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特開2024-51021血液および血液成分の貯蔵、処置、および/または、処理のための装置、システムおよび方法
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  • 特開-血液および血液成分の貯蔵、処置、および/または、処理のための装置、システムおよび方法 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051021
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】血液および血液成分の貯蔵、処置、および/または、処理のための装置、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/02 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A61M1/02 100
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024025391
(22)【出願日】2024-02-22
(62)【分割の表示】P 2022042461の分割
【原出願日】2016-09-13
(31)【優先権主張番号】62/218,234
(32)【優先日】2015-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/218,242
(32)【優先日】2015-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/218,214
(32)【優先日】2015-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】308020283
【氏名又は名称】フェンウォール、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124648
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 和夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154450
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 亜紀子
(72)【発明者】
【氏名】カルデロン,カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ガスマン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,デイヴィッド,エス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】血液と血液成分の貯蔵、処置および/または処理と、このような貯蔵、処置および/または処理に関連する新規な装置、システムおよび方法に関する。
【解決手段】2次元バーコードを容器の外表面上に担持し、バーコードは少なくとも血液容器の製造者の部品番号またはカタログ番号をコード化している、血液容器。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液容器であって、
2次元バーコードを前記血液容器の外表面上に担持し、
前記バーコードは少なくとも前記血液容器の製造者の部品番号またはカタログ番号をコード化している、血液容器。
【請求項2】
前記バーコードは前記血液容器内の製品の有効期限をコード化している、請求項1に記載の血液容器。
【請求項3】
血液処理装置上に吊るされるように構成され、前記血液処理装置上に吊るされたときに前記バーコードが前記血液容器において前記血液処理装置に対向する側に位置するように構成されている、請求項1または請求項2に記載の血液容器。
【請求項4】
前記バーコードは、前記血液容器に含まれるべき血液または血液成分について、血液および血液成分の単一のラベル化についての米国工業共通標準(United States Industry Consensus Standard for the Uniform Labeling of Blood and Blood Components)によって要求される全ての情報を含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の血液容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
この出願は、ここに参照として組み込まれる2015年9月14日出願の米国仮出願62/218,214、2015年9月14日出願の米国仮出願62/218,234、および、2015年9月14日出願の米国仮出願62/218,242に優先権と利益を主張する。
【0002】
この出願は、一般的には血液と血液成分の貯蔵、処置および/または処理と、このような貯蔵、処置および/または処理に関連する新規な装置、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
献血を通して、提供者は血液センターまたは病院などを訪れ、人手による採集手順を用いて提供者から全血を採集することはよく知られている。このような手順では、血液は、典型的には単に提供者から重力と静脈圧下で採集容器(例えば可撓性のパウチや袋)内に流されることによって採集される。血液または血液成分の採集を助け、また、促進するために、様々な血液採集器具が使用され得る。
【0004】
人手による採集における採集容器は、しばしばより大きな、予め組み立てられた管と容器の配列の一部であり、採集された全血のさらなる処理において使用されるサテライト容器と呼ばれることがある。より具体的には、全血は、典型的には、限定ではないがクエン酸ナトリウム、リン酸およびブドウ糖(CPD)の溶液のような抗凝固剤をも含む、一次採集容器と呼ばれるものの中に最初に採集される。
【0005】
最初の採集の後、さらなる処理のために、採集された全血を「バック・ラボ」と呼ばれることがある別の設備または場所に輸送することが通常の実務である。この処理は、通常、全血を濃縮赤血球と多血小板血漿または少血小板血漿とに分離するために、一次採集容器と関連する管とサテライト容器を遠心分離器の中に人手で搭載することを必要とする。分離された成分は、その後、一次採集容器から1以上のサテライト容器に出され、赤血球は、1以上のサテライト容器に予め充填された添加剤溶液または保存溶液と結合される。そのような添加剤溶液の1つは、米国イリノイ州レイクズーリックのフェンウォール、インコーポレイテッドによるADSOL(登録商標)の商品名によって市場に出されているもののように、塩化ナトリウム、マンニトール、アデニンおよびデキストロースを含む。所望ならば、例えば、血漿から血小板を分離するために、上記の工程の後、血液成分は再び遠心分離される。この記載から明らかであるように、この過程は労働集中的であり、時間がかかり、人為ミスに曝される。
【0006】
全血の採集後の処理において使用される装置とシステムの自動化が継続的に努力されており、最近、自動化された血液成分分離器をそのような採集後処理に使用することが提案されている。血液分離装置と手順の多くが遠心分離の原理を用いるが、相対的に回転する、少なくとも1つは多孔膜を担持する表面を用いる別の分類の装置もある。
【0007】
そのようなシステムは、静止したシェルまたはハウジングの内部に配置された内側採集システムを有する、膜によって被覆されたスピナを含む。または、静止したハウジングの内表面が膜によって被覆され得、または、スピナとハウジングの両方が関連付けられた膜を含み得る。この記載の目的のために、これらは膜分離器と呼ばれる。そのような膜分離器においては、血液は、スピナとシェルの間の環状の空間または隙間に供給され、シェルの縦軸に沿って出口領域へ移動する。血漿は膜を通過して出口ポートを通って出る一方、残った血液細胞成分(赤血球、血小板、白血球)は隙間に残り、排出ポートを通ってスピナとシェルの間の領域を出る。膜分離器は、まず第一に、回転膜とシェルとの間の隙間内に誘起される独自の流れパターン(「テイラー渦」)によって優れた血漿濾過速度を提供することが見出されている。テイラー渦は、血液細胞を膜への堆積と汚染または詰まりから離すことに役立つ。膜分離器の詳細な記載は、全て参照としてここに組み込まれる米国特許第5,194,145号、第4,776,964号、第4,753,729号、第5,135,667号に見出される。
【0008】
膜分離器は血漿の採集のために広く使用されているが、典型的には、他の血液成分、特に赤血球の採集には用いられていなかった。分離された赤血球の採集において使用された膜分離器の1つの例は、ここに全体が参照として組み込まれるPCT特許出願の国際公開WO2014/039086A1に記載されている。さらに、そのような膜分離器を全血の採集後の処理に用いるシステムが、ここに全体が参照として組み込まれる2015年4月2日出願の米国特許出願第14/677,319に記載されている。
【0009】
ここに開示される主題は、全血の採集と採集後の処理システムにおいて使用され得る装置、システムおよび方法の様々な面においてさらなる進歩を提供するが、それらは必ずしもそのようなシステムに限定されない。先行技術の装置または方法の例は米国特許第9,038,823号および米国公開出願第US2012/0269679において見出され得る。
【発明の概要】
【0010】
以下に記載され、および/または、主張される装置、システムおよび方法において別個にまたは一緒に具体化され得る本主題のいくつかの局面がある。これらの局面は、単独で、または、ここに説明される主題の他の局面と組み合わせて用いられ得、これらの局面の結合された記載は、これらの局面の別個の使用、または、ここに添付され、または、後に補正される特許請求の範囲において述べられるようにそのような局面を別個にまたは異なる組み合わせにおいて主張すること排除することを意図しない。この記載と特許請求の範囲の目的のために、明示的に示されない限り、「血液」とは、抗凝固剤または添加剤の有無に関わらず、全血と、濃縮された赤血球、血漿、血小板と白血球のような血液成分を含むことが意図される。また、用語「撮像部」「走査部」「撮像」「走査」「撮像部/走査部」「走査部/撮像部」とこれらの変形は、排他的ではなく情報を検索または取得する目的のために、そのような情報がバーコードにコード化されたデータの形式であるか、実際の画像そのものであるか、情報またはデータがそのような画像に反映されているかどうか、または、そのような画像から引き出され得るかどうか、または、これらのいかなる組み合わせであるかどうかに関わらず、血液容器のバーコード、ロゴ、ラベル、または、ラベルの部分のような画像を光学的に見、または、読む装置および/または装置によって使用される方法に言及するために、この記載において、明示されない限り、違いを意図するものではないものとして選択的に、または取り換えられて、使用される。
【0011】
以下の概要は、一般的に、読者に本主題の様々な潜在的な局面を知らせるためのものであり、それぞれの様々な潜在的な局面または局面の組み合わせに関して非限定的で、非排他的である。さらなる局面と特徴はここに、および/または、添付の図面における詳細な説明において見出され得る。
【0012】
認証/撮像
1つの局面において、方法は血液成分容器の自動認証のために提供される。この方法は、容器の壁上に担持される商業ロゴを走査すること;走査されたロゴの特定の特性を検知してそのような特性を真正な血液成分容器の商業ロゴの確立された参照特性と比較すること;そして、判定される特性と確立された参照特性との比較に基づいて、走査された容器が真正であるかどうかを判定することを備える。本方法は、好ましくは、血液処理装置に関連付けられるプログラム可能な制御部によって自動的に実行される。非真正な容器の使用の判定の場合には、警報が生じ得、および/または、処理装置の操作が無効になり得る。
【0013】
関連する局面においては、使い捨ての血液または血液成分処理回路と、処理回路を通る流れを制御するために処理回路に協働的に関連付けられた耐久性の血液処理装置とを含むシステムが提供され得る。処理回路は、容器の外表面に担持された商業ロゴを有する血液または血液成分容器を含む。処理装置は、容器が、装置と、走査部から信号を受信するように構成されたプログラム可能な制御部に協働的に関連付けられたときに、光学的にロゴを走査するように構成された走査部を含む。制御部は、光学的に走査されるロゴの特定の特性を検知し、そのような特性を真正な血液成分容器の商業ロゴの確立された参照特性と比較し、判定される特性と確立された参照特性との比較に基づいて、走査される容器が真正であるかどうか判定するようにプログラムされる。走査部はまた、ロゴの画像を取得し、将来の参照および/または記録の処理のために、それを保存、または、データ保存装置に送る。
【0014】
さらに別の独立した局面においては、血液または血液成分のような医療用流体の処理のための処理装置が提供され、処理装置は、ハウジングと、容器を処理装置上に吊るための容器吊持装置と、吊持装置の上に吊られた時に吊持装置に面する容器の表面の少なくとも一部を走査するための走査システムとを含む。走査システムは、ハウジング内において吊持装置から吊られた容器の位置に隣接する窓と、ハウジング内において窓を通して、吊られた容器の表面を走査または撮像するために位置する走査部とを備える。走査部は容器の選択された表面領域を撮像するように位置する。選択された表面領域は、容器に担持されたラベルであり得、ラベルは、限定ではなく、上に要約されたようなバーコード、商業ロゴ、および/または、他の情報または画像を含み得る。
【0015】
バーコード/ラベル化
1つの局面においては、2次元バーコードを容器の外表面に持つ血液容器が提供される。バーコードは少なくとも特定の血液容器のための製造者の部品番号またはカタログ番号をコード化し得る。また、血液容器の有効期限のような他の情報を含み得る。血液容器は好ましくは、血液処理装置上に吊られて、吊られた時に、バーコードが容器の血液処理装置側に位置するように構成される。このことは、コード化された情報を得るために、装置上で、バーコードが走査部によって走査されることを可能にする。コード化された情報は、容器に含まれるべき血液または血液成分について、血液と血液成分の単一ラベル化のための米国工業共通標準(United States Industry Consensus Standard for the Uniform Labeling of Blood and Blood Components)によって要求される製造関連情報の全てを含み得る。
【0016】
またさらなる局面においては、提供者からの全血を採集するための全血採集容器が提供される。容器は外表面を有する壁と、容器の壁の外表面に実質的に恒久的に接着された第1のパネルと、取り外し可能に第1のパネルに接着された第2のパネルとを備え、第2のパネルは、別の血液成分容器の表面への移送と接着のために第1のパネルから取り外し可能である。第2のパネルは、複数の取り外し可能な識別パネルを担持する外表面を有し、それぞれは第3の容器への移送と接着のために取り外し可能であり、第3のパネルのそれぞれは独自の追跡識別子を担持する。
【0017】
別の局面においては、向かい合って対向する第1と第2の表面を含む第1のパネルを備え、第1の表面は血液容器に取り付けるための接着剤を備える、血液容器ラベルが提供される。ラベルはまた、第1のパネルの第2の表面上に取り外し可能に担持される第2のパネルを含む。第2のパネルは、複数の取り外し可能な識別パネルを担持し、それぞれは、血液容器への取り付けのための第1の表面と、独自の提供識別番号を担持する対向する表面を含む。
【0018】
関連する局面において、血液または血液成分を追跡する方法が提供される。本方法は、提供者から全血を採集するための全血容器の外表面に実質的に恒久的に接着される第1のパネルと、第1のパネルよりも小さく、第1のパネルの外表面に取り外し可能に接着される第2のパネルとを含む。第2のパネルは、複数の取り外し可能な識別パネルを担持し、それぞれは、別の容器への移送と接着のために取り外し可能であり、それぞれの識別パネルは独自の追跡識別子を担持する。
【0019】
血液容器/処理装置およびシステム
1つの局面においては、血液を受容するための内部空間を規定する封止ラインに沿って共に封止される1組の対向する可撓性のプラスチックシートを備え、空間は第1の端部と第2の端部と、第1の側部と第2の側部とを有する、単一の血液採集容器が提供される。血液を容器内へ、また容器から流すために、入口ポートと出口ポートが第1の端部において封止ラインを通って延びており、封止ラインは入口ポートと出口ポート以外では途切れていない。入口管は入口ポートに接続され、脈管アクセス部材に接続するための遠端部または第2の端部に向かって延びている。出口管は出口ポートに接続される第1の端部と、血液処理装置上の血液処理セットへの無菌接続装置による無菌接続のために、無菌状態を保つために封止される第2の端部を有する。この単一の血液採集容器は、以下に要約するいかなる局面とも、独立に、または組み合わせて使用され得、以下の局面は独立に他の容器、システム、または方法と共に用いられ得る。
【0020】
本主題の別の局面に従えば、血液を受容するための内部空間を規定する封止ラインに沿って共に封止される1組の対向する可撓性のプラスチックシートを備え、空間は第1の端部と第2の端部と、第1の側部と第2の側部とを有する血液採集容器が提供される。入口ポートと出口ポートは、血液を容器の中に、または容器から流すために第1の側部または第2の側部において封止ラインを通って延び、第1の側部と第2の側部の少なくとも1つに孔が位置する。
【0021】
別の局面においては、1つは血液を受容するためであり、もう1つは予め選択された量の赤血球添加剤流体が充填された、少なくとも2つの別個の内部空間を規定するために共に封止される1組の対向する可撓性のプラスチックシートを備える、一体化された容器システムが提供され得る。それぞれの空間は、それぞれの空間の周りに延びる別個の封止ラインによって規定され、それぞれの空間は第1の端部と第2の端部と、第1の側部と第2の側部を含む。容器は空間の側部の間で延びるプラスチックのウェブによって一体的に接続される。血液空間入口ポートと血液空間出口ポートは、血液を容器内に、および容器から流すために、血液空間の第1の端部において、対応する血液空間封止ラインを通って延び、封止ラインは入口ポートと出口ポート以外では途切れていない。添加剤流体空間アクセスポートと添加剤流体空間出口ポートは、添加剤流体空間の第1の端部において、添加剤流体空間封止ラインを通って延び、封止ラインはアクセスポートと出口ポート以外では途切れていない。
【0022】
別の局面に従えば、処理装置上に協働的に搭載するための複数の別個の処理回路モジュールを含む使い捨ての血液または血液成分処理回路に協働するように関連付けられる耐久性の血液処理装置が提供され、それらのモジュールの1つは、回転可能な血液分離器を含み、処理装置は回転可能な血液分離器の受容ステーションと、ステーションにおいて分離器を回転させるための駆動システムとを含む。少なくとも2つの処理回路モジュールのそれぞれは、熱可塑性の流体流管要素を含み、処理装置は管要素を受容して、使用者が装置を作動させた時に中を流れる流体流のために、管要素を互いに無菌状態で自動的に接続するために無菌接続装置を含む。
【0023】
本主題のこれらと他の局面は以下の詳細な記載と添付の図面において延べられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】再使用可能な耐久性の部分と、複数の流体流サブシステムまたはモジュールから形成された使い捨て流体流回路とを備える血液処理システムの斜視図である。
【0025】
図1B図1に示す血液処理システムの別の角度から見た斜視図である。
【0026】
図2】単一の全血採集容器の正面図である。
【0027】
図3】一体化された全血採集容器と添加剤溶液容器の正面図である。
【0028】
図4】血液または血液成分容器ラベルシステムとその使用方法の模式図である。
【0029】
図5】別の血液または血液成分容器ラベルシステムとその使用方法を図示する流れ模式図である。
【0030】
図6】さらなる血液または血液成分容器ラベルシステムとその使用方法を図示する流れ模式図である。
【0031】
図7】2次元バーコードを有する血液または血液成分容器と、バーコードを走査するための走査部の模式的な斜視図である。
【0032】
図8】商業ロゴを有する血液または血液成分容器と、商業ロゴを走査するための走査部の模式的な斜視図である。
【0033】
図9】処理装置の走査部の位置を示す、図1A,1Bに示す血液処理装置のような医療用流体処理装置の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
血液処理システム
図1は血液処理システムを図示し、特に、採集された全血を処理するための耐久性の再使用可能な処理装置12と使い捨て流体流回路14とを含む採集後の血液処理システムを全体的に符号10によって図示する。図示された血液処理装置12は、関連付けられたポンプ、弁、センサ、ディスプレイと、使い捨て回路を通る血液と添加剤溶液の流れを構成し制御するための他の器具を含む。装置と処理は、ポンプ、弁、センサ等の動作を自動的に制御する、プログラム可能なマイクロプロセッサを含む内部制御部によって指示され得る。
【0035】
より具体的には、図示された処理装置は、使用者インプット・アウトプット・タッチ・スクリーン16、全血ポンプ18、RBCポンプ20、添加剤溶液ポンプ22を含むポンプステーション、血液分離器の搭載ステーションおよび駆動ユニット24、白血球フィルタハウジング26、管クランプ/RFシーラー/センサ28a~d、無菌接続またはドッキング装置30a~b、管クランプ32a~b、ヘマトクリットセンサ34、容器走査部36を含む。処理装置はまた、吊具38a~dを含み、使い捨て流体回路の様々な容器を吊るために、それぞれは重量計に関連付けられている。
【0036】
図示されるように、流体流回路は、3つの別個のモジュールを備え、それぞれは独立に予め組み立てられ、処理装置上において結合される。これらのモジュールは、(i)予め充填された添加剤溶液容器40と、添加剤溶液を引き出すための関連付けられた流体流管42とを含む添加剤溶液モジュール、(ii)少なくとも全血容器44と、採集された全血を容器から引き出すための関連付けられた流体流管46を含む全血モジュールと、(iii)ポンプカセット48、膜分離器50、赤血球(RBC)容器52、血漿容器54、白血球低減フィルタ56(図示されるように、ハウジング26内に位置する)、そして、関連付けられた管を含む処理モジュールである。ポンプカセット48は、流体流を、カセットから延びる3つの管ループを通して送り、それぞれのループは、ポンプ18~22の特定の1つと係合するために、独自の位置にある。管はカセットを通って延び得、または、カセットは流体流を方向づける流体流路を予め形成し得る。膜分離器は、上述のように、血漿を全血の細胞成分から分離するために、静止したハウジング内で膜によって被覆されたロータを備え、搭載ステーション24に関連付けられる磁石駆動ユニットによって回転される。
【0037】
モジュールは独立して処理装置12上に配置される。全血モジュールに関しては、全血容器44が処理装置の前面の重量計吊具38aに吊られ、関連付けられた流体流管46が全血容器の下端から、ヘマトクリットセンサ34、管クランプ32aを通って、最終的にそれが処理モジュールからの管と結合される無菌接続装置30aに延びる。
【0038】
添加剤溶液モジュールに関しては、添加剤溶液容器40は処理装置の側面において重量計吊具38bに吊られ、関連付けられる流体流管42が添加剤溶液容器の下端から、添加剤流体管クランプ32bを通って、最終的にそれが処理モジュールからの管と結合される無菌接続装置30bに延びる。
【0039】
処理モジュールに向かうと、膜分離器50は、分離器搭載/駆動ステーション24に関連付けられて配置されている。ポンプカセット48は、ポンプ制御のためにそこを通って流体流が送られるが、ポンプ18~22に隣接してポンプステーションPSに搭載されており、そのためカセットから延びる管ループが、登録の位置にあり、好ましくはポンプ18~22の特定の1つに自動的に供給する位置にある。全血管要素58は、カセットから無菌接続装置30bに、全血容器44に関連付けられた管46への自動接続のために延びる。全血管要素またはその流路はカセットを通って続き、ロータリー蠕動ポンプとして図示されている全血ポンプ18との協働のための外部管ループを形成し、その後、カセットから膜分離器50の全血入口60に続く。
【0040】
膜分離装置は、全血を血漿と赤血球濃縮物(血小板と白血球のような他の細胞成分を含み得る。)とに分離する。血漿は、分離器から、処理装置12の前面において重量計吊具38cに吊られた予め取り付けられた血漿容器54内の方向に向けられる。血漿を膜分離器50から血漿容器に流すために、管要素62は、血漿容器と、膜分離器の血漿出口64を接続し、クランプ/シーラー/センサ28aを通って延びる。
【0041】
濃縮された赤血球(RBC)は、膜分離器50から、膜分離器の赤血球排出ポート66を通り、赤血球流体流管要素68を通り、ポンプカセット48に流れる。赤血球管要素68は、カセットに続き、赤血球ポンプ20との協働のための外部管ループを形成する。カセットからは、赤血球管要素が上向きに、白血球を赤血球濃縮物から除去する白血球低減フィルタ56を超えて続く。白血球低減フィルタから、RBC管要素がクランプ/シーラー/センサ28bを通って、処理装置の側面の重量計吊具38dから吊られる赤血球貯蔵容器52内に延びる。
【0042】
赤血球の生存力の保存に役立てるため、添加剤溶液容器40からの添加剤溶液が赤血球容器に添加される。具体的には、無菌接続装置30bによって、添加剤溶液流管42が、処理モジュールの一部である添加剤流管要素70に接続される。管要素70はカセット48に延び、添加剤溶液は、添加剤溶液ポンプ22と協働する外部ループを通って流れる。ポンプ22の下流では、添加剤溶液はカセット内のRBC流路(管要素68または予め形成された流路)内に流れ、そこでRBCと混合する。その後、組み合わせられた添加剤溶液とRBCはRBC管要素68からフィルタ56と容器52内に流れる。
【0043】
管要素72は、全体的にRBC管要素68と平行に、カセット48(ここでRBC流路と連通する)とRBC貯蔵容器52との間に延びる。この要素は、容器からの血液で満たされ、後にサンプリング、試験、クロスマッチングのために切断され得る一連の血液充填された「要素」を提供するために、血液処理者によって、離間した位置で封止される。
【0044】
この管要素72はまた、処理が完了した後にRBC容器からの空気の残りの除去を許容する経路を提供する。空気をRBC容器から管要素72を通って空の全血容器に送出し、最終的に全血容器44に送り戻すために、ポンプが使用され得る。
【0045】
管要素72は、1つの追加の利益である。それは、RBCを直接、RBC容器52に流し、フィルタ56をバイパスするために使用され得る。これは特に、例えば、鎌状赤血球貧血症を患っている提供者におけるような公知の生理学的な理由によってRBCが濾過できない場合に有用である。これらのために、フィルタはバイパスされ得、血漿は処理され採集され得る。
【0046】
上述のように、使い捨て流体回路14は、図示された実施形態において別個のモジュールから組み立てられ、無菌接続(無菌ドッキングと呼ばれることもある)装置30a~bが異なるモジュールの流体流管の接続のために提供される。無菌接続装置は、いくつかの異なる動作原理を用い得る。例えば、公知の無菌接続装置とシステムは、米国特許第4,157,723号に示されるように、流体流管の対向する膜を融解する放射エネルギーシステム、米国特許第4,753,697号、第 5,158,630号、第5,156,701号に示されるように、端部を溶融または半溶融させている間に管要素を一緒に切断して加熱結合または結束するためにウエハを用いる加熱ウエハシステム、そして、米国特許出願公開2014/0077488に記載されているように管要素の端部に封止された除去可能な封止フィルムまたはウェブを用いるシステムを含む。上述の全ては参照のため全体が組み込まれる。
【0047】
より最近、封止された管要素が圧縮または穿孔され、加熱され、封止端が切断される、異なる技術を用いて無菌接続を形成するためのシステムが開示されている。管はその後、同様に処置された管要素と結合される。このタイプの装置の詳細な説明は、いずれもここに参照として全体が組み込まれる、米国特許出願公開2013/0153048と、2014年6月19日出願の米国特許出願第14/309,305号において見出され得る。他の動作原理に基づく無菌接続装置もまた用いられ得るが、これは、上述のように、血液処理装置12の無菌接続装置30a~bとしての使用のために特によく考えられたタイプの無菌接続装置である。
【0048】
さらに、図1A図1Bに示すように、図示された処理装置12は、それぞれの容器に関連付けられ、対向する走査部36を含む。それぞれの走査部は、特定の容器の対向する側(ラベル上のような)のバーコードおよび/または他の情報を見る、または、読み、処理記録の一部として記録し、追跡および/または品質管理の目的のために、バーコード、ラベルの全体または部分の画像、および/または、他の情報に含まれる、または、コード化されている情報を処理装置および/または現地または遠隔のデータ管理システムと送受信するために構成される。情報はいかなる適切な方法によってもやり取りされ得、装置は、情報を直接ワイヤ接続、インタネット、LAN、WIFI、ブルートゥース、または他の適切な送受信方法によって送受信するように構成され得る。以下に記載するように、撮像部もまた、容器上または容器ラベル上の他の情報を読んだり、撮像する。
【0049】
血液容器
ここで、本主題の異なる、独立した局面に向かえば、図2は単一の全血採集容器と管セットまたはモジュールを図示する。容器80は、1組の対向する可撓性のプラスチックフィルムまたはシート82から形成され、それは限定ではないがポリ塩化ビニルのような、いかなる適切な熱封止可能な材料によっても形成され得る。容器は第1の端部84、反対側の第2の端部86、第1の側部88と反対側の第2の側部90とを有する内部空間を有する。シートは、ラジオ周波数(RF)または熱封止によって、容器の全周に延びて、容器空間の第1の端部に位置する入口ポート94と出口ポート96以外においては途切れない、封止ライン92に沿って共に封止される。ポートの位置は変化し得るが、図示された実施形態においては、入口ポート94は出口ポートと容器の第2の側部90との間にあり、好ましくは実質的に第1の端部と第2の側部との間の角または接合部に隣接している。出口ポート96は、第1と第2の側部の全体的に中間にあるものとして図示されている。あるいは、ポート94,96は、使用の意図に応じて、入口または出口ポートであることに留意されるべきである。
【0050】
入口ポート94は、予め取り付けられた、針のような、脈管アクセス装置100、または、標準的なルアー鍵のような、針への接続のための接続部に延びる入口流管98に接続される。入口流管98は、提供前のサンプリングのためのような、所望のさらなるポートまたは接続サイトを有し得る。それはまた、通常は管を通る流れを遮蔽し、手動操作によって、または、管の曲げによって開放され得る、例えば、すべて参照として組み込まれる米国特許第4,386,622号、第4,181,140号、第4,270,534号に開示されているような内部フランジブル弁102を含み得る。
【0051】
出口流体流管104は、出口ポート96から封止された遠端106まで延びる。無菌接続装置30bは処理装置12上に位置するので、管104は、容器80から無菌接続装置まで延びるために十分な長さを有する。長さは装置12の構成に応じて変わり得るが、図示されたヘマトクリットセンサ34とクランプ32aを通って無菌接続装置30aまで延びるために、約10~20インチ(25.4~50.8cm)の長さ、例えば13~14(13.5など)または17インチ(33.0~35.6(34.3など)または43.18cm)のような長さが図面に図示された配置に使用され得る。入口管とは別の出口管の使用は、採集時に使用者が入口管に残っているいかなる血液も容器内に移す(血液のストリッピングとも呼ばれる)ことに失敗した場合に、血液の塊の下流の処理モジュールまたはシステムへの導入を防ぐために役立つ。
【0052】
吊孔は、図示の目的のために示され、スリット108に限定されないが、処理装置12に用いられているような重量計フックなどから容器を吊るために、封止ライン92内に備えられる。容器80の第2の端部86に位置するスリット108は、容器が鉛直に吊られることを許容し、容器の側面に沿ったスリットは、鉛直以外の方向、例えば水平、または、図2に示すように下向きの角度に吊り下がるように吊られることを許容し、このとき入口ポート94は距離Dだけわずかに出口ポート96よりも低い。この位置に吊り下がることで、採集された血液中の塊のようないかなる固体も出口ポートから離され、出口流管104がそのような固体によって閉塞されることや、そのような固体が下流の処理システム要素に導入されることを避けるために役立つ。
【0053】
スリット108の数と位置は変更され得る。図2では、単一の端部スリットとともに2つのスリットが容器のそれぞれの側部に示されているが、単一のスリットも1または両方の側部に使用され得、そのようなスリットは、中心に配置され得、また、中心からずらして配置され得る。端部スリットは、非鉛直の吊り下げのみを許容するために取り除かれ得る。または、側部スリットは、省略され得、単一の端部スリットのみが鉛直の吊り下げに限定された容器のために使用され得る。図2に示すように複数のスリットを提供することで、使用者が所望の吊り下げ位置を選択することを許容する。
【0054】
図3は、容器112内の添加剤溶液空間と容器114内の全血採集空間の2つの分離された容器空間を有する一体化された容器システム110を示す。空間または容器は中間ウェブ116によって一体的に結合されている。
【0055】
一体的な容器は、RFまたは熱封止によって一緒に封止される2つの対向する可撓性のプラスチックシートまたはフィルムによって形成される。それぞれの容器は、別個の封止ラインによって規定され、対向する端部と側部とを有する、全体的に長方形の形状である。添加剤溶液容器または空間112は、第1の端部120と第1の側部122と第2の端部126と第2の側部128に沿って延びる封止ライン118によって形成される。封止ラインは、容器の第1の端部の出口ポート130とアクセスポート132以外では途切れない。アクセスポートは、製造中、添加剤流体を容器112に添加することを許容し、出口ポート130は、処理セットまたはモジュールへの接続、好ましくは無菌接続のために遠端部において封止される流体流管134の長さに取り付けられる。
【0056】
全血容器または空間114は、第1の端部138、第1の側部140、第2の端部142、第2の側部144に沿って延びる封止ライン136によって形成される。封止ラインは、容器の第1の端部の出口ポート146と入口ポート148とを除いて途切れない。入口ポートは、採集中の全血の流入を許容し、出口ポートは、流体流を下流の処理セットまたはモジュールの方向に向ける。入口ポートはまた、製造中に、容器内への抗凝固剤溶液の添加を許容する。入口流管150は、入口ポートから延び、出口管152は出口ポートから延びる。入口と出口管150,152は、図2の容器に関連して上述した入口流管98と出口流管104と同様に構成され得る。
【0057】
添加剤溶液容器112の第1の側部122は、容器の形成において使用されて容器間に延びる本来のプラスチックシートの部分である一体化された中間ウェブ116によって血液容器114の第2の側部144に取り付けられる。このウェブは所望の広さであり得、輸送や取扱のために所望される場合は、容器がよりコンパクトな配列に折り曲げられることを許容する。
【0058】
ラベル化/追跡
図4~6は、本主題の別の独立した局面、血液と血液成分を識別し追跡するシステムと方法に向けられる。図4は、1つの実施形態において使用される装置と工程を図示するフローチャートである。図4の最も上には、袋またはポーチの形態の、例えば図2の単一容器であり得る例示的な血液容器160が示されている。第1のパネルまたはステッカー162は実質的に恒久的に予め容器の外表面上に取り付けられている。第2のパネルまたはステッカー164は、第1のパネルより小さいものであり得、取り外し可能に第1のパネルの外表面上に予め取り付けられている。第1のパネルは外縁または第1のパネル周縁部(側縁1Sと端縁1Eによって規定される)を有し、第2のパネルはより小さいので、全体が第1のパネル周縁部の内側に収まる。第2のパネルの下にある第1のパネルの表面は、裏面で接着された第2のパネルの取り外しを許容する剥離表面を構成し得、または、第2のパネルは第1のパネルに剥離可能な取付のために剥離可能な接着剤を備え得る。
【0059】
図4の第2の工程に示されるように、容器160に血液を実際に採集する時以前に、第3のパネルまたはステッカー166が技術者または採血者等によって第2のパネル上に恒久的に取り付けられる。第3のパネルは複数の取り外し可能な独自にコードされた提供識別番号(DIN)識別パネルやステッカー168を含む。これは特定の提供を識別し、その提供からの血液成分の源を追跡するために使用され得る。第2のパネルは、側縁2Sおよび端縁2Eによって規定される外縁または周縁部を有し、第3のパネルは第2のパネルより小さいものであり得、全体が第2のパネルの周縁部の内側に収まる大きさにされ得る。同様に、識別パネルは第3のパネルの周縁部(側縁3Sと端縁3Eによって規定される)の内側に収まる大きさにされ得る。次に図示された工程では、採血後の工程において、赤血球が濃縮されて別の容器170に移送された時、第2のパネル164(第3のパネルとステッカーのようなDINパネルが取り付けられている)が全血容器から取り外され、濃縮赤血球容器170上に配置され接着される。後の血液型の確認や他の試験のために、赤血球の試料は赤血球容器から取り除かれ得、図4の最後の工程として図示されているように、試験管やバイアル172のような試料容器内に移され得る。この時、DIN識別パネル、例えばステッカーの1つは、赤血球容器上のパネルから取り外され得、恒久的に試料容器に接着され得、こうして血液試料の追跡可能性が維持される。第2のパネルは、接着剤付きのDIN識別パネルの取り外しを許容する剥離表面を備え得、または、DINパネルは第3のパネルから剥離可能な接着剤を備え得る。
【0060】
別の構成と流れが図5に図示されている。この代案では、全血容器160は容器に予め取り付けられた第1と第2のパネル162,164を有しない。その代わりに、第1と第2のパネルは便宜上、別個に予め取り付けられており、第1のパネルは血液採集の時以前に恒久的に血液容器の表面に接着されている。この時、例えばステッカーのDIN識別パネル168をその上に有する第3のパネル166は、上述のように第2のパネルに恒久的に取り付けられており、残りの工程は上述のように実行され、追跡可能性が維持されることを許容する。
【0061】
さらなる代案が図6に示されている。第2のパネル自体が、試料試験管またはバイアルへの取付のために、予め印刷されて取り外しまたは剥離(例えば剥離層から、または、剥離可能な接着剤を用いることによって)可能な複数のDIN識別パネルまたはステッカーに細分化されていること以外は、図5と同様である。これは、第2のパネルに恒久的に取り付けられる別個のDINステッカーの第3のパネルの必要性を取り除く。
【0062】
2次元バーコードを有する血液容器/認証
ここで本主題の別の独立した局面に向かうと、図7は、情報の移動と記録のための特に効率的な構成を図示する。ここに示されるのは、上述の図2に示される単一容器のような一般的な型の血液または血液成分容器180の例である。2次元バーコード182は容器上に配置され、追跡と品質管理において有用で重要な、走査部184によって走査され得る情報を含み得る。現在、関係する規制当局は、容器上の特定の位置に情報を配置させる。いくつかの情報の型については、情報は、容器の異なる側に、または、十分に離されることが要求されており、処理器具上の固定の位置にある単一の撮像部または走査部によっては読み取りまたは走査されることができない。この一例は、容器の裏面にあり得る製造者の部品番号またはカタログ番号と、容器の前面の底部の右の角にあり得る製品の有効期限である。
【0063】
2次元バーコードは、1次元または線形のバーコードよりもずっと多く、大量の情報を貯蔵することが可能である。本局面に従えば、好ましくは、図1A,1Bに示す走査部36と同様の、処理装置上に固定された走査部184に対向するか、そうでなければ走査部184から視認できる、容器上、または、容器ラベル上に位置する、関連する製造者のデータを含む2次元バーコードが使用される。「2次元バーコード」は特定のコードフォーマット、仕様または標準に限定されないが、一般的な用語であることが意図され、通常の意味に従って使用され、2次元の画像またはマトリックスを指し、マトリックス内の明暗の点または領域に基づいて情報を含むかコード化し、マトリックスは排他的ではなく典型的には正方形または長方形であり、一連の線と空白に基づく1次元バーコードと対照的である。貯蔵されている、または、コード化されている情報は、限定ではなく、容器またはモジュールのいかなる製造者部品番号またはカタログ番号、その製品に含まれるべき血液製品のロット番号、有効期限、製品コード、そのような他の情報も、単独で、または、所望の組み合わせで、含み得る。部品番号またはカタログ番号は、単独で、または、製品の有効期限と組み合わせて、特にコード化する利益がある。任意で、バーコードは、血液と血液成分の単一のラベル化のための米国共通標準(United States Industry Consensus Standard for the Uniform Labeling of Blood and Blood Components)によって要求されるいかなる追加の製造者情報も含み得る。これは、要求された情報が規制に適合するために他の場所に現れることを除外しないが、単一の2次元バーコード内にコード化されたこの情報を有することは、使用者の作業なしに、単一の走査装置が全ての情報を自動的に読み取り/撮像することを可能にするので、情報が貯蔵された処理記録の一部として保持され得る。
【0064】
本願の別の独立の局面においては、図8が、使い捨て製品が真正なものであり、そうであると称しているかどうか、この場合は特定の源(この場合はフェンウォール、インコーポレイテッド)からの製品であるかどうかを判定して認証するために走査部194によって走査され得る、特定の源に関連付けられた独自のデザインまたは構成の商業ロゴまたは標識192を有する血液容器190を模式的に図示する。ここで使用される「商業ロゴ」は、一般的なものであることを意図され、いかなるデザインおよび/または数字または文字の組み合わせ、または、製品の特定の源を識別するデザインも含み得る。商業ロゴは登録商標を含み得るがそれに限定されない。
【0065】
より具体的には、そのようなシステムを備える処理装置は、プログラム可能な制御プロセッサと、機上データ記憶装置と、真正な容器、例えば、真正なフェンウォールの血液成分容器上の商業ロゴのような選択された特性の探索表等(または遠隔のデータ保存部へのアクセス)を含み得る。そのような特性は、多数の局面の1以上であり得、容器上のロゴの位置座標、ロゴに含まれる特定の数字と文字の間の間隔、フォントまたは画像の大きさ、異なるフォントサイズの比率のような特定のアスペクトのサイズの比率、ロゴの特定の部分の画像の密度またはインクの密度、ロゴの画像解像度、および、ロゴのインク材料のような1以上の特性を限定なしに含む。問題となる容器の検知された特性は、貯蔵された真正な製品のロゴの参照特定と比較され、比較に基づいて、制御部は、検知され保存された特性が、問題となる製品が真正であると判断するために同一または十分に同一であるかどうかを判定するであろう。もし違えば、制御部は、音声、視覚または他の信号等の警報または警告状態を発生させ、操作者が介入するまで処理装置の操作を無効にさえし得る。
【0066】
本願の走査部194は、上述のバーコード走査部から分離され得、または、実用的であるならば、図1A,Bに示す処理装置上の走査部36のように単一の走査部または走査ユニットに組み合わされ得る。上述の2次元バーコードについては、商業ロゴ192は、好ましくは、容器が吊られる時に処理装置に対向する容器の表面、または、処理装置に対向する容器ラベル上にあり、そのため、使用者の作業なしに、ロゴが自動的に走査され得る。
【0067】
図9は、図1A~Bの血液処理装置12のような医療用流体処理装置内の走査部/撮像部の位置を模式的に示す。ここに部分的に示されているように、処理装置は壁202を有するハウジング200と、壁内に窓204を形成する孔とを有する。窓は、血液または血液成分容器、添加剤溶液容器、または他の容器のような容器206が処理装置において吊具208または他の吊り下げ部材(例えばクランプ)から吊られた時に吊り下げられる位置に隣接して位置する。窓204は、好ましくは、電磁干渉から遮蔽されるガラスを備える。走査部210は、ハウジング200内において窓204の後方に位置する。同様の構成が図1A~Bに見られ、そこでは走査部36は処理装置上でそれぞれの容器40,44,52,54の後方で容器に対向して位置している。
【0068】
走査部210は、いかなる適切なデザインであってもよく、いかなる適切な走査、撮像又は他のここに記載されたような2次元バーコード、ロゴおよび/または血液容器ラベルを取得する技術を使用してもよい。例えば、走査部210はレーザー、カメラ、CCD走査部、または他の適切な撮像または走査装置または技術を使用し得る。1つの非排他的な例では、ここで使用され得る撮像部/走査部は、ニューヨーク州ノース シラキュースのジャダック テクノロジーズ、インコーポレイテッドによるJE-227型の走査エンジンまたは同様の装置である。
【0069】
上記のように、走査部210は好ましくは、保護のためにハウジング200の内部に搭載され、窓204を通して容器206を光学的に視認または走査するように配置される。走査部は、容器の特定の表面領域を走査または撮像するように配置される。より具体的には、本主題に関連して、走査部は好ましくは、窓に対向する容器表面上のラベル212を撮像するように配置され、ラベルは処理記録の一部として記録されるべき情報を有する。情報はバーコード(例えば先に述べた2次元バーコード)の形式またはコードおよび/または商業ロゴであり得る。一般的に医療の分野で、また、血液採集と処理の分野では特に、容器のアスペクトと容器のラベルは特定の規制または標準設定機関の要求に曝される。典型的には、血液または血液成分のための容器上のラベルは、四角形で、幅約4インチ(102mm)、長さ約4インチ(102mm)の大きさを有する。ISO3826標準は、血液成分容器のラベルが105mm×105mm(4.1インチ×4.1インチ)の大きさを有することを示す。ラベルは、100±2mm×106±2mm(3.9インチ×4.2インチ)のベースラベルを担持することを容器に要求するISBT-128、ST-005のような他の標準にも適合する必要があり得る。よって、これらのラベルは一般的には4±0.25インチ×4±0.25インチの空間の範囲内である。この記載の目的のため、上記のラベルは、たとえわずかに大きい、または、小さい場合であっても、実質的に4インチ×4インチであると言える。
【0070】
図示された実施形態の走査部210は、有利には、ラベル上に存在する場合には、認証の目的のために、製品情報の記録と商業ロゴのために、2次元バーコードのようなバーコードを含むラベル212の全体、または、実質的に全体を撮像するように構成される。これを達成するために、走査部は特にハウジング内に配置される。図示された実施形態では、走査部210は視野214(鉛直と水平の大きさを有するが、鉛直方向のみ図9に示されている)を有し、焦点長さまたは焦点距離216を有する。約4インチ×4インチのラベル領域を有する血液または血液成分ラベルの所望の表面領域を撮像するために、走査部は約30~40度の鉛直方向の視野を有し、同じかより大きい水平方向の視野を有し、吊られた容器の表面から約6~8インチ(約15~20cm)に位置され得る。この構成は、本開示から逸脱することなく、撮像される特定の領域の大きさと使用される特定の走査部とに基づいて変更され得る。先に述べたように、本主題において使用され得る走査部の1つの非排他的な例は、ニューヨーク州ノース シラキュースのジャダック テクノロジーズ、インコーポレイテッドによるJE-227型の走査エンジンまたは同様の装置である。
【0071】
以上に開示された発明を要約すれば以下の通りである。
【0072】
(1)容器の壁上の商業ロゴを走査し、走査された商業ロゴの特定の特性を検知し、その特性を真正な血液成分容器の商業ロゴの確立された参照特性と比較し、そして、判定される特性と確立された参照特性との比較に基づいて、走査された容器が真正であるかどうかを判定することを含む、血液成分容器の自動認証のための方法。
【0073】
(2)特定の特性の検知は、容器上のロゴの位置座標、ロゴの文字の間の間隔、フォントサイズ、異なるフォントサイズの比率、ロゴインクの密度、ロゴインク材料、および、ロゴの解像度の少なくとも1つの検知を含む、上記(1)に記載の方法。
【0074】
(3)走査されたロゴからの情報を保存および/または送信することを含む、上記(1)または(2)に記載の方法。
【0075】
(4)走査された容器が認証されるべきものであると判定されない場合には警告を生成することを含む、上記(1)から(3)までのいずれか1つに記載の方法。
【0076】
(5)警告は音声または視認信号を含む、上記(4)に記載の方法。
【0077】
(6)使い捨ての血液または血液成分処理回路と、処理回路を通る流れを制御するために処理回路に協働的に関連付けられた耐久性の血液処理装置とを備え、処理回路は、容器の外表面に担持される商業ロゴを含む血液または血液成分容器を含み、処理装置は、容器が装置に協働的に関連付けられた時に商業ロゴを走査するように構成される走査部と、走査部からの信号を受信するように構成されたプログラム可能な制御部とを含み、そして、制御部は、走査されたロゴの特定の特性を検知し、その特性を、真正な血液成分容器の商業ロゴの確立された参照特性と比較し、判定される特性と確立された参照特性との比較に基づいて走査された容器が真正であるかどうか判定するように構成されている、システム。
【0078】
(7)制御部は、容器が真正なものでないと判定された場合に警報を生成、および/または、処理装置の操作を無効にする、上記(6)に記載のシステム。
【0079】
(8)警報は音声または視認信号を含む、上記(7)に記載のシステム。
【0080】
(9)制御部は、容器上のロゴの位置座標、ロゴの文字の間隔、フォントサイズ、異なるフォントサイズの比率、ロゴインクの密度、ロゴインクの材質およびロゴの解像度の少なくとも1つを検知し比較する、上記(6)または(8)に記載のシステム。
【0081】
(10)血液または血液成分のような医療用流体の処理のための処理装置であって、
処理装置は、ハウジングと、容器を処理装置上に吊るすための容器吊持装置と、そこに吊られた時に吊持装置に対向する容器の表面の少なくとも一部を走査するための走査システムとを含み、走査システムは、吊持装置から容器が吊られる時にハウジング内において容器に隣接する位置にある窓と、ハウジング内において、吊られた容器の選択された表面を窓を通して走査するように位置する走査部とを備える、処理装置。
【0082】
(11)走査部は、視野を有し、走査される吊られた容器の表面からの選択された焦点距離にあるようにハウジング内に位置し、視野は実質的に選択された表面領域の全体を含む、上記(10)に記載の処理装置。
【0083】
(12)選択された表面領域は実質的に容器上に配置されたラベルの大きさである、上記(10)または(11)に記載の処理装置。
【0084】
(13)窓は、電磁干渉を遮蔽するガラスを備える、上記(10)から(12)までのいずれか1つに記載の処理装置。
【0085】
(14)選択された領域は全体的に四角形であり、実質的に、吊られた容器に対して規制または標準設定機関によって要求または提案される容器ラベルに対応する長さと幅とを有する、上記(10)から(13)までのいずれか1つに記載の処理装置。
【0086】
(15)選択された領域は、実質的に4インチの長さと4インチの幅の全体的に四角形の領域を備える、上記(10)から(14)までのいずれか1つに記載の処理装置。
【0087】
(16)四角形の領域は、実質的に、血液または血液成分の容器に対してISO3825によって要求または提案されるラベルの大きさである、上記(14)に記載の処理装置。
【0088】
(17)走査部は、走査されるべき吊るされた容器の表面から約6~8インチの位置にあるように位置する、上記(10)から(16)までのいずれか1つに記載の処理装置。
【0089】
(18)選択された表面から走査された情報を保存または送受信するように構成されている、上記(10)に記載の処理装置。
【0090】
(19)情報は、2次元バーコードの画像および/または2次元バーコードにコード化された情報を含む、上記(18)に記載の処理装置。
【0091】
(20)情報は選択された表面の画像を含む、上記(18)に記載の処理装置。
【0092】
(21)2次元バーコードを容器の外表面上に担持し、バーコードは少なくとも血液容器の製造者の部品番号またはカタログ番号をコード化している、血液容器。
【0093】
(22)バーコードは血液容器の有効期限をコード化している、上記(21)に記載の血液容器。
【0094】
(23)血液処理装置上に吊るされるように構成され、血液処理装置上に吊るされたときにバーコードが容器において血液処理装置に対向する側に位置する、上記(21)または(22)に記載の血液容器。
【0095】
(24)バーコードは、容器に含まれるべき血液または血液成分について、血液および血液成分の単一のラベル化についての米国工業共通標準(United States Industry Consensus Standard for the Uniform Labeling of Blood and Blood Components)によって要求される全ての情報を含む、上記(21)から(23)までのいずれか1つに記載の血液容器。
【0096】
(25)提供者から全血を採集するための全血採集容器であって、
容器は、外表面を有する壁と、実質的に恒久的に容器の壁の外表面に接着された第1のパネルと、第1のパネルに取り外し可能に接着される第2のパネルとを備え、第2のパネルは別個の血液成分容器の表面に移送し接着するために第1のパネルから取り外し可能であり、第2のパネルは複数の取り外し可能な識別パネルを担持する外表面を有し、それぞれは別の容器への移送と接着のために取り外し可能であり、識別パネルのそれぞれは独自の追跡識別子を担持する、全血採集容器。
【0097】
(26)識別パネルは、第2のパネルに接着されている第3のパネル上に取り外し可能に担持されている、上記(25)に記載の全血採集容器。
【0098】
(27)第1のパネルは、第2のパネルが取り外し可能に接着される剥離表面を含む、上記(25)に記載の全血採集容器。
【0099】
(28)第1のパネルは、外周縁を有し、第2のパネルは、全体が第1のパネルの外周縁の内部に配置可能であるように、第1のパネルより小さい、上記(25)に記載の全血採集容器。
【0100】
(29)第2のパネルは外周縁を有し、第3のパネルは、全体が第2のパネルの外周縁の内部に配置可能であるように第2のパネルより小さい、上記(28)に記載の全血採集容器。
【0101】
(30)独自の追跡番号は提供識別番号である、上記(26)に記載の全血採集容器。
【0102】
(31)第1のパネルを備え、向き合って対向する第1と第2の表面を含み、第1の表面は血液容器への取付のための接着剤を含み、第1のパネルの第2の表面上に取り外し可能に担持される第2のパネルを備え、第2のパネルは複数の取り外し可能な識別パネルを担持し、それぞれは血液容器への取付のための第1の表面と、独自の提供識別番号を担持して向き合って対向する表面を含む、血液容器ラベル。
【0103】
(32)識別パネルは、第2のパネルに接着される第3のパネル上に取り外し可能に担持されている、上記(31)に記載の血液容器ラベル。
【0104】
(33)第1のパネルの第2の表面は、第2のパネルが剥離可能に接着される剥離層を備える、上記(31)または(32)に記載の血液容器。
【0105】
(34)第1のパネルは外周縁を有し、第2のパネルは、全体が第1のパネルの外周縁の内部に配置可能であるように第1のパネルより小さい、上記(31)から(33)までのいずれか1つに記載の血液容器ラベル。
【0106】
(35)第2のパネルは外周縁を有し、第3のパネルは、全体が第2のパネルの外周縁の内部に配置可能であるように第2のパネルより小さい、上記(32)に記載の血液容器ラベル。
【0107】
(36)提供者から全血を採集する全血容器の外表面に第1のパネルを実質的に恒久的に接着し、第1のパネルの外表面に第2のパネルを取り外し可能に接着し、第2のパネルは複数の取り外し可能な識別パネルを担持し、それぞれは別の容器への移送と接着のために取り外し可能であり、それぞれの識別パネルは独自の追跡識別子を担持する、血液または血液成分の追跡方法。
【0108】
(37)第1と第2のパネルは予め全血容器に取り付けられ、識別パネルは、全血容器への全血の採集の時に第2のパネルに取り付けられる、上記(36)に記載の方法。
【0109】
(38)第1と第2のパネルは、予め共に取り付けられ、およそ全血容器への全血の採集の時に全血容器に取り付けられる、上記(36)または(37)に記載の方法。
【0110】
(39)第2のパネルは、複数の取り外し可能な識別パネルを規定するように予め切断されている、上記(36)から(38)までのいずれか1つに記載の方法。
【0111】
(40)全血容器への全血の採集と、全血容器から第2の血液容器への血液成分の移送と、第1のパネルからの第2のパネルの取り外しと、第2の血液容器への第2のパネルの接着とを含む、上記(36)に記載の方法。
【0112】
(41)第2の容器から試料容器への血液成分の試料の移送と、識別パネルの第2のパネルからの取り外しと、識別パネルの試料容器への接着とを含む、上記(40)に記載の方法。
【0113】
(42)試料容器は試験管またはバイアルである、上記(41)に記載の方法。
【0114】
(43)血液を受容するための内部空間を規定するために封止ラインに沿って共に封止される1組の対向する可撓性のプラスチックシートを備え、空間は第1の端部と、第2の端部と、第1の側部と、第2の側部とを有し、容器内に、および、容器から血液を流すために第1の端部において封止ラインを通って延びる入口ポートと出口ポートとを備え、封止ラインは入口ポートと出口ポート以外では途切れておらず、入口ポートに接続される第1の端部と、脈管アクセス部材に接続される第2の端部とを有する入口管と、そして、出口ポートに接続される第1の端部と、無菌接続装置による血液処理セットへの現場での無菌接続のための第2の封止端部とを有する出口管とを備える、単一の血液採集容器。
【0115】
(44)出口ポートが、第1と第2の側部のおよそ中間において第1の端部に位置する、上記(43)に記載の単一の血液採集容器。
【0116】
(45)第1または第2の側部に沿って、少なくとも1つの吊孔を含む、上記(43)または(44)に記載の単一の血液採集容器。
【0117】
(46)第1と第2の側部の少なくとも1つに沿って、少なくとも2つの離間された吊孔を有する、上記(43)から(45)までのいずれか1つに記載の単一の血液採集容器。
【0118】
(47)第1の側部に沿って少なくとも1つの吊孔が位置し、入口ポートが出口管と第2の側部との間に位置する、上記(45)または(46)に記載の単一の血液採集容器。
【0119】
(48)血液を受容するための内部空間を規定するために封止ラインに沿って共に封止される1組の対向する可撓性のプラスチックシートを備え、空間は第1の端部と、第2の端部と、第1の側部と、第2の側部とを有し、容器内に、および、容器から血液を流すために、第1または第2の端部において封止ラインを通って延びる入口ポートと出口ポートとを備え、そして、第1と第2の側部の少なくとも1つに位置する吊孔を備える、血液採集容器。
【0120】
(49)吊孔は、第1の側部にあり、入口ポートは出口ポートよりも第2の側部に近く位置する、上記(48)に記載の血液採集容器。
【0121】
(50)第1と第2の側部の1つに位置する少なくとも2つの吊孔を含む、上記(48)または(49)に記載の血液採集容器。
【0122】
(51)1つは血液を受容し、別の1つは予め選択された量の赤血球添加剤流体が充填されている少なくとも2つの別個の内部空間を規定するために共に封止される1組の対向する可撓性のプラスチックシートを備え、それぞれの空間は、それぞれの空間の周囲に延びる別個の封止ラインによって規定され、それぞれの空間は第1の端部、第2の端部、第1の側部、第2の側部を含み、容器は空間の側部の間に延びるプラスチックウェブによって一体的に接続され、容器内に、および、容器から血液を流すために血液空間の第1の端部においてそれぞれの封止ラインを通って延びる血液空間入口ポートと血液空間出口ポートを備え、封止ラインは入口ポートと出口ポート以外では途切れておらず、そして、添加剤流体空間の第1の端部においてそれぞれの封止ラインを通って延びる添加剤溶液空間アクセスポートと添加剤溶液空間出口ポートとを備え、封止ラインはアクセスおよび出口ポート以外では途切れていない、一体化された容器システム。
【0123】
(52)血液入口管内にフランジブル閉鎖部を含み、血液入口管を封止し、フランジブル閉鎖部は外部の操作によって管の内部を周辺雰囲気に曝すことなく入口管を開放するように操作可能であり、血液空間出口管は血液空間出口ポートに接続される第1の端部と血液処理セットへの無菌接続装置による現場での無菌接続のための第2の封止端部とを有し、添加剤溶液出口管は添加剤流体出口ポートに接続される第1の端部と血液処理セットへの無菌接続装置による現場での無菌接続のための第2の封止端部とを有する、上記(51)に記載の一体化された容器システム。
【0124】
(53)使い捨ての血液または血液成分処理回路に協働的に関連付けられるための耐久性の血液処理装置であって、処理装置に協働的に搭載するための複数の別個の処理回路モジュールを含み、モジュールの1つは回転可能な血液分離器を含み、処理装置は回転可能な血液分離器のための受容ステーションと、ステーションにおいて血液分離器を回転させるための駆動システムを含み、処理回路モジュールの少なくとも2つはそれぞれ熱可塑性の流体流管要素を含み、処理装置は、使用者が装置を起動させた時に中を流れる流体のために管要素を受容し管要素を互いに無菌の方法で自動的に接続するための無菌接続装置を含む、耐久性の血液処理装置。
【0125】
(54)無菌接続装置はそれぞれの管要素の封止端部を切断し、管の内部の無菌性を維持しながら管要素の開放端部を共に溶融結合する、上記(53)に記載の耐久性の血液処理装置。
【0126】
添付の図面に示された具体的に図示された構造と方法を参照して、本主題の様々な独立した、および、関連した局面が記載されたが、本主題は、そのような具体的な構造または方法に限定されないものであり、本開示の範囲から逸脱することなく他の形態と装置への応用を有すると理解される。この理由のため、本主題の範囲を確かめるために、以下の特許請求の範囲への参照が要求される。

図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9