(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050965
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 17/00 20060101AFI20240403BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20240403BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H01F17/00 D
H01F41/04 C
H01F41/04 B
H01F17/04 F
H01F17/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024023588
(22)【出願日】2024-02-20
(62)【分割の表示】P 2021129225の分割
【原出願日】2021-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】友廣 俊
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 勝
(72)【発明者】
【氏名】野口 裕
(57)【要約】
【課題】クラックが生じにくい、金属磁性体粒子を含有する素体と、当該素体中に埋設されたコイルとを有する積層コイル部品の提供。
【解決手段】金属磁性体粒子を含有する素体と、前記素体中に埋設されたコイルとを有する積層コイル部品であって、前記コイルは、銀を含有する複数の内部電極層を有し、前記内部電極層は、ポア面積率が高い第一内部電極層と、ポア面積率が低い第二内部電極層を含み、表面に酸化被膜を有する金属磁性体粒子を有し、前記金属磁性体粒子のうち前記酸化被膜を介して結合した金属磁性体粒子を有する磁性体層に前記第二内部電極層が接している、積層コイル部品。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属磁性体粒子を含有する素体と、前記素体中に埋設されたコイルとを有する積層コイル部品であって、
前記コイルは、銀を含有する複数の内部電極層を有し、
前記内部電極層は、ポア面積率が高い第一内部電極層と、ポア面積率が低い第二内部電極層を含み、
表面に酸化被膜を有する金属磁性体粒子を有し、前記金属磁性体粒子のうち前記酸化被膜を介して結合した金属磁性体粒子を有する磁性体層に前記第二内部電極層が接している、
積層コイル部品。
【請求項2】
前記第二内部電極層の両主面は、前記磁性体層に接している、請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項3】
前記磁性体層は、第二内部電極層間に配置され、前記内部電極層と磁性体層が積層する方向に交差する方向の長さが、第二内部電極層の長さと長さが同じである、請求項1又は請求項2に記載の積層コイル部品。
【請求項4】
前記第一内部電極層は、前記内部電極層の最上層及び最下層の少なくとも一方に配置され、前記第一内部電極層の前記素体の前記内部電極層と磁性体層が積層する方向の表面との間において、前記第一内部電極層に接する様に絶縁コートされた金属磁性体粒子を含む磁性体層が配置された、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の積層コイル部品。
【請求項5】
前記第一内部電極層は、前記内部電極層の最上層及び最下層に配置され、前記第一内部電極層の前記素体の前記内部電極層と磁性体層が積層する方向の表面との間において、前記第一内部電極層に接する様に絶縁コートされた金属磁性体粒子を含む磁性体層が配置された、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の積層コイル部品。
【請求項6】
前記第一内部電極層のポア面積率は、10%以上20%以下であり、前記第二内部電極層のポア面積率は、1%以上5%以下である、請求項4又は請求項5に記載の積層コイル部品。
【請求項7】
前記素体は、前記金属磁性体粒子を含有する磁性体層、及び前記磁性体層より透磁率が低い低透磁率層を含み、
前記低透磁率層は、前記複数の内部電極層間に位置する、
請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項8】
前記第二内部電極層の両主面は、前記低透磁率層に接している、請求項7に記載の積層コイル部品。
【請求項9】
前記低透磁率層は、磁性体層を構成する金属磁性体粒子の粒径よりも粒径の小さな金属磁性体粒子で構成されている、請求項7に記載の積層コイル部品。
【請求項10】
前記金属磁性体粒子は、前記素体を焼成する際に、金属磁性体粒子の表面に自己生成酸化物を発生させ、前記自己生成酸化物を介して隣接する金属磁性体粒子が結合される請求項1に記載の積層コイル部品の製造方法。
【請求項11】
前記金属磁性体粒子は、前記磁性体層を形成するための磁性体ペースト中に含有する金属磁性体粒子を、前記素体を焼成する際に、前記金属磁性体粒子の表面に自己生成酸化物を発生させ、前記自己生成酸化物を介して隣接する金属磁性体粒子が結合される請求項1に記載の積層コイル部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
金属磁性粉を含む磁性体部を有する積層コイル部品が知られている。しかしながら、金属磁性粉は鉄や鉄合金を配合した導電性粒子であり、そのままでは積層コイル部品に用いることができない。かかる問題に対して、金属磁性粉ペーストとコイル導体用銀ペーストを交互に印刷積層して得た積層体を、熱処理することにより、金属磁性粉の表面に自己生成酸化膜を形成させて絶縁性を確保し、同時に、金属磁性粉及び銀を焼成し、積層コイル部品を得る方法が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような方法で得た積層コイル部品は、金属磁性層にクラックが生じやすいという問題があった。
【0005】
従って、本開示の目的は、クラックが生じにくい、金属磁性体粒子を含有する素体と、当該素体中に埋設されたコイルとを有する積層コイル部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下の態様を含む。
[1] 金属磁性体粒子を含有する素体と、前記素体中に埋設されたコイルとを有する積層コイル部品であって、
前記コイルは、銀を含有する複数の内部電極層を有し、
前記内部電極層は、ポア面積率が高い第一内部電極層と、ポア面積率が低い第二内部電極層を含む、積層コイル部品。
[2] 前記素体は、前記金属磁性体粒子を含有する磁性体層を含み、
前記磁性体層は、絶縁コートされた金属磁性体粒子を含む第一磁性体層と、表面に酸化被膜を有する金属磁性体粒子を含む第二磁性体層とを含む、
上記[1]に記載の積層コイル部品。
[3] 前記第二内部電極層の両主面は、前記第二磁性体層に接している、上記[2]に記載の積層コイル部品。
[4] 前記素体は、前記金属磁性体粒子を含有する磁性体層、及び前記磁性体層より透磁率が低い低透磁率層を含み、
前記低透磁率層は、前記複数の内部電極層間に位置する、
上記[1]に記載の積層コイル部品。
[5] 前記第二内部電極層の両主面は、前記低透磁率層に接している、上記[4]に記載の積層コイル部品。
[6] 前記低透磁率層は、非磁性フェライト層である、上記[4]又は[5]に記載の積層コイル部品。
[7] 前記内部電極層の最下層及び最上層の少なくとも一方は、前記第一内部電極層である、上記[1]~[6]のいずれか1項に記載の積層コイル部品。
[8] 前記内部電極層の最下層及び最上層は、前記第一内部電極層である、上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の積層コイル部品。
[9] 前記第一内部電極層のポア面積率は、10%以上20%以下であり、前記第二内部電極層のポア面積率は、1%以上5%以下である、上記[1]~[8]のいずれか1項に記載の積層コイル部品。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、金属磁性体粒子を含有する素体と、当該素体中に埋設されたコイルとを有する積層コイル部品において、コイルを、ポア面積率が高い第一内部電極層、及びポア面積率が低い第二内部電極層を含む内部電極層で構成することにより、クラックが生じにくい積層コイル部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第一実施形態の積層コイル部品1aを模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す積層コイル部品1aの、x-xに沿った切断面を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、第二実施形態の積層コイル部品1bの切断面を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、第一実施形態の積層コイル部品1aの製造方法を説明する図である。
【
図5】
図5は、第二実施形態の積層コイル部品1bの製造方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の積層コイル部品について、以下、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示の積層コイル部品、及び各構成要素の形状及び配置等は、図示する例に限定されない。各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明又は理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態に分けて説明するが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせは可能である。後述の実施形態では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する場合がある。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態ごとには逐次言及しない場合がある。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
【0010】
(第一実施形態)
本実施形態の積層コイル部品1aの斜視図を
図1に、断面図を
図2に模式的に示す。
【0011】
図1及び
図2に示されるように、本実施形態の積層コイル部品1aは、略直方体形状を有している。積層コイル部品1aは、概略的には、素体2、該素体2に埋設されたコイル3、及び外部電極4を有してなる。上記素体2は、素体2の上部及び下部に位置する第一磁性体層21及びその間に位置する第二磁性体層22から構成される。尚、
図1においてT方向が上下方向である。素体2の内部には、コイル3が埋設されている。上記コイル3は、複数の内部電極層がビア導体(図示していない)により接続されて形成されている。複数の内部電極層は、該内部電極層の最上層及び最下層に位置する第一内部電極層31、及び該第一内部電極層31の間に位置する第二内部電極層32から構成される。素体2の両端面(WT面)上には、外部電極4が設けられている。外部電極4は、各端面から、隣接する四面の一部にまで延在している。即ち、外部電極4は、五面電極である。上記コイル3の末端は、それぞれ、素体2の端面において外部電極4に電気的に接続されている。
【0012】
上記したように、本実施形態において、素体2は、第一磁性体層21及び第二磁性体層22から構成される。
【0013】
上記第一磁性体層21及び第二磁性体層22は、金属磁性体粒子を含む。
【0014】
上記金属磁性体粒子を構成する金属磁性材料としては、磁性を有するものであれば特に限定されず、例えば、鉄、コバルト、ニッケルもしくはガドリニウム、又はこれらの1種又は2種以上を含む合金が挙げられる。好ましくは、上記金属磁性材料は、鉄又は鉄合金である。鉄は、鉄そのものであってもよく、鉄誘導体、例えば錯体であってもよい。かかる鉄誘導体としては、特に限定されないが、鉄とCOの錯体であるカルボニル鉄、好ましくはペンタカルボニル鉄が挙げられる。特に、オニオンスキン構造(粒子の中心から同心球状の層を形成している構造)のハードグレードのカルボニル鉄(例えば、BASF社製のハードグレードのカルボニル鉄)が好ましい。鉄合金としては、特に限定されないが、例えば、Fe-Si系合金、Fe-Si-Cr系合金、Fe-Si-Al系合金等が挙げられる。上記合金は、さらに、他の副成分としてB、C等を含んでいてもよい。副成分の含有量は、特に限定されないが、例えば0.1質量%以上5.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以上3.0質量%以下であり得る。上記金属磁性材料は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
【0015】
上記金属磁性体粒子は、好ましくは0.5μm以上50μm以下、より好ましくは1μm以上30μm以下、さらに好ましくは2μm以上20μm以下の平均粒径を有する。上記金属磁性体粒子の平均粒径を0.5μm以上とすることにより、金属磁性体粒子の取り扱いが容易になる。また、上記金属磁性体粒子の平均粒径を、50μm以下とすることにより、金属磁性体粒子の充填率をより大きくすることが可能になり、磁性体層の磁気的特性が向上する。
【0016】
ここに、上記平均粒径とは、磁性体層の断面のSEM(走査型電子顕微鏡)画像における金属磁性体粒子の円相当径の平均を意味する。例えば、上記平均粒径は、積層コイル部品1aを切断して得られた断面について、複数箇所(例えば5箇所)の領域(例えば130μm×100μm)をSEMで撮影し、このSEM画像を画像解析ソフト(例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製、A像くん(登録商標))用いて解析して、500個以上の金属粒子について円相当径を求め、その平均を算出することにより得ることができる。
【0017】
上記第一磁性体層21は、絶縁性被膜により絶縁コートされた金属磁性体粒子を含む。
【0018】
上記絶縁性被膜は、金属磁性体粒子を構成する金属の酸化被膜、即ち自己生成酸化膜以外の被膜である。なお、上記金属磁性体粒子が、自己生成酸化膜を有することを妨げるものではない。
【0019】
好ましい態様において、上記絶縁性被膜は、金属酸化物を含む被膜であり、好ましくはSiの酸化物の被膜である。
【0020】
上記絶縁性被膜を形成する方法としては、例えば、メカノケミカル法、ゾルゲル法等が挙げられる。特に、Siの酸化物の被膜を形成する場合には、ゾルゲル法が好ましい。ゾルゲル法でSiの酸化物を含む被膜を形成する場合、Siアルコキシドを含むゾルゲルコート剤と有機鎖含有シランカップリング剤とを混合し、この混合液を金属磁性体粒子の表面に付着させ、加熱処理によって脱水結合させた後、所定の温度で乾燥することで形成できる。
【0021】
上記絶縁性被膜は、金属磁性体粒子の表面の一部だけを覆っていてもよく、全面を覆っていてもよい。また、絶縁性被膜の形状は、特に限定されず、網目状であっても、層状であってもよい。好ましい態様において、上記金属磁性体粒子は、その表面の50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは100%の領域が絶縁性被膜により覆われている。金属粒子の表面を絶縁性被膜で覆うことにより、金属磁性体粒子の表面に、かかる金属磁性体粒子の酸化被膜が形成されることを抑制することができる。また、磁性体層内部の比抵抗を高くすることができる。
【0022】
上記絶縁性被膜の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは3nm以上50nm以下、さらに好ましくは5nm以上30nm以下、例えば10nm以上30nm以下又は5nm以上20nm以下であり得る。絶縁性被膜の厚みをより大きくすることにより、金属磁性体粒子の酸化被膜が形成されることをより抑制することができる。また、絶縁性被膜の厚みをより小さくすることにより、磁性体層中の金属磁性体粒子の量をより多くすることができ、磁性体層の磁気的特性が向上し、また、磁性体層の小型化を図ることが容易になる。
【0023】
上記第二磁性体層22は、酸化被膜を有する金属磁性体粒子を含む。
【0024】
上記酸化被膜は、金属磁性体粒子を構成する金属の酸化被膜、即ち、即ち自己生成酸化膜である。
【0025】
上記酸化被膜の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは3nm以上50nm以下、さらに好ましくは5nm以上30nm以下、例えば10nm以上30nm以下又は5nm以上20nm以下であり得る。酸化被膜の厚みをより大きくすることにより、磁性体層の比抵抗が向上する。また、酸化被膜の厚みをより小さくすることにより、磁性体層中の金属磁性体粒子の量をより多くすることができ、磁性体層の磁気的特性が向上し、また、磁性体層の小型化を図ることが容易になる。
【0026】
上記第二磁性体層22において、金属磁性体粒子は、上記酸化被膜により結合している。
【0027】
上記コイル3は、複数の内部電極層がビア導体(図示していない)により接続されて形成されている。
【0028】
上記内部電極層は、導電性材料を含む。当該導電性材料としては、銀、銅、又は金、あるいはこれらの合金を含む。上記内部電極層は、好ましくは、導電性材料として銀を含み、より好ましくは銀のみを含む。
【0029】
上記内部電極層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは15μm以上45μm以下であり、より好ましくは20μm以上40μm以下である。
【0030】
上記内部電極層は、ポア面積率が高い第一内部電極層31と、ポア面積率が低い第二内部電極層32を含む。本開示の積層コイル部品は、ポア面積率が高い第一内部電極層を含むことにより、内部応力が緩和され、クラックの発生が抑制される。
【0031】
上記第一内部電極層のポア面積率は、好ましくは10%以上20%以下、より好ましくは13%以上18%以下である。
【0032】
上記第二内部電極層のポア面積率は、好ましくは1%以上5%以下、より好ましくは1%以上3%以下である。
【0033】
上記第一内部電極層のポア面積率と第二内部電極層のポア面積率の差は、好ましくは5%以上30%以下、より好ましくは10%以上20%以下、さらに好ましくは13%以上18%以下である。
【0034】
上記内部電極層のポア面積率は、コイルの断面をイオンミリング等により露出させ、得られた断面を電子顕微鏡で観察し、コイルの長さ方向に垂直な断面全体の画像を取得し、得られた画像を画像解析ソフト(例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製、A像くん(登録商標))を用いて、ポア部と銀部とで2値化し、ポア部の面積率を算出することにより得ることができる。
【0035】
本実施形態において、上記内部電極層は、最上層及び最下層に位置する第一内部電極層31、及び該第一内部電極層31の間に位置する第二内部電極層32から構成される。
【0036】
上記第一内部電極層31の一方の主面(外側の主面)は、上記第一磁性体層21に接し、他方の主面(内側の主面)は、上記第二磁性体層22に接している。ここに内部電極層の主面とは、積層方向に垂直な面をいう。
【0037】
上記第二内部電極層32の両主面は、上記第二磁性体層22に接している。好ましくは、上記第二内部電極層32は、全体が上記第二磁性体層22に接している。
【0038】
本実施形態の積層コイル部品1aは、比較的ポア面積率が高い第一内部電極層31がコイルの最外層に位置することにより、クラックが生じやすい最外層の内部電極層の外側近傍においてクラックの発生を抑制し、また、第二磁性体層22において、金属磁性体粒子が絶縁性被膜により絶縁コートされていないことにより、高い磁気的特性を得ることができる。
【0039】
なお、
図2において、内部電極層の断面形状は矩形で表されているが、かかる断面形状は内部電極層の形状を模式的に示したものであって、これに限定されない。例えば、内部電極層の断面形状は、矩形が崩れた形状、例えば略楕円形状であってもよい。
【0040】
上記外部電極4は、積層コイル部品1aの各端面から、隣接する四面の一部にまで延在する、いわゆる、五面電極である。外部電極4は、それぞれ、素体2の端面において上記コイル3の末端に電気的に接続されている。
【0041】
上記外部電極4は、導電性材料、好ましくはAu、Ag、Pd、Ni、Sn及びCuから選択される1種又はそれ以上の金属材料から構成される。
【0042】
上記外部電極4は、単層であっても、多層であってもよい。一の態様において、外部電極が多層である場合、外部電極は、Ag又はPdを含む層、Niを含む層、又はSnを含む層を含み得る。好ましい態様において、上記外部電極は、Ag又はPdを含む層、Niを含む層、及びSnを含む層からなる。好ましくは、上記の各層は、コイル導体側から、Ag又はPdを含む層、Niを含む層、Snを含む層の順で設けられる。好ましくは、上記Ag又はPdを含む層はAgペースト又はPdペーストを焼き付けた層であり、上記Niを含む層及びSnを含む層は、めっき層であり得る。
【0043】
上記外部電極4の厚みは、特に限定されないが、例えば1μm以上20μm以下、好ましくは5μm以上10μm以下であり得る。
【0044】
(第二実施形態)
本実施形態の積層コイル部品1bの断面図を
図3に示す。尚、積層コイル部品1bの斜視図は、積層コイル部品1aの斜視図と同様に示される。
【0045】
図3に示されるように、本実施形態の積層コイル部品1bは、略直方体形状を有し、積層コイル部品1bは、概略的には、素体2、該素体2に埋設されたコイル3、及び外部電極4を有してなる。上記素体2は、磁性体層23及び各内部電極層間に位置する低透磁率層25から構成される。素体2の内部には、コイル3が埋設されている。上記コイル3は、複数の内部電極層がビア導体(図示していない)により接続されて形成されている。複数の内部電極層は、該内部電極層の最上層及び最下層に位置する第一内部電極層31、及び該第一内部電極層31の間に位置する第二内部電極層32から構成される。素体2の両端面(WT面)上には、外部電極4が設けられている。外部電極4は、各端面から、隣接する四面の一部にまで延在している。即ち、外部電極4は、五面電極である。上記コイル3の末端は、それぞれ、素体2の端面において外部電極4に電気的に接続されている。
【0046】
上記磁性体層23は、上記第一実施形態における第一磁性体層21と同様の構成を有する。即ち、上記磁性体層23は、絶縁性被膜により絶縁コートされた金属磁性体粒子を含む。
【0047】
上記低透磁率層25は、上記磁性体層23よりも透磁率が低い層であり、非磁性フェライト、低磁性フェライト、ガラス、又は粒子径の小さな金属粒子を含み得る。
【0048】
上記低透磁率層25は、好ましくは酸化物層、より好ましくは非磁性フェライト層である。
【0049】
上記非磁性フェライト層を構成する非磁性フェライトとしては、例えばZn、Cu、Mn、及びFeから選択される2種以上の金属を含む複合酸化物であり得る。
【0050】
上記非磁性フェライトは、例えば、
FeをFe2O3に換算して40mol%以上49.5mol%以下で含み、
CuをCuOに換算して6mol%以上13mol%以下で含み、
残部がZnOである、
非磁性フェライトであり得る。
【0051】
上記非磁性フェライトは、必要に応じてMn、Sn、Co、Bi、Si等の添加物を1種又は任意の2種以上の組み合わせで含んでいてよく、及び/又は、微量な不可避不純物を含んでいてもよい。
【0052】
上記内部電極層は、上記積層コイル部品1aと同様に、ポア面積率が高い第一内部電極層31と、ポア面積率が低い第二内部電極層32を含む。
【0053】
上記第一内部電極層31の一方の主面(外側の主面)は、上記磁性体層23に接し、他方の主面(内側の主面)は、上記低透磁率層25に接している。
【0054】
上記第二内部電極層32の両主面は、上記低透磁率層25に接している。本実施形態において、上記第二内部電極層32の側面は、上記磁性体層23に接している。
【0055】
本実施形態の積層コイル部品1bは、比較的ポア面積率が高い第一内部電極層31がコイルの最外層に位置することにより、クラックが生じやすい最外層の内部電極層の外側近傍の磁性体層におけるクラックの発生を抑制することができる。さらに、各内部電極層の間に低透磁率層25が存在することから、直流重畳特性が向上する。
【0056】
なお、
図3において、内部電極層の断面形状は矩形で表されるが、かかる形状は内部電極層の形状を模式的に示したものであって、これに限定されない。例えば、内部電極層の断面形状は、矩形が崩れた形状、例えば略楕円形状であってもよい。また、低透磁率層25は、内部電極層の主面に完全に一致して接しているが、これに限定されない。例えば、低透磁率層25は、内部電極層の主面の周縁部において接していなくてもよい。
【0057】
以上、本開示の積層コイル部品を実施形態を挙げて説明したが、本開示の積層コイル部品は上記の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。
【0058】
一の態様において、本開示の積層コイル部品は、外部電極4を除いて、保護層により覆われていてもよい。保護層を設けることにより、基板等に実装した際に、他の電子部品と短絡することを防止することができる。
【0059】
上記保護層を構成する絶縁性材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等の電気絶縁性が高い樹脂材料が挙げられる。
【0060】
一の態様において、第二実施形態における低透磁率層25は、上記第二内部電極層32の表面全体を覆っていてもよい。
【0061】
一の態様において、第二実施形態における低透磁率層25は、内部電極層が存在する範囲を超えて素体の側面方向に延在してもよい。例えば、低透磁率層25は、素体2の側面まで延在し、素体2の側面から露出していてもよい。
【0062】
次に、本開示の積層コイル部品の製造方法について説明する。
【0063】
本開示の積層コイル部品は、磁性体ペーストと、導体ペーストと、必要に応じて磁性体ペーストよりも透磁率が低い低透磁率ペーストを積層し、これを熱処理することにより得ることができる。
【0064】
詳細には、第一実施形態の積層コイル部品1aは、以下のようにして製造することができる。
【0065】
第一磁性体ペーストとして、絶縁性被膜により絶縁コートされた金属磁性体粒子を含む磁性体ペーストを準備する。
【0066】
体積基準の累積50%粒子径D50が2μm以上20μm以下の金属磁性体粒子を準備する。次いで、メカノケミカル法又はゾルゲル法などで金属磁性体粒子表面に絶縁性被膜を形成することにより絶縁コートする。絶縁された金属磁性体粒子を、結合剤としてセルロース又はポリビニルブチラールを、溶剤としてターピネオール又はブチルジグリコールアセテートの混合物と混合し、混錬することにより第一磁性体ペーストを得る。
【0067】
第二磁性体ペーストとして、絶縁コートされていない金属磁性体粒子を含む磁性体ペーストを準備する。第二磁性体ペーストは、金属磁性体粒子を絶縁コートしないこと以外は、上記第一磁性体ペーストと同様にして得ることができる。
【0068】
導体ペーストとして、導体ペースト、例えば銀ペーストを準備する。
【0069】
次に、上記のペーストの積層体を作製する。まず、支持体上に熱剥離シート及びポリエチレンテレフタレート等のフィルムを積み重ねた基板を準備し、その上に第一磁性体ペーストを所定回数スクリーン印刷し、第一磁性体ペーストの印刷層51を形成する(
図4(a))。
【0070】
次に、印刷層51の上に、導体ペーストの印刷層52を形成する(
図4(b))。
【0071】
次に、印刷層51の上の導体ペーストの印刷層52が形成されていない領域に、第一磁性体ペーストの印刷層53を形成する(
図4(c))。
【0072】
次に、印刷層52及び53上の全体に、第二磁性体ペーストの印刷層54を形成する(
図4(d))。
【0073】
次に、印刷層54の上に、導体ペーストの印刷層55を形成する(
図4(e))。
【0074】
次に、印刷層54の上の導体ペーストの印刷層55が形成されていない領域に、第二磁性体ペーストの印刷層56を形成する(
図4(f))。
【0075】
次に、上記
図4(d)~(f)に示す工程を繰り返し、第二磁性体ペーストの印刷層57、導体ペーストの印刷層58、第二磁性体ペーストの印刷層59、第二磁性体ペーストの印刷層60、導体ペーストの印刷層61、第二磁性体ペーストの印刷層62、及び第二磁性体ペーストの印刷層63を形成し、
図4(b)及び
図4(a)に示す工程と同様にして、導体ペーストの印刷層64、第一磁性体ペーストの印刷層65、及び第一磁性体ペーストの印刷層66を形成して、ペーストの積層体を得る(
図4(g))。得られた積層体を加圧圧縮して、積層体ブロックを作製する。第一磁性体ペーストの印刷層51、53、65及び66は、積層コイル部品1aの第一磁性体層21となる。第二磁性体ペーストの印刷層54、56、57、59、60、62、及び63は、積層コイル部品1aの第二磁性体層22となる。導体ペーストの印刷層52及び64は、積層コイル部品1aの第一内部電極層31となる。導体ペーストの印刷層55、58及び61は、積層コイル部品1aの第二内部電極層32となる。
【0076】
次に、得られた積層体ブロックをダイサー等で切断して個片化し、脱脂し、焼成炉に入れ、焼成する。なお、個片化は、焼成の後に行ってもよい。
【0077】
上記焼成の温度は、好ましくは600℃以上800℃以下、より好ましくは650℃以上750℃以下である。
【0078】
上記焼成の時間は、好ましくは30分以上90分以下、より好ましくは40分以上80分以下である。
【0079】
上記焼成は、好ましくは大気中で行われる。
【0080】
上記焼成により、磁性体ペーストに含まれる金属磁性体粒子の表面に酸化被膜が形成される。この際、かかる酸化被膜の影響により、銀ペースト中の有機成分の分解が促進され、金属磁性体粒子近傍の内部電極層が収縮する。その結果、内部電極層のポア面積率は低くなる。かかる酸化被膜の影響は、より酸化被膜が生じやすい、絶縁コートされていない金属磁性体粒子を含む第二磁性体ペーストに接する領域で大きくなる。その結果、第二磁性体ペーストに挟まれた導体ペーストから形成される内部電極層は、他の内部電極層と比較して、ポア面積率が小さくなる。
【0081】
次に、焼成した素体の端面に、外部電極を形成することにより、積層コイル部品1aを得ることができる。
【0082】
第二実施形態の積層コイル部品1bは、下記する積層体ブロックの形成以外は、上記積層コイル部品1aと同様にして製造することができる。
【0083】
上記第一磁性体ペースト及び導体ペーストに加え、低透磁率ペーストを準備する。
【0084】
上記低透磁率ペーストは、上記金属磁性体粒子より透磁率が低い低透磁率粒子、例えばフェライト粒子を、結合剤としてセルロース又はポリビニルブチラールを、溶剤としてターピネオール又はブチルジグリコールアセテートの混合物と混合し、混錬することにより得ることができる。
【0085】
次に、上記のペーストの積層体を作製する。まず、支持体上に熱剥離シート及びポリエチレンテレフタレート等のフィルムを積み重ねた基板を準備し、その上に第一磁性体ペーストを所定回数スクリーン印刷し、第一磁性体ペーストの印刷層71を形成する(
図5(a))。
【0086】
次に、印刷層71の上に、導体ペーストの印刷層72を形成する(
図5(b))。
【0087】
次に、印刷層71の上の導体ペーストの印刷層72が形成されていない領域に、第一磁性体ペーストの印刷層73を形成する(
図5(c))。
【0088】
次に、印刷層72の上に、低透磁率ペーストの印刷層74を形成する(
図5(d))。
【0089】
次に、印刷層73の上の低透磁率ペーストの印刷層74が形成されていない領域に、第一磁性体ペーストの印刷層75を形成する(
図5(e))。
【0090】
次に、印刷層74の上に、導体ペーストの印刷層76を形成する(
図5(f))。
【0091】
次に、印刷層75の上の導体ペーストの印刷層76が形成されていない領域に、第一磁性体ペーストの印刷層77を形成する(
図5(g))。
【0092】
次に、上記
図5(d)~(g)に示す工程を繰り返し、低透磁率ペーストの印刷層78、第一磁性体ペーストの印刷層79、導体ペーストの印刷層80、第一磁性体ペーストの印刷層81、低透磁率ペーストの印刷層82、第一磁性体ペーストの印刷層83、導体ペーストの印刷層84、第一磁性体ペーストの印刷層85、低透磁率ペーストの印刷層86、第一磁性体ペーストの印刷層87、導体ペーストの印刷層88、第一磁性体ペーストの印刷層89、及び第一磁性体ペーストの印刷層90を形成して、ペーストの積層体を得る(
図5(h))。得られた積層体を加圧圧縮して、積層体ブロックを作製する。導体ペーストの印刷層72及び88は、積層コイル部品1bの第一内部電極層31となる。導体ペーストの印刷層76、80、及び84は、積層コイル部品1bの第二内部電極層32となる。第一磁性体ペーストの印刷層71、73、75、77、79、81、83、85、87、89及び90は、積層コイル部品1bの磁性体層23となる。低透磁率ペーストの印刷層74、78、82及び86は、積層コイル部品1bの低透磁率層25となる。
【0093】
上記積層体は、焼成の際、上記低透磁率粒子に含まれる酸化物の影響により、導体ペースト中の有機成分の分解が促進され、低透磁率粒子近傍の内部電極層が収縮する。その結果、かかる内部電極層のポア面積率は低くなる。一方、磁性体ペーストに含まれる金属磁性体粒子の表面には、上記焼成により酸化被膜が形成される。しかしながら、上記金属磁性体粒子は絶縁性被膜により絶縁コートされているため、酸化被膜が、導体ペースト中の有機成分の分解に与える影響は小さい。その結果、低透磁率ペーストに挟まれた導体ペーストから形成される内部電極層は、他の内部電極層と比較して、ポア面積率が小さくなる。
【0094】
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【実施例0095】
実施例1
・第一磁性体ペーストの調製
D50が10μmのFe-Si合金の金属磁性粒子を準備し、ゾルゲル法などで金属磁性粉末表面にSiを含む絶縁性被膜により絶縁コートした。絶縁コート金属磁性体粒子に、結合剤としてセルロースを、溶剤としてターピネオール及びブチルジグリコールアセテートの混合物を加え、混錬して第一磁性体ペーストを調製した。
【0096】
・第二磁性体ペーストの調製
絶縁コートしていない金属磁性体粒子に、結合剤としてセルロースを、溶剤としてターピネオール及びブチルジグリコールアセテートの混合物を加え、混錬して第二磁性体ペーストを調製した。
【0097】
・導体ペーストの調製
銀粉末に、結合剤としてセルロースを、溶剤としてターピネオール及びブチルジグリコールアセテートの混合物を加え、混錬して導体ペーストを調製した。
【0098】
・積層体ブロックの作製
金属プレートの上に熱剥離シート及びポリエチレンテレフタレートフィルムを積み重ねた基板上に、上記第一磁性体ペースト、第二磁性体ペースト、及び導体ペーストを用いて層を形成し、
図4(g)に示す積層体を作製し、加圧圧縮して積層体ブロックを作製した。
【0099】
・積層コイル部品の作製
上記で得られた積層体ブロックをダイサーで切断して個片化した。個片化した積層体を脱脂し、次いで、焼成炉にて、大気中700℃で60分間焼成した。次いで、焼成した素体の端面に、銀粉末、ガラス成分及びワニスを含む外部電極用銀ペーストを塗布し、700℃で焼き付けて下地電極を形成した。次いで、素子をエポキシ樹脂に浸漬して、エポキシ樹脂を素子中に含浸させ、熱硬化した。最後に電解めっきにより下地電極上にNi層及びSn層を形成し、外部電極を形成して、積層コイル部品を得た。得られた積層コイル部品は、長さ=1.6mm、幅=0.8mm、高さ=0.6mmであった。
【0100】
実施例2
・非磁性フェライトペーストの調製
Fe2O3、ZnO、及びCuOの配合原料を純水及びPSZ(部分安定化ジルコニア)ボールと共にボールミルに入れ、湿式で6時間混合し、粉砕した。次いで、水分を蒸発して乾燥した後、750℃の温度で3時間仮焼して、仮焼粉末を作製した。仮焼粉末に、結合剤としてセルロースを、溶剤としてターピネオール及びブチルジグリコールアセテートの混合物を加え、混錬して非磁性フェライトペーストを調製した。
【0101】
・積層体ブロックの作製
金属プレートの上に熱剥離シート及びポリエチレンテレフタレートフィルムを積み重ねた基板上に、上記第一磁性体ペースト、非磁性フェライトペースト、及び導体ペーストを用いて層を形成し、
図5(h)に示す積層体を作製し、加圧圧縮して積層体ブロックを作製した。
【0102】
・積層コイル部品の作製
実施例1と同様にして、積層コイル部品を得た。得られた積層コイル部品は、長さ=1.6mm、幅=0.8mm、高さ=0.6mmであった。
【0103】
比較例1
第一磁性体ペーストの代わりに第二磁性体ペーストを用いること以外は、即ち、磁性体ペーストとしてすべて第二磁性体ペーストを用いること以外は実施例1と同様にして、比較例1の積層コイル部品を作製した。
【0104】
・評価
(ポア面積率)
上記実施例1及び2の積層コイル部品、及び比較例1の積層コイル部品について、イオンミリングにより、L方向の1/2まで削り、コイル断面を露出させ、得られた断面を電子顕微鏡で観察し、内部電極層の断面全体の画像を取得した。得られた画像を画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製、A像くん(登録商標))を用いて、最外層の内部電極層、及び中央層である内部電極層について、断面全体をポア部と銀部とで2値化し、ポア部の面積率を算出することにより、ポア面積率を算出した。実施例1、実施例2、及び比較例1について、それぞれ10個の試料のポア面積率を算出し、その平均値を表1に示す。
【0105】
(クラック試験)
各試料10個につき、クラックの発生の有無を調べ、クラック発生率を算出した。結果を表1に示す。
【0106】