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特開2024-50782適応型マイクロフォニックノイズキャンセル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050782
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】適応型マイクロフォニックノイズキャンセル
(51)【国際特許分類】
   H03L 1/00 20060101AFI20240403BHJP
   H03H 21/00 20060101ALI20240403BHJP
   H03B 5/04 20060101ALI20240403BHJP
   H03L 7/06 20060101ALI20240403BHJP
   H03L 7/093 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H03L1/00
H03H21/00
H03B5/04 Z
H03L7/06
H03L7/093
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024015291
(22)【出願日】2024-02-02
(62)【分割の表示】P 2021533319の分割
【原出願日】2019-12-17
(31)【優先権主張番号】16/223,777
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペトロヴィック、ブラニスラヴ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ツァツァニス、マイケル ケー.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基準発振器での機械的加速度を補償するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】通信システム100において、基準発振器102は、発振器出力信号103を生成し、基準発振器と同じプラットホーム上の加速度計104が、基準発振器での機械的加速度を検出し、測定加速度106を生成する。関連付けられたフィルタ重みセット112を有する適応型フィルタアセンブリ108が、加速度計から測定加速度を受信し、測定加速度に応じた同調制御信号110を、システムに関連付けられた周波数基準器に供給する。適応型重み付け構成要素114が、基準発振器の発振器出力信号と、外部ソースからプラットホームに提供された外部信号116とを受信し、外部信号と発振器出力信号との比較に基づいて、フィルタアセンブリのためのフィルタ重みセットを調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
発振器出力信号を提供する基準発振器と、
前記基準発振器と同じプラットホーム上の加速度計であって、前記基準発振器での機械的加速度が前記加速度計にて検出され、測定加速度が生成される、加速度計と、
関連付けられたフィルタ重みセットを有するフィルタアセンブリであって、前記加速度計から測定加速度を受信し、前記測定加速度に応じた同調制御信号を、前記システムに関連付けられた周波数基準器に供給するフィルタアセンブリと、
前記発振器出力信号、及び前記プラットホームの外部にあるソースから提供された外部信号を受信し、前記外部信号と前記発振器出力信号との比較に基づいて、前記フィルタアセンブリのための前記フィルタ重みセットを調整する適応型重み付け構成要素と、を備えるシステム。
【請求項2】
前記周波数基準器は、前記基準発振器である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記周波数基準器は、前記発振器出力信号によって駆動される少なくとも1つの数値制御発振器である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記外部信号と前記発振器出力信号との比較から補正値を計算し、前記補正値を前記同調制御信号に加算する位相同期ループを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記測定加速度の大きさが閾値を下回った場合、前記適応型重み付け構成要素は、前記フィルタ重みセットを調整しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記基準発振器、前記加速度計、前記フィルタアセンブリ、及び前記適応型重み付け構成要素は、全てが前記プラットホーム上に実装されており、前記外部信号は、遠隔位置から前記プラットホームにある受信器を介して提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記発振器出力信号は、送信器に対する基準として提供され、それにより、前記送信器によって送信される信号は、前記基準発振器での機械的加速度によって影響を受けない、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プラットホームは、第1のプラットホームであり、前記基準発振器、前記加速度計、前記フィルタアセンブリは、前記第1のプラットホーム上に実装されており、前記適応型重み付け構成要素は、前記第1のプラットホームから遠隔にある第2のプラットホーム上に実装されており、前記第1のプラットホームは、関連付けられた送信器を介して、前記発振器出力信号を前記第2のプラットホームに送信し、前記第2のプラットホームは、関連付けられた第2の送信器を介して、前記フィルタ重みセットを前記第1のプラットホームに送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記プラットホームは、第1のプラットホームであり、前記基準発振器、前記加速度計、前記フィルタアセンブリは、前記第1のプラットホーム上に実装されており、前記適応型重み付け構成要素は、前記第1のプラットホームと、前記第1のプラットホームから遠隔にある第2のプラットホームとに分散されており、前記第1のプラットホームは、関連する第1の送受信器において前記発振器出力信号を前記第2のプラットホームに送信し、前記第2のプラットホームは、関連する第2の送受信器において前記発振器出力信号における周波数誤差の指標を前記第1のプラットホームに送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記適応型重み付け構成要素は、前記発振器出力信号及び前記外部信号から前記発振器出力信号における位相誤差を決定する復調器と、前記発振器出力信号において決定された位相誤差に基づいて、前記フィルタ重みセットを調整する重み計算構成要素と、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記適応型重み付け構成要素は、前記発振器出力信号において決定された位相誤差から瞬時周波数と、前記同調制御信号によって表される補償周波数と、前記発振器出力信号において決定された位相誤差に対応する測定加速度と、を計算する周波数推定フィルタを備え、前記重み計算構成要素は、フィルタ係数セットに対して、前記瞬時周波数と前記補償周波数との間の差を最小化する値を決定する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記発振器出力信号における位相誤差から補正値を計算し、前記補正値を前記同調制御信号に加算する位相同期ループを更に備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記外部信号は、前記システムに関連付けられた人工衛星を介して提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記加速度計は、第1の軸、第2の軸、及び第3の軸のそれぞれに沿った測定加速度を提供する3軸加速度計であり、前記フィルタ重みセットは、前記第1の軸、前記第2の軸、及び前記第3の軸のそれぞれに対するフィルタ重みサブセットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
基準発振器での機械的加速度を補償するための方法であって、
前記基準発振器と同じプラットホーム上の加速度計において機械的加速度を検出して、測定加速度を生成することと、
前記測定加速度に応じた同調制御信号を、フィルタ重みセットを有するフィルタアセンブリに供給することと、
前記プラットホームの外部にあるソースから提供された外部信号と、前記基準発振器の発振器出力信号との比較に基づいて、前記フィルタアセンブリのための前記フィルタ重みセットを調整することと、
前記同調制御信号を、前記システムに関連付けられた周波数基準器に供給することと、を含む方法。
【請求項16】
前記周波数基準器は、前記基準発振器である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記周波数基準器は、前記発振器出力信号によって駆動される少なくとも1つの数値制御発振器である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記フィルタアセンブリの前記フィルタ重みセットを決定することは、
前記発振器出力信号から生成された信号を、前記プラットホームから遠隔プラットホームに送信することと、
前記発振器出力信号における周波数誤差を、前記遠隔プラットホームにおいて生成される外部信号と、前記発振器出力信号から生成された信号とから計算することと、
前記計算された周波数誤差の指標を前記プラットホームに送信することと、
前記遠隔プラットホームで計算された位相誤差から、前記フィルタアセンブリのための前記フィルタ重みセットを調整することと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
位置相同期ループにおいて補正値を計算することと、
前記補正値を前記同調制御信号に加算することと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記フィルタアセンブリのための前記フィルタ重みセットは、定期的にのみ決定され、前記フィルタ重みセットが決定中ではないときに前記加速度計及びフィルタはアクティブとなる、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記フィルタアセンブリのための前記フィルタ重みセットを調整することは、
前記発振器出力信号における位相誤差を、前記外部信号及び前記発振器出力信号から決定することと、
前記決定された位相誤差から前記フィルタ重みセットを調整することと、を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2018年12月18日に出願された米国特許出願第16/223777号からの優先権を主張し、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、一般に通信分野に関し、より具体的には、適応型マイクロフォニックノイズキャンセルに関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロフォニック又はマイクロフォニーは、電子デバイス内の特定の構成要素が機械的振動を望ましくない電気信号に変換する現象を意味する。振動又は衝撃などの機械的加速度は、発振器において周波数変調を引き起こし、信号にマイクロフォニック位相雑音側波帯をもたらすことがある。圧電性結晶は、この作用に対して特に脆弱な場合があり、機械的振動が結晶の共振周波数を一過性に変化させ、不測の周波数変調によって極めて大きな位相雑音側波帯が取り込まれることがある。このエラーは、システム全体にわたって伝搬し、かつ倍増することがある。なぜなら、アナログデジタル変換器及びデジタルアナログ変換器のためのサンプリングクロックなど、基準発振器に位相同期したあらゆる発振器が影響を受けることになるからである。
【発明の概要】
【0004】
一実施例によれば、システムは、発振器出力信号を提供する基準発振器と、基準発振器と同じプラットホーム上の加速度計と、を含み、基準発振器での機械的加速度が加速度計にて検出され、測定加速度が生成される。関連付けられたフィルタ重みセットを有するフィルタアセンブリが、加速度計から測定加速度を受信し、測定加速度に応じた同調制御信号を、システムに関連付けられた周波数基準器に供給する。適応型重み付け構成要素が、基準発振器の発振器出力信号と、プラットホームの外部にあるソースから提供された外部信号とを受信し、外部信号と発振器出力信号との比較に基づいて、フィルタアセンブリのためのフィルタ重みセットを調整する。
【0005】
別の実施例によれば、基準発振器での機械的加速度を補償するための方法が提供される。基準発振器と同じプラットホーム上の加速度計にて機械的加速度が検出され、測定加速度が生成される。測定加速度に応じた同調制御信号が、フィルタ重みセットを有するフィルタアセンブリに供給される。フィルタアセンブリのためのフィルタ重みセットは、プラットホームの外部にあるソースから提供された外部信号と、基準発振器の発振器出力信号との比較に基づいて調整される。同調制御信号は、システムに関連付けられた周波数基準器に供給される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の前述の及び他の特徴は、添付図面を参照しながら以下の説明を読むことで、本発明に関連する当業者に明らかになるであろう。
【0007】
図1】基準発振器を使用する通信システムを示す図である。
【0008】
図2図1のシステムで使用され得る適応型重み付け構成要素の一実施例を示す図である。
【0009】
図3】発振器出力信号を生成する基準発振器を使用する通信システムの一実施例を示す図である。
【0010】
図4】発振器出力信号を生成する基準発振器を使用する通信システムの別の実施例を示す図である。
【0011】
図5】発振器出力信号を生成する基準発振器を使用する通信システムの更に別の実施例を示す図である。
【0012】
図6】発振器出力信号を生成する基準発振器を使用する通信システムの更なる実施例を示す図である。
【0013】
図7】基準発振器において機械的加速度を補償するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に記載されるシステム及び方法の様々な例は、ノイズキャンセルシステムを提供する。このノイズキャンセルシステムは、基準発振器での機械的加速度によって引き起こされる雑音をキャンセル又は最小化するように基準発振器を変調する同調制御信号を生成するために使用することができる。この目的のために、その場所で加速度が測定され、関連付けられた重みセットを含む適応型フィルタに供給され、同調制御信号が生成される。重みは、システムに提供される外部信号を使用して、基準発振器の発振器出力信号の測定位相誤差(又は周波数誤差)に応じて、定期的なインターバルで適応させることができる。これは、加速度に応じて基準発振器の応答が変化することを考慮するためである。したがって、マイクロフォニック雑音又は費用を大幅に増加させることなく、かつ機械的な分離構造の重量を増加させることなく、より低コストの非堅牢化型の基準発振器を使用できる。更に、製造時に取り込まれる基準発振器間のわずかなばらつきを、時間を要する個々のユニットの試験なしで補償できる。
【0015】
図1は、発振器出力信号103を生成する基準発振器102を使用する通信システム100を示す。基準発振器102は、例えば、ハートレー発振器若しくはコルピッツ発振器などの電子発振器、又は圧電結晶を含む水晶発振器を備え得る。通信システム100は、基準発振器102と同じプラットホーム105上に加速度計104を含み、基準発振器でのいかなる機械的加速度も加速度計で検出されるように構成されている。したがって、加速度計104は、基準発振器102において受けた加速度を表す測定加速度106を、連続的かつ定期的に生成できる。基準発振器102のいくつかの実現形態では、発振器は、異なる方向からの加速度に対して様々な感度を有することになり、加速度計104は、3つの相互に垂直な軸に沿った加速度を測定する3軸加速度計として実現できることが理解されるであろう。
【0016】
通信システム100は、適応型フィルタアセンブリ108を更に含み、この適応型フィルタアセンブリは、加速度計から測定加速度106を受信し、フィルタ重みセットに従って測定加速度106に応じた同調制御信号110を生成する。同調制御信号110は、システムに関連付けられた周波数基準器に、この実現形態では基準発振器102に供給される。しかしながら、周波数基準器は、基準発振器102の出力を利用する別のシステム構成要素であり得ることが理解されるであろう。フィルタ重みは、加速度に対する基準発振器102の応答に相当することが理解されるであろう。これによりフィルタアセンブリ108は、測定された加速度によって引き起こされた外乱に対して発振器を補正することができる。
【0017】
いくつかの実現形態では、加速度に対する基準発振器102の応答は、例えば、構成要素の経年変化及び動作環境の変化に起因して、時間経過と共に変化することとなる。したがって、適応型フィルタアセンブリ108は、基準発振器102の応答の変化を考慮するために、時間経過と共に調整される適応型の重みを使用できる。加速度に対する基準発振器102の応答は、一般に緩慢に変化するので、適応はシステムに対して、例えば、3ヘルツ~2キロヘルツの範囲で緩慢であってよい。しかしながら、重みを生成するために使用される最適化は、収束するのに一定の時間を要し、基準発振器102での応答における変化よりも迅速に重みが収束するように、十分な周波数で、適応が実施されなければならないことが理解されるであろう。フィルタ重みの初期値は、基準発振器102の既知の特性に応じて、フィルタ108の収束を促進するように設定することができる。
【0018】
フィルタアセンブリの重み112は、発振器出力信号103及び外部信号116を受信する適応型重み付け構成要素114によって提供することができる。本明細書で使用される場合、用語「外部信号」は、基準発振器102を含むプラットホームの外部にあるソースから提供される信号を指す。したがって、外部信号116は、基準発振器において受けるいかなる加速度によっても影響を受けないように生成される。適応型重み付け構成要素114は、外部信号と発振器出力信号との比較に基づいて、フィルタアセンブリのためのフィルタ重みセット112を調整する。適応型重み付け構成要素114は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ若しくは特定用途向け回路としてデジタルロジックにおいて、関連付けられたプロセッサによって実行される非一時的コンピュータ可読媒体上のソフトウェアにおいて、又はハードウェアとソフトウェアとの何らかの組み合わせにおいて実現できる。適応型フィルタアセンブリ108には、製造時又は設置時に、初期的な重みセットを提供することができ、基準発振器102の応答における変化を調整するために、適応型のフィルタ重み112を定期的に提供することができることが理解されるであろう。
【0019】
図2は、図1のシステムで使用することができる適応型重み付け構成要素210を組み込んだ適応型重み付けプロセス200の一実施例を示す。適応型重み付け構成要素210は、基準発振器205の発振器出力信号204における位相誤差203,Θ(n)を発振器出力信号204及び外部信号206から決定する復調器202を備える。適応型重み付け構成要素210内の周波数推定フィルタ216が、発振器出力信号において決定された位相誤差203から瞬時周波数f(n)を計算する。一実現形態では、周波数推定フィルタ216は、周波数応答を有する微分フィルタ;H(f)=2jπf、位相差フィルタ;f(n)=Θ(n)-Θ(n-1)、又は任意の他の適切な実現であってよい。
【0020】
加速度計104で測定された、それぞれの軸に沿った加速度に対応する値222~224が、対応する適応型フィルタ226~228でフィルタリングされ、加算器230で加算され、補償周波数232;f(n)に相当する同調制御信号232が生成され、この同調制御信号232が基準発振器205に供給される。対応する適応型フィルタ222~224及び加算器230のそれぞれは、例えば、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、又はフィールドプログラマブルゲートアレイにおけるデジタルロジックとして実現できる。適応型フィルタ226~228は、図1に示すフィルタアセンブリ108の一部分を代表することができ、適応型フィルタ226~228の対応する出力236~238を組み合わせて、同調信号110を提供できることが理解されるであろう。同調制御信号232は、周波数推定フィルタ216に供給され、同調制御信号に相当する補償周波数を、瞬時周波数と比較して、周波数誤差242;f(n)を生成することができる。この周波数誤差242は、それぞれの軸に沿った加速度の値222~224と共に重み計算構成要素244において利用され、周波数誤差242を最小化する適応型フィルタ226~228の新しい重みが生成される。更に、周波数誤差信号242は、図1の線110によって示されるように基準発振器205(図2では図示せず)に提供され、その周波数が調整される。別の実施形態では、周波数誤差信号242は、図6で説明されるように、周波数のデジタル補正のために使用できる。重み計算構成要素244は、例えば、最小二乗平均(Least Mean Square、LMS)アルゴリズム、再帰最小二乗平均アルゴリズム、及び勾配降下アルゴリズムなどの、周波数誤差の平均二乗を最小化するアルゴリズムを用いることができる。
【0021】
一実施例では、最小二乗平均アルゴリズムが、それぞれの適応型フィルタ226~228に対するk個のフィルタ係数のベクトルwを用いて使用される。ここでkは1よりも大きい正の整数である。時間nにおけるそれぞれの軸に沿った測定加速度値222~224は、直近のk個の測定値を含むベクトルαとして表すことができる。時間n+1について、フィルタの重みは以下のように計算できる。
(n+1)=w(n)+μα(n)f(n-d)
(n+1)=w(n)+μα(n)f(n-d) 式1
(n+1)=w(n)+μα(n)f(n-d)
【0022】
式中、μは、実現形態に従って選択される収束係数であり、dは、遅延であり、この遅延は、受信した位相からの周波数推定値と測定加速度とを時間的に整合させるように計算され、2つの信号経路に沿ったフィルタ遅延を補償する。加速度計104において測定された加速度が小さい場合、例えば、測定加速度の大きさが既定の閾値を下回る場合、適応型重み付け構成要素210は、フィルタ226~228における重みの調整をしばらく停止し、加速度ベクトルに、最適化計算のために有意な値を取り込んでもよいことが理解されるであろう。
【0023】
図3は、発振器出力信号303を生成する基準発振器302を使用する通信システム300の一実施例を示す。発振器出力信号303は、受信器フロントエンド304及び送信器305の少なくともそれぞれに供給される。基準発振器302と同じプラットホーム307上の加速度計306が、プラットホーム307における機械的加速度を検出する。図示した例では、加速度計306は、3軸加速度計として実現できる。適応型フィルタアセンブリ308が、加速度計306から測定加速度309を受信し、測定加速度に応じた同調制御信号310を基準発振器302に供給する。
【0024】
適応型フィルタアセンブリ308のための重みセット312が、適応型重み付け構成要素314において決定される。受信器フロントエンド304において外部のクリーンな信号316が受信され、測定加速度309と共に、適応型重み付け構成要素314に供給される。送信器305に供給される発振器出力信号303は、適応型フィルタアセンブリ308において調整されており、基準発振器302に局所的な加速度の影響が除去されていることが理解されるであろう。したがって、送信器305によって送信される信号318は、外部信号316のような「クリーンな」信号である。適応型重み付け構成要素314は、受信した外部信号316に基づいて、発振器出力信号303における位相誤差の程度を決定できる。この位相誤差から、適応型重み付け構成要素314は、位相誤差から導出された周波数誤差の二乗を最小化することによって、適応型フィルタアセンブリ308に対して適切な重みを決定する。これは、動作環境の経年変化又は変化に起因する、加速度に対する基準発振器302の応答の変化を考慮して、定期的に実施することができる。
【0025】
図4は、発振器出力信号403を生成する基準発振器402を使用する通信システム400の別の例を示す。発振器出力信号403は、受信器フロントエンド404及び送信器405の少なくともそれぞれに供給される。基準発振器402と同じプラットホーム407上の加速度計406が、プラットホーム407における機械的加速度を検出する。図示した例では、加速度計406は、3軸加速度計として実現できる。適型応フィルタアセンブリ408が、加速度計から測定加速度409を受信し、測定加速度409に応じた同調制御信号410を提供する。適応型フィルタアセンブリ408のための重みセット412が、適応型重み付け構成要素414において決定される。
【0026】
受信器フロントエンド404において外部のクリーンな信号416が受信され、発振器出力信号403及び測定加速度409と共に、適応型重み付け構成要素414に供給される。適応型重み付け構成要素414は、受信した外部信号416に基づいて、図2の例では203として示される、基準発振器出力における位相誤差415を推定し、位相誤差415から導出された周波数誤差の二乗を最小化することによって、適応型フィルタアセンブリ408に対して適切な重みを決定できる。これは、動作環境の経年変化又は変化に起因する、加速度に対する基準発振器402の応答の変化を考慮して、定期的に実施することができる。適応型重み付け構成要素414は、重みセット412を適応型フィルタアセンブリ408に提供する。
【0027】
適応型フィルタアセンブリ408は、マイクロフォニックに起因する周波数誤差のみを補償することが理解されるであろう。ドップラー、クリスタルドリフト、及びシンチレーションなどの他の位相誤差及び周波数誤差は、適応型フィルタアセンブリ408において補償されない。これらの誤差の発生源に対処するために、位相誤差415を、位相同期ループ(phase locked loop、PLL)420に更に供給することができる。位相同期ループ420は、位相同期ループフィルタ422を備える。一実現形態では、位相同期ループフィルタ422は、推定された位相誤差に存在するあらゆる不所望の高周波成分を除去する低域通過フィルタとして実現される。得られたフィルタリングされた信号は、加算器424にて、適応型フィルタアセンブリ408の出力と組み合わされて、基準発振器402のための同調制御信号が提供される。
【0028】
図5は、発振器出力信号503を生成する基準発振器502を使用する通信システム500の更に別の例を示す。発振器出力信号503は、ダイプレクサ507を介して動作する受信器504及び送信器506の少なくともそれぞれに供給される。基準発振器502を有する第1のプラットホーム510上の加速度計508が、このプラットホームでの機械的加速度を検出する。図示した例では、加速度計506は、3軸加速度計として実現できる。適応型フィルタアセンブリ512が、加速度計から測定加速度513を受信し、測定加速度に応じた同調制御信号514を提供する。測定加速度はまた、第2のプラットホーム520へ送信するために送信器506に供給される。一実施例では、第1のプラットホーム510は、通信システム内のユーザ端末であり、第2のプラットホーム520は、人工衛星アクセスノードであり、第1のプラットホームと第2のプラットホームとの間の通信は、人工衛星接続を介して行われる。代替として又は加えて、第1のプラットホーム510は、例えば、自動車、船舶、航空機、列車、又は他の車両で実現された移動プラットホームであって良い。しかしながら、例えば、人工衛星アクセスノードでの振動を補正するために、又は2つのユーザ端末間で補正するために、1つ以上のユーザ端末が使用される、システムの他の構成が可能であることが理解されるであろう。
【0029】
図5の実現形態は、第1のプラットホーム510上の送信器506から送信された信号522が、他の手段によって補正されていない、プラットホーム上の機械的振動によって誘起されるあらゆるマイクロフォニック誤差も含むことになるのに対して、第2のプラットホーム520上に位置する構成要素は、第1のプラットホーム510におけるいかなる機械的加速度によっても影響されないであろうという事実を活用している。したがって、送信された信号522は、第2のプラットホーム520にて受信され、ローカル受信器(図示せず)に関連付けられた適応型重み付け構成要素524にて復調することができる。信号における位相誤差を、第2のプラットホームにローカルな周波数基準器(図示せず)を介して、復調している間に決定することができ、この位相誤差を適応型重み付け構成要素516において使用し、位相誤差から導出された周波数誤差の二乗を最小化することによって、適応型フィルタアセンブリ512に対して適切な重みを決定できる。第2のプラットホームによる適切な重みの決定は、第1のプラットホームによって第2のプラットホームに伝達される加速度情報(図示せず)も必要とする。計算された重み526は、次いで、適応型フィルタアセンブリ512で使用するために、受信器504を介して第1のプラットホーム510に送信することができる。代替的な実現形態では、適応型重み付け構成要素516は、第1のプラットホーム510と第2のプラットホーム520とに分散することができる。この実現形態では、周波数誤差、位相誤差、又は周波数誤差を決定するために使用できる任意の他の指標などの、周波数誤差を示す値が、第2のプラットホーム520にて決定され、フィルタ重み526の計算で使用するために第1のプラットホーム510に送信することができる。
【0030】
加速度計データとフィルタ重みを交換することは、通信システムにおけるオーバーヘッドに相当することが理解されるであろう。このオーバーヘッドを低減するために、重みを定期的に又は所定の時間スケジュールのいずれかで更新することにより、重みに対する更新頻度を制限することができる。重みが更新されていない場合、最も直近に更新された値が維持されて適応型フィルタアセンブリ512で使用され、第1のプラットホーム510における機械的加速度を補正することができる。加速度に対する基準発振器502の応答の変化は、緩慢に変化するので、このように更新機能をゲーティングすることにより、発振器出力信号における精度の損失を最小限に抑えながら、システムにおけるオーバーヘッドを減らすことができる。
【0031】
図6は、発振器出力信号603を生成する基準発振器602を使用する通信システム600の更に別の例を示す。発振器出力信号は、数値制御発振器、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)605、並びに関連する受信器フロントエンド608を駆動するために使用される。この実現形態は単に例示の目的として提供され、フィールドプログラマブルゲートアレイなどの、数値制御発振器の他の実現形態が使用され得ることが理解されるであろう。基準発振器602と同じプラットホーム611上の加速度計610が、プラットホームにおける機械的加速度を検出する。図示した例では、加速度計610は、3軸加速度計として実現できる。加速度計610の出力612は、第1のアナログデジタル変換器(analog-to-digital converter、ADC)613を介してそれぞれのASIC 605に供給される。同様に、外部のクリーンな信号614が受信器フロントエンド608にて受信され、第2のADC 615を介してASIC 605に供給される。
【0032】
関連する送信器623に対して基準信号を提供する数値制御発振器622を含む、例示的なASIC 605が詳細に例示されている。ASIC 605では、適応型フィルタアセンブリ624が、加速度計610から測定加速度612を受信し、測定加速度612に応じた同調制御信号625を提供する。適応型フィルタアセンブリ624からの同調制御信号625は、図4に関連して論じたように、ドップラーシフト、発振器ドリフトなどのような、周波数誤差の他の発生源を追跡するために、関連する加算器626にて、ループフィルタ630からの追加の同調信号によって補完できる。数値制御発振器622は、デジタル同調信号を受信することができ、したがって、適応型フィルタアセンブリ624のデジタル出力をアナログ信号に変換する必要はないことが理解されるであろう。
【0033】
外部信号614、数値制御発振器622の出力628、及び加速度計610の出力612のそれぞれが、適応型重み付け構成要素632に提供される。適応型重み付け構成要素632は、外部信号614に基づき数値制御発振器出力634における(図2の例で203として示される)位相誤差634を推定する復調器(図示せず)を含む。この位相誤差634は、前述のように、周波数誤差の他の発生源を追跡するためにループフィルタ630に提供される。適応型重み付け構成要素は、推定された位相誤差を加速度計出力612と共に利用して、周波数誤差を推定し、周波数誤差の二乗を最小化する適応型フィルタアセンブリ624に対して適切な重みを決定する。
【0034】
前述の構造及び上で説明した機能的特徴を考慮すると、例示的な方法が、図7を参照して、より良好に理解されるであろう。説明を簡潔にする目的で、図7の例示的な方法は、順次に実行するものとして示し、説明しているが、本実施例は、示した順序に限定されず、他の実施例では、本明細書に示し、説明しているものとは異なる順序で、複数回、かつ/又は同時に処理が生じ得ることを理解し、認識されたい。更に、方法を実現するために、記載した全ての処理が実行される必要はない。
【0035】
図7は、基準発振器での機械的加速度を補償するための方法700の一例を示す。702において、基準発振器と同じプラットホーム上の加速度計にて、機械的加速度が検出され、測定加速度が生成される。704において、測定加速度に応じた同調制御信号が、フィルタ重みセットを有するフィルタアセンブリに供給される。706において、フィルタアセンブリのためのフィルタ重みセットは、プラットホームの外部にあるソースから提供された外部信号と発振器出力信号との比較に基づいて調整される。例えば、発振器出力信号における位相誤差を外部信号及び発振器出力信号から決定することができ、周波数誤差を推定することができ、決定された周波数誤差に応じてフィルタ重みセットを調整することができる。
【0036】
フィルタ重みセットに対する調整を決定することは、ローカルで、遠隔で、又はローカル構成要素と遠隔構成要素との組み合わせで実行できることが理解されるであろう。一実施例では、信号が、発振器出力信号を使用して生成され、プラットホームから遠隔プラットホームに送信され、遠隔プラットホームで生成された外部信号と、発振器出力信号から生成された信号とから、発振器出力信号における位相誤差が計算される。次いで、計算された位相誤差がプラットホームに送信され、フィルタアセンブリのためのフィルタ重みセットは、遠隔プラットホームで計算された位相誤差により調整される。一実現形態では、フィルタアセンブリのためのフィルタ重みセットは、定期的にのみ決定され、フィルタ重みセットが決定中ではないときに加速度計及びフィルタがアクティブとなる。
【0037】
708において、同調制御信号がシステムに関連付けられた周波数基準器に供給され、検出された加速度によって引き起こされた誤差を補正する。一実現形態では、周波数基準器は、基準発振器である。別の実現形態では、周波数基準器は、発振器出力信号によって駆動される少なくとも1つの数値制御器発振器である。同調制御信号は、機械的加速度によって生じる誤差以外の誤差を補正できることが理解されるであろう。一実現形態では、位相誤差及び周波数誤差の追加の発生源を考慮するために、位相同期ループにおいて補正値を計算することができ、補正値を同調制御信号に加算できる。
【0038】
上で説明してきたものは、実施例である。当然ながら、構成要素又は方法論のあらゆる考えられる組み合わせを説明することはできないが、当業者は、多くの更なる組み合わせ及び順列が可能であることを認識するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲を含む、本出願の範囲内に入る全てのそのような代替例、修正例、及び変形例を包含することを意図している。本明細書で使用するとき、「含む(includes)」という用語は、含むがそれらに限定されないことを意味し、「含んでいる(including)」という用語は、含んでいるがそれらに限定されないことを意味する。「~に基づく」という用語は、少なくとも部分的に基づくことを意味する。加えて、本開示又は特許請求の範囲が、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「第1の(a first)」、又は「別の(another)」の要素又はその等価物を列挙する場合、「第1の」又は「別の」要素(又はその等価物)は、1つ又は1つを超えるそのような要素を含み、2つ以上のそのような要素を必要とすることも、除外することもないと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
発振器出力信号を提供する基準発振器と、
前記基準発振器と同じプラットホーム上の加速度計であって、前記基準発振器での機械的加速度が前記加速度計にて検出され、測定加速度が生成される、加速度計と、
関連付けられたフィルタ重みセットを有するフィルタアセンブリであって、前記加速度計から前記測定加速度を受信し、前記測定加速度に応じた同調制御信号を、前記システムに関連付けられた周波数基準器に供給するフィルタアセンブリと、
前記発振器出力信号、及び前記プラットホームの外部にあるソースから提供された外部信号を受信し、前記外部信号と前記発振器出力信号との比較に基づいて、前記フィルタアセンブリのための前記フィルタ重みセットを調整する適応型重み付け構成要素と、を備え、
前記基準発振器、前記加速度計、前記フィルタアセンブリ、及び前記適応型重み付け構成要素は、全てが前記プラットホーム上に実装されており、前記外部信号は、遠隔位置から前記プラットホームにある受信器を介して提供される、システム。
【請求項2】
前記周波数基準器は、前記基準発振器である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記周波数基準器は、前記発振器出力信号によって駆動される少なくとも1つの数値制御発振器である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記外部信号と前記発振器出力信号との比較から補正値を計算し、前記補正値を前記同調制御信号に加算する位相同期ループを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記測定加速度の大きさが閾値を下回った場合、前記適応型重み付け構成要素は、前記フィルタ重みセットを調整しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記発振器出力信号は、送信器に対する基準として提供され、それにより、前記送信器によって送信される信号は、前記基準発振器での機械的加速度によって影響を受けない、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記適応型重み付け構成要素は、前記発振器出力信号及び前記外部信号から前記発振器出力信号における位相誤差を決定する復調器と、前記発振器出力信号において決定された前記位相誤差に基づいて、前記フィルタ重みセットを調整する重み計算構成要素と、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記適応型重み付け構成要素は、前記発振器出力信号において決定された前記位相誤差から瞬時周波数を計算する周波数推定フィルタを備え、
補償周波数は、前記同調制御信号によって表され、
前記重み計算構成要素は、前記フィルタ重みセットに対して、前記瞬時周波数と前記補償周波数との間の差を最小化する値を決定する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記発振器出力信号における前記位相誤差から補正値を計算し、前記補正値を前記同調制御信号に加算する位相同期ループを更に備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記外部信号は、前記システムに関連付けられた人工衛星を介して提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記加速度計は、第1の軸、第2の軸、及び第3の軸のそれぞれに沿った前記測定加速度を提供する3軸加速度計であり、前記フィルタ重みセットは、前記第1の軸、前記第2の軸、及び前記第3の軸のそれぞれに対するフィルタ重みサブセットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
基準発振器での機械的加速度を補償するための方法であって、
前記基準発振器と同じプラットホーム上の加速度計において機械的加速度を検出して、測定加速度を生成することと、
前記測定加速度に応じた同調制御信号を、フィルタ重みセットを有するフィルタアセンブリに供給することであって、前記フィルタアセンブリは、前記基準発生器と同じプラットホーム上に実装されている、ことと、
前記基準発振器の発振器出力信号と、前記プラットホームの外部にある遠隔箇所から、前記基準発振器と同じプラットホーム上にある受信器を介して提供された外部信号との比較に基づいて、前記フィルタアセンブリのための前記フィルタ重みセットを、前記基準発振器と同じプラットホーム上に実装された適応型重み付け要素において調整することと、
前記同調制御信号を、ノイズキャンセルシステムに関連付けられた周波数基準器に供給することと、を含む方法。
【請求項13】
前記周波数基準器は、前記基準発振器である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記周波数基準器は、前記発振器出力信号によって駆動される少なくとも1つの数値制御発振器である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記フィルタアセンブリのための前記フィルタ重みセットを決定することは、
前記発振器出力信号から生成された信号を、前記プラットホームから遠隔プラットホームに送信することと、
前記発振器出力信号における周波数誤差を、前記遠隔プラットホームにおいて生成される前記外部信号と、前記発振器出力信号から生成された信号とから計算することと、
計算された前記周波数誤差の指標を前記プラットホームに送信することと、
前記遠隔プラットホームで計算された前記周波数誤差から、前記フィルタアセンブリのための前記フィルタ重みセットを調整することと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
位相同期ループにおいて補正値を計算することと、
前記補正値を前記同調制御信号に加算することと、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記フィルタアセンブリのための前記フィルタ重みセットは、定期的にのみ決定され、前記フィルタ重みセットが決定中ではないときに前記加速度計及び前記フィルタアセンブリはアクティブとなる、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記フィルタアセンブリのための前記フィルタ重みセットを調整することは、
前記発振器出力信号における位相誤差を、前記外部信号及び前記発振器出力信号から決定することと、
決定された前記位相誤差から前記フィルタ重みセットを調整することと、を含む、請求項12に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
関連する送信器623に対して基準信号を提供する数値制御発振器NCO605を含む、例示的なASIC 605が詳細に例示されている。ASIC 605では、適応型フィルタアセンブリ624が、加速度計610から測定加速度612を受信し、測定加速度612に応じた同調制御信号625を提供する。適応型フィルタアセンブリ624からの同調制御信号625は、図4に関連して論じたように、ドップラーシフト、発振器ドリフトなどのような、周波数誤差の他の発生源を追跡するために、関連する加算器626にて、ループフィルタ630からの追加の同調信号によって補完できる。数値制御発振器NCO605は、デジタル同調信号を受信することができ、したがって、適応型フィルタアセンブリ624のデジタル出力をアナログ信号に変換する必要はないことが理解されるであろう。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
外部信号614、数値制御発振器NCO605の出力635、及び加速度計610の出力612のそれぞれが、適応型重み付け構成要素632に提供される。適応型重み付け構成要素632は、外部信号614に基づき数値制御発振器出力63における(図2の例で203として示される)位相誤差634を推定する復調器(図示せず)を含む。この位相誤差634は、前述のように、周波数誤差の他の発生源を追跡するためにループフィルタ630に提供される。適応型重み付け構成要素は、推定された位相誤差を加速度計出力612と共に利用して、周波数誤差を推定し、周波数誤差の二乗を最小化する適応型フィルタアセンブリ624に対して適切な重みを決定する。