(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050823
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】統合アクセスおよびバックホールモビリティ
(51)【国際特許分類】
H04W 36/04 20090101AFI20240403BHJP
H04W 40/36 20090101ALI20240403BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20240403BHJP
【FI】
H04W36/04
H04W40/36
H04W16/32
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024016718
(22)【出願日】2024-02-06
(62)【分割の表示】P 2020561040の分割
【原出願日】2019-05-28
(31)【優先権主張番号】18175531.5
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】518144182
【氏名又は名称】アイピーコム ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ハンス、マーティン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】個々のQoSおよび優先度に従って、各スモールセル基地局がパケットを転送する方法及び基地局を提供する。
【解決手段】マルチホップ無線バックホールネットワークにおいて、複数のスモールセル基地局(SC)は、マクロセル基地局と無線通信状態にあり、各SCは、マクロセル基地局と直接接続するか又は1または複数の他のSCを介してマクロセル基地局と接続され、マクロセル基地局は候補SCを用いてマクロセル基地局とのRRC接続を有するUEデバイスを構成して、UEデバイスがSC間で自律的に切り替わることを可能にするように配置される。マクロセル基地局は、SC構成情報を用いてSCを構成するように配置され、UEデバイスにデータを伝送すること及びUEデバイスからデータを受信すること、UEデバイスから及びUEデバイスへ、データを多重化及びルーティングすることを可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マクロセル基地局と、第1のスモールセル基地局を含む複数のスモールセル基地局とを備える、モバイル通信システムサブネットワークにおける第1のスモールセル基地局を動作させる方法であって、前記複数のスモールセル基地局は、前記マクロセル基地局と無線通信しており、前記第1のスモールセル基地局は、前記マクロセル基地局と、直接接続、又は1若しくは複数の他のスモールセル基地局を介しての接続を有しており、
前記方法は、
前記第1のスモールセル基地局において、前記マクロセル基地局からスモールセル基地局構成情報を受信する段階と、
前記第1のスモールセル基地局において、第2のスモールセル基地局への接続を以前に有していたユーザ機器(UE)デバイスからのデータを受信する段階と、
前記スモールセル基地局構成情報を使用して、受信した前記データを直接又は1若しくは複数の他のスモールセル基地局を介して前記マクロセル基地局に転送する段階と、を備え、
前記UEデバイスが、前記UEデバイスの識別子を備える、前記第1のスモールセル基地局へのリソース要求、又は前記第1のスモールセル基地局への第1のデータパケットのうちの1つを送信したことを判定することにより、前記第1のスモールセル基地局は、前記UEデバイスが、前記第2のスモールセル基地局から前記第1のスモールセル基地局へとその接続を自律的に切り替えたことを判定し、
前記UEデバイスが前記第2のスモールセル基地局から前記第1のスモールセル基地局へとその接続を自律的に切り替えたと判定した際に、前記第1のスモールセル基地局は、前記第1のスモールセル基地局と前記マクロセル基地局との間の次に上位のスモールセル基地局、又はそのような次に上位のスモールセル基地局が存在しない場合には、前記マクロセル基地局に、前記第1のスモールセル基地局によってサービス提供されている前記UEデバイスについて通知して、前記UEデバイス宛てのダウンリンクパケットを前記第1のスモールセル基地局にルーティングできるようにする、
方法。
【請求項2】
前記第1のスモールセル基地局は、前記UEデバイスが前記第1のスモールセル基地局に第1のデータパケットを送信したことを判定することにより、前記UEデバイスが前記第2のスモールセル基地局から前記第1のスモールセル基地局へとその接続を自律的に切り替えたことを判定し、前記第1のデータパケットは、前記マクロセル基地局を宛先とする前記UEデバイスによって生成された無線リソース制御メッセージを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のスモールセル基地局は、前記UEデバイスが前記第1のスモールセル基地局に第1のデータパケットを送信したことを判定することにより、前記UEデバイスが前記第2のスモールセル基地局から前記第1のスモールセル基地局へとその接続を自律的に切り替えたことを判定し、前記第1のデータパケットは、前記スモールセル基地局構成情報において前記第1のスモールセル基地局に提供された、前記UEデバイスの無線ベアラを識別する局所的に一意の識別子を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のスモールセル基地局が第3のスモールセル基地局及び第4のスモールセル基地局に対して無線バックホールリンクを提供しており、第2のUEデバイスが前記第3のスモールセル基地局から前記第4のスモールセル基地局へと自律的にセルを切り替えると判定した場合に、前記第4のスモールセル基地局から前記第2のUEデバイスに関連付けられた局所的に一意の識別子を受信すると、前記第1のスモールセル基地局が、前記スモールセル基地局構成情報に基づいて前記第4のスモールセル基地局へのダウンリンクデータパケットのルーティングを開始するように、前記第1のスモールセル基地局がさらに構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第4のスモールセル基地局へのダウンリンクデータパケットのルーティングを前記開始する段階は、前記第1のスモールセル基地局が前記マクロセル基地局によって経路切り替えについて通知されるまで、前記第3のスモールセル基地局及び前記第4のスモールセル基地局に重複したダウンリンクデータパケットを送信する段階を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
マクロセル基地局と、第1のスモールセル基地局を含む複数のスモールセル基地局とを備える、モバイル通信システムサブネットワークにおける第1のスモールセル基地局であって、前記複数のスモールセル基地局は、前記マクロセル基地局と無線通信しており、前記第1のスモールセル基地局は、前記マクロセル基地局と、直接接続、又は1若しくは複数の他のスモールセル基地局を介しての接続を有しており、
前記第1のスモールセル基地局は、
前記マクロセル基地局からスモールセル基地局構成情報を受信し、
第2のスモールセル基地局への接続を以前に有していたユーザ機器(UE)デバイスからのデータを受信し、
前記スモールセル基地局構成情報を使用して、受信した前記データを直接又は1若しくは複数の他のスモールセル基地局を介して前記マクロセル基地局に転送するよう構成され、
前記UEデバイスが、前記UEデバイスの識別子を備える、前記第1のスモールセル基地局へのリソース要求、又は前記第1のスモールセル基地局への第1のデータパケットのうちの1つを送信したことを判定することにより、前記第1のスモールセル基地局は、前記UEデバイスが、前記第2のスモールセル基地局から前記第1のスモールセル基地局へとその接続を自律的に切り替えたことを判定するようさらに構成され、
前記UEデバイスが前記第2のスモールセル基地局から前記第1のスモールセル基地局へとその接続を自律的に切り替えたと判定した際に、前記第1のスモールセル基地局は、前記第1のスモールセル基地局と前記マクロセル基地局との間の次に上位のスモールセル基地局、又はそのような次に上位のスモールセル基地局が存在しない場合には、前記マクロセル基地局に、前記第1のスモールセル基地局によってサービス提供されている前記UEデバイスについて通知して、前記UEデバイス宛てのダウンリンクパケットを前記第1のスモールセル基地局にルーティングできるようにするよう構成される、
第1のスモールセル基地局。
【請求項7】
前記第1のスモールセル基地局は、前記UEデバイスが前記第1のスモールセル基地局に第1のデータパケットを送信したことを判定することにより、前記UEデバイスが前記第2のスモールセル基地局から前記第1のスモールセル基地局へとその接続を自律的に切り替えたことを判定するよう構成され、前記第1のデータパケットは、前記マクロセル基地局を宛先とする前記UEデバイスによって生成された無線リソース制御メッセージを含む、請求項6に記載の第1のスモールセル基地局。
【請求項8】
前記第1のスモールセル基地局は、前記UEデバイスが前記第1のスモールセル基地局に第1のデータパケットを送信したことを判定することにより、前記UEデバイスが前記第2のスモールセル基地局から前記第1のスモールセル基地局へとその接続を自律的に切り替えたことを判定するよう構成され、前記第1のデータパケットは、前記スモールセル基地局構成情報において前記第1のスモールセル基地局に提供された、前記UEデバイスの無線ベアラを識別する局所的に一意の識別子を含む、請求項6又は7に記載の第1のスモールセル基地局。
【請求項9】
前記第1のスモールセル基地局が第3のスモールセル基地局及び第4のスモールセル基地局に対して無線バックホールリンクを提供しており、第2のUEデバイスが前記第3のスモールセル基地局から前記第4のスモールセル基地局へと自律的にセルを切り替えると判定した場合に、前記第4のスモールセル基地局から前記第2のUEデバイスに関連付けられた局所的に一意の識別子を受信すると、前記第1のスモールセル基地局が、前記スモールセル基地局構成情報に基づいて前記第4のスモールセル基地局へのダウンリンクデータパケットのルーティングを開始するように、前記第1のスモールセル基地局がさらに構成される、請求項6から8のいずれか一項に記載の第1のスモールセル基地局。
【請求項10】
前記第4のスモールセル基地局へのダウンリンクデータパケットのルーティングを前記開始することは、前記第1のスモールセル基地局が前記マクロセル基地局によって経路切り替えについて通知されるまで、前記第3のスモールセル基地局及び前記第4のスモールセル基地局に重複したダウンリンクデータパケットを送信することを含む、請求項9に記載の第1のスモールセル基地局。
【請求項11】
マクロセル基地局と、複数のスモールセル基地局とを備える、モバイル通信システムサブネットワークにおけるマクロセル基地局であって、前記複数のスモールセル基地局は、前記マクロセル基地局と無線通信しており、各スモールセル基地局は、前記マクロセル基地局と、直接接続、又は1若しくは複数の他のスモールセル基地局を介しての接続を有しており、
前記マクロセル基地局は、前記マクロセル基地局への無線リソース制御(RRC)接続を有するユーザ機器(UE)デバイスが、前記マクロセル基地局により前記UEデバイスに提供される候補スモールセル基地局構成情報を使用して、スモールセル基地局同士の間の自律的な切り替えを実行可能に構成し、
前記候補スモールセル基地局構成情報は、前記スモールセル基地局が、
前記UEデバイスからデータを受信し、
前記マクロセル基地局又は別のスモールセル基地局にデータを転送することを可能とするよう構成し、
前記マクロセル基地局は、
UEデバイスによって実行される第1のスモールセル基地局から第2のスモールセル基地局への自律的な切り替えについて前記マクロセル基地局に通知するRRCメッセージを前記UEデバイスから受信し、
前記第1のスモールセル基地局に対して、前記UEデバイスから又は前記UEデバイスへのデータのルーティングを停止するよう要求するよう構成される、
マクロセル基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ機器、UE、デバイスが通信セル間で切り替え可能な移動体通信ネットワークを動作する方法に関連する。
【0002】
既知のセルラ移動体通信ネットワークは、コアネットワーク(CN)および1または複数の無線アクセスネットワーク(RAN)を含む。CNは、特に、ユーザおよびデバイスを認証および許可する機能、サービス品質(QoS)を管理および制御する機能、様々なデータネットワークにアクセスを提供する機能、およびRANとデータネットワークとの間でデータルーティングを行う機能を含む。CNは通常、無線アクセス技術(RAT)に依存しない、すなわち、特定のRATまたはRANに関連しない機能のみを含む。
【0003】
各RANは、ユーザ機器(UE)デバイスに、コアネットワークへのワイヤレス無線アクセスを提供する機能を含む。これらの機能の一部は、使用されるRAT、例えば、UMTS、LTEまたは5G新無線(NR)に特化している。RANは、特定のRAT(NB,eNB,gNB)の複数のマクロ基地局から成り、多数の同じまたは異なるRATのスモールセル基地局(SC)を追加的に含み得る。
【0004】
CNに登録されたUEデバイスは、RANとCNとに現在接続を有し得るか(すなわち、接続モードにある)、または、そのような接続を有しない(すなわち、アイドルまたは非アクティブモードにある)。接続モードにあるUEデバイスの場合、通常、デバイスを制御する1つの基地局が存在し、本明細書全体にわたってサービング基地局またはサービングセルと呼ばれる。このサービング基地局は、無線リソース制御(RRC)プロトコルを使用し、UEと基地局との両方にRRCコンテキストを確立する。RRCコンテキストは、UEデバイスの無線機能、それぞれのQoSを有するベアラの現在のセットアップ、これらのベアラ上のサービスまたはアプリケーションの多重化、これらのベアラの物理リソース上への多重化、UEデバイスにより実行される割り当てられた使用可能リソースおよび測定、ならびにそのような測定を報告するためのトリガおよびコンテンツを含む。測定の構成は、測定される近隣セルを含む。近隣セルは、制御基地局と同じRATと同じ周波数とで、同じRATと異なる周波数または異なるRATとで動作し得る。
【0005】
サービング基地局で受信された測定報告が、近隣セルがサービングセルより通信に適切であることを指示する場合、基地局は、ハンドオーバのための選択されたターゲットセルを準備して、ターゲットセルにハンドオーバするようにUEに命令するハンドオーバ手順を実行し得る。準備している間、ターゲットセルは、サービングセルからRRCコンテキストを受信し、その結果、UEとターゲットセルとの間の通信は、基本的にサービングセルで有していた状態から継続し得る。
【0006】
US 2011/0143738 A1は、外部入力に応答して独自の機能を変更し、環境に対する検索戦略を最適化する機能である自律検索機能(ASF)について説明する。モバイルデバイスは、LTEネットワーク上のASFを使用して、様々な周波数をスキャンし、セルによってブロードキャストされる情報を見出す。UTRAおよびE-UTRAセルによりブロードキャストされる情報は、セルの閉鎖的加入者グループ(Closed Subscriber Group:CSG)ID、サポートされたプロトコルを特定する情報、サポートされた無線アクセス技術(RAT)を特定する情報、およびその周波数内のセルのレーティング、並びに、セルとその接続方法を識別する他の情報を含み得る。モバイルデバイスは、検出されたセルについての情報を使用して、ハンドオーバの呼び出しまたはハンドオーバ回避のための近接検出メッセージを開始し得る。モバイルデバイスが、UTRAまたはE-UTRA基地局に接続されている間に別のセルの付近に入るまたはそこから離れる場合、ネットワークは、モバイルデバイスの現在の基地局と検出されたセルの基地局との間でハンドオーバメッセージを開始し得る。
【0007】
US 9,717,110は、第1無線通信デバイスと第2無線通信デバイスとの間の無線通信方法を提供し、第1デバイスは、第1および第2デバイスに共通の第1ウェイクアップ期間中に、メッシュネットワークにおける第2デバイスにチャープ信号を送信する。第1デバイスはさらに、第1ウェイクアップ期間中に、複数の第2デバイスのうちから決定された無線中継デバイスから、キープアライブ信号と接続セットアップ情報とを受信し、ここで接続セットアップ情報はリソース割り当て情報を含む。さらに、ダウンリンクページングは、接続セットアップ情報と共に第1デバイスに伝送され得る。
【0008】
US 2017/0055192 A1は、拡張DRXが使用される場合(すなわち、UEがより長期間データを受信しない場合)、RRC接続モードの間にUEがセルの再選択を実行する、UE中心モビリティメカニズムについて説明する。再選択の基準はRRC接続モードのソースセルから受信され、UEは、条件に基づいて、ネットワークに制御モビリティまたはUE自律セル再選択が適用されているかどうか、例えば、拡張DRXが使用されているかどうかについて決定する。ターゲットセルにおいてUE自律再選択を使用し、シグナリングが必要とされる場合、UEによりRRC再確立手順が使用され、ターゲットセルへの接続が確立される。結果として、ターゲットセルは、RRC接続の確率またはアイドルモードからの再開と同様に、ソースセルからUEコンテキストにフェッチする。
【0009】
EP 2 879 440 A1は、マクロセル基地局により制御されるスモールセル基地局を含むシステムにおけるスモールセル基地局を制御する技術について説明する。スモールセルは測定を行い、情報はマクロセル基地局に報告される。
【0010】
WO 2017/028808 A1は、ハンドオーバシグナリングなくUEがセル再選択を実行できる接続モードのセル再選択の方法について説明する。EP 3 125 640 A1は、ベアラ管理手順について説明しており、ここでUEはデュアル接続性を有し、マスターセルグループとセカンダリセルグループとの間でベアラの種類を変化させる。WO 2015/065010 A1は、例えば、マクロセル基地局とスモールセル基地局とを含むヘテロジニアスネットワークにおいてデュアル接続性を実行する方法について説明する。
【0011】
無線中継はLTEから既知である。それらは、いわゆるドナー基地局(DeNB)を介して、コアネットワークに無線で接続する基地局である。無線中継によりサービス提供されるUEデバイスに対して、リレーは、UEデバイスを制御する通常の基地局のように見える。すなわち、RRC接続が、リレーとUEデバイスとの間のセットアップである。無線中継は、DeNBに対するUEと同様に動作するが、UEとリレーとの間で使用される無線リソースは、DeNBによってまたはCNによってある程度制御される。
【0012】
デュアルまたはマルチ接続性メカニズムは、単一UEデバイスがサービングセル(その場合はプライマリセルと呼ばれる)へのRRC接続とアクティブな無線接続とを有し、加えて、セカンダリセルへの1または複数のアクティブな無線接続を有する、LTEおよびNRから既知である。プライマリセルは、UEデバイスを制御し、UEデバイスと関連してセカンダリセルをも制御する。UEデバイスにセカンダリセルを提供している基地局は、他のUEデバイスをプライマリセルまたはサービングセルとして並行して制御し得る。セカンダリセルのUEへの追加およびUEからの削除は、完全にプライマリセルの制御下にある。
【0013】
LTEネットワークの新5G NR技術への移行のために、LTE接続を提供するプライマリセルと5G NR接続を提供するセカンダリセルとを有する(またはその逆)UEデバイスによってデュアル接続性が導入される。その場合、セカンダリセルも、それぞれのセカンダリRATのUEデバイスとのRRC接続を有するが、プライマリセルは依然として、セカンダリセルの追加および削除を含む接続を制御している。
【0014】
単一UEデバイスの場合、サービング基地局は通常、コアネットワークへの唯一のまたは主なアクセスポイントである。すなわち、コアネットワークによる制御メッセージの交換(いわゆるNASシグナリング)は、この基地局によってコアネットワークにルーティングされる。また、ユーザデータは、複数のCNアクセスポイントがユーザデータルーティングに使用されるいくつかのデュアル接続性シナリオを除いて、サービングセルを介してルーティングされる。CNがUEに対してシグナリングまたはデータ転送を開始する必要がある場合、それはサービング基地局におけるシグナリングまたはデータ転送を要求する。
【0015】
3GPP(登録商標)は最近、通常スモールセル(SC)に使用される無線バックホールリンクの5G NR RATの使用に関する研究を開始した。研究の目的は、SCを制御基地局(いわゆるドナー次世代ノードB、DgNB)に無線で接続することにより、低コストで低労力のSC展開を可能にすることである。研究は、パスにおける最後のSCがDgNBへの直接リンクを提供するまで、SCを別のSCに無線で接続するマルチホップシナリオを含む。
【0016】
新たなマルチホップ無線RANは、どのノード、すなわちどの基地局が、マルチホップRANおよびそのRANに接続されたUEデバイスの制御を有するかに関して、異なるアーキテクチャの代替手段を使用し得る。各解決手段は、利点と欠点とを有する。
【0017】
LTEの既知の無線中継と同様に、マルチホップRANの各基地局(SC)は、サービス提供されるUEデバイスに対してまたはサービス提供されるSCに対して全体基地局として動作し得る。そのバックホールリンクについて、そのようなSCは次に、ネクストホップSCまたは最上位SC層のDgNBによりサービス提供されるUEデバイスと同様に動作する。この解決手段の欠点は、SC間のUEの各ハンドオーバが、階層型マルチホップRANを介したSC間のコンテキスト転送を要求することである。暗号化と完全性保護とのためのセキュリティキーが、サービング基地局とUEデバイスとの間でセットアップされるので、SCは、これに応じて構築される(すなわち、アクセス不可能な場所に配置される、または、読み出されることからセキュリティキーを保護するハウジングに保護される)必要がある。これは、そのようなSCの価格を大幅に上昇させる。また、単一ノードはマルチホップネットワークの制御を有しない。したがって、各SCは、サービス提供されるUEデバイスで測定を適切に構成すべく、周囲の近隣セルについての知識を必要とする。これは、そのような無線SCのセットアップを容易なセットアップを困難にして、新たにセットアップされるSCごとに必要な動作およびメンテナンスシステムの介入を要求し得る。別の欠点は、そのアーキテクチャにおける各SCが、CNのUEのサービングRANノードである(すなわち、SC間のUEのあらゆるハンドオーバはそれぞれのCNノードの更新を要求する)ことである。
【0018】
代替的なアプローチは、DgNBにおける各RRC接続の終了(すなわち、全てのUEデバイス、並びにマルチホップRANを介する無線バックホールを有するSCがDgNBとのRRC接続をセットアップ)して、マルチホップRAN内の次に全てのデバイスを制御することである。これは、DgNBにより完全に構成されたSCの容易なセットアップを可能にする。その場合のセキュリティは各デバイスとDgNBとの間でセットアップされるので、サービス提供されるデバイスのセキュリティは、どのSCにおいても問題にされない。したがって、SCの価格およびその位置が下がり得る。
【0019】
しかしながら、後者のアーキテクチャの代替手段は、デバイスとそれらのサービング基地局(ここではDgNB)との間の接続にレイテンシを導入し、これは、サービング基地局のいくつかの機能を非常に迅速に実行し、構成がサービス提供されるデバイスに迅速に到達する結果をもたらすという要件と矛盾する。そのような低遅延手順の1つの例は、測定報告およびその結果としてのハンドオーバ決定である。
【0020】
本発明は、DgNB中心のマルチホップRANの欠点を克服し、そのアーキテクチャをSC展開にとって最も有益な解決手段にする。
【0021】
本発明は、移動体通信システムサブネットワークを提供し、当該移動体通信システムサブネットワークは、第1またはマクロセル基地局と、複数の第2またはスモールセル基地局とを備え、複数の第2基地局は第1基地局と無線通信状態にあり、ここで、各第2基地局は、第1基地局と直接接続されまたは1または複数の他の第2基地局を介して第1基地局と接続され、ここで、第1基地局は、候補第2基地局情報を用いて第1基地局との無線リソース制御(RRC)接続を有するユーザ機器(UE)デバイスを構成して、UEデバイスが第2基地局間で自律的に切り替わることを可能にするように配置され、
ここで、第1基地局は、第2基地局構成情報を用いて第2基地局を構成するように配置され、第2基地局構成情報は、第2基地局が、UEデバイスにデータを伝送することおよびUEデバイスからデータを受信すること、ならびに、UEデバイスからおよびUEデバイスへデータを多重化およびルーティングすることを可能にする。
【0022】
本発明はさらに、対応するUEデバイス、スモールセル基地局、および移動体通信ネットワークを動作する方法を提供する。
【0023】
ここで、本発明の好ましい実施形態が、添付の図面を参照して、例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】マルチホップ無線バックホールネットワークの概略的配置を示す図である。
【
図5】さらなるメッセージシーケンスチャートの図である。
【
図6】さらなるサブネットワーク配置の概略図である。
【
図8】さらなるサブネットワーク配置の概略図である。
【
図9】
図8のサブネットワークのメッセージシーケンスチャートの図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、CNに接続された5G新無線(NR)ドナー基地局(DgNB)を有するマルチホップ無線バックホールRANの一例を示す。DgNBは、無線で接続された複数のカスケードされたスモールセル基地局のサブネットワークを制御する。各スモールセル基地局は、別のスモールセル基地局またはDgNBへの1つの無線バックホールリンクと、他のスモールセル基地局またはUEデバイスへの0またはそれより多くのアクセスリンクとを有する。
【0026】
DgNBは、スモールセルSC2.1およびSC2.2にそれぞれアクセスリンク1および5を有する。
【0027】
スモールセル基地局SC2.1は、スモールセルSC3.1およびSC3.2にそれぞれアクセスリンク2および4を有する。加えて、SC2.1はUEデバイスUE3へのアクセスリンクを提供する。スモールセルSC2.2は、スモールセルSC3.3およびUEデバイスUE5へのアクセスリンクを有する。
【0028】
それぞれのアクセスリンクを介して、スモールセルSC3.1は、2つのUEデバイスUE1とUE2とにNR接続性を提供し、スモールセルSC3.2は、UEデバイスUE4にNR接続性を提供する。
【0029】
本発明によると、所与の例における全てのスモールセルおよびUEデバイスは、RANへおよび当該RANを介してCNへのアクティブな接続を有し、様々なデータネットワーク(図示せず)への接続をさらに提供し得る。UEデバイスUE1、UE2およびUE4は、無線バックホールリンク(例えば、リンク2)を介して第2スモールセルに接続される第1スモールセルへの第1リンク(例えば、リンク3)を介してDgNBへのRRC接続を確立した。第2スモールセルは、無線で(例えばリンク1を介して)DgNBに接続される。UEデバイスUE3およびUE5は同様に、DgNBに無線で接続されたスモールセルへの直接接続を介して、DgNBへのRRC接続を有する。
【0030】
ULおよびDLにおける全ての無線リンクは、伝送デバイスの固有の識別を有する。すなわち、全てのレガシーセルラ無線通信システムにおける受信基地局は、異なる伝送デバイスから受信されたデータを区別することが可能で、デバイスはそれらがどの基地局から受信するかを知っている。
【0031】
本発明によると、当該例における全てのスモールセルは、直接無線バックホールリンクを介してまたは別のスモールセルへの無線バックホールを介して、DgNBへのRRC接続を有する。
【0032】
この新たなアーキテクチャにおけるスモールセル基地局は、層2のリレーと同様である。それらは、UEデバイスのRANへのアクセスを制御することまたはデバイスを構成することを行わず、両方はDgNBにより行われる。それらは、DgNBから受信されたそれらの構成に従って、サービス提供されるUEデバイスとサービス提供されるスモールセルとへのアクセスリンクを介して、無線リソースを提供する。ダウンリンクにおいて、それらは、無線バックホールリンクで受信されたデータを復号して、セグメント化されたデータパケットを再構築して、さらにそれらは、次のスモールセル基地局またはUEデバイスへの無線アクセスリンクで転送されるパケットをセグメント化および符号化する。アップリンクにおいて、スモールセル基地局は、アクセスリンクで受信されたデータを復号して、セグメント化されたデータパケットを再構築して、さらにそれらは、次のスモールセル基地局またはDgNBへの無線バックホールリンクで転送されるパケットをセグメント化および符号化する。
【0033】
説明されたマルチホップネットワーク全体にわたってQoSが提供されることを可能にすべく、異なるUEデバイスからの異なるベアラは、あらゆるスモールセル内で区別される必要がある。そのときに限って、スモールセルはベアラとUEデバイスとに固有の優先度およびリソース割り当てを適用できる。結果として、2つのスモールセル間またはスモールセルとDgNBとの間のエアインタフェースにおいて、発信UEデバイスおよびベアラの指示があらゆるデータパケットに必要とされる。すなわち、スモールセルは、UEの1つのベアラからのデータパケットを、同一のUEの別のベアラから区別できる必要がある。同様に、それらは、UEの1つのベアラからのデータパケットを、別のUEのベアラから区別できる必要がある。
【0034】
エアインタフェース(例えば、無線バックホールリンクにおける)は、ULでデータを伝送した発信デバイス(すなわち、単一ホップのピアデバイス)である情報を本質的に提供する。また、エアインタフェースは、そのホップにベアラ識別を提供するが、各さらなるホップでは、発信デバイス並びにベアラ情報が失われる。
【0035】
本発明によると、スモールセルは、同様のまたは同じQoSを有する前のホップのベアラから(潜在的には異なる発信デバイスから)受信された全てのデータを、それぞれのQoSを有するネクストホップの1つのベアラ上へ多重化する。そのように多重化されたデータは、2つのスモールセル間のエアインタフェースによって伝送される。発信ベアラおよびデバイスの指示は、データパケットに挿入または追加される。この指示は、ネクストホップベアラ上へのデータの多重化について再度決定すべく、受信機で使用される。これは、それらの個々のQoSおよび優先度に従って、各スモールセル基地局がパケットを転送することを可能にする。
【0036】
ベアラは、データパケットのMACヘッダにおける論理チャネル識別(LogCh-ID)を指示することにより、レガシーエアインタフェース(例えば、LTE)上で指示される。しかしながら、LogCh-IDは、UEデバイスとサービング基地局との間における単一RRC接続内でのみ一意である。他のデバイスは、同じLogCh-IDを使用してそれらのベアラを指示し得る。基地局は、物理層で固有のUEデバイス識別子を使用して、パケット発信元を一意に識別する。
【0037】
本発明において、カスケードされたスモールセル基地局ネットワークにおけるパケットの処理のために、UEデバイス識別子とベアラとを組み合わせる識別が必要とされる。この意味でのベアラは、共通または同様のQoSおよび優先度を有する任意のデータフローに使用される用語である。レガシー無線アクセスネットワークにおいて、これは通常、ベアラと呼ばれる。本発明の残りの部分では、一般性を失うことなく当該用語を使用する。(LogCh-ID)と同様に、発信UEとベアラとの指示を併せてグローバル論理チャネル識別子(GLogCh-ID)と呼び、これは次に、各ホップのマルチホップネットワーク内で使用される。
【0038】
GLogCh-IDは、サブネットワーク内でサービス提供されるあらゆるUEデバイスのあらゆるベアラに対して一意である。UEデバイスは依然として、GLogCh-IDにおいて、例えばこの識別子が2つの部分、サブネットワークのUEデバイスに対して一意であるUEデバイス識別子と、現在のプロトコルスタックで使用されるLogCh-IDと同様の単一UEデバイスのベアラに対して一意であるLogCh-IDとを有するとき、識別可能であり得る。代替的に、GLogCh-IDはUEとベアラと対して別個の識別子を有しない。
【0039】
DgNBは多重化を制御する。それは、それらがルータとしてまたはアクセスリンクを提供するために、実際にまたは潜在的にサービス提供するように構成されたデバイスのGLogCh-IDとそれぞれのQoSおよび優先度とを有する全てのスモールセルを構成する。
【0040】
説明を単純化すべく、以下では、
図1に示されるもののいくつかのノードのみを中心に説明する:UE1、SC3.1、SC2.1、リンク3、2および1、ならびにDgNB。
【0041】
図2a、
図2bおよび
図2cは、NRエアインタフェースの現在想定されたプロトコルスタック層に基づいて、関連ノードにおいて有利に使用されるようなプロトコルスタック層を示す。
【0042】
図2aは、UEデバイスUE1とDgNB(制御プレーン)との間のRRC接続の確立およびメンテナンスのためのプロトコルスタックを、スモールセルSC3.1とSC2.1とを介して示す。RRC接続は、UEであるUE1とDgNBとの間で確立され、その結果、RRCプロトコルピアは、UEデバイスおよびDgNB内に存在する。セキュリティアソシエーションは、これら2つのエンティティ間に同様に確立され、PDCPプロトコル層は、セキュリティアソシエーション(すなわち、それぞれの共有キー)を使用して、RRCメッセージの暗号化と完全性保護とを行う。PDCPの下のプロトコル層、すなわち、無線リンク制御プロトコル(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)および物理層(PHY)は、実際の無線リンクに関連する。したがって、それらは各関連ノードに存在し、各ホップはホップの両側にあるそれぞれのピアプロトコルにより確立される。
【0043】
ネットワークノード間(すなわち、2つのスモールセル間またはスモールセルとDgNBとの間)のホップごとに、受信したパケットをネクストホップベアラ上へ多重化し、本発明において新たに導入されたGLogCh-IDを指示する機能が必要とされる。このため、これらのホップの各々のプロトコルスタックは、RLC、MACおよび物理層の既知の機能に加えて、伝送パケットのヘッダフィールドにGLogCh-IDを保持し、DgNBによる構成に基づいて、パケットを多重化するネクストホップベアラを決定するリレー機能を含む。このリレー機能は、追加RLCヘッダフィールドを有する追加機能として、RLC層において実行され得る。代替的に、ホップ・ツー・ホップのプロトコルスタックは、その機能のための追加的なかつ強化されたPDCP層を含み得る。
図2aは、一般性を失うことなく、リレープロトコル(RP)と名付けられた追加のプロトコル層における機能に対する別の代替手段を示す。
【0044】
同様に、
図2bは、UEデバイスUE1からのユーザデータをDgNBに転送するためのそれぞれのプロトコルスタックを示す。UE1およびDgNBには、5G NRに新たに導入されたデータ無線ベアラ(SDAP)にサービスデータフローを多重化するためのプロトコルと、暗号化、完全性保護および制御データ圧縮のためのPDCPプロトコルとが存在する。再び、PDCPの下のプロトコル層、すなわち、無線リンクプロトコル(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)および物理層(PHY)は、実際の無線リンクに関連し、したがって、各関連ノードに存在する。GLogCh-IDと多重化との指示により新たに導入されたリレー機能は、上記のように、代替手段が存在している間に、リレープロトコル(RP)として再度示される。
【0045】
図2cは、スモールセルSC3.1とDgNBとの間のRRC接続の確立およびメンテナンスのためのプロトコルスタックを示す。RRCおよびPDCPピアはそれぞれ、SC3.1とDgNBとに存在し、RLC、MACおよびPHYは、ホップバイホップである。リレー機能(例えばRP層における)は、その接続(すなわち、SC2.1からDgNBへの)の第2ホップでのみ必要とされる。SC2.1とDgNBとの間のRRC接続の確立およびメンテナンスのためのプロトコルスタック(どの図にも図示せず)は、
図2cと非常に似ているように見え得るが、SC2.1とDgNBとの間のあらゆるプロトコルスタック層の直接ピアを有する。
【0046】
上記のアーキテクチャに基づいて、本発明の一態様は、DgNBにより候補ハンドオーバターゲットスモールセルの構成である。UEデバイスが、DgNBにより構成される基準に基づいているが、ソースおよびターゲットセルに関連する測定を報告することなく、かつ基地局によりハンドオーバを実行するように命令されることなく、現在のソーススモールセルから候補ターゲットスモールセルのうち1つへと接続を自律的に切り替えることが可能となるように、構成が実行される。
【0047】
UEデバイスは、候補スモールセルのセット(すなわち、セル識別子、周波数リソースおよび無線パラメータ)で構成される。当該構成は、例えば、アップリンク制御チャネルで、RACHを介してまたは直接リソース要求を介して、ターゲットセルにアクセスするモードのようなさらなる情報を含み得る。また、当該構成は、セルを切り替える基準、例えば、セル切り替えが考慮される前に現在のソースセルがそれより下回る必要がある閾値、ソースおよびターゲットセルを比較するための閾値、ターゲットセルがソースセルより高い閾値を有する受信信号強度を有する必要がある継続時間、または他の基準を含む。当該基準が満たされる場合、UEはターゲットセルをすぐに切り替える。
【0048】
上記の潜在的なターゲットセルの候補リストは、周知の近隣セルリストから大きく異なり、特定の基準下において、測定するセルとサービングセルへの報告とを含み、その結果、サービングセルはハンドオーバを準備することを決定することと、UEデバイスがハンドオーバを実行するように命令することとが可能になる。したがって、レガシー近隣セルリスト構成と、関連する測定および報告の構成と、性能とは、UEデバイスにサービス提供するDgNBの制御下にない潜在的なターゲットセルに対して、本発明と並行して継続可能である。
【0049】
また、UEがアイドル状態を経る(すなわち、選択されたセルを用いて新たなRRCコンテキストをセットアップする)ことが要求されるので、候補リストおよび自律セル切り替えは、サービングセルの無線リンク障害の後のセル選択と大きく異なる。
【0050】
候補スモールセルの構成は、UEデバイスでのみ行われるわけではない。DgNBは、ターゲットセルを介するデータ転送がセル切り替え後にすぐに開始可能であるように、同様に候補ターゲットスモールセルを構成する。
【0051】
DgNBは、UEデバイスから、かつUEデバイスに、データを伝送および受信することと、データ(制御およびユーザデータ)を多重化およびルーティングすることとに必要とされる全ての情報を有する候補ターゲットセルを構成する。 すなわち、候補スモールセルは、
UEデバイスにおいて確立された既存のシグナリングおよびデータベアラについての情報と、
伝達チャネルまたは物理リソース上へベアラを多重化するための多重化情報と、
優先度情報(例えば、同一のUEのベアラの互いに対する優先度、および/または、他のUEデバイスまたは同じスモールセルによりサービス提供されるスモールセルに対するUEデバイスの優先度)と、を含むMAC層構成と、
UEがターゲットセルにアクセスする場合に自身を識別可能なUEデバイス識別子(UE-Id)、例えば、LTEから既知のC‐RNTIと、
UEデバイスの無線機能および無線パラメータと、
さらなるホップにおける適切な多重化を可能にする、UEデバイスから受信されたデータと共に伝送される1または複数のグローバル論理チャネル識別子(GLogCh-ID)と、
UEデバイスからまたはUEデバイスへの、ULおよび/またはDL情報の伝達のためのルーティング情報と、を含む、物理層構造とで構成される。
【0052】
DgNBは、上記の情報を候補スモールセル(すなわち、無線リンク接続を介してUEデバイスが直接アクセスし得るスモールセル)に構成する。加えて、DgNBは、候補ターゲットスモールセルのいずれかとDgNBとの間のルート上にある全てのスモールセルを構成する。UEデバイスへエアインタフェースを提供しないこれらのルーティングスモールセルは、
UEデバイスから発信されたまたはUEデバイスにアドレス指定された異なるQoSおよび/または優先度の(すなわち、異なるベアラの)データを識別するのに使用されるGLogCh-IDと、
関連QoSおよび/または優先度情報と、
UEデバイスからまたはUEデバイスへの、ULおよび/またはDL情報の伝達のためのルーティング情報と、で構成される。
【0053】
まとめると、UEデバイスからのデータのルーティングに潜在的に関連する全てのスモールセルは、パケットの個々のQoS要件に従って、UEデバイスからまたはUEデバイスへデータパケットを転送するのに必要とされる情報を構成する。加えて、UEデバイスの無線リンクにサービス提供する候補であるスモールセルは、無線リンクのセットアップおよびメンテナンスのために、UEデバイス識別子および物理およびMAC層パラメータに加えて構成される。
【0054】
ターゲットセルへのUE切り替えは、UE-Idを有するターゲットセルからのULリソースを要求する。ターゲットセルは、予め設定されたUE-Idに基づいてUEを識別することと、ベアラ、多重化および優先度情報に従って利用可能なリソースを提供することとが可能である。当該リソースは、UEがセルを切り替えたターゲットスモールセル基地局への指示としてもサービス提供する、ユーザデータまたは制御データ(例えば、アプリケーションデータまたはRRCメッセージ)の伝送のためにUEにより要求される。
【0055】
UEデバイスは、ソーススモールセルからのさらなるコンテキスト転送が必要とされないように、理想的にはそのRLCおよびMACエンティティをリセットする。ベアラの必要とされるQoSに応じて、失われたパケットは、UEデバイスとDgNBとの間のPDCP層で再伝送され得る。UEデバイスがDgNBとのセキュリティアソシエーションを有するので、全てのデータは暗号化され、任意選択的に完全性保護され、その結果、ターゲットスモールセルは、UEデバイスとのいかなるセキュリティセットアップ手順も実行する必要がなくなる。
【0056】
サブネットワーク内の迅速なルート切り替えを保証し、DLトラフィックを新たなスモールセルにルーティングすべく、UEデバイスがスモールセルに到着するとすぐに、スモールセルは、そのターゲットスモールセルによりここでサービス提供されるUEについて次のより上位のスモールセルを通知する。これは、古いルート並びに新たなルートの一部である基地局に到達されるまで、階層の上位に向かって全てのスモールセルにより反復される。この基地局を共同基地局と呼び得、これはスモールセルまたはDgNBのいずれかである。共同基地局は、ターゲットスモールセルへの新たなルートに沿ってDLパケットのルーティングをすぐに開始する。UEデバイスの到着についてのネクストホップスモールセルを通知するためのスモールセルのトリガは、リソース要求においてそのUE-IDを提供するUEであり得る。好ましい代替手段は、例えば、UEからDgNBへのRRCメッセージを含む第1データパケットがスモールセルに到着することである。新たなパスに沿ってルーティングされたこのパケットは、共同基地局に至るまでのその経路上の任意のスモールセルにパス切り替えが確立されることを指示する。すなわち、第1ULパケットは、さらなるスモールセルに対するUEの到着の指示としてサービス提供する。代替手段は、スモールセルがピア・ツー・ピアシグナリングを有する(すなわち、それらのバックホールMAC層を介するまたは新たなSC・ツー・SCプロトコルを介する)ことである。
【0057】
説明されたように、新たなDgNB中心のアーキテクチャの1つの有益な態様は、セキュリティが、UEデバイスとDgNBとの間で行われ、その結果、UEとスモールセルとは、セル切り替えを遅延させる追加のセキュリティ手順を実行する必要がなくなることである。UEデバイスと任意のスモールセルとの間にセキュリティアソシエーションが存在しないことの1つの欠点は、単に偽のUE-Idまたは不正なデバイスからの実際のUE-Idでスモールセルにアクセスし、ULに誤ったデータを挿入し、UEデバイス関連データを新たなスモールセルに対してルーティングし、それぞれのUEデバイスにサービス提供する実際のスモールセルから潜在的に離れる、不正なUEデバイスからのセキュリティ攻撃の可能性である。
【0058】
完全性保護を使用することは、不正なUEデバイスからのデータを、データストリームに任意の誤ったデータを正常に挿入させることから防止する。また、暗号化は、不正なUEデバイスによりデータが読み出されることができないように保証する。しかしながら、サービス拒否攻撃は、不正なUEデバイスにより開始された新ターゲットセルへの再ルーティングが、データを正しいターゲットUEデバイスに到達することから防止するので、依然として問題であり得る。
【0059】
この種類の攻撃を防止すべく、共同基地局は、DL内のパケットを、新たなルートおよび古いルートの両方に一時的に複製する。また、それは、共同基地局より上の単一ルートに沿って転送される予定の、両方のルートからのULパケットを受け入れる。任意の複製されたパケットは、PDCPシーケンス番号または完全性保護手段を使用して、DgNBでフィルタリングされる。
【0060】
最終的に、UEデバイス自身は、明らかにセキュリティを伴って、UEデバイスにより生成されるRRCメッセージで、そのサービングセルの切り替えについてDgNBに通知し、受信された場合、DgNBはセル切り替えについて通知される。加えて、影響を受けたスモールセルは、それらのRRCまたは同様のプロトコルを介して、発生した変更についてDgNBに通知し得る。返答として、DgNBは、影響を受けたスモールセルに、ルートの切り替えについて通知する。すなわち、古いパスにおける共同基地局下のスモールセルは、UEとの間でルーティングを停止するように通知され得、共同基地局は、パケットの複製を停止して新たなパスのみを使用するように通知され、UE並びにスモールセルは、潜在的な将来の自律ハンドオーバのための新たな候補スモールセルについて通知される。
【0061】
共同基地局は、限られた時間の間のみ、パケット複製を適用し得る。それは、新たなルートがDgNBにより確認された場合に、停止されたタイマが開始し得る。確認が受信される前に時間切れになったとき、DgNBは、パケット複製を停止して、新たなルートが適切でないと仮定して古いルートに戻り得る。
【0062】
本明細書に説明された独創的な自律セル切り替えにより、UEとコアネットワークとの間のデータ転送は、DgNBがセル切り替えについて通知されなかったまたはスモールセルに正しく通知しなかった時間の間継続し、データ遅延は最小で維持される。したがって、本発明は、マルチホップ無線サブネットワークにより導入されるレイテンシを克服する。
【0063】
DLにおいて、新たなルートは、共同基地局がパス切り替えについての情報を取得した後にのみ使用される。UEデバイスによる切り替えと、ターゲットスモールセルにルーティングされた第1DLパケットの切り替えとの間で、いくつかのパケットが、古いルートに沿ってDLにおいて配信され得る。パケットを失う可能性または数を減らすべく、UEデバイスは、その機能に応じて、第1パケットがターゲットスモールセルのDLに到着するまで、ソーススモールセルからパケットを継続して受信し得る。次に、UEにおけるRLC、MACおよびPHY層のリセットは、新たなセルの第1DLパケットが到着した場合にのみ行われる。
【0064】
UEデバイスが、非常に信頼性の高いデータ転送を要求する通信サービスを使用するとき、データの冗長伝送は、パケット損失を克服するのに有益であり得る。本発明の新たに導入されたアーキテクチャは、この場合も有利に使用され得る。UEは、複数のサービングスモールセルと自律モビリティの候補ターゲットスモールセルの構成とを有し得る。ここで、UEは、他の冗長リンクが変更しないまま維持しつつスモールセルのうち1つを自律的に切り替えるように説明されたメカニズムを使用し得る。例えば、到着する第1DLパケットによってまたはDgNBから受信されたそれぞれのDL RRCメッセージによって、自律的に選択されたターゲットスモールセルを介したUL伝送およびDL伝送が確認された場合のみ、冗長な他のリンクは切り替え可能である。冗長伝送は、特定のベアラに対して恒久的に使用されるベアラQoS設定であり得、または、それはパケット損失を防止すべく、説明されたスモールセル切り替えと連動してのみ一時的に使用される機能である。
【0065】
本発明は、デュアル接続性に使用されることも可能であり、ここで、単一UEデバイスは、異なる基地局に並行して接続される。UEデバイスは、同じDgNBにより制御された2またはそれより多くのスモールセルに接続され、最適なセルを選択すべく自律切り替え技術を使用し得る。UEデバイスは、第1基地局と、本発明に従ってDgNBにより制御されるスモールセルとに代替的に接続され得、第1基地局はDgNBにより制御されない。次に、第1基地局は同じままであるまたはレガシーハンドオーバ手順により変更される間、自律切り替え技術が使用され、最適なスモールセルを選択する。
【0066】
図1のアーキテクチャに対するさらに別の代替手段は、本明細書に説明されるように、同じDgNBに対して2またはそれより多くの並行接続を有するUEであり、その1つは直接エアインタフェースを介したものであり、もう1つは無線バックホールを有するスモールセルに対するものである。次に、制御シグナリングは、UEが並行接続に最適なスモールセルを自律的に選択するように構成される間、DgNBへの直接リンクを介して送信され得る。自律セル切り替えの主な理由は、カスケードされたスモールセルのマルチホップアーキテクチャにより導入される測定報告およびハンドオーバ性能の制御シグナリング遅延を克服することである。しかしながら、この使用事例には存在しない。
【0067】
本発明のさらに別の使用事例は、複数のベアラに単一UEデバイスの複数のスモールセルを使用し、その結果、異なる無線ベアラに対して、最適なスモールセルがUEデバイスにより選択されることである。それは、いくつかのスモールセルがいくつかの機能に最適化される一方、それらは限定された他の機能のみを提供するまたは他の機能を全く提供しないことであり得る。一例は、低レイテンシアプリケーションに特化しているが、高データレートを提供することができないスモールセルであり得る。これらのスモールセルは、それらの性質をブロードキャストして、UEデバイスが、新たなスモールセルを選択する場合に情報を考慮すること、または、DgNBからの候補セル構成がスモールセルの特別な機能を含むことを可能にし得る。次に、本発明に説明される自律セル切り替えが、UEデバイスによりベアラの一部にのみ実行され、UEは、セットアップ完了しているまたはセットアップする予定である。メカニズムは、説明されるように適用され、ULパケットのGLogCh-IDは、共同基地局が、それぞれのベアラにのみDLルート適合を適用することを可能にする。また、後でDgNBから受信されたルート確認は、他のベアラが依然として古いルートに沿ってルーティングされている一方、UEデバイスのいくつかのベアラに対する新たなルートを確認する。本発明のこの使用事例は、他のベアラが通常のブロードバンドトラフィックに使用され得る一方、UEデバイスのいくつかのベアラに使用され得る、発展した5Gネットワークの「超低レイテンシ(ULL)」、「超高信頼性(URL)」および「大規模のモノのインターネット(MIoT)」といった新たなデータトラフィック種類に特に有用である。例示的な展開は、DgNBに直接接続されたUEデバイスのカバレッジにおいて低レイテンシのスモールセル基地局を提供して、UEデバイスカバレッジにおける代替的なスモールセル基地局の複数の無線バックホールホップを迂回し得る。低レイテンシのスモールセル基地局は、限定された帯域幅のみまたは接続不要なデータ通信のみを提供する。一方、他のスモールセル基地局は、より多くの効率的であるがより低速であるマルチホップ無線バックホールによって異なるサービスを提供する。
【0068】
上記されたメカニズムは、UEデバイスに対するサービングセルの自律切り替えを可能にする。
図1に示されるような新たなアーキテクチャは、関連するスモールセル基地局の無線バックホールに基づく。スモールセル間の無線バックホールは、UEデバイスとスモールセルとの間のエアインタフェースと同じまたは同様のエアインタフェースに基づく。したがって、本発明の独創的なメカニズムは、無線バックホール自身にも適用可能である。
【0069】
別のスモールセル基地局であるSC2.1によりサービス提供されるスモールセル基地局(例えば、SC3.1)は、自律セル切り替えのために、候補スモールセル(例えば、SC2.2)で構成され得る。候補スモールセルは、ルーティングおよび多重化情報並びに無線および識別子情報で準備され、その結果、スモールセルSC2.2は、セル切り替え後にSC3.1のサービス提供を引き継ぐことが可能である。上記されたメカニズムは、例えば、層3シグナリングを介してDgNBによるルート切り替え、パケット複製および最後のルートの明示に応じて、全て使用可能である。ベアラが、既にGLogCh-IDと関連付けられた他のデバイス、例えば、UE1およびUE2から発信されるSC3.1によりルーティングされるので、GLogCh-IDは、スモールセルSC3.1自身から発信されるベアラに対してのみ構成される。スモールセルがいかなるユーザデータも生成しないと仮定すると、SC3.1とDgNBとの間のRRC接続のセットアップおよびメンテナンスのためのシグナリング無線ベアラのみがGLogCh-IDで識別され、候補スモールセルSC2.2におけるQoSおよび/または優先度情報に関連付けられる。
【0070】
無線バックホール接続に対する本発明のこの適用は、柔軟で動的なバックホールのセットアップを可能にする。しかしながら、スモールセルは移動体でないと仮定されるので、この場合の自動セル切り替えのための候補スモールセルの数は、UEデバイスのそれ(通常、移動体である)よりもはるかに少ないと仮定される。切り替えオプションは、2つのスモールセル間の動的シャドウイング効果に対するまたはスモールセルの停止に対する対応策であり得る。しかしながら、モバイルスモールセルは、UEデバイスと同様の、説明されたネットワークアーキテクチャおよびメカニズムから利益を得る場合がある。
【0071】
自律セル切り替え後に別のスモールセルの無線バックホールとしてサービス提供する候補スモールセルを準備することには、ソーススモールセルによってサービス提供またはルーティングされる現在ベアラと潜在的な将来のベアラとの全てについて候補スモールセルに通知することが要求される。すなわち、無線バックホールネットワークが、
図1の例示的なネットワークよりも大きく深い階層と、各々が多数のUEデバイスを有する数十個の他のスモールセルのスモールセルルーティングトラフィックとを有するとき、自律切り替えの各スモールセルの準備のための構成情報は大きく増加する。構成およびその更新は、DgNBおよびスモールセルにおける無線ネットワークおよび算出リソースの帯域幅の多くを消費する。
【0072】
次に、代替手段は、無線バックホールの全てのスモールセルの同一の全体構成を有し得る。すなわち、あらゆるスモールセルは、サービス提供されるベアラおよびデバイスの全体情報(例えば、全てのGLogCh-ID並びに関連する優先度およびQoS)で構成される。次に、構成情報は、DgNBからブロードキャストされ(すなわち、DgNBによって、DgNBに直接接続された全てのスモールセルと構成情報を受信した後のスモールセルとに対して全体構成が一度提供される)、構成を格納および適用して、直接リンクでサービス提供される全てのさらなるスモールセルに情報を転送することが可能である。同じメカニズムが、格納された全体構成の変更のみを含む構成更新に適用され得る。ブロードキャスト機構は、構成情報の正確性を保証すべく、完全性保護の共通セキュリティキーが全ての関連スモールセルで利用可能であることを要求する。セキュリティは、DgNBから各スモールセルへの専用層3シグナリングを介して提供される対称キー、もしくは、公衆キーが予め設定されたまたは受信されるスモールセルにより検証可能な証明書としてブロードキャストに含まれるDgNBの非対称キーペアのいずれかによって実現可能である。
【0073】
説明されたブロードキャストは、全てのデバイス、UEおよびスモールセルのセル切り替えの候補として、あらゆるスモールセルを準備する。候補スモールセルを有する切り替えデバイスの候補構成は、切り替えがDgNBの制御下で依然として限定されていることを保証する。また、マルチキャスト(すなわち、スモールセルのグループにアドレス指定された異なる構成メッセージのブロードキャスト)が使用可能である。これは、より大きいホップ・ツー・ホップの無線バックホールサブネットワークにおいて単一構成メッセージを減らす。
【0074】
本発明の説明は、そのレベルで盗聴およびデータの不正操作を防止すべく、スモールセル基地局の無線バックホール接続が、例えばIPsecトンネルのような保護トンネルで保護されることを防止するわけではないことを留意するべきである。このオプションは、本発明の独創的段階および利点に影響しないので、本発明でのさらなる説明はなく、単に実装のオプションである。
【0075】
図3は、DgNB、3つのスモールセル基地局(SC2、SC3.1およびSC3.2)ならびにUEデバイスUEを含む簡素化されたアーキテクチャを示す。UEデバイスは、スモールセル基地局SC3.1へのアクセスリンクを有する。スモールセル(SC3.1およびSC3.2)は、DgNBへの無線バックホールリンクを有するスモールセル基地局SC2への無線バックホールリンクを有する。DgNBは、事業者ネットワークのコアネットワークに接続される。
【0076】
図4は、
図3に図示されたサブネットワーク内におけるメッセージおよびデータの交換を、メッセージシーケンスチャートに示す。前提条件として、詳細なく単一のボックスとして示されるように、本発明のベースアーキテクチャによると、全てのスモールセル基地局およびUEデバイスは、DgNBとのRRC接続を有すると仮定される。
【0077】
図4の最初の状態では、UEは、進行中のアップリンクULとダウンリンクDLデータ転送を有する。その目的のために、スモールセルSC3.1およびSC2は、本発明に従って構成され、その結果、それらは、UEが現在セットアップしたデータベアラにQoSを提供可能になる。UEデバイスは、LTE規格に従うUEデバイス識別子(例えば、C‐RNTI)を有し、これは、UEデバイスに割り当てられ、UEデバイスによりデータの発信元を指示すべくUL伝送で使用される。これは、UEデバイス識別子でULメッセージをスクランブリングすることによって、もしくは、プレーン識別子またはその一部をデータの一部として伝送することによって、行われ得る。また、UEデバイス識別子は、データをUEデバイスに伝送するのに使用されるリソースにアドレス指定するために、DLデータ送信用のサービングスモールセルによっても使用される。再び、スクランブリングまたは他の技術が使用され、DLリソース割り当てにUEデバイス識別子またはその一部を保持し得る。本発明によると、スモールセル基地局SC3.1は、UEデバイスのC‐RNTIで構成される。加えて、UEデバイスは、スモールセル基地局SC3.1からのULスケジューリングを要求するために、時間および/または周波数ドメインにおいて、スモールセル固有のリソースを提供し得る。UEデバイスによりサポートされまたは好ましいとされる無線機能に関する他の無線パラメータも、LTEまたは5G NRとして既知の無線規格と同様に構成され得る。
【0078】
UEは、表1に示すように、関連QoSパラメータを有する合計7つの無線ベアラ(3つのシグナリング無線ベアラおよび4つのデータ無線ベアラ)を有し得る。それぞれの情報は、UEデバイスと、現在UEデバイスSC3.1にサービス提供するスモールセル基地局とにおいて構成される。
【0079】
【表1】
スモールセル基地局SC3.1は、スモールセル基地局SC2への無線バックホールリンクを有し、これには8つの無線ベアラ(独自のDgNBへのRRC接続をセットアップおよび管理するための3つのシグナリング無線ベアラ、および異なるQoSでデータを転送または中継するための5つのデータ無線ベアラ)が構成され得る。表2は、SC3.1とSC2とにおけるSC3.1に構成された無線バックホールベアラを例示的な形式で示す。全ての転送または中継されたデータが、それらの発信デバイスおよびベアラに従ってGLogCh-IDを既に含んでいると予想されるので、SC3.1から発信される3つのシグナリング無線ベアラのみが、グローバル論理チャネル識別子に割り当てられる。
【0080】
【表2】
同様に、スモールセルSC3.2の場合、情報は表3に従ってSC3.2とSC2とにおいて構成され得る。
【0081】
【表3】
スモールセル基地局SC2は、SC2により潜在的にサービス提供されるまたはされ得るデバイスの情報(例えば、GLogCh-ID、QoSおよび優先度情報)を用いて、本発明に従って構成され、情報は、サービス提供されるデバイスにおいて構成されたものとは異なり得る。例えば、スモールセル基地局SC2の優先度情報は、スモールセル基地局SC2自身の優先度の高いシグナリング無線ベアラが、SC2により転送または中継される同様のベアラより高い優先度を有することを考慮し得る。また、SC2によりサービス提供されるスモールセル基地局(例えば、SC3.1およびSC3.2)の優先度の高いシグナリング無線ベアラは、UEデバイスのシグナリング無線ベアラより高い優先度を有し得る。したがって、UEデバイスUEと、DgNBによりSC2に構成された、スモールセル基地局SC3.1およびSC3.2とに関連するデータの例は、表4に示される。加えて、表2および3の基地局SC3.1およびSC3.2と同様に、スモールセル基地局SC2は、独自のシグナリングとデータ無線ベアラとで構成される。
【0082】
【表4】
本発明によると、スモールセル基地局SC3.1は、無線ベアラのいずれかを介して、UEデバイス(UE)からデータを受信する。全てのデータ無線ベアラ(すなわち、DRB1、DRB2、DRB3およびDRB4)からユーザデータパケットが到着すると仮定する。スモールセル基地局SC3.1は、パケットを受信して、それらを復号および逆多重化して、セグメント化されたパケットを元のユーザデータパケットに再構築する。多くの場合、これらはそれぞれのアプリケーションからのIPパケットである。シグナリング無線ベアラSRB0、SRB1またはSRB2からパケットが受信される他の例では、パケットは、IPパケットではないが、UEデバイスUEのRRC層からのRRCメッセージであり得る。ここで、SC3.1は、パケットが受信された無線ベアラに基づいて、且つ、DgNBによる構成に基づいて、ユーザデータパケットごとに、グローバル論理チャネル識別子GLogCh-IDを決定し、無線バックホールを介してスモールセル基地局SC2にパケットを転送する前に、データパケットを添付する。すなわち、データ無線ベアラDRB1上のUEデバイスUEから受信されたパケットに対して、無線バックホールを介してデータを転送する前に、GLogCh-ID=68が添付される。データ無線ベアラDRB2、DRB3およびDRB4に対して、GLogCh-ID69、70および71がそれぞれ添付される。添付は、任意の好適なプロトコル、例えば、5G NRプロトコルスタックの既存のプロトコルのうちいずれか、または、
図2a~
図2cにおいてリレープロトコル「RP」として例示的に名付けられた新たなプロトコルに従って行われ得る。パケットの転送は、DgNBによる構成に従って(すなわち、表2の構成データに従って)行われる。表は、UEデバイスの無線ベアラの各々に対して、同じリソース上へ多重化された伝送パケットの順序に関して、データが処理される相対的優先度を提供する。より高い優先度(すなわち、相対的優先度パラメータのより低い整数値)は、優先的な伝送をもたらし、その一方優先度がより低いパケットは、より高い優先度のパケットが伝送保留中でないときにのみ伝送される。また、表2は、UEデバイスの無線ベアラの各々に対して、RB-Type情報を提供し、これはサービス品質(QoS)とも呼ばれ得、データの発信元であるサービスの性質を指示する。RB-Typeは、データパケットの転送のためにスモールセル基地局の5つのデータ無線ベアラDRB4からDRB8のうち1つを選択すべく、スモールセル基地局により使用され得る。より高い優先度をそれぞれ有し、異なるQoSまたはRB-Type、ならびに、GLogCh-ID65、66または67をそれぞれ有するシグナリング無線ベアラSRB0、SRB1またはSRB2のうち1つによって、UEデバイスUEからスモールセル基地局SC3.1において受信されるデータパケットに、同じ原理が適用される。
【0083】
SC3.1の無線バックホールリンク上のデータ無線ベアラDRB1、DRB2、DRB3、DRB4またはDRB5のうちいずれかを介して、スモールセル基地局SC3.1からデータパケットを受信しているスモールセル基地局SC2は、パケットを復号および逆多重化して、セグメント化されたパケットを再構築して、添付のGLogCh-IDを決定する。それは、DgNBによる構成に従ってGLogCh-IDを検索する。例えば、LogCh-ID=68を有するUEデバイスからの例示的なパケットの検索は、サービス品質「ベストエフォート」および相対的優先度8に従って、SC2による転送をもたらす。スモールセル基地局SC2は、UEデバイスUEについてのいかなる情報も有しないのであれば、GLogCh-ID=68を特定のデバイスに関連付ける必要もない。しかしながら、それは、QoSおよび優先度に関して、GLogCh-IDと共に受信データパケットも転送することにより、パケットの転送処理を決定するのに十分な情報を受信して、それは、転送処理を決定するためのさらなるスモールセルに、パケットを特定のUEデバイスに関連付けるためのDgNBに、十分な情報を提供する。スモールセル基地局SC2が、ベストエフォートデータを伝達するのに好適なDgNBへのセットアップベアラを有していると仮定すると、それは使用され、データは優先度8に従って利用可能なリソース上へと多重化される。
【0084】
DgNBは、DgNBにより制御されるサブネットワークにおいて割り当てられたGLogCh-IDの、UEデバイスとUEデバイスのそれぞれの無線ベアラとへのマッピングについての情報を有し、その結果、パケットを正常に受信した後、DgNBは、GLogCh-IDに基づいて、パケットがアドレス指定された正しいPDCPおよび/またはRRCエンティティを決定できる。
【0085】
上記は、UEデバイスからDgNBへのマルチホップサブネットワークを介したULデータ転送について説明する。DLについて、同じ原理が適用され得る。すなわち、GLogCh-IDは、スモールセル基地局に伝送された任意のデータパケット(例えば、SC2)に、DgNBにより添付される。スモールセル基地局SC2は、GLogCh-IDを決定して、それぞれのQoSおよび優先度を検索して、LogCh-IDを有するデータパケットを転送する。スモールセル基地局が、ルーティング(すなわち、データパケットがどのサービス提供されるデバイスにルーティングされるべきか)を決定すべく、DgNBは、アクセスリンクをサービス提供しないデバイスのスモールセルにルーティング情報を構成した。所与の例において、これはスモールセル基地局SC2であり、ルーティング構成は、表4の「ルーティング」列に例示的に図示される。
【0086】
その表において、UEデバイスへ/UEデバイスからの全ての無線ベアラは、スモールセル基地局SC3.1を介してルーティングされる。ルーティング情報は、ネクストホップアドレスまたはネクストホップデバイス名の形で提供され、得、後者は表4に示される。ルーティング情報は、ネクストホップのインデックスと共に代替的に提供され得、インデックスは予め設定された表を指す。
【0087】
表4は、両方のスモールセル基地局がSC2によりアクセスリンクでサービス提供されており、したがって任意のパケットのGLogCh-IDがアクセスリンクのそれぞれの無線ベアラにマッピングされ、したがって最後のデバイスにマッピングされるので、スモールセル基地局SC3.1およびSC3.2の無線ベアラに対するルーティング情報を含まない。
【0088】
ここで
図4を見ると、上記の説明は主に、まず、DgNBを有するあらゆるUEデバイスとスモールセル基地局との確立されたRRC接続の事前仮定について説明しており、これは一番上のボックスにおける図に示される。次に、上記は、UEまたは他のデバイスとDgNBとの間のデータ転送について説明しており、これは一番上の両方向の矢印で図に簡素化されて示される。
【0089】
本発明によると、DgNBは、この実施形態においてスモールセル基地局SC3.2により跨っているセルについての情報を含む候補セル情報でUEデバイスUEを構成する。情報は、リソース情報、例えば、候補セルのセル帯域幅の周波数帯域または中間周波数を含み得る。また、情報は、セル識別子、例えば、セル内でブロードキャストされた同期信号で符号化された物理セル識別子を含み、同期信号に基づくセル識別を可能にし得る。情報はさらに、候補セルにアクセスする場合、UEデバイスにより使用されるUEデバイス識別子を含み得る。この実施形態では、UEデバイス識別子(例えば、C‐RNTI)は、セル間の切り替えを自律的に行う場合に変更されないと仮定する。ランダムアクセスの場合、または候補セルにアクセスする他のデータが限定された方法の場合、UEデバイスと候補セルとは、C‐RNTIに加えてまたはその代わりに、短いUEデバイス識別子で構成され得る。
【0090】
加えて、候補スモールセルSC3.2が構成され、その結果、UEデバイスの自律セル切り替えの後に、UEデバイスにサービス提供することが可能である。その目的のために、SC3.2は、UEデバイス識別子(この実施形態ではC‐RNTIおよび/または短いUEデバイス識別子)と、UEにサービス提供するために必要なさらなる情報とで構成される。例えば、MACと物理層とに関連するUE無線機能が構成される。
【0091】
加えて、UEデバイスにサービス提供するUEデバイスとスモールセル基地局SC3.1とに現在存在する表1による情報も、スモールセル基地局SC3.2に構成される。この情報は、スモールセル基地局SC3.2について上記でさらに説明されたように、SC3.2がDLデータを適切な無線ベアラ上へ多重化することと、適切なQoSおよび優先度でULデータを転送することと、正しいGLogCh-IDを添付することとを可能にする。
【0092】
ここで、スモールセル基地局SC3.2は、同期および参照信号、並びにUEデバイスにより受信されたシステム情報をブロードキャストし、候補セルSC3.2の測定が導出され、潜在的セル切り替えを決定すべくUEデバイスにより使用される。これは単に一例であり、セル切り替えを決定するためのUEデバイスに対する任意の他の種類のトリガが、本発明を実装するために使用され得るので、SC3.2によりブロードキャストされた情報は、図において破線で示される。システム情報は、SC3.2から予想可能なサービスが、現在SC3.1にサービス提供しているサービスより良いかどうかを、UEデバイスが決定することに役立つ負荷情報を含み得る。
【0093】
本実施形態によると、UEデバイスは、セルを自律的に切り替えて、候補スモールセル基地局SC3.2からリソースを要求することを決定する。これは、構成済の短いUEデバイス識別子を使用して候補スモールセルに対してランダムアクセスを実行することにより行われ得る。UEデバイスは、許可済リソースで送信された、より長い第2メッセージを、第1ランダムアクセスメッセージリソースで要求し得る。代替的に、例えば、タイミングの理由でランダムアクセスが必要とされないとき、UEは、C‐RNTIを使用してULリソースを要求するために物理アップリンク制御チャネルを直接使用し得る。
【0094】
その手順の間、スモールセル基地局SC3.1を介したDLデータ転送は継続し得る。UEデバイスの無線機能に応じて、UEデバイスは、SC3.1からデータを正常に受信して、SC3.2へのULデータ転送を開始している間に、ULにおける受信を確認することが可能であり得る。このオプションは、
図4において破線で示される。
【0095】
候補スモールセルSC3.2は、UEデバイスにより受信された場合に、候補スモールセルSC3.2を新たなサービングスモールセルに変更し得るULリソース許可で、ULリソース要求に対して返答し得る。UEデバイスは、例えば、ユーザデータパケットまたはUL RRCメッセージからの第1ULデータパケットをコンパイルして、これらをスモールセル基地局SC3.2に伝送する。適切な通信プロトコルにおいてGLogCh-IDを添付することを含む、スモールセル基地局SC3.1のULパケット転送について説明されたように、パケットは受信され、構成済無線ベアラを無線バックホールリンクの無線ベアラ上へマッピングすることが行われ
【0096】
本発明によると、UEデバイスからULデータパケットが、それらのLogCh-IDにより認識されたスモールセル基地局SC2で受信されるとすぐに、同じLogCh-IDにより認識された同じベアラのUEデバイスへのDLデータパケットの複製が開始される。この意味での複製は、これらのDLパケットが古いルートに沿って(すなわち、この実施形態におけるスモールセル基地局SC3.1に)スモールセル基地局により伝送されていることを意味する。加えて、それらは、第1ULパケットが受信された新たなルートに(すなわち、スモールセル基地局SC3.2に)コピーされる。
【0097】
GLogCh-IDが構築され、その結果、単一UEデバイスに属する全てのベアラの識別が可能である場合、第1ULデータパケットが受信されると、スモールセル基地局においてDLデータパケットを一時的にコピーする原理は、UEの全てのベアラに適用され得る。GLogCh-IDがUEの区別を許容しない場合、DLのコピーは、ULパケットが受信された双方向ベアラにのみ適用できる。その場合、UEデバイスは、送信するULデータを現在有しないベアラに対してULのダミーパケットを伝送して、全てのベアラに対するDLの新たなルートの高速使用を可能にすると予測され得る。これらのダミーパケットは、ユーザデータ長が0であり得る、すなわち、小さなヘッダのみを含む場合もあれば、または、そうでなければそれらはマークされる場合もあり、その結果、それらは無線アクセスサブネットワーク内のデータフローから排除される。
【0098】
新たなスモールセル基地局SC3.2を介してUEにより第1DLパケットを受信すること、または第1ULの許可、または新たなスモールセル基地局によりULパケットの確認応答を正常に受信することは、RRCメッセージ(例えば、「パス切り替え」情報)でセル切り替えを正常に実行することについてDgNBに通知するように、UEデバイスをトリガし得る。DgNBでこのメッセージを受信することは、パス切り替えについて全ての関連スモールセルに通知する(すなわち、スモールセル基地局SC2はUEに対する新たなルートを明示するように要求される)ようにDgNBをトリガし得、スモールセル基地局SC3.2は、サービングスモールセルとして機能するように要求され、SC3.1はUEコンテキストを削除するように構成されるまたは古いセルに戻すための将来のセル切り替えの候補スモールセルとして構成される。
【0099】
スモールセル基地局SC2がUEデバイスの一部のベアラに対してのみDLパケットをコピーした場合、ここでDgNBは、UEデバイスの全てのベアラに対してルートの明示をトリガし得る。
【0100】
ここで、UEデバイスの全てのベアラに対するDLデータ転送は、新たなスモールセル基地局へのルートをとる。新たな候補スモールセルを提供するUEの新たな構成は、その後DgNBにより実行され得る。
【0101】
前の変形は、
図3の同じサブネットワークアーキテクチャに基づいて、
図5に示される。UEデバイスおよび全てのスモールセル基地局のDgNBとのRRC接続の前提条件と、GLogCh-IDとルーティング情報とを有するスモールセル基地局SC3.1およびSC2の構成とは、前述の実施形態と同じである。
【0102】
この実施形態において、本発明の新たな態様によると、スモールセル基地局SC3.1は、UEデバイスへの接続が失われたときにDgNBに通知されるように構成される。スモールセルSC3.1は、UEデバイス識別子を伝送することによってUEへの接続が失われたことをDgNBに通知するか、または、接続が失われたGLogCh-IDのリストを伝送することによって、サービス提供されるベアラへの接続が失われたことを通知する。いずれかの情報は、一種の「ベアラ損失通知」でDgNBに伝送可能である。
【0103】
図5において、ある時点で、UEデバイスおよびスモールセル基地局SC3.1は、例えば、セルから離れるUEまたはUEアンテナのシャドウイングまたは同様のものの結果としてもたらされる無線リンク障害に起因する、接続の損失を検出する。利用可能な伝送のためのリンクがないので、UEデバイスはULデータのバッファリングをすぐに開始する。これは、最新のUEデバイス実装と変わらない。本発明によると、スモールセル基地局SC3.1は、UEデバイスへの接続が失われたことについてDgNBに通知し、DgNBは、DLデータのバッファリングを開始する。DgNBはまた、時間切れになって場合に、UEデバイスへのRRC接続の黙示的なリリースをトリガするタイマを開始し得る。この実施形態では、当該タイマは時間切れにならず、RRC接続は維持されると仮定される。
【0104】
UEデバイスは、この実施形態ではSC3.2である候補スモールセルに自律セル切り替えを実行して、パス切り替えについてDgNBに通知するRRCメッセージをUL(第1ULパケットであるのが好ましい)で伝送する。ここでRRCは、UEデバイスとの間の新たなパスについて影響を受けたスモールセルSC2、SC3.1およびSC3.2を再構成し、新たなデータの定期的なDLデータ転送が継続される前に、バッファリングされたDLデータの伝送を開始する。UEは、自律的に切り替えられたセルの直後にULデータ転送を開始し得る。
【0105】
さらなる実施形態がここで説明される。この実施形態は、
図6に係るアーキテクチャの前述の実施形態の一部の補正である。
図3のアーキテクチャと比較すると、図示されたサブネットワークは、階層を1層多く有する。この実施形態は、より大きいサブネットワークのために本発明の有用な態様を示すべきである。
【0106】
サブネットワークの5つのスモールセル基地局の全てがUEデバイスに実際にまたは潜在的にサービス提供するように構成されたと仮定すると、前の2つの実施形態に係るスモールセル基地局の個々の構成は、無線アクセスリンクにおいて無線リソースを大幅に消費する。代替手段が
図7に示される。DgNBは、スモールセルルーティング準備情報(すなわち、GLogCh-ID)、関連QoS、優先度およびルーティング情報を含むスモールセル再構成メッセージをブロードキャストする。この意味でのブロードキャストは、構成を格納および適用する目的で、サブネットワークの全ての直接接続されたスモールセル基地局に対して配布し、あらゆるスモールセル基地局による情報を、アクセスリンクを介して直接接続された次のスモールセル基地局に並行して転送することを意味する。
【0107】
図7によると、再構成メッセージを受信する全てのスモールセル基地局は当該メッセージを転送し、例えば予めネットワーク事業者から受信された各スモールセル基地局に格納された証明書に基づいてそれらの完全性を検証することにより、その完全性を検証する。完全性が検証された場合、構成は格納され、適用される。
【0108】
これは、最初の2つの実施形態に対して例示的な形式で説明された本発明の核心的な段階と組み合わせることができないサブネットワークの構成のための効率的な配布メカニズムである。
【0109】
シグナリングまたはデータベアラの追加、削除または大幅な再構成をもたらすサブネットワークのUEデバイスまたはスモールセル基地局の任意の再構成は次に、更新されたGLogCh-ID、優先度、QoSおよび/またはルーティング情報を含むスモールセル再構成メッセージのブロードキャストをもたらし、その結果、全てのスモールセル基地局が、自律セル切り替えの後にUEデバイスにサービス提供するように準備される。第3実施形態の効率的なブロードキャスト機構が使用されないとき、UEデバイスまたはスモールセル基地局の任意のそのような再構成は、影響を受けた全てのスモールセル基地局の個々の再構成をもたらす。
【0110】
第4実施形態は、スモールセル基地局SC3.2がDgNBに直接接続されておりことを除けば
図3のアーキテクチャと同様である、
図8に図示されたアーキテクチャに基づく。SC3.2は、低レイテンシと限定された帯域幅の通信とに最適化され得る。
【0111】
UEデバイスは、低レイテンシ通信を要求しないQoSを有する実行中の複数のアプリケーションを有し得る。加えて、UEは、低レイテンシ伝送を要求するデータパケット(ULLデータ)を散発的に生成し、通常は限定された量のDLトラフィック、例えば、ネットワーク層の単一の確認応答を生成する1つのアプリケーションを有する。
【0112】
図9は、この実施形態に係るメッセージシーケンスを示す。UEデバイスは、スモールセル基地局SC3.1に接続され、第1実施形態と同様に、DgNBとのRRC接続を有していると仮定される。UEデバイスは、少なくとも1つの候補セルSC3.2(これは、ULLデータの伝送候補である)を構成する。このセルは、他の実施形態におけるように自律セル切り替えの場合には考慮されないが、ULLデータ送信の自律選択の場合には考慮される。スモールセル基地局SC3.2は候補セルとして構成されるが、当該構成は、ULLデータ無線ベアラのサポートに限定され得る(例えば、単一GLogCh-IDであり、UEデバイスのシグナリング無線ベアラがない)。
【0113】
あるポイントで、ULLデータはそれぞれのアプリケーションにより生成され、UEデバイスは、伝送のために候補セルSC3.2を選択し、UL伝送リソースを要求する一方、スモールセル基地局SC3.1を介したUL伝送およびDL伝送は、他のアプリケーション(すなわち、他の無線ベアラ)またはRRCシグナリングに対して継続される。許可の後、UEデバイスは、スモールセル構成に従ってルーティングされたULでULLデータをDgNBに伝送する。結果として得られるDLデータは、UEデバイスのSC3.2から同じルートでルーティングされ受信される。任意選択的に、UEデバイスは、新たに選択されたスモールセル基地局SC3.2上のデータ送信についてDgNBに通知し得、DgNBは、スモールセル基地局を再構成して新たなパスを確認し得る。これはここで任意選択的に説明され、単一のデータ送信に関しては破線で
図9に示されるので、データルーティングを越えるDgNBの任意の関連は省略され得る。
【0114】
本発明の特定の態様は、以下のようにまとめられ得る。
【0115】
無線アクセスサブネットワークを制御する基地局であって、当該無線アクセスサブネットワークは、少なくとも1つのUEデバイスと複数のカスケードされたスモールセル基地局とを含み、少なくとも1つのUEデバイスと複数のカスケードされたスモールセル基地局とは、基地局へのRRC接続を有し、
複数のカスケードされたスモールセル基地局はさらに、
各々が別のスモールセル基地局への無線バックホールリンクを有する複数のスモールセル基地局と、
基地局への無線バックホールリンクを有する少なくとも1つのスモールセル基地局と、
各々が他のスモールセル基地局への無線アクセスリンクを有する複数のスモールセル基地局と、
少なくとも1つのUEデバイスへの無線アクセスリンクを有する少なくとも1つのスモールセル基地局と
を備え、
当該基地局は、
候補スモールセル情報でUEデバイスを構成し、候補スモールセル情報は、自律セル切り替えのための複数のカスケードされたスモールセル基地局のうち1つにより跨っている少なくとも1つの候補スモールセルの識別情報と、自律セル切り替えの実行のための少なくとも1つの条件とを含み、
UEデバイスによる自律切り替えの後に、少なくとも1つのUEデバイスへの無線アクセスリンクを有する候補スモールセル基地局として少なくとも1つのスモールセル基地局を構成し、候補スモールセル基地局としての当該構成は、
候補スモールセルにアクセスする場合、UEデバイスにより使用されるUEデバイス識別子と、
UEデバイスの1または複数のベアラを識別する1または複数のベアラ識別子と、
1または複数のベアラ識別子の各々に対する転送処理情報であって、サービス品質パラメータ、優先度情報および候補スモールセル基地局により受信されたUEデバイスからまたはUEデバイスにデータパケットを転送するためのルーティング情報の少なくとも1つを含む、転送処理情報と
の構成を含み、
当該基地局は、
UEデバイスにより自律的に実行されるセル切り替えについての情報を受信する(セル切り替え実行は局によってトリガされない)、
基地局。
【0116】
上記の基地局は、UEデバイスにより自律的に実行されるセル切り替えについての情報を受信した後、更新された候補スモールセル情報を有するUEデバイスを構成することが可能である。また、UEデバイスにより自律的に実行されたセル切り替えについての情報を受信した後、UEデバイスからまたはUEデバイスからへのルーティングデータと関連するスモールセル基地局におけるパス切り替えを確認することも可能である。
【0117】
無線アクセスサブネットワークを制御する基地局であって、当該無線アクセスサブネットワークは、少なくとも1つのUEデバイスと複数のカスケードされたスモールセル基地局とを含み、少なくとも1つのUEデバイスと複数のカスケードされたスモールセル基地局とは、基地局へのRRC接続を有し、
複数のカスケードされたスモールセル基地局はさらに、
別のスモールセル基地局への無線バックホールリンクを有する複数のスモールセル基地局と、
基地局への無線バックホールリンクを有する少なくとも1つのスモールセル基地局と、
他のスモールセル基地局への無線アクセスリンクを有する複数のスモールセル基地局と、
少なくとも1つのUEデバイスへの無線アクセスリンクを有する少なくとも1つのスモールセル基地局と
を備え、
当該基地局は、
候補スモールセル情報でUEデバイスを構成し、候補スモールセル情報は、自律セル切り替えのための複数のカスケードされたスモールセル基地局のうち1つにより跨っている少なくとも1つの候補スモールセルの識別情報と、自律セル切り替えの実行のための、少なくとも1つの条件とを含み、
少なくとも1つのUEデバイスのうち1つのルーティングデータに対して少なくとも1つのスモールセル基地局を構成し、当該構成は、
UEデバイスの1または複数のベアラを識別する1または複数のベアラ識別子と、
1または複数のベアラ識別子の各々に対する転送処理情報であって、サービス品質パラメータおよび優先度情報の少なくとも1つを含む、転送処理情報と、
無線バックホールリンクで受信されたダウンリンクデータパケットをUEデバイスにルーティングするルーティング情報であって、ダウンリンクデータパケットをUEデバイスにルーティングするための少なくとも1つの第1パスを含む、ルーティング情報と、UEデバイスによる自律セル切り替えの後、UEデバイスにダウンリンクデータパケットをルーティングするための、少なくとも1つの代替的パスと
の構成を含み、
当該基地局は、
少なくとも1つの代替的パスのうち1つを介して、UEデバイスにより自律的に実行されるセル切り替えについての情報を受信することに応答して、スモールセル基地局に対するパス切り替えを確認する、
基地局。
【0118】
上記のように、スモールセル基地局に対するパス切り替えを確認する基地局は、第1パスへのデータパケットの複製の終了を要求することを含む。
【0119】
上記のように、少なくとも1つのUEデバイスのうち1つのルーティングデータに対して少なくとも1つのスモールセル基地局を構成する基地局は、スモールセル基地局の構成のために基地局に対するアクセスリンクを有する全てのスモールセル基地局に同一の構成情報を提供し、スモールセル基地局により構成情報をさらなるスモールセル基地局に転送することを含み、構成情報は完全性を保護され、その結果、スモールセル基地局は構成データの完全性を検証できる。
【0120】
自律セル切り替えを実行するためのUEデバイスであって、当該UEデバイスは、
第1スモールセル基地局への無線アクセスリンクを有し、
第1スモールセル基地局を制御するマクロ基地局へのRRC接続を有し、
当該UEデバイスは、
マクロ基地局からUEデバイス識別情報と候補スモールセル情報とを受信し、候補スモールセル情報は、
少なくとも1つの候補スモールセルの識別情報と、
自律セル切り替えの実行のための少なくとも1つの条件と
を含み、
UEデバイスは、候補スモールセルから受信された信号の測定と、自律セル切り替えを実行するための少なくとも1つの条件とに基づいて、候補スモールセルに対するセル切り替えを実行することを自律的に決定し、UEデバイス識別情報を使用して、候補スモールセルからのデータ送信のためのアップリンクリソースを要求する、
UEデバイス。
【0121】
上記のように、UEデバイスは、候補スモールセルに対するセル切り替えをトリガするメッセージを受信することなく、セル切り替え実行について第1スモールセル基地局に通知することなく、セル切り替えを実行することを自律的に決定する。また、上記のように、UEデバイスは、第1スモールセル基地局へおよび/または第1スモールセル基地局からのデータ転送が進行中の間、セル切り替えを実行する。
【0122】
UEデバイスは、セル切り替えを正常に実行した後、スモールセルに切り替わったものを介して送信されたRRCメッセージで、セル切り替えの実行について基地局に通知するように配置され得、ここで、セル切り替えの実行は、スモールセルに切り替わったものから、アップリンクリソース許可とダウンリンクデータパケットとのうち1つを受信した後、正常に行われたとみなされる。
【0123】
基地局から近隣セル測定情報を受信した後、近隣セル測定情報は、基地局により制御されていない少なくとも1つのセルの識別情報を含み、
自律セル切り替えを実行するかどうかを決定すべく、少なくとも1つの候補スモールセルの識別情報からの受信された候補スモールセルの信号を測定している間に(またはそれと並行であるが実際に全く同時ではない)、UEデバイスは、近隣セル測定情報に従って、近隣セル測定を実行し得る。
【0124】
UEデバイスは、自律セル切り替えに依存しない近隣セル測定情報に従って、近隣セル測定をマクロ基地局に報告し得る。
【0125】
基地局により制御された別のスモールセル基地局への無線バックホールリンクを有する、基地局により制御されたスモールセル基地局であって、当該スモールセル基地局は、
マクロ基地局からUEデバイス情報を受信し、
UEデバイス情報は、
スモールセル基地局により現在サービス提供されていないUEデバイスを識別するUEデバイス識別子と、
識別されたUEデバイスの1または複数の無線ベアラを(基地局により制御されるサブネットワーク内で)一意に識別する1または複数の無線ベアラ識別子と、
1または複数の無線ベアラ識別子と関連付けられた転送処理情報であって、サービス品質情報、優先度情報およびルーティング情報の少なくとも1つを含む、転送処理情報と
を備え、
スモールセル基地局は、
アップリンクリソースに対する要求をUEデバイスから受信し、当該要求はUEデバイス識別子を含み、
UEデバイスから且つマクロ基地局から受信されたそれぞれのUEデバイス識別子に基づいてUEデバイスを識別し、
UEデバイスと関連するさらなる通信をマクロ基地局と行うことなく、識別されたUEデバイスへのアップリンクリソースを許可し、
UEデバイスから無線ベアラでアップリンクデータパケットを受信して、UEデバイスの無線ベアラを一意に識別する無線ベアラ識別子を決定して、転送処理情報に従って、無線バックホールリンクを介して、決定された無線ベアラ識別子と共にデータパケットを別のスモールセル基地局に転送する、スモールセル基地局。
【0126】
(別の基地局への)無線バックホールリンクを有し、基地局により制御される少なくとも2つのさらなるスモールセル基地局への無線アクセスリンクを有する基地局によって制御されるスモールセル基地局であって、当該スモールセル基地局は、基地局から、
各々が特定のUEデバイスの1または複数のベアラを識別する1または複数のベアラ識別子と、
1または複数の識別されたベアラと関連付けらえた転送処理情報であって、サービス品質情報および優先度情報の少なくとも1つを含む転送処理情報と、
無線バックホールリンクで受信されたダウンリンクデータパケットを特定のUEデバイスにルーティングするためのルーティング情報であって、特定のUEデバイスにダウンリンクデータパケットをルーティングするための少なくとも第1パスと第2パスとを含む、ルーティング情報と
を受信し、
当該スモールセル基地局は、ルーティングされるベアラ識別子により識別された全てのダウンリンクデータパケットを、ルーティング情報に含まれる第1パスに沿って、特定のUEデバイスに伝送している間、ルーティング情報に含まれる第2パス(のアクセスリンク)で特定のUEデバイスから少なくとも1つのアップリンクデータパケットを受信することに応答して、ルーティングされるベアラ識別子により識別された全てのダウンリンクデータパケットを、第2パスに沿って特定のUEデバイスに伝送することを開始する。
【0127】
スモールセル基地局は、ルーティングされるベアラ識別子により識別された全てのダウンリンクデータパケットを、第2パスに沿って特定のUEデバイスに伝送することを開始する段階が、ルーティングされるベアラ識別子により識別された全てのダウンリンクデータパケットのコピーを、特定のUEデバイスに、加えて、ルーティング情報に含まれた第1パスに沿って伝送する段階と、スモールセル基地局が、無線バックホールリンクを介してマクロ基地局から確認メッセージを受信した後(ここで、確認メッセージはパス切り替えを確認する)、ルーティングされるベアラ識別子により識別された全てのダウンリンクデータパケットのコピーを、ルーティング情報に含まれた第1パスに沿って、特定のUEデバイスに伝送することを停止する段階とを備えるように配置され得る。
(他の可能な項目)
(項目1)
マクロセル基地局と複数のスモールセル基地局とを備え、前記複数のスモールセル基地局は、前記マクロセル基地局と無線通信状態にあり、各スモールセル基地局は、1または複数の他のスモールセル基地局を介して前記マクロセル基地局と直接接続されまたは前記マクロセル基地局と接続される、移動体通信システムサブネットワークであって、
前記マクロセル基地局は、候補スモールセル基地局情報を有する前記マクロセル基地局への無線リソース制御(RRC)接続を有するユーザ機器(UE)デバイスを構成して、前記UEデバイスがスモールセル基地局間で自律的に切り替わることを可能にするように配置されており、
前記マクロセル基地局は、スモールセル基地局構成情報を有する前記スモールセル基地局を構成するように配置されており、前記スモールセル基地局構成情報は、
前記マクロセル基地局により構成されたUEデバイスを、前記スモールセル基地局に関連する候補スモールセル基地局情報で識別する、UEデバイス識別子と、
前記UEデバイスの1または複数の無線ベアラを一意に識別する1または複数の無線ベアラ識別子と
を有し、
前記スモールセル基地局構成情報はさらに、前記スモールセル基地局が、無線ベアラで前記UEデバイスからデータを受信することを可能にして、前記無線ベアラを一意に識別する無線ベアラ識別子を決定して、前記決定された無線ベアラ識別子と共に前記データを転送する、
移動体通信システムサブネットワーク。
(項目2)
前記候補スモールセル基地局情報は、スモールセル基地局識別子、スモールセル基地局周波数リソース、スモールセル基地局無線パラメータ、スモールセル基地局アクセスモードおよびスモールセル基地局切り替え基準を含むリストから選択された情報を含む、項目1に記載の移動体通信システムサブネットワーク。
(項目3)
前記スモールセル基地局構成情報は、媒体アクセス制御(MAC)層構成要素、物理層構造要素、前記UEデバイスから受信されたデータと共に前記マクロセル基地局に伝送されるグローバル論理チャネル識別子、前記UEデバイスからまたは前記UEデバイスへアップリンクおよび/またはダウンリンク情報を伝達するためのルーティング情報を含むリストから選択された情報を含む、項目1または項目2に記載の移動体通信システムサブネットワーク。
(項目4)
前記スモールセル基地局は、前記マクロセル基地局のセルカバレッジより少ないセルカバレッジを有する、項目1から項目3のいずれか一項に記載の移動体通信システムサブネットワーク。
(項目5)
前記スモールセル基地局は、前記マクロセル基地局への直接接続を有する特定のスモールセル基地局と、1または複数のスモールセル基地局を介して第1基地局への間接接続を有する他のスモールセル基地局とを有するスモールセルのネットワークを形成する、項目4に記載の移動体通信システムサブネットワーク。
(項目6)
各スモールセル基地局は、異なる無線ベアラから受信されたデータを、単一ベアラ上へ多重化して、前記マクロセル基地局に伝送するように配置されており、前記多重化は、前記受信したデータ無線ベアラのサービス品質設定に依存しており、発信無線ベアラの指示は、伝送されたデータパケットに追加される、項目5に記載の移動体通信システムサブネットワーク。
(項目7)
前記マクロセル基地局は、前記UEデバイスの識別子を、前記UEデバイスから前記マクロセル基地局へのデータパケットのルーティングに関連され得る前記スモールセル基地局のそれらに提供するように配置されており、前記識別子は、前記スモールセル基地局から無線リソースを要求するために前記UEデバイスにより使用される、項目1から項目6のいずれか一項に記載の移動体通信システムサブネットワーク。
(項目8)
前記マクロセル基地局は、全てのサブネットワークでサービス提供される無線ベアラとデバイスとに関する情報を、それらの無線優先度およびサービス品質設定と共に、前記スモールセル基地局に提供するように配置されている、項目1から項目7のいずれか一項に記載の移動体通信システムサブネットワーク。
(項目9)
前記スモールセル基地局構成情報は、無線バックホールリンクで受信されたダウンリンクパケットを前記UEデバイスにルーティングするルーティング情報を含み、前記ルーティング情報は、ダウンリンクデータパケットを前記UEデバイスにルーティングするための少なくとも1つの第1パスと、前記UEデバイスによる自律セル切り替えの後に、ダウンリンクパケットを前記UEデバイスにルーティングするための少なくとも1つの代替的パスとを含む、項目1から項目8のいずれか一項に記載の移動体通信システムサブネットワーク。
(項目10)
前記マクロセル基地局は、前記UEデバイスにより実行されるセル切り替えについての、前記少なくとも2つの代替的パスのうち1つを介した情報を受信することに応答して、第1スモールセル基地局から第2スモールセル基地局へのパス切り替えを確認するように配置されている、項目9に記載の移動体通信システムサブネットワーク。
(項目11)
前記スモールセル基地局構成情報は、前記スモールセル基地局を構成するために、かつ前記スモールセル基地局により前記スモールセル基地局構成情報をさらなるスモールセル基地局に転送するために、前記マクロセル基地局への直接接続を有する全てのスモールセル基地局に同一の構成情報を提供し、スモールセル基地局は前記構成情報の完全性を検証できるように、前記構成情報は前記完全性を保護される、項目9または項目10に記載の移動体通信システムサブネットワーク。
(項目12)
マクロセル基地局と、その間でユーザ機器(UE)デバイスが切り替え可能なセルを提供する複数のスモールセル基地局とを備える移動体通信システムサブネットワークにおいて自律セル切り替えを可能にするように配置されている前記UEデバイスであって、
前記UEデバイスは、無線リソース制御接続を有する前記マクロセル基地局から、UEデバイス識別情報と候補セル情報とを受信するように配置されており、前記候補セル情報は、識別情報と、第1スモールセル基地局と第2スモールセル基地局との間で自律セル切り替えを開始するための少なくとも1つの条件とを含み、前記UEデバイスは、
前記UEデバイス識別情報を使用して、候補セルからデータ送信のためのアップリンクリソースを要求し、
前記候補セルから受信されたアップリンクリソースを使用して、無線ベアラでアップリンクデータを伝送する
ように配置されており、
前記UEデバイス識別情報は、前記候補セルが前記無線ベアラを一意に識別する無線ベアラ識別子を決定することを可能にして、前記決定された無線ベアラ識別子と共に、データパケットを、無線バックホールリンクを介して別のスモールセル基地局に転送する、ユーザ機器(UE)デバイス。
(項目13)
マクロセル基地局により制御可能なスモールセル基地局であって、前記スモールセル基地局は、前記マクロセル基地局からユーザ機器(UE)デバイス情報を受信するように配置されており、前記UEデバイス情報は、
前記スモールセル基地局により現在サービス提供されていないUEデバイスを識別するUEデバイス識別子と、
前記識別されたUEデバイスの1または複数の無線ベアラを一意に識別する1または複数の無線ベアラ識別子と、
前記1または複数の無線ベアラ識別子と関連付けられた転送処理情報であって、サービス品質情報、優先度情報およびルーティング情報の少なくとも1つを含む、転送処理情報と
を含み、
前記スモールセル基地局はさらに、
アップリンクリソースに対する要求を前記UEデバイスから受信することであって、前記要求はUEデバイス識別子を含む、受信することと、
前記UEデバイスから、かつ前記マクロセル基地局から受信された前記UEデバイス識別子に基づいて、前記UEデバイスを識別することと、
前記UEデバイスに関連するさらなる通信を前記マクロセル基地局と行うことなく、前記識別されたUEデバイスへのアップリンクリソースを許可することと、
前記UEデバイスから無線ベアラでアップリンクデータパケットを受信して、前記UEデバイスの前記無線ベアラを一意に識別する無線ベアラ識別子を決定して、前記転送処理情報に従って、無線バックホールリンクを介して、前記決定された無線ベアラ識別子と共に前記アップリンクデータパケットを別のスモールセル基地局に転送することと
を行うように配置されている、スモールセル基地局。
(項目14)
少なくとも1つのマクロセル基地局と、無線接続によって前記マクロセル基地局に接続された複数のスモールセル基地局とを備える移動体通信ネットワークを動作する方法であって、前記方法は、
前記複数のスモールセル基地局のうち最初の1つを介して前記マクロセル基地局と接続されたUEデバイスが前記接続を自律的に転送することを可能にして、その結果、前記接続に、局所的に一意である識別子を提供することと、無線バックホールリンクを介して、前記局所的に一意である識別子を前記複数のスモールセル基地局に配布することとによって、前記複数のスモールセル基地局のうち2番目の1つを介して前記接続が通過し、これにより前記UEデバイスは、自律的な前記転送の間に、前記局所的に一意である識別子を、前記複数のスモールセル基地局のうち前記2番目の1つと通信する段階を備え、
前記局所的に一意である識別子は、
前記マクロセル基地局と前記複数のスモールセル基地局とに対して一意であって、
前記無線バックホールリンク上の前記UEデバイスのデータフローを識別する、
方法。
【外国語明細書】