な長さを有するだろう。例えば、1つの電極350の中心から他の電極350の中心までの距離は、少なくとも約6.0cmで、より好ましくは少なくとも約8.5cmであるべきである。この分離距離は、適用に応じて変更してもよい。いくつかの実施形態では、基板層300,330は、すべて同じ厚さを有してもよい。あるいはまた2つの基板層300,330は、異なる厚さを有するかもしれない。
【0045】
上述したように、蝶番部132は、可撓体110が皮膚に付着されたままで、剛性のある本体部115が患者から離れて上がることを可能にする。蝶番部132の機能性は、皮膚を伸ばし及び圧縮するかもしれない様々な活動のすべてにわたり装置が患者に付着され続けることを可能にすることにおいて重要である。さらに蝶番部132は、装置を着用している間、著しく改善された快適さを可能にする。一般的に、蝶番部132は、可撓体110に非常に大きな剥離力を生成することなく、剛性のある本体部115の適切な持ち上げを提供するのに十分に幅広であろう。例えば、種々の実施形態において、蝶番部132の幅は、少なくとも約0.25cmで、より好ましくは少なくとも約0.75cmであるべきである。
【0046】
さらに、可撓体110の形状あるいは設置面積は、所望の特性に基づいて選択されてもよい。図3Aに示されるように、ウィング130,131及び縁部133は、可撓体110に全体的に見て「ピーナッツ」形状を与える丸まったエッジを有してもよい。しかしながらウィング130,131は、長方形、楕円形、環状形あるいは短冊形のような、いかなる数の異なる形状にて形成することができる。図3A及び図3Bに示される実施形態において、上部基板層300の設置面積は、上部基板層300の拡張部が縁部133を形成するので、底部基板層330の設置面積よりも大きい。よって縁部133は、上部基板層300が作製されているのと同じポリウレタン材料で作製されている。縁部133は、上部基板層300にのみ含まれるので、各ウィング130,131の隣接した部分よりも薄い。薄く、非常に柔順なリム133は、ウィング130,131のわずかに厚い隣接部分から患者の皮膚まで遷移部を提供し、それにより装置110の縁が皮膚から剥離するのを防ぐのに役立つことから、生理学的モニタリング装置100の患者への粘着性を増すだろう。縁部133はまた、可撓体110の下にゴミ及び他の破片の収集を防ぐのに役立つかもしれず、このことは、皮膚への粘着性を促進し、また装置110の美観を増すのにも役立つかもしれない。代わりの実施形態では、基板層300,330の設置面積は、縁部133を無くすことで、同じであってもよい。
【0047】
図1A図3Bに図示した実施形態では、ほぼ反対方向(すなわち互いに関して180度の角度で)にて剛性のあるハウジング115から延在する、2つのウィング130,131だけを含んでいるが、代わりの実施形態では他の構成も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、ウィング130,131は、互いに関して非対称の方向に配置されてもよいし、及び/又は一もしくは複数のウィングが含まれてよい。生理学的信号のモニタリングを可能にするために十分な電極間隔が設けられる限り、及び、ウィング130,131が皮膚への長期にわたる(extended)取り付けを提供するように構成される限り、いかなる適切な構成及び数のウィング130,131及び電極トレース311,312が使用されてもよい。上で説明した実施形態は、粘着性、患者の快適性、及び集められた心臓リズムデータの精度に関して有利であることが判明したが、代わりの実施形態では、代わりの構成を実施することが可能かもしれない。
【0048】
粘着層340は、底部基板層330の底面の2つの部分に貼付される接着剤であり、その各部分は、ウィング130,131の一つに対応する。よって粘着層340は、剛性のあるハウジング115が装着される底部基板層330の部分には延在しない。比較的快適でかつ皮膚のかぶれの無い状態で患者皮膚への長期付着の提供のために、ある接着剤が好適であると分かっているけれども、粘着層340は、いかなる適切な接着剤で作られてもよい。例えば、一つの実施形態では、粘着層340は、親水コロイド接着剤である。別の実施形態では、粘着層340は、発汗の間、皮膚から水分を取る、天然由来あるいは合成の吸収材料を含む親水コロイド接着剤で構成される。
【0049】
粘着層340の2つの部分の各々は、電極350の一つが嵌まり込む穴を含む。電極350は、さらに可撓体110の全体的な順応性を提供するために可撓性材料で作製されている。一つの実施形態では、例えば、可撓性電極350は、ヒドロゲル350で作製されてもよい。電極350は、一般的に、皮膚との増強された電気的接続を提供し、かつモーションアーチファクトを低減するために、皮膚と等角で非刺激性の接触を提供する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲル電極350は、粘着層340へパンチされ、それにより穴を形成し穴をヒドロゲル電極350で埋めてもよい。一つの代わりの実施形態では、電極350及び粘着層340は、導電材料で作られた粘着層と取り替えられてもよく、その結果、各ウィング130,131の下側の全粘着層は、電極として働く。そのような粘着層は、ハイブリッド粘着/導電性物質、もしくは導体性エレメントあるいは粒子と混合した粘着物質を含んでもよい。例えば、1つの実施形態では、そのような粘着層は、ヒドロゲルと親水コロイド接着剤との混成物であってもよい。
【0050】
上述したようにいくつかの実施形態では、粘着層340は、下部基板層330の下側の一部をカバーしてもよく、その結果、可撓体110の底面側の少なくとも一部は、粘着層340を含んでいない。図3Aに示すように、蝶番部132は、粘着層340が貼付されない各ウィング130,131の部分として、可撓体110に形成されてもよい。蝶番部132は、一般に、剛性のあるハウジング115と可撓体110との接合部にあるいはその付近に位置し、よって患者の移動に順応するように装置100の屈曲を提供する。いくつかの実施形態において蝶番部132は、ウィング130,131の隣接部分の幅よりも小さい幅を有してもよく、よって、上述した「ピーナッツ」形を装置100に与える。図8に示すように、患者が動くとき、装置100は患者の動きと共に屈曲する。装置の屈曲は過酷になるかもしれず、長期モニタリングの間に多数回生じるだろう。蝶番部132は、患者への動的な順応性を可能にしてもよく、一方、剛性のあるハウジング115は、装置の屈曲の間に飛び上がり患者の皮膚から離れることを可能にしてもよく、したがって、その縁にて皮膚から装置100が剥離するのを防止する。
【0051】
可撓体110は、さらに、上部基板層300と下部基板層330との間にはさまれた2つの電極トレース311,312をさらに含む。電極トレース311,312のそれぞれは、電極界面部分310及び心電図回路界面部分313を含んでもよい。図3C及び図3Dに示すように、ECG回路界面部分313は、弾性フィンガー237と物理的な接触にあり、装置100あるいは着目された装置部分101が組み立てられたとき、PCBA120と電気通信を提供する。電極界面310は、ヒドロゲル電極350に接触する。よって、電極トレース311,312は、電極350からPCBA120へ心リズム信号(及び/又は様々な実施形態において他の生理学的データ)を伝送する。
【0052】
電極トレース311,312の材料及び厚さは、可撓性、耐久性、及び信号伝送の所望の組み合わせを提供するために重要である。例えば、一つの実施形態では、電極トレース311,312は、銀(Ag)及び塩化銀(AgCl)の組み合わせを含んでもよい。銀及び塩化銀は、複数の層に配置されてもよい。例えば、電極トレース311,312の一つの実施形態は、銀の上層、カーボンを含浸したビニールの中間層、及び塩化銀の底層(患者に面する)を含んでもよい。別の実施形態では、電極トレース311,312の上層及び底層の両方は、塩化銀で作られてもよい。一つの実施形態では、上層及び底層は、銀インク及び塩化銀インクのそれぞれの形態で中間層に適用されてもよい。代わりの実施形態では、各電極トレースは、銀の上層及び塩化銀の底層のように、2つの層だけを含んでもよい。種々の実施形態において、AgClのような各電極トレース311,312の底層の材料は、ヒドロゲル電極350の化学的性質と一致し、かつ患者の体と半電池を生成するように選択してもよい。
【0053】
電極トレース311,312の厚さは、多くの望ましい特性のいずれも最適化するように選択されるかもしれない。例えば、いくつかの実施形態では、電極トレース311,312の少なくとも1つの層は、アノード/カソード効果からの材料の減損を時間にわたって最小化あるいは遅くらせるために十分な厚さであることができる。追加的に、その厚さは、所望の可撓性、耐久性、及び/又は信号伝送品質のために選択されてもよい。柔軟な電極トレース311,312は、一般的に、患者の皮膚との等角接触を提供するのに役立つかもしれず、また、電極350が皮膚から剥離あるいは持ち上がるのを防止するのに役立つかもしれず、それにより、電極350へのストレスの転送を最小化することによって強いモーションアーチファクト排除及び優れた信号品質を提供する。
【0054】
上述のように、いくつかの実施形態では、上部ガスケット370及び底部ガスケット360は、可撓体110の上部基板300及び下部基板330に取り付けられてもよい。ガスケット360,370は、例えばウレタンのような、いずれの適切な材料で作られてもよく、これは、上部ハウジング部材140と剛性のあるハウジング115の下部ハウジング部材145との間に水密シールを提供する。1つの実施形態において、上部ガスケット370及び/又は底部ガスケット360は、粘着面を含んでもよい。図3Eはさらに別の実施形態を図示し、ここでは、上部基板300にさらに粘着されながら上部ハウジング140の輪郭から離れて突出するタブ371を、上部ガスケット370は含んでいる。タブ371は、電極トレース311,312の一部を覆い、可撓体が剛性のあるハウジングに遭遇するところの最も高いストレスポイントで、それぞれのトレースに関して負荷軽減を提供する。
【0055】
図4を参照して、剛性のあるハウジング115の上部ハウジング部材140及び下部ハウジング部材145が非常に詳しく示されている。上部及び下部ハウジング部材140,145は、剛性のあるハウジング115内に含まれるPCBA120、バッテリーホルダー150、バッテリー160、及び他の部品を含むために、ガスケット360,370と共に連結されたとき、防水筐体を形成するように構成されてもよい。ハウジング部材140,145は、例えば耐水性プラスチックのような、内部部品を保護するためにいかなる適切な材料で作られてもよい。一つの実施形態では、上部ハウジング部材140は、剛性のある側壁440、PCBAにおけるLEDからハウジング部材を通して視覚情報を伝導するライトパイプ410、わずかに柔軟な上面420、及び上面420から内部へ延在する内部トリガー部材430を含んでもよい。上面420は、患者が不整脈あるいは他の心臓の事象であると信じるものに気づいたとき、患者によって押下されるように構成される。押下されたとき、上面420は、内部トリガー部材430を押下し、これはPCBA120のトリガー入力部210に接触して作動させる。加えて、先に述べたように、上面420は、指の形を収容するように凹形状(ハウジング115の内部へ向いたくぼみ)を有してもよい。上部ハウジング部材140の設計は、電極350からトリガー入力部210の動作を分離し、それによってデータ記録中のアーチファクトを最小化すると考える。
【0056】
引き続き図4を参照して、モニタリング装置100の構成部品の少なくともいくつかの再使用性のためにハウジング部材140,145が容易に取り付けられ分離されてもよいような方法において、下部ハウジング部材145は、上部ハウジング部材14と着脱可能に接続するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、下部ハウジング部材145の底面445(患者対向面)は、多数のくぼみ450(あるいは「バンプ」、「突出部」など)を含んでもよく、これは、使用中、患者の皮膚に接触するであろう。くぼみ450は、底面445と患者の皮膚との間に気流を可能にし、それによって、底面445と皮膚との間にシールが形成されるのを防止する。くぼみ450は、快適さを改善し、かつ、ハウジング115が皮膚から上がり皮膚とのシールを壊したときにあたかもモニタリング装置100が落ちているかのように患者が感じる現在利用可能な装置における知覚を防止するのに役立つと考える。さらに別の実施形態では、下部ハウジング部材450の底面445は、シールが形成するのを防ぐために多数のディボット(突出部の代わりの凹部)を含んでもよい。
【0057】
図5Aを参照して、バッテリーホルダー150が非常に詳しく示されている。バッテリーホルダー150は、プラスチックあるいは他の適切な材料で作られてもよく、PCBA120に装着され続いて剛性のあるハウジング115に取り付けられるように構成され、2つのバッテリー160(図1B)を保持することができる。代わりの実施形態では、バッテリーホルダー150は、1つのバッテリー、あるいは2つを超えるバッテリーを保持するように構成されてもよい。複数の突出部152は、デリケートな電子部品との望まない接触を回避しさらに弾性接点235(図5B)の適切な圧縮を提供しながら、PCBA120の表面の上方に固定距離でバッテリー160が位置決めされるようにバッテリー160用の安定したプラットホームを提供する。突出部153は、バッテリー160を所定位置にロックし、弾性接点235からのバッテリー160における押上げ力に抵抗する。バッテリーホルダー150はまた、弾性接点236の適切な圧縮を提供するようにバッテリー160を適切に位置決めする。弾性接点235,236と共にバッテリーホルダー150を使用することは、バッテリー160とPCBA120との間に追加の電子部品をさらに有しながら、バッテリー160がPCBA120に電気的に接続されることを可能にし、かつ非常にコンパクトな組立体を維持することを可能にする。バッテリーホルダー150は、上部ハウジング部材140における対応の剛性のあるフック440と係合する柔軟なフック510を含んでもよい。正常な組み立て条件下では、柔軟なフック510は、剛性のあるフック440としっかりと結合して留まる。分解については、柔軟なフック510は、上部ハウジング140を通るツールで剛性のあるフック440から解放され、続いて上部ハウジング140の除去を可能にする適切なツールを使用して、押し曲げられることができる。
【0058】
図6A及び図6Bを参照して、生理学的モニタリング装置100は、側面断面図にて示されている。図6Aに示すように、生理学的モニタリング装置100は、剛性のあるハウジング115と連結した可撓体110を含んでもよい。可撓体110は、上部基板層300、底部基板層330、粘着層340、及び電極350を含んでもよい。電極トレース311,312はまた、典型的に可撓体110の一部であり、上部基板層300と底部基板層330との間に埋め込まれるが、しかし、それらは図6に示されていない。可撓体110は、ハウジング115の両側に延在する2つのウィング130,131、及び各ウィング130,131の少なくとも一部を取り囲む縁部133を形成する。剛性のあるハウジング115は、可撓体110の一部を間に挟みPCBA120用の水密にシールされた区画を提供するように、下部ハウジング部材145と連結される上部ハウジング部材140を含んでもよい。上部ハウジング部材140は、内部トリガー部材430を含んでもよく、PCBAは、患者トリガー部材210を含んでもよい。先に述べたように、下部ハウジング部材145は、モニタリング装置100の快適さを増すために多数のくぼみ450あるいはディボットを含んでもよい。
【0059】
PCBA120が湾曲して信号へ望まないアーチファクトを導入することを防止するため、十分に剛性があることは望ましい。ある実施形態では、PCBA120の望まない湾曲を減じ防止する追加の機構が使用されてもよい。この機構は図6Bに示される。支柱460は、下部ハウジング145と一体であり、患者トリガー入力部210の真下に位置決めされる。患者の症状トリガリングの間、上部ハウジング部材140は押下され、内部トリガー機構430に係合し、患者トリガー入力部210を通してPCBA120へ力を伝達する。この力は、曲げモーメントを生成することなく、よって望まないアーチファクトを防止しながら、PCBA120を通して支柱460へさらに伝達される。
【0060】
図7を参照して、いくつかの実施形態において、生理学的モニタリング装置100は、一もしくは複数の追加の任意的な特徴を含んでもよい。例えば、一つの実施形態では、モニタリング装置100は、除去可能なライナー810、上ラベル820、装置識別子830、及び底ラベル840を含んでもよい。ライナー810は、患者への装置100の貼付を援助するために、可撓部材110の上面を覆って貼付されてもよい。以下にさらに詳細に説明するように、ライナー810は、使用前に粘着面340を覆う一もしくは複数のカバー(不図示)を除去する間、ウィング130,131と共に、可撓体110の縁部133を支持するのに役立つかもしれない。ライナー810は、接着剤カバーの除去の間、可撓体110の支持を支援するために、比較的剛性があり及び/又は硬くてもよい。種々の実施形態において、例えば、ライナー810は、ボール紙、厚手の紙、プラスチックなどで作製されてもよい。ライナー810は、典型的に、可撓体110のウィング130,131の上面に付着するために片面に接着剤を含む。
【0061】
ラベル820,840は、いかなる適切なラベルであってもよく、物品名、製造者名、ロゴ、デザイン、及び/又は同種のものを含んでもよい。それらは、典型的に、未登録のユーザーによる無秩序な再使用及び/又は装置の再販売を防止するために永久的に取り付けられるが、除去可能あるいは永久的に上部ハウジング部材140及び/又は下部ハウジング部材145に取り付けられてもよい。装置識別子830は、バーコード・ステッカー、コンピューター読取り可能なチップ、RFIDなどであるかもしれない。装置識別子830は、PCBA120、可撓体110などに永久的にあるいは除去可能に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、PCBA120と共に装置識別子830を有することは有益かもしれない。
【0062】
図8A及び図8Bを参照して、生理学的モニタリング装置100は、一般的に、剛性のあるハウジング115と各ウィング130,131との結合部に、あるいはその近くに、蝶番部132を含む。追加的に、各ウィング130,131は、典型的に粘着層340を介して患者に付着されるが、一方、剛性のある本体部115は、患者に付着されず、よって自由であり、患者位置の移動及び変更の間、患者の皮膚の上方に「浮く」(すなわち、上下に移動する)。言い換えれば、患者の胸が収縮するとき、剛性のあるハウジングは、飛び出るか、あるいは皮膚の上方に浮き、よって、装置100におけるストレスを最小化し、快適さを増し、ウィング130,131が皮膚から剥離する傾向を低減する。浮いている剛性のある本体部115、及び付着したウィング130,131の組み合わせによって提供される利点は、図8A及び図8Bにて図示している。図8Aでは、患者は眠っており、図8Bでは、患者はゴルフをしている。両方の例において、モニタリング装置100は、患者の体によってともに圧搾され、ウィング130,131が共に接近して移動するとき、剛性のあるハウジング115を皮膚上に浮かせる。生理学的モニタリング装置の浮いた、非粘着部のこの利点は、米国特許8,560,046にさらに詳細に説明されており、これは参考として予め組み込まれた。
【0063】
図9A図9Fを参照して、人間の患者の皮膚に生理学的モニタリング装置100を適用する方法の一つの実施形態が説明される。この実施形態では、図9Aにて示される第1ステップの前に、患者の皮膚は、典型的に、装置100が置かれるだろう左胸の皮膚の小部分を剃り、そして剃った部分を擦り及び/又は清潔にすることにより準備されてもよい。一旦患者の皮膚が準備されれば、図9Aに示されるように、装置100を貼付する第1ステップは、装置100の底面における粘着層340から2つの接着剤のカバー600の1つあるいは両方を除去し、粘着層340を露出することを含むかもしれない。図9Bに図示するように、次のステップは、粘着層340が所望の場所の皮膚に付着するように、皮膚に装置100を貼付することかもしれない。いくつかの実施形態では、一つの接着剤カバー600が除去されてもよく、覆われていない粘着層340は皮膚に貼付されてもよく、そして第2の接着剤カバー600が除去されてもよく、第2の粘着層340が皮膚に貼付されてもよい。代わりに、皮膚に装置100を貼付する前に、両方の接着剤カバー600が除去されてもよい。接着剤カバー600を除去している間、ライナー810は、可撓体110の支持として働き、内科医あるいは他のユーザーに、保持するための何かを提供し、可撓体110及び可撓体110の縁部133がそれら自身に折り重なりシワなどを形成するのを防止する。上述したように、ライナー810は、皮膚への装置100の貼付の間に可撓体110用の支持を提供するために、比較的硬く堅固な材料で作られてもよい。図9Cを参照して、装置100が皮膚に貼付された後、皮膚への装置100の粘着を確保するのを支援するために、それを胸に押し下げるように、圧力が可撓体110に加えられてもよい。
【0064】
次のステップでは、図9Dを参照して、ライナー810が可撓体110の上面から除去される(剥がされる)。一旦ライナー810が除去されると、図9Eに示すように、それが皮膚に付着されることを確保するのを支援するために、再び圧力が可撓体110に加えられてもよい。最後に、図9Fに示すように、上部ハウジング部材140は、生理学的モニタリング装置140をオンにするために押されてもよい。この記述された方法は、単に一つの実施形態である。代わりの実施形態では、一もしくは複数のステップがスキップされ及び/又は一もしくは複数のステップが追加されるかもしれない。
【0065】
ある場合には、約14-21日のような、所望のモニタリング期間が終了したときに、患者(あるいは内科医、看護師など)は、患者の皮膚から生理学的モニタリング装置100を除去し、プリペイドの郵送する小袋に装置100を入れ、装置100をデータ処理施設へ送ってもよい。この施設では、装置100は部分的にあるいは完全に分解されるかもしれず、PCBA120は取り外されてもよく、そして、連続的な心臓リズム情報のような保存された生理学データがPCBA120からダウンロードされるかもしれない。そしてデータは、いかなる適切な方法により分析され、次に、報告書の形で内科医に提供されるかもしれない。そして内科医は、患者と共に報告書について話し合うかもしれない。PCBA120、及び/又は剛性のあるハウジング115のような装置100の他の部分は、同じあるいは他の患者のために、その後の装置の製造において再使用されるかもしれない。装置100は、幾つかの取り外し可能に連結された部品の組み合わせとして構築されていることから、種々の部品は、装置100の同じ実施形態あるいは異なる実施形態のために再使用されるかもしれない。例えば、PCBA120は、最初に成人の心リズムモニターにおいて使用されてもよく、次に、2回目では睡眠無呼吸用のモニターを構成するように使用されるかもしれない。同じPCBA120は、小児科の心臓モニターを構成するように、異なる大きさの可撓体110と共に追加的あるいは代わりに使用されてもよい。このように、装置100の少なくとも幾つかの構成部品は、交換可能で再使用可能かもしれない。
【0066】
有利には、生理学的モニタリング装置100は、皮膚への長期的な付着を提供するかもしれない。フレキシブルで等角の本体110の構成、防水性、剛性のあるハウジング115の低姿勢構成、及び2つの間のインタフェースの組み合わせは、患者の皮膚が伸ばされ曲げられるときに引き起こされるストレスを装置100が補うことを可能にする。その結果、装置100は、14-21日あるいはより多くの間も患者に、取り外すことなく連続的に着用されるかもしれない。ある場合には、装置100は、より長いあるいは短い期間、着用されるかもしれない。しかし、14-21日は、しばしば、患者から心臓リズムデータ及び/又は他の生理学的信号データを集めるための望ましい時間量かもしれない。
【0067】
様々な代わりの実施形態では、特別な生理学的モニタリング装置の形は、変更してもよい。装置の形状、設置面積、周囲あるいは境界は、例えば、円形、楕円形、三角形、複合曲線など、であってもよい。いくつかの実施形態において、複合曲線は、一もしくは複数の凹曲面及び一もしくは複数の凸曲面を含むかもしれない。複数の凸形状は凹部によって分離されてもよい。凹部は、剛性のあるハウジングにおける凸部と電極における凸部との間にあるかもしれない。いくつかの実施形態において、凹部は、蝶番、蝶番領域、あるいは本体とウィングとの間の厚みが低減された領域と少なくとも部分的に一致するかもしれない。
【0068】
心臓モニター用の内容で記述したが、ここに記述した装置改善は、そのようなものに制限されない。この出願において述べた改善は、幅広い種類の生理学的なデータモニタリング、記録装置、及び/又は伝送装置のいずれに適用してもよい。改善された付着設計の特微もまた、薬剤の、又はぶどう糖モニターあるいは他の血液検査装置のような血液検査の、電子的に制御された及び/又は時間でリリースされるデリバリーにおいて有用な装置に適用してもよい。このように、ここに記述した部品の記載、特性、及び機能性は、例えば、電子機器、アンテナ、電源あるいは充電の接続部、装置からのダウンロードあるいはオフロード情報用のデータポートあるいは接続部、装置からのオフロードあるいは付加する流動物、電極、プローブあるいはセンサのようなモニタリングあるいは検出エレメント、又は、装置の特別な機能において必要な他のいずれの部品のような、特定用途の特定の部品を含むために、必要とされるように改良されてもよい。追加的に、あるいは代わりに、ここに記述した装置は、次のものに限定しないがECG、EEG及び/又はEMGの一もしくは複数を含む体によって発生する信号に関連した信号あるいは情報を、検出、記録、あるいは伝送するために使用されてもよい。
【0069】
上述の複数の実施形態は、単一の生理学的信号を集めるためのデータチャンネルに関する発明を開示しているが、例えば装置動作、装置湾曲(flex)あるいはベッド(bed)、心拍数、及び/又は周囲の電気的ノイズのような付加的データを集めるために、追加のデータチャンネルを含むことができることが考えられる。
【0070】
生理学的モニタリング装置及びこれを使用するための方法の様々な実施形態は、上に示された。これらの様々な実施形態は、単独であるいは組み合わせにおいて使用されてもよい。そして、実施形態の個々の特徴への様々な変更は、この発明の権利範囲から外れずに変更されてもよい。例えば、様々な方法ステップの順序は、いくつかの実例において変更されてもよく、及び/又は、一もしくは複数の任意の特徴が、記述した装置に追加されあるいは記述した装置から削除されてもよい。したがって、上に提供された実施形態の記載は、請求範囲に記述されるような発明の範囲を過度に制限するように理解されるべきではない。
【0071】
この開示で記述した実施への様々な変形がなされるかもしれない。そして、ここに規定した一般的な原理は、この開示の精神あるいは権利範囲から外れずに、他の実施に適用されてもよい。よって請求範囲は、ここに示された実施に制限されることを意図せず、ここに開示したこの公表、原理及び新しい特徴と矛盾しないで最も広い権利範囲を与えられることになっている。
【0072】
別々の実施形態の文脈においてこの明細書に記述された複数の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実施することができる。反対に、単一の実施形態の文脈において記述された様々な特徴もまた、多数の実施形態において別々に、あるいはいずれかの適切なサブコンビネーションにおいて実施することができる。さらに、それぞれの特徴は、ある組み合わせにおいて、及び最初にそのように請求されたものにおいて作用するように、上で記述されているかもしれないが、請求された組み合わせからの一もしくは複数の特徴は、ある場合には組み合わせから削除することができ、請求された組み合わせは、サブコンビネーションあるいはサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0073】
同様に、操作は、特別の順序にて図面にて示されているが、そのような操作は、所望の結果を得るために、示された特別の順序あるいは連続する順序において実行される必要はなく、あるいは、すべての図示した操作が実行される必要もない。さらに、図は、フロー図の形態においてもう一つの例示のプロセスを図示してもよい。しかしながら、図示されていない他の操作は、概略的に図示した例示のプロセスに組み込むことができる。例えば、一もしくは複数の追加の操作は、図示したいずれの操作の前に、後に、同時に、あるいは間に、実行することができる。さらに、上に記述した実施形態における様々なシステム部品の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を要求するとは解釈されるべきではない。加えて、他の実施形態は以下の請求範囲の権利範囲内にある。ある場合には、請求範囲で規定された動作は、異なる順にて実行可能であり、所望の結果を達成することができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
【手続補正書】
【提出日】2024-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における生理学的信号をモニターする電子装置であって、
剛性のあるハウジングから横に延在する少なくとも2つの柔軟なウィングと、ここで、柔軟なウィングは、哺乳動物の表面に従うことを可能にする第1の材料一式を備え、剛性のあるハウジングは、第2の材料一式を備える、
剛性のあるハウジング内に収容されたプリント回路基板組立体と、ここで、剛性のあるハウジングは、哺乳動物の動きに応じたプリント回路基板の変形を防ぐように構成される、
柔軟なウィング内に埋め込まれた少なくとも2つの電極と、ここで、電極は、哺乳動物の表面と等角接触を提供し、かつ哺乳動物の生理学的信号を検出するように構成される、 ウィング内に埋め込まれ、かつ剛性のあるハウジングから機械的にデカップルされた少なくとも2つの電極トレースと、ここで、電極トレースは、哺乳動物の表面と等角接触を提供し、かつ電極からプリント回路基板組立体へ電気信号を伝送するように構成される、 剛性のあるハウジングにウィングを接続する少なくとも1つの蝶番部と、ここで、蝶番部は、剛性のあるハウジングに接合されるエリアで自由に曲がるように構成される、
を備えた電子装置。
【外国語明細書】