(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050799
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】導電性光半導体コーティングの装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G02B 1/16 20150101AFI20240403BHJP
G02B 1/14 20150101ALI20240403BHJP
G02B 1/111 20150101ALI20240403BHJP
H05K 9/00 20060101ALN20240403BHJP
【FI】
G02B1/16
G02B1/14
G02B1/111
H05K9/00 V
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024015715
(22)【出願日】2024-02-05
(62)【分割の表示】P 2021187653の分割
【原出願日】2017-09-07
(31)【優先権主張番号】15/259,400
(32)【優先日】2016-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501348092
【氏名又は名称】グッドリッチ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100140361
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 幸二
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー,ディーン,シュワルツ
(57)【要約】
【課題】 光学部材に関し、より具体的には、広帯域の光学部材のための導電性コーティング材に関する。
【解決手段】 透過導電性コーティング材で光学基板をコーティングする方法は、光学基板の表面上に半導体コーティング材を堆積するステップを含み、この半導体コーティング材は、広帯域の光透過率を有する。ドーピングされた半導体が、半導体コーティング材上にあるパターンで塗布される。あるパターンにドーピングされた半導体は、ドーピングされた半導体において導電性を得るために活性化される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学基板をコーティングする方法であって、
光学基板の表面上に半導体コーティング材を堆積するステップであって、前記半導体コーティング材は広帯域の光透過率を有する、堆積するステップと、
前記半導体コーティング材にドーピングされた半導体のパターンを形成するために、前記半導体コーティング材の複数の部分をドーピングするステップと、
を備える、光学基板をコーティングする方法。
【請求項2】
パターンを形成するために前記半導体コーティング材をドーピングするステップは、
前記半導体コーティング材上にフォトレジストを塗布するステップと、
前記フォトレジストを選択的に露光するステップと、
前記パターンに前記フォトレジストを現像するステップと、
前記フォトレジストの複数の開口部を介して前記半導体コーティング材をドーピングするステップと、
前記半導体コーティング材上に前記パターンで前記ドーピングされた半導体を残すために、前記フォトレジストを除去するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターンがグリッドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ドーピングされた半導体を活性化する前に、前記半導体コーティング材と前記ドーピングされた半導体上に保護コーティング材を塗布するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記保護コーティング材上に広帯域の反射防止コーティング材を堆積するステップをさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記半導体コーティング材と前記ドーピングされた半導体上に広帯域の反射防止コーティング材を堆積するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ドーピングされた半導体を活性化するステップは、前記ドーピングされた半導体を熱処理することまたはレーザー焼鈍することのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記半導体コーティング材は、In2O3またはZnOのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
パターンを形成するために前記半導体をドーピングするステップは、イオンの注入によりドーパントを塗布することまたは薄膜をコーティングすることによりドーパントを塗布することのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ドーピングされた半導体は、Sn、Mo、W、Ti、AlまたはGaのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記半導体コーティング材は、少なくとも可視スペクトル及び赤外スペクトル(360nm~1000μm)において、広帯域の光透過率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記半導体コーティング材を堆積するステップは、ドーピングされていない前記半導体コーティング材で前記半導体コーティング材を堆積することを含む、請求項1に記載の方
法。
【請求項13】
前記半導体コーティング材をドーピングするステップと前記ドーピングされた半導体を活性化するステップは、前記半導体コーティング材を介して前記光学基板に前記ドーピングされた半導体を拡散することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
半導体コーティング材を堆積するステップは、前記光学基板の表面上全体に前記半導体コーティング材を堆積することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
パターンを形成するために前記半導体コーティング材をドーピングするステップは、前記半導体コーティング材の表面をドーピングすることを含み、その結果、前記半導体コーティング材の表面全体は前記パターンで覆われる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
活性化されたドーピングされた半導体、前記半導体コーティング材及び前記光学基板は、エッチングを行うことなくウィンドウ内に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
活性化されたドーピングされた半導体、前記半導体コーティング材及び前記光学基板は、研磨または後処理平坦化を行うことなくウィンドウ内に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
活性化されたドーピングされた半導体及び前記半導体コーティング材は、光の分散を軽減するために、正確に一致した屈折率を有す、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記ドーピングされた半導体を導電させるステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ウィンドウであって、
コーティング材で覆われた透過基板を備え、前記コーティング材は透過半導体と導電性半導体の両方で製造され、前記導電性半導体は、前記透過半導体に、あるパターンで配置されている、ウィンドウ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は光学部材に関し、より具体的には、広帯域の光学部材のための導電性コーティング材に関する。
【背景技術】
【0002】
電子光学(EO)システムは、外部要素からセンサ及び電子機器を保護するためのウィンドウを必要とする。雨、埃等に加え、多くの場合、ウィンドウはまた、それ以外にもEOシステムの性能を妨げる可能性のある電磁干渉(EMI)を遮断しなくてはならない。
【0003】
EMIシールドは、導電及び光を透過するウィンドウによって実現可能である。シールドには従来、3つのタイプが存在する。
【0004】
第1のタイプのEMIシールドされたウィンドウは、リン、アルシンまたはアンチモンのようなV族元素でドーピングされたシリコンまたはゲルマニウムのような半導体物質を使用して、導電性をもたらすための追加の電子を供給する。これらのウィンドウは可視波長を通さないため、広帯域のEOシステムには使用できない。
【0005】
第2のタイプのシールドされたウィンドウは、継続透過伝導性コーティング材を使用する。これらのコーティング材は、広帯域の光透過性を有するインジウム酸化物(In2O3)及び亜鉛酸化物(ZnO)のようなワイドバンドギャップ半導体から構成される。これらの半導体をドーピングすることによって導電性がもたらされる。しかし、ドーピングが増加し、それによって導電率及びEMIの減衰量が増大するのに従って、光透過率は低下する。この影響は、光透過率がプラズマ反射率と電子からの自由キャリア吸収の両方によって低下する場合、より長い波長において生じる。従来の透過伝導性半導体コーティング材は、0.4ミクロンから2.0ミクロンの範囲の短波長可視から短波長赤外(SWIR)においてのみ使用可能である。
【0006】
第3のタイプのシールドされたウィンドウは従来から、可視から長波長赤外(LWIR)にわたる広帯域のアプリケーションに必要とされている。微細な金属線から成るグリッドがウィンドウの表面上に適用される。一般的な寸法は、幅が5ミクロンである線と線の間の間隔が140ミクロンである。これらのグリッド状のウィンドウは、広い波長範囲にわたる光透過率を有効にするが、障害物及び分散により光の透過が制限される。
【0007】
米国特許第9,276,034号の出願は、伝導性グリッドからの光の分散を低減する方法を提示している。チャネルをウィンドウ基板内にエッチングし、ウィンドウの表面が平らになるように導電性半導体をチャネル内に堆積する。半導体は、可視波長及び短波長赤外(SWIR)波長に対しては光を透過するが、中波長赤外(MWIR)波長及びより長い波長に対しては光を反射及び吸収する。基板の屈折率に近い屈折率を有する半導体を用いることによって、グリッド線からの光の分散が最小限になる。
【0008】
従来技術は、意図した目的を果たすには十分であると考えられてきたが、広帯域の光学部材に用いるための導電性光学コーティング材への改良は常に必要とされている。本開示は、この課題に対する解決策を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第9,276,034号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
光学基板をコーティングする方法は、光学基板の表面上に半導体コーティング材を堆積することを含み、半導体コーティング材、例えばドーピングされていない半導体コーティング材は広帯域の光透過率を有する。半導体コーティング材の複数の部分は、半導体コーティング材にドーピングされた半導体のパターンを形成するためにドーピングされる。パターンにドーピングされた半導体は、導電性を得るために活性化される。
【0011】
パターンを形成するために半導体コーティング材をドーピングすることは、半導体コーティング材上にフォトレジストを塗布することを含み得る。フォトレジストは、パターンに選択的に露光及び開発され得る。半導体コーティング材は、フォトレジストの複数の開口部を介してドーピングされ得る。フォトレジストは、半導体コーティング材上に当該パターンでドーピングされた半導体を残すために除去され得る。
【0012】
パターンを形成するために半導体コーティング材をドーピングすることは、イオンの注入によりドーパントを塗布することまたは薄膜をコーティングすることによりドーパントを塗布することのうちの少なくとも1つを含み得る。パターンは、光学基板に電磁干渉(EMI)シールドをもたらすように構成され得る。パターンはグリッドを含み得る。ドーピングされた半導体を活性化することは、ドーピングされた半導体を熱処理することまたはレーザー焼鈍することのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0013】
保護コーティング材は、ドーピングされた半導体を活性化する前に、半導体コーティング材及びドーピングされた半導体のパターン上に塗布され得る。この方法は、保護コーティング材上に広帯域の反射防止コーティング材を堆積することを含み得る。この方法は、半導体コーティング材及びドーピングされた半導体上に直接広帯域の反射防止コーティング材を堆積することを含み得ると考えられる。
【0014】
半導体コーティング材は、In2O3またはZnOのうちの少なくとも1つを含み得る。ドーピングされた半導体は、Sn、Mo、W、Ti、AlまたはGaのうちの少なくとも1つを含み得る。半導体コーティング材は、少なくとも可視スペクトル及び赤外スペクトル(360nm~1000μm)において広帯域の光透過率を有し得る。半導体コーティング材を堆積することは、ドーピングされていない半導体コーティング材で半導体コーティング材を堆積することを含み得る。半導体コーティング材をドーピングすること及びドーピングされた半導体を活性化することは、半導体コーティング材を介して光学基板にドーピングされた半導体を拡散することを含み得る。
【0015】
半導体コーティング材を堆積することは、光学基板の表面上全体に半導体コーティング材を堆積することを含み得る。パターンを形成するために半導体コーティング材をドーピングすることは、半導体コーティング材の表面をドーピングすることを含み得、それによって半導体コーティング材の表面全体が、パターンで覆われる。
【0016】
活性化してドーピングされた半導体、半導体コーティング材及び光学基板は、エッチングを行わずにウィンドウ内に形成され得る。活性化してドーピングされた半導体、半導体コーティング材、及び光学基板は、研磨または後処理平坦化を行うことなくウィンドウ内に形成され得る。活性化してドーピングされた半導体及び半導体コーティング材は、光の分散を軽減するために正確に一致した屈折率を有し得る。
【0017】
ウィンドウは、上述した処理の任意の実施形態によって生成され得る。ウィンドウは、コーティング材で覆われた透過基板を含み、このコーティング材は、透過半導体及び導電性半導体の両方で製造され、導電性半導体は透過半導体にあるパターンで配置される。
【0018】
主題の開示のシステム及び方法のこれら及び他の特徴は、下記で図面に関連して行われる発明を実施するための形態から当業者により容易に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
主題の開示に関わる当業者が、主題の開示のデバイスをどのように製造し、主題の開示の方法をどのように利用するかについて、必要以上の実験を行うことなく容易に理解するように、いくつかの図面を参照してこれらの好適な実施形態を下記に詳細に説明する。
【
図1】主題の開示に従って構成された光学部材の例示的な実施形態の概略立面断面図であり、光学基板の表面上に堆積し、広帯域の光透過率を有する半導体コーティング材を示す。
【
図2】
図1の光学基板の概略立面断面図であり、半導体コーティング材に対してあるパターンに塗布されたドーパント原子を示す。
【
図3】
図1の光学部材の概略立面断面図であり、半導体コーティング材において拡散及び活性化する、ドーピングされた半導体を示す。
【
図4】主題の開示に従った処理の例示的な実施形態のフロー図であり、フォトレジストを用いたパターンにドーピングされた半導体を塗布するための処理を示す。
【
図5】
図1の光学基板の概略平面図であり、例示的なグリッドパターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、同じ参照番号が主題の開示の類似する構造的特徴または態様を識別する図面を参照する。説明及び図示するため、本開示に従った光学部材の例示的な実施形態の部分図を
図1に図示し、全体として参照番号100によって示すが、これに限定されるものではない。本開示に従った光学部材の他の実施形態または態様は、説明するように
図2から
図5に提供する。ここで説明するシステム及び方法は、ウィンドウのような光学部材上に導電性コーティング材を設けるために用いることができ、このコーティング材は広帯域の光透過率を有する。
【0021】
透過導電性コーティング材で光学基板102をコーティングする方法は、光学基板の表面上に半導体コーティング材104を堆積することを含み、この半導体コーティング材は広帯域の光透過率を有する。半導体コーティング材104は、インジウム酸化物(In
2O
3)または亜鉛酸化物(ZnO)のうちの少なくとも1つを含み得る。半導体コーティング材104は、例えば、長波長赤外線のような少なくとも可視スペクトル及び赤外スペクトルにおいて広帯域の光透過率を有し得る。半導体コーティング材104を堆積することは、ドーピングされていない半導体コーティング材で半導体コーティング材を堆積することを含み得る。半導体コーティング材104を堆積することは、光学基板102の表面上全体、例えば
図1に示すような光学基板102の表面の上端部に半導体コーティング材を堆積することを含み得る。
【0022】
次に
図2を参照して、半導体コーティング材104をドーピングし、半導体コーティング材104にドーピングされた半導体106の(
図5に示す)パターン108を形成する。パターン108を形成するために半導体コーティング材104をドーピングすることは、イオン注入によるドーパントの塗布、薄膜をコーティングすることによるドーパントの塗布、または他の適切な任意のプロセスのうちの少なくとも1つを含み得る。ドーピングされた半導体は、導電性を得るためにSn、Mo、W、Ti、Al、Ga、または他の適切な任意の物質のうちの少なくともひとつを含み得る。例えば、半導体コーティング材104がドーピングされていないIn
2O
3を含む場合、ドーピングされた半導体106は、Sn、Mo、WまたはTiでドーピングされたIn
2O
3を含み得る。別の実施例において、半導体コーティング材104がドーピングされていないZnOを含む場合、ドーピングされた半導体106は、AlまたはGaでドーピングされたZnOを含み得る。
【0023】
次に
図3を参照して、パターン108にドーピングされた半導体106がドーピングされた半導体106で導電性を得るために活性化されると、例えばドーピングされた半導体106が半導体コーティング材104に塗布された後、ドーピングされた半導体106の導電率が増加する。ドーピングされた半導体106を活性化することは、ドーピングされた半導体106を熱処理またはレーザー焼鈍することのうちの少なくとも1つを含み得る。半導体コーティング材104をドーピングすること及びドーピングされた半導体106を活性化することは、
図3に示すように、半導体コーティング材106を介して光学基板102にドーピングされた半導体を拡散することを含み得る。
【0024】
次に
図4を参照して、パターン108を形成するために半導体コーティング材をドーピングすることは、ボックス110によって示すように、半導体コーティング材102上にフォトレジストを塗布することを含み得る。
図4にボックス112によって示すように、フォトレジストは、
図5に示すパターン108に選択的に露光及び現像され得る。ドーパントは、例えばフォトレジスト上にイオン注入を行うかまたはドーピングされたコーティング材を堆積することによって、
図4にボックス114によって示すように、フォトレジストの開口部を介して半導体コーティング材104に塗布され得る。次に、
図4にボックス116によって示すように、半導体コーティング材104上にドーピングされた半導体をパターン108で残すためにフォトレジストを除去し得る。
【0025】
次に
図5を参照して、ドーピングされた半導体106のパターン108は、例えば適切な任意のグリッドパターンで光学基板に電磁干渉(EMI)シールドを提供するように構成され得る。例えば、可視及び長波長赤外において光透過率を有するグリッドで広帯域の光学部材をEMIシールドする場合、幅が5ミクロンのグリッド線とグリッド線の間の間隔が140ミクロンの正方グリッドが用いられ得る。パターン108を形成するために半導体コーティング材104をドーピングすることは、半導体コーティング材104の表面をドーピングすることを含み得、それによって半導体コーティング材104の表面全体が、
図5に示すようなパターン108で覆われる。
図5に示すグリッドパターン108は概略図であるため、必ずしも一定の縮尺ではない。
【0026】
さらに
図3を参照して、ドーピングされた半導体106を活性化する前に、保護コーティング材118を半導体コーティング材104及びドーピングされた半導体106上に塗布し得る。この方法は、保護コーティング材118上に広帯域の反射防止コーティング材120を堆積することを含み得る。広帯域の反射防止コーティング材120が、例えば保護コーティング材118を省略して、半導体コーティング材104及びドーピングされた半導体106上に直接塗布され得ることも考えられる。単層として図示しているが、広帯域の反射防止コーティング材は複数の層で構成してもよい。
【0027】
活性化してドーピングされた半導体106、半導体コーティング材104及び光学基板102は、光学部材100、例えばウィンドウに形成され得るが、エッチングを行わずにEMIシールドまたは加熱などを行うための導電性コーティング材を有する。パターン108の形成後、光学部材100の表面はすでに滑らかであるため、活性化してドーピングされた半導体106、半導体コーティング材104及び光学基板102は、研磨または後処理平坦化を行うことなくウィンドウのような完成した光学部材100内に形成され得る。活性化してドーピングされた半導体106及び半導体コーティング材104は、グリッドパターンを介して分散する可視光線及び近赤外線を軽減するため正確に一致した屈折率を有する。ドーピングされた半導体と半導体コーティング材の屈折率の比が0.82と1.22の間である場合、界面反射は垂直入射で1%未満になる。例えば、632.8nmでドーピングされたIn2O3とドーピングされないIn2O3の屈折率は、それぞれ約2.00及び1.77である。1.13のインデックス比は、たった0.37%の屈折を生成する。
【0028】
本開示の方法及びシステムは、上で説明し及び図に示したように、広帯域の光透過率を含む優れた特性を有する導電性コーティング材をもたらす。主題の開示の装置及び方法が、好適な実施形態を参照して図示及び説明されてきたが、当業者は、主題の開示範囲から逸脱することなく変更及び/または修正が行われ得ることを容易に理解するだろう。
【符号の説明】
【0029】
100 光学部材
102 光学基板
104 半導体コーティング材
106 ドーピングされた半導体
108 パターン
118 保護コーティング材
120 反射防止コーティング材